JP2002237029A - 磁化パターン形成方法及び磁化パターン形成装置並びに磁気ディスク及び磁気記録装置 - Google Patents

磁化パターン形成方法及び磁化パターン形成装置並びに磁気ディスク及び磁気記録装置

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JP2002237029A
JP2002237029A JP2001031078A JP2001031078A JP2002237029A JP 2002237029 A JP2002237029 A JP 2002237029A JP 2001031078 A JP2001031078 A JP 2001031078A JP 2001031078 A JP2001031078 A JP 2001031078A JP 2002237029 A JP2002237029 A JP 2002237029A
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pattern
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disk
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Yuzo Seo
雄三 瀬尾
Yoshiyuki Ikeda
祥行 池田
Takeshi Kuriwada
健 栗和田
Toshihiko Kuriyama
俊彦 栗山
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁化パターン形成方法及び磁化パターン形成
装置において、微細な磁化パターンを効率よく更に精度
よく形成することができるようにし、ひいては、磁気デ
ィスク及び磁気記録装置において、短時間かつ安価に提
供できるようにする。 【解決手段】 基板上に磁性層を有してなる磁気ディス
ク1に、マスク12を介してエネルギ線11を照射して
前記磁性層を加熱すると同時に、前記磁性層の加熱部分
に外部磁界を印加して、磁気ディスク1に所望の磁化パ
ターンを形成する磁化パターン形成方法であって、エネ
ルギ線11を照射して、マスク12に形成されたパター
ンを等倍率又は所定の縮小倍率で磁気ディスク1の一部
に投影するとともに、磁気ディスク1を回転させること
で磁気ディスク1に対するエネルギ線11の照射位置を
磁気ディスク1の周方向に変化させて磁気ディスク1に
所望の磁化パターンを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスクに用
いられる磁化パターン形成方法及び磁化パターン形成装
置並びに磁気ディスク及び磁気記録装置に関し、特に、
浮上型/接触型磁気ヘッドで記録再生を行うに適した、
磁化パターン形成方法及び磁化パターン形成装置並びに
磁気ディスク及び磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置(ハードディスクドラ
イブ)に代表される磁気記録装置はコンピュータなどの
情報処理装置の外部記憶装置として広く用いられ、近年
は動画像の録画装置やセットトップボックスのための記
録装置としても使用されつつある。
【0003】磁気ディスク装置(ハードディスクドライ
ブ)は、通常、磁気ディスクを1枚或いは複数枚を串刺
し状に固定するシャフトと、該シャフトにベアリングを
介して接合された磁気ディスクを回転させるモータと、
記録及び/又は再生に用いる磁気ヘッドと、該ヘッドが
取り付けられたアームと、ヘッドアームを介してヘッド
を磁気記録媒体上の任意の位置に移動させることのでき
るアクチュエータとからなり、記録再生用ヘッドが磁気
記録媒体上を一定の浮上量で移動している。
【0004】また、浮上型ヘッドの他に媒体との距離を
より縮めるために、コンタクトヘッド(接触型ヘッド)
の使用も提案されている。磁気ディスク装置に搭載され
る磁気記録媒体は、一般にアルミニウム合金などからな
る基板の表面にNiP層を形成し、所要の平滑化処理、
テキスチャリング処理などを施した後、その上に、金属
下地層、磁性層(情報記録層)、保護層、潤滑層などを
順次形成して作製されている。あるいは、ガラスなどか
らなる基板の表面に金属下地層、磁性層(情報記録
層)、保護層、潤滑層などを順次形成して作製されてい
る。磁気記録媒体には面内磁気記録媒体と垂直磁気記録
媒体とがある。面内磁気記録媒体は、通常、長手記録が
行われる。
【0005】磁性層上の保護層は浮上する磁気ヘッドの
衝突や接触型ヘッドとの摺動による磁性層の損傷を防
ぎ、さらに潤滑層は磁気ヘッドと媒体との間に潤滑性を
付与する。本構成により浮上型/接触型磁気ヘッドでの
記録再生が可能となる。浮上型/接触型ヘッドの使用に
より磁性層とヘッドとの距離を小さくできるため、他方
式のヘッドを用いる光ディスクや光磁気ディスクなどに
比べ格段に高密度の情報記録が可能となる。
【0006】磁気記録媒体の高密度化は年々その速度を
増しており、これを実現する技術には様々なものがあ
る。例えば磁気ヘッドの浮上量をより小さくしたり磁気
ヘッドとしてGMRヘッドを採用したり、また磁気ディ
スクの記録層に用いる磁性材料を保磁力の高いものにす
るなどの改良や、磁気ディスクの情報記録トラックの間
隔を狭くするなどが試みられている。例えば100Gb
it/inch2を実現するには、トラック密度は10
0ktpi以上が必要とされる。
【0007】各トラックには、磁気ヘッドを制御するた
めの制御用磁化パターンが形成されている。例えば磁気
ヘッドの位置制御に用いる信号や同期制御に用いる信号
である。情報記録トラックの間隔を狭めてトラック数を
増加させると、データ記録/再生用ヘッドの位置制御に
用いる信号(以下、「サーボ信号」と言うことがあ
る。)もそれに合わせてディスクの半径方向に対して密
に、すなわちより多く設けて精密な制御を行えるように
しなければならない。
【0008】また、データ記録に用いる以外の領域、即
ちサーボ信号に用いる領域や該サーボ領域とデータ記録
領域の間のギャップ部を小さくしてデータ記録領域を広
くし、データ記録容量を上げたいとの要請も大きい。こ
のためにはサーボ信号の出力を上げたり同期信号の精度
を上げる必要がある。従来広く製造に用いられている方
法は、ドライブ(磁気記録装置)のヘッドアクチュエー
タ近傍に穴を開け、その部分にエンコーダ付きのピンを
挿入し、該ピンでアクチュエータを係合し、ヘッドを正
確な位置に駆動してサーボ信号を記録するものである。
しかしながら、位置決め機構とアクチュエータの重心が
異なる位置にあるため、高精度のトラック位置制御がで
きず、サーボ信号を正確に記録するのが困難であった。
【0009】一方、レーザービームを磁気ディスクに照
射してディスク表面を局所的に変形させ物理的な凹凸を
形成することで、凹凸サーボ信号を形成する技術も提案
されている。しかし、凹凸により浮上ヘッドが不安定と
なり記録再生に悪影響を及ぼす、凹凸を形成するために
大きなパワーをもつレーザービームを用いる必要があり
コストがかかる、凹凸を1ずつ形成するために時間がか
かる、といった問題があった。
【0010】このため新しいサーボ信号形成法が提案さ
れている。一例は、高保磁力の磁性層を持つマスターデ
ィスクにサーボパターンを形成し、マスターディスクを
磁気記録媒体に密着させるとともに、外部から補助磁界
をかけて磁化パターンを転写する方法である(USP
5,991,104号)。他の例は、媒体を予め一方向
に磁化しておき、マスターディスクに高透磁率で低保磁
力の軟磁性層をパターニングし、マスターディスクを媒
体に密着させるとともに外部磁界をかける方法である。
軟磁性層がシールドとして働き、シールドされていない
領域に磁化パターンが転写される〔特開昭50−602
12号公報(USP3,869,711号)、特開平1
0−40544号公報(EP915456号)、Digest
of InterMag 2000, GP-06、参照〕。
【0011】本技術はマスターディスクを用い、強力な
磁界によって磁化パターンを媒体に形成している。一般
に磁界の強度は距離に依存するので、磁界によって磁化
パターンを記録する際には、漏れ磁界によってパターン
境界が不明瞭になりやすい。そこで、漏れ磁界を最小に
するためにマスターディスクと媒体を密着させることが
不可欠である。そしてパターンが微細になるほど、隙間
なく完全に密着させる必要があり、通常、両者は真空吸
着などにより圧着される。
【0012】また、媒体の保磁力が高くなるほど転写に
用いる磁界も大きくなり、漏れ磁界も大きくなるため、
更に完全に密着させる必要がある。従って上記技術は、
圧着しやすい可撓性のフロッピー(登録商標)ディスク
や、あまり強く密着しなくてよい保磁力の低い磁気ディ
スクには適用しやすいが、硬質基板を用いた、高密度記
録用の保磁力が3000Oe以上もあるような磁気ディ
スクへの適用が非常に難しい。
【0013】即ち、硬質基板の磁気ディスクは、密着の
際に微小なゴミ等を挟み込み媒体に欠陥が生じたり、或
いは高価なマスターディスクを痛めてしまう恐れがあっ
た。特にガラス基板の場合、ゴミの挟み込みで密着が不
十分になり磁気転写できなかったり、磁気記録媒体にク
ラックが発生したりするという問題があった。また、特
開昭50−60212号(USP3,869,711
号)に記載されたような技術では、ディスクのトラック
方向に対して斜めの角度を有したパターンは、記録は可
能であるが信号強度の弱いパターンしか作れないという
問題があった。保磁力が2000〜2500Oe以上の
高保磁力の磁気記録媒体に対しては、転写の磁界強度を
確保するために、マスターディスクのパターン用強磁性
体(シールド材)は、パーマロイあるいはセンダスト等
の飽和磁束密度の大きい軟磁性体を使わざるを得ない。
【0014】しかし、斜めのパターンでは、磁化反転の
磁界はマスターディスクの強磁性層が作るギャップに垂
直方向となってしまい所望の方向に磁化を傾けることが
できない。その結果、磁界の一部が強磁性層に逃げてし
まい磁気転写の際に所望の部位に十分な磁界がかかりに
くく、十分な磁化反転パターンを形成できず高い信号強
度が得にくくなってしまう。こうした斜めの磁化パター
ンは、再生出力が、トラックに垂直のパターンに対して
アジマスロス以上に大きく減ってしまう。
【0015】これに対して、特願2000−13460
8号及び特願2000−134611号の明細書に記載
された技術は、局所加熱と外部磁界印加を組み合わせて
磁気記録媒体に磁化パターンを形成する。例えば、媒体
を予め一方向に磁化しておき、パターニングされたマス
クを介してエネルギ線等を照射し局所的に加熱し、該加
熱領域の保磁力を下げつつ外部磁界を印加し、加熱領域
に外部磁界による記録を行い、磁化パターンを形成す
る。
【0016】本技術によれば、加熱により保磁力を下げ
て外部磁界を印加するので、外部磁界が媒体の保磁力よ
り高い必要はなく、弱い磁界で記録できる。そして、記
録される領域が加熱領域に限定され、加熱領域以外には
磁界が印加されても記録されないので、媒体にマスク等
を密着させなくても明瞭な磁化パターンが記録できる。
このため圧着によって媒体やマスクを傷つけることな
く、媒体の欠陥を増加させることもない。
【0017】また、本技術では斜めの磁化パターンも良
好に形成できる。従来のようにマスターディスクの軟磁
性体によって外部磁界をシールドする必要がないためで
ある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】このように、特願20
00−134608号及び特願2000−134611
号の明細書に記載された磁化パターン形成技術は、各種
の微細な磁化パターンを効率よく精度よく形成でき、し
かも媒体やマスクを傷つけることなく媒体の欠陥を増加
させることもない優れた技術である。
【0019】本技術においては、マスクのパターニング
精度により磁化パターンの精度がある程度決まってしま
うため、本技術を有効に利用するにはマスクの微細加工
を精度良く行う必要がある。磁化パターンがさらに微細
化し1〜2μm或いはサブミクロン単位となると、加工
精度の限界からマスクが精度良くパターニングできず、
またマスクと媒体とのアライメント精度が悪化し、十分
な精度の磁化パターンが得られないおそれがある。
【0020】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、局所加熱と外部磁界印加を組み合わせて磁気
記録媒体に磁化パターンを形成する技術において、微細
な磁化パターンを効率よく更に精度よく形成することが
できるようにした、磁化パターン形成方法及び磁化パタ
ーン形成装置を提供し、ひいてはより高密度記録が可能
な磁気ディスク及び磁気記録装置を短時間かつ安価に提
供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の磁化パターン形成方法は、基板上に磁性層を
有してなる磁気ディスクに、マスクを介してエネルギ線
を照射して前記磁性層を加熱すると同時に、前記磁性層
の加熱部分に外部磁界を印加して、前記磁気ディスクに
所望の磁化パターンを形成する磁化パターン形成方法で
あって、前記エネルギ線を照射して、前記マスクに形成
されたパターンを等倍率又は所定の縮小倍率で前記磁気
ディスクの一部に投影するとともに、前記磁気ディスク
に対する前記エネルギ線の照射位置を前記磁気ディスク
の周方向に変化させて前記磁気ディスクに所望の磁化パ
ターンを形成することを特徴としている。
【0022】この場合、前記磁気ディスクに、外部磁界
を印加して前記磁性層を予め所望の方向に一様に磁化
し、前記エネルギ線を照射して前記磁性層を加熱すると
同時に、前記磁性層の加熱部分に外部磁界を印加して前
記所望の方向とは逆方向に磁化して、前記磁気ディスク
に所望の磁化パターンを形成することが好ましい(請求
項2)。
【0023】また、前記マスクに形成されたパターン
を、前記磁気ディスクの中心部近傍と最外周部近傍との
間で半径方向に沿って前記磁気ディスクの一部に対して
投影することが好ましい(請求項3)。さらに、前記マ
スクには、前記磁気ディスクに形成されるべき磁化パタ
ーンの全体に対応するパターンが一括して形成され、前
記磁気ディスクと前記マスクとを同期させて回転させる
ことが好ましい(請求項4)。
【0024】この場合、前記マスクと前記磁気ディスク
との間に前記磁気ディスクに対して前記マスクに形成さ
れたパターンを投影する投影光学系をそなえ、前記マス
クの回転中心と前記投影光学系のエネルギ線入射中心と
の距離Aと、前記磁気ディスクの回転中心と前記投影光
学系のエネルギ線出射中心との距離Bとの比(A/B)
が、前記等倍率又は前記所定縮小倍率に等しいことが好
ましい(請求項5)。
【0025】さらに、前記磁気ディスクと前記マスクと
を同軸で回転させるとともに前記マスクパターンの正立
像が前記磁気ディスクに投影されることが好ましい(請
求項6)。前記マスクには、前記磁気ディスクに形成さ
れるべき磁化パターンの一部と対応するパターンが形成
されていることが好ましい(請求項7)。
【0026】この場合、前記マスクは、互いに異なる種
類で複数そなえられており、前記複数のマスクの中か
ら、マスクパターンが前記磁気ディスクに投影されるマ
スクを選択して切り換えることが好ましい(請求項
8)。前記磁気ディスクの一部に対する前記マスクパタ
ーンの投影を、前記磁気ディスクの一部領域であって磁
化パターン形成領域の半径方向幅を含む領域に対して、
前記磁気ディスクの半径よりも小さなスポット径のエネ
ルギ線を照射して行なうとともに、前記磁気ディスクを
1回転させる毎に前記エネルギ線を前記磁気ディスクの
半径方向に所定量だけ移動させて前記磁気ディスクに所
望の磁化パターンを形成することが好ましい(請求項
9)。
【0027】また、前記磁気ディスクの一部に対する前
記マスクパターンの投影を、前記磁気ディスクの一部領
域であって磁化パターン形成領域の半径方向幅を含む領
域に対して、前記磁気ディスクの半径よりも小さなスポ
ット径のエネルギ線を前記半径方向に沿って走査させる
ことにより行なってもよい(請求項10)。或いは、前
記磁気ディスクの一部に対する前記マスクパターンの投
影を、前記磁気ディスクの一部領域であって磁化パター
ン形成領域の半径方向幅を含む領域に対して同時に行な
ってもよい(請求項11)。
【0028】この場合、前記磁気ディスクに対して中心
部近傍と最外周部近傍との間で半径方向に沿って前記マ
スクパターンの投影を行なう毎に、前記磁気ディスクを
所定量だけ回転させて前記磁気ディスクに所望の磁化パ
ターンを形成してもよい(請求項12)。前記マスク
が、前記磁化パターンに応じて形成され、前記エネルギ
線を透過しうる透過部を備えることが好ましい(請求項
13)。
【0029】前記マスクと前記磁気ディスクとの間に遮
光板を介在させることが好ましい(請求項14)。前記
磁化パターンの最小幅が、2μm以下であることが好ま
しい(請求項15)。前記磁化パターンが、前記磁気デ
ィスクの記録再生用ヘッドの位置制御を行なうためのサ
ーボパターン又はサーボパターン記録用の基準パターン
を含むことが好ましい(請求項16)。
【0030】請求項17記載の本発明の磁気ディスク
は、請求項1〜16の何れか1項に記載の磁化パターン
形成方法により磁化パターンを形成されてなることを特
徴としている。請求項18記載の本発明の磁気記録装置
は、磁気ディスクと、前記磁気ディスクを記録方向に駆
動する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッド
と、前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクに対して相対移
動させる移動手段と、前記磁気ヘッドヘの記録信号入の
入力と前記磁気ヘッドからの再生信号の出力とを行なう
ための記録・再生信号処理手段とを有する磁気記録装置
であって、前記磁気ディスクが、請求項1〜16の何れ
か1項に記載の磁化パターン形成方法により磁化パター
ンを形成されてなることを特徴としている。
【0031】請求項19記載の本発明の磁化パターン形
成装置は、基板上に磁性層を有してなる磁気ディスクに
所望の磁化パターンを形成する磁化パターン形成装置で
あって、前記所望の磁化パターンと同一又は相似形のパ
ターンを有するマスクと、前記磁性層を加熱すべく前記
マスクを介して入射されるエネルギ線を前記磁気ディス
クの一部に照射して前記マスクパターンを等倍率又は所
定の縮小倍率で投影する投影光学系と、前記磁気ディス
クに前記外部磁界を印加する外部磁界印加手段と、前記
磁気ディスクを回転させるディスク用回転駆動手段とを
そなえて構成されていることを特徴としている。
【0032】この場合、前記投影光学系が、前記マスク
に形成されたパターンを、前記磁気ディスクの中心部近
傍と最外周部近傍との間で半径方向に沿って前記磁気デ
ィスクの一部に対して投影することが好ましい(請求項
20)また、前記マスクを回転させるマスク用回転駆動
手段をそなえるとともに、前記マスクには、前記磁気デ
ィスクに形成されるべき磁化パターンの全体に対応する
パターンが一括して形成され、前記ディスク用回転駆動
手段及び前記マスク用回転駆動手段により、前記磁気デ
ィスク及び前記マスクをそれぞれ同期させて回転させる
ことが好ましい(請求項21)。
【0033】また、前記マスクの回転中心と前記投影光
学系のエネルギ線入射中心との距離Aと、前記磁気ディ
スクの回転中心と前記投影光学系のエネルギ出射中心と
の距離Bとの比(A/B)が、前記投影光学系の前記等
倍率又は前記所定縮小倍率に等しく設定されていること
が好ましい(請求項22)。また、前記マスク用回転駆
動手段及び前記ディスク用回転駆動手段とが、前記マス
ク及び前記磁気ディスクを同軸上で回転駆動するディス
ク/マスク用回転駆動手段として一体に構成され、前記
マスクパターンの正立像が前記磁気ディスクに投影され
るように、前記投影光学系の仕様が設定されていること
が好ましい(請求項23)。
【0034】前記マスクには、前記磁気ディスクに形成
されるべき磁化パターンの一部と対応するパターンが形
成されていることが好ましい(請求項24)。また、前
記マスクが互いに異なる種類で複数そなえられるととも
に、マスク切換手段がそなえられ、前記マスク切換手段
は、前記複数のマスクの中から所定のマスクを選択して
前記エネルギ線の照射位置へ移動させることにより、マ
スクパターンが前記磁気ディスクに投影されるマスクを
前記所定のマスクに切り換えるようにしても良い(請求
項25)。
【0035】前記エネルギ線が、前記マスクを介して、
前記磁気ディスクの一部領域であって磁化パターン形成
領域の半径方向幅を含む領域に対して、前記磁気ディス
クの半径よりも小さなスポット径で照射され、前記磁気
ディスクの半径方向に沿ったエネルギ線の投影を行なう
べく、前記エネルギ線を上記半径方向に沿って走査させ
る走査手段をそなえ、前記ディスク用回転駆動手段によ
り前記磁気ディスクを1回転させる毎に、前記走査手段
により前記エネルギ線を前記磁気ディスクの半径方向に
沿って所定量だけ走査させて前記磁気ディスクに所望の
磁化パターンを形成してもよい(請求項26)。
【0036】前記エネルギ線が、前記マスクを介して、
前記磁気ディスクの一部領域であって磁化パターン形成
領域の半径方向幅を含む領域に対して、前記磁気ディス
クの半径よりも小さなスポット径で照射され、前記磁気
ディスクの半径方向に沿ったエネルギ線の投影を行なう
べく、前記エネルギ線を上記半径方向に沿って走査させ
る走査手段をそなえていても良い(請求項27)。
【0037】又は、前記磁気ディスクの半径方向に沿っ
たエネルギ線の投影を行なうべく、前記エネルギ線が、
前記磁気ディスクの一部領域であって磁化パターン形成
領域の半径方向幅を含む領域に対して同時に照射される
ようにしても良い(請求項28)。前記磁気ディスクに
対して中心部近傍と最外周部近傍との間で半径方向に沿
って前記マスクパターンの投影を行なう毎に、前記ディ
スク用回転駆動手段により前記磁気ディスクを所定量だ
け回転させて前記磁気ディスクに所望の磁化パターンを
形成するようにしても良い(請求項29)。
【0038】前記マスクが、前記パターンに応じて形成
され、前記エネルギ線を透過しうる透過部を備えること
が好ましい(請求項30)。前記マスクと前記磁気ディ
スクとの間に遮光板を介在させることが好ましい(請求
項31)。前記磁化パターンの最小幅が、2μm以下で
あることが好ましい(請求項32)。
【0039】前記磁化パターンが、前記磁気ディスクの
記録再生用ヘッドの位置制御を行なうためのサーボパタ
ーン又はサーボパターン記録用の基準パターンを含むこ
とが好ましい(請求項33)。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態にかか
る磁気記録装置(磁気ディスク)に用いられる磁化パタ
ーン形成装置及び磁化パターン形成方法について、図面
を参照しながら詳細に説明する。本発明においては、局
所加熱と外部磁界印加とを組み合わせて磁気ディスクに
磁化パターンを形成する場合に、スポット状のエネルギ
線で磁気ディスクを走査することで加熱を行なって磁化
パターンを形成するので、投影光学系として小型で安価
なものを採用しながら、短期間で効率的に磁化パターン
を形成できるという利点がある。また、縮小投影を行な
うことにより、微細な磁化パターンを高精度で形成する
ことができる。 (第1実施形態の説明)本発明の第1実施形態にかかる
磁化パターン形成装置及び磁化パターン形成方法につい
て、図1〜図7を参照しながら説明する。
【0041】先ず、本実施形態にかかる磁化パターン形
成装置(方法)を用いて磁化パターンを形成する磁気デ
ィスクについて説明する。本実施形態では、磁気ディス
クは、以下のように構成される。つまり、磁気ディスク
の基板としては、高速記録再生時に高速回転させても振
動しない必要があり、通常、硬質基板が用いられる。振
動しない十分な剛性を得るため、基板厚みは一般に0.
3mm以上が好ましい。但し厚いと磁気記録装置の薄型
化に不利なため、3mm以下が好ましい。例えば、Al
を主成分とした例えばAl−Mg合金等のAl合金基板
や、Mgを主成分とした例えばMg−Zn合金等のMg
合金基板、通常のソーダガラス、アルミノシリケート系
ガラス、非結晶ガラス類、シリコン、チタン、セラミッ
クス、各種樹脂のいずれかからなる基板やそれらを組み
合わせた基板などを用いることができる。中でもAl合
金基板や強度の点では結晶化ガラス等のガラス製基板、
コストの点では樹脂製基板を用いることが好ましい。
【0042】本実施形態にかかる磁化パターン形成装置
(方法)では、後述するように、マスクと磁気ディスク
とが非接触なので、従来の磁気転写法のように硬質基板
を有する磁気ディスクとマスターディスクとの密着が不
十分になり傷や欠陥が発生したり転写された磁区の境界
が不明確でPW50が広がりやすいと言った問題がな
く、硬質基板を有する磁気ディスクに適用すると効果が
高い。特に、ガラス製基板のようにクラックの入りやす
い基板を有する磁気ディスクには効果的である。
【0043】ここで、本磁化パターン形成装置(方法)
を適用しうる磁気ディスクは、基板上に磁性層を有して
なる円盤状の磁気記録媒体であれば良く、例えばハード
ディスクや光磁気ディスク等が含まれる。磁気ディスク
の製造工程においては、まず基板の洗浄・乾燥が行われ
るのが通常であり、本発明においても各層の密着性を確
保する見地からもその形成前に洗浄、乾燥を行うことが
望ましい。
【0044】本実施形態にかかる磁気ディスクの製造に
際しては、基板表面にNiP等の金属層を形成してもよ
い。金属層を形成する場合に、その手法としては、無電
解めっき法、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法
など薄膜形成に用いられる方法を利用することができ
る。導電性の材料からなる基板の場合であれば電解めっ
きを使用することが可能である。金属層の膜厚は50n
m以上が好ましい。ただし、磁気ディスクの生産性など
を考慮すると500nm以下であることが好ましい。さ
らに好ましくは300nm以下である。
【0045】また、金属層を成膜する領域は基板表面全
域が望ましいが、一部だけ、例えばテキスチャリングを
施す領域のみでも実施可能である。また、基板表面、又
は基板に金属層が形成された表面に同心状テキスチャリ
ングを施してもよい。本実施形態において同心状テキス
チャリングとは、例えば遊離砥粒とテキスチャーテープ
を使用した機械式テキスチャリングやレーザ光線などを
利用したテキスチャリング加工、又はこれらを併用する
ことによって、円周方向に研磨することによって基板円
周方向に微小溝を多数形成した状態を指称する。
【0046】機械的テキスチャリングを施すための遊離
砥粒の種類としてはダイアモンド砥粒、中でも表面がグ
ラファイト化処理されているものが最も好ましい。機械
的テキスチャリングに用いられる砥粒としては他にアル
ミナ砥粒が広く用いられているが、特にテキスチャリン
グ溝に沿って磁化容易軸を配向させるという面内配向媒
体の観点から考えるとダイアモンド砥粒が極めて良い性
能を発揮する。
【0047】ヘッド浮上量ができるだけ小さいことが高
密度磁気記録の実現には有効であり、またこれら基板の
特長のひとつが優れた表面平滑性にあることから、基板
表面の粗度Raは2nm以下が好ましく、より好ましく
は1nm以下である。特に0.5nm以下が好ましい。
なお、基板表面粗度Raは、触針式表面粗さ計を用いて
測定長400μmで測定後、JIS B0601に則っ
て算出した値である。このとき測定用の針の先端は半径
0.2μm程度の大きさのものが使用される。
【0048】次に基板上には、磁性層との間に下地層等
を形成してもよい。下地層は、結晶を微細化し、かつそ
の結晶面の配向を制御することを目的とし、Crを主成
分とするものが好ましく用いられる。Crを主成分とす
る下地層の材料としては、純Crのほか、記録層との結
晶マッチングなどの目的で、CrにV、Ti、Mo、Z
r、Hf、Ta、W、Ge、Nb、Si、Cu、Bから
選ばれる1又は2以上の元素を添加した合金や酸化Cr
なども含む。
【0049】中でも純Cr、又はCrにTi、Mo、
W、V、Ta、Si、Nb、Zr及びHfから選ばれる
1又は2以上の元素を添加した合金が好ましい。これら
第二、第三元素の含有量はそれぞれの元素によって最適
な量が異なるが、一般には1原子%〜50原子%が好ま
しく、より好ましくは5原子%〜30原子%、さらに好
ましくは5原子%〜20原子%の範囲である。
【0050】下地層の膜厚はこの異方性を発現させ得る
に十分なものであればよいが、好ましくは0.1〜50
nmであり、より好ましくは0.3〜30nm、さらに
好ましくは0.5〜10nmである。Crを主成分とす
る下地層の成膜時は基板加熱を行っても行なわなくても
よい。下地層の上には、記録層との間に、場合により軟
磁性層を設けても良い。特に磁化遷移ノイズの少ないキ
ーパーメディア、或いは磁区がメディア面内に対して垂
直方向にある垂直記録媒体には、効果が大きく、好適に
用いられる。
【0051】軟磁性層は透磁率が比較的高く損失の少な
いものであればよいが、NiFeや、それに第3元素と
してMo等を添加した合金が好適に用いられる。最適な
透磁率は、データの記録に利用されるヘッドや記録層の
特性によっても大きく変わるが、概して、最大透磁率が
10〜1000000(H/m)程度であることが好ま
しい。
【0052】或いはまた、Crを主成分とする下地層上
に必要に応じた中間層を設けても良い。例えばCoCr
系中間層を設けると、磁性層の結晶配向が制御しやすく
好ましい。次に記録層(磁性層)を形成するが、記録層
と軟磁性層の間には下地層と同一材料の層又は他の非磁
性材料が挿入されていてもよい。記録層の成膜時は、基
板加熱を行っても行なわなくてもよい。
【0053】記録層としては、Co合金磁性層、TbF
eCoを代表とする希土類系磁性層、CoとPdの積層
膜を代表とする遷移金属と貴金属系の積層膜等が好まし
く用いられる。Co合金磁性層としては、通常、純Co
やCoNi、CoSm、CoCrTa、CoNiCr、
CoCrPtなどの磁性材料として一般に用いられるC
o合金磁性材料を用いうる。これらのCo合金に更にN
i、Cr、Pt、Ta、W、Bなどの元素やSiO2
の化合物を加えたものでも良い。例えばCoCrPtT
a、CoCrPtB、CoNiPt、CoNiCrPt
B等が挙げられる。Co合金磁性層の膜厚は任意である
が、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以
上である。また、好ましくは50nm以下、より好まし
くは30nm以下である。また、本記録層は、適当な非
磁性の中間層を介して、或いは直接2層以上積層しても
よい。その時、積層される磁性材料の組成は、同じであ
っても異なっていてもよい。
【0054】希土類系磁性層としては、磁性材料として
一般的なものを用いうるが、例えばTbFeCo、Gd
FeCo、DyFeCo、TbFeなどが挙げられる。
これらの希土類合金にTb、Dy、Hoなどを添加して
もよい。酸化劣化防止の目的からTi、Al、Ptが添
加されていてもよい。希土類系磁性層の膜厚は、任意で
あるが、通常5〜100nm程度である。また、本記録
層は、適当な非磁性の中間層を介して、或いは直接2層
以上積層してもよい。その時、積層される磁性材料の組
成は、同じであっても異なっていてもよい。特に希土類
系磁性層は、アモルファス構造膜であり、かつメディア
面内に対して垂直方向に磁化を持つため高記録密度記録
に適し、高密度かつ高精度に磁化パターンを形成できる
本発明の方法がより効果的に適用できる。
【0055】同様に垂直磁気記録が行える、遷移金属と
貴金属系の積層膜としては、磁性材料として一般的なも
のを用いうるが、例えばCo/Pd、Co/Pt、Fe
/Pt、Fe/Au、Fe/Agなどが挙げられる。こ
れらの積層膜材料の遷移金属、貴金属は、特に純粋なも
のでなくてもよく、それらを主とする合金であってもよ
い。積層膜の膜厚は、任意であるが、通常5〜1000
nm程度である。また、必要に応じて3種以上の材料の
積層であってもよい。
【0056】本実施形態では、記録層としての磁性層
は、室温において磁化を保持し、加熱時に消磁される
か、或いは加熱と同時に外部磁界を印加されることで磁
化される。磁性層の室温での保磁力は、室温において磁
化を保持し、かつ適当な外部磁界により均一に磁化され
るものである必要がある。磁性層の室温での保磁力を2
000Oe以上とすることで、小さな磁区が保持でき高
密度記録に適した磁気ディスクが得られる。より好まし
くは3000Oe以上である。
【0057】従来の磁気転写法では、あまり保磁力が高
い磁気ディスクには転写が困難であったが、本実施形態
においては磁性層を加熱し保磁力を十分に下げて磁化パ
ターンを形成するため、保磁力の大きい媒体への適用が
好ましい。ただし、好ましくは20000Oe以下とす
る。20000Oeを超えると、一括磁化のために大き
な外部磁界が必要となり、また通常の磁気記録が困難と
なる可能性がある。
【0058】磁性層は、室温において磁化を保持しつ
つ、適当な加熱温度では弱い外部磁界で磁化されるもの
である必要がある。また室温と磁化消失温度との差が大
きい方が磁化パターンの磁区が明瞭に形成しやすい。こ
のため磁化消失温度は高いほうが好ましく、100℃以
上が好ましくより好ましくは150℃以上である。例え
ば、キュリー温度近傍(キュリー温度のやや下)や補償
温度近傍に磁化消失温度がある。
【0059】キュリー温度は、好ましくは100℃以上
である。100℃未満では、室温での磁区の安定性が低
い傾向がある。より好ましくは150℃以上である。ま
た好ましくは700℃以下である。磁性層をあまり高温
に加熱すると、変形してしまう可能性があるためであ
る。磁気ディスクが面内磁気記録媒体である場合、高密
度用の高い保磁力を持った磁気ディスクに対しては従来
の磁気転写法では飽和記録が難しく、磁界強度の高い磁
化パターン生成が困難となり、半値幅も広がってしま
う。このような高記録密度に適した面内記録媒体でも、
本実施形態によれば良好な磁化パターン形成が可能とな
る。特に、該磁性層の飽和磁化が50emu/cc以上
である場合は、反磁界の影響が大きいので本発明を適用
する効果が大きい。
【0060】100emu/cc以上だとより効果が高
い。ただしあまり大きいと磁化パターンの形成がしにく
いため、500emu/cc以下が好ましい。磁気ディ
スクが垂直磁気記録媒体であり、磁化パターンが比較的
大きく1磁区の単位体積が大きい場合は、飽和磁化が大
きくなり、磁気的な減磁作用で磁化反転が起こりやすい
ためそれがノイズとなり半値幅を悪化させる。しかし、
本実施形態では、軟磁性を使用した下地層の併用で、こ
れらの磁気ディスクにも良好な記録が可能となる。
【0061】これらの記録層は、記録容量増大などのた
めに、二層以上設けても良い。このとき間には他の層を
介装するのが好ましい。本発明においては、磁性層上に
保護層を形成するのが好ましい。すなわち、媒体の最表
面を硬質の保護層により覆う。保護層はヘッドや衝突や
塵埃・ゴミ等のマスクとの挟み込みによる磁性層の損傷
を防ぐ働きをする。本発明のようにマスクを用いた磁化
パターン形成法を適用する際には、マスクとの接触から
媒体を保護する働きもある。
【0062】また、本発明において保護層は、加熱され
た磁性層の酸化を防止する効果もある。磁性層は一般に
酸化されやすく、加熱されると更に酸化されやすい。本
発明では磁性層をエネルギ線などで局所的に加熱するた
め、酸化を防ぐため保護層を磁性層上に予め形成してお
くのが好ましい。磁性層が複数層ある場合には、最表面
に近い磁性層の上に保護層を設ければよい。保護層は磁
性層上に直接設けても良いし、必要に応じて間に他の働
きをする層をはさんでも良い。
【0063】エネルギ線の一部は保護層でも吸収され、
熱伝導によって磁性層を局所的に加熱する働きをする。
このため保護層が厚すぎると横方向への熱伝導により磁
化パターンがぼやけてしまう可能性があるので、膜厚は
薄いほうが好ましい。また、記録再生時の磁性層とヘッ
ドとの距離を小さくするためにも薄い方が好ましい。し
たがって、50nm以下が好ましく、より好ましくは3
0nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。た
だし、充分な耐久性を得るためには0.1nm以上が好
ましく、より好ましくは1nm以上である。
【0064】保護層としては、硬質で酸化に強い性質を
有していればよい。一般にカーボン、水素化カーボン、
窒素化カーボン、アモルファスカーボン、SiC等の炭
素質層やSiO2、Zr23、SiN、TiNなどが用
いられる。保護層が磁性を有する材料であっても良い。
磁気ディスクにおいては、ヘッドと磁性層との距離を極
限まで近づけるため、非常に硬質の保護層を薄く設ける
ことが好ましい。したがって耐衝撃性及び潤滑性の点で
炭素質保護膜が好ましく、特にダイヤモンドライクカー
ボンが好ましい。エネルギ線による磁性層の損傷防止の
役割を果たすだけでなく、ヘッドによる磁性層の損傷に
も極めて強くなる。本発明の磁化パターン形成方法は、
炭素質保護層のような不透明な保護層に対しても適用で
きる。
【0065】また、保護層が2層以上の層から形成され
ていてもよい。磁性層の直上の保護層としてもCrを主
成分とする層を設けると、磁性層への酸素透過を防ぐ効
果が高く好ましい。さらに、保護層上には潤滑層を形成
するのが好ましい。媒体のマスク及び磁気ヘッドによる
損傷を防ぐ機能を持つ。潤滑層に用いる潤滑剤として
は、フッ素系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤及びこれらの混
合物等が挙げられ、ディップ法、スピンコート法などの
常法で塗布することができる。蒸着法で成膜しても良
い。磁化パターン形成の妨げとならないために潤滑層は
薄い方が好ましく、10nm以下が好ましい。より好ま
しくは4nm以下である。十分な潤滑性能を得るために
は0.5nm以上が好ましい。より好ましくは1nm以
上である。
【0066】潤滑層上からエネルギ線を照射する場合に
は、潤滑剤のダメージ(分解、重合)等を考慮し、再塗
布などを行ってもよい。また、以上の層構成には他の層
を必要に応じて加えてもよい。本実施形態の制御用磁化
パターン形成法は、潤滑層の形成前に行っても形成後に
行ってもよい。
【0067】更に、浮上型/接触型ヘッドの走行安定性
を損なわないよう、制御用磁化パターン形成後の該磁気
ディスクの表面粗度Raを3nm以下に保つのが好まし
い。なお、磁気ディスク表面粗度Raとは潤滑層を含ま
ない磁気ディスク表面の粗度であって、触針式表面粗さ
計を用いて測定長400μmで測定後、JIS B06
01に則って算出した値である。より好ましくは1.5
nm以下とする。
【0068】さらに望ましくは制御用磁化パターン形成
後の該磁気ディスクの表面うねりWaを5nm以下に保
つ。Waは潤滑層を含まない磁気ディスク表面のうねり
であって、触針式表面粗さ計を用いて測定長2mmで測
定後、Ra算出に準じて算出した値である。より好まし
くは3nm以下とする。ところで、このように構成され
る磁気ディスクへの制御用磁化パターンの形成は、記録
層に対して行う。記録層上に保護層、又は保護層と潤滑
層を形成した後に既述のいずれかの方法で行うのが好ま
しいが、記録層の酸化の心配がない場合は記録層の成膜
直後に行っても良い。
【0069】磁気ディスクの各層を形成する成膜方法と
しては各種の方法が採りうるが、例えば直流(マグネト
ロン)スパッタリング法、高周波(マグネトロン)スパ
ッタリング法、ECRスパッタリング法、真空蒸着法な
どの物理的蒸着法が挙げられる。また、成膜時の条件と
しては、得るべき磁気ディスクの特性に応じて、到達真
空度、基板加熱の方式と基板温度、スパッタリングガス
圧、バイアス電圧等を適宜決定する。例えば、スパッタ
リング成膜では、通常の場合、到達真空度は5×10-6
Torr以下、基板温度は室温〜400℃、スパッタリ
ングガス圧は1×10-3〜20×10-3Torr、バイ
アス電圧は0〜−500Vが好ましい。
【0070】成膜にあたっては、非磁性基板を加熱する
場合は下地層形成前に行っても良い。或いは、熱吸収率
が低い透明な基板を使用する場合には、熱吸収率を高く
するため、Crを主成分とする種子層又はB2結晶構造
を有する下地層を形成してから基板を加熱し、しかる後
に記録層等を形成しても良い。記録層が、希土類系の磁
性層の場合には、腐食・酸化防止の見地から、ディスク
の最内周部及び最外周部を最初マスクして、記録層まで
成膜、続く保護層の成膜の際にマスクを外し、記録層を
保護層で完全に覆う方法や、保護層が2層の場合には、
記録層と第一の保護層までをマスクしたまま成膜、第二
の保護層を成膜する際にマスクを外し、やはり記録層を
第二の保護層で完全に覆うようにすると希土類系磁性層
の腐食、酸化が防げて好適である。
【0071】ところで、本実施形態では、上述のように
構成される磁気ディスクに、以下のようにして磁化パタ
ーンを形成する。つまり、基板上に磁性層を有してなる
磁気ディスクに、磁性層を局所的に加熱する工程と、磁
性層に外部磁界を印加する工程とにより磁化パターンを
形成するようにしており、エネルギ線を磁気ディスク表
面に照射することにより磁性層を局所的に加熱するにあ
たり、マスクパターンに応じてエネルギ線を照射し、マ
スクパターンを磁気ディスク表面に等倍率又は縮小倍率
で投影(結像)させるようにしている。
【0072】これによれば、磁化パターンを形成するに
あたり局所加熱と外部磁界印加を組み合わせるので、従
来のように強い外部磁界を用いる必要がない。そして、
加熱領域以外に磁界が印加されても磁化されないので、
磁区形成を加熱領域に限定できる。このため、磁区境界
が明瞭となり、磁化遷移幅が小さく磁区の境界での磁化
遷移が非常に急峻で出力信号の品質が高いパターンが形
成できる。条件を選べば磁化遷移幅を1μm以下にする
ことも可能である。
【0073】そして、従来のように磁気ディスクとマス
ターディスクを圧着させる必要がないので、磁気ディス
クやマスクを傷つけることなく、磁気ディスクの欠陥を
増加させる虞れもない。本技術によればトラックに対し
て斜めの磁化パターンも良好に形成できる。また、局所
加熱にエネルギ線を用いるので、加熱する部位の大きさ
やパワーの制御がしやすく、磁化パターンを精度よく形
成できる。
【0074】更に、本実施形態では、好ましくは、形成
すべき磁化パターンに応じた強度分布を有するパターン
化エネルギ線を磁気ディスク表面に縮小して磁気ディス
ク表面に投影(結像)するので、エネルギ線を対物レン
ズで絞った後マスクを通す場合、すなわち近接露光の場
合に比較して、マスクのパターニング精度やアライメン
ト精度により磁化パターンの精度が制限されることがな
く、より微細な磁化パターンを精度良く形成することが
できる。また、マスクと磁気ディスクとが離間している
ため、磁気ディスク上のゴミの影響も受けにくい。
【0075】光源から出射したエネルギ線は、マスクを
通して強度分布を変化させ、結像レンズなどの結像手段
を通して磁気ディスク表面に結像させる。なお、結像レ
ンズを投影レンズと、縮小結像を縮小投影とそれぞれ称
することもある。マスクは、形成すべき磁化パターンに
応じて磁気ディスク上にエネルギ線の強弱(濃淡)を形
成するものであればよい。例えば、パターンに応じてエ
ネルギ線透過部と非透過部を作成したフォトマスクや、
特定のパターンを磁気ディスク上に結像するようにホロ
グラムが記録されたホログラムマスクなどである。
【0076】本技術においては、マスクと磁気ディスク
との間に結像手段を有する。従来、フォトマスクと磁気
ディスクを密着させてエネルギ線を照射すると、材質に
よってはマスクがエネルギ線を吸収して加熱され、密着
した磁気ディスク表面の温度も上昇し、磁化パターンが
明りょうに書けなくなることがあるが、本発明によれば
この問題点も解決される。
【0077】つまり、磁化パターンが形成される磁気デ
ィスク表面は、パルス状エネルギ線の照射時と非照射時
で温度差が大きい方が、パターンのコントラストを上
げ、或いは記録密度を上げるために好ましい。従ってパ
ルス状エネルギ線の非照射時には磁気ディスク面は室温
以下程度が好ましい。室温とは25℃程度である。マス
クを用いると、複雑な磁化パターンをエネルギ線を照射
するだけで簡便かつ短時間に形成できる。また、磁気ヘ
ッドでは記録しにくい特殊なパターンも容易に形成でき
る。
【0078】例えば、磁気ディスクの位相サーボ方式に
は、内周から外周に、半径及びトラックに対して斜めに
直線的に延びる磁化パターンが用いられる。このよう
な、半径方向に連続したパターンや半径に斜めのパター
ンは、ディスクを回転させながら1トラックずつサーボ
信号を記録する従来のサーボパターン形成方法では作り
にくかった。本発明によれば、複雑な計算や複雑な装置
構成を必要とせず、このような磁化パターンを一度の照
射で簡便かつ短時間に形成できる。
【0079】マスクとしては、エネルギ線を部分的に透
過する透過部を有するマスク、いわゆるフォトマスクを
用いるのが好ましい。フォトマスクは作成が容易で良好
な加工精度が得られやすいので、精度のよいマスクが得
られ、精度の良い磁化パターンが形成できる。マスクの
前にコンデンサレンズを通すと、エネルギ線の強度分布
を均一にでき、かつエネルギ線を効率よく結像レンズに
集めることができ、好ましい。
【0080】本技術は、エネルギ線のビーム径と外部磁
界強度が許す限り、どのような大きさ或いは形状の磁化
パターンにも適用できるが、磁化パターンが微細なほど
効果が高い。磁化パターンの最小幅が2μm以下になる
と、磁気ディスクとマスクのアライメントが特に難しく
なるので、本技術の適用効果が高い。より好ましくは1
μm以下である。形成可能なパターンの下限はなく、理
論的にエネルギ線の波長限界程度までの微細なパターン
が形成できる。例えばエキシマレーザー等で百nm程度
である。
【0081】なお、本願においてパターンの最小幅と
は、パターン中の最も狭い長さを言う。四角形のパター
ンであれば短辺、円形ならば直径、楕円形ならば短径で
ある。また本技術は、縮小結像することでより細かい磁
化パターンが形成できるので、データ記録/再生用ヘッ
ドの位置制御に用いるサーボパターン又は該サーボパタ
ーン記録用の基準パターンの形成に適用すると効果が大
きい。サーボパターンは、磁気ディスク上のデータトラ
ックに記録/再生ヘッドをトラッキングするためのサー
ボ信号を発生するパターンである。
【0082】サーボパターンは、データトラックの位置
制御パターンであるため、サーボパターンの精度が悪い
とヘッド位置制御も粗くなる。サーボパターン以上に位
置精度をもったデータパターンは理論的に記録できず、
したがって媒体の記録密度が高くなるほどサーボパター
ンは高精度に形成される必要がある。本技術は、マスク
を用いるので単純な繰り返し磁化パターンの形成に適
し、かつ縮小結像することでより細かい磁化パターンを
高精度に形成できるので、サーボパターンの作成に用い
ると効果が高い。また、サーボパターンが特殊な、又は
複雑なパターンであっても、マスクを用いることで容易
に形成できる。
【0083】サーボパターンそのものでなく、ドライブ
等がサーボパターンを記録するために使用する、レファ
レンス信号を発生する基準パターンの形成に適用して
も、同様に効果が大きい。精度の高いサーボパターン又
は基準パターンが得られるため、高密度記録用の、トラ
ック密度が40kTPI以上であるような磁気ディスク
に適用すると効果が高い。
【0084】また、上述のように、磁化パターンがトラ
ックに対して斜めに延在するパターンを含む場合も、本
発明によれば信号強度が強く取れるので、特に位相サー
ボ信号等の傾斜パターンには本発明は好適である。斜め
に延在するパターンは、例えば、ヘッド走行方向に直交
する方向を基準線としたとき、該基準線から傾きを擁し
ているパターンである。好ましくは基準線からの傾きが
±45°以内であると、サーボ信号として使用するにも
十分な信号が取り出せる。あるいは、本技術で形成した
磁化パターンを、磁気ディスクの欠陥検査に用いてもよ
い。欠陥検査の記録工程が省けるので、製造時間が短縮
でき、コストダウンにつながり、また、欠陥検査の密度
を上げることもできる。
【0085】本技術において、マスクを通したのち結像
手段により縮小結像するので、その縮小割合を大きくす
ると、より微細なパターンが形成できるので、本技術は
高密度の磁気ディスクに適している。また、磁気ディス
クを回転させ、必要であればレーザ光を走査すること
で、磁気ディスクの一部に対して照射されたレーザ光に
より磁気ディスクの全体に対しマスクパターンを投影す
ることができるので、本技術は比較的大径の磁気ディス
クにも適している。
【0086】本発明においては、エネルギ線ビームで磁
気ディスク上を走査しながら照射すると、小径に絞った
ビームでも広い領域を短時間で照射でき、好ましい。例
えば、エネルギ線照射光学系の一部又は全部をスライダ
ー上に載せ、移動させてビームを走査してもよい。或い
は、ガルバノメータ及びf−θレンズを用いてもよい。
エネルギ線を、ガルバノメータを通して角度を随時変化
させながら、f−θレンズに入射させることで磁気ディ
スク上を走査させることができる。
【0087】広い領域をできるだけ短時間で走査するに
は、エネルギ線は短パルスを高速で発生させるのが好ま
しい。本実施形態においては、局所加熱と外部磁界印加
の組み合わせは様々考えられるが、好ましくは、外部磁
界を印加し磁性層を予め所望の方向に均一に磁化したの
ち、磁性層を局所的に加熱すると同時に外部磁界を印加
し加熱部を該所望の方向とは逆方向に磁化して磁化パタ
ーンを形成する。これによれば、互いに逆向きの磁区が
明瞭に形成されるので、信号強度が強くC/N及びS/
Nが良好な磁化パターンが得られる。
【0088】エネルギ線としては記録層表面を部分的に
加熱できればよいが、不要な部分へのエネルギ線の照射
を防げることからレーザが好ましい。磁化遷移幅を急峻
にするためには、エネルギ線の照射時と非照射時で温度
差が大きく、熱の蓄積が起こりにくいパルス状のレーザ
を使用することが好ましい。連続レーザを光学部品によ
りパルス化してもよいが、特にパルスレーザ光源の使用
が好適である。パルスレーザ光源はレーザをパルス状に
断続的に発振するものであり、パワー尖頭値の高いレー
ザをごく短時間に照射することができ熱の蓄積が起こり
にくい。
【0089】以上のような方法で磁化パターンが形成さ
れた磁気ディスクは、マスクのパターニング精度やアラ
イメント精度により磁化パターンの精度が制限されるこ
とがないので、微細な磁化パターンが精度良く形成され
る。そして、磁化遷移幅が小さく磁区の境界での磁化遷
移が非常に急峻で出力信号の品質が高いパターンが形成
される。
【0090】また非常に短時間で簡便に製造でき、従来
のようにマスターディスクと密着させることがないた
め、傷や欠陥が少ない。特に、高密度記録になるにつれ
て、サーボ信号が書きにくいだけでなくサーボ記録がコ
ストアップの主原因となるため高密度記録用の磁気ディ
スクに本発明を適用すると効果が大きい。垂直磁気記録
媒体であれば磁界の印加が容易であることからより本発
明を適用しやすい。
【0091】本技術を磁気ディスクの製造ラインに組み
入れれば、ヘッド制御用の高精度の磁化パターンが形成
された磁気ディスクを短時間かつ安価に製造できる。次
に、本実施形態にかかる磁化パターン形成装置につい
て、図1を参照しながら説明する。本磁化パターン形成
装置は、基板上に磁性層を有してなる磁気ディスクに所
望の磁化パターンを形成する磁化パターン形成装置であ
り、図1に示すように、磁気ディスク1を保持するディ
スクステージ(ディスクテーブル)60と、フォトマス
ク(マスク)12と、フォトマスク12を保持するマス
クステージ(マスクテーブル)61と、磁気ディスク1
に対して面内方向に外部磁界を印加する磁界印加手段6
2と、エネルギ線11を出射するエネルギ線源を備える
照射光学系63と、投影光学系64と、磁気ディスク1
を回転させるディスク用スピンドルモータ(ディスク用
回転駆動手段)2と、マスクを回転させるマスク用スピ
ンドルモータ(マスク用回転駆動手段)65とをそなえ
て構成されている。
【0092】ここで、マスク12は、エネルギ線源より
出射されたエネルギ線11を、磁気ディスク1に形成す
べき所望の磁化パターンに応じて強度分布を変化させる
ものであり、ここでは、磁気ディスク1に形成すべき所
望の磁化パターンに応じた全てのパターンを有するもの
として構成される。このマスク12は、縮小投影による
縮小倍率に応じて磁気ディスク(磁化パターン)を拡大
して構成される。このため、マスク12も磁気ディスク
1と同様に円盤状のものとして構成される。
【0093】磁界印加手段(外部磁界印加手段,磁界発
生装置)62は、磁気ディスク1に外部磁界を印加する
ものである。本実施形態では、まず最初に、外部磁界を
印加して磁性層を予め均一に磁化し、その後に磁気ディ
スク1を局所的に加熱しながら逆向きの外部磁界を印加
して磁化パターンを形成するようにしている。このた
め、磁界印加手段62として、後述する第一磁界印加手
段4及び第二磁界印加手段8が備えられている。
【0094】ただし、ディスクを均一に磁化する際には
高精度の装置は要しないので、図1に示す磁化パターン
形成装置に装着する前に、他の装置により予め均一に磁
化しても良い。その場合、第一磁界印加手段4は不要で
ある。投影光学系64は、エネルギ線(レーザの光軸)
が直線状になるように、直線状の筒状部材として構成さ
れ、マスク12と磁気ディスク1との間に配置されて、
磁気ディスク1の磁性層22aを加熱すべくエネルギ線
源からのエネルギ線11をマスク12を介して照射して
マスクパターンを磁気ディスク1に縮小投影するもので
ある。この投影光学系64は、図3に示すように、マス
ク12によって強度分布を変化させたエネルギ線(パタ
ーン化エネルギ線)11を磁気ディスク1表面に縮小結
像する結像手段15を備える。
【0095】ここで、図2及び図3は本発明の磁化パタ
ーン形成装置のディスクステージ及び磁界印加手段の一
例である。図2(a)の断面図に示すように、磁化パタ
ーンが形成される磁気ディスク1を、ディスク用スピン
ドルモータ(モータによって回転駆動される回転軸とし
てのスピンドルをまとめてスピンドルモータという)2
に同軸に固定されたターンテーブル3上に載置したの
ち、真空溝7により真空吸着され固定される。磁気ディ
スク1は、硬質基板21上に磁性層22a,22bを備
える。
【0096】このディスク1の一面上に、ヨーク5と永
久磁石6からなる第一磁界印加手段4が配置される。図
2(b)は、図2(a)を矢印方向から見た模式図であ
る。第一磁界印加手段4はディスク1の半径方向に長い
形状をしており、NdFe磁石などの永久磁石6a,6
bを対に、磁極を互いに逆向きにしてヨーク5上に固定
され、磁石6aのN極と磁石6bのS極を結ぶように磁
界が発生している。この磁界はディスク1の保磁力より
大きくすることで、磁気ディスク1の上面側の磁性層2
2aは面内方向の円周方向に磁化される。
【0097】この状態で、第一磁界印加手段4を固定し
たままスピンドルモータ2を回転させると、磁気ディス
ク1が矢印方向に回転し、磁性層22a全体に磁界が印
加され一方向に磁化される。次いで、第一磁界印加手段
4はディスク上から退避される。次いで、磁気ディスク
1に局所加熱しながら逆向きの外部磁界を印加する。図
3の断面図に示すごとく、磁気ディスク1の他面上に、
ヨーク9と永久磁石10からなる第二磁界印加手段8が
配される。第二磁界印加手段8が発生する磁界は、第一
磁界印加手段4とは逆向きで、かつ小さく、ディスク1
の保磁力以下とする。それ以外の構成や形状は第一磁界
印加手段4と同じでよい。
【0098】図示しない光源から出射しコンデンサレン
ズを通過したパルスレーザ11はフォトマスク12に到
達する。フォトマスク12は、レーザ波長に対して透明
な基板13上に、形成すべき磁化パターンに対応して不
透明層14が形成されており、透明部のみをレーザ11
が透過することで、強度分布を磁化パターンに応じて変
化させ、空間的にパターン化されたレーザとなる。
【0099】フォトマスク12には、石英ガラス、ソー
ダライムガラス等の基板上に、Cr等の金属に代表され
る、エネルギ線に対して不透明な材料等をスパッタリン
グ形成し、その上にフォトレジストを塗布し、エッチン
グ等によって、所望の透過部と非透過部を作成すること
ができる。レーザ11は、投影光学系64に達し、そこ
で所望の大きさに絞り込まれ、フォトマスク12に形成
されたパターンと相似なレーザの濃淡が磁気ディスク1
上に縮小結像される。結像部は加熱され、磁性層22a
は磁化消失温度近傍まで昇温される。このとき同時に、
磁気ディスク1の磁性層22aの保磁力より小さい第二
外部磁界印加手段8によって外部磁界が印加されている
ので、昇温部のみが外部磁界の方向に磁化される。次い
でレーザ照射を停止し、昇温部は室温まで冷却され磁化
が安定する。第二外部磁界は、先に一様に磁化した際の
第一外部磁界とは逆方向なので、以上により磁性層22
aに磁化パターンが形成される。
【0100】磁性層22aの他の領域にも磁化パターン
を形成する場合には、第二磁界印加手段8を固定したま
まスピンドル2を回転させ磁気ディスク1を所定角度回
転させ、かつフォトマスク12や光学系部品を所定位置
に移動させ、加熱と磁界印加を行えばよい。結像レンズ
で絞り込む最小のビーム径φは、結像レンズの開口数N
Aと、使用するエネルギ線の波長λで決まり、φ=1.
22×(λ/NA)の関係がある。すなわち、より細か
なパターンを磁気ディスクに形成したい場合は、λを小
さくするか、NAを大きくする必要がある。予めコンデ
ンサレンズで絞り込みを行う場合は、コンデンサレンズ
のNAも考慮する。
【0101】図4は、本実施形態で用いる、レーザ照射
のための照射光学系63の構成の一例である。図4に示
すように、パルスレーザ光源41から発振したパルスレ
ーザ11はプログラマブルシャッター42を通過する。
プログラマブルシャッター42は、光源から所望のパル
スのみ取り出す役目をする。パルスレーザ光源41とし
ては、例えば、エキシマレーザやYAGの4倍波Qスイ
ッチレーザなどを用いる。
【0102】プログラマブルシャッター42で選択され
たレーザ11は、アッテネータ43で所望のパワーに変
換されたのち、コンデンサレンズ44を通過しフォトマ
スク12に至る。コンデンサレンズ44は一般に、非球
面レンズ44aと平凸レンズ44bの組み合わせからな
り、マスク面でのエネルギ強度分布を均一にする機能を
有し、かつエネルギ束を効率よく投影光学系64に導
く。
【0103】次いで、レーザ11はフォトマスク12に
より強度分布を磁化パターンに応じて変化させたのち、
投影光学系64を通して、ディスク1の磁性層22a上
に縮小結像される。ここで、図5は、本実施形態で用い
るレーザ照射のための照射光学系63の構成の他の一例
である。
【0104】図5に示すように、パルスレーザ光源41
から発振したパルスレーザ11はプログラマブルシャッ
ター42及びアッテネータ43を通過したのち、ビーム
エキスパンダ45に至る。ビームエキスパンダは、マス
クの縮小投影率を上げたいときなど、結像前に一旦ビー
ム径を大きくする場合に用いられる。次いで、レーザ1
1はコンデンサレンズ44を通過しフォトマスク12に
より強度分布を磁化パターンに応じて変化させたのち、
投影光学系64を通して、ディスク1の磁性層22a上
に縮小結像される。
【0105】エネルギ強度分布を均一にするにはコンデ
ンサレンズの代わりにホモジナイザを用いることもでき
る。また、コンデンサレンズとホモジナイザは併用して
も良い。さらに、エネルギ線を遮光板によってエネルギ
の弱い部分を遮蔽し分布の良いところのみを用い所望の
ビーム形状に整形してもよい。図6は遮光板の一例の模
式図である。この図6に示すように、遮光板49には、
レーザ11が透過しない基板51に、所望のビーム形状
に応じたレーザ透過部52が形成されている。
【0106】遮光板はまた、不必要な領域へのレーザ照
射を防いだり、既に磁化パターンを形成した領域への再
照射を防ぐ機能を有するが、必要に応じて設ければよ
い。設ける位置は限られないが、マスク12の直前また
は直後が望ましい。以上説明したように、本発明におい
て使用する光学系の構成及び順序は必要に応じて様々に
変形が可能である。
【0107】第二外部磁界印加手段8はディスクのどち
らの面から印加してもよいが、上記態様においては、磁
気ディスク1のレーザ照射面に対して反対側に配したの
でレーザを遮ることがない。次に、本実施形態で使用す
るエネルギ線11の好ましい条件を説明する。エネルギ
線11としては、記録層表面を部分的に加熱できればよ
いが、不要な部分へのエネルギ線の照射を防げることか
らレーザが好ましい。
【0108】特にパルスレーザ光源の使用が好適であ
る。パルスレーザ光源はレーザをパルス状に断続的に発
振するものであり、連続レーザを音響光学素子(AO)
や電気光学素子(EO)などの光学部品で断続させパル
ス化するのに比して、パワー尖頭値の高いレーザをごく
短時間に照射することができ熱の蓄積が起こりにくく非
常に好ましい。
【0109】連続レーザを光学部品によりパルス化した
場合、パルス内ではそのパルス幅に亘ってほぼ同じパワ
ーを持つ。一方パルスレーザ光源は、例えば光源内で共
振によりエネルギをためて、パルスとしてレーザを一度
に放出するため、パルス内では尖頭のパワーが非常に大
きく、その後小さくなっていく。本発明では、コントラ
ストが高く精度の高い磁化パターンを形成するために、
ごく短時間に急激に加熱しその後急冷させるのが好まし
いため、パルスレーザ光源の使用が適している。
【0110】磁化パターンが形成される磁気ディスク面
は、パルス状エネルギ線の照射時と非照射時で温度差が
大きい方が、パターンのコントラストを上げ、或いは記
録密度を上げるために好ましい。従ってパルス状エネル
ギ線の非照射時には室温以下程度になっているのが好ま
しい。室温とは25℃程度である。エネルギ線の波長
は、1100nm以下であることが好ましい。これより
波長が短いと回折作用が小さく分解能が上がるため、微
細な磁化パターンを形成しやすい。更に好ましくは、6
00nm以下の波長である。高分解能であるだけでな
く、回折が小さいため間隙によるマスクと磁気ディスク
のスペーシングも広くとれハンドリングがしやすく、磁
化パターン形成装置が構成しやすくなるという利点が生
まれる。また、波長は150nm以上であるのが好まし
い。150nm未満では、マスクに用いる合成石英の吸
収が大きくなり、加熱が不十分となりやすい。波長を3
50nm以上とすれば、光学ガラスをマスクとして使用
することもできる。
【0111】具体的には、エキシマレーザ(248n
m)、YAGのQスイッチレーザ(1064nm)の2
倍波(532nm)、3倍波(355nm)、或いは4
倍波(266nm)、Arレーザー(488nm、51
4nm)、ルビーレーザー(694nm)などである。
パルス状エネルギ線の1パルス当たりのパワーは100
0mJ/cm2以下とすることが好ましい。これより大
きなパワーをかけると、パルス状エネルギ線によって該
磁気ディスク表面が損傷を受け変形を起こす可能性があ
る。変形により粗度Raが3nm以上やうねりWaが5
nm以上に大きくなると、浮上型/接触型ヘッドの走行
に支障を来すおそれがある。
【0112】より好ましくは500mJ/cm2以下で
あり、更に好ましくは100mJ/cm2以下である。
この領域であると比較的熱拡散の大きな基板を用いた場
合でも分解能の高い磁化パターンが形成しやすい。ま
た、パワーは10mJ/cm2以上とするのが好まし
い。これより小さいと、磁性層の温度が上がりにくく磁
気転写が起こりにくい。
【0113】本実施形態で用いる基板がAl等の金属又
は合金である場合は、熱伝導率が大きいことから、局所
に与えた熱が所望の部位以外にも広がってしまい磁化パ
ターンを歪ませることが無いよう、また、過剰なエネル
ギによって基板に物理的な損傷が起きないよう、該パワ
ーは30〜120mJ/cm2の範囲であることが好ま
しい。
【0114】基板がガラス等のセラミックスである場合
はAl等に比して熱伝導が少なく、パルス状エネルギ線
照射部位での熱の蓄積が多いことから、該パワーは10
〜100mJ/cm2の範囲であることが好ましい。基
板がポリカーボネイト等の樹脂である場合は、パルス状
エネルギ線照射部位での熱の蓄積が多くガラス等に比し
て融点が低いことから、該パワーは10〜80mJ/c
2の範囲であることが好ましい。
【0115】また、エネルギ線による磁性層、保護層、
潤滑層の損傷が心配される場合は、パルス状エネルギ線
のパワーを小さくして、該パルス状エネルギ線と同時に
印加される磁界強度を上げるといった手段を取ることも
できる。例えば、面内記録媒体の場合は、常温での保磁
力の25〜75%、垂直記録の場合には、1から50%
のできるだけ大きな力をかけ、照射エネルギを下げる。
【0116】なお、保護層と潤滑層を介してパルス状エ
ネルギ線を照射するにあたり、潤滑剤の受けるダメージ
(分解、重合)等も考慮し、照射後に再塗布するなどの
必要がある場合がある。パルス状エネルギ線のパルス幅
は、1μsec以下であることが望ましい。これよりパ
ルス幅が広いと該磁気ディスクにパルス状エネルギ線に
て与えたエネルギによる発熱が分散して、分解能が低下
しやすい。1パルス当たりのパワーが同じである場合、
パルス幅を短くし一度に強いエネルギを照射した方が、
熱拡散が小さく磁化パターンの分解能が高くなる傾向に
ある。より好ましくは100nsec以下である。この
領域であるとAlなど金属の比較的熱拡散の大きな基板
を用いた場合でも分解能の高い磁化パターンが形成しや
すい。即ち、分解能を重視すれば、パルス幅は短いほど
良い。また、パルス幅は1nsec以上であるのが好ま
しい。磁性層の磁化反転が完了するまでの時間、加熱を
保持しておくのが好ましいからである。
【0117】なお、パルス状レーザの一種として、モー
ドロックレーザのようにピコ秒、フェムト秒レベルの超
短パルスを高周波で発生できるレーザがある。超短パル
スを高周波で照射している期間においては、各々の超短
パルス間のごく短い時間はレーザが照射されないが非常
に短い時間であるため加熱部はほとんど冷却されない。
すなわち、一旦キュリー温度以上に昇温された領域はキ
ュリー温度以上に保たれる。
【0118】従ってこのような場合、連続照射期間(超
短パルス間のレーザが照射されない時間も含めた連続照
射期間)を1パルスとする。また連続照射期間の照射エ
ネルギ量の積分値を1パルス当たりのパワー(mJ/c
2)とする。磁気ディスクへの外部磁界の印加方向
は、周方向、半径方向、板面に垂直方向のいずれかをと
るのが好ましい。
【0119】磁性層に外部磁界を印加する手段は、磁気
ヘッドを用いてもよいし、電磁石または、永久磁石を所
望の磁化方向に磁界が生じるよう複数個配置して用いて
もよい、更にそれらの異なる手段を組み合わせて使用し
てもよい。本発明においては、結像手段と磁気ディスク
との間には焦点距離分の十分なスペーシングがあり、従
来の転写技術で問題になっているダスト挟み込みによる
磁気ディスクの損傷、磁気ディスクのうねりによる他構
成部品との接触による損傷の心配がなくなる。
【0120】結像面までの距離は予め決まるため、その
距離になるよう磁気ディスクとの間隔を調節する。磁化
パターンを形成する際には、エネルギ線の光源とマスク
手段との間、又はマスク手段と該磁気ディスクとの間
に、エネルギ線を部分的に遮光可能な遮光板を設けて、
エネルギ線の再照射を防ぐ構造とするのが好ましい。
【0121】遮光板としては、使用するエネルギ線の波
長を透過しないものであればよく、エネルギ線を反射又
は吸収すればよい。ただし、エネルギ線の熱を吸収する
と加熱し磁化パターンに影響を与えやすいため、熱伝導
率がよく反射率の高いものが好ましい。例えば、Cr、
Al、Feなどの金属板である。本実施形態において
は、磁性層を局所的に加熱する工程と、磁性層に外部磁
界を印加する工程の組み合わせとして以下の態様をとり
うる。
【0122】態様1:加熱と同時に弱い外部磁界を印加
することで、加熱部のみ外部磁界の方向に磁化して、磁
化パターンを形成する方法。これによれば簡便に磁化パ
ターンを形成することができ、かつ外部磁界も弱いもの
でよい。態様2:加熱前に強い外部磁界で磁性層を所望
の方向に均一に磁化し、その後所望部位を加熱すると同
時に弱い磁界を加熱前とは逆方向に印加磁化することで
磁化パターンを形成する方法。これによれば、信号強度
が強く、C/N及びS/Nが良好な磁化パターンが得ら
れる。
【0123】以下、各態様について説明する。態様1の
加熱と同時の外部磁界の方向は、磁気ディスクの磁性層
の種類によって異なる。磁化容易軸が面内方向にある磁
気ディスクの場合には、磁性層が、データの書込み/再
生ヘッドの走行方向(磁気ディスクとヘッドの相対移動
方向)と同一又は逆方向に磁化されるように印加する。
さらに、磁気ディスクの半径方向に磁化するように印加
することも可能である。磁化容易軸が面内方向に垂直に
ある場合には、磁性層が、該垂直方向のいずれかに磁化
されるように印加する。
【0124】また、磁界の強さは、磁気ディスクの磁性
層の特性によって異なるが磁性層の室温での保磁力より
小さい磁界とする。好ましくは磁性層の室温での保磁力
の1/8以上の磁界とする。これより弱いと、加熱部
が、冷却時に周囲の磁区からの磁界の影響をうけて再び
周囲と同じ方向に磁化されてしまう可能性がある。ただ
し、磁性層の室温での保磁力の2/3倍以下とするのが
好ましい。これより大きいと、加熱部の周囲の磁区も影
響を受けてしまう可能性がある。より好ましくは1/2
倍以下である。
【0125】加熱は、磁性層の保磁力の低下が見られる
温度まで加熱できればよいが、例えば磁性層のキュリー
温度近傍である。好ましくは100℃以上に加熱する。
100℃未満で外部磁界により影響を受けるような磁性
層は、室温での磁区の安定性が低い傾向がある。また、
加熱温度は400℃以下とするのが好ましい。これを超
えると、磁性層が変形してしまう可能性がある。
【0126】態様2の加熱前の外部磁界の方向は、磁気
ディスクの磁性層の種類によって異なる。磁化容易軸が
面内方向にある磁気ディスクの場合には、磁性層が、デ
ータの書込み/再生ヘッドの走行方向(磁気ディスクと
ヘッドの相対移動方向)と同一又は逆方向に磁化される
ように印加する。さらに、磁気ディスクが円板状である
場合には、その半径方向に磁化するように印加すること
も可能である。磁化容易軸が面内方向に垂直にある場合
には、磁性層が、該垂直方向のいずれかに磁化されるよ
うに印加する。
【0127】磁界の強さは磁気ディスクの磁性層の特性
によって異なり、磁性層の室温での保磁力の2倍以上の
磁界によって磁化することが好ましい。これより弱いと
磁化が不十分となる可能性がある。ただし、磁界印加に
用いる着磁装置の能力上、磁性層の室温での保磁力の5
倍以下とするのが好ましい。態様2において、加熱と同
時に印加する磁界の方向は、加熱前の磁界の方向とは逆
方向である。
【0128】磁界の強さは、態様1の、加熱と同時の外
部磁界の強さと同様である。また、加熱温度についても
態様1と同様である。以上述べたような条件を最適化す
ることにより、磁化パターンをより精度良く形成でき、
かつ出力信号の品質を上げることができる。すなわち磁
化遷移幅が小さく磁区の境界での磁化遷移が非常に急峻
で出力信号の品質が高いパターンが形成できる。条件を
選べば磁化遷移幅1μm以下、さらには0.5μm以
下、0.3μm以下も可能となる。
【0129】本実施形態において、磁化遷移幅は、磁化
パターンを磁気ヘッドにより再生した再生信号波形の最
大磁化の50%の磁化のパルス幅(即ち、半値幅)を言
う。さらに、本発明の方法は、従来のレーザービームに
より凹凸パターンを形成する方法に比べて、レーザービ
ーム強度を低く抑えることができる点でも有利であり、
また凹凸が無いため浮上ヘッドが不安定となることもな
い。
【0130】これによれば、磁化パターンを形成するに
あたり、局所加熱手段による局所加熱と外部磁界印加手
段による外部磁界印加を組み合わせるので、従来のよう
な強力な外部磁界印加手段を用いなくても磁化パターン
が形成できる。そして、加熱領域以外に磁界が印加され
ても磁化されないので、磁区形成を加熱領域に限定でき
る。このため、磁区境界が明瞭であり、磁化遷移幅が小
さく磁区の境界での磁化遷移が非常に急峻で出力信号の
品質が高いパターンが形成できる。条件を選べば磁化遷
移幅を1μm以下にすることも可能である。
【0131】本技術によれば、従来の磁気転写技術のよ
うに真空吸着などによって磁気ディスクとマスターディ
スクを一体に圧着する必要がないので、複雑なディスク
保持手段を設ける必要がない。また、従来は磁気ディス
クの交換ごとにマスクも吸着・解除を繰り返す必要があ
ったが、本技術によればマスクは一旦取り付ければ外す
必要がない。さらに、ディスクとマスクとが離間されて
いるので、ディスクやマスクの取付け、取り外しなどの
ハンドリングが行いやすい。
【0132】また、局所加熱にエネルギ線を用いるの
で、加熱する部位やパワーの制御がしやすい。さらに、
縮小結像技術を用いるので、従来の転写装置と比較する
と、磁気ディスクに対するマスクのアライメント精度や
マスクのパターニング精度が同じであれば、より微細な
磁化パターンが精度良く形成できる。
【0133】マスクとしてエネルギ線を部分的に透過す
る透過部を有するマスク、いわゆるフォトマスクを用い
ると、作成が容易で良好な加工精度が得られやすいの
で、精度のよいマスクが得られ、より精度の良い磁化パ
ターンが形成できる。エネルギ線源としては記録層表面
を部分的に加熱できればよいが、不要な部分へのエネル
ギ線の照射を防げることからレーザ光源が好ましい。
【0134】磁化遷移幅を急峻にするためには、エネル
ギ線の照射時と非照射時で温度差が大きく、熱の蓄積が
起こりにくいパルス状のレーザが好ましい。連続レーザ
を光学部品によりパルス化してもよいが、特にパルスレ
ーザ光源の使用が好適である。パルスレーザ光源はレー
ザをパルス状に断続的に発振するものであり、パワー尖
頭値の高いレーザをごく短時間に照射することができ熱
の蓄積が起こりにくい。
【0135】マスクの前にコンデンサレンズを設ける
と、エネルギ線の強度分布を均一にでき、かつエネルギ
線を効率よく結像レンズに集めることができ、好まし
い。ところで、磁気ディスク1に磁化パターンを形成す
るのにかかる時間をできるだけ短縮し、高生産性を実現
したいという要請がある。しかし、磁化パターン形成時
間をできるだけ短縮するために、例えば磁気ディスク1
の広範囲(例えば全面)にわたってエネルギ線11を照
射して、磁気ディスク1の広範囲にわたって一度に磁化
パターンを形成することが考えられるが、これでは照射
光学系63や投影光学系64として大型のものが必要に
なり、高価なものとなる。
【0136】このため、照射光学系63や投影光学系6
4として、小型で、安価なもの[磁気ディスク1上の狭
い範囲だけしか照射できないもの(即ち、結像範囲が狭
いもの)]を採用しながら、できるだけ短時間で、効率
的に磁化パターンの形成を行なえるようにしたい。そこ
で、本実施形態では、狭い範囲を照射しうるエネルギ線
を、磁気ディスク1に対して中心部近傍と最外周部近傍
との間で半径方向に沿って照射するとともに、磁気ディ
スク1に対するこのエネルギ線の照射位置を周方向に変
化させることで、磁気ディスク1の全面に磁化パターン
を形成するようにしている。これにより、照射光学系6
3や特に投影光学系64を、小型で、安価なものとしな
がら、短時間で、効率的に磁化パターンの形成が行なえ
るようになる。
【0137】半径方向に沿って照射するとは、磁気ディ
スクの一部領域であって磁気ディスクの半径をカバーす
る領域(つまり、磁気ディスクの一部領域であって磁化
パターン形成領域の半径方向幅を含む領域)を、比較的
大きなスポット径のエネルギ線で同時に照射する場合
と、磁気ディスクの一部領域であって磁気ディスクの半
径をカバーする領域を、磁気ディスクの半径よりも小さ
なスポット径のエネルギ線を半径方向に沿って走査しな
がら順次に照射する場合とがある。
【0138】前者は、大径のエネルギ線を使用するが、
磁化パターン形成にかかる時間を短縮でき、またビーム
(エネルギ線)を走査する機構も不要である点で好まし
い。一方、後者は、小径のエネルギ線を使用できるので
コストを低くでき好ましい。ここでは、照射光学系63
の光源41としては、上述したように種々のものを用い
ることができるが、特に、本実施形態では、繰り返し速
度が遅いものの、1パルス当たりのエネルギが大きいエ
キシマレーザを用いている。この場合、後述するよう
に、磁気ディスク1に対して比較的広い照射面積で(ス
ポット径で)レーザを照射することが可能となり、磁気
ディスク1の半径をカバーする領域に対して(磁気ディ
スク1に対して中心部近傍と最外周部近傍との間で半径
方向に沿って)同時にレーザが照射されるようになって
おり、磁気ディスク1及びフォトマスク12(或いは磁
気ディスク1だけ)を1回転させるだけで、磁気ディス
ク1の全面に磁化パターンを形成できるようにしてい
る。
【0139】具体的には、磁気ディスク1に対するこの
エネルギ線の照射位置を周方向へスキャンさせるため
に、本実施形態では、照射光学系63を通じて照射され
るエネルギ線の照射位置を固定するとともに、投影光学
系64及び磁界印加手段62の配設位置を固定する一
方、ディスクステージ60及びマスクステージ61(即
ち、磁気ディスク1及びマスク12)を、照射光学系6
3及び投影光学系64を通じて照射されるエネルギ線
(レーザの光軸)11に直交する平面上で回転させるよ
うにしている。
【0140】つまり、ディスクステージ60とマスクス
テージ61とを間隔を置いて互いに平行になるように配
設するとともに、投影光学系64の出射部がディスクス
テージ60に対向し、投影光学系64の入射部がマスク
ステージ61に対向するように、ディスクステージ60
とマスクステージ61との間に投影光学系64をディス
クステージ60及びマスクステージ61に直角に配設し
ている。そして、ディスクステージ60及びマスクステ
ージ61と投影光学系64との配置関係を維持したまま
ディスクステージ60及びマスクステージ61(即ち、
磁気ディスク1及びマスク12)を回転させるようにし
ている。
【0141】このため、本磁化パターン形成装置は、図
1に示すように、ディスク1を回転させるディスク用ス
ピンドルモータ(ディスク用回転駆動手段)2と、マス
クを回転させるマスク用スピンドルモータ(マスク用回
転駆動手段)65とを備えており、スピンドルモータ
2,65が作動すると、投影光学系64を通じて照射さ
れるエネルギ線(レーザの光軸)11に直交する互いに
異なる平面内でディスク1及びフォトマスク12がそれ
ぞれ回転するようになっている。
【0142】これにより、固定されている投影光学系6
4の出射部を通じて、磁気ディスク11の半径をカバー
する領域に対して同時に照射されるエネルギ線11を、
磁気ディスク1の周方向に相対的に移動させることがで
きるようになっている。また、本実施形態では、ディス
ク用スピンドルモータ2と、マスク用スピンドルモータ
65とは、同速度(=同じ速さ且つ同じ回転方向)で回
転するようになっている(即ち、ディスク1とマスク1
2とを同速度で回転させるようになっている)。
【0143】また、照射光学系63から出力されたレー
ザ光は、投影光学系64により縮小されてから磁気ディ
スク1の半径をカバーする領域に照射されるようになっ
ている。ここでは、照射光学系63は上述したように比
較的高い出力が得られるエキシマレーザにより構成され
ており、このため、レーザ光を比較的大きな照射面積で
照射しても磁気ディスク1を磁化可能な温度まで加熱す
ることが可能である(単位照射面積当たりのエネルギを
十分なものに確保できる)。したがって、レーザ光は、
照射光学系63から比較的大きなビーム形状で出力さ
れ、投影光学系64を介して磁気ディスク1の半径を含
む一部領域に同時に照射されるようになっている。
【0144】投影光学系64は、上述したように、フォ
トマスク12によりパターン化されたレーザを、所定の
比率(等倍率又は縮小倍率)αの相似形状の像で磁気デ
ィスク1に対して投影するものであり、ここでは、フォ
トマスク12のマスクパターンの正立像を磁気ディスク
1に投影するようになっている。また、投影光学系64
のレーザ光入射中心(エネルギ線入射中心)CIとフォ
トマスク12の回転中心軸CMとの距離Aと、投影光学
系64のレーザ光出射中心(エネルギ線出射中心)CO
と磁気ディスク1の回転中心軸CDとの距離Bとの比
(B/A)を、かかる所定の比率αに一致させる必要が
ある。
【0145】ここでは、投影光学系64のレーザ光入射
中心CIとレーザ光出射中心COとが同じになるように、
投影光学系64が構成されているため、上記条件(B/
A=α)を満たすべく、フォトマスク12の回転中心軸
Mと磁気ディスク1の回転中心軸CDとがそれぞれ位置
設定されている。なお、ここでは、投影光学系64は、
フォトマスク12のマスクパターンの正立像を磁気ディ
スク1に対して投影するようになっているが、マスクパ
ターンの倒立像を磁気ディスク1に投影するようにして
も良い。この場合、フォトマスク12のパターンが左右
反転されて磁気ディスク1に投影されることとなるの
で、フォトマスク12と磁気ディスク1とを同じ速さ且
つ互いに反対方向で同期させて回転させればよい。或い
は、フォトマスク12のパターンを磁気ディスク1に形
成されるべき磁化パターンに対して反転して形成し、フ
ォトマスク12と磁気ディスク1とを同じ速さ且つ同方
向で同期させて回転させるようにしてもよい。
【0146】また、上述の実施形態では、フォトマスク
12と磁気ディスク1とをそれぞれ異なる回転軸で回転
させるようにしているが、フォトマスク12と磁気ディ
スク1とを同軸で回転させるようにしても良い。この場
合、投影光学系64のレーザ光入射中心CIとフォトマ
スク12の回転中心軸CMとの所定距離Aと、投影光学
系64のレーザ光出射中心COと磁気ディスク1の回転
中心軸CDとの距離Bとの比(B/A)を縮小率αに一
致させるべく、投影光学系64のレーザ光入射中心CI
とレーザ光出射中心COとを異なるものにする必要があ
る。
【0147】投影光学系64のレーザ光入射中心CI
レーザ光出射中心COとを異なるものにするためには、
例えば図7に示すように投影光学系64を構成すればよ
い。つまり、投影光学系64を、結像手段に加え、複数
(ここでは4つ)のミラー64A〜64Dをそなえた構
成として、CIを中心として入射するレーザをミラー6
4A〜64Dより反射させて、COを中心として出射さ
せるのである。
【0148】なお、レーザ光入射中心CIとレーザ光出
射中心COとの距離は通常数十mm程度と狭いため、こ
こでは、レーザの光軸をミラーが不要に遮ってしまわな
いように、図示するように4枚のレンズを配置してミラ
ー投影光学系64,磁気ディスク1間からレーザ光を一
旦外すようにしている。不要にレーザの光軸を遮らない
ようにレーザ光入射中心CIとレーザ光出射中心COとの
距離を設定できるので有れば2枚のミラーによりレーザ
の光軸をずらすようにしても良い。
【0149】また、特に、フォトマスク12がセットさ
れるマスクステージ61と、磁気ディスク1がセットさ
れるディスクステージ60とを一体に構成して同軸で回
転させる場合には、磁気ディスク1及びフォトマスク1
2が同方向に回転することとなるため、フォトマスク1
2の正立像を磁気ディスク1に投影するように投影光学
系64の仕様を設定する必要がある。この場合、1つの
駆動装置が、ディスク/マスク用駆動装置として、マス
ク用駆動装置とディスク用駆動装置とを兼用することに
なる。
【0150】本発明の第1実施形態としての磁化パター
ン形成装置が上述したように構成されており、以下の手
法(本発明の第1実施形態としての磁化パターン形成方
法)により磁気ディスク1に対してサーボパターンが形
成される。つまり、照射光学系63から出力されたレー
ザ11は、フォトマスク12を透過する過程で、磁気デ
ィスク1に形成すべき磁化パターンに応じてその強度分
布が変化し、さらに投影光学系64により縮小されて、
磁気ディスク1に投影される。これにより、磁気ディス
ク1は、磁化パターンに応じて加熱され、加熱された部
分が、磁界印加手段62により印加され、加熱前とは逆
方向に磁化される。
【0151】この時、磁気ディスク1には、磁気ディス
ク1の半径に沿った一部領域をカバーするようにレーザ
光が同時に照射されて磁化パターンが形成されるが、磁
気ディスク1は回転駆動されているので、このような磁
気ディスク1の半径に沿った一部領域における磁化パタ
ーンが周方向に沿って順次形成されていき、磁気ディス
ク1の全面に所定の磁化パターンが形成されるのであ
る。
【0152】したがって、本実施形態にかかる磁化パタ
ーン形成装置及び磁化パターン形成方法によれば、局所
加熱と外部磁界印加を組み合わせて磁気ディスク1に磁
化パターンを形成する場合に、微細な磁化パターンを効
率よく更に精度よく形成することができるようになり、
ひいては、より高密度記録が可能な磁気ディスク及び磁
気記録装置を短時間かつ安価に提供できるようになると
いう利点がある。
【0153】また、照射光学系63や、特に投影光学系
64として大型のものを採用することなく、小型で、安
価なもの[磁気ディスク1上の狭い範囲だけしか照射で
きないもの(即ち、結像範囲が狭いもの)]を採用しな
がら、磁気ディスク1への磁化パターンの形成を、短時
間で、効率的に行なえるようになり、高生産性を実現で
きるという利点もある。
【0154】なお、上述の実施形態では、レーザ光は、
照射光学系63から比較的大きなスポット形状で出力さ
れて、投影光学系64を介して磁気ディスク1の半径を
カバーする領域に同時に照射されるようになっている
が、回転する磁気ディスク1に対し、磁気ディスク1の
半径をカバーする領域よりも小さなスポット形状のレー
ザを照射し、このレーザを走査手段(走査手段について
は第2実施形態で説明する)により、磁気ディスク1の
半径方向に走査させて磁気ディスク1の半径をカバーす
る領域に対して順次照射するようにしても良い。
【0155】なお、磁気ディスク1の半径をカバーする
領域よりも小さなスポット形状のレーザは、例えば、エ
キシマレーザより出力されたレーザ光を遮蔽板等により
成形したり、或いは、後述する第2実施形態のように、
YAGレーザを用いたりすることで得られる。この場
合、例えば、磁気ディスク1を一回転させる毎に、レー
ザを磁気ディスク1の半径方向に沿って所定量だけ移動
させ、これを繰り返すことにより、磁気ディスク1の全
面に磁化パターンを形成することができる。あるいは、
レーザを磁気ディスク1の中心部近傍と最外周部近傍と
の間で走査させる毎に、磁気ディスク1とマスク12と
を同期させて所定量だけ回転させ、これを繰り返すこと
により、磁気ディスク1の全面に磁化パターンを形成す
ることができる。 (磁気記録装置の説明)ところで、本実施形態にかかる
磁気記録装置は、上述の磁気ディスク1と、磁気ディス
ク1を記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部か
らなる磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気記録媒体に対し
て相対移動させる移動手段と、磁気ヘッドへの記録信号
入力と磁気ヘッドからの再生信号出力を行うための記録
・再生信号処理手段を有する。磁気ヘッドとしては、高
密度記録を行うため、通常は浮上型/接触型磁気ヘッド
を用いる。
【0156】微細かつ高精度なサーボパターン等の磁化
パターンが形成された磁気ディスクを用いるので、この
ような磁気記録装置は高密度記録が可能である。また、
磁気ディスクに傷がなく欠陥も少ないため、エラーの少
ない記録を行うことができる。また、磁気ディスクを装
置に組みこんだ後、上記磁化パターンを磁気ヘッドによ
り再生し信号を得、該信号を基準としてサーボバースト
信号を該磁気ヘッドにより記録してなる磁気記録装置に
用いることで、簡易に精密なサーボ信号を得ることがで
きる。
【0157】また、磁気ヘッドでのサーボバースト信号
記録後にも、ユーザデータ領域として用いられない領域
には本発明により磁化パターンとして記録した信号が残
っていると何らかの外乱により磁気ヘッドの位置ずれが
起きたときにも所望の位置に復帰させやすいので、両者
の書き込み方法による信号が存在する磁気記録装置は、
信頼性が高い。
【0158】本発明の磁気記録装置は、上述してきた磁
気ディスクを少なくとも1枚と、これを記録方向に駆動
する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、
磁気ヘッドを磁気ディスクに対して相対移動させる移動
手段と、磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出
力信号再生を行うための記録・再生信号処理手段を有す
る磁気記録装置である。
【0159】また、磁気ディスクを装置に組みこんだ
後、上記磁化パターンを磁気ヘッドにより再生し信号を
得、該信号を基準としてサーボバースト信号を該磁気ヘ
ッドにより記録してなる磁気記録装置に用いても、簡易
に精密なサーボ信号を得ることが可能である。また、磁
気ヘッドでのサーボバースト信号記録後にも、ユーザデ
ータ領域として用いられない領域には本発明により磁化
パターンとして記録した信号が残っていると何らかの外
乱により磁気ヘッドの位置ずれが起きたときにも所望の
位置に復帰させやすいので、両者の書き込み方法による
信号が存在する磁気記録装置は、信頼性が高い。
【0160】磁気記録装置として代表的な、磁気ディス
ク装置を例に説明する。磁気ディスク装置は、通常、磁
気ディスクを1枚或いは複数枚を串刺し状に固定するシ
ャフトと、該シャフトにベアリングを介して接合された
磁気ディスクを回転させるモータと、記録及び/又は再
生に用いる磁気ヘッドと、該ヘッドが取り付けられたア
ームと、ヘッドアームを介してヘッドを磁気ディスク上
の任意の位置に移動させることのできるアクチュエータ
とからなり、記録再生用ヘッドが磁気ディスク上を一定
の浮上量で移動している。記録情報は、信号処理手段を
経て記録信号に変換されて磁気ヘッドにより記録され
る。また、磁気ヘッドにより読み取られた再生信号は同
信号処理手段を経て逆変換され、再生情報が得られる。
【0161】ディスク上には、情報信号が同心円状のト
ラックに沿って、セクター単位で記録される。サーボパ
ターンは通常、セクター間に記録される。磁気ヘッドは
該パターンからサーボ信号を読み取り、これによりトラ
ックの中心に正確にトラッキングを行い、そのセクター
の情報信号を読み取る。記録時も同様にトラッキングを
行う。
【0162】前述の通り、サーボ信号を発生するサーボ
パターンは、情報を記録する際のトラッキングに使用す
るという性質上、特に高精度が要求される。また現在多
く使用されているサーボパターンは、1トラックあた
り、互いに1/2ピッチずれた2組のパターンからなる
ため、情報信号の1/2のピッチ毎に形成する必要があ
り、2倍の精度が要求される。
【0163】しかしながら、従来のサーボパターン形成
方法では、外部ピンとアクチュエータの重心が異なるこ
とから生じる振動の影響でライトトラック幅で0.2〜
0.3μm程度が限界であり、トラック密度の増加にサ
ーボパターンの精度が追いつかず、磁気記録装置の記録
密度向上及びコストダウンの妨げとなりつつある。本実
施形態によれば、縮小結像技術を用いることで効率よく
精度の高い磁化パターンを形成することができるので、
従来のサーボパターン形成方法に比べて格段に低コス
ト、短時間で精度良くサーボパターンを形成でき、例え
ば40kTPI以上に磁気ディスクのトラック密度を高
めることができる。従って本磁気ディスクを用いた磁気
記録装置は高密度での記録が可能となる。
【0164】また、位相サーボ方式を用いると連続的に
変化するサーボ信号が得られるのでよりトラック密度を
上げることができ、0.1μm幅以下でのトラッキング
も可能となり、より高密度記録が可能である。前述のよ
うに、位相サーボ方式には、例えば、内周から外周に、
半径に対して斜めに直線的に延びる磁化パターンが用い
られる。このような、半径方向に連続したパターンや斜
めのパターンは、ディスクを回転させながら1トラック
ずつサーボ信号を記録する従来のサーボパターン形成方
法では作りにくく、複雑な計算や構成が必要であった。
【0165】しかし、本実施形態によれば、該形状に応
じたマスクを一旦作成すれば、マスクを通したエネルギ
ー線をディスク上の所望の位置で縮小結像するだけで当
該パターンを容易に形成できるため、位相サーボ方式に
用いる磁気ディスクを簡単かつ短時間、安価に作成する
ことができる。ひいては、高密度記録が可能な、位相サ
ーボ方式の磁気記録装置を提供できる。
【0166】さて、従来主流のサーボパターン形成方法
は、磁気ディスクを磁気記録装置(ドライブ)に組み込
んだのちに、クリーンルーム内で専用のサーボライター
を用いて行う。各ドライブをサーボライターに装着し、
ドライブ表面あるいは裏面のいずれかにある孔よりサー
ボライターのピンを差し入れ磁気ヘッドを機械的に動か
しながら、トラックに沿って1パターンずつ記録を行
う。このためドライブ一台あたり15〜20分程度と非
常に時間がかかる。専用のサーボライターを用い、また
ドライブに孔を開けるためこれら作業はクリーンルーム
内で行う必要があり、工程上も煩雑でコストアップの要
因であった。
【0167】本実施形態では、予めパターンを記録した
マスクを通してエネルギー線を照射することで、サーボ
パターン或いはサーボパターン記録用基準パターンを一
括して記録でき、非常に簡便かつ短時間で磁気ディスク
にサーボパターンを形成できる。このようにしてサーボ
パターンを形成した磁気ディスクを組み込んだ磁気記録
装置は、上記サーボパターン書込み工程は不要となる。
【0168】或いはサーボパターン記録用基準パターン
を形成した磁気ディスクを組み込んだ磁気記録装置は、
該基準パターンをもとにして装置内で所望のサーボパタ
ーンを書込むことができ、上記のサーボライターは不要
であり、クリーンルーム内での作業も必要ない。また、
磁気記録装置の裏側に孔を開ける必要がなく耐久性や安
全性の上でも好ましい。
【0169】さらに、本発明においては結像手段と磁気
ディスクとの間には、焦点距離に相当する間隙があるの
で、磁気ディスクと他の構成部材との接触による損傷
や、微小な塵埃やゴミの挟み込みによる磁気ディスクの
損傷を防ぎ、欠陥の発生を防ぐことができる。以上のよ
うに、本実施形態によれば高密度記録が可能な磁気記録
装置を、簡便な工程で安価に得ることができる。
【0170】磁気ヘッドとしては、薄膜ヘッド、MRヘ
ッド、GMRヘッド、TMRヘッドなど各種のものを用
いることができる。上述の磁気ヘッドの再生部をMRヘ
ッドで構成することにより、高記録密度においても十分
な信号強度を得ることができ、より高記録密度の磁気記
録装置を実現することができる。
【0171】またこの磁気ヘッドを、浮上量が0.00
1μm以上、0.05μm未満と、従来より低い高さで
浮上させると、出力が向上して高い装置S/Nが得ら
れ、大容量で高信頼性の磁気記録装置を提供することが
できる。また、最尤復号法による信号処理回路を組み合
わせるとさらに記録密度を向上でき、例えば、トラック
密度13kTPI以上、線記録密度250kFCI以
上、1平方インチ当たり3Gビット以上の記録密度で記
録・再生する場合にも十分なS/Nが得られる。
【0172】さらに磁気ヘッドの再生部を、互いの磁化
方向が外部磁界によって相対的に変化することによって
大きな抵抗変化を生じる複数の導電性磁性層と、その導
電性磁性層の間に配置された導電性非磁性層からなるG
MRヘッド、あるいはスピン・バルブ効果を利用したG
MRヘッドとすることにより、信号強度をさらに高める
ことができ、1平方インチ当たり10Gビット以上、3
50kFCI以上の線記録密度を持った信頼性の高い磁
気記録装置の実現が可能となる。 (第2実施形態の説明)次に、本発明の第2実施形態に
かかる磁化パターン形成装置及び磁化パターン形成方
法、並びに磁気ディスク及び磁気記録装置について、図
8〜図11を参照しながら説明する。なお、上述した第
1実施形態で説明したものと同一の構成部については同
一の符号を付しその説明を省略する。
【0173】本実施形態の磁化パターン形成装置は、図
8に示すように、磁気ディスク1を保持するディスクス
テージ(ディスクテーブル)60と、磁気ディスク1に
形成されるサーボパターン(磁化パターン)が転写され
た複数のフォトマスク(マスク)12a,12b…12
nを有するプレート12Aと、プレート12Aを介して
フォトマスク(マスク)12a,12b…12nを保持
するマスクステージ(マスクテーブル)61′と、磁界
印加手段62と、エネルギ線11を出射するエネルギ線
源を備える照射光学系63′と、投影光学系64と、磁
気ディスク1を回転させるディスク用スピンドルモータ
(ディスク用回転駆動手段)2とをそなえて構成されて
いる。
【0174】ディスクステージ60とマスクステージ6
1′とは間隔を置いて互いに平行になるように配設さ
れ、また、投影光学系64の出射部がディスクステージ
60に対向し、投影光学系64の入射部がマスクステー
ジ61′に対向するように、ディスクステージ60とマ
スクステージ61′との間に投影光学系64をディスク
ステージ60及びマスクステージ61′に直角に配設し
ている。そして、ディスクステージ60及びマスクステ
ージ61と投影光学系64との配置関係を維持したまま
ディスクステージ60及びマスクステージ61′を動作
させるようにしている。
【0175】照射光学系63の光源41として、上述の
第1実施形態では、1パルス当たりのエネルギが大きい
エキシマレーザを使用していたが、本実施形態では、安
定性が高いものの、繰り返し速度が速く、1パルス当た
りのエネルギが小さい、LD連続励起によるパルスYA
Gレーザを用いている。エキシマレーザは比較的高い出
力が得られるため、上述の第1実施形態では、磁気ディ
スク1の半径を含む一部領域に同時に照射しても、磁気
ディスク1を磁化可能な温度まで加熱することが可能で
あった(単位照射面積当たりのエネルギを十分なものに
確保できた)。
【0176】これに対し、本実施形態では、YAGレー
ザは比較的低い出力しか得られないため、磁気ディスク
1に対して磁化可能な加熱性能を保持すべく、磁気ディ
スク1の半径をカバーする領域よりも小さな形状(例え
ば、縦0.2mm、横0.2mm程度の四角形のスポッ
ト形状)でレーザを照射して単位照射面積当たりのエネ
ルギを十分なものに確保するようにしている。そして、
レーザを磁気ディスク1の半径方向に沿って走査させる
ことにより、磁気ディスク1の半径をカバーする領域に
対して(磁気ディスク1に対して中心部近傍と最外周部
近傍との間で半径方向に沿って)順次レーザを照射でき
るようにしている。
【0177】このため、エネルギ線11を磁気ディスク
1(又はプレート12A)上で走査しうるように、照射
光学系63′には、走査手段として、例えばガルバノメ
ータ及びf−θレンズが設けられている。レーザ11を
ガルバノメータを通して角度を随時変化させながらf−
θレンズに入射させることにより、後述するようにマス
クステージ(マスク切換手段)61′により選択された
フォトマスクの任意の位置に対してレーザ11を垂直に
照射しうるようになっている。
【0178】なお、走査手段を、照射光学系63′の一
部又は全部を載置するスライダにより構成し、このスラ
イダと一体に照射光学系63′の一部又は全部を移動さ
せることによりレーザ11を走査させるように構成して
も良い。また、上述した第1実施形態では、磁気ディス
ク1の全体に形成される磁化パターンに対応するマスク
パターンを一つのフォトマスク12に一括して形成する
例を示したが、本実施形態では、かかるマスクパターン
を分割し、これらの分割された各マスクパターンを複数
のフォトマスク12a,12b…12nにそれぞれ形成
するようにしている。磁気ディスクの磁化パターンは、
一般的に、図9に示すように、スポークと呼ばれる半径
方向に略沿った曲線により区分された複数(n個)の略
扇型形状の領域(以下、スポーク領域という)S1,S
2…Sn毎に形成されており、磁化パターンの位置精度
は、スポーク領域の相互の位置精度に比べスポーク領域
内で高い精度が要求される。
【0179】磁化パターンに対応するパターンを分割し
て複数のフォトマスクに形成する場合には、磁気ディス
ク1に分割された磁化パターンを順次形成していくこと
により磁気ディスク1の全体に磁化パターンを形成する
こととなる。ここでは、磁気ディスク1の全体に磁化パ
ターンを形成する際、分割された磁化パターンの各相互
間の位置合わせを、高い位置精度を要求されるスポーク
領域内で行なう必要の無いように、かかるパターンがス
ポーク単位で分割されており、図10に示すように、各
スポーク領域S1,S2…Snのそれぞれ対応して形成
されたフォトマスク12a,12b,…12nが不透過
性の基材12Bにおいて図中で上下左右に並べて形成さ
れている。
【0180】また、このような複数のフォトマスク12
a,12b,…12nを切り換えるべく、プレート12
A(フォトマスク12a,12b,…12n)がセット
されるマスクステージ61′は、図示しない機構により
前後左右に移動可能なX−Yステージ(マスク切換手
段)として構成されており、X−Yマスクステージ6
1′により、プレート12Aに形成されたフォトマスク
12a,12b,…12nのうちの所定のフォトマスク
を、エネルギ線照射位置に移動させて、磁気ディスク1
に所定の磁化パターンを形成できるようになっている。
【0181】なお、所定のフォトマスクを用いて磁気デ
ィスク1に磁化パターンを形成している際中は、磁気デ
ィスク1は固定とされる(ディスク用スピンドルモータ
2は停止状態とされる)。そして、かかる磁化パターン
の形成が完了すると、フォトマスクを所定のものに切り
換えるとともに、ディスク用スピンドルモータにより磁
気ディスク1を所定量だけ回転させることにより、磁気
ディスク1に対するエネルギ線照射位置及び磁界印加位
置を相対的に磁気ディスク1の周方向に移動させて、磁
気ディスク1の他のスポーク領域において磁化パターン
が形成され、以降これを繰り返して、磁気ディスク1の
全体に磁化パターンを形成するようになっている。
【0182】このため、磁気ディスク1の回転位置を制
御するディスク用スピンドルモータ2及びフォトマスク
の切り換えを行なうX−Yマスクステージ61′をリン
クさせて作動させるための図示しない制御手段が本磁化
パターン制御装置にはそなえられている。なお、レーザ
光11は走査手段により走査されるため、その照射位置
は、配設位置が固定される投影光学系64及び磁界印加
手段62に対して移動することとなるが、かかる移動
は、各フォトマスク12a,12b,…12nに対応す
る狭い領域(即ち、磁気ディスク1の半径方向をカバー
する領域であり、第1実施形態で同時にレーザが照射さ
れる領域と同等の大きさの領域)に限定されるため、投
影光学系64及び磁界印加手段62は、かかる領域を全
てカバーできるようにその大きさが設定されており(つ
まり、第1実施形態と略同じ大きさで設定されてお
り)、配設位置が固定であっても、レーザ光11が照射
される領域内で磁化パターンを形成することが可能とな
っている。
【0183】本発明の第2実施形態としての磁化パター
ン形成装置は上述したように構成されており、以下の手
法(本発明の第2実施形態としての磁化パターン形成方
法)により磁気ディスク1に対してサーボパターンが形
成される。つまり、先ず、プレート12Aをセットされ
たX−Yマスクステージ61′が所定位置に移動して、
プレート12Aのフォトマスク12a,12b,…12
nの内の所定のフォトマスク(ここではフォトマスク1
2aとする)がレーザ照射位置に設定される。そして、
照射光学系63′から出力されたレーザは、このフォト
マスク12a、さらには投影光学系64を介して、縮小
されたパターン化エネルギ線として停止状態の磁気ディ
スク1に投影される。
【0184】これにより、パターン化エネルギ線を照射
された磁気ディスク1の部位は加熱され、パターン化エ
ネルギ線の照射位置と対応して磁気ディスク1の半径を
カバーするように設けられた磁界印加手段62により、
加熱前とは逆方向に磁化される。このような磁気ディス
ク1に対する磁化パターンの形成は、走査手段11Aで
レーザ11を磁気ディスク1の半径方向に沿って走査さ
せることにより行なわれ、例えば図11(A)に一点鎖
線で示すような経路でレーザを走査するか、或いは、レ
ーザが小形であれば、例えば図11(B)に一点鎖線で
示すような経路でレーザを走査することにより、磁気デ
ィスク1の半径をカバーする領域に対して磁化パターン
が形成される。
【0185】そして、フォトマスク12aに対応した磁
化パターンの形成が完了すると、ディスク用スピンドル
モータ2が所定量だけ回転してレーザ照射位置を相対的
に磁気ディスク1の周方向に移動させるとともに、X−
Yマスクステージ61′が所定位置に移動して、プレー
ト12Aのフォトマスク12b,…12nの内の所定の
フォトマスクがレーザ照射位置に設定され、上述した動
作が繰り返される。即ち、磁気ディスク1に対して、半
径方向に沿った磁化パターンの形成を、順次周方向にず
らして行なうことにより、磁気ディスク1の全体に対し
て磁化パターンが形成されるのである。
【0186】したがって、本実施形態にかかる磁化パタ
ーン形成装置及び磁化パターン形成方法によれば、第1
実施形態と略同様の利点が得られる。つまり、局所加熱
と外部磁界印加を組み合わせて磁気ディスク1に磁化パ
ターンを形成する場合に、微細な磁化パターンを効率よ
く更に精度よく形成することができるようになり、ひい
ては、より高密度記録が可能な磁気ディスク及び磁気記
録装置を短時間かつ安価に提供できるようになるという
利点がある。
【0187】また、照射光学系63や投影光学系64と
して大型のものを採用することなく、特に光源41とし
て、小型で、安価なもの[磁気ディスク1上の狭い範囲
だけしか照射できないもの(即ち、結像範囲が狭いも
の)]を採用することができ、磁気ディスク1への磁化
パターンの形成を、短時間で、効率的に行なえるように
なり、高生産性を実現できるという利点もある。
【0188】なお、上述の実施形態では、図10に示す
ように、各スポークの個々に対応させてフォトマスク1
2a,12b,…12nを形成しているが、複数(例え
ば2つ)のスポーク毎に1つのフォトマスクを形成する
ようにしても良い。或いは、サーボパターンとして必要
なのが、サーボパターン記録用の基準パターンと、通常
のサーボパターンとの二種類だけであれば、これらの二
種類の磁化パターンに対応した二つのフォトマスクを用
意するだけでよい。さらに、各スポークにおける磁化パ
ターンが何れも同じであれば、一種類のフォトマスクを
1つ使用するだけでよい。この場合、フォトマスクの切
り換え手段は不要となる。
【0189】また、図10に示すように、複数のフォト
マスク12a,12b,…12nをプレート12AのX
Y方向(図中で上下左右方向)に並べるとともにマスク
切り換え手段として、プレート12AをXY方向に移動
させるXYステージを用いた例を説明したが、プレート
12Aに同心円上に複数の複数のフォトマスクを並べる
とともにこのプレート12Aを回転させる回転駆動手段
をマスク切り換え手段として使用しても良い。
【0190】また、上述した第2実施形態では、比較的
小さな照射面積でレーザを照射するようにしていたが、
第1実施形態と同様に、エネルギ線源としてエキシマレ
ーザのような高出力のレーザを用いて比較的大きな照射
面積でレーザを照射して、各フォトマスク12a,12
b,…12nのそれぞれに対しマスク全体を同時に照射
するように構成しても良い。このケースでは、レーザを
走査させる必要がなくなるので走査手段は不要となる。
【0191】また、エキシマレーザのような高出力のレ
ーザを用い、さらに、例えば遮光板を用いて、照射され
たレーザ光を、磁気ディスク1の半径をカバーする領域
よりも小さなレーザ光に整形するようにしても良い。こ
の場合、遮光板は、不必要な領域へのレーザ照射を防い
だり、既に磁化パターンを形成した領域への再照射を防
ぐ機能を有することになる。この遮光板を設ける位置
は、マスク12の直前が望ましい。
【0192】なお、上述の各実施形態では、磁気ディス
ク1を面内磁気記録媒体として面内方向へ磁化させる場
合について説明しているが、当然のことながら、磁気デ
ィスク1が垂直磁気記録媒体として構成される場合であ
っても、磁界印加手段の構成を垂直方向へ磁化させるよ
うな構成とすることで、本発明を適用しうる。また、上
述の各実施形態では、磁化パターン形成装置(方法)を
所定の縮小倍率に縮小投影するものとして説明している
が、これに限られるものではなく、例えば等倍率や拡大
倍率に投影するものでも良い。
【0193】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜33記
載の本発明の磁化パターン形成方法及び磁化パターン形
成装置並びに磁気ディスク及び磁気記録装置によれば、
局所加熱と外部磁界印加を組み合わせて磁気ディスクに
磁化パターンを形成する場合に、微細な磁化パターンを
効率よく更に精度よく形成することができるようにな
り、ひいては、より高密度記録が可能な磁気ディスク及
び磁気記録装置を短時間かつ安価に提供できるようにな
るという利点がある。
【0194】また、照射光学系や投射光学系として大型
のものを採用することなく、小型で、安価なものを採用
しながら、磁気ディスクへの磁化パターンの形成を、短
時間で、効率的に行なえるようになり、高生産性を実現
できるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる磁化パターン形
成装置の全体構成を説明するための模式的側面図であ
る。
【図2】(a)は、本発明の第1実施形態にかかる磁化
パターン形成装置のディスク保持部及び磁界印加部の一
例の断面模式図である。(b)は、本発明の第1実施形
態にかかる磁化パターン形成装置のディスク保持部及び
磁界印加部の一例の模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる磁化パターン形
成装置のディスク保持部及び磁界印加部の一例の断面模
式図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかるエネルギー線照
射用光学系の一例の説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかるエネルギー線照
射用光学系の他の一例の説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態にかかる遮光板の一例の
説明図である。
【図7】本発明の第1実施形態の変形例にかかる磁化パ
ターン形成装置の要部構成を説明するための模式的側面
図である。
【図8】本発明の第2実施形態にかかる磁化パターン形
成装置の全体構成を説明するための模式的側面図であ
る。
【図9】一般的な磁気ディスクのスポーク構造を説明す
るための模式的斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態にかかる磁化パターン
形成装置のプレートの構成を説明するための模式的平面
図である。
【図11】(A),(B)は本発明の第2実施形態にか
かる磁化パターン形成装置のエネルギ線走査経路を説明
するための図であってマスクの模式的な拡大平面図であ
る。
【符号の説明】
1 磁気ディスク 2 ディスク用スピンドルモータ(ディスク用回転駆動
手段) 3 ターンテーブル 4 第一磁界印加手段 5 ヨーク 6,6a,6b 永久磁石 7 真空溝 8 第二磁界印加手段 9 ヨーク 10 永久磁石 11 パルスレーザ(エネルギ線) 11A 走査手段 12,12a〜12n フォトマスク 12A プレート 12B 基材 13 透明基板 14 不透明層 15 結像レンズ 21 硬質基板 22a,22b 磁性層 41 パルスレーザ光源 42 プログラマブルシャッター 43 アッテネータ 44 コンデンサレンズ 44a 非球面レンズ 44b 平凸レンズ 45 ビームエキスパンダ 49 遮光板 51 基板 52 レーザ透過部 60 ディスクステージ 61,61′ マスクステージ 62 磁界印加手段 63,63′ 照射光学系 64 投影光学系 64A,64B,64C,64D ミラー 65 マスク用スピンドルモータ(マスク用回転駆動手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗和田 健 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 栗山 俊彦 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 5D112 AA24 DD00 GA19 GB01 KK00

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に磁性層を有してなる磁気ディス
    クに、マスクを介してエネルギ線を照射して前記磁性層
    を加熱すると同時に、前記磁性層の加熱部分に外部磁界
    を印加して、前記磁気ディスクに所望の磁化パターンを
    形成する磁化パターン形成方法であって、 前記エネルギ線を照射して、前記マスクに形成されたパ
    ターンを等倍率又は所定の縮小倍率で前記磁気ディスク
    の一部に投影するとともに、前記磁気ディスクを回転さ
    せることで前記磁気ディスクに対する前記エネルギ線の
    照射位置を前記磁気ディスクの周方向に変化させて前記
    磁気ディスクに所望の磁化パターンを形成することを特
    徴とする、磁化パターン形成方法。
  2. 【請求項2】 前記磁気ディスクに、外部磁界を印加し
    て前記磁性層を予め所望の方向に一様に磁化し、 前記エネルギ線を照射して前記磁性層を加熱すると同時
    に、前記磁性層の加熱部分に外部磁界を印加して前記所
    望の方向とは逆方向に磁化して、前記磁気ディスクに所
    望の磁化パターンを形成することを特徴とする、請求項
    1記載の磁化パターン形成方法。
  3. 【請求項3】 前記マスクに形成されたパターンを、前
    記磁気ディスクの中心部近傍と最外周部近傍との間で半
    径方向に沿って前記磁気ディスクの一部に対して投影す
    ることを特徴とする、請求項1又は2記載の磁化パター
    ン形成方法。
  4. 【請求項4】 前記マスクには、前記磁気ディスクに形
    成されるべき磁化パターンの全体に対応するパターンが
    一括して形成され、 前記磁気ディスクと前記マスクとを同期させて回転させ
    ることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載
    の磁化パターン形成方法。
  5. 【請求項5】 前記マスクと前記磁気ディスクとの間
    に、前記マスクに形成されたパターンを前記磁気ディス
    クの一部に対して投影する投影光学系をそなえ、 前記マスクの回転中心と前記投影光学系のエネルギ線入
    射中心との距離Aと、前記磁気ディスクの回転中心と前
    記投影光学系のエネルギ線出射中心との距離Bとの比
    (A/B)が、前記等倍率又は前記所定縮小倍率に等し
    いことを特徴とする、請求項4記載の磁化パターン形成
    方法。
  6. 【請求項6】 前記磁気ディスクと前記マスクとを同軸
    で回転させるとともに前記マスクパターンの正立像が前
    記磁気ディスクに投影されることを特徴とする、請求項
    5に記載の磁化パターン形成方法。
  7. 【請求項7】 前記マスクには、前記磁気ディスクに形
    成されるべき磁化パターンの一部と対応するパターンが
    形成されていることを特徴とする、請求項1〜3の何れ
    か1項に記載の磁化パターン形成方法。
  8. 【請求項8】 前記マスクは、互いに異なる種類で複数
    そなえられており、前記複数のマスクの中から、マスク
    パターンが前記磁気ディスクに投影されるマスクを選択
    して切り換えることを特徴とする、請求項7記載の磁化
    パターン形成方法。
  9. 【請求項9】 前記磁気ディスクの一部に対する前記マ
    スクパターンの投影を、 前記磁気ディスクの一部領域であって磁化パターン形成
    領域の半径方向幅を含む領域に対して、前記磁気ディス
    クの半径よりも小さなスポット径のエネルギ線を照射し
    て行なうとともに、 前記磁気ディスクを1回転させる毎に前記エネルギ線を
    前記磁気ディスクの半径方向に所定量だけ移動させて前
    記磁気ディスクに所望の磁化パターンを形成することを
    特徴とする、請求項4〜6の何れか1項に記載の磁化パ
    ターン形成方法。
  10. 【請求項10】 前記磁気ディスクの一部に対する前記
    マスクパターンの投影を、 前記磁気ディスクの一部領域であって磁化パターン形成
    領域の半径方向幅を含む領域に対して、前記磁気ディス
    クの半径よりも小さなスポット径のエネルギ線を前記半
    径方向に沿って走査させることにより行なうことを特徴
    とする、請求項1〜8項の何れか1項に記載の磁化パタ
    ーン形成方法。
  11. 【請求項11】 前記磁気ディスクの一部に対する前記
    マスクパターンの投影を、 前記磁気ディスクの一部領域であって磁化パターン形成
    領域の半径方向幅を含む領域に対して同時に行なうこと
    を特徴とする、請求項1〜8項の何れか1項に記載の磁
    化パターン形成方法。
  12. 【請求項12】 前記磁気ディスクに対して中心部近傍
    と最外周部近傍との間で半径方向に沿って前記マスクパ
    ターンの投影を行なう毎に、前記磁気ディスクを所定量
    だけ回転させて前記磁気ディスクに所望の磁化パターン
    を形成することを特徴とする、請求項10又は11記載
    の磁化パターン形成方法。
  13. 【請求項13】 前記マスクが、前記磁化パターンに応
    じて形成され、前記エネルギ線を透過しうる透過部を備
    えることを特徴とする、請求項1〜12の何れか1項に
    記載の磁化パターン形成方法。
  14. 【請求項14】 前記マスクと前記磁気ディスクとの間
    に遮光板を介在させることを特徴とする、請求項1〜1
    3の何れか1項に記載の磁化パターン形成方法。
  15. 【請求項15】 前記磁化パターンの最小幅が、2μm
    以下であることを特徴とする、請求項1〜14の何れか
    1項に記載の磁化パターン形成方法。
  16. 【請求項16】 前記磁化パターンが、前記磁気ディス
    クの記録再生用ヘッドの位置制御を行なうためのサーボ
    パターン又はサーボパターン記録用の基準パターンを含
    むことを特徴とする、請求項1〜15の何れか1項に記
    載の磁化パターン形成方法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16の何れか1項に記載の
    磁化パターン形成方法により磁化パターンを形成されて
    なることを特徴とする、磁気ディスク。
  18. 【請求項18】 磁気ディスクと、前記磁気ディスクを
    記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部からなる
    磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気ディスクに対
    して相対移動させる移動手段と、前記磁気ヘッドヘの記
    録信号入の入力と前記磁気ヘッドからの再生信号の出力
    とを行なうための記録・再生信号処理手段とを有する磁
    気記録装置であって、 前記磁気ディスクが、請求項1〜16の何れか1項に記
    載の磁化パターン形成方法により磁化パターンを形成さ
    れてなることを特徴とする、磁気記録装置。
  19. 【請求項19】 基板上に磁性層を有してなる磁気ディ
    スクに所望の磁化パターンを形成する磁化パターン形成
    装置であって、 前記所望の磁化パターンと同一又は相似形のパターンを
    有するマスクと、 前記磁性層を加熱すべく前記マスクを介して入射される
    エネルギ線を前記磁気ディスクの一部に照射して前記マ
    スクパターンを等倍率又は所定の縮小倍率で投影する投
    影光学系と、 前記磁気ディスクに前記外部磁界を印加する外部磁界印
    加手段と、 前記磁気ディスクを回転させるディスク用回転駆動手段
    とをそなえて構成されていることを特徴とする、磁化パ
    ターン形成装置。
  20. 【請求項20】 前記投影光学系が、 前記マスクに形成されたパターンを、前記磁気ディスク
    の中心部近傍と最外周部近傍との間で半径方向に沿って
    前記磁気ディスクの一部に対して投影することを特徴と
    する、請求項19記載の磁化パターン形成装置。
  21. 【請求項21】 前記マスクを回転させるマスク用回転
    駆動手段をそなえるとともに、前記マスクには、前記磁
    気ディスクに形成されるべき磁化パターンの全体に対応
    するパターンが一括して形成され、 前記ディスク用回転駆動手段及び前記マスク用回転駆動
    手段により、前記磁気ディスク及び前記マスクをそれぞ
    れ同期させて回転させることを特徴とする、請求項19
    又は20記載の磁化パターン形成装置。
  22. 【請求項22】 前記マスクの回転中心と前記投影光学
    系のエネルギ線入射中心との距離Aと、前記磁気ディス
    クの回転中心と前記投影光学系のエネルギ出射中心との
    距離Bとの比(A/B)が、前記投影光学系の前記等倍
    率又は前記所定縮小倍率に等しく設定されていることを
    特徴とする、請求項21記載の磁化パターン形成装置。
  23. 【請求項23】 前記マスク用回転駆動手段及び前記デ
    ィスク用回転駆動手段とが、前記マスク及び前記磁気デ
    ィスクを同軸上で回転駆動するディスク/マスク用回転
    駆動手段として一体に構成され、 前記マスクパターンの正立像が前記磁気ディスクに投影
    されるように、前記投影光学系の仕様が設定されている
    ことを特徴とする、請求項22記載の磁化パターン形成
    装置。
  24. 【請求項24】 前記マスクには、前記磁気ディスクに
    形成されるべき磁化パターンの一部と対応するパターン
    が形成されていることを特徴とする、請求項19又は2
    0記載の磁化パターン形成装置。
  25. 【請求項25】 前記マスクが互いに異なる種類で複数
    そなえられるとともに、 マスク切換手段がそなえられ、 前記マスク切換手段は、 前記複数のマスクの中から所定のマスクを選択して前記
    エネルギ線の照射位置へ移動させることにより、マスク
    パターンが前記磁気ディスクに投影されるマスクを前記
    所定のマスクに切り換えることを特徴とする、請求項2
    4記載の磁化パターン形成装置。
  26. 【請求項26】 前記エネルギ線が、前記マスクを介し
    て、前記磁気ディスクの一部領域であって磁化パターン
    形成領域の半径方向幅を含む領域に対して、前記磁気デ
    ィスクの半径よりも小さなスポット径で照射され、 前記磁気ディスクの半径方向に沿ったエネルギ線の投影
    を行なうべく、前記エネルギ線を上記半径方向に沿って
    走査させる走査手段をそなえ、 前記ディスク用回転駆動手段により前記磁気ディスクを
    1回転させる毎に、前記走査手段により前記エネルギ線
    を前記磁気ディスクの半径方向に所定量だけ走査させて
    前記磁気ディスクに所望の磁化パターンを形成すること
    を特徴とする、請求項21〜23の何れか1項に記載の
    磁化パターン形成装置。
  27. 【請求項27】 前記エネルギ線が、前記マスクを介し
    て、前記磁気ディスクの一部領域であって磁化パターン
    形成領域の半径方向幅を含む領域に対して、前記磁気デ
    ィスクの半径よりも小さなスポット径で照射され、 前記磁気ディスクの半径方向に沿ったエネルギ線の投影
    を行なうべく、前記エネルギ線を上記半径方向に沿って
    走査させる走査手段をそなえていることを特徴とする、
    請求項19〜25の何れか1項に記載の磁化パターン形
    成装置。
  28. 【請求項28】 前記磁気ディスクの半径方向に沿った
    エネルギ線の投影を行なうべく、 前記エネルギ線が、前記磁気ディスクの一部領域であっ
    て磁化パターン形成領域の半径方向幅を含む領域に対し
    て同時に照射されることを特徴とする、請求項19〜2
    5の何れか1項に記載の磁化パターン形成装置。
  29. 【請求項29】 前記磁気ディスクに対して中心部近傍
    と最外周部近傍との間で半径方向に沿って前記マスクパ
    ターンの投影を行なう毎に、前記ディスク用回転駆動手
    段により前記磁気ディスクを所定量だけ回転させて前記
    磁気ディスクに所望の磁化パターンを形成することを特
    徴とする、請求項27又は28記載の磁化パターン形成
    装置。
  30. 【請求項30】 前記マスクが、前記パターンに応じて
    形成され、前記エネルギ線を透過しうる透過部を備える
    ことを特徴とする、請求項19〜29の何れか1項に記
    載の磁化パターン形成装置。
  31. 【請求項31】 前記マスクと前記磁気ディスクとの間
    に遮光板を介在させることを特徴とする、請求項19〜
    30の何れか1項に記載の磁化パターン形成装置。
  32. 【請求項32】 前記磁化パターンの最小幅が、2μm
    以下であることを特徴とする、請求項19〜31の何れ
    か1項に記載の磁化パターン形成装置。
  33. 【請求項33】 前記磁化パターンが、前記磁気ディス
    クの記録再生用ヘッドの位置制御を行なうためのサーボ
    パターン又はサーボパターン記録用の基準パターンを含
    むことを特徴とする、請求項19〜32の何れか1項に
    記載の磁化パターン形成装置。
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JP2015048236A (ja) * 2013-09-04 2015-03-16 日本宅配システム株式會社 物品収受システム

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