JP2002236120A - 錆安定化診断方法 - Google Patents

錆安定化診断方法

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JP2002236120A
JP2002236120A JP2001029692A JP2001029692A JP2002236120A JP 2002236120 A JP2002236120 A JP 2002236120A JP 2001029692 A JP2001029692 A JP 2001029692A JP 2001029692 A JP2001029692 A JP 2001029692A JP 2002236120 A JP2002236120 A JP 2002236120A
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stabilization
steel
steel material
diagnosing
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Kenji Morita
健治 森田
Kaoru Sato
馨 佐藤
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定量的で簡便な耐候性鋼の錆安定化診断方法
を提供する。 【解決手段】 低合金鋼の表面に生成した錆層の分光反
射率を測定することにより、前記錆層の安定化度を診断
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、低合金鋼、特
に、耐候性鋼に代表される低合金耐食鋼の表面に生成し
た錆について、錆の防食性能を評価する評価方法に係
り、大気腐食環境に対する保護作用を有する錆層の安定
度合いを定量的に評価する錆安定化診断方法、その評価
方法を用いる鋼構造物の補修方法および耐候性鋼材の製
造方法、並びに、その製造方法により製造した耐候性鋼
材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋼にCu、Cr、Ni等の元素
を添加することにより、大気中における耐食性を向上さ
せることができる。これらの低合金鋼は、耐候性鋼と呼
ばれており、屋外に置いて数年から数十年で腐食に対し
て保護性のある錆(以下、安定錆という)を形成し、以
後の塗装の防食処理作業を最小限に抑えるいわゆるミニ
マムメンテナンス鋼である。
【0003】しかし、耐候性鋼は、耐食鋼といえども低
合金鋼であり、安定錆が形成されても完全に腐食を抑え
ることができないのが現状である。特に、海塩粒子や融
雪剤に直接低合金鋼が曝される環境(以下、強腐食環境
という)では、安定錆が生成しない場合がある。
【0004】鋼構造物を設計する際、予め高腐食環境に
曝されることが分かっていれば、安定錆によって防食す
る耐候性鋼よりも、より高級な防食方法、即ち、塗装、
めっき、電気防食あるいは高合金鋼等の高耐食性材料を
用いるような設計をする方が望ましい。しかし、これら
の防食方法は、高価であることが問題である。鋼構造物
を極力安価に供給するためには、鋼構造物の設置環境を
十分に把握した上で、可能であれば耐候性鋼を用いるこ
とにより、施工費、メンテナンス費が最小限に抑えられ
る。
【0005】しかし、設計時予想できない事態、例え
ば、台風等の気象による海塩粒子の飛来や設計・施工後
の融雪塩散布等がなされて、鋼材が予期せぬ高腐食環境
に曝される場合がある。このような場合には、安定錆の
形成がなされず、メンテナンス無しでは鋼構造物の寿命
が短くなる場合がある。従って、耐候性鋼材について
は、施工後に設計通りの耐食性を示しているかどうか、
即ち、錆安定度診断を行い、少なくとも安定錆が形成さ
れていない場所には塗装等の防食を施すことが必要であ
る。
【0006】耐候性鋼の錆診断方法としては、従来から
素地鋼材の重量減少から腐食量の経時的変化を測定して
評価することが、1969年に発行された日本鋼管技
報、No.46に開示されている。以下、従来技術1と
いう。
【0007】また、錆安定度診断としては、従来からフ
ェロキシル試験、セロテープ(登録商標)試験、外観評
価等が提案されている。フェロキシル試験は、本来めっ
きのピンホールや微小割れを検出する方法(JISH8
617)であり、地鉄が腐食して生成する二価鉄イオン
が表面に現れた物を発色させるものであって、鋼材の活
性点を調べる方法であると言われている。
【0008】セロテープ試験は、浮き錆量を把握する方
法であり、定量的な評価方法であると考えられる。
【0009】また、経験的には、目視による診断も有効
であると言われている。1999年に発行された第12
3回腐食防食シンポジウム資料「耐候性鋼のさびサイエ
ンス」p29には、外観と腐食量とを関連付けた新しい
錆外観評価方法が開示されている。以下、従来技術2と
いう。
【0010】また、特開平6−241982号公報に
は、錆層の安定度を評価するために、α−FeOOHの
量あるいはα−FeOOHの平均結晶粒径を測定するこ
とによって安定度を評価する方法が開示されている。以
下、従来技術3という。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術1は、実験室においては有効であるとしても、一
旦構築された構造物の場合においては、構造物そのもの
の重量減少を実測することは実質的に困難である。構造
物の近くに同じ腐食減少量測定用鋼材を設置して測定す
ることも可能であるが、構造物の外観が劣ること、構造
物に腐食減少量測定鋼材の設置場所を確保しなければな
らないこと、重量測定用の鋼材が構造物と全く同じ環境
にあるとは限らないこと等の問題があった。
【0012】フェロキシル試験は、本来めっきのピンホ
ールや微小割れを検出する方法(JISH8617)で
あり、地鉄が腐食して生成する二価鉄イオンが表面に現
れた物を発色させるものである。この試験は、腐食が過
度で厚い錆を生じている表面では、試験液が地鉄の腐食
を生じさせない為に、安定過度の判断は困難であるとい
われている(松島巌著 低合金耐食鋼p91)。そもそ
も、フェロキシルテストは、めっきのピンホールを検出
する為に見い出された方法であって、フェロキシルテス
ト結果と錆の安定度診断との関連を調べることは困難で
あると考えられる。
【0013】セロテーブ試験は、浮き錆の量を把握する
方法であり、定量的な評価方法であると考えられる。セ
ロテープに付着する錆は、浮き錆とも呼ばれ、極度に剥
離しやすい錆であるために、鋼材の腐食と直接関係があ
るかどうかは不明である。
【0014】また、従来技術2による外観評価は、評価
者によって評価値が異なることが問題である。また、そ
の外観評価の程度は、主に層状錆、うろこ状錆とそれ以
外の3種類に分類されている。層状錆とうろこ状錆は、
錆が安定錆の必須条件を満たしただけであって、それだ
けでは安定錆形成については診断できないと考えられ
る。従って、より高精度の安定度診断が望まれている。
【0015】また、従来技術3においては、α−FeO
OHの測定のみで安定錆の状態、錆安定度の診断が十分
に行えるかどうか疑問視されつつある。例えば、土木学
会第53回年次学術講演会講演概要集 第1部 pl2
6〜127等には、錆中の結晶成分の割合α/γ(α−
FeOOH量とγ−FeOOH量との比)やα/γ
*(α−FeOOH量とγ−FeOOH、β−FeOO
Hおよびグネタイト量の総和との比)と、経験的な安定
度である目視評価とは異なっていることが記されてい
る。
【0016】本願発明者等は、これらの問題に鑑み、定
量的で簡便な耐候性鋼の錆安定度診断方法を検討した。
その結果、耐候性鋼の錆安定度の新規な診断方法を見出
したした。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願発明等は、上述した
問題を解決するために、耐候性鋼に代表される低合金鋼
材の表面に生成した錆層を採取して錆粉末とし、採取し
た錆粉末について、腐食減量、外観、α−FeOOH、
β−FeOOH、γ−FeOOH、マグネタイトの結晶
含有量、全鉄含有量、二価鉄含有量、合金添加元素量、
熱発生ガス量、錆中に生成したクラック長さ等を測定
し、錆分析結果と腐食減量および外観的との相関を調査
して、分析結果と良好な錆との特徴を抽出した。しか
し、これらの方法は、多くの労力と時間を要する。
【0018】そこで、本発明者等は、錆の構造的特徴
(以下、構造解析的錆安定度と呼ぶ)を簡易的に評価す
る方法を鋭意検討して、この発明に至った。
【0019】本発明者等は、耐候性鋼の錆の構造に基づ
いて腐食減量と外観とを評価した。その結果、錆の安定
度を左右する因子としては、以下のものが挙げられるこ
とが分かった。 (1)錆の密着性・緻密性 (2)錆の均一性 (3)マグネタイトの量 (4)非晶質中の二価鉄の量 (5)鋼材表面の凹凸の程度 それぞれの項目が安定度に及ぼす効果と、その簡易分析
方法は、以下の通りである。 (1)錆の密着性・緻密性 耐候性鋼の防食作用は、表面に生成した錆層が保護性を
持つことであるが、錆そのものが鋼材に密着していない
と、その効果は失われる。詳細な解析としては、錆中に
どの程度クラック等の不連続な部分が在在するかを調査
することがそれに対応する。クラック等が存在する密着
性の悪い錆は、クラックや非密着部から水、酸素、塩
素、硫黄等の腐食促進物質が侵入し、また、腐食促進物
質を鋼材表面に保持する効果が働き、鋼材の腐食を促進
する。 (2)錆の均一性 錆の均一性とは、錆の組成と結晶情造、断面の層構造、
密着性が均一であることである。この均一性は、色斑に
よって判断することができる。色斑の第一の原因は、高
密着性錆の場合は暗く、低密着性錆は、明るく見えるこ
とである。色斑の第二の原因は、組成・結晶構造が異な
ることである。α−FeOOHは、黄色、β、γ−Fe
OOHは、褐色、マグネタイトは、黒色であり、組成・
結晶構造が均一でない場合、色斑となる。
【0020】錆が均一でないこと、即ち、色斑があるこ
とによって、鋼材は、腐食しやすくなる。その原因は、
密着性が異なる錆が付着している場合、高湿度下で低密
着性部分に水分が多く付着し、高密着性部分には水分が
付着しにくいことにある。水分の付着斑は、局所電池を
形成する原因となり、従って腐食を促進する。また、構
造が異なる錆が付着している場合、異種物質接触電位に
よって電池が形成され、従って腐食が促進される。即
ち、何れの場合も錆が均一でない場合、即ち、色斑が有
る場合、腐食は促進する。
【0021】色斑の判定は、カラーフィルムを用いた銀
塩カメラやCCD素子を用いたデジタルカメラにより撮
影することによって行う。しかし、銀塩カメラやデジタ
ルカメラで撮影した画像は、撮影条件、プリント条件を
一定に保つことが難しい。特に、銀塩カメラは、フイル
ム、照明、露出、ピント、現像条件等によって色調が変
化し、定量的に色調・色斑を調べることは困難である。
デジタルカメラにも温度による特性変化等があり、銀塩
カメラと比較するとより安定しているものの、単独で色
調・色斑を定量することは容易ではない。一方、可視光
分光反射率計は、正確な物体色を測定することは可能で
あるが、色斑を測定することは困難である。従って、デ
ジタルカメラと分光反射率計の長所とを併用することに
よって、色斑の定量的な測定が可能となる。即ち、デジ
タル画像を、分光反射率計によるデータを用いて三刺激
値行列に変換することによって定量的な色斑の測定が可
能となる。補正方法は、測定する錆の分光反射率計で測
定した三刺激値と、色調既知の2種類以上の色見本を分
光反射率計を含むデジタルカメラにより撮影した画像と
を撮影し、分光反射率による三刺激値とデジタル画像の
RGB値とを比較し、RGB値を三刺激値へ変換する変
換式を導くことによって可能となる。
【0022】変換された三刺激値行列は、画像の撮影条
件に依存しない物質の反射率に基づく定量的なものであ
り、三刺激値行列を解析することによって色斑を定量す
ることが可能となる。
【0023】錆の均一性は、色斑によって判断でき、錆
の色斑は、デジタル画像撮影と分光反射率計との併用に
よって測定することができ、錆が均一でないと、異種物
質接触電池が形成されてマクロ腐食が発生することは上
述した通りであるが、マクロ腐食の大きさは、色調を3
0mm角以上の広さを0.5から5mm角の範囲内の分
解能で多点測定することによって把握することができ
る。5mmを超える分解能で測定すると、アノード部と
カソード部とが接近している場合、区別ができない。一
方、0.5mm未満の分解能で測定してもマクロ腐食を
見逃すことはないが、時間と労力を要する。従って、分
解能は、0.5mmから5mmの範囲内が好ましい。 (3)非晶質中の二価鉄 非晶質中の二価鉄は、経験的に多いほど安定的である。
その原因は、二価鉄が三価鉄に変化する際、還元剤とし
ての効果を持つこと、マグネタイトと異なり、電気伝導
性が無いこと、対アニオンが少ないことによって密度が
高いこと、結晶晶壁を作らない為に、鋼材に付着した状
態で割れにくいこと等が挙げられる。但し、錆中に存在
する二価鉄のうち、マグネタイトは、腐食を促進するこ
とから好ましくなく、従って、二価鉄を検出するまでも
なくマグネタイトが存在することによって錆が不安定で
あることが分かる。
【0024】マグネタイトが無い場合には、錆中の二価
鉄、即ち、非晶質中の二価鉄分析方法は、鋼材表面の色
調、即ち、分光反射率または分光透過率によって把握す
ることができる。鋼材表面の色調は、錆中に含まれる二
価鉄量に最も大きく影響する。その理由は、以下の通り
である。
【0025】三価鉄錯体は、典型的には波長470nm
を中心にして半値全幅150nm程度で、モル吸収係数
最大値8000l・cm−l・mol−l程度の強度で
光を吸収する。二価鉄錯体は、典型的には波長550n
mを中心にして半値幅が長波長側に50nm、短波長側
に100nm程度で、モル吸収係数最大値21000l
・cm−l・mol−l程度の強度で光を吸収する。従
って、三価鉄は、黄色からオレンジ色、二価鉄は、黒緑
色を呈するが、その吸収強度は、二価鉄が三価鉄の約
2.5倍である。特に、鋼材表面の波長550nm近傍
の光吸収は、主に二価鉄化合物によるものであると考え
られる。従って、鋼材表面の550nm反射率または透
過率を測定することにより簡易的に二価鉄量を測定する
ことができる。 (4)鋼材表面の凹凸の程度 耐候性鋼の鋼材表面の凹凸は、腐食前の鋼材表面の凹凸
が一定である限り、錆層の安定度を示す防食原因という
よりも、むしろ腐食によって局所的に肉厚が減少した結
果によって生じる。腐食は、モデル的にはミクロ腐食電
池とマクロ腐食電池とが形成されることにより起こると
考えられるが、特に、腐食が激しい場合、マクロ腐食電
池が形成される場合が多い。無塗装鋼材のマクロ腐食電
池は、上記(2)で述べたように、錆の不均一性または
異物の付着によって生じる。その結果として、鋼材表面
に凹凸が生じると考えられる。従って、凹凸が生じてい
る鋼材は、マクロ腐食電池が形成されていると考えられ
るため、腐食の程度を診断する方法となる。
【0026】鋼材表面の凹凸の程度を測定するには、表
面粗さ計を用いることが最も正確であるが、簡易的に
は、拡散照明と斜め入射照明で撮影した画像の差が大き
い場合、凹凸が激しく、小さい場合、凹凸が少ないと考
えられる。
【0027】また、本願発明者等は、鋼材に付着した錆
の光沢度、湿度による反射率の影響も錆安定度と関わっ
ていることも見出した。物質の反射に関する文献w.w.we
ndlandt and H.G.Hecht著Reflectance Spectroscop
y等に詳しく記されてある。
【0028】鋼材に付着した鉄錆の反射率と構造との関
係は、以下の傾向がある。 (1)鉄さびが密に凝集していれば、反射率は低くな
り、光沢度が上がる。波長700nm程度の反射率は、
鉄化合物の可視光吸収の影響が小さくなり、従って、波
長700nm程度の反射率を測定することによって、錆
が密に凝集しているかどうかの指標となる。 (2)錆が密に凝集している場合、錆が濡れることによ
る反射率の低下は少なく、錆が疎に凝集している場合、
錆が濡れることによる反射率の低下は大きい。これらの
結果は、前述の文献の理論と矛盾しないと考えられる。
従って、鋼材そのものの反射率および光沢度を測定する
ことによって、鋼材の凝縮度が分かる。
【0029】以上のような測定方法によって、錆安定度
診断を行うことができるが、この診断方法は、構造物の
診断方法だけでなく、鋼材製造にも用いることができ
る。即ち、数種類の成分を持つ耐候性鋼材を腐食試験
し、腐食試験の結果として上述の分光反射率系および錆
画像を用いて診断した評価結果をもって診断し、鋼材の
成分設計を行う耐候性鋼材製造方法、および、前記製造
方法を用いて製造した耐候性鋼材も本発明に含まれる。
即ち、この発明は、下記を特徴とするものである。
【0030】請求項1記載の発明は、低合金鋼の表面に
生成した錆層の分光反射率を測定することにより、前記
錆層の安定化度を診断することに特徴を有するものであ
る。
【0031】請求項2記載の発明は、低合金鋼の表面に
生成した錆層の光沢度を測定することにより、前記錆層
の安定化度を診断することに特徴を有するものである。
【0032】請求項3記載の発明は、低合金鋼の表面に
生成した錆層の色斑を測定することにより、前記錆層の
安定化度を診断することに特徴を有するものである。
【0033】請求項4記載の発明は、低合金鋼の表面に
生成した錆層を一定条件で剥離した後、鋼材表面に付着
した錆内部について、分光反射率、光沢度、色調の何れ
かを測定して、前記錆層の安定化度を診断することに特
徴を有するものである。
【0034】請求項5記載の発明は、請求項1または4
の分光反射率測定において、湿度を制御することに特徴
を有するものである。
【0035】請求項6記載の発明は、低合金鋼の表面に
生成した錆層を一定条件で剥離した後、鋼材表面に付着
した錆の内部について、拡散入射光と斜め入射光を用い
て色調を測定することにより、前記錆層の安定化度を診
断することに特徴を有するものである。
【0036】請求項7記載の発明は、低合金鋼で構成さ
れた構造物に対して、前記請求項1から6のうちの何れ
か1つの方法を用いて耐候性鋼の錆安定化度を診断し、
安定度が低い部分から優先的に補修することに特徴を有
するものである。
【0037】請求項8記載の発明は、数種類の成分を持
つ耐候性鋼材を腐食試験し、腐食試験の結果、生成され
た鋼材表面の錆層の安定化度を、請求項1から6のうち
の何れか1つの方法を用いて評価し、鋼材の成分設計を
行うことに特徴を有するものである。
【0038】請求項9記載の発明は、請求項8の方法に
より製造されたことに特徴を有するものである。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、この発明を詳細に説明す
る。 (対象鋼材)この発明の評価方法および耐候性鋼材とし
て適用可能な鋼材は、特に限定するものではない。評価
方法においては、無塗装で用いる鋼材がこの発明の対象
とする鋼材である。また、表面はブラスト処埋等で表面
のスケールや錆を落とした状態が好ましいが、必ずしも
この必要はない。 (分光反射率計)この発明の可視光分光反射率計は、物
体色を測定できる物であれば良い。測定面に極端な凹凸
がない限りJISZ8722記載のD‐0法、45−0
法で測定しても、積分球を用いた分光反射率計を用いて
も良い。積分球分光反射率計を用いた場合には、錆に覆
われた鋼材は、正反射光が少ない為に、SCI、SCE
のどちらの方式でも構わないが、測定の精度は、経験的
にSCI積分球を用いた分光反射率計が適している。 (光沢度測定)物質の光沢度測定方法は、各種存在する
が、鋼材に付着した鉄錆の表面は、凹凸が激しい為に、
一般的には測定は困難である。実質的な測定方法は、ス
リットを通した細い平行光を鋼材表面から5度、以上8
5度以下、望ましくは5度から10度の範囲内の斜め方
向から試料表面に入射し、反射した光をスクリーン上に
投影して投影された光の分布を測定することによって行
われる。スクリーン上に輝点が見られる場合は光沢度が
あり、見られない場合には光沢が低いと考えられる。光
沢度の有無は、スクリーンを目視で観測することもでき
るし、スクリーンを画像として取り込み、定量的に解析
しても良い。 (錆画像撮影方法)錆画像取得方法としては、銀塩カラ
ーフイルムやCCDを用いたカメラを用いることが出来
る。銀塩フィルムを用いた場合、スキャナ等を用いてそ
の後画像をデジタルRGB信号に変換する必要がある。
また、現像条件にも注意を要する。従って、錆画像とし
て直接デジタルデータとして取り込むようにCCDを用
いたいわゆるデジタルカメラ等を用いることが望まし
い。 (分光反射率データと錆画像データの比較方法と錆画像
三刺激値行列取得方法)分光反射率測定を行った表面を
含む部分を錆画像として撮影する。この際、撮影した錆
画像上で、どの範囲を分光反射率計で反射率測定を行っ
たかを明らかにしておく。錆画像上で、分光反射率測定
範囲の平均の、RGB値は、分光反射率で測定した物体
色XYZ値と対応するが、一般的には分光反射率測定結
果による三刺激値とRGB値とは異なっている。従っ
て、以下のような行列を用いて錆画像RGB値を三刺激
値に変換する。
【0040】
【数1】
【0041】このrx、ry、rz・・・bz、X0、
Y0、Z0を求めることによって、各ピクセルのRGB
値からXYZ値へ変換することができる。色調の異なる
鋼材についてX、Y、ZおよぴR、G、B値を数組測定
し、最小自乗法を適用することによって、変換の精度を
向上させることができる。但し、X、Y、Zは、混同し
ない限りCIE1931表色系を用いてもCIE196
4表色系を用いても構わない。 (湿度制御方法)錆画像撮影および分光反射率計の測定
中の湿度制御方法は、少なくとも除湿器、加湿器、湿度
計を備えた一面が開放された容器を材料表面に当てるこ
とにより行える。その容器内部で錆画像撮影および分光
反射率測定を行えば良い。雰囲気の湿度によって錆の色
調が変化するまでの時間は、コントロールする湿度にも
よるが経験的には30分以上必要である。より簡便に
は、所望の湿度が得られる限り、短期間に少なくとも晴
天時と雨天時に湿度を測定した上で錆画像撮影および分
光反射率測定を行うことで代用しても構わない。 (錆画像撮影時の照明)錆画像撮影時の照明として、拡
散反射光を用いる場合、二重容器の内側をすりガラスと
して、内側容器と外側容器との間に光源を配置すること
によって実現することができる。簡易的には、リング状
のフラッシュ光源を用いても構わない。光源としては、
一定の物を用いる限り、昼光色、昼白色、白色の何れか
の蛍光ランプでも構わないが、D65やCの昼光標準色
に近い光源を用いることが望ましい。
【0042】斜め入射光は、発色面積の小さな光を測定
面に近づけることによって得られる。その目的は、材料
の凹凸の有無を明らかにすることであるためであって、
その光源色については、十分な光量があり且つ試料を光
によって加熱しない限りにおいて、特に規定する必要は
ない。 (耐食鋼材製造方法)耐食鋼材の製造方法は、必要に応
じて合金添加元素および圧延方法、表面処理方法を変え
た数種類の鋼材を腐食試験に供し、この発明の評価方法
によって評価することによってなされる。腐食試験とし
ては、低合金耐食鋼の場合、大気暴露が最も好ましい
が、大気暴露後の塩水噴霧試験や恒温高湿試験、あるい
は塩水噴霧試験、恒温高湿試験が適応できる。
【0043】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。 (光沢度による錆安定度診断方法)光沢度による錆安定
度診断方法を、図面を参照しながら説明する。図1は、
光沢度による錆安定度診断方法の説明図である。
【0044】図1において、1は、鋼材、2は、鋼材1
表面の錆、3は、錆2に照射された入射光、4は、錆2
からの散乱光、5は、スクリーンである。
【0045】光源としては、平行で輝度の高い光を鋼材
に照射できるレーザー光が良い。鋼材1表面の錆によっ
て散乱した光は、スクリーン5に当たって光る。光の入
射角を鋼材1の表面に対して90度に設定すると、正反
射光は、光源方向に反射されるために、スクリーン5上
で光らない可能性がある。従って、入射角は、鋼材1に
対して斜めに設定する必要ある。傾斜角度は、経験的に
5から10度の範囲内が好ましい。この実施例では、7
度に設定している。スクリーン5は、半透明物質であれ
ば良く、すりガラス等が適している。
【0046】スクリーン5に当たる散乱光は、正反射成
分が多い場合、輝点として現れ、拡散反射光が多い場合
には、面積を持ってスクリーンが光ることになる。この
状況は、目視により容易に判断できるが、スクリーンを
撮影して記録し、画像解析することにより、拡散反射の
程度を定量することができる。この実施例のスクリーン
5は、孔のあいた平面であるが、入射光の光路を確保す
る為の孔があいた半球面等の曲面であっても構わない。 (湿度制御方法)鋼材に付着した錆の表面の湿度制御方
法を、図2を参照しながら説明する。図3は、湿度制御
装置を示す構成図である。
【0047】図2において、1は、鋼材、2は、鋼材1
表面の錆、10は、湿度制御室用箱、11は、分光反射
率計(またはデジタルカメラ)、12は、加湿器、13
は、除湿器、14は、湿度計、15は、湿度制御装置、
16は、吸気ファン、17は、排気ファンである。
【0048】一面が開放した箱10の開放面を、錆2が
付着した鋼材1の表面に当てる。箱10内が湿度制御室
となる。湿度制御室内に湿度計14を配置し、所望の湿
度を得るために加湿器12および除湿器13を稼働させ
る。加湿器12および除湿器13の制御は、湿度計14
によりモニターされた湿度制御装置15によって制御さ
れる。加湿器12および除湿器13により加湿および除
湿された空気は、吸気ファン16によって湿度制御室内
に送られ、必要に応じて排気ファン17によって湿度制
御室内から空気が排気される。このように構成された装
置により湿度を制御した湿度制御室内において、分光反
射率および錆画像を得ることができる。 (錆画像撮影時の照明)鋼材に付着した錆の画像を拡散
照明および斜め入射照明により撮影する方法を、図3を
参照しながら説明する。図3は、錆画像の撮影装置を示
す構成図である。
【0049】図3において、1は、鋼材、2は、鋼材1
表面の錆、18は、外光遮断室、19は、デジタルカメ
ラからなる錆画像撮影装置、20は、リング状拡散照明
装置、21は、斜め入射照明装置、22は、光源、23
は、すりガラスである。
【0050】制御された光源で画像を撮影する場合、外
光が邪魔になる為、外光遮断室18内で撮影を行う。錆
画像撮影装置18の周囲にリング状拡散照明装置20ま
たは光源22とすりガラス23とを組み合わせた拡散照
明装置と、斜め入射照明装置21とを設置する。斜め入
射照明装置21は、鋼材1に近い一個所に設置すれば良
い。このように外光遮断室18内に錆画像撮影装置19
と、拡散照明としてリング状拡散照明装置20または光
源22とすりガラス23との組み合わせたものからなる
拡散照明装置と、固定された斜め入射照明装置21とを
設置することによって、一定の錆画像を得ることができ
る。
【0051】また、拡散照明画像と斜め入射照明の写真
とを同一視野で撮影する必要もある。従って、装置全体
は、三脚等で固定できる軽量なものを用いなければなら
ない。また、構造物のエッジ部、溶接部等も撮影可能な
為に、外光遮断室18を形成するものは、柔らかい素材
でできている必要がある。具体的には、フレキシブルな
枠に布製暗幕を貼って簡便に作成することができるが、
その場合の拡散照明装置としては、リング状拡散照明装
置を用いることが簡便である。この装置を用いること
で、屋外に配置した鋼材であっても、同一条件で写真を
撮影することができる。 (評価結果)表1に示す炭素鋼(A)と耐候性鋼(B)
とを海岸から10mの海岸地帯(1)、海岸から1km
の海岸地帯(2)、田園地帯(3)に南向きに30度に
保持して各2枚、5年間曝露した。そのうち、一枚の試
験片について、この発明の外観評価を行った。もう一枚
の試験片については、腐食減量を測定した。この評価結
果を表2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】以下に、表2の評価結果について詳しく説
明する。 A.乾燥反射率 ここでいう反射率は、波長700nmの光の鋼材表面の
反射率であって、反射率測定装置は、積分球を用いた分
光反射率計である。700nmの光は、鉄化合物によっ
てほとんど吸収されない波長である。表面の錆にクラッ
クが多い場合、クラック等の界面で光が反射されること
が多く、反射率が高くなる。従って、反射率が低い方が
安定的である。 B.湿潤反射率 湿度のコントロールを前述の(湿度コントロール方法)
によって行い、湿度制御室内で、積分球分光反射率計で
700nmの光の鋼材表面の反射率を測定した。 C.差反射率 Aの乾燥反射率とBの湿潤反射率との差である。乾燥状
態では、クラックが多い場合、反射率が高くなる。湿潤
環境になると屈折率の高い水がクラック内に浸入して、
クラック等界面におけるミクロな反射率が減少する。従
って、乾燥状態と湿潤状態との差反射率が高いとクラッ
クが多い。差反射率が低いほど安定的である。 D1.表面光沢度 光沢度は、前述の(光沢度による錆安定度診断装置)に
示した方法で判定した。即ち、スクリーン上に輝点がみ
られる場合、光沢があり、錆の凝集度が高いと判断でき
る。この場合、光沢度を○とした。スクリーン上のレー
ザー反射光がぼやけた輝点あるいは面積をもってスクリ
ーンの当たる場合、光沢度が低く、錆の凝集度が低いと
判断できる。この場合、光沢度を×とした。 D2.剥離面光沢度 表面の非密着性錆を剥離した鋼材は、内層で緻密な錆が
形成されている場合、黒光りする。従って、非密着性錆
を剥離した面について、前述の(光沢度による錆安定度
診断装置)に示した方法で光沢度を判定した。光沢が有
る場合を○、光沢がない場合を×とした。その結果、N
o.1のみ一定条件で剥離した後も光沢が認められなか
った。 E.均一性 均一性については、測定領域が10mm径の円形の積分
球分光反射率計で測定した無塗装鋼材の錆5種、赤色、
緑色、青色および白色の色見本の9色を測定し、測定し
た部分を拡散照明を用いてデジタルカメラにより撮影
し、測定した部分の平均RGB値と分光反射率計で測定
したxyz値とを比較し、前記(1)式のrx、ry、
rz、gx…bz、X0、Y0、Z0を最小自乗法を用
いて12の値を求め、変換式を作成して、デジタルカメ
ラの各点におけるRGB値をXYZ値に変換した。デジ
タルカメラの画素数は、計算の簡便性と錆の色斑の大き
さとを考慮して、鋼材表面の100mm角の領域を1ド
ット1mm角(100×100ピクセル)にして、変換
作業を実施した。即ち、三刺激値行列は、X、Y、Zの
各刺激値について100×100の行列となる。No.
1から6までの試料に対するX、Y、Zの各刺激値の平
均と標準偏差を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】表3から明らかなように、X刺激値の偏差
および偏差と平均との比(X平均偏差比)が最も顕著に
色斑を表している。この場合、X刺激値平均偏差比が色
斑均一性の評価に最も適している。即ち、鋼材の赤さの
斑によって鋼材表面に生成した錆の均一性を評価するこ
とができる。X刺激値の変化は大きく、この場合、X、
Y、Zの各刺激値の平均偏差比の平均、即ち、可視光に
おける平均反射率のばらつきでも評価することが可能で
ある。
【0057】No.l、2は、炭素鋼の海岸近辺に暴露
したものであり、外見も明るい赤褐色を呈して色斑も最
も激しい。一方、それ以外の試料では、X刺激値平均偏
差比は、No.1、2の5分のl程度、X、Y、Zの平
均偏差比の平均値は、No.1、2の2分の1程度と小
さく、あまりばらついていないことが分かる。 F.鋼材表面の550nmの反射率 鋼材表面の分光反射率を積分球によって測定した。測定
結果を表2のG列に示す。本測定では、二価鉄化合物
は、d−d吸収により550nmの光を強く吸収するこ
とから、550nmの光に着目して測定した。二価鉄化
合物の他にも、マグネタイトは、可視光全波長の光を強
く吸収する物質も鉄錆の中には存在するが、錆に磁性が
無い場合に限り、拡散反射条件が等しい場合の波長55
0nmの光吸収の程度は、主に二価鉄化合物の量によっ
て決まると考えられる。また、X線回折の結果による
と、錆の主結晶成分は、α−FeOOH、γ−FeOO
H、β−FeOOH、マグネタイト、非晶質であり、マ
グネタイト以外の結晶成分には二価鉄は含まれない。従
って、分級した粉末の二価鉄量は,非晶質中に含まれる
二価鉄量であると考えられる。これによって、簡易的な
分析が可能となる。
【0058】本実施例では、No.1は、マグネタイト
が含有している。従って、550nmの光吸収は、マグ
ネタイトに起因すると考えられ、簡易分析対象とはなら
ない。No.2から6を比較すると、No.5、6の反
射率が低く、従って、非晶質量が少ない二価鉄量が多い
と考えられ、錆は安定的であると考えられる。 G.凹凸程度 前述の(錆画像撮影時の照明)の方法で、カメラを動か
すことなく拡散照明と斜め入射照明とを切り替えること
ができる。同じ場所を拡散照明と斜め入射照明で白黒撮
影した。二つの画像の差が激しいものは、表面の凹凸が
激しいと考えられる。二つの画像を目視で比較し、その
差が明確なものはNo.1のみであった。従って、N
o.1は、凹凸が激しく、錆は不安定的であると考えら
れる。No.2から6の試料は、表面の凹凸は軽度であ
り、斜め入射光で影が生じる程ではなく、従って、拡散
照明画像と斜め入射照明画像との差は顕著ではなかっ
た。本実施例では、拡散照明画像と斜め入射画像との差
を目視で判断したが、コンピュータ画像処理を用いて二
つの画像の差を定量化することも可能である。 H.総合評価 これまでに示したAからGの安定化度診断方法は、その
精度を向上させる目的で、単独で用いるよりも、それら
の組み合わせによって総合的に判断すると良い。即ち、
表4のような基準を設けて安定度を示す得点を合計し、
総合的に優劣を付けることができる。表2の総合評価に
おいて、総得点7、8を◎、総得点5、6を○、総得点
3、4を△、総得点2点以下を×とし、4段階で評価し
た。表2に腐食速度の結果も合わせて示すが、この結果
は、総合評価と対応していることが分かる。
【0059】
【表4】
【0060】以上のように、この発明によれば、耐候性
鋼の錆安定化診断を定量的且つ簡便に行うことができる
が、この発明による錆安定化診断方法を用いて、低合金
鋼により構成される構造物に対して、耐候性鋼の錆安定
化度を診断し、安定度の低い部分から優先的に補修すれ
ば、より効果的に構造物の補修が行える。
【0061】また、数種類の成分を持つ耐候性鋼材を腐
食試験し、腐食試験の結果、生成された鋼材表面の錆層
の安定化度を、この発明による錆安定化診断方法を用い
て評価し、鋼材の成分設計を行えば、構築場所に適し、
より耐候性に富む構築物を構築することができる。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の安定度評
価方法で耐候性鋼材や錯安定化処埋剤の評価を行うこと
によって、評価手段が明確になること、暴露初期の鋼材
重量を測定できないあるいは測定していない鋼材でも簡
便に評価することが可能であり、構造物の保守・点検の
精度や作業性を飛躍的に向上させることができる。従っ
て、耐候性鋼で作られた構造物のミニマムメンテナンス
を実現することができる。また、低合金鋼により構成さ
れる構造物に対して、耐候性鋼の錆安定化度を診断し、
安定度の低い部分から優先的に補修すれば、より効果的
に構造物の補修が行える。更に、数種類の成分を持つ耐
候性鋼材を腐食試験し、腐食試験の結果、生成された鋼
材表面の錆層の安定化度を、この発明による錆安定化診
断方法を用いて評価し、鋼材の成分設計を行えば、構築
場所に適し、より耐候性に富む構築物を構築することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光沢度による錆安定度診断方法の説明図であ
る。
【図2】湿度制御装置を示す構成図である。
【図3】錆画像の撮影装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1:鋼材 2:錆 3:入射光 4:散乱光 5:スクリーン 10:湿度制御室用箱 11:分光反射率計 12:加湿器 13:除湿機 14:湿度計 15:湿度制御装置 16:吸気ファン 17:排気ファン 18:外光遮断室 19:錆画像撮影装置 20:リング状拡散照明装置 21:斜め入射照明装置 22:光源 23:すりガラス
フロントページの続き Fターム(参考) 2G020 AA08 DA06 DA12 DA22 DA31 DA34 DA52 2G050 AA01 BA02 BA03 BA05 BA09 CA01 DA01 EA02 EB07 2G055 AA03 BA09 BA12 EA02 FA02 2G059 AA05 BB08 DD15 EE02 EE12 EE13 FF06 GG01 HH02 HH06 JJ01 JJ26 JJ30 KK04 KK06 MM09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低合金鋼の表面に生成した錆層の分光反
    射率を測定することにより、前記錆層の安定化度を診断
    することを特徴とする錆安定化診断方法。
  2. 【請求項2】 低合金鋼の表面に生成した錆層の光沢度
    を測定することにより、前記錆層の安定化度を診断する
    ことを特徴とする錆安定化診断方法。
  3. 【請求項3】 低合金鋼の表面に生成した錆層の色斑を
    測定することにより、前記錆層の安定化度を診断するこ
    とを特徴とする錆安定化診断方法。
  4. 【請求項4】 低合金鋼の表面に生成した錆層を一定条
    件で剥離した後、鋼材表面に付着した錆内部について、
    分光反射率、光沢度、色調の何れかを測定して、前記錆
    層の安定化度を診断することを特徴とする錆安定化診断
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または4の分光反射率測定にお
    いて、湿度を制御することを特徴とする錆安定化診断方
    法。
  6. 【請求項6】 低合金鋼の表面に生成した錆層を一定条
    件で剥離した後、鋼材表面に付着した錆の内部につい
    て、拡散入射光と斜め入射光を用いて色調を測定するこ
    とにより、前記錆層の安定化度を診断することを特徴と
    する錆安定化診断方法。
  7. 【請求項7】 低合金鋼で構成された構造物に対して、
    前記請求項1から6のうちの何れか1つの方法を用いて
    耐候性鋼の錆安定化度を診断し、安定度が低い部分から
    優先的に補修する鋼構造物の補修方法。
  8. 【請求項8】 数種類の成分を持つ耐候性鋼材を腐食試
    験し、腐食試験の結果、生成された鋼材表面の錆層の安
    定化度を、請求項1から6のうちの何れか1つの方法を
    用いて評価し、鋼材の成分設計を行うことを特徴とする
    耐候性鋼材の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8の方法により製造された耐候性
    鋼材。
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