JP2002350328A - 材料の耐久性予測装置および耐久性予測方法 - Google Patents

材料の耐久性予測装置および耐久性予測方法

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JP2002350328A
JP2002350328A JP2001162027A JP2001162027A JP2002350328A JP 2002350328 A JP2002350328 A JP 2002350328A JP 2001162027 A JP2001162027 A JP 2001162027A JP 2001162027 A JP2001162027 A JP 2001162027A JP 2002350328 A JP2002350328 A JP 2002350328A
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durability
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predicting
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Takuya Karaki
卓哉 唐木
Yasuko Kumano
康子 熊野
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Fujita Corp
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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)
  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料の耐久性を正確に予想することができる
材料の耐久性予測装置および耐久性予測方法を提供す
る。 【解決手段】 耐久性予測装置100は、劣化促進装置
10(劣化促進手段)、電子顕微鏡12、エネルギー分
散形X線分析装置1206、膜厚測定器14、光沢測定
器16、接触角測定器18、色測定器20を備えて構成
されている。劣化促進装置10は、観測対象物である、
材料から構成される試験体Tの劣化を促進させるもので
ある。劣化促進装置10は、試験体Tの劣化を促進させ
るための劣化条件が設定可能に構成されている。電子顕
微鏡12は、電子走査型であり、劣化促進後の試験体T
に電子線を照射して試験体Tの形状を測定する。エネル
ギー分散形X線分析装置1206は、試験体Tから出る
電子線を検出して試験体Tの組成を分析するように構成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、材料の耐久性予想
装置および耐久性予想方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物を構成する材料の耐久性の
予測は、次のように行なわれていた。すなわち、前記材
料から構成される試験体を環境試験機を用いて劣化促進
させる。劣化した試験体の表面の光沢、接触角、色など
を測定し、その劣化度合いに基づいて前記材料の耐久性
を予測する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記環
境試験機によって、前記建築物がおかれている実際の環
境を正確に再現することは困難であり、予測した材料の
耐久性に比較して実際の環境下における材料の劣化の進
行が速い場合がある。このため、予測した耐久性に基づ
いた時期に前記材料の補修を行っても、材料の劣化が進
んでしまっており、補修コストの増大や補修期間の長期
化を招くおそれがあった。本発明はこのような事情に鑑
みてなされたものであり、その目的は材料の耐久性を正
確に予想することができる材料の耐久性予測装置および
耐久性予測方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の材料の耐久性予
測装置は、前記目的を達成するため、耐久性を予測する
対象となる材料から構成される試験体の劣化を所定の劣
化条件によって促進させる劣化促進手段と、前記劣化促
進手段によって劣化が促進された前記試験体の表面を観
察するとともに、前記試験体の含有元素の組成を定性定
量分析する観察分析手段とを備え、前記所定の劣化条件
と、前記観察分析手段による観察結果および定性定量分
析結果とに基づいて前記材料の耐久性が予測されるよう
に構成されていることを特徴とする。
【0005】そのため、劣化促進された前記材料の表面
を観察するとともに、前記材料の組成分析を原子レベル
で定性的かつ定量的に行うことができる。
【0006】本発明の材料の耐久性予測方法は、前記目
的を達成するため、耐久性を予測する対象となる材料か
ら構成される試験体の劣化を所定の劣化条件によって促
進させる劣化促進ステップと、前記劣化促進手段によっ
て劣化が促進された前記試験体の表面を観察するととも
に、前記試験体の含有元素の組成を定性定量分析する観
察分析ステップと、前記所定の劣化条件と、前記観察分
析手段による観察結果および定性定量分析結果とに基づ
いて前記材料の耐久性を予測する耐久性予測ステップと
を有することを特徴とする。
【0007】そのため、劣化促進された前記材料の表面
を観察するとともに、前記材料の組成分析を原子レベル
で定性的かつ定量的に行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明装置を方法とともに
図面を参照して説明する。図1は本実施の形態の材料の
耐久性予測装置の構成を示すブロック図である。図1に
示すように、本実施の形態の耐久性予測装置100は、
劣化促進装置10(劣化促進手段)、電子顕微鏡12、
膜厚測定器14、光沢測定器16、接触角測定器18、
色測定器20を備えて構成されている。前記劣化促進装
置10は、観測対象物である、材料から構成される試験
体Tの劣化を促進させるものである。前記劣化促進装置
10は、周知の環境試験装置から構成されるものであ
り、例えば、サンシャインウエザーメーター、キセノン
ウエザーメーター、スーパーUV試験機、塩水噴霧試験
機、キャス試験機、ガス腐食試験機、オゾンウエザメー
タ、複合サイクル試験機、屋外曝露試験台の少なくとも
1つを含んで構成されている。
【0009】前記サンシャインウエザーメーターは、屋
外における曝露試験を、室内で促進させ再現させる試験
装置である。温度、湿度、降雨などの試験条件を設定
し、屋外の太陽光の代わりにサンシャインカーボンアー
ク光源からの光線を試験体に照射するように構成されて
いる。前記キセノンウエザーメータは、前記サンシャイ
ンウエザーメーターと同等の試験を行う試験装置であ
り、前記サンシャインカーボンアーク光源をキセンノン
ランプ光源に代えた試験装置である。前記スーパーUV
試験機は、前記サンシャインウエザーメーターと同等の
試験を行う試験装置であり、前記サンシャインカーボン
アーク光源を紫外線カーボンアーク光源に代えた試験装
置である。前記塩水噴霧試験機は、試験体表面の耐食性
評価のため、塩水を吹き付け一定の温度湿度下で劣化促
進させるように構成された試験装置である。前記キャス
試験機は、試験体表面の耐食性評価のため、塩化銅水溶
液を吹き付け一定の温度湿度下で劣化促進させるように
構成された試験装置である。前記ガス腐食試験機は、一
定濃度の二酸化硫黄ガスの中で、結露・乾燥を繰り返す
ことにより、試験体の耐久性を評価するように構成され
た試験装置である。前記オゾンウェザーメータは、ゴム
やプラスチックなどの有機材料からなる試験体をオゾン
中に放置して、劣化、変色、退色を評価するための試験
装置である。前記複合サイクル試験機は、上述した各試
験を複数種類組み合わせて試験体の耐久性を評価する試
験装置である。前記屋外曝露試験台は、屋外南面に規定
の角度に傾斜した架台を設置し、そこに試験体を取り付
け、太陽光や降雨などにより試験体を劣化させて耐久性
を評価する試験装置である。
【0010】これらの劣化促進装置10は、前記試験体
Tの劣化を促進させるための劣化条件が設定可能に構成
されている。例えば、前記劣化促進装置10が前記塩水
噴霧試験機であれば、前記劣化条件は、前記試験体Tに
噴霧する塩水の量、温度、塩水を噴霧する時間などであ
る。また、前記劣化促進装置10が前記サンシャインウ
エザーメーターであれば、前記劣化条件は、前記試験体
Tがおかれる雰囲気の温度および湿度、照射される光の
強度、その雰囲気に維持される時間などである。すなわ
ち、前記劣化条件は、劣化促進装置10が前記試験体T
に与える環境を規定する情報を示しており、環境を示す
数値、その環境を与える時間などを含むものである。
【0011】前記電子顕微鏡12は、電子走査型であ
り、劣化促進後の前記試験体Tに電子線を照射し、前記
試験体Tから出る電子線を検出することによって、前記
試験体Tの形状を測定するように構成されている。前記
電子顕微鏡12には、画像表示用のモニタ装置1202
と、画像を撮影するカメラ1204とが設けられてお
り、前記試験体Tの形状をモニタ装置1202で表示す
るとともに、カメラ1204で撮影できるように構成さ
れている。また、前記電子顕微鏡10には、エネルギー
分散形X線分析装置1206が組み込まれており、観測
対象物である試料Tに電子線を照射した際に前記試料T
から出る電子線を検出することによって前記試料Tの組
成を原子レベルで定性定量分析するように構成されてい
る。すなわち、前記試料Tの組成の測定結果は、試料T
の表面に存在する各元素の原子数、各元素の重量、各元
素から放出される電子線の強度などの数値によって定量
的に表現される。前記エネルギー分散形X線分析装置1
206には、この分析装置から出力されれるデータを専
用の解析ソフトで分析するPCモニタ装置1208と、
このPCモニタ装置1208で分析された分析結果のデ
ータを記憶するためのハードディスク1210と、前記
分析結果を印刷出力するプリンタ1212とが設けられ
ている。前記PCモニタ装置1208によって得られた
分析結果は、グラフ化、表化、マッピング化されて、P
Cモニタ装置1208に画像表示されるとともに、プリ
ンタ1212によって印刷出力される。
【0012】前記膜厚測定器14は、前記試験体Tの表
面に膜が形成されている場合に、この膜の膜厚を測定す
るものである。前記膜としては、例えばペンキなどの塗
料の膜厚、あるいは、メッキなどの金属膜の膜厚があ
る。前記光沢測定器16は、前記試験体Tの表面の光沢
を測定するものである。光沢の測定は、光を試験体Tの
表面に照射し、その反射光の光量を計測することによっ
て行なわれる。前記接触角測定器18は、前記試験体T
の表面に水などの液体を垂らし、前記液体表面と前記試
験体Tの表面とがなす接触角を測定するものであり、前
記接触角の値により前記試験体Tの表面の劣化度合いを
測定するものである。前記色測定器20は、前記試料T
の表面の色を測定するものである。前記色測定器20と
しては、2つの色の差を数値的に測定する色差計を用い
ることができる。
【0013】図2は本実施の形態の材料の耐久性予測装
置100の動作を示すフローチャートである。以下、図
2を参照して建築部材の耐久性予測装置100の動作を
説明する。まず、耐久性を予測する対象となる前記試験
体Tの劣化促進を行うにあたり、前記劣化促進装置10
における劣化条件を設定する(ステップS10)。前記
劣化条件は、複数段階設定することができる。例えば、
前記劣化促進装置10が塩水噴霧試験機であった場合に
は、前記試験体Tに塩水を噴霧する時間を設定する。次
に、前記劣化促進装置10を用いて前記試験体の劣化促
進を行う(ステップS12)。前記劣化条件に基づいて
前記試験体Tの劣化促進が行なわれる。劣化促進が終了
すると、前記試験体Tの表面を目視によって観察する
(ステップS14)。次に、前記試験体Tの表面を前記
電子顕微鏡12によって観察する(ステップS16)。
観察倍率は、例えば35倍乃至2万倍の範囲で行なうこ
とができる。また、前記電子顕微鏡12による観察結果
は、画像情報として印刷出力する。
【0014】次に、前記エネルギー分散形X線分析装置
1206によって前記試験体Tの組成を定性的かつ定量
的に分析する(ステップS18)。図3は、前記エネル
ギー分散形X線分析装置1206による分析結果の一例
を示す特性線図であり、横軸に原子の種類(元素の種
類)によって異なる特有値、縦軸に各原子が放出する電
子線の測定強度をそれぞれとっている。したがって、前
記試験体Tに鉄Feと亜鉛Znが含まれている場合に
は、それぞれの特有値に対応する測定強度の値がピーク
値となる。このピーク値の大小によって前記試験体Tの
表面の劣化度合いを分析することができる。なお、ステ
ップS18における分析結果は図3に示すような線図の
形態で得られるものの他に、前述した試験体Tの表面に
存在する各元素の原子数、各元素の重量、各元素から放
出される電子線の強度などの数値によって表現される分
析結果がある。
【0015】次に、前記試験体Tは、前記膜厚測定器1
4、光沢測定器16、接触角測定器18、色測定器20
よる測定に供される。すなわち、前記膜厚測定器14に
よって前記試験体Tの膜厚が測定される(ステップS2
0)。次に、前記光沢測定器16によって前記試験体T
の光沢が測定される(ステップS22)。次に、前記接
触角測定器18によって前記試験体Tの接触角が測定さ
れる(ステップS24)。次に、前記色測定器20によ
って前記試験体Tの色が測定される(ステップS2
6)。次に、前記ステップS16、S18、S20、S
22、S24、S26によって得られた前記試験体Tの
表面観察および組成分析の結果、膜厚、光沢、接触角お
よび色の各測定項目の測定値に基づいて前記材料の耐久
性を予測する(ステップS28)。
【0016】なお、本実施の形態では、前記電子顕微鏡
12によって本発明の観察分析手段が構成され、前記膜
厚測定器14、光沢測定器16、接触角測定器18、色
測定器20によって測定手段が構成されている。また、
本実施の形態では、前記ステップS12によって本発明
の劣化促進ステップが構成され、前記ステップS16、
S18によって本発明の観察分析ステップが構成され、
前記ステップS20、S22、S24、S26によって
本発明の測定ステップが構成され、前記ステップS28
によって本発明の耐久性予測ステップが構成されてい
る。
【0017】前記材料が表面加工のなされた鋼板であっ
た場合について表面観察、組成分析の結果、膜厚、光
沢、接触角および色の測定結果に基づいて次のような判
断を行うことができる。前記表面観察結果を比較するこ
とで、鋼板の表面に形成されている表面加工の損傷度合
いを判断することができる。前記組成の定性的かつ定量
的な分析結果では、図3に示すように、鋼板の表面に形
成されている表面加工の部分の元素のピーク値と、鋼板
内部の部分の元素のピーク値との差の関係を比較するこ
とで、前記表面加工が劣化して鋼板内部の部分が外部に
露出している程度を知ることができ、これにより劣化度
合いを判断することができる。また、前記表面に表面加
工の部分や鋼板内部の部分と異なる生成物の有無によ
り、錆の発生度合いを判断することができる。
【0018】前記膜厚の測定結果、すなわち膜厚の大小
により表面加工部分の損傷度合いを判断することができ
る。前記光沢の測定結果、すなわち光沢の度合いにより
表面加工部分の損傷度度合いを判断することができる。
前記接触角の測定結果、すなわち接触角の大小により表
面加工部分の損傷度度合いを判断することができる。具
体的には、接触角が減少するほど表面加工の部分が液体
に濡れやすくなっており、つまり液体をはじきにくくな
っており、表面加工部分の損傷度度合いが高いと判断す
ることができる。前記色の測定結果、すなわち色の変化
度合いにより表面加工の部分の退色、変色の度合いを判
断できる。具体的には、退色、変色の度合いが高いほど
表面加工部分の損傷度度合いが高いと判断することがで
きる。
【0019】次に、材料の劣化促進を行って材料の耐久
性予測を行った際の電子顕微鏡による表面観察および組
成分析の結果、各測定器による測定結果の一例について
説明する。本例では、ある建築物の屋根および外壁に使
用されている材料の耐久性の予測を行う場合について説
明する。前記材料は、ガルバリウム鋼板、すなわち鋼板
の表面に亜鉛とアルミニウムの合金が表面加工されて構
成されているものである。前記劣化促進装置10として
は塩水噴霧試験機を用いている。図4は、前記材料から
なる5つの試験体A乃至Eの比較例を示す説明図であ
る。図中の記号○は劣化なし、記号△は多少劣化あり、
記号×は著しい劣化ありを示す。各試験体の劣化条件で
ある塩水噴霧時間は以下のとおりである。 試験体A 0時間(塩水噴霧なし) 試験体B 100時間(実際の経過年数で約1、2年に相当) 試験体C 500時間(実際の経過年数で約5年に相当) 試験体D 1000時間(実際の経過年数で約10年に相当) 試験体E 2000時間(実際の経過年数で約20年に相当)
【0020】目視観察結果では、塩水噴霧500時間以
上の試験体C、D、Eに変色、錆の発生が認められてい
る。前記エネルギー分散形X線分析装置1206による
組成分析結果を見ると、未劣化の試験体Aでは、表面加
工の部分の亜鉛(Zn)のピーク値が鋼板内部の鉄(F
e)よりも大きい。各試験体B乃至Eでは、鉄のピーク
値が亜鉛のピーク値よりも大きくなり、塩水噴霧時間が
長くなるにつれて、鉄のピーク値と亜鉛のピーク値の差
が拡大していることがわかる。前記電子顕微鏡12によ
る表面観察結果を見ると、塩水噴霧100時間以上の試
験体B、C、D、Eに凹凸の発生が認められ、塩水噴霧
時間が長くなるにつれて、凹凸の大きさが大きくなる傾
向にあることがわかる。前記光沢測定器16、色測定器
20による光沢と色の測定結果を見ると、塩水噴霧10
00時間以上の試験体D、Eに光沢と色の変化が認めら
れ、光沢と色の変化は、試験体Dよりも試験体Eが大き
いことがわかる。
【0021】上述した前記電子顕微鏡12による表面観
察およびエネルギー分散形X線分析装置1206による
組成分析の結果によれば、塩水噴霧100時間経過後、
既に試験体の表面の凹凸が発生するとともに、鉄のピー
ク値が亜鉛のピーク値よりも大きくなっている。また、
塩水噴霧2000時間経過後には錆が発生している。す
なわち、塩水噴霧100時間経過時点で、前記電子顕微
鏡12によって試験体の表面の凹凸の発生や亜鉛と鉄の
ピーク値の変化を識別することにより、実際の経過年数
で20年後には錆が発生することを予測することができ
る。したがって、前記材料は海岸地域の建築物には不適
であると判断し、耐久性がさらに高い材料を用いること
が好ましいと判断することができる。あるいは、前記材
料を海岸地域の建築物に用いる場合には定期的な塗装メ
ンテナンスを行う必要があると判断することができる。
【0022】以上説明したように本実施の形態の材料の
耐久性予測装置および方法によれば、前記電子顕微鏡1
2による表面観察およびエネルギー分散形X線分析装置
1206による組成分析によって材料の耐久性を正確に
予想することができる。また、前記電子顕微鏡12によ
って表面観察を行い、かつ、エネルギー分散形X線分析
装置1206によって組成分析を行うために必要な試験
体の寸法は例えば3mm角程度でよいため、小さな試験
体があれば劣化予測が可能となる。前記組成分析は、図
3に示すように各元素のピーク値の比較によって容易に
行うことができる。前記組成分析は原子レベルで定量的
に行えるため、劣化条件の違いによる組成の違いを比較
することで劣化度合いの評価を詳細に行うことができ
る。前記表面観察の結果を前記プリンタ1204によっ
て印刷出力することにより、劣化条件の違いによる表面
形状の違いを比較することで劣化度合いの評価を詳細に
行うことができる。前記各測定器の測定結果を考慮する
ことによって、劣化予測をより正確に行うことができ
る。また、材料の劣化予測を正確に行うことにより、環
境に応じて耐久性の高い材料を選択することができ、こ
れにより高寿命の建築物を建てることができる。また、
建築物を構成する材料の劣化予測に基づいて前記建築物
の補修を行うことができるため、補修コストの低減と補
修期間の短縮を実現する上で有利である。
【0023】また、本実施の形態では、前記電子顕微鏡
による表面観察、エネルギー分散形X線分析装置による
組成分析の結果に加えて、前記材料の膜厚、光沢、接触
角および色の評価項目の全てについて測定を行った。し
かしながら、前記材料の耐久性の予測に際して、これら
膜厚、光沢、接触角および色の測定結果を何れを用いる
かは任意である。また、これら膜厚、光沢、接触角およ
び色の測定結果を考慮せずに、前記電子顕微鏡による表
面観察、エネルギー分散形X線分析装置による組成分析
の結果のみに基づいて材料の耐久性の予測を行うことも
可能である。また、本実施の形態では、前記材料が金属
材料である場合を例にとって説明したが、前記材料は電
子顕微鏡で表面観察ができ、エネルギー分散形X線分析
装置で組成分析ができるものであればよく、金属材料以
外のものであってもよい。また、本発明は、建築物を構
成する材料に限定されるものではなく、船舶を構成する
材料や土木工作物を構成する材料に適用可能であること
はもちろんである。また、本実施の形態では、前記エネ
ルギー分散形X線分析装置を電子顕微鏡に組み込まれる
形態のものとしたので、エネルギー分散形X線分析装置
で分析する試料の箇所を細かく設定することができる利
点がある。しかしながら、前記エネルギー分散形X線分
析装置は、前記電子顕微鏡と独立して構成される形態の
ものを使用することもできる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明の材料の耐久
性予想装置および方法によれば、表面観察および組成分
析によって材料の耐久性を正確に予想することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の材料の耐久性予測装置の構成を
示すブロック図である。
【図2】本実施の形態の材料の劣化診断方法の処理手順
を示すフローチャートである。
【図3】エネルギー分散形X線分析装置による組成分析
結果の一例を示す特性線図である。
【図4】実際の試験体の比較例を示す説明図である。
【符号の説明】
T 試験体 10 劣化促進手段 12 電子顕微鏡 14 膜厚測定器 16 光沢測定器 18 接触角測定器 20 色測定器 1206 エネルギー分散形X線分析装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA01 BA04 CA01 GA01 KA01 NA10 NA13 NA17 2G020 AA08 DA05 DA06 DA31 DA66 2G050 BA01 BA02 BA09 CA01 CA03 DA02 EB07 EB10 EC01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐久性を予測する対象となる材料から構
    成される試験体の劣化を所定の劣化条件によって促進さ
    せる劣化促進手段と、 前記劣化促進手段によって劣化が促進された前記試験体
    の表面を観察するとともに、前記試験体の含有元素の組
    成を定性定量分析する観察分析手段とを備え、 前記所定の劣化条件と、前記観察分析手段による観察結
    果および定性定量分析結果とに基づいて前記材料の耐久
    性が予測されるように構成されている、ことを特徴とす
    る材料の耐久性予測装置。
  2. 【請求項2】 前記観察分析手段は、エネルギー分散形
    X線分析装置から構成されていることを特徴とする請求
    項1記載の材料の耐久性予測装置。
  3. 【請求項3】 前記試験体の表面に対して膜厚、光沢、
    接触角および色の少なくとも1つの測定項目について測
    定する測定手段を設け、前記材料の耐久性を予測は、前
    記測定手段の測定結果を考慮して行なわれることを特徴
    とする請求項1または2記載の材料の耐久性予測装置。
  4. 【請求項4】 前記劣化促進手段は、サンシャインウエ
    ザーメーター、キセノンウエザーメーター、塩水噴霧試
    験機、オゾンウエザメータ、キャス試験機、スーパーU
    V試験機、複合サイクル試験機、ガス腐食試験機、屋外
    曝露試験機の少なくとも1つを含んで構成されているこ
    とを特徴とする請求項1、2または3記載の材料の耐久
    性予測装置。
  5. 【請求項5】 耐久性を予測する対象となる材料から構
    成される試験体の劣化を所定の劣化条件によって促進さ
    せる劣化促進ステップと、 前記劣化促進手段によって劣化が促進された前記試験体
    の表面を観察するとともに、前記試験体の含有元素の組
    成を定性定量分析する観察分析ステップと、 前記所定の劣化条件と、前記観察分析手段による観察結
    果および定性定量分析結果とに基づいて前記材料の耐久
    性を予測する耐久性予測ステップと、 を含むことを特徴とする材料の耐久性予測方法。
  6. 【請求項6】 前記観察分析ステップによる前記試験体
    の表面の観察と前記試験体の定性定量分析は、エネルギ
    ー分散形X線分析装置により行なわれることを特徴とす
    る請求項5記載の材料の耐久性予測方法。
  7. 【請求項7】 前記試験体の表面に対して膜厚、光沢、
    接触角および色の少なくとも1つの測定項目について測
    定する測定ステップを含み、前記耐久性予測ステップに
    よる前記材料の耐久性を予測は、前記測定ステップの測
    定結果を考慮して行なわれることを特徴とする請求項5
    または6記載の材料の耐久性予測方法。
  8. 【請求項8】 前記劣化促進ステップによる前記試験体
    の劣化促進は、前記試験体がおかれた環境の温度および
    湿度の一方または双方を設定することによって行なわれ
    ることを特徴とする請求項5、6または7記載の材料の
    耐久性予測方法。
  9. 【請求項9】 前記劣化促進ステップによる前記試験体
    の劣化促進は、前記試験体に光線を照射することによっ
    て行なわれることを特徴とする請求項5、6または7記
    載の材料の耐久性予測方法。
  10. 【請求項10】 前記劣化促進ステップによる前記試験
    体の劣化促進は、前記試験体に塩水を噴霧することによ
    って行なわれることを特徴とする請求項5、6または7
    記載の材料の耐久性予測方法。
JP2001162027A 2001-05-30 2001-05-30 材料の耐久性予測装置および耐久性予測方法 Pending JP2002350328A (ja)

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