JP2002234467A - 作業車の姿勢制御装置 - Google Patents

作業車の姿勢制御装置

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JP2002234467A JP2001038329A JP2001038329A JP2002234467A JP 2002234467 A JP2002234467 A JP 2002234467A JP 2001038329 A JP2001038329 A JP 2001038329A JP 2001038329 A JP2001038329 A JP 2001038329A JP 2002234467 A JP2002234467 A JP 2002234467A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過剰な姿勢変更操作による乗り心地の低下等
を回避させて、適正な姿勢制御を実行することが可能と
なる作業車の姿勢制御装置を提供する。 【解決手段】 機体本体の水平基準面に対する傾斜角を
検出する傾斜角検出手段300の検出信号が、その検出
信号における設定周波数よりも高周波数領域の信号成分
を除去するフィルタ手段400にて処理され、そのフィ
ルタ処理後の信号と設定傾斜角に対応する設定信号値と
の偏差が姿勢制御用の不感帯を外れるときに、制御手段
200が、上記傾斜角検出手段300の検出信号を上記
フィルタ手段400にて処理する前の処理前信号と上記
設定信号値との偏差が不感帯内に入るように、走行装置
の接地部に対する機体本体の傾斜角を変更操作自在な姿
勢変更操作手段100を作動させる修正動作を実行す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行装置の接地部
に対する機体本体の傾斜角を変更操作自在な姿勢変更操
作手段と、前記機体本体の水平基準面に対する傾斜角を
検出する傾斜角検出手段と、前記傾斜角検出手段の検出
情報に基づいて、前記機体本体の水平基準面に対する傾
斜角が設定傾斜角に維持されるように、前記姿勢変更操
作手段の作動を制御する姿勢制御を実行する制御手段と
が設けられている作業車の姿勢制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記構成の作業車の姿勢制御装置におい
て、従来では、例えば特許第2529735号(特開平
3−61421号)公報に示されるように、作業車とし
ての刈取収穫用のコンバインにおいて、機体本体に備え
られた左右一対のクローラ式の走行装置の夫々が、ロー
リング用油圧シリンダの伸縮作動により機体本体に対し
て平行上下動することで、走行装置の接地部に対する機
体本体の左右傾斜角が変更操作されるとともに、上記左
右の走行装置がピッチング用油圧シリンダの伸縮作動に
より一体的に前部側の横軸芯周りで機体本体に対して上
下揺動することで、走行装置の接地部に対する機体本体
の前後傾斜角が変更操作されるように構成されていた。
従って、走行装置の接地部に対する機体本体の傾斜角を
変更操作自在な姿勢変更操作手段が、上記ローリング用
及びピッチング用の油圧シリンダによって構成されてい
る。
【0003】さらに、上記コンバインには、機体本体の
水平基準面に対する傾斜角を検出する傾斜角検出手段と
して、機体本体の左右傾斜角を検出する左右傾斜角セン
サと、機体本体の前後傾斜角を検出する前後傾斜角セン
サとが設けられている。上記各傾斜角センサは、重力の
作用を利用して機体本体の傾斜角を検出するものであ
る。具体的には、図6及び図7(尚、図6及び図7は本
発明の実施形態を説明する図である。)に示すように、
機体本体に固定された本体としての容器41の内部に、
基準体としてのシリコンオイル等の所定粘度の液体42
を入れるとともに、同一形状の金属板を同一間隔で平行
立設した検出電極43が、機体本体が傾斜していない状
態で上記液体42が重力により初期姿勢(液面水平状
態)に復帰しているときに同一漬浸状態となるように、
傾斜角検出方向(図の左右方向)に間隔をあけて一対配
置され、上記各検出電極43の静電容量を計測してその
計測値の差(機体本体が傾斜していない状態では差はゼ
ロである)を傾斜角情報に変換する変換回路部44が備
えられている。
【0004】そして、コンバインの制御装置が、上記左
右傾斜角センサの検出情報に基づいて、機体本体の左右
傾斜角を設定左右傾斜角に維持するように前記ローリン
グ用の油圧シリンダを作動させるローリング制御と、上
記前後傾斜角センサの検出情報に基づいて、機体本体の
前後傾斜角を設定前後傾斜角に維持するように前記ピッ
チング用の油圧シリンダを作動させるピッチング制御を
実行している。即ち、前記傾斜角検出手段(左右傾斜角
センサ及び前後傾斜角センサ)の検出情報に基づいて、
機体本体の水平基準面に対する傾斜角(左右傾斜角及び
前後傾斜角)が設定傾斜角に維持されるように、前記姿
勢変更操作手段の作動を制御する姿勢制御を実行する制
御手段が上記コンバインの制御装置にて構成されてい
る。
【0005】上記姿勢制御について具体的に説明する
と、上記傾斜角検出手段の検出信号に対して、設定傾斜
角に対応する設定信号値を中心とする所定範囲の姿勢制
御用の不感帯が設けられ、傾斜角検出手段の検出信号と
上記設定信号値との偏差が上記不感帯を外れていると、
その偏差が前記不感帯内に入るように前記姿勢変更操作
手段を作動させる修正動作を実行して、機体本体の傾斜
角と上記設定傾斜角との角度ずれが上記不感帯の幅に対
応する許容角度内に収まるように制御している。さら
に、従来では、コンバイン等の作業車が凹凸のある圃場
面などを走行する場合に、機体の振動や急激な姿勢変更
の影響を受けて前記傾斜角センサの容器内の液体が揺れ
動いて、誤った検出信号が出力されるおそれがあるの
で、例えば特開平10−75635号公報に示されるよ
うに、傾斜角センサの検出信号をローパスフィルター回
路等のフィルター手段に通して、傾斜角センサの検出信
号に含まれる設定周波数以上の高周波数領域の信号成分
を除去し、そのフィルタ処理後の信号を用いて前記姿勢
制御を実行するようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術のように、傾斜角検出手段の検出信号に対してローパ
スフィルター回路等のフィルター手段にて高周波数成分
を除去する処理を行うと、そのフィルタ処理後の信号は
フィルタ処理前の信号から時間遅れが生じる。そのた
め、フィルタ処理後信号について前記設定信号値との偏
差が不感帯を外れて前記修正動作が起動された後、その
修正動作によって、フィルタ処理前信号である傾斜角検
出手段の検出信号では偏差が既に不感帯内に入っていて
修正動作は不要であるにもかかわらず、上記フィルタ処
理後信号では、上記時間遅れのために偏差が不感帯から
外れて前記修正動作が継続して実行され、過剰な姿勢変
更操作が行われることになる。つまり、機体姿勢の変更
操作が適正姿勢(例えば水平姿勢)で止まらずに適正姿
勢を過ぎるまで実行される、いわゆるオーバーシュート
作動状態になり、その結果、機体姿勢が過剰に変更操作
されて船酔い現象を生じ、乗り心地が低下するという不
具合があった。尚、コンバインでは、上記オーバーシュ
ート作動状態になると、例えば刈取部の高さを適正高さ
に維持するための高さ調整操作を頻繁に行わなければな
らないという不利もある。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、上記従来技術の不具合を解消して、
適正な姿勢制御を実行することが可能となる作業車の姿
勢制御装置を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、前記
傾斜角検出手段の検出信号における設定周波数よりも高
周波数領域の信号成分を除去するフィルタ手段が設けら
れ、前記制御手段が、前記姿勢制御として、前記傾斜角
検出手段の検出信号と前記設定傾斜角に対応する設定信
号値との偏差が姿勢制御用の不感帯を外れていると、前
記偏差が前記不感帯内に入るように前記姿勢変更操作手
段を作動させる修正動作を実行するように構成され、且
つ、前記傾斜角検出手段の検出信号を前記フィルタ手段
にて処理した後の処理後信号と前記設定信号値との偏差
が前記不感帯を外れるときに、前記修正動作を実行する
とともに、その修正動作の実行においては、前記傾斜角
検出手段の検出信号を前記フィルタ手段にて処理する前
の処理前信号と前記設定信号値との偏差を用いて前記姿
勢変更操作手段を作動させるように構成されている。
【0009】つまり、機体本体の水平基準面に対する傾
斜角を検出する傾斜角検出手段の検出信号が、その検出
信号における設定周波数よりも高周波数領域の信号成分
を除去するフィルタ手段にて処理され、そのフィルタ手
段にて処理した後の処理後信号と設定傾斜角に対応する
設定信号値との偏差が姿勢制御用の不感帯を外れるとき
に、制御手段が、上記傾斜角検出手段の検出信号を上記
フィルタ手段にて処理する前の処理前信号と上記設定信
号値との偏差が上記不感帯内に入るように、走行装置の
接地部に対する機体本体の傾斜角を変更操作自在な姿勢
変更操作手段を作動させる修正動作を実行することによ
り、機体本体の水平基準面に対する傾斜角を設定傾斜角
に維持させる姿勢制御を実行する。
【0010】従って、傾斜角検出手段の検出信号と設定
傾斜角に対応する設定信号値との偏差が前記不感帯内に
入るようにする修正動作は、傾斜角検出手段の検出信号
から高周波数領域の信号成分を除去した後の処理後信号
と上記設定信号値との偏差が前記不感帯を外れるときに
実行されるので、傾斜角検出手段の検出信号に機体振動
等の外乱の影響による高周波領域の信号成分の信号が含
まれていても、そのような外乱の影響による高周波領域
の信号に基づいて無用な修正動作が実行されることを回
避させることができ、しかも、実際の修正動作の実行に
おいては、上記処理前の傾斜角検出手段の検出信号と上
記設定信号値との偏差が上記不感帯内に入るようにする
ので、傾斜角検出手段の検出信号に対して極力時間遅れ
のない状態で適切な姿勢変更操作を行うことができ、そ
の結果、機体姿勢が過剰に変更操作されて乗り心地が低
下するという不具合を回避して、適正な姿勢制御を実行
することが可能となる作業車の姿勢制御装置が提供され
る。
【0011】請求項2によれば、前記傾斜角検出手段の
検出信号における、周波数が異なる2つの設定周波数の
うちの低周波数側の設定周波数よりも高周波数領域の信
号成分を除去する第1のフィルタ手段と、前記傾斜角検
出手段の検出信号における、前記2つの設定周波数のう
ちの高周波数側の設定周波数よりも高周波数領域の信号
成分を除去する第2のフィルタ手段とが設けられ、前記
制御手段が、前記姿勢制御として、前記傾斜角検出手段
の検出信号を前記第1のフィルタ手段にて処理した後の
処理後信号と前記設定傾斜角に対応する設定信号値との
第1偏差、及び、前記傾斜角検出手段の検出信号を前記
第2のフィルタ手段にて処理した後の処理後信号と前記
設定信号値との第2偏差の両方が姿勢制御用の不感帯を
外れるときに、前記第2偏差が前記不感帯内に入るよう
に前記姿勢変更操作手段を作動させる修正動作を実行
し、且つ、前記第1偏差と第2偏差のいずれかが前記不
感帯内に入るときに前記修正動作の実行を停止するよう
に構成されている。
【0012】つまり、機体本体の水平基準面に対する傾
斜角を検出する傾斜角検出手段の検出信号が、周波数が
異なる2つの設定周波数のうちの低周波数側の設定周波
数よりも高周波数領域の信号成分を除去する第1のフィ
ルタ手段と、上記2つの設定周波数のうちの高周波数側
の設定周波数よりも高周波数領域の信号成分を除去する
第2のフィルタ手段にて夫々処理され、上記傾斜角検出
手段の検出信号を第1のフィルタ手段にて処理した後の
処理後信号と設定傾斜角に対応する設定信号値との第1
偏差、及び、上記傾斜角検出手段の検出信号を第2のフ
ィルタ手段にて処理した後の処理後信号と上記設定信号
値との第2偏差の両方が姿勢制御用の不感帯を外れると
きに、制御手段が、上記第2偏差が上記不感帯内に入る
ように、走行装置の接地部に対する機体本体の傾斜角を
変更操作自在な姿勢変更操作手段を作動させる修正動作
を実行し、上記第1偏差と第2偏差のいずれかが上記不
感帯内に入るときに前記修正動作の実行を停止する。
【0013】従って、傾斜角検出手段の検出信号から低
周波数側及び高周波数側の各設定周波数よりも高周波数
領域の信号成分を除去した後の各処理後信号と上記設定
信号値との偏差の両方が前記不感帯を外れるときに、姿
勢変更操作手段を作動させる修正動作が実行されるの
で、傾斜角検出手段の検出信号に機体振動等の外乱の影
響による高周波領域の信号成分が含まれていても、その
ような外乱による信号成分は除去され、例え上記不感帯
を狭く設定した場合でも外乱の影響による高周波領域の
信号に基づいて無用な修正動作が実行されることを回避
させることができ、しかも、上記修正動作の実行におい
ては、上記両処理後信号のうちで、傾斜角検出手段の検
出信号から上記高周波数側の設定周波数よりも高周波数
領域の信号成分を除去した後の処理後信号、即ち、元の
傾斜角検出手段の検出信号からの時間遅れが小さい処理
後信号と上記設定信号値との偏差が上記不感帯内に入る
ように制御するので、傾斜角検出手段の検出信号に対し
て極力時間遅れのない状態で適切な姿勢変更操作を行う
ことができ、その結果、機体姿勢が過剰に変更操作され
て乗り心地が低下するという不具合を回避して、適正な
姿勢制御を実行することが可能となる作業車の姿勢制御
装置が提供される。
【0014】請求項3によれば、請求項1又は2におい
て、車速を検出する車速検出手段が設けられ、前記各フ
ィルタ手段が、前記車速検出手段にて検出される車速に
応じて、フィルタ定数を変更自在に構成されている。つ
まり、請求項1においては、前記傾斜角検出手段の検出
信号における設定周波数よりも高周波数領域の信号成分
を除去するフィルタ手段のフィルタ定数が、検出される
車速に応じて変更される。請求項2においては、前記傾
斜角検出手段の検出信号における、前記低周波数側の設
定周波数よりも高周波数領域の信号成分を除去する第1
のフィルタ手段と、前記傾斜角検出手段の検出信号にお
ける、前記高周波数側の設定周波数よりも高周波数領域
の信号成分を除去する第2のフィルタ手段の各フィルタ
定数が、検出される車速に応じて変更される。
【0015】従って、車速が速いか遅いかによって傾斜
角検出手段の検出信号に含まれる高周波数領域の信号成
分の状態が変化するような場合に、車速に応じて各フィ
ルタ手段のフィルタ定数を変更するので、車速の変化に
よって傾斜角検出手段の検出信号における高周波数領域
の信号成分の状態が変化するのに的確に対応しながら、
各フィルタ手段によって、傾斜角検出手段の検出信号に
含まれる各設定周波数よりも高周波数領域の信号成分を
適切に除去することができ、もって、請求項1又は2の
好適な手段が得られる。
【0016】請求項4によれば、請求項1〜3のいずれ
か1項において、前記各フィルタ手段のうちの少なくと
も一部が、ソフト処理によってフィルタ処理を実行する
ソフトフィルタにて構成されている。従って、例えばロ
ーパスフィルター回路等のハード回路によって各フィル
タ手段を構成する場合には、フィルタ処理を実行するた
めの専用の手段が必要となるが、上記ソフトフィルタに
よって各フィルタ手段を構成する場合には、他の制御を
実行するマイコン等の汎用手段を利用することができる
ので、制御構成の複雑化を回避させることができ、もっ
て、請求項1〜3のいずれか1項の好適な手段が得られ
る。さらに、上記ソフトフィルタによって構成した各フ
ィルタ手段では、請求項3のように、各フィルタ手段の
フィルタ定数を車速に応じて変更する処理もソフト的に
容易に実行することができる。
【0017】請求項5によれば、請求項1〜4のいずれ
か1項において、前記傾斜角検出手段が、前記機体本体
に固定された本体及びその本体に対して重力により初期
姿勢に復帰付勢された基準体を備えて、前記本体に対す
る前記基準体の角度を前記機体本体の水平基準面に対す
る傾斜角として検出するように構成されている。つま
り、機体本体が水平基準面から傾斜すると、機体本体に
固定された本体は機体本体と同じ傾斜角で傾斜するが、
基準体は重力により初期姿勢に復帰付勢されているので
初期姿勢に復帰し、その本体に対する基準体の角度が上
記機体本体の水平基準面に対する傾斜角として検出され
る。従って、重力を利用して機体本体の水平基準面に対
する傾斜角を検出するので、傾斜角検出手段の構成を極
力簡素化できるとともに、機体本体の水平基準面に対す
る傾斜角を的確に検出することができ、もって、請求項
1〜4のいずれか1項の好適な手段が得られる。
【0018】請求項6によれば、請求項1〜5のいずれ
か1項において、前記姿勢変更操作手段が、前記機体本
体における左側前部、左側後部、右側前部、及び、右側
後部の夫々において前記走行装置の接地部に対する高さ
を各別に変更調節自在な4個の駆動手段を備えて、前記
走行装置の接地部に対する前記機体本体の左右傾斜角及
び前後傾斜角を変更操作自在に構成され、前記傾斜角検
出手段が、前記機体本体の水平基準面に対する左右傾斜
角を検出する左右傾斜角検出手段と、前記機体本体の水
平基準面に対する前後傾斜角を検出する前後傾斜角検出
手段とを備えて構成され、前記制御手段が、前記姿勢制
御として、前記左右傾斜角検出手段の検出情報に基づい
て、前記機体本体の水平基準面に対する左右傾斜角が設
定左右傾斜角に維持されるように、前記4個の駆動手段
のうち、左側前部及び左側後部に位置する2個の駆動手
段と、右側前部及び右側後部に位置する2個の駆動手段
のいずれか一方の2個の駆動手段を駆動停止させた状態
で、他方の2個の駆動手段を駆動操作するローリング制
御、及び、前記前後傾斜角検出手段の検出情報に基づい
て、前記機体本体の水平基準面に対する前後傾斜角が設
定前後傾斜角に維持されるように、前記4個の駆動手段
のうち、左側前部及び右側前部に位置する2個の駆動手
段と、左側後部及び右側後部に位置する2個の駆動手段
のいずれか一方の2個の駆動手段を駆動停止させた状態
で、他方の2個の駆動手段を駆動操作するピッチング制
御を実行するように構成されている。
【0019】つまり、機体本体の水平基準面に対する左
右傾斜角を設定左右傾斜角に維持するためのローリング
制御では、機体本体の左側前部及び左側後部に位置する
2個の駆動手段と、右側前部及び右側後部に位置する2
個の駆動手段のうちの一方の2個の駆動手段だけを駆動
して、機体本体の水平基準面に対する左右傾斜角を変更
操作し、機体本体の水平基準面に対する前後傾斜角を設
定前後傾斜角に維持するためのピッチング制御では、機
体本体の左側前部及び右側前部に位置する2個の駆動手
段と、左側後部及び右側後部に位置する2個の駆動手段
のうちの一方の2個の駆動手段だけを駆動して、機体本
体の水平基準面に対する前後傾斜角を変更操作する。
【0020】従って、前記姿勢制御として実行するロー
リング制御及びピッチング制御において、機体の前後左
右に位置する4個の駆動手段のうちの、左右いずれかの
側もしくは前後いずれかの側に位置する2個の駆動手段
だけが同時に駆動されて残りの2個の駆動手段は駆動停
止しているから、例えば、上記4個の駆動手段のうちの
3個以上の駆動手段を同時に駆動すると、機体本体の姿
勢が不安定になって各駆動手段に対する荷重負荷が変動
し、その荷重負荷の変動によって各駆動手段の操作速度
が変化しようとして他の駆動手段に対して互いに影響し
合うため、滑らかな駆動操作が行えなくなるおそれがあ
るが、上記したように2個の駆動手段だけが同時に駆動
されて残りの2個の駆動手段は駆動停止する構成であれ
ば、機体本体の姿勢が不安定になることもなく、2個の
駆動手段を極力滑らかに駆動操作して適正な姿勢制御を
行うことができ、もって、請求項1〜5のいずれか1項
の好適な手段が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕以下、本発明の
第1実施形態を、作業車としての刈取収穫用のコンバイ
ンに適用した場合について図面に基づいて説明する。図
1に示すように、左右一対のクローラ走行装置1L,1
R(走行装置に相当する)、刈取穀稈を脱穀処理する脱
穀装置3、脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンク4、搭
乗運転部2等を備えた走行機体V(機体本体に相当す
る)に対して、稲や麦等の植立穀稈を刈り取って脱穀装
置3に供給する刈取部10が昇降調節自在に備えられ
て、コンバインを構成してある。
【0022】刈取部10は、先端部に設けた分草具6、
分草具6にて分草された植立穀稈を引き起こす引起し装
置5、引き起こされた穀稈の株元側を切断するバリカン
型の刈刃7、刈取穀稈を徐々に横倒れ姿勢に変更しなが
ら後方側に搬送する縦搬送装置8等にて構成され、走行
機体Vの前部に横軸芯P1周りに油圧式の刈取シリンダ
CYによって揺動昇降自在に設けられている。尚、上記
分草具6の後方側箇所に、刈取部10の地面に対する高
さを検出する超音波式の刈高さセンサ9が設けられてい
る。詳述はしないが、この刈高さセンサ9は、下方側に
向けて超音波を発信してから受信するまでの時間を計測
することで、刈取部10の地面に対する高さを検出する
ように非接触式に構成されている。
【0023】そして、このコンバインでは、左右のクロ
ーラ走行装置1L,1Rの接地部に対する走行機体Vの
傾斜角を変更操作自在な姿勢変更操作手段100が設け
られている。以下、その構成について説明する。先ず、
左右のクローラ走行装置1L,1Rの走行機体Vへの取
付構造を説明する。尚、左右のクローラ走行装置1L,
1Rは夫々同一構成であるから、そのうち左側のクロー
ラ走行装置1Lについて以下に説明し、右側のクローラ
走行装置1Rについてはその説明を省略する。
【0024】図2に示すように、走行機体Vを構成する
前後向き姿勢の主フレーム11に対して固定される支持
フレーム12の前端側には駆動スプロケット13が回転
自在に支持されるとともに、複数個の遊転輪体14を前
後方向に並べた状態で枢支し、且つ、後端部にテンショ
ン輪体15を支持したトラックフレーム16が前記支持
フレーム12に対して上下動可能に装着されている。そ
して、前記駆動スプロケット13とテンション輪体15
及び各遊転輪体14にわたり無端回動体であるクローラ
ベルトBが巻回されている。
【0025】前記支持フレーム12の前部側には水平軸
芯P2周りで回動可能に側面視で略L字形に構成される
前ベルクランク17aが枢支され、支持フレーム12の
後部側には水平軸芯P3周りで回動可能に側面視で略L
字形に構成される後ベルクランク17bが枢支されてい
る。そして、前ベルクランク17aの下方側端部がトラ
ックフレーム16の前部側個所に枢支連結され、後ベル
クランク17bの下方側端部は、ストローク吸収用の補
助リンク17b1を介して、トラックフレーム16の後
部側個所に枢支連結されている。一方、前後ベルクラン
ク17a,17bの夫々の上方側端部には、夫々、油圧
シリンダC2,C3のシリンダロッドが連動連結されて
いる。前記各油圧シリンダC2,C3のシリンダ本体側
は主フレーム11における横フレーム部分に枢支連結さ
れており、前記各油圧シリンダC2,C3は夫々複動型
の油圧シリンダにて構成されている。
【0026】そして、前ベルクランク17aに対応する
油圧シリンダC2(以下、左前シリンダという)を最も
伸張させるとともに、後ベルクランク17bに対応する
油圧シリンダC3(以下、左後シリンダという)を最も
短縮させると、図2に示すように、トラックフレーム1
6が支持フレーム12に受け止め支持され、トラックフ
レーム16が主フレーム11に最も近づいてほぼ平行状
態となる。この状態を下限基準姿勢という。
【0027】そして、前記下限基準姿勢にある状態か
ら、左後シリンダC3をそのままの状態に維持しながら
左前シリンダC2を短縮作動させると、図3に示すよう
に、走行機体Vの前部側を接地部に対して離間する方向
に姿勢変更(即ち、前上昇操作)することになる。ま
た、前記下限基準姿勢にある状態から、左前シリンダC
2をそのままの状態に維持しながら左後シリンダC3を
伸長作動させると、図4に示すように、走行機体Vの後
部側を接地部に対して離間する方向に姿勢変更(後上昇
操作)することになる。又、前記下限基準姿勢にある状
態から、左前シリンダC2を短縮作動させ、且つ、左後
シリンダC3を伸長作動させると、図5に示すように、
走行機体Vが接地部に対して平行姿勢のまま離間する方
向に姿勢変更(上昇操作)することになる。
【0028】尚、図9に示すように、右側のクローラ走
行装置1Rにおいても同様に、機体前部側に位置する右
前シリンダC4と、機体後部側に位置する右後シリンダ
C5とが夫々備えられ、左側のクローラ走行装置1Lと
同様な動作を行うことになる。
【0029】従って、前記姿勢変更操作手段100が、
走行機体Vにおける左側前部、左側後部、右側前部、及
び、右側後部の夫々において前記左右クローラ走行装置
1L,1Rの接地部に対する高さを各別に変更調節自在
な4個の駆動手段としての前記4個の機体姿勢変更用の
シリンダC2〜C5を備えて、前記左右クローラ走行装
置1L,1Rの接地部に対する走行機体Vの左右傾斜角
及び前後傾斜角を変更操作自在に構成されている。
【0030】前記4個の油圧シリンダC2,C3,C
4,C5の夫々に対応させて、左右クローラ走行装置1
L,1Rにおける前記各ベルクランク17a,17bの
回動支点部に対応する箇所に、その回動量に基づいて前
記各油圧シリンダC2,C3,C4,C5の操作量(即
ち、伸縮作動したストローク量)を検出するポテンショ
メータ形のストロ−クセンサ18,19,20,21が
設けられている。又、走行機体Vの水平基準面に対する
傾斜角を検出する傾斜角検出手段300が、走行機体V
の水平基準面に対する左右傾斜角を検出する左右傾斜角
検出手段としての重力式の左右傾斜角センサ23と、走
行機体Vの水平基準面に対する前後傾斜角を検出する前
後傾斜角検出手段としての重力式の前後傾斜角センサ2
4とを備えて構成されて、走行機体Vに設けられてい
る。
【0031】上記左右傾斜角センサ23及び前後傾斜角
センサ24は、同一の構成になるものであり、以下、図
6及び図7に基づいて説明する。走行機体Vに固定され
た角型の容器41の内部に、シリコンオイル等の所定粘
度の液体42が入れられるとともに、同一形状の金属板
を同一間隔で平行に立設した検出電極43が傾斜角検出
方向(図6において左右方向)に間隔をあけて一対配置
されている。そして、走行機体Vが傾斜していない状態
で上記液体42が重力により初期姿勢(液面水平状態)
に復帰しているときに、上記一対の検出電極43が同一
漬浸状態(図6の状態)となるように構成され、その各
検出電極43の静電容量を計測してその計測値の差(走
行機体Vが傾斜していない状態では差はゼロである)を
傾斜角情報に変換する変換回路部44が備えられてい
る。即ち、傾斜角検出手段300としての各傾斜角セン
サ23,24が、走行機体Vに固定された本体としての
容器41及びその容器41に対して重力により初期姿勢
(液面水平状態)に復帰付勢された基準体としての上記
液体42を備えて、上記容器41に対する上記液体42
の角度を前記走行機体Vの水平基準面に対する傾斜角と
して検出するように構成されている。
【0032】次に、動力伝達系を図8に示す。走行機体
Vに搭載されたエンジンEから出力された動力は、脱穀
クラッチ45を介して脱穀装置3に伝達されるととも
に、走行クラッチ46及び無段変速装置47を介して左
右のクローラ走行装置1L,1Rのミッション部48に
伝達され、ミッション部48に伝達された動力は、クロ
ーラ走行装置1L,1Rに伝達されるとともに、刈取ク
ラッチ49を介して刈取部10に伝達される。図中、5
0は、ミッション部48への入力回転数に基づいて車速
を検出する車速検出手段としての車速センサである。上
記無段変速装置47は、前記搭乗運転部2に設けた変速
レバー51によって変速操作され、この変速レバー51
が中立位置に操作されているか否かを検出する中立スイ
ッチ52(図9参照)が設けられている。
【0033】図9に示すように、マイクロコンピュータ
利用の制御装置22が設けられ、この制御装置22に、
前記各ストロークセンサ18〜21、刈高さセンサ9、
左右傾斜角センサ23、前後傾斜角センサ24、車速セ
ンサ50、及び、中立スイッチ52の各検出情報が入力
されている。又、搭乗運転部2の操作パネルには、姿勢
変更スイッチユニットSUと、前上げスイッチ40a及
び後上げスイッチ40bが設けられ、それらの各操作情
報も制御装置22に入力されている。
【0034】図10に示すように、上記姿勢変更スイッ
チユニットSUには、走行機体Vの水平基準面に対する
左右傾斜角を設定する左右傾斜角設定器25、水平制御
(後述のローリング制御)を入り切りする水平自動スイ
ッチ26、水平制御の入り状態を示す水平ランプ26
a、前後制御(後述のピッチング制御)を入り切りする
前後自動スイッチ27、前後制御の入り状態を示す前後
ランプ27a、上記水平制御及び前後制御の作動モード
を上限基準モードと下限基準モードとに切り換える上げ
基準スイッチ35、及び上限基準モードであることを示
す上げ基準ランプ35aが設けられ、さらに、十字レバ
ー式の操作具36にて作動する、右上げスイッチ37
a、左上げスイッチ37b、機体上げスイッチ38a及
び機体下げスイッチ38bが設けられている。尚、後述
の手動操作による姿勢変更操作は、下限基準モードで実
行される。
【0035】上記十字レバー式の操作具36の操作につ
いて説明すると、操作具36を左側に倒したときに、右
上げスイッチ37aがオン作動して右上げ操作(左傾斜
操作)が指令され、操作具36を右側に倒したときに、
左上げスイッチ37bがオン作動して左上げ操作(右傾
斜操作)が指令される。又、操作具36を後方側に倒し
たときに、機体上げスイッチ38aがオン作動して機体
上げ操作が指令され、操作具36を前方側に倒したとき
に、機体下げスイッチ38bがオン作動して機体下げ操
作が指令される。
【0036】又、上記左右傾斜角設定器25には、水平
スイッチ25a、左傾斜スイッチ25b及び右傾斜スイ
ッチ25cが備えられている。つまり、水平スイッチ2
5aを押すと、設定左右傾斜角として水平状態に対応す
る傾斜角が設定され、左傾斜スイッチ25bを押すと、
現在設定されている設定左右傾斜角が設定角度づつ左傾
斜方向に修正され、右傾斜スイッチ25cを押すと、現
在設定されている設定左右傾斜角が設定角度づつ右傾斜
方向に修正される。そして、左右傾斜角設定器25にて
設定されている左右傾斜角については、搭乗運転部2の
前方側に設けた表示装置(図示しない)に、図11に示
すように、1〜7の7段階(角度0の段階4が水平状態
を表わし、プラスの角度が右傾斜方向、マイナスの角度
が左傾斜方向を夫々表わす)のいずれであるかが表示さ
れる。尚、前後傾斜角については、傾斜角0(水平状
態)が設定前後傾斜角として予め設定されている。
【0037】さらに、搭乗運転部2の操作パネルには、
走行機体Vに対する刈取部10の地面に対する高さ即ち
刈取高さを設定するボリューム式の刈高さ設定器39、
刈取部10の上昇指令及び下降指令を指令する刈取昇降
レバー28の操作に基づいて、刈取部上昇を指令する上
昇スイッチSW1、刈取部下降を指令する下降スイッチ
SW2等が備えられており、これらの情報も前記制御装
置22に入力されている。
【0038】一方、制御装置22からは、前記刈取シリ
ンダCY及び前記4個の機体姿勢変更用の油圧シリンダ
C2〜C5を油圧制御するための油圧制御用の電磁弁2
9〜33に対する駆動信号が夫々出力されている。尚、
前記制御装置22は、刈取作業中において、刈高さセン
サ9の検出値が刈高さ設定器39にて設定された設定刈
高さに維持されるように刈取シリンダCYを作動させる
刈高さ制御を実行する。
【0039】上記制御装置22を利用して、前記傾斜角
検出手段300の検出情報に基づいて、前記走行機体V
の水平基準面に対する傾斜角が設定傾斜角に維持される
ように、前記姿勢変更操作手段100の作動を制御する
姿勢制御を実行する制御手段200が構成されている。
即ち、上記制御手段200が、上記姿勢制御として、前
記左右傾斜角センサ23の検出情報に基づいて、走行機
体Vの水平基準面に対する左右傾斜角が設定左右傾斜角
に維持されるように、前記4個の油圧シリンダC2〜C
5のうち、左側前部及び左側後部に位置する2個の油圧
シリンダ(左前シリンダC2と左後シリンダC3)と、
右側前部及び右側後部に位置する2個の油圧シリンダ
(右前シリンダC4と右後シリンダC5)のいずれか一
方の2個の油圧シリンダC2〜C5を駆動停止させた状
態で、他方の2個の油圧シリンダC2〜C5を駆動操作
するローリング制御、及び、前記前後傾斜角センサ24
の検出情報に基づいて、走行機体Vの水平基準面に対す
る前後傾斜角が設定前後傾斜角に維持されるように、前
記4個の油圧シリンダC2〜C5のうち、左側前部及び
右側前部に位置する2個の油圧シリンダ(左前シリンダ
C2と右前シリンダC4)と、左側後部及び右側後部に
位置する2個の油圧シリンダ(左後シリンダC3と右後
シリンダC5)のいずれか一方の2個の油圧シリンダC
2〜C5を駆動停止させた状態で、他方の2個の油圧シ
リンダC2〜C5を駆動操作するピッチング制御を実行
するように構成されている。
【0040】尚、上記ローリング制御及びピッチング制
御を実行する場合に、上記制御手段200は、前記4個
の油圧シリンダC2〜C5のうちで駆動停止させた2個
の油圧シリンダC2〜C5夫々の前記走行装置1L,1
Rの接地部に対する各高さ位置を含む基準平面KHを設
定して、他の2個の油圧シリンダC2〜C5を前記基準
平面KHからの各操作量(伸縮作動したストローク量)
が同じになるように駆動操作することにより、4個の油
圧シリンダC2〜C5の前記走行装置1L,1Rの接地
部に対する各高さ位置にて平面を形成する状態を維持さ
せる平面維持姿勢変更作動を実行するように構成されて
いる。
【0041】上記基準平面KHの設定について、機体左
側に位置する左前シリンダC2と左後シリンダC3を駆
動停止させた状態で、機体右側に位置する右前シリンダ
C4と右後シリンダC5を駆動操作するローリング制御
の場合を例に説明する。図12に示すように、上記4個
の油圧シリンダC2〜C5の各高さ位置により斜線で示
す平面が形成され、その平面における左側前部及び左側
後部の各高さ位置を夫々a1,b1で示している。ま
た、4個の油圧シリンダC2〜C5による左側前部、左
側後部、右側前部、及び、右側後部での高さ変更操作範
囲(各油圧シリンダC2〜C5の駆動操作可能範囲に対
応する)の下限位置を夫々a0,b0,c0,d0で示
し、上限位置を夫々a2,b2,c2,d2で示してい
る。そして、左側前部の下限位置a0と右側前部の下限
位置c0を結ぶ直線に平行に、左側前部の高さ位置a1
から右側前部に向けて直線a1−c1を引き、又、、左
側後部の下限位置b0と右側後部の下限位置d0を結ぶ
直線に平行に、左側後部の高さ位置b1から右側後部に
向けて直線b1−d1を引き、この直線a1−c1と直
線b1−d1とを含む平面a1−b1−c1−d1によ
って基準平面KHが設定されている。
【0042】上記平面維持姿勢変更作動を実行する場合
に、前記制御手段200は、前記各ストロークセンサ1
8〜21の検出情報に基づいて、前記駆動操作する2個
の油圧シリンダC2〜C5の単位時間当たりの各操作量
の変化を求めて、その2個の油圧シリンダC2〜C5の
うちで前記単位時間当たりの操作量の変化が大きい変化
速度大側の油圧シリンダC2〜C5における操作量が、
前記単位時間当たりの操作量の変化が小さい変化速度小
側の油圧シリンダC2〜C5における操作量よりも設定
値以上大となるに伴って、前記変化速度大側の油圧シリ
ンダC2〜C5における操作量が前記変化速度小側の油
圧シリンダC2〜C5における操作量よりも設定値小と
なるまで、前記変化速度大側の油圧シリンダC2〜C5
の駆動操作を停止させ、且つ、前記変化速度大側の油圧
シリンダC2〜C5における操作量が前記変化速度小側
の油圧シリンダC2〜C5における操作量よりも設定値
以上小となるに伴って、前記変化速度大側の油圧シリン
ダC2〜C5の駆動操作を開始させることにより、前記
駆動操作する2個の油圧シリンダC2〜C5の前記基準
平面KHからの各操作量を同じにするように構成されて
いる。
【0043】即ち、駆動操作する2個の油圧シリンダC
2〜C5による操作量(シリンダ伸縮量)の変化速度に
差がある場合には、速度が遅い方のシリンダを連続的に
駆動させながら、速度が速い方のシリンダの駆動をオン
オフすることにより、上記駆動操作する2個の油圧シリ
ンダC2〜C5間の操作量の差を設定値内に収めて、前
記基準平面KHからの各操作量が同じになるように制御
する。この場合に、先ず、前記基準平面KHからのシリ
ンダの操作量である伸縮量Wを、下式のように、現在の
シリンダ位置と基準平面KHに対応する基準位置との差
を、各油圧シリンダC2〜C5の駆動操作可能範囲、即
ち上限位置から下限位置までの全ストロークSTで割っ
たときの割合(パーセント)で定義し、上記設定値とし
ては、上記全ストロークSTの3パーセントに設定して
いる。つまり、駆動操作する2個の油圧シリンダC2〜
C5間の伸縮量Wの差は、最大でも各油圧シリンダC2
〜C5の駆動操作可能な全ストロークSTの3パーセン
ト以内に収められる。尚、上記シリンダ伸縮量Wがプラ
スのときは、現在のシリンダ位置が前記基準平面KHよ
りも上側に位置していることを示し、マイナスのとき
は、現在のシリンダ位置が前記基準平面KHよりも下側
に位置していることを示す。
【0044】
【数1】シリンダ伸縮量W=〔(シリンダ位置−基準位
置)/ST〕×100
【0045】次に、下限基準モードにおける前記ローリ
ング制御、及びピッチング制御について説明する。即
ち、ローリング制御の場合は、走行面が左下がり状態で
あれば、前記下限基準姿勢(図2)にある状態から、左
側のクローラ走行装置1Lにおいて、左前シリンダC2
を短縮作動させ、且つ、左後シリンダC3を伸長作動さ
せると、図13(イ)に示すように、走行機体Vが接地
部に対して左上り傾斜姿勢(右傾斜姿勢)に変化して、
走行機体Vの水平基準面に対する左右傾斜角を水平状態
にすることができる。又、走行面が右下がり状態であれ
ば、前記下限基準姿勢にある状態から、右側のクローラ
走行装置1Rにおいて、右前シリンダC4を短縮作動さ
せ、且つ、右後シリンダC5を伸長作動させると、図1
3(ロ)に示すように、走行機体Vが接地部に対して右
上り傾斜姿勢(左傾斜姿勢)に変化して、走行機体Vの
水平基準面に対する左右傾斜角を水平状態にすることが
できる。
【0046】ピッチング制御の場合は、走行面が前下が
り状態であれば、前記下限基準姿勢(図2)にある状態
から、左後シリンダC3及び右後シリンダC5を、夫
々、そのままの状態に維持しながら、左前シリンダC2
及び右前シリンダC4を同時に短縮作動させると、走行
機体Vの前部側が左右のクローラ走行装置1L,1Rの
夫々の接地部に対して上昇して後傾姿勢に姿勢変化し
て、走行機体Vの水平基準面に対する前後傾斜角を水平
状態にすることができる。又、走行面が前上がり状態で
あれば、前記下限基準姿勢にある状態から、左前シリン
ダC2及び右前シリンダC4を、夫々、そのままの状態
に維持しながら、左後シリンダC3及び右後シリンダC
5を同時に伸長作動させると、走行機体Vの後部側が左
右のクローラ走行装置1L,1Rの夫々の接地部に対し
て上昇して前傾姿勢に姿勢変化して、走行機体Vの水平
基準面に対する前後傾斜角を水平状態にすることができ
る。
【0047】尚、上限基準モードにおけるローリング制
御、及びピッチング制御についての説明は省略するが、
走行機体Vが左右のクローラ走行装置1L,1Rにおい
て接地部に対して平行姿勢のまま最も離間した姿勢状態
(図5参照)から、各シリンダC2〜C5の作動方向
を、上記下限基準モードにおけるローリング制御及びピ
ッチング制御での作動方向と逆の方向に作動させること
により実行される。
【0048】前記制御装置22を利用して、前記左右傾
斜角センサ23及び前後傾斜角センサ24の検出信号に
おける設定周波数fsよりも高周波数領域の信号成分を
除去するフィルタ手段400が構成されるとともに、こ
のフィルタ手段400は、前記車速センサ50にて検出
される車速に応じて、フィルタ定数を変更自在に構成さ
れている。具体的には、このフィルタ手段400は、図
14(ロ)に示すように、上記設定周波数fsよりも高
周波数領域の信号成分の利得を低周波数領域に比べて減
衰させるローパスフィルターの特性を有するものであ
り、車速に応じて変更自在なフィルタ定数としての上記
設定周波数fsを、図14(イ)に示すように、車速が
速くなるに従って大側に変更している。図14(ロ)に
おいて、車速が遅い場合の設定周波数をfs1で、車速
が速い場合の設定周波数をfs2で示している。尚、上
記フィルタ手段400は、詳述はしないが、上記各傾斜
角センサ23,24の出力信号をデジタルフィルタ処理
するソフト処理手段によって構成されている。即ち、こ
の第1実施形態では、上記フィルタ手段400が、ソフ
ト処理によってフィルタ処理を実行するソフトフィルタ
にて構成されている。
【0049】上記フィルタ手段400について追加説明
する。コンバインが凹凸を有する圃場面を走行する場合
に、車速が遅いときには、車速が速いときに比べて、通
常、路面の凹凸によって走行機体Vが振動するときの振
動周波数が低くなり、振動振幅は小さくなる。従って、
その走行機体Vの振動の影響を受けた各傾斜角センサ2
3,24の検出信号は、車速が遅いときは図15(イ)
に示すような信号波形となり、車速が速いときは図16
(イ)に示すような信号波形となるので、上記各傾斜角
センサ23,24の検出信号を前記フィルタ手段400
によって処理する場合には、図15(ロ)及び図16
(ロ)に示すように、車速が遅い場合には、上記振動の
影響を受けた周波数の低い信号成分を確実に減衰させ、
車速が速い場合には、上記振動の影響を受けた周波数の
高い信号成分を確実に減衰させた処理後信号が得られる
ようにしている。ただし、上記フィルタ手段400で処
理した後の処理後信号は、フィルタ処理前信号である各
傾斜角センサ23,24の検出信号に対して、夫々遅れ
時間td1,td2が生じる。
【0050】そして、前記制御手段200は、前記姿勢
制御として、前記傾斜角検出手段300(各傾斜角セン
サ23,24)の検出信号と前記設定傾斜角(設定左右
傾斜角及び設定前後傾斜角)に対応する設定信号値との
偏差が姿勢制御用の不感帯を外れていると、前記偏差が
前記不感帯内に入るように前記姿勢変更操作手段100
を作動させる修正動作を実行するように構成され、且
つ、前記傾斜角検出手段300(各傾斜角センサ23,
24)の検出信号を前記フィルタ手段400にて処理し
た後の処理後信号と前記設定信号値との偏差が前記不感
帯を外れるときに、前記修正動作を実行するとともに、
その修正動作の実行においては、前記傾斜角検出手段3
00(各傾斜角センサ23,24)の検出信号を前記フ
ィルタ手段400にて処理する前の処理前信号と前記設
定信号値との偏差を用いて前記姿勢変更操作手段100
を作動させるように構成されている。
【0051】図15及び図16に基づいて、上記修正動
作について説明する。上記設定信号値がksで示され、
その設定信号値ksを中央にして、検出信号の増加側及
び減少側の所定範囲を上記不感帯Fに設定している。
尚、左右傾斜角センサ23の検出信号が増加するとき
に、走行機体Vが左上り姿勢になり、前後傾斜角センサ
24の検出信号が増加するときに、走行機体Vが前上り
姿勢になるとする。又、上記設定信号値ksは、左右傾
斜角については前記左右傾斜角設定器25にて設定され
た値であり、前後傾斜角については、水平状態に対応す
る値である。図15及び図16には、各傾斜角センサ2
3,24の検出信号が不感帯F内に入っている状態から
増加して不感帯Fから上側に外れる場合を示すが、上記
フィルタ手段400によるフィルタ処理後信号の値が不
感帯Fの上限値よりも大きくなったときに、上記修正動
作が起動され、その修正動作では、上記フィルタ手段4
00で処理する前の各傾斜角センサ23,24の検出信
号と上記設定信号値ksとの偏差が上記不感帯F内に入
るように、前記姿勢変更操作手段100を作動させる。
尚、この例では、左下げ作動あるいは前下げ作動させる
ことになる。そして、この姿勢変更操作手段100によ
る機体姿勢の修正動作によって、上記フィルタ処理後信
号と上記設定信号値ksとの偏差が上記不感帯F内に入
ると、上記修正動作の実行を停止させる。
【0052】上記フィルタ手段400で処理する前の傾
斜角センサ23,24の検出信号を用いた修正動作につ
いて説明を加える。従来技術のようにフィルタ処理後信
号を用いて上記修正動作を実行する場合には、フィルタ
処理後信号と上記設定信号値ksとの偏差が上記不感帯
Fの上限値を外れた後、姿勢変更操作手段100の作動
によって小さくなって不感帯Fに近づいても、不感帯F
内に入るまでは偏差は不感帯Fを連続して外れている
(図15(ロ)及び図16(ロ)参照)ので、その偏差
が不感帯F内に入るまでの間、前記姿勢変更操作手段1
00が連続して作動され、その結果、過剰な修正動作が
実行されることになる。一方、フィルタ処理前信号を用
いて上記修正動作を実行する場合には、フィルタ処理後
信号と上記設定信号値ksとの偏差が上記不感帯Fの上
限値に近づくと、上記フィルタ処理前信号と上記設定信
号値ksとの偏差は不感帯F内に入ったり外れたりし、
しかも不感帯F内に入る時間が増えてくる(図15
(イ)及び図16(イ)参照)ので、前記姿勢変更操作
手段100はその偏差が不感帯Fを外れている間だけ作
動され、その偏差が不感帯F内に入っているときは作動
されず、上記フィルタ処理後信号を用いて上記修正動作
を実行する場合に比べて、過剰な修正動作の実行が抑制
されることになる。
【0053】次に、制御装置22による姿勢変更動作に
ついて、図17〜図23のフローチャートに基づいて説
明する。先ず、手動操作指令(左右傾斜、前後傾斜、上
下昇降)がされたか否かを判断し、手動操作指令がされ
た場合には、手動姿勢変更処理を実行する。上記手動操
作指令がされていない場合は、水平自動スイッチ26と
前後自動スイッチ27の状態を調べて、水平自動スイッ
チ26だけがオンしているときはローリング制御だけを
実行し、両方がオンしているときは、ローリング制御を
優先して先に実行し、その後、ピッチング制御を実行す
る。
【0054】手動姿勢変更処理(図18)では、左上げ
スイッチ37bにて左上げが指令されていれば、右傾斜
処理を実行する。尚、右傾斜処理では、右前シリンダC
4及び右後シリンダC5のいずれかが下限位置に達する
まで、後述のストローク調整処理を実行しながら、右前
シリンダC4を伸長作動させるとともに右後シリンダC
5を短縮作動させ、右前シリンダC4及び右後シリンダ
C5のいずれかが下限位置に操作されれば、左前シリン
ダC2及び左後シリンダC3のいずれかが上限位置に達
するまで、後述のストローク調整処理を実行しながら、
左前シリンダC2を短縮作動させるとともに左後シリン
ダC3を伸長作動させる。
【0055】又、右上げスイッチ37aにて右上げが指
令されていれば、左傾斜処理を実行する。尚、左傾斜処
理では、左前シリンダC2及び左後シリンダC3のいず
れかが下限位置に達するまで、後述のストローク調整処
理を実行しながら、左前シリンダC2を伸長作動させる
とともに左後シリンダC3を短縮作動させ、左前シリン
ダC2及び左後シリンダC3のいずれかが下限位置に操
作されれば、右前シリンダC4及び右後シリンダC5の
いずれかが上限位置に達するまで、後述のストローク調
整処理を実行しながら、右前シリンダC4を短縮作動さ
せるとともに右後シリンダC5を伸長作動させる。
【0056】又、後上げスイッチ40bにて後上げが指
令されていれば、前傾斜処理を実行する。尚、前傾斜処
理では、左前シリンダC2及び右前シリンダC4のいず
れかが下限位置に達するまで、後述のストローク調整処
理を実行しながら、左前シリンダC2及び右前シリンダ
C4を伸長作動させ、左前シリンダC2及び右前シリン
ダC4のいずれかが下限位置に操作されれば、左後シリ
ンダC3及び右後シリンダC5のいずれかが上限位置に
達するまで、後述のストローク調整処理を実行しなが
ら、左後シリンダC3及び右後シリンダC5を伸長作動
させる。
【0057】又、前上げスイッチ40aにて前上げが指
令されていれば、後傾斜処理を実行する。尚、後傾斜処
理では、左後シリンダC3及び右後シリンダC5のいず
れかが下限位置に達するまで、後述のストローク調整処
理を実行しながら、左後シリンダC3及び右後シリンダ
C5を短縮作動させ、左後シリンダC3及び右後シリン
ダC5のいずれかが下限位置に操作されれば、左前シリ
ンダC2及び右前シリンダC4のいずれかが上限位置に
達するまで、後述するようなストローク調整処理を実行
しながら、左前シリンダC2及び右前シリンダC4を短
縮作動させる。
【0058】又、機体上げスイッチ38aにて機体上げ
が指令されていれば、機体上昇処理を実行する。尚、機
体上昇処理では、左前シリンダC2を上限位置になるま
で短縮作動させ、左後シリンダC3を上限位置になるま
で伸長作動させ、右前シリンダC4を上限位置になるま
で短縮作動させ、右後シリンダC5を上限位置になるま
で伸長作動させる。
【0059】又、機体下げスイッチ38bにて機体下げ
が指令されていれば、機体下降処理を実行する。尚、機
体下降処理では、左前シリンダC2を下限位置になるま
で伸長作動させ、左後シリンダC3を下限位置になるま
で短縮作動させ、右前シリンダC4を下限位置になるま
で伸長作動させ、右後シリンダC5を下限位置になるま
で短縮作動させる。
【0060】ローリング制御(図19及び図20)で
は、先ず、上げ基準スイッチ35によって上限基準モー
ドと下限基準モードのいずれに切り換えられているかを
判断し、上限基準モードであれば、「上限基準によるロ
ーリング制御」を実行し、下限基準モードであれば、以
下の「下限基準によるローリング制御」を実行する。
「下限基準によるローリング制御」では、左右傾斜角セ
ンサ23の検出信号をフィルタ手段400にて処理した
後の信号と前記左右傾斜角設定器25による設定信号値
ksとの偏差が前記不感帯Fを外れている場合に、上記
フィルタ処理前の左右傾斜角センサ23の検出信号を用
いたローリング作動処理を実行し、上記偏差が前記不感
帯F内である場合には、上記ローリング作動処理は実行
しない。
【0061】フィルタ処理前の左右傾斜角センサ23の
検出信号を用いたローリング作動処理では、左右傾斜角
センサ23の検出値と設定信号値ksとの偏差が前記不
感帯Fを走行機体Vの左傾斜側に外れていれば、機体右
側の前後に位置する各ストロークセンサ20、21の検
出情報に基づいて、右前シリンダC4及び右後シリンダ
C5のいずれかが下限位置に操作されているか否かを判
断し、両シリンダC4,C5がいずれも下限位置に操作
されていなければ、その両シリンダC4,C5のいずれ
かが下限位置に達するまで、後述のストローク調整処理
を実行しながら、右前シリンダC4を伸長作動させると
ともに右後シリンダC5を短縮作動させる。右前シリン
ダC4及び右後シリンダC5のいずれかが下限位置に操
作されれば、左前シリンダC2及び左後シリンダC3の
いずれかが上限位置に達するまで、後述のストローク調
整処理を実行しながら、左前シリンダC2を短縮作動さ
せるとともに左後シリンダC3を伸長作動させる。
【0062】上記左右傾斜角センサ23の検出値と設定
信号値ksとの偏差が前記不感帯Fを走行機体Vの右傾
斜側に外れていれば、機体左側の前後に位置する各スト
ロークセンサ18、19の検出情報に基づいて、左前シ
リンダC2及び左後シリンダC3のいずれかが下限位置
に操作されているか否かを判断し、両シリンダC2,C
3がいずれも下限位置に操作されていなければ、その両
シリンダC2,C3のいずれかが下限位置に達するま
で、後述のストローク調整処理を実行しながら、左前シ
リンダC2を伸長作動させるとともに左後シリンダC3
を短縮作動させる。左前シリンダC2及び左後シリンダ
C3のいずれかが下限位置に操作されれば、右前シリン
ダC4及び右後シリンダC5のいずれかが上限位置に達
するまで、後述のストローク調整処理を実行しながら、
右前シリンダC4を短縮作動させるとともに右後シリン
ダC5を伸長作動させる。このようにして、走行機体V
の高さを極力低くするようにしながら、走行機体Vの左
右傾斜角と左右傾斜角設定器25にて設定された設定左
右傾斜角との角度ずれが不感帯F内に収まるようにロー
リング作動処理を実行するのである。
【0063】尚、「上限基準によるローリング制御」の
処理については、詳述しないが、基本的には、上述した
「下限基準によるローリング制御」の処理において、各
シリンダを下限位置に位置するように操作する代わり
に、上限位置に位置するように操作する。このようにし
て、走行機体Vの高さを極力高くするようにしながら、
走行機体Vと左右傾斜角設定器25にて設定された設定
左右傾斜角との角度ずれが不感帯F内に収まるようにロ
ーリング作動処理を実行する。
【0064】ピッチング制御(図21及び図22)で
は、先ず、上げ基準スイッチ35によって上限基準モー
ドと下限基準モードのいずれに切り換えられているかを
判断し、上限基準モードであれば、「上限基準によるピ
ッチング制御」を実行し、下限基準モードであれば、以
下の「下限基準によるピッチング制御」を実行する。
「下限基準によるピッチング制御」では、前後傾斜角セ
ンサ24の検出信号をフィルタ手段400にて処理した
後の信号と水平状態に対応する設定信号値ksとの偏差
が前記不感帯Fを外れている場合に、上記フィルタ処理
前の前後傾斜角センサ24の検出信号を用いたピッチン
グ作動処理を実行し、上記偏差が前記不感帯F内である
場合には、上記ピッチング作動処理は実行しない。
【0065】フィルタ処理前の前後傾斜角センサ24の
検出信号を用いたピッチング作動処理では、前後傾斜角
センサ24の検出値と設定信号値ksとの偏差が前記不
感帯Fを走行機体Vの前傾斜側に外れていれば、機体後
部に位置する左右のストロークセンサ19、21の検出
情報に基づいて、左後シリンダC3及び右後シリンダC
5のいずれかが下限位置に操作されているか否かを判断
し、両シリンダC3,C5がいずれも下限位置に操作さ
れていなければ、その両シリンダC3,C5のいずれか
が下限位置に達するまで、後述のストローク調整処理を
実行しながら、左後シリンダC3及び右後シリンダC5
を短縮作動させる。左後シリンダC3及び右後シリンダ
C5のいずれかが下限位置に操作されれば、左前シリン
ダC2及び右前シリンダC4のいずれかが上限位置に達
するまで、後述のストローク調整処理を実行しながら、
左前シリンダC2及び右前シリンダC4を短縮作動させ
る。
【0066】前後傾斜角センサ24の検出値と設定信号
値ksとの偏差が前記不感帯Fを走行機体Vの後傾斜側
に外れていれば、機体前部に位置する左右のストローク
センサ18、20の検出情報に基づいて、左前シリンダ
C2及び右前シリンダC4のいずれかが下限位置に操作
されているか否かを判断し、両シリンダC2,C4がい
ずれも下限位置に操作されていなければ、その両シリン
ダC2,C4のいずれかが下限位置に達するまで、後述
のストローク調整処理を実行しながら、左前シリンダC
2及び右前シリンダC4を伸長作動させる。左前シリン
ダC2及び右前シリンダC4のいずれかが下限位置に操
作されれば、左後シリンダC3及び右後シリンダC5の
いずれかが上限位置に達するまで、後述するようなスト
ローク調整処理を実行しながら、左後シリンダC3及び
右後シリンダC5を伸長作動させる。このようにして、
走行機体Vの高さを極力低くするようにしながら、走行
機体Vの前後傾斜角と水平状態に対応する前後傾斜角と
の角度ずれが不感帯F内に収まるようにピッチング作動
処理を実行するのである。
【0067】尚、「上限基準によるピッチング制御」の
処理については、詳述しないが、基本的には、上述した
「下限基準によるピッチング制御」の処理において、各
シリンダを下限位置に位置するように操作する代わり
に、上限位置に位置するように操作する。このようにし
て、走行機体Vの高さを極力高くするようにしながら、
走行機体Vの前後傾斜角と水平状態に対応する前後傾斜
角との角度ずれが不感帯F内に収まるようにピッチング
作動処理を実行するのである。
【0068】次に、上記したように2個のシリンダを駆
動操作するときに行われる前記ストローク調整処理につ
いて説明する。図23に示すように、駆動操作する2個
のシリンダをC(A),C(B)とし、両方のシリンダ
の一方が作動停止中でなければ、各ストロークセンサ1
8〜21の検出情報に基づいて、前記数1に示す式によ
り、各シリンダごとの伸縮量W1,W2と、各シリンダ
による単位時間あたりの伸縮量、即ち、各シリンダの伸
縮量の変化速度V1,V2を求める。上記両方のシリン
ダの一方が作動停止中のときは、各シリンダごとの伸縮
量W1,W2だけを求める。
【0069】そして、一方のシリンダC(A)の変化速
度V1が他方のシリンダC(B)の変化速度V2よりも
大であることが検出されたときは、その速度小側のシリ
ンダC(B)を連続作動しながら、速度大側のシリンダ
C(A)の作動をオンオフする。つまり、速度大側のシ
リンダC(A)の伸縮量W1と、速度小側のシリンダC
(B)の伸縮量W2とを比較して、速度大側のシリンダ
C(A)の伸縮量W1が速度小側のシリンダC(B)の
伸縮量W2よりも大きく、しかも、その差が全ストロー
クの3パーセントよりも大であれば、速度大側のシリン
ダC(A)の作動を停止させ、その差が3パーセントよ
りも小であれば、速度大側のシリンダC(A)の作動は
停止させない。一方、速度大側のシリンダC(A)の伸
縮量W1が速度小側のシリンダC(B)の伸縮量W2よ
りも小さく、しかも、その差が全ストロークの3パーセ
ントよりも大であれば、停止させている速度大側のシリ
ンダC(A)の作動を開始させる。
【0070】逆に、シリンダC(A)の伸縮量W1の変
化速度V1がシリンダC(B)の伸縮量W2の変化速度
V2よりも小であることが検出されたときは、上記処理
において、速度小側のシリンダをシリンダC(A)にし
て、この速度小側のシリンダC(A)を連続作動させな
がら、速度大側のシリンダC(B)をオンオフ作動させ
るようにして、同様な処理を行う。
【0071】〔第2実施形態〕次に、本発明の第2実施
形態について説明する。この第2実施形態では、前記フ
ィルタ手段400と異なる構成のフィルタ手段が設けら
れ、又、前記制御手段200の制御内容が異なる点を除
いて第1実施形態と同様に構成されている。以下、第1
実施形態との相違点について説明する。
【0072】図24に示すように、前記制御装置22を
利用して、前記傾斜角検出手段300(各傾斜角センサ
23,24)の検出信号における、周波数が異なる2つ
の設定周波数fa,fbのうちの低周波数側の設定周波
数faよりも高周波数領域の信号成分を除去する第1の
フィルタ手段401(以下、第1フィルタという)と、
前記傾斜角検出手段300の検出信号における、前記2
つの設定周波数fa,fbのうちの高周波数側の設定周
波数fbよりも高周波数領域の信号成分を除去する第2
のフィルタ手段402(以下、第1フィルタという)と
が設けられている。即ち、この第2実施形態では、上記
各フィルタ手段401,402が、ソフト処理によって
フィルタ処理を実行するソフトフィルタにて構成されて
いる。
【0073】具体的には、上記第1及び第2フィルタ4
01,402は、図25に示すように、各設定周波数f
a,fbよりも高周波数領域の信号成分の利得を低周波
数領域に比べて減衰させるローパスフィルターの特性を
有するものであり、前記フィルタ手段400と同様に、
前記各傾斜角センサ23,24の出力信号をデジタルフ
ィルタ処理するように構成されている。尚、この各フィ
ルタ401,402においても、図示はしないが、第1
実施形態と同様に(図14(イ)参照)、上記設定周波
数fa,fbを、車速に応じて変更自在なフィルタ定数
として、車速が速くなるに従って大側に変更するように
している。
【0074】上記第1及び第2のフィルタ401,40
2について追加説明すると、各傾斜角センサ23,24
の検出信号の波形が図26(イ)に示され、この傾斜角
センサ23,24の検出信号を第2フィルタ402によ
って処理した後の処理後信号が図26(ロ)に示され、
傾斜角センサ23,24の検出信号を第1フィルタ40
1によって処理した後の処理後信号が図26(ハ)に示
されている。そして、第2フィルタ402による処理後
信号が、フィルタ処理前信号である各傾斜角センサ2
3,24の検出信号に対して遅れ時間td3を生じ、第
1フィルタ401による処理後信号が、第2フィルタ4
02による遅れ時間td3よりもさらに遅れて、フィル
タ処理前信号である各傾斜角センサ23,24の検出信
号に対して遅れ時間td4を生じている。
【0075】そして、前記制御手段200が、前記姿勢
制御として、前記傾斜角検出手段300の検出信号を第
1フィルタ401にて処理した後の処理後信号と前記設
定傾斜角に対応する設定信号値ksとの第1偏差、及
び、前記傾斜角検出手段300の検出信号を第2フィル
タ402にて処理した後の処理後信号と前記設定信号値
ksとの第2偏差の両方が姿勢制御用の不感帯Fを外れ
るときに、前記第2偏差が前記不感帯F内に入るように
前記姿勢変更操作手段100を作動させる修正動作を実
行し、且つ、前記第1偏差と第2偏差のいずれかが前記
不感帯F内に入るときに前記修正動作の実行を停止する
ように構成されている。
【0076】図26に基づいて上記修正動作について説
明する。図26には、各傾斜角センサ23,24の検出
信号が不感帯F内に入っている状態から増加して不感帯
Fから上側に外れる場合を示すが、上記第1偏差と第2
偏差の両方が不感帯Fの上限値よりも大きくなったとき
に、上記修正動作が起動され、この修正動作では、第2
偏差が上記不感帯F内に入るように、前記姿勢変更操作
手段100を作動させる。尚、この例では、左下げ作動
あるいは前下げ作動させることになる。そして、この姿
勢変更操作手段100による機体姿勢の修正動作によっ
て、上記第1偏差と第2偏差のいずれか一方が上記不感
帯F内に入ると、上記修正動作の実行を停止させる。つ
まり、この第2実施形態の姿勢制御では、第2フィルタ
402による処理後信号では、、各傾斜角センサ23,
24の検出信号の成分は極力減衰させないようにしなが
ら、突発的なノイズ成分は減衰させ、第1フィルタ40
1による処理後信号では、各傾斜角センサ23,24の
検出信号の成分をある程度減衰させて、制御の安定化を
図っている。そして、上記機体姿勢の修正動作は、実際
は上記両フィルタ401,402のうち時間遅れが大き
い方の第1フィルタ401による処理後信号から求めた
第1偏差が上記不感帯Fを外れたときに起動し、且つ、
その修正動作では、各傾斜角センサ23,24の検出信
号の成分を極力減衰させず、しかも、各傾斜角センサ2
3,24の検出信号からの時間遅れが少ない第2フィル
タ402による処理後信号を用いて上記修正動作を実行
することで、過剰な修正動作の実行を抑制するようにし
ている。
【0077】次に、上記制御手段200によるローリン
グ制御とピッチング制御について、図27〜図30のフ
ローチャートに基づいて説明する。尚、以下の説明で
は、「下限基準によるローリング制御」についてだけ説
明し、「上限基準によるローリング制御」についての説
明は省略する。「下限基準によるローリング制御」では
(図27及び図28)、第1偏差と第2偏差が共に前記
不感帯Fを外れている場合に、第2偏差を基準としたロ
ーリング作動処理を実行し、上記第1偏差と第2偏差の
いずれかが前記不感帯F内である場合には、上記ローリ
ング作動処理は実行しない。
【0078】第2偏差を基準としたローリング作動処理
では、第2偏差が前記不感帯Fを走行機体Vの左傾斜側
に外れていれば、機体右側の前後に位置する各ストロー
クセンサ20、21の検出情報に基づいて、右前シリン
ダC4及び右後シリンダC5のいずれかが下限位置に操
作されているか否かを判断し、両シリンダC4,C5が
いずれも下限位置に操作されていなければ、その両シリ
ンダC4,C5のいずれかが下限位置に達するまで、前
記ストローク調整処理(図23)を実行しながら、右前
シリンダC4を伸長作動させるとともに右後シリンダC
5を短縮作動させる。右前シリンダC4及び右後シリン
ダC5のいずれかが下限位置に操作されれば、左前シリ
ンダC2及び左後シリンダC3のいずれかが上限位置に
達するまで、前記ストローク調整処理(図23)を実行
しながら、左前シリンダC2を短縮作動させるとともに
左後シリンダC3を伸長作動させる。
【0079】上記第2偏差が前記不感帯Fを走行機体V
の右傾斜側に外れていれば、機体左側の前後に位置する
各ストロークセンサ18、19の検出情報に基づいて、
左前シリンダC2及び左後シリンダC3のいずれかが下
限位置に操作されているか否かを判断し、両シリンダC
2,C3がいずれも下限位置に操作されていなければ、
その両シリンダC2,C3のいずれかが下限位置に達す
るまで、前記ストローク調整処理(図23)を実行しな
がら、左前シリンダC2を伸長作動させるとともに左後
シリンダC3を短縮作動させる。左前シリンダC2及び
左後シリンダC3のいずれかが下限位置に操作されれ
ば、右前シリンダC4及び右後シリンダC5のいずれか
が上限位置に達するまで、前記ストローク調整処理(図
23)を実行しながら、右前シリンダC4を短縮作動さ
せるとともに右後シリンダC5を伸長作動させる。
【0080】「下限基準によるピッチング制御」では
(図29及び図30)、第1偏差と第2偏差が共に前記
不感帯Fを外れている場合に、第2偏差を基準としたピ
ッチング作動処理を実行し、上記第1偏差と第2偏差の
いずれかが前記不感帯F内である場合には、上記ピッチ
ング作動処理は実行しない。
【0081】第2偏差を基準としたピッチング作動処理
では、第2偏差が前記不感帯Fを走行機体Vの前傾斜側
に外れていれば、機体後部に位置する左右のストローク
センサ19、21の検出情報に基づいて、左後シリンダ
C3及び右後シリンダC5のいずれかが下限位置に操作
されているか否かを判断し、両シリンダC3,C5がい
ずれも下限位置に操作されていなければ、その両シリン
ダC3,C5のいずれかが下限位置に達するまで、前記
ストローク調整処理(図23)を実行しながら、左後シ
リンダC3及び右後シリンダC5を短縮作動させる。左
後シリンダC3及び右後シリンダC5のいずれかが下限
位置に操作されれば、左前シリンダC2及び右前シリン
ダC4のいずれかが上限位置に達するまで、前記ストロ
ーク調整処理(図23)を実行しながら、左前シリンダ
C2及び右前シリンダC4を短縮作動させる。
【0082】第2偏差が前記不感帯Fを走行機体Vの後
傾斜側に外れていれば、機体前部に位置する左右のスト
ロークセンサ18、20の検出情報に基づいて、左前シ
リンダC2及び右前シリンダC4のいずれかが下限位置
に操作されているか否かを判断し、両シリンダC2,C
4がいずれも下限位置に操作されていなければ、その両
シリンダC2,C4のいずれかが下限位置に達するま
で、前記ストローク調整処理(図23)を実行しなが
ら、左前シリンダC2及び右前シリンダC4を伸長作動
させる。左前シリンダC2及び右前シリンダC4のいず
れかが下限位置に操作されれば、左後シリンダC3及び
右後シリンダC5のいずれかが上限位置に達するまで、
前記ストローク調整処理(図23)を実行しながら、左
後シリンダC3及び右後シリンダC5を伸長作動させ
る。
【0083】〔別実施形態〕次に別実施形態を列記す
る。上記第1及び第2実施形態では、各フィルタ手段4
00,401,402のすべてを、制御装置22を利用
して、いわゆるソフト処理によってフィルタ処理を実行
するソフトフィルタ(デジタルフィルタ処理手段)によ
って構成するようにしたが、各フィルタ手段400,4
01,402はこのようなソフト的な処理手段に限るも
のではなく、各フィルタ手段400,401,402の
少なくとも一部をローパスフィルター回路等のハードの
電気回路によって構成してもよい。具体的には、第2実
施形態における各フィルタ手段401,402の場合に
ついて例示すると、図31(イ)のように、左右傾斜角
センサ23及び前後傾斜角センサ24の各検出信号を、
前記第1フィルタ401に相当するフィルタ特性の第1
フィルタ回路500aと、前記第2フィルタ402に相
当するフィルタ特性の第2フィルタ回路500bにて夫
々処理した信号を制御装置22に入力する構成、あるい
は、図31(ロ)のように、左右傾斜角センサ23及び
前後傾斜角センサ24の各検出信号を、前記第2フィル
タ402に相当するフィルタ特性のフィルタ回路501
aにて処理した信号を制御装置22に入力するととも
に、そのフィルタ回路501aにて処理した信号をさら
にフィルタ回路501bにて処理して前記第1フィルタ
401に相当するフィルタ特性とした信号を制御装置2
2に入力する構成によって実現される。
【0084】上記第1及び第2実施形態では、傾斜角検
出手段300を、重力式の傾斜角センサ23,24にて
構成したが、これに限るものではなく、例えばレーザー
ジャイロ等の角速度を検出するセンサの検出信号を積分
して傾斜角を検出する手段でもよい。
【0085】上記第1及び第2実施形態では、傾斜角検
出手段300を、重力式の傾斜角センサ23,24にて
構成する場合に、基準体として所定粘度の液体を用いて
いるので、この液体の粘度に基づく応答特性により、傾
斜角検出手段300自体で既に所定周波数よりも高周波
数領域の検出信号を周波数成分を除去するフィルタ特性
を有していることになるが、例えば上記液体として粘度
の小さい液体を用いることにより、傾斜角検出手段30
0では極力フィルタ特性を有しないようにし、各フィル
タ手段400,401,402によってフィルタ特性を
持たせるようにしてもよい。
【0086】上記第1及び第2実施形態では、制御手段
200が、姿勢制御として、ローリング制御とピッチン
グ制御の両方を実行するように構成したが、ローリング
制御とピッチング制御のいずれか一方だけを実行するよ
うに構成してもよい。
【0087】上記第1及び第2実施形態では、走行装置
を、左右一対のクローラ走行装置1L,1Rで構成した
が、これに限るものではなく、例えば、単一の走行装置
でもよく、又、クローラ式ではなく車輪式の走行装置で
もよい。
【0088】上記第1及び第2実施形態では、姿勢変更
操作手段100を、機体本体Vの前後左右の4箇所に位
置した4個の駆動手段C2〜C5にて構成したが、例え
ば、左右の走行装置を各別に昇降駆動する左右一対の駆
動手段(ローリング用油圧シリンダ)と、左右の走行装
置を一体的に前後方向に傾斜させる1個の駆動手段(ピ
ッチング用油圧シリンダ)とにて構成してもよい。又、
上記4個の駆動手段C2〜C5を構成する場合も、油圧
シリンダ以外に、電動モータとネジ送り機構等からなる
他の駆動手段にて構成してもよい。
【0089】上記第1及び第2実施形態では、作業車と
して刈取収穫用のコンバインを例示したが、コンバイン
に限らず、苗移植機やトラクター等の他の農作業車でも
よく、農作業車に限らず、建設用の作業車や土木用の作
業車であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの前部を示す側面図
【図2】走行装置の昇降操作構成を示す側面図
【図3】走行装置の昇降操作構成を示す側面図
【図4】走行装置の昇降操作構成を示す側面図
【図5】走行装置の昇降操作構成を示す側面図
【図6】傾斜角検出手段の構成を示す斜視図
【図7】傾斜角検出手段の検出動作を示す側面図
【図8】コンバインの動力伝達図
【図9】制御構成を示すブロック図
【図10】姿勢変更操作用のスイッチユニットの正面図
【図11】左右傾斜角の設定値を示す図
【図12】平面維持姿勢変更作動を示す斜視図
【図13】姿勢制御状態を示す正面図
【図14】フィルタ手段の特性を示すグラフ
【図15】傾斜角検出手段の検出信号の処理と修正動作
を示すタイムチャート
【図16】傾斜角検出手段の検出信号の処理と修正動作
を示すタイムチャート
【図17】制御作動を示すフローチャート
【図18】制御作動を示すフローチャート
【図19】制御作動を示すフローチャート
【図20】制御作動を示すフローチャート
【図21】制御作動を示すフローチャート
【図22】制御作動を示すフローチャート
【図23】制御作動を示すフローチャート
【図24】第2実施形態における制御構成を示すブロッ
ク図
【図25】第2実施形態におけるフィルタ手段の特性を
示すグラフ
【図26】第2実施形態におけるフィルタ処理と修正動
作を示すタイムチャート
【図27】第2実施形態における制御作動を示すフロー
チャート
【図28】第2実施形態における制御作動を示すフロー
チャート
【図29】第2実施形態における制御作動を示すフロー
チャート
【図30】第2実施形態における制御作動を示すフロー
チャート
【図31】別実施形態におけるフィルタ手段の構成を示
す回路図
【符号の説明】
1L,1R 走行装置 23 左右傾斜角検出手段 24 前後傾斜角検出手段 50 車速検出手段 41 本体 42 基準体 100 姿勢変更操作手段 200 制御手段 300 傾斜角検出手段 400 フィルタ手段 401 フィルタ手段 402 フィルタ手段 C2〜C5 駆動手段 V 機体本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 繁樹 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 Fターム(参考) 2B076 AA03 BA04 CC02 CC12 CC13 EA06 EB04 EC09 ED30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行装置の接地部に対する機体本体の傾
    斜角を変更操作自在な姿勢変更操作手段と、 前記機体本体の水平基準面に対する傾斜角を検出する傾
    斜角検出手段と、 前記傾斜角検出手段の検出情報に基づいて、前記機体本
    体の水平基準面に対する傾斜角が設定傾斜角に維持され
    るように、前記姿勢変更操作手段の作動を制御する姿勢
    制御を実行する制御手段とが設けられている作業車の姿
    勢制御装置であって、 前記傾斜角検出手段の検出信号における設定周波数より
    も高周波数領域の信号成分を除去するフィルタ手段が設
    けられ、 前記制御手段が、前記姿勢制御として、前記傾斜角検出
    手段の検出信号と前記設定傾斜角に対応する設定信号値
    との偏差が姿勢制御用の不感帯を外れていると、前記偏
    差が前記不感帯内に入るように前記姿勢変更操作手段を
    作動させる修正動作を実行するように構成され、且つ、
    前記傾斜角検出手段の検出信号を前記フィルタ手段にて
    処理した後の処理後信号と前記設定信号値との偏差が前
    記不感帯を外れるときに、前記修正動作を実行するとと
    もに、その修正動作の実行においては、前記傾斜角検出
    手段の検出信号を前記フィルタ手段にて処理する前の処
    理前信号と前記設定信号値との偏差を用いて前記姿勢変
    更操作手段を作動させるように構成されている作業車の
    姿勢制御装置。
  2. 【請求項2】 走行装置の接地部に対する機体本体の傾
    斜角を変更操作自在な姿勢変更操作手段と、 前記機体本体の水平基準面に対する傾斜角を検出する傾
    斜角検出手段と、 前記傾斜角検出手段の検出情報に基づいて、前記機体本
    体の水平基準面に対する傾斜角が設定傾斜角に維持され
    るように、前記姿勢変更操作手段の作動を制御する姿勢
    制御を実行する制御手段とが設けられている作業車の姿
    勢制御装置であって、 前記傾斜角検出手段の検出信号における、周波数が異な
    る2つの設定周波数のうちの低周波数側の設定周波数よ
    りも高周波数領域の信号成分を除去する第1のフィルタ
    手段と、前記傾斜角検出手段の検出信号における、前記
    2つの設定周波数のうちの高周波数側の設定周波数より
    も高周波数領域の信号成分を除去する第2のフィルタ手
    段とが設けられ、 前記制御手段が、前記姿勢制御として、前記傾斜角検出
    手段の検出信号を前記第1のフィルタ手段にて処理した
    後の処理後信号と前記設定傾斜角に対応する設定信号値
    との第1偏差、及び、前記傾斜角検出手段の検出信号を
    前記第2のフィルタ手段にて処理した後の処理後信号と
    前記設定信号値との第2偏差の両方が姿勢制御用の不感
    帯を外れるときに、前記第2偏差が前記不感帯内に入る
    ように前記姿勢変更操作手段を作動させる修正動作を実
    行し、且つ、前記第1偏差と第2偏差のいずれかが前記
    不感帯内に入るときに前記修正動作の実行を停止するよ
    うに構成されている作業車の姿勢制御装置。
  3. 【請求項3】 車速を検出する車速検出手段が設けら
    れ、 前記各フィルタ手段が、前記車速検出手段にて検出され
    る車速に応じて、フィルタ定数を変更自在に構成されて
    いる請求項1又は2記載の作業車の姿勢制御装置。
  4. 【請求項4】 前記各フィルタ手段のうちの少なくとも
    一部が、ソフト処理によってフィルタ処理を実行するソ
    フトフィルタにて構成されている請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の作業車の姿勢制御装置。
  5. 【請求項5】 前記傾斜角検出手段が、前記機体本体に
    固定された本体及びその本体に対して重力により初期姿
    勢に復帰付勢された基準体を備えて、前記本体に対する
    前記基準体の角度を前記機体本体の水平基準面に対する
    傾斜角として検出するように構成されている請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の作業車の姿勢制御装置。
  6. 【請求項6】 前記姿勢変更操作手段が、前記機体本体
    における左側前部、左側後部、右側前部、及び、右側後
    部の夫々において前記走行装置の接地部に対する高さを
    各別に変更調節自在な4個の駆動手段を備えて、前記走
    行装置の接地部に対する前記機体本体の左右傾斜角及び
    前後傾斜角を変更操作自在に構成され、前記傾斜角検出
    手段が、前記機体本体の水平基準面に対する左右傾斜角
    を検出する左右傾斜角検出手段と、前記機体本体の水平
    基準面に対する前後傾斜角を検出する前後傾斜角検出手
    段とを備えて構成され、 前記制御手段が、前記姿勢制御として、 前記左右傾斜角検出手段の検出情報に基づいて、前記機
    体本体の水平基準面に対する左右傾斜角が設定左右傾斜
    角に維持されるように、前記4個の駆動手段のうち、左
    側前部及び左側後部に位置する2個の駆動手段と、右側
    前部及び右側後部に位置する2個の駆動手段のいずれか
    一方の2個の駆動手段を駆動停止させた状態で、他方の
    2個の駆動手段を駆動操作するローリング制御、及び、
    前記前後傾斜角検出手段の検出情報に基づいて、前記機
    体本体の水平基準面に対する前後傾斜角が設定前後傾斜
    角に維持されるように、前記4個の駆動手段のうち、左
    側前部及び右側前部に位置する2個の駆動手段と、左側
    後部及び右側後部に位置する2個の駆動手段のいずれか
    一方の2個の駆動手段を駆動停止させた状態で、他方の
    2個の駆動手段を駆動操作するピッチング制御を実行す
    るように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の作業車の姿勢制御装置。
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