JP2002234421A - ワイパ装置 - Google Patents

ワイパ装置

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JP2002234421A
JP2002234421A JP2001032070A JP2001032070A JP2002234421A JP 2002234421 A JP2002234421 A JP 2002234421A JP 2001032070 A JP2001032070 A JP 2001032070A JP 2001032070 A JP2001032070 A JP 2001032070A JP 2002234421 A JP2002234421 A JP 2002234421A
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60SSERVICING, CLEANING, REPAIRING, SUPPORTING, LIFTING, OR MANOEUVRING OF VEHICLES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60S1/00Cleaning of vehicles
    • B60S1/02Cleaning windscreens, windows or optical devices
    • B60S1/04Wipers or the like, e.g. scrapers
    • B60S1/043Attachment of the wiper assembly to the vehicle
    • B60S1/0441Attachment of the wiper assembly to the vehicle characterised by the attachment means
    • B60S1/0447Attachment of the wiper assembly to the vehicle characterised by the attachment means non-screw fixation, (e.g. snap-in, bayonnet-type..)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の衝突時等にワイパピボットの下方への
沈み込みを可能として車体の変形を妨げることを防止で
きるに止まらず、2次衝突や3次衝突による衝撃が作用
した場合であっても前記機能を維持できるワイパ装置を
提供する。 【解決手段】 ワイパ装置10は、ピボットホルダ1
2、14を支持する固定ボルト31、33の軸線BCL
1、BCL2が、ピボットシャフト20、22の軸線SC
1、SCL2を含んで構成される仮想平面と略平行でか
つ軸線SCL1、SCL2に対し略直交し、しかも互いに
同一線上で一致して設定されている。軸線SCL1、S
CL2方向に所定値以上の荷重が作用すると、支持ピン
68による保持が解除されて、ワイパ装置10が全体と
して固定ボルト31、33の軸線BCL1、BCL2周り
に回転されて車体内部に移動され、しかも、固定ボルト
31、33によって車体に軸固定されたままの状態を維
持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピボットシャフト
を支持するピボットホルダがフレームによって連結され
ると共に駆動源がこのフレームに固定されて一体に構成
されたモジュール型(所謂、フレーム一体式)のワイパ
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のウインドシールドガラスを払拭
するワイパ装置は、ピボットシャフトに取り付けられた
ワイパアームが、ピボットシャフトの回転により所定範
囲で往復回動することで、ウインドシールドガラス面の
雨滴等を払拭する。
【0003】ここで、このようなワイパ装置のうち、例
えば一対のワイパアーム&ブレードを備えた車両におい
ては、ピボットシャフトは車両幅方向両側にそれぞれ設
けられており、これらを支持するピボットホルダ(ワイ
パブラケット)も車体の車両幅方向両側にそれぞれ固定
されている。さらに、これら一対のピボットホルダがが
フレームによって連結されると共に駆動源としてのワイ
パモータがこのフレームに固定されて一体に構成された
モジュール型(所謂、フレーム一体式)のワイパ装置が
ある。この種のワイパ装置では、通常、一対のピボット
ホルダ及びモータ取付用ブラケットの少なくとも計3点
(箇所)に取付孔を設け、各取付孔に挿通するボルト等
の締結具によって車体に強固に固定している。
【0004】このようなモジュール型のワイパ装置は、
装置が全体としてモータ&リンクのアッセンブリを構成
しているため、比較的簡単でコンパクトな構成とするこ
とができる。
【0005】ところで、この種のワイパ装置において、
車両の衝突時当における衝突エネルギー吸収特性を向上
させたものが提案されている(一例として、特開平11
−139257号公報)。
【0006】前記公報に提案されたワイパ装置では、車
両の衝突時等にワイパピボットの下方への沈み込みを可
能とした構成となっている。すなわち、当該車両衝突時
等にエンジンフードの後端部に上方から衝突荷重が作用
した際には(ワイパピボットに上方から軸方向に所定値
以上の衝突荷重が作用すると)、当該部位に配置される
ワイパフレームのブラケット部の取付孔に設けたクビレ
部がマウントラバーの環状溝から下方へくぐり抜けて、
ワイパフレームのブラケット部が車体取付基板から下方
へ離脱し、ワイパピボットがワイパフレーム等と共に下
方へ沈み込むようにしたものである。
【0007】前記ワイパ装置では、ワイパピボットに上
方から軸方向に所定値以上の衝突荷重が作用するとワイ
パピボットが下方へ沈み込むため、このワイパピボット
にエンジンフード後端部が不要に干渉することがなく、
エンジンフード後端部等の下方への変形が自由に許容さ
れる。したがって、ワイパ装置が車両の衝突エネルギー
吸収量を減少(衝突エネルギー吸収特性を悪化)させて
しまう原因とならないようになっている。
【0008】しかしながら、前記ワイパ装置では、前述
の如く所定値以上の衝突荷重によってワイパピボットが
下方へ沈み込む際には、ワイパフレームのブラケット部
が車体取付基板から離脱してワイパ装置はその全体が完
全に自由状態となってしまう。このため、完全に自由状
態となったワイパ装置は、2次衝突や3次衝突によって
新たに衝撃が作用した場合には不定の姿勢となり、必ず
しも車体(エンジンフード後端部等)の変形を自由にす
るものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、車両の衝突時等にワイパピボットの下方への沈み
込みを可能として車体の変形を妨げることを防止できる
に止まらず、2次衝突や3次衝突による衝撃が作用した
場合であっても前記機能を維持することができ、車体の
衝突エネルギー吸収特性の向上を図ることができるワイ
パ装置を提供することが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明のワ
イパ装置は、車体側に固定され先端にワイパアームが固
定されるピボットシャフトを回動自在に支持する複数の
ピボットホルダと、前記各ピボットホルダを互いに連結
するフレームと、前記フレームの中間位置に固定された
駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記ピボットシャフト
に伝達するリンク機構と、を備え、前記ピボットホルダ
及び前記駆動源が所定の状態で車体に固定されるモジュ
ール型のワイパ装置であって、前記各ピボットシャフト
のそれぞれの軸線を共に含む仮想平面に対し所定距離離
間した位置において前記仮想平面と略平行でかつ前記ピ
ボットシャフトの軸線に対し略直交するように取付軸線
が設定された支軸によって、前記各ピボットホルダをそ
れぞれ1箇所で車体に軸固定し、かつ、前記ピボットシ
ャフトの軸線方向に作用する所定荷重以上で離脱可能な
支持部によって、前記駆動源を車体に支持した、ことを
特徴としている。
【0011】請求項1記載のワイパ装置では、ピボット
シャフトを回転可能に支持するピボットホルダがフレー
ムによって互いに連結され、また、フレームには駆動源
が固定され、全体としてアッセンブリ状態とされてい
る。さらに、このワイパ装置は、ピボットホルダ及び駆
動源が所定の状態で車体に固定される。すなわち、各ピ
ボットホルダにおいては、所定方向に取付軸線が設定さ
れた支軸によってそれぞれ1箇所で車体に軸固定され、
しかも、駆動源においては、支持部がピボットシャフト
の軸線方向に作用する所定荷重以上で離脱可能に車体に
支持される。
【0012】ここで、ピボットシャフトの軸線方向に荷
重が作用すると、この荷重は前記支軸(取付軸線)周り
のモーメントとして作用する。したがって、ピボットシ
ャフトの軸線方向に作用する荷重が所定荷重を越えると
(前記モーメントが所定値を超えると)、駆動源におけ
る支持部が離脱し、ワイパ装置が全体として前記支軸
(取付軸線)周りに車体内部方向(地方向)に回転され
る。
【0013】したがって、本ワイパ装置が搭載された車
両が衝突等に至り衝突荷重が作用した際には(ピボット
シャフトの軸線方向に所定値以上の荷重が作用する
と)、ワイパ装置が全体として前記支軸(取付軸線)周
りに回転されて車体内部へ回転移動される。これによ
り、ワイパ装置が車体の自由変形を妨げてしまうことを
防止し、車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネ
ルギー吸収特性を悪化)させてしまう原因となることが
ない。
【0014】またしかも、前述の如くピボットシャフト
の軸線方向に所定値以上の荷重が作用してワイパ装置が
全体として前記支軸(取付軸線)周りに回転されて車体
内部へ回転移動される際には、依然として、各ピボット
ホルダにおいては前記支軸によってそれぞれ車体に軸固
定されたままの状態を維持している。したがって、ワイ
パ装置は完全な自由状態ではなく、特定の姿勢(前記車
体内部へ回転移動された状態)となり、車体の変形を新
たに阻害することがない。
【0015】このように、請求項1記載のワイパ装置で
は、車両衝突時等の車体外部からの所定値以上の荷重に
対してワイパ装置全体は車体内方へ回転移動可能であり
ながらも、この時点では装置は全体として依然として車
体に軸固定されており、その姿勢は完全な自由状態では
ないため、例えば2次衝突や3次衝突で衝撃が作用した
場合であってもワイパ装置が車体の自由変形を妨げてし
まうことを防止できる。したがって、車体の衝突エネル
ギー吸収特性の向上を図ることができる。
【0016】請求項2に係る発明のワイパ装置は、請求
項1記載のワイパ装置において、前記支軸は、前記車体
及びピボットホルダに形成した取付孔に挿通されてナッ
トによって締結固定されるボルトとされ、または、前記
取付孔に挿通されて端部がカシメられて締結固定される
リベットとされる、ことを特徴としている。
【0017】請求項2記載のワイパ装置では、ピボット
ホルダに特別な構造を設けなくても、一般的な連結手段
によって安価かつ容易にワイパ装置を全体として回転移
動可能に軸固定することができる。
【0018】請求項3に係る発明のワイパ装置は、請求
項1または請求項2記載のワイパ装置において、前記支
持部は、前記車体に形成された支持孔に挿通され前記駆
動源から突出形成された支持ピンとされ、前記支持部の
前記離脱は、前記支持ピンの折損または変形によって前
記支持ピンが前記支持孔から抜け出すことによって行な
われる、ことを特徴としている。
【0019】請求項3記載のワイパ装置では、駆動源か
ら突出形成された支持ピンが折損または変形することで
支持孔から抜け出すため、装置に作用した大きな衝撃が
支持ピンから支持孔すなわち車体側へ伝達されることを
防止できる。
【0020】請求項4に係る発明のワイパ装置は、請求
項1または請求項2記載のワイパ装置において、前記支
持部は、前記車体に形成された支持孔に挿通され前記駆
動源から突出形成された支持ピンとされ、前記支持部の
前記離脱は、前記支持ピンによって前記支持孔が折損ま
たは変形して前記支持ピンが前記支持孔から抜け出すこ
とによって行なわれる、ことを特徴としている。
【0021】請求項4記載のワイパ装置では、支持孔が
折損または変形して支持ピンが支持孔から抜け出すた
め、支持ピンが突出形成された駆動源側の損傷がなく、
駆動源を再利用することが可能になる。
【0022】請求項5に係る発明のワイパ装置は、請求
項1乃至請求項4の何れかに記載のワイパ装置におい
て、前記支持部は、前記ピボットシャフトの軸線方向に
前記所定荷重が作用した際に前記支持部の前記離脱を容
易にする脆弱部を備える、ことを特徴としている。
【0023】請求項5記載のワイパ装置では、支持部に
設けられた脆弱部の形状や強度を調整することによって
(所定の強度になるように設定することによって)、ピ
ボットシャフトの軸線方向に荷重が作用して支持部が離
脱する際の所定荷重値を任意に設定することができ、ま
た、他の方向から作用する荷重に対する強度を維持でき
るように設定することができる。
【0024】請求項6に係る発明のワイパ装置は、車体
側に固定され先端にワイパアームが固定されるピボット
シャフトを回動自在に支持する複数のピボットホルダ
と、前記各ピボットホルダを互いに連結するフレーム
と、前記フレームの中間位置に直接に固定されたワイパ
モータと、前記ワイパモータの駆動力を前記ピボットシ
ャフトに伝達するリンク機構と、を備え、前記ピボット
ホルダ及び前記ワイパモータが所定の状態で車体に固定
されるモジュール型のワイパ装置であって、前記各ピボ
ットシャフトのそれぞれの軸線を共に含む仮想平面に対
し所定距離離間した位置において前記仮想平面と略平行
でかつ互いに同一線上で一致するように取付軸線が設定
された支軸によって、前記各ピボットホルダをそれぞれ
1箇所で車体に軸固定し、かつ、前記ピボットシャフト
の軸線方向に作用する所定荷重以上で離脱可能な支持部
によって、前記ワイパモータを車体に支持した、ことを
特徴としている。
【0025】請求項6記載のワイパ装置では、ピボット
シャフトを回転可能に支持するピボットホルダがフレー
ムによって互いに連結され、また、フレームにはワイパ
モータが固定され、全体としてアッセンブリ状態とされ
ている。さらに、このワイパ装置は、ピボットホルダ及
びワイパモータが所定の状態で車体に固定される。すな
わち、各ピボットホルダにおいては、所定方向に取付軸
線が設定された支軸によってそれぞれ1箇所で車体に軸
固定され、しかも、ワイパモータにおいては、支持部が
ピボットシャフトの軸線方向に作用する所定荷重以上で
離脱可能に車体に支持される。
【0026】ここで、ピボットシャフトの軸線方向に荷
重が作用すると、この荷重は前記支軸(取付軸線)周り
のモーメントとして作用する。したがって、ピボットシ
ャフトの軸線方向に作用する荷重が所定荷重を越えると
(前記モーメントが所定値を超えると)、ワイパモータ
における支持部が離脱し、ワイパ装置が全体として前記
支軸(取付軸線)周りに車体内部方向(地方向)に回転
される。
【0027】したがって、本ワイパ装置が搭載された車
両が衝突等に至り衝突荷重が作用した際には(ピボット
シャフトの軸線方向に所定値以上の荷重が作用する
と)、ワイパ装置が全体として前記支軸(取付軸線)周
りに回転されて車体内部へ回転移動される。これによ
り、ワイパ装置が車体の自由変形を妨げてしまうことを
防止し、車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネ
ルギー吸収特性を悪化)させてしまう原因となることが
ない。
【0028】またしかも、前述の如くピボットシャフト
の軸線方向に所定値以上の荷重が作用してワイパ装置が
全体として前記支軸(取付軸線)周りに回転されて車体
内部へ回転移動される際には、依然として、各ピボット
ホルダにおいては前記支軸によってそれぞれ車体に軸固
定されたままの状態を維持している。したがって、ワイ
パ装置は完全な自由状態ではなく、特定の姿勢(前記車
体内部へ回転移動された状態)となり、車体の変形を新
たに阻害することがない。
【0029】このように、請求項6記載のワイパ装置で
は、車両衝突時等の車体外部からの所定値以上の荷重に
対してワイパ装置全体は車体内方へ回転移動可能であり
ながらも、この時点では装置は全体として依然として車
体に軸固定されており、その姿勢は完全な自由状態では
ないため、例えば2次衝突や3次衝突で衝撃が作用した
場合であってもワイパ装置が車体の自由変形を妨げてし
まうことを防止できる。したがって、車体の衝突エネル
ギー吸収特性の向上を図ることができる。
【0030】請求項7に係る発明のワイパ装置は、車体
側に固定され先端にワイパアームが固定されるピボット
シャフトを回動自在に支持する複数のピボットホルダ
と、前記各ピボットホルダを互いに連結するフレーム
と、前記フレームの中間位置に直接に固定されたワイパ
モータと、前記ワイパモータの駆動力を前記ピボットシ
ャフトに伝達するリンク機構と、を備え、前記ピボット
ホルダ及び前記ワイパモータが所定の状態で車体に固定
されるモジュール型のワイパ装置であって、前記各ピボ
ットシャフトのそれぞれの軸線を共に含む仮想平面に対
し所定距離離間した位置において前記仮想平面と略平行
でかつ前記ピボットシャフトの軸線に対し略直交すると
共に互いに平行となるように取付軸線が設定された支軸
によって、前記各ピボットホルダをそれぞれ1箇所で車
体に軸固定し、かつ、前記ピボットシャフトの軸線方向
に作用する所定荷重以上で離脱可能な支持部によって、
前記ワイパモータを車体に支持した、ことを特徴として
いる。
【0031】請求項7記載のワイパ装置では、前述した
請求項6記載のワイパ装置と同様の作用を奏し、車両衝
突時等の車体外部からの所定値以上の荷重に対してワイ
パ装置全体は車体内方へ回転移動可能でありながらも、
この時点では装置は全体として依然として車体に軸固定
されており、その姿勢は完全な自由状態ではないため、
例えば2次衝突や3次衝突で衝撃が作用した場合であっ
てもワイパ装置が車体の自由変形を妨げてしまうことを
防止できる。したがって、車体の衝突エネルギー吸収特
性の向上を図ることができる。
【0032】またしかも、複数の各ピボットホルダをそ
れぞれ1箇所で車体に軸固定する支軸の取付軸線は互い
に平行であれば良く(必ずしも同一線上で一致しなくて
よいため)、車体への軸固定位置の自由度が向上する。
【0033】
【発明の実施の形態】図1には本発明の第1の実施の形
態に係るワイパ装置10の全体構成が平面図にて示され
ており、図2にはワイパ装置10の全体構成が正面図に
て示されている。また、図3にはこのワイパ装置10の
主要部の構成が分解斜視図にて示されている。
【0034】ワイパ装置10は、一対のピボットホルダ
12及びピボットホルダ14を備えている。ピボットホ
ルダ12とピボットホルダ14は基本的構成は同じ構成
である。なお、ピボットホルダ12が運転席側に対応
し、ピボットホルダ14が助手席側に対応する構成とな
っている。運転席側のピボットホルダ12には筒部16
が設けられ、助手席側のピボットホルダ14には筒部1
8が設けられている。これらの筒部16、18は円筒形
に形成されており、ピボットシャフト20、ピボットシ
ャフト22がそれぞれ挿通されこれを回転可能に支持し
ている。ピボットシャフト20、22の下端にはピボッ
トレバー24、26がそれぞれ固定されており、ピボッ
トレバー24、26の揺動によってピボットシャフト2
0、22が回動されるようになっている。
【0035】また、ピボットホルダ12、14の部材角
部には、取付孔28、30がそれぞれ形成されており、
これらの取付孔28、30に挿通された支軸としての固
定ボルト31、33によって、ワイパ装置10が車体に
軸固定される構成である。
【0036】ここで、取付孔28、30に挿通されたこ
れらの固定ボルト31、33は、その軸線BCL1、B
CL2が所定の方向に設定された状態で固定されてい
る。この場合、図4には、ピボットシャフト20、22
及び固定ボルト31、33等の取付状態(配置関係)
が、三次元的な概略図にて示されている。この図4に示
す如く、これらの固定ボルト31、33の軸線BC
1、BCL2は、各ピボットシャフト20、22のそれ
ぞれの軸線SCL1、SCL2を共に含む仮想平面Sに対
し所定距離(距離H)離間した位置において、この仮想
平面Sと略平行でかつピボットシャフト20、22のそ
れぞれの軸線SCL1、SCL2に対し略直交するように
設定されており、しかも、本実施の形態においては、互
いの軸線BCL1と軸線BCL2とが一致するように(互
いに同一線上で一致するように)設定されている。この
ように取付軸線としての軸線BCL1、BCL2が所定の
方向に設定された固定ボルト31、33によって、各ピ
ボットホルダ12、14をそれぞれ1箇所で車体に軸固
定した構成となっている。
【0037】また、ピボットホルダ12、14には、取
付孔28、30と反対側の側壁部分に、連結シャフト3
2、34が設けられている。連結シャフト32、34
は、断面円形の中実シャフト(むく軸)とされており、
その先端部は後述する中空フレーム42に嵌合連結する
連結部36、連結部38とされている。なお、これらの
連結シャフト32、34を断面円形の中実シャフトとす
るに限らず、断面円環状の中空シャフトに形成する構成
としてもよい。
【0038】連結部36、38には、それぞれ凹部40
が形成されている。このピボットホルダ12の連結部3
6とピボットホルダ14の連結部38とが、中空フレー
ム42によって互いに連結されている。
【0039】中空フレーム42の長手方向両端部は、前
記連結シャフト32、34の連結部36、38に対応す
る連結部44、連結部46となっている。これらの連結
部44、46は、断面円環状に形成されており、連結部
44が連結部36に嵌合し連結部46が連結部38に嵌
合し、さらにこの状態で、前記凹部40に対応して各連
結部44、46がそれぞれカシメられてそれぞれ連結部
36、38に連結固定された構成となっている。
【0040】また、中空フレーム42の長手方向中間部
には、取付部48が形成されている。この取付部48
は、中空でない断面コ字形に形成されており、その上面
は取付平座面50となっている。
【0041】中空フレーム42の取付部48の長手方向
両側には、徐変部54、徐変部56が設けられている。
徐変部54、56は、取付部48からそれぞれ連結部4
4、46へ向けて前記中空でない断面コ字形から断面円
環状に徐々に中空変化して形成されている。
【0042】以上の構成の中空フレーム42(取付部4
8、徐変部54、56等)は、断面円環状の中空母材
(パイプ材)をプレス加工することによって形成されて
おり、特に、前述した徐変部54、56は、取付部48
を形成するプレス加工の際にこれと同時に形成されてい
る。
【0043】また、中空フレーム42の取付部48に
は、取付平座面50に駆動源としてのワイパモータ58
が取り付けられている。ワイパモータ58は、モータ部
58A及びギヤ部58Bが一体に設けられた構成となっ
ており、ギヤ部58Bのハウジング60には一対の取付
足62が突出形成されている。この取付足62が、中空
フレーム42の取付部48の取付平座面50上に載置さ
れ、この状態でボルト64及びナット(図示省略)によ
って直接に締結固定された構成となっている。
【0044】以上の如くワイパ装置10は、一対のピボ
ットホルダ12、14が、ワイパモータ58の支持基台
としての中空フレーム42と一体に構成された所謂フレ
ーム一体式の構成となっている。
【0045】またこのワイパ装置10では、ワイパモー
タ58のハウジング60に支持部としての支持ピン68
が突出形成されている。この支持ピン68は、ハウジン
グ60の前面側(図1において紙面下方側、図2におい
て紙面手前側)へ向けて、すなわち、ピボットホルダ1
2、14の車体への固定部分(取付孔28、30)を結
ぶ直線と反対方向(中空フレーム42と反対側)へ向け
て突出形成されており、しかも、後述するワイパモータ
58の出力軸70の軸線方向に対して略垂直方向に、換
言すればピボットシャフト20、22の軸線SCL1
SCL2に直交する方向に、好ましくは仮想平面Sに直
交する方向に突出(延出)されている。この支持ピン6
8は、後述する車体側の挿通孔86に挿通されて支持さ
れる。したがってこれにより、ワイパ装置10は、ピボ
ットホルダ12、14の取付孔28、30(固定ボルト
31、33)による2点の軸固定及び支持ピン68によ
る軸固定の計3点支持で車体に支持される構成である。
また、図1に示す如く、支持ピン68及びピボットホル
ダ12、14の取付孔28、30による車体への固定部
分(すなわち、固定ボルト31、33)を結ぶ領域X内
にワイパモータ58の重心位置Gが配置された構成とな
っている。そして、ピボットホルダ12、14の筒部1
6、18によるピボットシャフト20、22の支持位置
は、固定ボルト31、33の軸線BCL1、BCL2に対
し、前記領域Xの側にオフセットされて配置されてい
る。
【0046】またここで、支持ピン68は、ピボットシ
ャフト20、22の軸線SCL1、SCL2方向(仮想平
面Sに平行な方向)に作用する所定荷重で折損するよう
にその強度が設定されており、これにより、支持ピン6
8が折損することで車体側の挿通孔86から抜け出し
(離脱し)支持が解除されるように構成されている。な
お、本第1の実施の形態においては、支持ピン68の離
脱強度(折損するための前記所定荷重)は、例えば、ピ
ボットホルダ12、14またはピボットシャフト20、
22に980N〜3920Nの軸方向荷重が作用したと
きに支持ピン68が折損して挿通孔86から抜け出すよ
うに設定されることが好ましい。さらにこの場合、支持
ピン68が折損(離脱)するための前記所定荷重は、ピ
ボットシャフト20、22の軸線SCL1、SCL2方向
(仮想平面Sに平行な方向)に直接に作用する荷重のみ
ならず、所謂「分力」として作用する荷重であっても当
然に適用できる。
【0047】また、支持ピン68の後端部には、ストッ
パ部84が形成されており、同様に後述する車体側の挿
通孔86に当接する。
【0048】一方、ワイパモータ58の出力軸70は、
ハウジング60の裏面側(図1において紙面裏面側、図
2において紙面下方側)へ向けて突出しており、その先
端にはクランクアーム72が取り付けられている。クラ
ンクアーム72の先端には、ボールジョイント74を介
してリンクロッド76及びリンクロッド78が連結され
ている。一方のリンクロッド76は、ピボットホルダ1
2に支持されたピボットシャフト20のピボットレバー
24にボールジョイント80を介して連結されており、
また、他方のリンクロッド78は、ピボットホルダ14
に支持されたピボットシャフト22のピボットレバー2
6にボールジョイント82を介して連結されている。こ
れにより、ワイパモータ58が作動しクランクアーム7
2が回転することにより、リンクロッド76、78及び
ピボットレバー24、26を介して駆動力が伝達され
て、ピボットシャフト20、22がそれぞれ回動する構
成である。
【0049】一方、車体側のパネル85には、前述した
ワイパモータ58のハウジング60に形成された支持ピ
ン68に対応する挿通孔86が形成されている。この挿
通孔86は、ワイパ装置10を車体に取付け固定する際
の複数の支持位置(本実施の形態においては、3点支
持)のうちの1つに対応すると共に、位置決めのための
基準位置とされている。
【0050】また、挿通孔86には、弾性材から成るグ
ロメット87が取り付けられている。このグロメット8
7は、外周が挿通孔86に嵌まり込んで取り付けられる
円筒部88と、円筒部88の一端に形成された受部89
とから構成されており、円筒部88の内周に支持ピン6
8が挿通されると共に、支持ピン68が円筒部88に挿
通された際に受部89にストッパ部84が当接する。す
なわち、グロメット87の受部89にストッパ部84が
当接する状態まで支持ピン68を挿通することによっ
て、位置決めかつ支持が成され、かつこの状態でピボッ
トホルダ12、14の取付孔28、30に挿通された固
定ボルト31、33を締結することで、ワイパ装置10
が車体に固定される構成である。
【0051】以上の構成のワイパ装置10のピボットシ
ャフト20、22の先端には、それぞれワイパアーム&
ブレード(図示省略)が取り付けられ、各ピボットシャ
フト20、22の回転によってワイパアーム&ブレード
が所定範囲で往復回動するようになっている。
【0052】次に本第1の実施の形態の作用を説明す
る。
【0053】上記構成のワイパ装置10では、ピボット
シャフト20、22を回転可能に支持するピボットホル
ダ12、14が中空フレーム42によって互いに連結さ
れ、また、中空フレーム42の取付部48(取付平座面
50)にはワイパモータ58が直接固定され、全体とし
てアッセンブリ状態とされている。この状態で、図5に
示す如く、ワイパモータ58のハウジング60に設けら
れた支持ピン68が車体側のパネル85に設けられた挿
通孔86(グロメット87)に嵌入して位置決めかつ支
持されると共に、ピボットホルダ12、14の取付孔2
8、30に挿通された固定ボルト31、33によってウ
インドシールドガラス下方の車体構造部材に固定され
る。すなわち、各ピボットホルダ12、14において
は、所定方向に取付けのための軸線BCL1、BCL2
設定された支軸としての固定ボルト31、33によって
それぞれ1箇所で車体に軸固定され、しかも、ワイパモ
ータ58においては、支持ピン68がピボットシャフト
20、22の軸線SCL1、SCL2方向(仮想平面Sに
平行な方向)に作用する所定荷重で離脱可能に車体に支
持される。
【0054】さらに、ワイパモータ58の作動によって
ピボットシャフト20、22が回転して、ワイパアーム
&ブレードが所定範囲で往復回動してウインドシールド
ガラスの雨滴等を払拭する。
【0055】ここで、このワイパ装置10では、ピボッ
トシャフト20、22の軸線SCL 1、SCL2方向(仮
想平面Sに平行な方向)に荷重が作用すると、この荷重
は固定ボルト31、33(軸線BCL1、BCL2)周り
のモーメントM(図4に矢印にて概略的に図示)として
作用する。したがって、ピボットシャフト20、22の
軸線SCL1、SCL2方向に作用する荷重が所定荷重を
越えると(前記モーメントMが所定値を超えると)、ワ
イパモータ58における支持ピン68が図7に示す如く
折損して車体側の挿通孔86から抜け出し(離脱し)、
当該部位の支持が解除される。このため、図6に示す如
く、ワイパ装置10が全体として固定ボルト31、33
の軸線BCL1、BCL2周りに回転される。
【0056】したがって、本ワイパ装置10が搭載され
た車両が衝突等に至り衝突荷重が作用した際には(ピボ
ットシャフト20、22の軸線SCL1、SCL2方向に
所定値以上の荷重が作用すると)、ワイパ装置10が全
体として固定ボルト31、33の軸線BCL1、BCL2
周りに回転されて車体内部へ回転移動される。これによ
り、車体の変形が自由に許容され、ワイパ装置10が車
両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギー吸収
特性を悪化)させてしまう原因となることがない。
【0057】またしかも、前述の如くピボットシャフト
20、22の軸線SCL1、SCL2方向に所定値以上の
荷重が作用してワイパ装置10が全体として固定ボルト
31、33の軸線BCL1、BCL2周りに回転されて車
体内部へ回転移動される際には、依然として、各ピボッ
トホルダ12、14においては前記固定ボルト31、3
3によってそれぞれ車体に軸固定されたままの状態を維
持している。したがって、ワイパ装置10は完全な自由
状態ではなく、特定の姿勢(前記車体内部へ回転移動さ
れた状態)となり、車体の変形を新たに阻害することが
ない。
【0058】さらに、このワイパ装置10では、前述の
如くピボットシャフト20、22の軸線SCL1、SC
2方向(仮想平面Sに平行な方向)に作用した荷重に
よって固定ボルト31、33(軸線BCL1、BCL2
周りにモーメントMが生じるが、このモーメントMは、
ピボットシャフト20、22の軸線SCL1、SCL
2(仮想平面S)から支持ピン68までの距離H(図4
に図示)に依存する。すなわち、ピボットシャフト2
0、22(ピボットホルダ12、14)に作用する荷重
が仮に同じであっても、前記距離Hが異なれば前記モー
メントMが異なって作用する。したがって、前記距離H
を変更することで前記モーメントMすなわち支持ピン6
8の離脱強度を調整することが可能である。
【0059】このように、本第1の実施の形態に係るワ
イパ装置10では、車両衝突時等の車体外部からの所定
値以上の荷重に対してワイパ装置10全体は車体内方へ
回転移動可能でありながらも、この時点では装置は全体
として依然として車体に軸固定されており、その姿勢は
完全な自由状態ではないため、例えば2次衝突や3次衝
突で衝撃が作用した場合であってもワイパ装置10が車
体の自由変形を妨げてしまうことを防止できる。したが
って、車体の衝突エネルギー吸収特性の向上を図ること
ができる。
【0060】また、ワイパ装置10が回転移動した姿勢
を予め特定できるので、この特定姿勢を事前に考慮した
車両ボデーの衝突エネルギー吸収構造を設計することも
できる。
【0061】なお、前述した第1の実施の形態において
は、ピボットシャフト20、22の軸線SCL1、SC
2方向(仮想平面Sに平行な方向)に作用する荷重が
所定荷重を越えると(前記モーメントMが所定値を超え
ると)支持ピン68が折損して車体側の挿通孔86から
抜け出して(離脱して)当該部位の支持が解除される構
成としたが、前記支持ピン68による当該部位の支持固
定を解除する態様(支持ピン68が離脱する態様)はこ
れに限るものではない。
【0062】例えば、図8に示す如く、前記荷重が所定
荷重を越えると(前記モーメントMが所定値を超える
と)支持ピン68が変形する(折れ曲がる)ことで当該
部位の支持固定が解除されるように構成してもよい。ま
た、図9に示す如く、前記荷重が所定荷重を越えるとグ
ロメット87がパネル85に設けられた挿通孔86から
離脱することで支持ピン68が実質的に抜け出して当該
部位の支持固定が解除されるように構成してもよい。さ
らに、図10に示す如く、グロメット91に支持孔93
及びスリット95を設け、通常は支持ピン68が支持孔
93に嵌入することで支持し、前記荷重が所定荷重を越
えると支持ピン68がグロメット91の支持孔93から
スリット95へ移動することで実質的に抜け出して当該
部位の支持固定が解除されるように構成してもよい。、
またさらに、前述の如く支持ピン68が折損(切損)、
変形するに限らず、図11に示す如く、パネル85に設
けられた挿通孔86が変形することで支持ピン68が挿
通孔86からに抜け出して当該部位の支持固定が解除さ
れるように構成してもよく、あるいは、図12に示す如
く、挿通孔86が折損(切損)することで支持ピン68
が挿通孔86からに抜け出して当該部位の支持固定が解
除されるように構成してもよい。
【0063】またさらに、前述した実施の形態において
は、ピボットシャフト20、22の軸線SCL1、SC
2方向(仮想平面Sに平行な方向)に作用した荷重に
基づいて支持ピン68の離脱強度を説明したが、この支
持ピン68の離脱強度を荷重の作用方向に応じて異なら
せるように構成してもよい。
【0064】すなわち、車両に搭載したこのようなワイ
パ装置10においては、前述の如くピボットシャフト2
0、22の軸線SCL1、SCL2方向に所定値以上の荷
重が作用した場合は速やかに支持ピン68による支持が
解除され(換言すれば、例えば支持ピン68が容易に折
損、変形し)、かつ、例えば「雪溜り」等によるワイパ
アーム下反転位置付近での回動拘束時における反力に対
しては充分な強度を確保することが望ましい。この場
合、前記「雪溜り」等によるワイパアーム下反転位置付
近での回動拘束時における反力は、ピボットシャフト2
0、22、ピボットレバー24、26、リンクロッド7
6、78等を介して支持ピン68に作用するが、この場
合の荷重(反力)は、支持ピン68に対し、固定ボルト
31、33の軸線BCL1、BCL2と同方向(仮想平面
Sと略平行な方向)、換言すればピボットシャフト2
0、22の軸線SCL1、SCL2と直交する方向に作用
する。したがって、支持ピン68による支持固定部位に
おいては、ピボットシャフト20、22の軸線SC
1、SCL2方向には所定値以上の荷重で速やかに支持
が解除され、かつ、ピボットシャフト20、22の軸線
SCL1、SCL2と直交する方向に作用する荷重に対し
ては充分な強度を確保することが望ましい。
【0065】このため、例えば、図13に示す如く、支
持ピン68に脆弱部としての切欠部69を形成し、ピボ
ットシャフト20、22の軸線SCL1、SCL2方向に
所定値以上の荷重が作用した際に当該支持固定部分の離
脱(支持解除)を容易にするように構成することができ
る。また、支持ピン68を円柱形(断面円形)に形成す
るに限らず、図14に示す支持ピン71の如く、ピボッ
トシャフト20、22の軸線SCL1、SCL2方向に薄
肉の偏平形に形成し、ピボットシャフト20、22の軸
線SCL1、SCL2方向に所定値以上の荷重が作用した
際には支持ピン68が速やかに折損、変形して当該支持
固定部分の離脱(支持解除)を容易にすると共に、軸線
BCL1、BCL2方向(支持ピン71の偏平長手方向)
には比較的高強度とする構成とすることができる。また
さらに、図15に示す如く、パネル85に設けられた挿
通孔86に脆弱部としての切欠部90を形成し、ピボッ
トシャフト20、22の軸線SCL1、SCL2方向に所
定値以上の荷重が作用した際に当該支持固定部分の離脱
(支持解除)を容易にするように構成してもよい。
【0066】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。なお、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部品
には前記第1の実施の形態と同一の符号を付与してその
説明を省略する。
【0067】図16には本発明の第2の実施の形態に係
るワイパ装置100の構成が斜視図にて示されている。
【0068】このワイパ装置100では、ピボットホル
ダ12、14の部材角部には、取付孔102、104が
それぞれ形成されており、これらの取付孔102、10
4に挿通された支軸としての固定ボルト31、33によ
って、ワイパ装置100が車体に軸固定される構成であ
る。
【0069】ここで、一方のピボットホルダ12に設け
られた取付孔102は、固定ボルト31よりも大径に形
成されており、また、他方のピボットホルダ14に設け
られた取付孔104は長穴とされている。
【0070】またさらに、本第2の実施の形態において
は、取付孔102、104に挿通されたこれらの固定ボ
ルト31、33は、その軸線BCL1、BCL2が所定の
方向に設定された状態で固定されている。この場合、図
18には、ピボットシャフト20、22及び固定ボルト
31、33等の取付状態(配置関係)が、概略的な平面
図として示されている。この図18に示す如く、ワイパ
装置100の車体への取付けでは、固定ボルト31、3
3の軸線BCL1、BCL2は、各ピボットシャフト2
0、22のそれぞれの軸線SCL1、SCL2を共に含む
仮想平面Sに対し所定距離離間した位置において、この
仮想平面Sと略平行でかつピボットシャフト20、22
のそれぞれの軸線SCL1、SCL2に対し略直交すると
共に互いに平行となるように設定されることがある。す
なわち換言すれば、軸線BCL1と軸線BCL2とが互い
に一致しないで設定されてしまうことがある。このよう
に取付軸線BCL1、BCL2が所定の方向に設定された
固定ボルト31、33によって、各ピボットホルダ1
2、14をそれぞれ1箇所で車体に軸固定した構成とな
っている。
【0071】なお、支持ピン68等の他の構成について
は、前述した第1の実施の形態に係るワイパ装置10と
同様である。
【0072】次に本第2の実施の形態の作用を説明す
る。
【0073】このワイパ装置100では、ピボットシャ
フト20、22の軸線SCL1、SCL2方向(仮想平面
Sに平行な方向)に荷重が作用すると、この荷重は固定
ボルト31、33(軸線BCL1、軸線BCL2)周りの
モーメントMとして作用する。したがって、ピボットシ
ャフト20、22の軸線SCL1、SCL2方向に作用す
る荷重が所定荷重を越えると(前記モーメントMが所定
値を超えると)、ワイパモータ58における支持ピン6
8が前記第1の実施の形態と同様に折損、変形して、あ
るいはパネル85に設けられた挿通孔86が折損、変形
して当該部位の支持が解除される。このため、図17に
示す如く、ワイパ装置100が全体として固定ボルト3
1、33の軸線BCL1、BCL2周りに回転される。
【0074】この場合、前記ワイパ装置100が全体と
して回転される際には、固定ボルト31の軸線BCL1
と固定ボルト33の軸線BCL2が互いに一致しないで
設定されてしまうことがあるため(各ピボットシャフト
20、22と軸線BCL1、BCL2との間の距離R1
2が互いに異なるため)、ワイパ装置100は所謂「こ
じれて」回転しようとする。しかしながら、ピボットホ
ルダ12、14の取付孔102、104のうち、一方の
取付孔102は固定ボルト31よりも大径に形成されて
おり(所謂バカ穴となっており)、また、他方の取付孔
104は長穴とされているため、ワイパ装置100の前
記脱落回動動作は多少妨げられるものの、実質的には支
障なく行なわれる。
【0075】したがって、本ワイパ装置100が搭載さ
れた車両が衝突等に至り衝突荷重が作用した際には(ピ
ボットシャフト20、22の軸線SCL1、SCL2方向
に所定値以上の荷重が作用すると)、ワイパ装置10が
全体として固定ボルト31、33の軸線BCL1、BC
2周りに回転されて車体内部へ回転移動される。これ
により、車体の変形が自由に許容され、ワイパ装置10
0が車両の衝突エネルギー吸収量を減少(衝突エネルギ
ー吸収特性を悪化)させてしまう原因となることがな
い。
【0076】またしかも、前述の如くピボットシャフト
20、22の軸線SCL1、SCL2方向に所定値以上の
荷重が作用してワイパ装置100が全体として固定ボル
ト31、33の軸線BCL1、BCL2周りに回転されて
車体内部へ回転移動される際には、依然として、各ピボ
ットホルダ12、14においては前記固定ボルト31、
33によってそれぞれ車体に軸固定されたままの状態を
維持している。したがって、ワイパ装置100は完全な
自由状態ではなく、特定の姿勢(前記車体内部へ回転移
動された状態)となり、車体の変形を新たに阻害するこ
とがない。
【0077】このように、本第2の実施の形態に係るワ
イパ装置100においても、車両衝突時等の車体外部か
らの所定値以上の荷重に対してワイパ装置100全体は
車体内方へ回転移動可能でありながらも、この時点では
装置は全体として依然として車体に軸固定されており、
その姿勢は完全な自由状態ではないため、例えば2次衝
突や3次衝突で衝撃が作用した場合であってもワイパ装
置100が車体の自由変形を妨げてしまうことを防止で
きる。したがって、車体の衝突エネルギー吸収特性の向
上を図ることができる。
【0078】なお、前記第2の実施の形態に係るワイパ
装置100の如く固定ボルト31、33の軸線BC
1、BCL2が互いに一致しない設定であっても、ワイ
パ装置100の全体的な前記脱落回動動作は実質的には
支障なく行なわれるが、この脱落回動動作をより一層ス
ムースに行なうために、前記脱落回動動作に伴って固定
ボルト31、33(軸線BCL1、BCL2)が移動する
(ズレる)ように構成することも可能である。
【0079】すなわち、図19に示す如く、何れかの固
定ボルト31、33を支持する車体側の取付孔106に
連続してスライド溝108を設け、通常はこの取付孔1
06によって支持するものの、ワイパ装置100が全体
的に脱落回動動作するときは、何れかの固定ボルト3
1、33が取付孔106からスライド溝108へとスラ
イド移動して、前記「こじれて」回転することを防止す
るように構成してもよい。この場合には、ワイパ装置1
00の全体的な前記脱落回動動作がより一層スムースに
行なわれ、ワイパ装置100が車体の自由変形を妨げて
しまうことを一層防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置の
全体構成を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置の
全体構成を示す正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置の
主要部の構成を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置の
ピボットホルダ(ピボットシャフト)及び固定ボルト等
の取付状態(配置関係)を示す三次元的な概略図であ
る。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置の
取付状態(通常状態)を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置が
回動動作した状態を示す図5に対応した斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置の
支持ピンが折損(切損)した状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置の
支持ピンが変形(折曲)した状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置の
グロメットが支持ピンと共に挿通孔から離脱して支持固
定が解除された状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置
のグロメットによる支持ピンの保持態様の他の例を示す
斜視図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置
の挿通孔が変形(折曲)した状態を示す斜視図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置
の挿通孔が折損(切損)した状態を示す斜視図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置
の支持ピンに設けられた切欠部を示す斜視図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置
の支持ピンの他の例を示す斜視図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置
の挿通孔に設けられた切欠部を示す斜視図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係るワイパ装置
の取付状態(通常状態)を示す斜視図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係るワイパ装置
が回動動作した状態を示す図16に対応した斜視図であ
る。
【図18】本発明の第2の実施の形態に係るワイパ装置
のピボットホルダ(ピボットシャフト)及び固定ボルト
等の取付状態(配置関係)を示す概略的な平面図であ
る。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係るワイパ装置
の取付孔に設けられたスライド溝を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ワイパ装置 12 ピボットホルダ 14 ピボットホルダ 20 ピボットシャフト 22 ピボットシャフト 28 取付孔 30 取付孔 31 固定ボルト(支軸) 33 固定ボルト(支軸) 42 中空フレーム 58 ワイパモータ(駆動源) 68 支持ピン S 仮想平面 BCL1、BCL2 軸線 SCL1、SCL2 軸線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側に固定され先端にワイパアームが
    固定されるピボットシャフトを回動自在に支持する複数
    のピボットホルダと、前記各ピボットホルダを互いに連
    結するフレームと、前記フレームの中間位置に固定され
    た駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記ピボットシャフ
    トに伝達するリンク機構と、を備え、前記ピボットホル
    ダ及び前記駆動源が所定の状態で車体に固定されるモジ
    ュール型のワイパ装置であって、 前記各ピボットシャフトのそれぞれの軸線を共に含む仮
    想平面に対し所定距離離間した位置において前記仮想平
    面と略平行でかつ前記ピボットシャフトの軸線に対し略
    直交するように取付軸線が設定された支軸によって、前
    記各ピボットホルダをそれぞれ1箇所で車体に軸固定
    し、 かつ、前記ピボットシャフトの軸線方向に作用する所定
    荷重以上で離脱可能な支持部によって、前記駆動源を車
    体に支持した、 ことを特徴とするワイパ装置。
  2. 【請求項2】 前記支軸は、前記車体及びピボットホル
    ダに形成した取付孔に挿通されてナットによって締結固
    定されるボルトとされ、または、前記取付孔に挿通され
    て端部がカシメられて締結固定されるリベットとされ
    る、 ことを特徴とする請求項1記載のワイパ装置。
  3. 【請求項3】 前記支持部は、前記車体に形成された支
    持孔に挿通され前記駆動源から突出形成された支持ピン
    とされ、 前記支持部の前記離脱は、前記支持ピンの折損または変
    形によって前記支持ピンが前記支持孔から抜け出すこと
    によって行なわれる、 ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のワイパ
    装置。
  4. 【請求項4】 前記支持部は、前記車体に形成された支
    持孔に挿通され前記駆動源から突出形成された支持ピン
    とされ、 前記支持部の前記離脱は、前記支持ピンによって前記支
    持孔が折損または変形して前記支持ピンが前記支持孔か
    ら抜け出すことによって行なわれる、 ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のワイパ
    装置。
  5. 【請求項5】 前記支持部は、前記ピボットシャフトの
    軸線方向に前記所定荷重が作用した際に前記支持部の前
    記離脱を容易にする脆弱部を備える、 ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載
    のワイパ装置。
  6. 【請求項6】 車体側に固定され先端にワイパアームが
    固定されるピボットシャフトを回動自在に支持する複数
    のピボットホルダと、前記各ピボットホルダを互いに連
    結するフレームと、前記フレームの中間位置に直接に固
    定されたワイパモータと、前記ワイパモータの駆動力を
    前記ピボットシャフトに伝達するリンク機構と、を備
    え、前記ピボットホルダ及び前記ワイパモータが所定の
    状態で車体に固定されるモジュール型のワイパ装置であ
    って、 前記各ピボットシャフトのそれぞれの軸線を共に含む仮
    想平面に対し所定距離離間した位置において前記仮想平
    面と略平行でかつ互いに同一線上で一致するように取付
    軸線が設定された支軸によって、前記各ピボットホルダ
    をそれぞれ1箇所で車体に軸固定し、 かつ、前記ピボットシャフトの軸線方向に作用する所定
    荷重以上で離脱可能な支持部によって、前記ワイパモー
    タを車体に支持した、 ことを特徴とするワイパ装置。
  7. 【請求項7】 車体側に固定され先端にワイパアームが
    固定されるピボットシャフトを回動自在に支持する複数
    のピボットホルダと、前記各ピボットホルダを互いに連
    結するフレームと、前記フレームの中間位置に直接に固
    定されたワイパモータと、前記ワイパモータの駆動力を
    前記ピボットシャフトに伝達するリンク機構と、を備
    え、前記ピボットホルダ及び前記ワイパモータが所定の
    状態で車体に固定されるモジュール型のワイパ装置であ
    って、 前記各ピボットシャフトのそれぞれの軸線を共に含む仮
    想平面に対し所定距離離間した位置において前記仮想平
    面と略平行でかつ前記ピボットシャフトの軸線に対し略
    直交すると共に互いに平行となるように取付軸線が設定
    された支軸によって、前記各ピボットホルダをそれぞれ
    1箇所で車体に軸固定し、 かつ、前記ピボットシャフトの軸線方向に作用する所定
    荷重以上で離脱可能な支持部によって、前記ワイパモー
    タを車体に支持した、 ことを特徴とするワイパ装置。
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