JP2002233784A - 攪拌方法 - Google Patents

攪拌方法

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JP2002233784A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粉状体の溶質を溶媒に短時間で溶解させるため
には、溶質中にある溶質の塊を粉砕する必要があるが、
その方法としては、溶媒と溶質とを入れた容器を超音波
が作用する水槽に入れ、溶質の塊に超音波を作用させて
塊を粉砕する方法がある。ところが、超音波が集中する
箇所はその時の状況によって変化し、その変化は予測が
困難であるため、溶質及び溶媒が入った容器を水槽に入
れる際にロボットアームを用いると、容器を入れる箇所
に超音波が集中しなかったときには、超音波が溶媒中の
溶質の塊に十分に作用せず粉砕されないという不都合が
あった。 【解決手段】溶質1aと溶媒1bとを入れた容器1を水
槽2内の複数箇所に順次移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波を用いて溶
媒と粉状体の溶質とを攪拌する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶媒に粉状体の溶質を入れ攪拌
し、溶質を溶媒に溶解させる方法としては、例えば、磁
性体からなる羽部材を溶媒と溶質と共に容器内に入れ、
容器の外側から回転磁場を作用させて羽部材を容器内部
で回転させて攪拌する方法が知られている。
【0003】ところで、溶質が粉体である場合には、例
えば空気中の湿気を吸収し、粒子が相互に結合して塊が
生じることがある。ところが、溶質に塊が含まれたまま
溶媒に入れて攪拌すると、羽部材を回転させても塊が完
全に溶解するまで長時間を要する。
【0004】このような問題を解消するためには、溶質
の塊を粉砕する必要があるが、その方法としては、外部
から超音波を作用させることのできる水槽に溶媒と溶質
とを入れた容器を入れ、水槽内に超音波を作用させるこ
とによって、溶媒中の溶質の塊に超音波を作用させて溶
質の塊を粉砕する方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】超音波は水槽内に伝播
させると水槽の真中に集中するように設計されている。
しかし、水槽内に容器を入れると超音波が容器に反射し
て水槽内の超音波が集中する箇所が変化する。しかも、
超音波が集中する箇所は水槽内へ容器を入れる状況等の
諸条件によってさまざまに変化するため、超音波が集中
する箇所を予測することは極めて難しく、また集中箇所
は頻繁に移動する。一方、溶媒及び溶質が入った容器を
ロボットアームで把持し水槽に入れる場合、容器を入れ
る位置はロボットアームの作動プログラムによって予め
設定されており、従来は水槽内に容器を入れるとその位
置で所定時間超音波を容器に伝播させ、その後容器を水
槽から引き出していた。このような従来の方法では、容
器を入れる箇所と超音波が集中する箇所とが一致しない
場合が生じ、その場合には、超音波が溶媒中の溶質の塊
に十分に作用しないため、溶質の塊が完全には粉砕され
ないという不都合が生じる。
【0006】ここで、ロボットアームを用いて、その時
に超音波が集中した箇所へ容器を移動させることが考え
られるが、そのためには、超音波が集中している箇所を
検知し、検知した結果に基づいてロボットアームを制御
する必要がある。ところがこのような方法は高度な技術
が要求され、装置が高価になり採用することができな
い。
【0007】あるいは、容器を入れた箇所に超音波を集
中させるように超音波の周波数を変化させる方法が考え
られるが、やはり超音波が集中している箇所を検知し、
検知した結果に基づいて周波数を調節する必要があるた
め、高度な技術が要求され採用することができない。
【0008】そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、超
音波が作用する水槽に溶媒及び溶質が入った容器をロボ
ットアームを用いて入れる場合に、溶媒中の溶質の塊に
超音波を確実かつ容易に作用させて塊を粉砕し、短時間
で溶質を溶解させることのできる方法を提供することを
課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明による攪拌方法は、溶媒と粉状体の溶質とを入
れた容器をロボットアームで把持して超音波が作用する
水槽に入れ、溶質の塊に超音波を作用させて該塊を粉砕
する攪拌方法において、超音波が水槽に作用している状
態で上記容器を水槽内の複数箇所に順次移動させること
を特徴とする。
【0010】本発明によると、超音波を伝播させている
水槽内で複数箇所に容器を移動させるため、水槽内のど
の箇所に超音波が集中しても必ず容器を超音波が集中し
ている箇所に通すことができ、容器内の溶質の塊に超音
波を作用させることができる。
【0011】また、例えば、上記容器を水槽内の複数箇
所に順次移動させる際に、各箇所で一定時間容器を停止
させれば、集中した超音波が溶質の塊に連続して作用す
る時間を一定時間確保できるので、塊をより確実に粉砕
することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明による攪拌方法は、例え
ば、粉状体の薬品について有効成分が所定の含有量を満
たしているかを、生産された薬品の中から任意にサンプ
ルを抜き取って検査する際に用いる。
【0013】粉状体の薬品について、抜き取り検査で有
効成分の含有量を測定する方法として、薬品を溶媒に溶
解させ、溶液中に含まれる薬品の有効成分の量を液クロ
マトグラフィで測定する方法がある。薬品を溶媒に溶解
させるには、磁性体からなる羽部材を溶媒と薬品と共に
容器内に入れ、容器の外側から回転磁場を作用させて羽
部材を容器内部で回転させて攪拌するが、このとき、薬
品中に薬品の粒子が相互に結合した塊が含まれている
と、薬品を溶媒に完全に溶解させるのに長時間かかる。
【0014】ところが、大量に生産された薬品について
抜き取り検査を行う際には、サンプル数が多くなり検査
を迅速に行う必要がある。一方、薬品の有効成分の含有
量は、溶液中の有効成分の量を測定することによって測
定するため、薬品の塊が完全に溶解しないまま測定する
と正確な結果を得ることができない。このような場合
に、羽部材等を用いて攪拌する前に、本発明による攪拌
方法を使用して溶質である薬品の塊を粉砕すると、後に
羽部材を回転させて攪拌したときに、短時間で完全に薬
品を溶媒に溶解させることができる。
【0015】図1を参照して、容器1には薬品すなわち
溶質1aと溶媒1bとが入れられており、容器1はロボ
ットアーム2によって把持されている。ロボットアーム
2は把持した容器1を水槽3内の中央に入れるようにコ
ンピュータプログラムによって制御されている。水槽3
はステンレスでできており、水槽3内には水3aが張ら
れている。水槽3の下部には超音波発振器3bが備えら
れており、超音波発振器3bにより発振された超音波3
dが、水槽3内に作用している。
【0016】図2を参照して、ロボットアーム2は、容
器1を水槽3内に入れた後、容器1を把持したまま一方
にゆっくりと移動して一旦停止し、次にゆっくりと中央
へもどって一旦停止した後、他方にゆっくりと移動して
停止し、最後にゆっくりと中央へもどって停止するよう
に制御されている。このため、容器1はロボットアーム
2の動きに従って、まずAのように水槽3内を図におい
て左へ移動して水槽3内の左側で一定時間停止し、次に
Bのように右へ移動して水槽3内の中央で一定時間停止
し、次にCのようにさらに右へ移動して水槽3内の右側
で一定時間停止し、最後にDのように左へ移動して水槽
3内の中央で一定時間停止する。
【0017】このように、容器1は水槽3内を左右に移
動するから、必ず水槽3内の超音波が集中する箇所(図
では3e)を通り、その際に超音波3dが水槽3内の水
3aを介して容器1内の溶質1aの塊に作用し、溶質1
aの塊が粉砕される。
【0018】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、超音波が作用する水槽に、溶媒及び溶質が入った容
器をロボットアームを用いて入れる場合に、必ず容器を
超音波集中箇所に通すことができるため、溶媒中の溶質
の塊に超音波を確実かつ容易に作用させて塊を粉砕し、
短時間で溶質を溶解させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が実施される前提を示す図
【図2】本発明の一実施の形態を示す図
【符号の説明】
1 容器 1a 溶質 1b 溶媒 2 ロボットアーム 3 水槽 3e 超音波が集中する箇所

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒と粉状体の溶質とを入れた容器をロ
    ボットアームで把持して超音波が作用する水槽に入れ、
    溶質の塊に超音波を作用させて該塊を粉砕する攪拌方法
    において、超音波が水槽に作用している状態で上記容器
    を水槽内の複数箇所に順次移動させることを特徴とする
    攪拌方法。
  2. 【請求項2】 上記容器を水槽内の複数箇所に順次移動
    させる際に、各箇所で一定時間容器を停止させることを
    特徴とする請求項1記載の攪拌方法。
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