JP2002231404A - ロータリジョイント - Google Patents

ロータリジョイント

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JP2002231404A
JP2002231404A JP2001023373A JP2001023373A JP2002231404A JP 2002231404 A JP2002231404 A JP 2002231404A JP 2001023373 A JP2001023373 A JP 2001023373A JP 2001023373 A JP2001023373 A JP 2001023373A JP 2002231404 A JP2002231404 A JP 2002231404A
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Hitoshi Momota
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稔 津村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ロータリジョイントに対し、小型化を図ると
ともにその電気信号スリップリングにおける電気信号の
伝達の安定化を図る。 【解決手段】 固定体1の軸心と同心状にかつ軸方向に
並んで配置された6枚のリング板状の固定側電極36a
〜36fのうち、軸方向に隣り合う対の電極36b〜3
6e間に固定側絶縁シート37a,37bを介して積層
配置して固定側電極積層体38a,38bを設ける一
方、回転体6の軸心と同心状にかつ軸方向に並んで配置
された6枚のリング板状の回転側電極40a〜40fの
うち、軸方向に隣り合う対の電極40a〜40f間に回
転側絶縁シート41a〜41cを介して積層配置して回
転側電極積層体42a〜42cを設け、固定側及び回転
側電極積層体の両電極間に転動により両電極間で電気信
号を授受する複数の転動体44を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロボットのアーム
先端部等に設けられるロータリジョイントに関し、特
に、小型化を図るための対策に関する技術分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のロータリジョイント
においては、例えばロボットのアーム先端部に取付固定
される固定体と、ロボットのハンド側に取付固定され、
固定体に回転可能に連結支持された回転体とを備え、こ
れら固定体及び回転体の間で空気、冷却水、溶接用ガス
等の流体や動力電気、電気信号等の電気を授受可能とし
て、ハンド側が固定側に対し回転しても常に流体や電気
が授受できるようになっている。
【0003】そして、上記流体を授受するために、複数
種類の流体通路を固定体及び回転体の摺接面間に並べて
配置したスイベルジョイントが用いられ、動力電気を授
受するためには、固定体又は回転体の一方に設けられた
集電リングと、他方に設けられ、上記集電リングに摺接
して電気を供給する摺動接点とからなるスリップリング
が使用される。
【0004】さらに、電気信号を固定体及び回転体間で
授受するために電気信号スリップリングが知られてい
る。この電気信号スリップリングの一例として、従来、
例えば特開平10―223346号公報に示されるよう
に、固定体側に設けられたリング板状の固定側電極と、
回転体側に設けられたリング板状の回転側電極と、これ
ら両電極間に配設された転動体とを備え、回転体の固定
体に対する相対回転により両電極上で転動体を転動させ
て両電極間で電気信号を授受するようにしたものが提案
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種のロー
タリジョイントはロボットのアームとハンドとを接続す
るものであるため、その大きさが大きいほど、作業スペ
ースが拡大してしまうという問題がある。
【0006】また、固定体や回転体を構成する部品の壁
面厚さが大きいほど、ロータリジョイントの装置全体と
しての重量が大きくなるので、ロボットのアームへの負
荷も大きくなるという問題もある。
【0007】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、ロータリジョイント
について、その装置構成に改良を加えることにより、ロ
ータリジョイントでの流体や電気の伝達を確保しつつそ
の小型化を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、固定体と、該固定体に回転
可能に連結支持された回転体と、上記固定体及び回転体
の間で複数の異なる電気信号を授受する電気信号スリッ
プリングとを備えたロータリジョイントが対象である。
そして、上記電気信号スリップリングは、固定体の軸心
と同心状にかつ軸方向に並んで配置された複数枚のリン
グ板状の固定体側電極と、回転体の軸心と同心状にかつ
軸方向に並んで配置された複数枚のリング板状の回転側
電極とを備え、上記複数枚の固定側電極のうち軸方向に
隣り合う1対の固定側電極を、該両電極間にリング状の
固定側絶縁体を介して積層配置してなる固定側電極積層
体と、上記複数枚の回転側電極のうち軸方向に隣り合う
1対の回転側電極を、該両電極間にリング状の回転側絶
縁体を介して積層配置してなる回転側電極積層体とが設
けられており、上記固定側及び回転側電極積層体は、電
気信号スリップリングの軸方向端部に位置する1対の端
部電極間に軸方向に交互に並んで配置され、上記端部電
極と該端部電極に軸方向に対向する、電極積層体の電極
との間、並びに軸方向に隣り合う電極積層体の軸方向に
対向する両電極間に、回転体の固定体に対する相対回転
により両電極上を転動して両電極間で電気信号を授受す
る転動体が配設されており、上記電極積層体における固
定側及び回転側絶縁体の内周縁部及び外周縁部は、上記
固定側及び回転側電極よりも径方向に突出していること
を特徴とする。
【0009】上記の構成により、電極積層体における固
定側及び回転側電極間の絶縁体の内外周縁部が電極に対
し突出しているので、その絶縁体の表裏にある両電極の
内外周縁部間の空間的距離が延長されることになり、仮
に、絶縁体の厚さを薄くしたとしても、その電極の周縁
部に導電性粉塵の付着等による電極間の短絡を効果的に
抑制することができる。従って、絶縁体を薄くして電気
信号スリップリングの軸方向の大きさを小さくすること
ができ、ロータリジョイントの小型化を図ることができ
る。
【0010】請求項2の発明では、固定体と、該固定体
に回転可能に連結支持された回転体とを備えるロータリ
ジョイントが対象であり、上記固定体又は回転体の一方
にはボス部が、また他方には該ボス部に回転可能に挿通
される軸部がそれぞれ設けられており、上記ボス部に
は、一端がボス部内周面に開口する横穴と、ボス部の軸
方向に延びかつ一端が上記横穴の他端に接続される一
方、他端がボス部の外周面又は軸方向端面に開口する縦
孔とからなる流体通路が設けられ、上記横穴は、該横穴
の位置に対しボス部の略直径方向に対向する対向部外周
面から直径方向に上記対向部を貫通させて穿孔してな
り、上記対向部の貫通孔がプラグにより閉塞されている
ことを特徴とする。
【0011】すなわち、縦孔が形成されるボス部の外周
面側から半径方向内側へ穿孔した後、その穿孔した貫通
孔の外側部分をプラグで閉塞することにより横穴を形成
する場合、その横穴が形成されるボス部の側壁にはプラ
グによる閉塞のための第1の厚さと、縦孔の内径を確保
するための第2の厚さとの双方が必要であるが、本発明
の構成によると、上記第1及び第2の厚さがボス部の直
径方向両側にそれぞれ分担されることとなり、よって、
横穴が形成されるボス部の厚さを薄くすることができ
る。つまり、ボス部の外径を小さくすることができ、こ
のことにより、ボス部の剛性を確保しつつ、ロータリジ
ョイントの小型化を図ることができる。
【0012】請求項3の発明では、固定体と、該固定体
に回転可能に連結支持された回転体とを備えるロータリ
ジョイントが対象であり、上記固定体又は回転体の一方
に複数の集電リングが設けられている一方、他方には上
記集電リングに摺接して電力を授受するための複数の摺
動接点が一括して着脱可能に設けられていることを特徴
とする。
【0013】上記の構成により、摺動接点を一括して集
電リングへ接触させつつ集電リングに加えられる偏荷重
を小さくすることができる。従って、ロータリジョイン
トの小型化を図ることができるとともに、その構造を簡
単にして製造コストを低減させることができる。
【0014】請求項4の発明では、固定体と、該固定体
に回転可能に連結支持された回転体と、上記固定体及び
回転体の間で電気信号を授受する電気信号スリップリン
グとを備えたロータリジョイントが対象である。そし
て、上記電気信号スリップリングは、固定体の軸心と同
心状に配置された少なくとも1枚のリング板状の固定側
電極板と、回転体の軸心と同心状に配置された少なくと
も1枚のリング板状の回転側電極板とを備え、上記固定
側電極板は、リング板状の絶縁体と、該絶縁体の両表面
に同心状にプリント配線された互いに径の異なる複数の
固定側電極とからなる一方、回転側電極板は、上記固定
側電極板の絶縁体と略同径のリング板状の絶縁体と、該
絶縁体の両表面に同心状にかつ上記固定側電極と略対応
するようにプリント配線された互いに径の異なる複数の
回転側電極とからなり、上記固定側又は回転側電極板の
一方における最も内周縁側に位置する電極を除く他の電
極の端子が、絶縁体に埋め込まれて絶縁体の内周縁部に
延出される一方、上記固定側又は回転側電極板の他方に
おける最も外周縁側に位置する電極を除く他の電極の端
子が、絶縁体に埋め込まれて絶縁体の外周縁部に延出さ
れ、上記固定側電極板と回転側電極板とは軸方向に並ん
で配置されており、上記両電極板の軸方向に対向する固
定側及び回転側電極間に両電極間で電気信号を授受する
複数の転動体が配設されていることを特徴とする。
【0015】上記の構成により、固定体及び回転体間で
多数の電気信号を授受する場合であっても、電気信号ス
リップリング、延いてはロータリジョイントの軸方向の
大きさをコンパクトにすることができる。
【0016】請求項5の発明では、請求項4のロータリ
ジョイントにおいて、絶縁体は、複数の基板が積層され
て一体化された多層基板からなり、絶縁体に埋め込まれ
た端子は、上記基板間に配置されていることを特徴とす
る。このことにより、各電極板を容易に製造することが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図8〜図10は本
発明の実施形態に係るロータリジョイントAを示し、こ
のロータリジョイントAはスポット溶接を行う図外の溶
接ロボットのアーム先端部に装着されるものである。
【0018】ロータリジョイントAは、溶接ロボットの
アーム側に取り付けられる略円筒状の固定体1と、溶接
ガン側(ハンド側)に取り付けられる略円筒状の回転体
6とを備え、この回転体6は固定体1に360°以上の
角度に回転可能に連結支持されている。
【0019】図1に拡大して示すように、上記固定体1
は、上端(図1で上端)に外向きフランジ2が一体に形
成された円筒状のボス部3と、このボス部3にその外周
を取り囲むように同心状に配置されて一体的に固定さ
れ、下方に開放された有底円筒状のカバー部4とを有す
る。
【0020】一方、回転体6は上記固定体1のボス部3
内に相対回転可能に嵌合された円筒状の軸部7と、この
軸部7の上端にその開口を塞ぐように一体的に固定さ
れ、上記回転体6における外向きフランジ2の上側に位
置する上側フランジ8と、軸部7の下端部外周に一体的
に固定され、回転体6におけるボス部3下端を越えてカ
バー部4の下端開口を塞ぐように半径方向外側に延びる
下側フランジ9とを備えている。
【0021】そして、上記固定体1のボス部3と回転体
6の軸部7との間には固定体1及び回転体6の間で流体
としての水及びエアを授受するためのスイベルジョイン
ト11が設けられている。また、固定体1におけるボス
部3及びカバー部4と、回転体6における下側フランジ
9とで囲まれる円筒状の空間には、固定体1から回転体
6に溶接電力を供給するための電力スリップリング21
と、この電力スリップリング21の内側に位置し、固定
体1及び回転体6の間で複数(図示例では6種類)の異
なる電気信号を授受するための電気信号スリップリング
31とが同心状に装着されている。
【0022】上記スイベルジョイント11は2つの水通
路12,13及び1つのエア通路14を有し、これらの
3つの通路12〜14はいずれも同様の構造である。す
なわち、図5にも示すように、固定体1のボス部3内周
面には3本の環状溝15,15,…が上下方向(軸方
向)に間隔をあけて形成されている。
【0023】また、ボス部3の壁内部には一端がボス部
3内周面に開口する横穴71と、ボス部3の軸方向に延
びかつ一端がその横穴71の他端に接続される一方、他
端がボス部3の外周面又は軸方向端面に開口する縦孔7
2とからなる流体通路70が設けられている。すなわ
ち、水平方向に延びる3つの横穴71(一部のみ図示す
る)が、その一端がボス部3内周面の上記各環状溝1
5,15,…にそれぞれ開口するようにして円周方向に
互いに近接して形成されている。また、一端がボス部3
外周面に開口する3つのポート穴73,73,…が上記
各横穴71,71,…に対応するように形成されてい
る。そして、上下方向に延びる3つの縦孔72,72,
…(一部のみ図示する)が円周方向に互いに近接して貫
通形成され、この各縦孔72,72,…の下端が横穴7
1,71,…の他端である底部71a,71a,…にそ
れぞれ開口する一方、ポート穴73,73,…の他端で
ある底部73a,73a,…にそれぞれ開口している。
このようにして、環状溝15,15,…からポート穴7
3,73,…に至る3つの流体通路70,70,…が形
成されている。
【0024】そして、本発明の特徴として、この流体通
路70の横穴71は次のようにして形成される。すなわ
ち、横穴71は、ボス部3の環状溝15外側の横穴形成
予定位置74に対してボス部3の略直径方向に対向する
対向部75外周面から直径方向にこの対向部を貫通穿孔
して、さらにその横穴形成予定位置74を穿孔した後、
対向部75の貫通部75aを略円筒状の閉塞部材である
プラグ20によって気密状に閉塞することにより形成さ
れている。
【0025】これに対し、回転体6における軸部7の壁
内部には円周方向の3等分位置に上下方向に延びる3つ
の縦孔17,17,…(一部のみ図示する)が貫通形成
され、この各縦孔17の上端は軸部7の外周面にそれぞ
れ上記固定体1のボス部3における各環状溝15内とそ
れぞれ連通するように開口している一方、各縦孔17の
下端は下側フランジ9下側の軸部7外周面に開口してい
る。そして、このように固定体1のボス部3内周面に形
成された3本の環状溝15,15,…のうち上側の2つ
の環状溝15,15を含む通路が水通路12,13に、
また下側の1つの環状溝15を含む通路がエア通路14
にそれぞれ構成されており、これら水通路12,13及
びエア通路14により固定体1及び回転体6間で両者の
回転状態でも水及びエアを授受できるようにしている。
【0026】尚、固定体1のボス部3内周面には3本の
環状溝15,15,…の上下方向(軸方向)両側に4本
のシール溝18,18,…が形成され、この各シール溝
18にはゴム製のシールリング19がその内周面を回転
体6の軸部7外周面に摺接させてシールするように嵌挿
されている。
【0027】上記電力スリップリング21は、固定体1
のボス部3及びカバー部4と回転体6の下側フランジ9
との間の円筒状空間に同心状に配置された3本の集電リ
ング22,22,…を備え、これらの集電リング22,
22,…は絶縁リング23,23,…を介して上下方向
に積層されている。各集電リング22には他の集電リン
グ22をそれと電気絶縁された状態で貫通する集電ボル
ト24の先端部(上端部)が螺合締結され、この各集電
ボルト24は回転体6の下側フランジ9を絶縁状態で貫
通し、その下端のヘッド部24aは下側フランジ9の下
方に突出していて、このヘッド部24aには溶接ガン
(図示せず)に導通する電力ケーブル25の端部が接続
されている。
【0028】一方、上記固定体1のカバー部4の側壁に
は円周方向に等間隔をあけて互いに近接した位置に3つ
の摺動接点26,26,…が絶縁状態で貫通しかつカバ
ー26aによりカバーされた状態で取付固定され、各摺
動接点26の内端部はそれぞれ対応する上記各集電リン
グ22の外周面に所定の押圧力で摺接可能に押し付けら
れており、この各摺動接点26と集電リング22との摺
接により固定体1及び回転体6間で両者の回転状態でも
大電流の溶接電力を供給するようにしている。
【0029】さらに、上記電気信号スリップリング31
は、固定体1のボス部3外周に外嵌合されて設けられた
円筒状の内側ハウジング32と、この内側ハウジング3
2の周りに、後述の如く環状空間34をあけて同心状に
外嵌合されて設けられた円筒状の外側ハウジング33と
を備え、これら両ハウジング32,33は樹脂等からな
る。内側ハウジング32の外周面の上下端部には外向き
のフランジ部32a,32bが一体に形成されており、
この両フランジ部32a,32bと、内側ハウジング3
2外周面の上下中間部と、外側ハウジング33とで囲ま
れて円筒状の環状空間34が区画形成されている。
【0030】そして、上記内外のハウジング32,33
間の環状空間34にリング板状の6枚の固定側電極36
a〜36f及び回転側電極40a〜40fが収容されて
いる。これら各電極36a〜36f,40a〜40fは
例えばリン青銅からなり、その表面は銀メッキ処理され
ている。図2及び図3に拡大して詳示するように、上記
6枚の固定側電極36a〜36fは、固定体1の軸心と
同心状にかつ軸方向たる上下方向に並んで配置されてい
る一方、6枚の回転側電極40a〜40fも、回転体6
の軸心と同心状にかつ軸方向たる上下方向に並んで配置
されている。
【0031】上記6枚の固定側電極36a〜36fのう
ちの上下端(軸方向端部)に位置するもの36a,36
fは端部電極とされ、この端部電極としての固定側電極
36a,36fを除いた4枚の固定側電極36b〜36
eについては、図6にも示すように、その軸方向に隣り
合う1対の固定側電極36b,36c及び36d,36
eが該両電極36b,36c及び36d,36e間にリ
ング状の固定側絶縁シート37a,37bを介して積層
配置されていて、これら両電極36b,36c及び36
d,36eと固定側絶縁シート37a,37bとにより
2つの固定側電極積層体38a,38bが形成されてい
る。
【0032】一方、上記6枚の回転側電極40a〜40
fにあっては、図7にも示すように、その軸方向に隣り
合う1対の回転側電極40a,40b、40c,40d
及び40e,40fが該両電極40a,40b、40
c,40d及び40e,40f間にリング状の回転側絶
縁シート41a〜41cを介して積層配置されていて、
これら両電極40a,40b、40c,40d及び40
e,40fと、回転側絶縁シート41a〜41cとによ
り3つの回転側電極積層体42a〜42cが形成されて
いる。
【0033】そして、本発明の特徴として、図2及び図
3にも示すように、固定側及び回転側絶縁シート37
a,37b、41a〜41cの端部、つまり固定側及び
回転側電極36a〜36f、40a〜40fの径方向端
部は、その固定側及び回転側電極36a〜36f、40
a〜40fよりもその電極36a〜36f、40a〜4
0fの径方向にそれぞれ突出するようになされている。
すなわち、本実施形態では、リング状の固定側絶縁シー
ト37a,37bの径方向の幅が固定側電極36a〜3
6fの幅よりも大きくなされており、固定側絶縁シート
37a,37bの径方向内側端部が固定側電極36a〜
36fの径方向内側端部よりも径方向内側に突出する一
方、固定側絶縁シート37a,37bの径方向外側端部
が固定側電極36a〜36fの径方向外側端部よりも径
方向外側に突出するようになされている。
【0034】また、回転側絶縁シート41a〜41cに
ついても同様の構造とされている。すなわち、回転側絶
縁シート41a〜41cの径方向内側端部が回転側電極
40a〜40fの径方向内側端部よりも径方向内側に突
出する一方、回転側絶縁シート41a〜41cの径方向
外側端部が回転側電極40a〜40fの径方向外側端部
よりも径方向外側に突出するようになされている。
【0035】尚、図2において、後述の固定側電極36
a〜36fを位置決めするための当接部36hが設けら
れている部分については、固定側絶縁シート37a,3
7bの径方向内側端部と、この固定側絶縁シート37
a,37bの上側に配設されている固定側電極36b,
36dの径方向内側端部とは同じ径となっている。ま
た、このことは当接部40hにおける回転側絶縁シート
41a〜41c及び回転側電極40b,40d,40f
についても同様である。
【0036】そして、上記2つの固定側電極積層体38
a,38b及び3つの回転側電極積層体42a〜42c
は、電気信号スリップリング31の軸方向端部に位置す
る上記1対の端部電極たる固定側電極36a,36f間
に軸方向たる上下方向に交互に並んで配置されている。
【0037】さらに、上記端部電極たる固定側電極36
a,36fと、この端部の固定側電極36a,36fに
軸方向に対向する、回転側電極積層体42a,42cの
回転側電極40a,40fとの間、並びに軸方向に隣り
合う固定側電極積層体38a,38b及び回転側電極積
層体42a〜42cにおいてその対向する固定側電極3
6b〜36e及び回転側電極40b〜40eの間に、そ
れぞれ回転体6の固定体1に対する相対回転により両電
極36a〜36f,40a〜40f上を転動して両電極
36a〜36f,40a〜40f間で電気信号を授受す
る鋼球からなる転動体44が配設されている。この鋼球
44は、図4に示すように、電極36a〜36f,40
a〜40f間において円周方向に所定間隔をあけて複数
設けられでおり、これらの複数の転動体44,44,…
の各々は両電極36a〜36f,40a〜40f間に位
置するリング板状のリテーナ45の保持孔45aに嵌挿
されて保持されている。この各転動体44は例えば炭素
鋼を焼入処理した鋼球からなり、その表面は銀メッキ処
理されている。
【0038】上記内側ハウジング32における下側のフ
ランジ部32bの上面には環状のばね溝47が形成さ
れ、このばね溝47には下側の端部電極たる固定側電極
36fを上側の端部電極たる固定側電極36aに向かっ
て押圧する押圧手段としてのばね48が収容されてい
る。下側の端部電極たる固定側電極36fとばね48と
の間にはリング板状の絶縁体49が介在されていて、ば
ね48は絶縁体49を介して押圧するようになってい
る。
【0039】また、内側ハウジング32における上側の
フランジ部32aの外周面には環状のパッキン溝50が
形成され、このパッキン溝50にはリップ部51aを有
する断面略V字状のゴム製等のパッキン51がそのリッ
プ部51aで外側ハウジング33の上面を押圧した状態
で収容されており、このパッキン51により両ハウジン
グ32,33の上端部間の隙間をシールしている。
【0040】また、上記固定体1側の内側ハウジング3
2にはその上面に開口する矩形状の有底孔53が形成さ
れている。また、固定体1のカバー部4外周面にはねじ
孔54を有するコネクタ取付部55が一体的に取り付け
られ、そのねじ孔54に固定側コネクタ56が螺合によ
り取付固定されている。上記コネクタ取付部55のねじ
孔54はカバー部4に形成した貫通孔57を介して上記
内側ハウジング32の有底孔53内に連通されている。
そして、図6にも示すように、各固定側電極36a〜3
6fの内周縁部には上記内側ハウジング32の有底孔5
3内に位置する接続端子36gが突設され、この接続端
子36gには固定側電線58の一端部が接続固定されて
いる。これら6本の固定側電線58,58,…は有底孔
53、カバー部4の貫通孔57及びコネクタ取付部55
のねじ孔54の各内部を通って延び、各々の他端は上記
固定側コネクタ56に接続されている。
【0041】一方、回転体6側の外側ハウジング33外
周面にはその一部分を部分的に下面から矩形状に切り欠
いてなる切欠部63が形成されている。また、回転体6
の下側フランジ9外周面にはねじ孔64を有するコネク
タ取付部65が一体的に取り付けられ、そのねじ孔64
には回転側コネクタ66が螺合により取付固定され、ね
じ孔64は下側フランジ9に形成した貫通孔67を介し
て上記外側ハウジング33の切欠部63内に連通されて
いる。そして、図7にも示す如く、各回転側電極40a
〜40fの外周縁部には上記外側ハウジング33の切欠
部63内に位置する接続端子40gが突設され、この接
続端子40gには回転側電線68の一端部が接続固定さ
れている。これら6本の回転側電線68,68,…は切
欠部63、下側フランジ9の貫通孔67及びコネクタ取
付部65のねじ孔64を通って延び、各々の他端は上記
回転側コネクタ66に接続されている。
【0042】そして、上記固定側電極36a〜36fと
それに対向する回転側電極40a〜40fとを球体44
を介して導通させることにより、表1に示すように、固
定体1及び回転体6間で両者の回転状態でも6種類の電
気信号を授受するようにしている。
【0043】
【表1】
【0044】さらに、図2、図3及び図6に示すよう
に、上記各固定側電極36a〜36fの外周縁部は円形
状とされている一方、内周縁部には円周方向に等間隔を
あけた位置に複数(図示例では5つ)の当接部36h,
36h,…が突設され、この固定側電極36a〜36f
は内側ハウジング32外周面に当接部36h,36h,
…を当接させて位置決めされた状態で嵌合支持され、こ
の固定側電極36a〜36fの外周縁部と外側ハウジン
グ33内周面との間に所定の間隙があけられている。
【0045】一方、図2、図3及び図7に示す如く、各
回転側電極40a〜40fの内周縁部は円形状とされて
いる一方、外周縁部には円周方向に等間隔をあけた位置
に複数(図示例では5つ)の当接部40h,40h,…
が突設され、この回転側電極40a〜40fは外側ハウ
ジング33内周面に当接部40h,40h,…を当接さ
せて位置決めされた状態で嵌合支持され、この回転側電
極40a〜40fの内周縁部と内側ハウジング32外周
面との間に所定の間隙があけられている。
【0046】そして、図4、図6及び図7にも示すよう
に、当接部40h,40h,…と当接部36h,36
h,…とは、それぞれ軸方向(電極36a〜36f、4
0a〜40fの積層方向)に重ならないように配設され
ている。仮に、両当接部40h,36hが重なるように
なされていると、この当接部40h,36hにおいてそ
の端部同士が近接することになるため、この端部での固
定側及び回転側電極36a〜36f、40a〜40fの
間に充分な間隔をとることができず、絶縁不良が生じる
虞れがあるが、上記のように構成することにより、その
絶縁不良を抑制することができる。
【0047】したがって、この実施形態においては、溶
接ガンがワークを溶接する溶接ロボットの作動時に固定
体1に対し回転体6が回転しているとき、固定体1及び
回転体6間で2つの水通路及びエア通路14により水及
びエアが授受される。また、固定体1側の摺動接点26
と回転体6側の集電リング22とが摺接して大電流の溶
接電力が固定体1側から回転体6側に供給される。
【0048】さらに、固定体1及び回転体6間で両者の
回転状態で6種類の電気信号が授受される。このとき、
固定側及び回転側電極36a〜36f、40a〜40f
のそれぞれの電極間の絶縁シート37a,37b、41
a〜41cを薄くして電気信号スリップリング31の厚
さを小さくすることにより、ロータリジョイントAの小
型化を図るとともに、その電極36a〜36f、40a
〜40f端部周辺に鋼球の摩耗粉等の導電性粉塵が付着
するようなことがあっても、絶縁シート37a,37
b、41a〜41c表裏の電極端部間の空間的距離が延
長されるので、その各電極36b,36c、36d,3
6e、40a,40b、40c,40d及び40e,4
0f間の短絡を効果的に抑制することができる。
【0049】また、縦孔72が形成される固定体1のボ
ス部3側壁をその外周面側からボス部3半径方向内側へ
穿孔して、その穿孔した貫通部75aの外側部分をプラ
グ20で閉塞することにより横穴71を形成する場合、
その横穴71が形成されるボス部3の側壁にはプラグ2
0による閉塞のための所定の第1厚さと、縦孔72の内
径を確保するための所定の第2厚さとの双方の厚さが必
要であるが、これら第1及び第2厚さをボス部3壁面の
直径方向両側にそれぞれ分担させるようにしたので、横
穴71が形成されるボス部3側壁の厚さを薄くすること
ができる。つまり、ボス部3の外径を小さくすることが
でき、このことにより、ロータリジョイントAの小型化
を図りつつボス部3側壁の剛性を確保することができ
る。
【0050】尚、本実施形態では、固定体1にボス部3
が設けられるようにしているが、回転体6にボス部が設
けられるような構成としてもよい。
【0051】(実施形態2)図11は本発明の実施形態
2を示し、電力スリップリング21への摺動接点の摺接
方法を変更して、固定体1又は回転体6の一方に複数の
集電リング87を設けられている一方、他方には集電リ
ング87に摺接して電力を授受するための複数の摺動接
点80を一括して着脱可能に設けるようにしたものであ
る。
【0052】すなわち、本実施形態に係るロータリジョ
イントAは、ターミナル81が接続された円筒状のバレ
ル82内に、先端に導電材料からなる接触部83aを有
するプランジャ83を摺動可能に嵌挿し、このバレル8
2及びプランジャ83の間にスプリング85を縮装し
て、プランジャ83を集電リング22に接触するように
先端側に付勢し、プランジャ83の基端部83b及びタ
ーミナル81を電気的に接続することにより構成された
12本の摺動接点80と、この摺動接点80を同一方向
に並ぶようにして保持する摺動接点ホルダ84とを備え
ている。また、摺動接点80は集電リング22の周方向
に2本、また軸方向に6本それぞれ等間隔に並設されて
いる。
【0053】一方、回転体6に設けられている電力スリ
ップリング21は、上記実施形態1と同様である数百A
程度の比較的大きな電力のための集電リング22及び絶
縁リング23が交互に積層してなる下側部分と、その上
側に積層される部分であって、数十A程度の電力(以降
中電力ともいう)のための集電リング87及び絶縁リン
グ88が交互に積層されてなる上側部分とから構成され
ている。
【0054】この中電力のための電力スリップリング2
1の上側部分は、上記実施形態1でも示した集電リング
22と同様の構成である。すなわち、図示は省略する
が、集電リング22の積層方向下側へ延びる6本の集電
ボルトが設けられており、この集電ボルトを介してアー
ム側の摺動接点ホルダ84からハンド側へ中電流を供給
するようにしている。
【0055】そのとき、集電リング87を摺動接点80
により押圧して、この押圧部を介してサーボ電力等の中
電力を供給側へ送電するときには、摺動接点80の集電
リング87への接触力は、大電流を送電するときにおけ
るほどの大きさは必要でなく、それよりも小さい接触力
で送電することができる。従って、集電リング87に加
えられる偏荷重を抑制するために、摺動接点80を分割
して集電リング87の周方向に等間隔となるように配設
する必要が無く、摺動接点80を一括して集電リング8
7へ接触させつつ集電リング87に加えられる偏荷重を
小さくすることができる。従って、ロータリジョイント
Aの小型化を図ることができるとともに、その摺動接点
80のための構造を簡単にして製造コストを低減させる
ことができる。尚、この中電力を伝達する電力スリップ
リング21の下側部分は、大電力を伝達する同上側部分
と別体として新しく設けることもできる。しかし、構造
を簡単にできる点で、電力スリップリング21を兼用す
るのが望ましい。
【0056】(実施形態3)図12〜図15は、本発明
の実施形態3を示し(尚、図2及び図3と同じ部分につ
いては同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、
上記実施形態1における電気信号スリップリングの構成
を変更したものである。
【0057】すなわち、図12〜図15に示すように、
本実施形態に係るロータリジョイントAの電気信号スリ
ップリング31は、固定体1の軸心と同心状に配置され
た例えば4枚のリング板状の固定側電極板109と、回
転体の軸心と同心状に配置された例えば3枚のリング板
状の回転側電極板110とを備え、この固定側電極板1
09と回転側電極板110とは軸方向に交互に並んで配
置されており、さらにこの対向する1組の固定側電極板
109と回転側電極板110との間には3列の転動体と
しての鋼球44が介装されている。
【0058】そして、固定側電極板109は、リング板
状の絶縁体104と、この絶縁体104の両表面に同心
状にプリント配線された互いに径の異なる3つの固定側
電極101a,101b,101cとからなる一方、回
転側電極板110は、上記固定側電極板109の絶縁体
104と略同径のリング板状の絶縁体105と、この絶
縁体105の両表面に同心状にかつ上記固定側電極10
1a,101b,101cと略対応するようにプリント
配線された互いに径の異なる3つの回転側電極102
a,102b,102cとからなる。
【0059】また、各電極板109,110における絶
縁体104,105の少なくとも幅方向中間部に位置す
る電極の端子は絶縁体104,105に埋め込まれて絶
縁体104,105の内周縁部又は外周縁部に延出され
ている。さらに、絶縁体104,105は、3枚の基板
104a,104b,104cが積層されて一体化され
た多層基板からなり、固定側又は回転側電極板109,
110の一方における最も内周縁側に位置する電極を除
く他の電極の端子であって、絶縁体104の内周縁部に
延出される端子、及び他方における最も外周縁側に位置
する電極を除く他の電極の端子であって、絶縁体105
の外周縁部に延出される端子は、その基板間に配置され
ている。
【0060】すなわち、固定側電極板109における複
数の固定側電極101a,101b,101cのうち最
も内周縁側に位置する固定側電極101aの端子111
aは、絶縁体104a,104cの表面に設けられたプ
リント配線により、内周縁部へ延出する一方、その固定
側電極101a以外の回転体側の固定側電極101b,
101cの端子111b,111cは、その径方向に近
接して設けられて軸方向に絶縁体104aを貫通する貫
通孔としてのスルーホール106を介して絶縁体104
の内部へ延出され、さらに3層のうちの真ん中の絶縁体
104bの表面に設けられたプリント配線を介して内周
縁部へ延出されている。
【0061】回転側電極板110における端子112の
回転体側への延出も上記固定側電極板109における構
成と同様である。すなわち、最も外周縁側に位置する回
転側電極102aの端子112aは絶縁体105a,1
05cの表面に沿って外周縁部へ延出される一方、その
他の回転側電極102b,102cの端子112b,1
12cは真ん中の絶縁体105bの表面に沿って外周縁
部へ延出されている。
【0062】そして、これら両電極板109,110の
軸方向に対向する固定側及び回転側電極101a,10
1b,101c、102a,102b,102c間に両
電極間で電気信号を授受する3列の鋼球44が配設され
ている。
【0063】このようにして、固定体1及び回転体6間
で両者の回転状態において、鋼球44を介して対向する
2つの電極板109,110間で3つの電気信号が授受
される。そのとき、固定体1及び回転体6間で多数の電
気信号を授受する場合であっても、鋼球44を介して対
向する2つの電極板間で1つの電気信号を授受する場合
に比して、電気信号スリップリング31、延いてはロー
タリジョイントAの軸方向の大きさをコンパクトにする
ことができる。
【0064】尚、本実施形態では、4枚の固定側電極板
109と3枚の回転側電極板110とから構成されるよ
うにしたが、本発明はこれに限らず、固定側及び回転側
電極板109,110がそれぞれ少なくとも1枚ずつあ
ればよい。また、固定側及び回転側電極板109,11
0に配設する電極の数をそれぞれ3つとしたが、本発明
はこれに限らず、その他複数の電極を設けるようにして
もよい。
【0065】また、本実施形態では、絶縁体104,1
05が3層からなるようにしたが、その他の構成により
一体的に形成するようにしかつその絶縁体に固定側及び
回転側電極101a,101b,101c、102a,
102b,102cの端子を埋め込むようにしてもよ
い。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、固定体及び回転体の間で複数の異なる電気信号
を授受する電気信号スリップリングを備えたロータリジ
ョイントに対し、その電気信号スリップリングとして、
固定体の軸心と同心状にかつ軸方向に並んで配置された
複数枚のリング板状の固定側電極のうちの軸方向に隣り
合う1対を、両電極間にリング状の固定側絶縁体を介し
て積層配置して固定側電極積層体を設ける一方、回転体
の軸心と同心状にかつ軸方向に並んで配置された複数枚
のリング板状の回転側電極のうちの軸方向に隣り合う1
対を、両電極間にリング状の回転側絶縁体を介して積層
配置して回転側電極積層体を設け、これら固定側及び回
転側電極積層体を、電気信号スリップリングの軸方向端
部に位置する1対の端部電極間に軸方向に交互に並んで
配置し、端部電極とそれに軸方向に対向する、電極積層
体の電極との間、並びに軸方向に隣り合う電極積層体の
対向する両電極間に転動により両電極間で電気信号を授
受する球体を配設し、さらに電極積層体における固定側
及び回転側絶縁体の内周縁部及び外周縁部を、固定側及
び回転側電極よりも径方向に突出するように構成するこ
とにより、その電極間の短絡を効果的に抑制するととも
に、ロータリジョイントの小型化を図ることができる。
【0067】請求項2の発明によると、円筒状の固定体
に回転可能に挿通されている軸部を有する回転体を備え
るロータリジョイントに対して、固定体又は回転体の一
方にはボス部が、また他方にはボス部に回転可能に挿通
される軸部がそれぞれ設けられており、ボス部には、一
端がボス部内周面に開口する横穴と、ボス部の軸方向に
延びかつ一端が横穴の他端に接続される一方、他端がボ
ス部の外周面又は軸方向端面に開口する縦孔とからなる
流体通路が設けられ、横穴は、この横穴の位置に対しボ
ス部の略直径方向に対向する対向部外周面から直径方向
に対向部を貫通させて穿孔してなり、対向部の貫通孔を
プラグにより閉塞することにより、ボス部の剛性を確保
しつつ、横穴が形成されるボス部の厚さを薄くして、ロ
ータリジョイントの小型化を図ることができる。
【0068】請求項3の発明によると、固定体に回転可
能に連結支持された回転体を備えるロータリジョイント
に対して、固定体又は回転体の一方に複数の集電リング
を設ける一方、他方には集電リングに摺接して電力を授
受するための複数の摺動接点を一括して着脱可能に設け
ることにより、摺動接点を一括して集電リングへ接触さ
せつつ集電リングに加えられる偏荷重を小さくすること
ができ、その構造を簡単にしてロータリジョイントの小
型化を図ることができるとともに、製造コストを低減さ
せることができる。
【0069】請求項4の発明によると、固定体及び回転
体の間で電気信号を授受する電気信号スリップリングを
備えたロータリジョイントについて、電気信号スリップ
リングは、固定体の軸心と同心状に配置された少なくと
も1枚のリング板状の固定側電極板と、回転体の軸心と
同心状に配置された少なくとも1枚のリング板状の回転
側電極板とを備え、固定側電極板は、リング板状の絶縁
体と、絶縁体の両表面に同心状にプリント配線された互
いに径の異なる複数の固定側電極とからなる一方、回転
側電極板は、固定側電極板の絶縁体と略同径のリング板
状の絶縁体と、絶縁体の両表面に同心状にかつ固定側電
極と略対応するようにプリント配線された互いに径の異
なる複数の回転側電極とからなり、固定側又は回転側電
極板の一方における最も内周縁側に位置する電極を除く
他の電極の端子が、絶縁体に埋め込まれて絶縁体の内周
縁部に延出される一方、固定側又は回転側電極板の他方
における最も外周縁側に位置する電極を除く他の電極の
端子が、絶縁体に埋め込まれて絶縁体の外周縁部に延出
され、固定側電極板と回転側電極板とを軸方向に並んで
配置しており、両電極板の軸方向に対向する固定側及び
回転側電極間に両電極間で電気信号を授受する複数の転
動体を配設することにより、固定体及び回転体間で多数
の電気信号を授受する場合であっても、電気信号スリッ
プリング、延いてはロータリジョイントの軸方向の大き
さをコンパクトにすることができる。
【0070】請求項5の発明によると、さらに、絶縁体
が、複数の基板が積層されて一体化された多層基板から
なり、絶縁体に埋め込まれた端子を基板間に配置するこ
とにより、各電極板を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るロータリジョイント
の拡大断面図である。
【図2】電気信号スリップリングの一側部を拡大して示
す断面図である。
【図3】電気信号スリップリングの他側部を拡大して示
す断面図である。
【図4】電気信号スリップリングをその一部を破断して
示す拡大斜視図である。
【図5】固定体のボス部における水通路及びエア通路の
構成部分を示す一部破断斜視図である。
【図6】固定電極積層体の構成を示す斜視図である。
【図7】回転電極積層体の構成を示す斜視図である。
【図8】ロータリジョイントの上面図である。
【図9】ロータリジョイントの正面図である。
【図10】ロータリジョイントの底面図である。
【図11】本発明の実施形態2に係る接続手段の構成を
示す説明図である。
【図12】本発明の実施形態3に係る電気信号スリップ
リングを示す断面図である。
【図13】電気信号スリップリングを拡大して示す断面
図である。
【図14】固定側電極板を示す平面図である。
【図15】回転側電極板を示す平面図である。
【符号の説明】
A ロータリジョイント 1 固定体 3 ボス部 6 回転体 7 軸部 11 スイベルジョイント 20 プラグ 31 電気信号スリップリング 32 内側ハウジング 33 外側ハウジング 34 環状空間 36a〜36f 固定側電極 37a,37b 固定側絶縁シート 38a,38b 固定側電極積層体 40a〜40f 回転側電極 41a〜41c 回転側絶縁シート 42a〜42c 回転側電極積層体 44 鋼球(転動体) 56 固定側コネクタ 58 固定側電線 66 回転側コネクタ 68 回転側電線 70 流体通路 71 横穴 72 縦孔 73 ポート穴 75 対向部 75a 貫通部(貫通孔) 80 摺動接点 84 摺動接点ホルダ 101a〜101c固定側電極 102a〜102c回転側電極 109 固定側電極板 110 回転側電極板 111a〜111c端子 112a〜112c絶縁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津村 稔 兵庫県神戸市兵庫区芦原通4丁目1番16号 ビー・エル・オートテック株式会社内 Fターム(参考) 3F060 GB16 HA02 HA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定体と、該固定体に回転可能に連結支
    持された回転体と、上記固定体及び回転体の間で複数の
    異なる電気信号を授受する電気信号スリップリングとを
    備えたロータリジョイントであって、 上記電気信号スリップリングは、固定体の軸心と同心状
    にかつ軸方向に並んで配置された複数枚のリング板状の
    固定体側電極と、回転体の軸心と同心状にかつ軸方向に
    並んで配置された複数枚のリング板状の回転側電極とを
    備え、 上記複数枚の固定側電極のうち軸方向に隣り合う1対の
    固定側電極を、該両電極間にリング状の固定側絶縁体を
    介して積層配置してなる固定側電極積層体と、 上記複数枚の回転側電極のうち軸方向に隣り合う1対の
    回転側電極を、該両電極間にリング状の回転側絶縁体を
    介して積層配置してなる回転側電極積層体とが設けられ
    ており、 上記固定側及び回転側電極積層体は、電気信号スリップ
    リングの軸方向端部に位置する1対の端部電極間に軸方
    向に交互に並んで配置され、 上記端部電極と該端部電極に軸方向に対向する、電極積
    層体の電極との間、並びに軸方向に隣り合う電極積層体
    の軸方向に対向する両電極間に、回転体の固定体に対す
    る相対回転により両電極上を転動して両電極間で電気信
    号を授受する転動体が配設されており、 上記電極積層体における固定側及び回転側絶縁体の内周
    縁部及び外周縁部は、上記固定側及び回転側電極よりも
    径方向に突出していることを特徴とするロータリジョイ
    ント。
  2. 【請求項2】 固定体と、該固定体に回転可能に連結支
    持された回転体とを備えるロータリジョイントであっ
    て、 上記固定体又は回転体の一方にはボス部が、また他方に
    は該ボス部に回転可能に挿通される軸部がそれぞれ設け
    られており、 上記ボス部には、一端がボス部内周面に開口する横穴
    と、ボス部の軸方向に延びかつ一端が上記横穴の他端に
    接続される一方、他端がボス部の外周面又は軸方向端面
    に開口する縦孔とからなる流体通路が設けられ、 上記横穴は、該横穴の位置に対しボス部の略直径方向に
    対向する対向部外周面から直径方向に上記対向部を貫通
    させて穿孔してなり、 上記対向部の貫通孔がプラグにより閉塞されていること
    を特徴とするロータリジョイント。
  3. 【請求項3】 固定体と、該固定体に回転可能に連結支
    持された回転体とを備えるロータリジョイントであっ
    て、 上記固定体又は回転体の一方に複数の集電リングが設け
    られている一方、他方には上記集電リングに摺接して電
    力を授受するための複数の摺動接点が一括して着脱可能
    に設けられていることを特徴とするロータリジョイン
    ト。
  4. 【請求項4】 固定体と、該固定体に回転可能に連結支
    持された回転体と、上記固定体及び回転体の間で電気信
    号を授受する電気信号スリップリングとを備えたロータ
    リジョイントであって、 上記電気信号スリップリングは、固定体の軸心と同心状
    に配置された少なくとも1枚のリング板状の固定側電極
    板と、 回転体の軸心と同心状に配置された少なくとも1枚のリ
    ング板状の回転側電極板とを備え、 上記固定側電極板は、リング板状の絶縁体と、該絶縁体
    の両表面に同心状にプリント配線された互いに径の異な
    る複数の固定側電極とからなる一方、 回転側電極板は、上記固定側電極板の絶縁体と略同径の
    リング板状の絶縁体と、該絶縁体の両表面に同心状にか
    つ上記固定側電極と略対応するようにプリント配線され
    た互いに径の異なる複数の回転側電極とからなり、 上記固定側又は回転側電極板の一方における最も内周縁
    側に位置する電極を除く他の電極の端子が、絶縁体に埋
    め込まれて絶縁体の内周縁部に延出される一方、 上記固定側又は回転側電極板の他方における最も外周縁
    側に位置する電極を除く他の電極の端子が、絶縁体に埋
    め込まれて絶縁体の外周縁部に延出され、 上記各電極板における絶縁体の少なくとも幅方向中間部
    に位置する電極の端子は絶縁体に埋め込まれて絶縁体の
    内周縁部又は外周縁部に延出され、 上記固定側電極板と回転側電極板とは軸方向に並んで配
    置されており、 上記両電極板の軸方向に対向する固定側及び回転側電極
    間に両電極間で電気信号を授受する複数の転動体が配設
    されていることを特徴とするロータリジョイント。
  5. 【請求項5】 請求項4のロータリジョイントにおい
    て、 絶縁体は、複数の基板が積層されて一体化された多層基
    板からなり、 絶縁体に埋め込まれた端子は、上記基板間に配置されて
    いることを特徴とするロータリジョイント。
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