JP2002230849A - 光ディスクの製造方法 - Google Patents

光ディスクの製造方法

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JP2002230849A JP2001028455A JP2001028455A JP2002230849A JP 2002230849 A JP2002230849 A JP 2002230849A JP 2001028455 A JP2001028455 A JP 2001028455A JP 2001028455 A JP2001028455 A JP 2001028455A JP 2002230849 A JP2002230849 A JP 2002230849A
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哲哉 飯田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極膜の耐腐食性を向上させ、その損傷を抑
制し、形成されるスタンパを高品質なものとすることに
より、S/N比の向上が図られて品質を高度に維持した
光ディスクを製造することができる光ディスクの製造方
法を提供する。 【解決手段】 光ディスクを製造するためのスタンパ1
5は、原板11の表面にレジスト膜12を形成し、レジ
スト膜12に電子ビームを照射して所定のパターンを形
成した後、このレジスト膜12の表面に金属材料よりな
る電極膜13を形成し、電極膜13を電極として使用す
る電鋳法により電極膜13の表面に金属層14を積層さ
せ、その金属層14を電極膜13とともにレジスト膜1
2から剥離することにより形成される。前記電極膜13
の金属材料には銅(Cu)元素を主成分とするととも
に、この銅(Cu)元素に銀(Ag)元素及びチタン
(Ti)元素を添加したものが使用されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、CD(Comp
act Disk)やDVD(DigitalVers
atile Disk)等の光ディスクを、スタンパと
呼ばれる原盤を用いて製造する光ディスクの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばCD等といった光ディスク
を製造する場合には、まず、図3(a)に示すように、
その表面を研磨して平滑にしたガラス製の原板101
(発明者の言われる通りです。上記原盤と区別するため
に原板としました。)の表面にスピンコート等によりレ
ジスト膜102を形成する。次いで、このレジスト膜1
02に対してパターニング処理が施される。パターニン
グ処理は、図3(b)に示すように、レジスト膜102
をレーザビームで露光し、潜像102aを形成した後、
現像することにより行われる。すると、図3(c)に示
すように、レジスト膜102の表面には複数の溝部より
なる凹パターン102bが形成される。
【0003】パターニング処理が行われた後、図3
(d)に示すように、レジスト膜102上には凹パター
ン102bの全体を被覆するように、金属材料よりなる
電極膜103がスパッタリング法、蒸着法等により形成
される。この電極膜103の金属材料には導電率が高
く、膜形成後に組成変化しづらいことから、ニッケル
(Ni)元素が単体で使用されており、その膜厚は均一
なものとなっている。その後、図3(e)に示すよう
に、この電極膜103を電極として用いる電鋳法によ
り、電極膜103の表面にはNi製の金属層104が積
層される。
【0004】この後、図3(f)に示すように、電極膜
103とともに金属層104をレジスト膜102の表面
から剥離させると、電極膜103及び金属層104が一
体となったスタンパ104aが得られる。このスタンパ
104aの表面には前記凹パターン102bとは逆転し
た形状となるように、複数の突部よりなる凸パターン1
04bが転写されている。そして、スタンパ104aを
成形型として使用し、凸パターン104b側に合成樹脂
材料を射出することにより、その表面に前記凹パターン
102bと同一の凹パターンが複写された基板が形成さ
れ、この凹パターンを覆うように基板上に反射膜、保護
層等を積層することにより光ディスクが製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年の光ディスクに
は、例えばCDに対するDVD等のように、サイズを大
きくすることなく記憶容量を増大させるため、単位面積
当たりの記録密度をさらに高度化させることが課題とな
っている。このため、前述したパターニング処理におい
ては、レーザビームと比較して溝部をより幅狭とするこ
とができ、高精細な凹パターン102bを形成可能な電
子ビームが使用されるようになっている。そして、電子
ビームで露光を行う際には、レジスト膜102を形成す
るレジスト材料に塩素、硫黄、あるいはフッ素等の電子
吸引性の元素又は電子吸引機能を有する基(これ以降、
電子吸引基として記載する)等が添加されることによ
り、レジスト膜102の電子吸収感度が向上されてい
る。
【0006】ところが、上記のように電子吸収感度を向
上させたレジスト膜102を使用すると、電鋳法で電極
膜103上に金属層104を積層する際、電極膜103
は、その材料であるNi元素が電子吸引性の元素又は電
子吸引基に対して反応し、変質する等して損傷するおそ
れがある。すると、スタンパ104aは、この電極膜1
03により凸パターン104bの表面部分が形成されて
いることから、損傷した電極膜103により凸パターン
104bの表面が荒れるという不具合を生じてしまう。
そして、このようなスタンパ104aを使用して形成さ
れた基板には前記凹パターン102bが正確に複写され
ず、データ読取り時のノイズが大きくなり、S/N比
(Signal−to−Noise ratio)が低
く、品質の低下した光ディスクが製造されてしまうとい
う問題があった。
【0007】この発明は、このような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、電極膜の耐腐食性を向上させ、その損傷を
抑制し、形成されるスタンパを高品質なものとすること
により、S/N比の向上が図られて品質を高度に維持し
た光ディスクを製造することができる光ディスクの製造
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の光ディスクの製造方法の発明
は、原板の表面にレジスト膜を形成する工程と、前記レ
ジスト膜に電子ビームを照射して所定のパターンを形成
するパターニング処理を施す工程と、前記パターニング
処理を施した後のレジスト膜の表面に金属材料よりなる
電極膜を形成する工程と、前記電極膜を電極として使用
する電鋳法により、電極膜の表面に金属層を積層させ、
その金属層を電極膜とともにレジスト膜から剥離してス
タンパを形成する工程と、前記スタンパを成形用の金型
として使用し、合成樹脂製の基板を射出成形する工程
と、前記基板の表面に反射膜及び保護層を積層し、光デ
ィスクを製造する工程とを備え、前記電極膜の金属材料
は、銅(Cu)元素を主成分とするとともに、この銅
(Cu)元素に少なくとも1種の他の元素を添加したも
のであることを特徴とするものである。
【0009】請求項2に記載の光ディスクの製造方法の
発明は、請求項1に記載の発明において、前記他の元素
は、銀(Ag)及びチタン(Ti)の少なくともいずれ
か1種であることを特徴とするものである。
【0010】請求項3に記載の光ディスクの製造方法の
発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記金属材料は、銀(Ag)元素を含有するとともに、
その銀(Ag)元素の含有率を10重量パーセント以下
に設定したことを特徴とするものである。
【0011】請求項4に記載の光ディスクの製造方法の
発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明
において、前記金属材料は、チタン(Ti)元素を含有
するとともに、そのチタン(Ti)元素の含有率を5.
0重量パーセント以下に設定したことを特徴とするもの
である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を、図
面に基づいて詳細に説明する。図2(b)に示すよう
に、光ディスクを構成する基板21は、合成樹脂である
透明なポリカーボネートにより円板状に形成され、その
上面には複数の微細な溝部よりなる凹パターン21aを
有している。基板21の上部には、この凹パターン21
aの各溝部を被覆するようにアルミニウム製の薄膜より
なる反射膜22が積層されている。さらに、反射膜22
の上部には、紫外線硬化樹脂よりなる保護層23が凹パ
ターン21aの各溝部を埋めつつ、さらに基板21をそ
の全面に渡って被覆するように積層されており、この保
護層23により凹パターン21a及び反射膜22の損傷
が防止されている。
【0013】図2(a)に示すように、前記基板21
は、後述する製造方法により成形された金属製のスタン
パ15を使用して形成される。このスタンパ15は、ニ
ッケル(Ni)製の金属層14と、金属層14の下面に
積層された金属材料よりなる電極膜13とにより形成さ
れている。スタンパ15の下面には基板21の凹パター
ン21aとは逆転した形状をなし、複数の突部よりなる
凸パターン16を有している。そして、前記基板21を
射出成形する工程は、スタンパ15を成形型として用
い、凸パターン16を有する下面側にポリカーボネート
材料を射出して、ポリカーボネート材料が硬化した後、
スタンパ15から離型させることにより行われる。ま
た、光ディスクを製造する工程は、射出成形された基板
21にスパッタリング法、蒸着法等の方法により反射膜
22を形成した後、反射膜22上に保護層23が形成さ
れる。
【0014】次に、上記スタンパ15を成形するための
製造方法について説明する。さて、スタンパ15を成形
するための製造方法として、まず、図1(a)に示すよ
うに、原板11上にレジスト膜12を形成する工程につ
いて説明する。この工程は、その表面が研磨、洗浄され
て平滑面とされたガラス板又はシリコンウェハからなる
原板11上にスピンコート法等により液状のレジスト材
料を均一な厚さとなるように塗布し、その後、プリベー
クすることにより行われる。すると、レジスト材料が加
熱乾燥されてレジスト膜12が形成される。このレジス
ト材料には、例えば塩素、硫黄、フッ素等のような電子
吸引性の元素又は電子吸引機能を有する基(これ以降、
電子吸引基として記載する)等が添加されているため、
形成されるレジスト膜12は、その電子吸収感度が向上
されている。
【0015】次いで、レジスト膜12に対し、パターニ
ング処理を施す工程について説明する。この工程では、
まず、図1(b)に示すように、レジスト膜12に対
し、その上面側から電子ビームが照射され、レジスト膜
12が露光されることにより、レジスト膜12の表面に
潜像12aが形成されて、データ信号の記録が行われ
る。この後、図1(c)に示すように、レジスト膜12
が現像され、ポストベークされることにより潜像12a
部分が除去されて、レジスト膜12の上面に複数の溝部
よりなる凹パターン12bが形成されることにより、レ
ジスト膜12に対してパターニング処理が施される。
【0016】続いて、図1(d)に示すように、電極膜
13を形成する工程について説明する。この工程は、ス
パッタリング法、蒸着法、無電界メッキ法等の方法によ
り、レジスト膜12の上面に金属材料よりなる電極膜1
3が均一な膜厚となるように形成されることにより行わ
れる。この状態で電極膜13には凹パターン12bの形
状が正確に転写されている。
【0017】最後に、スタンパ15を形成する工程につ
いて説明する。この工程では、まず、図1(e)に示す
ように、前記電極膜13を電極として使用し、電鋳法を
施すことにより、電極膜13の上面にNi元素が堆積さ
れ、金属層14が積層される。そして、金属層14を電
極膜13とともに、原板11及びレジスト膜12の表面
から剥離させることにより、図1(f)に示すように、
金属層14及び電極膜13が一体となったスタンパ15
が形成される。このスタンパ15の下面には、凹パター
ン12bの形状が正確に転写された電極膜13により、
前記凹パターン12bとは逆転した形状をなす複数の突
部より構成された凸パターン16が形成されている。そ
して、このスタンパ15を利用することにより、上述し
たように光ディスクの基板21が射出形成される。
【0018】なお、スタンパ15を形成した以降の工程
として、上記の工程で得られるスタンパ15をマスタス
タンパとし、凸パターン16が形成された面上に電鋳法
を施すことにより、凹パターンを有するサブマスタスタ
ンパの形成を行ってもよい。この後、サブマスタスタン
パを利用してマスタスタンパと同一形状の複数のベビー
スタンパを形成し、これらベビースタンパを使用して光
ディスクの基板21を射出形成してもよい。
【0019】上記電極膜13に使用する金属材料には、
導電率が高く、レジスト材料中の電子吸引性の元素又は
電子吸引基に対して化学反応を起こしにくいことから、
銅(Cu)を主成分とし、これに少なくとも1種の他の
元素を添加したものが使用される。なお、この明細書中
で主成分とは、金属材料のなかで含有量の最も多いもの
を指すものとする。前記他の元素には、電極膜13の耐
腐食性を向上させるために、銀(Ag)及びチタン(T
i)の少なくともいずれか1種を選択することが好まし
い。また、銀(Ag)及びチタン(Ti)以外に、他の
元素としてパラジウム(Pd)、ジルコニウム(Z
r)、ニッケル(Ni)、ケイ素(Si)、アルミニウ
ム(Al)、クロム(Cr)、白金(Pt)及び金(A
u)の少なくともいずれか1種を選択することも可能で
ある。
【0020】この実施形態の金属材料には、Cuを主成
分とし、前に挙げた金属元素のうち、Ag及びTiが添
加されたものが使用されている。このように材料にAg
及びTiを添加した場合、電極膜13の導電性を維持し
つつ、塩素、硫黄、フッ素等の電子吸引性の元素又はそ
れらを電子吸引基として有する物質に対する耐腐食性の
向上を図ることができる。
【0021】Agを添加する場合、材料中におけるAg
の含有率は、10.0重量パーセント以下とすることが
好ましく、より好ましくは5.0重量パーセント以下で
ある。Agを10.0重量パーセントより多く含有する
と、その組成によってはCu及びTiのそれぞれと固溶
体を形成しづらくなったり、生成される金属材料の性質
が安定しなかったり、所望の耐腐食性を有していなかっ
たりするおそれがある。また、材料中におけるTiの含
有率は、5.0重量パーセント以下とすることが好まし
く、より好ましくは2.0重量パーセント以下であり、
さらに好ましくは1.0重量パーセント以下である。T
iを5.0重量パーセントより多く含有すると、その組
成によってはCu及びAgと固溶体を形成しづらくなっ
たり、生成される金属材料の性質が安定しなかったり、
所望の耐腐食性を有していなかったりするおそれがあ
る。
【0022】前記の実施形態によって発揮される効果に
ついて、以下に記載する。 ・ 電極膜13には、Cu、Ag及びTiからなる金属
材料が用いられている。Cu、Ag及びTiからなる金
属材料は、塩素、硫黄、フッ素等の電子吸引性の元素又
は電子吸引基に対する耐腐食性が高いことから、電鋳法
によりNi製の金属層14を形成する際の電極膜13の
変質等といった損傷を防止することができる。この電極
膜13により凸パターン16の表面が形成されたスタン
パ15は、レジスト膜12の凹パターン12bが正確に
転写されたままの状態で、その表面を平滑面として維持
することができる。従って、このようなスタンパ15を
使用して形成された光ディスクの基板21は、レジスト
膜12の凹パターン12bが正確に複写された凹パター
ン21aを有するとともに、凹パターン21aを構成す
る各溝部の内面が平滑面となる。そして、光ディスクに
記録されたデータを読み取るための光学ピックアップか
ら照射されるレーザの乱反射が抑制されることから、S
/N比(Signal−to−Noise rati
o)が向上し、光ディスクの品質を高度に維持すること
ができる。
【0023】・ さらに、金属材料中におけるAgの含
有率を10.0重量パーセント以下に、Tiの含有率を
5.0重量パーセント以下に設定することにより、電極
膜13の耐腐食性のさらなる向上を図ることができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を挙げ、前記実施形態をさらに
具体的に説明する。なお、この発明はそれらの実施例に
限定されるものではない。 (実施例1)石英基板上に、RFスパッタ装置を使用し
てCu及びAgの2種からなる電極膜13を形成した。
すなわち、Cu及びAgの2種のスパッタリングターゲ
ットを用意してRFスパッタ装置に装着し、各金属を同
時に基板上に堆積させてスパッタリングを行い、電極膜
13を形成した。このとき、各金属の含有率は、各金属
原子の放出量を制御することにより調整し、この金属原
子の放出量の制御は、各スパッタリングターゲットへの
RF投入電力により行った。なお、スパッタリングター
ゲットのサイズは、直径7.62cm(3inch)、
厚み5mmであり、このスパッタリングターゲットから
基板までの距離を約90cmとした。また、成膜条件
は、到達真空度を3×10-5Pa、成膜時のガス圧を
0.7〜1.0Paとした。また、RF投入電力は100
〜500Wとした。 (実施例2)Cu及びTiの2種のスパッタリングター
ゲットを用意し、実施例1と同様に各金属原子の放出量
を制御しながらスパッタリングを行い、電極膜13を形
成した。 (実施例3)Cu、Ag及びTiの3種のスパッタリン
グターゲットを用意し、実施例1と同様に各金属原子の
放出量を制御しながらスパッタリングを行い、電極膜1
3を形成した。 (比較例1)石英基板上に、RFスパッタ装置を使用し
てCuのみからなる電極膜13を形成した。すなわち、
Cuのスパッタリングターゲットを用意し、RFスパッ
タ装置に装着し、スパッタリングを行って電極膜13を
形成した。スパッタリングターゲットのサイズは、直径
7.62cm(3inch)、厚み5mmであり、この
スパッタリングターゲットから基板までの距離を約90
cmとした。成膜条件は、到達真空度を3×10-5
a、成膜時のガス圧を0.7〜1.0Paとした。また、
RF投入電力は100〜500Wとした。 (耐腐食性の評価)実施例1〜3及び比較例1で得られ
た電極膜13を石英基板とともに、その濃度が5体積パ
ーセント(これ以降、vol%と記載する)の塩化ナト
リウム水溶液中に常温で浸し、所定時間放置した後、経
時変化の有無を評価した。測定結果を表1に示した。な
お、金属材料中における各金属元素の組成、つまり含有
率は、重量パーセント(これ以降、wt%と記載する)
で示した。経時変化の有無の評価は測定者の目視により
行い、測定時に電極膜13の表面が全く変質しなかった
ものを○、表面が若干変質したものを△、表面が変質し
たものを×として評価した。また、塩化ナトリウム水溶
液を使用した理由は、任意で選択したレジスト材に塩素
およびナトリウム含有による腐食作用が懸念されたため
である。
【0025】
【表1】 表1の結果より、実施例1及び実施例2においては、3
0分(これ以降、minと記載する)の浸漬で電極膜1
3の表面の一部が若干白く濁るように変質した。比較例
1においては、30minの浸漬で電極膜13の表面全
体が白く濁るように変質した。実施例3においては、3
0minの浸漬では表面が変質せず、60minの浸漬
で電極膜13の表面が白く濁るように変質した。
【0026】実施例2と実施例3とを比較すると、Ti
の含有率が同じく5wt%であるにも係わらず、Agの
有無により、実施例2よりも実施例3の耐腐食性が高い
ことが示された。このため、Cuを主成分とする金属材
料にAg及びTiの2種類を添加することにより、耐腐
食性が向上するとともに、Tiの含有率は5.0wt%
以下に設定することが好ましいことが示された。
【0027】実施例3において、Ag及びTiの含有率
がそれぞれ10wt%及び5wt%では、60minの
浸漬で表面が変質するというように若干の不具合が生ず
ることが示された。そこで、以下に示す実施例では、電
極膜13を作製するための最適な条件を求めた。 (実施例4〜10)実施例1と同様に各金属原子の放出
量を制御しながらスパッタリングを行い、Tiの含有率
を実施例4〜6では0.1wt%、実施例7〜10では
0.5wt%とし、これに対してAgの含有率を変えな
がら実施例4〜10の電極膜13を形成した。そして、
各実施例で得られた電極膜13を上記の耐腐食性の評価
と同様に評価した。測定結果を表2に示した。
【0028】
【表2】 表2の結果より、実施例4〜8においては、30min
の浸漬で電極膜13の表面が白く濁るように変質した。
実施例9及び実施例10は、60minの浸漬で電極膜
13の表面が白く濁るように変質した。Agの含有率が
10wt%より高く設定された実施例5〜実施例8にお
いては、30minの浸漬で表面が変質したことから、
Agの含有率は10wt%以下に設定することが好まし
いことが示された。
【0029】一方、実施例4及び実施例9を比較する
と、Agの含有率が同じく10wt%であるにも係わら
ず、実施例4よりも実施例9の耐腐食性が高いことが示
された。このため、Cuの含有率が90wt%程度の場
合、Agの含有率をTiの含有率と比較して20倍前後
となるように設定することが好ましいことが示された。
【0030】この結果を基にして、以下に示す実施例で
は、電極膜13を作製するためのさらに最適な条件を求
めた。 (実施例11〜17)実施例1と同様に各金属原子の放
出量を制御しながらスパッタリングを行い、Agの含有
率が10wt%以下となるようにAg及びTiの含有率
をそれぞれ変えながら実施例11〜17の電極膜13を
形成した。そして、各実施例で得られた電極膜13を上
記の耐腐食性の評価と同じく、濃度が5vol%の塩化
ナトリウム水溶液中に常温で浸し、電極膜13の表面が
変質するまで放置し、変質するまでの時間を耐塩水時間
として測定してこれを評価した。なお、耐塩水時間の評
価においては、前に挙げた各実施例のうち、概ね良好な
耐腐食性を有することが示された実施例3、実施例9及
び実施例10についても併せて評価した。測定結果を表
3に示した。
【0031】
【表3】 表3の結果より、実施例3及び実施例9においては、4
0minの浸漬で電極膜13の表面が変質することが示
された。実施例10及び実施例11においては、50m
inの浸漬で電極膜13の表面が変質し、実施例3及び
実施例9よりも良好な耐腐食性を有することが示され
た。実施例12〜17においては、全ての実施例で耐塩
水時間が90min以上となり、さらに良好な耐腐食性
を有することが示された。なかでも、実施例13、実施
例14及び実施例16においては、耐塩水時間が180
minであり、最も良好な耐腐食性を有することが示さ
れた。
【0032】上記の結果のうち、実施例9及び実施例1
0を比較すると、Tiの含有率が同じく0.5wt%で
あるにも係わらず、実施例9よりも実施例10の耐腐食
性が高いことが示された。このため、Agの含有率は、
5.0wt%以下に設定することがより好ましいことが
示された。また、Agの含有率が5.0wt%以下であ
る実施例11〜13をそれぞれ比較すると、3つの実施
例の全てで耐塩水時間が50min以上であることか
ら、Tiの含有率は、2.0wt%以下に設定すること
がより好ましいと考えられる。
【0033】一方、実施例10及び実施例13を比較す
ると、両実施例ともにTiの含有率が0.5wt%であ
るにも係わらず、実施例10よりも実施例13の耐腐食
性が非常に高いことが示された。実施例10ではAgの
含有率がTiの含有率と比較して10倍、実施例13で
は2倍に設定されている。このため、Agの含有率をT
iの含有率と比較して2倍前後となるように設定するこ
とがより好ましいことが示された。
【0034】Agの含有率がTiの含有率の2倍前後が
好ましいという結果より、実施例11〜13を比較する
と、各実施例でそれぞれAgの含有率がTiの含有率と
比較して2倍であるにも係わらず、実施例12及び実施
例13は耐塩水時間が100minを越えている。これ
より、Tiの含有率は、1.0wt%以下に設定するこ
とがさらに好ましいと考えられる。この考察を基にTi
の含有率が1.0wt%以下である実施例14〜16を
検討すると、実施例14〜16の全てが耐塩水時間が1
00minを越え、良好な耐腐食性を示すことから、T
iの含有率は、1.0wt%以下に設定することがさら
に好ましいことが示された。
【0035】加えて、実施例17において、Agの含有
率がTiの含有率と比較して2倍であるにも係わらず、
耐塩水時間が90minであるという結果が得られ、実
施例12〜16と比較して耐腐食性が低くなることが示
された。この結果と、実施例13、実施例14及び実施
例16の結果とを併せると、主成分であるCuの含有率
を97〜99.5wt%に設定するとともに、Agの含
有率がTiの含有率と比較して1.5〜4.5倍の範囲
内となるようにそれぞれの含有率を設定することでさら
に良好な耐食性を付与することができることが示され
た。
【0036】なお、本実施形態は、次のように変更して
具体化することも可能である。 ・ 上記実施形態の光ディスクは、基板21、反射膜2
2及び保護層23をそれぞれ1層ずつ有するものであっ
たが、これに限定されず、例えば基板21、反射膜22
及び保護層23をそれぞれ2層づつ有する光ディスクと
してもよい。
【0037】さらに、実施形態又は実施例より把握でき
る技術的思想について記載する。 ・ 前記金属材料は、銀(Ag)元素及びチタン(T
i)元素を含有するとともに、銀(Ag)元素の含有率
を5.0重量パーセント以下に、チタン(Ti)元素の
含有率を2.0重量パーセント以下に設定したことを特
徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ディスクの製
造方法。このように構成した場合、スタンパを形成する
電極膜により良好な耐腐食性を付与することができる。
【0038】・ 前記金属材料は、銀(Ag)元素及び
チタン(Ti)元素を含有するとともに、銀(Ag)元
素の含有率を5.0重量パーセント以下に、チタン(T
i)元素の含有率を1.0重量パーセント以下に設定し
たことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光デ
ィスクの製造方法。このように構成した場合、スタンパ
を形成する電極膜にさらに良好な耐腐食性を付与するこ
とができる。
【0039】・ 前記金属材料は、銅(Cu)元素、銀
(Ag)元素及びチタン(Ti)元素を含有し、合金材
料中における銅(Cu)元素の含有率を97〜99.5
重量パーセントにするとともに、銀(Ag)元素の含有
率がチタン(Ti)元素の含有率と比較して1.5〜
4.5倍となるように設定したことを特徴とする請求項
1又は請求項2に記載の光ディスクの製造方法。このよ
うに構成した場合、スタンパを形成する電極膜にさらに
良好な耐腐食性を付与することができる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明に
よれば、電極膜の耐腐食性を向上させ、形成されるスタ
ンパを高品質なものとすることにより、S/N比の向上
が図られて品質を高度に維持した光ディスクを製造する
ことができる。
【0041】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加えて、電極膜に良好な耐腐食性
を付与することができる。請求項3に記載の発明によれ
ば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え
て、電極膜により良好な耐腐食性を付与することができ
る。
【0042】請求項4に記載の発明のによれば、請求項
1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加え
て、電極膜にさらに良好な耐腐食性を付与することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は実施形態の光ディスクの製造方法に
おいて、基材板上にレジスト膜を形成する工程を示す断
面図、(b)はレジスト膜に潜像を形成する工程を示す
断面図、(c)は潜像を現像する工程を示す断面図、
(d)はレジスト膜上に電極膜を形成する工程を示す断
面図、(e)は電鋳法により電極膜上に基材層を形成す
る工程を示す断面図、(f)はスタンパを示す断面図。
【図2】 (a)はスタンパを使用して基板を形成する
工程を示す断面図、(b)は光ディスクを示す断面図。
【図3】 (a)は従来の光ディスクの製造方法におい
て、基材板上にレジスト膜を形成する工程を示す断面
図、(b)はレジスト膜に潜像を形成する工程を示す断
面図、(c)は潜像を現像する工程を示す断面図、
(d)はレジスト膜上に電極膜を形成する工程を示す断
面図、(e)は電鋳法により電極膜上に基材層を形成す
る工程を示す断面図、(f)はスタンパを示す断面図。
【符号の説明】
11…原板、12…レジスト膜、13…電極膜、14…
金属層、15…スタンパ、21…基板、22…反射膜、
23…保護層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 哲哉 埼玉県鶴ヶ島市富士見6丁目1番1号 パ イオニア 株式会社総合研究所内 (72)発明者 小田 伸浩 東京都豊島区南大塚2丁目37番5号 株式 会社フルヤ金属内 (72)発明者 上野 崇 東京都豊島区南大塚2丁目37番5号 株式 会社フルヤ金属内 Fターム(参考) 4F202 AA28 AH79 CA11 CB01 CD12 4K029 AA08 BA21 BC01 BD00 CA05 DC03 5D121 AA02 BB01 CB05 CB06 CB07 DD05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原板の表面にレジスト膜を形成する工程
    と、 前記レジスト膜に電子ビームを照射して所定のパターン
    を形成するパターニング処理を施す工程と、 前記パターニング処理を施した後のレジスト膜の表面に
    金属材料よりなる電極膜を形成する工程と、 前記電極膜を電極として使用する電鋳法により、電極膜
    の表面に金属層を積層させ、その金属層を電極膜ととも
    にレジスト膜から剥離してスタンパを形成する工程と、 前記スタンパを成形用の金型として使用し、合成樹脂製
    の基板を射出成形する工程と、 前記基板の表面に反射膜及び保護層を積層し、光ディス
    クを製造する工程とを備え、 前記電極膜の金属材料は、銅(Cu)元素を主成分とす
    るとともに、この銅(Cu)元素に少なくとも1種の他
    の元素を添加したものであることを特徴とする光ディス
    クの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記他の元素は、銀(Ag)及びチタン
    (Ti)の少なくともいずれか1種であることを特徴と
    する請求項1に記載の光ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属材料は、銀(Ag)元素を含有
    するとともに、その銀(Ag)元素の含有率を10重量
    パーセント以下に設定したことを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の光ディスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属材料は、チタン(Ti)元素を
    含有するとともに、そのチタン(Ti)元素の含有率を
    5.0重量パーセント以下に設定したことを特徴とする
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の光ディスクの
    製造方法。
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CN100342440C (zh) * 2004-07-09 2007-10-10 精碟科技股份有限公司 模板及光信息储存媒体的制造方法

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