JP2002230690A - 走行情報提供システム、通行料金算出システムおよび制御特性適合化システム - Google Patents

走行情報提供システム、通行料金算出システムおよび制御特性適合化システム

Info

Publication number
JP2002230690A
JP2002230690A JP2001022907A JP2001022907A JP2002230690A JP 2002230690 A JP2002230690 A JP 2002230690A JP 2001022907 A JP2001022907 A JP 2001022907A JP 2001022907 A JP2001022907 A JP 2001022907A JP 2002230690 A JP2002230690 A JP 2002230690A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
tire
road
state
friction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001022907A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiro Asano
勝宏 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2001022907A priority Critical patent/JP2002230690A/ja
Publication of JP2002230690A publication Critical patent/JP2002230690A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】自車両において取得された走行情報を他車両に
おいて有効に利用可能にする。 【解決手段】自車両Aが現在走行している道路の路面で
ある現在路面の摩擦に関する状態と、その自車両Aのホ
イールに現在装着されているタイヤである現在タイヤの
表面の摩擦に関する状態とをそれぞれ推定し、それら推
定された現在路面の摩擦に関する状態と現在タイヤの表
面の摩擦に関する状態とにそれぞれ関する路面状態情報
とタイヤ状態情報とを電波を媒体として他車両Bに送信
する。他車両Bにおいては、自ら推定した現在タイヤの
表面の摩擦に関する状態と、自車両Aから受信したタイ
ヤ状態情報により表されるタイヤの表面の摩擦に関する
状態との関係と、自車両Aから受信した路面状態情報に
より表される路面の摩擦に関する状態とに基づき、他車
両Bにおける車輪の制御特性を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両において取得
された走行情報の利用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の走行中にその走行に関する走行情
報を自動的に取得し、その取得した走行情報をその車両
の運転者に表示したり、その取得した走行情報に基づ
き、その車両自体やそれの車輪を制御する技術が既に提
案されている。ここに、走行情報は、例えば、路面の摩
擦に関する状態(例えば、路面の摩擦係数μ)を含んで
いる。
【0003】その技術の一従来例が特開平11−153
518号公報に開示されている。この従来例は、車輪の
回転速度を検出する車輪速度センサの出力信号を周波数
分析し、その結果に基づき、車両が走行している路面の
摩擦に関する状態を判定する技術である。
【0004】そして、上記公報の記載からも明らかなよ
うに、従来においては、ある車両が取得した走行情報は
その車両においてのみ利用され、他の車両においては利
用されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ある車両が取
得した走行情報を他の車両において利用することが有効
である場合がある。例えば、同じ道路を2台の車両が互
いに先後して走行させられる場合、先行する車両におい
て取得された走行情報は、後続する車両においても有効
である。例えば、走行情報が、路面の摩擦に関する状態
である路面状態に関する情報を含む場合、後続車は、先
行車において取得された走行情報を利用すれば、路面状
態に適合した特性でその後続車自体やそれの車輪を制御
することが可能となるからである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】このよ
うな知見に基づき、本発明は、自車両において取得され
た走行情報を他車両において有効に利用可能にすること
を課題としてなされたものであり、本発明によって下記
各態様が得られる。各態様は、請求項と同様に、項に区
分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を
引用する形式で記載する。これは、本明細書に記載の技
術的特徴のいくつかおよびそれらの組合せのいくつかの
理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的
特徴やそれらの組合せが以下の態様に限定されると解釈
されるべきではない。
【0007】(1) ホイールにタイヤが装着されて成
る車輪を有し、その車輪が道路の路面上を転がされるこ
とによって走行させられる車両に設けられるシステムで
あって、前記車両が現在走行している道路の路面である
現在路面の摩擦に関する状態と、前記ホイールに現在装
着されているタイヤである現在タイヤの表面の摩擦に関
する状態とをそれぞれ推定する状態推定装置と、それら
推定された現在路面の摩擦に関する状態と現在タイヤの
表面の摩擦に関する状態とにそれぞれ関する路面状態情
報とタイヤ状態情報とを電波を媒体として外部に送信す
る送信装置とを含む走行情報提供システム[請求項
1]。このシステムにおいては、車両が現在走行してい
る道路の路面である現在路面の摩擦に関する状態と、そ
の車両のホイールに現在装着されているタイヤである現
在タイヤの表面の摩擦に関する状態とがそれぞれ推定さ
れ、それら推定された現在路面の摩擦に関する状態と現
在タイヤの表面の摩擦に関する状態とにそれぞれ関する
路面状態情報とタイヤ状態情報とが電波を媒体として外
部に送信される。したがって、このシステムによれば、
自車両において取得された路面の摩擦に関する状態とタ
イヤの表面の摩擦に関する状態とに関する走行情報を他
車両に直接に、または、中継局(例えば、後述の道路交
通情報センタ)または路側局(例えば、道路に設置され
た通信ポストやビーコン)を介して間接に送信すること
が可能となる。よって、このシステムによれば、他車両
であって受信機能を有するものが、自車両において取得
された路面状態情報とタイヤ状態情報とを利用すること
が可能となる。路面の摩擦に関する状態は、一般に、路
面上においてタイヤがスリップし易いか否かという観点
から定義されるが、このことからも明らかなように、路
面の摩擦に関する状態は、路面の性状単独で定義し得る
概念ではなく、タイヤの表面の摩擦に関する状態との関
係において定義し得る相対的な概念である。そのため、
自車両において取得された路面の摩擦に関する状態に関
する路面状態情報を単独で他車両に提供しても、それら
自車両と他車両との間においてタイヤの表面の摩擦に関
する状態が共通しないと、その他車両においてその路面
状態情報を有効に利用することができない。これに対
し、本項に係るシステムにおいては、自車両から路面状
態情報のみならずタイヤ状態情報も送信される。したが
って、それら情報を受信した他車両は、自車両との間に
おけるタイヤの表面の摩擦に関する状態の異同を問わ
ず、路面状態情報を有効に利用し得る。本項に係るシス
テムは、自車両が路面状態情報とタイヤ状態情報とを他
車両に、中継局も路側局も介さずに直接に送信して提供
する態様で実施することが可能である。この態様を採用
する場合には、その情報提供に中継局または路側局の介
在が不可欠ではなくなり、その情報提供のための特別な
インフラストラクチャーを構築することも不可欠でなく
なる。本項において「路面状態情報」は、一般に、現在
タイヤの現在路面に対するスリップし易さに関する情報
を含むように定義される。路面状態情報は、前述のよう
に、タイヤの表面の摩擦に関する状態に対する相対的な
概念であるが、便宜上、スリップし易い道路を低μ路、
スリップし難い路面を高μ路と定義することは可能であ
る。この「路面状態情報」に対するそのような解釈は、
下記の各項における「路面状態情報」という用語に対し
ても適用され得る。また、本項において「タイヤ状態情
報」は、タイヤの表面の摩耗量に関する情報を含むよう
に定義したり、タイヤの種類(例えば、ノーマルタイヤ
であるかスタッドレスタイヤであるか)に関する情報を
含むように定義したり、タイヤの温度に関する情報を含
むように定義することが可能である。それら摩耗量、種
類および温度は、タイヤのトレッドが路面をグリップす
る能力に影響を及ぼすタイヤパラメータのいくつかの例
である。そのようなタイヤパラメータの他の例に、タイ
ヤから路面に作用する車輪荷重がある。この「タイヤ状
態情報」に対するそのような解釈は、下記の各項におけ
る「タイヤ状態情報」という用語に対しても適用され得
る。 (2) 前記状態推定装置が、前記車輪の回転速度を検
出する車輪速度センサと、その車輪速度センサの出力信
号に基づいて前記現在路面の摩擦に関する状態と前記現
在タイヤの表面の摩擦に関する状態とを推定する推定部
とを含む(1)項に記載の走行情報提供システム。車輪
速度センサは車輪の回転速度に応じた信号を出力し、そ
の出力信号は、タイヤが接している路面の摩擦に関する
状態による影響を受け、さらに、そのタイヤの表面の摩
擦に関する状態による影響も受ける。さらに、それら2
種類の影響は、車輪速度センサの出力信号から、互いに
分離して抽出することが可能である。一方、車輪速度セ
ンサは、近年、一般的なセンサとして車両に搭載するこ
とが普及している。それらの知見に基づき、本項に係る
システムにおいては、車輪速度センサの出力信号に基づ
いて現在路面の摩擦に関する状態と現在タイヤの表面の
摩擦に関する状態とが推定される。したがって、このシ
ステムによれば、特別のセンサを使用せずに、路面状態
情報とタイヤ状態情報とを取得することが可能となる。 (3) さらに、前記車両の現在位置を検出する位置検
出装置を含み、かつ、前記送信装置が、前記路面状態情
報およびタイヤ状態情報を、前記検出された現在位置に
関する位置情報と共に、電波を媒体として外部に送信す
るものである(1)または(2)項に記載の走行情報提
供システム。このシステムにおいては、路面状態情報お
よびタイヤ状態情報が、車両の現在位置に関する位置情
報と共に、電波を媒体として外部に送信される。したが
って、それら情報を受信した他車両は、自車両において
路面状態情報およびタイヤ状態情報が取得された位置を
考慮することにより、それら路面状態情報およびタイヤ
状態情報を適正に利用することが可能となる。 (4) 車両の運転者が有料道路の通行に応じて支払う
べき通行料金の額を算出するシステムであって、前記有
料道路を通行する車両とそれの運転者との少なくとも一
方を識別する識別装置と、その識別装置による識別結果
に基づき、前記運転者が支払うべき前記通行料金の額を
算出する料金算出装置であって、前記車両が、前記有料
道路の通行中に、その有料道路の路面の摩擦に関する状
態に関する路面状態情報と、前記車両のホイールに装着
されていたタイヤの表面の摩擦に関する状態に関するタ
イヤ状態情報とを、前記車両とそれの運転者との少なく
とも一方を識別する識別情報と共に、当該システムに対
して送信した場合には、送信しない場合におけるより低
額となるように前記通行料金の額を算出するものとを含
む通行料金算出システム[請求項2]。一般に、自車両
において取得された路面状態情報とタイヤ状態情報とを
他車両に提供する場合には、提供しない場合におけるよ
り、その他車両の走行安全性を容易に向上させ得る。一
方、多くの車両の走行安全性が向上すれば、交通事故の
発生件数が減少し、交通事故に起因した道路の封鎖、渋
滞等が軽減され、その結果、道路の稼働率が向上する。
道路の稼働率が向上すれば、その道路が有料道路であれ
ば、その道路の利用者増加に伴って通行料金の収入が増
加する。一方、そのような収入の増分の一部を情報提供
の代償として自車両の運転者に還元することとすれば、
情報提供活動が促進され、情報提供、走行安全性向上、
交通事故減少、道路稼働率上昇および通行料金の増収と
いう一連の流れが円滑に循環させられることとなる。そ
れらの知見に基づき、本項に係るシステムにおいては、
車両が、有料道路の通行中に、その有料道路の路面の摩
擦に関する状態に関する路面状態情報と、その車両のホ
イールに装着されていたタイヤの表面の摩擦に関する状
態に関するタイヤ状態情報とを、その車両とそれの運転
者との少なくとも一方を識別する識別情報と共に、当該
システムに対して送信した場合には、送信しない場合に
おけるより低額となるように、有料道路の通行料金の額
が算出される。 (5) ホイールにタイヤが装着されて成る車輪を有
し、その車輪が道路の路面上を転がされることによって
走行させられる車両であって、その車輪を制御すること
によってその車輪と路面との間における摩擦を自動的に
制御する自動制御装置を備えたものに設けられるシステ
ムであって、前記車両である自車両が現在走行している
道路の路面である現在路面の摩擦に関する状態と、前記
ホイールに現在装着されているタイヤである現在タイヤ
の表面の摩擦に関する状態とのうち少なくとも現在タイ
ヤの表面の摩擦に関する状態を推定する状態推定装置
と、前記自車両が現在走行している道路と同じ道路を走
行しているかまたは過去に走行していた他車両から送信
された、その道路の路面の摩擦に関する状態に関する路
面状態情報と、その他車両のホイールにその送信時に装
着されていたタイヤの表面の摩擦に関する状態に関する
タイヤ状態情報とを受信する受信装置と、前記推定され
た現在タイヤの表面の摩擦に関する状態と、前記受信し
たタイヤ状態情報により表されるタイヤの表面の摩擦に
関する状態との関係と、前記受信した路面状態情報によ
り表される路面の摩擦に関する状態とに基づき、前記自
動制御装置による前記車輪の制御特性を決定する制御特
性決定手段とを含む制御特性適合化システム[請求項
3]。このシステムにおいては、自車両において推定さ
れた現在タイヤの表面の摩擦に関する状態と、自車両が
他車両から受信したタイヤ状態情報により表されるタイ
ヤの表面の摩擦に関する状態との関係と、自車両が他車
両から受信した路面状態情報により表される路面の摩擦
に関する状態とに基づき、自車両の自動制御装置による
車輪の制御特性が決定される。すなわち、このシステム
においては、路面の摩擦に関する状態がタイヤの表面の
摩擦に関する状態に対する相対的な概念であるという前
提のもとに、自車両の現在タイヤの表面の摩擦に関する
状態と、他車両のタイヤの表面の摩擦に関する状態との
関係(例えば、互いに同じであるか、いずれの方向に互
いに異なっているか)を考慮することにより、他車両か
ら提供された路面状態情報が自車両において利用される
のである。したがって、このシステムによれば、他車両
から提供された路面状態情報を自車両において適正に利
用することが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な一
実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】図1には、本発明の一実施形態に従う走行
情報処理システムの構成がブロック図で示されている。
この走行情報処理システムは、本発明の一側面の一実施
形態に従う走行情報提供システムと、別の側面の一実施
形態に従う制御特性適合化システムとを含んでいる。
【0010】車両は、複数の車輪10(図1においては
1個の車輪10のみが代表的に示されている)を備えた
自動車である。各車輪10は、ホイール12に、空気が
封入されたゴム製のタイヤ14が装着されて構成されて
いる。車両は、タイヤ14が路面上を転がされることに
よって走行させられる。
【0011】この車両は、それの状態を電子的に制御す
るために、例えば、アンチロック制御、トラクション制
御、車両挙動安定化制御等の車両制御を行う。この車両
制御のために、電子制御ユニット(以下、「ECU」と
いう)20と、車両の状態(例えば、各車輪10の状態
(例えば、制動トルク、スリップ率、操舵角)や、車両
の姿勢)を変化させるアクチュエータ24とを備えてい
る。例えば、アンチロック制御については、各車輪10
のブレーキの作動力を変化させるアクチュエータ24が
使用される。
【0012】この車両は、その車両制御のために、各車
輪10ごとに、車輪10の回転速度を検出する車輪速度
センサ30を備えている。車輪速度センサ30は、車輪
10の回転速度に応じた周期で振動する信号を出力す
る。ECU20は、各車輪速度センサ30によって各車
輪10の回転状態を監視しつつ、各車輪10の状態を最
適化する。
【0013】図1に示すように、複数の車輪速度センサ
30のうちの少なくとも1つである対象車輪速度センサ
30(以下、単に「車輪速度センサ30」という)は、
μ勾配検出回路34を経た経路と、経ない経路との双方
によりECU20に接続されている。
【0014】μ勾配検出回路34は、車輪速度センサ3
0の出力信号に基づき、路面のタイヤ表面に対する相対
的な摩擦係数μの、それら路面とタイヤ表面との間にお
けるスリップ率に対する変化勾配(以下、単に「μ勾
配」という)に相当する信号を生成する。このμ勾配
は、タイヤ−路面間の摩擦力とタイヤ14のスリップ率
(またはスリップ速度)との関係を表す曲線グラフにお
ける接線の傾きを意味する。
【0015】ここで、そのμ勾配の特性をさらに説明す
るに、タイヤ14の種類(例えば、ノーマルタイヤであ
るか、スタッドレスタイヤであるか)もタイヤ14の摩
耗量も同じ状況下では、μ勾配は、路面の種類がドライ
アスファルト路面である場合において大きくなるのに対
して、氷上路である場合には小さくなる。また、路面の
種類もタイヤ14の種類も同じ状況下では、μ勾配は、
タイヤ14の摩耗量が少なく、タイヤ表面凹凸が大きい
場合には大きくなるのに対して、タイヤ14の摩耗量が
多く、タイヤ表面凹凸が少ない場合には小さくなる。こ
のような特性を有するμ勾配は、車輪速度センサ30の
出力信号に反映されるため、その出力信号に対して適当
な信号処理を施すことにより、μ勾配を推定することが
可能である。
【0016】タイヤ14の特性を記述するパラメータの
一つに、タイヤ14のうちのトレッド部の弾性係数を記
述するトレッド弾性係数がある。このトレッド弾性係数
には、タイヤ14の種類がスタッドレスである場合には
小さいのに対して、ノーマルである場合には大きいとい
う性質がある。また、タイヤ14の摩耗が進むにつれ
て、トレッド弾性係数が増加するという性質もある。そ
して、タイヤ14の摩耗量が多い状況では、雨天時の路
面走行中にμ勾配が小さくなり、極端な場合にはハイド
ロプレーニング現象の発生に至る。このトレッド弾性係
数も、車輪速度センサ30の出力信号に反映されるた
め、車輪速度センサ30の出力信号に対して適当な信号
処理を施すことにより、トレッド弾性係数を推定するこ
とが可能である。
【0017】それらの事実に着目することにより、本実
施形態においては、車輪速度センサ30の出力信号に基
づいて現在路面のμ勾配と現在タイヤ14のトレッド弾
性係数とが推定され、さらに、その推定されたμ勾配に
基づいて、現在路面が現在タイヤ14との関係において
スリップし難い高μ路であるか、スリップし易い低μ路
であるかが判定される。さらにまた、その推定されたト
レッド弾性係数に基づいて、現在タイヤ14がスタッド
レスタイヤであるかノーマルタイヤであるかが推定され
るとともに、現在タイヤ14の摩耗量が推定される。
【0018】前記ECU20には、送信機40と、ナビ
ゲーション装置42と、表示器44とが接続されてい
る。
【0019】送信機40は、ECU20において作成さ
れた走行情報(後述の路面状態情報とタイヤ状態情報と
を含む)を電波を媒体として外部(後述の道路交通情報
センタ)に送信するために設けられている。
【0020】ナビゲーション装置42は、車両の現在位
置を検出するために設けられている。このナビゲーショ
ン装置42は、受信機46を搭載している。ナビゲーシ
ョン装置42は、外部(上記道路交通情報センタ)から
電波を媒体として送信された走行情報をその受信機46
を介して受信する。
【0021】表示器44は、ナビゲーション装置42の
一部として構成したり、独立して構成することが可能で
ある。いずれにしても、表示器44は、ECU20にお
いて作成された走行情報や外部から受信した走行情報の
内容を文字、画像、音声等で表示するために設けられて
いる。
【0022】この車両には、上記道路交通情報センタお
よび後述の通行料金算出システムに対して無線により送
受信を行うための通信カード50が装着可能となってい
る。この通信カード50は、通行料金算出システムから
送信された情報をナビゲーション装置42の受信機46
を介して受信し、必要な情報を記憶するとともに、必要
な情報を送信機40を介して通行料金算出システムに送
信する機能を有する。この通信カード50は、それのユ
ーザである車両の運転者を識別するための情報としてユ
ーザIDを予め記憶させられている。
【0023】図2には、ECU20の構成が概念的にブ
ロック図で示されている。ECU20は、CPU60、
ROM62およびRAM64がバス66により互いに接
続されて成るコンピュータ70を主体として構成されて
いる。
【0024】ROM62には、路面状態推定プログラ
ム、タイヤ状態推定プログラム、走行情報送信プログラ
ム、走行情報受信プログラムおよび車両制御プログラム
を始めとし、各種プログラムが予め記憶させられてい
る。
【0025】これに対して、RAM64には、自車両用
走行情報メモリ80、他車両用走行情報メモリ82およ
びトレッド弾性係数履歴メモリ84を始めとし、各種記
憶領域が設けられている。
【0026】図3には、上記路面状態推定プログラムの
内容が概念的にフローチャートにより表されている。こ
のプログラムは、車両の各回の走行開始に伴ってECU
20の電源が投入されるのに伴って、繰り返し実行され
る。
【0027】各回の実行時には、まず、ステップS1
(以下、単に「S1」で表す。他のステップについても
同じとする)において、μ勾配検出回路34からμ勾配
の最新の検出値が取り込まれ、それが今回μ勾配とされ
る。
【0028】次に、S2において、その今回μ勾配が予
め定められたしきい値より大きいか否かが判定される。
大きい場合には、判定がYESとなり、S3において、
車両が現在走行している道路の路面である現在路面が、
車輪10(正確には、車輪速度センサ30により回転速
度が検出される車輪10)に現在装着されているタイヤ
である現在タイヤ14の表面(現在路面との接触面)の
性状との関係においてスリップし難い高μ路(例えば、
ドライアスファルト路)であると推定される。これに対
して、今回μ勾配がしきい値より大きくはない場合に
は、S2の判定がNOとなり、S4において、現在路面
が現在タイヤ14の表面の性状との関係においてスリッ
プし易い低μ路(例えば、氷上路)であると推定され
る。
【0029】いずれの場合にも、その後、S5におい
て、その判定結果が、ナビゲーション装置42から取り
込まれた車両の現在位置に関連付けて、自車両用走行情
報メモリ80にストアされる。以上でこの路面状態推定
プログラムの一回の実行が終了する。
【0030】前記タイヤ状態推定プログラムは、タイヤ
14のスリップし易さが従属するパラメータとして、現
在タイヤ14の種類を推定するタイヤ種類推定プログラ
ムと、現在タイヤ14の表面の摩耗量(表面凹凸の減少
量)を推定するタイヤ摩耗量推定プログラムとを含んで
いる。
【0031】図4には、タイヤ種類推定プログラムの内
容が概念的にフローチャートで表されている。このプロ
グラムも、上記路面状態推定プログラムと同様に、車両
の各回の走行開始に伴ってECU20の電源が投入され
るのに伴って、繰り返し実行される。
【0032】各回の実行時には、まず、S11におい
て、μ勾配検出回路34を経由せずに車輪速度センサ3
0の出力信号が取り込まれる。次に、S12において、
その取り込まれた出力信号に基づき、現在タイヤ14の
トレッド弾性係数Kが推定される。
【0033】続いて、S13において、その推定された
トレッド弾性係数Kが予め定められたしきい値より小さ
いか否かが判定される。小さくはない場合には、判定が
NOとなり、S14において、現在タイヤ14がノーマ
ルタイヤであると推定される。これに対して、推定され
たトレッド弾性係数Kがしきい値より小さい場合には、
S13の判定がYESとなり、S15において、現在タ
イヤ14がスタッドレスタイヤであると推定される。
【0034】いずれの場合にも、その後、S16におい
て、上記のようにして推定された現在タイヤ14の種類
が、ナビゲーション装置42から取り込まれた車両の現
在位置に関連付けて、自車両用走行情報メモリ80にス
トアされる。以上で、このタイヤ種類推定プログラムの
一回の実行が終了する。
【0035】図5には、上記タイヤ摩耗量推定プログラ
ムの内容が概念的にフローチャートで表されている。こ
のプログラムも、上述の2つのプログラムと同様に、車
両の各回の走行開始に伴ってECU20の電源が投入さ
れるのに伴って、繰り返し実行される。
【0036】各回の実行時には、まず、S21におい
て、このプログラムの今回の実行が、それが属する一連
の走行(今回の走行)中におけるこのプログラムの初回
の実行に該当するか否かが判定される。該当しない場合
には、判定がNOとなり、直ちにこのプログラムの一回
の実行が終了する。これに対して、このプログラムの今
回の実行が、今回の走行中におけるこのプログラムの初
回の実行に該当する場合には、S21の判定がYESと
なり、S22に移行する。
【0037】このS22においては、今回の走行が、運
転者による車両の使用開始後における初回の走行(運転
者がその車両を購入した後の初回の走行)であるか否か
が判定される。今回の走行が初回の走行である場合に
は、判定がYESとなり、S23において、前記S12
におけると同様にして、車輪速度センサ30の出力信号
に基づいて現在タイヤ14のトレッド弾性係数Kが推定
され、それがトレッド弾性係数K(1)とされる。その
トレッド弾性係数K(1)はRAM64のトレッド弾性
係数履歴メモリ84に記憶される。以上でこのプログラ
ムの一回の実行が終了する。
【0038】これに対して、このプログラムの今回の実
行が初回の実行であり、かつ、今回の走行が初回の走行
ではない場合には、S21の判定はYES、S22の判
定はNOとなり、S24に移行する。
【0039】このS24においては、S23におけると
同様にして、車輪速度センサ30の出力信号に基づいて
現在タイヤ14のトレッド弾性係数Kが推定され、それ
がトレッド弾性係数K(i)とされる。ここに「i」
は、時系列的に並んだ複数回の走行のうち、トレッド弾
性係数Kの各推定値が取得された時期が属する走行の回
数(以下、「走行回数i」という)を意味する。トレッ
ド弾性係数K(i)はトレッド弾性係数履歴メモリ84
に、走行回数iに関連付けて記憶される。
【0040】その後、S25において、今回のトレッド
弾性係数K(i)が、既にトレッド弾性係数履歴メモリ
84に記憶されている過去のトレッド弾性係数Kとの関
係においてなまされる。具体的には、まず、現時点でト
レッド弾性係数履歴メモリ84に記憶されている複数の
トレッド弾性係数K(i)を、横軸に走行回数i、縦軸
にトレッド弾性係数K(i)がそれぞれ取られた座標面
上に複数の点でプロットすることを想定した場合にその
プロットされた複数の点の配列を近似的に代表する1本
の直線または曲線が想定される。次に、その1本の代表
線上において、今回の走行回数iに対応する点が、なま
しトレッド弾性係数Kを表す点として決定される。
【0041】続いて、S26において、そのなましトレ
ッド弾性係数Kの、トレッド弾性係数K(1)からの増
加量が、トレッド弾性係数増加量として算出される。そ
の後、S27において、その算出されたトレッド弾性係
数増加量に基づき、トレッド弾性係数増加量とタイヤ摩
耗量との間に予め定められた関係に従い、現在タイヤ1
4の摩耗量が推定される。図6には、上記関係の一例が
グラフで表されている。続いて、S28において、その
推定された現在タイヤ14の摩耗量が、ナビゲーション
装置42から取り込まれた車両の現在位置に関連付け
て、自車両用走行情報メモリ80にストアされる。以上
でこのプログラムの一回の実行が終了する。
【0042】なおこのプログラムにおいては、トレッド
弾性係数K(i)がトレッド弾性係数K(i−1)に対
して大きく変化し、かつ、そのような状態がその後続く
場合、すなわち、ステップ的に変化する場合には、タイ
ヤ14が別のものに交換されたと判断し、走行回数iを
クリアし、次回にS23が実行されるようになってい
る。
【0043】図7には、前記走行情報送信プログラムの
内容が概念的にフローチャートで表されている。このプ
ログラムも、上述の3つのプログラムと同様に、車両の
各回の走行開始に伴ってECU20の電源が投入される
のに伴って、繰り返し実行される。
【0044】各回の実行時には、まず、S51におい
て、通信カード50を用いることにより、車両の運転者
を識別するための情報としてユーザIDが送信機40を
介して道路交通情報センタ100(図10参照)に送信
される。次に、S52において、その送信されたユーザ
IDに基づく個人認証が道路交通情報センタ100にお
いて行われ、個人認証が成立した場合には、送信許可を
表す信号が道路交通情報センタ100から送信される。
送信拒絶を表す信号が道路交通情報センタ100から送
信された場合には、S52の判定がNOとなり、直ちに
このプログラムの一回の実行が終了する。
【0045】これに対して、上記個人認証が成立した場
合には、送信許可を表す信号が道路交通情報センタ10
0から送信され、その結果、S52の判定がYESとな
る。この場合、その後、S53において、自車両用走行
情報メモリ80から最新の路面状態の推定結果が路面状
態情報として、送信機40を介して道路交通情報センタ
100に送信される。続いて、S54において、自車両
用走行情報メモリ80からタイヤ種類およびタイヤ摩耗
量の推定結果がタイヤ状態情報として、送信機40を介
して道路交通情報センタ100に送信される。その後、
S55において、ナビゲーション装置42により車両の
現在位置が検出され、その検出された現在位置が位置情
報として、送信機40を介して道路交通情報センタ10
0に送信される。
【0046】以上で、この走行情報送信プログラムの一
回の実行が終了する。
【0047】それら路面状態情報とタイヤ状態情報と位
置情報とを互いに関連付けて受信した道路交通情報セン
タ100は、それらの情報を他の車両において利用可能
とするため、すべての車両に向けて送信する。
【0048】図8には、前記走行情報受信プログラムの
内容が概念的にフローチャートで表されている。このプ
ログラムも、上述の4つのプログラムと同様に、車両の
各回の走行開始に伴ってECU20の電源が投入される
のに伴って、繰り返し実行される。
【0049】各回の実行時には、まず、S71におい
て、道路交通情報センタ100から送信された路面状態
情報が受信機46を介して受信される。次に、S72に
おいて、道路交通情報センタ100から送信されたタイ
ヤ状態情報が受信機46を介して受信される。その後、
S73において、道路交通情報センタ100から送信さ
れた位置情報が受信機46を介して受信される。受信さ
れた各種の走行情報はいずれも、互いに関連付けて、他
車両用走行情報メモリ82に記憶される。以上で、この
走行情報受信プログラムの一回の実行が終了する。
【0050】図9には、前記車両制御プログラムの内容
が概念的にフローチャートで表されている。このプログ
ラムも、上述の5つのプログラムと同様に、車両の各回
の走行開始に伴ってECU20の電源が投入されるのに
伴って、繰り返し実行される。
【0051】各回の実行時には、まず、S91におい
て、ナビゲーション装置42から車両の現在位置が取り
込まれる。次に、S92において、その取り込まれた車
両の現在位置に対応する路面状態情報(すなわち、自車
両における路面状態の推定結果)が自車両用走行情報メ
モリ80に存在するか否かが判定される。
【0052】存在する場合には、判定がYESとなり、
S93において、その存在する路面状態情報が自車両用
走行情報メモリ80から読み出される。その後、S94
において、その読み込まれた路面状態情報に基づき、そ
の路面状態情報により表される現在路面の摩擦に関する
状態に適合するように、アクチュエータ24による車輪
10の制御特性が決定される。例えば、現在路面がドラ
イアスファルト路面である場合には、路面に対してタイ
ヤ14がスリップし難く、大きな摩擦力を発生可能な走
行環境であることを考慮して制御特性が決定されるのに
対し、現在路面が氷上路面である場合には、路面に対し
てタイヤ14がスリップし易い走行環境であることを考
慮して制御特性が決定される。
【0053】続いて、S95において、その決定された
制御特性に従ってアクチュエータ24が駆動され、それ
により、車輪10が制御される。以上で、この車両制御
プログラムの一回の実行が終了する。
【0054】これに対して、S91において取り込まれ
た車両の現在位置に対応する路面状態情報が自車両用走
行情報メモリ80に存在しない場合には、S92の判定
がNOとなり、S96において、その取り込まれた現在
位置に対応する路面状態情報とタイヤ状態情報とが他車
両用走行情報メモリ82から読み出される。
【0055】その後、S97において、タイヤ状態情報
(すなわち、自車両におけるタイヤ種類およびタイヤ摩
耗量の推定結果)が自車両用走行情報メモリ80から読
み出される。
【0056】続いて、S98において、その自車両用走
行情報メモリ80から読み出されたタイヤ状態情報によ
り表される自車両の現在タイヤ14の表面の摩擦に関す
る状態と、他車両用走行情報メモリ82から読み出され
たタイヤ状態情報により表される他車両のタイヤの表面
の摩擦に関する状態との関係と、他車両用走行情報メモ
リ82から読み出された路面状態情報により表される路
面の摩擦に関する状態すなわち現在路面の摩擦に関する
状態とに基づき、現在タイヤ14の表面の摩擦に関する
状態と現在路面の摩擦に関する状態とに適合するよう
に、アクチュエータ24による車輪10の制御特性が決
定される。
【0057】このS98においては、上記S94におけ
ると同様にして制御特性が決定されるが、路面の摩擦に
関する状態に関してS98において利用し得る情報は、
他車両用走行情報メモリ82から読み出した、他車両の
タイヤとの関係において取得された路面状態情報であっ
て、自車両の現在タイヤ14との関係において取得され
た路面状態情報ではない。このような他車両のタイヤと
の関係において取得された路面状態情報を利用せざるを
得ない場合には、他車両のタイヤの表面の摩擦に関する
状態と自車両の現在タイヤ14の表面の摩擦に関する状
態との関係を考慮することが必要である。
【0058】そこで、このS98においては、自車両の
現在タイヤ14の表面の摩擦に関する状態と、他車両の
タイヤの表面の摩擦に関する状態との関係を考慮した上
で、他車両用走行情報メモリ82から読み出された路面
状態情報により表される路面の摩擦に関する状態に基づ
き、制御特性が決定される。具体的には、例えば、自車
両の現在タイヤ14と他車両のタイヤとの違いを無視す
ることにより、他車両用走行情報メモリ82から読み出
された路面状態情報により表される路面の摩擦に関する
状態に基づいて制御特性を決定した場合のその制御特性
が、自車両の現在タイヤ14を他車両のタイヤに仮想的
に置き換えた場合に自車両のタイヤ14の回転状態に現
れることとなる変化を打ち消すために制御特性を変化さ
せることが必要である向きおよび量で変更されることに
より、自車両に最適な制御特性が決定される。
【0059】なお、自車両のワイパーの作動状態から、
自車両が現在走行している路面が濡れているか否かを検
出できれば、タイヤ摩耗によりμ勾配が小さくなる量を
補正することも可能である。
【0060】続いて、S95において、その決定された
制御特性に従ってアクチュエータ24が駆動され、それ
により、車輪10が制御される。以上で、この車両制御
プログラムの一回の実行が終了する。
【0061】この車両がある有料道路を通行する際に通
行料金算出システム102(図11参照)が利用され
る。この通行料金算出システム102は、図10に示す
通行料金管理センタ110において使用される。同図に
おいて、Aは自車両を示し、Bは他車両を示す。
【0062】通行料金管理センタ110は、有料道路を
使用する運転者がその通行料金管理センタ110に対し
て支払うべき通行料金を算出する。通行料金管理センタ
110の通行料金算出システム102は、道路交通情報
センタ100と通信可能とされている。通行料金管理セ
ンタ110は、ある運転者について通行料金を算出する
際、その運転者がその有料道路の走行中に前記走行情報
を道路交通情報センタ100に送信したか否かを判断
し、送信した場合には、通行料金の通常額を割引した額
を、その運転者に対する請求額として算出し、一方、送
信しなかった場合には、通行料金の通常額をその運転者
に対する請求額として算出する。
【0063】図10に示すように、有料道路の開始位置
には入口ゲート120、終了位置には出口ゲート122
が設置されている。それら2つのゲート120,122
にはそれぞれ、その有料道路への車両の通過を検出する
車両センサ130,132が設置されている。それら2
つの車両センサ130,132の出力信号は通行料金管
理センタ110に供給される。
【0064】図11に示すように、通行料金算出システ
ム102は、コンピュータ140を主体として構成され
ている。このコンピュータ140は、プロセシングユニ
ット142(以下、「PU」と略称する)とメモリ14
4とがバス146により互いに接続されて構成されてい
る。メモリ144は、ROM,RAM,磁気ディスク,
光ディスク等の記録媒体を含むように構成される。この
メモリ144には、通行料金算出プログラムを始めと
し、各種プログラムが予め記憶されている。
【0065】通行料金算出システム102は、コンピュ
ータ140に接続された送信機150と受信機152と
を備えている。通行料金算出システム102は、それら
送信機150と受信機152とにより、車両に対する電
波による送受信を行うようになっている。
【0066】図12には、その通行料金算出プログラム
の内容が概念的にフローチャートで表されている。この
プログラムにおいては、まず、S101において、入口
ゲート120において車両が車両センサ130により検
出されたか否かが判定される。検出された場合には、S
102において、通行料金管理センタ110から入口情
報がその車両に対して送信される。入口情報は、その入
口ゲート120を識別する情報としての入口ゲート番号
を含んでいる。
【0067】その後、S103において、その入口情報
を受信して記憶した車両がその受信に応答してカード情
報を送信し、そのカード情報を通行料金管理センタ11
0が受信したか否かが判定される。カード情報は、通信
カード50のユーザのユーザIDを含んでいる。カード
情報を受信しなかった場合には、判定がNOとなり、S
104において、カード情報を受信できない異常時であ
るとして、その異常に対する処理が行われる。これに対
して、カード情報を受信した場合には、S103の判定
がYESとなり、S104がスキップされる。
【0068】その後、図示しない適当なステップが実行
された後、S111において、出口ゲート122におい
て車両が車両センサ132により検出されたか否かが判
定される。検出された場合には、S112において、通
行料金管理センタ110から出口情報がその車両に対し
て送信される。出口情報は、その出口ゲート122を識
別する情報としての出口ゲート番号を含んでいる。
【0069】その後、S113において、その出口情報
を受信した車両がその受信に応答して必要な情報を送信
し、その必要な情報を通行料金管理センタ110が受信
したか否かが判定される。必要な情報は、通信カード5
0のユーザのユーザIDと、入口ゲート番号とを含んで
いる。必要な情報を受信しなかった場合には、判定がN
Oとなり、S114において、必要な情報を受信できな
い異常時であるとして、その異常に対する処理が行われ
た後、この通行料金算出プログラムの一回の実行が終了
する。これに対して、必要な情報を受信した場合には、
S113の判定がYESとなり、S115に移行する。
【0070】このS115においては、その車両が有料
道路の走行中に走行情報を道路交通情報センタ100に
提供したか否かが判定される。提供した場合には、判定
がYESとなり、S116において、入口ゲート番号と
出口ゲート番号とに応じた通行料金の通常額が割引され
ることにより、今回の車両の運転者に対する請求額が算
出される。これに対して、走行情報を提供しなかった場
合には、S115の判定がNOとなり、S117におい
て、通行料金の通常額を割引しないで請求額が算出され
る。以上で、この通行料金算出プログラムの一回の実行
が終了する。
【0071】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、車輪速度センサ30とμ勾配検出回路3
4とECU20のうち図3の路面状態推定プログラム、
図4のタイヤ種類推定プログラムおよび図5のタイヤ摩
耗量推定プログラムを実行する部分とが互いに共同して
請求項1における「状態推定装置」の一例を構成し、送
信機40とECU20のうち図7の走行情報送信プログ
ラムを実行する部分とが互いに共同して同請求項におけ
る「送信装置」の一例を構成しているのである。
【0072】さらに、本実施形態においては、受信機1
52とコンピュータ140のうち図12のS113を実
行する部分とが互いに共同して請求項2における「識別
装置」の一例を構成し、車両センサ130,132と送
信機150と受信機152とコンピュータ140のうち
図12の通行料金算出プログラムのうちのS113を除
く複数のステップを実行する部分とが互いに共同して同
請求項における「料金算出装置」の一例を構成している
のである。
【0073】さらに、本実施形態においては、アクチュ
エータ24とECU20のうち図9のS95を実行する
部分とが互いに共同して請求項3における「自動制御装
置」の一例を構成し、車輪速度センサ30とμ勾配検出
回路34とECU20のうち図3の路面状態推定プログ
ラム、図4のタイヤ種類推定プログラムおよび図5のタ
イヤ摩耗量推定プログラムを実行する部分とが互いに共
同して同請求項における「状態推定装置」の一例を構成
し、受信機46とECU20のうち図8の走行情報受信
プログラムを実行する部分とが互いに共同して同請求項
における「受信装置」の一例を構成し、ECU20のう
ち図9のS91,S92およびS96ないしS98を実
行する部分が同請求項における「制御特性決定手段」の
一例を構成しているのである。
【0074】以上、本発明の一実施形態を図面に基づい
て詳細に説明したが、これは例示であり、前記[課題を
解決するための手段および発明の効果]の欄に記載の態
様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、
改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に従う走行情報処理システ
ムのハードウエア構成を示すブロック図である。
【図2】図1におけるECU20の構成を概念的に示す
ブロック図である。
【図3】図2における路面状態推定プログラムの内容を
概念的に表すフローチャートである。
【図4】図2におけるタイヤ状態推定プログラムの一部
であるタイヤ種類推定プログラムの内容を概念的に表す
フローチャートである。
【図5】図2におけるタイヤ状態推定プログラムの一部
であるタイヤ摩耗量推定プログラムの内容を概念的に表
すフローチャートである。
【図6】図5のタイヤ摩耗量推定プログラムにおいて使
用されるトレッド弾性係数増加量とタイヤ摩耗量との関
係を示すグラフである。
【図7】図2における走行情報送信プログラムの内容を
概念的に表すフローチャートである。
【図8】図2における走行情報受信プログラムの内容を
概念的に表すフローチャートである。
【図9】図2における車両制御プログラムの内容を概念
的に表すフローチャートである。
【図10】図1の走行情報処理システムが搭載された車
両により利用される通行料金算出システム102を概念
的に説明するための図である。
【図11】図10の通行料金算出システム102のハー
ドウエア構成を概念的に示すブロック図である。
【図12】図11における通行料金算出プログラムの内
容を概念的に表すフローチャートである。
【符号の説明】
10 車輪 12 ホイール 14 タイヤ 20 電子制御ユニットECU 24 アクチュエータ 30 車輪速度センサ 100 道路交通情報センタ 102 通行料金算出システム 110 通行料金管理センタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホイールにタイヤが装着されて成る車輪
    を有し、その車輪が道路の路面上を転がされることによ
    って走行させられる車両に設けられるシステムであっ
    て、 前記車両が現在走行している道路の路面である現在路面
    の摩擦に関する状態と、前記ホイールに現在装着されて
    いるタイヤである現在タイヤの表面の摩擦に関する状態
    とをそれぞれ推定する状態推定装置と、 それら推定された現在路面の摩擦に関する状態と現在タ
    イヤの表面の摩擦に関する状態とにそれぞれ関する路面
    状態情報とタイヤ状態情報とを電波を媒体として外部に
    送信する送信装置とを含む走行情報提供システム。
  2. 【請求項2】 車両の運転者が有料道路の通行に応じて
    支払うべき通行料金の額を算出するシステムであって、 前記有料道路を通行する車両とそれの運転者との少なく
    とも一方を識別する識別装置と、 その識別装置による識別結果に基づき、前記運転者が支
    払うべき前記通行料金の額を算出する料金算出装置であ
    って、前記車両が、前記有料道路の通行中に、その有料
    道路の路面の摩擦に関する状態に関する路面状態情報
    と、前記車両のホイールに装着されていたタイヤの表面
    の摩擦に関する状態に関するタイヤ状態情報とを、前記
    車両とそれの運転者との少なくとも一方を識別する識別
    情報と共に、当該システムに対して送信した場合には、
    送信しない場合におけるより低額となるように前記通行
    料金の額を算出するものとを含む通行料金算出システ
    ム。
  3. 【請求項3】 ホイールにタイヤが装着されて成る車輪
    を有し、その車輪が道路の路面上を転がされることによ
    って走行させられる車両であって、その車輪を制御する
    ことによってその車輪と路面との間における摩擦を自動
    的に制御する自動制御装置を備えたものに設けられるシ
    ステムであって、 前記車両である自車両が現在走行している道路の路面で
    ある現在路面の摩擦に関する状態と、前記ホイールに現
    在装着されているタイヤである現在タイヤの表面の摩擦
    に関する状態とのうち少なくとも現在タイヤの表面の摩
    擦に関する状態を推定する状態推定装置と、 前記自車両が現在走行している道路と同じ道路を走行し
    ているかまたは過去に走行していた他車両から送信され
    た、その道路の路面の摩擦に関する状態に関する路面状
    態情報と、その他車両のホイールにその送信時に装着さ
    れていたタイヤの表面の摩擦に関する状態に関するタイ
    ヤ状態情報とを受信する受信装置と、 前記推定された現在タイヤの表面の摩擦に関する状態
    と、前記受信したタイヤ状態情報により表されるタイヤ
    の表面の摩擦に関する状態との関係と、前記受信した路
    面状態情報により表される路面の摩擦に関する状態とに
    基づき、前記自動制御装置による前記車輪の制御特性を
    決定する制御特性決定手段とを含む制御特性適合化シス
    テム。
JP2001022907A 2001-01-31 2001-01-31 走行情報提供システム、通行料金算出システムおよび制御特性適合化システム Pending JP2002230690A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001022907A JP2002230690A (ja) 2001-01-31 2001-01-31 走行情報提供システム、通行料金算出システムおよび制御特性適合化システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001022907A JP2002230690A (ja) 2001-01-31 2001-01-31 走行情報提供システム、通行料金算出システムおよび制御特性適合化システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002230690A true JP2002230690A (ja) 2002-08-16

Family

ID=18888250

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001022907A Pending JP2002230690A (ja) 2001-01-31 2001-01-31 走行情報提供システム、通行料金算出システムおよび制御特性適合化システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002230690A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009026157A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Denso Corp スリップ情報伝達システム
JP2009123153A (ja) * 2007-11-19 2009-06-04 Aisin Aw Co Ltd 運転支援システム、運転支援方法及びコンピュータプログラム
JP2013206279A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Aisin Aw Co Ltd スリップ値記録システム、車載端末、サーバ、スリップ値記録方法およびスリップ値記録プログラム
CN103413448A (zh) * 2013-06-25 2013-11-27 同济大学 一种山区高速公路连续长大纵坡路段货车智能预警系统
WO2018230174A1 (ja) * 2017-06-15 2018-12-20 日立オートモティブシステムズ株式会社 車両制御システム
CN111999241A (zh) * 2019-05-27 2020-11-27 株式会社捷太格特 路面摩擦系数预测系统
JP2020193849A (ja) * 2019-05-27 2020-12-03 株式会社ジェイテクト タイヤ状態判定システム

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009026157A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Denso Corp スリップ情報伝達システム
JP2009123153A (ja) * 2007-11-19 2009-06-04 Aisin Aw Co Ltd 運転支援システム、運転支援方法及びコンピュータプログラム
JP2013206279A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Aisin Aw Co Ltd スリップ値記録システム、車載端末、サーバ、スリップ値記録方法およびスリップ値記録プログラム
CN103413448A (zh) * 2013-06-25 2013-11-27 同济大学 一种山区高速公路连续长大纵坡路段货车智能预警系统
CN103413448B (zh) * 2013-06-25 2016-04-20 同济大学 一种山区高速公路连续长大纵坡路段货车智能预警系统
WO2018230174A1 (ja) * 2017-06-15 2018-12-20 日立オートモティブシステムズ株式会社 車両制御システム
JPWO2018230174A1 (ja) * 2017-06-15 2019-12-12 日立オートモティブシステムズ株式会社 車両制御システム
CN111999241A (zh) * 2019-05-27 2020-11-27 株式会社捷太格特 路面摩擦系数预测系统
JP2020193849A (ja) * 2019-05-27 2020-12-03 株式会社ジェイテクト タイヤ状態判定システム
JP7338240B2 (ja) 2019-05-27 2023-09-05 株式会社ジェイテクト タイヤ状態判定システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11549809B2 (en) Road surface state determination device and tire system
JP7141863B2 (ja) タイヤ摩耗状態推定システムおよび方法
JP5121452B2 (ja) 路面状態推定方法、路面状態推定用タイヤ、路面状態推定装置、及び、車両制御装置
CN108375540B (zh) 用于确定地面摩擦系数的侵入式主动动态测试
EP1495904B1 (en) Road-surface friction coefficient estimating device and road-surface friction coefficient estimating method
JP3150893B2 (ja) タイヤ識別方法および装置
US10576985B2 (en) Method and device for operating a driver assistance system, and driver assistance system
CN108058709B (zh) 用于运行驾驶员辅助系统的方法和设备、驾驶员辅助系统
US20150239298A1 (en) Method, control device and system for determining a tread depth of a tread of a tire
JP5993804B2 (ja) タイヤ接地状態推定方法
US6704636B2 (en) Tire parameter estimation device and road surface judgment device
US11866053B2 (en) Method and device for predicting a customized coefficient of friction for a vehicle on a section of road
US20220172280A1 (en) Incentivizing and/or penalizing vehicle renters based on telematics data
JP2002230690A (ja) 走行情報提供システム、通行料金算出システムおよび制御特性適合化システム
KR20090047249A (ko) 노면 상태 검출을 통한 차량 안전제어방법
JP2023540204A (ja) 温度上昇データを使用する車両タイヤ位置特定システム及び方法
KR20040091154A (ko) 타이어 압력 손실의 검출을 개선하기 위한 오프로드 검출방법 및 그 장치
SE544696C2 (en) Method and control arrangement for determining momentary tire wear rate of a wheel of a vehicle
CN107719373B (zh) 用于估计路面摩擦的方法和系统
KR20150044133A (ko) 차량용 미끄러짐 방지 장치의 제어방법
CN112537314A (zh) 用于确定湿路状况的系统和方法
JP4171174B2 (ja) タイヤ識別装置および方法
JP5705051B2 (ja) 路面状態推定方法、及び路面状態推定装置
CN105857303A (zh) 车辆侧滑的预防方法及系统
JP5908953B2 (ja) 車両制御方法及び路面状態警告方法