JP2002228828A - 光学フィルター、前面板及び画像表示装置 - Google Patents

光学フィルター、前面板及び画像表示装置

Info

Publication number
JP2002228828A
JP2002228828A JP2001024351A JP2001024351A JP2002228828A JP 2002228828 A JP2002228828 A JP 2002228828A JP 2001024351 A JP2001024351 A JP 2001024351A JP 2001024351 A JP2001024351 A JP 2001024351A JP 2002228828 A JP2002228828 A JP 2002228828A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical filter
layer
wavelength range
visible
transmittance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001024351A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Ikuhara
功 生原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001024351A priority Critical patent/JP2002228828A/ja
Publication of JP2002228828A publication Critical patent/JP2002228828A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】製造適性に優れ、それ自身は無彩色で色補正機
能に優れ、表面が傷つきにくく、優れた耐久性を有する
多機能の光学フィルターおよびこれを用いた機械的強度
に優れる前面板ならびに画像表示装置を提供する。 【解決手段】無張力下で120℃、30秒間の熱処理を
施したとき、該熱処理前後でのMD方向(縦方向)とT
D方向(横方向)との寸法変化率の平均値が0〜0.1
%の範囲にある光学フィルター、それを用いた前面板及
び画像表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視光を吸収する
可視フィルター層と熱処理前後で寸法変化率の小さい透
明支持体からなる光学フィルターに関する。別の観点か
らすれば、本発明は、液晶表示装置(LCD)、プラズ
マディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッ
センスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CR
T)、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイのような画
像表示装置の表示に好ましく用いられる、反射防止、赤
外線遮蔽、電磁波遮蔽および色再現性改良のために取り
付け、優れた耐擦傷性、表面硬度および衝撃強度を有
し、フィルター自体の色が無彩色化された光学フィルタ
ーに関する。さらに、本発明は、反射防止、赤外線遮
蔽、電磁波遮蔽および色再現性を改良し、優れた耐擦傷
性、表面硬度および衝撃強度を有し、フィルター自体の
色が無彩色化された光学フィルターを備えた機械的強度
に優れたプラズマディスプレイパネル(PDP)本体お
よびPDP前面板等の画像表示装置にも関する。
【0002】
【従来の技術】近年、多種の画像表示装置(ディスプレ
イ)、例えば、液晶表示装置(LCD)、プラズマディ
スプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンス
ディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)、
蛍光表示管、電界放射型ディスプレイの開発とこれらを
組み込んだ機器が実用化されている。これらの画像表示
装置は、様々な問題、例えば、表示素子の色純度や色分
離が不十分な問題、ディスプレイ上に背景が映り込むこ
とでコントラストが低下する問題、表示素子に起因する
赤外線や電磁波の外部漏洩の問題等を抱えている。これ
らのそれぞれの問題に対しては、例えば、色分離のため
の可視フィルター、反射防止膜、赤外線遮蔽フィルタ
ー、電磁波遮蔽フィルター等をディスプレイの前面に用
いることが提案されている。
【0003】しかしながら、これらの各フィルターはそ
れぞれがディスプレイの種類により多様な課題を要求さ
れる。例えば色分離のための可視フィルターは、表示素
子の特性に応じたシャープな吸収体を形成する必要があ
り、これ以外にもガラス練り込み等の耐熱化、物理性強
化が求められる。また反射防止膜は、可視光の全領域で
理想的な反射率を得るためには多層化が必要となり、蒸
着法や塗布法で多層膜を形成するには工程上の困難さや
コスト高の問題を伴う。さらに、反射防止膜の支持体と
してプラスチックフィルムを用いた場合には、表面に傷
を付きにくくするためにハードコート処理を施すことが
求められる。従って、ディスプレイの前面に置く光学フ
ィルターに多くの機能を持たせようとすると、それぞれ
の機能のフィルターに要求される特性のほかに、1つの
機能が他の機能を妨げてはならないという制約が生じ
る。そのため、多機能の光学フィルターは未だ実用には
到っていない。
【0004】多機能の光学フィルターを開発するにあた
っては、組合わせる機能に応じた種々の課題を解決する
必要がある。1つの例として、反射防止機能と、色補正
のための可視フィルターを組合わせる場合を例として説
明する。反射防止膜を構成している部材、例えば透明支
持体あるいはハードコート層を着色することにより可視
フィルターの機能をも持たせる試みが以前より行われて
いる。しかしながら、この場合には透明支持体やハード
コート層に添加できる染料や顔料は、種類が非常に限ら
れる。その理由としては、透明支持体は、通常はプラス
チックから製造されることが多く、またはガラスからも
製造される。そのため、透明支持体に添加する染料や顔
料には、支持体の製造時の温度に耐えられる程度の非常
に高い耐熱性が要求される。一方ハードコート層は、一
般に架橋しているポリマーを含む層である。ポリマーの
架橋反応は、層の塗布後に加熱したり光等を照射したり
して実施する。この架橋のための反応条件では退色して
しまう染料や顔料が多いなどの理由による。さらに色補
正に使用する染料または顔料には、画像表示装置の種類
に応じて、様々な吸収スペクトル特性が要求される。上
記の理由で色補正に使用する染料や顔料の種類が限られ
ると、適切な補正を行うことが難しくなる。上記染料ま
たは顔料に関する制約を避けるため、着色層を透明支持
体やハードコート層ではなく、穏和な条件で形成できる
ポリマー層に染料や顔料を添加し、独立の可視フィルタ
ー層として設けることが容易に考えられる。しかしこの
着色ポリマー層は、透明支持体(プラスチックまたはガ
ラス)や反射防止膜を構成する層との親和性が低く、剥
離等の故障を起こしやすい欠点がある。また、これとは
別に画像表示装置を色補正するための可視フィルター層
自身が着色して見え、画像の視認性に劣る、色補正が十
分でない、画像を表示していない時の画面の色が好まれ
ない等の問題があり無彩色化した可視フィルターが望ま
れていた。
【0005】さらに、ハードコート処理を施す場合、ハ
ードコート層塗布後の光学フィルター製造工程中に高温
に曝された場合や、或いは完成品を画像表示装置の前面
に配置して使用し長期間にわたり比較的高い温度に曝さ
れた場合に、ハードコート層にクラックが発生し、剥が
れるという問題がしばしば生じる。これはプラスチック
透明支持体の熱による寸法変化が大きい場合に生じ、透
明支持体が熱により大きく膨張または収縮し、ハードコ
ート層とプラスチック透明支持体間に大きな応力が発生
するためであると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、多機能の
光学フィルターは、その材料に制約があることと、各機
能のフィルター層の配列を工夫することが必要となる。
しかしながら、1つの支持体に多くの機能を持たせよう
とすると、裏表の2面に多数の機能層を積層しなければ
ならず、各層の配列や材料等の工夫だけで全ての機能を
実用上問題無く付与することは極めて難しかった。従っ
て、本発明の目的は、製造適性に優れ、それ自身は無彩
色で色補正機能に優れ、表面が傷つきにくく、優れた耐
久性を有する多機能の光学フィルターおよびこれを用い
た機械的強度に優れる前面板ならびに画像表示装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的は、下記構成の光学フィルター、前面板及び
画像表示装置により達成される。 1.無張力下で120℃、30秒間の熱処理を施したと
き、該熱処理前後でのMD方向(縦方向)とTD方向
(横方向)との寸法変化率の平均値が0〜0.1%の範
囲にある透明支持体上に、染料あるいは顔料とポリマー
バインダーとを含有する可視光を吸収する可視フィルタ
ー層を有することを特徴とする光学フィルター。 2.透明支持体の熱処理前後での寸法変化率の平均値が
0〜0.07%の範囲にあることを特徴とする上記1に
記載の光学フィルター。 3.透明支持体の熱処理前後での寸法変化率の平均値が
0〜0.03%の範囲にあることを特徴とする上記2に
記載の光学フィルター。 4.透明支持体上に染料あるいは顔料とポリマーバイン
ダーとを含有する可視光を吸収する可視フィルター層を
有し、無張力下で120℃、30秒間の熱処理を施した
とき、該熱処理前後でのMD方向(縦方向)とTD方向
(横方向)との寸法変化率の平均値が0〜0.1%の範
囲にあることを特徴とする光学フィルター。 5.熱処理前後での寸法変化率の平均値が0〜0.07
%の範囲にあることを特徴とする上記4に記載の光学フ
ィルター。 6.熱処理前後での寸法変化率の平均値が0〜0.03
%の範囲にあることを特徴とする上記5に記載の光学フ
ィルター。 7.赤外線遮蔽機能及び電磁波遮蔽機能のうちの少なく
ともいずれかの機能を持つ遮蔽フィルター層を1層以上
有することを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の
光学フィルター。 8.赤外線遮蔽機能を持つ遮蔽フィルター層が、赤外線
領域に吸収を有する色素を含有することを特徴とする上
記7に記載の光学フィルター。 9.赤外線領域に吸収を有する色素が、750〜850
nm、851〜950nm及び951〜1100nmの
波長範囲にそれぞれ吸収極大を有することを特徴とする
上記8に記載の光学フィルター。 10.ハードコート層を有することを特徴とする上記1
〜9のいずれかに記載の光学フィルター。 11.透明支持体の屈折率より低い屈折率を有する反射
防止層を有することを特徴とする上記1〜10のいずれ
かに記載の光学フィルター。 12.可視フィルター層が、560〜620nmの波長
範囲に透過率が0.01〜50%の吸収極大を有する上
記1〜11のいずれかに記載の光学フィルター。 13.可視フィルター層が560〜620nmの波長範
囲に透過率が0.01〜50%の吸収極大を有し、且つ
該可視フィルター層の380〜440nmの波長範囲に
おける平均透過率が70%以下であることを特徴とする
上記1〜11のいずれかに記載の光学フィルター。 14.可視フィルター層が500〜550nmの波長範
囲に透過率が20〜85%の吸収極大と560〜620
nmの波長範囲に透過率が0.01〜50%の吸収極大
とを有し、且つ該可視フィルター層の380〜440n
mの波長範囲における平均透過率が70%以下であるこ
とを特徴とする上記1〜11のいずれかに記載の光学フ
ィルター。 15.可視フィルター層が、500〜550nmの波長
範囲に透過率が20〜85%の吸収極大を、そして56
0〜620nmの波長範囲に透過率が0.01〜50%
の吸収極大を有することを特徴とする上記1〜11のい
ずれかに記載の光学フィルター。 16.可視フィルター層が460〜500nmの波長範
囲および500〜550nmの波長範囲のにいずれも透
過率が20〜85%の吸収極大を、560〜620nm
の波長範囲に透過率が0.01〜50%の吸収極大をそ
れぞれ有し、380〜440nmの波長範囲における平
均透過率が70%以下であることを特徴とする上記1〜
11のいずれかに記載の光学フィルター。 17.可視フィルター層の560〜620nmの波長範
囲の吸収極大の半値幅が50nm以下であることを特徴
とする上記12〜16のいずれかに記載の光学フィルタ
ー。 18.光学フィルターを用いた画像表示装置前面を標準
の光D65により照明した場合の画像表示装置前面の色
が下記式(I)で表される範囲にあることを特徴とする
上記1〜17のいずれかに記載の光学フィルター。 0≦|a*|≦10、0≦|b*|≦10 ………(I) 式(I)中、a*,b*は、CIE 1976 L*a
*b*色空間におけるa*,b*値であり、JIS Z
8729 に従い表示される。 19.上記1〜18のいずれかに記載の光学フィルター
を用いたことを特徴とするプラズマディスプレイパネル
の前面板。 20.上記1〜18のいずれかに記載の光学フィルター
を用いたことを特徴とする画像表示装置。 21.プラズマディスプレイパネルであることを特徴と
する上記20記載の画像表示装置。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の画像表示装置に用いられ
る光学フィルターの代表的な層構成を、図面を参照しな
がら説明する。以下、陰極管表示装置(CRT)および
プラズマディスプレイパネル(PDP)用の光学フィル
ターまたは光学フィルターを有した前面板として使用す
る場合の層構成について説明する。
【0009】図1は陰極管表示装置(CRT)またはプ
ラズマディスプレイパネル(PDP)の本体1の前面に
本発明の光学フィルター3または前面板4を用いた場合
の概略断面図である。図1(a)は、本体1に各種のフィ
ルター層やハードコート層、反射防止層等が光学フィル
ターの支持体の片側または両側に設けられているプラス
チック支持体を含む光学フィルター3を直貼りした場合
の概念図である。図1(b)は、本体1と前面板4との間
に空間があり、各種フィルター層やハードコート層、反
射防止層からなる光学フィルターまたはその一部3が前
面板の支持体2の両面に設けられている場合の概念図で
ある。なお、「その一部」というのは、通常内面のフィ
ルムには外面フィルムに機能付与して内面にあえて付与
しない機能あるいはハードコート層など本来必要のない
機能を付与しないのでこのように表現した。本発明にお
いて、「前面板」とは、各種のフィルター層やハードコ
ート層、反射防止層からなる光学フィルターまたはその
一部を、別の支持体(プラスチックまたは透明ガラス
等)の片側または両側に積層したものであって、ディス
プレイ装置と観察者との間に、好ましくはディスプレイ
装置の直前に設置されるものをいう。
【0010】図2は、光学フィルターおよび前面板の層
構成の断面模式図の例であるが、無論これらに限定され
るのもではない。図2(a)および図2(b)は、図1(a)の
配置に対応する光学フィルターの層構成の例であり、図
2(c)および図2(d)は、図1(b)の配置に対応する前面
板の層構成の例である。
【0011】図2(a)および図2(b)では、プラスチック
透明支持体15とハードコート層14、プラスチック透
明支持体15と電磁波遮蔽層12およびプラスチック透
明支持体15と可視フィルター層18との間には十分な
接着強度を得るために下塗り層を設けることが好まし
い。(赤外線遮蔽機能を有する)プラスチック透明支持
体17と可視フィルター層18の間および(赤外線遮蔽
機能を有する)プラスチック透明支持体17と赤外線遮
蔽層13の間は両者を境とした片側をそれぞれ別々に作
製し、両者を粘着剤で貼り合わせることもできる。光学
フィルターと画像表示装置本体との間は、例えば市販の
アクリル系粘着剤を用いて容易に接着することができ
る。
【0012】図2(c)および図2(d)ではプラスチック透
明支持体15とハードコート層14、(赤外線遮蔽機能
を有する)プラスチック透明支持体17と可視フィルタ
ー層18、(赤外線遮蔽機能を有する)プラスチック透
明支持体17と反射防止層11および(赤外線遮蔽機能
を有する)プラスチック透明支持体17と電磁波遮蔽層
12との間には十分な接着強度を得るために下塗り層を
設けることが好ましい。図2(c)ではプラスチック透明
支持体15とガラス透明支持体16の間および可視フィ
ルター層18と電磁波遮蔽層12との間を両者を境とし
た片側をそれぞれ別々に作製し、それぞれ粘着剤で貼り
合わせる方法をとることもできる。図2(d)ではプラス
チック透明支持体15とガラス透明支持体16および可
視フィルター層18とガラス透明支持体16の間をそれ
ぞれ粘着剤で貼り合わせる方法をとることもできる。
【0013】本発明の光学フィルターは図1および図2
のいずれの構成においても、最終的な完成品としての画
像表示装置を前面側から見た場合、色味は無彩色に近い
ことが好ましい。光学フィルターの無彩色の程度として
は、標準の光D65により照明した場合の画像表示装置前
面の色が下記式(I)で表される範囲であることが好ま
しい。 0≦|a*|≦10、0≦|b*|≦10 ……(I) ここで、a*,b*は、CIE 1976 L*a*b
*色空間におけるa*、b*値を表し、JIS Z 8
729に従い表示される。より好ましくは、 −5≦a*≦5、−10≦b*≦0 の範囲である。
【0014】以下本発明の光学フィルターおよびそれを
用いた前面板を構成する各材料とその構成について説明
するが無論これらに限定されるものではない。
【0015】〔プラスチック透明支持体〕プラスチック
透明支持体を形成する材料の例には、セルロースエステ
ル(例、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロー
ス(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセル
ロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセル
ロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステ
ル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,
4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカ
ルボキシレート)、ポリアリレート(例、ビスフェノー
ルAとフタル酸の縮合物)、ポリスチレン(例、シンジ
オタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン)、
アクリル(ポリメチルメタクリレート)、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリ
エーテルイミドおよびポリオキシエチレンが含まれる。
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート等が
好ましく挙げられる。なかでも、ポリエチレンテレフタ
レートおよびポリエチレンナフタレートが最も好まし
い。また、ハードコート層を塗設する場合、プラスチッ
ク透明支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル支持体が
好ましい。
【0016】支持体の厚みは、5μm〜5cmであるこ
とが好ましく、25μm〜1cmであることがさらに好
ましく、50μm〜1.2mmであることが最も好まし
い。
【0017】本発明の透明支持体は、無張力下で120
℃、30秒間の熱処理を施したとき、熱処理の前後でM
D方向(縦方向)とTD方向(横方向)の寸法変化率の
平均値が好ましくは0%〜0.1%、さらに好ましくは
0%〜0.07%、最も好ましくは0%〜0.03%で
ある。さらに本発明では、透明支持体に限らず、透明支
持体上にフィルター層やハードコート層その他機能を有
する層を積層した製造途中の各段階の各構成において
も、無張力下での120℃、30秒間の熱処理前後で、
MD方向(縦方向)とTD方向(横方向)の寸法変化率
の平均値が、好ましくは0%〜0.1%、さらに好まし
くは0%〜0.07%、最も好ましくは0%〜0.03
%である。本発明における熱処理前後での寸法変化率
(ΔL)は、下記式(II)で定義される。 ΔL=100×|(L120−L25)/L25| ……(II) L25 :熱処理前25℃、60%RH下に24時間放置
した時の平衡寸法 L120 :120℃、30秒間熱処理後25℃、60%RH
下に24時間放置した時の平衡寸法 また、本発明における熱処理前後でのMD方向(縦方
向)とTD方向(横方向)の寸法変化率の平均値(ΔL
M)は下記式(III)で定義される。 ΔLM=(ΔLMD+ΔLTD)/2 ……(III) ΔLMD :MD方向(縦方向)の寸法変化率 ΔLTD :TD方向(横方向)の寸法変化率
【0018】熱処理前後での透明支持体の寸法変化率を
上記範囲に収める方法としては、支持体を低張力で搬送
しながら熱処理する方法を用いることができる。このよ
うな低張力熱処理は125℃〜200℃、より好ましく
は135℃〜180℃、さらに好ましくは150℃〜1
70℃で、20秒〜5分、より好ましくは30秒〜4
分、さらに好ましくは40秒〜3分で実施するのが好ま
しい。さらに熱処理を行っている時の張力を0.3kg
/cm2〜15kg/cm2、より好ましくは0.5kg
/cm2〜8kg/cm2、さらに好ましくは0.8kg
/cm2〜3kg/cm2で実施するのが好ましい。この
熱処理は透明支持体製膜後であればどこで実施しても良
いが、可視フィルター層の形成後が好ましい。
【0019】プラスチック透明支持体に赤外線遮蔽機能
を持たせると、耐候性に優れる赤外線遮蔽機能を付与で
きる、安価に製造できる、取り扱いが容易である等の点
において好ましい結果が得られる。以下赤外線遮蔽機能
を有するプラスチック透明支持体について説明する。
【0020】(赤外線遮蔽機能を有するプラスチック透
明支持体)本発明において、赤外線遮蔽機能とは、80
0〜1000nmの近赤外領域の線スペクトルを遮蔽す
る機能をいう。この近赤外領域の線スペクトル遮蔽特性
は800〜1000nmの平均透過率が50%以下、好
ましくは40%以下である。この赤外線遮蔽効果を付与
するには、透明プラスチック支持体に近赤外吸収性化合
物を混合する方法を用いることができる。例えば銅原子
を含有する樹脂組成物(特開平6−118228号公
報)、銅化合物、リン化合物を含有する樹脂組成物(特
開昭62−5190号公報)、銅化合物、チオ尿素誘導
体を含有する樹脂組成物(特開平6−73197号公
報)、タングステン系化合物を含有する樹脂組成物(U
S3,647,729号公報)などを形成することによ
って容易に製造できる。
【0021】近赤外吸収性化合物のバインダーとして用
いる透明支持体の材料としてはセルロースエステル
(例、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース
(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロ
ース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロ
ース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル
(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4
−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカル
ボキシレート)、ポリアリレート(例、ビスフェノール
Aとフタル酸の縮合物)、ポリスチレン(例、シンジオ
タクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン)、ア
クリル(ポリメチルメタクリレート)、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエー
テルイミドおよびポリオキシエチレンが含まれる。近赤
外吸収性化合物のバインダー樹脂としては、耐熱性の観
点から比較的低い温度で溶融できる樹脂(アクリル等)
か、あるいは溶液キャスト法で製膜できる樹脂を用いる
ことが好ましい。溶液キャスト法で製膜する樹脂として
は共重合ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレ
ート、トリアセチルセルロースなどが好ましい。もちろ
ん耐熱性に優れる近赤外吸収性化合物を用いる場合に
は、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタ
レートなどに溶融混練、製膜し用いる方法も好ましい。
支持体の厚みは100μm〜5cmであることが好まし
く、150μm〜1cmであることがさらに好ましく、
170μm〜3mmであることが最も好ましい。
【0022】近赤外吸収性化合物のバインダーとして用
いる透明支持体は、120℃、30秒間の無張力下での
熱処理前後でMD方向(縦方向)とTD方向(横方向)
の寸法変化率の平均値が好ましくは0%〜0.1%、さ
らに好ましくは0%〜0.07%、最も好ましくは0%
〜0.03%である。熱処理前後での寸法変化率(Δ
L)は前記式(II)で、熱処理前後でのMD方向(縦方
向)とTD方向(横方向)の寸法変化率の平均値(ΔL
M)は前記式(III)で定義される。赤外線遮蔽機能を有
する透明支持体の熱処理前後での寸法変化率を上記範囲
に収める方法としては、前述の支持体を低張力で搬送し
ながら熱処理する方法が適用できる。以上、赤外線遮蔽
機能を有するプラスチック透明支持体について説明し
た。
【0023】プラスチック透明支持体には表面処理を施
すことが好ましい。表面処理の中でもコロナ処理、紫外
線処理、グロー処理、火焔処理が特に有効である。これ
らについては「発明協会公開技法 公技番号94−60
23号」に記載の方法に従って実施することができる。
【0024】またプラスチック透明支持体には帯電防止
層を付与することが好ましい。帯電防止剤としては、金
属酸化物、導電性金属、炭素繊維、π共役系高分子(ポ
リアリーレンビニレン等)イオン性化合物などを挙げる
ことができ、体積抵抗率が107Ωcm以下、より好ま
しくは106Ωcm以下、さらに好ましくは105Ωcm
以下のものである。好ましい帯電防止剤は、導電性金属
酸化物及びその誘導体などの導電性材料であり、この中
でも特に好ましく用いられる導電性材料は、結晶性の金
属酸化物粒子である。具体的には、ZnO、 TiO2
SnO2、 Al23 、In23、SiO2、MgO、
BaO、MoO3、V25が挙げられ、特に好ましくは
SnO2を主成分とし酸化アンチモンを約5〜20%及
び/又はさらに他成分(例えば酸化珪素、ホウ素、リン
など)を含有したものである。これらの導電性素材およ
び塗設方法の詳細はは「発明協会公開技法 公技番号9
4−6023号」に記載されており、これに従って実施
することができる。
【0025】更に、プラスチック透明支持体の上に積層
する層との密着を向上させるため、一層以上の下塗り層
を設けることができる。下塗り層の素材としては塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、(メタ)アクリル
酸エステル、ビニルエステル等の共重合体或いはラテッ
クス、ゼラチン等の水溶性ポリマーなどが挙げられる。
【0026】〔ハードコート層〕透明プラスチック支持
体上にハードコート層を設けるとことにより、光学フィ
ルターの表面強度が向上し傷がつきにくなり、長期にわ
たって明るく、くっきりした画像を見ることが可能とな
る。ハードコート層の形成には公知の硬化性樹脂を用い
ることができる。硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、
活性エネルギー線重合性樹脂等があるが、活性エネルギ
ー線硬化樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、メラ
ミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等のプレポリマ
ーの架橋反応を利用するものが挙げられる。
【0027】活性エネルギー線としては、放射線、ガン
マー線、アルファー線、電子線、紫外線等が挙げられる
が、紫外線が好ましい。活性エネルギー線硬化樹脂層
は、架橋しているポリマーを含むことができる。架橋し
ているポリマーを含む活性エネルギー線硬化層は、多官
能モノマーと重合開始剤を含む塗布液を上記の透明基材
フィルム上に塗布し、多官能モノマーを重合させること
により形成できる。これらのモノマーの官能基として
は、エチレン性不飽和二重結合基が好ましい。
【0028】上記多官能モノマーは、多価アルコールと
アクリル酸またはメタクリル酸とのエステルであること
が好ましい。多価アルコールの例には、エチレングリコ
ール、1,4−シクロヘキサノール、ペンタエリスリト
ール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチ
ロールエタン、ジペンタエリスリトール、1,2,4−
シクロヘキサノール、ポリウレタンポリオールおよびポ
リエステルポリオールが含まれる。これらの中では、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペン
タエリスリトールおよびポリウレタンポリオールが好ま
しい。2種類以上の多官能モノマーを併用してもよい。
【0029】これらの活性エネルギー線硬化層に、無機
微粒子を添加することで膜としての架橋収縮率を改良
し、塗膜の硬度を上げることができる。無機微粒子とし
ては硬度が高いものが好ましく、モース硬度が6以上の
無機粒子が好ましい。例えば、二酸化ケイ素粒子、二酸
化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウ
ム粒子が含まれる。
【0030】これらの無機微粒子の平均粒子径は、1n
m〜400nm、より好ましくは5nm〜200nm、
さらに好ましくは10nm〜100nmである。これら
の無機微粒子を10質量%〜60質量%、より好ましく
は15質量%〜50質量%、より好ましくは20質量%
〜45質量%添加する。平均粒子径が1nm未満では分
散が難しく凝集粒子ができ、400nmを越えるとヘイ
ズが大きくなり、いずれも透明性が低下し好ましくな
い。
【0031】一般に無機微粒子は、バインダーポリマー
との親和性が悪いため単に両者を混合するだけでは界面
が破壊しやすく、膜として割れ、耐傷性を改善すること
は困難である。無機微粒子とポリマーバインダーとの親
和性を改良するため、無機微粒子表面を有機セグメント
を含む表面修飾剤(表面処理剤)で処理することができ
る。表面修飾剤は、一方で無機微粒子と結合を形成し、
他方でバインダーポリマーと高い親和性を有することが
好ましい。金属と結合を生成し得る官能基としては、シ
ラン、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム等の金
属のアルコキシド化合物や、リン酸、スルホン酸、カル
ボン酸基等のアニオン性基を有する化合物が好ましい。
またバインダーポリマーとは化学的に結合させることが
好ましく、末端にビニル性重合基等を導入したものが好
適である。例えば、エチレン性不飽和基を重合性基およ
び架橋性基として有するモノマーからバインダーポリマ
ーが製造されている場合は、上記金属アルコキシド化合
物またはアニオン性を有する化合物は、その末端にエチ
レン性不飽和基を有していることが好ましい。このよう
なハードコート層処方によれば、ハードコート層の割れ
やプラスチック支持体とのはがれなどの弊害を発生する
ことなく、優れた表面硬度を得ることができる。例えば
鉛筆硬度試験で4H以上の硬度を容易に達成することが
できる。鉛筆硬度試験は、JIS S 6006が規定
する試験用鉛筆を用い、JISK 5400が規定する
鉛筆硬度評価方法に従い実施することができる。評価結
果の値は9.8Nの加重にて傷が全く認められない鉛筆
硬度の値である。
【0032】 <有機金属化合物の表面処理剤例> (a)シラン含有有機化合物 a−1 H2C=CHCOOC48OSi(OC493 a−2 (H2C=CHCOOC48O)2Si(OC492 a−3 (H2C=CHCOOC48O)3SiOC49 a−4 H2C=CHCOOC36OSi(OC493 a−5 (H2C=CHCOOC36O)2Si(OC492 a−6 (H2C=CHCOOC363SiOC49
【0033】 (b)アルミニウム含有有機化合物例 b−1 H2C=CHCOOC48OAl(OC492 b−2 H2C=CHCOOC36OAl(OC372 b−3 H2C=CHCOOC24OAl(OC252 b−4 H2C=CHCOOC24OC24OAl(OC24OC252 b−5 H2C=C(CH3)COOC48OAl(OC492 b−6 H2C=CHCOOC48OAl(OC49)OC48COOCH=C H2 b−7 H2C=CHCOOC24OAl{O(1,4-ph)CH32
【0034】 (c)ジルコニウム含有有機化合物 c−1 H2C=CHCOOC48OZr(OC493 c−2 H2C=CHCOOC37OZr(OC373 c−3 H2C=CHCOOC24OZr(OC253 c−4 H2C=C(CH3)COOC48OZr(OC493 c−5 {CH2=C(CH3)COO}2Zr(OC492
【0035】 (d)チタニウム含有有機化合物 d−1 {H2C=C(CH3)COO}3TiOC24OC24OCH3 d−2 Ti{OCH2C(CH2OC24CH=CH22254 d−3 H2C=CHCOOC48OTi(OC493 d−4 H2C=CHCOOC37OTi(OC373 d−5 H2C=CHCOOC24OTi(OC253 d−6 H2C=CHCOOSiOTi(OSiCH33 d−7 H2C=C(CH3)COOC48OTi(OC493
【0036】 アニオン性官能基含有表面処理剤例 (e)リン酸基含有有機化合物例 e−1 H2C=C(CH3)COOC24OPO(OH)2 e−2 H2C=C(CH3)COOC24OCOC510OPO(OH)2 e−3 H2C=CHCOOC24OCOC510OPO(OH)2 e−4 H2C=C(CH3)COOC24OCOC510OPO(OH)2 e−5 H2C=C(CH3)COOC24OCOC510OPOCl2 e−6 H2C=C(CH3)COOC24CH{OPO(OH)22 e−7 H2C=C(CH3)COOC24OCOC510OPO(ONa)2 e−8 H2C=CHCOOC24OCO(1,4-ph)C510OPO(OH)2 e−9 (H2C=C(CH3COO)2CHC24OCOC510OPO(OH)2
【0037】 (f)スルホン酸基含有有機化合物例 f−1 H2C=C(CH3)COOC24OSO3H f−2 H2C=C(CH3)COOC36SO3H f−3 H2C=C(CH3)COOC24OCOC510OSO3H f−4 H2C=CHCOOC24OCOC510OSO3H f−5 H2C=CHCOOC1224(1,4-ph)SO3H f−6 H2C=C(CH3)COOC24OCOC510OSO3Na
【0038】 (g)カルボン酸基含有有機化合物例 g−1 H2C=CHCOO(C510COO)2H g−2 H2C=CHCOOC510COOH g−3 H2C=CHCOOC24OCO(1,2-ph)COOH g−4 H2C=CHCOO(C24COO)2H g−5 H2C=C(CH)COOC510COOH g−6 H2C=CHCOOC24COOH ここで、phはフェニレン基を示す。
【0039】これらの無機微粒子の表面修飾は、溶液中
でなされることが好ましい。表面修飾剤を溶解した溶液
に無機微粒子を添加し、超音波、スターラー、ホモジナ
イザー、ディゾルバー、サンドグラインダーを用いて、
撹拌、分散することが好ましい。表面修飾剤を溶解する
溶液としては、極性の大きな有機溶剤が好ましい。具体
的には、アルコール、ケトン、エステル等の公知の溶剤
が挙げられる。
【0040】表面修飾した無機微粒子溶液に、上記の多
官能モノマーと重合開始剤を加え活性エネルギー線硬化
塗布液とする。
【0041】光重合開始剤の例としては、アセトフェノ
ン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのケトン、ベンゾイ
ルベンゾエート、ベンゾイン類、α−アミロキシムエス
テル、テトラメチルチウラムモノサルファイドおよびチ
オキサントン類が含まれる。光重合開始剤に加えて、光
増感剤を用いてもよい。光増感剤の例には、n−ブチル
アミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィ
ン、およびチオキサントンが含まれる。
【0042】光重合開始剤は、多官能モノマー100重
量部に対して、0.1〜15重量部の範囲で使用するこ
とが好ましく、1〜10重量部の範囲で使用することが
さらに好ましい。光重合反応は、活性エネルギー線硬化
層の塗布および乾燥後、紫外線照射により実施すること
が好ましい。
【0043】ハードコート層は、透明支持体上に活性エ
ネルギー線硬化塗料をディッピング法、スピナー法、ス
プレー法、ロールコーター法、グラビア法、ワイヤーバ
ー法等の公知の薄膜形成方法で形成、乾燥、活性エネル
ギー線照射して形成することができる。
【0044】〔可視フィルター層〕可視フィルター層
は、可視光(波長範囲380〜780nm)を選択的に
吸収する層である。可視フィルター層の厚さは0.1μ
m〜5cmであることが好ましく、0.5μm〜1cm
であることがさらに好ましく、1μm〜7mmであるこ
とが最も好ましい。可視フィルター層は560〜620
nmの波長範囲に吸収極大を持つことが好ましく、より
好ましくは580〜600nmの波長範囲に吸収極大を
もつことである。また、500〜550nmの波長範囲
に吸収極大を持っていてもよい。500〜550nmの
波長範囲の透過率は20〜85%の範囲であることが好
ましく、より好ましくは40〜85%の範囲である。5
00〜550nmの波長範囲の吸収極大は、視感度が高
い緑の蛍光体の発光強度を調整するために設定される。
緑の蛍光体の発光域は、なだらかにカットすることが好
ましい。500〜550nmの波長範囲の吸収極大での
半値幅(吸収極大での吸光度の半分の吸光度を示す波長
領域の幅)は、30〜300nmであることが望まし
く、40〜300nmであることがより好ましく、50
〜150nmであることがさらに好ましく、60〜15
0nmであることが最も好ましい。
【0045】560〜620nmの波長範囲の吸収極大
での透過率は、0.01〜50%の範囲であることが望
ましく、より好ましくは0.01〜40%の範囲であ
る。560〜620nmの波長範囲の吸収極大は、赤色
蛍光体の色純度を低下させているサブバンドを選択的に
カットするために設定される。PDPにおいては、ネオ
ンの励起によって放出される585nm付近の不要な発
光をカットすると同時に赤色蛍光体からの短波側の光を
カットする。本発明により吸収極大を分離したことで、
緑の蛍光体の色調に悪影響を与えること無く、選択的に
光をカットできる。緑の蛍光体の色調への影響をさらに
低下させるため、吸収スペクトルのピークをシャープに
することが好ましい。具体的には、560〜620nm
の波長範囲の吸収極大での半値幅は、5〜200nmで
あることが望ましく、10〜100nmであることがよ
り好ましく、12〜50nmであることが最も好まし
い。460〜500nmの波長範囲の吸収極大での透過
率は、20〜85%の範囲であることが望ましく、より
好ましくは40〜85%の範囲である。460〜500
nmの波長範囲の吸収極大は、可視フィルターの着色を
抑え、無彩色化するために設定される。輝度や色補正機
能への悪影響を低下させるため、吸収スペクトルのピー
クをシャープにすることが好ましい。具体的には、46
0〜500nmの波長範囲の吸収極大での半値幅は、5
〜200nmであることが望ましく、10〜150nm
であることがより好ましく、15〜100nmであるこ
とが最も好ましい。
【0046】380〜440nmの波長範囲における平
均透過率T1は次の式により定義される。
【0047】
【数1】
【0048】式中、T(375+5n)は波長(375
+5n)nmにおける透過率(%)を示す。
【0049】380〜440nmの波長範囲における平
均透過率は70%以下であることが好ましく、より好ま
しくは60%以下である。更に詳しくは、380〜44
0nmの波長範囲における平均透過率は、1〜70%が
好ましく、より好ましくは5〜60%であり、最も好ま
しくは10〜50%である。380〜440nmの波長
範囲の吸収は、可視フィルター自体の青みの着色を抑
え、無彩色化するために設定される。
【0050】640〜780nmの波長範囲における平
均透過率T2は次の式により定義される。
【0051】
【数2】
【0052】式中、T(635+5n)は波長(635+
5n)nmにおける透過率(%)を表す。
【0053】640〜780nmの波長範囲における平
均透過率は70%以下であることが好ましく、より好ま
しくは60%以下である。さらに詳しくは、この平均透
過率は1〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜6
0%であり、最も好ましくは10〜50%である。波長
が640〜780nmの範囲の吸収は、可視フィルター
自体の赤みの着色を抑え、無彩色化するために設定す
る。
【0054】380〜440nmの波長範囲と640〜
780nmの波長範囲における平均透過率の調整は、フ
ィルター自体の色味ができるだけ無彩色に近づくように
いずれかの範囲または両方の範囲を上記範囲に調整す
る。560〜620nmの波長範囲における吸収極大の
位置およびその透過率、500〜550nmの波長範囲
における吸収極大の位置およびその透過率ならびに両吸
収の位置関係や吸収強度の強度比によってフィルター自
体の色味は微妙に変化する。したがって、380〜44
0nmの波長範囲と640〜780nmの波長範囲にお
ける透過率の調整はフィルター設計仕様ごとに実施する
必要がある。輝度を低下させたり色補正機能への悪影響
を最小限に抑えるために透過率を調整する場合、440
nm前後の透過率の変化はできるだけ急峻であることが
望ましく、445nmでの透過率は好ましくは75%以
上、さらに好ましくは80%以上である。同様に640
nm前後の透過率の変化はできるだけ急峻であることが
望ましく、635nmでの透過率は好ましくは75%以
上、さらに好ましくは80%以上である。
【0055】上記の吸収スペクトルを付与するために、
色素(染料または顔料)を用いて、フィルター層を形成
することができる。500〜550nmの波長範囲に吸
収極大を持つ染料としては、スクアリリウム系、アゾメ
チン系、シアニン系、オキソノール系、アントラキノン
系、アゾ系またはベンジリデン系の化合物が好ましく用
いられる。アゾ染料としては、GB539703号、同
575691号、US2,956,879号および堀口
博著「総説合成染料」三共出版などに記載の多くのアゾ
染料を使用することができる。波長が500〜550n
mの範囲に吸収極大を持つ色素の例を以下に示す。
【0056】
【化1】
【0057】
【化2】
【0058】
【化3】
【0059】560〜620nmの波長範囲に吸収極大
を持つ染料としては、シアニン系、スクアリリウム系、
アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系またはア
ゾ系の化合物が好ましく用いられる。560〜620n
mの波長範囲に吸収極大を持つ色素の例を以下に示す。
【0060】
【化4】
【0061】
【化5】
【0062】
【化6】
【0063】また、500〜550nmの波長範囲と5
60〜620nmの波長範囲の両方に吸収極大を持つ染
料をフィルター層に用いることもできる。例えば、染料
を微粒子分散物のような会合体の状態にすると、一般に
波長が長波長側にシフトして、ピークがシャープにな
る。そのため、500〜550nmの波長範囲に吸収極
大を持つ染料には、その会合体が560〜620nmの
範囲に吸収極大を持つものもある。そのような染料が部
分的に会合体を形成した状態で使用すると、500〜5
50nmの波長範囲と560〜620nmの波長範囲の
両方に吸収極大を得ることができる。そのような色素の
例を以下に示す。
【0064】
【化7】
【0065】460〜500nmの波長範囲に吸収を持
つ染料としては、メチン系、アントラキノン系、キノン
系、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、
キサンテン染料、アゾ系、アゾメチン系の化合物が好ま
しく用いられる。メチン系としてはシアニン系、メロシ
アニン系、オキソノール系、アリーリデン系、スチリル
系などを挙げることができる。460〜500nmの波
長範囲に吸収を持つ色素の例を以下に示す。
【0066】
【化8】
【0067】380〜440nmの波長範囲に吸収を持
つ染料としては、メチン系、アントラキノン系、キノン
系、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、
キサンテン染料、アゾ系、アゾメチン系の化合物が好ま
しく用いられる。メチン系としてはシアニン系、メロシ
アニン系、オキソノール系、アリーリデン系、スチリル
系などを挙げることができる。380〜440nmの波
長範囲に吸収を持つ色素の例を以下に示す。
【0068】
【化9】
【0069】
【化10】
【0070】640〜780nmの波長範囲に吸収を持
つ染料としては、シアニン系、スクアリリウム系、アゾ
メチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系、ア
ントラキノン系、トリフェニルメタン系、キサンテン
系、Cu-フタロシアニン系、フェノチアジン系またはフ
ェノキサジン系などの化合物が好ましく用いられる。6
40〜780nmの波長範囲に吸収を持つ色素の例を以
下に示す。
【0071】
【化11】
【0072】可視フィルター層には、以上に記載した、
波長吸収範囲がほぼ同一である、または異なる、2種ま
たは3種類以上の染料を組み合わせて用いることができ
る。
【0073】(可視フィルター層のバインダー)フィル
ター層は、染料のほかに適当なバインダーを含むことが
好ましく、特に好ましくはポリマーバインダーを含む。
天然ポリマー(例、ゼラチン、セルロース誘導体、アル
ギン酸)または合成ポリマー(例、ポリメチルメタクリ
レート、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、スチレン
−ブタジエンコポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート、水溶性ポリアミド)をポリマーバインダーとして
用いることができる。親水性ポリマー(上記天然ポリマ
ー、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポ
ビニルアルコール、水溶性ポリアミド)が特に好まし
い。
【0074】〔下塗り層〕本発明の光学フィルターで
は、前述のあるいは後述の、ハードコート層、反射防止
層、フィルター層、赤外線遮蔽層、電磁波遮蔽層を支持
体上に設けることができ、この場合には支持体とこれら
の機能層との間に、1層又は2層以上の下塗り層を設け
ることができる。この下塗り層としては、25℃におけ
る弾性率が1MPa〜1000MPa、好ましくは5M
Pa〜800MPa、さらに好ましくは10MPa〜5
00MPaの柔らかいポリマーが好ましい。またその厚
みとしては好ましくは2nm〜20μm、さらに好まし
くは5nm〜5μm、最も好ましくは50nm〜1μm
である。本発明の下塗り層に使用される好ましいポリマ
ーは、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ブタ
ジエン、ネオプレン、スチレン、クロロプレン、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリ
ルまたはメチルビニルエーテルいずれかの単独重合また
はこれらのビニルモノマーよりなる群より選ばれた2種
以上のモノマーを共重合したコポリマー(共重合体)で
ある。
【0075】〔反射防止層〕反射防止層は、正反射率が
3.0%以下の層であり、好ましくは1.8%以下の正
反射率を有する層である。反射防止層としては通常低屈
折率層を設けることが有用である。低屈折率層の屈折率
は、上記透明支持体の屈折率よりも低い。低屈折率層の
屈折率は、1.20〜1.55であることが好ましく、
1.30〜1.50であることがさらに好ましい。低屈
折率層の厚さは、50〜400nmであることが好まし
く、50〜200nmであることがさらに好ましい。低
屈折率層は、屈折率の低い含フッ素ポリマーからなる層
(特開昭57−34526号、特開平3−130103
号、同6−115023号、同8−313702号、同
7−168004号の各公報記載)、ゾルゲル法により
得られる層(特開平5−208811号、同6−299
091号、同7−168003号の各公報記載)、ある
いは微粒子を含む層(特公昭60−59250号、特開
平5−13021号、同6−56478号、同7−92
306号、同9−288201号の各公報に記載)とし
て形成することができる。微粒子を含む層では、微粒子
間または微粒子内のミクロボイドとして、低屈折率層に
空隙を形成することができる。微粒子を含む層は、3〜
50体積%の空隙率を有することが好ましく、5〜35
体積%の空隙率を有することがさらに好ましい。
【0076】広い波長領域の反射を防止するためには、
低屈折率層に加えて、屈折率の高い層(中・高屈折率
層)を積層することが好ましい。中・高屈折率層は、本
発明の下塗り層よりも高い屈折率を持つ層であり、中・
高屈折率層を併用することにより、低屈折率層のみを用
いた場合よりも広い範囲で、高い反射防止効果を有す
る。高屈折率層の屈折率は、1.65〜2.40である
ことが好ましく、1.70〜2.20であることがさら
に好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折
率と高屈折率層の屈折率との中間の値となるように調整
する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.90であ
ることが好ましい。中・高屈折率層の厚さは、5nm〜
100μmであることが好ましく、10nm〜10μm
であることがさらに好ましく、30nm〜1μmである
ことが最も好ましい。中・高屈折率層のヘイズは、5%
以下であることが好ましく、3%以下であることがさら
に好ましく、1%以下であることが最も好ましい。中・
高屈折率層は、比較的高い屈折率を有するポリマーを用
いて形成することができる。屈折率が高いポリマーの例
には、ポリスチレン、スチレン共重合体、ポリカーボネ
ート、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂お
よび環状(脂環式または芳香族)イソシアネートとポリ
オールとの反応で得られるポリウレタンが含まれる。そ
の他の環状(芳香族、複素環式、脂環式)基を有するポ
リマーや、フッ素以外のハロゲン原子を置換基として有
するポリマーも、屈折率が高い。二重結合を導入してラ
ジカル硬化を可能にしたモノマーの重合反応によりポリ
マーを形成してもよい。
【0077】さらに高い屈折率を得るため、ポリマーバ
インダー中に無機微粒子を分散してもよい。無機微粒子
の屈折率は、1.80〜2.80であることが好まし
い。無機微粒子は、金属の酸化物または硫化物から形成
することが好ましい。金属の酸化物または硫化物の例に
は、二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナターゼの
混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化
インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムおよび硫化亜
鉛が含まれる。酸化チタン、酸化錫および酸化インジウ
ムが特に好ましい。無機微粒子は、これらの金属の酸化
物または硫化物を主成分とし、さらに他の元素を含むこ
とができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最
も含有量(質量%)が多い成分を意味する。他の元素の
例には、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、
Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、S
i、PおよびSが含まれる。
【0078】被膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自
身が液状である無機材料、例えば、各種元素のアルコキ
シド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物
(例、キレート化合物)、活性無機ポリマーを用いて、
中・高屈折率層を形成することもできる。
【0079】〔電磁波遮蔽層〕本発明において電磁波遮
断効果を有する層の表面抵抗は0.01〜500Ω/
□、より好ましくは0.01〜10Ω/□である。電磁
波遮蔽効果を付与するには、前面板の可視光透過率を低
下させないため透明導電層を用いることが好ましい。透
明導電層としては、金属層、金属酸化物層、導電性ポリ
マー層等を挙げるこができる。透明導電層を形成する金
属としては、例えば銀、パラジウム、金、白金、ロジウ
ム、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜
鉛、ルテニウム、錫、タングステン、イリジウム、鉛単
独もしくはこれらの合金を挙げることができるが、好ま
しくは銀、パラジウム、金、白金、ロジウム単独もしく
はこれらの合金である。ここで銀とパラジウムの合金が
好ましく、このとき銀の含有率は60%〜99%が好ま
しく、80%〜98%が更に好ましい。金属層の膜厚は
1〜100nmが好ましく、5〜40nmが更に好まし
く、10〜30nmが最も好ましい。膜厚が1nm未満
では電磁波遮蔽効果が乏しく、100nmを超えると可
視光線の透過率が低下する。透明導電層を形成する金属
酸化物としては、例えば酸化錫、酸化インジウム、酸化
アンチモン、酸化亜鉛、ITO、ATOなどを挙げるこ
とができる。この膜厚は20〜1000nmが好まし
い。さらに好ましくは40〜100nmである。これら
金属透明導電層と酸化物透明導電層を合わせて用いるの
も好ましい。また、同一層内に金属と導電性金属酸化物
が共存することも好ましい。金属層の保護、酸化劣化防
止および可視光線の透過率を高めるために透明酸化物層
を積層することができる。この透明酸化物層は導電性が
あってもなくてもかまわない。透明酸化物層としては例
えば2〜4価金属の酸化物、酸化ジルコニウム、酸化チ
タン、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウ
ムおよび金属アルコキサイド化合物等の薄膜が挙げられ
る。透明導電層、透明酸化物層を形成する方法としては
特に制限はなく、任意の加工処理方法を選択することが
可能である。例えばスパッタリング法、真空蒸着法、イ
オンプレーティング法、プラズマCVD法あるいはPV
D法、該当する金属あるいは金属酸化物の超微粒子の塗
布等いずれの公知技術も用いることが可能である。
【0080】電磁波遮蔽効果を付与する別の方法として
金属メッシュを用いる方法がある。これは支持体全面に
細く金属を格子状に配置させたものであり、透明導電性
層に比べて透明性にやや劣るものの導電性に優れ、優れ
た電磁波遮蔽能力をもつ。この方法を単独で、あるいは
透明導電層と併用し、目的に応じて電磁波遮蔽能力を調
整して用いることもできる。金属メッシュとしては金属
薄膜から形成するメッシュが好ましい。金属薄膜からな
るメッシュは透明支持体上に金属薄膜を形成した後、フ
ォトリソグラフィー法によりエッチング加工する。具体
的には感光性樹脂を塗布し所定の形状のマスクをかけ露
光、現像し、レジスト層を形成し、更にレジストに覆わ
れていない部分をエッチングにより除去することで作製
される。薄膜の形成には金属箔を貼り合わせる方法、電
解メッキ法、無電解メッキ法、蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法などで形成することが好ま
しく、更に好ましくは無電解メッキ法、無電解メッキ後
電解メッキする方法である。金属薄膜からなるメッシュ
の線巾は15μm以下であることが好ましく、更に好ま
しくは9μm以下であり、特に好ましくは7μm以下で
ある。金属線の厚みとしては0.1μm〜10μmが好
ましく、更に好ましくは1μm〜7μmであり、特に好
ましくは1μm〜5μmである。金属の材質としては
金、銀、銅、白金、ニッケル、クロム、スズ、ロジウ
ム、イリジウム、パラジウムが好ましく、更に好ましく
は金、銀、銅、ニッケル、クロム、スズ、パラジウムで
あり、特に好ましくは銅、ニッケル、スズである。これ
ら金属は単独で用いても良いし、2種以上用いても良
い。2種以上用いる場合は、合金化しても良いし、積層
して用いても良い。金属の好ましい組み合わせとしては
銅とニッケルである。また、金属薄膜上に黒色レジスト
を形成した後にエッチングすることなどで金属線を黒化
処理することもできる。開口率としては60%以上が好
ましく、さらに好ましくは75%以上であり、特に好ま
しくは85%以上である。エッチングする形状としては
ランダム形であることが好ましい。ランダムの形状とし
ては同一の多角形からなるもの、2種以上の多角形が組
み合わされてなるもの、曲線からなるもの、曲線と直線
を組み合わせたものが挙げられるが製造の容易さから同
一の多角形からなるものであることが好ましい。ランダ
ムな形状とするには、規則的に配列された格子パターン
の交点をランダムに再配置することで形成される。交点
の再配置はランダムに行うことができるが、一定の範囲
内で行われることが好ましい。
【0081】〔赤外線遮蔽フィルター層〕赤外線遮蔽機
能を持つ遮蔽フィルター層(赤外線遮蔽フィルター層)
は750〜850nm、851nm〜950nmおよび
951〜1100nmに、さらに好ましくは、790〜
845nm、860〜945nmおよび960〜105
0nmに、最も好ましくは、800〜840nm、87
0〜940nmおよび970〜1030nmにそれぞれ
光吸収の極大を有しており、その透過率は極大の波長に
おいてそれぞれ0.01%〜30%の間であり、好まし
くは0.05%〜20%の間であり、最も好ましくは、
0.1〜10%の間である。赤外線遮蔽フィルター層
は、前述した可視フィルター層と同様に、色素(染料ま
たは顔料)を用いて形成することができる。
【0082】上記の波長が750〜1100nmの範囲
に吸収極大を示す染料の吸収スペクトルは、蛍光体の輝
度を下げることのないよう、可視域(400〜700n
m)の副吸収が少ないほうが好ましい。好ましい吸収波
形を得るために、会合状態にある染料を用いることが特
に好ましい。会合状態の染料は、いわゆるJバンドを形
成するため、 シャープな吸収スペクトルピークを示
す。 染料の会合とJバンドについては、 文献 ( 例え
ば、Photographic Science and Engineering Vol 18,No
323-335(1974))に詳細がある。J会合状態の染料の吸
収極大は、溶液状態の染料の吸収極大よりも長波側に移
動する。従って、フィルター層に含まれる染料が会合状
態であるか、非会合状態であるかは、吸収極大を測定す
ることで容易に判断できる。本明細書では、溶液状態の
染料の吸収極大より30nm以上長波長側に移動してい
る状態を会合状態と称する。会合状態の染料では、吸収
極大の移動が30nm以上であることが好ましく、40
nm以上であることがさらに好ましく、45nm以上で
あることが最も好ましい。
【0083】染料には、水に溶解するだけで会合体が形
成する化合物もある。但し、一般には、染料の水溶液に
ゼラチンまたは塩(例、塩化バリウム、塩化カリウム、
塩化ナトリウム、塩化カルシウム)を添加して会合体を
形成する。染料の水溶液にゼラチンを添加する方法が特
に好ましい。染料の会合体は、染料の固体微粒子分散物
として形成することもできる。固体微粒子分散物にする
ためには、公知の分散機を用いることができる。分散機
の例には、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミ
ル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル及びロー
ラミルが含まれる。分散機については、特開昭52ー9
2716号及び国際特許WO88/074794号に記
載がある。縦型又は横型の媒体分散機が好ましい。
【0084】分散は、適当な媒体(例、水、アルコー
ル)の存在下で実施してもよい。分散用界面活性剤を用
いることが好ましい。分散用界面活性剤としては、アニ
オン界面活性剤(特開昭52ー92716号及び国際特
許WO88/074794号に記載)が好ましく用いら
れる。必要に応じてアニオン性ポリマー、ノニオン性界
面活性剤あるいはカチオン性界面活性剤を用いてもよ
い。染料を適当な溶媒中に溶解した後、その貧溶媒を添
加して、微粒子状の粉末を得てもよい。この場合も、上
記の分散用界面活性剤を用いてもよい。あるいはpHを
調整することによって溶解し、次にpHを変化させて染
料の微結晶を析出させてもよい。この微結晶も染料の会
合体である。会合状態の染料が微粒子(または微結晶)
である場合、平均粒径は0.01〜10μmであること
が好ましい。
【0085】会合状態で使用する染料は、メチン染料
(例えば、シアニン、メロシアニン、オキソノール、ス
チリル)であることが好ましく、シアニン染料またはオ
キソノール染料であることが最も好ましい。
【0086】シアニン染料は、下記式で定義される。 Bs=Lo−Bo 式中、Bsは、塩基性核であり、Boは、塩基性核のオ
ニウム体であり、Loは、奇数個のメチンからなるメチ
ン鎖である。さらに、下記一般式(1)で表されるシア
ニン染料は、(特に会合状態で)好ましく用いることが
できる。
【0087】
【化12】
【0088】一般式(1)において、Z1及びZ2は、そ
れぞれ独立に5員又は6員の含窒素複素環を形成する非
金属原子群である。含窒素複素環には、他の複素環、芳
香族環または脂肪族環が縮合してもよい。含窒素複素環
およびその縮合環の例には、オキサゾール環、イソオキ
サゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾー
ル環、オキサゾロカルバゾール環、オキサゾロジベンゾ
フラン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフト
チアゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン
環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ナフトイ
ミダゾール環、キノリン環、ピリジン環、ピロロピリジ
ン環、フロピロール環、インドリジン環、イミダゾキノ
キサリン環、およびキノキサリン環等が含まれる。含窒
素複素環は、6員環より5員環の方が好ましい。5員の
含窒素複素環にベンゼン環又はナフタレン環縮合してい
るのがさらに好ましい。ベンゾチアゾール環、ナフトチ
アゾール環、インドレニン環またはベンゾインドレニン
環が好ましい。
【0089】含窒素複素環及びそれに縮合している環
は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロ
ゲン原子、シアノ、ニトロ、脂肪族基、芳香族基、複素
環基、−OR10、−COR11、−COOR12、−OCO
13、−NR1415、−NHCOR16、−CONR17
18、NHCONR1920、NHCOOR21、−SR22
−SO223、−SO2OR24、−NHSO225及び−
SO2NR2627が挙げられる。R10〜R27は、それぞ
れ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環
基である。なお、−COOR12のR12が水素の場合(す
なわち、カルボキシル)および−SO2OR24のR24
水素原子の場合(すなわち、スルホ)は、水素原子が解
離しても、塩の状態であってもよい。
【0090】上記肪族族基は、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基及びアラルキル基を包含する。これら
の基は置換基を有していてもよい。アルキル基は、環状
であっても鎖状であってもよい。鎖状アルキル基は、分
岐を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1
〜20が好ましく、1〜12であることがさらに好まし
く、1〜8であることが最も好ましい。アルキル基の例
には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロヘキシルおよ
び2−エチルヘキシルが含まれる。置換アルキル基のア
ルキル部分は、上記アルキル基と同様である。置換アル
キル基の置換基としては、Z1およびZ2の含窒素複素環
の置換基と同じである(但し、シアノ基およびニトロ基
は除く)。置換アルキル基の例には、2−ヒドロキシエ
チル、2−カルボキシエチル、2−メトキシエチル、2
−ジエチルアミノエチル、3−スルホプロピルおよび4
−スルホブチルが含まれる。
【0091】アルケニル基は、環状であっても鎖状であ
ってもよい。鎖状アルケニル基は、分基を有していても
よい。アルケニル基の炭素原子数は、2〜20が好まし
く、2〜12がさらに好ましく、2〜8が最も好まし
い。アルケニル基の例には、ビニル、アリル、1−プロ
ペニル、2ーブテニル、2−ペンテニル及び2−ヘキセ
ニルが含まれる。置換アルケニル基のアルケニル部分
は、上記アルケニル基と同様である。置換アルケニル基
の置換基は、アルキル基の置換基と同じである。アルキ
ニル基は、環状であっても鎖状であってもよい。鎖状ア
ルキニル基は、分基を有していてもよい。アルキニル基
の炭素原子数は、2〜20が好ましく、2〜12がさら
に好ましく、2〜8が最も好ましい。アルキニル基の例
には、エチニルおよび2−プロピニルが含まれる。置換
アルキニル基のアルキニル部分は、上記アルキニル基と
同様である。置換アルキニル基の置換基は、アルキル基
の置換基と同じである。アラルキル基のアルキル部分
は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリ
ール部分は、後述するアリール基と同様である。アラル
キル基の例には、ベンジルおよびフェネチルが含まれ
る。置換アラルキル基のアラルキル部分は、上記アラル
キル基と同様である。置換アラルキル基のアリール部分
は、後述するアリール基と同様である。
【0092】上記芳香族基は、アリール基及び置換アリ
ール基を包含する。アリール基の炭素原子数は、6〜2
5であることが好ましく、6〜15であることがさらに
好ましく、6〜10であることが最も好ましい。アリー
ル基の例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。置
換アリール基の置換基の例は、Z1およびZ2の含窒素複
素環の置換基と同じである。置換アリール基の例には、
4−カルボキシフェニル、4−アセトアミドフェニル、
3−メタンスルホンアミドフェニル、4−メトキシフェ
ニル、3−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシ
フェニル、4−メタンスルホンアミドフェニルおよび4
−ブタンスルホンアミドフェニルが含まれる。
【0093】上記複素環基は、置換基を有していてもよ
い。複素環基の複素環は、5または6員環であることが
好ましい。複素環に、脂肪族環、芳香族環または他の複
素環が縮合していてもよい。複素環(縮合環を含む)の
例には、ピリジン環、ピペリジン環、フラン環、フルフ
ラン環、チオフェン環、ピロール環、キノリン環、モル
ホリン環、インドール環、イミダゾール環、ピラゾール
環、カルバゾール環、フェノチアジン環、フェノキサジ
ン環、インドリン環、チアゾール環、ピラジン環、チア
ジアジン環、ベンゾキノリン環およびチアジアゾール環
が含まれる。複素環の置換基は、Z1およびZ2の含窒素
複素環の置換基と同じである。
【0094】式(1)のR1およびR2で表される脂肪族
基および芳香族基は前述と同じである。L1は奇数個の
メチンからなるメチン鎖であり、5個または7個が好ま
しい。メチン基は置換基を有していてもよい。置換基を
有するメチン基は中央の(メソ位の)メチン基であるこ
とが好ましい。置換基の例としては、Z1およびZ2の含
窒素複素環の置換基と同様である。また、メチン鎖の二
つの置換基が結合して5または6員環を形成しても良
い。
【0095】a,b及びcは、それぞれ独立に、0又は
1である。aおよびbは、0であることが好ましい。c
はシアニン染料がスルホやカルボキシルのようなアニオ
ン性置換基を有して分子内塩を形成する場合は、0であ
る。X1はアニオンである。アニオンの例としては、ハ
ライドイオン( Cl-、Br-、I-)、p−トルエンス
ルホン酸イオン、エチル硫酸イオン、PF6 -、 BF4 -
またはClO4 -が含まれる。
【0096】シアニン染料は、カルボキシル基またはス
ルホ基を含むことが好ましい。シアニン染料の具体例を
示す。
【0097】
【化13】
【0098】
【化14】
【0099】
【化15】
【0100】
【化16】
【0101】
【化17】
【0102】オキソノール染料は、下記式で定義され
る。 Ak=Lo−Ae 式中、Akは、ケト型酸性核であり、Aeは、エノール
型酸性核であり、Loは、奇数個のメチンからなるメチ
ン鎖である。下記一般式(2)で表されるオキソノール
染料は、(特に会合状態で)好ましく用いることができ
る。
【0103】
【化18】
【0104】一般式(2)において、Y1およびY2は、
それぞれ独立に、脂肪族環または複素環を形成する非金
属原子群である。複素環が好ましい。脂肪族環の例に
は、インダンジオン環が含まれる。複素環の例には、5
−ピラゾロン環、イソオキサゾロン環、バルビツール酸
環、ピリドン環、ローダニン環、ピラゾリジンジオン
環、ピラゾロピリドン環およびメルドラム酸環が含まれ
る。脂肪族環および複素環は置換基を有していてもよ
い。置換基は前述のZ1およびZ2の含窒素複素環の置換
基と同様である。5−ピラゾロン環およびバルビツール
酸環が好ましい。L2は、奇数個のメチンからなるメチ
ン鎖である。メチンの数は3、5または7個であること
が好ましく、5個が最も好ましい。メチン基は置換基を
有していてもよい。置換基を有するメチン基は中央の
(メソ位の)メチン基であることが好ましい。置換基の
例としては、前述のアルキル基の置換基と同様である。
また、メチン鎖の二つの置換基が結合して5または6員
環を形成しても良い。X2は、水素原子またはカチオン
である。カチオンの例には、アルカリ金属(例、Na、
K)イオン、アンモニウムイオン、トリエチルアンモニ
ウムイオン、トリブチルアンモニウムイオン、ピリジニ
ウムイオンおよびテトラブチルアンモニウムイオンが含
まれる。以下に、一般式(2)で表されるオキソノール
染料の例を示す。
【0105】
【化19】
【0106】
【化20】
【0107】
【化21】
【0108】750〜850nm用としては、一般式
(2)のオキソノール染料を、851〜950nmおよ
び951〜1100nm用としては、一般式(1)のシ
アニン染料を用いることがさらに好ましい。
【0109】銀を透明状に成膜する方法が電磁波遮蔽に
加えて赤外線遮蔽効果を持たせる方法として安価であり
好ましい。
【0110】赤外線遮蔽フィルター層には、以上に記載
した、波長吸収範囲がほぼ同一である、または異なる、
2種または3種類以上の手段を組み合わせて用いること
ができる。
【0111】〔無機ガラス基板〕本発明において「ガラ
ス透明支持体」ともいう。本発明の前面板に用いる無機
ガラス基板の厚みは1mm〜5mmが好ましく、1.5
mm〜4.5mmがより好ましく、2mm〜4mmが最
も好ましい。材質としてはパネル本体を保護する観点お
よび安全性の観点から強化ガラスが好ましい。
【0112】〔その他の層〕本発明には、潤滑層、防汚
層、帯電防止層あるいは中間層を設けることもできる。
反射防止膜の最表面には潤滑層を形成してもよい。潤滑
層は、反射防止膜表面に滑り性を付与し、耐傷性を改善
する機能を有する。潤滑層は、ポリオルガノシロキサン
(例、シリコンオイル)、天然ワックス、石油ワック
ス、高級脂肪酸金属塩、フッ素系潤滑剤またはその誘導
体を用いて形成することができる。潤滑層の厚さは、2
〜20nmであることが好ましい。または反射防止膜の
最表面に防汚層を設けることもできる。防汚層は反射防
止層の表面エネルギーを下げ、親水性、親油性の汚れを
付きにくくするものである。そのほか防汚層は含フッ素
ポリマーを用いて形成することができる。防汚層の厚さ
は2nm〜100nm、好ましくは5nm〜30nmで
ある。
【0113】本発明においては、表面にアンチグレア機
能(入射光を表面で散乱させて、膜周囲の景色が膜表面
に映るのを防止する機能)を付与することができる。例
えば、透明フィルムの表面に微細な凹凸を形成し、そし
てその表面に反射防止層を形成するか、あるいは反射防
止層を形成後、エンボスロールにより表面に凹凸を形成
することにより、アンチグレア機能を得ることができ
る。アンチグレア機能を有する反射防止層は、一般に3
〜30%のヘイズを有する。
【0114】反射防止層(低屈折率層)、フィルター
層、赤外線や電磁波の遮蔽層、下塗り層、ハードコート
層、潤滑層、防汚層、その他の層は、一般的な塗布方法
により形成することができる。塗布方法の例には、ディ
ップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート
法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビ
アコート法およびホッパーを使用するエクストルージョ
ンコート法(米国特許2,681,294号明細書記
載)が含まれる。2つ以上の層を同時塗布により形成し
てもよい。同時塗布法については、米国特許2,76
1,791号、同2,941,898号、同3,50
8,947号、同3,526,528号の各明細書およ
び原崎勇次著「コーティング工学」253頁(1973
年朝倉書店発行)に記載がある。また、本発明における
反射防止層および赤外や電磁波の遮蔽層の成膜方法に
は、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティ
ング法、プラズマCVD法あるいはPVD法も透明支持
体の耐熱性等の改良に合わせて適宜選択することができ
る。
【0115】本発明において、発明の構成素材(例え
ば、支持体の材料の種類、染料の種類、下塗り層の素
材、赤外や電磁波の遮蔽層の素材、反射防止層用の低屈
折率ポリマーの種類等)及び、諸特性(例えば、可視フ
ィルターの透過率、電磁波遮蔽層の表面抵抗値、赤外遮
蔽層の赤外透過率、下塗り層の弾性率範囲等)から選ば
れた2つ以上の好ましい構成素材又は特性の組み合わせ
をも又本発明の好ましい実施態様として使用することが
できる。
【0116】〔本発明の光学フィルターおよび前面板の
用途〕本発明の光学フィルターおよび前面板は、液晶表
示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PD
P)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL
D)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置
に用いられる。本発明の光学フィルターおよび前面板は
特に、プラズマディスプレイパネル(PDP)および陰
極管表示装置(CRT)の光学フィルターおよび前面板
として使用すると、顕著な効果が得られる。プラズマデ
ィスプレイパネル(PDP)は、ガス、ガラス基板、電
極、電極リード材料、厚膜印刷材料および蛍光体により
構成される。ガラス基板は、前面ガラス基板と後面ガラ
ス基板の2枚である。2枚のガラス基板には電極と絶縁
層を形成する。後面ガラス基板には、さらに蛍光体層を
形成する。2枚のガラス基板を組み立てて、その間にガ
スを封入する。光学フィルターおよび前面板はこれらプ
ラズマディスプレイ本体を保護するように、本体前面に
位置する。光学フィルターおよび前面板は本体を保護す
るために充分な強度を備えていることが好ましい。本発
明の光学フィルターおよび前面板は、プラズマディスプ
レイ本体と隙間をおいて使用することもできるし、プラ
ズマディスプレイ本体に直貼りして使用することもでき
る。プラズマディスプレイパネル(PDP)は、既に市
販されている。プラズマディスプレイパネルについて
は、特開平5−205643号、同9−306366号
の各公報に記載がある。
【0117】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 (1)透明支持体の作製およびフィルター層の塗設 (1−1)PET(ポリエチレンテレフタレート)の重
合 テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従い
IV(極限粘度)=0.66dl/g(フェノール/テ
トラクロルエタン=6/4(重量比)中、25℃で測
定)のPETを得た。これをDSCを用いて10mgの
サンプルを窒素気流中20℃/分で昇温しながら測定し
たところTg=67℃、Tm=255℃であった。 (1−2)PETの製膜 ペレット化したPETを130℃で4時間乾燥し、30
0℃で溶融後T型ダイから押し出したあと急冷し、熱固
定後の膜厚が175μmになるような厚みの未延伸フィ
ルムを作成した。これを、102℃で3.3倍にMD方
向に延伸した後、111℃で4.1倍に横延伸した。そ
の後240℃で90秒熱固定した後、235℃でTD方
向に3%弛緩させた後巻き取った。
【0118】(1−3)下塗り層の形成 (第1層下塗り層の形成)2軸延伸PETフィルムの両
面をコロナ処理した後、両面に屈折率1.55、25℃
における弾性率100MPa、ガラス転移温度37℃の
スチレン−ブタジエンコポリマーからなるラテックス
(日本ゼオン(株)製、LX407C5)を塗布し、下
塗り層を形成した。乾燥後の膜厚さとして、フィルター
層を設ける面には厚さ300nm、ハードコート層を設
ける面には厚さ150nmとなるように塗布した。 (第2層下塗り層の形成)フィルター層を設ける面の下
塗り層の上に、酢酸とグルタルアルデヒドを含むゼラチ
ン水溶液を、乾燥後の厚さ110nmとなるように塗布
し、反射防止層を設ける面の下塗り層の上には屈折率
1.50、25℃における弾性率120MPa、ガラス
転移温度50℃のアクリル系ラテックス(HA16、日
本アクリル(株)製)を乾燥後の厚さ20nmとなるよ
うに塗布し、第2下塗り層を形成した。
【0119】(1−4)可視および近赤外線フィルター
層の形成 ゼラチンの10質量%水溶液180gに、色素(b7)
0.05g、色素(a2)0.15g、色素(d1)
0.16gおよび化合物2−7を1.15g、化合物1
−12を0.22g、および化合物1−13を0.16
gを溶解させ、40℃で30分間攪拌した後、2μmの
ポリプロピレンフィルターでろ過した。得られたフィル
ター層用塗布液を透明支持体のゼラチン第2下塗り層上
に、乾燥膜厚が3.5μmとなるように塗布し、120
℃で10分間乾燥して可視および近赤外フィルター層を
形成した。
【0120】(2)低張力熱処理 熱処理前後でMD方向(縦方向)とTD方向(横方向)
の寸法変化率の平均値を小さくするために表1に示した
条件で低張力熱処理を実施した。なお、いずれの水準も
張力1.0kg/cm2で搬送しながら実施した。12
0℃、30秒間の無張力下での熱処理前後でMD方向
(縦方向)とTD方向(横方向)の寸法変化率の平均値
を表1に示した。
【0121】
【表1】
【0122】上記支持体の可視光分光透過率を調べたと
ころ、535nm付近と595nm付近に吸収極大を有
し、吸収極大での透過率は、535nmの吸収極大が約
69%、595nmの吸収極大が約25%であった。吸
収極大の半値幅は、535nmの吸収極大が約69n
m、595nmの吸収極大が28nmであった。また、
440nm前後の透過率の変化は急峻で、445nmで
の透過率が約75%、435nmでは約27%、430
nmでは約10%であった。T1は約32%であった。
近赤外線(800〜1000nm)領域での平均透過率
は2%であった。
【0123】(3)ハードコートおよび反射防止層の塗
設 (3−1)無機粒子分散液(M−1)の調製 セラミックコートのベッセルに各試薬を以下の量を計量
した。 シクロヘキサノン 337 g PM−2(日本化薬(株)製リン酸基含有メタアクリレート) 31 g AKP−G015(住友化学工業(株)製アルミナ:粒径15nm) 92 g 上記混合液をサンドミル(1/4Gのサンドミル)にて
1600rpm、10時間微細分散した。メディアは1
mmφのジルコニアビーズを1400g用いた。分散
後、ビーズを分離し、表面修飾したアルミナ(M−1)
を得た。
【0124】(3−2)活性エネルギー線硬化層用塗布
液の調製 表面処理したアルミナ微粒子の43質量%シクロヘキサ
ノン分散液(M−1)116gに、メタノール97g、
イソプロパノール163gおよびメチルイソブチルケト
ン163gを加えた。混合液に、ジペンタエリスリトー
ルペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)
200gを加えて溶解した。さらに、光重合開始剤(イ
ルガキュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび
光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)
5.0gを加えて溶解した。混合物を30分間撹拌した
後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過し
て活性エネルギー線硬化層用塗布液を調製した。
【0125】(3−3)ハードコート層および反射防止
層としての低屈折率層の塗設 フィルター層を塗設し、低張力熱処理を施したPET支
持体のフィルター層と反対側にアルミナを充填した活性
エネルギー線硬化層用塗布液を乾燥膜厚が8μmになる
ようにワイヤーバーで塗布・乾燥し、紫外線照射し硬化
層を積層した。引き続いて反応性フッ素ポリマー(JN
−7219、日本合成ゴム(株)製)2.50gにt-ブ
タノール1.3gを加え、室温で10分間撹拌し、1μ
mのポリプロピレンフィルターでろ過した。得られた低
屈折率層用塗布液を、上記ハードコート層上に、バーコ
ーターを用いて乾燥膜厚が96nmとなるように塗布し
た。120℃で15分間乾燥して硬化させ低屈折率層を
形成し、上面に反射防止層を施したハードコート透明支
持体を作製した。表1の光学フィルター1〜3について
は搬送張力1.0kg/cm2で、光学フィルター4に
ついては搬送張力15.0kg/cm2にて上記のハー
ドコート層および反射防止層としての低屈折率層の塗設
を実施した。ハードコート層および反射防止層としての
低屈折率層の塗設を実施後、120℃、30秒間の無張
力下での熱処理前後でMD方向(縦方向)とTD方向
(横方向)の寸法変化率の平均値を表1に示した。
【0126】(4)赤外線遮蔽機能を有する透明支持体
の作製 4種類のフタロシアニン色素((株)日本触媒製 イー
エクスカラー814K、810K、812K、905
B)それぞれ0.002質量%を前記(1−1)で重合
したPETに分散し、前記(1−2)と同様の方法にて
厚さ200μmの2軸延伸フィルムを得た。得られたフ
ィルムの近赤外線(800〜1000nm)平均透過率
は43%であった。熱処理前後でMD方向(縦方向)と
TD方向(横方向)の寸法変化率の平均値を小さくする
ために張力1.0kg/cm2で搬送しながら160
℃、1分の条件で低張力熱処理を実施した。MD方向
(縦方向)とTD方向(横方向)の寸法変化率の平均値
は0.025%であった。
【0127】(5)光学フィルターの作製 上記(1)〜(3)で作製した、反射防止層、ハードコ
ート層、可視および近赤外線フィルター層を形成した透
明支持体の可視および近赤外フィルター層を付与した面
にアクリル系の粘着剤を厚さ30μmの厚さで塗布し、
上記(4)で作製した赤外線遮蔽機能を有する支持体と
貼り合せ、光学フィルターを作製した。
【0128】(6)光学フィルターの色味および機能の
評価 プラズマディスプレイ(TH-42PD2 松下電器産業(株)
製)の前面板を取り外し、上記(5)で作製した光学フ
ィルターの赤外線遮蔽機能を有する支持体面にアクリル
系の粘着剤を厚さ30μmの厚さで塗布し、PDP表面
に直貼りした。
【0129】(6−1)色味の評価 光学フィルターを直貼りしたPDP前面の色味を分光放
射計(トプコン社製SR−2A)にて測定した。いずれ
もa*が−3.0〜2.8の範囲に、b*が−7.2〜−
2.5の範囲に有り目視評価でも無彩色に近く見えた。
【0130】(6−2)フィルター機能の評価 赤外線遮蔽能、表示される画像のコントラストの測定お
よび目視による色再現性の評価を行った。いずれの光学
フィルターも近赤外線領域の線スペクトル遮蔽能は、8
00nmで約5%、850nmでは3%以下となり、周
辺に設置される赤外線リモートコントロール装置に対す
る妨害を防止できた。また、コントラストおよび目視に
よる色再現性も著しく改善された。明室コントラストは
前面板を取り外す前は10:1であったが評価した光学
フィルターを取り付けたものではいずれも15:1であ
った。また光学フィルターをつけたものはいずれも前面
板を取り外す前にくらべて、オレンジ色の入った赤が純
赤に、くすんだ青が鮮やかな青に、また黄ばんだ感じの
白が純白に改良されていることを確認した。
【0131】(7)耐熱、耐光性の評価 キセノン促進ばく露装置(ATLAS製 サンテスト C
PS+)を用いて光学フィルターの耐熱、耐光性試験を実
施した。サンプル面に当たる照度を10万ルクスに調整
し、雰囲気温度100℃にて200時間光照射後の光学
フィルターの外観および近赤外領域の分光透過率を調べ
た。近赤外領域の分光透過率はどのサンプルも差はなく
波長800〜1000nm領域での平均透過率は11%
であった。ところが熱処理前後(120℃、30秒)の
MD方向とTD方向の寸法変化率の平均値が大きい光
学フィルター4はハードコート層にクラックが発生し
た。さらに試験時間を延ばし、光学フィルター1〜3の
ハードコート層のクラックの発生状況を調べたところ熱
処理前後(120℃、30秒)の MD方向とTD方向
の寸法変化率の平均値が小さいサンプル程、ハードコー
ト層にクラックが入り難かった。結果を表1に示した。
【0132】
【発明の効果】本発明の光学フィルター及びそれを用い
た前面板は、製造適性に優れ、無彩色で色補正機能に優
れ、表面が傷つきにくく、耐久性に優れる。また、本発
明の光学フィルターあるいは前面板を用いた画像表示装
置は、色相や視認性に優れ、機械的強度にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は画像表示装置に光学フィルターを直貼
りした場合の概念図であり、(b)は画像表示装置の前
面に本発明の前面板を用いた場合の概念図である。
【図2】(a)および(b)は、図1(a)の配置に対
応する層構成の例を示す概念図であり、(c)および
(d)は、図1(b)の配置に対応する層構成の例を示
す概念図である。
【符号の説明】
1 画像表示装置本体(CRTまたはPDP等) 2 支持体 3 各種フィルター層および反射防止層からなる光学フ
ィルターまたはその一部 4 前面板 11 反射防止層 12 電磁波遮蔽層(および赤外線遮蔽層) 13 赤外線遮蔽層 14 ハードコート層 15 プラスチック透明支持体 16 ガラス透明支持体 17 (赤外線遮蔽機能を有する)プラスチック透明支
持体 18 可視フィルター層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 CA04 CA12 CA14 CA19 2H091 FA01X FA37X FC22 GA16 LA02 LA12 2K009 AA02 AA15 BB24 CC03 CC09 CC33 CC35 CC42 CC45 DD02 EE03 5G435 AA04 AA08 AA17 BB02 BB05 BB06 BB12 FF02 GG11 GG33 HH02 HH03 KK07

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無張力下で120℃、30秒間の熱処理
    を施したとき、該熱処理前後でのMD方向(縦方向)と
    TD方向(横方向)との寸法変化率の平均値が0〜0.
    1%の範囲にある透明支持体上に、染料あるいは顔料と
    ポリマーバインダーとを含有する可視光を吸収する可視
    フィルター層を有することを特徴とする光学フィルタ
    ー。
  2. 【請求項2】 透明支持体の熱処理前後での寸法変化率
    の平均値が0〜0.07%の範囲にあることを特徴とす
    る請求項1に記載の光学フィルター。
  3. 【請求項3】 透明支持体の熱処理前後での寸法変化率
    の平均値が0〜0.03%の範囲にあることを特徴とす
    る請求項2に記載の光学フィルター。
  4. 【請求項4】 透明支持体上に染料あるいは顔料とポリ
    マーバインダーとを含有する可視光を吸収する可視フィ
    ルター層を有し、無張力下で120℃、30秒間の熱処
    理を施したとき、該熱処理前後でのMD方向(縦方向)
    とTD方向(横方向)との寸法変化率の平均値が0〜
    0.1%の範囲にあることを特徴とする光学フィルタ
    ー。
  5. 【請求項5】 熱処理前後での寸法変化率の平均値が0
    〜0.07%の範囲にあることを特徴とする請求項4に
    記載の光学フィルター。
  6. 【請求項6】 熱処理前後での寸法変化率の平均値が0
    〜0.03%の範囲にあることを特徴とする請求項5に
    記載の光学フィルター。
  7. 【請求項7】 赤外線遮蔽機能及び電磁波遮蔽機能のう
    ちの少なくともいずれかの機能を持つ遮蔽フィルター層
    を1層以上有することを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載の光学フィルター。
  8. 【請求項8】 赤外線遮蔽機能を持つ遮蔽フィルター層
    が、赤外線領域に吸収を有する色素を含有することを特
    徴とする請求項7に記載の光学フィルター。
  9. 【請求項9】 赤外線領域に吸収を有する色素が、75
    0〜850nm、851〜950nm及び951〜11
    00nmの波長範囲にそれぞれ吸収極大を有することを
    特徴とする請求項8に記載の光学フィルター。
  10. 【請求項10】 ハードコート層を有することを特徴と
    する請求項1〜9のいずれかに記載の光学フィルター。
  11. 【請求項11】 透明支持体の屈折率より低い屈折率を
    有する反射防止層を有することを特徴とする請求項1〜
    10のいずれかに記載の光学フィルター。
  12. 【請求項12】 可視フィルター層が、560〜620
    nmの波長範囲に透過率が0.01〜50%の吸収極大
    を有する請求項1〜11のいずれかに記載の光学フィル
    ター。
  13. 【請求項13】 可視フィルター層が560〜620n
    mの波長範囲に透過率が0.01〜50%の吸収極大を
    有し、且つ該可視フィルター層の380〜440nmの
    波長範囲における平均透過率が70%以下であることを
    特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光学フィ
    ルター。
  14. 【請求項14】 可視フィルター層が500〜550n
    mの波長範囲に透過率が20〜85%の吸収極大と56
    0〜620nmの波長範囲に透過率が0.01〜50%
    の吸収極大とを有し、且つ該可視フィルター層の380
    〜440nmの波長範囲における平均透過率が70%以
    下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに
    記載の光学フィルター。
  15. 【請求項15】 可視フィルター層が、500〜550
    nmの波長範囲に透過率が20〜85%の吸収極大を、
    そして560〜620nmの波長範囲に透過率が0.0
    1〜50%の吸収極大を有することを特徴とする請求項
    1〜11のいずれかに記載の光学フィルター。
  16. 【請求項16】 可視フィルター層が460〜500n
    mの波長範囲および500〜550nmの波長範囲のに
    いずれも透過率が20〜85%の吸収極大を、560〜
    620nmの波長範囲に透過率が0.01〜50%の吸
    収極大をそれぞれ有し、380〜440nmの波長範囲
    における平均透過率が70%以下であることを特徴とす
    る請求項1〜11のいずれかに記載の光学フィルター。
  17. 【請求項17】 可視フィルター層の560〜620n
    mの波長範囲の吸収極大の半値幅が50nm以下である
    ことを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載の
    光学フィルター。
  18. 【請求項18】 光学フィルターを用いた画像表示装置
    前面を標準の光D65により照明した場合の画像表示装
    置前面の色が下記式(I)で表される範囲にあることを
    特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の光学フィ
    ルター。 0≦|a*|≦10、0≦|b*|≦10 ………(I) 式(I)中、a*,b*は、CIE 1976 L*a
    *b*色空間におけるa*,b*値であり、JIS Z
    8729 に従い表示される。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれかに記載の光
    学フィルターを用いたことを特徴とするプラズマディス
    プレイパネルの前面板。
  20. 【請求項20】 請求項1〜18のいずれかに記載の光
    学フィルターを用いたことを特徴とする画像表示装置。
  21. 【請求項21】 プラズマディスプレイパネルであるこ
    とを特徴とする請求項20記載の画像表示装置。
JP2001024351A 2001-01-31 2001-01-31 光学フィルター、前面板及び画像表示装置 Pending JP2002228828A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001024351A JP2002228828A (ja) 2001-01-31 2001-01-31 光学フィルター、前面板及び画像表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001024351A JP2002228828A (ja) 2001-01-31 2001-01-31 光学フィルター、前面板及び画像表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002228828A true JP2002228828A (ja) 2002-08-14

Family

ID=18889502

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001024351A Pending JP2002228828A (ja) 2001-01-31 2001-01-31 光学フィルター、前面板及び画像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002228828A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005301245A (ja) * 2004-03-16 2005-10-27 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜、反射防止フィルム、偏光板およびそれらを用いた液晶表示装置
JP2006139213A (ja) * 2004-11-15 2006-06-01 Dainippon Printing Co Ltd プラズマディスプレイ用近赤外線吸収フィルタおよびこれを用いたディスプレイ
US7238801B2 (en) 2002-06-12 2007-07-03 Nippon Shokubai Co., Ltd. Phthalocyanine compound, method for production thereof, and near infrared absorbing dye and near infrared absorbing filter using same
JP2011100139A (ja) * 2006-12-11 2011-05-19 Dainippon Printing Co Ltd 光学シート及び表示装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7238801B2 (en) 2002-06-12 2007-07-03 Nippon Shokubai Co., Ltd. Phthalocyanine compound, method for production thereof, and near infrared absorbing dye and near infrared absorbing filter using same
JP2005301245A (ja) * 2004-03-16 2005-10-27 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止膜、反射防止フィルム、偏光板およびそれらを用いた液晶表示装置
JP2006139213A (ja) * 2004-11-15 2006-06-01 Dainippon Printing Co Ltd プラズマディスプレイ用近赤外線吸収フィルタおよびこれを用いたディスプレイ
JP4621004B2 (ja) * 2004-11-15 2011-01-26 大日本印刷株式会社 プラズマディスプレイ用近赤外線吸収フィルタおよびこれを用いたディスプレイ
JP2011100139A (ja) * 2006-12-11 2011-05-19 Dainippon Printing Co Ltd 光学シート及び表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6849327B1 (en) Optical filter
US6597525B2 (en) Optical filter and image display
JP4533538B2 (ja) 光学フィルター
JP2001194524A (ja) 光学フィルター、これを用いた前面板及び画像表示装置
JP2002071940A (ja) 光学フィルターおよびこれを用いた前面板ならびに画像表示装置
JP2002055225A (ja) 光学フィルターおよびこれを用いた前面板ならびに画像表示装置
JP2000043175A (ja) 反射防止フイルムおよびプラズマディスプレイパネル
JP2002372617A (ja) 光学フィルターおよび画像表示装置
JP2000250420A (ja) 画像表示装置用の前面板
JP2002228828A (ja) 光学フィルター、前面板及び画像表示装置
JP2000266930A (ja) 光学選択フイルター
JP2002107538A (ja) 光学フィルター
JP2002328219A (ja) 光学フィルター及び画像表示装置
JP2002043790A (ja) 電磁波遮断性フイルム及び光学フィルターとその製造方法
JP2001281442A (ja) 光学フィルター及びこれを用いた前面板及び画像表示装置
JP2002122729A (ja) 光学フィルター
JP2002072897A (ja) 電磁波遮断性透明フィルム
JP2000258605A (ja) 光学フィルターおよび反射防止膜
JP2002196128A (ja) 光学フィルターおよび画像表示装置
JP2001272532A (ja) 光学フィルターおよびこれを用いた前面板ならびに画像表示装置
JP2003029022A (ja) 光学フィルターおよび画像表示装置
JP2002311233A (ja) 光学フィルターおよび画像表示装置
JP2000258618A (ja) 光学フィルターおよび反射防止膜
JP2002122730A (ja) 光学フィルター
JP2001013317A (ja) 画像表示装置用フィルター