JP2002228821A - 回折格子を用いた表示体 - Google Patents

回折格子を用いた表示体

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JP2002228821A
JP2002228821A JP2001028000A JP2001028000A JP2002228821A JP 2002228821 A JP2002228821 A JP 2002228821A JP 2001028000 A JP2001028000 A JP 2001028000A JP 2001028000 A JP2001028000 A JP 2001028000A JP 2002228821 A JP2002228821 A JP 2002228821A
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Ryo Saito
涼 齊藤
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示パターンをランダムに配置した回折格子
の集合より構成できるようにし、視認性に優れるととも
に偽造防止効果の高い回折格子を用いた表示体を提供す
る。 【解決手段】 回折格子より構成した表示パターン31
を有する回折格子を用いた表示体において、前記表示パ
ターン31の領域を複数の画素311、312、31
3、314、315に分割し、前記複数の画素311、
312、313、314、315に、線幅、ピッチ及び
格子の角度の少なくとも1つが異なる複数種類の回折格
子をランダムに割り当てて、前記表示パターン31を構
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カード、フィル
ム、シート等に用いられる表示体に係り、特に、良好な
視認性を有するとともに、偽造を困難とするのに好適
な、回折格子を用いた表示体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、クレジットカード、キャッシュカ
ード、IDカード、パスポートまたは高級ブランド品な
どには、装飾性に優れ、文字、絵柄等を容易に目視で認
識できるように、回折格子を用いた表示体(レリーフホ
ログラムともいう)を配置形成することが、広く行われ
ている。
【0003】ここでは、1種類の単純な回折格子を用い
て、文字または絵柄等の表示パターンを形成するのが最
も一般的である。図1は、従来例の回折格子を用いた表
示体における表示パターンを示す図であリ、図1の
(a)には、表示パターンが1種類の回折格子から構成
される例を示す。図1の(a)において、表示パターン
10Aは、文字「J」を表すが、所定の大きさを有する
回折格子1を「J」になるように、所定の区画領域(画
素ともいう)に、ここでは、34個配列したものから構
成されている。なお、回折格子1は、全領域で線幅、ピ
ッチ、角度が同じものである。
【0004】このような、1種類の回折格子1は、容易
に文字、絵柄等の表示パターンを視認できるものである
が、単純な表示であり、作成も容易であり、従って、比
較的容易に偽造し得るものであリ、偽造防止の必要なカ
ード等に用いることは得策ではない。
【0005】単純な表示を改善し、より視覚的に刺激が
あるように、特定領域毎にそこに配置される回折格子の
傾きを微小に滑らかに変化させた複数種類の回折格子群
を用いて、表示パターンを構成するものが近年提案され
ており、例えば、特開平6−67608号公報にその例
が開示されている。図1の(b)に,その表示パターン
の例を示す。
【0006】図1の(b)において、表示パターン10
Bは、図1の(a)におけると同様に、文字「J」を全
部で34個の回折格子を配列したものから構成されてい
るが、ここでは、例えば、表示パターン10Bを、図中
上下方向に、6つの領域A,B,C,D,E,Fに分け
て、それぞれ回折格子1A,1B,1C,1D,1E,
1Fを配置している。回折格子1A,1B,1C,1
D,1E,1Fは、縦方向に格子の角度のみ(線幅、ピ
ッチは一定)、約5°ずつ変化させたもの(図中、領域
Aから領域Fへは横方向に対する角度が次第に小さくな
っている)である。
【0007】この表示パターン10Bを上から下の方向
へ傾けて観察すると、表示パターン10Bの反射回折光
の方向が連続的に変化し、輝いて見える領域が滑らかに
移動して見えるし、しかも虹色の表示パターン10Bが
容易に視認でき、装飾的にも優れたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図1の
(b)に示したように、格子の傾き(角度)を微小に滑
らかに変化させた回折格子1A,1B,1C,1D,1
E,1Fを並べて表示パターン10Bを形成すると、回
折格子1A,1B,1C,1D,1E,1Fをそれぞれ
取出せば、横方向の配列が規則的となっている。このよ
うな規則性があることにより、表示パターン10Bの作
成が容易である反面、偽造防止の効果が小さいという解
決すべき課題があった。
【0009】そこで本発明は、上記課題を解決し、回折
格子を用いた表示体において、表示パターンをランダム
に配置した回折格子の集合より構成できるようにし、視
認性に優れるとともに偽造防止効果の高い回折格子を用
いた表示体を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、第1の発明は、回折格子より構成した表
示パターンを有する回折格子を用いた表示体において、
前記表示パターンの領域を複数の画素に分割し、前記複
数の画素に、線幅、ピッチ及び格子の角度の少なくとも
1つが異なる複数種類の回折格子をランダムに割り当て
て、前記表示パターンを構成したことを特徴とする回折
格子を用いた表示体である。
【0011】また、第2の発明は,第1の発明におい
て、前記複数の画素に、前記複数種類の回折格子及びC
GH位相分布をランダムに割り当てたことを特徴とする
するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、好ましい実施例により、図2乃至図14を参照して
説明する。
【0013】<第1実施例>まず、本発明の回折格子を
用いた表示体を得る方法について説明する。回折格子を
用いた表示体を作成するには、所望の表示パターン(原
画)を用意し、画像データを作成する。画像データは、
作画装置を用いて作成する、あるいは画像読み取り装置
(スキャナ)等を用いて表示パターンを読み取り、コン
ピュータで処理できるようにして、任意の大きさに変更
したものである。
【0014】図2は、表示パターンにおける画像データ
を示す図である。図2において、7は表示体(の領域)
を示し、横にn個,縦にm個それぞれ配列されている所
定の大きさである正方形の画素8より構成されている。
すなわち表示体(の領域)7を縦横適当数の画素8に分
割する。
【0015】画素8は、その位置により(a,b)と表
される。ここで、aは0,1,…,m−1、bは0,1,…,
n−1のいずれかで表され、表示体7を構成する画素8
のそれぞれ,対応する縦の行番号,横の列番号を示す。
画素(a,b)には、画素値P(a,b)が対応してお
り、画素(a,b)が表示パターン10C中にあればP
(a,b)=1を、それ以外の場合はP(a,b)=0
を割り当てる。なお、画素値P(a,b)の全体が、以
下に説明するランダムな画素数値の割り当てをされてk
(a,b)の画像データとなる。
【0016】ここで、得られた画素値P(a,b)=1
である画素(a,b)について、さらにランダムにK種
類の画素数値を割り当てる。図3は、画素値が1である
画素にランダムにK種類の画素数値を割り当てる方法を
示すフローチャート図である。ステップS1で開始し、
ステップS2において、表示パターン領域内の画素
(a,b)に対し、画素値P(a,b)=1を、表示パ
ターン領域外の画素(a,b)に対し、画素値P(a,
b)=0を与える。
【0017】次に、ステップS3において、画素値P
(a,b)=1の画素を分類する数K,及び乱数シード
値x(任意の整数である)を与える。xの値によって発
生する乱数が決まる。次に、ステップS4において、画
素値P(a,b)=0の画素(a,b)に対してはステ
ップS6ヘ分岐して、新たに画素数値k(a,b)=0
を割り当てる。
【0018】一方、ステップS4において、画素値P
(a,b)=1の画素に対してはステップS5ヘ分岐し
て、以下の式1を用いて画素(a,b)に画素数値k
(a,b)を割り当てる。 k(a,b)=rand(x)%K+1 …(式1) ここで、randは0以上の整数をランダムに生成す
る、すなわち乱数を発生する関数で、xの値によって発
生する乱数が変化する。xの値が同じときは、常に同じ
乱数を同じ順序で生成する。
【0019】記号‘%’は剰余を表し、‘rand
(x)%K’は乱数rand(x)をKで割った余りを
示す。式1の場合、表示パターン領域外の画素(a,
b)に割り当てられる画素数値k(a,b)=0と区別
するために、生成された剰余に1を加えて画素数値k
(a,b)とする。よって、1からKまでのK種類の数
値である画素数値k(a,b)が画素値P(a,b)=1
の画素(a,b)に対して、ほぼ均等に割り付けられ
る。次に、ステップS7において、表示パターン領域と
表示パターン領域以外の画素の新たに割り当てられた画
素数値k(a,b)を合成し、画像データk(a,b)
として決定され、終了する(ステップS8)。
【0020】次に、回折格子のパターンを説明する。図
4は、画素を構成する直線状回折格子のパターンを示す
上面図である。回折格子2は、図4中で、黒く表示され
た溝部(段差)3(凹部になる)と表面4(凸部にな
る)の縞状のパターンを示す。ここで、回折格子2のサ
イズは横方向の長さdx、縦方向の長さdyであり、溝
部3は線幅lを有し、ピッチpで表面4と交互に配列さ
れている。また溝部3は横方向に対し、格子の角度θを
なしている。
【0021】この回折格子は、画素に対応するものであ
り、これらのパラメータは、適宜所定の値に設定できる
ものである。線幅l、ピッチp、格子の角度θの各パラ
メータによって、回折格子が決定されるから、各パラメ
ータを調整することによって、回折方向、回折光強度が
決まる。
【0022】なお、上述の画像データk(a,b)を前
記Kで作成した場合には、回折格子2を、l,p,θの
パラメータを1つ以上変化させて、回折格子のパターン
をパターン1からパターンKまでランダムにK種類準備
できる。ここで、一般に、段差がZ−1段の回折格子は
Z値の回折格子と呼ばれる。Z値が大きければ大きいほ
ど鮮明な表示パターンが得られる。
【0023】以上の割り当てを、例えば文字「I」に適
用した場合について説明する。図5は、表示パターンの
一例を示す図である。ここで、表示パターン31(文字
「I」)の領域を線幅、ピッチ、角度の少なくとも1種
類は異なる回折格子をランダムに配置し、表示パターン
31以外の領域を表示パターン領域内の回折格子とは異
なる回折格子によって表示するものとする。
【0024】図6は、図5の表示パターンを含む表示体
を画素で表した図である。図6には、13行13列のマ
トリクス状に配置された画素32より構成されており、
表示パターン31(文字「I」を表す)を含む表示体3
0が示されており、上述の画素値P(a,b)(以下,
単に画素値Pともいう)=1(黒で表示の部分)が表示
パターン31の領域であり、画素値P=0(白で表示の
部分)が表示パターン31の領域外である。
【0025】図7は、本発明の回折格子を用いた表示体
の第1実施例を示す図である。ここでは、画素値P=1
の画素を分類する数KをK=5として、5種類の画素数
値k(a,b)(以下,単に画素数値kともいう)を上
述した画素数値kの算出方法に従って、各画素にランダ
ムに割り当てたものである。
【0026】表示体30を構成する画素で表示パターン
31の領域にある画素において、画素311は画素数値
k=1であり図中「1」と記載されており、画素312
は画素数値k=2であり図中「2」と記載されており、
画素313は画素数値k=3であり図中「3」と記載さ
れており、画素314は画素数値k=4であり図中
「4」と記載されており、画素315は画素数値k=5
であり図中「5」と記載されており、これらは互いにラ
ンダムに配置されている。画素数値k=1乃至5は分類
1乃至5にそれぞれ対応する。表示パターン31以外の
領域の画素316には画素数値k=0が割り当てられて
おり、図中黒い部分で示される。画素数値k=0は分類
6に対応する。
【0027】次に、分類1乃至6に対応する回折格子を
決定する。図8は、第1実施例における回折格子のパタ
ーンを示す図である。K=5であり、分類の数は5分類
となるので、5種類の回折格子のパターンを用意する。
図8の(1)から(5)に示される回折格子パターン
は、格子の角度θがそれぞれ70°、65°、60°、
55°、50°と5°刻みで異なるものであるが、線幅
l、ピッチp、サイズdx,dy、凹凸の段数(Z値)
はすべて同じである。 例えば、線幅lは2μm、ピッ
チpは5μm、サイズdxは50μm、dyは50μ
m、50um、凹凸の段数は1段(Z値=2)である。
【0028】また、画素数値k=0の画素を分類6とし
て分類したので、これに対して、図8の(6)に示すよ
うな回折格子パターンを対応させる。この回折格子パタ
ーンは、格子の角度θが130°、線幅lが1μm、ピ
ッチpが5μm、サイズdxが50μm、dyが50μ
m、凹凸の段数は1段(Z値=2)である。各1画素の
大きさを50μm×50μmとし、画素数値kに対応す
る回折格子のパターンをそれぞれ配置して表示パターン
31を含む表示体30を作成する。なお、これらはデー
タとして保持されていて、これに基き、回折格子を形成
する。
【0029】次に、このような回折格子の作成方法を説
明する。回折格子の形成方法としては、二光束干渉法ま
たは電子線(EB)描画法が一般的に用いられる。二光
束干渉法は、コヒーレントな物体光と参照光との光を干
渉させて、表示体を形成したい基板上の配置された感光
材料上に干渉縞を形成・記録する方法である。一方、E
B描画法は、電子線を用いて、表示体を形成したい基板
上に直接回折格子を描画する方法である。
【0030】本発明に係る回折格子のように、線幅、ピ
ッチ、格子の角度を適宜変化させる必要があり、大量に
生産する場合は、二光束干渉法よりもEB描画法が適し
ている。
【0031】図7及び図8に示されたランダム配置され
た複数の異なる回折格子からなる表示パターン31を含
む表示体30のデータに基き、EB描画法を用いて、例
えばシリコン原盤に表示体30に対応する回折格子の凹
凸パターンを形成する。このシリコン原盤から紫外線硬
化樹脂を用いて2P成型によりフィルム基材上に凹凸を
形成し、さらに回折格子の凹凸上に反射膜であるTiO
2を蒸着して、フィルム状の回折格子による表示体を作
製する。これらを転写して、例えば、回折格子を用いた
表示体を有するカードなどを作製できる。
【0032】ところで、以上説明した第1実施例のラン
ダム配置された回折格子からなる表示パターンを含む表
示体は、1つの観察点からは、回折光が視認できる箇所
と視認できない箇所が存在する。しかし、観察点をずら
すことにより、先程視認できなかった箇所が視認できる
ようになり、またその逆も起こる。しかし画素に対応す
る回折格子はランダム配置なので、視認できる箇所が変
化しても、常にランダムな箇所がきらびやかに輝き、視
認性に優れたものである。
【0033】また、表示パターンに配置されているK種
類の回折格子のパターン中に、直線状の回折格子以外の
領域が混在しても、全く違和感がなく、観察者がその存
在を認識することは困難である。例えば、直線状の回折
格子以外の領域として、回折格子のパターンそのものが
存在しない領域とすることができる。回折格子のパター
ンが存在しない領域は視認では分からないが、表示体を
読み取り装置に入れると判断できる。従って、偽造防止
にこのような方法が利用できる。
【0034】このような場合の表示体の真偽判定につい
て、以下説明する。図9は、表示体読み取り装置の概略
構成図である。表示体読み取り装置11は、表示体30
を保持するとともに、水平面内の所定の範囲の任意の位
置に移動可能に構成されている表示体保持部材14と、
単色光のビーム13を表示体30に所定位置及び角度で
照射する単色光源12と、ビーム13の表示体30から
の回折光を検出する画像素子15と、画像素子15から
のデータを解析するとともに、表示体保持部材14の位
置を制御するためのデータを出力するマイクロコンピュ
ータ16より、概略構成されている。
【0035】まず、マイクロコンピュータ16に表示体
30上の回折格子のパターンが存在しない領域(特定領
域)の位置と単色光源12からビーム13が照射される
位置とを予め記憶させておく。表示体30が表示体読み
取り装置11に挿入され、表示体保持部材に配置された
ことをマイクロコンピュータ16が検知したとき、表示
体30上で回折格子のパターンが存在しない領域に単色
光源12からビーム13が照射されるように、マイクロ
コンピュータ16からのデータに基き、表示体保持部材
14が移動する。次に、回折格子のパターンが存在しな
い領域(特定領域)にビーム13を照射し、回折光を撮
像素子15で受光して、マイクロコンピュータ16に情
報を送る。受光した光が0次光以外に存在しなければそ
の表示体は本物(真)であり、受光した光が存在すれば
偽物と判定できる。このように、回折格子のパターンが
存在しない領域を混在させることにより、観察者には分
からない情報が比較的簡単な読み取り装置で検出でき、
表示体の真贋判定が行うことができるようになる
【0036】一方、回折格子の存在する領域で真偽判定
を行うと、受光した回折光の光量、回折角から真偽判定
を行わなければならず、真偽判定が複雑になる、表示体
の汚れが真偽判定を誤まらせる可能性があリ、有効性が
減少する。装飾効果については、隣接する複数の回折格
子を徐々に滑らかに変化する回折格子を用いる場合に
は、一層優れたものとなる。
【0037】以上、表示パターンをK種類の回折格子の
パターンをランダムに配置し、表示パターン以外の領域
を一つの回折格子のパターンで構成した例について説明
したが、表示パターン以外の領域に、隣接した画素同士
が徐々に滑らかに変化する回折格子を割り付けると、さ
らに装飾効果を高めることができる。
【0038】また、表示する表示パターンとして複数の
文字、絵柄を表示パターンとする場合、1つの文字、絵
柄毎に異なる回折格子パターンを割り付けると、装飾効
果を高めることができる。図10は、表示体とそれを表
す回折格子パターンを示す図である。図10の(a)に
示されるように、表示体20の表示体領域に、複数の例
えば3文字が割り付けられている場合、図10の(b)
に示されるように、3つの領域に分割して、各領域毎
に、上述のK分類パターンに分類する方法を用いて、3
つの回折格子パターン21、22,23をそれぞれ作成
する。回折格子パターン21,22,23毎に、回折格
子の線幅、ピッチ、角度を変化させることができ、これ
らをつなぎ合わせて、全体の表示パターンとすれば、装
飾性の良好なものとなる。
【0039】また、回折格子による鮮明な再生像を得る
ためには、回折格子のZ値を2より大きくすることが望
ましい。以下に、2値と4値の回折格子を示す。図11
は、直線状回折格子の断面側面図であリ、図11の
(a)は2値の回折格子2A、図11の(B)には4値
の回折格子2Bがそれぞれ示されている。回折格子2A
は、樹脂などの基板5Aに、表面4Aと溝部(段差)3
Aが所定間隔で配列形成されている。一方、4値の回折
格子2Bは、樹脂などの基板5Bに、表面4Bと溝部
(段差)3B1,3B2,3B3が所定間隔で配列形成
されている。溝部3B1に隣接してより深い溝部3B2
があり、溝部3B2に隣接してより深い溝部3B3があ
り、これらが所定のピッチで繰り返し形成配置されてい
る。
【0040】<第2実施例>ホログラムには、計算機ホ
ログラム(Computer GeneratedHo
logram:以下,単にCGHともいう)があり、こ
れは、単色光によってのみ再生像が得られるものであ
る。CGHは、所望の回折格子の回折角に対応する回折
光分布(振幅分布)を計算機によってフーリエ逆変換する
ことで、回折格子の干渉縞に対応する位相分布を算出
し、位相分布を離散値化して収束させたものである。
【0041】半導体製造技術を応用して、この離散値位
相分布に対応する凹凸をシリコン原盤上に作製すること
により、CGHが得られる。この方法を用いれば、回折
格子、CGHともに一度に成型することができるもので
ある。
【0042】図12は、本発明の回折格子を用いた表示
体の第2実施例を示す図であリ、図13は、第2実施例
における回折格子パターンを示す図である。本第2実施
例は、図5に示した文字「I」の表示パターン31を、
線幅l、ピッチp、格子の角度θの内、少なくとも1種
類が異なっている4種類の回折格子と1種類のCGHと
をランダムに配置したものから構成して、表示パターン
41を有する回折格子を用いた表示体40とし、これを
カードに配置したものである。
【0043】第1実施例におけると同様に、画素値P=
1の画素を分類する数KをK=5として、5種類の画素
数値kを上述した画素数値kの算出方法に従って、各画
素にランダムに割り当てたものである。従って、前述の
表示パターン31と本第2実施例における表示パターン
41は外形形状が同じであるが、それを構成する画素が
異なるものとなる。
【0044】表示体40を構成する画素で表示パターン
41の領域にある画素において、画素411は画素数値
k=1であり図中「1」と記載されており、画素412
は画素数値k=2であり図中「2」と記載されており、
画素413は画素数値k=3であり図中「3」と記載さ
れており、画素414は画素数値k=4であり図中
「4」と記載されており、画素415は画素数値k=5
であり図中「5」と記載されており、これらは互いにラ
ンダムに配置されている。画素数値k=1乃至5は分類
1乃至5にそれぞれ対応する。
【0045】表示パターン41以外の領域の画素416
には画素数値k=0が割り当てられており、図中数字の
記載のない白い部分で示される。画素数値k=0は分類
6に対応する。次に、分類1乃至5に対応する回折格子
を決定する。分類6に対応する部分には回折格子を配置
しない。図13は、第2実施例における回折格子パター
ンを示す図である。K=5であり、分類は5分類となる
ので、5種類の回折格子のパターンを用意する。
【0046】図13の(1)に示されるのはCGH位相
分布であリ、CGHの位相分布は表示パターン41と同
じ「I」が再生像として得られるようにして、位相分布
を算出する。位相分布のユニットセルは50μm×50
μmの大きさに設計・作成する。このユニットセルを縦
横に2×2個並べて、100μm×100μmのサイズ
とする。
【0047】図13の(2)から(5)に示される回折
格子パターンは、格子の角度θがそれぞれ65°、60
°、55°、50°と5°刻みで異なるものであるが、
線幅l、ピッチp、サイズdx,dy、凹凸の段数(Z
値)はすべて同じである。例えば、線幅lは5μm、ピ
ッチpは10μm、サイズdxは100μm、dyは1
00μm、凹凸の段数は1段(Z値=2)である。
【0048】各1画素の大きさを100μm×100μ
mとし、画素数値k=5の画素には図13の(1)に示
すCGH位相分布を、k=1の画素には図13の(2)
に示す回折格子パターンを、k=2の画素には図13の
(3)に示す回折格子パターンを、k=3の画素には図
13の(4)に示される回折格子パターンを、k=4の
画素には図13の(5)に示される回折格子パターンを
それぞれ割り付けて、表示パターン41を作成する。こ
こで、表示体中の位置(2,6),位置(7,6),位
置(8,6)の画素415にCGH位相分布が割り当て
られている。
【0049】前述した回折格子作製方法によって、表示
パターン41をシリコン原盤に形成する。この原盤から
スタンパを作製し、ポリカーボネート樹脂を用いて射出
成型してカード状の表面に凹凸を形成して、凹凸上にア
ルミを蒸着して、カード43上に回折格子を用いた表示
体40を作製する。
【0050】図14は、カードに第2実施例の表示体を
配置した図である。カード43は、例えば縦54.0m
m,横85.0mmの大きさであり、表示体40中の2
つのCGH位相分布で表示される画素415が隣接して
いる中央部(表示体40中での位置は、位置(7,6)
及び位置(8,6))への距離がカード右上から、下方
向へ30.0mmの位置(水平基準線44の位置)、左
方向へ20.0mmの位置(垂直基準線45の位置)に
ある。
【0051】次に、このカードの真偽判定を説明する。
上述の図9に示した表示体読み取り装置11の表示体保
持部材14にカード43を配置する。マイクロコンピュ
ータ16に、CGH位相分布である画素415(以下、
単にCGH部4150という:表示体40中での位置
は、位置(7,6)及び位置(8,6))の位置情報と
単色光のビーム13を照射して得られる再生像を予め記
憶させておく。表示体40(カード43)が読み取り装
置11に挿入されたことをマイクロコンピュータ16が
感知したとき、表示体40のCGH部4150に単色光
源12からのビーム13が照射されるように、表示体保
持部材14ごと表示体40を走査する。CGH部415
0にビーム13を照射し、回折光を撮像素子15で受光
して、マイクロコンピュータ16に情報を送る。受光し
た再生像とマイクロコンピュータ16に記憶されている
再生像が一致すれば真、受光した再生像が一致しなけれ
ば偽と判定できる。
【0052】CGH位相分布は直線状の回折格子と異な
り、回折光(ドット)の集合で像を示すので真偽判定を行
い易い。また、ランダムに配置した複数の回折格子パタ
ーンとCGHから表示パターンが形成されているので、
視認性に優れたものとなり、偽造防止効果が高い。
【0053】また、CGH位相分布の場合には、表示体
読み取り装置を用いなくても、レーザポインタ等でCG
H部に単色光を照射し、机や壁等の平面形状の物体に再
生像を投影することで簡易的に真偽判定することもでき
る。従って、表示体中にCGH部を混在させると、観察
者には分からない情報となり、偽造が困難となるが、上
述のように比較的簡単に、表示体の真偽判定が行うこと
ができる。また、表示パターンの領域中に、CGH部と
回折格子パターンが存在しない領域の両方を混在させ
て、より複雑な表示パターンを形成してもよい。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の回折格子
を用いた表示体において、請求項1及び2記載によれ
ば、表示パターンの領域を複数の画素に分割し、前記複
数の画素に、線幅、ピッチ及び格子の角度の少なくとも
1つが異なる複数種類の回折格子をランダムに割り当て
て、前記表示パターンを構成したことにより、表示パタ
ーンをランダムに配置した回折格子の集合より構成でき
るようにし、視認性に優れるとともに偽造防止効果の高
い回折格子を用いた表示体を提供できるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の回折格子を用いた表示体における表示
パターンを示す図である。
【図2】表示パターンにおける画像データを示す図であ
る。
【図3】画素値が1である画素にランダムにK種類の画
素数値を割り当てる方法を示すフローチャート図であ
る。
【図4】画素を構成する直線状回折格子のパターンを示
す上面図である。
【図5】表示パターンの一例を示す図である。
【図6】図5の表示パターンを含む表示体を画素で表し
た図である。
【図7】本発明の回折格子を用いた表示体の第1実施例
を示す図である。
【図8】第1実施例における回折格子パターンを示す図
である。
【図9】表示体読み取り装置の概略構成図である。
【図10】表示体とそれを表す回折格子パターンを示す
図である。
【図11】直線状回折格子の断面側面図である。
【図12】本発明の回折格子を用いた表示体の第2実施
例を示す図である。
【図13】第2実施例における回折格子パターンを示す
図である。
【図14】カードに第2実施例の表示体を配置した図で
ある。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F…回折格子、
2,2A,2B…回折格子パターン、3,3A,3B
1,3B2,3B3…溝部(段差)、4,4A,4B…
表面、5,5A,5B…樹脂、6…表示体領域、7…表
示体領域、10A,10B…表示パターン、11…表示
体読み取り装置、12…単色光源、13…ビーム、14
…表示体保持部材、15…撮像素子、16…マイクロコ
ンピュータ、20…表示体、21…回折格子パターン、
22…回折格子パターン、23…回折格子パターン、3
0…表示体、31表示パターン、40…表示体、41…
表示パターン、43…カード、44…水平基準線、45
垂直基準線、、311,312,313,314,31
5,316…画素、411,412,413,414,
415,416…画素。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回折格子より構成した表示パターンを有す
    る回折格子を用いた表示体において、 前記表示パターンの領域を複数の画素に分割し、前記複
    数の画素に、線幅、ピッチ及び格子の角度の少なくとも
    1つが異なる複数種類の回折格子をランダムに割り当て
    て、前記表示パターンを構成したことを特徴とする回折
    格子を用いた表示体。
  2. 【請求項2】前記複数の画素に、前記複数種類の回折格
    子及びCGH位相分布をランダムに割り当てたことを特
    徴とする請求項1に記載の回折格子を用いた表示体。
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