JP2002227722A - スラスタ - Google Patents
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Abstract
び高い構造強度を必要とせずに、小型軽量化を図ってコ
ストの大幅な低減を実現し、安全性を向上させて、軌道
上での人間によるハンドリングおよびガスの再充填を可
能にする。 【解決手段】 大量の水素を吸蔵して低圧貯蔵可能でか
つ常温付近で必要な圧力に昇圧した水素を放出可能な特
性を有する水素吸蔵合金61を具備していると共にこの
水素吸蔵合金61に水素を複数回充填可能とした貯蔵兼
コンプレッサ部6と、水素を放出した貯蔵兼コンプレッ
サ部6に熱を加えてこの貯蔵兼コンプレッサ部6の水素
吸蔵合金61の温度を水素放出時の状態に回復させて維
持するヒータ部7と、水素を噴出させるノズル4を備え
た。
Description
されて、例えば、軌道上において人間の活動を支援する
動力として使用するのに好適なスラスタに関するもので
ある。
ば、ガスタンクに窒素ガスなどの不活性ガスを数10Mp
a(数百気圧)の高圧で圧縮貯蔵し、この高圧ガスをレギ
ュレータおよび電磁弁で圧力や量の調節を行いながらノ
ズルから噴出させるようにした構成をなすものがある。
来のスラスタにおいて、構造はシンプルであるものの、
ミッションに応じて設定された容積のガスタンクに実用
上必要なガス量を貯蔵しようとすると、上述のように数
10Mpa(数百気圧)の高圧で圧縮しなくてはならないの
に加えて、ガスを高圧で圧縮する都合上、とくに打ち上
げ環境においてガスがリークしたりガスタンクが破損し
たりしないように、気密性および構造強度を高めなくて
はならず、コストが上昇してしまうという問題があっ
た。
は、高圧で圧縮充填する設備が必要であるうえ、この圧
縮充填作業が危険を伴うことから、軌道上において再充
填することが困難であり、まして、人間がハンドリング
することは不可能であるという問題を有しており、これ
らの問題を解決することが従来の課題となっていた。
てなされたもので、高圧ガスの取り扱いを前提とした気
密性および高い構造強度を必要とすることがなく、その
分だけ、小型軽量化を図ってコストを大幅に低減させる
ことが可能であり、加えて、安全性の向上を実現でき、
その結果、軌道上での人間によるハンドリングおよびガ
スの再充填が可能になるスラスタを提供することを目的
としている。
るスラスタは、大量の水素を吸蔵して低圧貯蔵可能でか
つ常温付近で必要な圧力に昇圧した水素を放出可能な特
性を有する水素吸蔵合金を具備していると共にこの水素
吸蔵合金に水素を複数回充填可能とした貯蔵兼コンプレ
ッサ部と、水素を放出した貯蔵兼コンプレッサ部に熱を
加えてこの貯蔵兼コンプレッサ部の水素吸蔵合金の温度
を水素放出時の状態に回復させて維持するヒータ部と、
水素を噴出させるノズルを備えた構成としたことを特徴
としており、このスラスタの構成を前述した従来の課題
を解決するための手段としている。
素吸蔵合金は、低圧貯蔵した水素を常温付近で必要な圧
力に昇圧して放出することができるといった特性を有し
ているので、水素の充填時において、水素吸蔵合金を低
温にすれば、より低圧での水素の充填が可能になる。
て、ヒータ部は、常温付近の環境下における平衡水素圧
力の高低に応じて水素を吸蔵・放出する互いに異なる2
種類の水素吸蔵合金を具備し、両水素吸蔵合金の各々の
生成熱の差を貯蔵兼コンプレッサ部に加えるべく配置し
た構成とし、本発明の請求項3に係わるスラスタは、ヒ
ータ部の2種類の水素吸蔵合金のうちの平衡水素圧力の
低い一方の水素吸蔵合金を貯蔵兼コンプレッサ部の水素
吸蔵合金と相互に熱交換可能に設け、貯蔵兼コンプレッ
サ部の水素吸蔵合金から水素が放出された段階において
一方の水素吸蔵合金に発熱反応を生じさせるべく平衡水
素圧力の高い他方の水素吸蔵合金から一方の水素吸蔵合
金に対して水素を供給可能とすると共に、貯蔵兼コンプ
レッサ部の水素吸蔵合金に水素を再充填する段階におい
てヒータ部の一方の水素吸蔵合金に吸熱反応を生じさせ
るべく一方の水素吸蔵合金から水素を放出可能とし、ヒ
ータ部の他方の水素吸蔵合金に水素を複数回充填可能と
した構成としている。
蔵兼コンプレッサ部およびヒータ部の各水素吸蔵合金を
外殻から略離間させた状態でケースにそれぞれ収納して
ある構成とし、本発明の請求項5に係わるスラスタは、
貯蔵兼コンプレッサ部とノズルとの間に、貯蔵兼コンプ
レッサ部から放出された水素を所定のパルスを生じさせ
るのに必要な量だけ貯める気貯め部を設けた構成として
いる。
ータ部の各水素吸蔵合金には、ランタン・ニッケル(LaN
i5)合金やランタンをミッシュ・メタル(Mm)に置き換え
たMmNi5 系合金などの希土類系合金を採用することが
できるほか、比較的安価なチタン・鉄(TiFe)系合金を用
いることができる。
部の各水素吸蔵合金には、いずれも粒径が2〜40μm
(好ましくは4〜10μm)の粉末状をなしたものを使用
し、熱伝導性を高めるために合金表面に銅を化学処理し
てコーティング(マイクロカプセル化)したものを用いる
ことが望ましい。
した構成としているので、ノズルから水素を噴出させて
1回目のスラストを生じさせると、貯蔵兼コンプレッサ
部の圧力が低下して水素吸蔵合金から水素が放出され、
2回目のスラスト発生の準備がなされる。
蔵合金から水素が放出されるのに伴って、この水素吸蔵
合金の温度が低下するが、水素を放出した貯蔵兼コンプ
レッサ部にはヒータ部から熱が加えられるので、貯蔵兼
コンプレッサ部の水素吸蔵合金の温度が水素放出時の状
態に回復し、そして、この状態が維持されることとな
る。
ラスタでは、水素の貯蔵に水素吸蔵合金を採用している
ので、スラスタ体積が小さくなり、その分だけ、宇宙へ
の輸送および航行体への装備が容易になされることとな
り、加えて、従来のような高圧圧縮を前提とした気密性
および高い構造強度を必要としないので、コストの低減
が図られることとなる。
では、貯蔵兼コンプレッサ部の水素吸蔵合金に水素を再
充填可能としているので、スラスタを地上に持ち帰るこ
となく再使用し得ることとなるのに加えて、大量の水素
を低圧貯蔵可能な特性の水素吸蔵合金を用いているの
で、すなわち、高圧のガスを取り扱う必要がないので、
水素を貯蔵した状態での安全性が高いものとなり、例え
ば、水素がリークするようなことがあっても、その際の
吸熱反応で水素吸蔵合金の温度が下がってリークは自然
に止まることから、人間がハンドリングや水素の再充填
を行い得ることとなる。
上記した構成としているため、水素を放出した貯蔵兼コ
ンプレッサ部を温めるのに、例えば、電熱ヒータを用い
る必要がなく、したがって、消費電力の大幅な節約がな
されることとなり、本発明の請求項3に係わるスラスタ
では、請求項2に係わるスラスタと同様に消費電力の大
幅な節約がなされるのに加えて、貯蔵兼コンプレッサ部
の水素吸蔵合金に水素を再充填する段階においてヒータ
部の一方の水素吸蔵合金から水素を放出可能としている
ので、このヒータ部の一方の水素吸蔵合金によって貯蔵
兼コンプレッサ部の水素吸蔵合金から熱が効率よく除去
されることとなり、その結果、貯蔵兼コンプレッサ部の
水素吸蔵合金に対する水素の再充填作業が迅速になされ
ることとなる。
上記した構成としたから、貯蔵兼コンプレッサ部の水素
吸蔵合金の温度を水素放出時の状態に回復させて維持す
る際や、貯蔵兼コンプレッサ部の水素吸蔵合金に水素を
再充填する際において、貯蔵兼コンプレッサ部の水素吸
蔵合金と、ヒータ部の水素吸蔵合金との間における熱の
授受が効率よくなされることとなり、本発明の請求項5
に係わるスラスタでは、上記した構成としたため、貯蔵
兼コンプレッサ部から放出された水素を気貯め部に一旦
貯めることで、ノズルから噴射する水素の量が必要量確
保されて、したがって、より安定したパルスを短い間隔
で生じさせ得ることとなる。
は、上記した構成としたため、宇宙への輸送および航行
体への装備を簡単に行うことができるうえ、従来のスラ
スタと比較してコストの大幅な低減を実現することがで
きる。
では、再使用することができるのに加えて、軌道上にお
いて人間がハンドリングしたり水素を再充填したりする
ことが可能になるという非常に優れた効果がもたらされ
る。
ば、上記した構成としたから、消費電力を格段に少なく
抑えることが可能であるという非常に優れた効果がもた
らされ、本発明の請求項3に係わるスラスタでは、請求
項2に係わるスラスタと同じ効果が得られるうえ、貯蔵
兼コンプレッサ部の水素吸蔵合金に対する水素の再充填
作業を迅速に行うことができるという非常に優れた効果
がもたらされる。
記した構成としているため、貯蔵兼コンプレッサ部の水
素吸蔵合金の温度を水素放出時の状態に回復維持する段
階、および、貯蔵兼コンプレッサ部の水素吸蔵合金に水
素を再充填する段階における貯蔵兼コンプレッサ部の水
素吸蔵合金とヒータ部の水素吸蔵合金との間での熱の授
受を効率よく行うことが可能であり、本発明の請求項5
に係わるスラスタでは、上記した構成としたため、ノズ
ルから噴射する水素を必要量確保することができ、その
結果、より安定したパルスを短い間隔で発生させること
が可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
実施例を説明する図である。
タ1は、円筒形状をなすケース2と、このケース2の一
方の開口端部(図示左端部)にねじ込んで連結された有底
円筒形状をなすキャップ3と、このキャップ3の中心に
設置したノズル4と、ケース2の他方の開口端部(図示
右端部)を閉塞するエンドキャップ5を備えており、ケ
ース2の内部には貯蔵兼コンプレッサ部6およびヒータ
部7が設けてある。
率を高めるための環状リブ21aおよび放射状リブ(図
示省略)で区切られた複数の分割空間21bを有する浅
底円筒容器21がケース外殻2aと間隔をおいて一体で
形成されていて、貯蔵兼コンプレッサ部6は、この浅底
円筒容器21の複数の分割空間21bに、粉末状をなす
水素吸蔵合金の表面に銅をコーティングしてなる多数の
マイクロカプセル61を詰め込んでなっており、この浅
底円筒容器21内のマイクロカプセル61を覆うフィル
タ62と、ケース2の一方の開口端部をガスケット22
を介して閉塞する隔壁23との間の空間は、水素を供給
可能としたシャットオフバルブ63と配管64を介して
連通する圧縮室65として形成してある。
ット22を介して隔壁23により閉塞されて気貯め室
(気貯め部)31として機能するように形成されており、
この気貯め室31は、隔壁23に設けたリリーフバルブ
24を介して圧縮室65と連通していると共に、配管3
2および電磁弁33で開閉制御されるマニホルド34を
介してノズル4と連通していて、気貯め室31および圧
縮室65の各内部圧力は、キャップ3および隔壁23に
それぞれ設置した圧力センサ25,25でモニタするよ
うになっている。
部6の浅底円筒容器21に底部を密接させた状態でかつ
ケース外殻2aと間隔をおいた状態で固定されるヒータ
側第1浅底円筒容器71と、ケース2の他方の開口端部
寄りの部分にブラケット26を介して固定されたヒータ
側第2浅底円筒容器72を具備しており、貯蔵兼コンプ
レッサ部6の浅底円筒容器21とほぼ同一構成をなすヒ
ータ側第1浅底円筒容器71の分割空間71bに、粉末
状をなす水素吸蔵合金の表面に銅をコーティングしてな
る多数のマイクロカプセル73を詰め込むと共に、ヒー
タ側第2浅底円筒容器72に、粉末状をなす水素吸蔵合
金の表面に銅をコーティングしてなる多数のマイクロカ
プセル74を詰め込んでなっている。
75を間に介在させてキャップ76で閉塞してあって、
電磁弁77を介してヒータ側第2浅底円筒容器72と連
通していると共に、配管78を通してシャットオフバル
ブ79と連通し、ヒータ側第2浅底円筒容器72は配管
81を通して水素供給用のシャットオフバルブ80と連
通している。
部6における浅底円筒容器21の複数の分割空間21b
に詰め込まれる水素吸蔵合金には、大量の水素を吸蔵し
て低圧貯蔵可能でかつ常温付近で必要な圧力に昇圧した
水素を放出可能な特性を有するMmNi4.5Cr0.5を採用し、
一方、ヒータ部7におけるヒータ側第1浅底円筒容器7
1の分割空間71bに詰め込まれる水素吸蔵合金には、
常温付近の環境下における平衡水素圧力の高低に応じて
水素を吸蔵・放出する特性を有するTiFe0.8Ni0 .15V0.05
を採用していると共に、ヒータ側第2浅底円筒容器72
に詰め込まれる水素吸蔵合金には、同じく常温付近の環
境下における平衡水素圧力の高低に応じて水素を吸蔵・
放出しかつTiFe0.8Ni0.15V0.05よりも平衡水素圧の高い
LaNi5を採用している。
5の圧力を0.5MPa(5atm)、気貯め室31の圧力を0.1MPa
(1atm)、ヒータ部7のヒータ側第1浅底円筒容器71に
詰め込まれる水素吸蔵合金(73)の平衡圧力を0.008MPa
(0.08atm)、ヒータ部7のヒータ側第2浅底円筒容器7
2に詰め込まれる水素吸蔵合金(74)の平衡圧力を0.12
MPa(1.2atm)とした状態量の上記スラスタ1の動作を説
明する。
1に与えられると、ノズル4側の電磁弁33がオン作動
するのに続いてオフ作動して、図3の矢印に示すよう
に、ノズル4から気貯め室31内の水素が噴出し、これ
により1回目のスラストが生じることとなり、これによ
る気貯め室31の圧力低下に伴って、リリーフバルブ2
4が開いて圧縮室65の圧力が低下し、これを補うため
に貯蔵兼コンプレッサ部6の浅底円筒容器21内の水素
吸蔵合金(61)から水素が放出される。
および貯蔵兼コンプレッサ部6の圧縮室65の圧力をモ
ニタしており、両室31,65の圧力が低下して貯蔵兼
コンプレッサ部6の水素吸蔵合金(61)から水素が放出
されていることを検出すると、ヒータ部7側の電磁弁7
7が開いて、ヒータ側第2浅底円筒容器72内の平衡圧
力が高い方の水素吸蔵合金(74)から放出された水素が
ヒータ側第1浅底円筒容器71内の平衡圧力が低い方の
水素吸蔵合金(73)に吸蔵され、この間、図3の白抜き
矢印および図4に示すように、ヒータ側第1浅底円筒容
器71内の水素吸蔵合金(73)の発熱反応による生成熱
(この実施例では45.2kJ/molH2)の一部の熱(−25.5kJ/mo
lH2)が、貯蔵兼コンプレッサ部6の水素吸蔵合金(61)
に加えられ、残りの熱が吸熱反応しているヒータ側第2
浅底円筒容器72内の水素吸蔵合金(74)に戻されると
共に、ケース2内の保温用として使用される。
蔵兼コンプレッサ部6の水素吸蔵合金(61)の温度が水
素放出時の状態に回復して、2回目のスラスト発生の準
備がなされると、電磁弁77が一旦閉じ、この後、貯蔵
兼コンプレッサ部6の水素吸蔵合金(61)の温度が低下
する毎に電磁弁77が開閉を繰り返すことで、上記の状
態が維持されることとなる。
いて水素を再充填する要領を説明する。
合金(61)に対して、図5の矢印に示すように、シャッ
トオフバルブ63を介して水素を圧力0.5MPaで供給して
充填するのと同時に、シャットオフバルブ79を開いて
ヒータ部7のヒータ側第1浅底円筒容器71内の水素吸
蔵合金(73)から水素を放出させる。この際、水素吸蔵
合金(73)から放出される水素を真空引きしてもよい。
0.4MPaに設定しておくと、圧力0.5MPaで供給された水素
は、まず、リリーフバルブ24を通して気貯め室31に
流れ込み、その室内圧が0.1MPaに回復するのに続いて、
水素吸蔵合金(61)に対する充填が完了することとな
る。
容器72内の水素吸蔵合金(74)に対して、シャットオ
フバルブ80を介して水素を圧力0.5MPaで供給して充填
すると、図5の白抜き矢印および図6に示すように、貯
蔵兼コンプレッサ部6の水素吸蔵合金(61)およびヒー
タ側第2浅底円筒容器72内の水素吸蔵合金(74)の各
発熱反応による生成熱がヒータ側第1浅底円筒容器71
内の水素吸蔵合金(73)に伝わって吸熱反応を引き起こ
すことから、シャットオフバルブ79を通してなされる
水素吸蔵合金(73)内の水素の放出が促進されることと
なる。この際、水素が充填された貯蔵兼コンプレッサ部
6の水素吸蔵合金(61)が体積変化することによって生
じる浅底円筒容器21の歪みを計測したり、水素吸蔵合
金(61)に吸蔵された水素の量を計測したりすること
で、水素の再充填が完了したことを認識するようにして
いる。
素の貯蔵に水素吸蔵合金(61)を採用しているため、ス
ラスタ体積が小さくなる分だけ、宇宙への輸送および航
行体への装備が容易になされることとなり、加えて、従
来のような高圧圧縮を前提とした気密性および高い構造
強度を必要としないことから、低コスト化が図られると
共に、人間のハンドリングが可能となる。
ンプレッサ部6の水素吸蔵合金(61)や、ヒータ部7の
ヒータ側第2浅底円筒容器72内の水素吸蔵合金(74)
に水素を再充填可能としているので、スラスタ1を再使
用し得ることとなるうえ、常温付近で高圧ガスの取り扱
いをしなくても済む水素吸蔵合金(61),(74)を用い
るようにしていることから、水素を貯蔵した状態での安
全性が極めて高いものとなって、人間がハンドリングや
水素の再充填を行い得ることとなる。
は、常温付近の環境下における平衡水素圧力の高低に応
じて水素を吸蔵・放出する互いに異なる2種類の水素吸
蔵合金(73),(74)でヒータ部7を構成し、両水素吸
蔵合金(73),(74)の各々の生成熱の差を貯蔵兼コン
プレッサ部6に加えるようにしているので、水素を放出
した貯蔵兼コンプレッサ部6を温めるのに、例えば、電
熱ヒータを用いる必要がなく、したがって、消費電力の
大幅な節約がなされることとなる。
は、貯蔵兼コンプレッサ部6の水素吸蔵合金(61)に水
素を再充填する段階においてヒータ部7のヒータ側第1
浅底円筒容器71内の水素吸蔵合金(73)から水素を放
出可能としているので、このヒータ部7の水素吸蔵合金
(73)によって貯蔵兼コンプレッサ部6の水素吸蔵合金
(61)から熱が効率よく除去されることとなって、貯蔵
兼コンプレッサ部6の水素吸蔵合金(61)に対する水素
の再充填作業が迅速になされることとなる。
蔵兼コンプレッサ部6の水素吸蔵合金(61)を詰め込む
浅底円筒容器21をケース外殻2aと間隔をおいて設け
てあると共に、ヒータ部7の水素吸蔵合金(73)を詰め
込むヒータ側第1浅底円筒容器71を同じくケース外殻
2aと間隔をおいた状態で設けているので、貯蔵兼コン
プレッサ部6の水素吸蔵合金(61)の温度を水素放出時
の状態に回復させて維持する場合や、貯蔵兼コンプレッ
サ部6の水素吸蔵合金(61)に水素を再充填する場合
に、貯蔵兼コンプレッサ部6の水素吸蔵合金(61)と、
ヒータ部7の水素吸蔵合金(73)との間における熱の授
受が効率よくなされることとなる。
蔵兼コンプレッサ部6とノズル4との間に気貯め室31
を設けているので、貯蔵兼コンプレッサ部6から放出さ
れた水素を気貯め室31に一旦貯めることによって、ノ
ズル4から噴射する水素の量が必要量確保されることと
なって、より安定したパルスを短い間隔で生じさせ得る
こととなる。
ッサ部6に設けた水素吸蔵合金(61)が、大量の水素を
吸蔵して低圧貯蔵する貯蔵機能と、常温付近で必要な圧
力に昇圧した水素を放出する機能とを併せ持っている場
合を示したが、これに限定されるものではなく、貯蔵兼
コンプレッサ部に、貯蔵の役割を担う水素吸蔵合金と、
この水素吸蔵合金よりも平衡水素圧力の高いコンプレッ
サの役割を担う水素吸蔵合金との2種類の水素吸蔵合金
を設けることも可能である。
ンプレッサ部6の水素吸蔵合金(61)を詰め込む浅底円
筒容器21およびヒータ部7の水素吸蔵合金(73)を詰
め込むヒータ側第1浅底円筒容器71に、熱伝導効率を
高めるための環状リブ21aおよび放射状リブ(図示省
略)で区切られた複数の分割空間21bを設けた構成と
しているが、両容器21,71に、ハニカム状の分割空
間を設ける構成とすることも可能である。
構成は、上記した実施例に限定されるものではない。
説明図である。
説明図(b)および背面説明図(c)である。
の流れを示す断面説明図である。
の流れを説明する図である。
熱の流れを示す断面説明図である。
熱の流れを説明する図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 大量の水素を吸蔵して低圧貯蔵可能でか
つ常温付近で必要な圧力に昇圧した水素を放出可能な特
性を有する水素吸蔵合金を具備していると共に水素吸蔵
合金に水素を複数回充填可能とした貯蔵兼コンプレッサ
部と、水素を放出した貯蔵兼コンプレッサ部に熱を加え
てこの貯蔵兼コンプレッサ部の水素吸蔵合金の温度を水
素放出時の状態に回復させて維持するヒータ部と、水素
を噴出させるノズルを備えたことを特徴とするスラス
タ。 - 【請求項2】 ヒータ部は、常温付近の環境下における
平衡水素圧力の高低に応じて水素を吸蔵・放出する互い
に異なる2種類の水素吸蔵合金を具備し、両水素吸蔵合
金の各々の生成熱の差を貯蔵兼コンプレッサ部に加える
べく配置した請求項1に記載のスラスタ。 - 【請求項3】 ヒータ部の2種類の水素吸蔵合金のうち
の平衡水素圧力の低い一方の水素吸蔵合金を貯蔵兼コン
プレッサ部の水素吸蔵合金と相互に熱交換可能に設け、
貯蔵兼コンプレッサ部の水素吸蔵合金から水素が放出さ
れた段階において一方の水素吸蔵合金に発熱反応を生じ
させるべく平衡水素圧力の高い他方の水素吸蔵合金から
一方の水素吸蔵合金に対して水素を供給可能とすると共
に、貯蔵兼コンプレッサ部の水素吸蔵合金に水素を再充
填する段階においてヒータ部の一方の水素吸蔵合金に吸
熱反応を生じさせるべく一方の水素吸蔵合金から水素を
放出可能とし、ヒータ部の他方の水素吸蔵合金に水素を
複数回充填可能とした請求項2に記載のスラスタ。 - 【請求項4】 貯蔵兼コンプレッサ部およびヒータ部の
各水素吸蔵合金を外殻から略離間させた状態でケースに
それぞれ収納してある請求項2または3に記載のスラス
タ。 - 【請求項5】 貯蔵兼コンプレッサ部とノズルとの間
に、貯蔵兼コンプレッサ部から放出された水素を所定の
パルスを生じさせるのに必要な量だけ貯める気貯め部を
設けた請求項1ないし4のいずれかに記載のスラスタ。
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