JP2002227403A - 循環水エルボ配管部に設置する作業足場 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 循環水配管内のメンテナンスにおいて使用す
る足場において、組み立てに要する時間を短縮すること
ができ、かつ組立作業に熟練を必要としない、作業足場
を提供することを目的とする。 【解決手段】 循環水配管内のエルボー部に設置する作
業足場であって、該作業足場はスライド部を有する本体
ユニットと、該本体ユニットを支持するサポートジャッ
キユニットと、本体ユニットの先端に取付けたコラム
と、該コラム上に設けた４本のアームと、コラムを支持
する倒れ止めとを備え、これら各部材を折たたみ可能に
一体化し、折りたたんで一体化された状態で前記エルボ
ー部に移動し、該エルボー部で展開可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】原子力発電所等における循環
水配管内のメンテナンス作業においては、管内に足場を
設置し、この足場に乗って作業を行う。このような足場
は、垂直管部と水平管部の交るエルボ管部に足場を設置
し、この足場を基礎とし、その上にさらに上方に向って
の足場設置作業や、エルボ管部管壁のメンテナンス作業
を行う。本発明はこのような作業を行うために使用する
循環水エルボ配管部に設置する作業足場に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、エルボ管部の足場組み立ては、エ
ルボ管部の形状に合わせ、単部品を組み合わせて作業足
場を設置していた。したがって、部品点数が多くなり、
それに伴い組み立て、解体のための作業時間の増大や、
管内への搬入時間の増大などの問題があった。また従来
品は、構造が複雑なため、熟練を要し、作業員によって
組み立て時間に大きな差が生じる等の問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来技術の問題点にか
んがみ、組み立てに要する時間を短縮することができ、
かつ組立作業に熟練を必要としない、作業足場を提供す
ることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】循環水配管内のエルボ
ー部に設置する作業足場であって、該作業足場はスライ
ド部を有する本体ユニットと、該本体ユニットを支持す
るサポートジャッキユニットと、本体ユニットの先端に
取付けたコラムと、該コラム上に設けた４本のアーム
と、コラムを支持する倒れ止めとを備え、これら各部材
を折たたみ可能に一体化し、折りたたんで一体化された
状態で前記エルボー部に移動し、該エルボー部で展開可
能にした。 そして、前記本体ユニットは、一端にスライド部を有
し、展開時においては該スライド部の先端をエルボー部
の内壁に当接させ、他端を前記エルボー部より前位置に
立設したサポートジャッキユニットで支持され、前記コ
ラムは本体ユニットの先端部に立設され、本体ユニット
とサポートジャッキユニットとで支持され、前記コラム
上部のアームは上方に９０°展開可能で、前記コラムに
対しスジカイで支持され、その上部に上足場板を敷設可
能であり、前記本体ユニット上には側方に伸縮可能なジ
ャッキバーとサポートジャッキユニットとに支持される
下足場板が敷かれ、該下足場板と前記上足場板間に上は
しごが設けられ、前記サポートジャッキユニットには下
はしごが設けられており、これら各部材が非使用時には
コンパクトに折りたたみ可能であり、使用時には展開し
オートロックフックでワンタッチ組立可能にした。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明にかかわる作業足場を図１
〜図３を参照して説明する。図１（ａ）は作業足場を組
立てた状態の側面図、図１（ｂ）は図１（ａ）の右側面
図、図２は図１（ａ）の上面図である。

【０００６】図１でＡはエルボー管部の傾斜部である。
Ａ’は断面円形の垂直部、Ａ''は同じく水平部である。
１はサポートジャッキユニットで、図１（ｂ）に示すご
とく、左右２本の縦ジャッキ１ａと、これら２本の縦ジ
ャッキ１ａの中央部にそれぞれ折りたたみ可能に取付け
た横ジャッキ１ｂよりなっている。２本の縦ジャッキは
中間位置に、又左右２本の横ジャッキは端部に伸縮可能
なジャッキ装置を備えている。又横ジャッキ１ｂの一方
には下はしご２が取り付けられている（図１・
（ｂ））。縦ジャッキ１ａと横ジャッキ１ｂの端には管
壁と接するベースゴム３が取り付けられている。平行す
る２本の縦ジャッキ１ａと１ａは上・中・下部の３本の
連結管１ｃで直結されている。

【０００７】４は本体ユニットで、その先端にスライド
部５を有している。スライド部５はその先端がエルボー
管部の傾斜部Ａの内壁に突当てられた状態でその位置
を、スライドロックピン６（図３参照）を挿入して固定
される。

【０００８】本体ユニット４の基部にはオートロックフ
ック７（図４，図５）が設けられており、これをサポー
トジャッキユニット１を構成する２本の縦ジャッキ１
ａ，１ａ間の連結管１ｃに掛けると、自動的にロックさ
れ、外れない構造となっている。

【０００９】図４，図５を参照してオートロックフック
７を説明する。オートロックピン７には例えばサポート
ジャッキユニット１の連結管１ｃが入る環状凹部８が設
けられている。この環状凹部８は片側が開放されてい
る。凹部８の上壁には、係止片９がピン１０で回動可能
に取り付けられている。

【００１０】係止片９は凹部８内に例えばサポートジャ
ッキ１の連結管１ｃが入ると、図４の状態にある係止片
９を押し上げ、係止片９の反対側の凸部１１が逆に張り
出し、前記連結管１ｃを抱え込む構造となっている。

【００１１】１２は鉤片で、ピン１３で回動可能に取り
付けられており、係止片９が図４で押し上げられると、
鉤片１２の先端鉤状部１４を押し上げる。すると、鉤片
１２の他端１５が係止片９の背部に設けたＬ状段部１６
に当り、係止片９の回動を妨げるので、環状凹部８に入
った連結管１ｃはこの凹部８の開放部から外に脱出しな
いよう保持される。

【００１２】１７はサポートバーで、一端は後述するコ
ラム１８の下端にピン結合されている。又その他端はサ
ポートジャッキ１の下部に設けた連結管１ｃに前記オー
トロックピン７で着脱可能である。

【００１３】コラム１８はエルボー管の傾斜部Ａに直立
される。そしてその頂部にはコラム１８の側部にこれと
平行に格納された状態から９０°上方に回動して十字型
に開く４本のアーム１９を有している。アーム１９は当
初コラム１８と平行にたたまれているが、使用時には、
図１のごとく、スジカイ２０で水平に支持される。スジ
カイの端部にもオートロックフックが設けられ、これに
よりワンタッチ取付けができる。前記アーム１９は計４
本あるが、その内奥側（図１の左側）とこれと直交する
両側２本のものは、その先端にジャッキ２１を有し、こ
れを壁面に押しつけてコラム１８を垂直に支持する。

【００１４】２２はコラム１８に設けた開き止め金具
で、これを外すことにより、アーム１９を上方に持ち上
げることができる。２３はコラム１８の倒れ止めで、コ
ラム１８にピン結合されており、本体ユニット４とは、
オートロックフックで着脱される。

【００１５】２４は上はしごで（図２）、アーム１９と
本体ユニット４との間にオートロックフックにより取付
けられる。２５は上足場板、２６は下足場板である。上
記倒れ止め２３と上はしご２４の下端部取付けは前記オ
ートロックフック７によりワンタッチ取付けが可能であ
る。２７は側方に伸縮可能なジャッキバーで両端にジャ
ッキを有し、本体ユニット４上に取付けられている。

【００１６】（作業足場の組み立て順序）図６〜図８を
参照して作業足場の組立て方を説明する。 １．図６の状態に折り畳まれた状態で本体ユニット４
をエルボ管の傾斜部Ａの近くまで移動させ、サポートジ
ャッキユニット１を設置する。（エルボ管の下部屈折部
から少し離れた位置Ｌに、ベースゴム３の先端を合わせ
て設置する。）…（図６・） ２．本体ユニット４のスライドロックピン６（図３）を
外し、スライド部５を側方に伸ばしたのち、スライドロ
ックピン６を挿入してその延長した位置を固定する（図
６・）。 ３．本体ユニット４のオートロックフック部を持ち、エ
ルボ管の傾斜部Ａに押し上げ、オートロックフック７を
サポートジャッキユニット１に掛ける（図７・）。 ４．本体ユニット４が水平になっているか確認する。水
平になっていないときは、サポートジャッキユニット１
を前後して調節する。 ５．サポートバー１７をサポートジャッキユニット１の
下部連結管１ｃに取付ける（図７・）。 ６．アーム１９（ジャッキ付きの内、奥側のアーム）を
垂直に立ち上げ、スジカイ２０を取り付ける。 ７．開き止め金具２２を外してコラム１８を立てる（図
８・）。 ８．倒れ止め２３を本体ユニット４上に掛ける（図８・
）。 ９．本体ユニット４上にこれと直交してジャッキバー２
７を取付けて、その端部のジャッキを配管側部に向って
締め付ける（図８・）。 １０．足場板下２６（２枚）をジャッキバー２７と横ジ
ャッキ１ｂとの間に取付ける。次に下はしご２８を取り
付ける（図８・）。 １１．残りのアーム１９を開いてスジカイ２０を取り付
ける（図８・）。 １２．上はしご２４及び、足場板下２６（３枚）を取り
付ける（図８・）。 １３．アーム１９に付いているジャッキを配管に締め付
ける。…完成

【００１７】

【発明の効果】請求項１及び請求項２により常時は折り
たたんでコンパクト化されており、使用時にはこの状態
でエルボー管部に移し、この部分で展開し、支持装置等
はオートロックフックにより容易かつワンタッチで組立
て可能にしたので、組立て時間が大幅に短縮される。因
みに現在約３０分も要した組立てを約５分〜１０分で組
立てでき、熟練工を必要としなくなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は作業足場を組立てた状態の側面図であ
る。（ｂ）は（ａ）の右側面図。

【図２】図１（ａ）の平面図である。

【図３】スライドロックピンの詳細図。

【図４】（ａ）はオートロックフックのロック前の斜視
図、（ｂ）は（ａ）のＡ矢視図。

【図５】（ａ）はオートロックフックのロック後の斜視
図、（ｂ）は（ａ）のＡ矢視図。

【図６】作業足場の組立て順序説明図。

【図７】作業足場の組立て順序説明図。

【図８】作業足場の組立て順序説明図。

【符号の説明】

Ａ エルボ管部 １ サポートジャッキユニット 1a 縦ジャッキ 1b 横ジャッキ ２ 下はしご ３ ベースゴム ４ 本体ユニット ５ スライド部 ６ スライドロック
ピン ７ オートロックフック ８ 環状凹部 ９ 係止片 10 ピン 11 凸部 12 鉤片 13 ピン 14 先端鉤状部 15 （鉤片の）他端 16 段部 17 サポートバー 18 コラム 19 アーム 20 スジカイ 21 ジャッキ 22 開き止め金具 23 倒れ止め 24 上はしご 25 足場板上 26 足場板下 27 ジャッキバー 28 下はしご

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 循環水配管内のエルボー部に設置する作
   業足場であって、該作業足場はスライド部を有する本体
   ユニットと、該本体ユニットを支持するサポートジャッ
   キユニットと、本体ユニットの先端に取付けたコラム
   と、該コラム上に設けた４本のアームと、コラムを支持
   する倒れ止めとを備え、これら各部材を折たたみ可能に
   一体化し、折りたたんで一体化された状態で前記エルボ
   ー部に移動し、該エルボー部で展開可能にしたことを特
   徴とする循環水エルボ配管部に設置する作業足場。
2. 【請求項２】 前記本体ユニットは、一端にスライド部
   を有し、展開時においては該スライド部の先端をエルボ
   ー部の内壁に当接させ、他端を前記エルボー部より前位
   置に立設したサポートジャッキユニットで支持され、 前記コラムは本体ユニットの先端部に立設され、本体ユ
   ニットとサポートジャッキユニットとで支持され、 前記コラム上部のアームは上方に９０°展開可能で、前
   記コラムに対しスジカイで支持され、その上部に上足場
   板を敷設可能であり、 前記本体ユニット上には側方に伸縮可能なジャッキバー
   とサポートジャッキユニットとに支持される下足場板が
   敷かれ、該下足場板と前記上足場板間に上はしごが設け
   られ、 前記サポートジャッキユニットには下はしごが設けられ
   ており、 これら各部材が非使用時にはコンパクトに折りたたみ可
   能であり、使用時には展開しオートロックフックでワン
   タッチ組立可能にしたことを特徴とする請求項１記載の
   循環水エルボ配管部に設置する作業足場。