JP2002226908A - スラグブレーカーおよびスラグ層の開口方法 - Google Patents

スラグブレーカーおよびスラグ層の開口方法

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JP2002226908A
JP2002226908A JP2001026605A JP2001026605A JP2002226908A JP 2002226908 A JP2002226908 A JP 2002226908A JP 2001026605 A JP2001026605 A JP 2001026605A JP 2001026605 A JP2001026605 A JP 2001026605A JP 2002226908 A JP2002226908 A JP 2002226908A
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breaker
gas
powder
slag layer
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JP2001026605A
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English (en)
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Wataru Mizukoshi
渉 水越
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融金属の上面に存在するスラグ層の一部に、
所要寸法の孔を迅速に開口することができるスラグブレ
ーカーと、このスラグブレーカーを用いたスラグ層の開
口方法を提供する。 【解決手段】内部にガス流路12bと粉体流路15とが
形成され、前記ガス流路12bに連通するガス噴出孔お
よび前記粉体流路15に連通する粉体噴出孔16が周囲
に形成された耐熱性のブレーカーヘッド1bを備えるス
ラグブレーカー。このブレーカーヘッド1bは、粉体流
路15と粉体噴出孔16とを省いてもよい。このブレー
カーヘッド1bのガス噴出孔からガスを噴出させなが
ら、前記ブレーカーヘッド1bを溶融金属表面に形成さ
れたスラグ層に挿入し、さらに粉体噴出孔16から発熱
性粉体をスラグ層と溶融金属中の一方または両方にに吹
き込んで、スラグ層の一部を開口させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、溶融金属の上面
に存在するスラグ層の一部を開口させるスラグブレーカ
ー、およびこのスラグブレーカを用いたスラグ層の開口
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融金属の精錬過程において、溶融金属
の温度管理のために温度測定が行われる。この温度測定
の際は、測温プローブを精錬容器の上部から溶融金属中
に挿入する。また、目標成分に対する的中精度を向上さ
せるために成分分析が行われる。この成分分析の際は、
サンプラーを精錬容器の上部から溶融金属中に挿入して
溶融金属をサンプリングする。この温度測定および成分
分析は、溶融金属の精錬において重要な作業であるた
め、通常、精錬の初期、中期および終了期の複数の時期
に行われる。
【0003】ところで、溶融金属の精錬では、精錬容器
中の溶融金属の上部にスラグが存在する。このスラグ
は、溶融金属の種類によっては高融点のクロム酸を含む
ことがある。このように高融点のクロム酸を含んだスラ
グは、溶融金属の表面で固化しやすい。そのため、溶融
金属の上面に強固なスラグ層が形成される。
【0004】前記のように温度測定や成分分析の際は、
測温プローブやサンプラーを溶融金属中に挿入するが、
溶融金属の上面に強固なスラグ層が存在すると、測温プ
ローブやサンプラーを挿入することはできない。そのた
め、スラグ層の一部を破壊して開口させる必要がある。
【0005】スラグ層の一部を破壊して開口させる装置
として、ロッドの先端に砲弾状のブレーカーヘッドを設
けたスラグブレーカーが知られている。このスラグブレ
ーカーは、ロッドを駆動させることにより、砲弾状のブ
レーカーヘッドをスラグ層中に突入させて、スラグ層の
一部を開口させる。
【0006】このスラグブレーカーによれば、開口に要
する時間は数秒程度と短い。しかし、開口時の衝撃によ
りスプラッシュが多量に飛散して、周辺の設備やケーブ
ルなどを焼損させるおそれがある。
【0007】また、特開2000−180435号公報
には、スラグブレーカーを備えたサンプリング装置が開
示されている。このスラグブレーカーは、鋼製の槍状部
材からなるブレーカーヘッドと昇降駆動装置とからな
り、昇降駆動装置の駆動によりブレーカーヘッドをスラ
グ層中に押し込んで、スラグ層の一部を開口させる。
【0008】このスラグブレーカーによれば、開口に要
する時間は比較的短く、また、開口時にスプラッシュが
多量に飛散するという問題は生じ難い。しかし、1回の
開口作業におけるスラグ層の開口面積が小さいため、測
温プローブやサンプラーが大きい場合は、その大きさに
応じて複数回の開口作業が必要になり、開口作業に時間
がかかるという問題がある。
【0009】また、前記のいずれのスラグブレーカーの
場合も、開口作業の度にブレーカーヘッドの表面にスラ
グが付着して、ブレーカーヘッドの径が実質的に増大す
る。また、槍状部材からなるブレーカーヘッドの場合
は、その形状が保持されなくなる。そのため、付着した
スラグを頻繁に除去する必要がある。
【0010】一方、スラグ層の一部を溶解、軟化させた
後、測温サンプリングする方法が特開平8−26003
1号公報に開示されている。この方法は、溶解バーナー
を用い、溶解バーナーからの高熱量のフレームによりス
ラグ層の一部を溶解、軟化させる。
【0011】この方法によれば、スラグに直接接する部
材は存在しないため、スラグが付着するという問題はな
い。しかし、高融点スラグを熱で溶解、軟化させるた
め、溶解、軟化に時間がかかる。前記公報には、LPG
などのバーナーフレームに発熱性物質を添加することに
よって、時間短縮を図ることも記載されているが、この
ようにしても3分程度の時間が必要となる。
【0012】最近の精錬処理では、精錬に要する時間が
10〜15分と極めて短かい。また、測温、サンプリン
グは、精錬初期および終期の少なくとも2回行われる。
したがって、前記の3分という時間は、精錬時間の短縮
にとって致命的な欠点になるおそれがある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この発明の課題は、溶
融金属の上面に存在するスラグ層の一部に、比較的大き
な孔を迅速に開口させることができ、また表面にスラグ
が付着することないスラグブレーカーと、このスラグブ
レーカーを用いたスラグ層の開口方法を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨は次の
(1)および(2)のスラグブレーカーと、(3)およ
び(4)のスラグ層の開口方法にある。
【0015】(1)内部にガス流路が形成され、前記ガ
ス流路に連通するガス噴出孔が少なくとも外周面に形成
された耐熱性のブレーカーヘッドを備えるスラグブレー
カー。
【0016】(2)内部にガス流路と粉体流路とが形成
され、前記ガス流路に連通するガス噴出孔および前記粉
体流路に連通する粉体噴出孔が少なくとも外周面に形成
された耐熱性のブレーカーヘッドを備えるスラグブレー
カー。
【0017】(3)前記(1)に記載したスラグブレー
カーを用い、ガス噴出孔からガスを噴出させながら、ブ
レーカーヘッドを溶融金属表面に形成されたスラグ層に
挿入してスラグ層の一部を開口させるスラグ層の開口方
法。
【0018】(4)前記(2)に記載したスラグブレー
カーを用い、ガス噴出孔からガスを噴出させながら、ブ
レーカーヘッドを溶融金属表面に形成されたスラグ層に
挿入し、さらに粉体噴出孔から発熱性粉体をスラグ層と
溶融金属中とのいずれか一方または両方に吹き込んでス
ラグ層の一部を開口させるスラグ層の開口方法。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係わるスラグブレーカー
を図1から図3に基づいて説明する。
【0020】図1は、本発明のブレーカーヘッドの一例
を示す縦断面図である。同図において、ブレーカーヘッ
ド1aは、多孔質の耐火物製で、内部にガス流路12a
が形成された円筒状の本体部11aと、その一端に設け
られた円錐状の先端部13aと、他端部に形成された連
結部14aとからなる。
【0021】ブレーカーヘッド1aの本体部11aの長
さは、開口の際に溶融金属の上面に存在するスラグ層の
厚さ(例えば100〜300mm)より長くする。ま
た、本体部11aの外径は、スラグ層に開口される開口
部の大きさが、開口部に挿入される測温プローブまたは
サンプラーの外径より大きくなるような寸法とする。
【0022】このブレーカーヘッド1aは、多孔質の耐
火物製であり、かつその内部にガス流路12aが形成さ
れている。そのため、ガス流路12aに圧力ガスが供給
されると、多孔質の耐火物に形成された多数の孔からガ
スが噴出する。したがって、多孔質の耐火物に形成され
た孔がガス噴出孔を構成する。
【0023】なお、このブレーカーヘッド1aは、多孔
質の耐火物製に替え、耐熱金属製とすることもできる。
この場合は、ガス噴出孔の直径を5mm以下とし、ガス
噴出孔の密度を5〜90%とするのがよい。ガス噴出孔
の径が5mmを超えると、ガス噴出孔の中が部分的に閉
鎖されるおそれがある。また密度が5%未満では、ブレ
ーカーヘッドにスラグが付着し易く、一方、90%を超
えるとブレーカーヘッドの強度が不足するおそれがあ
る。
【0024】図2は、本発明のブレーカーヘッドの他の
例を示す縦断面図である。同図において、ブレーカーヘ
ッド1bは、多孔質の耐火物製で、内部にガス流路12
bが形成された円筒状の本体部11bと、その一端に設
けられた円錐状の先端部13bと、他端部に形成された
第1の連結部14bとを備える。また、第1の連結部1
4b側のガス流路12bの内部には、粉体流路15が設
けられ、この粉体流路15の一端に連通する複数の粉体
噴出孔16が本体部11bの外周面に設けられる。ま
た、粉体流路15の他端には、第2の連結部17を備え
る。ブレーカーヘッド1bの長さおよび本体部11bの
外径は、図1のブレーカーヘッド1aと同様である。
【0025】このブレーカーヘッド1bは、図1のブレ
ーカーヘッド1aと同様に多孔質の耐火物製であり、か
つその内部にガス流路12bが形成されている。そのた
め、ガス流路12bに圧力ガスが供給されると、多孔質
の耐火物に形成された多数の孔からガスが噴出する。し
たがって、多孔質の耐火物に形成された孔がガス噴出孔
を構成する。なお、このブレーカーヘッド1bも、図1
のブレーカーヘッド1aと同様に、耐熱金属製としても
よい。
【0026】図3は、本発明のスラグブレーカーの一例
を示す模式図である。同図において、スラグブレーカー
は、ブレーカーヘッド1、連結竿2、昇降駆動装置3、
可撓性配管4、昇降用フレーム5、ケーブルベア(登録
商標)6、配管架台7、ガス供給装置8および発熱性粉
体供給装置9を備える。
【0027】ブレーカーヘッド1は、例えば前記図2に
示す構造のブレーカーヘッド1bである。連結竿2は、
図示を省略した二重構造の配管部材であり、一端の外側
の配管部材がブレーカーヘッド1bの第1の連結部14
bに、内側の配管部材がブレーカーヘッド1bの第2の
連結部17にそれぞれ接続される。また、連結竿2の他
端は、二重構造の可撓性配管4の一端に接続され、中間
部が昇降駆動装置3により支持される。
【0028】昇降駆動装置3は、図示を省略した駆動モ
ータを備える自走式で、駆動モータの駆動により、ロー
ラー3aが昇降用フレーム5に設けられたレール5aに
案内されて移動し、ブレーカーヘッド1bを昇降させ
る。可撓性配管4は、ケーブルベア6で支持され、その
他端が配管架台7に接続される。
【0029】ガス供給装置8は、例えば加圧されたアル
ゴンガスを貯蔵するガス貯槽81を備え、ガス貯槽81
の出口81aは、フィルタ83、第1のストップ弁84
a、減圧弁85、流量調整弁86および第2のストップ
弁84bを備えたガス供給主配管82により、第3のス
トップ弁84cを介して配管架台7に接続される。な
お、第1のストップ弁84aの入側と第2のストップ弁
84bの出側との間は、第4のストップ弁84dを備え
たバイパス配管87により接続される。
【0030】発熱性粉体供給装置9は、発熱性粉体であ
る例えばアルミニウム粉末を貯蔵する粉体貯槽91、お
よび粉体貯槽91中の発熱性粉体を所定量切り出すロー
タリーフィーダー92を備え、ロータリーフィーダー9
2の出口92aは、粉体供給主配管93により、第3の
ストップ弁94cを介して配管架台7に接続される。
【0031】この粉体供給主配管93には、前記ガス供
給装置8に設けられたガス供給主配管82のフィルタ8
3の出側から分岐し、第1のストップ弁94a、減圧弁
95、流量調整弁96および第2のストップ弁94bを
備えたキャリアガス用配管97が第4のストップ弁94
dを介して接続される。なお、第1のストップ弁94a
の入側と第2のストップ弁94bの出側との間は、第5
のストップ弁94eを備えたバイパス配管98により接
続される。
【0032】このスラグブレーカーは、必要により図示
を省略した旋回装置や傾動装置を介して精錬炉の上部に
設けられる。
【0033】以上のように構成されたスラグブレーカー
により、溶融金属の上面に存在するスラグ層の一部を次
のようにして開口させる。
【0034】1.ガス供給装置8のガス貯槽81に加圧
された例えばアルゴンガスを充填し、減圧弁85の圧力
および流量調整弁86の流量を設定するとともに、第1
のストップ弁84aおよび第2のストップ弁84bを開
状態とし、第3のストップ弁84cおよび第4のストッ
プ弁84dを閉状態とする。
【0035】また、発熱性粉体供給装置9の粉体貯槽9
1に、例えばアルミニウム粉末を充填し、ロータリーフ
ィーダ92の切り出し量を設定するとともに、減圧弁9
5の圧力および流量調整弁96の流量を設定し、第1の
ストップ弁94a、第2のストップ弁94bおよび第4
のストップ弁94dを開状態とし、第3のストップ弁9
4cおよび第5のストップ弁94eを閉状態とする。な
おブレーカーヘッド1bは、昇降駆動装置3により退避
位置まで上昇させておく。
【0036】2.測温、サンプリングの時期がくれば、
昇降駆動装置3によりブレーカーヘッド1bを下降さ
せ、ブレーカーヘッド1bの粉体噴出孔16の位置が溶
融金属中にくればブレーカーヘッド1bを停止させる。
【0037】3.ブレーカーヘッド1bが図示を省略し
た溶融金属の上面に存在するスラグ層に挿入される直前
に、ガス供給装置8の第3のストップ弁84c、および
発熱性粉体供給装置9の第3のストップ弁94cを開状
態とする。なお、このガス供給装置8の第3のストップ
弁84c、および発熱性粉体供給装置9の第3のストッ
プ弁94cは、図示を省略した制御装置に設けられた第
1のタイマーに設定された時間が経過すれば、閉状態と
される。
【0038】前記の操作により、ガス貯槽81中のアル
ゴンガスは、ガス供給主配管82、配管架台7、可撓性
配管4および連結竿2を通って、ブレーカーヘッド1b
のガス流路12bに供給され、本体部11bおよび先端
部13bのガス噴出孔から噴出される。このアルゴンガ
スにより、溶融金属の表面にバブリングが生じ、その振
動により、ブレーカーヘッド1bの挿入によってスラグ
層に開口された孔が拡大する。
【0039】また、ガス貯槽81中のアルゴンガスは、
キャリアガス用配管97、粉体供給主配管93、配管架
台7、可撓性配管4、および連結竿2を通って、ブレー
カーヘッド1bの粉体噴出孔16から噴出され、粉体噴
出孔16にスラグまたは溶融金属が詰まるのを防止す
る。
【0040】4.ブレーカーヘッド1bが図示を省略し
た溶融金属の上面に存在するスラグ層に挿入された時点
で、発熱性粉体供給装置9のロータリーフィーダ92を
作動させる。なお、このロータリーフィーダ92は、図
示を省略した制御装置に設けられた第2のタイマーに設
定された時間が経過すれば停止する。
【0041】前記の操作により、粉体貯槽91中のアル
ミニウム粉末は、所定量がロータリーフィーダー92に
より切り出されて、キャリアガス用配管97から送られ
るアルゴンガスによって粉体供給用主配管93、配管架
台7、可撓性配管4、連結竿2を通って、ブレーカーヘ
ッド1bの粉体流路15に供給され、粉体噴出孔16か
らスラグ中および溶融金属中に吹き込まれる。このアル
ミニウム粉末は、開口部付近のスラグおよび溶融金属と
反応して発熱し、この反応熱により開口された孔が拡大
する。また開口部付近のスラグの温度を上昇させ、スラ
グが再凝固して開口部が閉鎖されるまでの時間を延長さ
せる。
【0042】5.第2のタイマーに設定された時間が経
過すると、発熱性粉体供給装置9のロータリーフィーダ
92が停止され、その後、昇降駆動装置3により、ブレ
ーカーヘッド1bを上昇させて退避位置に停止させる。
この間、ガス供給装置8の第3のストップ弁84c、お
よび発熱性粉体供給装置9の第3のストップ弁94cは
開状態とされ、ブレーカーヘッド1bのガス噴出孔、お
よび粉体噴出孔16にスラグまたは溶融金属が詰まるの
を防止する。なお、第1のタイマーに設定された時間が
経過すれば、ガス供給装置8の第3のストップ弁84
c、および発熱性粉体供給装置9の第3のストップ弁9
4cは閉状態とされる。
【0043】以上のようにして、スラグの一部が開口さ
れる。この開口部から測温プローブまたはサンプラーを
挿入して、測温またはサンプリングを行う。
【0044】図4は、アルゴンガスの流量とスラグ層に
開口された開口部の直径およびブレーカーヘッドに付着
したスラグ付着量との関係の一例を示す図である。すな
わち、後述する実施例の試験条件と同じ条件でアルゴン
ガスを噴出させる際に、ガス供給装置8の流量調整弁8
6を調整してアルゴンガスの流量を変化させ、そのとき
にスラグ層に開口された開口部の直径を測定し、また、
開口作業終了後にブレーカーヘッド1bの本体部に付着
したスラグ付着量を測定し、これらの結果を表した図で
ある。
【0045】同図からわかるように、アルゴンガスの流
量の増加に伴い、開口部の直径が増加する。特に、アル
ゴンガスの流量が30L/min以上で開口部の直径が
大きくなる。しかし、アルゴンガスの流量が50L/m
inを超えても開口部の直径はほとんど増加しない。
【0046】また、アルゴンガスの流量の増加に伴い、
スラグ付着量は減少し、アルゴンガスの流量が50L/
minを超えると、スラグ付着量はほぼ一定になる。
【0047】すなわち、同図の例では、アルゴンガスの
流量は50L/min程度が適することがわかる。この
流量は、ブレーカーヘッド1bの表面積、形状、精錬さ
れる溶融金属の種類などの条件によって異なる。そのた
め、前記条件に適した流量を予め実験などにより求めて
おくのがよい。
【0048】図5は、アルミニウム粉末の流量とスラグ
の開口部が再凝固するまでの時間との関係の一例を示す
図である。すなわち、アルゴンガスの流量を50L/m
inとし、その他の条件は後述する実施例と同じ条件で
スラグ層を開口させ、その後、アルミニウム粉末を吹き
込む際に、発熱性粉体供給装置9のロータリーフィーダ
92の切り出し量を調整してアルミニウム粉末の流量を
変化させ、その後、開口部がスラグの再凝固により閉鎖
されるまでの時間(再凝固までの時間)を測定し、これ
らの結果を表した図である。
【0049】同図からわかるように、アルミニウム粉末
の流量の増加に伴い再凝固までの時間が長くなり、流量
が1.1kg/s以上では、再凝固までの時間がほぼ一
定になる。要求される再凝固までの時間は、測温、サン
プリングに要する時間および、測温、サンプリングを行
う時間間隔によっても異なる。したがって、要求される
再凝固までの時間により、アルミニウム粉末の流量を変
更するようにすればよい。
【0050】なお、前記の説明では、開口時に用いるガ
スをアルゴンガスとしたが、窒素ガス、酸素ガス、二酸
化炭素ガスでもよい。但し、これらのガスを用いると溶
融金属の化学組成に影響を及ばす場合は、アルゴンガス
などの不活性ガスを用いるのがよい。
【0051】また、発熱性粉体としてアルミニウム粉末
を用いたが、酸化鉄粉末、酸化マグネシウム粉末、黒鉛
粉末でもよい。なお、発熱性粉体の大きさは、詰まり防
止の面から、粉体噴出孔16の直径の1/3以下とする
のがよい。
【0052】また、前記の説明では、ブレーカーヘッド
として図2に示すブレーカーヘッド1bを用いる場合に
ついて説明したが、図1に示すブレーカーヘッド1aを
用いてもよい。この場合は、図3に示すスラグブレーカ
ーに設けられた発熱性粉体供給装置9を作動させない
か、または発熱性粉体供給装置9を省略したスラグブレ
ーカーとし、アルミニウム粉末を吹き込まずに、開口す
ることもできる。
【0053】
【実施例】70トン取鍋でSUS304のステンレス溶
鋼を精錬する途中で、図3のスラグブレーカーにより、
スラグ層の一部を開口させた。用いたブレーカーヘッド
は、図1および図2に示す形状の多孔質の耐火物製で、
本体部11a、11bの外径:50mm、本体部11
a、11bの長さ300mm、先端部13a、13bの
長さ:80mmとした。
【0054】図1のブレーカーヘッドを用いた場合は、
ガス設定圧力800kPaとし、ブレーカーヘッド1a
が厚さ150mmのスラグ層に挿入される直前から、ブ
レーカーヘッド1aがスラグ層から抜き取られるまでガ
スを噴出させた。また、図2のブレーカーヘッド1b用
いた場合は、上記の条件に加え、ブレーカーヘッド1b
の粉体噴出孔16がスラグ層を通過したときから10秒
間、設定圧力800kPaのアルゴンガスをキャリアガ
スとして発熱粉体を溶鋼中に吹き込んだ。用いたガスお
よび発熱性粉体の種類および流量を表1に示す。
【0055】また、比較例として、外形、材質および寸
法が図1に示すブレーカーヘッド1aと同じで、ガス流
路12aを備えないブレーカーヘッドを用い、ガスおよ
び発熱性粉体を用いずにスラグ層の一部を開口させた。
【0056】開口作業終了後、開口部の直径、ブレーカ
ーヘッド1a、1bに付着したスラグ付着量、および再
凝固までの時間を測定した。結果を表1に併せて示す。
【0057】
【表1】 なお、開口部の直径は、ブレーカーヘッド1a、1bが
スラグ層から抜き取られた時点における開口部の径を直
交する2方向から測定し、その平均値を10mm単位で
表した。スラグ付着量は、ブレーカーヘッド1a、1b
の本体部11a、11bの軸方向3位置において使用前
後の直径を直交する2方向から測定し、使用前後の直径
の差の1/2の平均値を表した。再凝固までの時間は、
ブレーカーヘッド1a、1bがスラグ層から抜き取られ
たときから、開口部がスラグの再凝固により閉鎖される
までの時間を表した。
【0058】同表からわかるように、アルゴンガスを噴
出させながら開口した本発明例1および2では、開口部
の直径が380mm、400mmと本体部の直径の8倍
程度で、スラグ付着量が極めて少ない。さらに、アルミ
ニウム粉末を溶鋼中に吹き込んだ本発明例3および4で
は、開口部の直径が400mm以上と本体部11aの直
径の8倍以上で、スラグ付着量が極めて少なく、再凝固
までの時間も長い。これに対し、ガスおよび発熱性粉体
を用いない比較例では、開口部の直径が本発明発明例に
比べて遙かに小さく、また、スラグ付着量が極端に多
い。
【0059】
【発明の効果】本発明のスラグブレーカーおよびこのス
ラグブレーカーを用いたスラグ層の開口方法によれば、
溶融金属の上面に存在するスラグ層の一部に、所要寸法
の孔を迅速に開口することができ、また、開口後のブレ
ーカーヘッドの表面に付着するスラグを低減することが
できる。さらに、発熱性粉末を用いた場合は、開口部が
再凝固するまでの時間を長くすることができるため、1
度の開口作業により、2度の測温、サンプリングを行う
こともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブレーカーヘッドの一例を示す縦断面
図である。
【図2】本発明のブレーカーヘッドの他の例を示す縦断
面図である。
【図3】本発明のスラグブレーカーの一例を示す模式図
である。
【図4】アルゴンガスの流量とスラグ層に開口された開
口部直径およびブレーカーヘッドに付着したスラグ付着
量との関係の一例を示す図である。
【図5】アルミニウム粉末の流量とスラグの開口部が再
凝固するまでの時間との関係の一例を示す図である。
【符号の説明】
1、1a、1b:ブレーカーヘッド、 2:連結竿、 3:昇降駆動装置、 3a:ローラー、 4:可撓性配管、 5:昇降用フレーム、 5a:レール、 6:ケーブルベア、 7:配管架台、 8:ガス供給装置、 9:発熱性粉体供給装置、 11a、11b:本体部、 12a、12b:ガス流路、 13a、13b:先端部、 14a、14b:連結部、 15:粉体流路、 16:粉体噴出孔、 17:第2の連結部、 81:ガス貯槽、 82:ガス供給主配管、 91:粉体貯槽、 92:ロータリーフィーダー、 93:粉体供給主配管。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部にガス流路が形成され、前記ガス流路
    に連通するガス噴出孔が少なくとも外周面に形成された
    耐熱性のブレーカーヘッドを備えることを特徴とするス
    ラグブレーカー。
  2. 【請求項2】内部にガス流路と粉体流路とが形成され、
    前記ガス流路に連通するガス噴出孔および前記粉体流路
    に連通する粉体噴出孔が少なくとも外周面に形成された
    耐熱性のブレーカーヘッドを備えることを特徴とするス
    ラグブレーカー。
  3. 【請求項3】請求項1に記載したスラグブレーカーを用
    い、ガス噴出孔からガスを噴出させながら、ブレーカー
    ヘッドを溶融金属表面に形成されたスラグ層に挿入して
    スラグ層の一部を開口させることを特徴とするスラグ層
    の開口方法。
  4. 【請求項4】請求項2に記載したスラグブレーカーを用
    い、ガス噴出孔からガスを噴出させながら、ブレーカー
    ヘッドを溶融金属表面に形成されたスラグ層に挿入し、
    さらに前記粉体噴出孔から発熱性粉体をスラグ層と溶融
    金属中とのいずれか一方または両方に吹き込んでスラグ
    層の一部を開口させることを特徴とするスラグ層の開口
    方法。
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