JP2002226858A - 複屈折フィルム用光反応性高分子液晶及びこれを用いた複屈折フィルム - Google Patents

複屈折フィルム用光反応性高分子液晶及びこれを用いた複屈折フィルム

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JP2002226858A
JP2002226858A JP2001025341A JP2001025341A JP2002226858A JP 2002226858 A JP2002226858 A JP 2002226858A JP 2001025341 A JP2001025341 A JP 2001025341A JP 2001025341 A JP2001025341 A JP 2001025341A JP 2002226858 A JP2002226858 A JP 2002226858A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 メソゲンの配向性を良くし、複屈折フィルム
として十分な光学異方性を発現できる光反応性高分子液
晶、およびそれを用いた、複屈折フィルムを提供する。 【解決手段】 側鎖にメソゲンと光反応性基を有し、メ
ソゲンと光反応性基の間にスペーサー基が存在しない、
複屈折フィルム用の光反応性高分子液晶。この光反応性
高分子液晶は、例えば一般式1の構造を有するものであ
る。 Aは高分子主鎖であって式2〜4のいずれかであり;M
は式−(ph)−Z−(ph)−に相当するメソゲンであり、こ
こに (ph) はフェニレン基を、Zは単結合、−C(O)O
−、−OC(O)−、−CH=CH−又は−C≡C−を表し;Bは
式−X1−C(O)−CH=CH−(ph1)−Yn 又は式−(ph)−CH=
CH−C(O)−X2 に相当する光反応性基であり;mは2〜
12の整数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学異方性の発現
性に優れるとともに、様々なメソゲンの配向構造を達成
できる複屈折フィルム用光反応性高分子液晶、並びにこ
れを用いた複屈折フィルム及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】これまで、液晶表示装置(LCD)には
様々な複屈折フィルムの利用が検討されてきた。例え
ば、TN型LCDにおいては、ディスコティック液晶や
棒状のネマチック液晶を傾斜配向させた複屈折フィルム
が視野角改良に有効であることが知られている。また、
OCB型LCDにおいても、ディスコティック液晶を傾
斜配向させた複屈折フィルムを用いることで、視野角が
改良されることも知られている。このように、複屈折フ
ィルムを製造する方法として、液晶化合物を利用したも
のが製品化されているが、現在これらの液晶化合物を特
定の方向に配向させる方法としては、主に配向膜あるい
はこれに類推するものをラビングして配向方向を制御す
る方法が一般的に用いられている。一方でラビング法
は、ラビングによるゴミの発生や設備の自由度が小さい
などの課題を有しており、この改善のために、液晶化合
物の配向を光により制御する方法が検討されている。
【0003】光を用いた液晶化合物の配向制御として
は、アゾベンゼンを含む高分子液晶に特定波長の光を照
射することで光異性化を誘起して配向を制御する方法
や、光架橋性基を有する高分子液晶に特定の紫外線を照
射して架橋することで配向を制御する方法などが考案さ
れている。中でも、紫外線により光2量化反応を起こ
し、架橋構造を与えるシンナモイル基などの光反応性基
を、メソゲン(分子構造中の液晶性を発現させる中核的
単位)の末端に有する側鎖型高分子液晶を用い、そこに
偏光紫外線を照射する方法が、高温でもメソゲンの配向
が安定した複屈折フィルムを作製できる有効な方法とし
て考案されている。
【0004】しかしながら、従来用いられてきたメソゲ
ン末端に光反応性基を有する側鎖型高分子液晶では、光
学的異方性の発現性があまり大きくなく、複屈折フィル
ムとして利用するために充分な複屈折率を得るのが容易
ではなかった。複屈折率の発現性が小さくても厚みを厚
くすることで、原理的には必要な光学的異方性、すなわ
ち必要な大きさのレターデーションを得ることはできる
ものの、複屈折率の発現性が小さいということは、液晶
成分であるメソゲンの配向性が良くないことを意味して
おり、厚みを厚くした場合に、配向の乱れによって白濁
するなどの問題が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況に鑑み、本
発明者は鋭意研究を行った結果、特定の構造を有する光
反応性高分子液晶を用いることで、メソゲンの配向性が
良くなり、複屈折フィルムとして用いるのに十分な光学
異方性を発現できることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、複屈
折フィルムに適した、側鎖にメソゲンと光反応性基を有
し、メソゲンと光反応性基の間にスペーサー基が存在し
ない光反応性高分子液晶、並びにこれを用いた複屈折フ
ィルム及びその製造方法に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いる光反応性高分子液
晶は、側鎖にメソゲンと光反応性基を有する光反応性高
分子液晶であって、メソゲンと光反応性基の間にスペー
サー基が存在しないものである。この高分子液晶は、複
屈折フィルム用として十分な光学異方性を発現するもの
であれば特に制限はないが、下式(1)で示される構造
を有する側鎖型光反応性高分子液晶が好ましく用いられ
る。
【0008】
【0009】ここで、Aは高分子主鎖であって、下式
【0010】
【0011】のいずれかを表し;Mはメソゲンであっ
て、式 −(ph)−Z−(ph)−を表し、ここに (ph) はフェ
ニレン基を表し、Zは単結合、−C(O)O−、−OC(O)−、
−CH=CH− 又は −C≡C−を表し;Bは光反応性基であ
って、下式 −X1−C(O)−CH=CH−(ph1)−Yn、 −(ph)−CH=CH−C(O)−X2 のいずれかを表し、ここに X1 は単結合、−(ph)(Yn)−
、−O−(ph)(Yn)− 、−(ph)(Yn)−O− 又は −O−を
表し、X2 は−O−CkH2k+1、−O−(ph1)−Yn 又は−(ph
1)−Yn を表し、 (ph) はフェニレン基を表し、 (ph1)
はフェニル基を表し、n個のYはそれぞれ独立に、−O
−CkH2k+1、−CkH2k+1、−NO2、−CN、−Cl又は −F を
表し、kは0〜12の整数を表し、nは0〜3の整数を
表し;mは2〜12の整数を表す。
【0012】中でも、光反応性基がシンナモイル基含有
化合物又はその誘導体の残基であると、適度な反応性が
得られるため、好ましい。
【0013】複屈折フィルムの製造方法としては、上記
の光反応性高分子液晶を溶媒に溶解した液を透明基板上
に薄く塗布した後に、特定の紫外線を照射し、その後熱
処理による再配向を行う方法や、上記の薄く塗付した層
に熱をかけながら特定の紫外線を照射する方法が用いら
れるが、紫外線を照射した後に熱処理を行う方法が、装
置構造が簡略であるなどの点で好ましい。
【0014】光反応性高分子液晶を溶解する溶媒、濃度
及び溶解方法は特に限定されず、用いる基板や乾燥時間
などによって適宜選択される。光反応性高分子液晶を塗
布する基板は、透明基板であれば特に限定されないが、
等方性の基板として、ガラス板や、固有複屈折率の小さ
い高分子化合物からなるキャストフィルムなどが例示さ
れる。固有複屈折率の小さい高分子化合物には、三酢酸
セルロースのようなセルロース系高分子、ノルボルネン
系高分子、固有複屈折率の小さいポリカーボネート系高
分子、固有複屈折率の小さいポリエステル系高分子など
が包含される。また、他の複屈折フィルムと組み合わせ
て用いる場合には、透明基板として、延伸などの配向処
理が施された高分子フィルムを用いてもよい。配向処理
が施された高分子フィルムには、例えば、ポリカーボネ
ート系高分子やノルボルネン系高分子などからなるフィ
ルムの一軸延伸又は二軸延伸フィルム、三酢酸セルロー
スのようなセルロース系高分子などからなる面配向キャ
ストフィルムなどが包含される。
【0015】透明基板への塗布方法は、スピンコート
法、グラビアコート法、コンマコート法など、薄膜で必
要な均一性が得られる塗布法であれば、特に限定されな
い。塗布厚は、必要とする光学特性によって適宜決定さ
れるが、一般には0.1μm 〜10μm 程度、好ましく
は0.2μm 〜5μm に設定される。
【0016】紫外線の照射法は、目的とする複屈折フィ
ルムの光学特性によって適宜決定される。フィルム面に
メソゲンが平行となるように、かつ平均配向方向がフィ
ルム面内の特定の方向となるように配向させて、フィル
ム面内にレターデーションが発現し、かつレターデーシ
ョンの傾斜角依存性が法線方向に対して対称である光学
的に正の一軸性又は正の二軸性を有する複屈折フィルム
を得るには、フィルム法線方向から前記特定の方向に電
場ベクトルがある偏光紫外線を照射する。本発明による
光反応性高分子液晶は、偏光紫外線で反応させた場合、
偏光紫外線の電場ベクトル、すなわち偏光軸と平行に近
い方向に配向しているメソゲンに結合した光反応性基が
反応して配向が固定され、フィルム面内の遅相軸がこの
平均配向方向にほぼ一致するため、紫外線の偏光軸方向
を制御することで容易に光学異方性の方向を制御するこ
とができる。発現させるフィルム面内のレターデーショ
ンは、利用する目的によって適宜設定されるが、特にL
CD用複屈折フィルムとして用いる場合には、通常10
nm以上で、30nm以上とするのがより好ましい。
【0017】また、フィルム面内のレターデーションが
ほぼ0nmで、かつレターデーションの傾斜角依存性が法
線方向に対して対称であり、光学軸がほぼ法線方向にあ
る光学的に負の一軸性を有する複屈折フィルムを得るに
は、フィルム法線方向から無偏光の紫外線を照射する。
本発明の光反応性高分子液晶は、無偏光紫外線で反応さ
せた場合、照射方向に垂直な平面に近い方向に配向して
いるメソゲンに結合している光反応性基が反応して配向
が固定されるため、紫外線をフィルム法線方向から照射
した場合には、メソゲンの平均配向がフィルム面にほぼ
平行でかつメソゲンのフィルム面内の配向方向がランダ
ムとなり、このようなレターデーションの傾斜角依存性
が法線方向に対して対称で負の光学異方性を有するフィ
ルムを得ることができる。発現させるフィルム厚み方向
のレターデーション(フィルム面内の平均屈折率とフィ
ルム厚み方向の屈折率の差にフィルム厚みを掛けたも
の)は、利用する目的によって適宜設定されるが、特に
LCD用複屈折フィルムとして用いる場合には、通常3
0nm以上で、50nm以上とするのがより好ましい。
【0018】さらに、紫外線の照射方向を法線方向から
傾斜した方向にすると、メソゲンをフィルム面から傾斜
した方向に配向させることができ、レターデーションの
特定方向での傾斜角依存性が法線方向に対して非対称で
ある複屈折フィルムを得ることもできる。偏光紫外線を
斜め方向から照射した場合には、偏光軸が法線と照射軸
を含む面内にあるようにすることで、メソゲンの平均配
向方向が紫外線進行方向に垂直な面内で偏光軸に平行な
方向となるため、光学的に正の一軸性又は二軸性を有
し、光学主軸のうち、最も屈折率が大きい軸が法線方向
から傾斜している複屈折フィルムとなる。この場合、塗
布する透明基板や空気との界面相互作用などによって
は、厚み方向で傾斜角度が一様ではなく、ある程度配向
が連続的に変化したハイブリッド配向になることもあ
る。また、無偏光紫外線を斜め方向から照射した場合に
は、メソゲンの平均配向方向は紫外線進行方向に垂直な
面に平行で、その面内ではランダムとなるため、光学的
に負の一軸性を有し、光学軸が法線方向から傾斜してい
る複屈折フィルムとなる。偏光紫外線の場合と同様に、
塗布する透明基板や空気との界面相互作用などによって
は、ハイブリッド配向になることもある。これらいずれ
の場合も、フィルム面内にレターデーションが発現する
ようになる。これらのレターデーションの値は利用する
目的によって適宜設定されるが、特にLCD用複屈折フ
ィルムとして用いる場合には、通常5nm以上で、10nm
以上とするのがより好ましい。
【0019】上記のように本発明は、メソゲンの平均配
向方向が紫外線の電場ベクトルの方向とほぼ一致するよ
うに制御するものであるが、これを実現するためには、
メソゲンと光反応性基の間にスペーサー基が存在しない
という構造が重要である。これは、スペーサー基が存在
すると、その構造上の自由度のために、メソゲンの配向
方向に対する光反応性基の配向方向の自由度が増大し、
メソゲンの配向方向と紫外線の電場ベクトルの方向が一
致する確率が低下するためである。
【0020】上記光学的異方性の指標である軸性につい
ては、照射する紫外線の偏光度を変えることによっても
制御可能である。例えば、ほぼ100%の偏光度を有す
るグラン−テーラー偏光プリズムを通した完全直線偏光
紫外線を用いて光学的に正の一軸性が得られる場合、グ
ラン−テーラー偏光プリズムを偏光度の低い偏光フィル
ムに変えて紫外線を照射すると、紫外線の強い方向のみ
でなく、紫外線が弱い方向にもある程度メソゲンが配向
するため、光学的に正の二軸性が得られるようになる。
この偏光度をさらに小さくすると、負の二軸性が得られ
るようになり、最終的に偏光度が0%になった場合に
は、紫外線の進行方向に垂直な面内においてメソゲンの
配向がランダムとなり、前記のとおり光学的に負の一軸
性となる。このように本発明においては、紫外線の偏光
度を制御することで、光学的に正の一軸性から負の一軸
性まで任意の異方性を実現することもできる。
【0021】これらの各種光学異方性の発現は、紫外線
照射のみでは限界があることから、大きな異方性を発現
するためには、照射後に高分子液晶の液晶温度域におい
て熱処理する再配向処理を行うのが好ましい。具体的な
処理温度は、用いる光反応性高分子液晶の温度特性に依
存するが、液晶温度領域でも未反応の光反応性基が結合
しているメソゲンが動きやすい液晶相−等方相転移温度
未満で、なるべく高い温度が好ましい。再配向処理によ
る光学異方性の増大の原理は、以下のように考えられ
る。まず、紫外線照射により紫外線の電場ベクトルとほ
ぼ平行な方向に配向しているメソゲンに結合した光反応
性基が反応し、このメソゲンの配向方向が特定の方向に
固定される。液晶温度域になると、未反応の光反応性基
が結合している側鎖は主鎖による分子構造的な拘束はあ
るものの、ある程度自由に動くことができるようにな
る。この自由に動けるようになったメソゲンは、相互作
用によって特定の配向をとろうとするが、光反応によっ
て一部のメソゲンの配向方向が固定されているため、こ
の方向に全体が配向するようになる。
【0022】このように本発明では、光反応している基
と反応していない基が存在することが重要である。再配
向処理前の光反応を多くすると、反応部の架橋によって
高分子全体が固定されてしまい、未反応基を有する側鎖
が液晶温度域においても自由に動けなくなる。そこで、
上記再配向処理によって異方性を増大させるには、光反
応による反応性基の反応率を50%以下に抑えるのが好
ましく、さらには5%〜30%の反応率とするのがより
好ましい。
【0023】本発明に従って光反応性高分子液晶を用い
ることで、様々な配向構造を有する複屈折フィルムを容
易に製造することができる。さらには、フォトマスクな
どを用いて、紫外線を照射する領域毎に異なる方向から
紫外線を照射することで、その領域毎に異なる配向構造
を有する多分割配向複屈折フィルムを作製することもで
きる。
【0024】また、本発明の光反応性高分子液晶を用い
ることで、効率良く光学異方性を発現させることがで
き、必要な特性を得るための塗布厚も小さくすることが
できるため、液晶セル内部に複屈折フィルムを形成する
ことも可能となる。この場合にも、例えば、液晶セル内
の1画素の中に2種類の配向構造を有する複屈折フィル
ムを作り込むことも可能となる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によって限定されるもの
ではない。なお、以下の例において、紫外線光源として
は250Wの高圧水銀灯を用い、290nm以下の光はカ
ットフィルターを通して除いた。また、偏光紫外線を得
るには、グラン−テーラー偏光プリズムを用いた。紫外
線照射量は、365nmでの値で表示する。さらに、各種
測定は以下のようにして行った。
【0026】液晶温度領域:加熱冷却ステージ(Linkam
社製の“TH600PM”)を装備した偏光顕微鏡(オリンパ
ス光学工業社製の“BHA-P”)、及び示差走査熱量計
(セイコー電子社製の“SSC5200H”)を用いて測定し
た。
【0027】光反応性基の反応率:赤外分光光度計(日
本電子社製の“FT/IR-410”)を用いて、1639cm-1
の−C=C−結合による吸光度から求めた。
【0028】メソゲンの配向性:メソゲンに起因する紫
外線吸収の吸収極大波長における偏光紫外線の異方性か
ら、以下の式より求めた。 二色比=(Ap−Ac)/(Ap+Ac) ここで、Ap は偏光紫外線の最大吸光度方向の吸光度で
あり、Ac はAp 方向に垂直な方向の偏光紫外線の吸光
度である。
【0029】フィルム面内の複屈折率:632.8nm の
単色光を用いて測定したレターデーションを厚みで割っ
て求めた。
【0030】実施例1 下式(2)
【0031】
【0032】の化学構造を有し、光反応性基がメソゲン
に直接結合している光反応性高分子液晶〔液晶温度領
域:116℃から300℃以上まで(約300℃で分
解)〕を塩化メチレンに5重量%の濃度で溶解し、石英
基板の上にスピンコーターを用いて約0.15μm の厚
みとなるように塗布した。このフィルムにフィルム法線
方向から偏光紫外線を1.35J/cm2で15秒間照射し
た後、190℃で10分間の熱処理を行って複屈折フィ
ルムを作製した。このフィルムにおいて、光反応性基の
反応率は17%であった。また、このフィルムの配向性
を320nmにおける二色比で評価したところ、0.68
であり、従来のものよりも大きい値を示した。さらに、
フィルム面内のレターデーションは36nmで、複屈折率
は0.24であり、非常に高い値を示した。
【0033】比較例1 下式(3)
【0034】の化学構造を有し、x:yの共重合比が2
9:71であり、光反応性基を有するメソゲンを持つモ
ノマーと光反応性基を有しないメソゲンを側鎖に持つモ
ノマーがランダム共重合した光反応性高分子液晶(液晶
温度領域:46℃〜101℃)を塩化メチレンに5重量
%の濃度で溶解し、石英基板の上にスピンコーターを用
いて約0.4μm の厚みとなるように塗布した。このフ
ィルムにフィルム法線方向から偏光紫外線を3.0J/c
m2で1分間照射した後、73℃で30分間の熱処理を行
って複屈折フィルムを作製した。このフィルムにおい
て、光反応性基の反応率は41%であった。また、この
フィルムの配向性を285nmにおける二色比で評価した
ところ、0.5であり、実施例1の複屈折フィルムに比
べて配向性が劣っていた。さらに、フィルム面内のレタ
ーデーションは25nmであり、複屈折率は約0.06と
実施例1の複屈折フィルムよりもはるかに小さかった。
【0035】比較例2 前記式(3)の化学構造を有し、x:yの共重合比が4
8:52であり、光反応性基を有するメソゲンを持つモ
ノマーと光反応性基を有しないメソゲンを側鎖に持つモ
ノマーがランダム共重合した光反応性高分子液晶(液晶
温度領域:46℃〜94℃)を用い、比較例1と同様に
して石英基板上に塗布した。このフィルムに、91℃の
温度でフィルム法線方向から偏光紫外線を1.5J/cm2
で10秒間照射して、複屈折フィルムを作製した。この
フィルムにおいて、光反応性基の反応率は35%であっ
た。また、このフィルムの配向性を285nmにおける二
色比で評価したところ、0.4であり、実施例1の複屈
折フィルムに比べて配向性が劣っていた。さらに、フィ
ルム面内のレターデーションは26nmであり、複屈折率
は約0.07と実施例1の複屈折フィルムよりもはるか
に小さかった。
【0036】実施例2 実施例1で用いた光反応性高分子液晶を、実施例1と同
様にして石英基板上に約0.48μmの厚みで塗布した。
このフィルムに基板法線方向から45°傾斜した角度
で、偏光紫外線をその電場ベクトルの方向が法線と照射
軸を含む面内にあるように照射して、複屈折フィルムを
作製した。この複屈折フィルムは、面内に86nmのレタ
ーデーションを有しており、フィルム面内の遅相軸は、
フィルム面に投影した偏光紫外線の電場ベクトルの方向
とほぼ一致していた。また、フィルム面内の進相軸を傾
斜軸としてフィルムを傾斜した状態で測定したレターデ
ーションの傾斜角依存性は、図1に示すように、法線方
向に対して非対称であり、紫外線照射側に傾斜した場合
にレターデーションが大きくなる特性を有していた。こ
れは、偏光紫外線の電場ベクトルに近い方向にメソゲン
が配向していることを示している。また、レターデーシ
ョンの極小値が0nmでないことから、メソゲンのフィル
ム面からの傾斜角は一定ではなく、ハイブリッド配向し
ていると考えられる。
【0037】実施例3 実施例1で用いた光反応性高分子液晶を、実施例1と同
様にして石英基板に塗布した。このフィルムに、基板法
線方向から45°傾斜した方向から無偏光紫外線を照射
して複屈折フィルムを作製した。この複屈折フィルム
は、面内に17nmのレターデーションを有しており、フ
ィルム面内の遅相軸は、無偏光紫外線の照射方向に垂直
な面とフィルム面の交線の方向とほぼ一致していた。ま
た、フィルム面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルムを傾
斜した状態で測定したレターデーションの傾斜角依存性
は、図2に示すように、法線方向に対して非対称であ
り、紫外線照射側に傾斜した場合にレターデーションが
小さくなる特性を有する。これは、無偏光紫外線の進行
方向に垂直な平面内に平行に近い方向に、かつこの平面
内でランダムにメソゲンが配向していることを示してい
る。また、レターデーションの極小値が0nmでないこと
から、メソゲンのフィルム面からの傾斜角は一定ではな
く、ハイブリッド配向していると考えられる。
【0038】
【発明の効果】本発明の光反応性高分子液晶は、従来に
ない大きな光学異方性を実現することができるだけでな
く、様々な配向構造を容易に実現することができる。ま
た、本発明による複屈折フィルムは、様々な光学異方性
を必要十分な大きさで実現できるため、特にLCD用の
複屈折フィルムとして好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で作製した複屈折フィルムについて、
レターデーションの傾斜角依存性を示す図である。
【図2】実施例3で作製した複屈折フィルムについて、
レターデーションの傾斜角依存性を示す図である。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側鎖にメソゲンと光反応性基を有する光反
    応性高分子液晶であって、メソゲンと光反応性基の間に
    スペーサー基が存在しないことを特徴とする複屈折フィ
    ルム用光反応性高分子液晶。
  2. 【請求項2】光反応性高分子液晶が、下式(1) 〔ここで、Aは高分子主鎖であって、下式 のいずれかを表し;Mはメソゲンであって、式 −(ph)
    −Z−(ph)−を表し、ここに (ph) はフェニレン基を表
    し、Zは単結合、−C(O)O−、−OC(O)−、−CH=CH−
    又は −C≡C−を表し;Bは光反応性基であって、下式 −X1−C(O)−CH=CH−(ph1)−Yn、 −(ph)−CH=CH−C(O)−X2 のいずれかを表し、ここに X1 は単結合、−(ph)(Yn)−
    、−O−(ph)(Yn)− 、−(ph)(Yn)−O− 又は −O−を
    表し、X2 は−O−CkH2k+1、−O−(ph1)−Yn 又は−(ph
    1)−Yn を表し、 (ph) はフェニレン基を表し、 (ph1)
    はフェニル基を表し、n個のYはそれぞれ独立に、−O
    −CkH2k+1、−CkH2k+1、−NO2、−CN、−Cl又は −F を
    表し、kは0〜12の整数を表し、nは0〜3の整数を
    表し;mは2〜12の整数を表す〕で示される請求項1
    に記載の複屈折フィルム用光反応性高分子液晶。
  3. 【請求項3】光反応性基が、シンナモイル基含有化合物
    又はその誘導体の残基である請求項1に記載の複屈折フ
    ィルム用光反応性高分子液晶。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の高分子液
    晶を透明基板上に塗布したものを紫外線硬化してなるこ
    とを特徴とする複屈折フィルム。
  5. 【請求項5】光反応性基の反応率が50%以下である請
    求項4に記載の複屈折フィルム。
  6. 【請求項6】複屈折フィルムの屈折率異方性が正である
    請求項4に記載の複屈折フィルム。
  7. 【請求項7】複屈折フィルムの屈折率異方性が負である
    請求項4に記載の複屈折フィルム。
  8. 【請求項8】レターデーションの傾斜角依存性が法線に
    対して対称である請求項4〜7のいずれかに記載の複屈
    折フィルム。
  9. 【請求項9】レターデーションの特定の方向における傾
    斜角依存性が法線に対して非対称である請求項4〜7の
    いずれかに記載の複屈折フィルム。
  10. 【請求項10】請求項1〜3のいずれかに記載の高分子
    液晶を透明基板上に塗布し、次いで紫外線を照射して硬
    化させることを特徴とする複屈折フィルムの製造方法。
  11. 【請求項11】紫外線が偏光紫外線であり、得られる複
    屈折フィルムの屈折率異方性が正である請求項10に記
    載の複屈折フィルムの製造方法。
  12. 【請求項12】紫外線が無偏光紫外線であり、得られる
    複屈折フィルムの屈折率異方性が負である請求項10に
    記載の複屈折フィルムの製造方法。
  13. 【請求項13】紫外線を被照射物の法線方向から照射
    し、得られる複屈折フィルムのレターデーションの傾斜
    角依存性が法線に対して対称である請求項10に記載の
    複屈折フィルムの製造方法。
  14. 【請求項14】紫外線を被照射物の法線方向以外の斜め
    方向から照射し、得られる複屈折フィルムのレターデー
    ションの傾斜角依存性が法線に対して非対称である請求
    項10に記載の複屈折フィルムの製造方法。
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