JP2002226558A - 難燃性コンポジット積層板 - Google Patents
難燃性コンポジット積層板Info
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Abstract
なくても優れた難燃性を有する難燃性エポキシ樹脂組成
物及びこれを用いた耐トラッキング性を有するエポキシ
樹脂コンポジット銅張積層板を提供する。 【解決手段】 コンポジット積層板において、中間層
が、(A)ノボラック型エポキシ樹脂、(B)ノボラッ
ク型フェノール樹脂、(C)水酸化アルミニウムを必須
成分とし、(A)ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ
基数と(B)ノボラック型フェノール樹脂のOH基数の
比が、0.8〜1.4であり、(C)成分が(A)、
(B)成分の合計量100重量部に対して200〜30
0重量部である難燃性エポキシ樹脂組成物が含浸された
ガラス不織布からなり、表面層が、非臭素化エポキシ樹
脂を主成分とし、表面層樹脂100重量部に対して水酸
化アルミニウムが30〜100重量部含有されているエ
ポキシ樹脂が含浸されたガラス織布からなることを特徴
とする。
Description
を使用しなくても優れた難燃性を有する耐トラッキング
性のコンポジット積層板に関するものであり、プリント
回路基板に好適に使用されるものである。
化、高機能化が進む中で、コンピューター、計測器等の
高電圧が印加される回路基板においては、トランスやト
ランジスタ等の重量物が搭載されるため、強度面からエ
ポキシ樹脂ガラス銅張積層板、又はエポキシ樹脂コンポ
ジット銅張積層板が多く使用されている。更に、これに
加えて高密度化のために、安全性を確保する立場から耐
トラッキング性に優れた基板が要求されており、そのた
めコストパフォーマンスに優れた耐トラッキング性を有
するエポキシ樹脂コンポジット銅張積層板の需要が多く
なっている。
性樹脂はその優れた特性から電気及び電子機器部品等に
広く使用されており、火災に対する安全性を確保するた
め難燃性が付与されている場合が多い。これらの樹脂の
難燃化は従来臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン含有化合
物を用いることが一般的であるが、これらのハロゲン含
有化合物は高度な難燃性を有するが、特に芳香族臭素化
合物では熱分解で腐食性の臭素、臭化水素を分離するだ
けでなく、酸素存在下で分解した場合に毒性の高いポリ
ブロムジベンゾフランやポリジブロモベンゾオキシンを
形成する可能性がある。また、臭素を含有する老朽廃材
やゴミの処理は極めて困難である。このような理由から
臭素含有難燃剤に代わる難燃剤としてリン化合物が広く
検討されている。しかし、エポキシ樹脂系にリン化合物
を単独で用いると十分な難燃性を得るには多量のリン化
合物を添加する必要があり、機械的、化学的、あるいは
電気的特性を著しく劣化させるという欠点が生じる。
号公報に挙げられる赤燐を含んだコンポジット銅張り積
層板がある。しかし、黄燐よりはるかに有害性が低いと
はいえ、赤燐も銅張積層板への使用が自主規制される状
況である。また、リン化合物の配合例として、特許第2
975349号公報、特開平9−011516号公報、
特開平2000−94561号公報、特開2000−1
36292号公報などが挙げられるが、埋め立てなどで
投棄した後、自然界へのリン成分の流出に注意する必要
があり、環境の富栄養化、それに伴う人体への影響など
を考慮した場合、将来的にはリン化合物の使用も制限さ
れる可能性がある。
点を解決すべく種々検討された結果なされたものであ
り、ハロゲン含有化合物及びリン含有化合物を添加する
ことなく高度な難燃性を有し、かつ耐トラッキング性の
優れたコンポジット積層板を提供するものである。
燃剤としてハロゲン含有化合物及びリン含有化合物を用
いない場合、十分な難燃性を得るためには多量の水酸化
アルミニウムを添加する必要があるが、耐熱性、加工
性、機械的、電気的特性を著しく低下するという欠点が
生じる。本発明においてはこのような問題を解決するた
め、エポキシ樹脂に耐熱性に優れ、かつ、難燃性の高い
骨格を持つノボラック型エポキシ樹脂を使用することに
より水酸化アルミニウムの量を多くすることなく、難燃
性と耐熱性を両立させることを技術的な骨子とするもの
である。
織布とガラス不織布にそれぞれエポキシ樹脂組成物を含
浸、乾燥して得たプリプレグを組み合わせて積層し加熱
加圧成形してなるコンポジット積層板において、中間層
が、(A)ノボラック型エポキシ樹脂、(B)ノボラッ
ク型フェノール樹脂、(C)水酸化アルミニウムを必須
成分とし、(A)ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ
基数と(B)ノボラック型フェノール樹脂のOH基数の
比が、エポキシ基/OH基=0.8〜1.4であり、
(C)水酸化アルミニウムが(A)、(B)成分の合計
量100重量部に対して200〜300重量部である難
燃性エポキシ樹脂組成物が含浸されたガラス不織布から
なり、表面層が、非臭素化エポキシ樹脂を主成分とし、
表面層の樹脂100重量部に対して水酸化アルミニウム
が30〜100重量部含有されているエポキシ樹脂が含
浸されたガラス織布からなることを特徴とするコンポジ
ット積層板、である。
ック型エポキシ樹脂としては、高い難燃性を得るため
に、脂肪族炭化水素部分の少ないフェノールノボラック
型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
を用いるのが好ましい。また、本発明で使用される
(B)ノボラック型フェノール樹脂は、主としてノボラ
ック型エポキシ樹脂の架橋反応に預かるものであり、耐
熱性向上のために配合するものであるが、高い難燃性を
得るために、脂肪族炭化水素部分の少ないフェノール型
を使用するのが好ましい。(A)ノボラック型エポキシ
樹脂のエポキシ基数と(B)ノボラック型フェノール樹
脂のOH基数の比は、エポキシ基/OH基=0.8〜
1.4、望ましくは0.9〜1.2である。0.8未満
では硬化物が硬くてもろく積層板としたときの打ち抜き
性が悪くなり、1.4を越えると耐熱性、ガラス転移温
度(Tg)が低下するため好ましくない。
ゲン含有化合物及びリン含有化合物を含有することな
く、高度な難燃性を発現させるためには、(A)ノボラ
ック型エポキシ樹脂、(B)ノボラック型フェノール樹
脂の合計100重量部に対して200〜300重量部含
有することが好ましい。200重量部より少ないと耐燃
性が低下し、300重量部より多いと、打ち抜き性など
の加工特性や耐熱性が低下し好ましくない。
る難燃性エポキシ樹脂組成物をガラス不織布に含浸して
プリプレグを得る。更に、このプリプレグの所定枚数と
表面層用エポキシ樹脂含浸ガラス織布プリプレグと必要
により銅箔を重ね、加熱加圧成形して積層板が得られ
る。
化エポキシ樹脂を主成分とし、エポキシ樹脂と硬化剤の
合計100重量部に対して水酸化アルミニウムを30〜
100重量部含有するエポキシ樹脂組成物を含浸したガ
ラス織布を用いる。しかしながら、この場合、表面層の
難燃性は必ずしも十分ではない。このため薄い積層板構
成で、表面層の体積比率が40%より大きくなる場合、
前記配合量が50重量部より少ないと難燃性が不十分で
ある。また、含有量が30重量部以下では耐トラッキン
グに対する効果は低く、100重量部を越えると耐熱性
を低下させ、また、粘度が高いため樹脂中への均一分散
が困難となる。ハロゲン含有化合物及びリン含有化合物
を含有することなく、高度な難燃性を発現させるために
は、好ましくは、水酸化アルミニウムの配合量はエポキ
シ樹脂と硬化剤の合計100重量部に対して50〜80
重量部である。
酸化アルミニウム以外にも水酸化マグネシウム、シリ
カ、タルク、マイカ、クレー等の無機充填材を配合する
こともできるが、難燃性の点から水酸化アルミニウムが
好ましい。表面層のエポキシ樹脂中に配合された無機充
填材が耐トラッキング性を向上させる理由は、形成され
た積層板表面に無機充填材が存在し、それにより表面の
樹脂の割合が減少するためと考えられる。無機充填材と
しては水酸化アルミニウム(水和アルミナ)が好ましい
が、その理由は放電の熱により水酸化アルミニウムが分
解して水を発生し、水と放電により分解した有機物とが
反応して揮発性の物質を生じることによりトラックの形
成が防止されるためと考える。
の形態で使用されるが、積層板を得るために繊維基材に
含浸する際には通常溶剤が使用される。用いられる溶剤
は組成の一部に対して良好な溶解性を示すことが必要で
あるが、溶剤の一部として悪影響を及ぼさない範囲で貧
溶媒を使用しても構わない。
る。部は重量部を示す。
ル0.5部を溶解させた後に、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂(大日本インキ化学製エピクロンN−77
0、Ep当量190)100部、及びノボラック型フェ
ノール樹脂(OH当量104)55部を溶解した。更
に、水酸化アルミニウム380部を加えて攪拌・分散
し、ワニスAを調製した。このワニスAを用いて、ガラ
ス不織布(厚さ0.4mm、日本バイリーン製)100
部に対しワニス固形分で700部含浸させて、150℃
の乾燥胴で5分乾燥させプリプレグを作製した。
0部の混合液に、2−フェニル−4−メチルイミダゾー
ル0.15部およびジシアンジアミド4部を溶解し、次
に非臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェ
ル製Ep−850)100部を溶解した。更に、水酸化
アルミニウム50重量部を加えて攪拌・分散し、ワニス
Bを調製した。このワニスBをガラス織布(厚さ0.1
8mm、日東紡績製)100重量部にワニス固形分で1
00重量部含浸させて、150℃の乾燥胴で5分乾燥さ
せプリプレグを作製した。
ガラス織布使用プリプレグを各一枚重ね、更に上下に厚
さ18μmの電解銅箔を重ねて、圧力2MPa、温度1
70℃で120分加熱加圧成形を行い、厚さ1.6mm
の両面銅張積層板を得た。
様の方法で両面銅張積層板を作製した。評価結果を表1
下欄に示す。実施例で得られた積層板はいずれも耐燃
性、半田耐熱性に優れ、耐トラッキング性、銅箔引き剥
がし強度も良好である。
通りである。 1.耐トラッキング性:銅箔をエッチング後、0.1%
塩化アンモニウム水溶液を 50滴以上滴下しても短絡
しなかった時の印加電圧値を求めた。 2.半田耐熱性:JIS C 6481に準じて測定し、
煮沸2時間の吸湿処理を行った後、260℃の半田槽に
180秒浮かべた後の外観の異常の有無をみた。 ○:異常なし,×:フクレ発生 3.銅箔引き剥がし強度:JIS C 6481に準ず
る 4.難燃性:UL−94規格に従い垂直法により評価し
た。
含有化合物及びリン含有化合物を添加することなく高度
な難燃性を有し、かつ優れた半田耐熱性を有し、今後要
求されるハロゲン含有材料を使用しない積層板用として
有用である。また、この難燃性樹脂組成物を用いると、
表面層に非臭素化エポキシ樹脂を主成分としリン又はリ
ン化合物を含有しない樹脂組成物を用いても難燃性に優
れているため、耐トラッキング性に優れ、かつ銅箔引き
剥がし強度の強いハロゲンフリーエポキシ樹脂コンポジ
ット銅張積層板を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 ガラス織布とガラス不織布にそれぞれエ
ポキシ樹脂組成物を含浸、乾燥して得たプリプレグを組
み合わせて積層し加熱加圧成形してなるコンポジット積
層板において、中間層が、(A)ノボラック型エポキシ
樹脂、(B)ノボラック型フェノール樹脂、(C)水酸
化アルミニウムを必須成分とし、(A)ノボラック型エ
ポキシ樹脂のエポキシ基数と(B)ノボラック型フェノ
ール樹脂のOH基数の比が、エポキシ基/OH基=0.
8〜1.4であり、(C)水酸化アルミニウムが
(A)、(B)成分の合計量100重量部に対して20
0〜300重量部である難燃性エポキシ樹脂組成物が含
浸されたガラス不織布からなり、表面層が、非臭素化エ
ポキシ樹脂を主成分とし、表面層の樹脂100重量部に
対して水酸化アルミニウムが30〜100重量部含有さ
れているエポキシ樹脂が含浸されたガラス織布からなる
ことを特徴とするコンポジット積層板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001026263A JP2002226558A (ja) | 2001-02-02 | 2001-02-02 | 難燃性コンポジット積層板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001026263A JP2002226558A (ja) | 2001-02-02 | 2001-02-02 | 難燃性コンポジット積層板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002226558A true JP2002226558A (ja) | 2002-08-14 |
Family
ID=18891105
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001026263A Pending JP2002226558A (ja) | 2001-02-02 | 2001-02-02 | 難燃性コンポジット積層板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002226558A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002220435A (ja) * | 2001-01-26 | 2002-08-09 | Matsushita Electric Works Ltd | リン含有エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付き金属箔、接着シート、積層板、多層板、塗工用リン含有エポキシ樹脂ワニス、リン含有エポキシ樹脂封止材、リン含有エポキシ樹脂注型材、含浸用リン含有エポキシ樹脂ワニス |
JP2010162737A (ja) * | 2009-01-14 | 2010-07-29 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 積層板 |
CN102558914A (zh) * | 2011-12-30 | 2012-07-11 | 大连亚泰科技新材料有限公司 | 绝缘材料专用环保型氢氧化镁阻燃剂的表面活化改性技术 |
-
2001
- 2001-02-02 JP JP2001026263A patent/JP2002226558A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002220435A (ja) * | 2001-01-26 | 2002-08-09 | Matsushita Electric Works Ltd | リン含有エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付き金属箔、接着シート、積層板、多層板、塗工用リン含有エポキシ樹脂ワニス、リン含有エポキシ樹脂封止材、リン含有エポキシ樹脂注型材、含浸用リン含有エポキシ樹脂ワニス |
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CN102558914A (zh) * | 2011-12-30 | 2012-07-11 | 大连亚泰科技新材料有限公司 | 绝缘材料专用环保型氢氧化镁阻燃剂的表面活化改性技术 |
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