JP2002226157A - 電動車椅子の階段昇降機構 - Google Patents

電動車椅子の階段昇降機構

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JP2002226157A
JP2002226157A JP2001025798A JP2001025798A JP2002226157A JP 2002226157 A JP2002226157 A JP 2002226157A JP 2001025798 A JP2001025798 A JP 2001025798A JP 2001025798 A JP2001025798 A JP 2001025798A JP 2002226157 A JP2002226157 A JP 2002226157A
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Masaru Hashino
野 賢 橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車椅子自体の駆動用モータにより階段の昇降
を行わせる構造でありながら、車椅子の重量を小さくで
きるようにした電動車椅子の階段昇降機構を提供する。 【解決手段】 階段20の側壁面21に沿って電動車椅
子1の昇降をガイドするガイドレール22及び複数の駆
動ガイド24を設け、電動車椅子1に着脱自在に取付け
可能な駆動盤30を備える。駆動盤30は、電動車椅子
1に取付け可能な駆動盤本体31に、ガイドレール22
に摺動自在に係合する複数の係合支持部材33と、電動
車椅子1の動輪3の回転力を減速して回転部材35に伝
達する減速機構40とを備え、回転部材35の回転によ
りその回転部材35上の複数の係合子35aが順次上記
駆動ガイド24のガイド面24aに係合して階段の昇降
方向に沿う駆動力または落下抑止の支持力を発生させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、階段の昇降を可能
にした電動車椅子の階段昇降機構に関するものであり、
さらに具体的には、階段の側壁面に簡単なガイドを設け
ると共に、階段昇降機能を付設した駆動盤を電動車椅子
に着脱自在に取付けることにより、車椅子に特段の昇降
用機構を付設することなしに、通常の電動走行する車椅
子の駆動用モータを利用して、階段の昇降をも行わせ得
るようにした電動車椅子の階段昇降機構に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】最近は、車椅子の利用者を駅等の階段に
沿って昇降させる場合に、階段の側壁面に沿って設けた
階段昇降装置を利用する例が多くなっている。この階段
昇降装置は、通常、階段の側壁面のガイドに沿って昇降
できるようにした移動台に車椅子を載置し、その移動台
を電動で昇降させるようにしたもので、階段に沿って車
椅子をその利用者と共に持ち運ぶ人の労力の軽減に非常
に有効なものである。
【0003】しかしながら、上記階段昇降装置では、移
動台を階段の側壁面のどこかに常に配置しておく必要が
あるばかりでなく、その移動台が昇降駆動のための駆動
機構を備えるために大型化し、しかも、移動台の不必要
な使用を抑制したり、破損等を防止するために、施錠し
たカバーを設けたりすると、装置全体が一層大型化し
て、それらが一般人の階段の利用の障害となったり、階
段の利用を部分的に制限することになる。更に、上記移
動台を備えた階段昇降装置の設置には、比較的コストが
かかるという問題もある。
【0004】このような問題を解決するため、本発明者
は、先に、特願平11−310969号として、階段の
昇降に電動車椅子自体の駆動モータを利用する方式を提
案している。しかしながら、電動車椅子の駆動モータの
動力で階段を昇るためには、十分な減速によって駆動力
を高める必要があり、そのための減速機構を車椅子に搭
載することは、車椅子の重量自体を大きくするばかりで
なく、車椅子の利用者にその搭載費用を負担させること
になるため、これらを十分に軽減するための技術をも考
慮する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
を解決した電動車椅子の階段昇降機構を提供するもので
あり、その基本的な技術的課題は、車椅子自体の駆動用
モータにより階段の昇降を行わせる構造でありながら、
車椅子に減速機構を搭載する必要をなくし、それによっ
て車椅子の重量や費用の軽減を図れるようにした電動車
椅子の階段昇降機構を提供することにある。本発明の他
の技術的課題は、本発明者が先に提案しているクロール
型移動機構(特開平10−279228号等)を有効に
利用し、階段に設ける設備を著しく簡単化すると共に、
車椅子自体の駆動用モータの利用により、階段のガイド
レールと車椅子との間に設ける上記駆動用モータからの
動力伝達のための機構をも簡単化できるようにした電動
車椅子の階段昇降機構を提供することにある。
【0006】上記既提案のクロール型移動機構は、概略
的には、階段等の壁面に沿ってガイドレールを設置し、
移動台を上記ガイドレールに摺動自在に係合させて、そ
の姿勢を維持しながら、駆動機構により上記ガイドレー
ルに沿って移動可能としたものであり、特に、その移動
機構として、移動台上の回転軸の先端に設けた回転部材
の周囲に数個の係合子を設けて、それらの係合子が上記
壁面に並設された駆動ガイドに順次係合して駆動力を発
生することにより、移動台を上記ガイドレールに沿って
略一定速度で移動できるようにしたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の電動車椅子の階段昇降機構は、階段の側壁面
に沿って設けた電動車椅子の昇降をガイドするガイドレ
ールと、階段の側壁面に沿って設けた駆動ガイドと、階
段昇降機能を有する駆動盤とを備え、上記駆動盤は、電
動車椅子に着脱自在に取付け可能な駆動盤本体と、駆動
盤本体に設けられ、該駆動盤本体と結合した電動車椅子
の姿勢を一定に保持した状態で上記ガイドレールに摺動
自在に係合する複数の係合支持部材と、電動車椅子の動
輪の回転力を減速して駆動用の回転部材に伝達する減速
機構とを備え、上記回転部材に、その回転により上記駆
動ガイドに係合して電動車椅子に階段の昇降方向に沿う
駆動力または降下抑止の支持力を発生させる機能を持た
せたことを特徴とするものである。
【0008】上記電動車椅子の階段昇降機構において
は、回転部材の周囲に複数の係合子を等分配置し、上記
駆動ガイドを、階段の側壁面に一定間隔で多数列設さ
れ、上記回転部材の回転により係合子が順次係合して駆
動力または落下抑止の支持力を発生させるためのガイド
面を有するものとするのが機構の簡単化のためにより適
切である。また、上記電動車椅子の階段昇降機構におい
ては、電動車椅子の動輪の回転力を駆動盤本体内の円板
状駆動輪に伝達するための伝達機構として、電動車椅子
の動輪ホイールの周囲に等分配置で複数の係合子を取付
け、上記駆動輪に、動輪ホイールの複数の係合子が順次
係合して減速された駆動力を伝達する複数の伝動ガイド
を等分配置しておくのが望ましい。
【0009】上記構成を有する階段昇降機構によって電
動車椅子を階段に沿って昇降させるに際しては、電動車
椅子の使用によりそれが駅等の昇降しようとする階段の
上または下に達したときに、その駅等に備え付けられて
いる駆動盤に設けた複数の係合支持部材を階段の側壁面
に設けたガイドレールに係合させると共に、その駆動盤
に電動車椅子を取付け、この状態で車椅子の動輪からの
駆動力を減速機構を介して回転部材に伝達すると、回転
部材と駆動ガイドの係合、具体的には回転部材上の係合
子が順次階段の側壁面に設けた駆動ガイドのガイド面に
係合することにより、電動車椅子に階段の昇降方向に沿
う駆動力が与えられ、電動車椅子が上記ガイドレールに
摺動自在に係合する係合支持部材等により所定の姿勢に
保持された状態で、電動車椅子の駆動用モータにより階
段に沿って昇降駆動される。電動車椅子がその自重によ
って階段を下降する場合には、上記回転部材の係合子は
駆動ガイドのガイド面に係合して電動車椅子に落下抑止
の支持力を作用させることになるが、昇降の両方向用の
駆動ガイドを設けて、両方向に駆動することもできる。
【0010】このような電動車椅子の階段昇降機構によ
れば、減速機構を収容しただけで簡単に持ち運びできる
駆動盤を電動車椅子に固定し、電動車椅子自体の駆動用
モータの駆動力によって階段の昇降を行うので、階段の
側壁には、一般的に設置されている手摺と同様のガイド
レールと、上記係合子が係合する駆動ガイドを設けてお
くだけでよく、階段に設ける設備を著しく簡単化するこ
とができ、したがって、それらが一般人の階段の利用の
障害となったり、階段の利用を部分的に制限したりする
ことはない。
【0011】また、上記駆動盤は、駆動盤本体に電動車
椅子に着脱自在に取付ける複数の取付け部材と、駆動盤
本体と結合した電動車椅子の姿勢を一定に保持した状態
でガイドレールに摺動自在に係合する複数の係合支持部
材と、電動車椅子の動輪の回転力を減速して駆動用の回
転部材に伝達する減速機構とを備え、駆動装置を備えて
いないものであるから、構造が比較的簡単で持ち運びし
やすく、結果的に階段昇降機構を全体的に安価に提供す
ることが可能になり、駅などに設置する場合の駆動盤の
収納スペースも小さくて済む。
【0012】一方、電動車椅子は、それ自体の駆動用モ
ータを用いて階段昇降のための動力を得る構造でありな
がら、減速機構を備えず、それが駆動盤に設けられてい
るため、車椅子の重量や費用の軽減を図ることができ
る。また、上記駆動盤の減速機構は、電動車椅子の動輪
にワンタッチで係合して動力を伝達できるため、電動車
椅子から階段昇降のための動力を得るにもかかわらず、
駆動盤の電動車椅子への取付けが簡単である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る電動車椅子の階段昇
降機構は、概略的には、通常の電動走行する車椅子の駆
動用モータを利用して、その車椅子に階段の昇降をも行
わせるようにしたものであり、図1及び図2に示す電動
車椅子1は、その本体フレームに、正逆回転可能な駆動
用モータ2、そのモータ2によって回転駆動される左右
一対の動輪3、操舵装置に接続された前方の操舵輪4、
それらの動輪3及び操舵輪4の駆動を制御する操作装置
6を備えるばかりでなく、本来の車椅子として必要な座
部、肘掛け、背凭れ、レッグレスト、その他の装備を備
えている。また、上記電動車椅子1は、図1〜図5によ
って以下に説明する駆動盤30を着脱自在に取付け可能
にしている。
【0014】上記電動車椅子1に連結する駆動盤30
は、減速機構40(図3)等を収容するケーシングによ
って形成された駆動盤本体31を備えている。さらに具
体的には、この駆動盤本体31には、電動車椅子1の本
体フレームと着脱自在に連結する複数の取付け部材32
と、駆動盤本体31に回動可能に設けられ、階段の側壁
面に設けたガイドレール22(図3及び図5)に摺動自
在に係合する複数の係合支持部材33と、電動車椅子1
の動輪3の回転が伝達される駆動用の駆動輪34と、そ
の駆動輪34の回転を減速する減速機構40と、その減
速機構40の出力部を構成する回転部材35とを備えて
いる。
【0015】電動車椅子1と着脱自在に連結するための
複数の取付け部材32の構造は明確に図示していない
が、駆動盤本体31の車椅子側の壁面における電動車椅
子1の本体フレームや動輪3の車軸部分に対向する位置
に、十分な強度を持ちながらも簡単にその本体フレーム
着脱できる適宜構造のものを装着すればよい。必要があ
れば電動車椅子1の本体フレームにも連結用の簡単な金
具を予め設けておくこともできる。また、上記駆動盤本
体31に設けられる複数の係合支持部材33は、図3及
び図5に示すように、階段の側壁面に沿って設けた複数
のガイドレール22,22に対して、駆動盤本体31と
連結した電動車椅子1の姿勢を一定に保持した状態で摺
動自在に係合するものである。
【0016】次に、電動車椅子1の動輪3の回転を駆動
盤30の減速機構40に伝達する伝達機構の一例につい
て説明する。上記電動車椅子1の動輪3は、動輪3の駆
動軸に固着されたホイール50を有している。上記伝達
機構は、駆動盤本体31に回転可能に支持された駆動輪
34における電動車椅子側の壁面に、実質的にサイクロ
イド曲線状に湾曲形成した複数の伝動ガイド52を設
け、また上記車椅子1における動輪ホイール50の外側
面に、その動輪ホイール50の回転により順次上記伝動
ガイド52のガイド面52aに係合して上記駆動輪34
に回転力を与える複数の係合子51を等分配置すること
により構成している。これらの係合子51は、回転自在
なローラとするのが望ましい。
【0017】したがって、上記駆動盤30を電動車椅子
1に装着した状態で動輪3を図4の矢印方向に回転駆動
すると、係合子51が伝動ガイド52上のガイド面52
aを押圧しながら駆動輪34を矢印方向にほぼ等速で回
転させ、その結果、動輪ホイール50の係合子51から
動輪3の回転が駆動盤本体31に設けた駆動輪34に伝
達される。電動車椅子1に階段を昇降させるに際して、
その電動車椅子に設ける必要があるのは、この係合子5
1だけでよい。
【0018】上記駆動輪34は、上述した伝達機構によ
り動輪ホイール50からその回転を減速して伝達される
ものであるが、減速機構40の出力部である前記回転部
材35の一層の減速を図るため、図3に示すように、上
記駆動輪34は、減速機構40を介して駆動用の回転部
材35に回転を減速、伝達するように構成している。図
3に示す実施例では、減速機構40の構成を具体的に示
していないが、歯車列を介して減速するタイプ、ウオー
ムホイールとウオームや、スプロケットとチェーンによ
って減速するタイプ、その他任意のタイプの既知の減速
機構を採用することができる。
【0019】また、上記伝達機構は、上述した動輪ホイ
ール50の係合子51から駆動盤本体31に設けた駆動
輪34の伝動ガイド52を介して回転を伝達するように
しているため、車椅子1と駆動盤30とを連結する際に
係合子51と伝動ガイド52との相互の位置決めを特に
正確に行う必要がなく、それらの結合を容易に行うこと
ができるものであるが、上記伝動機構はこのような構造
に限るものではなく、動輪ホイール50の中央と駆動輪
34の軸部との間に、相互に嵌合する角軸と角穴、ある
いはスプライン接手等を設けて、動輪ホイール50の回
転を直接的に駆動盤本体31内の減速機構40に伝達さ
せるなど、簡単に接離できる任意動力伝達機構を採用す
ることもできる。
【0020】上記電動車椅子1の階段の側壁面に沿って
昇降させるため、階段の側壁面には電動車椅子1の昇降
をガイドするガイドレール22を設けると共に、軸36
により駆動盤本体31に回転自在に支持された上記回転
部材35の外面に係合子35aを設けて、その面を階段
の側壁面に沿って列設した複数の駆動ガイド24の方に
対面させている。すなわち、図3及び図5に示すよう
に、昇降しようとする階段20の側壁面21には、それ
に沿って上下一対のガイドレール22,22を設けると
共に、このガイドレール22,22に沿って多数の駆動
ガイド24を一定間隔で列設している。上記一対のガイ
ドレール22,22は、上記駆動盤本体31に設けられ
た複数の係合支持部材33が摺動自在に係合して、駆動
盤30及びそれに固定した電動車椅子1の荷重を支える
と共に、駆動盤本体31と電動車椅子1の姿勢を一定に
保持した状態で電動車椅子の昇降をガイドするものであ
る。なお、図示の例では、階段20の側壁面21にガイ
ドレール22の2本を平行に設置したものとしている
が、このガイドレール22は、その必要本数を設置する
ことができる。
【0021】上記係合支持部材33は、パイプ状のガイ
ドレール22を把持し、ガイドレールからの脱落が抑止
された状態で摺動し、電動車椅子1をガイドレール2
2,22に沿って移動させるものであればよく、図示し
たように、各ガイドレール22を掴んだ状態で挟む回転
自在の複数の鼓型のローラ33a等によって構成できる
が、ガイドレールを挟んで摺動する一対の挟持部片等に
よって構成することもできる。また、上記係合支持部材
33は、電動車椅子1及び駆動盤30がガイドレールに
安定的に保持されて、そこから脱落しないようにする機
能あるいは形状を備えたローラ等とするのが望ましい
が、車椅子及び駆動盤の重量のみを負担させる部材とは
別に、ガイドレールからの脱落を防止するための部材を
設けることもできる。
【0022】更に、上記係合支持部材33は、水平状態
から階段に沿う傾斜状態まで湾曲するガイドレール2
2,22の傾斜に応じて、駆動盤本体31に対して回転
させる必要があるため、駆動盤本体31に回転可能に取
付けられる。なお、上記ガイドレール22,22は、階
段の手摺と同様に、パイプ状の部材を階段の側壁面21
に沿って設けることにより構成されるが、それを階段の
手摺と兼用することができる。
【0023】図3及び図5に示すように、電動車椅子が
昇降する階段20には、その側壁面21に沿って、上下
一対のガイドレール22,22と共に、それに沿って多
数の駆動ガイド24が列設されるが、この駆動ガイド2
4は、上記回転部材35の回転によりその回転部材35
上の複数の係合子35aが順次係合するガイド面24a
を備え、この駆動ガイド24へ係合子35aが係合して
回転することにより、駆動盤30及びそれに固着した電
動車椅子1に階段20の昇降方向に沿う駆動力を発生さ
せるものである。この駆動機構は、本発明者が先に提案
しているクロール型移動機構に相当するものである。
【0024】上記階段に配設する駆動ガイド24は、一
対のガイドレール22,22に沿って回転部材35が移
動するとき、すなわち、電動車椅子1と結合した駆動盤
30が移動するとき、その回転部材35上の係合子35
aの運動範囲内(図5中の直線L1,L2間)におい
て、上記回転部材35の回転中心Oの移動軌跡Lの片側
に偏寄させて一定間隔で並設し、それらの表面によって
形成されるガイド面24aは、上記回転部材35の係合
子35aがそれらのガイド面24aに係合して定速回転
するときに、その回転部材35の回転中心に対して側壁
面21上における移動方向に略一定速度を与えるところ
の、実質的にサイクロイド曲線状に湾曲傾斜した面と
し、それを一定間隔で平行に配置している。
【0025】そして、それらの駆動ガイド24の長さ
は、少なくとも1つの係合子35aが常に駆動ガイド2
4のガイド面24aに係合すると共に、各係合子35a
が駆動ガイドのガイド面24a上から外れて次の駆動ガ
イドのガイド面24a上に係合するまでの間の復帰行程
において、各係合子35aと干渉しない範囲の長さに形
成している。
【0026】したがって、図5において、一つの係合子
35aが駆動ガイド24のガイド面24a上に係合した
状態で回転部材35が反時計方向に回転し、その係合子
35aが駆動ガイド24のガイド面24a上を移動する
間には、その回転部材35を介して電動車椅子1を進行
方向に移動させるが、その係合子35aがガイド面24
a上から外れて復帰行程に入る前には、次の係合子35
aが進行方向の一つ隣り(左上側)の駆動ガイド24の
ガイド面24a上に係合して、そのガイド面24a上を
移動し、その際に、それぞれのガイド面24aがサイク
ロイド曲線状に湾曲しているので、回転部材35を常に
建造物の壁面上における移動方向に略一定速度で移動さ
せることが可能になる。回転部材35に伝達する回転力
は、階段に沿って昇る場合に必要とされる駆動力が大き
いため、減速機構40により動輪3よりも十分に減速し
た低速(例えば減速比1/25)とするのが望ましい。
【0027】前述のクロール型移動機構からなる階段昇
降機構は、回転部材35の回転力が係合子35aを介し
て階段側壁面に固定された駆動ガイド24のガイド面2
4aに順次加えられ、該ガイド面24aからの反力で、
回転部材35及び該回転部材35を取付けた駆動盤30
が階段20の昇降方向に沿う駆動力を受けるものであ
る。回転部材35と駆動ガイド24を有する階段側壁面
21との間に上記クロール型移動機構を用いると、ガイ
ドレール22,22への駆動盤30の装着時に厳密な位
置合わせの必要がない。
【0028】階段20の勾配が比較的急で、電動車椅子
1が下降するときにその自重によって階段20を下降す
る場合には、動輪の駆動用モータ2によって回転部材3
5の回転を規制し、上記回転部材35の係合子35aを
駆動ガイド24のガイド面24aに係合させて電動車椅
子1の急速な落下を抑止する支持力を発生させることに
なるが、階段の勾配が非常に緩やかであったり、階段の
中間に踊り場があったりして、階段の昇降両方向に駆動
する必要がある場合には、その昇降に対応させるため、
図6に示すように、昇降の両方向用の駆動ガイド24,
25を設けて両方向に駆動することもできる。
【0029】この緩下降または水平移動用の駆動ガイド
25のガイド面25aは、回転部材35上の係合子35
aの運動範囲内(図5中の直線L1,L2間)におい
て、上記駆動ガイド24に対して対称状をなす状態で一
定間隔で平行に配設したものであり、これを利用する場
合には、駆動用モータ2による回転部材35の回転方向
を逆にする点を除いて、駆動ガイド24により階段を上
昇させる場合と同様である。なお、このように、昇降両
方向用の駆動ガイド24,25を設けても、昇降方向へ
の回転部材35の回転に際し、ガイド面24aまたは2
5a上を移動する係合子以外の各係合子が駆動ガイド2
4または25と干渉することはない。
【0030】この階段昇降機構によれば、従来技術のよ
うに、階段の側壁面に常に電動車椅子の移動台を配置し
ておく必要がないばかりでなく、簡単に持ち運びできる
駆動盤30に電動車椅子1を固定するだけで、電動車椅
子自体の駆動用モータ2の駆動力によって階段の昇降を
行うので、階段の側壁には、一般的に設置されている手
摺と同様のガイドレール22と、上記係合子35aが係
合する駆動ガイド24を列設しておき、別途駆動盤30
を保管しておくだけでよく、階段20に設ける設備を著
しく簡単化して、しかも極めて安価に製造することがで
きる。
【0031】また、電動車椅子に着脱自在に固定する駆
動盤30は、電動車椅子と着脱自在に固着可能な駆動盤
本体31と、ガイドレール22に摺動自在に係合する複
数の係合支持部材33と、駆動輪34及び回転部材35
を含む減速機構40などを備えたものであるから、構造
が比較的簡単で持ち運びしやすいものであり、階段の昇
降に電動車椅子1自体の駆動用モータ2を利用するの
で、結果的に階段昇降機構を全体的に安価に提供するこ
とが可能になり、駆動盤30の収納スペースも少なくて
済む。
【0032】また、電動車椅子1自体の駆動用モータ2
を用いて階段昇降のための動力を得る構造でありなが
ら、減速機構40は車椅子とは分離された駆動盤30に
設けているため、電動車椅子1の重量を大きくすること
なく、車椅子の使用者に経済的負担をかけることも少な
くすることができ、駆動盤30の減速機構40は、電動
車椅子の動輪3にワンタッチで係合して動力伝達される
構造を採用できるため、駆動盤30の電動車椅子1への
取付けが簡単になる。
【0033】
【発明の効果】以上に詳述した本発明の電動車椅子の階
段昇降機構によれば、本発明者が先に提案しているクロ
ール型移動機構を有効に利用し、階段に設ける設備を著
しく簡単化すると共に、車椅子自体の駆動用モータによ
り階段の昇降を行わせる構造でありながら、車椅子の重
量を少なくすることができる電動車椅子の階段昇降機構
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いる電動車椅子の構成を示す
側面図である。
【図2】同電動車椅子の正面図である。
【図3】本発明において用いる電動車椅子に着脱自在に
取付け可能な駆動盤の縦断面図である。
【図4】図3に示す駆動盤をその右方向からみた状態を
模式的に示す構成図である。
【図5】上記電動車椅子を昇降させる階段及びその側壁
面に設けるガイド等の構成を、電動車椅子と結合した駆
動盤の回転部材及び係合支持部材との関連において示す
説明図である。
【図6】電動車椅子を階段に沿って昇降駆動する場合の
駆動ガイドについて説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 電動車椅子 2 駆動用モータ 3 動輪 20 階段 21 側壁面 22 ガイドレール 24,25 駆動ガイド 24a,25a ガイド面 30 駆動盤 31 駆動盤本体 33 係合支持部材 34 駆動輪 35 回転部材 35a 係合子 51 係合子 52 伝動ガイド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】階段の側壁面に沿って設けた電動車椅子の
    昇降をガイドするガイドレールと、階段の側壁面に沿っ
    て設けた駆動ガイドと、階段昇降機能を有する駆動盤と
    を備え、 上記駆動盤は、電動車椅子に着脱自在に取付け可能な駆
    動盤本体と、駆動盤本体に設けられ、該駆動盤本体と結
    合した電動車椅子の姿勢を一定に保持した状態で上記ガ
    イドレールに摺動自在に係合する複数の係合支持部材
    と、電動車椅子の動輪の回転力を減速して駆動用の回転
    部材に伝達する減速機構とを備え、 上記回転部材に、その回転により上記駆動ガイドに係合
    して電動車椅子に階段の昇降方向に沿う駆動力または降
    下抑止の支持力を発生させる機能を持たせた、ことを特
    徴とする電動車椅子の階段昇降機構。
  2. 【請求項2】上記回転部材の周囲に複数の係合子を等分
    配置し、上記駆動ガイドを、階段の側壁面に一定間隔で
    多数列設され、上記回転部材の回転により係合子が順次
    係合して駆動力または落下抑止の支持力を発生させるた
    めのガイド面を有するものとした、ことを特徴とする請
    求項1に記載の電動車椅子の階段昇降機構。
  3. 【請求項3】電動車椅子の動輪の回転力を駆動盤本体内
    の円板状駆動輪に伝達するための伝達機構として、電動
    車椅子の動輪ホイールの周囲に等分配置で複数の係合子
    を取付け、上記駆動輪に、動輪ホイールの複数の係合子
    が順次係合して減速された駆動力を伝達する複数の伝動
    ガイドを等分配置した、ことを特徴とする請求項1また
    は2に記載の電動車椅子の階段昇降機構。
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