JP2002225232A - 多色刷り印刷装置 - Google Patents

多色刷り印刷装置

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JP2002225232A
JP2002225232A JP2001027506A JP2001027506A JP2002225232A JP 2002225232 A JP2002225232 A JP 2002225232A JP 2001027506 A JP2001027506 A JP 2001027506A JP 2001027506 A JP2001027506 A JP 2001027506A JP 2002225232 A JP2002225232 A JP 2002225232A
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blanket
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JP2001027506A
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Yasuo Katano
泰男 片野
Takashi Hara
敬 原
Minoru Morikawa
穣 森川
Seiji Yamada
征史 山田
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク粘度の制御を行うことなく、簡単な構
成にて混色を防止することができる多色刷りオフセット
印刷装置を提供する。 【構成】 ブランケット胴2の周囲にそれぞれ異なる色
の高粘度インクが付与された版胴4a〜4dを配置し、
また版胴4a−4b間、4b−4c間、4c−4d間に
はインク溶剤に対して浸透もしくは膨潤を示すインクセ
ット部材7a,7b,7cをそれぞれブランケット(中
間転写体)3に接触するように設ける。インクセット部
材7a,7b,7cは、天然ゴム、EPDMゴム、クロ
ロプレンゴム、シリコーン樹脂等からなり、これらにイ
ンクが接触するとインク中の溶剤がインクセット部材中
に転移し、インクの粘度を急速に上昇させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多色刷り印刷装置
に関し、さらに詳しくは、中間転写体(ブランケット)
に対しインクセット部材を接触させることにより、中間
転写体上でのインクの混色を防止することができる、多
色刷りオフセット印刷装置(平版、凸版、凹版、スクリ
ーン)に関する。
【0002】
【従来の技術】1つのオフセットブランケット(中間転
写部材)に複数の版胴を接触させてブランケットに色を
重ねた後、用紙にブランケット上の複数色のインクを転
写する印刷方法及び印刷装置が従来技術として多数存在
し、特開平07−172034号公報に記載された円筒
体の多色ウエット重ね印刷方法はその1例である。1つ
のオフセットブランケットに複数の版胴を接触させて、
ブランケットに色を重ねる際、インキングローラへのイ
ンクの逆流(バックトラッピング)による混色が問題と
なる。これを回避するため、重ねるインクの順序に沿っ
て、インク粘度を変えたり、UV硬化インクを用いて一
色ごとにUV光(紫外線)によりインク表面を固めたり
(インクセット)して混色を防止している。しかし、U
Vインクを用いる場合、紫外線照射時のオゾン発生によ
る環境問題があり、インク粘度を変える場合、粘度を絶
えずコントロールしなければならないといった問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有する問題点に鑑みなされたもので、1つの中間転写体
(ブランケット)に複数の版胴のインクを重ねて印刷を
行う多色刷り印刷機において、インク粘度の制御を行う
ことなく、簡単な構成で混色を防止することができる多
色刷りオフセット印刷装置を提供することを目的とす
る。また、中間転写体上のインクが用紙に確実に転写さ
れる多色刷りオフセット印刷装置を提供することを目的
とする。さらに、混色防止の耐久性、及び装置の信頼性
が優れた多色刷りオフセット印刷装置を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の技術手段
は、複数色の各色毎に版材及び該版材に高粘度インクを
供給する手段を有し、1つの中間転写体に対して複数の
前記版材が接触する多色刷り印刷装置において、前記版
材間の中間転写体にインク溶剤に対して浸透または膨潤
するインクセット部材が接触することを特徴とする。
【0005】第2の技術手段は、第1の技術手段の多色
刷り印刷装置において、前記インクセット部材と前記中
間転写体のニップ幅が、インクを重ねる順序に沿って狭
くなることを特徴とする。
【0006】第3の技術手段は、第1の技術手段の多色
刷り印刷装置において、前記インクセット部材のインク
溶剤に対する浸透度合いまたは膨潤度合いが、インクを
重ねる順序に沿って低くなることを特徴とする。
【0007】第4の技術手段は、第1の技術手段の多色
刷り印刷装置において、重ねるインクの粘度が、インク
を重ねる順序に沿って低くなることを特徴とする。
【0008】第5の技術手段は、第1の技術手段の多色
刷り印刷装置において、前記版材と前記中間転写体の接
触圧力が、インクを重ねる順序に沿って低くなることを
特徴とする。
【0009】第6の技術手段は、第1〜5の技術手段の
多色刷り印刷装置において、前記中間転写体上のインク
を用紙へ転写する直前の部分または転写部に、加熱手段
を設けることを特徴とする。
【0010】第7の技術手段は、第1〜5の技術手段の
多色刷り印刷装置において、前記中間転写体上のインク
を用紙へ転写する直前の部分に、前記中間転写体へのイ
ンク溶剤塗布手段を設けることを特徴とする。
【0011】第8の技術手段は、第1〜7の技術手段の
多色刷り印刷装置において、前記インクセット手段に、
インク中に含有するインク溶剤を除去する手段を適時接
触させる手段を設けることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、実施例及び具体例に基づき図面を参照して説明す
る。 (実施例1)図1は、本発明の実施例1による多色刷り
オフセット印刷装置の概略を示す側断面図である。実施
例1の多色刷りオフセット印刷装置1は、中間転写体
(ブランケット)3が装着されたブランケット胴2の周
囲に版材5a,5b,5c,5dが装着された複数の版
材支持体(版胴)4a,4b,4c,4dが配置されて
いる。それぞれの版材5a,5b,5c,5dにはそれ
ぞれ異なる色の高粘度インクがインキングローラ6a,
6b,6c,6dによって供給され、それぞれの版材上
の高粘度インクが1つのブランケット3に転写され、ブ
ランケット3に複数色のインクが重ねられる。また、ブ
ランケット胴2には圧胴10が接触しており、両者の接
触部分が、ブランケット3上のインクが用紙Sに転移す
る転写部となっている。用紙収納部8に収納された用紙
Sは、エアー給紙装置9によってブランケット胴2と圧
胴10間の転写部に送り込まれ、転写部でブランケット
3上の複数色のインクが用紙Sに転移され、チェーンデ
リバリ11によって印刷済み用紙収納部12に収納され
る。本発明は、以上のように高粘度インクを用い、1つ
の中間転写体(ブランケット)3に複数色のインクを重
ね、中間転写体3から用紙Sに1回のみ転写を行うこと
を前提とする多色刷り印刷装置に関するものである。
【0013】本発明は、前記した多色刷りオフセット印
刷装置1において、ブランケット胴2の周囲であって、
複数配置され異なる色の高粘度インクが付与されたそれ
ぞれの版胴間(4a−4b間、4b−4c間、4c−4
d間)にインクセット部材7a,7b,7cをそれぞれ
配置し、ブランケット3に接触するようにしたことを特
徴とする。インクセット部材7a,7b,7cは、イン
ク溶剤に対して浸透もしくは膨潤を示す部材からなり、
ブランケット3に接触するものであるが、それぞれブラ
ンケット3に常時接触していてもよく、また印刷時のみ
接触するようにしてもよい。また、インクセット部材
は、版胴間(4a−4b間、4b−4c間、4c−4d
間)の全てに設けなくてはならないというものでなく、
適宜必要個所のみに設ければよい。
【0014】本発明に用いるインクは、ロジン変性フェ
ノール樹脂、アルキド樹脂、石油樹脂、DCPD樹脂等
の樹脂とやし油、亜麻仁油、大豆油等の植物油(脂肪
酸)と顔料とオレフィン系、もしくはパラフィン系溶剤
を主成分とした高粘度インクが望ましい。粘度範囲とし
ては、1Pa・S〜1000Pa・Sの範囲が望まし
い。
【0015】中間転写体であるブランケット3の材料と
しては、ウレタンゴム、NBRゴム等の耐油性に優れた
ゴム材が望ましい。版材5a,5b,5c,5dとして
は、平版、凸版、凹版、スクリーンのいずれでもよく、
また平版としては、湿し水を用いる平版や水不要平版の
いずれでもよい。
【0016】インク溶剤に対して浸透もしくは膨潤を示
すインクセット部材7a,7b,7cとしては、天然ゴ
ム、EPDMゴム、クロロプレンゴム、シリコーン樹脂
等が望ましい。これらの部材とインクが接触すると、イ
ンク中の溶剤がこれら部材に転移し、インクの粘度を急
速に上昇させる(インクセットされる)。このため、ひ
とつのインクの上に次のインクを重ねるときに、下地の
インクが高粘度となっているために上部インクへ逆流す
ることがなくなり混色が防止できる。インクセット部材
7a,7b,7cのうち、シリコーン樹脂はインクに対
する離型性に優れ、インクが全くオフセットしないので
特に優れている。また、その表面は光沢面である方がさ
らにインクオフセットを防止できる。
【0017】図2は、実施例1の多色刷りオフセット印
刷装置の変形例を示す側断面図である。図2の変形例の
多色刷りオフセット印刷装置は、版材支持体(版胴)4
a,4b,4c,4dに版材供給手段13a,13b,
13c,13dを備えるとともに版材5a,5b,5
c,5dへの画像書込み手段14a,14b,14c,
14dを備えたデジタル印刷機(コンピュータ等のデジ
タルデータを用いそのままダイレクトに印刷が行える印
刷機)である。この場合の版材5a,5b,5c,5d
としては、いわゆるサーマルCTP(computer to plat
e)版材が適し、版材への画像書込み手段14a,14
b,14c,14dとしては、レーザ(YAG等の固体
レーザや半導体レーザ)を用いる手段が適する。サーマ
ルCTP版材としては、現像を必要とする版材やアブレ
ーションや相変化タイプの現像レス版材(特開平3−1
78478号公報に開示されたような材料を用いた版
材)が適する。インク及びブランケット3の材料は図1
に示す多色刷りオフセット印刷装置と同様である。ま
た、インクセット部材7a,7b,7cも図1に示す多
色刷りオフセット印刷装置と同様の構成とすることがで
きる。
【0018】具体例1 版材:市販の水不要平版 インキ:水なし平版用インキ ブランケット:市販エアブランケット インクセット部材:シリコーンゴムローラ 図1に示すように、1つのブランケット胴2に対して、
各色毎の版材支持体(版胴)4a,4b,4c,4dを
配置した印刷装置に、各版胴の間(4a−4b間,4b
−4c間,4c−4d間)にシリコーンゴムローラを配
置した。
【0019】具体例1の実施結果 インクセット部材を設けない多色刷りオフセット印刷装
置により印刷した場合、3色目以降のインキングローラ
に1色目、2色目の混色が認められたが、具体例1のよ
うにインクセット部材をブランケットに接触して印刷す
ると、どのインキングローラにも混色は認められなかっ
た。
【0020】具体例2 版材:レーザアブレーションタイプの市販の水不要平版 画像書き込み:600mW半導体レーザアレイ インキ:水なし平版用インキ ブランケット:市販エアブランケット インクセット部材:シリコーンゴムローラ 図2に示すように、1つのブランケット胴2の周囲に対
して、それぞれ色の異なる複数色の版胴4a〜4dを配
置した多色刷りデジタル印刷装置において、各版胴の間
にローラ状のインクセット部材7a,7b,7cを配置
した。
【0021】具体例2の実施結果 インクセット部材を設けない多色刷り印刷装置により印
刷した場合、3色目以降のインキングローラに1色目、
2色目の混色が認められたが、インクセット部材をブラ
ンケットに接触して印刷すると、どのインキングローラ
にも混色は認められなかった。
【0022】具体例3 版材:特開平3−178478号公報に開示された含フ
ッ素アクリレート樹脂を記録層とした版材。光熱変換層
を記録層と基板の中間に形成 画像書き込み:50mW半導体レーザアレイ インキ:水なし平版用インキ ブランケット:市販エアブランケット インクセット部材:シリコーンゴムローラ 図2に示すように、1つのブランケット胴2に対して、
それぞれ色の異なる複数色の版胴4a〜4dを配置した
多色刷りデジタル印刷装置において、各版胴の間にロー
ラ状のインクセット部材7a,7b,7cを配置した。
【0023】具体例3の実施結果 インクセット部材を設けない多色刷り印刷装置により印
刷した場合、3色目以降のインキングローラに1色目、
2色目の混色が認められたが、インクセット部材をブラ
ンケットに接触して印刷すると、どのインキングローラ
にも混色は認められなかった。
【0024】(実施例2)実施例1において、インクセ
ット部材7a,7b,7cとインクが接触すると溶剤が
インクセット部材7a,7b,7cに転移することによ
り、インク表面は急速に高粘度化する(インクセットさ
れる)。このインクセットの程度が、重ねるインクの全
てにおいて同じであると、重ねるインク粘度が同じにな
り、インク逆流効果が弱くなる。そこで、重ねるインク
順序に沿って、インクセット度合いを弱くする必要があ
る。インクセット部材7a,7b,7cとインクとの接
触時間が長いほど、インクセット度合いは高くなる。印
刷速度が一定の場合、接触時間はインクセット部材のニ
ップ幅で定まる。すなわち、ニップ幅が広いほど接触時
間が長くなる。本発明の実施例2は、重ねるインク順序
に沿って、インクセット部材7a,7b,7cのニップ
幅を狭くすることを特徴とする。このようにすると、重
ねるインク順序に沿ってインクセット度合いが弱くな
り、インクの逆流が生じなくなる。ニップ幅を変える方
法としては、どのインクセット部材7a,7b,7cも
同じゴム硬度の部材を用い、インクを重ねる順番に沿っ
てインクセット部材7a,7b,7cのブランケット3
への押圧力を弱くする方法や、押圧力は同じとし、重ね
る順序に沿ってゴム硬度を高くする方法がよい。
【0025】具体例4 版材:市販の水不要平版 インキ:水なし平版用インキ ブランケット:市販エアブランケット インクセット部材:シリコーンゴムローラ 図1に示すように、1つのブランケット胴2の周囲に対
して、それぞれ色の異なる複数色の版胴4a〜4dを配
置した多色刷り印刷装置において、各版胴の間(4a−
4b間,4b−4c間,4c−4d間)にローラ状のイ
ンクセット部材を配置した。各インクセット部材7a,
7b,7cとブランケット3とのニップ幅は、表1のよ
うにした。
【0026】
【表1】
【0027】具体例4の実施結果 インクセット部材を設けない多色刷り印刷装置により印
刷した場合、3色目以降インキングローラに1色目、2
色目の混色が認められたが、インクセット部材をブラン
ケットに接触して印刷すると、どのインキングローラに
も混色は認められなかった。
【0028】(実施例3)実施例3の多色刷り印刷装置
は、インクセット部材7a,7b,7cのインクセット
度合いを制御する異なる手段を提案するもので、インク
セット部材7a,7b,7cのインク溶剤に対する浸透
もしくは膨潤度合いに差を設けることで、インクセット
度合いを制御する手段を提案するものである。すなわ
ち、インクセット部材7a,7b,7cのインク溶剤に
対する浸透度合いまたは膨潤度合いが、インクを重ねる
順序にそって低くなることを特徴とする。浸透もしくは
膨潤度合いは、インク溶剤とインクセット部材7a,7
b,7cのSP値(溶解度係数)がどれくらい近いかで
決まる。そして、SP値が近いほど、浸透もしくは膨潤
の度合いは大きくなる。このように、SP値の大きさに
あわせて接触部材をインク重ね順序に沿って配列する。
この際、インクセット部材は同一組成でもよく、また全
く異なる組成の組み合わせでもよい。
【0029】具体例5 版材:市販の水不要平版 インキ:水なし平版用インキ ブランケット:市販エアブランケット インクセット部材:シリコーンゴムローラ 図1に示すように、1つのブランケット胴2の周囲に対
して、それぞれ色の異なる複数色の版胴4a〜4dを配
置した多色刷り印刷装置において、各版胴の間にローラ
状のインクセット部材7a,7b,7cを配置した。イ
ンクのSP値(溶解度係数)8に対して表2のように架
橋度を変えてSP値を設定した。
【0030】
【表2】
【0031】具体例5の実施結果 インクセット部材を設けない多色刷り印刷装置により印
刷した場合、3色目以降のインキングローラに1色目、
2色目の混色が認められたが、インクセット部材をブラ
ンケットに接触して印刷すると、どのインキングローラ
にも混色は認められなかった。
【0032】(実施例4)実施例3のように、インクセ
ット度合いをインク重ねの順番そって弱めていく必要が
あるが、もともとインク粘度に差がある方がインクセッ
ト制御の確実性が上がる。すなわち、実施例4の多色刷
り印刷装置は、重ねるインクの粘度が重ねる順序にそっ
て低くなることを特徴とする。このように、もともとイ
ンクに粘度差があれば、インクセット部材7a,7b,
7cによるインクセットの負担が軽減でき、インクセッ
ト部材のセット性能力の耐久性が向上する。
【0033】具体例6 版材:市販の水不要平版 インキ:水なし平版用インキ ブランケット:市販エアブランケット インクセット部材:シリコーンゴムローラ 図1に示すように、1つのブランケット胴2の周囲に対
して、それぞれ色の異なる複数色の版胴4a〜4dを配
置した多色刷り印刷装置において、各版胴の間(4a−
4b間,4b−4c間,4c−4d間)にローラ状のイ
ンクセット部材を配置した。インクの粘度とタック値は
表3のように設定した。
【0034】
【表3】
【0035】具体例6の実施結果 インクセット部材を設けない多色刷り印刷装置により印
刷した場合、4色目インキングローラに2色目の混色が
認められたが、インクセット部材をブランケットに接触
して印刷すると、どのインキングローラにも混色は認め
られなかった。
【0036】(実施例5)ブランケット胴(中間転写体
支持体)2と版材支持体(版胴)4a〜4dとの接触圧
力もインク逆流の重要な因子である。すなわち、圧力が
大きいほど、重なるインクは混ざり易くなり、版上で混
色を発生させる。そこで、実施例5の多色刷り印刷装置
は、図1に示す実施例1の多色刷り印刷装置において、
接触させる版材支持体4a〜4dと中間転写体2の接触
圧力が、インクを重ねる順序にそって低くなる、つまり
図1において、版材支持体4aから版材支持体4dに向
かうにしたがって中間転写体2との接触圧力が小さくな
るようにすることを特徴とする。
【0037】具体例7 版材:市販の水不要平版 インキ:水なし平版用インキ ブランケット:市販エアブランケット インクセット部材:シリコーンゴムローラ 図1に示すように、1つのブランケット胴2の周囲に対
して、それぞれ色の異なる複数色の版胴4a〜4dを配
置した多色刷り印刷装置において、各版胴の間にローラ
状のインクセット部材を配置した。版胴とブランケット
胴の接触圧(ニップ幅)を表4のように設定した。
【0038】
【表4】
【0039】具体例7の実施結果 インクセット部材を設けない多色刷り印刷装置により印
刷した場合、3色目以降インキングローラに1色目、2
色目の混色が認められたが、インクセット部材をブラン
ケットに接触して印刷すると、どのインキングローラに
も混色は認められなかった。
【0040】(実施例6)図3は、本発明の実施例6に
よる多色刷りオフセット印刷装置の概略を示す側断面図
である。実施例1〜5の多色刷り印刷装置のようにイン
クセットを行うと、インク粘度の上昇により、用紙Sへ
インクが転写されない恐れがある。そこで、本発明は、
実施例1〜5の多色刷り印刷装置において、図3に示す
ように、中間転写体2上のインクを用紙Sへ転写する直
前の部分、または転写部に加熱手段15を設けることを
特徴とする。加熱温度は、30℃〜50℃が適当であ
る。あまり温度を上げすぎると、蓄熱によりインク粘度
制御ができなくなる恐れがある。加熱手段15として
は、赤外線ヒータのような非接触加熱手段や加熱ローラ
接触手段が適当である。加熱するタイミングは用紙への
転写直前か、転写中が望ましく、熱容量の観点から転写
直前の方が蓄熱をより防止できる。
【0041】具体例8 版材:市販の水不要平版 インキ:水なし平版用インキ ブランケット:市販エアブランケット インクセット部材:シリコーンゴムローラ 加熱手段:100W赤外線ランプ 図3に示すように、一つのブランケット胴2の周囲に対
して、それぞれ色の異なる複数色の版胴4a〜4dを配
置した多色刷り印刷装置において、各版胴の間にローラ
状のインクセット部材を配置した。
【0042】具体例8の実施結果 当該接触部材がない場合に印刷すると、3色目以降イン
キングローラに1色目、2色目の混色が認められたが、
インクセット部材をブランケットに接触して印刷する
と、どのインキングローラにも混色は認められなかっ
た。
【0043】(実施例7)図4は、本発明の実施例7に
よる多色刷りオフセット印刷装置の概略を示す側断面図
である。実施例7の多色刷り印刷装置は、インクセット
部材7a,7b,7cと異なる別のインクセットによる
粘度上昇に伴う紙への転写不良対策を提案する。すなわ
ち、図4に示すように、実施例1〜5の多色刷り印刷装
置において、中間転写体3上のインクを用紙Sへ転写す
る直前に中間転写体3へのインク溶剤塗布手段16を設
けることを特徴とする。インク溶剤を塗布することで、
セットされたインクは再び低粘度化し、用紙Sへの転写
性が良好となる。ただし、溶剤の塗布が過剰であると、
画像が流れたり画像太りが発生してしまう。塗布量はご
く微量が望ましく、0.01g/cm2程度が望ましい。
溶剤塗布手段16としては、多孔質ウレタンフォーム材
等の耐油性に優れたフォーム材にインク溶剤を含浸し、
塗布する手段が適当である。異なる例として、目の細か
なグルーブローラ、グラビアローラ、アニックスローラ
を用いる手段も適当である。インクとの接触圧力はなる
べく低い方が望ましい。圧力が高いと溶剤塗布手段16
の方に溶解したインクが混入する恐れがある。
【0044】具体例9 版材:市販の水不要平版 インキ:水なし平版用インキ ブランケット:市販エアブランケット インクセット部材:シリコーンゴムローラ 溶剤塗布装置:ウレタンフォーム材にインク溶剤(パラ
フィン系、沸点280℃)を含浸したローラ 図4に示すように、一つのブランケット胴2の周囲に対
して、それぞれ色の異なる複数色の版胴4a〜4dを配
置した多色刷り印刷装置において、各版胴の間にローラ
状のインクセット部材7a,7b,7cを配置した。
【0045】具体例9の実施結果 当該接触部材がない場合に印刷すると、3色目以降イン
キングローラに1色目、2色目の混色が認められたが、
インクセット部材をブランケットに接触して印刷する
と、どのインキングローラにも混色は認められなかっ
た。また、転写部において、ブランケットから用紙にイ
ンクが良好に転写された。
【0046】(実施例8)図5は、本発明の実施例8に
よる多色刷りオフセット印刷装置の概略を示す側断面図
である。インクセット部材7a,7b,7cは連続印刷
するにつれてインク溶剤がインクセット部材7a,7
b,7c中に取り込まれていき、インク吸収能力が次第
に落ちていく。これを防止するため、実施例8の多色刷
りオフセット印刷装置は、常時あるいは定期的に含有溶
剤を除去する溶剤除去手段17a,17b,17cをそ
れぞれインクセット部材7a,7b,7cに設けること
を特徴とする。本発明者らは、インクセット部材7a,
7b,7cに含有された溶剤は、ウエス、紙、別のゴム
材と接触すると、溶剤がそれらの部材へ転移することを
発見した。そこで、常時あるいは定期的に、これらの部
材を接触させることでインクセット部材7a,7b,7
cのインクセット能力を維持することができる。図5に
示す例では、コート紙をロール状に巻回した部材を溶剤
除去手段17a,17b,17cとして、インクセット
部材7a,7b,7cに接触しながら定期的に巻き取る
構成である。
【0047】具体例10 版材:市販の水不要平版 インキ:水なし平版用インキ ブランケット:市販エアブランケット インクセット部材:シリコーンゴムローラ 溶剤除去手段:ロール状に巻いた市販コート紙を、10
00枚印刷毎にインクセット部材に接触。 図5に示すように、一つのブランケット胴2の周囲に対
して、それぞれ色の異なる複数色の版胴4a〜4dを配
置した多色刷り印刷装置において、各版胴の間にローラ
状のインクセット部材7a,7b,7cを配置し、各イ
ンクセット部材7a,7b,7cにロール状に巻いた市
販コート紙を接触させた。
【0048】具体例10の実施結果 当該接触部材がない場合に印刷すると、3色目以降イン
キングローラに1色目、2色目の混色が認められたが、
インクセット部材をブランケットに接触して印刷する
と、どのインキングローラにも混色は認められなかっ
た。また、各インクセット部材7a,7b,7cは10
00枚印刷後においても十分なインクセット能力を有し
ていた。
【0049】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、版材間の中間
転写体にインク溶剤に対して浸透又は膨潤を示すインク
セット部材を接触するだけの簡単な構成で、混色を飛躍
的に防止できる。
【0050】請求項2の発明によれば、インクセット部
材と中間転写体のニップ幅が、インクを重ねる順序に沿
って狭くなるので、用紙へのインク転写が確実にでき
る。
【0051】請求項3の発明によれば、インクセット部
材がインク溶剤に対する浸透度合いまたは膨潤度合い
が、インクを重ねる順序に沿って低くなるので、機械系
の制御なしに用紙へのインク転写が確実にできる。
【0052】請求項4の発明によれば、重ねるインクの
粘度が重ねる順序にそって低くなるので、混色防止が確
実にできる。
【0053】請求項5の発明によれば、版材と中間転写
体の接触圧力が、インクを重ねる順序に沿って低くなる
ので、インク粘度を制御せずに混色防止が確実にでき
る。
【0054】請求項6の発明によれば、中間転写体上の
インクを紙へ転写する直前又は転写部に加熱手段を設け
るので、用紙へのインク転写が確実にできる。
【0055】請求項7の発明によれば、中間転写体上の
インクを用紙へ転写する直前に中間転写体へのインク溶
剤塗布手段を設けるので、消費電力を抑えて、紙へのイ
ンク転写が確実にできる。
【0056】請求項8の発明によれば、インクセット手
段にインク中に含有するインク溶剤を除去する手段を適
時接触させる機構を設けたので、混色防止の耐久性が向
上し、装置の信頼性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1による多色刷りオフセット印刷装置
の概略を示す側断面図である。
【図2】 実施例1の多色刷りオフセット印刷装置の変
形例を示す側断面図である。
【図3】 実施例6による多色刷りオフセット印刷装置
の概略を示す側断面図である。
【図4】 実施例7による多色刷りオフセット印刷装置
の概略を示す側断面図である。
【図5】 実施例8による多色刷りオフセット印刷装置
の概略を示す側断面図である。
【符号の説明】
1…多色刷りオフセット印刷装置、2…ブランケット
胴、3…中間転写体(ブランケット)、4a,4b,4
c,4d…版材支持体(版胴)、5a,5b,5c,5
d…版材、6a,6b,6c,6d…インキングロー
ラ、7a,7b,7c…インクッセット部材、8…用紙
収納部、9…エアー給紙装置、10…圧胴、11…チェ
ーンデリバリ、12…印刷済み用紙収納部、13a,1
3b,13c,13d…版材供給手段、14a,14
b,14c,14d…画像書込み手段、15…赤外線ヒ
ータ、16…溶剤塗布手段、17a,17b,17c…
溶剤除去手段、S…用紙。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 征史 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C250 DA07 DB29

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの中間転写体の周囲に各色毎の複数
    の版材及び該版材に高粘度インクを供給する手段を有す
    る多色刷り印刷装置において、前記中間転写体の隣接す
    る前記版材間にインク溶剤に対して浸透または膨潤する
    インクセット部材を接触するように設けることを特徴と
    する多色刷り印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多色刷り印刷装置におい
    て、前記インクセット部材と前記中間転写体のニップ幅
    が、インクを重ねる順序に沿って狭くなることを特徴と
    する多色刷り印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の多色刷り印刷装置におい
    て、前記インクセット部材のインク溶剤に対する浸透度
    合いまたは膨潤度合いが、インクを重ねる順序に沿って
    低くなることを特徴とする多色刷り印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の多色刷り印刷装置におい
    て、重ねるインクの粘度が、インクを重ねる順序に沿っ
    て低くなることを特徴とする多色刷り印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の多色刷り印刷装置におい
    て、前記版材と前記中間転写体の接触圧力が、インクを
    重ねる順序に沿って低くなることを特徴とする多色刷り
    印刷装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5いずれか記載の多色刷り
    印刷装置において、前記中間転写体上のインクを用紙へ
    転写する直前の部分または転写部に、加熱手段を設ける
    ことを特徴とする多色刷り印刷装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5いずれか記載の多色刷り
    印刷装置において、前記中間転写体上のインクを用紙へ
    転写する直前の部分に、前記中間転写体へのインク溶剤
    塗布手段を設けることを特徴とする多色刷り印刷装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7いずれか記載の多色刷り
    印刷装置において、前記インクセット手段に、インク中
    に含有するインク溶剤を除去する手段を適時接触させる
    手段を設けることを特徴とする多色刷り印刷装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007111930A (ja) * 2004-10-20 2007-05-10 Jds Uniphase Corp 磁性粒子含有ペースト状インクの整列及び光学効果印刷

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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