JP2002224915A - 放電加工装置 - Google Patents

放電加工装置

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JP2002224915A
JP2002224915A JP2001008290A JP2001008290A JP2002224915A JP 2002224915 A JP2002224915 A JP 2002224915A JP 2001008290 A JP2001008290 A JP 2001008290A JP 2001008290 A JP2001008290 A JP 2001008290A JP 2002224915 A JP2002224915 A JP 2002224915A
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明彦 岩田
Giichi Tsunoda
義一 角田
Hiroyuki Oguro
裕之 大黒
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い耐電圧、小さい電流容量のスイッチング
素子を使用可能にして、装置全体のコストを低く抑えさ
せるとともに、加工電流の立ち上がり、立ち下がり部分
を急峻化させて、放電加工効率を向上させること。 【解決手段】 最初、コンデンサ2に蓄積されている電
荷を使用させて、被加工物Wと電極Pとの間に、加工電
流“Ipw”を流し、この後ダイオード6がオン状態に
なったとき、第1直流電源3を使用させて、被加工物W
と電極Pとの間に加工電流“Ipw”を流し、この状態
で、一定時間が経過した後、第1直流電源3を使用した
電流供給を停止させるとともに、浮遊リアクトル
“L1 ”、“L2”に誘起された誘導起電圧を使用させ
て、コンデンサ2を充電させながら、被加工物Wと電極
Pとの間に流れる加工電流“Ipw”を急速に低下させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被加工物に対す
る放電加工を行なうときのスイッチング素子の損失を小
さくしながら、加工効率を向上させるようにした放電加
工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、被加工物を放電加工するときの原
理と、放電加工を行なうときに要求される電流波形形状
について説明する。
【0003】放電加工における放電は、電極と、この電
極と対向するように配置される被加工物との間に形成さ
れる間隙内で、数十μm以下となるような微小な導電路
を捜し出した後、パルス電流を流し、そこで発生する熱
エネルギーによって、強制的にその微小導電路、または
それに接する電極や被加工物の微小部分を蒸散もしくは
溶融飛散させることから始まる。この際、パルス電流の
時間的な変化率の大きさ、すなわち急峻な立ち上がりを
持つ電流と、電流ピーク値の大きさ、電極、被加工物材
料などの熱的な特性、そして絶縁液の冷却特性などによ
って、前記微小部分での蒸散もしくは溶融飛散の程度が
決定する。
【0004】また、被加工物が電気抵抗の小さい材料で
あれば、ジュール熱による発熱が少なくなり、熱伝導率
のよい材料であれば、微小部分での発熱や温度上昇は抑
えられ、また溶融潜熱が大きくて、溶融温度の高い材料
であれば、たとえ発熱しても溶け難い。さらに、被加工
物が溶融時の粘性が大きい材料であれば、溶融してもな
かなか飛散しない。
【0005】そして、実際の加工では、これらのいくつ
かの条件が重複していることから、加工速度が遅い、面
荒さが荒い、または細かい、短絡しやすい、加工能率が
落ちる、集中放電が起きやすいなどの現象として現れ
る。また、ワイヤ放電加工においては短絡現象が多くな
り、ワイヤ断線頻度が多いなどの結果となって現れる。
【0006】また、従来、前記短絡現象を無くすため
に、電極材料に溶融温度や溶融潜熱の低い、また溶融時
の粘度の低い、さらっとした材料からなる合金が使われ
ていた。真鍮などの合金がこれに相当するが、一方で電
極が消耗する等の問題が生じることから、ワイヤ放電加
工機や高速細孔加工機以外ではあまり使われていない。
なお、ワイヤ放電加工用ワイヤ電極として、溶融温度の
低い、かつ溶融した時の粘性の小さい材料を被覆した特
殊ワイヤが開発されており、このような特殊ワイヤを使
用すれば、上述の短絡を防止して加工効率を上げること
ができる。
【0007】また、放電開始後は、放電周囲の絶縁液を
蒸発させて、急激に膨脹するバブルを形成する。そし
て、この内部圧力の反作用によって、前記溶融部分はえ
ぐり取られる。放電の継続時間にしたがって、次第に溶
融部分が広がる一方で、バブルの拡大により、発生する
内部圧力の密度が次第に小さくなる。したがって、材料
と放電時間によるえぐりとられる量の最大値が存在し、
放電時間(パルス幅)が短くても、また長くても加工能
率が低下する。特に放電時間(パルス幅)を必要以上に
印加しても、余分な放電時間が電極や被加工物の発熱に
使われて溶融に費やされ、溶融層の厚い加工面質とな
り、好ましくない。
【0008】このため、放電開始能力としての電流ピー
ク値や電流の立ち上がり速度の大きさと、加工能力とし
ての放電時間(パルス幅)を加えた各条件が、電極、被
加工物、絶縁液の熱的な特性の違いによって、それぞれ
が単独で選択できるようになっていることが望ましい。
また、上述の説明のごとく極めてパルス幅の狭い領域に
おいて、三角波状なパルスを使用した場合、効率的な加
工を行うことができない。
【0009】また、矩形波と三角波とでは同一電荷量を
投入する場合の電流実効値は矩形波の方が小さい。この
ため三角波から矩形波にした場合、電極への入熱を低減
でき、加工能力を高めることができる。特にワイヤ放電
加工装置ではこれがワイヤ断線の防止につながるため非
常に有効である。
【0010】特開平11−48039号公報に開示され
る放電加工装置は上述の電流の立ち上がり速度、パルス
幅を独立に制御し、効率的な加工を得るためのものであ
り、図30はその回路構成を示した図である。符号10
1は主直流電源であり、符号102は該主直流電源10
1の出力電圧よりも低い電圧を供給する副直流電源であ
る。また、符号T101、T102、T103はFET
で構成される第1、第2、第3のスイッチング素子であ
る。
【0011】そして、主直流電源101のプラス側端子
は第1のスイッチング素子T101を介して被加工物W
に接続され、また副直流電源102のプラス側端子は第
3のスイッチング素子T103を介して被加工物Wに接
続されている。また、主、副直流電源101、102の
マイナス側端子は、第2のスイッチング素子T102を
介して電極Pに接続されている。さらに、スイッチング
素子T101、T102、T103を構成するFETの
ゲートG101〜G103には、それぞれスイッチング
素子ドライブ回路(図示は省略する)が接続され、各ス
イッチング素子ドライブ回路はパルス分配回路(図示は
省略する)から出力されるパルスによって、各スイッチ
ング素子T101、T102、T103をオン/オフ制
御するようになっている。
【0012】図31は、図30に示す放電加工装置の動
作タイミングと、放電電流(加工電流)の波形との関係
例を示す模式図である。
【0013】まず、放電加工装置による放電加工が開始
されると、電極Pと被加工物Wとの間の放電可能な状況
に合わせて、パルス幅設定用データt1、t2が設定さ
れ、この設定内容に基づき、各スイッチング素子ドライ
ブ回路からパルス幅t2のパルス信号が出力され、第
2、第3のスイッチング素子T102、T103が図3
1(ロ)、(ハ)に示すようにオン状態にされる。
【0014】この結果、副直流電源102の電圧が第3
のスイッチング素子T103、第2のスイッチング素子
T102を介して、被加工物Wと電極Pとの間に印加さ
れて、副直流電源102から電流I1(=I0)が流れ、
通電ポイントが確保される(図31(ホ)参照)。これ
は予備放電とも呼ばれ、導電路の確保を目的としてお
り、電源系統を予備放電用に分けてもよい。この電流の
立ち上がりは副直流電源102の出力電圧が低いことか
ら緩やかであるが、続いて設定された遅れ時間をおい
て、残っているスイッチング素子ドライブ回路から電流
ピーク値設定用データで設定された時間幅t1のパルス
が出力され、第1のスイッチング素子T101がオン状
態にされる(図31(イ)参照)。
【0015】この結果、高い電圧の主直流電源101か
ら電流が流れ始め、被加工物Wと、電極Pとの間に、図
31(二)に示す如く加工電流I0が急峻な立ち上がり
で上昇する。ここでは、この加工電流I0の急峻な期間
を加工初期期間と定義する。そして、設定された時間幅
1が経過して、第1のスイッチング素子T101がオ
フ状態になると、加工電流I0の上昇が停止し、前記間
隙には再び副直流電源102から電流I1が供給され、
加工電流I0がそのピーク値に維持されて、流れること
になる。この加工電流の略ピーク値を維持する期間を加
工期間中期と定義する。
【0016】この後、設定されたパルス幅設定用の時間
幅t2が経過して、第2、第3のスイッチング素子T1
02、T103がオフ状態にされると、回路中のインダ
クタンスによって蓄積された誘導エネルギーによる電流
2、I3がダイオードD101→被加工物W→電極P→
ダイオードD102→主直流電源101へと流れて、帰
還される。この時、電圧の高い主直流電源101に帰還
されることになるから、この加工電流(I2=I3
0)の立ち下がり速度が急峻になる。
【0017】以下、この動作が繰り返し実行されて、放
電加工が行われることになる。ここでは、電圧印加停止
後の加工電流I0を加工期間後期と定義する。
【0018】そして、図31から明らかのように、第
2、第3のスイッチング素子T102、T103をオン
状態にさせるパルス幅設定用データt2によって、加工
パルス幅をほぼ決めることができ、また第1のスイッチ
ング素子T101をオンさせる電流ピーク値設定用デー
タt1によって加工電流I0のピーク値IPを決めること
ができることから、電流ピーク値IPと、加工パルス幅
の設定を極めて容易に行なわせることができる。また、
加工電流I0の立ち上がり、立ち下がりを急峻にさせ、
略矩形波の加工電流波形を確保させることができること
から、加工効率を向上させることができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の放電加工装置においては、主直流電源101よ
り電極Pと、被加工物Wとの間に、電圧を印加して放電
電流を流す構成になっているので、加工期間初期と、加
工期間中期との切り替え時に、主直流電源101からス
イッチング素子T101を介して電流を供給し、電流ピ
ークに達した状態でスイッチング素子T101をオフに
しなければならない。このため、スイッチング素子T1
01を構成しているFETの発熱が大きくなってしまう
という問題があった。
【0020】さらに、スイッチング素子T101を構成
しているFETの発熱を抑えるために、放熱フィンを高
性能、多並列化しなければならないのみならず、スイッ
チング素子T101として、大容量のスイッチング素子
を使用しなければならず、コストを低減させ難いという
問題があった。
【0021】また、加工期間後期における還流にも問題
がある。すなわち、従来の方法では、副直流電源102
からの電圧印加を停止した後、回路中に蓄積した誘導エ
ネルギーを上記主直流電源101に帰還させるように構
成しているため、主直流電源101が規定する電圧値か
ら還流開始することになる。このため、還流時の電圧値
が電源電圧以上に跳ね上がってしまい、この跳ね上がり
まで考慮して、スイッチング素子T101の耐圧を高く
設計しなければならないという問題があった。
【0022】したがって、これらの理由から、上述の従
来の技術ではコスト高になるし、故障しやすいという問
題があった。
【0023】この発明は、上記に鑑みてなされたもので
あって、初期電流供給用コンデンサに蓄えられたエネル
ギーによって、被加工物と、電極との間に加工電流を流
し始めさせることができ、これによって低耐圧、低容量
のスイッチング素子を使用させて、装置全体のコストを
低く抑えさせることができるとともに、放電加工電流の
ピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化させることがで
き、さらに放電加工電流波形の立ち上がり、立ち下がり
部分を急峻化させて、放電加工効率を向上させることが
できる放電加工装置を得ることを目的とする。
【0024】また、スイッチング素子ドライブ回路など
により、各スイッチング素子のオン/オフを制御させる
ことなく、初期電流供給用コンデンサから出力される電
圧の値が予め設定されている電圧値より低くなったと
き、ダイオードによってこれを検知させて、被加工物
と、電極との間に加工期間中期用の電流を流させること
ができ、これによって低耐圧、低容量のスイッチング素
子を使用可能にさせて、装置全体のコストを低く抑えさ
せることができるとともに、放電加工電流のピーク値、
加工パルス幅の調整を簡素化させ、さらに放電加工電流
波形の立ち上がり、立ち下がり部分を急峻化させて、放
電加工効率を向上させることができる放電加工装置を得
ることを目的とする。
【0025】また、初期電流供給用コンデンサに必要な
量以上の電荷が蓄積されるのを防止させて、次サイクル
以降の加工電流波形が乱れるのを防止させ、これによっ
て正確な制御を可能にさせながら、低耐圧、低容量のス
イッチング素子を使用させて、装置全体のコストを低く
抑えさせることができるとともに、放電加工電流のピー
ク値、加工パルス幅の調整を簡素化させ、さらに放電加
工電流波形の立ち上がり、立ち下がり部分を急峻化させ
て、放電加工効率を向上させることができる放電加工装
置を得ることを目的とする。
【0026】また、初期電流供給用コンデンサに必要十
分な量の電荷を蓄積させて、次サイクル以降の加工電流
波形が乱れるのを防止させ、これによって正確な制御を
可能にさせながら、低耐圧、低容量のスイッチング素子
を使用させて、装置全体のコストを低く抑えさせること
ができるとともに、放電加工電流のピーク値、加工パル
ス幅の調整を簡素化させ、さらに放電加工電流波形の立
ち上がり、立ち下がり部分を急峻化させて、放電加工効
率を向上させることができる放電加工装置を得ることを
目的とする。
【0027】また、直流電源に浮遊インダクタンス成分
が含まれている場合にも、加工電流波形の立ち上がり部
分を急峻化させて、放電加工効率を向上させることがで
きるとともに、低耐圧、低容量のスイッチング素子を使
用させて、装置全体のコストを低く抑えさせることがで
き、さらに放電加工電流のピーク値、加工パルス幅の調
整を簡素化させることができる放電加工装置を得ること
を目的とする。
【0028】また、アーク電圧が低いときでも、加工電
流波形をほぼ矩形状に保持させて、放電加工効率を向上
させながら、低耐圧、低容量のスイッチング素子を使用
させて、装置全体のコストを低く抑えさせることができ
るとともに、放電加工電流のピーク値、加工パルス幅の
調整を簡素化させることができる放電加工装置を得るこ
とを目的とする。
【0029】また、加工期間初期の電流値より、加工期
間中期の電流値が大きくなり過ぎないようにさせて、加
工電流波形をほぼ矩形状に保持させ、これによって放電
加工効率を向上させるとともに、低耐圧、低容量のスイ
ッチング素子を使用させて、装置全体のコストを低く抑
えさせ、さらに放電加工電流のピーク値、加工パルス幅
の調整を簡素化させることができる放電加工装置を得る
ことを目的とする。
【0030】また、初期電流供給用コンデンサに十分な
電荷を残し、次サイクル以降の加工電流波形が乱れるの
を防止させ、正確な制御を可能にさせながら、低耐圧、
低容量のスイッチング素子を使用させて、装置全体のコ
ストを低く抑えさせることができるとともに、放電加工
電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化させ、さ
らに放電加工電流波形の立ち上がり、立ち下がり部分を
急峻化させて、放電加工効率を向上させることができる
放電加工装置を得ることを目的とする。
【0031】また、被加工物に対する加工を開始する前
に、初期電流供給用コンデンサに十分な電荷を蓄積させ
て、加工期間初期における加工電流波形の立ち上がり部
分を急峻化させ、これによって放電加工効率を向上させ
るとともに、低耐圧、低容量のスイッチング素子を使用
させて、装置全体のコストを低く抑えさせ、さらに放電
加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化させ
ることができる放電加工装置を得ることを目的とする。
【0032】また、初期電流供給用コンデンサの配置を
多様化させて、設計時の自由度を大幅に向上させなが
ら、低耐圧、低容量のスイッチング素子を使用させて、
装置全体のコストを低く抑えさせることができるととも
に、放電加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡
素化させ、さらに放電加工電流波形の立ち上がり、立ち
下がり部分を急峻化させて、放電加工効率を向上させる
ことができる放電加工装置を得ることを目的とする。
【0033】また、被加工物に対する加工を開始する前
に、初期電流供給用コンデンサに十分な電荷を蓄積させ
て、加工期間初期の加工電流波形の立ち上がり、立ち下
がり部分を急峻化させて、放電加工効率を向上させなが
ら、低耐圧、低容量のスイッチング素子を使用させて、
装置全体のコストを低く抑えさせることができるととも
に、放電加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡
素化させることができる放電加工装置を得ることを目的
とする。
【0034】また、初期電流供給用コンデンサに蓄積さ
れる電荷を調整自在にし、加工期間初期の加工電流波形
の立ち上がり部分を急峻化させて、放電加工効率を向上
させながら、低耐圧、低容量のスイッチング素子を使用
させて、装置全体のコストを低く抑えさせることができ
るとともに、放電加工電流のピーク値、加工パルス幅の
調整を簡素化させることができる放電加工装置を得るこ
とを目的とする。
【0035】また、初期電流供給用コンデンサに蓄積さ
れる電荷を段階的に調整自在にし、加工期間初期の加工
電流波形の立ち上がり部分を急峻化させて、放電加工効
率を向上させながら、低耐圧、低容量のスイッチング素
子を使用させて、装置全体のコストを低く抑えさせるこ
とができるとともに、放電加工電流のピーク値、加工パ
ルス幅の調整を簡素化させることができる放電加工装置
を得ることを目的とする。
【0036】また、スイッチング素子の耐電圧、電流容
量にかかわらず、必要な耐電圧、電流容量を持つスイッ
チング素子を確保させて、装置全体のコストを低く抑え
させ、さらに放電加工効率を向上させながら、装置全体
のコストを低く抑えさせることができるとともに、放電
加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化させ
ることができる放電加工装置を得ることを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、被加工物と電極との間に加工電流を
流して、前記被加工物を加工する放電加工装置におい
て、初期電流供給用コンデンサを有し、加工期間初期
に、前記被加工物と前記電極との間に加工電流を流す初
期電流供給回路と、直流電源を有し、加工期間中期に、
前記被加工物と前記電極との間に加工電流を流す中期電
流供給回路と、加工期間後期に、加工期間中期に蓄積さ
れた誘導エネルギーによって、前記初期電流供給用コン
デンサを充電させる帰還回路とを備えたことを特徴とし
ている。
【0038】上記の構成により、被加工物と電極との間
に加工電流を流して、前記被加工物を加工する放電加工
装置において、加工期間初期に、初期電流供給用コンデ
ンサを有する初期電流供給回路によって、前記被加工物
と前記電極との間に加工電流を流し、また加工期間中期
に、直流電源を有する中期電流供給回路によって、前記
被加工物と前記電極との間に加工電流を流し、加工期間
後期に、帰還回路によって、加工期間中期に蓄積された
誘導エネルギーを誘導起電圧に変換させ、前記初期電流
供給用コンデンサを充電させることにより、初期電流供
給用コンデンサに蓄えられたエネルギーによって、被加
工物と、電極との間に加工電流を流し始めさせ、これに
よって低耐圧、低容量のスイッチング素子を使用させ
て、装置全体のコストを低く抑えさせるとともに、放電
加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化さ
せ、さらに放電加工電流波形の立ち上がり、立ち下がり
部分を急峻化させて、放電加工効率を向上させる。
【0039】つぎの発明は、前記中期電流供給回路が、
前記初期電流供給回路から出力される電圧が予め設定さ
れている電圧より低下したとき、ダイオードによって、
これを検知して、前記被加工物と前記電極との間に加工
電流を流すことを特徴としている。
【0040】前記中期電流供給回路に設けられたダイオ
ードによって、前記初期電流供給回路から出力される電
圧が予め設定されている電圧より低下したとき、これを
検知させて、前記被加工物と前記電極との間に加工電流
を流させることにより、スイッチング素子ドライブ回路
などにより、各スイッチング素子のオン/オフを制御さ
せることなく、初期電流供給用コンデンサから出力され
る電圧の値が予め設定されている電圧値より低くなった
とき、ダイオードによってこれを検知させて、被加工物
と、電極との間に加工期間中期用の電流を流させ、これ
によって低耐圧、低容量のスイッチング素子を使用可能
にさせて、装置全体のコストを低く抑えさせるととも
に、放電加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡
素化させ、さらに放電加工電流波形の立ち上がり、立ち
下がり部分を急峻化させて、放電加工効率を向上させ
る。
【0041】つぎの発明は、前記帰還回路が、前記初期
電流供給用コンデンサの端子電圧を監視し、前記初期電
流供給用コンデンサの端子電圧が所定電圧に達したと
き、これを検知して、初期電流供給用コンデンサの充電
動作を停止することを特徴としている。
【0042】前記帰還回路によって、前記初期電流供給
用コンデンサの端子電圧を監視させ、前記初期電流供給
用コンデンサの端子電圧が所定電圧に達したとき、これ
を検知させて、初期電流供給用コンデンサの充電動作を
停止させることにより、初期電流供給用コンデンサに必
要な量以上の電荷が蓄積されるのを防止させて、次サイ
クル以降の加工電流波形が乱れるのを防止させ、これに
よって正確な制御を可能にさせながら、低耐圧、低容量
のスイッチング素子を使用させて、装置全体のコストを
低く抑えさせるとともに、放電加工電流のピーク値、加
工パルス幅の調整を簡素化させ、さらに放電加工電流波
形の立ち上がり、立ち下がり部分を急峻化させて、放電
加工効率を向上させる。
【0043】つぎの発明は、前記帰還回路が、前記初期
電流供給用コンデンサの端子電圧を監視し、この監視結
果に基づき、前記中期電流供給回路の前記直流電源から
出力される直流電圧の値を制御することを特徴としてい
る。
【0044】前記帰還回路によって、前記初期電流供給
用コンデンサの端子電圧を監視させ、この監視結果に基
づき、前記中期電流供給回路の前記直流電源から出力さ
れる直流電圧の値を制御させることにより、初期電流供
給用コンデンサに必要十分な量の電荷を蓄積させて、次
サイクル以降の加工電流波形が乱れるのを防止させ、こ
れによって正確な制御を可能にさせながら、低耐圧、低
容量のスイッチング素子を使用させて、装置全体のコス
トを低く抑えさせるとともに、放電加工電流のピーク
値、加工パルス幅の調整を簡素化させ、さらに放電加工
電流波形の立ち上がり、立ち下がり部分を急峻化させ
て、放電加工効率を向上させる。
【0045】つぎの発明は、前記中期電流供給回路が、
前記直流電源と並行に接続されたコンデンサを併用し
て、加工期間中期に、前記被加工物と前記電極との間に
加工電流を流すことを特徴としている。
【0046】前記中期電流供給回路内にコンデンサを並
列に配置させ、このコンデンサと前記直流電源とを併用
させて、加工期間中期に、前記被加工物と前記電極との
間に加工電流を流させることにより、直流電源に浮遊イ
ンダクタンス成分が含まれている場合にも、加工電流波
形の立ち上がり部分を急峻化させて、放電加工効率を向
上させるとともに、低耐圧、低容量のスイッチング素子
を使用させて、装置全体のコストを低く抑えさせ、さら
に放電加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素
化させる。
【0047】つぎの発明は、前記中期電流供給回路が、
スイッチング素子をオン/オフさせて、加工期間中期
に、前記被加工物と電極との間に流れる加工電流を断続
させ、一定化させることを特徴としている。
【0048】前記中期電流供給回路内に配置されたスイ
ッチング素子をオン/オフさせて、加工期間中期に、前
記被加工物と電極との間に流れる加工電流を断続させ、
加工電流を一定化させることにより、アーク電圧が低い
ときでも、加工電流波形をほぼ矩形状に保持させて、放
電加工効率を向上させながら、低耐圧、低容量のスイッ
チング素子を使用させて、装置全体のコストを低く抑え
させるとともに、放電加工電流のピーク値、加工パルス
幅の調整を簡素化させる。
【0049】つぎの発明は、前記中期電流供給回路が、
加工期間中期の途中で、電流ループを切り替えて、前記
直流電源を含まないループで、電流を流させることを特
徴としている。
【0050】加工期間中期の途中で、前記中期電流供給
回路内の電流ループを切り替えさせ、前記直流電源を含
まないループで、電流を流させることにより、加工期間
初期の電流値より、加工期間中期の電流値が大きくなり
過ぎないようにさせて、加工電流波形をほぼ矩形状に保
持させ、これによって放電加工効率を向上させるととも
に、低耐圧、低容量のスイッチング素子を使用させて、
装置全体のコストを低く抑えさせ、さらに放電加工電流
のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化させる。
【0051】つぎの発明は、前記中期電流供給回路が、
前記初期電流供給用コンデンサが完全に放電する前に、
加工期間中期の動作を開始し、前記被加工物と電極との
間に加工電流を流し始めることを特徴としている。
【0052】前記初期電流供給用コンデンサが完全に放
電する前に、前記中期電流供給回路を動作させて、前記
被加工物と電極との間に加工電流を流し始めさせること
により、初期電流供給用コンデンサに十分な電荷を残
し、次サイクル以降の加工電流波形が乱れるのを防止さ
せ、正確な制御を可能にさせながら、低耐圧、低容量の
スイッチング素子を使用させて、装置全体のコストを低
く抑えさせるとともに、放電加工電流のピーク値、加工
パルス幅の調整を簡素化させ、さらに放電加工電流波形
の立ち上がり、立ち下がり部分を急峻化させて、放電加
工効率を向上させる。
【0053】つぎの発明は、前記中期電流供給回路の前
記直流電源から出力される直流電圧の値より、高い直流
電圧を出力する直流電源を持つ予備充電回路を設け、こ
の予備充電回路の前記直流電源から出力される直流電圧
を用いて、加工期間初期前に、前記初期電流供給用コン
デンサを予備充電させることを特徴としている。
【0054】前記中期電流供給回路の前記直流電源から
出力される直流電圧の値より、高い直流電圧を出力する
直流電源を持つ予備充電回路を設け、この予備充電回路
の前記直流電源から出力される直流電圧を用いて、加工
期間初期前に、前記初期電流供給用コンデンサを予備充
電させることにより、被加工物に対する加工を開始する
前に、初期電流供給用コンデンサに十分な電荷を蓄積さ
せて、加工期間初期における加工電流波形の立ち上がり
部分を急峻化させ、これによって放電加工効率を向上さ
せるとともに、低耐圧、低容量のスイッチング素子を使
用させて、装置全体のコストを低く抑えさせ、さらに放
電加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化さ
せる。
【0055】つぎの発明は、前記初期電流供給用コンデ
ンサを使用して、前記被加工物と前記電極との間に加工
電流を流すとき、前記中期電流供給回路の前記直流電源
を通過するループを使用させることを特徴としている。
【0056】前記初期電流供給用コンデンサを使用させ
て、前記被加工物と前記電極との間に加工電流を流させ
るとき、前記中期電流供給回路の前記直流電源を通過す
るループを使用させることにより、初期電流供給用コン
デンサの配置を多様化させて、設計時の自由度を大幅に
向上させながら、低耐圧、低容量のスイッチング素子を
使用させて、装置全体のコストを低く抑えさせるととも
に、放電加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡
素化させ、さらに放電加工電流波形の立ち上がり、立ち
下がり部分を急峻化させて、放電加工効率を向上させ
る。
【0057】つぎの発明は、前記中期電流供給回路の前
記直流電源または他の直流電源から出力される直流電圧
を昇圧させる昇圧回路を設け、この昇圧回路から出力さ
れる直流電圧を用いて、加工期間初期前に、前記初期電
流供給用コンデンサを予備充電させることを特徴として
いる。
【0058】前記中期電流供給回路の前記直流電源また
は他の直流電源から出力される直流電圧を昇圧させる昇
圧回路を設け、この昇圧回路から出力される直流電圧を
用いて、加工期間初期前に、前記初期電流供給用コンデ
ンサを予備充電させることにより、被加工物に対する加
工を開始する前に、初期電流供給用コンデンサに十分な
電荷を蓄積させて、加工期間初期の加工電流波形の立ち
上がり、立ち下がり部分を急峻化させて、放電加工効率
を向上させながら、低耐圧、低容量のスイッチング素子
を使用させて、装置全体のコストを低く抑えさせるとと
もに、放電加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を
簡素化させる。
【0059】つぎの発明は、前記初期電流供給回路の前
記初期電流供給用コンデンサとして、複数のコンデンサ
を選択的に使用させて、加工期間初期に、前記被加工物
と前記電極との間に加工電流を流させることを特徴とし
ている。
【0060】前記初期電流供給回路の前記初期電流供給
用コンデンサとして、複数のコンデンサを選択的に使用
させて、加工期間初期に、前記被加工物と前記電極との
間に加工電流を流させることにより、初期電流供給用コ
ンデンサに蓄積される電荷を調整自在にし、加工期間初
期の加工電流波形の立ち上がり部分を急峻化させて、放
電加工効率を向上させながら、低耐圧、低容量のスイッ
チング素子を使用させて、装置全体のコストを低く抑え
させるとともに、放電加工電流のピーク値、加工パルス
幅の調整を簡素化させる。
【0061】つぎの発明は、前記初期電流供給用コンデ
ンサとして使用される各コンデンサの容量を互いに異な
る値にすることを特徴としている。
【0062】前記初期電流供給用コンデンサとして使用
される各コンデンサの容量を互いに異なる値にさせるこ
とにより、初期電流供給用コンデンサに蓄積される電荷
を段階的に調整自在にし、加工期間初期の加工電流波形
の立ち上がり部分を急峻化させて、放電加工効率を向上
させながら、低耐圧、低容量のスイッチング素子を使用
させて、装置全体のコストを低く抑えさせるとともに、
放電加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化
させる。
【0063】つぎの発明は、前記スイッチング素子とし
て、複数のスイッチング素子を並列、または直列に接続
したスイッチング素子群を使用することを特徴としてい
る。
【0064】前記スイッチング素子として、複数のスイ
ッチング素子を並列、または直列に接続したスイッチン
グ素子群を使用させることにより、スイッチング素子の
耐電圧、電流容量にかかわらず、必要な耐電圧、電流容
量を持つスイッチング素子を確保させて、装置全体のコ
ストを低く抑えさせ、さらに放電加工効率を向上させな
がら、装置全体のコストを低く抑えさせるとともに、放
電加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化さ
せる。
【0065】つぎの発明は、前記複数のスイッチング素
子のうち、前記初期電流供給用コンデンサから電流を供
給するためのスイッチング素子は、前記初期電流供給用
コンデンサへの誘導エネルギーを帰還するのに使用する
スイッチング素子よりも容量が小さいか、あるいは、並
列数が少ないことを特徴とする。
【0066】前記初期電流供給用コンデンサから電流を
供給するためのスイッチング素子の容量を、前記初期電
流供給用コンデンサへの誘導エネルギーを帰還するのに
使用するスイッチング素子よりも小さくするか、あるい
は、並列数を少なくすることにより、並列数を減らすこ
とができ、あるいは、スイッチング素子の容量の小さい
ものを使用することができる。
【0067】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明にかかる放電加工装置の実施の形態を詳細に説明す
る。
【0068】実施の形態1.図1は、この発明による放
電加工装置の実施の形態1を示すブロック図である。
【0069】この図に示す放電加工装置1aは、加工期
間初期において、被加工物Wと電極Pとの間に端子電圧
を印加し、加工期間初期の電流“I1”を流すコンデン
サ2と、加工期間中期において、被加工物Wと電極Pと
の間に端子電圧を印加し、加工期間中期の電流“I2
を流す第1直流電源3と、トランジスタやFET等で構
成され、スイッチング素子ドライブ回路(図示は省略す
る)から出力されるパルス“VG1 ”、“VG2 ”に応
じて、被加工物Wに対する給電路の切替を行なう第1、
第2スイッチング素子4、5と、コンデンサ2の端子電
圧が低下したとき、これを検知してオン状態になるダイ
オード6と、スイッチング素子ドライブ回路からパルス
“VG1 ”、“VG2 ”の出力が停止され、これによっ
て第1、第2スイッチング素子4、5がオフ状態にされ
て、加工期間後期にされているとき、オン状態になっ
て、被加工物W、電極Pに接続された各ケーブルなどが
持っている浮遊リアクトルL1 、L2 に生じた誘導起電
流“I3”をコンデンサ2に導いて、これを充電させる
ダイオード7とを備えている。
【0070】そして、最初、コンデンサ2に蓄積されて
いる電荷を使用させて、被加工物Wと、電極Pとの間
に、加工電流“Ipw”を流し、この後ダイオード6が
オン状態になったとき、第1直流電源3を使用させて、
被加工物Wと、電極Pとの間に加工電流“Ipw”を流
し、この状態で、一定時間が経過した後、第1直流電源
3を使用した電流供給を停止させるとともに、浮遊リア
クトル“L1 ”、“L2”に誘起された誘導起電圧を使
用させて、コンデンサ2を充電させながら、被加工物W
と、電極Pとの間に流れる加工電流“Ipw”を急速に
低下させる。
【0071】つぎに、図2に示す波形図、図3〜図5に
示す模式図を参照しながら、放電加工装置1aの動作を
詳細に説明する。まず、図2(a)、(b)に示す如く
加工期間初期に、スイッチング素子ドライブ回路からパ
ルス“VG1 ”、“VG2 ”が出力されたとき、第1ス
イッチング素子4、第2スイッチング素子5がオン状態
になって、コンデンサ2に蓄積された電荷が使用され、
図3に示す如くコンデンサ2の一端→第1スイッチング
素子4→浮遊リアクトルL1 →被加工物W→電極P→浮
遊リアクトルL2 →第2スイッチング素子5→コンデン
サ2の他端なるループで、電流“I1”が流れて、図2
(d)に示す如く被加工物Wと電極Pとの間に電流“I
1”と同じ値を持つ加工電流“Ipw”が流れる。
【0072】この後、図2(c)に示す如くコンデンサ
2の端子電圧VC1 が低下して、第1直流電源3の直流
電圧とほぼ一致して、ダイオード6がオン状態になった
とき、加工期間中期の動作が開始されて、図4に示す如
く第1直流電源3のプラス端子→浮遊リアクトルL1
被加工物W→電極P→浮遊リアクトルL2 →第2スイッ
チング素子5→第1直流電源3のマイナス端子なるルー
プで、電流“I2”が流れ、被加工物Wと電極Pとの間
に電流“I2”と同じ値を持つ電流“Ipw”が流れ
る。
【0073】つぎに、予め設定されている時間が経過
し、スイッチング素子ドライブ回路からパルス“V
1 ”、“VG2 ”が出力されなくなったとき、加工期
間後期の動作が開始されて、第1、第2スイッチング素
子4、5がオフ状態にされる。これにより、浮遊リアク
トルL1 、L2 に蓄積された誘導エネルギーによって、
誘導起電圧が生成され、図5に示す如く浮遊リアクトル
2 →ダイオード7→コンデンサ2→第1直流電源3→
ダイオード6→浮遊リアクトルL1 →被加工物W→電極
P→浮遊リアクトルL2 なるループで、誘導電流
“I3”が流れ、被加工物Wと電極Pとの間に流れる加
工電流“Ipw”が急速に下げられるとともに、コンデ
ンサ2に電荷が蓄積されて、端子電圧が高められる。
【0074】つぎに、図6に示す等価回路図、図7に示
す波形図を参照しながら、上述した加工期間初期、加工
期間中期、加工期間後期における加工電流“Ipw”の
波形形状についてさらに説明する。
【0075】まず、放電中の極間電圧(アーク電圧)を
無視すると、図3に示す加工期間初期では、放電加工装
置1aの回路を単純化して、図6のようなコンデンサ2
と、配線による浮遊リアクトル“L”との共振回路8a
と等価であると考えて良いことから、コンデンサ2の両
端に現われる初期電圧を“V”とすると、次式に示す如
く、2π(LC)1/2の周期を持ち、かつ、V・(C/
L)1/2のピーク値を持つ関数として、コンデンサ2
と、浮遊リアクトル“L”との間に流れる加工電流“I
pw”を表わすことができる。
【0076】
【数1】
【0077】また、加工電流“Ipw”の立ち上がり付
近は上記関数の微分方程式、
【数2】 において、“t=0”のときであるから、次式に示す値
になる。
【数3】
【0078】すなわち、図7に示す如く傾き“V/L”
で立ち上がり、“π/2×(LC) 1/2”付近で、ピー
ク値“V・(C/L)1/2”となる電流波形となること
から、コンデンサ2の端子電圧を高めるだけで、加工電
流“Ipw”の立ち上がり速度を速められることがわか
る。
【0079】また、加工期間中期では、ケーブルなどが
持つ浮遊リアクトル“L”と、第1直流電源3の直流電
圧“v”から“v/L”の傾きを持って上昇する。そし
て、説明を簡単にするために、上述した説明において無
視していたアーク電圧の値として、このアーク電圧が第
1直流電源3の直流電圧“v”とほぼ一致したとき、上
昇のないフラットな形状の電流波形を得ることができ
る。
【0080】すなわち、アーク電圧を“v’”と仮定す
ると、次式に示す微分方程式が成り立つことから、
【数4】 “v=v’”になったとき、定電流となる。この際、ア
ーク電圧“v’”は加工条件により、多少変動するもの
の、ほぼ50V±30V程度になる。
【0081】また、加工期間後期では、加工期間中期の
最後に得たピーク電流がコンデンサ2へ流れ込み、浮遊
リアクトル“L1 ”、“L2 ”に蓄えられていた誘導エ
ネルギー“1/2LI2”に対応したエネルギー分だ
け、コンデンサ2のエネルギー“1/2CV2”を高め
ることから、次式に示す関係を満たすまで、コンデンサ
2の端子電圧が上昇する。
【数5】
【0082】この際、加工を始めた瞬間においては、コ
ンデンサ2の両端に端子電圧が発生していないものの、
複数回、パルスが印加されることにより、ピーク電流が
上昇し、コンデンサ2の端子電圧が上昇する。そして、
最終的には、定常状態となり、上述した加工電流“Ip
w”を得ることができることから、回路構成を簡素化さ
せながら、加工電流“Ipw”の波形を略矩形して、加
工効率を向上させることができる。以下、上述した動作
が繰り返し実行され、放電加工が行われることになる。
【0083】つぎに、図1〜図7に示す各図と、図3
0、図31に示す各図とを参照しながら、上述した放電
加工装置1aと、先行技術で開示された放電加工装置と
の差異を明確にする。
【0084】まず、図30に示した先行技術では、加工
期間初期に印加する電圧として、副直流電源102から
出力される直流電圧を用いていることから、高電圧を印
加する加工期間初期用のスイッチング素子T101の他
に低電圧を印加する加工期間初期、中期用のスイッチン
グ素子T103を設ける必要があった。
【0085】また、スイッチング素子T101をオフ状
態にするという強制終了で、加工期間初期と加工期間中
期との境界を実現しているので、スイッチング素子T1
01が完全にオフ状態になるまでの間に、主直流電源1
01から電流が流れ続け、これによるスイッチング素子
T101の損失が莫大なものになる。
【0086】これに比べて、本実施の形態1であれば、
第1スイッチング素子4をオン状態にしっぱなしにして
おいても、コンデンサ2で規定される電流が流れ切った
とき、ダイオード6がオフ状態からオン状態に切り替わ
って、自然と加工期間初期から加工期間中期へと移るこ
とから、第1スイッチング素子4の損失自体が存在しな
い。さらに、加工期間後期における回生動作において
も、図30に示す先行技術では、主直流電源101の電
位からの回生であり、瞬間的に電圧値が主直流電源10
1の直流電圧以上に跳ね上がることから、スイッチング
素子T101として、高耐圧特性を持つスイッチング素
子を使用する必要があった。
【0087】これに対し、本実施の形態1であれば、コ
ンデンサ2の端子電圧が第1直流電源3の直流電圧
“v”に低下した時点からの回生であり、電圧値が眺ね
上がらないことから、第1スイッチング素子4の耐圧を
低くしても良い。
【0088】また、一般的に電源供給部に使用されるコ
ンデンサでは、大容量であればあるほど、電源を安定さ
せることができる。これに対し、本実施の形態1で説明
しているコンデンサ2はあくまでも電荷量を規定し、加
工期間初期に加工電流“Ipw”を流し始めさせるもの
であり、一般的に使用される電源供給用のコンデンサと
異なり、前記(1)式〜(6)式に基づき、その容量が
決められる。
【0089】特に、実施の形態1のように急峻な電流の
立ち上がりが必要な場合には、電流ループのコンデンサ
2を上述した(1)式〜(6)式に従って規定し、更に
ループの浮遊リアクトル“L”を極力小さくすることが
必要である。こうすることにより、第1直流電源3など
から直接、放電電流を供給する構成では得ることのでき
ない急峻な立ち上がり特性を持つ加工電流“Ipw”を
確保させることができる。
【0090】また、ループの浮遊リアクトル“L”は、
ケーブルおよびケーブルと被加工物Wあるいは電極Pと
の接続部分で発生する浮遊リアクトル“L1 ”、
“L2 ”が支配的であるが、それ以外にも回路全体に発
生する。
【0091】そこで、このループの浮遊リアクトル
“L”を小さくする手段として、1個のコンデンサによ
って、コンデンサ2を構成するよりも、複数個のコンデ
ンサを並列接続して、コンデンサ2を構成した方が有利
である。さらに、各部品を分散配置させるように、回路
基板を設計させることで、ループの浮遊リアクトル
“L”を低減させることができ、より速い電流立ち上が
り特性を確保させることができる。
【0092】このように、この実施の形態1では、被加
工物Wの加工を行なう際、最初、コンデンサ2に蓄積さ
れている電荷を使用させて、被加工物Wと、電極Pとの
間に、鋭い立ち上がりを持つ加工電流“Ipw”を流
し、この後コンデンサ2の出力電圧が予め設定されてい
る一定電圧値まで低下し、ダイオード6がオン状態にな
ったとき、第1直流電源3の直流電圧を使用させて、被
加工物Wと、電極Pとの間に加工電流“Ipw”を流
し、この状態で、一定時間が経過した後、第1直流電源
3の直流電圧を使用した電流供給を停止させるととも
に、浮遊リアクトル“L1 ”、“L2 ”に誘起された誘
導起電圧を使用させて、コンデンサ2を充電させなが
ら、被加工物Wと、電極Pとの間に流れる加工電流“I
pw”を急速に低下させるようにしているので、第1ス
イッチング素子4に対し、第1直流電源3の直流電圧
と、コンデンサ2の端子電圧との差分電圧だけしか印加
されないようにすることができ、これによって第1スイ
ッチング素子4の耐圧、容量を下げさせ、装置全体のコ
ストを低く抑えさせることができるとともに、加工電流
“Ipw”のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化さ
せることができ、さらに加工電流“Ipw”の立ち上が
り、立ち下がり部分を急峻化させて、放電加工効率を向
上させることができる。また、たとえば、図1における
第1スイッチング素子4は、第2スイッチング素子5よ
りも少なく構成することができる。
【0093】また、この実施の形態1では、スイッチン
グ素子ドライブ回路などにより、第1スイッチング素子
4をオン/オフ制御させることなく、コンデンサ2から
出力される端子電圧の値が予め設定されている電圧値
(第1直流電源3の直流電圧)とほぼ等しくなったと
き、ダイオード6によってこれを検知させて、被加工物
Wと、電極Pとの間に加工期間中期用の加工電流“Ip
w”を流させるようにしているので、スイッチング素子
ドライブ回路などに負担をかけることなく、加工期間初
期から、加工期間中期に移行させることができ、これに
よって制御手順、放電加工電流のピーク値、加工パルス
幅の調整などを簡素化させながら、放電加工電流波形の
立ち上がり、立ち下がり部分を急峻化させて、放電加工
効率を向上させることができる。
【0094】実施の形態2.図8は、この発明による放
電加工装置の実施の形態2を示すブロック図である。な
お、この図において、図1に示す各部と同じ部分には、
同じ符号が付してある。
【0095】この図に示す放電加工装置1bが図1に示
す放電加工装置1aと異なる点は、コンデンサ2の端子
電圧と予め設定されている基準電圧値とを比較する電圧
判定回路8と、この電圧判定回路8の判定結果に基づ
き、コンデンサ2の端子電圧上昇を制限する電圧リミッ
タ回路9とを設け、放電の状態、制御方法に起因して、
加工期間後期で回収したエネルギーにばらつきが生じて
も、コンデンサ2に蓄えられる電荷量が変化しないよう
にして、次サイクルにおける加工電流“Ipw”の波形
形状が変化するのを防止させ、正確な制御を行ない得る
ようにしたことである。
【0096】電圧判定回路8は、コンデンサ2の端子電
圧を分圧する二つの抵抗10、11と、予め設定されて
いる値以上の電流が供給されたとき、予め設定されてい
る所定電圧(定電圧)を発生する定電圧ダイオード12
と、電源ライン13から供給される電源電圧を分圧し
て、定電圧ダイオード12に印加し、定電圧を発生させ
る二つの抵抗14、15と、各抵抗10、11によって
分圧されたコンデンサ2の出力電圧と定電圧ダイオード
12によって生成された所定電圧(基準電圧)とを比較
し、コンデンサ2の出力電圧側が基準電圧より高くなっ
たとき、充電停止信号(“Low”信号)を出力するコ
ンパレータ16とを備えており、コンデンサ2の端子電
圧を分圧して得られる分圧電圧と、予め設定されている
基準電圧とを比較し、コンデンサ2の分圧電圧が基準電
圧よりも低いとき、“Hi”信号を生成して電圧リミッ
タ回路9に供給し、また基準電圧よりも高いとき、“L
ow”信号を生成して電圧リミッタ回路9に供給する。
【0097】電圧リミッタ回路9は、コンパレータ16
から“Low”信号が出力されているとき、ゲートオフ
信号を生成し、またコンパレータ16から“Hi”信号
が出力されているとき、ゲートオン信号を生成するゲー
トドライバ素子17と、このゲートドライバ素子17か
らゲートオフ信号が出力されているとき、コンデンサ2
の両端を開放して、出力電圧の上昇を許容し、またゲー
トドライバ素子17からゲートオン信号が出力されてい
るとき、コンデンサ2の両端を短絡させて、コンデンサ
2の出力電圧上昇を防止するスイッチング素子18と、
このスイッチング素子18がコンデンサ2の両端を短絡
させるとき、短絡電流を制限して、必要以上にコンデン
サ2の出力電圧が低下するのを防止する抵抗19とを備
えており、コンパレータ16から“Hi”信号が出力さ
れているとき、コンデンサ2の両端を開放して、出力電
圧上昇を許容し、またコンパレータ16から“Low”
信号が出力されているとき、コンデンサ2の両端を短絡
させて、コンデンサ2の出力電圧を所定のレベルまで低
下させる。
【0098】このように、この実施の形態2では、スイ
ッチング素子ドライブ回路(図示は省略する)によっ
て、第1スイッチング素子4、第2スイッチング素子5
を上述した実施の形態1と同様に動作させて、被加工物
Wと、電極Pとの間に、鋭い立ち上がり、鋭い立ち下が
りを持つ加工電流“Ipw”を流しながら、コンデンサ
2の放電状態などが変化して、瞬時電流波形形状が変化
しても、コンデンサ2に蓄積される電荷量を調整して、
コンデンサ2に必要な量以上の電荷が蓄積されないよう
にしているので、次サイクル以降の加工電流波形が乱れ
るのを防止させ、これによって正確な制御を可能にさせ
ながら、低耐圧、低容量の第1スイッチング素子4を使
用させて、装置全体のコストを低く抑えさせることがで
きるとともに、加工電流“Ipw”のピーク値、加工パ
ルス幅の調整を簡素化させ、さらに加工電流波形の立ち
上がり、立ち下がり部分を急峻化させて、放電加工効率
を向上させることができる。
【0099】実施の形態3.図9は、この発明による放
電加工装置の実施の形態3を示すブロック図である。な
お、この図において、図1に示す各部と同じ部分には、
同じ符号が付してある。
【0100】この図に示す放電加工装置1cが図1に示
す放電加工装置1aと異なる点は、コンデンサ2の端子
電圧を監視する電圧モニタ回路25を設けるとともに、
固定電圧型の第1直流電源3に代えて、可変電圧型の第
1直流電源3cを設け、コンデンサ2の端子電圧が予め
設定されている基準電圧値より高くなったとき、電圧モ
ニタ回路25によって、これを検知して、第1直流電源
3cから出力される直流電圧の値を下げて、放電の状
態、制御方法に起因し、加工期間後期で回収したエネル
ギーにばらつきが生じても、コンデンサ2に蓄えられる
電荷量が変化しないようにして、次サイクルにおける電
流波形形状が変化するのを防止し、正確な制御を行ない
得るようにしたことである。
【0101】このように、この実施の形態3では、スイ
ッチング素子ドライブ回路(図示は省略する)によっ
て、第1スイッチング素子4、第2スイッチング素子5
を上述した実施の形態1と同様に動作させて、被加工物
Wと、電極Pとの間に、鋭い立ち上がり、鋭い立ち下が
りを持つ加工電流“Ipw”を流しながら、コンデンサ
2の放電状態などが変化して、瞬時電流波形形状が変化
しても、第1直流電源3cから出力される直流電圧の値
を調整させて、コンデンサ2に蓄えられるエネルギーを
一定値に保持させているので、次サイクル以降の加工電
流波形が乱れるのを防止させることができ、これによっ
て正確な制御を可能にさせながら、低耐圧、低容量の第
1スイッチング素子4を使用させて、装置全体のコスト
を低く抑えさせることができるとともに、加工電流“I
pw”のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化させ、
さらに加工電流波形の立ち上がり、立ち下がり部分を急
峻化させて、放電加工効率を向上させることができる。
【0102】実施の形態4.図10は、この発明による
放電加工装置の実施の形態4を示すブロック図である。
なお、この図において、図1に示す各部と同じ部分に
は、同じ符号が付してある。
【0103】この図に示す放電加工装置1dが図1に示
す放電加工装置1aと異なる点は、第1直流電源3に対
し、コンデンサ2の容量より、大きな容量を持つコンデ
ンサ28を並列に接続し、加工期間中期において、第1
直流電源3から直接的に、電流を供給させながら、コン
デンサ28から間接的に、電流を供給させて、被加工物
Wと、電極Pとの間に加工電流Ipwを流させ、第1直
流電源3の浮遊インダクタンスによる電流供給速度低下
を防止させるようにしたことである。
【0104】このように、この実施の形態4では、コン
デンサ28に蓄積された電荷によって、第1直流電源3
の出力電圧低下を防止させながら、スイッチング素子ド
ライブ回路(図示は省略する)によって、第1スイッチ
ング素子4、第2スイッチング素子5を上述した実施の
形態1と同様に動作させて、被加工物Wと、電極Pとの
間に、鋭い立ち上がり、鋭い立ち下がりを持つ加工電流
“Ipw”を流させるようにしているので、第1直流電
源3に浮遊インダクタンス成分が含まれていたとしても
インダクタンス成分のないコンデンサ28を介した電流
供給を可能にし、電流供給速度、すなわち加工電流“I
pw”の立ち上がり速度が低下するのを防止させること
ができる。
【0105】また、この実施の形態4では、コンデンサ
2の容量に比べて、コンデンサ28の容量を大きくして
いるので、加工期間後期において、コンデンサ28から
コンデンサ2に電流を還流させて、コンデンサ2の端子
電圧を十分に高くさせることができる。
【0106】実施の形態5.図11は、この発明による
放電加工装置の実施の形態5を示すブロック図である。
なお、この図において、図1に示す各部と同じ部分に
は、同じ符号が付してある。
【0107】この図に示す放電加工装置1eが図1に示
す放電加工装置1aと異なる点は、図12(a)、
(b)に示す如く加工期間初期において、スイッチング
素子ドライブ回路(図示は省略する)から矩形状のパル
ス“VG1 ”、“VG2 ”を出力させて、図12(c)
に示す如くコンデンサ2を放電させて、図12(d)に
示す如く被加工物Wと、電極Pとの間に流れる加工電流
“Ipw”の立ち上がりを急峻にさせるとともに、加工
期間中期において、スイッチング素子ドライブ回路(図
示は省略する)から出力されるパルス“VG1 ”、“V
2 ”を複数回、オン/オフさせて、第2スイッチング
素子5をオン/オフ制御させ、加工電流“Ipw”のピ
ーク電流を低く抑えさせるようにしたことである。
【0108】このように、この実施の形態5では、加工
期間初期において、第1スイッチング素子4、第2スイ
ッチング素子5を共にオン状態にさせ、加工期間中期に
おいて、第1スイッチング素子4、第2スイッチング素
子5をオン/オフ状態にさせて、被加工物Wと、電極P
との間に、鋭い立ち上がり、鋭い立ち下がりを持ち、か
つ加工期間中期にフラットになる加工電流“Ipw”を
流させるようにしているので、被加工物Wを加工してい
るとき、アーク電圧が低くなっても、また第1直流電源
3から出力される出力電圧“v”の電圧値が変動して
も、加工期間中期における加工電流“Ipw”の増加を
防止させて、必要以上に電流ピークが高くなるのを防止
させ、加工電流波形の形状を矩形波にすることができ
る。
【0109】これによって、この実施の形態5では、ア
ーク電圧が低いときでも、加工電流波形をほぼ矩形状に
保持させて、放電加工効率を向上させながら、低耐圧、
低容量の第1スイッチング素子4を使用させて、装置全
体のコストを低く抑えさせることができるとともに、放
電加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化さ
せることができる。
【0110】また、この実施の形態5では、図1に示す
放電加工装置1aのスイッチング素子ドライブ回路を変
更して、加工期間中期におけるパルス“VG1 ”、“V
2”をオン/オフさせるようにしているが、図8、図
9、図10に示す各放電加工装置1b、1c、1dのス
イッチング素子ドライブ回路を変更して、加工期間中期
におけるパルス“VG1 ”、“VG2 ”をオン/オフさ
せるようにしても良い。
【0111】このようにしても、同様に、加工を行なっ
ているとき、アーク電圧が低くなっても、また第1直流
電源3から出力される直流電圧“v”の電圧値が変動し
ても、加工期間中期における加工電流“Ipw”が増加
しないようにして、必要以上に電流ピークが高くなるの
を防止させ、加工電流波形の形状を矩形波にすることが
できる。
【0112】また、この実施の形態5では、加工期間中
期における第1スイッチング素子4、第2スイッチング
素子5のスイッチング回数は4回にしているが、この回
数は任意であるしパルス幅、休止期間なども任意であ
る。
【0113】実施の形態6.図13は、この発明による
放電加工装置の実施の形態6を示すブロック図である。
なお、この図において、図1に示す各部と同じ部分に
は、同じ符号が付してある。
【0114】この図に示す放電加工装置1fが図1に示
す放電加工装置1aと異なる点は、図14(a)、
(b)に示す如く加工期間中期において、スイッチング
素子ドライブ回路(図示は省略する)から矩形状のパル
ス“VG1 ”を出力させたまま、パルス“VG2 ”の出
力を停止させて、図14(c)に示す如くコンデンサ2
の充電を開始させる前に、浮遊リアクトルL1 、L2
蓄積された誘導エネルギーによって誘導起電圧を誘起さ
せて、浮遊リアクトルL2 →ダイオード7→第1スイッ
チング素子4→浮遊リアクトルL1 →被加工物W→電極
P→浮遊リアクトルL2 なるループ、すなわち第1の直
流電源3を介さないループ31で還流させて、加工期間
中期の途中で、加工電流“Ipw”のピーク値を下げる
ようにしたことである。
【0115】このように、この実施の形態6では、加工
期間初期において、第1スイッチング素子4、第2スイ
ッチング素子5を共にオン状態にさせ、加工期間中期の
途中で、第1スイッチング素子4をオン状態にさせたま
ま、第2スイッチング素子5をオフ状態にさせて、加工
電流“Ipw”のピーク値を下げ、被加工物Wと、電極
Pとの間に、鋭い立ち上がり、鋭い立ち下がりを持ち、
かつ加工期間中期にフラットになる加工電流“Ipw”
を流させるようにしているので、被加工物Wを加工して
いるとき、アーク電圧が低くなっても、また第1直流電
源3から出力される出力電圧“v”の電圧値が変動して
も、加工期間中期における加工電流“Ipw”の増加を
防止させて、必要以上に電流ピークが高くなるのを防止
させ、加工電流波形の形状を矩形波にすることができ
る。
【0116】これによって、この実施の形態6では、ア
ーク電圧が低いときでも、加工電流波形をほぼ矩形状に
保持させ、放電加工効率を向上させながら、低耐圧、低
容量の第1スイッチング素子4を使用させて、装置全体
のコストを低く抑えることができるとともに、放電加工
電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化させるこ
とができる。
【0117】また、この実施の形態6では、図1に示す
放電加工装置1aのスイッチング素子ドライブ回路を変
更して、加工期間中期の途中でパルス“VG2 ”をオフ
状態にさせるようにしているが、図8、図9、図10に
示す各放電加工装置1b、1c、1dのスイッチング素
子ドライブ回路を変更して、加工期間中期の途中でパル
ス“VG2 ”をオフ状態にさせるようにしても良い。
【0118】このようにしても、同様に、加工を行なっ
ているとき、アーク電圧が低くなっても、また第1直流
電源3から出力される直流電圧“v”の電圧値が変動し
ても、加工期間中期における加工電流“Ipw”が必要
以上に増加しないようにして、電流ピークが高くなるの
を防止させ、加工電流波形の形状を矩形波にすることが
できる。
【0119】また、この実施の形態6では、図1に示す
放電加工装置1aのスイッチング素子ドライブ回路を変
更して、加工期間中期の途中でパルス“VG2 ”をオフ
状態にさせるようにしているが、図8、図9、図10に
示す各放電加工装置1b、1c、1dのスイッチング素
子ドライブ回路を変更して、第1スイッチング素子4を
オン状態にさせたままで、スイッチング素子5のオン/
オフを制御させ、浮遊リアクトルL1 、被加工物W、電
極P、浮遊リアクトルL2 、ダイオード7、第1スイッ
チング素子4を通るループと、第1直流電源3、浮遊リ
アクトルL1 、被加工物W、電極P、浮遊リアクトルL
2 、第2スイッチング素子5を通るループという二つの
電流ループを使い分けるようにしても良い。
【0120】これにより、同様に、加工期間中期の途中
で、加工電流“Ipw”のピーク値を低く抑えさせて、
加工電流波形形状を略矩形波にし、加工速度を向上させ
ることができる。
【0121】実施の形態7.図15は、この発明による
放電加工装置の実施の形態7を示すブロック図である。
なお、この図において、図1に示す各部と同じ部分に
は、同じ符号が付してある。
【0122】この図に示す放電加工装置1gが図1に示
す放電加工装置1aと異なる点は、図16(a)、
(b)に示す如く加工期間中期において、スイッチング
素子ドライブ回路(図示は省略する)から矩形状のパル
ス“VG2 ”を出力させたまま、パルス“VG1 ”の出
力を停止させて、図16(c)に示す如くコンデンサ2
から完全に電流が流れ切る前、すなわちコンデンサ2か
ら出力される端子電圧が、第1直流電源3から出力され
る直流電圧の電圧値“v”まで低下してしまう前に、第
1スイッチング素子4をオフ状態にし、第1直流電源3
から電流の供給を開始させ、図16(d)に示す如くコ
ンデンサ2と、浮遊リアクトルL1 、L2 と、コンデン
サ2から放出される電流の変化分“dI/dt”とによ
って規定されたsin波形となる加工電流“Ipw”の
立ち上がり部分が鋭くなるようにしたことである。
【0123】このように、この実施の形態7では、コン
デンサ2に十分な電荷を残して、加工期間初期にコンデ
ンサ2の端子電圧を高くさせて、sin波形における
“dI/dt”の緩やかな箇所を取り除くことができ、
これによって図1に示す放電加工装置1aに比べ、急峻
に加工電流“Ipw”を立ち上げさせることができると
ともに、上述した(1)式〜(6)式から明らかなよう
に、コンデンサ2の容量値あるいは配線の浮遊リアクト
ルL1 、L2 を調整させることにより、容易にピーク電
流、加工パルス幅を調整させながら、低耐圧、低容量の
第1スイッチング素子4を使用させて、装置全体のコス
トを低く抑えさせることができる。
【0124】なお、この実施の形態7では、図1に示す
放電加工装置1aに比べ、第1スイッチング素子4の損
失が多少、大きくなってしまうものの、図16(c)に
示すように加工期間初期と加工期間中期との境界におい
てコンデンサ2の端子電圧を低下させることができるこ
とから、図30、図31に示す先行技術のように、主直
流電源101から電流を供給する場合に比べて、損失を
大幅に小さくすることができる。
【0125】また、この実施の形態7では、図1に示す
放電加工装置1aのスイッチング素子ドライブ回路を変
更し、加工期間初期において、スイッチング素子ドライ
ブ回路からパルス“VG2 ”を出力させたまま、パルス
“VG1 ”の出力を停止させるようにしているが、図
8、図9、図10に示す各放電加工装置1b、1c、1
dのスイッチング素子ドライブ回路を変更して、第1ス
イッチング素子4をオン状態にさせたままで、加工期間
初期において、スイッチング素子ドライブ回路からパル
ス“VG2 ”を出力させたまま、パルス“VG1 ”の出
力を停止させるようにしても良い。
【0126】このようにしても、同様に、加工期間初期
の立ち上がり部分を急峻にさせることができるととも
に、コンデンサ2の容量値あるいは配線の浮遊リアクト
ルL1、L2 を調整させることにより、コンデンサ2に
十分な電荷を残して、加工期間初期にコンデンサ2の端
子電圧を高くさせ、加工電流“Ipw”の立ち上がりを
鋭くさせることができる。
【0127】実施の形態8.図17は、この発明による
放電加工装置の実施の形態8を示すブロック図である。
なお、この図において、図1に示す各部と同じ部分に
は、同じ符号が付してある。
【0128】この図に示す放電加工装置1hが図1に示
す放電加工装置1aと異なる点は、被加工物Wの加工を
開始する前に、第1直流電源3より高い出力電圧を出力
する第2直流電源35、この第2直流電源35から出力
される電流の値を制限しながら、コンデンサ2に供給し
て、これを予備充電させる抵抗36を備えた予備充電回
路37を設け、被加工物Wの加工を開始する前、予備充
電回路37によってコンデンサ2を予備充電させて、こ
のコンデンサ2が定常状態に達したときと同じ電荷を蓄
積させ、加工開始直後においても、加工電流“Ipw”
が三角波にならないようにしたことである。
【0129】このように、この実施の形態8では、被加
工物Wの加工を開始する前において、コンデンサ2に十
分な電荷が蓄積されていないとき、予備充電回路37の
第2直流電源35のプラス端子から直流電圧を出力させ
て、第2直流電源35のプラス端子→抵抗36→コンデ
ンサ2→第2直流電源35のマイナス端子ループで電流
を流し、コンデンサ2を充電させた後、スイッチング素
子ドライブ回路(図示は省略する)によって、第1スイ
ッチング素子4、第2スイッチング素子5を上述した実
施の形態1と同様に動作させて、被加工物Wと、電極P
との間に、鋭い立ち上がり、鋭い立ち下がりを持つ加工
電流“Ipw”を流させるようにしているので、被加工
物Wを加工するのに重要な、加工開始直後から定常状態
に達する間での数サイクルの間においても、コンデンサ
2に初期電荷を蓄積させて、加工電流“Ipw”が三角
波にならないようにし、加工開始直後から安定した略矩
形電流を確保させて、加工効率を高めさせることができ
るとともに、低耐圧、低容量の第1スイッチング素子4
を使用させて、装置全体のコストを低く抑えさせ、さら
に加工電流“Ipw”のピーク値、加工パルス幅の調整
を簡素化させ、かつ加工電流波形の立ち上がり、立ち下
がり部分を急峻化させて、放電加工効率を向上させるこ
とができる。
【0130】また、この実施の形態8では、第2直流電
源35に抵抗36を直列に接続しているので、第2直流
電源35の近辺に、配線によるインダクタンスが存在し
ても、このインダクタンスとコンデンサ2とによる共振
回路のQ値を下げて、振動を抑制させ、これによって電
圧の眺ね上がりを無くさせ、回路動作を安定化させるこ
とができる。
【0131】なお、この実施の形態における第2直流電
源35はあくまでもコンデンサ2を充電する補佐的なも
のであり、加工期間初期において、第2直流電源35か
ら第1スイッチング素子4を介して、被加工物W、電極
Pに電流が流れ込むような構成は望ましくないのみなら
ず、加工期間後期においても、回生電流が第2直流電源
35に流れ込むことも望ましくはない。
【0132】すなわち、図30、図31に示す先行技術
との差異は、あくまでもコンデンサ2を基点として電流
(電荷)のやりとりを行うことであり、第2直流電源3
5はコンデンサ2に初期電圧を与えた後、切り離させる
ようにしても良いし、また電流の供給能力を低下させる
ようにしても良い。
【0133】また、この実施の形態8では、図1、図
8、図9、図10、図11、図13、図15に示す各放
電加工装置1a、1b、1c、1d、1e、1gなどと
同様に、ダイオード7を用いて電流“I3”を回生さ
せ、ダイオード6を用いて第1直流電源3を保護させる
ようにして、回路構成を簡素化させるようにしている
が、このようなダイオード6、7に代えて、FETなど
のスイッチング素子を用い、このような回生、保護を行
なわせるようにしても良い。
【0134】実施の形態9.図18は、この発明による
放電加工装置の実施の形態9を示すブロック図である。
なお、この図において、図1に示す各部と同じ部分に
は、同じ符号が付してある。
【0135】この図に示す放電加工装置1iが図1に示
す放電加工装置1aと異なる点は、コンデンサ2を取り
除くとともに、第1直流電源3のプラス端子と、第1ス
イッチング素子4のドレインとの間に、コンデンサ2と
同等の働きをなすコンデンサ2iを配置し、加工期間初
期に、図19に示す如く第1直流電源3とコンデンサ2
iとの直列回路で得られる出力電圧を被加工物Wと電極
Pとの間に印加して、コンデンサ2iの一端→第1スイ
ッチング素子4→浮遊リアクトルL1 →被加工物W→電
極P→浮遊リアクトルL2 →第2スイッチング素子5→
第1直流電源3→コンデンサ2iの他端なるループで、
電流“I1”を流し、また加工期間中期に、図20に示
す如く第1直流電源3のプラス端子→ダイオード6→浮
遊リアクトルL1 →被加工物W→電極P→浮遊リアクト
ルL2 →第2スイッチング素子5→第1直流電源3のマ
イナス端子なるループで電流“I2”を流し、さらに加
工期間後期に、図21に示す如く浮遊リアクトルL2
ダイオード7→コンデンサ2i→ダイオード6→浮遊リ
アクトルL1 →被加工物W→電極P→浮遊リアクトルL
2 なるループで電流“I3”を流すようにしたことであ
る。
【0136】このように構成しても、図1に示す放電加
工装置1aと同様に、低耐圧、低容量の第1スイッチン
グ素子4を使用させて、装置全体のコストを低く抑えさ
せることができるとともに、放電加工電流のピーク値、
加工パルス幅の調整を簡素化させることができ、さらに
初期電流供給用のコンデンサ2iの配置を多様化させ
て、設計時の自由度を大幅に向上させながら、加工電流
“Ipw”の形状を略矩形状にし、放電加工効率を向上
させることができる。
【0137】実施の形態10.図22は、この発明によ
る放電加工装置の実施の形態10を示すブロック図であ
る。なお、この図において、図1に示す各部と同じ部分
には、同じ符号が付してある。
【0138】この図に示す放電加工装置1jは、加工電
流“Ipw”の元になる直流電圧を出力する第1直流電
源3と、この第1直流電源3から出力される直流電圧を
昇圧させるアップコンバータ回路40と、このアップコ
ンバータ回路40から出力される昇圧済みの直流電圧、
第1直流電源3から出力される直流電圧を用いて、被加
工物Wと電極Pとの間に加工電流“Ipw”を流す加工
電流生成回路41とを備えており、被加工物Wの加工を
開始する前に、アップコンバータ回路40によって、第
1直流電源3から出力される直流電圧を昇圧させて、加
工電流生成回路41のコンデンサ2jに高い電圧を蓄積
させた後、コンデンサ2jに蓄積された電荷、第1直流
電源3から出力される直流電圧を使用させて、加工電流
生成回路41に加工電流生成動作を行なわせ、被加工物
Wと、電極Pとの間に、加工電流“Ipw”を流させ
る。
【0139】アップコンバータ回路40は、スイッチン
グ素子ドライブ回路(図示は省略する)から出力される
パルス“VG3 ”に基づき、第1直流電源3から出力さ
れる直流電圧を断続させる第3スイッチング素子43
と、この第3スイッチング素子43によって断続された
直流電圧を取り込んで、誘導起電圧を発生するリアクト
ル44と、このリアクトル44に誘起された誘導起電圧
を単波整流して加工電流生成回路41のコンデンサ2j
に導き、これを充電させるダイオード45とを備えてお
り、被加工物Wの加工処理を開始させる前、第1直流電
源3から出力される直流電圧を断続させて、誘導起電圧
を発生させるとともに、この誘導起電圧を単波整流して
得られた直流電圧を加工電流生成回路41のコンデンサ
2jに導き、これを充電させる。
【0140】加工電流生成回路41は、被加工物Wと電
極Pとの間に端子電圧を印加して、加工期間初期の電流
“I1”を流すコンデンサ2jと、トランジスタやFE
T等で構成され、スイッチング素子ドライブ回路(図示
は省略する)から出力されるパルス“VG1 ”、“VG
2 ”、“VG4 ”に応じて、被加工物Wに対する給電路
の切替を行なう第1、第2、第4スイッチング素子4、
5、46と、これら第1、第2、第4スイッチング素子
4、5、46のうち、第1、第2スイッチング素子4、
5がオフ状態にされて、加工期間後期にされていると
き、オン状態になって、被加工物W、電極Pに接続され
た各ケーブルなどが持っている浮遊リアクトルL1 、L
2 に生じた誘導起電流“I3”をコンデンサ2jに導い
て、これを充電させるダイオード6j、7とを備えてお
り、加工期間初期に、コンデンサ2jから出力される端
子電圧を用いて、被加工物Wと、電極Pとの間に加工電
流“Ipw”を流し、また加工期間中期に、第1直流電
源3から出力される直流電圧を用いて、被加工物Wと、
電極Pとの間に加工電流“Ipw”を流し、また加工期
間後期に、浮遊リアクトルL1 、L2 に蓄積された誘導
エネルギーによって、誘導起電圧を生成させて、コンデ
ンサ2jを充電させる。
【0141】つぎに、図23〜図28を参照しながら、
この放電加工装置1jの動作を説明する。まず、被加工
物Wの加工処理を始める前において、コンデンサ2jに
十分な電荷が蓄積されていないときには、図23(c)
に示すスイッチング素子ドライブ回路からパルス“VG
3 ”が出力されて、第3スイッチング素子43がオン状
態にされ、図24に示す如く第1直流電源3のプラス端
子→リアクトル44→第3スイッチング素子43→第1
直流電源3のマイナス端子なるループで電流“I4”が
流れて、リアクトル44に誘導エネルギーが蓄積され
る。
【0142】この後、スイッチング素子ドライブ回路か
らパルス“VG3 ”の出力が停止され、第3スイッチン
グ素子43がオフ状態にされたとき、リアクトル44に
蓄積された誘導エネルギーによって誘導起電圧が生成さ
れ、図25に示す如くリアクトル44の一端→ダイオー
ド45→コンデンサ2j→第1直流電源3→リアクトル
44の他端なるループで、電流“I5”が流れて、図2
3(e)に示す如くコンデンサ2jに電荷が蓄積され、
端子電圧VC4 が高められる。
【0143】つぎに、図23(a)、(b)に示す如く
加工期間初期において、スイッチング素子ドライブ回路
からパルス“VG1 ”、“VG2 ”が出力されたとき、
第1スイッチング素子4、第2スイッチング素子5がオ
ン状態になって、コンデンサ2jに蓄積されていた電荷
が使用され、図26に示す如くコンデンサ2jの一端→
第1スイッチング素子4→浮遊リアクトルL1 →被加工
物W→電極P→浮遊リアクトルL2 →第2スイッチング
素子5→コンデンサ2jの他端なるループで、電流“I
1”が流れて、図23(f)に示す如く被加工物Wと電
極Pとの間に電流“I1”と同じ値を持つ加工電流“I
pw”が流れる。
【0144】この後、予め設定されている時間が経過し
て、加工期間中期に移行し、図23(d)に示す如くス
イッチング素子ドライブ回路からパルス“VG4 ”が出
力されたとき、第4スイッチング素子46がオン状態に
なって、図27に示す如く第1直流電源3のプラス端子
→第4スイッチング素子46→第1スイッチング素子4
→浮遊リアクトルL1 →被加工物W→電極P→浮遊リア
クトルL2 →第2スイッチング素子5→第1直流電源3
のマイナス端子なるループで、電流“I2”が流れて、
被加工物Wと電極Pとの間に電流“I2”と同じ値を持
つ電流“Ipw”が流れるとともに、第1直流電源3か
ら出力される直流電圧の電圧値に応じて電流ピークが徐
々に増加させられる。
【0145】つぎに、予め設定されている時間が経過し
て、加工期間後期に移行し、スイッチング素子ドライブ
回路からパルス“VG1 ”、“VG2 ”の出力が停止し
たとき、第1、第2スイッチング素子4、5がオフ状態
になって、浮遊リアクトルL 1 、L2 に蓄積された誘導
エネルギーによって、誘導起電圧が生成され、図28に
示す如く浮遊リアクトルL2 →ダイオード7→コンデン
サ2j→ダイオード6j→浮遊リアクトルL1 →被加工
物W→電極P→浮遊リアクトルL2 なるループで、誘導
電流“I3”が流れ、被加工物Wと電極Pとの間に流れ
る加工電流“Ipw”が急速に下げられるとともに、コ
ンデンサ2jに電荷が蓄積されて、端子電圧が高められ
る。
【0146】このように、この実施の形態10では、被
加工物Wの加工を開始する前において、コンデンサ2j
の十分な電荷が蓄積されていないとき、アップコンバー
タ回路40を動作させて、第1直流電源3から出力され
る直流電圧を昇圧させ、これによって得られた高い電圧
で、コンデンサ2jを充電させた後、加工電流生成回路
41によって、加工電流“Ipw”を生成させて、被加
工物Wを加工させるようにしているので、第1スイッチ
ング素子4の耐圧、電流容量を小さくさせて、装置全体
のコストを低減させながら、加工開始直後から安定した
略矩形状の加工電流“Ipw”を生成させることがで
き、これによって加工効率を向上することができるとと
もに、負荷変動などの予期せぬ事態により、コンデンサ
2jの電荷が不足しても、第1直流電源3を利用した簡
単な回路によって、コンデンサ2jに蓄積される電荷の
量を常に理想的な状態に維持させ、動作を安定化させる
ことができる。
【0147】実施の形態11.図29は、この発明によ
る放電加工装置の実施の形態11を示すブロック図であ
る。なお、この図において、図1に示す各部と同じ部分
には、同じ符号が付してある。
【0148】この図に示す放電加工装置1kが図1に示
す放電加工装置1aと異なる点は、コンデンサ2に代え
て、容量可変型のコンデンサ回路50を設け、このコン
デンサ回路50の容量を切り替えて、加工期間初期にお
ける加工電流“Ipw”の波形形状を調整させるように
したことである。
【0149】コンデンサ回路50は、予め設定された容
量、たとえば“0.1μF”の容量を持つコンデンサ5
1と、このコンデンサ51に直列に接続されたFETな
どによって構成され、スイッチング素子ドライバ回路か
らオン信号が出力されたとき、導通状態になって、他端
側が第1直流電源3のマイナス端子に接続されたコンデ
ンサ51の一端をダイオード7のカソードに接続させス
イッチング素子52と、コンデンサ51の容量に対し、
倍の容量“0.2μF”を持つコンデンサ53と、この
コンデンサ53に直列に接続されたFETなどによって
構成され、スイッチング素子ドライバ回路からオン信号
が出力されたとき、他端側が第1直流電源3のマイナス
端子に接続されたコンデンサ53の一端をダイオード7
のカソードに接続させるスイッチング素子54と、コン
デンサ53の容量に対し、倍の容量“0.4μF”を持
つコンデンサ55と、このコンデンサ55に直列に接続
されたFETなどによって構成され、スイッチング素子
ドライバ回路からオン信号が出力されたとき、導通状態
になって、他端側が第1直流電源3のマイナス端子に接
続されたコンデンサ55の一端をダイオード7のカソー
ドに接続させるスイッチング素子56とを備えている。
【0150】そして、被加工物Wの種類、厚さなどに応
じ、スイッチング素子ドライバ回路に各スイッチング素
子52、54、56を選択的にオン状態にさせて、コン
デンサ回路50全体の容量を調整させることにより、コ
ンデンサ回路50から出力される電流の値、このコンデ
ンサ回路50に蓄積される電荷の量を調整させ、加工期
間初期において、被加工物Wと、電極Pとの間に流れる
加工電流“Ipw”の波形を最適化させる。
【0151】このように、この実施の形態11では、コ
ンデンサ回路50の容量を調整させ、加工期間初期にお
いて、被加工物Wと、電極Pとの間に流れる加工電流
“Ipw”の波形を調整させるようにしているので、初
期電流供給用コンデンサにされたコンデンサ回路50に
蓄積される電荷を調整可能にして、加工期間初期の加工
電流波形の立ち上がり部分を急峻化させ、放電加工効率
を向上させながら、低耐圧、低容量の第1スイッチング
素子4を使用させて、装置全体のコストを低く抑えさせ
ることができるとともに、放電加工電流のピーク値、加
工パルス幅の調整を簡素化させることができる。
【0152】また、この実施の形態11では、各コンデ
ンサ51、53、55の容量を各々、“0.1μF”、
“0.2μF”、“0.4μF”にし、“0μF”〜
“0.7μF”まで、“0.1μF”ずつ8段階に切り
替えるようにしているので、コンデンサ回路50の容量
を切り替えるとき、デジタル処理に適した形式で、容量
切替を行なわせることができる。
【0153】また、上述した実施の形態1〜11では、
第1スイッチング素子4として、設計によって決められ
た耐電圧、電流容量を持つ一つのスイッチング素子を使
用させるようにしているが、このようなスイッチング素
子に代えて、同じ耐電圧、電流容量を持つ、複数のスイ
ッチング素子を並列、または直列に接続し、これを第1
スイッチング素子4として使用させるようにしても良
い。
【0154】このように構成することにより、安価なス
イッチング素子の使用を許してコストを低く抑えさせな
がら、必要な耐電圧、電流容量を持つ第1スイッチング
素子4を確保させることができる。
【0155】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
放電加工装置では、初期電流供給用コンデンサに蓄えら
れたエネルギーによって、被加工物と、電極との間に加
工電流を流し始めさせることができ、これによって低耐
圧、低容量のスイッチング素子を使用させて、装置全体
のコストを低く抑えさせることができるとともに、放電
加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化させ
ることができ、さらに放電加工電流波形の立ち上がり、
立ち下がり部分を急峻化させて、放電加工効率を向上さ
せることができる。
【0156】つぎの発明にかかる放電加工装置では、ス
イッチング素子ドライブ回路などにより、各スイッチン
グ素子のオン/オフを制御させることなく、初期電流供
給用コンデンサから出力される電圧の値が予め設定され
ている電圧値より低くなったとき、ダイオードによって
これを検知させて、被加工物と、電極との間に加工期間
中期用の電流を流させることができ、これによって低耐
圧、低容量のスイッチング素子を使用可能にさせて、装
置全体のコストを低く抑えさせることができるととも
に、放電加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡
素化させ、さらに放電加工電流波形の立ち上がり、立ち
下がり部分を急峻化させて、放電加工効率を向上させる
ことができる。
【0157】つぎの発明にかかる放電加工装置では、初
期電流供給用コンデンサに必要な量以上の電荷が蓄積さ
れるのを防止させて、次サイクル以降の加工電流波形が
乱れるのを防止させ、これによって正確な制御を可能に
させながら、低耐圧、低容量のスイッチング素子を使用
させて、装置全体のコストを低く抑えさせることができ
るとともに、放電加工電流のピーク値、加工パルス幅の
調整を簡素化させ、さらに放電加工電流波形の立ち上が
り、立ち下がり部分を急峻化させて、放電加工効率を向
上させることができる。
【0158】つぎの発明にかかる放電加工装置では、初
期電流供給用コンデンサに必要十分な量の電荷を蓄積さ
せて、次サイクル以降の加工電流波形が乱れるのを防止
させ、これによって正確な制御を可能にさせながら、低
耐圧、低容量のスイッチング素子を使用させて、装置全
体のコストを低く抑えさせることができるとともに、放
電加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化さ
せ、さらに放電加工電流波形の立ち上がり、立ち下がり
部分を急峻化させて、放電加工効率を向上させることが
できる。
【0159】つぎの発明にかかる放電加工装置では、直
流電源に浮遊インダクタンス成分が含まれている場合に
も、加工電流波形の立ち上がり部分を急峻化させて、放
電加工効率を向上させることができるとともに、低耐
圧、低容量のスイッチング素子を使用させて、装置全体
のコストを低く抑えさせることができ、さらに放電加工
電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化させるこ
とができる。
【0160】つぎの発明にかかる放電加工装置では、ア
ーク電圧が低いときでも、加工電流波形をほぼ矩形状に
保持させて、放電加工効率を向上させながら、低耐圧、
低容量のスイッチング素子を使用させて、装置全体のコ
ストを低く抑えさせることができるとともに、放電加工
電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化させるこ
とができる。
【0161】つぎの発明にかかる放電加工装置では、加
工期間初期の電流値より、加工期間中期の電流値が大き
くなり過ぎないようにさせて、加工電流波形をほぼ矩形
状に保持させ、これによって放電加工効率を向上させる
とともに、低耐圧、低容量のスイッチング素子を使用さ
せて、装置全体のコストを低く抑えさせ、さらに放電加
工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化させる
ことができる。
【0162】つぎの発明にかかる放電加工装置では、初
期電流供給用コンデンサに十分な電荷を残し、次サイク
ル以降の加工電流波形が乱れるのを防止させ、正確な制
御を可能にさせながら、低耐圧、低容量のスイッチング
素子を使用させて、装置全体のコストを低く抑えさせる
ことができるとともに、放電加工電流のピーク値、加工
パルス幅の調整を簡素化させ、さらに放電加工電流波形
の立ち上がり、立ち下がり部分を急峻化させて、放電加
工効率を向上させることができる。
【0163】つぎの発明にかかる放電加工装置では、被
加工物に対する加工を開始する前に、初期電流供給用コ
ンデンサに十分な電荷を蓄積させて、加工期間初期にお
ける加工電流波形の立ち上がり部分を急峻化させ、これ
によって放電加工効率を向上させるとともに、低耐圧、
低容量のスイッチング素子を使用させて、装置全体のコ
ストを低く抑えさせ、さらに放電加工電流のピーク値、
加工パルス幅の調整を簡素化させることができる。
【0164】つぎの発明にかかる放電加工装置では、初
期電流供給用コンデンサの配置を多様化させて、設計時
の自由度を大幅に向上させながら、低耐圧、低容量のス
イッチング素子を使用させて、装置全体のコストを低く
抑えさせることができるとともに、放電加工電流のピー
ク値、加工パルス幅の調整を簡素化させ、さらに放電加
工電流波形の立ち上がり、立ち下がり部分を急峻化させ
て、放電加工効率を向上させることができる。
【0165】つぎの発明にかかる放電加工装置では、被
加工物に対する加工を開始する前に、初期電流供給用コ
ンデンサに十分な電荷を蓄積させて、加工期間初期の加
工電流波形の立ち上がり、立ち下がり部分を急峻化させ
て、放電加工効率を向上させながら、低耐圧、低容量の
スイッチング素子を使用させて、装置全体のコストを低
く抑えさせることができるとともに、放電加工電流のピ
ーク値、加工パルス幅の調整を簡素化させることができ
る。
【0166】つぎの発明にかかる放電加工装置では、初
期電流供給用コンデンサに蓄積される電荷を調整自在に
し、加工期間初期の加工電流波形の立ち上がり部分を急
峻化させて、放電加工効率を向上させながら、低耐圧、
低容量のスイッチング素子を使用させて、装置全体のコ
ストを低く抑えさせることができるとともに、放電加工
電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化させるこ
とができる。
【0167】つぎの発明にかかる放電加工装置では、初
期電流供給用コンデンサに蓄積される電荷を段階的に調
整自在にし、加工期間初期の加工電流波形の立ち上がり
部分を急峻化させて、放電加工効率を向上させながら、
低耐圧、低容量のスイッチング素子を使用させて、装置
全体のコストを低く抑えさせることができるとともに、
放電加工電流のピーク値、加工パルス幅の調整を簡素化
させることができる。
【0168】つぎの発明にかかる放電加工装置では、ス
イッチング素子の耐電圧、電流容量にかかわらず、必要
な耐電圧、電流容量を持つスイッチング素子を確保させ
て、装置全体のコストを低く抑えさせ、さらに放電加工
効率を向上させながら、装置全体のコストを低く抑えさ
せることができるとともに、放電加工電流のピーク値、
加工パルス幅の調整を簡素化させることができる。
【0169】つぎの発明にかかる放電加工装置では、初
期電流供給用コンデンサから電流を供給するためのスイ
ッチング素子の容量を、当該初期電流供給用コンデンサ
への誘導エネルギーを帰還するのに使用するスイッチン
グ素子よりも小さくするか、あるいは、並列数を少なく
することにより、並列数を減らすことができ、あるい
は、スイッチング素子の容量の小さいものを使用するこ
とができ、その結果、構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による放電加工装置の実施の形態1
を示すブロック図である。
【図2】 図1に示した放電加工装置の動作例を示す波
形図である。
【図3】 図1に示した放電加工装置における加工期間
初期の動作例を示す模式図である。
【図4】 図1に示した放電加工装置における加工期間
中期の動作例を示す模式図である。
【図5】 図1に示した放電加工装置における加工期間
後期の動作例を示す模式図である。
【図6】 図1に示した放電加工装置における加工期間
初期の等価回路例を示す図である。
【図7】 図6に示した等価回路の動作例を示す波形図
である。
【図8】 この発明による放電加工装置の実施の形態2
を示すブロック図である。
【図9】 この発明による放電加工装置の実施の形態3
を示すブロック図である。
【図10】 この発明による放電加工装置の実施の形態
4を示すブロック図である。
【図11】 この発明による放電加工装置の実施の形態
5を示すブロック図である。
【図12】 図11に示した放電加工装置の動作例を示
す波形図である。
【図13】 この発明による放電加工装置の実施の形態
6を示すブロック図である。
【図14】 図13に示した放電加工装置の動作例を示
す波形図である。
【図15】 この発明による放電加工装置の実施の形態
7を示すブロック図である。
【図16】 図15に示した放電加工装置の動作例を示
す波形図である。
【図17】 この発明による放電加工装置の実施の形態
8を示すブロック図である。
【図18】 この発明による放電加工装置の実施の形態
9を示すブロック図である。
【図19】 図18に示した放電加工装置における加工
期間初期の動作例を示す模式図である。
【図20】 図18に示した放電加工装置における加工
期間中期の動作例を示す模式図である。
【図21】 図18に示した放電加工装置における加工
期間後期の動作例を示す模式図である。
【図22】 この発明による放電加工装置の実施の形態
10を示すブロック図である。
【図23】 図22に示した放電加工装置の動作例を示
す波形図である。
【図24】 図22に示した放電加工装置における加工
期間初期前の動作例を示す模式図である。
【図25】 図22に示した放電加工装置における加工
期間初期前の動作例を示す模式図である。
【図26】 図22に示した放電加工装置における加工
期間初期の動作例を示す模式図である。
【図27】 図22に示した放電加工装置における加工
期間中期の動作例を示す模式図である。
【図28】 図22に示した放電加工装置における加工
期間後期の動作例を示す模式図である。
【図29】 この発明による放電加工装置の実施の形態
11を示すブロック図である。
【図30】 特開平11−48039号公報に開示され
る放電加工装置の回路構成を示すブロック図である。
【図31】 図30に示した放電加工装置の動作例を示
す波形図である。
【符号の説明】
1a〜1k 放電加工装置、2,2i,2j コンデン
サ(初期電流供給用コンデンサ、初期電流供給回路)、
3,3c 第1直流電源(直流電源、中期電流供給回
路)、4 第1スイッチング素子、5 第2スイッチン
グ素子、6 ダイオード(中期電流供給回路)、6j
ダイオード、7 ダイオード(帰還回路)、8 電圧判
定回路(帰還回路)、9 電圧リミッタ回路(帰還回
路)、10,11 抵抗、12 定電圧ダイオード、1
3 電源ライン、14,15 抵抗、16 コンパレー
タ、17 ゲートドライバ素子、18 スイッチング素
子、19 抵抗、25 電圧モニタ回路(帰還回路)、
28 コンデンサ、31 ループ(電流ループ)、35
第2直流電源(直流電源、中期電流供給回路、帰還回
路)、36 抵抗、37 予備充電回路、40 アップ
コンバータ回路(昇圧回路)、41 加工電流生成回
路、43 第3スイッチング素子、44 リアクトル、
45 ダイオード、46 第4スイッチング素子、50
コンデンサ回路51,53,55 コンデンサ、5
2,54,56 スイッチング素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 民田 太一郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 岩田 明彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 角田 義一 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 大黒 裕之 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 三 菱電機エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 鵜飼 佳和 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3C059 AA01 AB01 BA01 BA11 BA15 CA01 CB02 CC01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物と電極との間に加工電流を流し
    て、前記被加工物を加工する放電加工装置において、 初期電流供給用コンデンサを有し、加工期間初期に、前
    記被加工物と前記電極との間に加工電流を流す初期電流
    供給回路と、 直流電源を有し、加工期間中期に、前記被加工物と前記
    電極との間に加工電流を流す中期電流供給回路と、 加工期間後期に、加工期間中期に蓄積された誘導エネル
    ギーによって、前記初期電流供給用コンデンサを充電さ
    せる帰還回路と、 を備えたことを特徴とする放電加工装置。
  2. 【請求項2】 前記中期電流供給回路は、前記初期電流
    供給回路から出力される電圧が予め設定されている電圧
    より低下したとき、ダイオードによって、これを検知し
    て、前記被加工物と前記電極との間に加工電流を流すこ
    とを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
  3. 【請求項3】 前記帰還回路は、前記初期電流供給用コ
    ンデンサの端子電圧を監視し、前記初期電流供給用コン
    デンサの端子電圧が所定電圧に達したとき、これを検知
    して、初期電流供給用コンデンサの充電動作を停止する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の放電加工装
    置。
  4. 【請求項4】 前記帰還回路は、前記初期電流供給用コ
    ンデンサの端子電圧を監視し、この監視結果に基づき、
    前記中期電流供給回路の前記直流電源から出力される直
    流電圧の値を制御することを特徴とする請求項1または
    2に記載の放電加工装置。
  5. 【請求項5】 前記中期電流供給回路は、前記直流電源
    と並行に接続されたコンデンサを併用して、加工期間中
    期に、前記被加工物と前記電極との間に加工電流を流す
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の
    放電加工装置。
  6. 【請求項6】 前記中期電流供給回路は、スイッチング
    素子をオン/オフさせて、加工期間中期に、前記被加工
    物と電極との間に流れる加工電流を断続させ、一定化さ
    せることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記
    載の放電加工装置。
  7. 【請求項7】 前記中期電流供給回路は、加工期間中期
    の途中で、電流ループを切り替えて、前記直流電源を含
    まないループで、電流を流させることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれか一つに記載の放電加工装置。
  8. 【請求項8】 前記中期電流供給回路は、前記初期電流
    供給用コンデンサが完全に放電する前に、加工期間中期
    の動作を開始し、前記被加工物と電極との間に加工電流
    を流し始めることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    一つに記載の放電加工装置。
  9. 【請求項9】 前記中期電流供給回路の前記直流電源か
    ら出力される直流電圧の値より、高い直流電圧を出力す
    る直流電源を持つ予備充電回路を設け、この予備充電回
    路の前記直流電源から出力される直流電圧を用いて、加
    工期間初期前に、前記初期電流供給用コンデンサを予備
    充電させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一
    つに記載の放電加工装置。
  10. 【請求項10】 前記初期電流供給用コンデンサを使用
    して、前記被加工物と前記電極との間に加工電流を流す
    とき、前記中期電流供給回路の前記直流電源を通過する
    ループを使用させることを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれか一つに記載の放電加工装置。
  11. 【請求項11】 前記中期電流供給回路の前記直流電源
    または他の直流電源から出力される直流電圧を昇圧させ
    る昇圧回路を設け、この昇圧回路から出力される直流電
    圧を用いて、加工期間初期前に、前記初期電流供給用コ
    ンデンサを予備充電させることを特徴とする請求項1〜
    10のいずれか一つに記載の放電加工装置。
  12. 【請求項12】 前記初期電流供給回路の前記初期電流
    供給用コンデンサとして、複数のコンデンサを選択的に
    使用させて、加工期間初期に、前記被加工物と前記電極
    との間に加工電流を流させることを特徴とする請求項1
    〜11のいずれか一つに記載の放電加工装置。
  13. 【請求項13】 前記初期電流供給用コンデンサとして
    使用される各コンデンサの容量を互いに異なる値にする
    ことを特徴とする請求項11に記載の放電加工装置。
  14. 【請求項14】 前記スイッチング素子として、複数の
    スイッチング素子を並列、または直列に接続したスイッ
    チング素子群を使用することを特徴とする請求項1〜1
    3のいずれか一つに記載の放電加工装置。
  15. 【請求項15】 前記複数のスイッチング素子のうち、
    前記初期電流供給用コンデンサから電流を供給するため
    のスイッチング素子は、前記初期電流供給用コンデンサ
    への誘導エネルギーを帰還するのに使用するスイッチン
    グ素子よりも容量が小さいか、あるいは、並列数が少な
    いことを特徴とする請求項14に記載の放電加工装置。
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