JP2002224883A - アーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

アーク溶接用フラックス入りワイヤ

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JP2002224883A
JP2002224883A JP2001025814A JP2001025814A JP2002224883A JP 2002224883 A JP2002224883 A JP 2002224883A JP 2001025814 A JP2001025814 A JP 2001025814A JP 2001025814 A JP2001025814 A JP 2001025814A JP 2002224883 A JP2002224883 A JP 2002224883A
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cored wire
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Mikako Takeda
実佳子 武田
Masao Mizuno
雅夫 水野
Norihiro Asai
法廣 浅井
Hiroyuki Shimizu
弘之 清水
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐吸湿性に優れると共に良好な溶接作業性を
示し、しかもスパッタ発生量が少なく、低コストで製造
することのできるアーク溶接用フラックス入りワイヤを
提供する。 【解決手段】 本発明のアーク溶接用フラックス入りワ
イヤは、フラックスを鋼製のワイヤ外皮に充填した後、
伸線加工して製造されるアーク溶接用フラックス入りワ
イヤにおいて、フラックス中に樹脂粉末を配合させて伸
線加工したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶、鉄骨、橋梁
等の溶接構造物の溶接施工に広く用いられているアーク
溶接用フラックス入りワイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、溶接の自動化、高効率化の進展に
伴い、アーク溶接用フラックス入りワイヤは主に細径の
アーク溶接材料として著しく普及している。この様なア
ーク溶接用フラックス入りワイヤにおいては、鋼製外皮
内に充填されたフラックスの作用によってアークの安定
化が図れてスパッタが少なく、また立向き姿勢や上向き
姿勢においてもビードが垂れ難く溶接がし易いこと、し
かもその断面形状によってワイヤ溶融速度が速く、高効
率な溶接ができる等の優れた特徴を有している。
【0003】アーク溶接用フラックス入りワイヤには上
記の様な利点があるものの、その一方でワイヤ特にフラ
ックスが吸湿することによるワイヤ品質の劣化や、溶接
金属部の拡散性水素による溶接割れが生じることが大き
な問題になっている。この様な吸湿が生じると、アーク
の不安定化、ピットやブローホールが発生し易くなる等
の変化が生じ、ワイヤ品質が劣化することになる。
【0004】ワイヤへの吸湿を抑制する為には、原料フ
ラックスを乾燥することによって結晶水や付着水の低減
が図られるのが一般的である。しかしながらこうした方
法では、ワイヤを長期に保管したり、高湿度下で使用し
たりする場合に、吸湿が生じてワイヤ品質が劣化すると
いう問題がある。
【0005】上記の様な問題を解決するという観点か
ら、例えば特開平11−239891号の様な技術も提
案されている。この技術では、水中に没したときに水と
の接触面に空気膜を保持可能なコーティング層をフラッ
クス表面に形成することによって、溶接用フラックス入
りワイヤの耐吸湿性の改善を図ったものである。またこ
の技術では、コーティング層を形成する為の表面処理剤
として、アルキル基や弗素置換疎水性基を有するシラ
ン、クロロシラン、シラザンのいわゆるシラン化合物
や、ジメチルポリシロキサン、アルキル基を有するチタ
ネートカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤
等が挙げられている。
【0006】しかしながらこうした技術では、コーティ
ング層をフラックス表面に形成する工程が必要でその製
造が煩雑になるばかりか、コーティング層を形成したフ
ラックスを充填したワイヤを使用したとしても、コーテ
ィング層を形成する為の表面処理剤が原因してアークが
不安定になるという問題が懸念される他、溶接金属中の
拡散性水素量を低減する効果が十分に発揮できないとい
う欠点がある。また、溶接ワイヤはその製造工程で直径
が数分の1になるまで伸線して製造され、鋼製外皮内に
充填されたフラックス粒子は非常に細かく粉砕されるこ
とになり、原料フラックスの表面にコーティング層を形
成しても、伸線後に生成した新しい表面はコーティング
されていないので、溶接ワイヤの水濡れ性の改善には高
効果が発揮されるものの、フラックスの耐吸湿性改善効
果は依然として不十分である。
【0007】また、特開平303994号には、ワック
スを鋼製外皮内面に付着させた後にフラックスを充填す
る様な溶接ワイヤの製造方法について開示されている。
しかしながら、この技術では、ワックスは伸線加工中の
断線を防止するという観点から使用されており、フラッ
クスの耐吸湿性について何ら考慮されていいない。
【0008】更に、特開平5−42391号には、フラ
ックスの組成や充填率の均一化を図るという観点から、
フラックス原料を四弗化エチレン樹脂および/または四
弗化エチレン・六弗化プロピレン共重合樹脂等の樹脂バ
インダーと混合し、紐状または帯状に押出し成形したも
のを、成曲帯鋼内に装入する溶接用複合ワイヤの製造方
法について開示されている。しかしながら、こうした方
法では、樹脂バインダーによって成形するものであり、
その成形には比較的多量(例えば5%以上)の樹脂を必
要とするので、溶接時のスパッタ発生が著しく多くな
り、溶接作業性が大きく悪化することになる。また、押
出し成形体を成曲鋼帯内に挿入する方法では、粉末状の
フラックスを成曲帯鋼(鋼製外皮)内に充填する場合に
比較して製造コストがかなり上昇するので現実的でな
い。
【0009】一方、特開平6−198489号には、フ
ラックスコアアーク電極に関する技術として、フラック
スにアーク安定剤、二酸化チタン、フッ化カルシウム、
アルミニウム等の合金、鉄、ポリテトラフルオロエチレ
ン粉末を配合したアーク電極が開示されている。しかし
ながら、この技術では拡散性水素の低減を目的として、
ポリテトラエチレン粉末が配合されており、耐吸湿性向
上については解決されていないのが実状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の様な
従来技術が有する課題を解決するためになされたもので
あって、その目的は、耐吸湿性に優れると共に良好な溶
接作業性を示し、しかもスパッタ発生量が少なく、低コ
ストで製造することのできるアーク溶接用フラックス入
りワイヤを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すること
のできた本発明のアーク溶接用フラックス入りワイヤと
は、フラックスを鋼製のワイヤ外皮に充填した後、伸線
加工して製造されるアーク溶接用フラックス入りワイヤ
において、フラックス中に樹脂粉末を配合させて伸線加
工したものである点に要旨を有するものである。
【0012】本発明のアーク溶接用フラックス入りワイ
ヤにおいては、(1)前記樹脂の配合量が、フラックス
に対して0.01〜5質量%であること(より好ましく
は0.01〜1.4質量%)、(2)前記樹脂が熱可塑
性樹脂またはフッ化黒鉛であること、等の要件を満足す
ることが好ましい。
【0013】また、上記前記熱可塑性樹脂としては、シ
リコン樹脂、フッ素樹脂およびフッ化炭素よりなる群か
ら選ばれる1種以上が挙げられ、このうち四弗化エチレ
ンおよび/または弗化エチレンプロピレン等のフッ素樹
脂を用いることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者のアーク溶接用フラック
ス入りワイヤは、フラックスを鋼製のワイヤ外皮(帯状
鋼)をその長手方向に垂直な断面がU字型となる様に成
形し、そのU字型の内部にフラックスを充填した後、伸
線加工されるものを前提としたものである。本発明者ら
は、上記の様にして製造されるフラックス入りワイヤの
耐吸湿性向上を図るべく、その最適な形態について様々
な角度から検討した。その結果、フラックスに樹脂を配
合して伸線加工したものでは、上記目的が見事に達成さ
れることを見出し、本発明を完成した。
【0015】即ち、フラックスに樹脂粉末を配合させた
ものでは、伸線加工時に熱や圧力によって軟化し、フラ
ックス粒子の周囲に回り込んで、フラックス粒子を覆う
様になる。また、このときフラックス粒子を覆う樹脂は
撥水性を有するものであり、こうした樹脂に覆われたフ
ラックスは、フラックス粒子表面に存在する水吸着サイ
トが撥水性を有する樹脂の被膜(保護被膜)によって覆
われた状態となった、吸湿性が非常に低いものとなるの
である。
【0016】本発明のアーク溶接用フラックス入りワイ
ヤでは、フラックス中に樹脂を極微量配合するだけで、
帯状または紐状に成形するまでもなく、吸湿性の低い
(耐吸湿性の良好な)アーク溶接用フラックス入りワイ
ヤが実現できたのである。また、こうしたアーク溶接用
フラックス入りワイヤは、従来から一般的に行われてい
る方法(即ち、フラックスを鋼製のワイヤ外皮をその長
手方向に垂直な断面がU字型となる様に成形し、そのU
字型の内部にフラックスを充填した後、伸線加工して製
造する方法)によって製造できるものであり、比較的低
コストで実施できるものである。
【0017】樹脂粉末によってフラックス表面を均一に
且つ完全に被覆する為には、樹脂粉末のフラックスに対
する配合割合を0.01〜5質量%とすることが有効で
ある。この配合割合が0.01重量%未満になると、鋼
製外皮内面とフラックス粒子表面への樹脂粉末の付着が
不十分となり、保護被膜でフラックス表面を完全に覆う
ことができず、耐吸湿性向上の役割が十分に発揮されな
い。これに対して、樹脂粉末の含有量が5質量%を超え
ると、溶接時のアークが不安定になってスパッタが発生
し易くなり、更に分解ガスが多量に放出して溶接欠陥
(ブローホール)が多量に発生することになる。また、
樹脂粉末の配合割合は1.4質量%以下であれば、スパ
ッタ発生、溶接欠陥等を抑制する上でより好ましい。
【0018】本発明で用いる樹脂粉末は、プラスチック
と総称される高分子物質をいい、合成樹脂、天然樹脂の
いずれをも含むものである。また、こうした樹脂として
は、熱可塑性のものや熱硬化性のもののいずれも使用で
きるが(熱硬化性樹脂であっても上記軟化現象が生じ
る)、本発明の効果をより向上させるためには熱軟化性
樹脂またはフッ化黒鉛を用いることが好ましい。
【0019】本発明で用いることのできる樹脂として
は、例えばシリコン樹脂、フッ素樹脂、フッ化炭素、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、メタクリル樹脂、ポリウレタン等の熱可塑性樹
脂や、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂樹脂、或はフッ化黒鉛等
が挙げられるが、このうちシリコン樹脂、フッ素樹脂、
フッ化炭素等の熱可塑性樹脂またはフッ化黒鉛を用いる
ことが推奨され、これらの1種以上を併用することもで
きる。
【0020】また、上記熱可塑性樹脂のうち、フッ素樹
脂は分子内に含有する水素原子の量が少なく、拡散性水
素を増加させない点で特に好ましい。このフッ素樹脂
は、炭素とフッ素を中心に構成される化学構造を有する
化学物質であり、その種類としては四弗化エチレン(P
TFE)、弗化エチレンプロピレン(FEP)、弗化ビ
ニリデン(PVDF)、エチレン・四弗化共重合物(E
−TFE)、エチレン・三弗化共重合物(E−CTF
E)、三弗化塩化エチレン(PCTFE)等が挙げられ
るが、特に好ましいのはPTFE、FEPである。ま
た、上記の様なフッ素樹脂の製造に要するモノマー、或
はモノマー製造に要する原料、更には上記高分子弗素化
合物の製造時に生成する低分子副産物等の低分子弗素樹
脂も使用できる。
【0021】尚、上記フッ化黒鉛とは、グラファイト構
造を有する炭素の同素体である黒鉛をフッ素化したもの
であり、またフッ化炭素とは、グラファイト構造を有し
ない無定型炭素をフッ素化したものである。
【0022】ところで、フラックスには通常アーク安定
化、脱水素の為に金属フッ化物が添加されているが、フ
ラックス中にフッ素樹脂、フッ化黒鉛、フッ化炭素等の
樹脂が含有されているかを確認するには、金属フッ化物
と区別して上記の樹脂を検出する必要がある。次に、ワ
イヤ中におけるこれらの樹脂の検出法と定量法について
説明する。
【0023】まず、フッ素樹脂を検出するには、ワイヤ
からフラックスを取り出し、フッ素樹脂を下記(1)、
(2)の手順で抽出する。 (1)他の金属系フッ化物との分解温度の差異により抽
出する。 (2)フッ素樹脂の優れた耐酸性を利用し、塩酸(濃
度:37%)に溶かし、加熱分解(300℃×30分程
度)後、ガラスフィルター(0.7μm)によって濾過
して残渣を抽出する。
【0024】以上の方法で抽出した残渣を数mg回収し
て、直径:10mmの錠剤状に成型したものを赤外線吸
収法によって測定する。尚、極微量の場合には、成型す
る錠剤サイズを更に小さいものにすることによって測定
が可能となる。この方法によれば、回収したフッ素樹脂
が極微量であっても、赤外線吸収スペクトルのピーク位
置によってその存在が確認できるものである。
【0025】図1は、ワイヤから取り出したフラックス
のFTIR(フーリエ変換赤外分光法)による分析結果
の例を示したものである。このときのFTIRスペクト
ルは、JIR−100型フーリエ変換赤外分光光度計
(日本電子株式会社製)を用い、下記の条件にて測定し
たものである。この図において、波数が1238cm-1
および1160cm-1におけるピークがPTFEに、そ
の他のピーク(例えば波数887cm-1)が金属フッ化
物に夫々対応したものである。
【0026】(測定条件) 試料調製法:KBr錠剤法(試料数mgとバインダーと
してKBr(臭化カリウム)250mgを用い、直径:
10mmの錠剤を作製する。) 測定法:透過法 分解能:4cm-1 積算回数:50回 測定範囲:400〜4000cm-1
【0027】フラックス中のフッ素樹脂、フッ化黒鉛、
フッ化炭素の定量は、上記方法で回収した残渣を、酸
素、水蒸気混合気流中、1250℃で燃焼させた際に発
生するガスを水に吸収させ、これをイオンクロマトグラ
フィによってフッ素量を測定し、これをフッ素樹脂、フ
ッ化黒鉛、フッ化炭素量に換算する。
【0028】また、フッ素樹脂、フッ化黒鉛、フッ化炭
素によるフラックス表面や鋼製外皮内面の被覆効果の有
無については、ワイヤ断面のワイヤ断面のEPMA分析
によるフッ素のマッピングにより確認できる。
【0029】尚、各フッ素樹脂のIR吸収波数位置は、
下記の通りである。 (1)PTFE:1238,1160(cm-1) (2)FEP:1240,1160,980(cm-1) (3)PVDF:1400,1180,880(c
-1) (4)E−TFE:1450,1320,1250,1
160,1050,670,510(cm-1) (5)E−CTFE:1450,1310,1240,
1110,1000(cm-1) また、シリコン樹脂の検出および定量は下記の様にして
行なうことができる。
【0030】(シリコン樹脂の検出)上記と同様に、ワ
イヤからフラックスを取り出した後、(1)フッ酸、塩
酸を用いて金属粉、SiO2粉を除去→抽出残渣を回収
し(1mg程度)、(2)抽出残渣をIR法によって測
定する(シリコーンの存在は、2960,1260cm
-1:Siに結合したCH3基に帰属したピークで確認す
る)。
【0031】(シリコンの定量)上記抽出残渣法ではT
iO2が残留する可能性があるので、下記(1)〜
(3)の手順でTiO2を溶解後定量する。 (1)白金るつぼ内にアルカリ溶剤(炭酸ナトリウム、
四ホウ酸ナトリウム等)と上記抽出残渣を入れて、バー
ナで1000℃程度まで加熱してTiO2を完全溶融さ
せる(ガラス状となる)。 (2)上記ガラス状物質に5%HCl水溶液を加えて、
溶液化する。 (3)Si量をICP発光分析し、極微量の場合はフレ
ームレス原子吸光法でSi量を測定し、シリコン樹脂量
に換算する。
【0032】更に、上記した以外の樹脂の検出に当たっ
ては、上記と同様に、ワイヤからフラックスを取り出し
た後、(1)フッ酸、塩酸を用いて金属粉、SiO2
を除去→抽出残渣を回収し(1mg程度)(2)抽出残
渣をIR法によって測定する(樹脂の存在は、夫々の樹
脂特有のピークで確認する)、の手順で検出することが
できる。
【0033】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することは
いずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0034】
【実施例】JIS Z3313−1999−YFW−C
50DRに規定されているフラックス入りワイヤのフラ
ックス原料A、およびJIS Z3313−1999−
YEW−C50DMに規定されているフラックス入りワ
イヤのフラックス原料Bを用いて、各種のフラックス入
りワイヤを作成した。このとき用いたフラックス原料を
下記表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】上記フラックスには、予め樹脂として四弗
化エチレン(PTFE)、弗化エチレンプロピレン(F
EP)、フッ化黒鉛、フッ化炭素(平均粒径:1〜50
0μm)を所定量、他のフラックス原料とクロスロータ
リー型ミキサーを用いて混合したものを用いた。
【0037】このとき帯状鋼(鋼製外皮)には、下記表
2に示す化学成分を持つ厚み:0.9mm×幅:13m
mの軟鋼フープを用いた。この帯状鋼を、長手方向に垂
直な断面がU字状となる様に成形し、そのくぼみ部(凹
部)に、フラックス率15±1質量%となる様に、前記
フラックスを充填し、その後開口部を閉じる様に成形、
伸線することによって、直径:1.2mmのフラックス
入りワイヤを各種作成した。
【0038】
【表2】
【0039】そして、これらのフラックス入りワイヤ内
に存在する樹脂の配合量を上記した分析方法によって測
定した。また、ワイヤを110℃にて1時間乾燥させた
後、気温:30℃、相対湿度:80%の雰囲気で24時
間保持(吸湿処理)した後のワイヤの吸湿水分量を、7
50℃のAr雰囲気にて、K.F(カールフィッシャ
ー)法(JIS K0068に準じる)により測定し
た。
【0040】その後、電流:300A、電圧:35V、
速度:30cpm、シールドガス:100%CO2、流
量20L/min、極性:DCEP、突き出し長さ:2
5mmの溶接条件により、ビードオン下向き溶接を行
い、飛散したスパッタの質量を測定し、1分当たりの量
(mg/min)に換算することによって、スパッタ発
生量とした。その結果を、一括して下記表3、4に示す
が、所定量の樹脂を配合したアーク溶接用フラックス入
りワイヤでは、耐吸湿性が向上し、スパッタ発生量が実
用化能な範囲であることが分かる。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、耐
吸湿性に優れると共に良好な溶接作業性を示し、しかも
スパッタ発生量が少なく、低コストで製造することので
きるアーク溶接用フラックス入りワイヤが実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤーから取り出したフラックスのFTIR
による分析結果の例を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅井 法廣 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100番1 株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内 (72)発明者 清水 弘之 神奈川県藤沢市宮前字裏河内100番1 株 式会社神戸製鋼所藤沢事業所内 Fターム(参考) 4E084 AA17 AA38 CA24 CA32 DA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラックスを鋼製のワイヤ外皮に充填し
    た後、伸線加工して製造されるアーク溶接用フラックス
    入りワイヤにおいて、フラックス中に樹脂粉末を配合さ
    せて伸線加工したものであることを特徴とするアーク溶
    接用フラックス入りワイヤ。
  2. 【請求項2】 前記樹脂粉末の配合量が、フラックスに
    対して0.01〜5質量%である請求項1に記載のアー
    ク溶接用フラックス入りワイヤ。
  3. 【請求項3】 前記樹脂粉末が熱可塑性樹脂またはフッ
    化黒鉛である請求項1または2に記載のアーク溶接用フ
    ラックス入りワイヤ。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂が、シリコン樹脂、フ
    ッ素樹脂およびフッ化炭素よりなる群から選ばれる1種
    以上である請求項3に記載のアーク溶接用フラックス入
    りワイヤ。
  5. 【請求項5】 前記フッ素樹脂が、四弗化エチレンおよ
    び/または弗化エチレンプロピレンである請求項4に記
    載のアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
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