JP2002223746A - 難分解性物質を分解する微生物及びこれを用いた下排水処理方法 - Google Patents

難分解性物質を分解する微生物及びこれを用いた下排水処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下排水の難分解性物質、特にその着色成分を
分解処理する新規な微生物を発見し、この微生物を使っ
た独創的な下排水処理方法を実現する。 【解決手段】 本発明に係る難分解性物質を分解する微
生物はペニシリウム属糸状菌LM12株(FERM P
−18194)からなることを特徴とする。このLM1
2株を反応槽2で培養し、この反応槽2に下排水Gを導
入して下排水中の難分解性物質を分解処理する下排水処
理方法を提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は屎尿、下水、埋立排
水、染色排水などからなる家庭用排水・産業用排水の下
排水処理方法に関し、更に詳細には、下排水中に含有さ
れる着色成分などの難分解性物質を分解処理する新規な
微生物並びにこの微生物を用いて難分解性物質を分解す
る下排水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大きく分けると、下排水は家庭用排水と
産業用排水からなり、公共下水道に排出されて集中浄化
処理される場合もあれば、より小さなミニ下水道による
浄化処理もあり、また各家庭や各事業所の個別浄化装置
で浄化処理されることもある。
【0003】公共下水道は、主として市街地における下
水を排出処理するためのもので、家庭から排出される屎
尿・生活排水、工場・事業所といった人の多く集まる所
から排出される汚水、その他雨水を受け入れ、終末処理
場で生物処理を行なっている。しかし、公共下水道の普
及率は欧米と比べるとまだまだ低い水準にあるのが現状
である。
【0004】コミュニティプラントは、住宅団地などに
設置された所謂ミニ下水道で、屎尿と生活雑排水を合わ
せて処理している。浄化槽は、屎尿のみを処理する単独
処理浄化槽と、屎尿と合わせて台所や風呂の排水を処理
する合併処理浄化槽がある。
【0005】以上は、トイレの水洗化を可能とした施設
であるが、水洗化されていない各家庭の汲み取り屎尿
は、主として、屎尿処理施設で処理されている。屎尿処
理施設は、市町村単位で整備されている処理施設で、各
家庭から収集された汲み取り屎尿や、浄化槽から排出さ
れた汚泥を集中して処理する。その処理方法は、公共下
水道、コミュニティプラント等と同様に生物処理を中心
としたものである。
【0006】これらの下水処理や屎尿処理に共通した基
準は、水汚染の程度を示す各種パラメータを法律による
規制レベル以下にすることである。水汚染のパラメータ
は、衛生的理由から問題とされる項目[化学的酸素要
求量(COD)、生物学的酸素要求量(BOD)、全窒
素(T−N)、全リン(T−P)、一般細菌、大腸菌
類、塩素イオンなど]、処理場の施設機能的理由から
問題とされる項目[pH、硬度、浮遊物質(SS)、残
留塩素など]、人の感覚的理由から問題とされる項目
[濁度、色度、透視度、臭気など]に分けられる。
【0007】下水処理や屎尿処理において、との項
目は生物処理を中心とした浄化処理技術により比較的達
成しやすいが、の項目を達成するにはかなり高度の技
術を必要とする。その理由は、着色成分の大部分が、活
性汚泥微生物や脱窒素微生物により分解されない溶解性
有機化合物や難分解性有機化合物だからである。しか
し、人は下排水の色、特に屎尿の色に不快感を覚えるか
ら、この着色成分をどうしても分解・除去することが必
要となる。
【0008】従来、この着色物質の低減化には、BO
D、COD、SS、T−Pの低減も含めて、通常処理と
高度処理を併用して当たっている。屎尿処理における高
度処理の方式は、凝集分離、オゾン酸化、砂ろ過、活性
炭吸着に分類され、目的により組み合わせて使用されて
いる。
【0009】凝集分離は下排水に高分子凝集剤を添加し
て凝集沈殿成分を除去することにより、BOD、CO
D、SS、T−P、濁度を低減化する技術である。砂ろ
過は凝集分離で除去できなかったSSを更に除去する必
要がある場合に採用される。オゾン酸化処理は色度とC
ODを除去することが主目的である。活性炭吸着はCO
Dに対する規制が特に厳しい場合に採用され、色度の除
去も目的とする。
【0010】図11は通常生物処理と高度処理を組み合
わせた従来の最新鋭屎尿処理フロー図である。この従来
例では、高度処理方式として活性炭吸着法が使用されて
いる。まず、屎尿Gを砂沈殿槽8に通して夾雑物を除去
し、その後、通常生物処理装置NBに導入する。この通
常生物処理装置NBは、生物処理槽10と脱窒槽12と
微生物分離膜14から構成されている。
【0011】生物処理槽10では、活性汚泥処理により
好気的に有機物を二酸化炭素とアンモニアに分解し、更
にこのアンモニアを亜硝酸を経て硝酸にまで分解する。
次に、脱窒槽12に炭素源としてメタノールを添加し、
嫌気的に硝酸性窒素を窒素分子に変換して大気中に放出
する。更に、微生物分離膜14によりポリオレフィン仕
様の管型限外ろ過膜を用いて微生物を分離し、通常処理
水NWだけを高度処理装置HTに放出する。
【0012】高度処理装置HTは、無機凝集剤によりリ
ンを凝集させる凝集処理槽16と、このリン凝集物をポ
リスルホン仕様の管型限外ろ過膜により分離する凝集物
分離膜18と、活性炭により着色成分を除去する活性炭
槽20と、最後に次亜塩素酸塩により滅菌処理する滅菌
槽22から構成される。滅菌された処理水は高度処理水
HWとして自然界に放流される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図11の従来処理フロ
ーでは、高度処理として活性炭吸着法が用いられている
が、活性炭は極めて高価であるため、着色物質の除去に
運転経費のかなりの部分を要するという弱点がある。活
性炭は上水道の高度処理に使用される上質の材料であ
り、下排水の高度処理に適用するには高価過ぎると云わ
ねばならない。
【0014】凝集分離や砂ろ過は活性炭吸着法に代替で
きるほどの高度処理能力を有しているとは現状では云え
ない。オゾン酸化法においては、オゾン発生設備にコス
トがかかり過ぎる欠点を有している。この他に、光触媒
を用いた着色物質の除去研究も行なわれているが、活性
炭にとって代わるほど光触媒は安価ではない。つまり、
活性炭に代わる、或いは活性炭の使用量を減らすような
革新的で安価な着色成分の除去方法は、現在のところ報
告がほとんど無い。
【0015】従って、本発明の目的は、活性炭処理やオ
ゾン処理などに代わって、下排水の難分解性物質、特に
その着色成分を分解処理する新規で独創的な微生物処理
方法を提案するものである。つまり、本発明の目的は、
難分解性物質を分解する新規な微生物及びこの微生物を
用いた下排水処理方法を提案することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ペニ
シリウム属糸状菌LM12(FERM P―1819
4)からなることを特徴とする難分解性物質を分解する
微生物である。
【0017】請求項2の発明は、ペニシリウム属糸状菌
LM12(FERM P−18194)を反応槽で培養
し、この反応槽に下排水を導入して下排水中の難分解性
物質を分解処理することを特徴とする下排水処理方法で
ある。
【0018】請求項3の発明は、固形分を除去するため
に下排水を沈澱処理し、有機物を分解するために下排水
を生物処理した後、この下排水を前記反応槽に導入して
残留する難分解性物質を分解する請求項2に記載の下排
水処理方法である。
【0019】請求項4の発明は、炭素源としてグルコー
スを前記反応槽に投入する請求項2又は3に記載の下排
水処理方法である。
【0020】請求項5の発明は、窒素源として硫酸アン
モニウムを前記反応槽に投入する請求項2又は3に記載
の下排水処理方法である。
【0021】請求項6の発明は、あらかじめ培養してお
いた前記LM12株を反応槽に投入する請求項2又は3
に記載の下排水処理方法である。
【0022】請求項7の発明は、培地を置換しながら前
記LM12株を反復培養する請求項2又は3に記載の下
排水処理方法である。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明者等は、下排水中の難分解
性物質、特にその着色成分の分解方法を鋭意研究した結
果、着色成分等の難分解性物質を分解する新規な微生物
を発見し、この発見に基づいて難分解性物質を分解する
下排水処理方法を想到するに到った。
【0024】近年、環境汚染の問題が深刻化する中、汚
染の主体である難分解性物質もある種の微生物によって
分解されてゆく事例が報告されている。例えば、ポリア
クリルアミド、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコー
ル、ポリビニルアルコール、芳香族塩素化物、ニトロベ
ンゼン、ポリウレタン、ナイロン、ポリエチレンの生分
解の報告がある。
【0025】そこで、本発明者等は屎尿の脱色を行なう
微生物の探索を行なうことにした。各地の下水処理場で
採取した下水や汚泥から得られた菌、研究室に保管して
ある菌、外国で採取した菌などを試験管で培養した。こ
の後、試験管内の培養液に屎尿を混合し、この菌を培養
増殖させる中で屎尿の脱色を示した菌を選別して屎尿脱
色菌とした。この屎尿脱色菌の中で、屎尿の脱色率が最
も高かった糸状菌を本発明における屎尿脱色菌とした。
【0026】本発明者等は、以後この屎尿脱色菌をLM
12株と称する。まず、このLM12株をツァペック・
ドックス寒天培地及び麦芽エキス寒天培地上で増殖させ
て、LM12株が菌類の中でも糸状菌であることを確認
した。また、形態観察からアオカビの一種であることも
確認された。
【0027】次に、このアオカビの属と種を決定するた
めに、特に形態学的試験が行なわれた。その結果、以下
のような形態学的特長が明らかになった。(1)子嚢世
代を形成しない、(2)生子柄は幾分不規則に分枝し、
分枝、メトレ、フィアライドからなる複輪生のペニシリ
を形成する、(3)ペニシリは不規則に分枝し、基底の
分枝とメトレは広角度に散開分枝する、(4)菌核を形
成しない、(5)集落は胞子が着生するまで白色・綿毛
状、(6)発達した集落表面は灰緑色、裏面はオレンジ
・レッド、(7)胞子は球形〜亜球形で表面は粗面、大
きさは約3μm、(8)集落の大きさは10日で直径約
6cm。
【0028】以上の結果、LM12株はPenicillium属
(ペニシリウム属)に属するアオカビの一種であること
が確認され、更に種の同定を行なった。しかし、極めて
近接した公知の種が存在したが、微細な形態学的特長に
おいて不一致もあり、種までの完全な同定には成功しな
かった。そこで、以下ではこの糸状菌をペニシリウム属
LM12株と称する。
【0029】これまでペニシリウム属糸状菌による屎尿
の脱色作用は全く報告されていない。従って、本発明は
屎尿脱色作用を有する新規なペニシリウム属LM12株
の発見と、この屎尿脱色作用を利用して、下排水中の難
分解性物質を分解処理する下排水処理方法である。
【0030】本発明に係るペニシリウム属LM12株
は、工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM P
−18194として既に寄託されている。従って、この
菌株は工業技術院生命工学工業技術研究所から所定の手
続に従って入手することができる。
【0031】本発明に係るLM12株は屎尿を脱色する
作用を有し、屎尿の色は胆汁色素の色であるから、LM
12株は胆汁色素を分解脱色する作用を有すると考えら
れる。胆汁色素はビリルビンなどの複数の難分解性色素
からなり、LM12株が難分解性を有すると考えられて
いた胆汁色素の分解能力を有するということは、他の難
分解性物質の分解可能性を有することをも意味する。
【0032】そこで、本発明者等はLM12株をリグニ
ンを含んだ排水の脱色工程に利用したところ、リグニン
を分解して脱色作用を有することを確認した。従って、
LM12株は屎尿、リグニン排水など各種の有色排水の
脱色処理に利用できることが分かり、一般の難分解性物
質の分解処理に利用できることが確認された。
【0033】LM12株の炭素源としては各種の炭素含
有物質が利用できるが、その中でもグルコース、グリセ
リンが好適である。また、窒素源としても各種の窒素含
有物質が利用できるが、その中でも硫酸アンモニウムが
好適である。特に、グルコースと硫酸アンモニウムを屎
尿の中に同時に添加したときに、屎尿の脱色効果が最も
顕著に発現することも分かった。
【0034】LM12株が着色物質を吸着しているの
か、分解しているのかについて鋭意検討した結果、着色
物質を菌体表面に吸着するだけでなく、吸着物質を菌体
内で分解脱色していることが分かった。つまり、LM1
2株は吸着と分解の同時作用により下排水の脱色を達成
しており、そのうち分解作用が本質的であると考えられ
る。
【0035】LM12株による下排水の脱色時間を短縮
するためには、LM12株をあらかじめ所定時間だけ培
養しておき、この培養菌を下排水中に投入することが必
要である。菌体の着色物質分解能力は培養開始後一定時
間経過してから急激に増大する傾向を示すことが分かっ
ている。従って、下排水に菌を植種してから培養すれ
ば、菌体が分解能力を獲得する時間だけ未分解状態が継
続する。この待機時間は分解の遅れ時間となる。従っ
て、菌体をあらかじめ培養して分解能力を増大させてお
き、この分解能力が増大した菌体を下排水に投入すれ
ば、直ちに分解が始まり、分解時間の短縮を図ることが
できる。
【0036】LM12株による下排水の脱色作用が所定
段階まで進行した後、栄養源を添加してLM12株の菌
体増殖を図っても、脱色はそれ以上進展し難いことが分
かった。従って、LM12株の菌体数が所定以上に増殖
する前に、栄養源を下排水に添加して菌体の増殖を図る
ことが重要である。つまり、この初期菌体量が多いほ
ど、脱色に要する時間を短縮することができる。
【0037】LM12株は反復培養するたびに脱色に要
する時間が短縮する性質を有することが分かった。LM
12株を培養しながら下排水を脱色し、一定の脱色度に
達した後、増殖したLM12株を洗って再び新しい培地
に移して下排水を脱色させ、以後この操作を反復する。
この結果、当初脱色に要する時間は16〜20時間であ
ったものが最終的には2時間程度に短縮することが可能
となることが分かった。LM12株のこの性質を利用す
れば、屎尿処理などの下廃水処理プロセスを短縮でき、
大量の下廃水処理を実現することができる。
【0038】
【実施例】以下に、本発明に係る難分解性物質を分解す
る微生物及びこれを用いた下排水処理方法の実施例を図
面に従って詳細に説明する。
【0039】[実施例1:LM12株の選別と同定]脱色
微生物の選別には高い着色度の液を用いる必要がある。
そこで、屎尿色素を含有した液体培地は次のように調製
された。屎尿処理工程の最終ステップで色素を吸着した
活性炭から着色成分を溶出させ、400nmの吸光度が
0.8〜1.0になるようにその濃度を調整した。この
調整液にグルコースと硫酸アンモニウムを夫々5.0g
/L及び0.6g/Lの濃度になるように溶解させ、塩
酸でpHを6.5に調整した。このようにして得られた
液体を5mLずつ試験管に分注して殺菌し、液体培地を
調製した。
【0040】LM12株を選別するために利用したサン
プルは、札幌市内から集めた土壌サンプル、下水処理場
で採取した下水と汚泥、他の研究者から提供していただ
いた菌、研究室に保管してある菌、フィリピン国で採取
した菌など多数に及ぶ。これらのサンプルの一白金耳を
5mLの前記液体培地の入った試験管に接種し、往復振
とう培養器(TA100R,高崎科学)により120r
pm、30℃で10日間継続して振とう培養した。増殖
の認められたサンプルを逐次継代培養し、培養期間を2
日間に短縮できるようになった糸状菌をLM12株とし
て分離した。
【0041】LM12株の保存と胞子接種のための寒天
斜面培養には、0.1g/Lの酵母エキスを補ったポテ
トデキストロース寒天培地(PDA培地)を使用した。
LM12株の分類と同定のための平板培地には、ツァペ
ック・ドックス寒天培地、麦芽エキス寒天培地を使用し
た。
【0042】LM12株の脱色特性を詳細に分析するた
め、以後の試験では、単離されたLM12株を20mL
の液体培地を含む100mL容の三角フラスコで培養
し、脱色の経時変化からLM12株の脱色作用を判定し
た。
【0043】[実施例2:硫酸アンモニウム濃度の影響]
屎尿の脱色試験において用いられる培地の窒素源には各
種窒素化合物が利用できる。ここでは、窒素源として硫
酸アンモニウムの有効性を試験した。屎尿サンプルは通
常処理水NWであるから、BODと窒素分はほとんど含
まれていない。培地の炭素源としてはグルコースを用
い、この培地に添加される硫酸アンモニウムの濃度の影
響を調べた。
【0044】図1は種々の硫酸アンモニウム濃度に対す
る培養液の色度(Color)とpHの経時変化を示してい
る。出発pHは塩酸により約6.5に調整され、色度は
分光光度計(UV−260、島津製作所)により波長4
00nmで測定された。硫酸アンモニウム濃度は●0g
/L(無添加)、○0.15g/L、▽0.3g/L、
◆0.6g/L、△1.2g/L、□2.4g/Lの6
種類である。
【0045】図1からわかるように、無添加では脱色せ
ず、0.15g/Lと0.3g/Lの硫酸アンモニウム
添加では28時間で30%の脱色をして色度もpHもほ
ぼ一定になった。0.6、1.2及び2.4g/Lの硫
酸アンモニウム濃度では、12時間の無反応時間を経過
した後脱色が進行し、16時間で50%の脱色を示し、
ほぼ一定値になった。脱色と同時にpHも6.5から2
付近にまで低下した。従って、硫酸アンモニウム濃度は
0.6g/L以上であることが望ましく、以後の試験で
は硫酸アンモニウム濃度は0.6g/Lに設定された。
【0046】[実施例3:グルコース濃度の影響]LM1
2株を培養するには種々の炭素源が利用できるが、最も
望ましいものはグルコースであった。グルコースの屎尿
脱色に及ぼす影響を調べるため、グルコース濃度を変化
させて培養した。屎尿サンプルには窒素分はほとんどな
いため、窒素源として硫酸アンモニウムを添加した。
【0047】図2は種々のグルコース濃度に対する培養
液の色度とpHの経時変化を示している。初発pHは
6.5に調整され、色度は前記分光光度計により波長4
00nmで測定された。グルコース濃度は●0g/L
(無添加)、○1.0g/L、△2.5g/L、◆5.
0g/L、□10.0g/Lの5種類である。
【0048】図2から分かるように、無添加では脱色せ
ず、1.0g/Lのグルコース濃度では20時間で30
%の脱色をして色度もpHもほぼ一定になった。2.
5、5.0及び10.0g/Lのグルコース濃度では、
12時間の無反応時間を経過した後脱色が進行し、20
時間で50%の脱色を示し、ほぼ一定値になった。脱色
と同時にpHも6.5から3付近に低下した。グルコー
ス濃度が5.0g/L以上で屎尿の脱色が速かったこと
から、以後の試験ではグルコース濃度は5.0g/Lに
設定された。
【0049】[実施例4:設定培養条件下での脱色試験]
この実施例では、最良の設定培養条件下で液体培地の脱
色試験を行った。窒素源である硫酸アンモニウムの濃度
は0.6g/Lに、炭素源であるグルコースの濃度は
5.0g/Lに設定された。培養温度は種々に変更して
調べた結果、30℃が最適であることが分かり、30℃
を設定温度とした。また、初発pHも種々に変更して試
験した結果、6.5が最適pHとなった。従って、設定
培養条件は、硫酸アンモニウム濃度=0.6g/L、グ
ルコース濃度=5.0g/L、培養温度=30℃、初発
pH=6.5である。
【0050】図3は設定培養条件下における色度・pH
・乾燥菌体重量の経時変化を示している。○は波長40
0nmで得られた色度、□はpH、△は乾燥菌体重量
(g/L)を示す。ここで、乾燥菌体重量の測定は以下
のように行われる。まず、培養物を培養液と菌糸に分け
るが、少量のろ過には注射器の先にろ過膜(GA55、
東洋ろ紙)をセットしたものを用い、多量のろ過には吸
引ろ過を行う。次に、分離された菌糸を乾燥機(DX−
58、ヤマト科学)を用いて60℃で乾燥させ、この乾
燥重量を測定する。
【0051】図3から分かるように、屎尿、即ち液体培
地の脱色については20時間で40%以上の脱色を示し
た後一定になり、pHも6.5から3付近にまで低下し
た。菌体量は12時間の遅滞期を経た後直線的に増加
し、24時間まで増加した。菌体量がほとんど増加しな
い遅滞期は色度とpHの低下も極めて小さい。菌体量と
脱色力とpHには緊密な相関性があると考えられる。
【0052】屎尿を含む液体培地のスペクトルを観察し
たところ、脱色の進行に伴い、測定した全ての領域の吸
光度が低下したが、特定の波長の顕著な変化は観察でき
なかった。従って、測定された色度は液体培地中に含ま
れる屎尿着色物質の総括的な量に比例すると考えられ
る。また、脱色がpHの低下と平行して起こったことか
ら、pHによる吸光度の差を調べたところ、8から2の
pH領域で僅かの差しか存在しなかった。即ち、測定さ
れた着色度は屎尿着色物質量にのみ依存し、信頼できる
結果を与えるものと判断される。
【0053】LM12株による屎尿の脱色が着色物質の
分解か、菌糸表面への吸着かを調べるために、実施例4
で24時間培養して脱色が終了した菌糸をろ過により集
めて、100mLの脱イオン水に懸濁させ、10分間振
とうした。それから、ろ過して溶媒の着色を測定した。
溶媒抽出により溶媒に色がついた。従って、屎尿中の着
色物質が菌糸表面に吸着されていることが分かった。
【0054】培養前の液体培地の色は0.58で、脱イ
オン水に現れたのはその3.8%、即ち色では0.02
2である。また、24時間培養後の培養液の色は0.4
4であるから、LM12株により分解処理された色は
0.14である。脱イオン水に現れた色の量はLM12
株で処理された量の16%でしかないことが分かった。
このことから、大部分の着色物質はLM12株により分
解されていると判断でき、LM12株はまず着色成分を
吸着し、細胞に取り込んで分解するものと思われる。
【0055】[実施例5:事前培養による脱色時間の短
縮化]脱色の進行に際し、12時間の遅滞期が観察され
たことから、この遅滞時間を短くして脱色時間を短縮さ
せることを計画した。100mL容の三角フラスコに2
0mLの液体培地を入れ、LM12株の胞子を接種後、
12〜24時間培養した培養液を100mLの液体培地
の入った500mL容の三角フラスコに投入した。この
培養液の色度の経時変化が観察された。
【0056】図4は菌糸の前培養が本培養に与える脱色
効果図である。菌糸の前培養時間は、○12時間、▽1
6時間、□20時間、△24時間の4種類が選ばれた。
事前培養時間が12時間の場合には4時間の遅滞期が観
察されたが、前培養時間が長くなるに従って遅滞期が短
縮することが分かった。しかし、脱色終了時の脱色率は
全てのケースで50%であった。このことから、前培養
した菌糸を投入すると脱色時間を短縮することができる
ことが分かった。
【0057】[実施例6:培養開始後の栄養分の追加的
添加]屎尿を含有した液体培地の着色度を更に低下させ
るために、培養中に消費される栄養分を新たに培地に添
加して、屎尿の脱色に及ぼす影響を調べた。栄養分を添
加する時期は脱色が一応終了して吸光度がほぼ一定にな
った時期を選んだ。脱色率が一定になった後、栄養分の
追加的添加によって脱色率が更に低下するかを確認する
ためである。
【0058】図5は脱色終了後における栄養分の追加的
添加による屎尿の脱色効果図である。培養開始から24
時間経過すれば脱色は一応終了し、脱色率はほぼ一定に
達している。そこで培養開始から、24時間後、32時
間後、40時間後に栄養分を追加的に添加した。添加す
る栄養分は、0.5gの粉末状のグルコースと、0.0
6gの粉末状の硫酸アンモニウムである。
【0059】図中、●は無添加(対照)、△は24時間
目添加、□は24・32時間目の2日の添加、○は24
・32・40時間目の3日の添加を示す。これらの各ケ
ースについて60時間培養したが、脱色率とpHの挙動
は無添加の場合と比較してもそれほど変わらず、脱色率
は50%程度、pHは6.5から約2に低下するだけで
ある。つまり、一度脱色が終了するとそれ以上脱色は進
行しないことが分かった。
【0060】各ケースにおいて菌体量の増加率を確認す
るため、培養開始から60時間後の乾燥菌体の重量(g
/L)を測定し、その結果を表1に示す。 表1 <栄養物を追加的添加したときの菌体乾燥重量> <栄養物添加時期(時間目)> <乾燥菌体重量(g/L)> 無添加(対照) 1.7 24 3.9 24と32 5.7 24、32と40 6.3
【0061】表1に示される通り、栄養分を添加する
と、菌体量は増加していることが分かる。しかし、菌体
量が増加しても更なる脱色率の低下は認められず、脱色
の促進には繋がっていない。このメカニズムのこれ以上
の詳細は現在のところ不明である。
【0062】[実施例7:初期投入菌体量の影響]LM1
2株による脱色処理により、着色度(吸光度でもよい)
の更なる低下は困難であることが分かった。そこで脱色
速度の増加、つまり脱色時間の短縮化を図るために、脱
色に及ぼす初期投入菌体量の影響を調べた。
【0063】胞子を接種してから、24時間の事前培養
を行った後、100mL、200mL及び400mLの
培養物をそれぞれろ過し、それらの菌糸を液体培地10
0mLで洗ってから、再び新しい液体培地100mLに
移して培養した。3種類の培地の初期菌体量を1倍量、
2倍量及び4倍量と呼んでおく。
【0064】図6は3種類の初期投入菌体量による屎尿
の脱色効果図である。○は100mL培地(1倍量)、
●は200mL培地(2倍量)、△は400mL培地
(4倍量)である。1倍量では、3.5時間で0.6か
ら0.38に脱色した。2倍量の菌糸を投入した場合、
2時間で0.65から0.48に脱色した。4倍量の菌
糸を投入した場合、1.5時間で0.68から0.45
に脱色した。しかし、3種類とも正味の吸光度の減少は
大差なかった。
【0065】図6の曲線の接線勾配はその時点の脱色速
度を与えるので、これらの曲線の最大勾配からそれぞれ
の場合の最大脱色速度を求め、菌体乾燥重量1g/L当
たりの最大脱色速度を比脱色速度として算定した。従っ
て、脱色速度の単位は1時間当たりの吸光度差(ΔOD
400/hr)であり、比最大脱色速度の単位は、1時間
・1g/L当たりの吸光度差(ΔOD400/(hr・L
・g菌体量))になる。
【0066】最大脱色速度と最大比脱色速度の結果を表
2に纏めて示す。 表2 <最大脱色速度と最大比脱色速度> <サンプル> <最大脱色速度> <最大比脱色速度> 1倍量 0.091 0.042 2倍量 0.15 0.034 4倍量 0.26 0.029
【0067】表2から分かるように、菌体量が2倍に増
えると最大脱色速度は1.6倍、4倍に増えると2.9
倍になった。最大比脱色速度は菌体量が2倍に増えると
0.81倍、4倍に増えると0.69倍になった。この
ことから、投入する初期菌体量が多いと菌体重量当たり
の脱色速度は低下するが、脱色に要する時間(脱色時
間)は短くて済むことが分かった。
【0068】[実施例8:菌体の繰り返し培養による屎
尿の脱色]LM12株による屎尿の脱色時間を更に短縮
させるために、LM12株の菌糸の繰り返し培養を試験
した。つまり、LM12株を液体培地に接種して液体培
地を十分に脱色し、この培養物中の菌糸を分離して新し
い液体培地に移したときに、この新しい液体培地の脱色
時間が短縮するかどうかを試験した。
【0069】図7は菌糸の繰り返し培養による屎尿の脱
色効果図である。培養開始から24時間目と32時間目
に栄養分を間欠的に2回添加し、48時間培養後に菌体
をろ過で集め、新しい培地100mLに置換したとこ
ろ、2時間で50%脱色し、pHも6.5から3にまで
低下した。脱色終了後、菌糸を別の新しい培地に置換し
たところ、同様に2時間で50%脱色した。更に、脱色
時間の短縮効果を確認するため、もう一度菌糸を置換し
ても同様の結果を示した。繰り返し培養により、脱色時
間が一気に2時間に短縮するという素晴らしい結果を与
えた。
【0070】[実施例9:多数回の反復回分培養による
屎尿の脱色]菌糸の繰り返し培養回数(置換回数)を更
に増加することにより、屎尿の色度変化及び脱色時間の
挙動を試験した。胞子接種後から24時間培養を行った
後、脱色が終了する毎に菌糸をろ過し、次々と新しい液
体培地に置換して長時間培養を続けた。色度が0.4以
下に達する毎に培養物をろ過し、菌糸を液体培地100
mLで洗ってから新しい液体培地に置換した。
【0071】図8は菌糸の多数回の反復回分培養による
屎尿の脱色効果図である。○は色度、□はpHを示す。
1回目の置換で4.5時間かかっていた脱色時間が、2
回目の置換で3時間、3・4回目の置換で2.5時間、
5回目以降の培地置換で脱色時間は2時間になった。5
回目以降、連続10回の培地置換で脱色時間は2時間で
あったことから、以降の長期間の置換でも脱色時間は2
時間で済むと考えられる。
【0072】いずれの場合も、初期pH6から最終pH
4に低下した。測定期間中、培地置換時の脱色率も平均
40%を維持し、菌体を何度も繰り返し使用できること
を確認した。従って、この処理法は、屎尿の高度処理に
おいて、活性炭の使用量を半分程度減らすことに貢献
し、脱色も最初16時間から20時間掛かっていたの
が、最終的には2時間で終了するまでになった。この事
実から、LM12株を実際の屎尿処理プロセスに組み込
んでも、処理時間を遅らせることはないと考えられ、実
用化の目処が立った。
【0073】[実施例10:屎尿脱色への過酸化水素の
影響]前記実施例でLM12株がリグニンを分解するこ
とを確認した。LM12株がリグニンペルオキシダーゼ
を生産していれば過酸化水素存在下で脱色が促進される
はずであり、この実施例によりこのことを確認する。
【0074】白色腐朽菌は天然の褐色の難分解性有機化
合物リグニンを分解することは広く知られている。白色
腐朽菌は細胞外にリグニンペルオキシダーゼ類、マンガ
ンペルオキシダーゼ類を分泌し、これらの酵素がリグニ
ンの分解と脱色に関与している。これら酵素は過酸化水
素を基質の一つとしてリグニンを酸化する。白色腐朽菌
のように、LM12株がリグニンペルオキシダーゼを生
産していれば、過酸化水素の添加で脱色が促進されるは
ずである。
【0075】LM12株による屎尿の脱色処理におい
て、リグニン分解菌のような酵素を生産しているかどう
かを確認するため、過酸化水素を添加して脱色が促進さ
れるかどうか試験した。LM12株の胞子を接種して2
4時間培養後、100mLの培養液をろ過し、菌糸を1
00mLの液体培地で洗ってから、新しい培地に置換し
た。この際に、新しい培地に過酸化水素を1mMになる
ように添加した。過酸化水素濃度は波長240nmの吸
光度により測定した。
【0076】図9は過酸化水素の添加の有無による屎尿
の脱色効果図である。○は1mM過酸化水素の添加、□
は過酸化水素の無添加を示す。色度とpH(図示せず)
の時間経過から、過酸化水素による脱色の促進は見られ
なかった。過酸化水素の添加と無添加に依らず、5時間
で40%脱色し、pHは8から4に減少した。この結
果、過酸化水素は促進に影響しないことが分かった。屎
尿の脱色において、LM12株は培地に添加した過酸化
水素を利用しないと考えられる。
【0077】[実施例11:下廃水処理の一例]図10は
本発明に係るLM12株を下廃水処理に適用した浄化シ
ステムである。反応槽2の中には固定化されたLM12
株が配置されている。この反応槽2の中にpH調整剤P
と栄養塩類Nが添加されてLM12株を最適状態で培養
し、更にこの反応槽2に下排水Gが流入する。LM12
株は下排水Gの中の難分解性物質を分解し、分解された
下排水Gは処理水槽4に移送される。
【0078】下排水Gは処理水槽4から固液分離槽6に
移送され、ここで固体物が分離されて、浄化された処理
水Dが自然環境に放出される。未だ分解されない下排水
Gがフィードバック流Fとして反応槽2に還流する。こ
の浄化システムを通して、下排水GはLM12株により
浄化され、処理水Dとして自然環境に流出してゆく。
【0079】本発明は上記実施形態及び実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範
囲における種々の変形例、設計変更などをその技術的範
囲内に包含するものである。
【0080】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、屎尿やリグニ
ンその他の難分解性物質を分解するペニシリウム属糸状
菌LM12株(FERM P−18194)が本発明者
等により発見され、この菌株を用いることによって通常
手段では困難な難分解性物質を簡単に微生物分解するこ
とができる。
【0081】請求項2の発明によれば、ペニシリウム属
糸状菌LM12株(FERM P―18194)を培養
した反応槽に下排水を導入するだけで下排水中の難分解
性物質を分解処理でき、従来使用されてきた高価な活性
炭処理やオゾン処理などに代えて使用できるなど、安価
で確実な下廃水処理を実現できる。
【0082】請求項3の発明によれば、下廃水の高度処
理や最終処理に前記LM12株を使用するから、難分解
性物質の分解処理を確実に行うことができる。
【0083】請求項4の発明によれば、グルコースを炭
素源として用いるから、LM12株による脱色条件を好
適状態に保持でき、脱色の効率化を図ることができる。
【0084】請求項5の発明によれば、硫酸アンモニウ
ムを窒素源として用いるから、LM12株による脱色条
件を好適状態に保持でき、脱色効率の最適化を図ること
ができる。
【0085】請求項6の発明によれば、事前培養してお
いた前記LM12株を反応槽に投入するから、LM12
株が直ちに難分解性物質を分解し始め、脱色時間の短縮
化を図ることができる。
【0086】請求項7の発明によれば、培地を置換しな
がら前記LM12株を反復培養するから、脱色時間の短
縮化を実現でき、下排水の効率的な浄化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々の硫酸アンモニウム濃度に対する培養液の
色度(Color)とpHの経時変化を示している。
【図2】種々のグルコース濃度に対する培養液の色度と
pHの経時変化を示している。
【図3】設定培養条件下における色度・pH・乾燥菌体
重量の経時変化を示している。
【図4】菌糸の事前培養が本培養に与える脱色効果図で
ある。
【図5】脱色終了後における栄養分の追加的添加による
屎尿の脱色効果図である。
【図6】3種類の初期投入菌体量による屎尿の脱色効果
図である。
【図7】菌糸の繰り返し培養による屎尿の脱色効果図で
ある。
【図8】菌糸の多数回の反復回分培養による屎尿の脱色
効果図である。
【図9】過酸化水素の添加の有無による屎尿の脱色効果
図である。
【図10】本発明に係るLM12株を下廃水処理に適用
した浄化システムである。
【図11】通常生物処理と高度処理を組み合わせた従来
の最新鋭屎尿処理フロー図である。
【符号の説明】
2は反応槽、4は処理水槽、6は固液分離層、8は砂沈
殿槽、10は生物処理層、12は脱窒槽、14は微生物
分離膜、16は凝集処理槽、18は凝集物分離膜、20
は活性炭槽、22は滅菌槽、Dは処理水、Fはフィード
バック流、Gは下排水、HTは高度処理装置、HWは高
度処理水、Nは栄養塩類、NBは通常生物処理装置、N
Wは通常処理水、PはpH調整剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12N 1/14 (C12N 1/14 A C12R 1:80) C12R 1:80)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペニシリウム属糸状菌LM12(FER
    M P−18194)からなることを特徴とする難分解
    性物質を分解する微生物。
  2. 【請求項2】 ペニシリウム属糸状菌LM12(FER
    M P−18194)を反応槽で培養し、この反応槽に
    下排水を導入して下排水中の難分解性物質を分解処理す
    ることを特徴とする下排水処理方法。
  3. 【請求項3】 固形分を除去するために下排水を沈澱処
    理し、有機物を分解するために下排水を生物処理した
    後、この下排水を前記反応槽に導入して残留する難分解
    性物質を分解する請求項2に記載の下排水処理方法。
  4. 【請求項4】 炭素源としてグルコースを前記反応槽に
    投入する請求項2又は3に記載の下排水処理方法。
  5. 【請求項5】 窒素源として硫酸アンモニウムを前記反
    応槽に投入する請求項2又は3に記載の下排水処理方
    法。
  6. 【請求項6】 事前培養しておいた前記LM12株を反
    応槽に投入する請求項2又は3に記載の下排水処理方
    法。
  7. 【請求項7】 培地を置換しながら前記LM12株を反
    復培養する請求項2又は3に記載の下排水処理方法。
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