JP3996415B2 - 着色成分を含む難分解性物質を分解する微生物及びこれを用いた下排水処理方法 - Google Patents

着色成分を含む難分解性物質を分解する微生物及びこれを用いた下排水処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は屎尿、下水、埋立排水、染色排水などからなる家庭用排水・産業用排水の下排水処理方法に関し、更に詳細には、下排水中に含有される着色成分・COD成分・ダイオキシン類などの難分解性物質を分解処理する新規な微生物及びこの微生物を用いて着色成分を含む難分解性物質を分解する下排水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
大きく分けると、下排水は家庭用排水と産業用排水からなり、公共下水道に排出されて集中浄化処理される場合もあれば、より小さなミニ下水道による浄化処理もあり、また各家庭や各事業所の個別浄化装置で浄化処理されることもある。
【0003】
公共下水道は、主として市街地において排出される下水を処理するためのもので、家庭から排出される屎尿・生活排水、工場・事業所から排出される汚水、その他雨水を受け入れ、終末処理場で生物処理を行なっている。しかし、公共下水道の普及率は欧米と比べるとまだまだ低い水準にあるのが現状である。
【0004】
コミュニティプラントは、住宅団地などに設置された所謂ミニ下水道で、屎尿と生活雑排水を合わせて処理している。浄化槽は、屎尿のみを処理する単独処理浄化槽と、屎尿と合わせて台所や風呂の排水を処理する合併処理浄化槽がある。
【0005】
以上は、トイレの水洗化を可能とした施設であるが、水洗化されていない各家庭の汲み取り屎尿は、主として、屎尿処理施設で処理されている。屎尿処理施設は、市町村単位で整備されている処理施設で、各家庭から収集された汲み取り屎尿や、浄化槽から排出された汚泥を集中して処理する。その処理方法は、公共下水道、コミュニティプラント等と同様に生物処理を中心としたものである。
【0006】
これらの下水処理や屎尿処理に共通した基準は、水汚染の程度を示す各種パラメータを法律による規制レベル以下にすることである。水汚染のパラメータは、▲1▼衛生的理由から問題とされる項目[化学的酸素要求量(COD)、生物学的酸素要求量(BOD)、全窒素(T−N)、全リン(T−P)、一般細菌、大腸菌類、塩素イオンなど]、▲2▼処理場の施設機能的理由から問題とされる項目[pH、硬度、浮遊物質(SS)、残留塩素など]、▲3▼人の感覚的理由から問題とされる項目[濁度、色度、透視度、臭気など]に分けられる。
【0007】
下水処理や屎尿処理において、▲1▼と▲2▼の項目は生物処理を中心とした浄化処理技術により比較的達成しやすいが、▲3▼の項目を達成するにはかなり高度の技術を必要とする。その理由は、着色成分の大部分が、活性汚泥微生物や脱窒素微生物により分解されない溶解性有機化合物や難分解性有機化合物だからである。また、このような着色成分以外に、下排水中に含まれるダイオキシンや環境ホルモン等の分解処理も緊急性を要し、これらの難分解性物質を分解処理する効果的方法の開発が課題となってきている。
【0008】
従来、これらの難分解性物質の低減化には、BOD、COD、SS、T−Pの低減も含めて、通常処理と高度処理を併用して当たっている。屎尿処理における高度処理の方式は、凝集分離、オゾン酸化、砂ろ過、活性炭吸着に分類され、目的により組み合わせて使用されている。
【0009】
凝集分離は下排水に高分子凝集剤を添加して凝集沈殿成分を除去することにより、BOD、COD、SS、T−P、濁度を低減化する技術である。砂ろ過は凝集分離で除去できなかったSSを更に除去する必要がある場合に採用される。オゾン酸化処理は色度とCODを除去することが主目的である。活性炭吸着はCODに対する規制が特に厳しい場合に採用され、色度の除去も目的とする。
【0010】
図16は通常生物処理と高度処理を組み合わせた従来の最新鋭屎尿処理フロー図である。この従来例では、高度処理方式として活性炭吸着法が使用されている。まず、屎尿Gを砂沈殿槽8に通して夾雑物を除去し、その後、通常生物処理装置NBに導入する。この通常生物処理装置NBは、生物処理槽10と脱窒槽12と微生物分離膜14から構成されている。
【0011】
生物処理槽10では、活性汚泥処理により好気的に有機物を二酸化炭素とアンモニアに分解し、更にこのアンモニアを亜硝酸を経て硝酸にまで分解する。次に、脱窒槽12に炭素源としてメタノールを添加し、嫌気的に硝酸性窒素を窒素分子に変換して大気中に放出する。更に、微生物分離膜14によりポリオレフィン仕様の管型限外ろ過膜を用いて微生物を分離し、通常処理水NWだけを高度処理装置HTに放出する。
【0012】
高度処理装置HTは、無機凝集剤によりリンを凝集させる凝集処理槽16と、このリン凝集物をポリスルホン仕様の管型限外ろ過膜により分離する凝集物分離膜18と、活性炭により着色成分を除去する活性炭槽20と、最後に次亜塩素酸塩により滅菌処理する滅菌槽22から構成される。滅菌された処理水は高度処理水HWとして自然界に放流される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図16の従来処理フローでは、高度処理として活性炭吸着法が用いられているが、活性炭は極めて高価であるため、着色物質の除去に運転経費のかなりの部分を要するという弱点がある。活性炭は上水道の高度処理に使用される上質の材料であり、下排水の高度処理に適用するには高価過ぎると云わねばならない。
【0014】
凝集分離や砂ろ過は活性炭吸着法に代替できるほどの高度処理能力を有しているとは現状では云えない。オゾン酸化法においては、オゾン発生設備にコストがかかり過ぎる欠点を有している。この他に、光触媒を用いた着色物質の除去研究も行なわれているが、活性炭にとって代わるほど光触媒は安価ではない。つまり、活性炭に代わる、或いは活性炭の使用量を減らすような革新的で安価な着色成分の除去方法は、現在のところ報告がほとんど無い。
【0015】
従って、本発明の目的は、活性炭処理やオゾン処理などに代わって、下排水中の難分解性物質、例えば着色成分・ダイオキシン・環境ホルモン・COD成分などを分解処理する新規で独創的な微生物処理方法を提案するものである。つまり、本発明の目的は、難分解性物質を分解する新規な微生物及びこの微生物を用いた下排水処理方法を提案することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願請求項1の発明は、微小孔を有するポリウレタンフォーム製の固定化担体にクラドスポリウム・クラドスポリオイデス( Cladosporium cladosporioides )DD618株(FERM P−18791)を固定して反応槽へ投入すると共に、炭素源としてグルコースを、また窒素源として硫酸アンモニウム及び又は硝酸アンモニウムを夫々反応層へ投入し、更に、前記反応槽内へ、沈澱処理により固形分を除去したあと生物処理により有機物を分解せしめた下排水を導入することにより、下排水中の着色成分物質を分解処理することを発明の基本構成とするものである。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、固定化担体から成る培地を置換しながらDD618株を反復培養するようにしたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、下排水に含まれる難分解性物質、特にその中でも難分解性の高い着色成分に着目して、その分解方法を鋭意研究した結果、着色成分等の難分解性物質を分解する新規な微生物を発見し、この発見に基づいて難分解性物質を分解する下排水処理方法を想到するに到った。着色成分が分解できれば、ダイオキシン・環境ホルモン・COD成分のような他の難分解性物質を分解する作用も当然高いと考えられる。
【0025】
近年、環境汚染の問題が深刻化する中、汚染の主体である難分解性物質も特定の微生物によって分解される事例が報告されている。例えば、アゾ系色素、フタロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、ポリウレタン、ポリエステル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ダイオキシン、2,4,6−トリニトロトルエンなどが報告されている。
【0026】
そこで、本発明者等は屎尿の脱色を行なう微生物の探索を行なうことにした。各地の下水処理場で採取した下水や汚泥から得られた菌、研究室に保管してある菌、外国で採取した菌などを試験管で培養した。この後、試験管内の培養液に屎尿を混合し、この菌を培養増殖させる中で屎尿の脱色を示した菌を選別して屎尿脱色菌とした。この屎尿脱色菌の中で、屎尿の脱色率が最も高かった糸状菌を本発明における屎尿脱色菌とした。
【0027】
本発明者等は、以後この屎尿脱色菌をDD618株と称する。まず、このDD618株を麦芽エキス寒天培地上で増殖させて、DD618株が菌類の中でも糸状菌であることを確認した。
【0028】
次に、このDD618株の属と種を決定するために、形態学的試験が行なわれた。その結果、以下のような形態学的特徴が明らかになった。
(1)分生子柄が分岐せず、隔壁部でふくれていない。
(2)分生子は出芽型分生子で、樹枝状に連なり楕円形である。
(3)胞子は射出胞子で、古い胞子には隔壁が見られる。
(4)集落は暗緑色で、波のようにしわを作って広がる。
【0029】
以上の結果、DD618株はクラドスポリウム属(Cladosporium)に属する糸状菌の一種であることが確認され、更に種の同定を行なった結果、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)であることが分った。
【0030】
これまでクラドスポリウム属糸状菌による屎尿の脱色作用は全く報告されていない。従って、本発明は屎尿脱色作用を有する新規なクラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)DD618株の発見と、この屎尿脱色作用を利用して、下排水中の着色成分を含む難分解性物質を分解処理する下排水処理方法の提案である。
【0031】
本発明に係るクラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)DD618株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターにFERM P−18791として既に寄託されている。従って、この菌株は独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターから所定の手続に従って入手することができる。
【0032】
本発明に係るDD618株は屎尿を脱色する作用を有している。屎尿の色は胆汁色素の色であるから、DD618株は胆汁色素を分解脱色する作用を有すると考えられる。胆汁色素はビリルビンなどの複数の難分解性色素から構成され、DD618株がこのような難分解性色素の分解能力を有するということは、他の難分解性物質の分解可能性を有することをも意味する。
【0033】
DD618株の培養は比較的容易であり、培養温度については20〜40℃の広範囲で培養可能であるが、屎尿の脱色効率は27℃近傍の培養温度で最大になる。また、DD618株は広範囲のpH領域で培養可能であるが、屎尿の脱色効率については初発pHが約5.7のときに最大になる。
【0034】
DD618株の炭素源としては各種の炭素含有物質が利用できるが、その中でもグルコース、グリセリンが好適である。特に、グルコース濃度が約3.0g/L近傍で屎尿の脱色効率が最大になる。また、窒素源としても各種の窒素含有物質が利用できるが、その中でも硫酸アンモニウムや硝酸アンモニウムが好適である。特に、硫酸アンモニウム濃度が約0.4g/L近傍で屎尿の脱色効率が最大になることが分かった。
【0035】
DD618株が難分解性物質を吸着しているのか、分解しているのかについて鋭意検討した結果、難分解性物質を菌体表面に吸着するだけでなく、吸着物質を菌体内で分解していることが分かった。つまり、DD618株は吸着と分解の同時作用により下排水の脱色を達成しており、そのうち分解作用が本質的であると考えられる。
【0036】
屎尿を添加した液体培地でDD618株を培養し、定期的に培地を新しいものと置換しても脱色効率はほぼ一定に保持される事が分かり、DD618株の菌体は繰り返して利用することが可能であり、耐久性の高い菌体であるといえる。
【0037】
DD618株を液体培地中で浮遊させて培養するだけでなく、固定化担体に固定して培養すれば脱色効率が向上することが分かった。即ち、担体の一種であるポリウレタンフォームを液体培地に投入して培養したところ、培地を定期的に置換しても脱色能力は低下せず、脱色時間は浮遊培養時よりも短縮することが分かった。
【0038】
DD618株を連続培養して屎尿含有液体培地を連続的に供給する場合の脱色試験を行なった。液体培地の供給速度にも依存するが、適切な供給速度を保持することによりフラスコを用いた置換培養の場合よりも屎尿の脱色速度は速くなることが分かった。従って、DD618株を用いて実際の屎尿処理プロセスにおいて連続的に脱色処理できる事が示され、DD618株が難分解性物質を含有した下排水の浄化処理に有効であることが分かった。
【0039】
【実施例】
以下に、本発明に係る着色成分を含む難分解性物質を分解する微生物及びこれを用いた下排水処理方法の実施例を詳細に説明する。
【0040】
[実施例1:DD618株の選別と同定]
屎尿を含有した液体培地は次のように調製された。生物膜で処理された屎尿サンプルに、グルコースを5.0g/L、硫酸アンモニウムを0.6g/Lの濃度になるように溶解させ、塩酸でpHを7.0に調整して液体培地を調製した。この液体培地の400nmの吸光度A400は0.7であった。このようにして得られた液体を5mLずつ試験管に分注して殺菌し、液体培地を調製した。ここで、Lはリットルを表している。
【0041】
DD618株を選別するために利用したサンプルは、札幌市内から集めた土壌サンプル、下水処理場で採取した下水と汚泥、他の研究者から提供していただいた菌、研究室に保管してある菌、フィリピン国で採取した菌など多数に及ぶ。これらのサンプルの一白金耳を5mLの前記液体培地の入った試験管に接種し、往復振とう培養器(TA100R,高崎科学)により115rpm、30℃で10日間継続して振とう培養した。増殖が認められたサンプルを逐次継代培養し、最も吸光度が低くなった菌サンプルをDD618株として分離した。
【0042】
DD618株の保存のための斜面培地には、前記液体培地に15g/Lの寒天を加えた寒天培地を使用し、胞子接種のための斜面培地には、ポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)又は麦芽寒天培地(MEA培地)を使用した。
【0043】
DD618株の培養には、液体培地100mLを含む500mLの三角フラスコを用い、滅菌水3mLを加えて胞子を遊離させた胞子懸濁液3mLを斜面培地に接種して行った。この三角フラスコを往復振とう培養器により115rpm、30℃で培養した。
【0044】
DD618株の脱色特性を分析するため、以後の試験では、単離されたDD618株を100mLの液体培地を含む500mL容の三角フラスコで培養した。この培養液を注射器の先に濾過膜(GA55、東洋濾紙株式会社)をセットして濾過し、吸光度A400の減少により脱色効率を測定した。pH測定はpHメーター(MP220、Metller toledo)を用いて行なわれた。
【0045】
[実施例2:微生物の分離条件での脱色試験]
DD618株の最適培養条件を求める前に、一般に用いられる培養条件でDD618株を培養することにした。培養条件はグルコース濃度5.0g/L、硫酸アンモニウム濃度0.6g/L、pH7.0、培養温度30℃に設定し、115rpmで振とう培養した。
【0046】
図1は微生物の分離条件でのpHと脱色の経時変化を表すグラフである。培養開始から0日、1日、2日、3日、4日、5日の各時点で培養液の吸光度A400とpHを測定した。吸光度A400が小さくなるほど色度が小さくなり、即ち透明度が高くなることを意味している。従って、本明細書における試験データは着色の度合いを吸光度A400の測定値で評価することとする。
【0047】
図中、●は色度を与え、□はpHを表している。96時間(4日間)の経過時点で72%の脱色が認められ、同時にpHは2.6にまで低下し、培養液の酸度が高くなっていることが分かる。従って、適当に設定された培養条件でありながら、DD618株の培養により、脱色が確実に生起していることが確認された。
【0048】
[実施例3:最適培養温度の導出]
DD618株の最適培養温度を調べるために、培養温度を20〜40℃の範囲に変化させて培養を行った。他の培養条件は、前述した適当条件であるグルコース濃度5.0g/L、硫酸アンモニウム濃度0.6g/L、pH7.0に設定され、115rpmで振とう培養した。
【0049】
図2は脱色に対する温度の影響を表すグラフである。培養温度は20℃、24℃、27℃、30℃、33℃、37℃、40℃の7段階に設定された。●は48時間後の吸光度A400を示し、□は72時間後の吸光度A400を示している。
【0050】
図2から分かるように、72時間後の色度は48時間後の色度より小さくなり、両グラフにおいて色度は27℃で極小を示している。従って、最適培養温度は27℃であることが実証された。培養温度が37℃を超えると、48時間後と72時間後の色度はほとんど変化無く、48時間で色度が飽和点に達していることが理解される。
【0051】
[実施例4:最適初発pHの導出]
DD618株の最適初発pHを調べるために、培養開始時のpH(初発pH)を3.3〜7.7の範囲に変化させて培養を行った。他の培養条件は、グルコース濃度5.0g/L、硫酸アンモニウム濃度0.6g/L、培養温度27℃に設定され、115rpmで振とう培養した。
【0052】
図3は脱色に対する初期pHの影響を表すグラフである。初発pHは3.3、4.6、5.7、6.9、7.7の5段階に設定された。●は48時間後の吸光度A400を示し、□は72時間後の吸光度A400を示している。
【0053】
図3から分かるように、72時間後の色度は48時間後の色度より全体的に小さくなり、両グラフにおいて色度はpH5.7で極小を示している。従って、最適の初発pHは5.7であることが実証された。
【0054】
[実施例5:グルコースの最適濃度の導出]
DD618株を培養するには栄養素として炭素源が必要となる。微生物の炭素源としてはグルコースやグリセリンその他の炭素化合物が利用されることが多い。そこで、炭素源としてグルコースを用い、グルコースの最適濃度を調べるために、グルコース濃度を0〜8.0g/Lの範囲に変化させて培養を行った。他の培養条件は、硫酸アンモニウム濃度0.6g/L、培養温度27℃、pH5.7に設定され、115rpmで振とう培養した。
【0055】
図4は脱色に対するグルコース濃度の影響を表すグラフである。グルコース濃度は0、0.5、1.0、1.5、3.0、5.0、6.5、8.0(g/L)の8段階に設定された。●は48時間後の吸光度A400を示し、□は72時間後の吸光度A400を示している。
【0056】
図4から分かるように、72時間後の色度は48時間後の色度より一様に小さくなり、脱色が進行している。グルコース無添加でも脱色は起こるが、グルコース濃度が増えるごとに色度は低下し、3.0g/Lで最も脱色が良くなり、それ以上の濃度では色度はほとんど変化しないことが分かる。従って、最適グルコース濃度は3.0g/Lであることが導出される。
【0057】
前述したように、炭素源としてはグルコース以外の炭素化合物、例えばグリセリンを使用することができる。グルコースの最適濃度が3.0g/Lであっても、他の炭素化合物の最適濃度がこの値に一致するとは限らない。従って、正確には、炭素源の変更に応じて最適濃度を測定する必要がある。しかし、他の炭素化合物を炭素源とする場合でも、3.0g/Lを一つの目安とすることができることは云うまでもない。
【0058】
[実施例6:硫酸アンモニウムの最適濃度の導出]
DD618株を培養するには栄養素として窒素源が必要になる。そこで、微生物の窒素源として一般に使用される硫酸アンモニウムを用い、硫酸アンモニウムの最適濃度を調べるために、硫酸アンモニウム濃度を0〜1.0g/Lの範囲に変化させて培養を行った。他の培養条件は、グルコース濃度3.0g/L、培養温度27℃、pH5.7に設定され、115rpmで振とう培養した。
【0059】
図5は脱色に対する硫酸アンモニウム濃度の影響を表すグラフである。硫酸アンモニウム濃度は0、0.2、0.4、0.6、0.8、1.0(g/L)の6段階に設定された。●は48時間後の吸光度A400を示し、□は72時間後の吸光度A400を示している。
【0060】
図5から分かるように、72時間後の色度は48時間後の色度より一様に小さくなり、脱色が進行している。硫酸アンモニウムの無添加でも脱色は起こるが、硫酸アンモニウム濃度が0.4g/Lまでは濃度増加に伴い脱色は速くなり、それ以上の濃度では到達色度にそれほど変化はなかった。従って、硫酸アンモニウムの最適濃度は0.4g/Lであることが導出される。
【0061】
[実施例7:硝酸アンモニウムの最適濃度の導出]
DD618株の培養窒素源として硝酸アンモニウムを用いて試験した。硝酸アンモニウムの最適濃度を調べるために、硝酸アンモニウム濃度を0〜0.8g/Lの範囲に変化させて培養を行った。他の培養条件は、グルコース濃度5.0g/L、培養温度30℃、pH7.0に設定され、115rpmで振とう培養した。
【0062】
図6は脱色に対する硝酸アンモニウム濃度の影響を表すグラフである。硝酸アンモニウム濃度は0、0.2、0.4、0.6、0.8(g/L)の5段階に設定された。●は48時間後の吸光度A400を示し、□は72時間後の吸光度A400を示している。
【0063】
図6から分かるように、72時間後の色度は48時間後の色度より小さくなり、透明度が高くなっている。硝酸アンモニウムの無添加でも脱色は起こるが、硝酸アンモニウム濃度が0.4g/Lまでは濃度増加に伴い脱色は速くなり、それ以上の濃度では到達色度に変化はほとんどない。従って、硫酸アンモニウムと同様に、硝酸アンモニウムの最適濃度は0.4g/Lであることが分かった。
【0064】
[実施例8:硫酸アンモニウムと硝酸アンモニウムの対比試験]
硫酸アンモニウムと硝酸アンモニウムの最適濃度は同じ0.4g/Lであった。そこで、両者の脱色速さを比較試験することにした。他の培養条件は、グルコース濃度3.0g/L、培養温度27℃、pH5.7に設定され、窒素源として硫酸アンモニウム濃度を0.4g/Lとした液体培地と、硝酸アンモニウム濃度を0.4g/Lとした液体培地を作成し、両者を115rpmで振とう培養した。
【0065】
図7は脱色経時変化に対する硫酸アンモニウムと硝酸アンモニウムの影響の対比を表すグラフである。色度の測定は経過日数が0、1、2、3、4、5(日)の6段階で行なわれた。●は硫酸アンモニウムの吸光度A400を示し、□は硝酸アンモニウムの吸光度A400を示している。
【0066】
図7において、硫酸アンモニウムと硝酸アンモニウムの色度曲線はほとんど一致しており、両者に脱色速さの違いはほとんど無いことが判明した。従って、窒素源として多様な窒素化合物が利用できることが示され、その代表として、以後の実験では硫酸アンモニウムを0.4g/Lの濃度で利用することにした。
【0067】
[実施例9:酵母エキスの影響試験]
屎尿の脱色において酵母エキス(Yeast extract)が必要であるかどうかを試験した。酵母エキスの濃度を0〜0.8g/Lの範囲にわたって変化させた液体培地を作成して培養試験を行なった。他の培養条件は、グルコース濃度5.0g/L、硫酸アンモニウム濃度0.4g/L、pH5.7、培養温度27℃に設定し、115rpmで振とう培養した。
【0068】
図8は脱色に対する酵母エキス濃度の影響を表すグラフである。色度の測定は、酵母エキス濃度が0、0.2、0.4、0.6、0.8(g/L)の5段階で行なわれた。●は48時間後の吸光度A400を示し、□は72時間後の吸光度A400を示している。
【0069】
図8から分かるように、72時間後の色度は48時間後の色度よりかなり低下しており、脱色が確実に進行している。しかし、色度は酵母エキスの濃度にほとんど依存せず、ほぼ一定であることが示された。このことは、液体培地に酵母エキスを添加する必要が無いことを意味する。従って、以後の試験では液体培地に酵母エキスは添加しない。
【0070】
[実施例10:最適培養条件による脱色試験]
実施例3〜実施例9によってDD618株の最適培養条件を導出した。最適培養条件はグルコース濃度3.0g/L、硫酸アンモニウム濃度0.4g/L、初発pH5.7、培養温度27℃、酵母エキス無添加である。液体培地を最適条件に設定して、115rpmで振とう培養した。
【0071】
図9は最適脱色条件下でのpH経時変化と脱色の経時変化を表すグラフである。図1では脱色時間として96時間を必要としていたが、図9では脱色時間が72時間にまで短縮できることが分かる。最適条件による培養が効果を発揮することが理解できる。以後の全ての実施例はこの最適培養条件で培養される。
【0072】
[実施例11:置換培養による屎尿の脱色試験]
この微生物は培養中に菌糸の殆んどが壁面に付着するため、菌体と使用した古い培地を分けるのはフラスコを傾けるだけでよく、置換培養には好都合であると思われる。そこで、胞子懸濁液を接種してから72時間(3日)の培養を行い、その後24時間(1日)毎に新しい液体培地100mLを置換し、この操作を繰り返し行なった。
【0073】
図10は反復置換培養での脱色経過を表すグラフである。吸光度A400が0.2に達するのに当初は3日(72時間)を要したが、置換することによって1日(24時間)に短縮できることが分かった。更に、10回の置換を繰り返しても脱色率は約70%を維持することができ、菌体の繰り返し使用が可能であることが確認された。
【0074】
[実施例12:菌体固定化による脱色の影響]
DD618株は培養中に菌糸の殆どがフラスコ壁面に付着し、置換培養を反復して行うとフラスコ壁面に沿って液面よりも上方に成長してゆく場合もあるため、菌全体では培地との接触効率が低下すると思われる。そこで、細胞を固定して固定化担体を培養液中に保持できれば、反応効率は上昇すると期待される。そのため、菌体の固定化を検討することにした。
【0075】
固定化担体として、ポアサイズの小さいポリウレタンフォーム(セル数20個/25mm)とポアサイズの大きいポリウレタンフォーム(セル数13個/25mm)の2種類を使用した。夫々のポリウレタンフォームに菌体を吸着させて菌体を固定化した。培養液はポリウレタンフォームに吸引されて菌体と接触する。
【0076】
図11は異なる孔径の担体へ固定化した細胞による脱色経過を表すグラフである。●は固定化しない浮遊菌体、□は小ポアサイズのポリウレタンフォーム、△は大ポアサイズのポリウレタンフォームを示している。
【0077】
72時間培養した後、矢印で示すように24時間毎に新しい培地100mLを置換して脱色の割合を試験した。72時間までは固定化しない方が脱色が速かったが、置換培養を始めると固定化した方が脱色が速くなった。また、小ポアサイズのポリウレタンの方が大ポアサイズよりも脱色が速く、これにより小ポアサイズのポリウレタンフォームによる菌体の固定化が有効であることが分かった。
【0078】
[実施例13:菌体固定化における担体数の影響]
固定化担体の個数を変化させることによって、菌体量の違いによる脱色の影響を調べた。胞子懸濁液3mLをポリウレタンフォームの入った100mLの培地に接種した後、72時間培養して菌体を固定化させた。その後、新たな培地100mLに菌体を固定化したポリウレタンフォームを10個、20個、40個投入し、脱色が終了する毎に新たな培地へと置換した。
【0079】
図12は固定化担体数の脱色に対する影響を表すグラフである。△印は10個の担体を含む培地、□は20個の担体を含む培地、●は40個の担体を含む培地を夫々示している。
【0080】
10個の担体の場合には、2回の置換で脱色時間は53〜55時間であった。20個の担体の場合には、4回の置換で脱色時間は24〜36時間へと短縮された。40個の担体の場合には、6回の置換で脱色時間は13〜21時間へと更に短縮された。
【0081】
図12から分かるように、培地に含まれる担体数が増加するほど脱色速度は早くなる。しかし、担体数が40個を超えると、担体の一部が培養液と接触しない場合も出現する。従って、担体数が40個の場合が脱色効果が最も高いと判断した。
【0082】
[実施例14:菌体固定化による置換培養]
菌体の固定化が脱色において有効であることが分かったため、菌体固定化による置換培養の影響を調べた。固定化担体にはポアサイズの小さなポリウレタンフォームを採用した。
【0083】
まず、胞子懸濁液3mLをポリウレタンフォーム40個の入った培地100mLに接種し、その後72時間培養して菌体をポリウレタンフォームに固定化した。その後、吸光度A400が0.22以下になる度に培地を新しいものへと置換し、この置換操作を繰り返し行なった。
【0084】
図13は固定化細胞を用いた反復置換培養による脱色経過を表すグラフである。矢印は培地の置換が行なわれたことを示している。1回目の置換では脱色に24時間掛かったが、2回目以後の置換では脱色時間が12〜15時間に短縮でき、脱色能力は置換を繰り返しても維持された。
【0085】
[実施例15:連続培養の影響]
実際の下廃水処理を念頭において、連続培養における脱色の影響について調べた。培養には、2Lのジャーファメンターを用い、培地1Lを入れ、固定化担体としてポリウレタンフォーム400個を投入した。通気速度は1vvm、攪拌速度は500rpmで連続培養が行われた。
【0086】
まず、胞子懸濁液をジャーファメンター内の1Lの培地に接種し、96時間培養することで菌体の固定化を行なった。その後、ペリスタリックポンプを用いて培地の供給を始めた。ワーキングボリュームは常に1Lになるようにペリスタリックポンプで培養液を引き抜いた。培地の供給速度はジャーファメンター内で培地が約2回入れ替わる毎に変化させた。
【0087】
図14は固定化細胞による連続培養での脱色に対する流加速度の影響を表すグラフである。まず、96時間培養後、供給速度を55mL/hにして脱色を調べた。この場合の脱色率は約60%を維持した。次に、66、83、92、112mL/hと供給速度を増加していったが、脱色率(色度)はほとんど変わらず約60%を維持した。供給速度を128mL/hにすると脱色率は50%に減少し始めた。
【0088】
フラスコを用いた置換培養では最も速くて12時間で脱色が終了したが、ジャーファメンターの連続培養では供給速度が83mL/hのときに12時間で培地が入れ替わる速さに相当する。112mL/hの供給速度では、滞留時間9時間に相当するが、この場合でも脱色率は安定していたため、フラスコの置換培養よりも脱色時間を短縮する事ができた。
【0089】
[実施例16:下排水処理の一例]
図15は本発明に係るDD618株を下排水処理に適用した浄化システムの一例である。反応槽2の中には固定化されたDD618株が配置されている。この反応槽2の中にpH調整剤Pと栄養塩類Nが添加されてDD618株を最適状態で培養し、更にこの反応槽2に下排水Gを流入させる。空気Aをバブリングさせながら、DD618株は下排水Gの中の難分解性物質を分解してゆく。
【0090】
分解処理された下排水Gはポンプ4により固液分離装置6に移送され、ここで固体物が分離され、浄化された処理水Dが自然環境に放出される。この固液分離槽6の具体例として、UF膜やMF膜を使用した膜処理装置がある。沈殿池でも構わないが設置面積が膜処理装置よりはかなり大きくなる。この浄化システムを通して、下排水GはDD618株により浄化され、処理水Dとして自然環境に放出されてゆく。
【0091】
本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内における種々の変形例や設計変更などもその技術的範囲内に包含されることは云うまでもない。
【0092】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、屎尿・ダイオキシン類・COD成分その他の着色成分を分解するクラドスポリウム・クラドスポリオイデス( Cladosporium cladosporioides )DD618株(FERM P−18791)を培養した反応槽に、下排水を導入するだけで下排水中の難分解性物質を分解処理でき、従来使用されてきた高価な活性炭処理やオゾン処理などに代えて使用できるなど、安価で確実な下排水処理を実現できる。
また、グルコースを炭素源として用いるから、DD618株による脱色条件を好適状態に保持でき、脱色の効率化を図ることができると共に、窒素源として硫酸アンモニウム及び/又は硝酸アンモニウムを用いるから、DD618株による脱色条件を好適状態に保持でき、脱色効率の最適化を図ることができる。
更に、固定化担体として微小孔を有するポリウレタンフォームを使用するから、DD618株を微小孔に確実に固定でき、ポリウレタンフォームに吸収される下排水とDD618株との接触をミクロに行う事ができ、下排水処理の効率化を図ることができる。
加えて、培地を置換しながらDD618株を反復培養することにより、下排水処理の一層の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】微生物の分離条件でのpHと脱色の経時変化を表すグラフである。
【図2】脱色に対する温度の影響を表すグラフである。
【図3】脱色に対する初期pHの影響を表すグラフである。
【図4】脱色に対するグルコース濃度の影響を表すグラフである。
【図5】脱色に対する硫酸アンモニウム濃度の影響を表すグラフである。
【図6】脱色に対する硝酸アンモニウム濃度の影響を表すグラフである。
【図7】脱色経時変化に対する硫酸アンモニウムと硝酸アンモニウムの影響の対比を表すグラフである。
【図8】脱色に対する酵母エキス濃度の影響を表すグラフである。
【図9】最適脱色条件下でのpH経時変化と脱色の経時変化を表すグラフである。
【図10】反復置換培養での脱色経過を表すグラフである。
【図11】異なる孔径の担体へ固定化した細胞による脱色経過を表すグラフである。
【図12】固定化担体数の脱色に対する影響を表すグラフである。
【図13】固定化細胞を用いた反復置換培養による脱色経過を表すグラフである。
【図14】固定化細胞による連続培養での脱色に対する流加速度の影響を表すグラフである。
【図15】本発明に係るDD618株を下排水処理に適用した浄化システムの一例である。
【図16】通常生物処理と高度処理を組み合わせた従来の最新鋭屎尿処理フロー図である。
【符号の説明】
2は反応槽、4はポンプ、6は固液分離装置、8は砂沈殿槽、10は生物処理槽、12は脱窒槽、14は微生物分離膜、16は凝集処理槽、18は凝集物分離膜、20は活性炭槽、22は滅菌槽、Aは空気、Dは処理水、Gは下排水、HTは高度処理装置、HWは高度処理水、Nは栄養塩類、NBは通常生物処理装置、NWは通常処理水、PはpH調整剤。

Claims (2)

  1. 微小孔を有するポリウレタンフォーム製の固定化担体にクラドスポリウム・クラドスポリオイデス( Cladosporium cladosporioides )DD618株(FERM P−18791)を固定して反応槽へ投入すると共に、炭素源としてグルコースを、また窒素源として硫酸アンモニウム及び又は硝酸アンモニウムを夫々反応層へ投入し、更に、前記反応槽内へ、沈澱処理により固形分を除去したあと生物処理により有機物を分解せしめた下排水を導入することにより、下排水中の着色成分物質を分解処理することを特徴とする下排水処理方法。
  2. 固定化担体から成る培地を置換しながらDD618株を反復培養するようにした請求項1に記載の下排水処理方法。
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