JP2002223115A - スロットアレーアンテナ - Google Patents
スロットアレーアンテナInfo
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- H01Q21/005—Slotted waveguides arrays
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- Waveguide Aerials (AREA)
Abstract
向を自由に変えられるようにして、アンテナの小型化を
図った。 【解決手段】 給電回路から電磁波が給電される第一の
給電口121と、この給電口121から給電された電磁
波を分配する給電導波管122とを備えた給電導波管プ
レート111と、給電導波管122で分配された電磁波
を次の管へ給電する第二の給電口132と、この給電口
132から給電された電磁波を分配する放射導波管13
3とを備えた放射導波管プレート112と、この放射導
波管プレート112の放射導波管133の電磁波を放射
するスロットを備えたスロット板113とを互いに接着
してスロットアレーアンテナを構成した。第一の給電口
121は給電導波管プレート111のほぼ中心に設け
た。
Description
テナの給電口の配置に関するものである。
パターンに配置し、単一アンテナで得られない特性をも
たせることのできるアンテナ系である。また、アレーア
ンテナを構成する各素子アンテナの位相を制御すること
によってアンテナ系全体の指向性を制御することが可能
なので、アンテナ本体を機械的に動かすことなくビーム
走査アンテナとして利用することができる。
って、各種通信機器に割り当てられた周波数帯域が不足
がちになってきており、これを補うために周波数の有効
利用とさらなる高域への移動が必要な状況となってき
た。この周波数の有効利用と高域への移動のために必要
な技術開発が緊急課題になっている。
ることがなかったミリ波が、高度道路交通システム(I
TS:Intelligent Transport System)に用いられるよ
うになる。近い将来、日本や欧米のような車社会におい
ては、ミリ波関連通信機器が家電並みに爆発的に利用さ
れるようになることが予測される。
分野で各種部品と装置のミリ波化が必要不可欠になるこ
とは必然である。この中でミリ波通信を担う最重要装置
のひとつはアンテナである。ミリ波信号を送受信できる
アンテナなしではミリ波通信は成立しない。現在、ミリ
波通信の研究開発に参加している世界中の研究機関、メ
ーカーは競って高性能なミリ波アンテナを開発してい
る。今まで開発されたミリ波アンテナの構成はさまざま
あるが、この中で特性的にかなり優れているミリ波アン
テナのひとつはスロットアレーアンテナである。
り、従来の複数のスロットアンテナを素子アンテナとし
て、あるパターンに配置したアレーアンテナである。各
スロットアンテナの寸法と配置によってある領域内に所
望の電界分布が得られる。例えば、複数の前記スロット
アンテナを二次元的に正方形領域内に配置し、一様な方
向、位相と振幅の電界分布を得ることができる。このよ
うなアンテナの放射特性は一様な電界分布を有した開口
面アンテナの放射特性と理論的にほぼ同じであるが、構
成の自由度や電界分布の均一性が開口面アンテナより優
れている。
基本構成である。図中の20はアレーアンテナの信号源
または給電口である。21はアレーアンテナを構成する
素子アンテナである。22は各素子アンテナと信号源を
結ぶ伝送路である。伝送路22は同時に位相器の役割も
果たしている。すなわち、信号源20からそれぞれの素
子アンテナまでの伝送路22の長さはそれぞれの素子ア
ンテナから放射される電磁波の位相を決定し、アレーア
ンテナ全体の放射特性に重大な影響を及ぼす。場合によ
ってさらに位相調整を必要とするときに各伝送路に直列
に位相器が追加されることもある。
レーアンテナの構成の例である。31は導波管、32は
導波管31の管壁に設けたスロットアンテナとなる細い
スロット(切り口)である。各スロット32の長さは通
常、導波管31に入力される電磁波の波長λの約半分程
度で、幅は約その20分の1程度である。図3に示され
たスロットアレーアンテナのようなスロット32の配置
は導波管31が基本モードであるTE10モードで励振
されるときで、各スロット32の長さ方向は磁界が、幅
方向は電界が分布している。
モードは特に言及しない限りすべて基本モードTE10
モードである。また、各スロットの間隔は、一般的には
図3で示すように、管内波長λgの約半分で、同じ列の
隣接しているスロットの中心間隔は導波管の管内波長λ
gと同じ程度である。
ためには、各スロットの寸法と配置を調整することによ
ってある程度実現できる。このようなスロットアレーア
ンテナは一次元的なアレーアンテナである。さらに、前
記スロットアレーアンテナを複数並列に配置すると、広
範囲で二次元的なスロットアレーアンテナを得ることが
できる。このようなスロットアレーアンテナが盛んに研
究開発され、高利得なアンテナのひとつとして理論的に
も実験的にも確認された。
ミリ波技術の基礎と応用編集委員会株式会社リアライス
社、p.140〜184、平成10年7月31日図4は
従来の二次元的なスロットアレーアンテナを示す図であ
って、スロット板とプレートを分離した状態で示す分解
斜視図である。なお、これ以降、特に言及しない限り、
二次元的なスロットアレーアンテナをスロットアレーア
ンテナと略称する。
ット板と、導波管の働きをするプレートとから構成され
ている。図中の411はスロット板、412はプレート
である。一般的に、スロット板411は薄い導体板でで
きており、その上にスロットアンテナとなるスロット
(切り口)421が複数設けられる。プレート412は
やや厚めの導体板の上にあるひとつの給電口から前記ス
ロット板上にあるすべてのスロットに入力電磁波を給電
できるように、方形の溝が設けられる。スロット板41
1とプレート412を重ねて接着すると丁度一列に並べ
られている導波管の管壁上にスロットの列ができ、系全
体がスロットアレーアンテナとなる。スロット板とプレ
ートに使われる導体の伝導率が高いほどオーミック損失
が少なく、アンテナの低損失化に貢献する。また、スロ
ット板411とプレート412の加工精度および接着精
度もアンテナの放射特性に強い影響を及ぼす。
る。スロット421の形状は、基本的に長方形である
が、加工の都合から両端にまるみをもたせたことがあ
る。上述したようにスロット421の長さは放射電磁波
の約半波長で、幅は約20分の1波長程度である。ま
た、同じ列の隣接しているスロットの中心間隔は導波管
の管内波長λgと同じ程度である。
る。図中の431は給電口である。破線の楕円で囲まれ
ている部分432は、前記スロット板411とプレート
412を接着させるとマイクロ波回路素子でいうH面分
岐になる。給電口431から入力された電磁波は、H面
分岐432において左右に電力的に同相の電磁波に二等
分される。ここでは、突起433は従来のH面分岐の整
合棒の役割を果たしている。前記H面分岐の左右につな
がっている溝は、前記スロット板411とプレート41
2を接着させると導波管になる。この導波管を給電導波
管と呼ぶことにする。この給電導波管は給電口431の
軸線に対して左右対称な構成となっている。このため、
プレート412の構造の説明は片側だけで行う。434
は放射導波管への給電口で、その寸法は給電導波管の断
面とほぼ同じ程度である。給電導波管内のうち、各給電
口434に対向する位置に突起435が設けられ、整合
棒の役割を果たしている。また、給電導波管の先端から
最終の給電口までの距離は、反射波を抑制するために管
内波長λgの約4分の1程度にする。給電導波管には、
給電口434を介して複数の放射導波管437が直交方
向に接続されている。放射導波管437は中央の壁43
6で2つに分けられている。各給電口434から入力す
る電磁波は、中央の壁436で二等分され、2本の放射
導波管437に給電される。前記スロット板とプレート
を接着させると、各放射導波管437の管壁上に複数の
スロットができ、図3で示すような一次元的なアレーア
ンテナが得られる。このような構造なので、従来の二次
元的なスロットアレーアンテナを構成する放射導波管4
37の本数は必ず4の倍数になる。所望の放射特性と使
用周波数が決定すれば、およその放射導波管の本数と各
放射導波管管壁上のスロットの数も決まるので、アンテ
ナ全体の寸法もほぼ決まる。
後のスロットアレーアンテナの斜視図である。放射導波
管内の電磁波のモードはTE10モードなので、磁界方
向はスロットの長さ方向で、電界方向はスロットの幅方
向である。図中の51はアンテナ全体の磁界方向、52
はアンテナ全体の電界方向を示している。すべてのスロ
ットは同じ方向に配置されるのでアンテナ表面付近の電
界方向はアンテナの縁を除いてほぼ52と同じ方向にな
る。したがって、52はアンテナの偏波方向と言えるわ
けである。
望まれる特性は高利得、低サイドローブレベルである
が、利用目的によって、主ビーム幅や偏波方向等にも厳
しい条件が要求されることがある。たとえば、近い将
来、本格的に導入されるであろう衝突防止用自動車レー
ダシステムには前記スロットアレーアンテナが2個必要
である。このうち、一つは送信アンテナ、他の一つは受
信アンテナとして使用される。スロットアレーアンテナ
は直線偏波を利用するため、送信波と受信波は同じ方向
に偏波し、送信アンテナと受信アンテナとは同じように
設置すればよいことになる。
動車レーダシステムを装着している車が向かってくれ
ば、自分の送信した電波が反射して戻ってきたものなの
か、相手方の送信した電波なのか、識別できないという
現象が生じる。すなわち、衝突防止用自動車レーダシス
テムに利用する電波が垂直偏波または水平偏波のときに
上述したような問題が生じてしまう。これに対して、ス
ロットアレーアンテナの偏波面を垂直方向または水平方
向に対して45°傾ければ、すなわちアンテナ本体を垂
直方向または水平方向に対して45°傾ければ、自分の
送信した電波の反射波と相手方の送信波の偏波面が互い
に直交する。このため、送信アンテナと同じように受信
アンテナを設置すれば、相手方の送信波が受信されるこ
とはない。従って、衝突防止用自動車レーダシステムの
送信アンテナと受信アンテナは、両方とも45°傾けて
実装しなければならない。
に、スロットアレーアンテナの給電口431がプレート
の端面上にあるので、仮に偏波方向を垂直方向または水
平方向に対して45°傾けるようにアンテナを実装すれ
ば、給電口の位置のために、前記衝突防止用自動車レー
ダシステムの小型化が困難になる。すなわち、給電口の
回転に伴ってこの給電口に接続された給電回路等の周辺
機器も回転されることになり、そのような周辺機器の回
転を許容するための無駄なスペースが多く生じてしま
う。
テナ本体の給電口をアンテナの裏面中心に設けて、無駄
なスペースの発生を抑制しながら、アンテナの偏波方向
を自由に変えられるスロットアレーアンテナを提供する
ことを目的とする。
に、第1の発明にかかるスロットアレーアンテナは、電
磁波が給電可能な第一の給電口と、前記第一の給電口か
ら給電された電磁波を分配可能な給電導波管と、前記給
電導波管で分配された電磁波を放射導波管へ給電可能な
第二の給電口と、給電された電磁波を遠方に放射可能な
スロットを有する放射導波管とを備えてプレート状に形
成されたスロットアレーアンテナにおいて、前記第一の
給電口を、前記プレートの一側面のほぼ中心に設けたこ
とを特徴とする。
平板の一側面のほぼ中心に設けたので、第一の給電口に
接続される給電回路等を第一の給電口の中心軸に沿って
配設することにより、アンテナを回転させても給電回路
等が大きく振れることがなくなる。この結果、給電回路
等のためのスペースを小さくすることができ、装置全体
の小型化を図ることができる。
ナは、電磁波が給電可能な第一の給電口と、前記第一の
給電口から給電された電磁波を分配可能な給電導波管と
を備えた給電導波管プレートと、前記給電導波管で分配
された電磁波を給電可能な第二の給電口と、前記第二の
給電口から給電された電磁波を分配可能な放射導波管と
を備えた放射導波管プレートと、給電された電磁波を遠
方に放射可能なスロットを備えたスロット板とからな
り、前記第一の給電口を前記給電導波管プレートのほぼ
中心に設けると共に、前記放射導波管プレートの表面と
前記放射導波管プレートの裏面とを接着させ、さらに前
記放射導波管プレートの表面と前記スロット板の裏面を
接着させたことを特徴とする。
の表面と前記放射導波管プレートの裏面を接着させると
共に、前記放射導波管プレートの表面と前記スロット板
の裏面を接着させることで、スロットアレーアンテナが
構成される。また、第一の給電口を前記給電導波管プレ
ートのほぼ中心に設けることで、給電回路等のためのス
ペースを小さくすることができ、装置全体の小型化を図
ることができる。
ナは、第2の発明にかかるスロットアレーアンテナにお
いて、前記給電導波管プレートが、前記第一の給電口と
前記給電導波管との連結部にH面分岐を形成されると共
に、前記給電導波管内の前記第一の給電口側管壁上に前
記放射導波管へ給電するときの整合棒の働きをする整合
用突起を前記第二の給電口に対向して偶数設けられ、前
記放射導波管プレートが、前記第二の給電口及び前記放
射導波管を前記給電導波管の整合用突起と同数設けら
れ、この第二の給電口と放射導波管との連結部にE面分
岐を形成されると共に、前記給電導波管のH面分岐の整
合棒の働きをする整合用突起を前記第一の給電口に対向
して設けられ、前記スロット板が、その裏面に前記放射
導波管のE面分岐の整合棒の働きをする整合用突起を前
記放射導波管と同数備えると共に、前記スロットを前記
放射導波管上にほぼ一様に分布させたことを特徴とす
る。
第二の給電口、E面分岐、整合用突起によって、第一の
給電口から給電された電磁波を放射導波管まで効率的に
伝送させることができ、スロット板のスロットで電磁波
を放射させることができると共に、その機能を維持した
状態で、給電回路等のためのスペースを小さくすること
ができ、装置全体の小型化を図ることができる。
ナは、第1ないし第3の発明のいずれかにかかるスロッ
トアレーアンテナにおいて、前記給電導波管と各放射導
波管との間に、前記第二の給電口より狭くしてインピー
ダンスを調整する給電窓を設けたことを特徴とする。
ことにより、インピーダンスを調整することができる。
ナは、第4の発明にかかるスロットアレーアンテナにお
いて、前記給電導波管プレートと前記放射導波管プレー
トの間に補助導体板を導入し、前記補助導体板のうち前
記放射導波管プレートの前記第二の給電口の一部分を遮
蔽する前記給電窓を備えたことを特徴とする。
数の補助導体板を適宜取り付けることにより、容易にイ
ンピーダンスを調整することができる。
ナは、第5の発明にかかるスロットアレーアンテナにお
いて、前記給電導波管プレートのH面分岐の整合用突起
を前記補助導体板上に設けたことを特徴とする。
体板上に設けたので、給電窓を、整合用突起に制約され
ることなく、最適なインピーダンス調整になるように寸
法設定することができる。
ナは、第1ないし第6の発明のいずれかにかかるスロッ
トアレーアンテナにおいて、前記放射導波管プレートの
前記放射導波管の本数が2の倍数であることを特徴とす
る。
倍数であるため、設計の自由度が増し、スロットアレー
アンテナを、用途に応じた機能を持たせてコンパクトに
製造することができる。
図面に基づいて説明する。
大きく分けると三つの部分、すなわち給電導波管プレー
ト、放射導波管プレート及びスロット板で構成されてい
る。これらは独立に加工され、最後に互いに位置合わせ
して接着される。接着方法としては各種のものが用いら
れる。例えば、ネジでとめる方法、導電性接着剤を用い
る方法、熔接する方法等があるが、本願発明では接着方
法を限定せず、アンテナを構成する前記三つの部分が互
いに完全に電気的に接続し、特性劣化の原因となるよう
な接続不良、すなわち、接続の隙間、過剰な接着剤の使
用等による接続不良さえなければどのような接着方法を
用いてもよい。
レート及びスロット板を分解してその裏面側から示すス
ロットアレーアンテナの分解斜視図、図8はスロットア
レーアンテナを表面側から示す分解斜視図である。図中
の111は給電口と給電導波管を備えた給電導波管プレ
ートである。112は放射導波管を備えた放射導波管プ
レートである。113はスロットを備えたスロット板で
ある。これらは互いに重ねられて前記接着方法で接着さ
れている。
ら示す斜視図、図10は給電導波管プレート111を表
面から示す斜視図である。図中の121は外部の給電回
路から電磁波が給電される第一の給電口で、給電導波管
プレート111の中心にその表裏を貫通して設けられて
いる。この給電口121はアンテナを使用するときに方
形導波管と接続するためのものであるため、給電口12
1の形状および寸法は前記方形導波管の開口面と同じよ
うに加工される。なお、アンテナの給電口と前記方形導
波管を接続させるために、給電口の周りには、ネジ穴お
よび位置合わせのピン穴(いずれも図示せず)が設けら
れている。
電された電磁波を分配する給電導波管である。この給電
導波管122の中心に給電口121が接続されている。
給電口121と給電導波管122の連結部はH面分岐1
23を形成する。給電口121の両側(左右)に位置す
る給電導波管122は対称なので、入力される電磁波は
二等分され、それぞれの導波管に給電される。さらに、
前記電磁波は、後述する放射導波管プレート112の給
電口132を通して放射導波管133に給電されること
になるが、給電口132を整合するために給電導波管内
側の管壁上の給電口132に対向する位置に整合棒の働
きをする整合用突起124が設けられている。整合用突
起124の数は前記給電口132の数と同じである。
レート112の裏面と表面を示している。図中の131
はH面分岐の整合用突起である。132は放射導波管プ
レート112の放射導波管133の第二の給電口であ
る。給電口132は、放射導波管プレート112の表面
まで貫通し、放射導波管133の中心と接続する。本実
施形態におけるスロットアレーアンテナの放射導波管1
33は給電口132を中心にして給電口132の配列と
直交する方向に設けられている。この放射導波管133
の本数は2の倍数(偶数)で、それぞれの放射導波管1
33にひとつずつ給電口132が設けられる。給電導波
管プレート111の表面と放射導波管プレート112の
裏面を接着させると、給電口132に対向する位置に整
合用突起124が配置されることになり、給電電磁波が
効率よくそれぞれの給電口132に入力される。
手方向の中心で接続され、これらの連結部はE面分岐1
34を形成している。給電口132からの入力電磁波は
電力的に左右に二等分されるが、E面分岐なので位相的
に逆相となる。しかし、スロット板113上の後述する
スロット素子142の配置の工夫ですべてのスロット素
子開口面の電磁界の方向を一様にすることができる。す
なわち、スロット素子142をスロット板113上の電
流力線または磁流力線が同じ方向に流れるところに配置
すればよい。電流力線または磁流力線は前記E面分岐の
位置と管内波長から求められる。
32の寸法を本実施形態で使用する導波管の断面より狭
くし、インピーダンス調整を行う場合もある。すなわ
ち、前記給電口132を給電窓にすることがある。この
ようなインピーダンス調整は次のような方法も考えられ
る。例えば、インピーダンス調整を行う必要があるとき
は補助導体板を用いる。前記放射導波管プレートを加工
する過程では、前記給電口132の寸法を狭くせずにそ
のままにする。前記給電導波管プレートの表面と前記放
射導波管プレートの裏面の間に比較的に薄い前記補助導
体板を導入する。この補助導体板上には、前記給電口1
32と同数、同じ配置、同じ形状の貫通穴を設けるが、
それぞれの貫通穴の寸法は前記給電口132の寸法より
小さくする。前記給電導波管プレートの表面、新しく導
入した補助導体板、前記放射導波管プレートの裏面をそ
れぞれ接着させると、前記補助導体板の貫通穴がそれぞ
れ前記給電口132の一部分を遮蔽して前記給電口13
2が給電窓として機能し、インピーダンス調整が行える
ようになる。
波管プレート111のH面分岐の整合用突起131が備
えてあるので、前記補助導体板を導入する際にはその整
合用突起131の機能を妨げないようにする。具体的に
は、前記補助導体板に設けられる貫通穴を前記インピー
ダンス調整との兼ね合いで、前記整合用突起131と同
様な寸法またはそれよりやや広く設定する。これによ
り、前記補助導体板と放射導波管プレート112の裏面
を接着させても整合用突起131が前記補助導体板の表
面から突き出して、補助導体板を導入する以前と同じよ
うに給電導波管プレートのH面分岐の整合棒の働きをす
る。また、前記補助導体板を導入しても給電導波管プレ
ート111のH面分岐の整合用突起131の機能を妨げ
ないもうひとつの方法は、整合用突起131を放射導波
管プレート112の裏面に設けるのではなく、前記補助
導体板の上に設ける手段がある。これにより、前記補助
導体板を放射導波管プレート112の裏面と接着させる
と、放射導波管プレート112の給電口132が給電窓
になると同時に給電導波管プレート111のH面分岐の
整合用突起131が所定の位置に配置されるので、前記
補助導体板に放射導波管プレート112の整合用突起1
31を通すための貫通穴を設ける必要はなくなる。
って、前記給電口132の一部分を遮蔽する貫通穴の寸
法を自由に変えられるようになるので、インピーダンス
調整が容易に行える。すなわち、さまざまな寸法の貫通
穴を備えた複数の助導体板を用意し、給電導波管プレ一
ト111と放射導波管プレート112の間に適宜選択し
た補助導体板を挿入してインピーダンス特性を測定する
ことで、実質的にインピーダンス調整が可能になると共
に、反射の少ない最適な補助導体板を選択することがで
きる。
視図、図14はスロット板をその表面から示す斜視図で
ある。図中の141は前記放射導波管プレート112の
E面分岐134の整合棒の働きをする整合用突起で、ス
ロット板113の裏面に設けられている。この整合用突
起141は、放射導波管プレート112の表面とスロッ
ト板113の裏面を接着させたときに、放射導波管プレ
ート112の各放射導波管133のE面分岐134の真
ん中に位置するように配設されている。E面分岐134
は横一列に並んでいるため、整合用突起141も横一列
に配設されている。一方、142はそれぞれの放射導波
管133のスロット素子で、このスロット素子142か
ら電磁波が放射される。スロット板113上のスロット
素子142の配置は、従来のスロットアレーアンテナの
場合のスロット素子の配置と基本的に変わらない。しか
し、従来のスロット板411の場合は、放射導波管の構
成の違いから、図5に示すように、スロット素子421
がスロット板411上の上部に偏って配置されていた
が、本実施形態では、図13及び図14に示すように、
スロット素子142はスロット板113の中央に配置さ
れている。
衝突防止用自動車レーダシステム等の送信及び受信用の
アンテナとして用いられる。
電口121の中心軸方向に配設される。これにより、ス
ロットアレーアンテナが必要に応じて回転されるとき、
スロットアレーアンテナと同じ中心軸上で回転するよう
になっている。
ナの動作は、従来のスロットアレーアンテナとほとんど
同じである。なお、ここで述べる動作の説明では、部分
的な図を用いるが、実際にスロットアレーアンテナとし
て動作するのは、給電導波管プレート111、放射導波
管プレート112およびスロット板113が完全に接着
された後である。
磁波が給電されると、電磁波はH面分岐123において
電力的に二等分された同相の電磁波に分配され、左右の
給電導波管122に給電される。前記H面分岐における
不整合損失は図11の整合用突起131の影響で低く抑
制される。前記給電導波管122の上部管壁となる放射
導波管プレート112の裏面に放射導波管133の本数
だけ給電口132が設けられているので、そこから電磁
波がそれぞれの放射導波管に給電される。このとき、各
給電口132に対向して設けられた整合用突起124の
ために不整合損失が低く抑制される。これにより、給電
口121より給電される電磁波が給電導波管122およ
び給電口132を通ってそれぞれの放射導波管133に
効率よく分配される。
管133の中央部とE面分岐134を形成するため、各
給電口132からの入力電磁波は電力的に給電口132
に対して左右に二等分されるが、E面分岐なので位相的
に互いに逆相となる。このとき、スロット板113の裏
面の各E面分岐134の整合用突起141によって給電
口132における不整合損失が低く抑制される。
板113が接着された状態では、結果的に各放射導波管
133の管壁表面側にスロット素子142が位置するこ
とになる。また、スロット素子142は、スロット素子
開口面の電磁界の方向が一様になるように、すなわち、
スロット板113上の電流力線または磁流力線が同じ方
向に流れるところに配置されるので、スロットアレーア
ンテナの表面上に、離散的ではあるが、同じ方向の電磁
界源が分布することになる。これにより、各スロット素
子142の寸法および配置次第で、遠方の特定の領域に
強力に電磁波を放射することができる。言い換えれば、
給電口121より給電された電磁波がスロットアレーア
ンテナを通して遠方の特定の領域に効率よく伝送される
わけである。
ムのように、偏波方向を調整するために装置全体を回転
させる必要があるときには、スロットアレーアンテナを
適宜回転させる。スロットアレーアンテナを回転させる
と、それに伴って給電回路等の周辺機器も回転するが、
これらはスロットアレーアンテナの中心軸上を回転する
ため、最小限のスペース内で回転する。
送信用のアンテナとして使用した場合を例に説明した
が、本発明はこれに限らず、受信用のアンテナとして使
用することもできる。
して成立するため、送信特性と受信特性はまったく同じ
になる。上述した動作ではすべて送信の場合を例に説明
したが、受信の場合は、上述した動作と逆の現象を辿る
ことになる。このため、第一の給電口121に受信回路
等の受信装置を接続して、受信アンテナとすることもで
きる。これにより、微弱な電磁波が放射導波管133に
入力すると、その電磁波は、放射導波管133、第二の
給電口132、給電導波管122を伝搬しながら上述し
た動作を逆に辿り、互いに整合して強い電磁波になっ
て、第一の給電口121から受信装置に出力する。この
結果、微弱な電磁波を効率的に受信することができると
共に、特定方向からの電磁波を効率的に受信することが
できる。
ンテナの第一の給電口121を裏面の中心に設けること
で、偏波方向を変える必要があるときに、前記給電口1
21の中心軸を中心にアンテナ全体を回転させることが
できるようになる。すなわち、従来のスロットアレーア
ンテナの場合と異なって、給電回路等の周辺機器の位置
をほとんど変えることなく所望の偏波方向を設定するこ
とができるようになる。この結果、給電回路等の周辺機
器を前記給電口121の中心軸を中心にアンテナ全体と
一緒に回転させることができるようになるため、内部の
無駄なスペースを設ける必要がほとんどなくなり、スロ
ットアレーアンテナを小型化することができる。
うな偏波方向にも簡単に対応できる構造になっている衝
突防止用自動車レーダシステムに用いる場合も、この衝
突防止用自動車レーダシステムの小型化に大きく貢献す
ることができる。
アンテナを構成する放射導波管の本数が必ず4の倍数に
なるのに対して、本願発明スロットアレーアンテナの場
合は放射導波管の本数を2の倍数にすることができるた
め、設計の自由度が従来の場合と比べて広くなり、スロ
ットアレーアンテナ自体も小型化することができる。
では、第一の給電口121を、給電導波管プレート11
1の正確な中心位置に設けたが、この給電口121は給
電導波管122に対して正確な中心位置に設けられてい
れば足り、給電導波管プレート111に対しては多少ず
れていてもよい。すなわち、給電導波管122を給電導
波管プレート111に対して適宜ずらして給電口121
の位置を調整し、給電回路等の周辺機器の回転中心に整
合させるようにしてもよい。これにより、無駄なスペー
スをさらに減らすことができる。
レーアンテナは、ミリ波通信用に適し、衝突防止用自動
車レーダシステムに限らず、この衝突防止用自動車レー
ダシステム以外のITS用アンテナや、ETCとして使
用することもできる。
で、放射利得をさらに高くすることができると共に、主
ビーム幅も鋭くなるので、パラボラアンテナのような高
利得アンテナとして使用することも可能である。例え
ば、電話通信基地局中継用アンテナ、テレビ基地局中継
用アンテナ、衛星通信用アンテナ、電波天文学の電波望
遠鏡用アンテナ等として使用することができる。
アレーアンテナでは、次のような効果を奏する。
テナの一側面のほぼ中心に設けたので、第一の給電口に
接続される給電回路等を第一の給電口の中心軸に沿って
配設することにより、アンテナを回転させても給電回路
等が大きく振れることがなくなる。この結果、給電回路
等の周辺機器のためのスペースを小さくすることがで
き、装置全体の小型化を図ることができる。
管プレートと、スロット板とからなり、給電導波管プレ
ートの表面と放射導波管プレートの裏面を接着させると
共に、前記放射導波管プレートの表面と前記スロット板
の裏面を接着させるようにしたので、容易にスロットア
レーアンテナを成型できると共に、第一の給電口を前記
給電導波管プレートのほぼ中心に設けたので、給電回路
等のためのスペースを小さくすることができ、装置全体
の小型化を図ることができる。
記第一の給電口と前記給電導波管との連結部にH面分岐
を形成されると共に、前記給電導波管内の前記第一の給
電口側管壁上に前記放射導波管へ給電するときの整合棒
の働きをする整合用突起を前記第二の給電口に対向して
偶数設けた。また、前記放射導波管プレートには、前記
第二の給電口及び前記放射導波管を前記給電導波管の整
合用突起と同数設けられ、この第二の給電口と放射導波
管との連結部にE面分岐を形成されると共に、前記給電
導波管のH面分岐の整合棒の働きをする整合用突起を前
記第一の給電口に対向して設けた。さらに、前記スロッ
ト板が、その裏面に前記放射導波管のE面分岐の整合棒
の働きをする整合用突起を前記放射導波管と同数備える
と共に、前記スロットを前記放射導波管上にほぼ一様に
分布させた。以上の構成により、H面分岐、給電導波
管、第二の給電口、E面分岐、整合用突起によって、第
一の給電口から給電された電磁波を放射導波管まで効率
的に伝送させることができ、スロット板のスロットで電
磁波を放射させることができるようになると共に、その
機能を維持した状態で、給電回路等のためのスペースを
小さくすることができ、装置全体の小型化を図ることが
できる。
の間に、給電口より狭くしてインピーダンスを調整する
給電窓を設けたので、この給電窓の寸法を調整すること
により、インピーダンスを調整することができる。
射導波管プレートとの間に比較的薄い補助導体板を導入
し、この補助導体板のうち前記放射導波管プレートの各
給電口と対向する位置に、各給電口より狭い寸法で給電
口の一部分を遮蔽する給電窓を備えたので、給電窓の寸
法の異なる複数の補助導体板を適宜取り付けることによ
り、容易にインピーダンスを調整することができる。
岐の整合用突起を前記補助導体板の給電窓の位置に設け
たので、この給電窓を、整合用突起に制約されることな
く、最適なインピーダンス調整になるように寸法設定す
ることができる。
の本数が2の倍数にしたので、設計の自由度が増し、ス
ロットアレーアンテナを、用途に応じた機能を持たせて
コンパクトに製造することができる。この結果、スロッ
トアレーアンテナを小型化することができる。
テナをその裏面側から示す分解斜視図である。
示す概略構成図である。
斜視図である。
図である。
示す平面図である。
トを示す平面図である。
す斜視図である。
テナをその表面側から示す分解斜視図である。
テナの給電導波管プレートをその裏面から示す斜視図で
ある。
ンテナの給電導波管プレートをその表面から示す斜視図
である。
ンテナの放射導波管プレートをその裏面から示す斜視図
である。
ンテナの放射導波管プレートをその表面から示す斜視図
である。
ンテナのスロット板をその裏面から示す斜視図である。
ンテナのスロット板をその表面から示す斜視図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 電磁波が給電可能な第一の給電口と、前
記第一の給電口から給電された電磁波を分配可能な給電
導波管と、前記給電導波管で分配された電磁波を放射導
波管へ給電可能な第二の給電口と、給電された電磁波を
遠方に放射可能なスロットを有する放射導波管とを備え
てプレート状に形成されたスロットアレーアンテナにお
いて、 前記第一の給電口を、前記プレートの一側面のほぼ中心
に設けたことを特徴とするスロットアレーアンテナ。 - 【請求項2】 電磁波が給電可能な第一の給電口と、前
記第一の給電口から給電された電磁波を分配可能な給電
導波管とを備えた給電導波管プレートと、 前記給電導波管で分配された電磁波を給電可能な第二の
給電口と、前記第二の給電口から給電された電磁波を分
配可能な放射導波管とを備えた放射導波管プレートと、 給電された電磁波を遠方に放射可能なスロットを備えた
スロット板とからなり、 前記第一の給電口を前記給電導波管プレートのほぼ中心
に設けると共に、 前記放射導波管プレートの表面と前記放射導波管プレー
トの裏面とを接着させ、さらに前記放射導波管プレート
の表面と前記スロット板の裏面を接着させたことを特徴
とするスロットアレーアンテナ。 - 【請求項3】 請求項2に記載のスロットアレーアンテ
ナにおいて、 前記給電導波管プレートが、前記第一の給電口と前記給
電導波管との連結部にH面分岐を形成されると共に、前
記給電導波管内の前記第一の給電口側管壁上に前記放射
導波管へ給電するときの整合棒の働きをする整合用突起
を前記第二の給電口に対向して偶数設けられ、 前記放射導波管プレートが、前記第二の給電口及び前記
放射導波管を前記給電導波管の整合用突起と同数設けら
れ、この第二の給電口と放射導波管との連結部にE面分
岐を形成されると共に、前記給電導波管のH面分岐の整
合棒の働きをする整合用突起を前記第一の給電口に対向
して設けられ、 前記スロット板が、その裏面に前記放射導波管のE面分
岐の整合棒の働きをする整合用突起を前記放射導波管と
同数備えると共に、前記スロットを前記放射導波管上に
ほぼ一様に分布させたことを特徴とするスロットアレー
アンテナ。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
のスロットアレーアンテナにおいて、 前記給電導波管と各放射導波管との間に、前記第二の給
電口より狭くしてインピーダンスを調整する給電窓を設
けたことを特徴とするスロットアレーアンテナ。 - 【請求項5】 請求項4に記載のスロットアレーアンテ
ナにおいて、 前記給電導波管プレートと前記放射導波管プレートの間
に補助導体板を導入し、 前記補助導体板のうち前記放射導波管プレートの前記第
二の給電口の一部分を遮蔽する前記給電窓を備えたこと
を特徴とするスロットアレーアンテナ。 - 【請求項6】 請求項5に記載のスロットアレーアンテ
ナにおいて、 前記給電導波管プレートのH面分岐の整合用突起を前記
補助導体板上に設けたことを特徴とするスロットアレー
アンテナ。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
のスロットアレーアンテナにおいて、 前記放射導波管プレートの前記放射導波管の本数が2の
倍数であることを特徴とするスロットアレーアンテナ。
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