JP2002221716A - 反射型液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

反射型液晶表示装置及びその製造方法

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JP2002221716A JP2001016882A JP2001016882A JP2002221716A JP 2002221716 A JP2002221716 A JP 2002221716A JP 2001016882 A JP2001016882 A JP 2001016882A JP 2001016882 A JP2001016882 A JP 2001016882A JP 2002221716 A JP2002221716 A JP 2002221716A
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Toshihiro Suzuki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ランダムな形状の反射用凹凸を簡単なプロセス
で形成する。 【解決手段】本発明は,液晶表示装置の製造方法におい
て,所定の膜厚を有する感光性樹脂層20の表面に露光
エネルギーを有する光を照射して,感光性樹脂層の厚さ
方向(または平面方向)に熱的変形特性の分布を形成し
た後,熱処理を行って感光性樹脂層20の表面にランダ
ムな凹凸MG(マイクログルーブ,微細な溝,或いは微
細な皺)を形成することを特徴とする。感光性樹脂層に
例えば遠紫外線(Deep Ultra Violet: DUV)などの露光
エネルギーを有する光を照射し,部分的に感光させて,
感光性樹脂層を部分的に変質させる。それにより,感光
性樹脂層の厚さ方向(または平面方向)に熱的変形特性
の分布を形成することができる。その後,ガラス転移温
度以上の熱処理を行うことにより,感光性樹脂層の表面
にランダムな凹凸を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,反射型液晶表示装
置及びその製造方法に関し,特に,簡単なプロセスで高
い反射率を有する散乱反射板構造を有する反射型液晶表
示装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,アクティブマトリックスを用いた
液晶パネルにおいて,軽量,薄型,低消費電力化が実現
できる反射型液晶表示装置が注目されている。反射型液
晶表示装置は,外部からの光を表示パネル内に取り込み
背面側に設けた反射板により反射させることにより,バ
ックライトを不要にし,低消費電力化を図ることができ
る。従って,携帯情報端末や携帯電話の表示装置として
有用である。
【0003】外部の光は,表示装置が使用される環境に
より異なる。従って,表示パネル内に設けられる反射板
は,ランダムな方向から入る光をランダムな方向に反射
させる光散乱反射構造であることが望まれる。
【0004】かかる反射型液晶表示装置として,凹凸を
形成した膜状に画素電極を形成して,凹凸を有する画素
電極により外光を乱反射させる構造が提案されている。
例えば,特開平5-232465号,特開平8-338993号などであ
る。これらの公報に記載された反射型液晶表示装置は,
画素電極に凹凸を形成するために,マスクパターンを利
用したフォトリソグラフィプロセスを利用したり,研磨
工程とエッチング工程の組合せを利用したりしている。
【0005】これらの従来例においては,反射電極に任
意凹凸パターンを形成することにより,高い反射率を得
ることができる。しかし,フォトリソグラフィを用いて
反射電極の形状を制御することは,プロセスが煩雑であ
る。さらに,露光条件により形状が変化すると反射特性
が大きく変化するため,製造プロセスのマージンが狭い
問題がある。
【0006】これを改善する方法として,反射電極と熱
膨張率の異なる薄膜樹脂層を用いることでプロセスを簡
略化する方法が,特開平5-80327号に開示されている。
しかし,本方法においては,有機膜形成後,加熱スパッ
タ法で金属膜を形成することにより画素電極の表面に凹
凸を形成するものである。しかし,この方法は,真空中
での加熱工程中に有機膜から脱ガスが発生し,反射膜の
膜質変化が起きたり,反射膜に反射特性を低下する微小
な凹凸が形成されるおそれがあり,実用的なプロセスで
はない。
【0007】また,特開2000-193807号には,主鎖にフ
ッ素脂肪族環構造を有するフッ素樹脂を用いて,有機膜
に微細な凹凸形状を形成する技術が開示されている。し
かし,この方法は,特殊な樹脂を用いる上に350℃と高
温でのベイク工程が必要である。さらに,本公知例で示
されているように,この樹脂自体に感光性がないため,
薄膜トランジスタに接続される画素電極に凹凸を形成す
る場合,別途,レジストをコートしてフォトリソグラフ
ィ工程により,コンタクトホールを形成する必要があ
り,プロセスが複雑になる。
【0008】更に,特願平10-253977号には,コヒーレ
ント光を照射したときに生じるスペックルの強度分布を
利用して,深さ方向の変異分布を有する凹凸を形成し
て,ランダムな凹凸分布を有する反射板を形成すること
が記載されている。しかし,この方法では,特殊な露光
装置が必要であり,露光装置自体が大がかりで高コスト
になり,現実的ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上の様に,散乱反射
電極を画素電極に利用した反射型液晶表示装置が種々提
案されているが,いずれの場合も簡単な製造プロセスで
十分な反射率を有する散乱反射電極を形成することがで
きない。更に,最適な反射電極構造を形成するために
は,例えば,凹凸の平均傾斜角度や,傾斜角度分布など
を最適な範囲に制御することが必要であるが,そのよう
な最適な構造に再現性良く制御することができる製造プ
ロセスは提案されていない。
【0010】更に,従来の反射型液晶表示装置における
反射板の凹凸の傾斜角は,特定方向からの入射光に対し
て最大の反射率が得られるように選択されている。そし
て,従来提案されている反射板は,凹凸の傾斜角度を例
えば10°〜20°に設定すること(特開平11-259018
号公報),反射板の凹凸の傾斜角を5°〜25°の均一
な角度にすること(特開平08-227071号公報),反射板
の凹凸の平均傾斜角度が30°以下であること(特開昭
56-156865号公報),凹凸の高さがガウス分布であり,
このときの凹凸の平均傾斜角度が10°であること(Tohr
u Koizumi andTatsuo Uchida, Proceedings of the SI
D, vol.29, p.157, 1988),反射板表面はなめらかな凹
凸面でありかつ凹凸平均傾斜角度が4〜15°に選ばれる
こと(特開平6-175126号公報)などである。
【0011】しかしながら,これらの従来例には,表示
パネルに対してあらゆる方向から外部の光が入射する場
合に最も反射率が高くなるかについての検討はなされて
いない。従って,従来例には,種々の環境化においても
高い反射率で外部光が反射して明るくなる反射型液晶表
示装置は提案されていない。
【0012】更に,従来例では,ノート型パソコン等の
表示パネルに入射される外部光が,ある方向においては
全方位,それとは異なる方向においては特定の方位の場
合を想定して,反射率を高くする凹凸形状については提
案されていない。
【0013】更に,レジスト膜を形成し所定のマスクパ
ターンで露光・現像した後に,ベーキング処理してレジ
スト膜の断面構造をなだらかにし,所望の傾斜面を形成
する反射板構造が,従来提案されている。しかし,かか
る製造プロセスにおいて,最適なパターン形状の提案が
なされていない。また,同じ画素領域内に指向性と散乱
性を兼ね備えた反射用凹凸形状の形成方法も提案されて
いない。
【0014】更に,反射型液晶表示装置は,外部の光を
利用するので,暗い場所で使用するためには,光源を設
ける必要がある。しかし,この光源からの光を散乱させ
て表示パネル側に入射させる構造を採用すると,その散
乱構造により表示画像がぼけて,コントラストが悪くな
るという課題がある。
【0015】そこで,本発明の目的は,製造プロセスの
間略化,歩留まり向上,製造コストの削減を実現でき,
さらに,安定して高い反射特性を実現できる反射板を形
成することができる液晶表示装置の製造方法を提供する
ことにある。
【0016】更に,本発明の別の目的は,種々の方向か
ら外部光が入射しても高い反射率を有する反射板を有す
る反射型液晶表示装置を提供することにある。
【0017】更に,本発明の別の目的は,ノート型パソ
コンなどの表示画面において高い反射率を有する反射板
を有する反射型液晶表示装置を提供することにある。
【0018】更に,本発明の別の目的は,反射用凹凸を
形成するための最適なレジスト膜のパターン形状を有す
る反射型液晶表示装置を提供することにある。
【0019】更に,本発明の別の目的は,暗い場所での
使用を可能にすると共に,通常使用時の表示画面のぼけ
をなくしてコントラストを向上させたフロントライト付
き反射型液晶表示装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに,本発明の第1の側面は,液晶表示装置の製造方法
において,所定の膜厚を有する感光性樹脂層の表面に露
光エネルギーを有する光を照射して,感光性樹脂層の厚
さ方向(または平面方向)に熱的変形特性の分布を形成
した後,熱処理を行って感光性樹脂層の表面にランダム
な凹凸(マイクログルーブ,微細な溝,或いは微細な
皺)を形成することを特徴とする。
【0021】感光性樹脂層に例えば遠紫外線(Deep Ult
ra Violet: DUV)などの露光エネルギーを有する光を照
射し,部分的に感光させて,感光性樹脂層を部分的に変
質させる。それにより,感光性樹脂層の厚さ方向(また
は平面方向)に熱的変形特性の分布を形成することがで
きる。その後,ガラス転移温度以上の熱処理を行うこと
により,感光性樹脂層の表面にランダムな凹凸を形成す
ることができる。
【0022】DUV照射は,感光性樹脂層の深さ方向の表
面側一部のみが感光する程度のエネルギー照射に制御さ
れることが好ましい。その結果,感光性樹脂層の表面側
の一定の深さまでが架橋・分解反応により変質し,表面
側領域と背面側領域とで異なる熱的変形特性を有するこ
とになる。その為,その後の熱処理時に,感光性樹脂層
の表面側と背面側との間の熱的変形特性の違いによっ
て,表面にランダムな凹凸が形成される。
【0023】或いは,DUV照射を,感光性樹脂層の表面
の一部の領域にのみ感光する程度のエネルギー照射を行
っても良い。その場合は,マスク膜を利用した露光工程
が必要になる。平面方向に熱的変形特性の分布を形成し
ても,その後の熱処理工程で平面方向に異なる熱的変形
が生じ,表面にランダムな凹凸が形成される。
【0024】上記のランダムな凹凸形状の溝と嶺のピッ
チや高低差(凹凸の荒さと細かさ)は,感光性樹脂層の
膜厚,照射エネルギーなどにより再現性良くコントロー
ルすることができる。更に,エネルギー光照射前の感光
性樹脂層への熱処理温度や時間によっても,凹凸形状を
コントロールすることができる。
【0025】例えば,感光性樹脂層の膜厚が小さいと,
凹凸の高低差は小さくピッチも小さくなり,感光性樹脂
層の膜厚が大きいと,凹凸の高低差は大きくピッチも大
きくなる。また,照射エネルギーが小さいと,凹凸の高
低差は小さくピッチも小さくなり,照射エネルギーが大
きいと,凹凸の高低差は大きくピッチも大きくなる。更
に,エネルギー光照射前の熱処理温度が低く時間が短い
と,凹凸の高低差は大きくピッチも大きくなり,熱処理
温度が高く時間が長いと,凹凸の高低差は小さくピッチ
も小さくなる。
【0026】従って,上記の条件を適宜選択することに
より,ランダムな凹凸形状を所望の形状に加工すること
ができる。しかも,そのプロセスは,エネルギー光を照
射してその後熱処理を行うという,極めて簡単なプロセ
スであり,大いに実用的である。
【0027】本発明の感光性樹脂層は,画素電極を駆動
するための薄膜トランジスタのソース電極と画素電極と
の間の絶縁膜に利用することが好ましい。その場合,画
素電極とソース電極とを接続するためのコンタクトホー
ルを形成する必要があるが,感光性樹脂層にフォトリソ
グラフィ工程を施して,部分的に露光,現像すること
で,コンタクトホールを形成することができる。そし
て,その感光性樹脂層に,上記のエネルギー光の照射と
その後の熱処理を行うことで,表面に所望のランダムな
凹凸形状を形成することができる。かかる感光性樹脂層
上に画素電極を形成することで,所望のランダムな凹凸
を有する反射型画素電極を形成することができる。
【0028】上記の感光エネルギーを有する光の照射に
代えて,酸,アルカリ溶液,4級アンモニウム塩溶液,
HMDS(Hexa-methyl-di-silazane)のうちいずれかの薬
液によるウエット処理を利用することもできる。かかる
薬液に感光性樹脂層を浸すことにより,感光性樹脂層の
表面に化学反応を起こさせ,異なる熱的変形特性を有す
る物質に変質させることができる。
【0029】上記の目的を達成するために,本発明の第
2の側面は,反射型液晶表示装置において,液晶層が形
成された基板を有し,前記基板の液晶層側に形成される
反射用凹凸の傾斜角が少なくとも0°〜20°の範囲に
分布し,前記傾斜角の存在確率が15°〜19°の範囲
でピークになることを特徴とする。
【0030】上記の反射用凹凸の傾斜角の分布を有する
場合,表示面に対してあらゆる方向から外部光が入射す
る環境化において,最も高い反射率を有することができ
る。即ち,表示面に対してあらゆる方向から外部光が入
射する積分球からの拡散光を考えた場合,液晶層内への
入射光強度は,液晶層内の入射角が30°〜38°の範
囲で最も強くなり,それ以外の入射角の範囲では入射強
度が低くなる。従って,最も入射光強度が高くなる入射
角30°〜38°の範囲の入射光を表示面の法線方向に
反射できるようにするためには,反射用凹凸の傾斜角の
存在確率が15°〜19°の範囲でピークになることが
必要である。
【0031】但し,入射角30°〜38°以外の範囲の
入射角も存在するので,それに応じて反射用凹凸の傾斜
角は,少なくとも0°〜20°の範囲にも分布すること
が好ましい。
【0032】その場合の傾斜角の分布は,液晶層内の入
射光の入射強度に対応した分布をとることがより好まし
い。例えば,表示パネルが使用される環境下の外部光の
入射状況により特定される液晶層内の入射光の入射強度
分布に対応して,反射用凹凸の傾斜角の分布を設定する
ことで,最も高い反射光量を得ることができる。
【0033】上記の目的を達成するために,本発明の第
3の側面は,反射型液晶表示装置において,液晶層が形
成された基板を有し,前記基板の液晶層側に形成される
反射用凹凸の傾斜角が,第1の方向に沿ってその存在確
率が1つのピークを有し,前記第1の方向と異なる第2
の方向に沿ってその存在確率が2つのピークを有するよ
うに分布することを特徴とする。
【0034】上記の発明によれば,例えばノート型パソ
コンの表示パネルのように一定の方向に傾けて使用され
る場合,表示パネルの水平方向では比較的広い範囲の入
射角で外部光が入射するが,表示パネルの垂直方向では
キーボードにより遮られて比較的狭い範囲の入射角で外
部光が入射する。その様な環境下では,表示パネルの水
平方向に沿っては,反射用凹凸の傾斜角分布は,存在確
率が例えば15°〜19°の範囲でピークを有し,表示
パネルの垂直方向に沿っては,反射用凹凸の傾斜角分布
は,存在確率が2つの範囲でピークを有することが好ま
しい。このように入射角の方向に応じて,反射用凹凸の
傾斜角分布を代えることで,最高の反射光量を実現する
ことができる。
【0035】上記の目的を達成するために,本発明の第
4の側面は,反射型液晶表示装置において,基板上に反
射用凹凸を有し,単一の画素領域内に,反射光について
第1の指向性と第1の散乱性を有する第1の凸部と,前
記反射光について前記第1の指向性より弱い第2の指向
性と前記第1の散乱性より強い第2の散乱性を有する第
2の凸部とがランダムに混在することを特徴とする。
【0036】上記の発明によれば,単一の画素領域内
に,指向性が強い凸部と散乱性が強い凸部とを混在させ
ることにより,入射光に対する反射光を効率的に反射す
ることができる。
【0037】上記の目的を達成するために,本発明の第
5の側面は,反射型液晶表示装置において,基板上に反
射用凹凸を有し,前記凹凸は,感光性樹脂膜により形成
され,第1の円形パターン同士が第1の距離以上離間し
て配置され,前記第1の円形パターンより小さい第2の
円形パターンが前記第1の円形パターンと前記第1の距
離未満離間して配置されていることを特徴とする。
【0038】上記の発明によれば,比較的大きな円形パ
ターンが,感光性樹脂膜の露光・現像後のポストベーク
時に合体しない程度に離間して配置されているので,設
計通りの傾斜面を形成することができる。また,大きな
円形パターンに近接して比較的小さな円形パターンを配
置しているので,傾斜面の密度を高くすることができ
る。小さな円形パターンと大きな円形パターンとがポス
トベーク時に合体しても,合体領域が狭いので,それに
よる悪影響は限られている。
【0039】上記の目的を達成するために,本発明の第
6の側面は,反射型液晶表示装置において,基板上に反
射用凹凸を有し,前記凹凸は,感光性樹脂膜により形成
され,複数の多角形パターンが隣接する多角形の辺どう
しが平行になるように配置されていることを特徴とす
る。
【0040】上記の発明によれば,感光性樹脂膜の露光
・現像後のポストベーク時に隣接するパターンが合体し
ないように,対向する辺が平行になるように配置され
る。そして,傾斜面が複数の方向に向くような多角形パ
ターンが高密度に配置されるので,傾斜面の方向のラン
ダム性を円形パターンと同等にすることができる。
【0041】上記の目的を達成するために,本発明の第
7の側面は,反射型液晶表示装置において,反射型液晶
表示パネルと,前記反射型液晶表示パネル上に設けら
れ,導光板と,該導光板の端部に配置した光源と,前記
光源が点灯した時に該導光板を伝わる光に対して光散乱
性を発現し,前記光源が非点灯時に前記光散乱性が減少
する光散乱手段とを有するフロントライトとを有するこ
とを特徴とする。
【0042】上記の発明によれば,暗い状態で使用する
時は,光源が点灯してその散乱光の入射により表示画面
を明るくし,明るい状態で使用する時は,光源が非点灯
になり外光により表示画面を明るくすると共に,光源の
光を散乱する光散乱性が減少し,それによる表示画像が
ぼけたり歪んだりすることが防止される。
【0043】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して本発明の実
施の形態例を説明する。しかしながら,かかる実施の形
態例が,本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0044】図1は,本実施の形態例が適用される液晶
表示装置の回路図の例である。背面側の絶縁基板10の
表示領域11内に,画素がマトリクス状に形成される。
画素は,駆動トランジスタT00〜Tmnと画素電極P00〜
Pmnとを有し,駆動トランジスタT00〜Tmnは,行方向
に配置された走査線S0〜Smと,列方向に配置されたデ
ータ線D0〜Dnとにそれぞれ接続される。表示領域11
の外側には,走査線を駆動する走査線駆動回路12とデ
ータ線を駆動するデータ線駆動回路13とが設けられ
る。
【0045】図2は,本実施の形態例が適用される反射
型液晶表示装置の断面図の例を示す図である。反射型液
晶表示装置は,背面側の絶縁基板10と表示側の透明基
板30との間に液晶層34が設けられ,更に,背面側の
絶縁基板10に反射電極22が形成され,表示側から入
射した外光が,反射電極22の表面で反射され,液晶層
34を通過して再度表示側に出射される構造になってい
る。
【0046】絶縁基板10上には,図示しない走査線に
接続されるゲート電極15と,絶縁層16と,半導体層
19及びデータ線に接続されるドレイン電極17とソー
ス電極18とが形成される。そして,更に,層間絶縁膜
の樹脂層20上に,画素電極である反射電極22が形成
され,反射電極22はコンタクトホールCHを介してソー
ス電極18に接続される。樹脂層20及び反射電極22
の上にはポリイミドなどからなる配向膜23が形成され
る。樹脂層22の表面には,入射光を乱反射するための
ランダムな凹凸が形成され,それに伴いその上にデポジ
ットされる画素電極(反射電極)22の表面にもランダ
ムな凹凸が形成される。
【0047】表示側の透明基板30には,全面にITO
(酸化インジウムを主成分とする材料)などの透明電極
31と配向膜32が一方に,偏光板33が他方に形成さ
れる。そして,表示側の配向膜32と背面側の配向膜2
3との間に,液晶層34が挿入される。液晶層34の液
晶分子の配向方向は,配向膜32,23の表面形状やそ
の特性に応じた方向になる。
【0048】[マイクログルーブの形成方法]図3は,
本実施の形態例における反射型液晶表示装置の製造プロ
セスの一部を示す断面図である。図3には,図2で示し
た薄膜トランジスタのソース電極18の一部が示されて
いる。図3(A)に示される通り,絶縁基板10上に絶
縁層16や薄膜トランジスタの各電極,半導体層を形成
した後,感光性樹脂20,例えばシプレイ社製汎用レジ
ストであるLC200(ノボラック系樹脂),が塗布され
る。樹脂層20は,スピナーにより膜厚0.5〜2.0μm程
度スピンコートされる。その場合の回転塗布方法は,例
えば回転数約350rpmで3秒間の回転塗布で最初のレ
ジスト層を形成し,更に回線数約800rpmで20秒間
の回転塗布で更にレジスト層を形成する。
【0049】樹脂層20の膜厚は,表面に形成されるマ
イクログルーブの凹凸の荒さ(高低差,ピッチ長)に影
響するので,適切な膜厚が選択される。後述するとお
り,感光性樹脂層20の膜厚が大きいと,凹凸はより荒
くなり(高低差大,ピッチ長大),膜厚が小さいと,凹
凸はより細かく(高低差小,ピッチ長小)なる。
【0050】その後,温度約90℃,30分間のプリベ
ーク処理を行う。このプリベーク処理では,レジストが
反応するほど温度は高くなく,多少溶剤が飛ばされる程
度である。これにより,後述するポストベーク時にレジ
スト層が熱によりだれるのを防止する。
【0051】図3(B)に示される通り,表示電極のコ
ンタクトホールを形成するために,マスク基板40を利
用した公知のステッパ露光処理,現像処理を行う。その
結果,樹脂層20のソース電極18上にコンタクトホー
ルCHが形成される。
【0052】コンタクトホールCHの形成後,感光性樹脂
層20には,ポストベーク処理が施される。ポストベー
ク処理は,例えば120℃,40分の熱処理であり,感
光性樹脂の溶剤を十分に飛ばすことが目的である。ポス
トベーク処理の温度は,感光性樹脂の感光剤が反応する
温度(例えば200℃程度)より低く,ポストベーク処
理では感光剤が反応しないようにする必要がある。ま
た,ポストベーク処理の温度は,樹脂のガラス転移温度
(例えば200℃程度)より低く,樹脂が硬化しないよ
うにする必要がある。
【0053】ポストベーク処理の温度が高く時間が長い
と,残留溶剤の量が少なくなり,マイクログルーブの凹
凸が細かくなり,逆に温度が低く時間が長いと,マイク
ログルーブの凹凸が荒くなる。従って,最適なマイクロ
グルーブの形状が形成できるように,適宜ポストベーク
処理の条件が選択される。
【0054】次に,図3(C)に示される通り,感光性
樹脂層20の表面全面に,感光するに十分な高いエネル
ギーを有する光,例えば波長λ=360nm以下の遠紫外
線(DUV)を,エネルギー約2600mj/cm2で照射する。この
DUV照射により,感光性樹脂層20の表面部分(膜厚方
向の表面側)から,感光剤が感光反応,ノボラック系樹
脂が架橋反応して,樹脂層の上層部分が変質する。その
結果,樹脂層20の表面側と裏面側とで,熱的変形特性
が異なる物質になる。このDUV照射は,例えばORC製UV
照射装置を用いて行った。
【0055】UV照射のエネルギーも,マイクログルー
ブの形状に影響を与える。エネルギーが低すぎるとマイ
クログルーブ自体が形成されないが,ある程度の閾値を
越えるエネルギーが照射されると,マイクログルーブが
形成される。その場合,照射エネルギー(単位時間当た
りのエネルギー×照射時間)が低いとマイクログルーブ
が細かく,高いと荒く形成される。従って,最適なマイ
クログルーブ形状に応じて,照射エネルギー量も選択さ
れる。
【0056】次に,図3(D)に示される通り,レジス
ト20に対して最終ベークを行う。この熱処理は,例え
ば温度200℃,時間40分程度で行われる。最終ベー
クでの熱処理の温度は,UV照射前の加熱処理(ポストベ
ーク)の温度よりも高い温度である必要がある。そし
て,最終ベークでの加熱処理を行うことにより,樹脂層
20の表面には,図示される通り,ランダムなマイクロ
グルーブMGが形成される。
【0057】最終ベークの熱処理温度は,ポストベーク
以上の温度であることが必要であり,更に,後の熱処理
工程である配向膜の焼成温度よりも十分高く,樹脂層2
0が十分に硬化することが望ましい。
【0058】その後は,図2に示される通り,アルミニ
ウムをスパッタ法または加熱蒸着法により約2000Å
程度成長させて,公知のフォトリソグラフィ法によりパ
ターンニングして画素電極22を形成する。その結果,
画素電極22の表面には,ランダムな凹凸が形成され,
光を散乱反射する反射電極として機能することになる。
そして,更に,その上全面に,例えば5000Å程度の
ポリイミドからなる配向膜23が,スピンコート及び焼
成(約120℃)により形成される。この配向膜23の
表面にも凹凸が形成され,その上に挿入される液晶層3
4の液晶分子の配向方向が凹凸の溝方向に従って配向す
ることになる。
【0059】マイクログルーブが形成される理由は,未
だ確かではないが,発明者等の知見によれば,DUV照射
により樹脂層20の表層部分が変質し,最終ベークの熱
処理で樹脂層20の表面側と背面側とが異なる熱的変形
を行い,上層と下層間のストレスに起因して,表面にマ
イクログルーブ(微細溝),又はマイクロリンクス(微
細皺)が形成されるのもと思われる。例えば,熱処理に
より,樹脂層20の背面側が収縮することにより,表面
側にマイクログルーブが形成されると考えられる。これ
は,UV照射により,樹脂層への厚さ方向における樹脂の
架橋反応レベルが異なることに起因するものと思われ
る。
【0060】このようにして形成されるマイクログルー
ブは,発明者等の実験によれば,後述するとおり入射さ
れる外光を乱反射するに必要なランダムな凹凸が形成さ
れたことが確認されている。
【0061】上記プロセスにおけるUV照射は,樹脂層
20の全面に行う代わりに,所定のマスクパターンを利
用して,平面方向の一部領域にのみ行うことでも良い。
その結果,樹脂層20には,平面方向において一部変質
し,平面方向に熱的変形特性の分布が形成される。かか
る水平方向の熱的変形特性の分布により,その後の最終
ベークでの熱処理で,同様のマイクログルーブが形成さ
れる。
【0062】更に,上記プロセスにおけるUV照射に代
えて,酸,アルカリ溶液,4級アンモニウム塩溶液,HM
DSのうちいずれかの薬液によるウエット処理を利用する
こともできる。かかる薬液に感光性樹脂層を浸すことに
より,感光性樹脂層の表面に化学反応を起こさせ,異な
る熱的変形特性を有する物質に変質させることができ
る。
【0063】本実施の形態例において,マイクログルー
ブの荒さが樹脂層20の膜厚とUV照射エネルギーによ
って制御される。図4〜図7は,感光性樹脂層20の膜
厚とUV照射エネルギーを変化させて形成されたマイク
ログルーブの表面形状の顕微鏡写真(約20倍)を示す
図である。この顕微鏡写真の反射パネルのサンプルは,
次のプロセスにより試作したものである。
【0064】パネル上にレジスト(例えばシプレイ社製
汎用レジストLC200)をスピンコート法(350rpmを3
秒間,800rpmで20秒間の二回コーティング)によ
り形成し,90℃,30分間のプリベークの後,パネル
を全面露光,現像して,所望の膜厚(2.0μm,1.7μ
m,1.4μm,1.0μm)にする。そして,120℃,4
0分間のポストベーク後に,所望のエネルギー(5200mj
/cm2,3900 mj/cm2,2600 mj/cm2,1300 mj/cm2,0 mj/
cm2)のDUV照射を行い,200℃,40分間の最終ベー
クを行った。最後に,レジスト膜上に反射膜としてアル
ミニウムを2000Å程度蒸着法にて形成した。
【0065】図4は,感光性樹脂層20の膜厚を2.0
μmにして,UV照射エネルギーを,5200mj/cm2,3900
mj/cm2,2600 mj/cm2,1300 mj/cm2,ゼロにした5個
のサンプルの顕微鏡写真である。UV照射していない場
合や照射エネルギーが1300 mj/cm2と小さいと,樹脂層
の表面にマイクログルーブが形成されていない。しか
し,照射エネルギーが1300 mj/cm2より大きい場合は,
樹脂層の表面にマイクログルーブが形成されていること
が確認される。その場合,マイクログルーブの高低差や
ピッチ長(荒さ)は,UV照射エネルギーが高いほうが
荒く(高低差大,ピッチ長大)で,照射エネルギーが低
いほうが細かい(高低差小,ピッチ長小)であることが
確認される。
【0066】樹脂層20の表面に形成されたマイクログ
ルーブの形状は,ランダムである。そして,その形状
は,写真に示される通り,緩やかな曲線の湾曲形,シャ
ープな角度の屈曲形,閉じたループ形状,Y字状の分岐
形状などが少なくとも2つ以上は混在する。本実施の形
態例のマイクログルーブは,従来の人為的に作成した一
定のマスクパターンを利用したリソグラフィ工程による
凹凸では得られない形状である。
【0067】そして,このマイクログルーブの荒さをコ
ントロールすることにより,凹凸の平均傾斜角や傾斜角
分布を適宜コントロールすることができる。
【0068】図5は,感光性樹脂層20の膜厚を1.7
μmにして,UV照射エネルギーを,5200mj/cm2,3900
mj/cm2,2600 mj/cm2,1300 mj/cm2,ゼロにした5個
のサンプルの顕微鏡写真である。レジスト層の膜厚を図
4のサンプルより小さくしたので,形成されるマイクロ
グルーブがより細かくなっていることが確認される。U
V照射エネルギーが低すぎるとマイクログルーブが形成
されないのは,図4のサンプルと同じである。
【0069】図6は,感光性樹脂層20の膜厚を1.4
μmにして,UV照射エネルギーを,5200mj/cm2,3900
mj/cm2,2600 mj/cm2,1300 mj/cm2,ゼロにした5個
のサンプルの顕微鏡写真である。この場合は,更にマイ
クログルーブが細かくなっている。
【0070】そして,図7は,感光性樹脂層20の膜厚
を1.0μmにして,UV照射エネルギーを,5200mj/c
m2,3900 mj/cm2,2600 mj/cm2,1300 mj/cm2,ゼロに
した5個のサンプルの顕微鏡写真である。この場合は,
更にマイクログルーブが細かくなり,UV照射エネルギ
ーが2600 mj/cm2でもマイクログルーブの形成が十分と
は言えなくなっていることが確認される。
【0071】以上の通り,上記20個のサンプルの表面
写真から明らかな通り,UV照射エネルギーが低くなる
に従い,マイクログルーブの凹凸形状が小さくなる。更
に,一定の基準値以上の照射エネルギーを与えないとマ
イクログルーブ自体が形成されない。また,最終ベーク
後のレジストの膜厚依存性もあり,膜厚が薄いほどマイ
クログルーブの凹凸形状が小さくなる。
【0072】図8は,更に3つの反射パネルのサンプル
のAFM像を示す図である。このサンプルは,上記と同じ
反射パネルサンプルであって,UV照射エネルギーを52
00mj/cm2一定にし,レジストの膜厚を1.7μm,1.
4μm,1.0μmにし,更に2000Åのアルミニウムの
反射膜をレジスト層上に形成したものである。
【0073】図8(A)に示されるように,感光樹脂層
であるレジスト膜の膜厚を1.7μmにしたサンプルで
は,表面のマイクログルーブの形状が大きく,凹凸の高
低差が1.3μm,平均傾斜角度が13°であることが
測定された。
【0074】図8(B)に示されるように,感光樹脂層
であるレジスト膜の膜厚を1.4μmにしたサンプルで
は,表面のマイクログルーブの形状がやや小さく,凹凸
の高低差が1.1μm,平均傾斜角度が11°であるこ
とが測定された。
【0075】更に,図8(C)に示されるように,感光
樹脂層であるレジスト膜の膜厚を1.0μmにしたサン
プルでは,表面のマイクログルーブの形状がさらに小さ
く,凹凸の高低差が0.5μm,平均傾斜角度が8°で
あることが測定された。
【0076】図8の観察結果から明らかな通り,マイク
ログルーブの形状の大小により,凹凸による平均傾斜角
も変化することが理解される。つまり,レジスト膜が薄
くなるに従い,凹凸の高低差,平均傾斜角が小さくな
る。従って,本実施の形態例の製造プロセスによれば,
平均傾斜角をコントロールすることもできる。平均傾斜
角は,反射パネルの反射率を高めるための重要な要因で
ある。従って,本実施の形態例の製造プロセスによりそ
の平均傾斜角がコントロールできることは,実用上重要
な意味を持つ。
【0077】図9は,拡散光源に対する反射膜の平均傾
斜角と反射率との関係を示すグラフ図である。図9に
は,反射パネルに入射する拡散光源として,反射パネル
に対する入射角が0°,15°,30°,45°及び0
°〜±90°の範囲の入射角分布を有する積分球の5種
類に対して,反射率Yがその反射膜の凹凸の平均傾斜角
kに依存することが示される。この依存性は,後述する
理論式から求められる。尚,凹凸による傾斜角分布は,
正規分布であり,その正規分布の平均傾斜角が理論的に
設定される。
【0078】図9の理論値から理解されるように,平均
傾斜角が15°を越えるほど大きくなると,反射膜で反
射した反射光は,反射パネルの表面側の液晶とガラス基
板との境界での角度が臨界角度を超える場合が多くな
り,反射率が低下する。一方,入射角が0°や15°の
場合は,平均傾斜角が5°より小さいほうが,反射率が
高くなるが,入射角が0°や15°の環境下で表示パネ
ルが利用されることはそれほど多くない。そこで,図9
の理論値からは,特に15°以下,好ましくは8°〜1
3°の平均傾斜角を有する反射膜が,いかなる入射光に
対しても比較的高い反射率を有することが理解される。
【0079】そこで,図8に示した3つのサンプルは,
全て平均傾斜角が8°〜13°の範囲内に入っている。
従って,本実施の形態例の製造プロセスを利用して平均
傾斜角を,反射率が高くなる範囲に制御することができ
ることが理解される。
【0080】図10は,図8の3つのサンプルに対し
て,ポストベークを行った場合(黒丸)と行わなかった
場合(白丸)のレジスト膜厚と反射率との関係を示すグ
ラフ図である。この場合の拡散光は,積分球が使用され
ている。最初に,図8の3つのサンプルで説明した通
り,ポストベークを行った場合について見ると,従来の
プロセスにより凹凸を形成した時の反射率のトップデー
タに比較して,レジスト膜厚が1.7μm,1.4μ
m,1.0μmの本実施の形態例によるサンプルは,い
ずれも高い反射率を有することが実証されている。即
ち,図9の理論値に示された通り,平均傾斜角が8°〜
15°の領域に入るように形成されたサンプルは,従来
例のトップデータより高い反射率が実現されている。
【0081】次に,図10の白丸に示されるポストベー
クを行わなかったサンプルを見ると,レジスト膜厚が厚
い領域では,従来のトップデータより低い反射率になっ
ているが,レジスト膜厚が薄い領域では高くなってい
る。この実験結果から,ポストベーク処理が反射率を上
げる上で重要であることが理解される。その理由は,お
そらく,ポストベークを行わない場合は,露光現像後の
レジスト膜内に溶剤が多く残留し,UV照射後の最終ベ
ーク工程でその残留溶剤が脱ガスとして発生し,凹凸表
面に欠陥が発生したものと推測される。
【0082】更に,最終ベークの温度は,その後の配向
膜形成の焼成温度よりも高く設定することが必要である
と推察される。即ち,最終ベーク工程で,レジスト層内
の溶剤を完全に取り去るようにして,その後の熱処理で
脱ガス現象が生じないようにする必要があることが,図
10のポストベークなしのサンプル結果から推測される
からである。
【0083】図11は,本実施の形態例により形成され
る樹脂層のマイクログルーブの凹凸形状を模式的に示す
図である。図11(A)の凹凸が荒い場合は,樹脂層2
0の表面のうねりが大きく,ピッチ長Lが長く,凹凸の
高低差Hも大きくなる。その結果,傾斜角kも大きくな
る傾向にある。一方,図11(B)の凹凸が細かい場合
は,樹脂層20の表面のうねりが小さく,ピッチ長Lが
短く,凹凸の高低差Hも小さくなる。その結果,傾斜角
kも小さくなる傾向にある。
【0084】図12は,本実施の形態例により形成され
るマイクログルーブの平面パターン例を示す図である。
前述の通り,本実施の形態例によれば,図12(A)の
湾曲パターン,図12(B)の屈曲パターン,図12
(C)のループパターン,図12(D)の分岐パターン
などが混在したマイクログルーブが,樹脂膜の表面に形
成される。
【0085】図13は,マイクログルーブを形成するた
めに必要なUV照射例を示す図である。図13(A)の
例は,樹脂層20の表面全面にUV照射される場合であ
り,その場合は,斜線で示された表面から深さ方向の一
定の深さの領域が,UV照射による感光反応により変質
する。従って,その後の最終ベークによる加熱処理によ
り,変質層と非変質層の熱変形特性の違いにより,表面
にマイクログルーブが形成されるものと思われる。
【0086】一方,図13(B)の例は,樹脂層20の
にマスクを利用したUV照射により,斜線で示した領域
が変質化される。その結果,横方向に変質層と非変質層
との分布が形成される。従って,その後の最終ベークに
よる加熱処理により,変質層と非変質層の熱変形特性の
違いにより,表面にマイクログルーブが形成されるもの
と思われる。いずれの方法でも樹脂層表面にマイクログ
ルーブが形成されるが,図13(A)のプロセスのほう
が,UV照射工程でマスクを必要としないので有利であ
る。
【0087】本発明らは,従来のマスクを利用したハー
フ露光による凹凸形成プロセスに,本実施の形態例のU
V照射して最終ベークするプロセスを適用した場合につ
いて,比較検討を行った。即ち,(1)ハーフ露光によ
る凹凸を表面に形成して更にUV照射して最終ベークす
る第1のサンプルと,(2)ハーフ露光せずにUV照射
して最終ベークする第2のサンプルと,(3)従来のハ
ーフ露光により凹凸を形成しUV照射は行わない第3の
サンプルとを試作し,それぞれの反射率を比較した。
【0088】上記の第2のサンプルは,図3等でその製
造プロセスを説明した。従って,第1のサンプルと第2
のサンプルの製造プロセスを説明する。図14は,第1
のサンプルの製造プロセスを示す断面図である。第1の
サンプルは,基板10上に前述のレジスト膜20をスピ
ンコートで塗布し,プリベークされる。そして,図14
(A)に示される通り,所定のパターンを有するマスク
42を利用して,レジスト膜20がハーフ露光される。
ハーフ露光は,レジスト膜20の膜厚方向全てを感光し
ない程度のエネルギーが弱い露光である。その後,現像
すると,図14(B)に示される通り,マスク42のパ
ターン形状の凹部がレジスト膜の表面に形成される。
【0089】そこで,第1のサンプルには,ポストベー
クの後,本実施の形態例のUV照射(例えば5200mj
/cm2)が全面に行われ,表面が変質される。そして,前
述の最終ベークが行われると,図14(C)に示される
通り,レジスト膜20の表面は,ハーフ露光によるパタ
ーンに対応した凹凸のうねりに加えて,UV照射とポス
トベークによるマイクログルーブが形成される。
【0090】第3のサンプルは,図14(B)の現像工
程の後,マイクログルーブが形成されない程度の少ない
エネルギーのUV照射(例えば1300mj/cm2)が全面
に行われる。その後最終ベークを行うと,図14(C)
の表面にマイクログルーブが形成されない凹凸が形成さ
れる。上記の小さいエネルギーのUV照射により,レジ
スト膜20のごく表面のみが変質化されるので,最終ベ
ークの加熱工程で,レジスト膜の凹凸がだれて平坦化さ
れるのが防止される。但し,UV照射エネルギーが小さ
いので,マイクログルーブは形成されない。
【0091】図15は,上記のプロセスにより形成した
第1,第2,第3のサンプルに積分球の拡散光源を照射
した時の反射率を比較したグラフ図である。図中,第1
のサンプルSM1には,複数種類のパターン形状(八角
形,四角形,十字形,五角形,ドーナツ形,三角形,楕
円,扇,八の字形)でハーフ露光したサンプルが含まれ
る。第2のサンプルSM2は,ハーフ露光で露光されな
かった領域が利用されている。第3のサンプルSM3
も,第1のサンプルと同様に複数種類のパターン形状で
ハーフ露光したサンプルが含まれる。
【0092】図15の比較例から理解されるとおり,ハ
ーフ露光工程を追加して本実施の形態例を適用した場合
も,従来のプロセスのトップデータよりも高い反射率が
得られる場合がある。但し,第2のサンプルSM2のよ
うに,ハーフ露光を行わないで本実施の形態例を適用し
た場合が,最も反射率が高くなっている。ハーフ露光工
程のみで凹凸を形成した第3のサンプルSM3は,いず
れのパターンでも反射率が低くなっている。このよう
に,本実施の形態例のUV照射して最終ベークするプロ
セスは,所定のパターンを利用したハーフ露光工程と現
像工程が付加されても,その高い反射率を実現すること
ができる。
【0093】本実施の形態例のマイクログルーブは,で
きるだけランダムな凹凸が形成されることが好ましい。
本発明者らの実験によれば,感光性樹脂層表面にUV照
射して最終ベークすると,所々に太い溝または嶺が長く
延びて形成されることが観察された。かかる凹凸は,反
射方向が一定方向に集中するなど,反射電極の乱反射機
能としては好ましくない場合がある。そこで,マイクロ
グルーブの方向や長さをある程度制御できる方法が望ま
れる。
【0094】一方,反射電極として,本実施の形態例で
は画素電極を利用している。画素電極は画素毎に分離し
て形成され,独立して電圧が印加される。そこで,本発
明者らは,感光性樹脂層を画素単位あるいはライン単位
で分離することで,上記の太い溝又は嶺が長く延びて形
成されることが防止され,画素電極内ではより均一性を
もったマイクログルーブを形成できることを見いだし
た。感光性樹脂層の分離は,完全に分離してもよく,表
面に一定の深さの溝を形成して分離してもよく,さらに
は,膜厚が一部薄くなるように形成して分離してもよ
い。ただし,画素電極は,データ線や走査線,ゲート電
極との間の容量が所定の範囲になるように設計されるの
で,かかる条件を満たす範囲で感光性樹脂層を分離する
必要がある。
【0095】図16は,感光性樹脂層の分離を説明する
図である。図16(A)(B)は,背面側基板の平面図
である。図16(A)に示される通り,背面基板表面に
は,データ線Dと走査線Sとが形成され,その交差位置
に半導体層19とソース・ドレイン電極17,18とが
形成される。そして,データ線Dと走査線Sとで区画さ
れた領域が画素領域PXになる。従って,図16(B)に
示される通り,ソース電極18と画素電極22とを接続
するためのコンタクトホールCHが形成され,画素電極2
2は,各画素領域毎に分離して設けられる。
【0096】図16(C)〜(F)は,感光性樹脂層を
分離するための分離ラインの例を示す。(C)は,走査
線Sとデータ線Dに沿って分離ライン50が形成され,
感光性樹脂層がピクセル単位(画素電極領域単位)に分
離される例である。(D)は,分離ライン50がデータ
線Dに沿って形成され,感光性樹脂層がデータ線単位に
分離される例である。(E)は,分離ライン50がデー
タ線Dに沿って形成されると共に,それと直交する方向
にも分離ライン50が形成される。この場合は,感光性
樹脂層の分離単位は,画素電極とは無関係である。
(F)は,分離ライン50が走査線Sに沿って形成され
る例である。
【0097】図17は,感光性樹脂層の分離ラインを形
成するプロセスを示す断面図である。図17(A)は,
絶縁基板10上に,ゲート電極15,絶縁膜16,半導
体層19,ドレイン・ソース電極17,18を形成し,
更に,レジストからなる感光性樹脂層20をスピンコー
トしてプリベークした状態を示す。この状態で,感光性
樹脂層20にコンタクトホールを形成するための露光工
程が行われる。そのときの露光マスク51は,コンタク
トホールに対応する領域53は光を完全に透過し,分離
ラインに対応する領域55は光を一部透過し,それ以外
の領域54は光を完全に遮断するマスクパターンを透明
基板52上に形成したものである。例えば,領域54は
クロムからなる遮光膜で形成され,領域55はモリブデ
ンシリサイドからなるハーフ露光膜で形成されることが
できる。かかる露光マスクを利用して露光すると,感光
性樹脂層20は,コンタクトホールの位置は完全に露光
され,分離ラインに対応する領域はハーフ露光される。
【0098】その後,現像を行うと,図17(B)に示
される通り,感光性樹脂層20には,樹脂層を貫通する
コンタクトホールCHがソース電極18に対応する位置
に形成され,樹脂層表面に一定の深さを持つ溝が分離ラ
イン50として形成される。コンタクトホールCHは,
狭い領域にのみ形成され,樹脂層20を分離する機能は
あまりない。しかし,分離ライン50は,少なくとも樹
脂層20の表面を分離するので,その後のUV照射して
最終ベークする工程により形成されるマイクログルーブ
に,長く延在する溝や嶺が発生するのを防止することが
できる。
【0099】図17(A)では,特殊な露光マスク51
を利用した。しかし,コンタクトホール形成用マスクで
通常の露光を行い,分離ライン形成用マスクでハーフ露
光を行うことによっても,図17(B)に示される樹脂
層のパターンニングを行うことができる。更に,分離ラ
イン形成用マスクで通常の露光を行って,分離ライン5
0で樹脂層20を完全に分離しても良い。
【0100】また,分離ライン50は,必ずしも樹脂層
20の表面側に形成する必要はない。例えば,裏面側に
形成することも可能である。その場合,絶縁層16上に
形成されるデータ線Dの存在自体が,分離ライン50の
機能を有する場合がある。データ線Dが存在する部分で
樹脂層20の厚みが一部薄くなるからである。それによ
り,マイクログルーブの形成が分断され,長く延在する
溝や嶺が形成されるのが防止される。
【0101】図17(B)に示される通り,分離ライン
50は,樹脂層20上に形成される画素電極22(図中
破線で示される)の分離領域に形成されることが望まし
い。これにより,画素電極22とゲート電極15やその
他の電極との間の寄生容量への影響を最小限に止めるこ
とができるからである。
【0102】図18は,分離ラインを形成した場合と形
成しない場合のマイクログルーブの顕微鏡写真を示す図
である。このサンプルは,前述の図6〜9のサンプルと
同じ反射板に,分離ラインを形成したものと形成しない
ものである。図18(A)が分離ラインを形成した場合
のマイクログルーブの例であり,図18(B)が分離ラ
インを形成しない場合のマイクログルーブの例である。
【0103】この写真から分かるとおり,分離ラインを
形成しない例(B)は,一部に長く延在する溝または嶺
が存在するのに対して,分離ラインを形成した例(A)
は,かかる延在する溝または嶺が存在せず,より均一な
マイクログルーブ形状になっている。
【0104】上記の実施の形態例のサンプルでは,感光
性樹脂層としてシプレイ社製汎用レジストLP200を利用
した。それ以外の感光性樹脂として,クラリアントジャ
パン社製のレジストAFP750を利用しても,同様にマイク
ログルーブが形成されることが確認された。
【0105】以上の通り,本実施の形態例では,感光性
樹脂層にUV照射などで一部変質領域を形成し,その後
熱処理を行うという簡単なプロセスで,その表面にラン
ダムな凹凸を有するマイクログルーブを形成することが
できる。しかも,そのマイクログルーブの形状や方向を
種々のプロセス条件により比較的容易にコントロールす
ることも可能である。従って,かかるマイクログルーブ
を有する樹脂層上に反射層を形成することで,反射型液
晶表示装置に有効な反射機能を実現することができる。
反射層に画素電極を利用することで,よりシンプルな反
射型液晶表示装置を実現できる。
【0106】[反射板の傾斜角分布の制御]図19は,
本実施の形態例が想定する反射型液晶表示装置が使用さ
れる実環境を示す図である。反射型液晶表示装置を使用
する環境は,様々な場所に光源が存在する。従って,あ
らゆる使用環境を考えると,図19に示すように,反射
型液晶表示装置が半球内面に配置された均一な拡散光源
下に置かれた場合を想定することが必要である。かかる
使用環境下では,表示パネルには,半球の立体角内に存
在する全ての入射光が照射されることになる。
【0107】そこで,反射型液晶表示装置に入射する光
強度Lを求めるために,図20に示されるとおり,X−
Y−Z軸と入射角θiと方位角φiとが定義される。入射
角θiは,Z軸と入射光との間の角,方位角は入射光と
X軸との間の角である。今仮に図19に示した半球(以
下積分球)の単位面積当たりの光強度をI(θii)とす
ると,その光強度dLは, dL=I(θi, φi)・dω =I(θi, φi)・ds/r2 となる。但しωは立体角を,dsは積分球の球面の単位
面積を,rは積分球の半径を表し,積分球が均一の拡散
光とすると,上記光強度Iは定数になる。
【0108】更に,入射光は入射角θiだけ斜め方向か
ら表示パネルに照射されるので,表示パネルにはsinθi
だけ減衰した光強度になり,
【0109】
【数1】
【0110】となる。単位面積dsは,図20に示され
る通り,
【0111】
【数2】
【0112】であるので,(1)式に(2)式を代入し
て,光強度dLを入射角θiを0〜π/2,方位角φiを
0〜2πに渡って積分すれば,表示パネルの入射光強度
Lは,次のように表される。
【0113】
【数3】
【0114】従って,極角θi方向から入射する光強度f
i)は(3)式の積分内の関数で表され,それは次の
ようになる。
【0115】
【数4】
【0116】この(4)式のsinθiは,単位入射角θi
毎の積分球の拡散光源の面積に起因するものであり,表
示パネルの真上(入射角θi=0)からの入射光の光源
面積は狭く(sinθi=0),表示パネルの横方向(入射
角θi=π/2)からの入射光の光源面積が広い(sinθ
i=1)ことを意味する。また,(4)式のcosθiは,
入射角による減衰成分であり,表示パネルの真上(入射
角θi=0)からの入射光の減衰度は殆どなく(cosθi
=1),表示パネルの横方向(入射角θi=π/2)か
らの入射光の減衰度が大きい(cosθi=0)ことを意味
する。
【0117】図21は,反射型表示装置に光が入射して
反射する場合を示す図である。図2で示した反射型液晶
表示装置では,表示側ガラス基板および液晶層の屈折率
nはほぼ1.5程度の値を有しているので,図21に示さ
れる通り,の反射電極を有する基板からなる反射板60
を,その上に形成される液晶層や表示側基板からなる屈
折率nの媒体61が覆う構造と仮定することができる。
すると,空気層から入射角θiで入射された入射光は,
媒体61内で入射角θi'となり,反射板60で反射角θ
o'で反射し,空気層内で反射角θoで出ていくことにな
る。
【0118】空気層から媒体61に入る時,その一部が
反射光Rとなって媒体内に入射されないので,それを考
慮すると,反射板61に入射角θi'で入射する光の強度
f(θi')は,次のように表すことができる。
【0119】
【数5】
【0120】ただし,R(θi)は上記の空気層と屈折率n
の媒体61の界面で反射する光の反射率である。そし
て,空気層での入射角θiと媒体61内での入射角θi'
との間には次のような関係が成り立つ。
【0121】
【数6】
【0122】ここで,空気層の屈折率を1,ガラスおよ
び液晶の屈折率をnとした。θiは空気層での入射角,θ
i'は液晶層内での入射角である。
【0123】図22は,反射板61に入射する光の強度
f(θi')と入射角θi'との関係を示す図であり,上記式
(5)に式(6)を代入して計算した。ただし,光強度
はI(θi, φi)=1として計算した。図22より理解され
るとおり,積分球からの均一な拡散光を仮定した場合,
反射板60に対しては,入射角θi'=0から入射角が増
大するに従い入射光強度が増大し,ある入射角θi'の範
囲で入射光強度が最大となり,入射角45°付近で入射
光強度が大きく減衰する。つまり,入射光強度が最大と
なる入射角θi'が存在し,媒体の屈折率nによってその
入射角が異なることがわかる。
【0124】図23は,図22の入射光強度が最大とな
る入射角θi'と媒体の屈折率nとの関係を示す図であ
る。図23より,液晶の屈折率nが大きいほど入射光強
度が最大となる入射角θi'が小さくなることがわかる。
そして,典型的な液晶の屈折率は1.4〜1.8程度であるこ
とから,入射光強度が最大となる入射角θi'は約30〜
38°となる。
【0125】次に,図22のような入射光強度分布を有
する入射光が,反射板61の凹凸の傾斜面で反射するこ
とを検討する。図24は,反射凹凸の傾斜面に対する入
射角,反射角,傾斜角との関係を示す図である。入射光
と反射光は,傾斜面に垂直な線に左右対称であり,ミク
ロな鏡面における局所的な入射角αは局所的な反射角β
と等しいので,傾斜角ξ,入射角θi',反射角θo'は次
のような関係になる。
【0126】
【数7】
【0127】そして,一般には表示パネルに垂直方向か
ら表示を観察することが多い。そこで,凹凸を有する反
射板に入射角iθ'で入射する光を0°方向に反射させる
ことを考えると,上記(7)式は,ξ=θi'/2とな
る。つまり,傾斜角ξを入射角θi'の1/2にすれば表
示パネルに垂直な方向に反射させることができるのであ
る。
【0128】図22に示した通り,積分球の拡散光に対
して反射板の凹凸面に入射する入射光の分布は,入射角
0〜45°の領域であるピークを有する。従って,反射
板の凹凸面の傾斜面分布も図22の光強度分布に対応し
た分布にすることが望ましい。つまり,光強度が高い入
射角に対応する傾斜角の存在確率を高くし,光強度が低
い入射角に対応する傾斜角の存在確率を低くして,全体
で反射光強度を高くすることが望ましい。
【0129】図25は,図22の入射光強度分布に対応
した傾斜角の存在確率の分布を示す図である。図25の
例は,図22の屈折率n=1.5の場合を示し,確率の総
和が1になるように規格化した。横軸が反射凹凸面の傾
斜角ξを,縦軸が存在確率(%)を示す。そこで,図2
5に示したような傾斜角の存在確率分布を有するサンプ
ルにおいて,存在確率が最大となる傾斜角を変化させた
場合の,反射率を求める。図26は,かかる反射特性の
シミュレーション結果を示す図である。具体的には,図
25に示した分布の幅wを変化させて存在確率が最大と
なる傾斜角を変化させ,そのときの反射率Yを演算し
た。
【0130】図26から明らかな通り,存在確率が最大
になる傾斜角ξ(=θi'/2)の範囲が,ξ=約15〜
19°(θi'=約30〜38°)の領域で反射率が最も
高くなることが理解される。つまり,図22に示した入
射光強度がピーク値を持つ入射角θi'=30〜38°の
入射光を,表示パネルに垂直な方向に反射できる傾斜角
ξ=15〜19°の存在確率を最も高くすることが,全
体の反射率を高めるために望ましいのである。
【0131】以上のとおり,積分球の均一な拡散光下に
おいて有効に光を反射させるためには,反射用凹凸によ
る傾斜角は約15〜19°の領域でその存在確率が最大にな
る必要があることが理論的に明らかになった。
【0132】図27は,実際に試作したサンプルを使っ
て,積分球の均一な拡散光に対する反射率を測定した結
果を示す図である。試作した反射板において,存在確率
が最大の傾斜角ξpと,測定された反射率との関係が示
される。
【0133】図28は,その試作した反射板の形成方法
を示す断面図である。まず,図28(a)に示したよう
に,ガラス基板62上にレジスト(シプレイ社製LC-20
0)63を1000〜2000rpmで20秒間スピンコートする。そ
して,90℃で30分間プリベークした後,図28(b)に示
すように,マスク64を用いて紫外線露光を行う。次
に,現像液(シプレイ社製MF319)を用いて現像を行
い,図28(c)のようにガラス基板上に凸部を形成す
る。次に,図28(d)に示すように120〜200℃で60分間
のポストベークを行い,凸部に丸みを持たせた。その
後,図28(e)に示すようにアルミニウム層65を200nm
蒸着して,反射板を作製した。
【0134】上記のように形成した反射板とガラス基板
との間に液晶層を形成し,図28(f)に示されるよう
な反射型液晶表示装置を作製した。ここで,液晶層は,
メルク社製液晶材料MJ961213を使用し,その厚みを3.5
μm径のスペーサで制御した。このように試作した反射
型液晶表示装置に,積分球を使用して,拡散光を入射さ
せた場合の反射率を測定した。更に,その試作品の反射
板の凹凸の傾斜角分布を測定し,存在確率が最大となる
傾斜角ξpも求めた。その結果が,前述の図27に示さ
れる。
【0135】この実験結果から,存在確率が最大になる
傾斜角ξpを16〜19°付近にすることで,最大の反射率
が得られていることがわかる。この実験結果は,図26
に示したシミュレーション結果を概ね裏付けている。従
来,最適値といわれてきた傾斜角が10°の場合と比較し
ても,存在確率が最大になる傾斜角ξpを16〜19°付近
にしたサンプルがより高い反射率を有することがわか
る。
【0136】図29は,反射板の凹凸を形成するため
の,マスク64のパターン例を示す図である。図29
(a)はサイズが異なる大小の円のパターンを混在させ
た例であり,図29(b)は三角形,四角形,六角形,
八角形などの多角形を混在させた例である。但し,本発
明はこれらのパターンに限定されるわけではない。
【0137】反射用凹凸の別の形成例として,図3〜6
で示したUV照射して熱変形特性の分布を形成しその後
最終ベークしてマイクログルーブを形成するプロセスを
採用することができる。マイクログルーブの凹凸形状
は,前述したプロセス条件でコントロールすることがで
きるので,存在確率が最大になる傾斜角ξpが15〜19°
付近になるようにその凹凸形状が制御される。
【0138】以上,本実施の形態例では,反射板の凹凸
による傾斜角は,少なくとも0°〜25°の範囲に分布
し,15〜19°付近でその存在確率が最大になるように分
布することで,種々の環境化において,より高い反射率
を有する反射型液晶表示装置を提供することができる。
【0139】[反射板の傾斜角分布の制御(その2)]
図30は,上記した積分球の拡散光に対して高い反射率
が得られる反射板の凹凸の傾斜角分布を示す図である。
横軸が傾斜角ξを,縦軸はその存在確率を示す。即ち,
すでに説明した通り,傾斜角の存在確率は,反射板への
入射強度が高い入射角の入射光をより多く表示パネルに
垂直な方向に反射させるような分布にすることが望まし
い。図30には,+15〜19°付近の傾斜角と−15〜19°
付近の傾斜角の存在確率が最大になるような分布を示
す。+側と−側が存在するのは,表示パネルの一定方向
に沿って傾斜角を見た場合,一方向からの入射光に対応
した傾斜角を+側,反対方向からの入射光に対応した傾
斜角を−側に示した。従って,図30の分布図を傾斜角
0°を中心に折り曲げると,図25に示したような傾斜
角分布になる。
【0140】ところで,液晶表示装置は,ノート型パー
ソナルコンピュータの表示パネルとして使用される場合
が多い。図31は,反射型液晶表示装置がノート型パー
ソナルコンピュータのモニターとして搭載された状態を
示す図である。図示されるとおり,反射型液晶表示装置
70が,水平方向に対してを角度αだけ傾けた状態で使
用されることが多い。その場合,図31に示される通
り,表示装置70は紙面に垂直な面である。そして,図
示されるとおりX−Y−Z軸の方向を定義する。
【0141】表示装置70への入射光を検討すると,座
標のXY面に沿った入射角θi分布は,何も入射光を遮
るものがないので,θi =-90〜90°となる。一方,座
標のXZ面に沿った入射角分布は,キーボード部分によ
り入射光が遮られるので,必ずしもθi =-90〜90°と
はならない。つまり,表示装置70の最も高い位置70
Aと最も低い位置70Bとで,入射角範囲が異なる。最
も高い位置70Aが,最も広い入射角範囲でθi =-90
〜α+β°となり,最も低い位置70Bが,最も狭い入
射角範囲でθi =-90〜α°になる。
【0142】従って,表示パネルの垂直方向に沿うXZ
面方向の入射光は,入射角度α〜90°(またはα+β°
〜90°)の角度から入射する光がほとんど存在しない。
従って,表示パネルのXZ面方向に配列したミクロの鏡
面の傾斜角には,この角度範囲から入射する光を表示パ
ネルの法線(0°)方向に反射させる傾斜角は必要ない
ことになる。
【0143】例えば,表示パネルの傾きα=30°および
液晶層とガラス基板の屈折率nLC=1.5であれば,30〜90
°に入射される光を0°方向に反射させる傾斜角は,前
述の(6)式および(7)式より10〜21°となる。つま
り,表示パネルの垂直方向(XZ面方向)を向いた凹凸
の傾斜分布には,10〜21°の傾斜角は必要ない。
【0144】従って,XY面方向およびXZ面方向の傾
斜角の分布は,図32に示されるとおりにすることが望
ましい。即ち,XY面方向の傾斜角分布は,図30に示
したのと同じ分布であり,XZ面方向の傾斜角分布は,
マイナス側は図30と同じであり,プラス側は10〜21°
の範囲に存在しない分布となる。図32の分布を,傾斜
角0°を中心に折り返すと,図33のようになる。
【0145】図33は,反射板の凹凸により形成される
傾斜角分布について,XY面方向の傾斜面の分布とXZ
面方向の傾斜面の分布とが示される。この図から明らか
な通り,ノート型パーソナルコンピュータなど傾けて使
用される場合は,表示パネルにおける水平方向の傾斜面
の分布は,傾斜角15〜19°の範囲で存在確率が最大にな
るようにし,表示パネルの垂直方向の傾斜面の分布は,
傾斜角8〜10°の範囲と傾斜角15〜19°の範囲で存在確
率がピークを持つようにすることが望ましい。このよう
に,表示パネルの方向に応じて,反射用凹凸による傾斜
面の角度分布を,一つの方向は1つの存在確率のピーク
を有し,別の方向は2つの存在確率のピークを有するこ
とで,入射光方向に異方性がある環境下で使用されて
も,最大の反射率を実現することができる。
【0146】本発明者らは,上記の傾斜面分布の反射板
を試作して,その反射率を確認した。図34は,サンプ
ルの反射板の形成方法を示す断面図である。まず,図3
4(a)に示したように,ガラス基板62上にレジスト
(例えばシプレイ社製のLC-200)63を1000rpmで20秒
間スピンコートして形成する。そして90℃で20分間プリ
ベークした後,図34(b)に示すようにマスク64を用
いて紫外線露光を行う。次に現像液(例えばシプレイ社
製MF319)を用いて現像を行い,図34(c)のようにガラ
ス基板上にレジストによる凸部を形成する。図34(a)
〜(c)の工程を,図35に示したマスクパターン(a)〜
(d)を順次使用して4回繰り返し,図34(d)のような傾
斜角が異なる凸部を形成する。次に,図34(e)のよう
に,200℃で80分間のポストベークを行い,凸部に丸み
を持たせた。その後,図34(f)のようにアルミニウム
66を200nm蒸着して,反射板を作製した。
【0147】図36は,上記のように形成された反射板
の凸部の平面形状及び断面形状を示す図である。凸部6
7の平面形状は,基板62の垂直方向Vについては,異
なる傾斜面を有し,基板62の水平方向Hについては同
じ傾斜面を有する。図36に示された平面図には,凸部
67に等高線を示し,その傾斜面形状が示される。ポス
トベークにより凸部は丸みを持たせているので,その傾
斜角分布は,およそ0〜20°の範囲に分布する。そし
て,基板の垂直方向Vにおいては,傾斜面(ξ1>ξ2)
が異なるので,図33に示した通り,存在確率がピーク
になる領域が2つあり,基板の水平方向Hにおいては,
傾斜面(ξ1)が左右対称であるので,図33に示した
通り,存在確率がピークになる領域が1つ存在すること
になる。
【0148】以上の様に,反射用凹凸の形状を水平方向
と垂直方向とで異ならせることで,水平方向の傾斜角の
分布と,垂直方向の傾斜角の分布とを異ならせることが
できる。また,図36に示される通り,半円形と半楕円
形とを組み合わせた形状にすることで,水平方向の傾斜
角と垂直方向の傾斜角の分布をそれぞれ異ならせること
ができる。
【0149】本発明者らは,菱光社製の非接触3次元形
状測定装置nh-3を用いて形状を測定し,試作した反射板
の傾斜分布を求めた。図37は,その試作した反射板の
傾斜角分布の測定結果を示す。図に示される通り,試作
した反射板は,絶対値で8°と18°に存在確率の極大が
存在していた。また,比較のために,図37には存在確
率の極大が0°および10°にある反射板,それぞれ従来
例1および従来例2,の傾斜角分布も示されている。
【0150】図38は,上記反射板を用いて作成した反
射型液晶表示装置の概略断面図である。液晶層(例えば
メルク社製液晶材料MJ961213)を,3.5μm径のスペーサ
で厚みを制御して,反射板とガラス基板の間に注入し
た。そして,その反射型液晶表示装置を鉛直方向から30
°傾けた状態で固定し,積分球の均一拡散光を照射し
て,輝度計(例えばトプコン社製のBM-5)を用いて反射
率を測定した。図39は,その反射率の測定結果を示す
図である。この図表より明らかな通り,本発明の反射板
を用いると反射率が61%となり,従来例1,2の31
%,53%に比較して10〜25%の反射率向上が実現され
ていることが確認された。
【0151】図33には理想的な傾斜角分布を示した
が,その前提として,液晶層やガラス基板の屈折率nを
1.5とし,反射型液晶表示装置の水平線に対する角度
(図31に示した傾きα)をα=30°とした。そこ
で,液晶層の屈折率nLCと反射型液晶表示装置の傾き角
度αを変化させた場合に,理想的な反射用凹凸において
存在確率が極大になる傾斜角範囲をそれぞれ調べた。
【0152】図40は,反射型液晶表示装置の傾き角度
と,液晶層の屈折率に対する,存在確率が極大になる傾
斜角範囲を示す図である。典型的な液晶材料の屈折率n
LCが1.4〜1.8程度であるので,屈折率nLCを1.4〜1.8で
変化させた。一般的な使用状態では,反射型液晶表示装
置のサイズが小さいほど傾きαが大きくなる傾向にあ
り,表示パネルの傾きαを0〜45°の範囲で変化させる
ことにした。
【0153】まず,表示パネルの傾斜角αが30°の場
合は,図32,33で示した通り,一方で15〜19°の範
囲で凹凸の傾斜角の存在確率が極大になり,他方では8
〜10°の範囲と15〜19°の範囲との2つの範囲で凹凸の
傾斜角の存在確率が極大になるのが望ましい。また,表
示パネルの傾斜角αが0°の場合は,表示パネルが垂直
に置かれた場合であり,表示パネルの垂直方向の傾斜角
ξは,主に上方からの入射光を垂直方向に反射するため
に15〜19°の範囲で凹凸の傾斜角の存在確率が極大にな
り,下方からの入射光はあまりないので下方側を向いた
傾斜面は必要ない。そして,表示パネルの傾斜角αが9
0°の場合は,表示パネルが水平に置かれた場合であ
り,図40に示されないが,15〜19°の範囲で凹凸の傾
斜角の存在確率が極大になることが望ましい。表示パネ
ルが水平の場合は,図30に示した分布例と同じであ
る。
【0154】図40に示される通り,表示パネルの傾斜
角αが0°〜45°の範囲であれば,反射用凹凸におけ
る存在確率が極大となる一方の傾斜角は0〜16°,他方
の傾斜角は14〜19°の範囲内に存在すれば,反射率を最
大にすることができることが判明した。屈折率nLCが小
さいほどそれぞれ極大になる傾斜角は大きくなる傾向に
ある。
【0155】ノート型パーソナルコンピュータは,オペ
レータの好みによって,その表示パネルの傾きが異な
る。そこで,複数の傾きにおいて最大の反射率が実現で
きるように,画素領域内に,反射用凹凸の傾斜角の存在
確率が極大になる領域が異なる複数の領域を形成するこ
とが望ましい。例えば,図40に示される通り,表示装
置の傾斜角αが30°と40°に対応して求められた,
存在確率が極大になる傾斜角領域が,8〜10°と15〜19
°の第1の組合せと,10〜12°と15〜19°の第2の組合
せとを,同じ画素領域内に併存させる。或いは,表示装
置の傾斜角αが30°,35°,40°に対応して求め
られた,3つの組合せの領域を併存させる。或いは,3
種類の凸パターンを併存させる。それにより,表示パネ
ルの傾きがある程度異なっても,比較的大きな反射率を
実現することができる。
【0156】以上説明した反射用凹凸の傾斜角分布を有
する反射電極を画素電極に利用して,図2に示した構造
の反射型液晶表示装置を形成し,液晶層34に画素電極
と表示側の透明電極とから所定の電界をかけることで,
当該液晶層34に複屈折作用を持たせて,所望の表示を
行うことができる。即ち,液晶層34が電界効果複屈折
モードで駆動される。また,液晶層34に色素を含ませ
て,ゲストホスト型の液晶表示装置にすることもでき
る。
【0157】[異なる指向性が混在する反射用凹凸の
例]特開平11-295750号公報には,画素電極を反射電極
として利用する反射型液晶表示装置が記載されている。
この公報には,画素電極内を2つの領域に分割して,一
方の領域に指向性の強い反射特性を有する凹凸形状を形
成し,他方の領域に拡散性の強い反射特性を有する凹凸
形状を形成する。
【0158】しかし,より高精細な液晶表示装置の場合
は,画素領域がより狭くなり,上記従来例のように画素
領域を2つの領域に分けて異なる凹凸形状をそれぞれに
形成することはより困難になることが予想される。
【0159】そこで,本実施の形態例では,画素領域内
に指向性の強い反射特性を有する凹凸形状と拡散性の強
い反射特性を有する凹凸形状とを混在させるようにす
る。図41は,かかる画素領域内に混在する2つの反射
凹凸形状を示す断面図である。凹凸Aは,膜厚が薄くな
だらかな傾斜面を有し上面が比較的平らになっているの
で,反射光の方向は垂直方向に指向性を有する。一方,
凹凸Bは,膜厚が厚く急な傾斜面を有し上面が突起状に
なっているので,反射光は広く拡散する。
【0160】図42は,本実施の形態例における画素領
域PXの平面図である。図示される通り,画素領域PX
内に,図41に示した凹凸Aと凹凸Bとが混在して設け
られる。
【0161】図43は,図42の反射用凹凸を形成する
製造プロセスを示す断面図である。まず,図42(a)に
示すように,ガラス基板62上に感光性樹脂であるレジ
スト(例えばシプレイ社製のLC-200)を2000rpmで20秒
間スピンコートする。そして,90℃で20分間プリベーク
した後,図42(b)に示すようにマスク64Aを用いて
紫外線露光を行う。次に,現像液(例えばシプレイ社製
MF319)を用いて現像を行い,図42(c)のようにガラス
基板62上に凹凸Aに対応する凸部を形成する。その
後,図42(d)のように200°で80分間のポストベークを
行い,凸部に丸みを持たせて凹凸Aを形成する。
【0162】次に,図42(e)に示すように,前記レジ
ストを1000rpmで20秒間スピンコートする。これによ
り,前述のレジストよりもより厚いレジスト層を形成す
ることができる。そして,90℃で20分間プリベークした
後,図42(f)に示すように,マスク64Bを用いて紫
外線露光を行う。次に前記の現像液を用いて現像を行
い,図42(g)のようにガラス基板に凹凸Bに対応する
凸部を形成する。そして,図42(h)のように120℃で80
分間のポストベークを行い,凸部に丸みを持たせて,凹
凸Bを形成する。このポストベークは,凹凸Aを形成す
るよりも低い温度であるので,厚いレジスト膜の加熱に
よるダレの程度が少なく,より拡散性の強い凹凸Bが形
成される。
【0163】その後,図42(i)のように,アルミニウ
ム64を200nm蒸着して反射板(画素電極)を作製し
た。上記のように,凹凸Aと凹凸Bとでレジストの膜厚
およびポストベークの温度を変えることで,凹凸の丸み
を変えることができ,散乱の際の指向性が異なる凹凸が
混在する反射面を構成することができた。
【0164】前述の通り,反射型液晶表示装置の反射板
は,あらゆる方向からの入射光を表示面に垂直な方向に
反射することが望ましい。そのため,レジスト層をパタ
ーニングしてベーキングにより丸みを付けて傾斜面を形
成する場合,傾斜面が360°の方向に向いているのが
好ましい。そこで,従来,レジスト膜のパターンとし
て,円形のパターンが提案されている。例えば,特開平
11-337935号公報,特開平11-337964号公報,特開平5-28
1533号公報などである。これらの公報には,円形のパタ
ーンをランダムに形成して反射光の干渉によるモアレ模
様が形成されることを防止したり,半径が大きいドーナ
ツ型パターンと半径が小さい円形パターンとをランダム
に形成して反射特性を改善することなどが提案されてい
る。
【0165】特開平5-281533号は,大きい円形パターン
と小さい円形パターンとをランダムに混在させることが
示されている。例えば,図44に示される通りである。
しかし,半径が大きい円形パターンをランダムに配置す
ると,近接するレジストパターンが,露光・現像後のポ
ストベーキング工程の時に加熱による断面形状のダレに
よって,合体する現象が生じる。図44の斜線で示した
円形パターンは,近接しすぎてベーキング時に合体して
しまった状態を示す。
【0166】そこで,本実施の形態例では,図45に示
される通り,レジストのパターンを,半径が大きい円形
パターンと半径が小さい円形パターンとを混在させたも
のにし,且つ,大きい円形パターンと小さい円形パター
ンとの距離が,大きい円形パターン同士の距離よりも常
に小さくなるように配置する。つまり,大きい円形パタ
ーンに対して,別の大きい円形パターンを近接させるこ
とを禁止するようにする。できれば,大きい円形パター
ンの周囲には小さい円形パターンを配置し,大きい円形
パターン同士が近接することがないようにする。それに
より,傾斜面の密度を高くすると共に,ベーキング時に
パターン同士が合体する領域を少なくすることができ
る。
【0167】図46は,本実施の形態例におけるレジス
トのパターンを説明する図である。
【0168】図46(A)は,比較的大きい円形パター
ンを配置した例である。画素領域PX内に大きい円形パ
ターンP1が4個配置される。レジストパターンは,あ
る程度の大きさを有することが必要である。パターンが
小さすぎると,ポストベーク時の断面形状のダレで傾斜
角度が十分な大きさにならないからである。但し,図4
6(A)のパターンでは,形成される傾斜面の密度が薄
く,反射率を高めることができない。
【0169】そこで,図46(B)に示される通り,大
きい円形パターンP1の密度を高くすることが考えられ
る。しかし,大きな円形パターンP1が近接しあうと,
ポストベーク時の熱によるダレで,斜線で示される通
り,円形パターンの周縁部が合体することがある。かか
る合体は,設計通りの傾斜面の面積を減らしてしまい,
好ましくない。
【0170】そこで,本実施の形態例では,図45で説
明した通り,図46(C)に示されるように,比較的大
きな円形パターンP1の密度は図46(A)のように疎
な状態にして,パターンP1間の距離L1を比較的大き
いままに保ち,その大きな円形パターンP1の隙間に比
較的小さい円形パターンP2を配置し,傾斜面密度を高
くするようにする。これにより,比較的大きな円形パタ
ーン同士の合体は少なくなり,合体が生じても大きな円
形パターンP1と小さい円形パターンP2との間(図4
6(C)中の斜線)だけに限定されるようにする。この
ような合体の領域は,大きい円形パターンP1同士の合
体領域に比較して狭くなり,傾斜面領域の減少を最小限
に抑えることができる。
【0171】図46(C)に示される通り,大きな円形
パターンP1間の距離L1は,合体が生じない程度に長
くし,それら円形パターンP1の間の領域に,小さな円
形パターンP2を配置する。その結果,大きい円形パタ
ーンP1とそれに最も近接する小さい円形パターンP2
との間の距離L2は,その大きい円形パターンP1とそ
れに最も近接する大きい円形パターンP1との間の距離
L1より常に短くなる。
【0172】図47は,別のレジストパターンを示す図
である。上記の例は,反射用凹凸の傾斜面が360°の
方向に向くように円形パターンを利用したが,円形でな
くても,各辺の方向が複数,好ましくは3つ以上存在す
る多角形であっても,同様の高い反射率を実現すること
ができる。
【0173】図47は,画素領域PX内に,多数の六角
形を,互いに隣接する辺が平行になるように近接させた
レジストのパターン例である。画素領域PXの周縁に
は,六角形全体が収納できずに,台形や5角形になって
いるが,基本的には,六角形がタイルのように敷き詰め
られたレジストパターンである。各辺が平行になるよう
にすることで,各六角形パターンをできるだけ近接させ
ても,ポストベーク時の合体を防止することができる。
【0174】このようなマスクパターンを利用してレジ
スト層を露光現像して,ポストベークを行うことによ
り,断面形状が熱によりダレて,少なくとも3つの方向
を向いた傾斜面を有する反射用凹凸を形成することがで
きる。
【0175】図48は,他のレジストパターンを示す図
である。図48の例は,画素領域内に六角形ではなく,
複数の正三角形を,各辺が平行に近接するように配置し
ている。この場合も,レジスト層を露光・現像して,ポ
ストベークを行うことにより,断面形状が熱によりダレ
て,傾斜面が少なくとも3つの方向を向いた反射用凹凸
を形成することができる。本実施の形態例は,他の多角
形形状であっても,同様に高密度の傾斜面を有する反射
用凹凸を形成することができる。
【0176】図45,47,48のパターンを利用した
場合の反射用凹凸の形成プロセスは,図28に示したプ
ロセスと同じである。レジスト層の露光工程のマスク6
4に,図45,47,48のパターンが利用される。そ
れにより,ポストベーク工程で,パターン同士が合体す
ることなく,高密度の傾斜面分布を形成することがで
き,反射板の反射率を高くすることができる。
【0177】[フロントライト構造]反射型液晶表示装
置は,バックライトを設けずに外光を反射して表示面を
明るくする。従って,消費電力が少なく,携帯用の情報
端末,携帯電話などの表示パネルとして有用である。し
かしながら,外光を利用するので,明るい場所での使用
に限定される問題がある。そこで,暗いところで使用す
る時のみ点灯させるフロントライト付きの液晶表示装置
が提案されている。
【0178】図49は,従来提案されているフロントラ
イト付き反射型液晶表示パネルの構成図である。図示さ
れる通り,反射型液晶表示パネル73の表示側にフロン
トライト70が設けられる。反射型液晶表示パネル73
は,反射板構造を有する背面側基板73Bと表示側基板
73Aとの間に,図示しない液晶層が挿入されている。
そして,表示側基板73Aの上には,フロントライト7
0が設けられ,フロントライト70は,光源71と,そ
の光源からの光を表示面全面に導き,表面に形成した散
乱層またはプリズム層により表示パネル73側に散乱す
る透明基板72とを有する。透明基板72の表面に形成
された散乱層またはプリズム層と空気層との間の屈折率
の違いにより,光源71の光が散乱し,その一部が表示
パネル73側に散乱する。
【0179】しかし,図49のように構成された反射型
液晶表示装置は,透明基板72の表面に散乱層またはプ
リズム層が形成されており,観察者は,この散乱層やプ
リズム層を介して表示パネル73の文字や画像を見るこ
とになる。そのため,散乱層やプリズム層により文字や
画像が歪んだりぼやけたりすることになり,画質の低下
を招いている。
【0180】そこで,本実施の形態例では,フロントラ
イト構造を光源が点灯した時のみ光を導く透明基板に散
乱性を持たせ,光源が点灯しない時は透明基板の散乱性
がなくなるようにする。かかる構成にすることで,外光
を利用する通常の使用時には,フロントライト構造が,
散乱機能を有しないので,観察される表示パネルの文字
や画像の歪み,ぼけはなくなる。一方,暗い場所で使用
する時などの限定された場合には,フロントライト構造
が光源からの光を与えるので,多少文字や画像に歪み,
ぼけが生じても,表示パネルを明るくして表示パネルと
しての最低限の機能を確保することができる。
【0181】図50は,フロントライトの第1の例を示
す図である。図50に示されるフロントライト70は,
例えばアクリル製の透明基板の表面をサンドブラスト加
工して表面に散乱層75を設けた透明基板74と,アク
リル製透明基板76と,それら基板の間に充填されるシ
リコーン・オイルなどの流動体77と,流動体ポンプ7
8と,流動体タンク79とを有する。フロントライト7
0は,更に,冷陰極蛍光管による線状光源71を有す
る。基板74,76との間には,流動体タンク79に収
納されている流動体が流動体ポンプ78により充填され
たり,抜き取られたりする。そして,この流動体77の
屈折率は透明基板74,76と概ね同じn=1.5であ
る。
【0182】図50(a)に示される通り,明るい場所
で反射型液晶表示パネルを使用する場合は,光源71が
オフ状態にあり,両透明基板74,76の間隙に流動体
77が充填される。これにより,散乱層75は流動体7
7と屈折率に差がないため,観視者側からは見えない。
従って,明るい場所で使用される時は,表示パネル73
の文字や画像がぼけたり,歪んだりすることがない。
【0183】一方,図50(b)に示される通り,暗い
場所で反射型表示パネルを使用する場合は,光源がオン
状態になり,流動体77は両透明基板74,76の間隙
から,流動体ポンプ78により抜き取られ,基板の間隙
には空気層が充填されている。このため,散乱層75で
は透明基板材料のアクリル(屈折率約1.5)と空気(屈
折率1.0)との間に屈折率差が生じ,本来の散乱層とし
ての機能を有する。従って,透明基板74,76の端に
ある光源71から内部反射を繰り返して導光してきた光
は,この散乱層75で散乱され,反射型液晶表示パネル
73を照明する。従って,暗い場所であっても,明るい
表示パネルが実現できる。
【0184】但し,観視者側からこのフロントライト7
0を眺めると,透明基板74の散乱層75が見え,反射
型液晶表示パネル73の表示は歪む。しかし,かかる歪
みは,従来のフロントライト付反射型液晶表示パネルと
同等である。
【0185】以上のとおり,明るい場所で使用される時
は,フロントライトがない反射型表示パネルと同じ表示
が得られ,また,暗い場所で使用される時は,点灯した
光源からの光を有効に反射型液晶表示パネルの照明に使
うことができ,明るい表示が実現できる。
【0186】図51は,本実施の形態例におけるフロン
トライト付き反射型液晶表示パネルの第2の例を示す図
である。この例では,ガラスなどの2枚の透明基板7
4,76の表面に酸化インジウムを主成分とする透明電
極(ITO)81を形成し,その間隙に電界により状態が変
化する液晶層80を挟み込んでいる。そして,スイッチ
SWにより透明電極81間に電圧V1が印加されたりされ
なかったりする。通常,このような液晶層80は,透明
電極間に電圧V1を印加した場合に透明状態になり,透
明電極間の電圧を0にした場合に散乱状態になる。従っ
て,明るい場所では,スイッチSWをオンにして,液晶層
80を透明にし,暗い場所では,スイッチSWをオフにし
て,液晶層80を散乱状態にする。
【0187】散乱状態と透過状態とが切り替え可能な液
晶材料としては,(1)動的散乱効果を利用した液晶,
(2)コレステリック相とネマティック相との間の相転
移効果を利用した液晶,(3)ポリマー分散型液晶があ
り,いずれかの液晶が利用可能である。
【0188】図51の例は,図50の例に比較して,散
乱層を付けた透明基板,ポンプ,タンクなどが不要であ
り,また,流動体を充填したり引き抜いたりする時間が
不要である。更に,ポリマー分散型液晶の場合は,ポリ
マー内の球形液晶体の屈折率異方性の程度を,印加電圧
で調整することができる。従って,印加電圧を調整する
ことで,液晶層80の散乱度を調整することができ,光
源71の光に対する散乱度を上げて明るくするか,散乱
度を下げて表示画面の歪みを抑えるかを,観察者の好み
で調整させることができる。
【0189】図51の例でも,光源71がオンして液晶
層80が散乱性を有している時は,反射型液晶表示パネ
ルの表示が曇りガラスを通したように見えるが,それ
は,従来のフロントライト付反射型液晶表示パネルと同
等である。そして,光源71がオフの明るい状態では,
液晶層80が透明になり,表示がぼけたり歪んだりする
ことはない。すなわち,この例は,フロントライト付反
射型液晶表示パネルであるが,フロントライト未点灯時
はフロントライトなし反射型液晶表示パネルと同等の表
示品質を可能とし,フロントライト点灯時は通常のフロ
ントライト付反射型液晶表示パネルと同等の表示品質を
有する。
【0190】図52は,フロントライト付き反射型液晶
表示パネルの第3の例を示す図である。この例では,ガ
ラスなどの透明基板74,76の内面に透明電極81を
形成し,更に,透明基板74の内側に,プリズム状の細
かい凹凸を有するプリズム層82を形成する。そして,
透明基板74,76との間に,屈折率異方性を持つ液晶
層80を封入する。屈折率異方性を有する液晶分子は,
電界によって分子の配向方向が変わり,屈折率異方性の
方向が変わる。そこで,屈折率異方性を持つ液晶層80
の一方の屈折率にプリズム層82の屈折率を一致させ
る。
【0191】図52(a)に示されるとおり,明るい場
所での使用では,液晶層80に電圧を印加し,あるいは
電圧無印加にし,表示側から反射型表示パネル73に向
かう方向において,プリズム層82の屈折率と液晶層8
0の屈折率とを一致させる。この状態では,表示側から
反射型表示パネル73に向かう方向において,プリズム
層82と液晶層80との間で屈折率が一致し,プリズム
層82による散乱状態がなくなり,フロントライト構造
は透明になる。その結果,フロントライトが設けられい
ない反射型液晶表示パネルと同じ状態になり,表示画面
がぼけたり歪んだりすることがなくなる。
【0192】一方,図52(b)に示されるとおり,暗
い場所での使用では,液晶層80には電圧無印加状態,
あるいは印加状態にし,表示側から反射型表示パネル7
3に向かう方向において,プリズム層82の屈折率と液
晶層80の屈折率とを異ならせる。これにより,プリズ
ム層82と液晶層80との界面で両者に屈折率差が生
じ,光源71からの光が屈折する。この屈折光が,反射
型液晶表示パネル73の照明光となり,明るい表示が実
現できる。
【0193】この例では,透明基板74の表面にプリズ
ム形状を形成しているが,サンドブラスト工程により透
明基板74の表面に散乱層を形成しても同様の効果が期
待できる。
【0194】本構造を適用することにより,上記例2と
同様の効果があり,更に,液晶層80の性質上,透過状
態と散乱状態との切り替えスピードをより一層改善する
ことができる。また,上記例2のポリマー分散型液晶に
比較すると,液晶層80への印加電圧は液晶層80に直
接電圧を印加できるので,ポリマー分散型液晶を利用す
るより,印加電圧をより低く抑えられる。そして,液晶
層80への電圧を印加しない状態で,液晶層の屈折率を
プリズム層82の屈折率と一致させることにより,明る
い場所での使用時には,光源71と透明電極81への電
圧印加が不要になり,より一層の低電力化を図ることが
できる。
【0195】図53は,フロントライト付き反射型液晶
表示パネルの第4の例を示す図である。この例では,フ
ロントライト70の導光板である透明基板74に形成し
た透明電極81Aを短冊状に分割し,それぞれに対して電
圧印加81A-1,電圧無印加81A-2を選択できる構造となっ
ている。そして,透明基板74,76の間に,電圧の印
加により状態が変化する液晶層が充填される。図53
(a)は,断面構造を示し,図53(b)は分割された
透明電極81Aの平面構造を示す。
【0196】この構造にすることにより,電圧を印加す
る透明電極81Aの本数を変えることで,散乱状態にな
る液晶層の面積を適宜変更することが可能となり,照明
光量をある程度調整することができる。従って,本構成
では,散乱度の調整のできない散乱型液晶,動的散乱効
果を利用した液晶,コレステリック相とネマティック相
との間の相転移効果を利用した液晶などを液晶層80に
利用しても,電圧を印加する透明電極を選択すること
で,その散乱度を調整することができる。
【0197】フロントライト付きの反射型液晶表示パネ
ルは,フロントライトの液晶層による散乱度が大きい
と,光源71からの光をよく散乱し,反射型液晶表示パ
ネル73をよく照明できるため,反射型液晶表示パネル
を高輝度化できる。しかし,観察者と反射型液晶表示パ
ネルとの間に散乱層が入るため,表示画像が曇り,解像
度が低下して見える。したがって,散乱度の調整が可能
であれば,これを観察者が調整して,観察者にとって最
適な表示品質にすることができる。
【0198】図54は,フロントライト付き反射型液晶
表示パネルの第5の例を示す図である。この例では,フ
ロントライト70が,図52で示した第2の例と同様
に,2つの透明基板74,76の内側に透明電極81が
形成され,それらの間に液晶層80が充填されている。
そして,この液晶層80は,ポリマー分散型液晶であっ
て,ポリマーに屈折率異方性樹脂が用いられ,液晶粒9
0の常光屈折率と異常光屈折率が,透明電極間に電圧が
印加されない状態でポリマーの二方向の屈折率と一致す
るように構成されている。
【0199】ポリマー分散型液晶の詳細が,図54の右
側に示される。ポリマー分散型液晶Aは,屈折率異方性
のないポリマー内に屈折率異方性を有する液晶粒90が
分散されているのに対して,ポリマー分散型液晶Bは,
屈折率異方性があるポリマー内に屈折率異方性を有する
液晶粒90が分散されている。
【0200】結晶粒90が,透明電極間に電圧を印加し
ない状態で,フロントライト70の厚み方向に分子が配
列して,フロントライトの厚み方向の屈折率がポリマー
92や透明基板74,76と一致し,透明電極間に電圧
を印加した状態で,同屈折率が不一致になると仮定す
る。
【0201】その場合,ポリマー分散型液晶Aは,図示
されるとおり,液晶粒90の上下方向の屈折率がポリマ
ー92と透明基板74,76に一致し,上下方向の光線
には屈折率差がないため,屈折,散乱が起こらない。し
かし,ポリマー92と液晶粒90との間には水平方向の
屈折率に差があるため,水平の光だけではなく,斜めか
らの光でも若干の,すなわち,光線の水平方向ベクトル
成分に対し,屈折が生じる。このため,斜めからこの反
射型液晶表示パネル73を見た場合,この屈折によりフ
ロントパネル70が曇ってみえる。
【0202】それに対して,ポリマー分散型液晶Bを透
明基板74,76間に充填すると,透明電極間に電圧を
印加しない状態で,フロントライトの厚み方向に液晶分
子が配列して,液晶粒90の屈折率異方性の方向とポリ
マー92の屈折率異方性の方向とが一致する。従って,
この状態では,液晶粒90とポリマー92との屈折率差
がどの方向からも全くなくなり,フロントライトはどの
方向からも透明になる。そのため,ポリマー分散型液晶
Aを利用する場合に比較して,明るいところでの使用時
において斜めからの画像の歪み,曇りを防止することが
可能となる。
【0203】一方,暗い場所で使用する場合に,透明電
極間に電圧を印加すると,図中に示されるとおり,液晶
粒90の屈折率異方性の方向が,ポリマー92の屈折率
異方性の方向と不一致状態になる。ポリマー92の異方
性の方向は,電界により変化しないからである。そのた
め,フロントライト70は散乱状態になり,光源71か
らの光が反射型液晶表示パネル73側に散乱し,液晶表
示面を明るくする。但し,液晶層80がクリーム色にな
り,表示画面にボケや歪みが生じる。
【0204】その場合,透明電極間に印加する電圧を調
整することにより,液晶粒90の屈折率異方性の方向を
調整することができる。つまり,印加電圧を上げると,
液晶層での散乱度が大きくなり,反射型液晶表示パネル
73への入射光が多くなり画面が明るくなるが,画面が
白くなりすぎて見えにくくなる。一方,印加電圧を下げ
ると,液晶層での散乱度が小さくなり,画面が暗くなる
が,画面の透明度が増すことになる。そこで,この印加
電圧を調整することにより,画面の輝度の程度と,コン
トラストの程度を観察者の好みに応じて設定することが
できる。
【0205】図55は,フロントライト付き反射型液晶
表示パネルの第6の例を示す図である。図50〜54の
従前の例では,光源71のからの光を2枚の透明基板内
を導光させている。それに対して,図55の例では,2
枚の透明基板の内,表示面側の基板74の側面に光源7
1を配置し,その表示面側基板74内を主に光を導光さ
せる。そして,この基板74の反射型液晶表示パネル7
3側面に配置したプリズム状凹凸82により光を散乱さ
せ,反射型液晶表示パネル73を照明する。透明基板7
4,76には,図示しない透明電極が形成され,その間
に液晶層80が充填されている。
【0206】図50〜54のように,上下2枚の透明基
板74,76に光を導光させた場合,プリズム状凹凸8
2へは上下の透明基板から導光する光が当たる。その場
合,上方の透明基板74からの光は屈折散乱を起こして
下方側に透過し,下方の透明基板76からの光は反射散
乱を起こしてやはり下方側に反射することが望まれる。
しかし,実際には,光は屈折散乱して透過するほうが,
反射散乱して下方側に向かうよりも多く,下方側の基板
からの光を効率的に反射散乱させることは困難である。
【0207】それに対して,図55の構成の場合は,プ
リズム層82が,光源からの光を伝わる透明基板74の
表示パネル73側に設けられている。従って,プリズム
層82に照射される光は,上方の透明基板74を伝わっ
てきた光であり,プリズム層82を屈折散乱してより多
くの光が反射型液晶表示パネル73側に入射する。従っ
て,プリズム状凹凸82を,屈折散乱形状とすればよ
く,形状の簡単化,照明効率の向上を図ることができ
る。
【0208】同様に,散乱性を発現する液晶層80を封
入した場合も,その液晶層80に対して,上方から光の
より多くが散乱して下方側に通過し,反射散乱する光の
量は少ない。従って,上記の構造のほうが,照明効率を
高くすることができる。また,光源71からの光は,1
枚の透明基板74しか導光せず光源からの入射量が減る
が,透明基板74の厚みを厚くすることにより,光源7
1からの光の入射量を改善することができる。
【0209】図56は,フロントライト付き反射型液晶
表示パネルの第7の例を示す図である。図56の構成
は,図55の構成を改良したものである。即ち,図56
は,側面に光源71を配置した透明導光板94と,2枚
の透明基板74,76に散乱性を発現する要素を封入し
た基板を貼り合せた構造である。具体的には,ガラスな
どからなる透明基板74,76の間に,プリズム層82
を形成し,電界により屈折率状態が変化する液晶層80
を充填した散乱用基板が,透明の導光板94に光学接着
96により張り合わされる。この構造の場合は,散乱性
を発現する要素を封入した2枚の透明基板74,76の
製造と,光源付導光板94の製造を分離することがで
き,製造工程の分離,歩留まりの向上が可能となる。ま
た,液晶層80を挟むガラス基板74,76は,例えば
0.5〜0.7mmと薄型しており,その分前記光源71
を配置した透明導光板94の板厚を厚くして,光源から
の光の入射効率を改善することも容易になる。
【0210】以上,本実施の形態例におけるフロントラ
イト構造は,暗い場所で光源を点灯したて使用するとき
のみ,光源からの照射光を散乱させて反射型液晶表示パ
ネル側に入射させ,光源を点灯しない通常使用時は,散
乱性がなくなる。従って,通常使用時の,表示画面の文
字や画像のボケや歪みをなくすことができ,コントラス
トを向上させることができる。しかも,暗い場所でも明
るい表示画面を実現することができる。以上の実施の形
態をまとめると以下の付記の通りになる。 (付記1)反射型液晶表示装置の製造方法において,
(a)所定の膜厚を有する感光性樹脂層の表面に露光エ
ネルギーを有する光を照射して,感光性樹脂層の厚さ方
向または平面方向に熱的変形特性の分布を形成する工程
と,(b)その後熱処理を行って感光性樹脂層の表面に
ランダムな凹凸を形成する工程とを有することを特徴と
する反射型液晶表示装置の形成方法。 (付記2)反射型液晶表示装置の製造方法において,
(a)所定の膜厚を有する感光性樹脂層を,酸,アルカ
リ溶液,4級アンモニウム塩溶液,HMDSのいずれかを有
する薬液に浸して,感光性樹脂層の厚さ方向または平面
方向に熱的変形特性の分布を形成する工程と,(b)そ
の後熱処理を行って感光性樹脂層の表面にランダムな凹
凸を形成する工程とを有することを特徴とする反射型液
晶表示装置の形成方法。 (付記3)付記1において,前記工程(a)において,
前記露光エネルギーを有する光は,遠紫外線であること
を特徴とする反射型液晶表示装置の形成方法。 (付記4)付記1において,前記工程(a)において,
前記露光エネルギーを有する光を,感光性樹脂層の表面
全面に照射して変質させ,感光性樹脂層の厚さ方向に熱
的変形特性の分布を形成することを特徴とする反射型液
晶表示装置の形成方法。 (付記5)付記1において,前記工程(a)において,
前記露光エネルギーを有する光を,感光性樹脂層の表面
の一部の領域に照射して変質させ,感光性樹脂層の平面
方向に熱的変形特性の分布を形成することを特徴とする
反射型液晶表示装置の形成方法。 (付記6)付記1または2において,前記工程(a)の
前に,前記感光性樹脂層にその膜厚が少なくなる分離ラ
インを形成する工程を更に有することを特徴とする反射
型液晶表示装置の形成方法。 (付記7)反射型液晶表示装置の製造方法において,
(a)表面にトランジスタが形成された基板上に,所定
の膜厚を有する感光性樹脂層を形成する工程と,(b)
前記感光性樹脂層を一部露光,現像するフォトリソグラ
フィ工程により前記トランジスタの電極へのコンタクト
ホールを形成する工程と,(c)前記感光性樹脂層を第
1の温度に加熱するポストベーク工程と,(d)前記感
光性樹脂層の表面に露光エネルギーを有する光を照射し
て,感光性樹脂層の厚さ方向または平面方向に熱的変形
特性の分布を形成する工程と,(e)その後前記第1の
温度以上の高い第2の温度で熱処理を行って前記感光性
樹脂層の表面にランダムな凹凸を形成する最終ベーク工
程とを有することを特徴とする反射型液晶表示装置の形
成方法。 (付記8)付記7において,前記工程(e)の後に,前
記トランジスタの電極に前記スルーホールを介して接続
される画素電極を前記感光性樹脂層の上に形成する工程
を更に有することを特徴とする反射型液晶表示装置の形
成方法。 (付記9)付記7において,前記工程(c)の前に,前
記感光性樹脂層を所定のパターンで露光またはハーフ露
光し,現像して,該感光性樹脂層を分離する分離ライン
を形成する工程を更に有することを特徴とする反射型液
晶表示装置の形成方法。 (付記10)付記7において,前記工程(a)における
感光性樹脂層の膜厚,前記工程(c)におけるポストベ
ーク温度及び時間,前記工程(d)における照射エネル
ギー量を制御して,前記凹凸の平均傾斜角が0〜15°
になるようにすることを特徴とする反射型液晶表示装置
の形成方法。 (付記11)付記10において,前記画素電極を形成す
る工程の後に,配向膜を形成し,表示側基板の配向膜と
の間に液晶層を形成する工程とを有することを特徴とす
る反射型液晶表示装置の形成方法。 (付記12)反射型液晶表示装置において,液晶層が形
成された基板を有し,前記基板の液晶層側に形成される
反射用凹凸の傾斜角が少なくとも0°〜20°の範囲に
分布し,前記傾斜角の存在確率が15°〜19°の範囲
でピークになることを特徴とする反射型液晶表示装置。 (付記13)付記12において,前記反射用凹凸の平面
パターンが,円形,多角形,ストライプ形状またはこれ
らの組み合わせを有することを特徴とする反射型液晶表
示装置。 (付記14)反射型液晶表示装置において,液晶層が形
成された基板を有し,前記基板の液晶層側に形成される
反射用凹凸の傾斜角が,第1の方向に沿ってその存在確
率が1つのピークを有し,前記第1の方向と異なる第2
の方向に沿ってその存在確率が2つのピークを有するよ
うに分布することを特徴とする反射型液晶表示装置。 (付記15)付記14において,前記反射型液晶表示装
置の表示面が傾けて配置され,前記第1の方向が水平方
向であり,前記第2の方向が垂直方向であることを特徴
とする反射型液晶表示装置。 (付記16)付記14または15において,前記第1の
方向に沿った存在確率が,15°〜19°の範囲で1回
ピークになり,前記第2の方向に沿った存在確率が,1
5°〜19°の範囲と0°〜14°の範囲それぞれでピ
ークになることを特徴とする反射型液晶表示装置。 (付記17)付記14または15において,表示面内の
画素領域それぞれにおいて,第1の領域では前記第2の
方向に沿った存在確率が第1の角度範囲と第2の角度範
囲でピークを有し,第2の領域では前記第2の方向に沿
った存在確率が該第1の角度範囲と第3の角度範囲でピ
ークを有することを特徴とする反射型液晶表示装置。 (付記18)付記12乃至15のいずれかにおいて,更
に,前記基板と共に前記液晶層を挟む表示側基板と,当
該表示側基板の表示側に形成された偏光板を有し,前記
液晶層が電界効果複屈折モードで駆動されることを特徴
とする反射型液晶表示装置。 (付記19)反射型液晶表示装置において,基板上に反
射用凹凸を有し,単一の画素領域内に,反射光について
第1の指向性と第1の散乱性を有する第1の凸部と,前
記反射光について前記第1の指向性より弱い第2の指向
性と前記第1の散乱性より強い第2の散乱性を有する第
2の凸部とがランダムに混在することを特徴とする反射
型液晶表示装置。 (付記20)反射型液晶表示装置において,基板上に反
射用凹凸を有し,前記凹凸は,感光性樹脂膜により形成
され,第1の円形パターン同士が第1の距離以上離間し
て配置され,前記第1の円形パターンより小さい第2の
円形パターンが前記第1の円形パターンと前記第1の距
離未満離間して配置されていることを特徴とする反射型
液晶表示装置。 (付記21)反射型液晶表示装置において,基板上に反
射用凹凸を有し,前記凹凸は,感光性樹脂膜により形成
され,複数の多角形パターンが隣接する多角形の辺どう
しが平行になるように配置されていることを特徴とする
反射型液晶表示装置。 (付記22)反射型液晶表示装置において,反射型液晶
表示パネルと,前記反射型液晶表示パネル上に設けら
れ,導光板と,該導光板の端部に配置した光源と,前記
光源が点灯した時に該導光板を伝わる光に対して光散乱
性を発現し,前記光源が非点灯時に前記光散乱性が減少
する光散乱手段とを有するフロントライトとを有するこ
とを特徴とする反射型液晶表示装置。 (付記23)付記22において,前記導光板及び光散乱
手段は,1対の透明基板と,その対向面に形成された透
明電極と,前記透明基板対間に形成された液晶層とを有
する液晶パネルを有し,前記液晶層は,前記透明電極間
に印加される電界に応じて光散乱性を発現することを特
徴とする反射型液晶表示装置。 (付記24)付記23において,前記光源が,前記1対
の透明基板のうち表示側の透明基板の側面に配置され,
前記液晶層が,当該表示側の透明基板と前記反射型液晶
表示パネル側の透明基板との間に設けられていることを
特徴とする反射型液晶表示装置。 (付記25)付記22において,前記光散乱手段は,1
対の透明基板と,その対向面に形成された透明電極と,
前記透明基板対間に形成された液晶層とを有する液晶パ
ネルを有し,前記液晶層は,前記透明電極間に印加され
る電界に応じて光散乱性を発現し,前記1対の透明基板
が前記導光板に張り合わされていることを特徴とする反
射型液晶表示装置。 (付記26)付記23乃至25のいずれかにおいて,前
記液晶層は,印加される電界に応じて屈折率異方性の方
向が変化し,前記透明基板のいずれか一方と前記液晶層
との間に,透明なプリズム状の凹凸層が設けられ,前記
凹凸層の屈折率が,液晶層の一方の屈折率と整合するこ
とを特徴とする反射型液晶表示装置。 (付記27)付記23乃至25のいずれかにおいて,前
記透明電極が複数に分離され,当該分離された透明電極
に選択的に電圧を印加して,前記液晶層の光散乱の程度
が調整されることを特徴とする反射型液晶表示装置。 (付記28)付記23乃至25のいずれかにおいて,前
記液晶層は,動的散乱効果を利用した液晶材料,コレス
テリック相とネマティック相との間の相転換効果を利用
した液晶材料,ポリマー内に屈折率異方性を有する液晶
粒を有する第1のポリマー分散型液晶材料,屈折率異方
性を有するポリマー内に屈折率異方性を有する液晶粒を
有する第2のポリマー分散型液晶材料のうち,いずれか
であることを特徴とする反射型液晶表示装置。
【0211】
【発明の効果】以上,本発明によれば,反射型液晶表示
装置の反射用凹凸を,簡単なプロセスで形成することが
でき,しかも,所望の凹凸による傾斜面分布を制御性良
く形成することができる。更に,本発明によれば,最適
な反射用凹凸による傾斜面分布を得ることができ,反射
率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態例が適用される液晶表示装置の回
路図の例である。
【図2】本実施の形態例が適用される反射型液晶表示装
置の断面図の例を示す図である。
【図3】本実施の形態例における反射型液晶表示装置の
製造プロセスの一部を示す断面図である。
【図4】感光性樹脂層20の膜厚とUV照射エネルギー
を変化させて形成された反射パネルのマイクログルーブ
の表面形状の顕微鏡写真を示す図である。
【図5】感光性樹脂層20の膜厚とUV照射エネルギー
を変化させて形成された反射パネルのマイクログルーブ
の表面形状の顕微鏡写真を示す図である。
【図6】感光性樹脂層20の膜厚とUV照射エネルギー
を変化させて形成された反射パネルのマイクログルーブ
の表面形状の顕微鏡写真を示す図である。
【図7】感光性樹脂層20の膜厚とUV照射エネルギー
を変化させて形成された反射パネルのマイクログルーブ
の表面形状の顕微鏡写真を示す図である。
【図8】3つの反射パネルのサンプルのAFM像を示す図
である。
【図9】拡散光源に対する反射膜の平均傾斜角と反射率
との関係を示すグラフ図である。
【図10】図8の3つのサンプルに対するレジスト膜厚
と反射率との関係を示すグラフ図である。
【図11】本実施の形態例により形成される樹脂層のマ
イクログルーブの凹凸形状を模式的に示す図である。
【図12】本実施の形態例により形成されるマイクログ
ルーブの平面パターン例を示す図である。
【図13】マイクログルーブを形成するために必要なU
V照射例を示す図である。
【図14】第1のサンプルの製造プロセスを示す断面図
である。
【図15】第1,第2,第3のサンプルに積分球の拡散
光源を照射した時の反射率を比較したグラフ図である。
【図16】感光性樹脂層の分離を説明する図である。
【図17】感光性樹脂層の分離ラインを形成するプロセ
スを示す断面図である。
【図18】分離ラインを形成した場合と形成しない場合
のマイクログルーブの顕微鏡写真を示す図である。
【図19】本実施の形態例が想定する反射型液晶表示装
置が使用される実環境を示す図である。
【図20】入射光の入射角θiと方位角φiを示す図であ
る。
【図21】反射型表示装置に光が入射して反射する場合
を示す図である。
【図22】反射板に入射する光の強度f(θi')と入射角
θi'との関係を示す図である。
【図23】図23の入射光強度が最大となる入射角θi'
と媒体の屈折率nとの関係を示す図である。
【図24】反射凹凸の傾斜面に対する入射角,反射角,
傾斜角との関係を示す図である。
【図25】図22の入射光強度分布に対応した傾斜角の
存在確率の分布を示す図である。
【図26】反射特性のシミュレーション結果を示す図で
ある。
【図27】実際に試作したサンプルを使って,積分球の
均一な拡散光に対する反射率を測定した結果を示す図で
ある。
【図28】試作した反射板の形成方法を示す断面図であ
る。
【図29】反射板の凹凸を形成するための,マスク64
のパターン例を示す図である。
【図30】積分球の拡散光に対して高い反射率が得られ
る反射板の凹凸の傾斜角分布を示す図である。
【図31】反射型液晶表示装置がノート型パーソナルコ
ンピュータのモニターとして搭載された状態を示す図で
ある。
【図32】ノート型パーソナルコンピュータの表示装置
として利用される場合の,高い反射率を有するXY面方
向およびXZ面方向の傾斜角の分布を示す図である。
【図33】図32の傾斜角分布を,傾斜角0°を中心に
折り返した分布を示す図である。
【図34】サンプルの反射板の形成方法を示す断面図で
ある。
【図35】図34のマスクパターンの例を示す図であ
る。
【図36】図34の凸部の平面,断面形状の例を示す図
である。
【図37】試作した反射板の傾斜角分布の測定結果を示
す。
【図38】試作した反射板を用いて作成した反射型液晶
表示装置の概略断面図である。
【図39】図38の反射型液晶表示装置の反射率の測定
結果を示す図である。
【図40】反射型液晶表示装置の傾き角度と,液晶層の
屈折率に対する,存在確率が極大になる傾斜角範囲を示
す図である。
【図41】画素領域内に混在する2つの反射凹凸形状を
示す断面図である。
【図42】本実施の形態例における画素領域PKの平面
図である。
【図43】図42の反射用凹凸を形成する製造プロセス
を示す断面図である。
【図44】従来のレジストの円形パターン例を示す図で
ある。
【図45】本実施の形態例におけるレジストの円形パタ
ーン例を示す図である。
【図46】図45の円形パターンを説明するための図で
ある。
【図47】本実施の形態例におけるレジストの多角形パ
ターン例を示す図である。
【図48】本実施の形態例におけるレジストの多角形パ
ターン例を示す図である。
【図49】従来提案されているフロントライト付き反射
型液晶表示パネルの構成図である。
【図50】フロントライト付き反射型液晶表示パネルの
第1の例を示す図である。
【図51】フロントライト付き反射型液晶表示パネルの
第2の例を示す図である。
【図52】フロントライト付き反射型液晶表示パネルの
第3の例を示す図である。
【図53】フロントライト付き反射型液晶表示パネルの
第4の例を示す図である。
【図54】フロントライト付き反射型液晶表示パネルの
第5の例を示す図である。
【図55】フロントライト付き反射型液晶表示パネルの
第6の例を示す図である。
【図56】フロントライト付き反射型液晶表示パネルの
第7の例を示す図である。
【符号の説明】
10 絶縁基板 20 感光性樹脂層(レジスト層) 22 反射電極 34 液晶層 60 反射板 CH コンタクトホール MG マイクログルーブ,反射用凹凸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/30 349 G03F 7/26 521 5G435 // G03F 7/26 521 G02B 1/10 A (72)発明者 小池 善郎 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 田代 国広 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 後藤 猛 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 ▲浜▼田 哲也 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 林 啓二 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 鈴木 敏弘 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 小林 哲也 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2H042 BA03 BA14 BA15 BA20 2H091 FA14Y FA23X FA23Z FA31Y FA41X FA41Z FB04 FB08 FC01 FC10 FC22 FC25 GA02 GA13 HA02 HA11 JA02 KA10 LA12 LA16 LA17 2H096 AA28 AA30 GA08 HA01 HA03 2K009 AA12 CC21 DD05 5C094 AA01 AA43 BA03 BA43 CA19 DA13 EA04 EA05 EA06 ED11 FA03 FA04 FB01 FB15 GB10 JA09 5G435 AA01 AA17 BB12 BB16 CC09 FF03 HH03 HH14 HH20 KK05 LL07

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反射型液晶表示装置の製造方法において,
    (a)所定の膜厚を有する感光性樹脂層の表面に露光エ
    ネルギーを有する光を照射して,感光性樹脂層の厚さ方
    向または平面方向に熱的変形特性の分布を形成する工程
    と,(b)その後熱処理を行って感光性樹脂層の表面に
    ランダムな凹凸を形成する工程とを有することを特徴と
    する反射型液晶表示装置の形成方法。
  2. 【請求項2】反射型液晶表示装置の製造方法において,
    (a)所定の膜厚を有する感光性樹脂層を,酸,アルカ
    リ溶液,4級アンモニウム塩溶液,HMDSのいずれかを有
    する薬液に浸して,感光性樹脂層の厚さ方向または平面
    方向に熱的変形特性の分布を形成する工程と,(b)そ
    の後熱処理を行って感光性樹脂層の表面にランダムな凹
    凸を形成する工程とを有することを特徴とする反射型液
    晶表示装置の形成方法。
  3. 【請求項3】請求項1において,前記工程(a)におい
    て,前記露光エネルギーを有する光を,感光性樹脂層の
    表面全面に照射して変質させ,感光性樹脂層の厚さ方向
    に熱的変形特性の分布を形成することを特徴とする反射
    型液晶表示装置の形成方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2において,前記工程
    (a)の前に,前記感光性樹脂層にその膜厚が少なくな
    る分離ラインを形成する工程を更に有することを特徴と
    する反射型液晶表示装置の形成方法。
  5. 【請求項5】反射型液晶表示装置の製造方法において,
    (a)表面にトランジスタが形成された基板上に,所定
    の膜厚を有する感光性樹脂層を形成する工程と,(b)
    前記感光性樹脂層を一部露光,現像するフォトリソグラ
    フィ工程により前記トランジスタの電極へのコンタクト
    ホールを形成する工程と,(c)前記感光性樹脂層を第
    1の温度に加熱するポストベーク工程と,(d)前記感
    光性樹脂層の表面に露光エネルギーを有する光を照射し
    て,感光性樹脂層の厚さ方向または平面方向に熱的変形
    特性の分布を形成する工程と,(e)その後前記第1の
    温度以上の高い第2の温度で熱処理を行って前記感光性
    樹脂層の表面にランダムな凹凸を形成する最終ベーク工
    程とを有することを特徴とする反射型液晶表示装置の形
    成方法。
  6. 【請求項6】請求項5において,前記工程(c)の前
    に,前記感光性樹脂層を所定のパターンで露光またはハ
    ーフ露光し,現像して,該感光性樹脂層を分離する分離
    ラインを形成する工程を更に有することを特徴とする反
    射型液晶表示装置の形成方法。
  7. 【請求項7】反射型液晶表示装置において,液晶層が形
    成された基板を有し,前記基板の液晶層側に形成される
    反射用凹凸の傾斜角が少なくとも0°〜20°の範囲に
    分布し,前記傾斜角の存在確率が15°〜19°の範囲
    でピークになることを特徴とする反射型液晶表示装置。
  8. 【請求項8】反射型液晶表示装置において,液晶層が形
    成された基板を有し,前記基板の液晶層側に形成される
    反射用凹凸の傾斜角が,第1の方向に沿ってその存在確
    率が1つのピークを有し,前記第1の方向と異なる第2
    の方向に沿ってその存在確率が2つのピークを有するよ
    うに分布することを特徴とする反射型液晶表示装置。
  9. 【請求項9】請求項8において,前記第1の方向に沿っ
    た存在確率が,15°〜19°の範囲で1回ピークにな
    り,前記第2の方向に沿った存在確率が,15°〜19
    °の範囲と0°〜14°の範囲それぞれでピークになる
    ことを特徴とする反射型液晶表示装置。
  10. 【請求項10】反射型液晶表示装置において,基板上に
    反射用凹凸を有し,単一の画素領域内に,反射光につい
    て第1の指向性と第1の散乱性を有する第1の凸部と,
    前記反射光について前記第1の指向性より弱い第2の指
    向性と前記第1の散乱性より強い第2の散乱性を有する
    第2の凸部とがランダムに混在することを特徴とする反
    射型液晶表示装置。
  11. 【請求項11】反射型液晶表示装置において,基板上に
    反射用凹凸を有し,前記凹凸は,感光性樹脂膜により形
    成され,第1の円形パターン同士が第1の距離以上離間
    して配置され,前記第1の円形パターンより小さい第2
    の円形パターンが前記第1の円形パターンと前記第1の
    距離未満離間して配置されていることを特徴とする反射
    型液晶表示装置。
  12. 【請求項12】反射型液晶表示装置において,基板上に
    反射用凹凸を有し,前記凹凸は,感光性樹脂膜により形
    成され,複数の多角形パターンが隣接する多角形の辺ど
    うしが平行になるように配置されていることを特徴とす
    る反射型液晶表示装置。
  13. 【請求項13】反射型液晶表示装置において,反射型液
    晶表示パネルと,前記反射型液晶表示パネル上に設けら
    れ,導光板と,該導光板の端部に配置した光源と,前記
    光源が点灯した時に該導光板を伝わる光に対して光散乱
    性を発現し,前記光源が非点灯時に前記光散乱性が減少
    する光散乱手段とを有するフロントライトとを有するこ
    とを特徴とする反射型液晶表示装置。
  14. 【請求項14】請求項13において,前記導光板及び光
    散乱手段は,1対の透明基板と,その対向面に形成され
    た透明電極と,前記透明基板対間に形成された液晶層と
    を有する液晶パネルを有し,前記液晶層は,前記透明電
    極間に印加される電界に応じて光散乱性を発現すること
    を特徴とする反射型液晶表示装置。
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