JP2002221237A - 樹脂製クラッチフェーシング及びその製造方法 - Google Patents
樹脂製クラッチフェーシング及びその製造方法Info
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- JP2002221237A JP2002221237A JP2001019353A JP2001019353A JP2002221237A JP 2002221237 A JP2002221237 A JP 2002221237A JP 2001019353 A JP2001019353 A JP 2001019353A JP 2001019353 A JP2001019353 A JP 2001019353A JP 2002221237 A JP2002221237 A JP 2002221237A
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Abstract
し且つ多様な形状に自在対応できる樹脂製クラッチフェ
ーシングの製造方法を案出し、該樹脂製クラッチフェー
シングを廉価に提供すること。 【解決手段】フェーノール樹脂を含み且つ略リング形状
に形成された芯材3の両面に、フェーノール樹脂を含み
且つ前記芯材3と重なるリング形状に形成された摩擦材
5を積層し、金型内で加熱加圧成形するところに構成特
徴を有する樹脂製クラッチフェーシング1の製造方法
と、該製造方法にて製造した樹脂製クラッチフェーシン
グ1であり、前記芯材3及び前記摩擦材5は、抄造法に
よる抄造工程を経て形成されることがある。
Description
ェーシングに関するものである。
グとしては、まず、ガラスフェノール樹脂を射出成形し
て所望する略リング形状を有する芯材を得、この芯材の
表裏面の全面にブラスト等の表面加工法にて表面加工を
施して粗度調整し、ついで、粗度調整された表面に接着
剤を塗布し、前記芯材と重なる形状に別途形成した合成
樹脂製の摩擦材を配置し、自然硬化、高周波処理、又は
金型内に入れて加熱加圧成形等を施したものが一般的で
ある。
して所望する略リング形状の芯材を形成し、ついで、ブ
ラスト又は酸腐食などの表面加工を施して粗度調整する
工程以後の工程を経て製造したものも公知である。
ラッチフェーシングの製造方法は、多工程が必要で作業
性が悪いことに加えて初期設備投資費がかかって、コス
ト高になるという課題を有していた。
接合されているため、接合強度という面において不具合
を生じることがあるという課題もあった。
ので、その目的とするところは、優れた強度を有する樹
脂製クラッチフェーシングを簡単に製造できる製造方法
と、この方法にて製造した樹脂製クラッチフェーシング
を廉価に提供せんとするものである。
に本発明が採用した手段は、請求項1の発明は、フェノ
ール樹脂を含み且つ略リング形状に形成された芯材の両
面に、フェノール樹脂を含み且つ前記芯材と重なるリン
グ形状に形成された摩擦材を積層し、金型内で加熱加圧
成形するところに特徴を有する樹脂製クラッチフェーシ
ングの製造方法を、その内容とするものである。
ェノール樹脂が含有されており、芯材の両面に摩擦材を
積層し、ついで、金型内で加熱加圧加工するように構成
されているから、つぎの各作用が得られる。
いた、芯材の表裏面の全面に表面加工を施して粗度調整
する工程、及び粗度調整された表面に接着剤を塗布する
工程等が不要となるから、設備費が削減できるととも
に、作業効率の向上が図れる。すなわち、樹脂製クラッ
チフェーシングを簡単に製造でき、コストダウンが図れ
る。
脂が含まれており且つ両者を積層するから、芯材中のフ
ェノール樹脂を摩擦材側に浸潤させることができ、逆に
摩擦材中のフェノール樹脂を芯材側に浸潤させることが
でき、濃度が連続する組織にできる。すなわち、芯材と
摩擦材中のフェノール樹脂濃度が完全同一でなくても、
接合面近傍におけるフェノール樹脂濃度をほぼ同一にす
ることができ、これにより、芯材と摩擦材の硬度が著し
く異なって境界面となることを防止できる。すなわち、
芯材と摩擦材を堅牢に接合させることができ、優れた強
度をもった樹脂製クラッチフェーシングとして簡単に製
造でき、廉価に提供できる。
脂を含み且つ略リング形状に形成された芯材の両面に、
フェノール樹脂を含み且つ前記芯材と重なるリング形状
に形成された摩擦材を積層し、金型内で加熱加圧成形し
てなる樹脂製クラッチフェーシングを、その要旨とす
る。
によると、芯材と摩擦材の接合面に境界がなく優れた強
度を有しており、また、簡単に製造でき、生産コストの
低減が図れ、廉価に提供できる。
の樹脂製クラッチフェーシングにおいて、前記芯材は、
抄造法にて抄造する工程を経てなり、その主たる成分と
して、フェノール樹脂30〜55重量部、アラミド繊維
10〜30重量部、及びガラス繊維10〜40重量部の
重量割合で含まれているものを、その要旨とする。
によると、請求項2発明で得られる作用に加えて、芯材
を極めて簡単に形成することができ、連続機械製造が可
能となり、より廉価に提供できるようになる。
3記載の樹脂製クラッチフェーシングにおいて、前記摩
擦材は、抄造法にて抄造する工程を経てなり、その主た
る成分として、フェノール樹脂10〜40重量部、アラ
ミド繊維5〜20重量部、ゴム粉末10〜50重量部の
重量割合で含まれているものを、その要旨とする。
によると、請求項2又は3発明で得られる作用に加え
て、摩擦材を極めて簡単に形成することができ、連続機
械製造が可能となり、より廉価に提供できるようにな
る。
するが、これらはその代表例を示したに過ぎず、その要
旨を越えない限りにおいて、様々な設計変更が可能であ
ることはいうまでもない。
ェーシング1の斜視図であり、図2は図1のA−A線に
沿った要部断面図である。図3は、従来法にて製造され
た一樹脂製クラッチフェーシングのうち、図1のA−A
線に相当する部分を示す要部断面図である。
ス繊維を、30〜55/10〜30/10〜40の重量
割合で水に均一分散させ、これを抄造金型内でモールド
抄造することにより略リング形状を有する芯材3を成形
した。したがって、水分を完全除去すると、芯材3は、
主たる成分として、フェノール樹脂粉末30〜55重量
%、アラミド繊維10〜30重量%、ガラス繊維10〜
40重量%を含有することになる。
重量%以下である場合や、摩擦材5中のフェノール樹脂
の含有量が10重量%以下である場合には、より高圧力
条件で加熱加圧成形することが必要になったり、製品の
強度不足を生じる傾向がある。また、芯材3中のフェノ
ール樹脂の含有量が55重量%以上である場合や、摩擦
材5中のフェノール樹脂の含有量が45重量%以下であ
ると、コスト高になることに加えて、抄造法にて抄造し
難くなる傾向がある。
繊維として配合されるものであり、上記範囲よりも少な
いと、強度不足の原因となる。
増量剤を、全体当たり10〜30重量%の範囲となるよ
うに配合できる。ガラス粉末等の増量剤を、30重量%
以上配合すると強度不足を生じる傾向があり、10重量
%以下であると増量剤としての効果が期待できない。
維、ゴム粉末を、10〜45/5〜20/10〜50の
重量割合で水に均一分散させ、これを前記抄造金型内で
モールド抄造して、略リング形状の厚さ1.5mmの摩
擦材5を形成した。したがって、水分を完全除去する
と、摩擦材5は、主たる成分として、フェノール樹脂粉
末10〜45重量%、アラミド繊維5〜20重量%、ガ
ラス繊維10〜50重量%を含有することになる。
5,5を配置した状態のまま、加熱加圧成形金型に収容
し、3〜6分間、加熱加圧(190〜210℃、100
〜500kg/cm2 )すると、本発明に係る樹脂製
クラッチフェーシング1が製造できる。
法としては、所望する寸法形状に抄造できる抄造金型
に、フェノール樹脂、アラミド繊維、ガラス繊維の各所
要量を含有するスラリーを注ぎ込み、ついで自然ろ過、
減圧ろ過若しくは加圧ろ過法にて、液状部分を強制除去
する方法、フェノール樹脂、アラミド繊維、ガラス繊
維の各所要量を液中に分散させ、ついで抄造した抄造シ
ートを巻き取って棒状又は中空筒状にし、所望する寸法
形状に成形する方法、フェノール樹脂、アラミド繊
維、ガラス繊維を液中に分散させ、ついで、抄造した抄
造シートから所定の寸法形状に打ち抜き、その複数枚を
積層して所望する寸法形状に成形する方法など、公知の
抄造・成形法が使用できる。
れかの抄造・成形法にて所望する寸法形状に形成でき
る。また、摩擦材5中に、摩擦力を調整するための摩擦
調整剤を配合することができる。摩擦調整剤をより具体
的に示すと、カシューダスト(全体当たり10重量%未
満)、タルク(10重量%未満)、二硫化モリブデン
(5重量%未満)などが例示できる。
シートを皺がよらないよう一枚一枚揃えて積み重ねる作
業等が不要となり、作業性の向上が図れる、抄造シート
の残材(打抜き屑)が出ないから、原材料を無駄なく全
て使い切ることができ、従来のように打抜き屑を液中に
浸漬してほぐし、再度抄造し直す必要がない。また、芯
材中の各補強繊維を多方向に向けて複雑に絡み合わせで
きしかも補強繊維を組織中に均一に分散させることがで
きるから、反りやねじれ等の変形のない高品質、高強度
であり、耐摩耗性にも優れ、且つ製品間の例えば重量バ
ラツキの小さい製品を製造することができる。さらにま
た、抄造金型の形状を変更することで特には外面形状あ
るいは内面形状の自由度に優れ、細部形状を精巧に成形
できる等の点において好適である。
m)、アラミド繊維(繊維径5〜20μm、繊維長3m
m)、ガラス繊維(繊維径10μm、繊維長3mm)、
ガラス粉末を、40/20/20/20の重量割合で水
に均一分散させ、この混合物を抄造金型内にてモールド
抄造した後、乾燥して水分を除去し、ワッシャー形状の
芯材3を作製した。
0μm)、アラミド繊維(繊維径5〜20μm、繊維長
3mm)、ゴム粉末(加硫済み粉30メッシュ網通
し)、カシューダスト(30メッシュ網通し)、タルク
(粒径10μm)、二硫化モリブデン(粒径10μm)
を、15/15/40/10/17/3の重量割合で水
に均一分散させ、前記抄造金型内でモールド抄造した
後、乾燥して水分を除去し、ワッシャー形状の摩擦材
(厚さ1.5mm)5を作製した。
ま加熱加圧金型内に入れ、200℃、300kg/cm
2 にて3分間加熱加圧成形を施し、厚さ3mmのワッシ
ャー形状の樹脂製クラッチフェーシング1を製造した。
図2にその要部断面図を示した。
整し、ついで、粗度調整された面の全面に、バインダー
としてフェノール樹脂溶液を塗布し、前記摩擦材5,5
を配置し、そのまま加熱加圧金型内に入れ、170〜1
80℃、100kg/cm2 にて3分間加熱加圧成形を
施し、厚さ3mmのワッシャー形状の樹脂製クラッチフ
ェーシング10を製造した。図3にその要部断面図を示
した。
ーシング1)の曲げ強度は、250〜260MPaであ
り、衝撃強さは、15〜18KJ/mm2 であった。こ
れに対して、従来の樹脂製クラッチフェーシング10の
曲げ強度は、220〜240MPaであり、衝撃強さ
は、4.9〜5.9KJ/mm2 であった。このことか
ら、本発明の樹脂製クラッチフェーシングは、特に衝撃
強さにおいて、従来品よりも各段優れていることが解っ
た。
フェーシングの製造方法は、従来の製造方法が必須の構
成としていた、(1) 芯材に表面加工を施して粗度調整す
る工程、及び (2)粗度調整された表面に接着剤を塗布す
る工程等が不要となるから、設備費が削減でき、作業効
率の向上が図れるから,樹脂製クラッチフェーシング
を、迅速且つ簡単に大量に製造できるから、コストダウ
ンを図ることができ、廉価に提供できる。
脂が含まれており、芯材と摩擦材中のフェノール樹脂濃
度が完全同一でなくても、接合面近傍におけるフェノー
ル樹脂濃度をほぼ同一にすることができ、これにより、
芯材と摩擦材の硬度が著しく異なって境界面となること
を防止できるから、芯材と摩擦材の接合面に境界がな
く、優れた強度を有するものとして製造できる。
シングによると、請求項2発明で得られる作用に加え
て、芯材を極めて簡単に形成することができ、連続機械
製造が可能となり、より廉価に提供できるようになる。
によると、請求項2又は3発明で得られる作用に加え
て、摩擦材をも極めて簡単に形成することができ、連続
機械製造が可能となり、更に廉価に提供できるようにな
る等、極めて実効性に優れた作用効果が得られるのであ
る。
を模式的に示す斜視図である。
る。
チフェーシングを、図1のA−A線に沿った断面図で示
すものである。
Claims (4)
- 【請求項1】フェノール樹脂を含み且つ略リング形状に
形成された芯材の両面に、フェノール樹脂を含み且つ前
記芯材と重なるリング形状に形成された摩擦材を積層
し、金型内で加熱加圧成形することを特徴とする樹脂製
クラッチフェーシングの製造方法。 - 【請求項2】フェノール樹脂を含み且つ略リング形状に
成型された芯材の両面に、フェノール樹脂を含み且つ前
記芯材と重なるリング形状に形成された摩擦材を積層
し、金型内で加熱加圧成形してなる樹脂製クラッチフェ
ーシング。 - 【請求項3】前記芯材は抄造法による抄造工程を経てな
り、その主たる成分として、フェノール樹脂と、アラミ
ド繊維と、ガラス繊維が、30〜55/10〜30/1
0〜40重量部の重量割合で含まれていることを特徴と
する請求項2記載の樹脂製クラッチフェーシング。 - 【請求項4】前記摩擦材は抄造法による抄造工程抄造工
程を経てなり、その主たる成分として、フェノール樹脂
と、アラミド繊維と、ゴム粉末が、10〜40/5〜2
0/10〜50重量部の重量割合で含まれていることを
特徴とする請求項2又は3記載の樹脂製クラッチフェー
シング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001019353A JP4171961B2 (ja) | 2001-01-29 | 2001-01-29 | 樹脂製クラッチフェーシング及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001019353A JP4171961B2 (ja) | 2001-01-29 | 2001-01-29 | 樹脂製クラッチフェーシング及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002221237A true JP2002221237A (ja) | 2002-08-09 |
JP4171961B2 JP4171961B2 (ja) | 2008-10-29 |
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JP (1) | JP4171961B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008121895A (ja) * | 2002-12-09 | 2008-05-29 | Aisin Chem Co Ltd | 摩擦材とその製造方法 |
-
2001
- 2001-01-29 JP JP2001019353A patent/JP4171961B2/ja not_active Expired - Fee Related
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