JP2002088345A - ブレーキ用摩擦材 - Google Patents
ブレーキ用摩擦材Info
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- JP2002088345A JP2002088345A JP2000282861A JP2000282861A JP2002088345A JP 2002088345 A JP2002088345 A JP 2002088345A JP 2000282861 A JP2000282861 A JP 2000282861A JP 2000282861 A JP2000282861 A JP 2000282861A JP 2002088345 A JP2002088345 A JP 2002088345A
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- friction
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐熱性、機械的強度、摩擦特性の改良された
ブレーキ用摩擦材を提供する。 【解決手段】 ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ールパルプ及び熱可塑性樹脂を含有してなるパルプ集合
体を、加熱・加圧して一体化成形したブレーキ用摩擦
材。
ブレーキ用摩擦材を提供する。 【解決手段】 ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ールパルプ及び熱可塑性樹脂を含有してなるパルプ集合
体を、加熱・加圧して一体化成形したブレーキ用摩擦
材。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車、鉄道車輛、
各種産業機械等のブレーキに使用されるブレーキ用摩擦
材に関し、特に強度、耐摩耗性を向上させたブレーキ用
摩擦材に関する。
各種産業機械等のブレーキに使用されるブレーキ用摩擦
材に関し、特に強度、耐摩耗性を向上させたブレーキ用
摩擦材に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来ブレーキ用摩擦材に使用される補強
用繊維材料としては、耐熱性、機械的強度、摩擦特性に
優れているアラミド繊維が主に用いられている。このア
ラミド繊維は構造物の補強効果及び充填剤の保持効果を
持たせるために、フィブリル化され、アラミドパルプと
して使用されている。アラミドパルプは、耐熱性、機械
的強度、摩擦特性に優れる特性を持っていることからブ
レーキ用摩擦材に利用されているが、必要にして十分な
耐熱性が得られておらず、過酷な摩擦にも耐え得る高度
な耐摩耗性と機械的強度の点で、不十分であった。更に
最近は軽薄短小の技術志向に沿って、ブレーキも小型
化、軽量化が趨勢であり、それに伴い、ブレーキユニッ
トも小型化が趨勢となっている。従って、単位面積当り
のブレーキパッドの表面には必然的に過酷な耐摩耗性が
要求されるが、前記アラミドパルプを用いたブレーキパ
ッドではこの特性を満足することができなかった。又、
これらの従来の技術の改良としてポリパラフェニレンベ
ンゾビスオキサゾールパルプを含有するパルプ集合体で
構成された摩擦材を本出願人は先に提案したが、一層の
改良も期待されている。
用繊維材料としては、耐熱性、機械的強度、摩擦特性に
優れているアラミド繊維が主に用いられている。このア
ラミド繊維は構造物の補強効果及び充填剤の保持効果を
持たせるために、フィブリル化され、アラミドパルプと
して使用されている。アラミドパルプは、耐熱性、機械
的強度、摩擦特性に優れる特性を持っていることからブ
レーキ用摩擦材に利用されているが、必要にして十分な
耐熱性が得られておらず、過酷な摩擦にも耐え得る高度
な耐摩耗性と機械的強度の点で、不十分であった。更に
最近は軽薄短小の技術志向に沿って、ブレーキも小型
化、軽量化が趨勢であり、それに伴い、ブレーキユニッ
トも小型化が趨勢となっている。従って、単位面積当り
のブレーキパッドの表面には必然的に過酷な耐摩耗性が
要求されるが、前記アラミドパルプを用いたブレーキパ
ッドではこの特性を満足することができなかった。又、
これらの従来の技術の改良としてポリパラフェニレンベ
ンゾビスオキサゾールパルプを含有するパルプ集合体で
構成された摩擦材を本出願人は先に提案したが、一層の
改良も期待されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の実情
に鑑みてなされたものであり、ブレーキ用摩擦材に必要
にして十分な耐熱性と、耐摩耗性、機械的強度及び放熱
性を備えたブレーキ用摩擦材を提供することを目的とす
るものである。
に鑑みてなされたものであり、ブレーキ用摩擦材に必要
にして十分な耐熱性と、耐摩耗性、機械的強度及び放熱
性を備えたブレーキ用摩擦材を提供することを目的とす
るものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の実情に鑑
みてなされたものであり、請求項１の発明はポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾールパルプ及び熱硬化性樹
脂を含有してなるパルプ集合体を加熱加圧して一体化成
形したことを特徴とするブレーキ用摩擦材であり、請求
項２の発明はポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾー
ルパルプがパルプ集合体中に５〜４０重量％含有されて
いることを特徴とする請求項１記載のブレーキ用摩擦材
であり、請求項３の発明は、ポリパラフェニレンベンゾ
ビスオキサゾールパルプのろ水度が、１００〜７００ｍ
ｌに調整されていることを特徴とする請求項１もしくは
２記載のブレーキ用摩擦材である。これによりブレーキ
用摩擦材として、耐熱性、耐摩耗性、耐久性、機械的強
度、放熱性の改良されたものを提供することができる。
みてなされたものであり、請求項１の発明はポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾールパルプ及び熱硬化性樹
脂を含有してなるパルプ集合体を加熱加圧して一体化成
形したことを特徴とするブレーキ用摩擦材であり、請求
項２の発明はポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾー
ルパルプがパルプ集合体中に５〜４０重量％含有されて
いることを特徴とする請求項１記載のブレーキ用摩擦材
であり、請求項３の発明は、ポリパラフェニレンベンゾ
ビスオキサゾールパルプのろ水度が、１００〜７００ｍ
ｌに調整されていることを特徴とする請求項１もしくは
２記載のブレーキ用摩擦材である。これによりブレーキ
用摩擦材として、耐熱性、耐摩耗性、耐久性、機械的強
度、放熱性の改良されたものを提供することができる。
【０００５】本発明は、上記のようにポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾール繊維をフィブリル化したパル
プを含有する構造体をブレーキ用摩擦材として適用する
ことにより、アラミド繊維では得られなかったような耐
熱性、耐摩耗性、耐久性、機械的強度、放熱性を有する
摩擦材を提供するものである。
ンベンゾビスオキサゾール繊維をフィブリル化したパル
プを含有する構造体をブレーキ用摩擦材として適用する
ことにより、アラミド繊維では得られなかったような耐
熱性、耐摩耗性、耐久性、機械的強度、放熱性を有する
摩擦材を提供するものである。
【０００６】本発明に於いて用いられるポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール（以下ＰＢＯと称す）パル
プは、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維
をパルプ化したものであって、アラミド繊維以上の強度
や弾性を有し、その耐熱性もアラミド繊維よりも優れて
おり、更に、繊維方向に於ける熱伝導率が非常に優れて
いる点に特徴がある。従って、ＰＢＯ繊維をフィブリル
化したＰＢＯパルプで構成されたブレーキ用摩擦材は、
優れた摩擦特性、耐久性、機械的強度、放熱性を有する
ブレーキ用摩擦材となる。ＰＢＯ繊維としては、具体的
には東洋紡績株式会社製の商品名「ＺＹＬＯＮ」が挙げ
られる。本発明の摩擦材は、かかるＰＢＯパルプを主成
分とし、これにパルプ間の結着及び摩擦材に必要な磨耗
性を付与するために熱硬化性樹脂を配合し、更に必要に
応じてＰＢＯ繊維以外の補強用の繊維基材、無機充填
剤、摩擦調整剤及び固体潤滑剤を攪拌、混合手段により
配合したパルプ集合体を加熱加圧して一体化成形したこ
とを特徴とする。
レンベンゾビスオキサゾール（以下ＰＢＯと称す）パル
プは、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維
をパルプ化したものであって、アラミド繊維以上の強度
や弾性を有し、その耐熱性もアラミド繊維よりも優れて
おり、更に、繊維方向に於ける熱伝導率が非常に優れて
いる点に特徴がある。従って、ＰＢＯ繊維をフィブリル
化したＰＢＯパルプで構成されたブレーキ用摩擦材は、
優れた摩擦特性、耐久性、機械的強度、放熱性を有する
ブレーキ用摩擦材となる。ＰＢＯ繊維としては、具体的
には東洋紡績株式会社製の商品名「ＺＹＬＯＮ」が挙げ
られる。本発明の摩擦材は、かかるＰＢＯパルプを主成
分とし、これにパルプ間の結着及び摩擦材に必要な磨耗
性を付与するために熱硬化性樹脂を配合し、更に必要に
応じてＰＢＯ繊維以外の補強用の繊維基材、無機充填
剤、摩擦調整剤及び固体潤滑剤を攪拌、混合手段により
配合したパルプ集合体を加熱加圧して一体化成形したこ
とを特徴とする。
【０００７】この場合、本発明では請求項２で特定した
ように、そのパルプ集合体中にＰＢＯパルプを５〜４０
重量％含有していることが好ましい。ＰＢＯパルプが５
重量％未満では、ＰＢＯパルプを添加した効果が得られ
ず、良好な耐熱性、耐磨耗性を有するブレーキ用摩擦材
が得られない。又、ＰＢＯパルプが４０重量％より多く
なると、補強繊維密度が高まり、ブレーキ用摩擦材の他
の構造物材料、例えば結合材、充填剤、摩擦調整材の含
有量が減り、ブレーキ用摩擦材としてのバランスが悪く
なり、良好なブレーキ用摩擦材が得られない。
ように、そのパルプ集合体中にＰＢＯパルプを５〜４０
重量％含有していることが好ましい。ＰＢＯパルプが５
重量％未満では、ＰＢＯパルプを添加した効果が得られ
ず、良好な耐熱性、耐磨耗性を有するブレーキ用摩擦材
が得られない。又、ＰＢＯパルプが４０重量％より多く
なると、補強繊維密度が高まり、ブレーキ用摩擦材の他
の構造物材料、例えば結合材、充填剤、摩擦調整材の含
有量が減り、ブレーキ用摩擦材としてのバランスが悪く
なり、良好なブレーキ用摩擦材が得られない。
【０００８】熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール
樹脂（ストレートフェノール樹脂、ゴム等による各種変
性フェノール樹脂を含む）、メラミン樹脂、エポキシ樹
脂、シアン酸エステル樹脂等を挙げることができる。
樹脂（ストレートフェノール樹脂、ゴム等による各種変
性フェノール樹脂を含む）、メラミン樹脂、エポキシ樹
脂、シアン酸エステル樹脂等を挙げることができる。
【０００９】ＰＢＯ繊維以外の補強用の繊維基材として
は、耐熱性有機繊維、無機繊維、金属繊維が使用され
る。ここに耐熱性有機繊維としては、例えば芳香族ポリ
アミド繊維、耐炎性アクリル繊維が挙げられ、無機繊維
としては例えばチタン酸カリウム繊維やアルミナ繊維等
のセラミック繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、ロック
ウール等が挙げられ、又金属繊維としては例えば銅繊維
やスチール繊維が挙げられる。
は、耐熱性有機繊維、無機繊維、金属繊維が使用され
る。ここに耐熱性有機繊維としては、例えば芳香族ポリ
アミド繊維、耐炎性アクリル繊維が挙げられ、無機繊維
としては例えばチタン酸カリウム繊維やアルミナ繊維等
のセラミック繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、ロック
ウール等が挙げられ、又金属繊維としては例えば銅繊維
やスチール繊維が挙げられる。
【００１０】無機充填剤としては、例えば銅やアルミニ
ウム、亜鉛等の金属粒子、バームキュライトやマイカ等
の鱗片状無機物、硫酸バリウムや炭酸カルシウム等の粒
子が挙げられ、有機充填剤としては、例えば合成ゴムや
カシューダスト等が挙げられる。
ウム、亜鉛等の金属粒子、バームキュライトやマイカ等
の鱗片状無機物、硫酸バリウムや炭酸カルシウム等の粒
子が挙げられ、有機充填剤としては、例えば合成ゴムや
カシューダスト等が挙げられる。
【００１１】又、摩擦調整材としては、例えばアルミナ
やシリカ、マグネシア、ジルコニア、酸化クロム、石英
等の金属酸化物等を、固体潤滑剤としては、例えばグラ
ファイトや二硫化モリブデン等を用いることができる。
やシリカ、マグネシア、ジルコニア、酸化クロム、石英
等の金属酸化物等を、固体潤滑剤としては、例えばグラ
ファイトや二硫化モリブデン等を用いることができる。
【００１２】摩擦剤の組成としては、種々の組成割合を
とることができるが、補強用の繊維基材が、摩擦材全体
の１５〜４０重量％、摩擦調整材が１０〜２５重量％、
充填剤が３５〜７０重量％、結合材が６〜２４重量％と
することが望ましい。具体的成分についても、例えば充
填剤の場合を例にとっても、マイカが２〜８重量％、硫
酸バリウム１５〜４０重量％、カシューダスト１〜１５
重量％、ゴムダスト１〜１５重量％などのように、その
摩擦材の特性を考慮して選択される。
とることができるが、補強用の繊維基材が、摩擦材全体
の１５〜４０重量％、摩擦調整材が１０〜２５重量％、
充填剤が３５〜７０重量％、結合材が６〜２４重量％と
することが望ましい。具体的成分についても、例えば充
填剤の場合を例にとっても、マイカが２〜８重量％、硫
酸バリウム１５〜４０重量％、カシューダスト１〜１５
重量％、ゴムダスト１〜１５重量％などのように、その
摩擦材の特性を考慮して選択される。
【００１３】本発明で使用するＰＢＯパルプは、ＰＢＯ
繊維の長繊維あるいは、数ｍｍ程度の短繊維を用い、叩
解処理によって作製することができる。ここでＰＢＯパ
ルプの製造手段としては、一般的な叩解機であるボール
ミル、ビーター、ランペンミル、コーラーガング、ＰＦ
Ｉミル、ジョクロミル、ＳＤＲ、ＤＤＲその他のリファ
イナー等を使用して、ＰＢＯ繊維を叩解することにより
ＰＢＯパルプが得られる。
繊維の長繊維あるいは、数ｍｍ程度の短繊維を用い、叩
解処理によって作製することができる。ここでＰＢＯパ
ルプの製造手段としては、一般的な叩解機であるボール
ミル、ビーター、ランペンミル、コーラーガング、ＰＦ
Ｉミル、ジョクロミル、ＳＤＲ、ＤＤＲその他のリファ
イナー等を使用して、ＰＢＯ繊維を叩解することにより
ＰＢＯパルプが得られる。
【００１４】その際、本発明に於いては、請求項３に示
したように、ＰＢＯパルプはろ水度が１００〜７００ｍ
ｌに調整されているものが好ましく用いられる。ろ水度
とは、パルプの水切れの程度を表す指標（数値）であ
り、繊維の叩解の度合いを示す。本発明のパルプのろ水
度の試験方法はＪＩＳ・Ｐ８１２１に規定されているカ
ナダ標準ろ水度試験方法を採用している。一般に、ろ水
度が小さいほど、繊維の叩解が進み、繊維一本一本の枝
分かれの度合いが多くなる。ＰＢＯパルプの枝分かれが
多くなることにより、パルプ集合体を湿式抄造で得る場
合には、抄紙時のろ水時間を調整でき、表面の凸凹の少
ない抄紙体が得られ、又、その骨格である繊維同士の絡
みが多くなることで構造物の強度の補強効果を担い、
又、枝分かれが多い程摩擦調整剤等の繊維の抱き込み量
が多くなり、任意の量の調整及び生産性の向上につなが
る。
したように、ＰＢＯパルプはろ水度が１００〜７００ｍ
ｌに調整されているものが好ましく用いられる。ろ水度
とは、パルプの水切れの程度を表す指標（数値）であ
り、繊維の叩解の度合いを示す。本発明のパルプのろ水
度の試験方法はＪＩＳ・Ｐ８１２１に規定されているカ
ナダ標準ろ水度試験方法を採用している。一般に、ろ水
度が小さいほど、繊維の叩解が進み、繊維一本一本の枝
分かれの度合いが多くなる。ＰＢＯパルプの枝分かれが
多くなることにより、パルプ集合体を湿式抄造で得る場
合には、抄紙時のろ水時間を調整でき、表面の凸凹の少
ない抄紙体が得られ、又、その骨格である繊維同士の絡
みが多くなることで構造物の強度の補強効果を担い、
又、枝分かれが多い程摩擦調整剤等の繊維の抱き込み量
が多くなり、任意の量の調整及び生産性の向上につなが
る。
【００１５】ＰＢＯパルプとして、ろ水度が１００ｍｌ
より小さいものを用いると、繊維の枝分かれが多いため
に原材料を攪拌に於いてＰＢＯパルプの解繊性が悪く、
単純に攪拌処理しただけでは原材料繊維塊を均一に分散
させることが非常に困難になる。又、攪拌物内に微細な
塊として残留する場合もある。
より小さいものを用いると、繊維の枝分かれが多いため
に原材料を攪拌に於いてＰＢＯパルプの解繊性が悪く、
単純に攪拌処理しただけでは原材料繊維塊を均一に分散
させることが非常に困難になる。又、攪拌物内に微細な
塊として残留する場合もある。
【００１６】一方ＰＢＯパルプとしてろ水度が７００ｍ
ｌより大きいものを用いると、繊維の枝分かれが不十分
であるために、補強材としての役割を果たさず、又、摩
擦調整材、充填剤等を繊維が抱き込めず、任意の量の摩
擦調整材、充填剤を入れこむことができない。
ｌより大きいものを用いると、繊維の枝分かれが不十分
であるために、補強材としての役割を果たさず、又、摩
擦調整材、充填剤等を繊維が抱き込めず、任意の量の摩
擦調整材、充填剤を入れこむことができない。
【００１７】上記配合組成からなるパルプ集合体を使用
して本発明のブレーキ用摩擦材を製造するには、該パル
プ集合体を加熱・圧着して一体化成形することによって
達成できる。この場合、加熱・加圧の前に予備成形の工
程を、又、加熱・加圧の後に研磨の工程を経ることが好
ましい。具体的には、ディスクブレーキ用摩擦材の製造
工程は、板金プレスにより所定の形状に成形され、脱脂
処理及びプライマー処理が施され、そして接着剤が塗布
されたプレッシャープレートに前記パルプ集合体を重ね
合わせ、先ず常温にて所定の圧力を施して予備成形体を
作成し、しかる後得られた前記予備成形体に対して所定
の温度及び圧力を施して熱成形し、前記プレッシャープ
レートとパルプ集合体を固着してパルプ集合体を一体化
成形する。更にアフターキュアにより熱硬化性樹脂を十
分硬化して摩擦材に必要な十分な強度を付与した後、摩
擦材の表面を研磨等の仕上げ工程に通し本発明のブレー
キ用摩擦材を作成することが出来る。なお、本発明は上
記工程のみに限定されるものではない。
して本発明のブレーキ用摩擦材を製造するには、該パル
プ集合体を加熱・圧着して一体化成形することによって
達成できる。この場合、加熱・加圧の前に予備成形の工
程を、又、加熱・加圧の後に研磨の工程を経ることが好
ましい。具体的には、ディスクブレーキ用摩擦材の製造
工程は、板金プレスにより所定の形状に成形され、脱脂
処理及びプライマー処理が施され、そして接着剤が塗布
されたプレッシャープレートに前記パルプ集合体を重ね
合わせ、先ず常温にて所定の圧力を施して予備成形体を
作成し、しかる後得られた前記予備成形体に対して所定
の温度及び圧力を施して熱成形し、前記プレッシャープ
レートとパルプ集合体を固着してパルプ集合体を一体化
成形する。更にアフターキュアにより熱硬化性樹脂を十
分硬化して摩擦材に必要な十分な強度を付与した後、摩
擦材の表面を研磨等の仕上げ工程に通し本発明のブレー
キ用摩擦材を作成することが出来る。なお、本発明は上
記工程のみに限定されるものではない。
【００１８】
【実施例】（パルプ集合体の組成）本発明により配合し
た実施例と比較のために配合した比較例のパルプ集合体
の配合組成とを表１に示す。
た実施例と比較のために配合した比較例のパルプ集合体
の配合組成とを表１に示す。
【００１９】
【表１】
【００２０】〔Ｉ〕製造工程 （１）パルプ集合体の配合材料の攪拌の工程 各実施例及び比較例とも表１に示した配合原料を一括し
て攪拌機に投入し、攪拌を行ないパルプ集合体を作成し
た。なおフェノールレジンとしてはシリコン変性フェノ
ールレジンを使用した。
て攪拌機に投入し、攪拌を行ないパルプ集合体を作成し
た。なおフェノールレジンとしてはシリコン変性フェノ
ールレジンを使用した。
【００２１】なお、上記に於いて、ろ水度５０ｍｌに調
整したＰＢＯパルプを使用した場合、攪拌工程に於い
て、ＰＢＯパルプが均一に解繊せず、塊として残ってし
まった。又、ろ水度７５０ｍｌに調整したＰＢＯパルプ
を使用した場合、上記攪拌後の攪拌物には添加量分の充
填剤及び摩擦調整剤が存在しなかった。
整したＰＢＯパルプを使用した場合、攪拌工程に於い
て、ＰＢＯパルプが均一に解繊せず、塊として残ってし
まった。又、ろ水度７５０ｍｌに調整したＰＢＯパルプ
を使用した場合、上記攪拌後の攪拌物には添加量分の充
填剤及び摩擦調整剤が存在しなかった。
【００２２】（２）予備成形等の工程 上記実施例１〜２及び比較例１〜２で得られた４種類の
パルプ集合体を使用して、予備成形、熱成形、加熱、研
磨の工程を経て本発明及び比較用のブレーキ用摩擦材を
作製した。 １）予備成形 上記パルプ集合体を常温プレスの金型に投入し、常温に
て２００ｋｇｆ／ｃｍ２ の圧力で１分間加圧してブレ
ーキパッド状に予備成形した。 ２）熱成形 得られた予備成形品をプレッシャープレートがセットさ
れた熱プレスの金型内に移し、１５０℃、４５０ｋｇｆ
／ｃｍ２で４分間熱成形した。 ３）加熱 熱成形後、更に加熱炉内で、２５０℃で３時間加熱して
アフタキュアした。 ４）研磨 アフタキュア後、平面研磨機にて所定厚さに研磨してブ
レーキ用摩擦材（ブレーキパッド）を得た。
パルプ集合体を使用して、予備成形、熱成形、加熱、研
磨の工程を経て本発明及び比較用のブレーキ用摩擦材を
作製した。 １）予備成形 上記パルプ集合体を常温プレスの金型に投入し、常温に
て２００ｋｇｆ／ｃｍ２ の圧力で１分間加圧してブレ
ーキパッド状に予備成形した。 ２）熱成形 得られた予備成形品をプレッシャープレートがセットさ
れた熱プレスの金型内に移し、１５０℃、４５０ｋｇｆ
／ｃｍ２で４分間熱成形した。 ３）加熱 熱成形後、更に加熱炉内で、２５０℃で３時間加熱して
アフタキュアした。 ４）研磨 アフタキュア後、平面研磨機にて所定厚さに研磨してブ
レーキ用摩擦材（ブレーキパッド）を得た。
【００２３】〔ＩＩ〕性能試験 （１）試験項目 完成した各々の摩擦材について、摩擦試験と曲げ試験を
実施した。 １）摩擦試験 慣性型小型ダイナモ試験により行なった。 ２）曲げ試験 三点曲げ試験にて曲げ強度を測定した。
実施した。 １）摩擦試験 慣性型小型ダイナモ試験により行なった。 ２）曲げ試験 三点曲げ試験にて曲げ強度を測定した。
【００２４】（２）試験結果 試験結果を表２に示す。ＰＢＯパルプを使用した実施例
１、２の摩擦材の摩擦係数は、アラミドパルプを使用し
た比較例１、２の摩擦材の摩擦係数より大きな値とな
り、摩擦特性が優れていることが明らかとなった。又、
摩擦量もＰＢＯパルプを使用した実施例１、２の摩擦材
の方が、アラミドパルプを使用した比較例１、２の摩擦
材より少なく、耐久性、機械的強度にも優れていること
が明らかとなった。又、試験後の摩擦材表面の温度もＰ
ＢＯパルプを使用した実施例１、２の方がアラミドパル
プを使用した比較例１、２の摩擦材より温度が低く、放
熱特性にも優れていることが明らかとなった。
１、２の摩擦材の摩擦係数は、アラミドパルプを使用し
た比較例１、２の摩擦材の摩擦係数より大きな値とな
り、摩擦特性が優れていることが明らかとなった。又、
摩擦量もＰＢＯパルプを使用した実施例１、２の摩擦材
の方が、アラミドパルプを使用した比較例１、２の摩擦
材より少なく、耐久性、機械的強度にも優れていること
が明らかとなった。又、試験後の摩擦材表面の温度もＰ
ＢＯパルプを使用した実施例１、２の方がアラミドパル
プを使用した比較例１、２の摩擦材より温度が低く、放
熱特性にも優れていることが明らかとなった。
【００２５】
【表２】
【００２６】
【発明の効果】本発明によれば、上記比較試験で明らか
なように、耐熱性、高強度、高弾性率、高熱伝導性、高
湿耐摩耗性、機械的強度、摩擦特性に優れたポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾール繊維をフィブリル化し
たポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールパルプを
配合したブレーキ用摩擦材を構成することによって耐熱
性、強度、耐摩耗性、放熱特性等に優れた特性を得るこ
とができる。
なように、耐熱性、高強度、高弾性率、高熱伝導性、高
湿耐摩耗性、機械的強度、摩擦特性に優れたポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾール繊維をフィブリル化し
たポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールパルプを
配合したブレーキ用摩擦材を構成することによって耐熱
性、強度、耐摩耗性、放熱特性等に優れた特性を得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ０８Ｌ 79/04 Ｃ０８Ｌ 79/04 Ｂ 101/00 101/00 Ｆ１６Ｄ 69/02 Ｆ１６Ｄ 69/02 Ａ Ｆターム(参考） 3J058 BA31 BA41 BA46 FA01 FA11 FA21 GA12 GA20 GA26 GA28 GA37 GA45 GA55 GA64 GA65 GA92 GA95 4F071 AA41 AA58 AF14 AF22 AF45 AH07 DA04 DA05 4F072 AA02 AA07 AB05 AB22 AD13 AD21 AD23 4J002 AA02X CM02W GN00
Claims (3)
- 【請求項１】 ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ールパルプ及び熱硬化性樹脂を含有してなるパルプ集合
体を、加熱・加圧して一体化成形したことを特徴とする
ブレーキ用摩擦材。 - 【請求項２】 ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ールパルプをパルプ集合体中に５〜４０重量％含有して
いることを特徴とする請求項１記載のブレーキ用摩擦
材。 - 【請求項３】 ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ールパルプのろ水度が、１００〜７００ｍｌに調整され
ていることを特徴とする請求項１もしくは２記載のブレ
ーキ用摩擦材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000282861A JP2002088345A (ja) | 2000-09-19 | 2000-09-19 | ブレーキ用摩擦材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000282861A JP2002088345A (ja) | 2000-09-19 | 2000-09-19 | ブレーキ用摩擦材 |
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
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Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002088345A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006504524A (ja) * | 2002-11-01 | 2006-02-09 | コンプリヘンシブ リソーシーズ，リカバリー アンド リユース，インコーポレイテッド | 廃棄材料を処理するための装置、システム、および方法 |
| JP2009521614A (ja) * | 2005-12-21 | 2009-06-04 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | ポリアレーンアゾール／熱硬化性樹脂パルプおよびその製造方法 |
| JP2011178952A (ja) * | 2010-03-03 | 2011-09-15 | Starlite Co Ltd | 耐熱性フェノール樹脂組成物及びそれを用いた耐熱性パッド並びに耐熱性パッドの製造方法 |
| JP2016089169A (ja) * | 2014-10-30 | 2016-05-23 | Dic株式会社 | 複合樹脂組成物、成形体、熱伝導材料及び熱伝導材料 |
-
2000
- 2000-09-19 JP JP2000282861A patent/JP2002088345A/ja active Pending
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