JP2002221105A - 燃料蒸気処理装置とその故障診断装置 - Google Patents

燃料蒸気処理装置とその故障診断装置

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JP2002221105A
JP2002221105A JP2001016845A JP2001016845A JP2002221105A JP 2002221105 A JP2002221105 A JP 2002221105A JP 2001016845 A JP2001016845 A JP 2001016845A JP 2001016845 A JP2001016845 A JP 2001016845A JP 2002221105 A JP2002221105 A JP 2002221105A
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fuel vapor
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Noriyasu Amano
典保 天野
Naoya Kato
直也 加藤
Masao Kano
政雄 加納
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Soken Inc
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Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料系に与える影響を抑制し、且つエンジン運
転状態に関係なく常に安定したパージ能力を発揮するこ
と。 【解決手段】キャニスタ10は、燃料タンク20内で発
生した燃料蒸気を一時的に吸着する。キャニスタ10と
エンジン吸気管31との間にはパージポンプ50が設置
されている。パージポンプ50は、パージガスを導入す
る第1室51と、燃料ポンプ21による加圧燃料を導入
する第2室52とを有しており、これら第1室51及び
第2室52がピストン53により密閉状態で区画されて
いる。同パージポンプ50は、第2室52に導入される
燃圧に応じてピストン53を往復動させ、第1室51の
容積を変化させる。これにより、パージ停止中にはパー
ジポンプ50の第1室51にパージガスが導入されると
共に、パージ開始時には第1室51のパージガスがパー
ジバルブ16を介して吸気管31に送出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンクから放
出される燃料蒸気(エバポガス)をキャニスタに一旦吸
着し、その後エンジン吸気系にパージする燃料蒸気処理
装置と、その故障診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の燃料蒸気処理装置では、キャニ
スタに吸着材として活性炭が充填されており、車両走行
中又は停止時に燃料タンクにて発生した燃料蒸気を吸着
保持し、車外への放出を抑制するようにしている。この
場合、エンジン作動時において、吸気管負圧によりキャ
ニスタに大気が導入され、その大気導入によりキャニス
タ内に吸着された燃料蒸気が脱離される。そしてこの燃
料蒸気は、吸気管に導出されインジェクタからの噴射燃
料と共に燃焼されるようになっている。
【0003】近年、燃費を向上する目的で、理論空燃比
よりもリーン側で燃焼する直噴エンジンやその他リーン
バーンエンジンが増えつつある。このようなエンジンで
は空燃比が希薄化されるほど吸気管負圧が小さくなるこ
とが知られている。燃料蒸気処理装置では、キャニスタ
に吸着した燃料蒸気を吸気管に送り込むために吸気管負
圧を利用しているが、上記のエンジンでは吸気管負圧が
小さいためにキャニスタが十分にパージされにくく、キ
ャニスタに残存した燃料蒸気が拡散して大気に漏れ出る
おそれがあった。
【0004】この問題を解決するために、特開平11−
30158号公報のようにパージ通路内にパージポンプ
を設置して、強制的に燃料蒸気を吸気管に送る技術があ
る。上記公報では、電動モータの回転速度に応じて吸気
管へのパージ量を変化させるモータ駆動式のパージポン
プや、燃料タンクからインジェクタへ給送される燃料の
流れを利用して回転軸を回転させ、その回転に伴い吸気
管へのパージ量を変化させる燃料駆動式のパージポンプ
が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電動モ
ータを用いたモータ駆動式のパージポンプの場合、電力
消費に起因する燃費の低下が間題となる。また、燃料駆
動式のパージポンプの場合には、燃費低下の問題は解消
されるものの、パージポンプ駆動時は燃料の一部が燃料
配管から分岐してパージポンプ側へ流れるために燃料ポ
ンプが発生する圧力の一部が燃料配管から抜けることに
なり、パージポンプ駆動時と停止時とで燃料分配管(デ
リバリパイプ)の燃圧が変動してしまう。従って、イン
ジェクタの燃料噴射に影響を与えることになる。また、
燃料消費量が多くなる運転状態ではデリバリパイプに送
る燃料量を確保するためにパージポンプの駆動が制限さ
れるといった問題や、燃料の流量(燃料消費量)によっ
てはパージポンプの圧送能力が制限されるといった間題
が生じる。
【0006】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、燃料系に与える
影響を抑制し、且つエンジン運転状態に関係なく常に安
定したパージ能力を発揮することができる燃料蒸気処理
装置及びその故障診断装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の燃料蒸
気処理装置では、燃料圧力を利用して駆動されるパージ
ポンプが設けられており、このパージポンプでは、燃料
ポンプにより加圧された燃料を導入し、その燃料の圧力
により可動部材を往復動させてキャニスタに吸着した燃
料蒸気を強制的にパージさせる。従って、仮に吸気管負
圧の少ない(又は負圧のない)エンジンで本装置を用い
たとしても、キャニスタ内の燃料蒸気が好適にエンジン
吸気管にパージされる。また本発明によれば、燃圧を利
用してパージポンプが駆動されるので、燃料の流れを利
用してパージポンプが駆動される上記従来公報の装置と
は異なり、燃料の抜けによる燃圧の変動等、燃料系への
悪影響を招くことはない。また、パージポンプの駆動源
である燃圧(燃料ポンプによる燃料圧力)はエンジン運
転状態に依らずほぼ一定で保持されるので、当該パージ
ポンプが常に安定して駆動される。その結果、燃料系に
与える影響を抑制し、且つエンジン運転状態に関係なく
常に安定したパージ能力を発揮することができる。
【0008】請求項2に記載の燃料蒸気処理装置では、
パージポンプにおいて、第1室にパージエアが導入され
る一方、第2室に燃料ポンプによる加圧燃料が導入さ
れ、第2室に導入される燃料の圧力に応じて可動部材が
往復動される。この場合、可動部材の往復動に伴い第1
室の容積が変化することで、当該第1室にパージエアが
吸入されると共に、その後パージエアが送出される。ま
た本発明では、第1室及び第2室が可動部材により密閉
状態で区画されるので、燃料ポンプによる加圧燃料の抜
けが最小限に抑えられる。故に、燃料噴射への影響が極
力抑制できる。
【0009】なお、本明細書では便宜上、キャニスタを
パージするために外部より導入される大気と、キャニス
タよりパージされた燃料蒸気(パージガス)との総称を
「パージエア」と定義し用いることとする。
【0010】また、本発明の燃料蒸気処理装置では、パ
ージポンプを以下の請求項3又は請求項4の如く配置す
ると良い。つまり、請求項3に記載の燃料蒸気処理装置
では、キャニスタとエンジン吸気管との間にパージポン
プが設置されている。この場合、該パージポンプは、第
2室の燃圧開放時にキャニスタから第1室にパージエア
としての燃料蒸気(パージガス)を吸入し、第2室の燃
圧導入時に第1室からエンジンの吸気管にパージエアを
送出する。また、請求項4に記載の燃料蒸気処理装置で
は、キャニスタの大気開放部にパージポンプが設置され
ている。この場合、該パージポンプは、第2室の燃圧開
放時に第1室にパージエアとしての大気を吸入し、第2
室の燃圧導入時に第1室からキャニスタを通してエンジ
ンの吸気管にパージエアを送出する。
【0011】請求項5に記載の燃料蒸気処理装置では、
制御手段はパージ制御弁の開度を制御し、これにより、
吸気管へ放出される燃料蒸気のパージ量が調整される。
また、制御手段は、パージ制御弁を閉鎖するパージ停止
期間において第2室の燃圧を開放して第1室の容積を最
大化し、該第1室にパージエアを導入するステップと、
その後のパージ制御弁によるパージ実施時において第2
室に燃圧を導入して第1室の容積を縮小化し、該第1室
内のパージエアを送出するステップとを順次実施する。
この場合、第2室の燃圧の開放及び導入に従い、第1室
ではパージエアの導入及び送出が繰り返される。これに
より、パージポンプが好適に駆動される。
【0012】また、請求項6に記載の燃料蒸気処理装置
では、駆動時における第2室の容積変化が第1室の容積
変化よりも小さくなるようパージポンプを構成したの
で、第2室への燃圧導入時における燃圧の変動(低下)
が最小限に抑えられる。
【0013】一方、以下の請求項7〜11は、上述した
燃料蒸気処理装置の故障を診断するための故障診断装置
にかかる発明である。請求項7に記載の発明では、燃料
タンクから燃料蒸気通路を介して前記吸気管までを閉空
間とした後、該閉空間をパージポンプにより加圧又は減
圧する。また、その状態での前記閉空間の圧力変化に基
づいて燃料蒸気処理装置の異常を検出する。この場合、
キャニスタやパージポンプをも含む燃料蒸気処理装置に
異常があれば、燃料蒸気が外部に漏れ出てそれが閉空間
の圧力変化として検出できる。従って、故障判定が容易
に実施できる。
【0014】上記請求項7の発明では、以下の請求項8
〜11の如く故障診断を具体化すると良い。すなわち、 ・請求項8に記載の発明では、前記閉空間を形成した
後、パージポンプの加圧動作に伴い閉空間内の圧力が所
定の判定値まで上昇したか否かにより該閉空間の漏れを
判定する。 ・請求項9に記載の発明では、パージポンプにより前記
閉空間を加圧し終えた後に、所定時間経過後における閉
空間の圧力降下状態から該閉空間の漏れを判定する。 ・請求項10に記載の発明では、前記閉空間を形成した
後、パージポンプの減圧動作に伴い閉空間内の圧力が所
定の判定値まで降下したか否かにより該閉空間の漏れを
判定する。 ・請求項11に記載の発明では、パージポンプにより前
記閉空間を減圧し終えた後に、所定時間経過後における
閉空間の圧力上昇状態から該閉空間の漏れを判定する。
【0015】上記請求項8〜11の発明によれば、何れ
においても燃料蒸気処理装置の故障診断が好適に実施で
きる。またこの場合、請求項9又は請求項11では、閉
空間の加圧後における圧力降下状態、或いは閉空間の減
圧後における圧力上昇状態をモニタすることにより、漏
れの有無だけでなく漏れの程度(穴径の大きさ等)を知
ることが可能となり、より一層正確な故障診断が実現で
きる。また、請求項10や請求項11のように、パージ
ポンプにより閉空間を減圧させて故障診断を行う場合、
仮に燃料蒸気通路等に穴があいているとその穴から大気
が吸い込まれる。故に、当該故障診断時に燃料蒸気が漏
れ穴から大気に放出されるといった不都合が回避でき
る。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、この
発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明
する。本実施の形態の燃料蒸気処理装置では、車載エン
ジンの燃料系に配設されるキャニスタを用い、燃料タン
クにて発生する燃料蒸気(エバポガス)を一旦吸着し、
その後エンジン吸気系に排出することとしており、以下
には燃料蒸気処理装置及びその周辺機器の構成と作用と
を詳細に説明する。
【0017】図1は、本実施の形態における燃料蒸気処
理装置の全体構成を示す図である。先ずエバポ系の構成
について説明する。燃料蒸気を吸着するキャニスタ10
には一端にエバポポート11とパージポート12とが形
成されると共に、他端に大気ポート13が形成されてお
り、この両端に挟まれたキャニスタ10内部に吸着材で
ある活性炭が充填されている。キャニスタ10のエバポ
ポート11はエバポ通路14により燃料タンク20に接
続されており、パージポート12はパージ通路15によ
りエンジン30の吸気管31に接続されている。このエ
バポ通路14とパージ通路15とが燃料蒸気通路であ
る。パージ通路15の途中には、パージ流量を調節する
パージ制御弁としてのパージバルブ16と、キャニスタ
パージを強制的に実施させるためのパージポンプ50と
が設置されている。パージバルブ16の動作はECU4
0により制御される。パージポンプ50の構成及び動作
については後で詳述する。また、キャニスタ10の大気
ポート13はキャニスタクローズドバルブ17を介して
大気に開放されている。
【0018】次に、燃料系の構成について説明する。燃
料タンク20内には、燃料圧送のための燃料ポンプ21
が設置されており、その燃料ポンプ21は燃料配管22
を介してエンジン30のデリバリパイプ32に接続され
ている。デリバリパイプ32には、各気筒毎に配設され
た複数のインジェクタ33が接続されており、デリバリ
パイプ32内に蓄えられた燃料がインジェクタ33を介
して各気筒に噴射供給される。なお、燃料ポンプ21及
びインジェクタ33の動作はECU40により制御され
る。また、燃料タンク20には、タンク内圧力を計測す
るための圧力センサ23が設置されている。
【0019】次に、パージポンプ50の詳細構成を図2
を併せ用いて説明する。図2において、パージポンプ5
0は、パージエアとしてのパージガスを導入する第1室
51と、前記燃料ポンプ21による加圧燃料を導入する
第2室52とに区画されており、第1室51はキャニス
タ10とパージバルブ16間のパージ通路15の途中に
くるように設置され、第2室52は燃料ポンプ21とデ
リバリパイプ32間の燃料配管22の途中にくるように
設置されている。第1室51と第2室52とは、図の上
下方向に往復動可能な可動部材としてのピストン53で
仕切られており、第1室51内のパージガスや第2室5
2内の燃料が各室から漏れ出さないようにピストン53
とケース54との間はシールリング55により密閉され
ている。
【0020】ピストン53はスプリング56により図の
下方に押圧されており、スプリング56の付勢力と第2
室52内の燃圧とのバランスによりピストン53の位置
が決定されるようになっている。但し、図2の状態は初
期状態ではなく、既に第2室52内に加圧燃料が導入さ
れ、ピストン53が図の上方向に移動した状態を示す。
なお、以下の説明では便宜上、図2の状態を基準にピス
トン53の上下方向を規定し、図の上方向への移動を
「上動」、図の下方向への移動を「下動」として記載す
る。
【0021】第1室51には2つのポートが設けられて
いる。そのうち一方のポートはパージ通路15を介して
キャニスタ10に接続されており、パージ通路15との
接続部にはバルブ61が設置されている。また、第1室
51の他方のポートはパージ通路15を介してパージバ
ルブ16に接続されており、パージ通路15との接続部
にはバルブ62が設置されている。
【0022】第2室52には1つのポートが設けられ、
そのポートより延びる通路が2つに分岐されている。そ
のうち一方の通路は燃料配管22に接続されており、そ
の接続部にはバルブ63が設置されている。また、他方
の通路はリターン配管24により燃料タンク20に接続
されており、リターン配管24との接続部にはバルブ6
4が設置されている。バルブ61〜64はECU40に
より各自に開閉制御される。但し、図2では第1室51
に2つのポートを形成しているが、第2室52のように
1つのポートを分岐する構成であっても良い。また、第
2室52は1つのポートを分岐しているが、第1室51
のように2つのポートを形成する構成であっても良い。
【0023】上記パージポンプ50では、第2室52に
燃料ポンプ21より加圧燃料が導入されると、燃圧によ
り図2の如くピストン53が上動し、第1室51の容積
が小さくなる。また、第2室52がリターン側に接続さ
れて燃圧が開放されると、ピストン53が下動し、所定
位置(例えばケース54の底面)まで移動すると第1室
51の容積が最大になる。
【0024】上記の如く構成される燃料蒸気処理装置の
作動の概要を図3のタイムチャートを用いて説明する。
なお図3において、t1,t3のタイミングは、パージ
バルブ16を閉鎖し、キャニスタ10からエンジン吸気
系へのパージを停止するタイミングであり、t2のタイ
ミングは、パージバルブ16を開放し、キャニスタ10
からエンジン吸気系へのパージを開始するタイミングで
ある。
【0025】さて、t1〜t2のパージ停止中(パージ
バルブ16の閉鎖時)には、パージポンプ50の第1室
51にパージガスが導入される。つまり、t1のタイミ
ングでは、バルブ63が閉鎖、バルブ64が開放されて
第2室52の燃圧が開放されると同時に、バルブ62が
閉鎖、バルブ61が開放されて第1室51とキャニスタ
10とが連通される。なおこのとき、キャニスタ10の
大気側のキャニスタクローズドバルブ17を開放させて
おく。但し厳密には、上記4つのバルブ61〜64を同
時に開閉させると、個々のバルブの応答速度等の差によ
り瞬間的に逆流が発生する恐れがあるため、図示の通り
閉鎖するバルブが先に、開放するバルブが後に操作され
るよう時間差を設けている。
【0026】第2室52の燃圧が開放されると、スプリ
ング56の付勢力によりピストン53がケース54の底
面まで押し下げられる。このため、第2室52の容積は
最小になり、該第2室52内の燃料はバルブ64及びリ
ターン配管24を通り燃料タンク20に排出される。第
1室51では逆に容積が増加し、減圧される。これによ
り、キャニスタクローズドバルブ17からキャニスタ1
0に大気が吸い込まれ、キャニスタ10をパージしたパ
ージガスが第1室51に流れ込む。このとき、ピストン
53とケース54の隙間はシールリング55により密閉
されているため、パージガスが第2室52に流れ込むこ
とはない。こうして第1室51にパージガスを導入して
いる間、バルブ63は閉鎖されたままであるため、燃料
ポンプ21から燃料配管22、デリバリパイプ32間は
閉じており、燃料ポンプ21で発生した燃圧が抜けるこ
とはない。
【0027】その後、第1室51にパージガスが十分に
吸い込まれると、t2のタイミングでは、パージ開始と
同時にバルブ64が閉鎖、バルブ63が開放されて第2
室52に加圧燃料が導入される。更に同時にバルブ61
が閉鎖、バルブ62が開放されて第1室51とパージバ
ルブ16とが連通される(但しこの場合にも、バルブ開
閉の時間差有り)。それ以降、パージバルブ16の開度
がエンジン運転状態等に応じて制御される。ここで、燃
料ポンプ21による燃圧は通常数100kPa〜数MP
aであり、パージ通路15の圧損数kPaに比べ非常に
高いため、燃料はピストン53を押し上げる。この結
果、第1室51のパージガスはパージバルブ16により
流量が調節されながら吸気管31に押し込まれる。この
とき、ピストン53とケース54との隙間はシールリン
グ55により密閉されているため、燃料が第1室51に
流れ込むことはない。こうして第2室52に燃料を導入
している間、バルブ64は閉鎖されたままであるため、
第2室52の最大容積(ピストン53最上点での容積)
と燃料ポンプ21から燃料配管22、デリバリパイプ3
2間の容積を適切に設定すれば、デリバリパイプ32の
燃圧は殆ど変動しない。
【0028】ところで、第1室51にパージガスを十分
に吸い込むための所要時間T0は、スプリング56の付
勢力、第1室51の容積変化量、キャニスタ10及びキ
ャニスタ10〜パージポンプ50間の燃料蒸気通路の圧
損によって決まり、予め求めておくことができる。パー
ジ停止期間においては、この時間T0の経過後に、バル
ブ64が閉鎖、バルブ63が開放されて第2室52に加
圧燃料が導入されると同時に、バルブ61が閉鎖、バル
ブ62が開放されてパージが開始される。
【0029】また、パージ実施時において、パージポン
プ50が1回で送ることができるパージガス量Q0は、
ピストン53の最下点での第1室51の容積と最上点で
の第1室51の容積との差である。この場合、パージバ
ルブ16の開度からパージ流量の積算値Qを求め、その
積算値Qが前記パージガス量Q0に達したことを判別す
れば、パージ実施時に1回分のパージが完了したか、す
なわちピストン53が最上点に達したかどうかが推測で
きる。ピストン53が最上点に達したら、その時点でパ
ージが停止される。すなわち、バルブ63が閉鎖、バル
ブ64が開放されて第2室52の燃圧が開放されると同
時に、バルブ62が閉鎖、バルブ61が開放されて第1
室51にパージガスが導入される。
【0030】次に、上記パージポンプ50を用いたパー
ジ制御手順を図4のフローチャートを用いて説明する。
図4の処理は、特許請求の範囲に記載の「制御手段」に
相当し、ECU40により実施される。なおこの制御で
は、はじめにパージポンプ50からエンジン吸気管31
へパージガスを放出し、その後、パージポンプ50にパ
ージガスを導入する手順となっている。すなわち、本処
理の開始当初においては、パージポンプ50の第1室5
1にパージガスが予め導入されている。
【0031】図4において、先ずステップ101では、
エンジン運転状態等からなる周知のパージ実施条件に基
づいてパージ制御の開始を判断し、それ以降、後続の処
理を実施する。つまり、ステップ102では、バルブ6
1とバルブ64とを閉じ、続くステップ103では、バ
ルブ62とバルブ63とを開く。上記ステップ102,
103によれば、パージポンプ50の第1室51がエン
ジン吸気管31に連通されると共に、同パージポンプ5
0の第2室52が燃料ポンプ21に連通される(前記図
3のt2のタイミング)。
【0032】ステップ104では、排気管に設置された
O2 センサ(又はA/Fセンサ)の信号やその他エンジ
ンの運転条件に基づいてパージバルブ16の開度を調整
する。その後、ステップ105では、前記同様、周知の
パージ実施条件に基づいてパージ制御を継続するか停止
するかを判別し、パージ制御を継続する場合はステップ
106へ、パージ制御を停止する場合はステップ111
へ進む。
【0033】パージ制御を継続する場合、ステップ10
6ではパージバルブ16の開度からパージ流量を求め
る。また、ステップ107では、パージ開始後からのパ
ージ流量の積算値Qがパージ1回分のパージガス量Q0
よりも大きいか否かを判別する。ここで、パージ1回分
のパージガス量Q0は、前述の通りパージポンプ50に
おいてピストン最下点での第1室51の容積とピストン
最上点での第1室51の容積との差に相当する。
【0034】Q<Q0の場合は、パージポンプ50の第
1室51内にパージガスがまだ残っていると判断してス
テップ104に戻り、パージバルブ16の開度調整を継
続する。Q≧Q0の場合は、第1室51内にパージガス
が残っていないと判断してステップ108に進む。ステ
ップ108以降の処理では、パージバルブ16を一旦閉
じてパージポンプ50内にパージガスを導入する。
【0035】すなわち、ステップ108では、バルブ6
2とバルブ63とを閉じ、続くステップ109では、バ
ルブ61とバルブ64とを開く。これにより、第2室5
2の燃圧が開放されると共に、第1室51内にパージガ
スが吸い込まれる(前記図3のt1,t3のタイミン
グ)。その後、ステップ110では、第1室51にパー
ジガスを吸い込み始めてからの経過時間が、パージガス
を十分吸い込むための所要時間T0に達したか否か(T
≧T0か否か)を判別し、YESであればステップ10
2に戻り、パージを再開する。
【0036】一方、ステップ105でパージ制御を停止
すると判断した場合はステップ111に進み、当該パー
ジ制御の終了処理を実施する。すなわち、ステップ11
1では、バルブ62とバルブ63とを閉じ、続くステッ
プ112では、バルブ61とバルブ64とを開く。これ
により、第2室52の燃圧が開放されると共に、第1室
51にパージガスが吸い込まれる。そして、続くステッ
プ113では、ステップ110と同様に、第1室51内
にパージガスを十分吸い込むための所要時間T0だけ待
つ。その後、ステップ114では、バルブ61とバルブ
64とを閉じてパージポンプ50のポートを全て閉鎖し
た後、本処理を終了する。
【0037】上記ステップ111〜114の終了処理に
よれば、パージ制御の終了時には第2室52内の燃料が
抜かれる。従って、パージ制御の停止時に第2室52に
高圧燃料が入ったまま保持されることはなく、高圧燃料
が不意に漏れ出るおそれはない。
【0038】更に、このパージポンプ50を利用して、
燃料蒸気処理装置の故障診断を行うことができる。以
下、ECU40により実施される故障診断手順につい
て、図5のフローチャートを用いて説明する。なお図5
の処理は、エンジン始動時やエンジン停止時に実施され
るか、或いは所定時間周期で実施されるようになってい
る。
【0039】図5の処理がスタートすると、先ずはじめ
にバルブ61とバルブ64とを開き(ステップ20
1)、第2室52の燃圧を開放する。次に、パージバル
ブ16を閉じると共にキャニスタクローズドバルブ17
を閉じ、更にバルブ61とバルブ62とを開く(ステッ
プ202〜204)。これにより、パージバルブ16か
らパージ通路15を通りパージポンプ50、キャニスタ
10までの空間と、キャニスタ10からエバポ通路14
を通り燃料タンク20までの空間とからなる「燃料蒸気
空間」が閉空間になる。そして、上記閉空間を形成した
状態で、バルブ64を閉じると共にバルブ63を開き
(ステップ205,206)、パージポンプ50の第2
室52に加圧燃料を導入する。すると、燃圧によりパー
ジポンプ50内のピストン53が押し上げられるため、
上記閉空間が加圧される。
【0040】ステップ207では、圧力変化が落ち着く
までしばらく待った後、閉空間の圧力P1を圧力センサ
23により測定し、続くステップ208では、圧力P1
がある所定の圧力P0よりも大きいか否かを判別する。
ここで、閉空間(燃料蒸気空間)に穴があいていなけれ
ば、パージポンプ50の加圧動作に伴い前記圧力P1が
上昇し、パージポンプ50の第1室51の容積変化量と
閉空間容積とから決まる所定値に到達するはずである。
これに対し、閉空間(燃料蒸気空間)に穴があいていれ
ば、前記圧力P1は殆ど上昇しない。前記圧力P0は、
本来到達すべき圧力の所定値を基準に予め決められる。
但し、圧力上昇は、温度要因やタンク内燃料残量等によ
り変化するため、これらを考慮して圧力P0を設定する
と良い。
【0041】P1>P0であれば、後続のステップ20
9に進む。また、P1≦P0であれば、閉空間に穴があ
いているとみなしてステップ215に進み、異常発生の
旨を判定する。
【0042】閉空間に比較的大きな穴があいている場合
には上記ステップ208により穴の有無が簡易的に確認
できるが、微細な穴があいている場合には、上記ステッ
プ208の判別では穴の有無が確認できないため、ステ
ップ209において閉空間の圧力降下状態に基づき穴の
有無を判定する。つまり、ステップ209ではバルブ6
3を閉じ、第2室52の圧力を保持する。ステップ21
0では、バルブ63を閉じてからの経過時間Tが所定時
間T1(例えば1,2分程度)に達するまで待ち、続く
ステップ211では、時間T1経過後の閉空間の圧力P
2を圧力センサ23により測定する。
【0043】仮に閉空間に微細な穴があいていると、圧
力P2(ステップ211の測定値)は圧力P1(ステッ
プ207の測定値)よりも小さくなる。そこで、ステッ
プ212では、「P1−P2」を計算して圧力差P3を
求め、続くステップ213では、圧力差P3が本システ
ムに許容される最大漏れ時の規定圧P4よりも小さいか
否かを判別する。そして、P3<P4であれば、許容範
囲を越える穴はあいていないとしてステップ214に進
み、正常判定を行う。また、P3≧P4であれば、許容
範囲を越える穴があいているとしてステップ215に進
み、異常発生の旨を判定する。
【0044】因みに、上記ステップ212の圧力差P3
は圧力降下状態を示すパラメータであり、この圧力差P
3が分かれば、漏れの有無だけでなく漏れの程度(穴径
の大きさ等)を知ることが可能となる。
【0045】以上の故障判定は燃料蒸気通路だけでな
く、パージポンプ50の第1室51、第2室52に漏れ
がある場合も同じ結果が得られるため、パージポンプ自
身の故障判定も兼ねている。
【0046】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。燃料圧力により駆動されるパー
ジポンプ50を用いたので、燃料の流れを利用した従来
のパージポンプとは異なり燃圧の変動等、燃料系への悪
影響を招くことはない。また、パージポンプ50の駆動
源である燃圧(燃料ポンプ21による燃料圧力)はエン
ジン運転状態に依らずほぼ一定で保持されるので、当該
パージポンプ50が常に安定して駆動される。その結
果、本実施の形態の燃料蒸気処理装置によれば、燃料系
に与える影響を抑制し、且つエンジン運転状態に関係な
く常に安定したパージ能力を発揮することができる。
【0047】特に本実施の形態の装置では、パージポン
プ50の働きによりキャニスタ10内における燃料蒸気
が強制的にパージされるので、空燃比のリーン化に伴い
吸気管負圧が小さくなる直噴エンジンやリーンバーンエ
ンジンにも適した装置が実現できる。
【0048】また、パージポンプ50において、第1室
51及び第2室52がピストン53により密閉状態で区
画されるので、燃料ポンプ21による加圧燃料の抜けが
最小限に抑えられる。故に、燃料噴射への影響が極力抑
制できる。
【0049】一方、概ねパージバルブ16から燃料タン
ク20までの「燃料蒸気空間」を閉空間とし、その状態
でのパージポンプ50による加圧時の圧力変化や、加圧
し終えた後の圧力降下状態に基づいて閉空間の漏れを判
定するので、故障判定が容易且つ適切に実施できる。ま
た、パージポンプ50の故障判定も併せて実施できる。
【0050】(第2の実施の形態)次に、本発明におけ
る第2の実施の形態について、上述した第1の実施の形
態との相違点を中心に説明する。
【0051】図6は、第2の実施の形態における燃料蒸
気処理装置の概要を示す構成図であり、前記図1との相
違点として、パージポンプ50がキャニスタ10の大気
開放部に設置されている。また、パージポンプ50は前
記図2と同じ構成となっている。すなわちここで、パー
ジポンプ50の第1室51は、バルブ62を介してキャ
ニスタ10の大気ポート13に接続されると共に、バル
ブ61を介して大気に開放されている。この構成に伴い
キャニスタクローズドバルブ17は排除されている。ま
た、パージポンプ50の第2室52は、前述の通りバル
ブ63を介して燃料配管22に接続されると共に、バル
ブ64を介してリターン配管24に接続されている。
【0052】次に、本実施の形態における燃料蒸気処理
装置の作動の概要を説明する。なおここで、各種バルブ
等の動作自体は前記第1の実施の形態と同じであるた
め、前述した図3のタイムチャートを参照しながら説明
する。
【0053】さて、t1〜t2のパージ停止中(パージ
バルブ16の閉鎖時)には、パージポンプ50の第1室
51に大気が導入される。つまり、t1のタイミングで
は、バルブ63が閉鎖、バルブ64が開放されて第2室
52の燃圧が開放されると同時に、バルブ62が閉鎖、
バルブ61が開放されて第1室51が大気側に開放され
る。第2室52の燃圧が開放されると、スプリング56
の付勢力によりピストン53がケース54の底面まで押
し下げられる。このため、第2室52の容積は最小にな
り、該第2室52内の燃料はバルブ64及びリターン配
管24を通り燃料タンク20に排出される。第1室51
では逆に容積が増加し、減圧される。これにより、第1
室51に大気が吸い込まれる。このとき、ピストン53
とケース54の隙間はシールリング55により密閉され
ているため、大気が第2室52に流れ込むことはない。
こうして第1室51に大気を導入している間、バルブ6
3は閉鎖されたままであるため、燃料ポンプ21から燃
料配管22、デリバリパイプ32間は閉じており、燃料
ポンプ21で発生した燃圧が抜けることはない。
【0054】その後、第1室51に大気が十分に吸い込
まれると、t2のタイミングでは、パージ開始と同時に
バルブ64が閉鎖、バルブ63が開放されて第2室52
に加圧燃料が導入される。更に同時にバルブ61が閉
鎖、バルブ62が開放されて第1室51とキャニスタ1
0の大気ポート13とが連通される。燃料ポンプ21に
よる燃圧は通常数100kPa〜数MPaであり、キャ
ニスタ10及びパージ通路15の圧損数kPaに比べ非
常に高いため、燃料はピストン53を押し上げる。この
結果、第1室51の大気はキャニスタ10に押し込ま
れ、これによりキャニスタ10がパージされる。
【0055】更に、キャニスタパージしたパージガスは
パージバルブ16により流量が調節されながら吸気管3
1に押し込まれる。このとき、ピストン53とケース5
4との隙間はシールリング55により密閉されているた
め、燃料が第1室51に流れ込むことはない。こうして
第2室52に燃料を導入している間、バルブ64は閉鎖
されたままであるため、第2室52の最大容積(ピスト
ン53最上点での容積)と燃料ポンプ21から燃料配管
22、デリバリパイプ32間の容積を適切に設定すれ
ば、デリバリパイプ32の燃圧は殆ど変動しない。
【0056】また、本実施の形態においても、前記図5
と同様の手法により故障診断を行うことができる。EC
U40による故障診断処理の手順を簡単に説明する。す
なわち、ECU40は、故障診断に際し、バルブ61と
バルブ64とを開いてパージポンプ50内を一旦開放し
た後、パージバルブ16とバルブ61とを閉じてパージ
バルブ16から燃料タンク20までの「燃料蒸気空間」
を閉空間とする。その後、バルブ64を閉じると共にバ
ルブ63を開き、パージポンプ50の第2室52に燃料
を導入してピストン53を上動させる。これにより、閉
空間の圧力が上昇し、その時の閉空間の圧力P1に応じ
て漏れ穴等の有無を判定する。この場合、圧力P1が所
定の圧力P0まで上昇しなければ、異常発生(漏れ穴有
り)の旨を判定する。
【0057】また、圧力P1が所定の圧力P0まで上昇
した場合には、加圧し終えた後の圧力降下状態に応じて
再度、漏れ穴等の有無を判定する。すなわち、バルブ6
3を閉じて第2室52の圧力を保持する。そして、バル
ブ63を閉じてから時間T1経過後までの圧力変化(P
3=P1−P2)が所定値P4以上であれば、異常発生
の旨を判定する。なおこの場合にも、既述の通りパージ
ポンプ自身の故障判定が同時に行われる。
【0058】(第3の実施の形態)上記各実施の形態で
は、燃料蒸気処理装置の故障診断に際し、パージポンプ
50により閉空間を加圧し、その状態での圧力変化をモ
ニタしたが、これを以下のように変更する。つまり、パ
ージポンプ50により閉空間を減圧し、その状態での圧
力変化をモニタして故障診断を実施する。前記図1の構
成を適用する場合において、ECU40による故障診断
処理の手順を簡単に説明する。
【0059】要するに、ECU40は、故障診断に際
し、先ずはじめにバルブ64を閉じると共にバルブ63
を開いて第2室52に燃圧を導入した後、その状態でパ
ージバルブ16とキャニスタクローズドバルブ17とを
閉じてパージバルブ16から燃料タンク20までの「燃
料蒸気空間」を閉空間とする(バルブ61,62は共に
開放させておく)。その後、バルブ63を閉じると共に
バルブ64を開き、第2室52の燃圧を開放する。これ
により、スプリング56の付勢力によりピストン53が
下動して燃料蒸気空間(閉空間)の圧力が降下する。そ
の時の閉空間の圧力を計測し、その圧力に応じて漏れ穴
等の有無を判定する。この場合、閉空間の圧力が予め規
定した所定の判定値まで降下しなければ、異常発生(漏
れ穴有り)の旨を判定する。
【0060】また、閉空間の圧力が所定の判定値まで降
下した場合には、減圧し終えた後の圧力上昇状態に応じ
て再度、漏れ穴等の有無を判定する。すなわち、バルブ
64を閉じ第2室52の圧力を保持する。そして、バル
ブ64を閉じてから所定時間(例えば1,2分程度)待
ち、その時の圧力変化が所定値以上であれば、異常発生
の旨を判定する。なおこの場合にも、既述の通りパージ
ポンプ自身の故障判定が同時に行われる。勿論、前記図
6の構成を適用する場合にも同様に、パージポンプ50
の減圧動作による故障診断が適用できる。
【0061】本実施の形態においても、閉空間の圧力変
化から故障判定が容易且つ適切に実施できる。また特
に、パージポンプ50により閉空間を減圧させて故障診
断を行うので、仮に各通路等に漏れ穴があいているとそ
の穴から大気が吸い込まれる。故に、当該故障診断時に
燃料蒸気が漏れ穴から大気に放出されるといった不都合
が回避できる。
【0062】なお本発明は、上記以外に次の形態にて具
体化できる。上記各実施の形態では、パージポンプ50
において第1室51と第2室52とをピストン53で区
画したが、この構成を変更する。例えば、可動部材とし
てダイアフラムやベローズを用い、これにより第1室5
1と第2室52とを区画する。この場合、ダイアフラム
やベローズの変形動作に伴い各室51,52の容積が変
更される。特にこの構成では、第1室51と第2室52
とが完全に遮断され、両室間の漏れ(パージガスの燃料
系への混入や燃料のエバポパージ系への混入)が確実に
防止できる。要は、可動部材として、第1室51及び第
2室52を密閉状態で区画しつつ、第2室52内の燃圧
に応じて往復動して第1室51の容積を変化させるもの
であれば任意の部材が適用できる。
【0063】上記各実施の形態では、パージポンプ50
の第1室51と第2室52とが同じケース54内に設け
られていたので、ピストン53が往復動する際、各室の
容積変化は同一であった。これを図7のように変更す
る。図7のパージポンプ70では、シリンダ径の異なる
第1ケース71と第2ケース72とが設けられ、可動部
材としてのピストン73はそれら各ケース71,72内
で摺動しつつ往復動する。第1ケース71には、ピスト
ン73の摺動部73aで区画された第1室74が形成さ
れると共に、第2ケース72には、ピストン73の摺動
部73bで区画された第2室75が形成されている。ま
た、第1室74にはスプリング76が配設されている。
その他、前記図2の構成と同様に、各ポートにバルブ6
1〜64が設けられている。
【0064】上記構成のパージポンプ70では、駆動時
における第2室75の容積変化が第1室74の容積変化
よりも小さくなる。そのため、第2室75への燃圧導入
時における燃圧の変動(低下)が最小限に抑えられる。
従って、ポンプ作動時において燃料系に与える影響(デ
リバリパイプの圧力降下等)が低減でき、より一層望ま
しい構成となる。
【0065】上記各実施の形態では、燃料蒸気処理装置
の故障診断に際し、パージポンプの加圧動作に伴い閉空
間内の圧力が所定の判定値まで上昇したか否かにより閉
空間の漏れを判定する処理(図5のステップ208)
と、パージポンプにより閉空間を加圧し終えた後に、所
定時間経過後における閉空間の圧力降下状態から該閉空
間の漏れを判定する処理(図5のステップ213)とを
共に実施したが、これらを何れか一方のみ実施して故障
診断処理を実現しても良い。パージポンプの減圧動作に
より故障診断を行う場合にも同様である。
【0066】また、上記各実施の形態では、燃料蒸気処
理装置の故障診断に際し、パージポンプにより閉空間を
加圧又は減圧させ、その際どのレベルまで圧力が上昇又
は降下したかを判定して異常判定を実施したが(図5の
ステップ208)、これを変更しても良い。例えば、パ
ージポンプの加圧動作又は減圧動作の際、所定圧力に達
するまでの所要時間から異常判定を実施する。この場
合、所定圧力に達するまでの所要時間が基準時間よりも
長くなる場合には、異常発生(漏れ穴有り)の旨を判定
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における燃料蒸気処理装置の
概要を示す構成図。
【図2】パージポンプの構成を示す断面図。
【図3】パージ制御の概要を示すタイムチャート。
【図4】パージ制御手順を示すフローチャート。
【図5】燃料蒸気処理装置の故障診断手順を示すフロー
チャート。
【図6】第2の実施の形態における燃料蒸気処理装置の
概要を示す構成図。
【図7】パージポンプの別の構成を示す断面図。
【符号の説明】
10…キャニスタ、14…エバポ通路、15…パージ通
路、16…パージポンプ、20…燃料タンク、21…燃
料ポンプ、30…エンジン、31…吸気管、40…EC
U、50…パージポンプ、51…第1室、52…第2
室、53…ピストン、70…パージポンプ、73…ピス
トン、74…第1室、75…第2室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 直也 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 加納 政雄 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G044 BA22 CA13 DA07 EA32 EA55 EA63 FA39 GA02 GA22 GA28

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの吸気管と燃料タンクとを連通す
    る燃料蒸気通路と、 この燃料蒸気通路の途中に設けられ、前記燃料タンク内
    で発生した燃料蒸気を吸着するキャニスタと、 燃料ポンプにより加圧された燃料を導入し、その燃料の
    圧力により可動部材を往復動させて前記キャニスタに吸
    着した燃料蒸気をパージさせるパージポンプと、を備え
    ることを特徴とする燃料蒸気処理装置。
  2. 【請求項2】前記パージポンプは、パージエアを導入す
    る第1室と、燃料ポンプによる加圧燃料を導入する第2
    室とを有してこれら第1室及び第2室が前記可動部材に
    より密閉状態で区画され、前記第2室に導入される燃料
    の圧力に応じて前記可動部材を往復動させ、前記第1室
    の容積を変化させる請求項1に記載の燃料蒸気処理装
    置。
  3. 【請求項3】キャニスタとエンジン吸気管との間にパー
    ジポンプを設置し、該パージポンプは、前記第2室の燃
    圧開放時にキャニスタから前記第1室にパージエアとし
    ての燃料蒸気を吸入し、前記第2室の燃圧導入時に前記
    第1室から吸気管にパージエアを送出する構成とした請
    求項2に記載の燃料蒸気処理装置。
  4. 【請求項4】キャニスタの大気開放部にパージポンプを
    設置し、該パージポンプは、前記第2室の燃圧開放時に
    前記第1室にパージエアとしての大気を吸入し、前記第
    2室の燃圧導入時に前記第1室からキャニスタを通して
    前記吸気管にパージエアを送出する構成とした請求項2
    に記載の燃料蒸気処理装置。
  5. 【請求項5】前記吸気管への燃料蒸気のパージ量を調整
    するパージ制御弁と、該パージ制御弁の開度を制御する
    制御手段とを備え、 前記制御手段は、 前記パージ制御弁を閉鎖するパージ停止期間において前
    記第2室の燃圧を開放して前記第1室の容積を最大化
    し、該第1室にパージエアを導入するステップと、 その後のパージ制御弁によるパージ実施時において前記
    第2室に燃圧を導入して前記第1室の容積を縮小化し、
    該第1室内のパージエアを送出するステップとを順次実
    施する請求項2〜4の何れかに記載の燃料蒸気処理装
    置。
  6. 【請求項6】前記パージポンプは、駆動時における前記
    第2室の容積変化が前記第1室の容積変化よりも小さく
    なるよう構成される請求項2〜5の何れかに記載の燃料
    蒸気処理装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の何れかに記載の燃料蒸気処
    理装置の故障を診断する故障診断装置であり、 燃料タンクから燃料蒸気通路を介して前記吸気管までを
    閉空間とした後、該閉空間を前記パージポンプにより加
    圧又は減圧する手段と、その状態での前記閉空間の圧力
    変化に基づいて燃料蒸気処理装置の異常を検出する手段
    とを備える燃料蒸気処理装置の故障診断装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の燃料蒸気処理装置の故障
    診断装置において、 前記閉空間を形成した後、前記パージポンプの加圧動作
    に伴い閉空間内の圧力が所定の判定値まで上昇したか否
    かにより該閉空間の漏れを判定する燃料蒸気処理装置の
    故障診断装置。
  9. 【請求項9】請求項7又は8に記載の燃料蒸気処理装置
    の故障診断装置において、 前記パージポンプにより前記閉空間を加圧し終えた後
    に、所定時間経過後における閉空間の圧力降下状態から
    該閉空間の漏れを判定する燃料蒸気処理装置の故障診断
    装置。
  10. 【請求項10】請求項7に記載の燃料蒸気処理装置の故
    障診断装置において、 前記閉空間を形成した後、前記パージポンプの減圧動作
    に伴い閉空間内の圧力が所定の判定値まで降下したか否
    かにより該閉空間の漏れを判定する燃料蒸気処理装置の
    故障診断装置。
  11. 【請求項11】請求項7又は10に記載の燃料蒸気処理
    装置の故障診断装置において、 前記パージポンプにより前記閉空間を減圧し終えた後
    に、所定時間経過後における閉空間の圧力上昇状態から
    該閉空間の漏れを判定する燃料蒸気処理装置の故障診断
    装置。
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