JP2002219741A - 流延装置 - Google Patents

流延装置

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JP2002219741A
JP2002219741A JP2001019449A JP2001019449A JP2002219741A JP 2002219741 A JP2002219741 A JP 2002219741A JP 2001019449 A JP2001019449 A JP 2001019449A JP 2001019449 A JP2001019449 A JP 2001019449A JP 2002219741 A JP2002219741 A JP 2002219741A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
peripheral surface
rotary drum
outlet
rotating
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JP2001019449A
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English (en)
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Kazuo Sugiyama
和男 杉山
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所定方向に回転する回転ドラムの周面に溶融状
態の熱可塑性樹脂を吐出し、その回転ドラムの周面上に
溶融状態の熱可塑性樹脂を流延させる流延装置に関し、
回転ドラムの周面に吐出された熱可塑性樹脂の冷却を促
進させつつ、オリゴマー等の昇華物の析出物がその熱可
塑性樹脂の上に落下することを防止する。 【解決手段】回転ドラム12上に吐出された熱可塑性樹
脂に風を吹き付ける吹出口133,135と、吹出口1
33,135からの吹出量よりも多い量で吸気する吸気
口136とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定方向に回転す
る回転ドラムの周面に溶融状態の熱可塑性樹脂を吐出
し、その回転ドラムの周面上に溶融状態の熱可塑性樹脂
を流延させる流延装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂からなるシート状物は、写
真フィルムの支持体、包装用フィルム、磁気記録テープ
の支持体等に広く使用されている。
【0003】この熱可塑性樹脂からなるシート状物の多
くは、所定の方向に回転する回転ドラムの周面に、溶融
状態の熱可塑性樹脂をダイから連続的に吐出させ、溶融
状態の熱可塑性樹脂を回転ドラムの内方から水冷するこ
と等によって回転ドラムの周面上で急冷却させてシート
状物を形成した後、このシート状物に必要な強度を与え
るため、加熱しながら、縦方向や横方向に延伸させるこ
とにより製造される。
【0004】溶融状態の熱可塑性樹脂を回転ドラムの周
面上で急冷却させるにあたって、冷却効率を上げるに
は、回転ドラムの径を大きくすることが考えられるが、
回転ドラムの周面に吐出された熱可塑性樹脂の厚みが厚
くなればなるほど、回転ドラムの径を大きくしても、熱
可塑性樹脂の、回転ドラムの周面に接した面とは逆の面
の冷却が追いつかないという問題があった。
【0005】そこで、この逆の面の冷却を促進させるた
め、回転ドラムの外方から複数のノズルによってこの逆
の面に風を吹き付けて空冷することが従来から行われて
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな空冷を行うと、熱可塑性樹脂の冷却が追いつかない
という問題は解消されるものの、ノズルとノズルとの間
は温度が低いため、この間に熱可塑性樹脂から放出され
たオリゴマー等の昇華物が析出し、析出した析出物が、
回転ドラムの周面上の熱可塑性樹脂に落下して、製品欠
陥を生じさせたり、後工程の延伸時にシート状物に破れ
を生じさせたりするという新たな問題が今度は生じてく
る。特に、ダイから吐出されたばかりの熱可塑性樹脂
は、高温のため多量の昇華物を周囲の雰囲気中に放出
し、ダイに近い、ノズルとノズルとの間ほど昇華物が析
出して、この新たな問題が顕在化される。
【0007】本発明は、上記事情に鑑み、回転ドラムの
周面に吐出された熱可塑性樹脂の冷却を促進させつつ、
オリゴマー等の昇華物の析出物がその熱可塑性樹脂の上
に落下することを防止する流延装置を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の流延装置のうちの第1の流延装置は、所定方向に回
転する回転ドラムの周面に溶融状態の熱可塑性樹脂を吐
出し、その回転ドラムの周面上に熱可塑性樹脂を流延さ
せる流延装置において、上記回転ドラム上に吐出された
熱可塑性樹脂に風を吹き付ける吹出口と、上記吹出口か
らの吹出量よりも多い量で吸気する吸気口とを備えたこ
とを特徴とする。
【0009】本発明の第1の流延装置は、上記回転ドラ
ムの外方から風を吹き付けて空冷するにあたり、上記吹
出口からの吹出量よりも多い量で上記吸気口が吸気する
ため、上記吹出口から吹き出された風によって、オリゴ
マー等の昇華物を含む空気が攪乱されて、温度の低い上
記吹出口近傍に析出物が析出する前に、上記吸気口から
吸気することができ、回転ドラムの周面に吐出された熱
可塑性樹脂の冷却を促進させつつ、昇華物の析出物がそ
の熱可塑性樹脂の上に落下することを防止することがで
きる。
【0010】また、上記目的を達成する本発明の流延装
置のうちの第2の流延装置は、所定方向に回転する回転
ドラムの周面に溶融状態の熱可塑性樹脂を吐出し、その
回転ドラムの周面上に熱可塑性樹脂を流延させる流延装
置において、上記回転ドラムの周面への熱可塑性樹脂の
吐出位置の下流側で上記回転ドラムの上の熱可塑性樹脂
に風を吹き付ける吹付装置がその回転ドラムの円周長さ
にわたって設けられ、その吹付装置の樹脂吐出位置に近
い部分を加熱する加熱機構を備えたことを特徴とする。
【0011】本発明の第2の流延装置は、上記吹付装置
の、昇華物が最も多く放出される場所に位置する部分
が、上記加熱機構によって加熱されるため、その吹付装
置の部分に昇華物が析出することが防止され、その結
果、回転ドラムの周面に吐出された熱可塑性樹脂の冷却
を促進させつつ、析出物がその熱可塑性樹脂の上に落下
することを防止することができる。
【0012】さらに、上記目的を達成する本発明の流延
装置のうちの第3の流延装置は、所定方向に回転する回
転ドラムの周面に溶融状態の熱可塑性樹脂を吐出し吹出
口から吹き出された風をその回転ドラムの周面に吐出さ
れた熱可塑性樹脂に吹き付けながらその回転ドラムの周
面上に熱可塑性樹脂を流延させる流延装置において、上
記吹出口が、上記回転ドラムの回転軸方向に関し、上記
回転ドラムの周面上に吐出される溶融状態の熱可塑性樹
脂の幅以上の長さを有するものであって、上記回転ドラ
ムの周面上に吐出される熱可塑性樹脂から外れた外側の
位置に、上記吹出口から吹き出された風を吸気する吸気
口を備えたことを特徴とする。
【0013】本発明の第3の流延装置は、上記吸気口が
上記回転ドラムの周面上に吐出される熱可塑性樹脂から
外れた外側の位置に備えられているため、吸気口に昇華
物が析出したとしても、その析出物が回転ドラムの周面
に吐出された熱可塑性樹脂の上に落下することを防止す
ることができる。また、上記吹出口によって、熱可塑性
樹脂をその全幅にわたって冷却することができる。
【0014】またさらに、上記目的を達成する本発明の
流延装置のうちの第4の流延装置は、所定方向に回転す
る回転ドラムの周面に溶融状態の熱可塑性樹脂を吐出
し、その回転ドラムの周面上に熱可塑性樹脂を流延させ
る流延装置において、上記回転ドラムの回転方向に関し
その回転ドラムの周面への熱可塑性樹脂の吐出位置の直
ぐ下流側に配置された、多孔質材で覆われその多孔質材
の孔を経由した風をその回転ドラム上の熱可塑性樹脂に
当てる第1の吹出口と、上記回転ドラムの回転方向に関
し上記第1の吹出口の下流側に配置された、複数のノズ
ルが配列されその複数のノズルから吹き出された風をそ
の回転ドラム上の熱可塑性樹脂に吹き付ける第2の吹出
口とを有することを特徴とする。
【0015】本発明の第4の流延装置は、上記第1の吹
出口が、上記第2の吹出口が設けられた場所よりも昇華
物が相対的に多く放出される場所に位置するものの、多
孔質材で覆われているため、その多孔質材の全面から吹
き出される風によって、昇華物を含む空気を寄せ付け
ず、昇華物が析出することを防いでおり、その結果、析
出物が回転ドラムの周面に吐出された熱可塑性樹脂の上
に落下することを防止することができる一方、上記第2
の吹出口が、上記回転ドラムの下半分側に位置するもの
であると、上記複数のノズル間に昇華物が析出したとし
ても、析出物が回転ドラムの周面に吐出された熱可塑性
樹脂の上に落下することはない。また、上記第1の吹出
口は多孔質材で覆われたものであるため、その多孔質材
の孔を経由した風の風速は、上記第2の吹出口から吹き
出される風の風速と比べて相対的に遅く、吐出されたば
かりの熱可塑性樹脂の平面性を確保しつつ冷却すること
ができる一方、上記第2の吹出口によって、上記第1の
吹出口による冷却がなされてある程度硬化した熱可塑性
樹脂を強冷却することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】ここでは、まず最初に、写真フィ
ルムの支持体となる、熱可塑性樹脂であるポリエステル
からなるシート状物などを製造するシート状物製造装置
全体について、図1及び図2を用いて、以下説明する。
【0017】図1は、シート状物製造装置の前半部分を
説明するための図、図2は、シート状物製造装置の後半
部分を説明するための図である。
【0018】このシート状物製造装置1は、溶融状態の
熱可塑性樹脂をシート状に流延しながら冷却してシート
状物とした後、このシート状物を縦方向に延伸し、その
後、横方向にも延伸することにより、写真フィルムの支
持体を連続して製造する装置であって、溶融状態の熱可
塑性樹脂を流延してシート状にする流延装置10と、縦
方向への延伸を行う縦延伸装置20と、横方向への延伸
を行うテンタ30と、製造された支持体をロール状に巻
き取る巻取装置40とを有する。さらに、このシート状
物製造装置1は、装置起動時には、上流側の装置から徐
々に製造条件を整えて安定させていき、最終的に巻取装
置40までシート状物を通すものであり、このため、流
延装置10、縦延伸装置20、及びテンタ30それぞれ
の出口側には、各装置が製造条件を整えて安定するまで
の間に搬送されてくる、製品としては不十分なものを回
収するための回収装置(不図示)が設けられている。ま
た、これらの回収装置は、各装置が製造条件を整えて製
造段階に移った後に、何らかの理由により製品としては
不十分なものが製造されてきた場合にも稼働されるもの
である。
【0019】シート状物の製造にあたっては、まず、一
例としてテレフタル酸とエチレングリコールを重合した
ものをペレット状としたバージンペレットと、各回収装
置で回収されたものを再利用した再生原料それぞれを別
々に乾燥させた後、両者を混合させた状態で加熱し、溶
融状態の熱可塑性樹脂にする。
【0020】流延装置10は、ダイ11と回転ドラム1
2とを備えたものである。ダイ11は、溶融状態の熱可
塑性樹脂を吐出するスリット状のリップ部を有し、回転
ドラム12の上方に設けられている。バージンペレット
と再生原料との両者を混合させた状態で加熱して得られ
た溶融状態の熱可塑性樹脂は、ダイ11のリップ部か
ら、回転ドラム12の周面に連続的に吐出される。回転
ドラム12の周面に吐出された熱可塑性樹脂は、回転ド
ラム12がダイ11から、図1では時計回りに、略3/
4周するまでの間、回転ドラム12の周面の内方から水
冷されるとともに回転ドラム12の周面の外方から風を
吹き付けられて空冷されることによって急冷却され、所
定の厚みの無配向のシート状物になる。
【0021】なお、図2には、製造された支持体が巻取
装置40に巻き取られている状態が示されており、図1
および図2では、ダイ11のリップ部から吐出された溶
融状態の熱可塑性樹脂が支持体となって巻取装置40に
巻き取られるまでの経路を1点鎖線で表し、その経路の
途中で不図示の回収装置に回収される経路を2点鎖線で
表している。
【0022】流延装置10で形成されたシート状物は、
次に、図1に示す縦延伸装置20に搬送される。
【0023】縦延伸装置20には、入口と出口との間
に、搬送されてきたシート状物が所定のラップ角をもっ
て巻き付くように配置された複数の回転ロール21が備
えられている。また複数の回転ロール21それぞれは、
各所定の温度に調整されている。搬送されてきたシート
状物は、これらの回転ロール21によって、加熱された
り冷却されたりしながら出口に向かって搬送される。こ
れらの回転ロール21には、シート状物を延伸前に加熱
する複数の予熱回転ロール21aと、シート状物を加熱
した状態で縦方向に延伸する複数の延伸回転ロール21
bと、縦方向に延伸されたシート状物を冷却する複数の
冷却回転ロール21cとがある。この縦延伸装置20に
おける、シート状物の縦方向の延伸は、複数の延伸回転
ロール21bのうちの出口側の回転延伸ロールの回転速
度を、入口側の回転延伸ロールの回転速度よりも高速に
した状態でシート状物を通過させることにより行われ
る。
【0024】縦延伸装置20で縦方向に延伸されたシー
ト状物は、次に、図1と図2とに分かれて示されたテン
タ30に搬送される。
【0025】テンタ30は、それぞれ各所定の温度に調
整された複数の区画を有するものである(図1は、複数
の区画のうち上流側の区画を表したものであり、図2
は、複数の区画のうち下流側の区画を表したものであ
り、途中の区画は図示省略されている。)。これら複数
の区画は、上流側から順に、予熱ゾーン、延伸ゾーン、
熱固定ゾーン、熱緩和ゾーン、冷却ゾーンに複数ずつ割
り当てられている。また、シート状物の両側からシート
状物の両脇それぞれを把持するクリップが下流側に向か
って各区画内を走行している。シート状物はこのクリッ
プに両脇を把持された状態で、各区画内を通過してい
く。まず予熱ゾーンでは、搬送中のシート状物を加熱
し、延伸ゾーンでは、予熱ゾーンよりも高温の雰囲気の
中で、シート状物にクリップで横方向に張力を加えなが
らクリップを搬送することにより、シート状物を横方向
に延伸する。熱固定ゾーンでは、延伸ゾーンよりも高温
の雰囲気の中でシート状物の分子配向を固定させる。熱
緩和ゾーンでは、シート状物を焼きなましし、冷却ゾー
ンでは、シート状物を急冷却する。下流側の最後の区画
を出たシート状物は、シート状物の、テンタのクリップ
で把持されていた両脇部分それぞれが、図2の点線で表
された経路に従って除去され、残った中央部分が、この
シート状物製造装置で製造されるべき支持体として巻取
装置40に向けて搬送される。
【0026】そして、支持体が巻取装置40に正確に巻
き取られるようにするため、巻取装置40直前まで搬送
されてきた支持体は横方向の位置制御及び、巻取装置4
0に巻き取られるときの張力の調整を受けた後、巻取装
置40によってロール状に巻き取られる。
【0027】図1に示す流延装置10が本発明の流延装
置の一実施形態に相当するものであり、以下に図3を用
いて詳述する。
【0028】図3は、本実施形態の流延装置の模式断面
図である。
【0029】本実施形態の流延装置10は、ダイ11、
回転ドラム12、第1吹付装置13、第2吹付装置1
4、第3吹付装置15、3つの吹付用ダンパ16、フィ
ルタ17、クーラ18、及びファン19を備えている。
ダイ11は、回転ドラム12の上方に設けられ、このダ
イ11が設けられた位置が、本発明の第2及び第4の流
延装置にいう吐出位置に相当する。なお、このダイ11
から吐出された熱可塑性樹脂が図3では1点鎖線で示さ
れている。回転ドラム12は、図3においては回転ドラ
ム12中に示された矢印方向に回転するものである。第
1吹付装置13は、回転ドラムの回転方向に関しダイ1
1が設けられた位置の下流側に隣接した位置に配置さ
れ、回転ドラム12の上方から下方にかけて回転ドラム
12の周面に沿った状態で回転ドラム12の周面を覆う
ものである。この第1吹付装置を説明するにあたって
は、図4及び図5を図3とともに参照して説明する。
【0030】図4は、第1吹付装置のダイ側の端部を回
転ドラム側から見た斜視図であり、図5は、第1吹付装
置を回転ドラム側から見たときの第1吹付装置の一部分
を表す図である。なお、図5には、回転ドラム12の周
面上に吐出された熱可塑性樹脂が1点鎖線で表され、回
転ドラムの回転軸方向が矢印で表されている。
【0031】第1吹付装置13は、ヒータ131、エア
供給室132、第1の吹出口133、多孔質状板13
4、第2の吹出口135、及び両脇それぞれに吸気口1
36を備えている。
【0032】ヒータ131は、第1吹付装置13の、ダ
イ11側の端部に設けられたプレート状のものであっ
て、ダイ11に対向する加熱面1311と、回転ドラム
12の周面に対向する加熱面1312とを有するもので
ある。ダイ11から吐出されたばかりの熱可塑性樹脂は
溶融状態であることから非常に高温であり、多量のオリ
ゴマー等の昇華物を周囲の雰囲気中に放出する。一方、
第1吹付装置13は温度が低いものである。このため、
第1吹付装置13の、ダイ11側の端部に昇華物が最も
析出しやすいが、本実施形態では、昇華物の析出を防ぐ
ことができる温度までヒータ131を加熱することによ
って、その端部に昇華物が析出することを防止すること
ができる。この結果、析出物が第1吹付装置13の端部
から回転ドラム12の周面上の熱可塑性樹脂に落下する
こを防ぐことができる。
【0033】エア供給室132には、第1の吹出口13
3、多孔質状板134、及び第2の吹出口135が設け
られており、ファン19によって吸気された空気が、ク
ーラ18によって10℃から30℃まで冷却されるとと
もにフィルタ17によってゴミ等の不純物が除去され、
吹付用ダンパ16による風速調整を受けて供給される。
【0034】第1の吹出口133は、第1吹付装置13
の、ヒータ13が設けられた位置と、ダイ11から回転
ドラム12の回転方向に略1/4周した位置との間の位
置に配置されたものである。また、第1の吹出口133
は、回転ドラム12の周面に向けて開口する複数の吹出
孔1331を有するものである。これらの吹出孔133
1は、回転ドラム12の周方向に所定間隔をもって設け
られるとともに回転ドラム12の回転軸121の方向に
も所定間隔をもって設けられたものである。吹出孔13
31からは、エア供給室132に供給された空気が吹き
出される。
【0035】多孔質状板134は、メッシュ状のシート
であって、回転ドラム12側から複数の吹出孔1331
の総てを覆うものであって、図5に示されたごとく、回
転ドラム12の回転軸121の方向に関し、回転ドラム
12の周面上に吐出される熱可塑性樹脂の幅以上の長さ
を有するものである。したがって、複数の吹出孔133
1から吹き出された風は、多孔質状板134の孔を経由
することによって風速が弱められた状態で多孔質状板1
34の全面から熱可塑性樹脂に向かって吹き付けられ、
熱可塑性樹脂は、その全幅にわたって冷却される。
【0036】第2の吹出口135は、第1の吹出口13
3の下流側に配置されたものである。また、第2の吹出
口135は、回転ドラム12の周面に向けて突出する複
数のスリット状のノズル1351を有するものである。
これらのノズル1351は、回転ドラム12の回転軸1
21の方向に関し、回転ドラム12の周面上に吐出され
る熱可塑性樹脂の幅以上の長さにわたって開口したもの
である。また、これらのノズル1351は、回転ドラム
12の周方向に所定間隔をもって配列されている。な
お、この所定間隔は、10mmから100mmであるこ
とが好ましい。本来、この所定間隔は、狭ければ狭いほ
ど熱可塑性樹脂を均一に冷却することができ好ましい
が、10mm未満であると、第2の吹出口135の製造
上、ノズル1351を配列させることが困難になる。ノ
ズル1351からは、エア供給室132に供給された空
気が熱可塑性樹脂に向けて、風速10m/sから50m
/sで吹き出される。風速10m/s未満では、熱可塑
性樹脂の冷却不足を生じ、50m/sよりも早いと熱可
塑性樹脂の平面性を損なう恐れがある。
【0037】このように、第1の吹出口133は、第2
の吹出口135が設けられた場所よりも昇華物が相対的
に多く放出される場所に位置するが、第1の吹出口13
3が多孔質状板134で覆われているため、多孔質状板
134の全面から吹き出される風によって、昇華物を含
む空気を寄せ付けず、多孔質状板134に昇華物が析出
することを防ぐことができ、その結果、析出物が回転ド
ラム12の周面に吐出された熱可塑性樹脂の上に落下す
ることを防止することができる。また、多孔質状板13
4の孔を経由した風の風速は、第2の吹出口135のノ
ズル1351から吹き出される風の風速に比べて相対的
に遅く、吐出されたばかりの熱可塑性樹脂の平面性を確
保しつつ冷却することができる一方、多孔質状板134
の孔を経由した風による冷却がなされてある程度硬化し
た熱可塑性樹脂をその全幅にわたって、第2の吹出口1
35から吹き出された風によって強冷却することができ
る。さらに、第2の吹出口135は、ダイ11から回転
ドラム12の回転方向に略1/4周した位置よりも下流
側の位置に配置されたものであるため、ノズル1351
とノズル1351との間は下方を向いておらず(図3参
照)、この間に昇華物が析出したとしても、析出物が回
転ドラムの周面に吐出された熱可塑性樹脂の上に落下す
ることはない。
【0038】吸気口136は、第1吹付装置13の両脇
に、回転ドラム12の円周方向に沿って開口する、回転
ドラム12の周面と第1吹付装置13とに挟まれた空間
の空気を吸気するものである。この吸気口136は、第
1吹付装置13の外周壁とエア供給室132とによって
仕切られた空間が、回転ドラム12に向けて開口する開
口であって、この空間には排気管が接続され、吸気口1
36から吸気された空気は外方に排気される。また、吸
気口136は、回転ドラム12の回転軸121の方向に
関し、回転ドラム12の周面上に吐出される熱可塑性樹
脂から外れた外側の位置に位置するものである。このた
め、吸気口136に昇華物がたとえ析出したとしても、
その析出物が回転ドラム12の周面に吐出された熱可塑
性樹脂の上に落下することを防止することができる。さ
らに、吸気口136は、第1の吹出口133及び第2の
吹出口135から吹き出される風の吹出量よりも多い量
で吸気するものである。このため、回転ドラム12の周
面と第1吹付装置13とに挟まれた空間は吹出量よりも
吸気量の方が多くなり、昇華物を含む空気が、第1の吹
出口133及び第2の吹出口135から吹き出された風
とともに吸気口136から吸気され、昇華物の析出物
が、回転ドラムの周面に吐出された熱可塑性樹脂の上に
落下することを防止することができるとともに回転ドラ
ム12の外方にまき散らされることを防止することがで
きる。
【0039】第2吹付装置14は、第1吹付装置13の
下流側に設けられたものであって、、第3吹付装置15
は、この第2吹付装置14よりもさらに下流側に設けら
れたものであって、両装置14,15の構成はともに、
第1吹付装置13からヒータ131、第1の吹出口13
3、及び多孔質状板134を取り除いた構成と同じであ
る。したがって、回転ドラム12の下半分には、回転ド
ラム12の周面に向けて突出する、回転ドラム12の回
転軸121方向に関し、回転ドラム12上の熱可塑性樹
脂の幅以上の長さのスリット状の複数のノズルが、回転
ドラム12の周方向に配列されており、熱可塑性樹脂を
強冷却することができる。また、各装置14,15にお
ける吸気口の吸気量によって、各装置14,15に昇華
物の析出物が析出すること自体が防止されており、仮に
析出したとしても、それは熱可塑性樹脂から外れた外側
の吸気口であるとともにそもそも各装置14,15の複
数のノズルは、回転ドラム12の下半分側に位置するも
のであるため、昇華物の析出物が回転ドラム12の周面
に吐出された熱可塑性樹脂の上に落下することはない。
【0040】なお、本実施形態の回転ドラム12を、直
径2mや3mの大径の回転ドラムとしてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の流延装
置によれば、回転ドラムの周面に吐出された熱可塑性樹
脂の冷却を促進させつつ、オリゴマー等の昇華物の析出
物がその熱可塑性樹脂の上に落下することを防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シート状物製造装置の前半部分を説明するため
の図である。
【図2】シート状物製造装置の後半部分を説明するため
の図である。
【図3】本実施形態の流延装置の模式断面図である。
【図4】第1吹付装置のダイ側の端部を回転ドラム側か
ら見た斜視図である。
【図5】第1吹付装置を回転ドラム側から見たときの第
1吹付装置の一部分を表す図である。
【符号の説明】
1 シート状物製造装置 10 流延装置 11 ダイ 12 回転ドラム 121 回転軸 13 第1吹付装置 131 ヒータ 1311,1312 加熱面 132 エア供給室 133 第1の吹出口 1331 吹出孔1331 134 多孔質状板 135 第2の吹出口 1351 ノズル 136 吸気口 14 第2吹付装置 15 第3吹付装置 16 吹付用ダンパ 17 フィルタ 18 クーラ 19 ファン 20 縦延伸装置 21 回転ロール 21a 予熱回転ロール 21b 延伸回転ロール 21c 冷却回転ロール 30 テンタ 40 巻取装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定方向に回転する回転ドラムの周面に
    溶融状態の熱可塑性樹脂を吐出し、該回転ドラムの周面
    上に熱可塑性樹脂を流延させる流延装置において、 前記回転ドラム上に吐出された熱可塑性樹脂に風を吹き
    付ける吹出口と、 前記吹出口からの吹出量よりも多い量で吸気する吸気口
    とを備えたことを特徴とする流延装置。
  2. 【請求項2】 所定方向に回転する回転ドラムの周面に
    溶融状態の熱可塑性樹脂を吐出し、該回転ドラムの周面
    上に熱可塑性樹脂を流延させる流延装置において、 前記回転ドラムの周面への熱可塑性樹脂の吐出位置の下
    流側で前記回転ドラムの上の熱可塑性樹脂に風を吹き付
    ける吹付装置が該回転ドラムの円周長さにわたって設け
    られ、該吹付装置の樹脂吐出位置に近い部分を加熱する
    加熱機構を備えたことを特徴とする流延装置。
  3. 【請求項3】 所定方向に回転する回転ドラムの周面に
    溶融状態の熱可塑性樹脂を吐出し吹出口から吹き出され
    た風を該回転ドラムの周面に吐出された熱可塑性樹脂に
    吹き付けながら該回転ドラムの周面上に熱可塑性樹脂を
    流延させる流延装置において、 前記吹出口が、前記回転ドラムの回転軸方向に関し、前
    記回転ドラムの周面上に吐出される溶融状態の熱可塑性
    樹脂の幅以上の長さを有するものであって、 前記回転ドラムの周面上に吐出される熱可塑性樹脂から
    外れた外側の位置に、前記吹出口から吹き出された風を
    吸気する吸気口を備えたことを特徴とする流延装置。
  4. 【請求項4】 所定方向に回転する回転ドラムの周面に
    溶融状態の熱可塑性樹脂を吐出し、該回転ドラムの周面
    上に熱可塑性樹脂を流延させる流延装置において、 前記回転ドラムの回転方向に関し該回転ドラムの周面へ
    の熱可塑性樹脂の吐出位置の直ぐ下流側に配置された、
    多孔質材で覆われ該多孔質材の孔を経由した風を該回転
    ドラム上の熱可塑性樹脂に当てる第1の吹出口と、 前記回転ドラムの回転方向に関し前記第1の吹出口の下
    流側に配置された、複数のノズルが配列され該複数のノ
    ズルから吹き出された風を該回転ドラム上の熱可塑性樹
    脂に吹き付ける第2の吹出口とを有することを特徴とす
    る流延装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006281531A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Toyobo Co Ltd 補助冷却装置及びそれを用いた配向ポリエステルフィルムの製造方法並びに配向性ポリエステルフィルムロール
JP2015202627A (ja) * 2014-04-14 2015-11-16 日本ゼオン株式会社 光学フィルムの製造方法
TWI558535B (zh) * 2009-10-07 2016-11-21 東麗股份有限公司 熱塑性樹脂薄膜之製造方法及製造裝置

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