JP2002218231A - 階調変換方法、画像処理装置、画像形成装置及び記録媒体 - Google Patents

階調変換方法、画像処理装置、画像形成装置及び記録媒体

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JP2002218231A
JP2002218231A JP2001008291A JP2001008291A JP2002218231A JP 2002218231 A JP2002218231 A JP 2002218231A JP 2001008291 A JP2001008291 A JP 2001008291A JP 2001008291 A JP2001008291 A JP 2001008291A JP 2002218231 A JP2002218231 A JP 2002218231A
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Teruhiko Matsuoka
輝彦 松岡
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要とするメモリ量が少なく、パイプライン
処理上で実現することが可能な階調変換方法の提供。 【解決手段】 第1の階調数の画像データを、より少な
い第2の階調数の画像データに変換する階調変換方法。
複数の画素からなるブロックを形成し(S1 〜S4)、その
ブロック内の階調変換処理すべき注目画素の仮の値とし
て、第1の階調数の値で表された第2の階調数の値を複
数設定し、各仮の値及び注目画素近傍の所定数の画素の
値の各加重平均値を演算する第1の過程(S6,7)と、加重
平均値の何れが注目画素の階調変換前の値に近いかを判
定する第2の過程(S8)と、前記注目画素の階調変換前の
値に近い加重平均値を示す仮の値を、注目画素の値とす
る第3の過程(S9)とを含み、ブロック内の階調変換処理
すべき画素の注目画素としての処理が一巡する迄、第1
の過程から第3の過程を反復する(S10) 。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多階調の画像デー
タをその階調数よりも少ない階調数の画像データに変換
する階調変換方法、画像処理装置、画像形成装置、及び
その階調変換方法をコンピュータに実行させる為のプロ
グラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、文字及び画像が混在するディジタ
ルイメージデータの階調数を変換する場合、文字領域で
は2値性の保存が要求される一方、画像領域では中間調
の再現性等が要求されていたが、このような互いに相反
する要求を満足させる単一の画像の階調変換方法は存在
しなかった。
【0003】この為、階調変換の前工程として、先ず、
入力されたディジタルイメージデータの文字領域と画像
領域とをそれぞれ検出し、この検出結果に基づき、ディ
ジタルイメージデータを文字領域と画像領域とに分割し
ていた。そして、文字領域では、所定の閾値を用いて、
白と黒との2レベルに画素の値を正規化する単純2値化
法等を用い、また、画像領域では、縦横4×4画素等の
パターンマトリクスを用いて行う面積階調による中間調
再現法等を用いて、それぞれの領域に対して別々の処理
を行っていた。
【0004】しかし、上述した従来の方法では、階調変
換の前工程として、入力されたディジタルイメージデー
タを文字領域と画像領域とに分割する必要があり、階調
変換の方法も、文字領域と画像領域とでそれぞれ異なる
手法が必要となる為、処理速度が遅くなったり、階調変
換に必要な回路の規模が大きく複雑になり、その結果、
画像処理装置が大型化し、価格も高くなるという問題が
あった。
【0005】本出願人は、以上の問題に鑑み、特許番号
2863072号において、ディジタルイメージデータ
の文字領域と画像領域とを領域分割することなく、文字
領域及び画像領域共に良好な階調変換画像を得ることが
可能な画像階調変換方法を提供すること、及びディジタ
ルイメージデータの文字領域と画像領域とを領域分割す
ることなく、高速に階調変換することが可能な画像処理
装置を提供することを目的として、ホップフィールド型
のニューラルネットワークを応用した画像階調変換方法
及びそれを用いた画像処理装置を提案した。
【0006】ニューラルネットワークは、脳の基本構成
単位と考えられているニューロン(神経単位、ノイロン
とも言う)の工学的なモデルであるユニットを相互に接
続したネットワークである。ニューラルネットワークに
は、その結合状態により、階層型ネットワークと相互結
合型ネットワークとに分類される。階層型ネットワーク
は、パーセプトロン型ネットワークとも呼ばれ、多数の
ユニットを多層に結合した構造を有する。階層型ネット
ワークの第1層は外部から情報を入力する入力層、最終
層は外部へ情報を出力する出力層、その間の層は中間層
とそれぞれ呼称される。階層型の結合の特徴は、層内の
結合がなく、層間の結合は入力層から出力層へ向けての
一方向性の結合のみが存在することである。
【0007】相互結合型ネットワークは、階層構造を作
らずに、多数のユニットを相互に結合した構造を有す
る。情報が入力層から出力層へと流れるだけの階層型ネ
ットワークと異なり、相互結合型ネットワークには、フ
ィードバックループが存在する為、情報はネットワーク
内部を幾度も巡ることになる。ネットワークの状態があ
る初期状態から出発して、各ユニットが内部状態及び出
力の変化を繰り返して行く内に、ネットワーク全体の状
態は、ある安定な平衡状態に到達するか、幾つかの状態
を巡る巡回状態に陥る。
【0008】この種の代表的なネットワークとして、ホ
ップフィールド型ニューラルネットワーク(参考文献
1;“ニューラル・コンピューティング−理論と実際
−”PHILIP D.WASSERMAN著 石井直宏/塚田稔 共訳
森北出版 pp81-96 1993 年、参考文献2;Hopfield
J.J.and Tank D.W.“Neural Computation of Decisions
inOptimization Problems”,Biol.Cybern.,52,pp.141-
152 1985 )及びボルツマンマシンがある。
【0009】本来のホップフィールド型ニューラルネッ
トワークは、N個のユニットが有れば、N個のユニット
全てが互いに接続されているが、前記特許番号2863
072号の画像階調変換方法及び画像処理装置の画像処
理においては、平面状に配列された各ユニットが、所定
のユニット間距離以内の近傍のユニットに接続されてい
る。たとえ、これ以上の接続があっても、結合係数に0
が割り当てられ、互いに遠く離れたユニット間では、ニ
ューラルネットワークとしての情報の伝達は起こらな
い。
【0010】このニューラルネットワークを画像階調変
換に適用する為、変換対象の各画素をそれぞれニューラ
ルネットワークの各ユニットに割り当てる。そして、あ
るユニットとその近傍ユニットとの結合係数を、階調変
換時の加重平均の重み係数とすると、注目画素を割り当
てられたユニットは、近傍画素を割り当てられたユニッ
トから近傍画素の値に重み係数を掛けた値を受け取るこ
とが出来るように構成されている。
【0011】階調変換のアルゴリズムは以下の通りであ
る。ある画素の階調変換を行う場合、この注目画素とそ
の近傍の画素とを考慮して、近傍の画素と階調変換後の
注目画素との加重平均が、階調変換前の注目画素の値に
最も近いように階調変換する。そして、次々に異なる画
素が処理されて、全画素の処理が一通り終了する迄継続
される。あるいは、全画素が同時に処理される場合に
は、収束条件が判定される。
【0012】収束条件の判定において、まだ収束条件が
満足されていなければ、再度、全画素の処理が行われ
る。最初は、殆どの画素が階調変換による画素の値に更
新されるが、計算回数を重ねるにつれて、徐々に更新さ
れる画素が少なくなり、やがては、殆ど更新されなくな
り、一定の状態に落ちつく。これは、ホップフィールド
型ニューラルネットワークの特徴である。
【0013】ホップフィールド型ニューラルネットワー
クでは、ネットワークのエネルギーというものを考え、
ネットワークを作動させると、そのネットワークのエネ
ルギーが減少して行き、エネルギーの極小点に落ち着く
という特徴がある。収束条件の判定としては、更新され
た画素数の全画素数に対する割合が一定の比率、例えば
5%以下になったとき、収束したと判定する。以上が、
特許番号2863072号の画像階調変換方法及び画像
処理装置についての概略的な説明である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した画像
階調変換方法及び画像処理装置では、入力画像データ全
てを保持するメモリと、入力画像データ全てを階調処理
する為のホップフィールド型ニューラルネットワークの
並列処理回路が別途必要となり、価格の上昇及び回路の
複雑さという問題が、完全には解決されていなかった。
また、パイプライン処理で応用しようとした場合、上記
問題に加えて、上述した画像階調変換方法及び画像処理
装置では、収束する迄、階調変換処理を行う為、収束条
件を満たさない場合や、満たす迄に時間が掛かり過ぎる
場合等、処理時間が様々であり、一定の処理時間で処理
が完了出来ないということから、パイプライン処理には
不向きなものであった。
【0015】本発明は、上述したような事情に鑑みてな
されたものであり、必要とするメモリ量が少なく、パイ
プライン処理上で実現することが可能な階調変換方法を
提供することを目的とする。本発明は、また、本発明に
係る階調変換方法により、画像の階調を変換する画像処
理装置を提供することを目的とする。本発明は、また、
本発明に係る画像処理装置を備える画像形成装置を提供
することを目的とする。本発明は、また、本発明に係る
階調変換方法をコンピュータに実行させる為のプログラ
ムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供
することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る階調変換方
法は、第1の階調数を有し複数の画素からなる画像デー
タを、前記第1の階調数より少ない第2の階調数を有す
る画像データに変換する階調変換方法において、前記複
数の画素からなるブロックを形成し、形成したブロック
内の階調変換処理すべき注目画素の仮の値として、前記
第1の階調数の値で表された第2の階調数の値を複数設
定し、前記仮の値及び注目画素近傍の所定数の画素の値
の加重平均値を、各仮の値毎に演算する第1の過程と、
前記加重平均値の内何れが前記注目画素の階調変換前の
値に近いかを判定する第2の過程と、該第2の過程の判
定結果に基づき、前記注目画素の階調変換前の値に近い
前記加重平均値をもたらした前記仮の値を、前記注目画
素の値とする第3の過程とを含み、前記ブロック内の階
調変換処理すべき画素の前記注目画素としての処理が一
巡する迄、前記第1の過程から第3の過程を反復するこ
と特徴とする。
【0017】この階調変換方法では、各仮の値を用いて
演算により求めた加重平均値と、階調変換前の注目画素
の値(例えば、濃度値又は輝度値)とを比較し、階調変
換前の注目画素の値に一番近い加重平均値を、注目画素
の更新値とすることにより、入力される原稿(画像)の
輝度や濃度を局所領域で見た場合、最も原稿に近い輝度
や濃度が再現出来ることになる。
【0018】更に、上述した処理を繰り返し行うことに
より、注目画素の近傍の画素値が更新された際に、再
度、比較して更新して行くので、最終的にはニューラル
ネットワークの性質により、各画素値がある値で収束し
て行き、出力される画像は、最も原稿に近い輝度や濃度
で表される。尚、画像をCRTディスプレイや液晶ディ
スプレイ等の画像表示装置に出力する場合は輝度で表さ
れ、電子写真方式やインクジェット式の画像形成装置に
より紙等の記録媒体上に出力する場合は濃度で表され
る。
【0019】また、本発明に係る階調変換方法は、前記
仮の値は、前記第1の階調数を有する画像データを読込
む画像入力手段の読込特性と、前記第2の階調数を有す
る画像データに基づき、画像を出力する画像出力手段の
出力特性とから求められた特性に基づき定められること
を特徴とする。
【0020】この階調変換方法では、注目画素の仮の値
として設定する値、すなわち、複数の代表値を、スキャ
ナ等の画像入力手段とインクジェットプリンタや液晶デ
ィスプレイ等の画像出力手段との入出力特性(濃度特性
や輝度特性)に基づいて決定するので、各仮の値を用い
て演算により求めた加重平均値と階調変換処理前の値と
の誤差を最小にすることが出来、階調変換を行って出力
された画像は、輝度や濃度が充分に表現されたものとな
る。
【0021】また、本発明に係る階調変換方法は、前記
仮の値として、前記注目画素の階調変換前の値に近い値
を2つ設定し、2つ設定した仮の値を用いて前記加重平
均値をそれぞれ演算することを特徴とする。
【0022】この階調変換方法では、多階調の入力画像
データの場合、全ての仮の値について加重平均値を演算
すると、処理に時間が掛かってしまうが、予め予想され
る階調付近の仮の値だけを用いることで、再現性も良
く、処理の高速化も実現することができる。
【0023】また、本発明に係る階調変換方法は、前記
加重平均値は、前記注目画素から近傍の画素迄の距離が
大きい程、該画素の値の重み係数を小さく定めてあるこ
とを特徴とする。
【0024】注目画素に近い近傍の画素程、注目画素に
対して輝度や濃度の影響を与えると考えられる。そこ
で、この階調変換方法では、注目画素から近傍の画素迄
の距離が大きい程、近傍の画素の値の重み係数を小さく
することにより、距離に応じた加重平均値を求めること
が出来る。
【0025】また、本発明に係る階調変換方法は、前記
加重平均値は、前記注目画素近傍の所定数の画素の値の
重み係数を同一に定めてあることを特徴とする。
【0026】この階調変換方法では、加重平均値を求め
る演算が、単純に平均値を求める演算になるので、処理
の高速化を図ることが出来る。
【0027】また、本発明に係る画像処理装置は、第1
の階調数を有し複数の画素からなる画像データを、前記
第1の階調数より少ない第2の階調数を有する画像デー
タに変換する画像処理装置において、前記複数の画素か
らなるブロックを形成する手段と、該手段が形成したブ
ロック内の階調変換処理すべき注目画素の仮の値とし
て、前記第1の階調数の値で表された第2の階調数の値
を複数設定する手段と、該手段が設定した仮の値及び注
目画素近傍の所定数の画素の値の加重平均値を、各仮の
値毎に演算する演算手段と、前記注目画素の階調変換前
の値を記憶する記憶手段と、前記演算手段が演算した加
重平均値の内何れが前記記憶手段が記憶した値に近いか
を判定する手段と、該手段の判定結果に基づき、前記記
憶手段が記憶した値に近い前記加重平均値をもたらした
前記仮の値を、前記注目画素の値とする手段とを備え、
本発明に係る階調変換方法を用いて、前記第1の階調数
を有する画像データを、前記第2の階調数を有する画像
データに変換すべくなしてあることを特徴とする。
【0028】この画像処理装置では、入力画像データ全
てを保持する為のメモリや、入力画像データ全てを一時
に階調変換処理する為のホップフィールド型ニューラル
ネットワーク専用の並列処理回路を別途設ける必要がな
く、複数のラインメモリやレジスタ(ブロックを形成す
る手段)を用いることで、階調変換処理を行うことが出
来る画像処理装置を実現することが出来る。また、パイ
プライン処理を行うことが可能となる。
【0029】また、本発明に係る画像形成装置は、本発
明に係る画像処理装置を備え、該画像処理装置が階調変
換した画像データに基づき、画像を形成すべくなしてあ
ることを特徴とする。
【0030】この画像形成装置では、原稿に近い高品質
な画像を出力することが可能である。また、入力画像デ
ータ全てを保持する為のメモリや、入力画像データ全て
を一時に階調変換処理する為のホップフィールド型ニュ
ーラルネットワーク専用の並列処理回路を別途設ける必
要がなくなるので、パイプライン処理を簡単に組み込む
ことが出来、価格上昇を抑制することが出来る。画像形
成装置は、例えば、インクジェット方式や電子写真式を
用いたディジタルカラー複写機で実現される。
【0031】また、本発明に係る記録媒体は、コンピュ
ータに、第1の階調数を有し複数の画素からなる画像デ
ータを、前記第1の階調数より少ない第2の階調数を有
する画像データに変換する手順を実行させる為のプログ
ラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であ
って、コンピュータに、前記複数の画素からなるブロッ
クを形成させる第1手順、前記ブロック内の階調変換処
理すべき注目画素の仮の値として、前記第1の階調数の
値で表された第2の階調数の値を複数設定させる第2手
順、前記仮の値及び注目画素近傍の所定数の画素の値の
加重平均値を、各仮の値毎に演算させる第3手順、前記
加重平均値の内何れが前記注目画素の階調変換前の値に
近いかを判定させる第4手順、該第4手順の判定結果に
基づき、前記注目画素の階調変換前の値に近い前記加重
平均値をもたらした前記仮の値を、前記注目画素の値と
させる第5手順、前記ブロック内の階調変換処理すべき
画素の前記注目画素としての処理が一巡する迄、前記第
2手順から5手順を繰り返させる第6手順を実行させる
為のプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0032】この記録媒体では、CD−ROM(Compac
t Disc-Read Only Memory )等として、又はネットワー
クからのダウンロードにより、パーソナルコンピュータ
やワークステーション等の汎用のコンピュータにプログ
ラムを読込ませることにより、読込まれた画像に対して
精度良く階調変換処理を施させて出力させることが出来
る。また、DSP(Digital Signal Processor)等で、
ソフト処理を行うプリンタやディジタルコピア等に対し
ても同様に、フラッシュメモリや書換え可能な記録媒体
として、プログラムを読込ませることにより、読込まれ
た画像に対して精度良く階調変換処理を施させて出力さ
せることが出来る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をその実施の形態
を示す図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る
階調変換方法、画像処理装置及び画像形成装置の実施の
形態であるディジタルカラー複写機の要部構成を示すブ
ロック図である。このディジタルカラー複写機は、画像
入力手段であるカラー画像入力装置1で読取られた画像
データが、カラー画像処理装置2を構成するA/D変換
部10、シェーディング補正部11、入力階調補正部1
2、色補正部13、黒生成下色除去部14、空間フィル
タ処理部15、階調補正部16及び中間調生成部17に
より順次処理されて、CMYKのディジタルカラー信号
として、カラー画像出力装置3(画像出力手段)へ出力
される。
【0034】カラー画像入力装置1は、例えばCCD
(Charge Coupled Device )を備えたスキャナ部より構
成され、原稿からの反射光像を、RGB(R;赤、G;
緑、B;青)のアナログ信号としてCCDにより読取っ
て、カラー画像処理装置2に入力する。A/D(アナロ
グ/ディジタル)変換部10は、RGBのアナログ信号
をディジタル信号に変換してシェーディング補正部11
に与え、シェーディング補正部11は、与えられたRG
Bのディジタル信号から、カラー画像入力装置1の照明
系、結像系及び撮像系で生じた各種の歪みを取り除く補
正を行い、補正したRGBのディジタル信号を入力階調
補正部12に与える。
【0035】入力階調補正部12は、与えられたRGB
のディジタル信号のカラーバランスを整えると共に、濃
度信号等、カラー画像処理装置2で採用されている画像
処理システムが扱い易い信号に変換し、色補正部13に
与える。色補正部13は、与えられたRGBのディジタ
ル信号から、色再現の忠実化実現の為に、不要吸収成分
を含むCMY(C;シアン、M;マゼンタ、Y;イエロ
ー)色材の分光特性に基づく色濁りを取除く補正処理を
行い、補正後のCMYの3信号を黒生成下色除去部14
に与える。
【0036】黒生成下色除去部14は、与えられたCM
Yの3信号から黒(K)信号を生成する黒生成処理を行
い、元のCMY信号から、生成したK信号を差し引いて
新たなCMY信号を生成して、生成したK信号及び新た
なCMY信号を空間フィルタ処理部15に与える。黒生
成処理の1例として、スケルトンブラックによる黒生成
を行う一般的方法がある。この方法では、スケルトンカ
ーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるデータを
C,M,Y、出力されるデータをC´,M´,Y´,K
´、UCR(Under Color Removal )率をα(0<α<
1)とすると、黒生成下色除去処理は、以下の式で表さ
れる。
【0037】K´=f{min(C,M,Y)} C´=C−αK´ M´=M−αK´ Y´=Y−αK´
【0038】空間フィルタ処理部15は、与えられたC
MYK信号の画像データに対して、ディジタルフィルタ
による空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正
することによって、出力画像のぼやけや粒状性劣化を防
ぐ処理を行い、処理後のCMYK信号を階調補正部16
に与える。階調補正部16は、内蔵する出力階調補正部
16aが、与えられたCMYK信号に、濃度信号等をカ
ラー画像出力装置の特性値である網点面積率に変換する
出力階調補正処理を行った後、処理後のCMYK信号を
中間調生成部17に与える。
【0039】中間調生成部17は、内蔵する階調再現処
理部17aが、与えられたCMYK信号を、最終的に画
素に分離し、それぞれの階調を再現出来るように処理す
る階調再現処理(中間調生成)が行われる。詳細につい
ては後述する。上述した各処理が施された画像データ
は、一旦、図示しない記憶手段に記憶され、所定のタイ
ミングで読出されてカラー画像出力装置3に与えられ
る。この画像形成装置としては、画像データを記録媒体
(例えば紙等)上に出力するもので、例えば、電子写真
式やインクジェット方式を用いたカラー画像出力装置等
を挙げることが出来るが、特に限定されるものではな
い。例えば、画像出力装置がディスプレイである場合
は、色補正部13では、RGB信号からディスプレイの
出力特性に応じたR´G´B´信号に変換される。尚、
この場合、色補正部13後段の黒生成下色除去部14は
不要となる。
【0040】図2は、階調補正部16及び中間調生成部
17の要部構成例を示すブロック図である。この階調補
正部16は、空間フィルタ処理部15から与えられた画
像データが、第1ラインメモリ18に一旦書込まれ、1
ライン毎に出力階調補正部16aに読込まれる。出力階
調補正部16aは、読込んだ1ラインの画像データに出
力階調補正処理を行い、中間調生成部17の第2ライン
メモリ19に1ライン分の処理結果を格納する。
【0041】中間調生成部17では、第2ラインメモリ
19に格納された最新の1ライン分の画像データを含む
少なくとも1ライン分以上の画像データが、第3ライン
メモリ20に格納されている繰り返し処理中の複数ライ
ンの画像データと共に、階調再現処理部17aの第1レ
ジスタ25に読込める分だけ読込まれ、階調変換処理が
行われる。階調再現処理部17aには、仮の値となる代
表値が設定される代表値設定部22が接続されている。
第2ラインメモリ19は、画像データ7ライン分を格納
する。
【0042】階調再現処理部17a(複数設定する手
段、演算手段、記憶手段、判定する手段、注目画素の値
とする手段)の動作は、ホップフィールド型のニューラ
ルネットワークとなっており、経験的にニューラルネッ
トワークが収束するであろう繰り返し回数を考慮したレ
ジスタ数分と、加重平均値を演算するときに使用される
画像データを格納するレジスタ数分とのレジスタが第1
レジスタ25(ブロックを形成する手段)に用意されて
いる。第1レジスタ25は、32ビットレジスタ18個
からなるレジスタ群であり、32ビットレジスタ2個を
1ライン用の組として、8ビットデータで8画素分のデ
ータを保持し、この組を9ライン分備えている。
【0043】また、第2ラインメモリ19に格納されて
いる比較対象部分の複数ライン分の画像データも、階調
再現処理部17aの第2レジスタ26に読込める分だけ
読込んでおき、最終的な画素値決定の為の比較処理を行
う。第2レジスタ26は、32ビットレジスタ10個か
らなるレジスタ群であり、32ビットレジスタ2個を同
一ライン用の組として、8ビットデータで8画素分のデ
ータを保持し、この組を5ライン分備えている。
【0044】第1レジスタ25内の画像データの階調変
換処理が終了すると、第1レジスタ25内の繰り返し処
理中のラインの画像データを、第3ラインメモリ20に
格納する。そして、第2ラインメモリ19内の一番古い
ラインの画像データを除いた複数ライン分の画像データ
を、再度第2ラインメモリ19の2ライン目以降のアド
レスに書込む。第3ラインメモリ20は、画像データ6
ライン分を格納する。また、規定回数の繰り返し処理を
終えた1ライン分の処理結果を、第4ラインメモリ21
に格納する。第4ラインメモリ21に格納された画像デ
ータは、カラー画像出力装置3に出力される。第4ライ
ンメモリ20は、画像データ1ライン分を格納する。
【0045】以下に、このような構成の階調補正部16
及び中間調生成部17の動作を、それを示す図4のフロ
ーチャートを参照しながら説明する。ここでは、第1の
階調数mを256、第2の階調数nを8、1つの注目画
素に対して行われる階調変換処理の繰り返し回数を5回
として説明する。ここで、256階調を8段階に分割
し、それぞれ分割された中の代表値を予め設定してお
く。このとき、入出力装置の輝度や濃度の特性を考慮し
て分割を行う。例えば、フラットベッドのスキャナの画
像入力装置と、多階調を出力可能なインクジェットプリ
ンタのような画像出力装置との場合、図3に示すような
濃度特性であるとすると、スキャナで取り込んだ256
階調を、インクジェットプリンタ用の8段階の階調に分
割した際の各代表値は、0,70,88,101,12
0,143,165,255となる。
【0046】この各代表値の決め方は、画像出力装置の
階調数に分割した際に、それぞれの範囲内での代表値を
算出すれば良く、例えば、それぞれの範囲内での最大値
や最小値、中心値等、何れでも良い。この例の場合は、
0階調に近い程、最小値寄りとし、128階調付近では
中心値、255階調に近づくにつれ、最大値寄りの値を
代表値に選んでいる。これらの代表値は、階調再現処理
部17aに備えてある代表値設定部22に格納される
(図2)。
【0047】先ず、第1ラインメモリ18から読出さ
れ、出力階調補正部16aで階調変換処理前の画像処理
を終えた1ライン分の画像データを、第2ラインメモリ
19に書込む(S1)。次に、第2ラインメモリ19か
ら第1レジスタ25へ、画像データの内、最初の8画素
分で前記1ライン分を含んだ3ライン分を読込む(S
2)。同時に、第2ラインメモリ19から第2レジスタ
26へ、比較対象となる範囲の、画像データの内、最初
の8画素分で5ライン分を読込む(S3)。また、第3
ラインメモリ20から第1レジスタ25へ、少なくとも
1回以上処理済の画像データの内、最初の8画素分で6
ライン分を読込む(S4)。
【0048】第1レジスタ25へ読込まれた画像データ
は、3ライン目から7ライン目迄の部分が階調変換処理
を施す部分であり、1,2ライン目及び8,9ライン目
は、それぞれ、次に説明する加重平均値を演算するとき
に使用するデータとなる。
【0049】次に、第1レジスタ25の3ライン目の最
初の画素を注目画素とする(S5)。注目画素の階調変
換処理が終了したら、次の注目画素はその隣の画素とな
る。第1レジスタ25内の1ライン分の画像データの階
調変換処理が終了したら、次のラインの最初の画素を注
目画素とする。そして、対象となる全てのライン(3ラ
イン〜7ライン)の画素の階調変換処理が終了したら、
1回の階調変換処理が終了したことになる。
【0050】次に、注目画素の加重平均値を計算(演
算)する(S6)。加重平均値の計算に用いる近傍の画
素は、例えば、図5に示す12近傍画素とする。この1
2近傍画素とする理由は、第1に、画像領域において
は、階調変換対象の注目画素に対し、ほんの近くの画素
しか関与しないと考えられるからである。第2に、文字
領域においては、縦と横の線が多い為、注目画素に対す
る縦と横の画素の情報は、斜めの画素の情報よりも関与
していると考えられるからである。また、このように考
慮して選択するのであれば、12近傍でなくても良い。
【0051】注目画素及び近傍画素の重み係数は、ニュ
ーラルネットワークを構成する各ユニット間の結合係数
となる。注目画素から1画素離れた近傍8画素の重み係
数をaとし、2画素離れた近傍4画素の重み係数をbと
して、注目画素から遠くなるにつれて、小さな値を取る
ように、a>bとしたり、距離に関係なく、a=bとす
ることも可能である。また、近傍画素の重み係数の合計
と、自ユニットの仮の値の重み係数zとの和が、z+8
a+4b=1となっていれば、重み係数にどのような値
を設定しても良い。
【0052】注目画素から1画素離れた近傍8画素の値
をx1〜x8、注目画素から2画素離れた近傍4画素の
値をx9〜x12とすれば、近傍画素の重み付き総和Σ
は、式(1)となる。 Σ=a(x1+x2+〜+x8)+b(x9+〜+x12) (1) 次に、これに注目画素の元の(階調変換前の)画素値に
近い2つの仮の値を選択し、各仮の値に重み係数zを掛
けた値を、それぞれ前記Σに加えて、2つの加重平均値
を計算する(第1の過程、S7)。
【0053】次に、この2つの加重平均値の内、何れが
注目画素の元の画素値に近いかを判定し(第2の過程、
S8)、近い方の仮の値を最終的な変換値(更新値)と
する(第3の過程、S9)。上述した第1の過程〜第3
の過程を、第1レジスタ25内の対象となる全ての画素
(3ライン〜7ラインの画素)分について、順番に計算
を繰り返す(S10)。
【0054】第1レジスタ25内の対象となる全ての画
素についての計算が終了した(S10)時点で、その回
のニューラルネットワークの動作が終了したことにな
る。この動作を予め定めた回数繰り返し、規定の繰り返
し回数分処理が行われたラインの画素値は順次、つぎの
処理に出力される。この繰り返し回数は、第1レジスタ
25内の階調変換処理対象領域のレジスタ数により定ま
り(この例の場合、5回)、このレジスタ数を増加させ
ることで、繰り返し回数が増加する。
【0055】上述した第1の過程〜第3の過程が、第1
レジスタ25内の対象となる全ての画素(3ライン〜7
ラインの画素)分について終了したときは(S10)、
第1レジスタ25から、1,2ライン目を第2ラインメ
モリ19の2,3ライン目に書込み(S11)、第2レ
ジスタ26から、1〜4ライン目を第2ラインメモリ1
9の4〜7ライン目に書込む(S12)。
【0056】次に、第1レジスタ25から、3〜8ライ
ン目を第3ラインメモリ20の1〜6ライン目に書込み
(S13)、第1レジスタ25から、9ライン目を第4
ラインメモリ21に書込み(S14)、ライン幅の処理
が全て終了していなければ(S15)、ステップ1(S
1)に戻り、上述した過程を繰り返す。ライン幅の処理
が全て終了していれば(S15)終了する。
【0057】図6〜8は、第1ラインメモリ18〜第4
ラインメモリ21、第1レジスタ25及び第2レジスタ
26の読込み/書込みの詳細を説明する為の説明図であ
る。第1ラインメモリ18にあるNライン目の画像デー
タは、出力階調補正部16aに読込まれ、出力階調補正
処理が施された後、第2ラインメモリ19に書込まれる
。第2ラインメモリ19に書込まれたN〜N−2ライ
ンの画像データは、第1レジスタ25に読込まれる。
【0058】同時に、第2ラインメモリ19に書込まれ
たN−2〜N−6ラインの画像データが、第2レジスタ
26に読込まれ、また、第3ラインメモリ20に書込
まれたN−3〜N−8ラインの繰り返し処理中の画像デ
ータも、第1レジスタ25に読込まれる。
【0059】階調再現処理部17aでの処理後、第1レ
ジスタ25のN−2〜N−7ラインの繰り返し処理中の
画像データが、第3ラインメモリ20に書込まれ、繰
り返し処理が終了した第1レジスタ25のN−8ライン
目の画像データが、第4ラインメモリ21に書込まれる
。第4ラインメモリ21に書込まれた画像データは、
カラー画像出力装置3に出力される。
【0060】また、第2レジスタ26のN−2〜N−5
ラインの画像データと、第1レジスタ25のN〜N−1
ラインの画像データとが、次のN+1ラインが書込める
ように、1ライン空けられた状態で、第2ラインメモリ
19に書込まれるようになっている。以上の読込み/
書込み動作により、図9に示すように、階調変換処理前
の各ラインメモリの格納状態から、階調変換処理後の各
ラインメモリの格納状態へ遷移させることが出来る。
【0061】図10は、具体的な画像データを用いて階
調変換処理を行った場合を示す説明図である。ここで
は、図10(a)の太線で囲まれた注目画素(画素値=
241)についての処理順を説明する。近傍画素は図5
に示すような12近傍画素とし、注目画素の位置をNラ
イン目の左から5番目として説明する。先ず、図6〜図
8に示すように、第2ラインメモリ19から3ライン分
の画像データを、第1レジスタ25に読込めるだけ読込
む。
【0062】図10(a)において、Nライン目が初め
て処理対象の領域に読込まれたとすると、先ず、N+2
ライン目の左端の画素値=13から49迄の8画素分、
N+1ライン目の左端の画素値=21から50迄の8画
素分、そして、Nライン目の左端の画素値=11から2
53迄の8画素分を読込む。同時に、図6〜図8に示す
ように、第3ラインメモリ20に格納されている、少な
くとも1回以上処理が行われた結果である画素値を6ラ
イン分、第1レジスタ25に読込めるだけ読込む。
【0063】これにより、図10において、既に1回以
上の処理を終えているN−3ライン目の左端の画素値=
70から0迄の8画素分、N−2ライン目の左端の画素
値=0から0迄の8画素分、N−1ライン目の左端の画
素値=0から255迄の8画素分、及び画像領域外のラ
イン画素値については、全て0として設定され、処理を
行うブロックが設定される(図11(a))。Nライン
目の左端から4画素分については、既に階調変換処理が
終了しているので、それぞれ、0,0,255,255
となる)。
【0064】図6〜図8に示すように、第1レジスタ2
5への読込みと同時に、又は第1レジスタ25への読込
みに続いて、第2レジスタ26への読込みも行う。図1
0(a)において、Nライン目の左端の画素値=11か
ら253迄の8画素分、N−1ライン目の左端の画素値
=10から251迄の8画素分、N−2ライン目の左端
の画素値=10から8迄の8画素分、そして、N−3ラ
イン目の左端の画素値=20から11迄の8画素分を読
込む。1行不足する分(画像領域外のライン)の画素値
については、全て0として設定する(図11(b))。
【0065】必要なデータが全て読込まれたら、階調変
換処理を開始する。階調変換処理はNライン目の左端の
画素値から順次、注目画素として選択し、8画素分迄注
目画素の処理が終了したら、次のN−1ライン目の左端
の画素値から順次、注目画素として選択して、処理を続
ける。
【0066】ここで、Nライン目の5番目の画素(画素
値=241)の場合の更新値の計算について説明する。
近傍画素は、1画素離れた8近傍画素値(51,60,
248,255,250,255,255,255)と
2画素離れた4近傍画素値(11,255,251,
0)である。ここで、8近傍の255の値と4近傍の2
55,0の値とは、既に変換処理済のデータである。
【0067】先ず、近傍画素値の加重平均値を求める。
ここでは、式(1)のa,bをそれぞれ、a=1/2
4,b=1/32とし、また前記zを13/24とす
る。 Σ=(51+60+248+255+250+255+
255+255)/24+(11+255+251+
0)/32=84.03125
【0068】次に、注目画素の更新値とする仮の値を決
定する。全ての仮の値について計算しても良いが、ここ
では、注目画素の元の画素値(=241)に近い仮の値
を2つ選択することとする。これにより、165と25
5とが仮の値となり(図3参照)、この2つの仮の値
で、それぞれ重み係数を用いて前記Σとの加重平均値を
求める。 Σ=84.03125+165×13/24=172
(小数点第1位四捨五入) Σ=84.03125+255×13/24=222
(小数点第1位四捨五入) この2つの値と第2レジスタ26に格納された注目画素
の元の画素値(=241)とを比較する。そして、注目
画素の更新値として、241に近い方の仮の値255を
選択する。
【0069】以上のような処理を各画素毎に順次計算し
て行く。変換処理対象領域(8画素×5ライン分)の全
ての画素について処理が終了すると、変換処理対象領域
の1回分の階調変換処理が終了したことになり、各ライ
ンメモリ及び各レジスタの読込み/書込みを、図6〜図
8において説明したように行う。以上を繰り返し、1ラ
イン分が終了すると、1ライン分の1回分の処理が終了
したことになる。そして、出力階調補正部16aで次の
第1ラインメモリ18の画素値が処理され、第2ライン
メモリ19の1ライン目に書込まれると、次の階調変換
処理が開始される。最終的には、図10(a)の例は図
10(b)に示すように階調変換される。
【0070】尚、この例では、1つの注目画素に対して
行われる階調変換処理の繰り返し回数を5回としている
が、これは5回に限定されるものではなく、実験的・経
験的に最適な回数を設定すれば良い。その際、第2ライ
ンメモリ19及び第3ラインメモリ20のライン数、第
1レジスタ25及び第2レジスタ26の読込みサイズの
みを変更すれば、メモリ及びレジスタの数量が許す限
り、繰り返し回数を何回にでも設定可能である。また、
この例では、入力側が256階調で出力側が8階調であ
ったが、これ以外の階調数であっても良いことは言うま
でもない。
【0071】尚、上述した実施の形態では、ディジタル
カラー複写機を想定しているが、上述したディジタルカ
ラー複写機と同様の動作をさせる為のコンピュータプロ
グラムを、磁気ディスク及びCD−ROM等の可搬型記
録媒体(記録媒体)に記録する他、パーソナルコンピュ
ータと無線又は有線によりコンピュータプログラムの通
信が可能な、例えば、配信サーバのようなセンターに備
えられた回線先メモリ等の記録媒体からダウンロード
し、ディジタルカラー複写機と同様に、パーソナルコン
ピュータ及びプログラムの書き換えが可能な画像処理装
置、画像形成装置等に、この階調変換方法による画像処
理を行わせることが可能である。
【0072】
【発明の効果】本発明に係る階調変換方法によれば、各
仮の値を用いて演算により求めた加重平均値と、階調変
換前の注目画素の値(例えば、濃度値又は輝度値)とを
比較し、階調変換前の注目画素の値に一番近い加重平均
値を、注目画素の更新値とすることにより、入力される
原稿(画像)の輝度や濃度を局所領域で見た場合、最も
原稿に近い輝度や濃度が再現出来ることになる。更に、
上述した処理を繰り返し行うことにより、注目画素の近
傍の画素値が更新された際に、再度、比較して更新して
行くので、最終的にはニューラルネットワークの性質に
より、各画素値がある値で収束して行き、出力される画
像は、最も原稿に近い輝度や濃度で表される。
【0073】また、本発明に係る階調変換方法によれ
ば、注目画素の仮の値として設定する値、すなわち、複
数の代表値を、スキャナ等の画像入力手段とインクジェ
ットプリンタや液晶ディスプレイ等の画像出力手段との
入出力特性(濃度特性や輝度特性)に基づいて決定する
ので、各仮の値を用いて演算により求めた加重平均値と
階調変換処理前の値との誤差を最小にすることが出来、
階調変換を行って出力された画像は、輝度や濃度が充分
に表現されたものとなる。
【0074】また、本発明に係る階調変換方法によれ
ば、多階調の入力画像データの場合、全ての仮の値につ
いて加重平均値を演算すると、処理に時間が掛かってし
まうが、予め予想される階調付近の仮の値だけを用いる
ことで、再現性も良く、処理の高速化も実現することが
できる。
【0075】また、本発明に係る階調変換方法によれ
ば、注目画素から近傍の画素迄の距離が大きい程、近傍
の画素の値の重み係数を小さくすることにより、距離に
応じた加重平均値を求めることが出来る。
【0076】また、本発明に係る階調変換方法によれ
ば、加重平均値を求める演算が、単純に平均値を求める
演算になるので、処理の高速化を図ることが出来る。
【0077】また、本発明に係る画像処理装置によれ
ば、入力画像データ全てを保持する為のメモリや、入力
画像データ全てを一時に階調変換処理する為のホップフ
ィールド型ニューラルネットワーク専用の並列処理回路
を別途設ける必要がなく、複数のラインメモリやレジス
タ(ブロックを形成する手段)を用いることで、階調変
換処理を行うことが出来る画像処理装置を実現すること
が出来る。また、パイプライン処理を行うことが可能と
なる。
【0078】また、本発明に係る画像形成装置によれ
ば、原稿に近い高品質な画像を出力することが可能であ
る。また、入力画像データ全てを保持する為のメモリ
や、入力画像データ全てを一時に階調変換処理する為の
ホップフィールド型ニューラルネットワーク専用の並列
処理回路を別途設ける必要がなくなるので、パイプライ
ン処理を簡単に組み込むことが出来、価格上昇を抑制す
ることが出来る。画像形成装置は、例えば、インクジェ
ット方式や電子写真式を用いたディジタルカラー複写機
で実現される。
【0079】また、本発明に係る記録媒体によれば、C
D−ROM等として、又はネットワークからのダウンロ
ードにより、パーソナルコンピュータやワークステーシ
ョン等の汎用のコンピュータにプログラムを読込ませる
ことにより、読込まれた画像に対して精度良く階調変換
処理を施させて出力させることが出来る。また、DSP
等で、ソフト処理を行うプリンタやディジタルコピア等
に対しても同様に、フラッシュメモリや書換え可能な記
録媒体として、プログラムを読込ませることにより、読
込まれた画像に対して精度良く階調変換処理を施させて
出力させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る階調変換方法、画像処理装置及び
画像形成装置の実施の形態であるディジタルカラー複写
機の要部構成を示すブロック図である。
【図2】階調補正部及び中間調生成部の要部構成例を示
すブロック図である。
【図3】画像入力装置及び画像出力装置の濃度特性の例
を示す特性図である。
【図4】階調補正部及び中間調生成部の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図5】12近傍画素を示す説明図である。
【図6】第1ラインメモリ〜第4ラインメモリ、第1レ
ジスタ及び第2レジスタの読込み/書込みの詳細を説明
する為の説明図である。
【図7】第1ラインメモリ〜第4ラインメモリ、第1レ
ジスタ及び第2レジスタの読込み/書込みの詳細を説明
する為の説明図である。
【図8】第1ラインメモリ〜第4ラインメモリ、第1レ
ジスタ及び第2レジスタの読込み/書込みの詳細を説明
する為の説明図である。
【図9】階調変換処理前の各ラインメモリの格納状態か
ら、階調変換処理後の各ラインメモリの格納状態への遷
移を示す説明図である。
【図10】具体的な画像データを用いて階調変換処理を
行った場合の例を示す説明図である。
【図11】具体的な画像データを用いて階調変換処理を
行った場合の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 カラー画像入力装置 2 カラー画像処理装置 10 A/D変換部 16 階調補正部 16a 出力階調補正部 17 中間調生成部 17a 階調再現処理部 18 第1ラインメモリ 19 第2ラインメモリ 20 第3ラインメモリ 21 第4ラインメモリ 22 代表値設定部 25 第1レジスタ(ブロックを形成する手段) 26 第2レジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 5/02 G09G 5/00 520J 5/36 5/36 520A Fターム(参考) 2C262 AA24 AA26 AB07 BB01 BC10 BC13 CA08 DA09 EA04 EA12 GA23 5B057 CA01 CA06 CA08 CA12 CA16 CB01 CB06 CB08 CB12 CB16 CE11 CH05 CH08 5C077 LL17 LL18 PP21 PP46 PP68 PQ12 PQ13 PQ15 PQ18 PQ20 RR06 5C082 AA01 BA02 BA12 BA34 BA35 BA39 CA11 CA12 DA51 DA87 MM07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の階調数を有し複数の画素からなる
    画像データを、前記第1の階調数より少ない第2の階調
    数を有する画像データに変換する階調変換方法におい
    て、 前記複数の画素からなるブロックを形成し、 形成したブロック内の階調変換処理すべき注目画素の仮
    の値として、前記第1の階調数の値で表された第2の階
    調数の値を複数設定し、前記仮の値及び注目画素近傍の
    所定数の画素の値の加重平均値を、各仮の値毎に演算す
    る第1の過程と、 前記加重平均値の内何れが前記注目画素の階調変換前の
    値に近いかを判定する第2の過程と、 該第2の過程の判定結果に基づき、前記注目画素の階調
    変換前の値に近い前記加重平均値をもたらした前記仮の
    値を、前記注目画素の値とする第3の過程とを含み、 前記ブロック内の階調変換処理すべき画素の前記注目画
    素としての処理が一巡する迄、前記第1の過程から第3
    の過程を反復することを特徴とする階調変換方法。
  2. 【請求項2】 前記仮の値は、前記第1の階調数を有す
    る画像データを読込む画像入力手段の読込特性と、前記
    第2の階調数を有する画像データに基づき、画像を出力
    する画像出力手段の出力特性とから求められた特性に基
    づき定められる請求項1記載の階調変換方法。
  3. 【請求項3】 前記仮の値として、前記注目画素の階調
    変換前の値に近い値を2つ設定し、2つ設定した仮の値
    を用いて前記加重平均値をそれぞれ演算する請求項1又
    は2記載の階調変換方法。
  4. 【請求項4】 前記加重平均値は、前記注目画素から近
    傍の画素迄の距離が大きい程、該画素の値の重み係数を
    小さく定めてある請求項1〜3の何れかに記載の階調変
    換方法。
  5. 【請求項5】 前記加重平均値は、前記注目画素近傍の
    所定数の画素の値の重み係数を同一に定めてある請求項
    1〜3の何れかに記載の階調変換方法。
  6. 【請求項6】 第1の階調数を有し複数の画素からなる
    画像データを、前記第1の階調数より少ない第2の階調
    数を有する画像データに変換する画像処理装置におい
    て、 前記複数の画素からなるブロックを形成する手段と、 該手段が形成したブロック内の階調変換処理すべき注目
    画素の仮の値として、前記第1の階調数の値で表された
    第2の階調数の値を複数設定する手段と、 該手段が設定した仮の値及び注目画素近傍の所定数の画
    素の値の加重平均値を、各仮の値毎に演算する演算手段
    と、 前記注目画素の階調変換前の値を記憶する記憶手段と、 前記演算手段が演算した加重平均値の内何れが前記記憶
    手段が記憶した値に近いかを判定する手段と、 該手段の判定結果に基づき、前記記憶手段が記憶した値
    に近い前記加重平均値をもたらした前記仮の値を、前記
    注目画素の値とする手段とを備え、 請求項1〜5の何れかに記載された階調変換方法を用い
    て、前記第1の階調数を有する画像データを、前記第2
    の階調数を有する画像データに変換すべくなしてあるこ
    とを特徴とする画像処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載された画像処理装置を備
    え、該画像処理装置が階調変換した画像データに基づ
    き、画像を形成すべくなしてあることを特徴とする画像
    形成装置。
  8. 【請求項8】 コンピュータに、第1の階調数を有し複
    数の画素からなる画像データを、前記第1の階調数より
    少ない第2の階調数を有する画像データに変換する手順
    を実行させる為のプログラムを記録したコンピュータ読
    取り可能な記録媒体であって、 コンピュータに、前記複数の画素からなるブロックを形
    成させる第1手順、前記ブロック内の階調変換処理すべ
    き注目画素の仮の値として、前記第1の階調数の値で表
    された第2の階調数の値を複数設定させる第2手順、前
    記仮の値及び注目画素近傍の所定数の画素の値の加重平
    均値を、各仮の値毎に演算させる第3手順、前記加重平
    均値の内何れが前記注目画素の階調変換前の値に近いか
    を判定させる第4手順、該第4手順の判定結果に基づ
    き、前記注目画素の階調変換前の値に近い前記加重平均
    値をもたらした前記仮の値を、前記注目画素の値とさせ
    る第5手順、前記ブロック内の階調変換処理すべき画素
    の前記注目画素としての処理が一巡する迄、前記第2手
    順から5手順を繰り返させる第6手順を実行させる為の
    プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒
    体。
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JP2001008291A Pending JP2002218231A (ja) 2001-01-16 2001-01-16 階調変換方法、画像処理装置、画像形成装置及び記録媒体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010532510A (ja) * 2007-07-06 2010-10-07 ブラッコ イメージング ソチエタ ペル アチオニ 画像処理方法

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