JP2010532510A - 画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、各画像を、特に2次元、または3次元以上の空間における像点の列、いわゆるピクセル又はボクセルで構成し、各像点を、輝度、グレー、色合い等に関する像点外観を定める1以上の数値パラメーター、および、前記像点の列内の位置によって一義的に定め、前記各像点を、人為的な中性ネットワークのノードとみなし、前記画像を、前記人為的な中性ネットワークの前記ノードの値として各ピクセルの外観を定めるパラメーターの関数として処理し、かつ、予め定められたピクセルのサブセットのピクセルで構成された周辺ピクセル、特に、処理中の前記ピクセルの周辺ピクセル、いわゆるピクセルウィンドウと処理中の各ピクセルとの連結の関数として処理し、ノード値の進化ステップのような外観を定めるパラメーターの反復進化ステップ、連結組の値の反復進化ステップ、又は、前記進化の組み合わせによって、処理された画像の新しい画像のピクセルを取得し、検査中のピクセルのそれぞれの周辺ピクセルが、前記周辺ピクセルに隣接した1以上又は全てのピクセルの周辺ピクセルと考えられるときに、前記処理を、各ステップが検査中のピクセルと周辺ピクセルとの連結の関数である進化反復ステップにより行い、そして、画像の各ピクセルの外観値が、前記反復ステップから得た新しい画像のその他の全てのピクセルの新しい外観値の決定に寄与する点から、前記関数がその他の全てのピクセルの外観値を決定する即時フィードバック寄与因子であることを特徴とする画像処理方法を提供する。
Description
本発明は、各画像を、特に2次元、または3次元以上の空間における像点の列、いわゆるピクセル又はボクセルで構成し、各像点を、輝度、グレー、色合い等に関する像点外観を定める1以上の数値パラメーター、および、前記像点の列の位置によって一義的に定め、前記各像点を、人為的な中性ネットワークのノードとみなし、前記画像を、前記人為的な中性ネットワークの前記ノードの値として各ピクセルの外観を定めるパラメーターの関数として処理し、かつ、予め定められたピクセルのサブセットのピクセルで構成された周辺ピクセル、特に、処理中の前記ピクセルの周辺ピクセル、いわゆるピクセルウィンドウと処理中の各ピクセルとの連結の関数として処理し、ノード値の進化ステップのような外観を定めるパラメーターの反復進化ステップ、連結組の値の反復進化ステップ、又は、前記進化の組み合わせによって、処理された画像の新しい画像のピクセルを取得する画像処理方法に関する。
このタイプの方法は、特許文献WO 2005/020132またはEP1656632に記載されている。これらの文献によれば、本発明に係る方法の基本原理が記載され、かつ、基本概念として本発明の一部をなす。
前記文献に記載された方法の処理システムは、局所決定論的反復演算(local deterministic and iterative operation)に基づいて動く。局所演算(local operation)は、各々の処理サイクル演算が、中央ピクセル(central pixel)、及び、直接的に隣接したピクセル(中央ピクセルの近傍)との関係に関与するという事実に基づく。決定論的演算(deterministic operation)は、新しい画像を有するピクセルマトリックスによって表される動的システムが向かう停止状態(stationary condition)が、決定論的方程式によって命じられるという事実に基づく。したがって、その処理は、常に同じ結果に向かう過程において繰り返されうる。反復演算(iterative operation)は、動的システムのステップの空間進化(space evolution of step)がそれ自体のアトラクター(attractor)にたどり着くまでに演算が繰り返されるという事実に基づく。
前述した周知のシステムの基本概念を要約すると、D次元空間における関連するトポロジー(topology)に関する現状(たとえば、ピクセルまたはボクセルの配列においてあらかじめ定められた位置を有するピクセル若しくはボクセルの出現又は外観(appearance)をそれぞれ区別する数値の配列、または、ピクセル若しくはボクセルの配列で構成された画像)は、最小ユニット(「ノード」と呼ばれる。)、および、相互に確立された局所関係(局所連結)によって表され得る。処理ステップnにおけるそれぞれの最小ユニットuは、位置(数1)、および、前記位置の関数として定量的な数値(数2)によって定められる。
実際、最小ユニットuを位置座標x(強度値を定める。)に配列された点とみなす。各ユニットuに関して、処理サイクルnにおいて合わせられた強度値および位置xを次のように合計する。
最初の画像(starting given image)は、処理サイクル0におけるユニットからなるものとして考慮すべきであり、よって、その各ユニットは次のように定められる。
処理サイクルnを考慮しないで、一般的な最小ユニットを考慮する場合、位置を表示することを望むのであれば、それを用語uまたはuxで表すことができる。
2つの最小ユニットの位置x(数5)およびxs(数6)間の距離(数7)を、kSiの絶対値のうち最大値(数8)とみなすことができる。
ここで、iは、1、2、…、Dである。
位置座標x(定められた画像内の)が与えられると、われわれは、位置xに集中され、かつ、xおよび全ての位置xSを含んだG半径を有するxの近傍(neighborhood)IG xを考慮する。xSのxからの距離は、空ではなく(無効ではなく)、Gを越えないものである。
実際、xの各近傍IG xは、専ら前記[数9]を満たす全ての点xSおよび、x自体で構成されている。位置xは、近傍IG xの中央ピクセルの位置として名づけられる。ここで、Sは、近傍の点xSの位置の変動性(variability)を表し、中央位置xから区別される。2次元(D=2)で、かつ、半径が1である場合において、Sは、位置xに集中された近傍の8個のピクセルの位置を表す文字である。
各近傍IG xに属する位置xおよびxSの組は、所定の初期画像、処理中の画像、および、最終画像におけるピクセルの位置を表すために、区別なく(差別なく)用いられる。半径G=1の近傍の場合、その近傍は、単にIxとして表すことができる。
2つの最小ユニット間の局所連結(local connection)は、別のものに対し最初のユニットによって加えられる力を定義する。また、その逆も成立する。したがって、いったん2つの最小ユニットが定められると、2つの局所連結値は、独立したもので、一般的に異なるように与えられる。
ステップnにおいて、位置x=(x1、x2、・・・、xD)を有する最小ユニットと、位置xS=(xS1,xS2、・・・、xSD)を有する別のユニット間の連結(connection)は、連結したユニットの位置xおよびxs、ならびに、定量的な値によって定義される。
ここで、[数10]は[数11]は同じである。また、xおよびxSの両方の各座標は、明確に表示される:xS1=x1+kS1、xS2=x2+kS2、xSD=xD+kSD。一方で、[数10]では、xS=x+kSといったより簡単な概念が用いられる。ここで、kS=(kS1、kS2、・・・、kSD)である。
したがって、一般的に、処理ステップnにおいて、中央ピクセル(近傍の位置xに位置する。)の最小ユニットUxと、近傍IG x(位置xSに位置する。)のピクセルの各最小ユニットUxS間の各連結値を意図するために、以下の概念が用いられる。
活性連結マトリックス(Active Connection Matrix)は、半径Gを有する近傍に対して定められる。各最小ユニットuxに対し、位置xにある中央ユニットと、半径Gを有するその近傍IG xsのユニットUxs間の連結のみを考える。
活性連結マトリックスは、以下の方程式([数13]および[数14])で構成されたシステムとして定義される。
前記システムは、有効であり:
その初期固定値は以下のとおりである:
前記[数13]は、ユニットの進化(evolution)が、半径Gを有する超立方近傍の全てのユニットの(2・G+1)D−1連結のうち1つ、近傍の全ユニット、および、ユニットの値に依存するということを示す。一方で、連結方程式(2・G+1)D−1は、それらのそれぞれの進化は、2つの連結したユニットのうち1つ、および、連結値に依存するということを示す。
2次元(D=2)の場合、現状のユニットはx1およびx2の代わりに、インデックスiおよびjを用いて次のようなマトリックスの形態で簡単に表すことができる(数18参照)。
一方で、[数13]および[数14]は、以下のように具体化され得る。
D次元空間に関連トポロジー、および、半径Gを有する最小の連結要素を備えた現状の一般的な場合に、ステップnにおけるユニットの変化は、ステップn+1において遠隔ユニットg(n+1)位置までの効果の伝搬(propagation)を決定する(数21参照)。
すると、ステップn+1において、中央ユニットを除いた近傍の変動によって当てられたユニットの数r(n+1)は、以下のとおりである。
同様に、2つのユニットuxおよびUxsが互いに影響を与える遅延ステップΔnの数が以下の[数23]と同じであるかどうかを観察することができる。
したがって、かかる考慮に基づいて、[数13]および[数14]が以下のように簡単に導き出される。
前記システムは、有効であり:
これらによって、動的システムによって記述され、かつ、現状マトリックス(即ち、初期画像のピクセル)で構成された経路が、進化の際に、各ステップにおいて拡大する(拡張する)近傍内の連結、および、ユニットの初期値にどのように依存するかを知ることができる。ユニットおよび連結が初期値に依存するという事実は、関数F[n]およびg[n]の列(sequence)で表すことができる。
前記第1は、nが増加する数の関数で構成され、かつ、次のとおりである。
一方で、前記第2は、同様に増加する数の関数を有する。
[数13]および[数14]は、その解決策の組を表すアトラクターに向かう関連するトポロジーを有する現状の連結およびユニットの進化を意味する。それらの両方は、特別な注意を必要とする2つの変性型(degenerate form)の形態で提供され得る。
第1の関数は、固定された連結を考慮する。この場合、連結は、その初期値で固定されているが、ユニットに関しては、次のとおりである:
これは、有効であり:
また、固定された初期値は、次のとおりである(数30および数31参照)。
この場合、現状の連結は、この方法の誘発要因(impulse)として、かつ、ユニットの空間に起こるユニットの進化に対する制限要因(constraint)として働く。
第2の変性ケースは、ユニットおよび連結に関して第1に対して対称である。この場合、これらは、その初期値に固定されたユニットとして、この方法の誘発要因として働くものと考えられる。このタイプのシステムに対しては、以下の方程式が有効である:
これは有効であり:
また、固定された初期値は、次のとおりである(数34および数35参照)。
こうした進化の特性は、連結の進化を設定する方法が、連結空間において起こるということである。この空間内でユニット進化への解決策が見つかる。
したがって、この方法において、ユニットの元の値(original value)は、連結の進化に対する単なる制約として働く。後者は、動的にユニット値を提供するので、このプロセスのアトラクターは、その初期値(initial value)、及び、それに隣接したその他のユニットのいずれかの最初値間の動的な妥協(dynamic negotiation)によって生じた単なる相関要素(relational element)としての各ユニットの再定義(redefinition)である。
特定の簡単な具体例は、インデックス(index)i,jが、平面画像の2次元である2次元画像の場合である。こうした例から、一般的なD次元の場合における様々な周知のシステムを説明することができる。前述した総合的な表記法(synthetic notation)は、読み又は表示(reading)を単純化するために用いられる。関連ユニットの座標を示すインデックスの組は、近傍IG xの点x及びxsによって置き換えられる。前述のとおり、位置座標が全ての画像に対して同じであるために、その近傍は、中心点xに集中され、基準(reference)として用いられるユニットuxはそこに配置されたものとみなされ、そして、近傍IG x内のその他のユニットの位置Uxsは、その位置に対して変換される:
前述のとおり、周知の種の方法は、これらがユニット及び連結をどのように進化させるかによって、互いに異なっている。特に、これらは、次の進化法則(evolution law)に基づいて3つに分かれる。
固定型連結(fixed connection):ユニットuxは、固定状態又は停止状態(stationary state)に到達してアトラクターの存在を識別するまでに進化される。固定状態、及び、そのアトラクターは、どのような進化法則が用いられたかによって、変わる。所定の画像のピクセルのマトリックスを用いるオートマタ規則(Automata Rule)と呼ばれる方程式によって(最初に)定められた連結マトリックス(connection matrix)が用いられる。
固定ユニット:連結Wx,xsは、固定状態又は停止状態(stationary state)に到達してアトラクターの存在を識別するまでに進化される。固定状態、及び、そのアトラクターは、どのような進化法則が用いられたかによって、変わる。これは、各々の処理サイクルにおいて一定のままである所定の画像のピクセルのマトリックスを用いる。
動的ユニット及び連結:連結Wx,xsは、各々の処理サイクルにおいて更新されるユニットuxのマトリックスに基づいてそれ自体のアトラクターに到達する。このシステムが進化して連結マトリックスを修正するに至った場合に、ユニットuxのマトリックスのピクセルの輝度は更新される。
以上より、周知の方法が、前述した3つのカテゴリのうちいずれか1つによって処理された画像に見られる新たな形態学的(morphologic)、かつ、動的規則性が、初期画像のピクセルのマトリックスに対して行われた局所決定論的反復演算、及び、各ピクセルのその近傍(局所)に対する連結マトリックスの結果であるという仮定に基づいてはたらくということは明らかである。
本発明の目的は、演算の範囲を全システムに拡張して、その処理を厳格的に局所のものでないものとするために、中央ピクセルと、それに隣接したピクセル(即ち、周辺ピクセル)間の関係(relationship)を拡大することである。
本発明において、前記目的は、検査中のピクセルのそれぞれの周辺ピクセルが、前記周辺ピクセルに隣接した1以上又は全てのピクセルの周辺ピクセルと考えられるときに、前記処理を、各ステップが検査中のピクセルと周辺ピクセルとの連結の関数である進化反復ステップにより行い、そして、画像の各ピクセルの外観値(appearance value)が、前記反復ステップから得た新しい画像のその他の全てのピクセルの新しい外観値の決定に寄与する点から、前記関数がその他の全てのピクセルの外観値を決定する即時フィードバック寄与因子であることを特徴とする画像処理方法によって達成される。
本発明によれば、前記処理から得た前記新しい画像を構成する像点(ピクセル又はボクセル)のマトリックスを生じさせるために、前記処理の終わりに得た連結マトリックスを用いることができる。
本発明によれば、前記方法が、周辺像点値、及び、前記周辺像点と中央像点との連結値、並びに、前記各々の周辺像点が各々の隣接した像点の周辺像点と考えられるときに導き出される次なる指令関係を考慮して、前記像点の連結マトリックス、及び/又は、像点を進化させる方程式を含み、そして、前記後者が前記中央像点と考えられた場合、各処理サイクルにおける前記方程式の反復を提供して、各像点が、波のように前記寄与を伝播する周辺像点によって、そこから離れた各像点に独自的に寄与する。
したがって、本発明では、中央ピクセルとその周辺ピクセル間の関係が、それぞれが、それに隣接した全てのピクセルの周辺ピクセルでもあるときの関係を含めるという点により、拡大される。こうした場合に、新しい画像を得るための処理サイクルにおいて前述した関数の全寄与(whole contribution)を考慮して目的とするピクセルの限定された周辺範囲(例えば、3×3正方行列)内にあるピクセルのみの関数として目的とするピクセルの新しい値を決定する各処理ステップを行う従来技術とは異なり、各ピクセルの外観値は、画像におけるその他の全てのピクセルの新しい外観値の決定に即時フィードバック寄与(immediate feedback contribution)を提供する。これは、領域(territory)の各点からの全ストレスが同時に山領域(mountain region)の決定に寄与することにたとえることができる。
本発明の方法を定義する方程式は、2つの組に分けられる:
所定の画像の各像点、又は、ピクセル若しくはボクセルの連結値を進化させるための方程式の組、および、
所定の画像の各像点、又は、ピクセル若しくはボクセルの内部状態値(value of the inner state)を進化させるための方程式の組。
所定の画像の各像点、又は、ピクセル若しくはボクセルの連結値を進化させるための方程式の組、および、
所定の画像の各像点、又は、ピクセル若しくはボクセルの内部状態値(value of the inner state)を進化させるための方程式の組。
本発明の更なる改善については、従属項などに記載されている。
本発明の特徴および利点は、添付した図面、および、以下の発明の詳細な説明から導き出されるであろう。
これらの処理方程式(processing equation)は、次のとおり再生される(方程式0)。
(任意の2つのピクセル間の連結の初期値である。)
(所定の画像の全ピクセルの値の初期スケーリング(αはピクセル値のスケーリング閾値である)である。)
(nステップにおけるx;特定の処理サイクルにおける任意の変数(連結、ピクセルなど))
Nは隣接したノード(すなわち、周辺ノード)である。
2つのピクセルの連結値(value of connection)を規制する方程式の組は、4つのステップ(方程式1〜4)に分けることができる。
前記因子Diは、距離ではなく、各ピクセル値と、そこに中央ピクセルを連結したときの重み(weight)間の差異の合計を示したものである(方程式1)。
変数Jiは、因子Diに双曲線接線関数(hyperbolic tangent function)を適用した結果である(方程式2)。この演算は、以下に示す3つの目的を有する:
a) 有限区間(finite interval)内のDiの可能な数値を含む
b)Diの可能な数値にスムーズなS字状の形状を提供する
C)各点において微分可能な関数を用いて演算できる
a) 有限区間(finite interval)内のDiの可能な数値を含む
b)Diの可能な数値にスムーズなS字状の形状を提供する
C)各点において微分可能な関数を用いて演算できる
この方程式は、3つの成分に分けることができる。
a.第1成分−(Ui [n]・Ji)は、その近傍(重みおよびピクセル)に依存する変数Jiを用いて、中央ピクセル値に重みを加える。しかしながら、それは、サイン間の古典的な数学関係を逆転させる。この場合、一致(concordance)は−の数値を生じさせるが、不一致(discordance)は+の数値を生じさせる。それは、次のようなことを意味する。
1.中央ピクセルがブラック(−値)に向かう傾向があり、かつ、それ(即ち、中央ピクセル)をその近傍につなぐ重みが平均してかかる近傍のピクセルよりも大きい場合、その方程式におけるかかる部分の数値は、−であろう。
2.中央ピクセルがブラック(−値)に向かう傾向があり、かつ、それ(即ち、中央ピクセル)をその近傍につなぐ重みが平均してかかる近傍のピクセルよりも小さい場合、その方程式におけるかかる部分の数値は、+であろう。
3.中央ピクセルが白(+値)に向かう傾向があり、かつ、それ(即ち、中央ピクセル)をその近傍につなぐ重みが平均してかかる近傍のピクセルよりも大きい場合、その方程式におけるかかる部分の数値は、+であろう。
4.中央ピクセルが白(+値)に向かう傾向があり、かつ、それ(即ち、中央ピクセル)をその近傍につなぐ重みが平均してかかる近傍のピクセルよりも小さい場合、その方程式におけるかかる部分の数値は、−であろう。
b.方程式3の第2成分([数47])は、Jiの第2の導関数(derivative)である。これは、隣接するピクセル(即ち、周辺ピクセル)間の変化(variation)、および、そこ(周辺ピクセル)に中央ピクセルを連結させる重み間の変化がどのようなものであるかを分析する。
a.第1成分−(Ui [n]・Ji)は、その近傍(重みおよびピクセル)に依存する変数Jiを用いて、中央ピクセル値に重みを加える。しかしながら、それは、サイン間の古典的な数学関係を逆転させる。この場合、一致(concordance)は−の数値を生じさせるが、不一致(discordance)は+の数値を生じさせる。それは、次のようなことを意味する。
1.中央ピクセルがブラック(−値)に向かう傾向があり、かつ、それ(即ち、中央ピクセル)をその近傍につなぐ重みが平均してかかる近傍のピクセルよりも大きい場合、その方程式におけるかかる部分の数値は、−であろう。
2.中央ピクセルがブラック(−値)に向かう傾向があり、かつ、それ(即ち、中央ピクセル)をその近傍につなぐ重みが平均してかかる近傍のピクセルよりも小さい場合、その方程式におけるかかる部分の数値は、+であろう。
3.中央ピクセルが白(+値)に向かう傾向があり、かつ、それ(即ち、中央ピクセル)をその近傍につなぐ重みが平均してかかる近傍のピクセルよりも大きい場合、その方程式におけるかかる部分の数値は、+であろう。
4.中央ピクセルが白(+値)に向かう傾向があり、かつ、それ(即ち、中央ピクセル)をその近傍につなぐ重みが平均してかかる近傍のピクセルよりも小さい場合、その方程式におけるかかる部分の数値は、−であろう。
b.方程式3の第2成分([数47])は、Jiの第2の導関数(derivative)である。これは、隣接するピクセル(即ち、周辺ピクセル)間の変化(variation)、および、そこ(周辺ピクセル)に中央ピクセルを連結させる重み間の変化がどのようなものであるかを分析する。
c.方程式3の第3成分([数48])は、隣接する各ピクセルと、そこ(隣接するピクセル)に中央ピクセルを連結させる重みとの差異によって全方程式に重みを加える。
この方程式(方程式4)では、隣接する各ピクセルに中央ピクセルをつなぐ(連結する)重みを更新する。
4つのステップを定義するこれらの4つの方程式においては、以下の事項に留意すべきである。
a.中央ピクセルとその近傍間の連結すべては、その隣接するピクセル(即ち、周辺ピクセル)の数値に依存する
b.中央ピクセルとその近傍にある各ピクセル間の各連結は、隣接するピクセル(即ち、周辺ピクセル)すべてに依存する。
a.中央ピクセルとその近傍間の連結すべては、その隣接するピクセル(即ち、周辺ピクセル)の数値に依存する
b.中央ピクセルとその近傍にある各ピクセル間の各連結は、隣接するピクセル(即ち、周辺ピクセル)すべてに依存する。
したがって、重みの進化は、所定の画像の各ピクセル(その近傍に対する各ピクセル)の第1の指令変換(first order transformation)である。
本発明の方法のこれらの第1の方程式によって、任意の画像の興味のある変換を決定することができる。
各進化サイクル(evolution cycle)において、各中央ピクセルの重み出力値の平均を計算し、その値を0〜255(画像に得られるピクセルの数値範囲)に適当にスケールして、画像を2つの部分(形状(figure)、および、バックグラウンド)に分割する変換を行うことができる。
[数49]は方程式5に相当し、そして、[数50]は方程式6に相当する。
初期スケーリング(方程式0)のα値とは異なる値を用いることによって、バックグラウンドに対する形状エッジ(data edge)に変化がもたらされる。
所定の画像のピクセル若しくはボクセルまたは各像点(image point)の内部状態(inner state)値を進化させるための方程式の組に関し、その目的がユニットuの活性化を修正する(変更する)ものであるこれらの方程式は、異なるステップに分けられる。
[数51]は方程式7に相当し、そして、[数52]は方程式8に相当する。
これらの方程式の目的は、間隔{−1、+1}の数値の組において各中央ピクセルをその近傍に連結する数値の平均(値)をスケールすることである。
こうしたスケーリング(その絶対値として得られた)の結果、各中央ピクセルの内部活性化状態を次のとおり定義することができる(方程式9)。
したがって、ピクセル値を考慮すれば、各中央ピクセルをその近傍につなぐ重みの平均が中立値(neutral valve)から離れれば離れるほど、その中央ピクセルの内部状態がより活性であるといえる。ここで、中立値は、数値が−1〜+1の間にあるとすれば、0であり、そして、数値が0〜255の間にあるとすれば、(その中立値は)「グレー(grey)127」である。
以下の[数56](方程式10)を用いて、各ピクセルの活性化値(activation value)、および、この近傍にある各ピクセルの活性化値を考慮して、各ピクセルにデルタ因子[数55]を与えることができる。
この方程式10([数55])は、さまざまな理由から重要である。2次元画像の各ピクセルは、その半径がユニット1(unit one)である場合、8以上のそれ以外の別のピクセルからなる近傍を有する。これは、方程式10([数55])を適用した場合、中央ピクセルの内部状態が1に向かう傾向が強く、かつ、周辺ピクセルの活性化が0よいも大きければ大きいほど、[数54]が周辺ピクセルの数値に対して反対サイン(opposite sign)を有する傾向が強くなることを意味する。一方で、中央ピクセルの内部状態が1に向かう傾向が強く、かつ、周辺ピクセルの活性化が−1に向かう傾向が強ければ強いほど、[数54]は0に向かう傾向が強くなる。
各々の周辺ピクセルの各近傍の[数54]の1補数(complement)の二乗和は、適切に重み付けられていれば、各画像ピクセルの第2の指令([数56])を定義する。
[数57]は、方程式11に相当する。
以下の方程式(方程式12)は、各ピクセルの近傍を構成する第2の指令([数56])の合計の関数を考慮して、各ピクセルの第3の指令変動(third order variation)を考慮する。
前記ベクター([数56])は、所定の画像の閉じられたエッジ(closed edge)を定義するが、ベクター([数59])は、最初のエッジから画像のもっとも明るい部分まで動くエッジウェーブ(edge wave)の漸進的な発生を表して、その構成的、かつ、破壊性干渉(constructive and destroying interference)によって画像の「骨格」の一種を定義する。
次の方程式(方程式13)は、各画像ユニットが受容する最後の変動を定義するのに適した第2の指令および第3の指令寄与間の交差点(交点)を考慮する。
その結果、次のサイクルにおける各画像ユニットの活性化を修正する(変更する)最後の方程式(方程式14)は、次のとおりである。
本発明の反復処理ステップを停止させるルールは、連結値(connection valve)の安定化に関する(方程式3参照)。
より詳細に、システムのエネルギーE[n]は、以下の方程式(方程式15a)に基づいて、各処理サイクルにおける全画像の連結値の変化を合計することによって求める。
ここで、xは、所定の画像のピクセルの濃度(cardinality)であり、Nは、各ピクセルのユニット半径を有する近傍であり、そして、X,xsは、x番目のピクセルおよびその近傍である。
このシステムの進化は、処理サイクルが増加するにつれて、システムエネルギーを減少させる(方程式15b)。
それは、進化の終わりにおけるシステムエネルギーが最小値となることを意味する。
[数64]は、方程式15cに相当する。したがって、本発明の方法をより簡単に表したものが、図1のフローチャートである。
ピクセルの初期値は、前記方程式によって定義されるような初期連結マトリックス、および、各ピクセルの活性化Uを定める。このボックスデルタW(符号10)は、その後各ピクセルの内部状態Sの決定がなされる連続マトリックスの進化ステップを確認する。ここで、前記各ピクセルのベース上において、ピクセルの活性化Uの進化が行われる。その新しい値から始まって、最終処理条件にいたるまで、1以上の更なる反復ステップを行うことができる。前記最終処理条件に基づいて、最後の処理ステップの進化によって定められた重みのマトリックスが、処理された画像のピクセルの値を生成する。
さまざまなテストを用いて、数サイクル後、画像からエッジを抽出する本発明の方法の有効性を証明した。
テスト1
初期画像として、図3の楕円の画像を用いて、図2に示したようなノイズに露出させた。かかる画像については、文献[T. Hansen, H. Neumann, Neural Networks 17 (2004) 647-662]を参照されたい。
初期画像として、図3の楕円の画像を用いて、図2に示したようなノイズに露出させた。かかる画像については、文献[T. Hansen, H. Neumann, Neural Networks 17 (2004) 647-662]を参照されたい。
前記画像の楕円のエッジの抽出は、商業用ソフトウェアフォトショップ(Adobe Photoshop 7.0)を用いて行われた。図4および5に示したように、商業用ソフトウェアは、バックグラウンドから楕円エッジを抽出するのに若干の問題を抱えていた。
本発明の方法を用いて同様に試みた。数サイクル後得られた結果は、図6に示した鋭いかつ正確なエッジで構成されていた。
最初の形状(figure)は、支配対立阻害(dominating opponent inhibition)を用いた新セルモデル(new cell model)を使用して処理された。文献[T. Hansen, H. Neumann ," A simple cell model with dominating opponent inhibition for a robust image processing", Neural Networks 17 (2004) 647-662]参照。この作業において得られた最もよい結果を図7に示す。この図のエッジは、変化する強度を有し、かつ、次の論理補間法(logic interpolation)によってより滑らかになっている。元の図面を拡大することで、楕円エッジ上のより暗いところがどの程度のでこぼこ傾向(uneven trend)を有するのか知ることができる。ここで、でこぼこ傾向は、デジタル化した円および楕円の典型的なものである。
それとは逆に、本発明の方法は、完全に閉じられた楕円を生成する。この楕円は、一定な強度線(intensity line)、および、局所ピクセルによって独自に得られたネゴテーションプロセス(negotation process)を反映したエッジを有する。
第1回のサイクル後、楕円エッジが形成されると、本発明の方法は、収束(convergence)に向かって進み、図8に示したように、楕円の内部骨格を描く。
この方法は、画像(楕円)内によく見られる形状(figure)が見出されたら、この像の内部に向かう「波動(wave)」を自発的に生成する。そのような波動がひとつを別のものに合わせるという事実は、構造的な干渉(constructive interference)(白に向かう傾向を有する値)と破壊性干渉(destroying interference)(黒を向かう傾向を有する値)を生じさせる。したがって、破壊する干渉が像の骨格を性格に描いて、2つの楕円の焦点を完璧に確認する。
テスト2
前記仮説(理論)を立証するために特別なテストを行った。MatLabによって楕円を映像を使って生じさせた。この楕円の焦点は、分析的に計算された。楕円の画像および焦点の画像は、図9および10に示されている。その後、本発明の方法によって楕円の空っぽの形状を処理した。最後に、本発明の方法によって得られた画像を、2つの焦点の位置を分析的に示す画像(図10)上に重ね合わせた。処理および重ね合わせの結果は、図11および12に示した。
前記仮説(理論)を立証するために特別なテストを行った。MatLabによって楕円を映像を使って生じさせた。この楕円の焦点は、分析的に計算された。楕円の画像および焦点の画像は、図9および10に示されている。その後、本発明の方法によって楕円の空っぽの形状を処理した。最後に、本発明の方法によって得られた画像を、2つの焦点の位置を分析的に示す画像(図10)上に重ね合わせた。処理および重ね合わせの結果は、図11および12に示した。
本発明の方法は、医療(用途)において重要であるが、それは、輝度に基づいて、画像の形状(image figure) から抽出して構成する能力に起因する。乳房の腫瘍の分野において、腫瘍のエッジおよびその構造を形成することは医者にとって有用である。その例が図13a〜13cに順に示されている。この場合、画像13aは、乳房の典型的なX線診断画像を示す。ここで、いわゆる針骨状の塊(spiculate mass)が見える。本発明の方法に基づいてその画像を処理して、最初7回繰り返して図13bの結果を得た。また、収束状態に至った後、図13cの結果を得た。
図14a〜図14cに示したように、本発明の方法は、特に複雑な画像、たとえば、デジタル・サブトラクション血管撮影法において、有用な結果を提供する。これらの図は、外科医によって明確に診断され難い内部狭窄を見つけるにあたり本発明の方法の優れた能力を示す。
この処理において、最初の画像は、−1〜+1の間にスケールされ、方程式0の因子αは黙示的に0であった。かかる因子は、画像の明るさ(輝度)に対するシステムの感度閾値(sensitivity threshold)を決定する。表1は、閾値とユニットスケーリング間の比率を示す。
図13aの画像は、独自の異なる閾値αを用いた本発明の方法により処理され得る。異なる閾値αで処理された画像は、異なる映像の最終画像を生じる。最も小さい因子αは、より強い明るさ(輝度)の映像を生じさせるが、より大きい因子αは、より弱い明るさ(輝度)の映像を生じさせる。したがって、異なるα値は、所定の画像上に異なる明るさ(輝度)のスキャンを可能にする。
図13の乳房の塊Rxの画像は、図13dに示した結果、および、相応する閾値αについて前述した内容を明らかにする。
明るさ(即ち、輝度の強度)が医療用画像で検討される病状の活性に多少比例するとすれば、本発明の方法により得られた異なるスキャンを用いて、病状の進行(時間順)を見つけることができる。
例えば、肺腫瘍において、コンピュータ断層撮影(CT)における異なる明るさは、腫瘍がより活発な領域を反映するという事実が予想される。悪性腫瘍の場合、より多くの周辺部がバックグラウンドのように暗く見える(肉眼観察)一方で、明るい影(light shadow)は腫瘍の予備的かつ広がりやすい状態(exploratory and diffusive)を示唆する。こうした明るさにおけるわずかな変化は、別の分析アルゴリズムを用いた場合、ノイズとみなされ、取り除かれる。それとは逆に、本発明の方法は、バックラウンドの明るさにおける変化が単なるノイズであるときと、かかる変化がほとんど描かれない画像モデルであるときとを見極めることを可能にする。
以下に示すように、閾値αを変える本発明の方法を用いることにより元の画像をスキャンするということは、1、2年前に肺腫瘍の進んだ形状を見極めることを可能にする。
その理論を立証するために、以下に示すいくつかの実施例の異なるテストが行われた、テストには、周知の科学レビューに基づいて2000名に及ぶ研究者グループによって発行された研究および画像が用いられた。
著者:AOKI T. (1) , NAKATA H. (1) , WATANABE H. (1), NAKAMURA K. (1) , KASAI T. (2) , HASHIMOTO H. (2) , YASUMOTO K. (3) , KIDO M. (4) .
関連グループ :
1) 日本国、北九州市、807-8555、産業医療大学、放射線科
(2) 日本国、北九州市、807-8555、産業医療大学、病理腫瘍科
(3) 日本国、北九州市、807-8555、産業医療大学、第2外科
(4) 日本国、北九州市、807-8555、産業医療大学、呼吸疾病科、
タイトル:末梢性肺腺癌の進化:組織学及びしゅよう倍増時間に関係するCT画像)("Evolution of peripheral lung adenocarcinomas : CT findings correlated with histology and tumor doubling time" )
レビュー: American journal of roentgenology (Am. j. roentgenol.) 2000, vol. 174, no3, pp. 763-768.
前記研究(Aoki 2000)から2組の肺腫瘍の画像を取った。各組は、最初のCT(時間0)における腫瘍、および、1又は3年後の腫瘍(時間1)を示した。研究者は、「時間0の画像では、腫瘍が明確に診断されない。」と陳述していた。
著者:AOKI T. (1) , NAKATA H. (1) , WATANABE H. (1), NAKAMURA K. (1) , KASAI T. (2) , HASHIMOTO H. (2) , YASUMOTO K. (3) , KIDO M. (4) .
関連グループ :
1) 日本国、北九州市、807-8555、産業医療大学、放射線科
(2) 日本国、北九州市、807-8555、産業医療大学、病理腫瘍科
(3) 日本国、北九州市、807-8555、産業医療大学、第2外科
(4) 日本国、北九州市、807-8555、産業医療大学、呼吸疾病科、
タイトル:末梢性肺腺癌の進化:組織学及びしゅよう倍増時間に関係するCT画像)("Evolution of peripheral lung adenocarcinomas : CT findings correlated with histology and tumor doubling time" )
レビュー: American journal of roentgenology (Am. j. roentgenol.) 2000, vol. 174, no3, pp. 763-768.
前記研究(Aoki 2000)から2組の肺腫瘍の画像を取った。各組は、最初のCT(時間0)における腫瘍、および、1又は3年後の腫瘍(時間1)を示した。研究者は、「時間0の画像では、腫瘍が明確に診断されない。」と陳述していた。
2組の画像は、図15aおよび15b、ならびに、図16aおよび16bである。
画像15aおよび15bの組に対し2つのテストが行われた:第1は、異なる+値のαによって第1の画像(図15a)を処理することである。それは、各処理作業においてバックグラウンドに隠されたパターンを見つけるのに感度を上げるためである。その処理結果が図15a1から図15a6の画像に順に示されている。図15a1は、元の映像である図15aの腫瘍のエッジを正確に示したものである一方で、図15a2〜図15a5では、元の映像(図15a)に関して理由なく腫瘍エッジがますます変わっていく。
しかしながら、図15 a.5および15 a.6のエッジは、1年後同じ患者から取った腫瘍の形状に非常に類似している(図15b参照)。
第2のテストでは、1年後の腫瘍の画像(図15b)を処理した。このとき、α値を減少させて異なる処理を行った。それは、時間のリターンバック(return back)が求められるとき、各処理における特定の明るさに対する感度をますます低くすることができるからである。この第2のテストの処理結果は、図15fの画像15b1〜15b6に順に示されている。
これらの画像から、画像15b1の腫瘍エッジが、図15a5の腫瘍エッジと類似していることが分かる。同様に、図15a1の腫瘍エッジが図15b6の腫瘍エッジの上に重ね合わせられ得る。
α=0.0(現時点)、および、α=0.4(可能な将来)で処理するとき、時間0における乳房腫瘍の形状の転換は明確である。
図15b1(1年後の実際の状態)の上に図15a5(腫瘍進行の予測)を重ね合わせると、本発明の方法により、図15cに示したような腫瘍の隠された発展(進行)モデルを明かすことができるということがわかる。
同様に、α=0.0(現時点)、および、α=−0.4(可能な過去)で処理するとき、時間1における乳房腫瘍の形状の転換は明確である。それが図15dから得られたものであるので、図15a1(1年前の実際の状態)の上に図15b5(腫瘍の元の予測値)を重ね合わせることで、本発明により、腫瘍の隠された発生モデルを見出すことが可能となる。
第2組の画像(図16aおよび16b)を用いて、同様の処理を繰り返した。後者は、約3年の間隔をおいて同じ患者から取ったものである。これは、異なるタイプの腫瘍であった。
図16の図16a1〜図16a6の画像の順に示したとおり、本発明は、異なる+値のαを用いて、時間0における画像(図16a)を処理した。
図16a5および図16a6における腫瘍形状の処理によって、3年後の腫瘍の進行(発展)を予測することが可能となる。
3年前にスキャンした画像上に、2つの独自のパラメーターαを用いる本発明の方法に基づいて、時間1(3年後)における実際の腫瘍の形状を重ね合わせることによって、それ以外のアルゴリズムにおいてノイズ変動(noise variation)の結果とされた、肉眼では明確でない非常に薄くかつ特殊なレベルの明るさを有する、初期画面に設けられた情報モデルを分離して、それを認識することがこのシステム(本発明のシステム)の特別な能力を確認することができる。
前記テストから、本発明の方法によって、ほとんど見られない時間0の明るさを変えた画像において読み取ることができるのは明らかである。これらの薄い明るさの変化は、時間1において得られる腫瘍の進行プランの概要を示すものと考えられる。
本発明の方法は、各ユニットの局所連結値、および、その状態値の両方の動的な進化を提供する。かかる複雑に進化する動的状態に関して、変えようとする画像は、各サイクルにおいて、各ピクセルユニットに関する局所連結の全ての値の平均をスケーリングするのに適している。
前述の内容から、本発明の方法の最も重要な特徴は、次のとおりである:
a.各画像において、本方法は、特定の明るさ(強度)(因子α)に基づいて、数サイクルで閉じられた形状(closed figure)とバックグラウンドを分離する。
b.因子αの変動によって、本方法は、明るさの強度を「異なるタイプの周波数(different type of frequencies)」と読み取るように、異なる形状とバックグラウンドを選択する。
c.進化の最後に、本方法は、(どの部分が最も明るいかによって)充たされた形状又はバックグラウンドを有し、そのバックグラウンドには、分離された形状から伝播する波動が存在する。各波動の形状は、その源(起点)としての形状と一致する。これらの波間の破壊性及び構成的な干渉は、形状の骨格をなす。
d.異なるα値(パラメーター)を用いる本方法の進化は、異なる明るさを有する同じ画面の異なる部分をスキャンする。CTによって検出された肺腫瘍の場合、この方法は、さまざまな明るいトレース(trace)、および、その進行程度が分かりにくいものから腫瘍の過去および将来のヒストリーを読み取ることを可能にする。これは、この方法が同じ画像において地質学的に異なる明るさを有する層を分離することを可能にするという事実に基づく。その層は、肉眼その他の数学的な画像システムでは明確でないものである。
a.各画像において、本方法は、特定の明るさ(強度)(因子α)に基づいて、数サイクルで閉じられた形状(closed figure)とバックグラウンドを分離する。
b.因子αの変動によって、本方法は、明るさの強度を「異なるタイプの周波数(different type of frequencies)」と読み取るように、異なる形状とバックグラウンドを選択する。
c.進化の最後に、本方法は、(どの部分が最も明るいかによって)充たされた形状又はバックグラウンドを有し、そのバックグラウンドには、分離された形状から伝播する波動が存在する。各波動の形状は、その源(起点)としての形状と一致する。これらの波間の破壊性及び構成的な干渉は、形状の骨格をなす。
d.異なるα値(パラメーター)を用いる本方法の進化は、異なる明るさを有する同じ画面の異なる部分をスキャンする。CTによって検出された肺腫瘍の場合、この方法は、さまざまな明るいトレース(trace)、および、その進行程度が分かりにくいものから腫瘍の過去および将来のヒストリーを読み取ることを可能にする。これは、この方法が同じ画像において地質学的に異なる明るさを有する層を分離することを可能にするという事実に基づく。その層は、肉眼その他の数学的な画像システムでは明確でないものである。
本発明の方法のこれらの特徴は、その数学特徴の一部に起因したものである:
この方法は、空間および時間におけるユニットおよび局所連結の双方の独立した進化を提供する。
この方法は、空間および時間におけるユニットおよび局所連結の双方の独立した進化を提供する。
このアルゴリズムは、ピクセルからピクセル間の局所関係(local connection)の格子までの各画像を提供することを目的とする。ユーザーは、このシステムの進化の途中で、画像ピクセル−ユニットの進化を見ないで、各ピクセルをその第1の近傍に局所的に結びつける(連結する)重み(値)を見る。
異なるピクセル間の引力(attraction)、及び、類似したピクセル間の斥力(repulsion)を生じさせるための方程式(方程式1〜4)は、画像(image)内に閉じられた映像(figure)を作り出すのに役立つ。
各ユニットの内部状態を変える方程式は、各ピクセル及びその近傍の近傍の近傍間にデルタ3°を考慮する(方程式5〜14)。そのようなカスケード伝播(cascade propagation)は、自発的に閉じる形状、及び、そのソース形状に関して相似の波動(wave)を生じさせるに当たって、このシステムに役立つ。
画像の初期スケーリングパラメーター(scaling parameter)α(方程式0)は、あまり薄いがために単なるノイズとして考えられるか、又は、識別できない、異なる「輝度強度周波数(brightness intensity frequencies)」の分離を可能にする。適切に定義されたパラメーターαから始まって、本発明の方法は、これらの方程式に基づいて、輝度信号を分離することができる。本発明の方法は、(輝度信号が)わずかなもの(faint)であっても、閉じられた形状をつくり、それを規則化する。一方で、任意の閉じられた形状の外部にあるものは、同じ輝度レベルであっても、自発的に(自然に)削除される。
Claims (14)
- 各画像を、特に2次元、または3次元以上の空間における像点の列、いわゆるピクセル又はボクセルで構成し、
各像点を、輝度、グレー、色合い等に関する像点外観を定める1以上の数値パラメーター、および、前記像点の列内の位置によって一義的に定め、
前記各像点を、人為的な中性ネットワークのノードとみなし、
前記画像を、前記人為的な中性ネットワークの前記ノードの値として各ピクセルの外観を定めるパラメーターの関数として処理し、かつ、予め定められたピクセルのサブセットのピクセルで構成された周辺ピクセル、特に、処理中の前記ピクセルの周辺ピクセル、いわゆるピクセルウィンドウと処理中の各ピクセルとの連結の関数として処理し、
ノード値の進化ステップのような外観を定めるパラメーターの反復進化ステップ、連結組の値の反復進化ステップ、又は、これらの進化の組み合わせによって、処理された画像の新しい画像のピクセルを取得し、
検査中のピクセルのそれぞれの周辺ピクセルが、前記周辺ピクセルに隣接した1以上又は全てのピクセルの周辺ピクセルと考えられるときに、前記処理を、各ステップが検査中のピクセルと周辺ピクセルとの連結の関数である進化反復ステップにより行い、そして、
画像の各ピクセルの外観値が、前記反復ステップから得た新しい画像のその他の全てのピクセルの新しい外観値の決定に寄与する点から、前記関数がその他の全てのピクセルの外観値を決定する即時フィードバック寄与因子である
ことを特徴とする画像処理方法。 - 前記処理から得た前記新しい画像を構成する像点(ピクセル又はボクセル)のマトリックスを生じさせるために、前記処理の終わりに得た連結マトリックスを用いることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記方法が、周辺像点値、及び、前記周辺像点と中央像点との連結値、並びに、前記各々の周辺像点が各々の隣接した像点の周辺像点と考えられるときに導き出される次なる指令関係を考慮して、前記像点の連結マトリックス、及び/又は、像点を進化させる方程式を含み、そして、前記後者が前記中央像点と考えられた場合、各処理サイクルにおける前記方程式の反復を提供して、各像点が、波のように前記寄与を伝播する周辺像点によって、そこから離れた各像点に独自的に寄与することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記方法が、前記所定の画像における各ピクセル若しくはボクセル又は各像点の連結値の進化を決定する処理ステップと、前記所定の画像における各ピクセル若しくはボクセル又は各像点の前記内部状態値の進化を決定する処理ステップと、を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記所定の画像の各ピクセル若しくはボクセル又は各像点の連結値の進化を決定する全処理ステップを、次の[数1]〜[数6]の定義に基づいて、次の[数7]、[数8]、[数9]及び[数11]にそれぞれ相当する方程式1〜4によって定義される4つのステップで構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
−有限区間内のDiの可能な数値を含む
−Diの可能な数値にスムーズなS字状の形状を提供する
−各点において微分可能な関数を用いて演算できる)
a.第1成分−(Ui [n]・Ji)は、サイン間の古典的な数学関係を逆転しつつ、その近傍(重みおよびピクセル)に依存する変数Jiを用いて中央像点又はピクセル値に重みを加えるもので、例えば、一致は−の数値を生じさせる一方で、不一致は+の数値を生じさせる
b.次の[数10]に示す前記方程式3の第2成分は、Jiの第2の導関数で、周辺像点又はピクセル間の変化、および、前記周辺像点又はピクセルに中央像点又はピクセルを連結させる重み間の変化がどのようなものであるかを分析する
- 前記第1成分−(Ui [n]・Ji)は、サイン間の古典的な数学関係を逆転させつつも、その近傍(重みおよびピクセル)に依存する変数Jiを用いて中央象点又はピクセル値に重みを加えるもので、像点に対し次の機能a〜dを果たすことを特徴とする請求項5に記載の方法。
a.中央像点又はピクセルがブラック(−値)に向かう傾向があり、かつ、それをその近傍につなぐ重みが平均して前記近傍の像点又はピクセルよりも大きい場合、その方程式におけるかかる部分の数値は、−である
b.中央像点又はピクセルがブラック(−値)に向かう傾向があり、かつ、それをその近傍につなぐ重みが平均して前記近傍の像点又はピクセルよりも小さい場合、その方程式におけるかかる部分の数値は、+である
c.中央像点又はピクセルが白(+値)に向かう傾向があり、かつ、それをその近傍につなぐ重みが平均して前記近傍の像点又はピクセルよりも大きい場合、その方程式におけるかかる部分の数値は、 +である
d.中央像点又はピクセルが白(+値)に向かう傾向があり、かつ、それをその近傍につなぐ重みが平均して前記近傍の像点又はピクセルよりも小さい場合、その方程式におけるかかる部分の数値は、−である - 各進化サイクルにおいて、各中央像点又は中央ピクセルの重み出力値の平均を計算し、その値を0〜255(画像に得られる像点又はピクセルの数値範囲)に適当にスケーリングして、画像を、形状、および、バックグラウンドからなる2つの部分に分割する変換を行うことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 初期スケーリング(方程式0)のα値とは異なる値を用いて、バックグラウンドに対し形状エッジを変えることを特徴とする請求項7又は8に記載の方法。
- 前記所定の画像の各ピクセル若しくはボクセル又は各像点の内部状態値の進化を決定する処理ステップを、次の[数14]〜[数19]の定義に基づいて次の[数20]〜[数23]、[数26]、[数27]、[数29]、及び、[数30]にそれぞれ相当する方程式7〜14で構成したことを特徴とする請求項5〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 前記方法の反復ステップを停止する規則が、前記方程式の組のエネルギー、特に、エネルギーE[n]を定義する方程式のエネルギーの最小化であり、E[n]は次の[数32](方程式15a)に基づいて、各処理サイクルにおける全画像の連結値の変化を合計することによって求め、そして、このシステムの進化は、処理サイクルが増加するにつれて、次の[数33](方程式15b)のとおり、システムエネルギーを減少させることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 前記方法が、処理診断画像を提供することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記方法が、所定のタイプの組織の特徴の時間経過に基づく変化、特に、腫瘍組織の時間経過に基づく進化を予測する方法であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
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