JP3660226B2 - 画像処理方法及び画像処理装置並びにそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間フィルタ処理など周辺画素の情報を用いる処理を行う際に、出力画像に必要のない画像端部に存在する画素を効果的に除去する画像処理方法及び画像処理装置並びにそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像処理においては、画像処理結果に影響を及ぼす(つまり画像処理の精度を高める)ため、入力画像データには、余分な画素分の画素データが含まれている。また、上記入力画像データから、画像処理後に出力画像データを生成するとき、実際に必要な出力画像サイズは予め設定されているため、余分な画素分の画素データを上記出力画像データから除去する必要がある。
【0003】
このような画像データ端部の画素データの処理としては、メモリから読み出された入力画像データに対してデータ単位毎に処理をすることが多い。例えば、メモリから読み出された入力画像データのデータ単位が32ビット幅であり、1画素データが8ビットで構成され、さらに、画像処理のために、入力画像データにおける主走査方向の端部には出力画像データに必要のない画素データが3画素分含まれている場合がある。
【0004】
こういった場合、読み出された入力画像データをデータ単位で扱うのであれば、メモリアドレス位置を変えることにより対処できる(出力画像に必要のない3画素分が含まれている画像データのアドレスにはアクセスしない)ため、端の4画素分(つまりデータ単位分)の画素データを必要のない画素として処理することが多い。また、別の手段として、画像端部の画素データを除去するモジュールを追加することにより対処する方法も挙げられる。
【0005】
更に、特開平7−73301号公報においては、画像処理部で処理される対象画像のデータ単位幅に応じて、画像処理部から入力バッファにアクセスするアドレスを変換するとともに、変換されたアドレスから読み出された一定のデータ幅のデータから前記対象画像のデータ単位幅のデータを選択する入力側データ幅セレクタを備えた画像処理装置が記載されている。
【0006】
図13に示したブロック図に基づいて詳細に説明する。例えば、8ビットの単位データ幅のデータが4個パックされた形の32ビットのデータ単位幅で入力バッファ111の一つのアドレスに格納されている場合、画像処理部113から読み込みのためのアドレスが指定されると、そのアドレスを1/4にしたアドレスの所に所望のデータが含まれることになる。
【0007】
そこで、入力側データ幅セレクタ112では、画像処理部113から与えられたアドレスの下位2ビットにより所望のデータを選択する処理がなされる。また、画像処理部113で処理したデータを出力する際には、出力側データ幅セレクタ114で、上記入力とは逆の処理が行われる。
【0008】
【発明が解決するための課題】
しかしながら、上記従来のようにメモリアドレスのみでの対応では除去できる単位がデータ単位幅であるため、スキャナなどにおいて読み取り範囲を設定して読み込んだ際に、設定された読み取り範囲と実際に出力される範囲に誤差が生じる問題が発生する。モジュールを追加する方法では、精度を挙げることができる反面、処理量の増加を招く問題が発生する。また、特開平7−73301号公報では画像情報のデータ幅によらず、メモリアクセス回数は一定であることから、処理量の増加につながるという問題が発生する。
【0009】
本発明の目的は、入力された画像データに対して画像処理を行う際に、画像処理には必要であるが出力画像には必要のない画素データを効率良く、かつ精度よく除去できる画像処理方法、画像処理装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理方法は、以上の課題を解決するために、画像処理のための端部外画素データを含む入力画像データより複数の画素データを抽出し、この抽出された複数の画素データに対し、画像処理を施して出力画像データを生成する画像処理方法において、上記抽出された複数の画素データ及び端部外画素データにより、上記画像処理を開始する画素データの位置を特定することを特徴としている。
【0011】
上記方法によれば、画像処理のための、注目画素データと注目画素データの周辺に存在する周辺画素データとを用いて処理を行う場合(例えば、空間フィルタ処理)、抽出された複数の画素データ及び端部外画素データにより、上記画像処理を開始する画素データの位置を特定するので、上記画像処理を開始する画素データから、出力画像データを生成することができる。
【0012】
この結果、上記方法では、出力画像データには必要のない、画像端部外に存在する端部外画素データを出力画像データから除去して、上記出力画像データを生成し出力することができるので、特に、従来のようなモジュールを追加せずとも、画像処理を、効率よく、より正確に行うことができる。
【0013】
上記画像処理方法においては、上記入力画像データを記憶手段に格納し、画像処理を開始する画素データの位置を、予め定められる、出力画像データに必要のない端部外画素データの数と上記記憶手段にアクセスするアドレスに基づいて特定してもよい。
【0014】
上記方法によれば、画素データ単位で処理開始位置を簡易に決定することができるので、画像処理の増加を招くことなく画素データ単位の精度で画像処理を開始することが可能となる。一方、従来のように、メモリアドレス単位で除去すると、実際のスキャンエリアと出力画像データの領域とがずれることがある。ところが、本発明の方法では、画素データ単位で処理開始位置を決定するので、従来より、表示領域の精度を向上させることが可能となる。
【0015】
本発明の画像処理装置は、前記の課題を解決するために、画像処理のための端部外画素データを含む入力画像データより複数の画素データを抽出する抽出手段と、抽出された複数の画素データに対し、画像処理を施して出力画像データを生成し出力する画像処理手段と、上記抽出された複数の画素データ及び端部外画素データにより、上記画像処理を開始する画素データの位置を特定する特定手段とを備えていることを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、特定手段を有することによって、簡易に画素データ単位で処理開始位置を決定することができるので、画像処理の増加を招くことなく画素データ単位の精度で画像処理を開始することのできる。
【0017】
これにより、上記構成では、出力画像データには必要のない、画像端部外に存在する端部外画素データを出力画像データから除去して、上記出力画像データを生成し出力することができるので、特に、従来のようなモジュールを追加せずとも、画像処理後の出力画像データの生成・出力を、効率よく、より正確に行うことができる。
【0018】
本発明の画像形成装置は、前記の課題を解決するために、上記記載の画像処理装置を備えたことを特徴としている。上記構成によれば、出力画像に影響を及ぼさない画像端部に存在する画素データを除去して画像処理が行われるので、画像品位を低下させることなく速やかに出力画像データを出力することのできる画像形成装置(デジタルスキャナ等)を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施形態について、図面を参照して説明する。図2に、本発明の画像処理装置の構成が適用される、実施の一形態であるデジタル式のカラースキャナの構成をブロック図にて示す。
【0020】
上記カラースキャナは、図2に示すように、カラー画像入力装置1、そのカラー画像入力装置1からカラー画像のための画像データ(RGB)が入力されて、画像処理されるカラー画像処理装置2、及びカラー画像処理装置2からの画像処理後の画像データが入力されて、画像データに基づくカラー画像を出力(表示)する、液晶ディスプレイ等のカラー画像表示装置3を備えている。
【0021】
カラー画像処理装置2は、A/D変換部2a、シェーディング補正部2b、入力階調を補正するための入力γ補正部2c、背景除去部2d、領域分離処理部2e、空間フィルタ処理部2f、及び出力階調補正部2gとを有している。
【0022】
カラー画像入力装置(画像読取手段)1は、入力された光像(画像)を画像データに変換する、例えばCCD(Charge Coupled Device )を備えたスキャナ部を備え、原稿からの反射光像を、RGB(R:赤・G:緑・B:青)の各アナログ信号である画像データとしてCCDにて読み取って、カラー画像処理装置2に対し上記画像データとして入力するものである。
【0023】
カラー画像入力装置1にて読み取られた各アナログ信号は、カラー画像処理装置2内を、A/D変換部2a、シェーディング補正部2b、入力γ補正部2c、背景除去部2d、領域分離処理部2e、空間フィルタ処理部2f、及び出力階調補正部2gの順で送られ、デジタルカラー信号であるデジタル画像データとして、カラー画像表示装置3へ出力される。
【0024】
A/D(アナログ/デジタル)変換部2aは、RGBの各アナログ信号をデジタル画像データに変換するものである。シェーディング補正部2bは、A/D変換部2aより送られてきたデジタル画像データのRGB信号に対して、カラー画像入力装置1の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を施すためのものである。
【0025】
入力γ補正部2cは、シェーディング補正部2bにて各種の歪みが取り除かれたRGB信号(RGBの反射率信号)に対して、カラーバランスを整えると同時に、濃度信号などカラー画像処理装置2に採用されている画像処理システムの扱い易い信号に変換する処理を施すものである。
【0026】
背景除去部2dは、取り込まれたデジタル画像データの濃度信号を元に、そのデジタル画像データの背景部分に相当するデータについては、その背景部分に特にデジタル画像データが必要ないとした場合に、そのデジタル画像データから濃度信号を除去し、後の領域分離処理部2eや出力階調補正部2gでの処理精度を向上させるための処理を行うものである。
【0027】
領域分離処理部2eは、デジタル画像データに含まれるRGB信号より、入力されたデジタル画像データ中の各画素に対応する画像データ(以下、画素データという)を文字領域、写真領域の何れかに分離するものである。領域分離処理部2eは、分離結果に基づき、画素データがどの領域に属しているかを示す領域識別信号を、空間フィルタ処理部2f、及び出力階調補正部2gへと出力する。
【0028】
空間フィルタ処理部2f及び出力階調補正部2gは、例えば、領域分離処理部2eにて文字に分離された領域を、特に黒文字或いは色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部2fによる空間フィルタ処理における鮮鋭強調処理で高周波数の強調量が大きくなるように補正するためのものである。同時に、出力階調補正部2gにおいては、高域周波数の再現に適した二値化または多値化処理が選択される。
【0029】
また、領域分離処理部2eにて写真に分離された領域に関しては、空間フィルタ処理部2f及び出力階調補正部2gにおいて、階調再現性を重視した多値化処理が行われる。上述した各画像処理が施されたデジタル画像データは、一旦不図示のメモリに記憶され、所定のタイミングで上記メモリから読み出されてカラー画像表示装置3に送られる。
【0030】
図2に示した画像処理のパイプライン処理は、例えば、図1に示すDSP(Digital Signal Processor)20により実現、すなわち、カラー画像処理装置2全体をDSP20で構成して、各画像処理を行うソフトウェアをDSP20にて制御することにより実現することができる。
【0031】
ここで、図1に示したDSP20の各構成について、上記各構成の動作に基づいて以下に説明する。まずスキャナ部などのカラー画像入力装置1より入力されて、デジタル化されたデジタル画像データは、入力側メモリ21に入力され、DMA(Direct Memory Access)コントローラー22により、入力側メモリ21からデータメモリ(記憶手段)23にデータ転送される。入力側メモリ21は、図1では、Input FIFOと表記し、ファーストイン−ファーストアウト・メモリである。データメモリ23は、図1ではDATARAM(Ramdom Access Memory)と表記されている。
【0032】
カラー画像入力装置1からの、データメモリ23に入力されたデジタル画像データを用いて画像処理プロセッサー(抽出手段、画像処理手段)24により画像処理を行い、その処理結果の出力されるデジタル画像データを再度データメモリ23に書き込む。
【0033】
そして、DMAコントローラー22により、データメモリ23に書き込まれた出力データから出力側メモリ25にデータ転送され、カラー画像表示装置3に出力側メモリ25から出力されて、画像処理済の出力画像データを得る。出力側メモリ25は、図1では、OutputFIFOと表記され、ファーストイン−ファーストアウト・メモリである。
【0034】
入力側メモリ21は、カラー画像入力装置1とDSP20との間でデジタル信号である入力画像データを扱うためのメモリである。出力側メモリ25はDSP20とカラー画像表示装置3との間でデジタル信号である出力画像データを扱うためのメモリである。また、DMAコントローラー22は、それぞれ入力側メモリ21及び出力側メモリ25とデータメモリ23間のデータ転送を制御するものである。
【0035】
尚、上記で説明はしなかったがCommand Port(コマンドポート)26は、ホストCPU(Central Processing Unit )とDSP20との間の通信ポートであり、DSPプログラムの動作制御などを行うためのものである。また、インストラクションメモリ27は命令コードを格納しておくためのメモリである。インストラクションメモリ27は、図1では、Instruction メモリと表記されている。
【0036】
次に、図1に示したDSP20内の画像処理プロセッサー24について説明する。図3に画像処理プロセッサー24の構成の一例を示す。画像処理プロセッサー24は、レジスタ31、レジスタ31からデジタル信号である入力画像データの抽出を行うエクストラクター(EXTRACTOR) (抽出手段)32、抽出されたデジタル画像データに対して演算処理を行う演算処理ユニットであるALU(Arithmetic Logic Unit )(画像処理手段)33、演算処理されたデジタル信号である出力画像データをレジスタ31に挿入するインサーター(INSERTER) 34を有している。
【0037】
そして、画像処理プロセッサー24でのパイプライン処理は以下のステップで行われる(図6参照)。
【0038】
S61:命令読み出し(FETCH )及び実行
インストラクションメモリ27より実行すべき命令が読み出され実行される。この制御はプログラムカウンタ(PC)をもとにDSP20によりインストラクションメモリ27から命令を読み出すことにより行われる。この命令としては、例えば、データメモリ23に格納されて入力されている入力画像データより、所定のアドレスの画素データを読み出す命令である(下記参照)。
【0039】
S62:レジスタ31から一部の値を抽出(EXTRACT )
レジスタ31に格納されている入力画像データから出力対象画素データの値をエクストラクター32により抽出する。
【0040】
S63:演算処理(ALU)
S62で抽出した値を用いて演算処理(例えば、空間フィルタ処理)を行う。この演算処理により、処理を開始する対象画素データの最初のビット及び
最後のビットが算出される。
【0041】
S64:演算処理結果をレジスタの一部に挿入(INSERT)
S63で求めた演算処理結果(フィルタ処理結果など)をレジスタの一部に
インサーター34により挿入(格納)する。
【0042】
エクストラクター32は読み出しポート(0) (Read Port (0) )、読み出しポート(1) (Read Port (1) )という2つの入力ポートを有しており、そのほかに、定数入力を備えている(図3にて定数と表記してあるポート)。
【0043】
そのため、1つの命令において、2つのレジスタ(R1とR2)と1つの定数による入力から1つの出力レジスタ(R3)ヘの出力が行えることとなる。例えば、以下の命令があげられる。
【0044】
R3=R1×R2+10
但し、R3は出力レジスタ、R1、R2は入力レジスタ、10は定数入力である。ここでは、入力レジスタR1のデータと入力レジスタR2のデータとの乗算結果に定数10が加算され出力レジスタR3に格納される処理が行われる。
【0045】
また、メモリアクセス、つまりメモリからの読み込み(MEM)、メモリヘの書きこみ(WMEM)は別のパイプライン処理で行うものとする。図3において読み出しポート(0) (Read Port (0) )と読み出しポート(1) (Read Port (1) )を介して、レジスタ31とデータメモリ23との間のデータの読み書きを行うものである。
【0046】
一般的な画像処理装置では、周辺画素データ(端部外画素データ)を用いる画像処理が広く使われており、そのような画像処理においては入力画像データの端部に存在する画素データの除去が出力画像データにおいて必要となる。周辺画素データを用いる画像処理として、例えば、図2に示したカラー画像処理装置における空間フィルタ処理などがあげられる。例えば7×1のマスクサイズの空間フィルタ処理を行うために、注目画素データの両端に予め3画素ずつ、合計6画素の余分な画素データを入力していたとする。このときの、詳細な画像処理方法を図6のフローチャートを用いて述べる。
【0047】
まず、図4に示すように、アドレスpの画像メモリであるデータメモリ23中の各画素データをレジスタR1に展開する(S61)。
【0048】
R1=MEM(p) ……(1)
但し、MEMはメモリからデータを読み出す読み込み命令である。
【0049】
次に、図5に示すように、レジスタR1に格納されている各画素データから出力対象画素データの画素情報を抽出する(S62)。このとき、Spは抽出する画素データが存在する最初のビット、Epは抽出する画素データが存在する最後のビットを表す。
【0050】
画素情報=EXT(R1,Sp,Ep) ……(2)
但し、EXTはレジスタからの抽出命令である。
【0051】
次に、図7に示したフローチャートに基づいて、抽出する画素データが存在する最初のビットの算出方法について述べる。
【0052】
除去される余分な画素データは、スキャナに設定されている読み取りモードに応じて、予め定められている。これは、空間フィルタのモジュール(プログラム:処理)は同じものを用いるが、フィルタの係数、特にマトリクスサイズが異なる場合があるためである。
【0053】
すなわち、スキャナの読み取りモードが変更され、空間フィルタ処理を行うマトリクスサイズが変更される場合、画像処理を行うには必要であるが、出力画像データには必要の無い画素データの数が異なるため、スキャナから入力される画素データのサイズが異なる。そのため、除去される余分な画素データの数も変わる。あるいは、空間フィルタ処理を行うか否かが選択可能である場合においても同様に、スキャナから入力される画素データのサイズが異なるため、除去される余分な画素データの数は両者で異なる。
【0054】
上記の場合としては、例えば、スキャナにおけるプレスキャニングと本スキャニングが挙げられる。プレスキャニング時にはドライバ側で空間フィルタ処理を行うため、図12に示すようなフィルタ係数を用い、また、本スキャニング時には、例えば図8に示すようなフィルタ係数を用いることとする。このとき、当然空間フィルタ処理に必要となる端画素数が異なる。上記の例では、前者が0であるのに対し、後者は、注目画素データの両端に3画素分ずつ、計6画素分が必要となる。
【0055】
また、余分な画素データの数をTとし、32ビットレジスタ内に8ビットの画素データが4つ含まれていることとする。先ず、S71にて、除去する余分な画素データの値Tが設定され、メモリアドレスポインタpとして、画像データの端部に存在するアドレスの値が設定される。
【0056】
次に、S72にて、Tの値が4(今、32ビットレジスタ内に8ビットの画素情報が4つ含まれているとしているので、Tを比較する値としては「4」が設定されている)以上か否かの判定がなされる。この判定は、ホストCPU(特定手段)により行われる。
【0057】
Tが4以上、例えば7の場合は、処理を開始し始める画素データの位置を特定できないので、メモリアドレスポインタpの値を1増加させて次のアドレスに移ると共に、Tの値を4減少させる(S73)。この処理は、Tが3以下となるまで繰り返される。
【0058】
S72にて、Tが3以下であると判断されると、下記(3)式及び(4)式により、抽出する画素データ(処理を開始する注目画素データ)が存在する最初のビットSpと最後のビットEpが算出される(S74)。
【0059】
S72にて、Tが3以下であると判断されると、下記(3)式及び(4)式により、抽出する画素データ(処理を開始する注目画素データ)が存在する最初のビットSpと最後のビットEpが算出される(S74)。
Sp=(3−T)×8 ……(3)
Ep=Sp+7 ……(4)
尚、この処理は、DSP20によるパイプライン処理が行われる前に予めなされ、全てのアドレスについて行われるのではなく、処理を開始する側のアドレスに対してのみ行われる。空間フィルタ処理部2fでは、処理開始メモリアドレスp、及び各抽出位置Sp、Epの情報に基づいて、各画素毎に前述した空間フィルタ処理が施される。
【0060】
次に、具体例を用いて詳細に説明する。図8に示した7×1フィルタ係数を用いて、図9に示した入力画像データを処理する。但し、入力画像データは32ビット単位でデータ転送され、入力側メモリ21よりアドレス(0x00000000)から順に入力したものとし、主走査方向には合計4画素×3の画素が存在するものする。また、7×1フィルタ処理のために、注目画素データの両端に3画素ずつ出力画像データに必要のない画素データを含んでいるものとする。
【0061】
このとき、メモリアドレスpは0x00000000、また、T=3であるので、抽出する画素データが存在する最初のビットSp=0、抽出する画素データが存在する最後のビットEp=7を得る。
【0062】
そして、画像処理プロセッサー24において、まず、
Rl=MEM(0x00000000)
命令により、メモリアドレス0x00000000のデータを入力レジスタR1に読み出す。このときレジスタR1の値0xEEE52DDBとなる。
【0063】
次に、R2=EXT(R1,0,7)命令により、入力レジスタR1から入力レジスタR2へ画素情報を抽出する。このとき入力レジスタR2の値は 219となる。
【0064】
抽出した画素データを注目画素データ(今の場合、R2= 219)としたとき、7×1フィルタ処理を行うために必要な周辺画素データについても画素データを抽出し、フィルタ処理演算を行うことにより、出力画素値 171を得る(図10を参照)。演算式を以下に示す。但し、>>は右シフトを表す。
【0065】
(-1×(238+240) -3x(229+237)+8x(45+220)+24×219)>>5 =171
この処理を、出力に必要な画像データのサイズの値、この例では6回繰り返すことにより、主走査方向での1ライン目のフィルタ出力結果を得る。2ライン以降についても同様に処理することにより、図10に示すようなフィルタ処理出力結果を得られる。
【0066】
このように本発明の画像処理方法及び画像処理装置では、画像処理を開始する注目画像データを、画像処理のための余分な画素データの数によって特定することにより、従来のようなモジュールの追加や、データ単位幅での処理のために、必要な画素データまで除去することを回避しながら、余分な画素データを除去して出力画像データを生成し、出力することができる。これにより、上記方法及び構成では、出力画像データの生成及び出力を、簡便な方法及び構成により、さらに精度よく行うことが可能となる。
【0067】
最後に、本発明の画像処理装置を、図11に示すように、カラー画像を印刷するためのカラー画像形成装置4に適応した例を以下に説明する。この構成は、領域分離処理部2eと空間フィルタ処理部2fとの間に色補正部2h、黒生成下色除去部2iが挿入されている以外は、図1に示すものと同様である(図1に示した背景除去部2dはあってもなくても可)。
【0068】
以下、色補正部2h、黒生成下色除去部2iの処理内容について説明する。領域分離処理部2eは、上記したように、RGB信号より、入力画像中の各画素を文字領域、網点領域、写真領域の何れかに分離するものである。領域分離処理部2eは、分離結果に基づき、画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信号を、黒生成下色除去部2i、空間フィルタ処理部2f、及び出力階調補正部2gへと出力すると共に、入力γ補正部2cより出力された入力信号をそのまま後段の色補正部2hに出力する。
【0069】
色補正部2hは、色再現の忠実化実現のため、不要吸収成分を含むCMY(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー)色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行うものである。黒生成下色除去部2iは、色補正後のCMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成、元のCMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理を行うものであって、CMYの3色信号をCMYKの4色信号に変換するためのものである。
【0070】
黒生成処理の一例として、スケルトンブラックによる黒生成を行なう方法(一般的方法)がある。この方法では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるデータをC,M,Y、出力されるデータをC’,M’,Y’,K’、UCR(Under Color Removal )率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理は以下の式(5)で表わされる。
【0071】
このようにカラー画像入力装置1より入力された、入力画像データのRGB信号はCMYK信号に変換され、前述した空間フィルタ処理部2f、出力階調補正部2gで各々の処理が施される。そして、CMYKの出力画像データは、一旦、不図示のメモリに格納され、所定のタイミングで上記メモリから読み出され、カラーインクジェットプリンタ等のカラー画像出力装置5に入力される。
【0072】
このカラー画像形成装置4は、画像データを記録媒体(例えば紙等)上に出力するもので、例えば、電子写真方式やインクジェット方式を用いたカラー画像形成装置等を挙げることができるが特に限定されるものではない。
【0073】
また、上記では、画像処理については、7×1フィルタ処理の例を挙げたが、特に上記に限定されることはなく、例えば、m×nフィルタ(m、nはそれぞれ自然数、通常、3×3等が繁用される)であってもよい。
【0074】
【発明の効果】
本発明の画像処理方法および画像処理装置は、以上のように、画像処理のための端部外画素データを含む入力画像データより複数の画素データを抽出し、この抽出された複数の画素データに対し、画像処理を施して出力画像データを生成するときに、上記抽出された複数の画素データ及び端部外画素データにより、上記画像処理を開始する画素データの位置を特定する方法および構成である。
【0075】
それゆえ、上記方法および構成は、入力画像データに対する画像処理には必要であるが出力画像データには必要のない画素データを上記出力画像データから効率良く、かつ精度よく除去することができて、簡便な方法および構成により、上記出力画像データによる画像を正確化できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置の構成が適用された、実施の一形態であるデジタルカラースキャナに用いた画像処理用のDSPの構成を示すブロック図である。
【図2】上記デジタルカラースキャナの構成を示すブロック図である。
【図3】上記DSP内の画像処理プロセッサーの一構成例を示すブロック図である。
【図4】上記画像処理プロセッサーに用いた画像メモリとしてのデータメモリにおける各画素データの格納配列を示す説明図である。
【図5】上記画像処理プロセッサーに用いたレジスタと抽出命令の一例を示す説明図である。
【図6】上記画像処理プロセッサーでの画像処理方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の画像処理方法の一例を示すフローチャートである。
【図8】上記画像処理方法に用いる7×1フィルタ係数の一例を示す説明図である。
【図9】上記画像処理方法に用いる入力画像データの一例を示す説明図である。
【図10】上記入力画像データに対して、上記7×1フィルタ係数を用いて、上記画像処理方法によるフイルタ処理した結果を示す説明図である。
【図11】上記画像処理装置の構成が適用された本発明の画像形成装置の実施の一形態である構成を示すブロック図である。
【図12】上記画像処理方法において、プレスキャニング時に使用されるフィルタ係数の例であり、除去される余分な画素が、スキャナに設定されている読み取りモードに応じて変わることを示す説明図である。
【図13】従来の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
23 データメモリ(記憶手段)
24 画像処理プロセッサー(画像処理手段)
Claims (4)
- 注目画素データとその周辺画素データとによる画像処理の精度を高めるために、主走査方向の端部に設けられた、上記画像処理に必要な周辺画素データの数に応じた余分な画素分の画素データとしての端部外画素データを含む入力画像データより複数の画素データを抽出し、この抽出された複数の画素データに対し、上記画像処理を施して出力画像データを生成する画像処理方法において、
上記抽出された複数の画素データから、画素データの端部に存在するアドレスpの各画像データをレジスタに展開し、上記レジスタに展開される画素データの数、及び端部外画素データの数により、上記画像処理を開始する注目画素データの位置を算出により特定し、上記出力画像データから上記端部外画素データを除去することを特徴とする画像処理方法。 - 上記端部外画素データの数が、レジスタに展開される画素データの数以上のとき、アドレスpの値を1増加させて次のアドレスに移ると共に、上記端部外画素データの数の値を、レジスタに展開される画素データの数だけ減少させる処理を行い、
上記処理を、減少させた上記端部外画素データの数の値が、レジスタに展開される画素データの数を下回るまで繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。 - 注目画素データとその周辺画素データとによる画像処理の精度を高めるために、主走査方向の端部に設けられた、上記画像処理に必要な周辺画素データの数に応じた余分な画素分の画素データとしての端部外画素データを含む入力画像データより複数の画素データを抽出する抽出手段と、
上記抽出された複数の画素データから、特定数の画素データを展開するためのレジスタと、
上記抽出された複数の画素データから、画素データの端部に存在するアドレスpの各画像データをレジスタに展開し、上記レジスタに展開される画素データの数、及び端部外画素データの数により、上記画像処理を開始する注目画素データの位置を算出により、上記画像処理を開始する注目画素データの位置を特定する特定手段と、
抽出された複数の画素データに対し、上記画像処理を施し、上記画像処理を開始する注目画素データの位置の特定により上記端部外画素データを除去した出力画像データを生成し出力する画像処理手段とを備えていることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項3に記載の画像処理装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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JP2000280842A JP3660226B2 (ja) | 2000-09-14 | 2000-09-14 | 画像処理方法及び画像処理装置並びにそれを備えた画像形成装置 |
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