JP2002216826A - 改質装置及びこれを備える燃料電池システム - Google Patents
改質装置及びこれを備える燃料電池システムInfo
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
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- Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 炭化水素系の原燃料から水素を製造する改質
装置において、プロセス効率の向上を図る。 【解決手段】 燃料電池システムの改質装置(30)に、
水蒸気供給器(50)を設ける。水蒸気供給器(50)に
は、原料ガス通路(54)と排ガス通路(55)とを水蒸気
透過膜(51)によって区画形成する。改質器(31)へ送
られる原料ガスを原料ガス通路(54)へ導入し、空気極
排ガスを排ガス通路(55)へ導入する。水蒸気供給器
(50)では、空気極排ガス中の水蒸気が水蒸気透過膜
(51)を透過し、原料ガスに対して水蒸気の状態で付与
される。
装置において、プロセス効率の向上を図る。 【解決手段】 燃料電池システムの改質装置(30)に、
水蒸気供給器(50)を設ける。水蒸気供給器(50)に
は、原料ガス通路(54)と排ガス通路(55)とを水蒸気
透過膜(51)によって区画形成する。改質器(31)へ送
られる原料ガスを原料ガス通路(54)へ導入し、空気極
排ガスを排ガス通路(55)へ導入する。水蒸気供給器
(50)では、空気極排ガス中の水蒸気が水蒸気透過膜
(51)を透過し、原料ガスに対して水蒸気の状態で付与
される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素系の原燃
料から水素を生成する改質装置、及び該改質装置で生成
した水素を燃料電池本体に供給して発電を行う燃料電池
システムに関する。
料から水素を生成する改質装置、及び該改質装置で生成
した水素を燃料電池本体に供給して発電を行う燃料電池
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特開平1−186570号公
報に開示されているように、炭化水素系の原燃料から水
素を生成する改質装置が知られている。この改質装置で
は、水蒸気改質反応及び部分酸化反応によって、炭化水
素を主成分とする天然ガスから水素が生成される。水蒸
気改質反応と部分酸化反応の反応式は、次に示す通りで
ある。 CnHm+nH2O → nCO+(n+m/2)H2 … 水蒸気改質反応 CnHm+n/2O2 → nCO+m/2H2 … 部分酸化反応
報に開示されているように、炭化水素系の原燃料から水
素を生成する改質装置が知られている。この改質装置で
は、水蒸気改質反応及び部分酸化反応によって、炭化水
素を主成分とする天然ガスから水素が生成される。水蒸
気改質反応と部分酸化反応の反応式は、次に示す通りで
ある。 CnHm+nH2O → nCO+(n+m/2)H2 … 水蒸気改質反応 CnHm+n/2O2 → nCO+m/2H2 … 部分酸化反応
【0003】上記改質装置は、得られた水素主体の改質
ガスを燃料電池本体の燃料極へ供給する。また、燃料電
池本体の空気極には、空気が供給される。燃料電池本体
は、燃料極に供給された水素を燃料とし、空気極に供給
された空気中の酸素を酸化剤として発電を行う。このよ
うに、上記公報では、改質装置と燃料電池本体とを組み
合わて燃料電池システムを構成している。
ガスを燃料電池本体の燃料極へ供給する。また、燃料電
池本体の空気極には、空気が供給される。燃料電池本体
は、燃料極に供給された水素を燃料とし、空気極に供給
された空気中の酸素を酸化剤として発電を行う。このよ
うに、上記公報では、改質装置と燃料電池本体とを組み
合わて燃料電池システムを構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記改質装置では、水
蒸気改質反応を利用するために水蒸気が必要となる。こ
のため、必要な水蒸気を得るべく、液体である水を蒸発
させるための蒸発潜熱を外部から供給しなければならな
い。このため、水の蒸発潜熱の分だけ水素の製造に要す
るエネルギが嵩み、改質装置におけるプロセス効率が低
下するという問題があった。
蒸気改質反応を利用するために水蒸気が必要となる。こ
のため、必要な水蒸気を得るべく、液体である水を蒸発
させるための蒸発潜熱を外部から供給しなければならな
い。このため、水の蒸発潜熱の分だけ水素の製造に要す
るエネルギが嵩み、改質装置におけるプロセス効率が低
下するという問題があった。
【0005】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、水素を製造する改質
装置においてプロセス効率の向上を図り、併せてプロセ
ス効率の高い改質装置を備える燃料電池システムを提供
することにある。
であり、その目的とするところは、水素を製造する改質
装置においてプロセス効率の向上を図り、併せてプロセ
ス効率の高い改質装置を備える燃料電池システムを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明が講じた第1の解
決手段は、炭化水素系の原燃料から生成される水素を主
体とする改質ガスを燃料電池本体(10)へ供給する改質
装置を対象としている。そして、炭化水素系の原燃料と
空気とが原料ガスとして供給され、供給された原料ガス
から部分酸化反応及び水蒸気改質反応によって水素を生
成する改質器(31)と、上記改質器(31)へ供給される
原料ガスに対して上記燃料電池本体(10)から排出され
た電池排ガスに含まれる水蒸気を付与するための加湿手
段(40)とを設けるものである。
決手段は、炭化水素系の原燃料から生成される水素を主
体とする改質ガスを燃料電池本体(10)へ供給する改質
装置を対象としている。そして、炭化水素系の原燃料と
空気とが原料ガスとして供給され、供給された原料ガス
から部分酸化反応及び水蒸気改質反応によって水素を生
成する改質器(31)と、上記改質器(31)へ供給される
原料ガスに対して上記燃料電池本体(10)から排出され
た電池排ガスに含まれる水蒸気を付与するための加湿手
段(40)とを設けるものである。
【0007】本発明が講じた第2の解決手段は、上記第
1の解決手段において、吸熱反応である水蒸気改質反応
の反応熱を改質器(31)へ供給するために燃料電池本体
(10)の燃料極(12)から排出された燃料極排ガスを燃
焼させる燃焼器(34)を備えるものである。
1の解決手段において、吸熱反応である水蒸気改質反応
の反応熱を改質器(31)へ供給するために燃料電池本体
(10)の燃料極(12)から排出された燃料極排ガスを燃
焼させる燃焼器(34)を備えるものである。
【0008】本発明が講じた第3の解決手段は、上記第
1又は第2の解決手段において、発熱反応である部分酸
化反応の反応熱を吸熱反応である水蒸気改質反応の反応
熱として利用するように構成されるものである。
1又は第2の解決手段において、発熱反応である部分酸
化反応の反応熱を吸熱反応である水蒸気改質反応の反応
熱として利用するように構成されるものである。
【0009】本発明が講じた第4の解決手段は、上記第
1,第2又は第3の解決手段において、原燃料がメタン
を主体とするものであり、改質器(31)の入口における
原料ガスは、単位体積中における酸素分子数を炭素原子
数で除して得られる値が0よりも大きく0.44以下と
され、且つ単位体積中における水分子数を炭素原子数で
除して得られる値が1.12以上とされる一方、上記改
質器(31)から反応後のガスを供給されてシフト反応を
行う変成器(32)が設けられるものである。
1,第2又は第3の解決手段において、原燃料がメタン
を主体とするものであり、改質器(31)の入口における
原料ガスは、単位体積中における酸素分子数を炭素原子
数で除して得られる値が0よりも大きく0.44以下と
され、且つ単位体積中における水分子数を炭素原子数で
除して得られる値が1.12以上とされる一方、上記改
質器(31)から反応後のガスを供給されてシフト反応を
行う変成器(32)が設けられるものである。
【0010】本発明が講じた第5の解決手段は、上記第
1,第2又は第3の解決手段において、加湿手段(40)
は、電池排ガスに含まれる水蒸気を透過させて原料ガス
へ供給する水蒸気透過膜(51)を備えるものである。
1,第2又は第3の解決手段において、加湿手段(40)
は、電池排ガスに含まれる水蒸気を透過させて原料ガス
へ供給する水蒸気透過膜(51)を備えるものである。
【0011】本発明が講じた第6の解決手段は、上記第
5の解決手段において、水蒸気透過膜(51)が親水性の
膜で構成されるものである。
5の解決手段において、水蒸気透過膜(51)が親水性の
膜で構成されるものである。
【0012】本発明が講じた第7の解決手段は、上記第
5の解決手段において、水蒸気透過膜(51)がスルホン
酸基を持つポリマー膜で構成されるものである。
5の解決手段において、水蒸気透過膜(51)がスルホン
酸基を持つポリマー膜で構成されるものである。
【0013】本発明が講じた第8の解決手段は、上記第
1,第2又は第3の解決手段において、加湿手段(40)
は、電池排ガスに含まれる水蒸気を吸着する吸着剤を備
え、該吸着剤から脱着させた水蒸気を原料ガスへ供給す
るように構成されるものである。
1,第2又は第3の解決手段において、加湿手段(40)
は、電池排ガスに含まれる水蒸気を吸着する吸着剤を備
え、該吸着剤から脱着させた水蒸気を原料ガスへ供給す
るように構成されるものである。
【0014】本発明が講じた第9の解決手段は、上記第
1,第2又は第3の解決手段において、加湿手段(40)
は、電池排ガスのうち燃料電池本体(10)の燃料極(1
2)から排出された燃料極排ガスだけに含まれる水蒸気
を上記原料ガスに付与するように構成されるものであ
る。
1,第2又は第3の解決手段において、加湿手段(40)
は、電池排ガスのうち燃料電池本体(10)の燃料極(1
2)から排出された燃料極排ガスだけに含まれる水蒸気
を上記原料ガスに付与するように構成されるものであ
る。
【0015】本発明が講じた第10の解決手段は、上記
第1,第2又は第3の解決手段において、加湿手段(4
0)は、電池排ガスのうち燃料電池本体(10)の空気極
(11)から排出された空気極排ガスだけに含まれる水蒸
気を上記原料ガスに付与するように構成されるものであ
る。
第1,第2又は第3の解決手段において、加湿手段(4
0)は、電池排ガスのうち燃料電池本体(10)の空気極
(11)から排出された空気極排ガスだけに含まれる水蒸
気を上記原料ガスに付与するように構成されるものであ
る。
【0016】本発明が講じた第11の解決手段は、上記
第1,第2又は第3の解決手段において、加湿手段(4
0)は、電池排ガスのうち燃料電池本体(10)の空気極
(11)から排出された空気極排ガスだけを原料ガスへ混
入するように構成されるものである。
第1,第2又は第3の解決手段において、加湿手段(4
0)は、電池排ガスのうち燃料電池本体(10)の空気極
(11)から排出された空気極排ガスだけを原料ガスへ混
入するように構成されるものである。
【0017】本発明が講じた第12の解決手段は、上記
第1から第11までの何れか1つの解決手段に係る改質
装置(30)と、上記改質装置(30)で生成した改質ガス
が供給される燃料電池本体(10)とによって、燃料電池
システムを構成するものである。
第1から第11までの何れか1つの解決手段に係る改質
装置(30)と、上記改質装置(30)で生成した改質ガス
が供給される燃料電池本体(10)とによって、燃料電池
システムを構成するものである。
【0018】本発明が講じた第13の解決手段は、上記
第12の解決手段において、燃料電池本体(10)の作動
温度を80℃以上100℃以下とするものである。
第12の解決手段において、燃料電池本体(10)の作動
温度を80℃以上100℃以下とするものである。
【0019】−作用− 上記第1の解決手段では、改質装置(30)で生成された
改質ガスが、燃料電池本体(10)の燃料極(12)へ供給
される。また、燃料電池本体(10)の空気極(11)に
は、空気が供給される。燃料電池本体(10)は、燃料で
ある改質ガス中の水素と、酸化剤である空気中の酸素と
を利用して発電を行う。その際、燃料電池本体(10)で
は、H2Oが生成する。生成したH2Oは、電池排ガスの
一成分として、水蒸気の状態で燃料電池本体(10)から
排出される。
改質ガスが、燃料電池本体(10)の燃料極(12)へ供給
される。また、燃料電池本体(10)の空気極(11)に
は、空気が供給される。燃料電池本体(10)は、燃料で
ある改質ガス中の水素と、酸化剤である空気中の酸素と
を利用して発電を行う。その際、燃料電池本体(10)で
は、H2Oが生成する。生成したH2Oは、電池排ガスの
一成分として、水蒸気の状態で燃料電池本体(10)から
排出される。
【0020】上記改質装置(30)には、改質器(31)と
加湿手段(40)とが設けられる。改質器(31)には、炭
化水素系の原燃料と酸素を含む空気とが原料ガスとして
供給される。また、改質器(31)に供給される原料ガス
には、加湿手段(40)によって水蒸気が付与される。加
湿手段(40)は、電池排ガスに含まれる水蒸気を、水蒸
気の状態で原料ガスに供給する。つまり、改質器(31)
へ供給される原料ガスには、少なくとも原燃料と酸素と
水蒸気とが含まれている。
加湿手段(40)とが設けられる。改質器(31)には、炭
化水素系の原燃料と酸素を含む空気とが原料ガスとして
供給される。また、改質器(31)に供給される原料ガス
には、加湿手段(40)によって水蒸気が付与される。加
湿手段(40)は、電池排ガスに含まれる水蒸気を、水蒸
気の状態で原料ガスに供給する。つまり、改質器(31)
へ供給される原料ガスには、少なくとも原燃料と酸素と
水蒸気とが含まれている。
【0021】改質器(31)では、原燃料と酸素が反応す
る部分酸化反応、及び原燃料と水蒸気が反応する水蒸気
改質反応によって、原燃料から水素が生成される。そし
て、改質器(31)で生成した水素を主成分とする改質ガ
スが、改質装置(30)から燃料電池本体(10)へ供給さ
れる。
る部分酸化反応、及び原燃料と水蒸気が反応する水蒸気
改質反応によって、原燃料から水素が生成される。そし
て、改質器(31)で生成した水素を主成分とする改質ガ
スが、改質装置(30)から燃料電池本体(10)へ供給さ
れる。
【0022】上記加湿手段(40)は、実質上、凝縮及び
再蒸発過程を伴うことなく、電池排ガスに含まれる水蒸
気を原料ガスに対して水蒸気の状態で供給する。ここ
で、水蒸気透過膜を用いて加湿手段(40)を構成した場
合、電池排ガス中の水蒸気は、透過膜上で一旦凝縮して
液体の状態で透過膜内を拡散し、反対側へ透過した後に
再び蒸発して原料ガスに付与されることとなる。この場
合、微視的に見れば、水蒸気が凝縮と再蒸発の過程を経
て原料ガスに付与されることとなる。しかしながら、こ
こでの凝縮と再蒸発の過程は外部との熱の授受を伴うこ
となく行われ、巨視的に見れば水蒸気透過膜を水蒸気が
そのまま透過すると言える。従って、水蒸気透過膜を用
いた場合であっても、加湿手段(40)が実質的に凝縮及
び再蒸発過程を伴わうことなく水蒸気を原料ガスへ供給
すると言って差し支えない。
再蒸発過程を伴うことなく、電池排ガスに含まれる水蒸
気を原料ガスに対して水蒸気の状態で供給する。ここ
で、水蒸気透過膜を用いて加湿手段(40)を構成した場
合、電池排ガス中の水蒸気は、透過膜上で一旦凝縮して
液体の状態で透過膜内を拡散し、反対側へ透過した後に
再び蒸発して原料ガスに付与されることとなる。この場
合、微視的に見れば、水蒸気が凝縮と再蒸発の過程を経
て原料ガスに付与されることとなる。しかしながら、こ
こでの凝縮と再蒸発の過程は外部との熱の授受を伴うこ
となく行われ、巨視的に見れば水蒸気透過膜を水蒸気が
そのまま透過すると言える。従って、水蒸気透過膜を用
いた場合であっても、加湿手段(40)が実質的に凝縮及
び再蒸発過程を伴わうことなく水蒸気を原料ガスへ供給
すると言って差し支えない。
【0023】尚、上記加湿手段(40)は、改質器(31)
へ導入される時点で改質ガスに水蒸気が含まれるように
するものであればよい。例えば、加湿手段(40)によっ
て原燃料にだけ水蒸気を付与し、加湿後の原燃料に空気
を混入したものを原料ガスとして改質器(31)に供給し
てもよい。また、加湿手段(40)によって空気にだけ水
蒸気を付与し、加湿後の空気に原燃料を混入したものを
原料ガスとして改質器(31)に供給してもよい。また、
加湿手段(40)によって原燃料と空気の両方に水蒸気を
付与し、加湿後の原燃料及び空気を混合したものを原料
ガスとして改質器(31)に供給してもよい。また、加湿
前の原燃料及び空気の混合物に対して加湿手段(40)に
より水蒸気を付与し、加湿後の混合物を原料ガスとして
改質器(31)に供給してもよい。
へ導入される時点で改質ガスに水蒸気が含まれるように
するものであればよい。例えば、加湿手段(40)によっ
て原燃料にだけ水蒸気を付与し、加湿後の原燃料に空気
を混入したものを原料ガスとして改質器(31)に供給し
てもよい。また、加湿手段(40)によって空気にだけ水
蒸気を付与し、加湿後の空気に原燃料を混入したものを
原料ガスとして改質器(31)に供給してもよい。また、
加湿手段(40)によって原燃料と空気の両方に水蒸気を
付与し、加湿後の原燃料及び空気を混合したものを原料
ガスとして改質器(31)に供給してもよい。また、加湿
前の原燃料及び空気の混合物に対して加湿手段(40)に
より水蒸気を付与し、加湿後の混合物を原料ガスとして
改質器(31)に供給してもよい。
【0024】上記第2の解決手段では、燃焼器(34)が
改質装置(30)に設けられる。燃焼器(34)には、燃料
電池本体(10)から燃料極排ガスが送り込まれる。ここ
で、燃料電池本体(10)の燃料極(12)では、供給され
た改質ガス中の水素が発電のために消費される。ところ
が、供給された水素が全て消費されるとは限らず、通常
は燃料極排ガスに未利用の水素が含まれている。そこ
で、燃焼器(34)は、水素を含む燃料極排ガスを燃焼さ
せ、得られた燃焼熱を改質器(31)へ供給する。改質器
(31)では、供給された燃焼熱が水蒸気改質反応の反応
熱として利用され、吸熱反応である水蒸気改質反応が進
行する。
改質装置(30)に設けられる。燃焼器(34)には、燃料
電池本体(10)から燃料極排ガスが送り込まれる。ここ
で、燃料電池本体(10)の燃料極(12)では、供給され
た改質ガス中の水素が発電のために消費される。ところ
が、供給された水素が全て消費されるとは限らず、通常
は燃料極排ガスに未利用の水素が含まれている。そこ
で、燃焼器(34)は、水素を含む燃料極排ガスを燃焼さ
せ、得られた燃焼熱を改質器(31)へ供給する。改質器
(31)では、供給された燃焼熱が水蒸気改質反応の反応
熱として利用され、吸熱反応である水蒸気改質反応が進
行する。
【0025】上記第3の解決手段では、改質器(31)に
おいて、部分酸化反応の反応熱が水蒸気改質反応の反応
熱として利用される。つまり、部分酸化反応は発熱反応
であるため、この反応が進行すると反応熱が放熱され
る。一方、水蒸気改質反応は吸熱反応であるため、この
反応を進行させるには反応熱を供給する必要がある。そ
こで、改質器(31)では、部分酸化反応の反応熱を水蒸
気改質反応の反応熱として利用し、両反応によって水素
が生成する。
おいて、部分酸化反応の反応熱が水蒸気改質反応の反応
熱として利用される。つまり、部分酸化反応は発熱反応
であるため、この反応が進行すると反応熱が放熱され
る。一方、水蒸気改質反応は吸熱反応であるため、この
反応を進行させるには反応熱を供給する必要がある。そ
こで、改質器(31)では、部分酸化反応の反応熱を水蒸
気改質反応の反応熱として利用し、両反応によって水素
が生成する。
【0026】上記第4の解決手段では、炭化水素系の原
燃料としてメタンを主成分とするものが用いられる。つ
まり、メタン主体の原燃料を含む原料ガスが、改質器
(31)へ供給される。改質器(31)の入口における原料
ガスには、原燃料と酸素と水蒸気とが所定の割合で含ま
れている。この原料ガスは、単位体積中に含まれる炭素
原子数を酸素分子数で除して得られる値、即ちO2/Cの
値がゼロよりも大きく0.44以下となっており、更に
は単位体積中に含まれる炭素原子数を水素分子数で除し
て得られる値、即ちS/C(スチーム/カーボン)の値が
1.12以上となっている。つまり、加湿手段(40)
は、改質器(31)の入口で原料ガスの組成が上記の条件
を満たすように、所定量の水蒸気を付与している。
燃料としてメタンを主成分とするものが用いられる。つ
まり、メタン主体の原燃料を含む原料ガスが、改質器
(31)へ供給される。改質器(31)の入口における原料
ガスには、原燃料と酸素と水蒸気とが所定の割合で含ま
れている。この原料ガスは、単位体積中に含まれる炭素
原子数を酸素分子数で除して得られる値、即ちO2/Cの
値がゼロよりも大きく0.44以下となっており、更に
は単位体積中に含まれる炭素原子数を水素分子数で除し
て得られる値、即ちS/C(スチーム/カーボン)の値が
1.12以上となっている。つまり、加湿手段(40)
は、改質器(31)の入口で原料ガスの組成が上記の条件
を満たすように、所定量の水蒸気を付与している。
【0027】尚、本解決手段では、上記S/Cの値の下
限値のみを規定している。これは、原料ガスの水蒸気圧
が飽和水蒸気圧に達すると原料ガスにそれ以上の水蒸気
を付与することができなくなることから、原料ガスの飽
和水蒸気圧によって上記S/Cの上限値も自ずと定まる
からである。
限値のみを規定している。これは、原料ガスの水蒸気圧
が飽和水蒸気圧に達すると原料ガスにそれ以上の水蒸気
を付与することができなくなることから、原料ガスの飽
和水蒸気圧によって上記S/Cの上限値も自ずと定まる
からである。
【0028】本解決手段では、メタンと酸素と水蒸気と
を含んだ原料ガスが、改質器(31)へ導入される。改質
器(31)では、部分酸化反応と水蒸気改質反応が行わ
れ、水素と共に一酸化炭素が生成する。改質器(31)か
ら出た反応後のガスは、変成器(32)へ送られる。変成
器(32)へ導入されるガスには、水素や一酸化炭素と共
に、改質器(31)で利用されなかった水蒸気が残存す
る。変成器(32)では、シフト反応が行われ、水素が生
成すると同時に一酸化炭素が減少する。このように、加
湿手段(40)において、原料ガスには水蒸気改質反応及
びシフト反応に必要となる量の水蒸気が供給される。
を含んだ原料ガスが、改質器(31)へ導入される。改質
器(31)では、部分酸化反応と水蒸気改質反応が行わ
れ、水素と共に一酸化炭素が生成する。改質器(31)か
ら出た反応後のガスは、変成器(32)へ送られる。変成
器(32)へ導入されるガスには、水素や一酸化炭素と共
に、改質器(31)で利用されなかった水蒸気が残存す
る。変成器(32)では、シフト反応が行われ、水素が生
成すると同時に一酸化炭素が減少する。このように、加
湿手段(40)において、原料ガスには水蒸気改質反応及
びシフト反応に必要となる量の水蒸気が供給される。
【0029】上記第5の解決手段では、加湿手段(40)
に水蒸気透過膜(51)が設けられる。電池排ガス中の水
蒸気は、水蒸気透過膜(51)を透過して原料ガスへ供給
される。つまり、水蒸気透過膜(51)を隔てて電池排ガ
スと原料ガスとを流通させることで、電池排ガス中の水
蒸気が原料ガスに対して水蒸気の状態で付与される。
に水蒸気透過膜(51)が設けられる。電池排ガス中の水
蒸気は、水蒸気透過膜(51)を透過して原料ガスへ供給
される。つまり、水蒸気透過膜(51)を隔てて電池排ガ
スと原料ガスとを流通させることで、電池排ガス中の水
蒸気が原料ガスに対して水蒸気の状態で付与される。
【0030】上記第6の解決手段では、水蒸気透過膜
(51)として親水性の膜が用いられる。
(51)として親水性の膜が用いられる。
【0031】上記第7の解決手段では、水蒸気透過膜
(51)としてスルホン酸基を持つポリマー膜が用いられ
る。
(51)としてスルホン酸基を持つポリマー膜が用いられ
る。
【0032】上記第8の解決手段では、加湿手段(40)
に吸着剤が設けられる。この吸着剤に電池排ガスを接触
させると、電池排ガス中の水蒸気が吸着剤に吸着され
る。その後、水蒸気を吸着した吸着剤を原料ガスと接触
させれば、吸着剤から脱着した水蒸気が原料ガスに付与
される。
に吸着剤が設けられる。この吸着剤に電池排ガスを接触
させると、電池排ガス中の水蒸気が吸着剤に吸着され
る。その後、水蒸気を吸着した吸着剤を原料ガスと接触
させれば、吸着剤から脱着した水蒸気が原料ガスに付与
される。
【0033】上記第9の解決手段では、燃料極排ガスに
含まれる水蒸気が、加湿手段(40)によって原料ガスへ
供給される。燃料電池本体(10)の燃料極(12)におい
て酸化生成物であるH2Oが生成する場合には、燃料極
排ガスに多量の水蒸気が含まれる。このような場合、加
湿手段(40)は、空気極排ガスではなく、燃料極排ガス
の水蒸気を原料ガスへ付与する。
含まれる水蒸気が、加湿手段(40)によって原料ガスへ
供給される。燃料電池本体(10)の燃料極(12)におい
て酸化生成物であるH2Oが生成する場合には、燃料極
排ガスに多量の水蒸気が含まれる。このような場合、加
湿手段(40)は、空気極排ガスではなく、燃料極排ガス
の水蒸気を原料ガスへ付与する。
【0034】上記第10の解決手段では、空気極排ガス
に含まれる水蒸気が、加湿手段(40)によって原料ガス
へ供給される。燃料電池本体(10)の空気極(11)にお
いて酸化生成物であるH2Oが生成する場合には、空気
極排ガスに多量の水蒸気が含まれる。このような場合、
加湿手段(40)は、燃料極排ガスではなく、空気極排ガ
スの水蒸気を原料ガスへ付与する。
に含まれる水蒸気が、加湿手段(40)によって原料ガス
へ供給される。燃料電池本体(10)の空気極(11)にお
いて酸化生成物であるH2Oが生成する場合には、空気
極排ガスに多量の水蒸気が含まれる。このような場合、
加湿手段(40)は、燃料極排ガスではなく、空気極排ガ
スの水蒸気を原料ガスへ付与する。
【0035】上記第11の解決手段では、加湿手段(4
0)によって、空気極排ガスが原料ガスに直接混入され
る。燃料電池本体(10)の空気極(11)において酸化生
成物であるH2Oが生成する場合には、空気極排ガスに
多量の水蒸気が含まれる。このような場合、加湿手段
(40)は、原料ガスと空気極排ガスとを混ぜ合わせるこ
とによって、空気極排ガス中の水蒸気を原料ガスに付与
する。
0)によって、空気極排ガスが原料ガスに直接混入され
る。燃料電池本体(10)の空気極(11)において酸化生
成物であるH2Oが生成する場合には、空気極排ガスに
多量の水蒸気が含まれる。このような場合、加湿手段
(40)は、原料ガスと空気極排ガスとを混ぜ合わせるこ
とによって、空気極排ガス中の水蒸気を原料ガスに付与
する。
【0036】上記第12の解決手段では、改質装置(3
0)と燃料電池本体(10)によって燃料電池システムが
構成される。改質装置(30)で生成された水素主体の改
質ガスは、燃料電池本体(10)へ供給される。燃料電池
本体(10)は、改質ガス中の水素を利用して発電を行
う。また、燃料電池本体(10)から排出される電池排ガ
スは、改質装置(30)の加湿手段(40)において原料ガ
スを加湿するために利用される。
0)と燃料電池本体(10)によって燃料電池システムが
構成される。改質装置(30)で生成された水素主体の改
質ガスは、燃料電池本体(10)へ供給される。燃料電池
本体(10)は、改質ガス中の水素を利用して発電を行
う。また、燃料電池本体(10)から排出される電池排ガ
スは、改質装置(30)の加湿手段(40)において原料ガ
スを加湿するために利用される。
【0037】上記第13の解決手段では、燃料電池本体
(10)が80℃以上100℃以下の作動温度で発電を行
う。従って、電池排ガスやこれに含まれる水蒸気の温度
も、80℃から100℃程度となる。
(10)が80℃以上100℃以下の作動温度で発電を行
う。従って、電池排ガスやこれに含まれる水蒸気の温度
も、80℃から100℃程度となる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、加湿手段(40)を設け
ることによって、電池排ガス中の水蒸気を原料ガスに対
して水蒸気の状態で付与できる。従って、水蒸気改質反
応用のH2Oを水(液体)の状態で供給する場合のよう
に、改質装置(30)に外部から蒸発潜熱を供給して水を
蒸発させる必要が無くなる。つまり、原料ガスに水を供
給する場合のように、水を蒸発させるための蒸発潜熱と
して熱が消費されることはない。このため、改質装置
(30)で水素を製造する際に消費されるエネルギを削減
でき、改質装置(30)のプロセス効率を向上させること
ができる。
ることによって、電池排ガス中の水蒸気を原料ガスに対
して水蒸気の状態で付与できる。従って、水蒸気改質反
応用のH2Oを水(液体)の状態で供給する場合のよう
に、改質装置(30)に外部から蒸発潜熱を供給して水を
蒸発させる必要が無くなる。つまり、原料ガスに水を供
給する場合のように、水を蒸発させるための蒸発潜熱と
して熱が消費されることはない。このため、改質装置
(30)で水素を製造する際に消費されるエネルギを削減
でき、改質装置(30)のプロセス効率を向上させること
ができる。
【0039】特に、上記第2,第3の解決手段によれ
ば、燃料極排ガス中に残存する水素の燃焼熱や部分酸化
反応に伴って発生する熱を、改質器(31)での水蒸気改
質反応の反応熱として有効に利用できる。従って、これ
ら解決手段によれば、改質装置(30)での消費エネルギ
を更に削減し、改質装置(30)のプロセス効率を一層向
上させることができる。
ば、燃料極排ガス中に残存する水素の燃焼熱や部分酸化
反応に伴って発生する熱を、改質器(31)での水蒸気改
質反応の反応熱として有効に利用できる。従って、これ
ら解決手段によれば、改質装置(30)での消費エネルギ
を更に削減し、改質装置(30)のプロセス効率を一層向
上させることができる。
【0040】上記第4の解決手段では、改質器(31)の
入口での原料ガスにおける原燃料と酸素と水蒸気の比率
を所定範囲に設定している。このため、改質器(31)に
供給される原燃料のうち、部分酸化反応に用いられる分
と水蒸気改質反応に用いられる分との割合を適当な範囲
とすることができ、改質装置(30)のプロセス効率を確
実に向上させることができる。また、水蒸気改質反応及
びシフト反応を行うのに充分な量の水蒸気を加湿手段
(40)によって原料ガスへ供給でき、水素の収量を確保
することができる。
入口での原料ガスにおける原燃料と酸素と水蒸気の比率
を所定範囲に設定している。このため、改質器(31)に
供給される原燃料のうち、部分酸化反応に用いられる分
と水蒸気改質反応に用いられる分との割合を適当な範囲
とすることができ、改質装置(30)のプロセス効率を確
実に向上させることができる。また、水蒸気改質反応及
びシフト反応を行うのに充分な量の水蒸気を加湿手段
(40)によって原料ガスへ供給でき、水素の収量を確保
することができる。
【0041】上記第5〜第8の解決手段によれば、水蒸
気透過膜(51)や吸着剤を用いることで、加湿手段(4
0)の構成を具体化できる。特に、上記第6及び第7の
解決手段で用いられる水蒸気透過膜(51)では、水蒸気
透過膜(51)の表面が液体である水の膜で覆われる。こ
のため、このような水蒸気透過膜(51)を用いると、表
面を覆う水の膜によって水蒸気以外のガスの透過が妨げ
られることから、水蒸気以外のガスの透過量も少ない加
湿手段(40)を実現できる。
気透過膜(51)や吸着剤を用いることで、加湿手段(4
0)の構成を具体化できる。特に、上記第6及び第7の
解決手段で用いられる水蒸気透過膜(51)では、水蒸気
透過膜(51)の表面が液体である水の膜で覆われる。こ
のため、このような水蒸気透過膜(51)を用いると、表
面を覆う水の膜によって水蒸気以外のガスの透過が妨げ
られることから、水蒸気以外のガスの透過量も少ない加
湿手段(40)を実現できる。
【0042】上記第11の解決手段では、空気極排ガス
を原料ガスに混入することで、加湿手段(40)による原
料ガスの加湿が行われる。従って、極めて簡素な構成に
よって加湿手段(40)を実現できる。
を原料ガスに混入することで、加湿手段(40)による原
料ガスの加湿が行われる。従って、極めて簡素な構成に
よって加湿手段(40)を実現できる。
【0043】上記第13の解決手段によれば、燃料電池
本体(10)の作動温度を所定の範囲とすることで、電池
排ガスにおける水蒸気圧を充分に高めることができる。
従って、加湿手段(40)に水蒸気透過膜(51)を用いる
ような場合において、原料ガスへ確実に水蒸気を付与す
ることが可能となる。
本体(10)の作動温度を所定の範囲とすることで、電池
排ガスにおける水蒸気圧を充分に高めることができる。
従って、加湿手段(40)に水蒸気透過膜(51)を用いる
ような場合において、原料ガスへ確実に水蒸気を付与す
ることが可能となる。
【0044】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
に基づいて詳細に説明する。
【0045】図1に示すように、本実施形態1に係る燃
料電池システムは、燃料電池本体(10)と改質装置(3
0)を備えている。
料電池システムは、燃料電池本体(10)と改質装置(3
0)を備えている。
【0046】上記燃料電池本体(10)は、固体高分子電
解質型に構成されている。この燃料電池本体(10)に
は、触媒電極である空気極(カソード)(11)と、同じく
触媒電極である燃料極(アノード)(12)とが設けられて
いる。燃料電池本体(10)の空気極(11)には、その入
口側に空気供給管(20)が接続され、その出口側に空気
極排気管(24)が接続されている。一方、燃料電池本体
(10)の燃料極(12)には、その入口側に改質装置(3
0)が配管接続され、その出口側に燃料極排気管(25)
が接続されている。
解質型に構成されている。この燃料電池本体(10)に
は、触媒電極である空気極(カソード)(11)と、同じく
触媒電極である燃料極(アノード)(12)とが設けられて
いる。燃料電池本体(10)の空気極(11)には、その入
口側に空気供給管(20)が接続され、その出口側に空気
極排気管(24)が接続されている。一方、燃料電池本体
(10)の燃料極(12)には、その入口側に改質装置(3
0)が配管接続され、その出口側に燃料極排気管(25)
が接続されている。
【0047】上記空気供給管(20)は、その始端が屋外
に開口し、その終端が燃料電池本体(10)の空気極(1
1)に接続されている。この空気供給管(20)は、屋外
から取り込んだ空気を空気極(11)へ供給する。また、
空気供給管(20)には、第1分岐管(21)と第2分岐管
(22)が設けられている。
に開口し、その終端が燃料電池本体(10)の空気極(1
1)に接続されている。この空気供給管(20)は、屋外
から取り込んだ空気を空気極(11)へ供給する。また、
空気供給管(20)には、第1分岐管(21)と第2分岐管
(22)が設けられている。
【0048】上記改質装置(30)は、原燃料から水素を
製造し、得られた水素を主成分とする改質ガスを燃料電
池本体(10)へ供給するものである。改質装置(30)に
は、原燃料である天然ガスを供給するための原燃料供給
管(23)が接続されている。原燃料供給管(23)には、
空気供給管(20)の第1分岐管(21)が接続されてい
る。この原燃料供給管(23)は、第1分岐管(21)から
の空気と天然ガスの混合物を原料ガスとして改質装置
(30)へ供給する。
製造し、得られた水素を主成分とする改質ガスを燃料電
池本体(10)へ供給するものである。改質装置(30)に
は、原燃料である天然ガスを供給するための原燃料供給
管(23)が接続されている。原燃料供給管(23)には、
空気供給管(20)の第1分岐管(21)が接続されてい
る。この原燃料供給管(23)は、第1分岐管(21)から
の空気と天然ガスの混合物を原料ガスとして改質装置
(30)へ供給する。
【0049】上記改質装置(30)には、ガスの流れに沿
って順に、水蒸気供給器(50)と、改質器(31)と、変
成器(32)と、選択酸化反応器(33)とが設けられてい
る。また、改質装置(30)には、燃焼器(34)が設けら
れている。
って順に、水蒸気供給器(50)と、改質器(31)と、変
成器(32)と、選択酸化反応器(33)とが設けられてい
る。また、改質装置(30)には、燃焼器(34)が設けら
れている。
【0050】上記水蒸気供給器(50)は、原料ガスに水
蒸気を供給する加湿手段(40)を構成している。具体的
に、水蒸気供給器(50)は、水蒸気透過膜(51)を備え
ている。また、水蒸気供給器(50)には、原料ガス通路
(54)と排ガス通路(55)とが水蒸気透過膜(51)によ
って区画形成されている。水蒸気透過膜(51)は親水性
の膜であり、例えばポリビニルアルコール膜、アルグン
酸膜等が用いられる。そして、図2に示すように、水蒸
気透過膜(51)は、原料ガス通路(54)側に配置される
支持膜(52)と、排ガス通路(55)側に配置される活性
膜(53)とを一体化して構成されている。尚、水蒸気透
過膜(51)としては、スルホン酸基を持つポリマー膜、
例えばパーフルオロスルホン酸ポリマー膜を用いてもよ
い。
蒸気を供給する加湿手段(40)を構成している。具体的
に、水蒸気供給器(50)は、水蒸気透過膜(51)を備え
ている。また、水蒸気供給器(50)には、原料ガス通路
(54)と排ガス通路(55)とが水蒸気透過膜(51)によ
って区画形成されている。水蒸気透過膜(51)は親水性
の膜であり、例えばポリビニルアルコール膜、アルグン
酸膜等が用いられる。そして、図2に示すように、水蒸
気透過膜(51)は、原料ガス通路(54)側に配置される
支持膜(52)と、排ガス通路(55)側に配置される活性
膜(53)とを一体化して構成されている。尚、水蒸気透
過膜(51)としては、スルホン酸基を持つポリマー膜、
例えばパーフルオロスルホン酸ポリマー膜を用いてもよ
い。
【0051】上記水蒸気供給器(50)の原料ガス通路
(54)には、原燃料供給管(23)が接続され、原料ガス
が導入される。一方、水蒸気供給器(50)の排ガス通路
(55)は、空気極排気管(24)の途中に配置され、空気
極排ガスが導入される。水蒸気供給器(50)では、排ガ
ス通路(55)の空気極排ガスに含まれる水蒸気が、水蒸
気透過膜(51)を透過して原料ガス通路(54)の原料ガ
スに供給される。また、空気極排気管(24)の終端は、
燃料極排気管(25)に接続されている。
(54)には、原燃料供給管(23)が接続され、原料ガス
が導入される。一方、水蒸気供給器(50)の排ガス通路
(55)は、空気極排気管(24)の途中に配置され、空気
極排ガスが導入される。水蒸気供給器(50)では、排ガ
ス通路(55)の空気極排ガスに含まれる水蒸気が、水蒸
気透過膜(51)を透過して原料ガス通路(54)の原料ガ
スに供給される。また、空気極排気管(24)の終端は、
燃料極排気管(25)に接続されている。
【0052】上記改質器(31)は、水蒸気供給器(50)
の原料ガス通路(54)と配管接続されている。改質器
(31)には、水蒸気供給器(50)から原料ガスが送り込
まれる。改質器(31)は、部分酸化反応に対して活性を
呈する触媒と、水蒸気改質反応に対して活性を呈する触
媒とを備えている。改質器(31)では、部分酸化反応及
び水蒸気改質反応によって、供給された原料ガスから水
素が発生する。その際、改質器(31)は、発熱反応であ
る部分酸化反応の反応熱を、吸熱反応である水蒸気改質
反応の反応熱として利用する。また、改質器(31)に
は、水蒸気改質反応の反応熱として、燃焼器(34)で生
じた燃焼熱が供給される。
の原料ガス通路(54)と配管接続されている。改質器
(31)には、水蒸気供給器(50)から原料ガスが送り込
まれる。改質器(31)は、部分酸化反応に対して活性を
呈する触媒と、水蒸気改質反応に対して活性を呈する触
媒とを備えている。改質器(31)では、部分酸化反応及
び水蒸気改質反応によって、供給された原料ガスから水
素が発生する。その際、改質器(31)は、発熱反応であ
る部分酸化反応の反応熱を、吸熱反応である水蒸気改質
反応の反応熱として利用する。また、改質器(31)に
は、水蒸気改質反応の反応熱として、燃焼器(34)で生
じた燃焼熱が供給される。
【0053】上記変成器(32)は、改質器(31)と配管
接続されている。変成器(32)には、改質器(31)から
水素と一酸化炭素を含むガスが送り込まれる。また、変
成器(32)へ送り込まれるガスには、水蒸気供給器(5
0)で原料ガスに供給された水蒸気の一部が残存してい
る。変成器(32)は、シフト反応(一酸化炭素変成反
応)に活性を呈する触媒を備えている。変成器(32)で
は、シフト反応によって、ガス中の一酸化炭素が削減さ
れると同時に水素が増加する。シフト反応の反応式は、
次の通りである。 CO+H2O → CO2+H2 … シフト反応
接続されている。変成器(32)には、改質器(31)から
水素と一酸化炭素を含むガスが送り込まれる。また、変
成器(32)へ送り込まれるガスには、水蒸気供給器(5
0)で原料ガスに供給された水蒸気の一部が残存してい
る。変成器(32)は、シフト反応(一酸化炭素変成反
応)に活性を呈する触媒を備えている。変成器(32)で
は、シフト反応によって、ガス中の一酸化炭素が削減さ
れると同時に水素が増加する。シフト反応の反応式は、
次の通りである。 CO+H2O → CO2+H2 … シフト反応
【0054】上記選択酸化反応器(33)は、変成器(3
2)と配管接続されている。また、変成器(32)と選択
酸化反応器(33)をつなぐ配管には、空気供給管(20)
の第2分岐管(22)が接続されている。選択酸化反応器
(33)には、変成器(32)からの水素及び一酸化炭素を
含むガスと第2分岐管(22)からの空気とが送り込まれ
る。選択酸化反応器(33)は、CO選択酸化反応に活性
を呈する触媒を備えている。選択酸化反応器(33)で
は、CO選択酸化反応によって、ガス中のCOが更に削
減される。そして、選択酸化反応器(33)から出た水素
主体のガスが、改質ガスとして燃料電池本体(10)の燃
料極(12)へ供給される。CO選択酸化反応の反応式
は、次の通りである。 CO+1/2O2 → CO2 … CO選択酸化反応
2)と配管接続されている。また、変成器(32)と選択
酸化反応器(33)をつなぐ配管には、空気供給管(20)
の第2分岐管(22)が接続されている。選択酸化反応器
(33)には、変成器(32)からの水素及び一酸化炭素を
含むガスと第2分岐管(22)からの空気とが送り込まれ
る。選択酸化反応器(33)は、CO選択酸化反応に活性
を呈する触媒を備えている。選択酸化反応器(33)で
は、CO選択酸化反応によって、ガス中のCOが更に削
減される。そして、選択酸化反応器(33)から出た水素
主体のガスが、改質ガスとして燃料電池本体(10)の燃
料極(12)へ供給される。CO選択酸化反応の反応式
は、次の通りである。 CO+1/2O2 → CO2 … CO選択酸化反応
【0055】上記燃焼器(34)は、燃料極排気管(25)
を介して燃料電池本体(10)の燃料極(12)と接続され
ている。燃焼器(34)には、燃料極(12)から排出され
た燃料極排ガスと、水蒸気供給器(50)で水蒸気を奪わ
れた空気極排ガスとが送り込まれる。燃料極排ガスに
は、燃料電池本体(10)で利用されなかった水素が含ま
れている。そこで、燃焼器(34)は、水素が含まれる燃
料極排ガスを燃焼させ、得られた燃焼熱を改質器(31)
へ供給する。燃焼器(34)で生じた燃焼排ガスは、屋外
へ排気される。
を介して燃料電池本体(10)の燃料極(12)と接続され
ている。燃焼器(34)には、燃料極(12)から排出され
た燃料極排ガスと、水蒸気供給器(50)で水蒸気を奪わ
れた空気極排ガスとが送り込まれる。燃料極排ガスに
は、燃料電池本体(10)で利用されなかった水素が含ま
れている。そこで、燃焼器(34)は、水素が含まれる燃
料極排ガスを燃焼させ、得られた燃焼熱を改質器(31)
へ供給する。燃焼器(34)で生じた燃焼排ガスは、屋外
へ排気される。
【0056】−運転動作− 上記燃料電池システムの運転動作を説明する。
【0057】改質装置(30)において、水蒸気供給器
(50)の原料ガス通路(54)には、原燃料供給管(23)
を通じて原料ガスが送り込まれる。原料ガス通路(54)
へ導入される原料ガスには、原燃料である天然ガスと第
1分岐管(21)からの空気とが含まれている。この天然
ガスは、炭化水素であるメタンを主成分とするものであ
る。そして、天然ガスと空気とは、単位体積の原料ガス
に含まれる酸素分子数を炭素原子数で除して得られる値
(O2/C)が0よりも大きく0.44以下となるよう
に、所定の割合で混合されている。
(50)の原料ガス通路(54)には、原燃料供給管(23)
を通じて原料ガスが送り込まれる。原料ガス通路(54)
へ導入される原料ガスには、原燃料である天然ガスと第
1分岐管(21)からの空気とが含まれている。この天然
ガスは、炭化水素であるメタンを主成分とするものであ
る。そして、天然ガスと空気とは、単位体積の原料ガス
に含まれる酸素分子数を炭素原子数で除して得られる値
(O2/C)が0よりも大きく0.44以下となるよう
に、所定の割合で混合されている。
【0058】一方、水蒸気供給器(50)の排ガス通路
(55)には、空気極排気管(24)を通じて空気極排ガス
が導入される。この空気極排ガスには、多量の水蒸気が
含まれている。水蒸気供給器(50)では、排ガス通路
(55)の空気極排ガスに含まれる水蒸気が、水蒸気透過
膜(51)を透過して原料ガス通路(54)の原料ガスに付
与される。その際、水蒸気供給器(50)は、単位体積の
原料ガスに含まれる水分子数を炭素原子数で除して得ら
れる値(S/C)が1.12以上となるように、所定量
の水蒸気を原料ガスへ付与する。
(55)には、空気極排気管(24)を通じて空気極排ガス
が導入される。この空気極排ガスには、多量の水蒸気が
含まれている。水蒸気供給器(50)では、排ガス通路
(55)の空気極排ガスに含まれる水蒸気が、水蒸気透過
膜(51)を透過して原料ガス通路(54)の原料ガスに付
与される。その際、水蒸気供給器(50)は、単位体積の
原料ガスに含まれる水分子数を炭素原子数で除して得ら
れる値(S/C)が1.12以上となるように、所定量
の水蒸気を原料ガスへ付与する。
【0059】具体的に、水蒸気供給器(50)の水蒸気透
過膜(51)では、排ガス通路(55)に面する活性膜(5
3)の表面で空気極排ガス中の水蒸気が凝縮し、液体の
状態で活性膜(53)の内部を拡散して支持膜(52)側へ
移動し、その後に蒸発して原料ガスへ水蒸気の状態で付
与される(図2参照)。このように、微視的に見れば、
水蒸気透過膜(51)を透過する際にH2Oが相変化す
る。しかしながら、この相変化は外部との熱の授受を伴
わないため、巨視的に見れば水蒸気がそのままの状態で
水蒸気透過膜(51)を透過すると言っても差し支えな
い。つまり、水蒸気供給器(50)において、実質上は凝
縮や再蒸発の過程を経ることなく、空気極排ガスの水蒸
気が原料排ガスへ供給される。
過膜(51)では、排ガス通路(55)に面する活性膜(5
3)の表面で空気極排ガス中の水蒸気が凝縮し、液体の
状態で活性膜(53)の内部を拡散して支持膜(52)側へ
移動し、その後に蒸発して原料ガスへ水蒸気の状態で付
与される(図2参照)。このように、微視的に見れば、
水蒸気透過膜(51)を透過する際にH2Oが相変化す
る。しかしながら、この相変化は外部との熱の授受を伴
わないため、巨視的に見れば水蒸気がそのままの状態で
水蒸気透過膜(51)を透過すると言っても差し支えな
い。つまり、水蒸気供給器(50)において、実質上は凝
縮や再蒸発の過程を経ることなく、空気極排ガスの水蒸
気が原料排ガスへ供給される。
【0060】改質器(31)には、メタン、酸素、及び水
蒸気を含む原料ガスが送り込まれる。改質器(31)で
は、部分酸化反応と水蒸気改質反応とが進行し、水素と
一酸化炭素が生成する。改質器(31)から変成器(32)
へは、水素と一酸化炭素を含むガスが送られる。また、
変成器(32)へ送られるガスには、水蒸気供給器(50)
により供給された水蒸気が残存している。変成器(32)
では、シフト反応が進行し、一酸化炭素が減少する一方
で、水素が増加する。
蒸気を含む原料ガスが送り込まれる。改質器(31)で
は、部分酸化反応と水蒸気改質反応とが進行し、水素と
一酸化炭素が生成する。改質器(31)から変成器(32)
へは、水素と一酸化炭素を含むガスが送られる。また、
変成器(32)へ送られるガスには、水蒸気供給器(50)
により供給された水蒸気が残存している。変成器(32)
では、シフト反応が進行し、一酸化炭素が減少する一方
で、水素が増加する。
【0061】変成器(32)から選択酸化反応器(33)へ
送られるガスは、水素が主成分となっているものの、未
だに一酸化炭素が残存している。この一酸化炭素は、燃
料極(12)の触媒毒となる。そこで、選択酸化反応器
(33)では、CO選択酸化反応によってガス中の一酸化
炭素が更に削減される。そして、選択酸化反応器(33)
から出た水素主体のガスが、改質ガスとして燃料電池本
体(10)の燃料極(12)へ供給される。
送られるガスは、水素が主成分となっているものの、未
だに一酸化炭素が残存している。この一酸化炭素は、燃
料極(12)の触媒毒となる。そこで、選択酸化反応器
(33)では、CO選択酸化反応によってガス中の一酸化
炭素が更に削減される。そして、選択酸化反応器(33)
から出た水素主体のガスが、改質ガスとして燃料電池本
体(10)の燃料極(12)へ供給される。
【0062】燃料電池本体(10)には、燃料極(12)へ
改質ガスが供給され、空気極(11)へ空気が供給され
る。燃料電池本体(10)は、80℃以上100℃以下の
温度範囲で作動し、改質ガス中の水素を燃料とし、空気
中の酸素を酸化剤として発電を行う。具体的に、燃料電
池本体(10)では、燃料極(12)及び空気極(11)の電
極表面において下記の電池反応が行われる。 燃料極:2H2 → 4H++4e- 空気極:O2+4H++4e- → 2H2O この電池反応により、改質ガスに含まれる水素の燃焼反
応の化学エネルギが電気エネルギに変換される。また、
燃料電池本体(10)からは、電池排ガスとして空気極排
ガスと燃料極排ガスが排出される。
改質ガスが供給され、空気極(11)へ空気が供給され
る。燃料電池本体(10)は、80℃以上100℃以下の
温度範囲で作動し、改質ガス中の水素を燃料とし、空気
中の酸素を酸化剤として発電を行う。具体的に、燃料電
池本体(10)では、燃料極(12)及び空気極(11)の電
極表面において下記の電池反応が行われる。 燃料極:2H2 → 4H++4e- 空気極:O2+4H++4e- → 2H2O この電池反応により、改質ガスに含まれる水素の燃焼反
応の化学エネルギが電気エネルギに変換される。また、
燃料電池本体(10)からは、電池排ガスとして空気極排
ガスと燃料極排ガスが排出される。
【0063】燃料電池本体(10)の空気極(11)から排
出される空気極排ガスには、電池反応に使われなかった
余剰酸素と電池反応によって生じた水蒸気とが含まれ
る。この空気極排ガスは、空気極排気管(24)を通じて
水蒸気供給器(50)の排ガス通路(55)へ導入される。
上述のように、水蒸気供給器(50)では、空気極排ガス
中の水蒸気が原料ガスに対して水蒸気の状態で付与され
る。
出される空気極排ガスには、電池反応に使われなかった
余剰酸素と電池反応によって生じた水蒸気とが含まれ
る。この空気極排ガスは、空気極排気管(24)を通じて
水蒸気供給器(50)の排ガス通路(55)へ導入される。
上述のように、水蒸気供給器(50)では、空気極排ガス
中の水蒸気が原料ガスに対して水蒸気の状態で付与され
る。
【0064】一方、燃料電池本体(10)の燃料極(12)
から排出される燃料極排ガスには、電池反応に使用され
なかった水素が残存している。この燃料極排ガスは、燃
料極排気管(25)を通じて燃焼器(34)へ導入される。
燃焼器(34)は、水素を含む燃料極排ガスを燃焼させ、
得られた燃焼熱を改質器(31)に付与する。改質器(3
1)に付与された燃焼熱は、吸熱反応である水蒸気改質
反応の反応熱として利用される。
から排出される燃料極排ガスには、電池反応に使用され
なかった水素が残存している。この燃料極排ガスは、燃
料極排気管(25)を通じて燃焼器(34)へ導入される。
燃焼器(34)は、水素を含む燃料極排ガスを燃焼させ、
得られた燃焼熱を改質器(31)に付与する。改質器(3
1)に付与された燃焼熱は、吸熱反応である水蒸気改質
反応の反応熱として利用される。
【0065】−改質装置のプロセス効率− 改質装置(30)のプロセス効率について、本実施形態1
のように原料ガスへ水蒸気を供給する場合と、従来のよ
うに原料ガスに水(液体)を供給する場合とを比較す
る。プロセス効率とは、改質装置(30)に供給される原
燃料の低発熱量を燃料電池本体(10)で利用される水素
の低発熱量で除して得られる値を、百分率で表したもの
である。
のように原料ガスへ水蒸気を供給する場合と、従来のよ
うに原料ガスに水(液体)を供給する場合とを比較す
る。プロセス効率とは、改質装置(30)に供給される原
燃料の低発熱量を燃料電池本体(10)で利用される水素
の低発熱量で除して得られる値を、百分率で表したもの
である。
【0066】ここでは、本実施形態1で原燃料として用
いている天然ガスの主成分がメタンである点を考慮し、
原燃料をメタンと仮定して比較を行う。また、下記の反
応式,に示すように、メタンの低発熱量は803kJ
/molであり、水素の低発熱量は242kJ/molである。
尚、以下の反応式において、H2O(gas)は水蒸気を意味
し、H2O(liq)は液体である水を意味する。 CH4+2O2 → CO2+2H2O(gas)+803kJ/mol … H2+1/2O2 → H2O(gas)+242kJ/mol …
いている天然ガスの主成分がメタンである点を考慮し、
原燃料をメタンと仮定して比較を行う。また、下記の反
応式,に示すように、メタンの低発熱量は803kJ
/molであり、水素の低発熱量は242kJ/molである。
尚、以下の反応式において、H2O(gas)は水蒸気を意味
し、H2O(liq)は液体である水を意味する。 CH4+2O2 → CO2+2H2O(gas)+803kJ/mol … H2+1/2O2 → H2O(gas)+242kJ/mol …
【0067】《水蒸気を供給する場合》先ず、原料ガス
に水蒸気を供給する本実施形態の場合について、説明す
る。
に水蒸気を供給する本実施形態の場合について、説明す
る。
【0068】本実施形態1では、改質器(31)におい
て、部分酸化反応と水蒸気改質反応が行われる。反応熱
を表示する場合、部分酸化反応は下記の反応式で示さ
れ、水蒸気改質反応は下記の反応式で示される。 CH4+1/2O2 → CO+2H2+36kJ/mol … CH4+H2O(gas) → CO+3H2−207kJ/mol …
て、部分酸化反応と水蒸気改質反応が行われる。反応熱
を表示する場合、部分酸化反応は下記の反応式で示さ
れ、水蒸気改質反応は下記の反応式で示される。 CH4+1/2O2 → CO+2H2+36kJ/mol … CH4+H2O(gas) → CO+3H2−207kJ/mol …
【0069】改質器(31)では、部分酸化反応の反応熱
が水蒸気改質反応の反応熱として利用される。従って、
改質器(31)へ供給されたメタン1molのうち、x mol
が部分酸化反応に用いられて、(x−1)molが水蒸気改
質反応に用いられる場合、改質器(31)における反応
は、下記の反応式のように表される。 CH4+x/2O2+(1−x)H2O(gas) → CO+(3−x)H2+[36x−207(1−x)]kJ/mol …
が水蒸気改質反応の反応熱として利用される。従って、
改質器(31)へ供給されたメタン1molのうち、x mol
が部分酸化反応に用いられて、(x−1)molが水蒸気改
質反応に用いられる場合、改質器(31)における反応
は、下記の反応式のように表される。 CH4+x/2O2+(1−x)H2O(gas) → CO+(3−x)H2+[36x−207(1−x)]kJ/mol …
【0070】ここで、変成器(32)では、シフト反応が
行われる。このため、反応式の右辺のCOがH2Oと
反応し、更に水素が生成する。反応熱を表示する場合、
シフト反応は下記の反応式で示される。 CO+H2O → CO2+H2+41kJ/mol …
行われる。このため、反応式の右辺のCOがH2Oと
反応し、更に水素が生成する。反応熱を表示する場合、
シフト反応は下記の反応式で示される。 CO+H2O → CO2+H2+41kJ/mol …
【0071】上記反応式,の辺々を足しあわせる
と、改質器(31)及び変成器(32)における反応が1つ
の反応式で表示される。ただし、反応式に示すように
シフト反応は発熱反応であるが、シフト反応の反応温度
は水蒸気改質反応の反応温度よりも低いため、シフト反
応の反応熱を水蒸気改質反応の反応熱として利用するこ
とはできない。従って、反応式の反応熱に反応式の
反応熱を加えることは出来ず、改質器(31)及び変成器
(32)での反応は下記の反応式のように表される。 CH4+x/2O2+(2−x)H2O(gas) → CO2+(4−x)H2+[36x−207(1−x)]kJ/mol …
と、改質器(31)及び変成器(32)における反応が1つ
の反応式で表示される。ただし、反応式に示すように
シフト反応は発熱反応であるが、シフト反応の反応温度
は水蒸気改質反応の反応温度よりも低いため、シフト反
応の反応熱を水蒸気改質反応の反応熱として利用するこ
とはできない。従って、反応式の反応熱に反応式の
反応熱を加えることは出来ず、改質器(31)及び変成器
(32)での反応は下記の反応式のように表される。 CH4+x/2O2+(2−x)H2O(gas) → CO2+(4−x)H2+[36x−207(1−x)]kJ/mol …
【0072】上記反応式で示される反応が吸熱反応の
場合、即ち36x−207(1−x)=243x−207
<0の場合には、燃焼器(34)で水素を燃焼させて改質
器(31)に反応熱を供給する必要がある。その場合、燃
焼器(34)で燃焼させなければならない水素の量は、上
記反応式より、(243x−207)/242 molとな
る。従って、燃料電池本体(10)において利用できる水
素量は、上記反応式の反応熱が正か負かによって異な
り、下記のように表される。 ・243x−207<0の場合 (4−x)−(243x−207)/242 mol ・243x−207≧0の場合 (4−x) mol
場合、即ち36x−207(1−x)=243x−207
<0の場合には、燃焼器(34)で水素を燃焼させて改質
器(31)に反応熱を供給する必要がある。その場合、燃
焼器(34)で燃焼させなければならない水素の量は、上
記反応式より、(243x−207)/242 molとな
る。従って、燃料電池本体(10)において利用できる水
素量は、上記反応式の反応熱が正か負かによって異な
り、下記のように表される。 ・243x−207<0の場合 (4−x)−(243x−207)/242 mol ・243x−207≧0の場合 (4−x) mol
【0073】上記の関係から、燃料電池本体(10)で利
用される水素の低発熱量は、改質装置(30)へ供給され
るメタン1molあたりの値として、下記のように表され
る。 ・243x−207<0の場合 242(4−x)−(243x−207) kJ ・243x−207≧0の場合 242(4−x) kJ
用される水素の低発熱量は、改質装置(30)へ供給され
るメタン1molあたりの値として、下記のように表され
る。 ・243x−207<0の場合 242(4−x)−(243x−207) kJ ・243x−207≧0の場合 242(4−x) kJ
【0074】上記の関係を用い、xの値をゼロから1ま
で変化させた場合のプロセス効率を算出してグラフに表
すと、図3に示すようになる。尚、図3の横軸は上記O
2/Cであり、O2/C=x/2の関係が成立している。そ
して、O2/C=0.43の場合に243x−207=0
となり、そのときのプロセス効率は94.8%となる。
また、243x−207<0の領域ではO2/Cの値を変
化させてもプロセス効率は94.8%から殆ど変化せ
ず、243x−207>0の領域ではO2/Cの値が大き
いほどプロセス効率が低下する。
で変化させた場合のプロセス効率を算出してグラフに表
すと、図3に示すようになる。尚、図3の横軸は上記O
2/Cであり、O2/C=x/2の関係が成立している。そ
して、O2/C=0.43の場合に243x−207=0
となり、そのときのプロセス効率は94.8%となる。
また、243x−207<0の領域ではO2/Cの値を変
化させてもプロセス効率は94.8%から殆ど変化せ
ず、243x−207>0の領域ではO2/Cの値が大き
いほどプロセス効率が低下する。
【0075】《水を供給する場合》先ず、原料ガスに水
(液体)を供給する従来の場合について、説明する。
(液体)を供給する従来の場合について、説明する。
【0076】水の蒸発潜熱は、44kJ/molである。従っ
て、水が蒸発する過程は、下記の反応式のように表さ
れる。 H2O(liq) → H2O(gas)−44kJ/mol …
て、水が蒸発する過程は、下記の反応式のように表さ
れる。 H2O(liq) → H2O(gas)−44kJ/mol …
【0077】また、水の蒸発潜熱としては、反応式に
示すシフト反応の反応熱を利用することが出来る。従っ
て、この場合の改質器(31)及び変成器(32)における
反応は、反応式,,の辺々を足しあわせることに
より、下記の反応式のように表される。 CH4+x/2O2+(2−x)H2O(liq) → CO2+(4−x)H2 +[36x−207(1−x)+41−44(2−x)]kJ/mol …
示すシフト反応の反応熱を利用することが出来る。従っ
て、この場合の改質器(31)及び変成器(32)における
反応は、反応式,,の辺々を足しあわせることに
より、下記の反応式のように表される。 CH4+x/2O2+(2−x)H2O(liq) → CO2+(4−x)H2 +[36x−207(1−x)+41−44(2−x)]kJ/mol …
【0078】上記反応式で示される反応が吸熱反応の
場合、即ち36x−207(1−x)+41−44(2−
x)=286x−253<0の場合には、燃焼器(34)
で水素を燃焼させて改質器(31)に反応熱を供給する必
要がある。その場合、燃焼器(34)で燃焼させなければ
ならない水素の量は、上記反応式より、(286x−
253)/242 molとなる。従って、燃料電池本体(1
0)において利用できる水素量は、上記反応式の反応
熱が正か負かによって異なり、下記のように表される。 ・286x−253<0の場合 (4−x)−(286x−253)/242 mol ・286x−253≧0の場合 (4−x) mol
場合、即ち36x−207(1−x)+41−44(2−
x)=286x−253<0の場合には、燃焼器(34)
で水素を燃焼させて改質器(31)に反応熱を供給する必
要がある。その場合、燃焼器(34)で燃焼させなければ
ならない水素の量は、上記反応式より、(286x−
253)/242 molとなる。従って、燃料電池本体(1
0)において利用できる水素量は、上記反応式の反応
熱が正か負かによって異なり、下記のように表される。 ・286x−253<0の場合 (4−x)−(286x−253)/242 mol ・286x−253≧0の場合 (4−x) mol
【0079】上記の関係から、燃料電池本体(10)で利
用される水素の低発熱量は、改質装置(30)へ供給され
るメタン1molあたりの値として、下記のように表され
る。 ・286x−253<0の場合 242(4−x)−(286x−253) kJ ・286x−253≧0の場合 242(4−x) kJ
用される水素の低発熱量は、改質装置(30)へ供給され
るメタン1molあたりの値として、下記のように表され
る。 ・286x−253<0の場合 242(4−x)−(286x−253) kJ ・286x−253≧0の場合 242(4−x) kJ
【0080】上記の関係を用い、xの値をゼロから1ま
で変化させた場合のプロセス効率を算出してグラフに表
すと、図3に示すようになる。つまり、O2/C=0.4
4の場合に286x−253=0となり、そのときのプ
ロセス効率は93.8%となる。また、286x−25
3<0の領域ではO2/Cの値が小さいほどプロセス効率
が低下する一方、286x−253>0の領域ではO2/
Cの値が大きいほどプロセス効率が低下する。
で変化させた場合のプロセス効率を算出してグラフに表
すと、図3に示すようになる。つまり、O2/C=0.4
4の場合に286x−253=0となり、そのときのプ
ロセス効率は93.8%となる。また、286x−25
3<0の領域ではO2/Cの値が小さいほどプロセス効率
が低下する一方、286x−253>0の領域ではO2/
Cの値が大きいほどプロセス効率が低下する。
【0081】以上説明したように、改質器(31)へ供給
される原料ガスのO2/Cの値が0〜0.44の場合に
は、原料ガスに水(液体)を供給する従来のものに比
べ、原料ガスに水蒸気を供給する本実施形態1の方が、
改質装置(30)のプロセス効率は高くなる。
される原料ガスのO2/Cの値が0〜0.44の場合に
は、原料ガスに水(液体)を供給する従来のものに比
べ、原料ガスに水蒸気を供給する本実施形態1の方が、
改質装置(30)のプロセス効率は高くなる。
【0082】−実施形態1の効果− 本実施形態1によれば、水蒸気供給器(50)を設けるこ
とによって、空気極排ガス中の水蒸気を原料ガスに対し
て水蒸気の状態で付与できる。従って、水蒸気改質反応
用のH2Oを水(液体)の状態で供給する場合のよう
に、改質装置(30)に外部から蒸発潜熱を供給して水を
蒸発させる必要が無くなる。つまり、原料ガスに水を供
給する場合のように、水を蒸発させるための蒸発潜熱と
して熱が消費されることはない。このため、改質装置
(30)で水素を製造する際に消費されるエネルギを削減
でき、改質装置(30)のプロセス効率を向上させること
ができる。
とによって、空気極排ガス中の水蒸気を原料ガスに対し
て水蒸気の状態で付与できる。従って、水蒸気改質反応
用のH2Oを水(液体)の状態で供給する場合のよう
に、改質装置(30)に外部から蒸発潜熱を供給して水を
蒸発させる必要が無くなる。つまり、原料ガスに水を供
給する場合のように、水を蒸発させるための蒸発潜熱と
して熱が消費されることはない。このため、改質装置
(30)で水素を製造する際に消費されるエネルギを削減
でき、改質装置(30)のプロセス効率を向上させること
ができる。
【0083】特に、本実施形態1では、改質器(31)へ
供給される原料ガスにおける原燃料と酸素と水蒸気の比
率を所定範囲に設定している。このため、上述したよう
に、原料ガスに水を供給した場合に比べて、確実に高い
プロセス効率を得ることができる。
供給される原料ガスにおける原燃料と酸素と水蒸気の比
率を所定範囲に設定している。このため、上述したよう
に、原料ガスに水を供給した場合に比べて、確実に高い
プロセス効率を得ることができる。
【0084】また、本実施形態1では、燃料電池本体
(10)の作動温度を80℃〜100℃としているため、
この温度範囲の空気極排ガスを水蒸気供給器(50)の排
ガス通路(55)へ供給することができる。従って、充分
に高い水蒸気圧の空気極排ガスを水蒸気供給器(50)へ
供給でき、水蒸気透過膜(51)を介して空気極排ガス中
の水蒸気を確実に原料ガスへ移動させることができる。
(10)の作動温度を80℃〜100℃としているため、
この温度範囲の空気極排ガスを水蒸気供給器(50)の排
ガス通路(55)へ供給することができる。従って、充分
に高い水蒸気圧の空気極排ガスを水蒸気供給器(50)へ
供給でき、水蒸気透過膜(51)を介して空気極排ガス中
の水蒸気を確実に原料ガスへ移動させることができる。
【0085】
【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、上記実
施形態1において、水蒸気供給器(50)の構成を変更し
たものである。ここでは、上記実施形態1と異なる部分
について説明する。
施形態1において、水蒸気供給器(50)の構成を変更し
たものである。ここでは、上記実施形態1と異なる部分
について説明する。
【0086】図4に示すように、本実施形態2に係る水
蒸気供給器(50)は、ハニカムロータ(56)を備えてい
る。また、この水蒸気供給器(50)には、吸着ゾーン
(57)と脱着ゾーン(58)とが形成されている。吸着ゾ
ーン(57)は、空気極排気管(24)の途中に設けられて
いる。一方、脱着ゾーン(58)は、原燃料供給管(23)
が接続されると共に、改質器(31)と配管接続されてい
る。
蒸気供給器(50)は、ハニカムロータ(56)を備えてい
る。また、この水蒸気供給器(50)には、吸着ゾーン
(57)と脱着ゾーン(58)とが形成されている。吸着ゾ
ーン(57)は、空気極排気管(24)の途中に設けられて
いる。一方、脱着ゾーン(58)は、原燃料供給管(23)
が接続されると共に、改質器(31)と配管接続されてい
る。
【0087】上記ハニカムロータ(56)は、円板形のハ
ニカム状に形成され、その厚さ方向に空気が貫流可能に
構成されている。このハニカムロータ(56)の表面に
は、ゼオライト等の吸着剤が付着されている。ハニカム
ロータ(56)は、その一部分が吸着ゾーン(57)を横断
すると同時に、残りの部分が脱着ゾーン(58)を横断す
る姿勢で配置されている。また、ハニカムロータ(56)
は、図外のモータ等によって中心軸周りに回転駆動され
ている。
ニカム状に形成され、その厚さ方向に空気が貫流可能に
構成されている。このハニカムロータ(56)の表面に
は、ゼオライト等の吸着剤が付着されている。ハニカム
ロータ(56)は、その一部分が吸着ゾーン(57)を横断
すると同時に、残りの部分が脱着ゾーン(58)を横断す
る姿勢で配置されている。また、ハニカムロータ(56)
は、図外のモータ等によって中心軸周りに回転駆動され
ている。
【0088】吸着ゾーン(57)では、ハニカムロータ
(56)の一部分が空気極排ガスと接触し、空気極排ガス
中の水蒸気が吸着剤に吸着される。ここで、空気極排ガ
スの温度は80℃〜100℃程度であり、更には水蒸気
が吸着剤に吸着される際に吸着熱を放熱する。このた
め、吸着ゾーン(57)では、ハニカムロータ(56)の吸
着剤に水蒸気が吸着されると同時に、空気極排ガスとの
接触や吸着熱によってハニカムロータ(56)の温度が上
昇する。
(56)の一部分が空気極排ガスと接触し、空気極排ガス
中の水蒸気が吸着剤に吸着される。ここで、空気極排ガ
スの温度は80℃〜100℃程度であり、更には水蒸気
が吸着剤に吸着される際に吸着熱を放熱する。このた
め、吸着ゾーン(57)では、ハニカムロータ(56)の吸
着剤に水蒸気が吸着されると同時に、空気極排ガスとの
接触や吸着熱によってハニカムロータ(56)の温度が上
昇する。
【0089】吸着ゾーン(57)で水蒸気を吸着したハニ
カムロータ(56)の部分は、ハニカムロータ(56)全体
の回転に伴って脱着ゾーン(58)へと移動する。脱着ゾ
ーン(58)では、ハニカムロータ(56)の一部分が原料
ガスと接触する。脱着ゾーン(58)へ送り込まれる原料
ガスは低湿度状態であるため、吸着剤から水蒸気が脱着
し、脱着した水蒸気が原料ガスに付与される。つまり、
脱着ゾーン(58)では、原料ガスが加湿される。また、
吸着剤から水蒸気が脱着する際には、水蒸気がハニカム
ロータ(56)から熱を奪うため、ハニカムロータ(56)
の温度が低下する。
カムロータ(56)の部分は、ハニカムロータ(56)全体
の回転に伴って脱着ゾーン(58)へと移動する。脱着ゾ
ーン(58)では、ハニカムロータ(56)の一部分が原料
ガスと接触する。脱着ゾーン(58)へ送り込まれる原料
ガスは低湿度状態であるため、吸着剤から水蒸気が脱着
し、脱着した水蒸気が原料ガスに付与される。つまり、
脱着ゾーン(58)では、原料ガスが加湿される。また、
吸着剤から水蒸気が脱着する際には、水蒸気がハニカム
ロータ(56)から熱を奪うため、ハニカムロータ(56)
の温度が低下する。
【0090】その後、ハニカムロータ(56)の一部分は
再び吸着ゾーン(57)へと移動し、上記の動作を繰り返
す。このようにして、空気極排ガス中の水蒸気が、原料
ガスに対して水蒸気の状態で付与される。
再び吸着ゾーン(57)へと移動し、上記の動作を繰り返
す。このようにして、空気極排ガス中の水蒸気が、原料
ガスに対して水蒸気の状態で付与される。
【0091】
【発明の実施の形態3】本発明の実施形態3は、上記実
施形態1において、水蒸気供給器(50)の構成を変更し
たものである。ここでは、上記実施形態1と異なる部分
について、図5を参照しながら説明する。
施形態1において、水蒸気供給器(50)の構成を変更し
たものである。ここでは、上記実施形態1と異なる部分
について、図5を参照しながら説明する。
【0092】本実施形態3に係る水蒸気供給器(50)
は、燃料極排ガス中の水蒸気を原料ガスへ付与するよう
に構成されている。ここで、燃料電池本体(10)では、
上記の電池反応により空気極(11)側で水蒸気(H
2O)が生成するが、生成した水蒸気の一部は燃料極(1
2)へ移動する。従って、燃料極(12)から排出される
燃料極排ガスにも、電池反応により生じた水蒸気が含ま
れる。そこで、上記水蒸気供給器(50)を設けること
で、燃料極排ガス中の水蒸気を原料ガスへ付与する。
は、燃料極排ガス中の水蒸気を原料ガスへ付与するよう
に構成されている。ここで、燃料電池本体(10)では、
上記の電池反応により空気極(11)側で水蒸気(H
2O)が生成するが、生成した水蒸気の一部は燃料極(1
2)へ移動する。従って、燃料極(12)から排出される
燃料極排ガスにも、電池反応により生じた水蒸気が含ま
れる。そこで、上記水蒸気供給器(50)を設けること
で、燃料極排ガス中の水蒸気を原料ガスへ付与する。
【0093】具体的は、水蒸気供給器(50)の排ガス通
路(55)は、燃料極排気管(25)の途中に設けられてい
る。燃料電池本体(10)から排出された燃料極排ガス
は、燃料極排気管(25)を通って排ガス通路(55)へ導
入される。水蒸気供給器(50)では、燃料極排ガス中の
水蒸気が、水蒸気透過膜(51)を透過して原料ガス通路
(54)の原料ガスに付与される。
路(55)は、燃料極排気管(25)の途中に設けられてい
る。燃料電池本体(10)から排出された燃料極排ガス
は、燃料極排気管(25)を通って排ガス通路(55)へ導
入される。水蒸気供給器(50)では、燃料極排ガス中の
水蒸気が、水蒸気透過膜(51)を透過して原料ガス通路
(54)の原料ガスに付与される。
【0094】燃料極排気管(25)における水蒸気供給器
(50)と燃焼器(34)の間には、燃焼用空気管(26)が
接続されている。燃焼用空気管(26)は、燃焼器(34)
での燃焼に必要となる空気を供給するためのものであ
る。水蒸気供給器(50)の排ガス通路(55)から出た燃
料極排ガスは、燃焼用空気管(26)からの空気と共に燃
焼器(34)へ送り込まれる。燃焼器(34)は燃料極排ガ
ス中の水素を燃焼させ、発生した燃焼排ガスは屋外へ排
気される。この点は、上記実施形態1と同様である。
(50)と燃焼器(34)の間には、燃焼用空気管(26)が
接続されている。燃焼用空気管(26)は、燃焼器(34)
での燃焼に必要となる空気を供給するためのものであ
る。水蒸気供給器(50)の排ガス通路(55)から出た燃
料極排ガスは、燃焼用空気管(26)からの空気と共に燃
焼器(34)へ送り込まれる。燃焼器(34)は燃料極排ガ
ス中の水素を燃焼させ、発生した燃焼排ガスは屋外へ排
気される。この点は、上記実施形態1と同様である。
【0095】一方、本実施形態3において、空気極排気
管(24)は、その終端が屋外に開口している。燃料電池
本体(10)の空気極排ガスは、空気極排気管(24)を通
じて屋外に排気される。
管(24)は、その終端が屋外に開口している。燃料電池
本体(10)の空気極排ガスは、空気極排気管(24)を通
じて屋外に排気される。
【0096】
【発明の実施の形態4】本発明の実施形態4は、上記実
施形態1において、水蒸気供給器(50)の代わりに排ガ
ス供給管(41)を設けたものである。つまり、本実施形
態4では、排ガス供給管(41)が加湿手段(40)を構成
している。ここでは、上記実施形態1と異なる部分につ
いて、図6を参照しながら説明する。
施形態1において、水蒸気供給器(50)の代わりに排ガ
ス供給管(41)を設けたものである。つまり、本実施形
態4では、排ガス供給管(41)が加湿手段(40)を構成
している。ここでは、上記実施形態1と異なる部分につ
いて、図6を参照しながら説明する。
【0097】本実施形態4では、水蒸気供給器が設けら
れていないため、改質器(31)に原燃料供給管(23)が
直接に接続されている。また、空気極排気管(24)は、
その終端が屋外に開口している。更に、燃料極排気管
(25)には、燃焼用空気管(26)が接続されている。燃
焼用空気管(26)は、燃焼器(34)での燃焼に必要とな
る空気を供給するためのものである。燃料極排ガスは、
燃焼用空気管(26)からの空気と共に燃焼器(34)へ送
り込まれる。
れていないため、改質器(31)に原燃料供給管(23)が
直接に接続されている。また、空気極排気管(24)は、
その終端が屋外に開口している。更に、燃料極排気管
(25)には、燃焼用空気管(26)が接続されている。燃
焼用空気管(26)は、燃焼器(34)での燃焼に必要とな
る空気を供給するためのものである。燃料極排ガスは、
燃焼用空気管(26)からの空気と共に燃焼器(34)へ送
り込まれる。
【0098】上記排ガス供給管(41)は、その始端が空
気極排気管(24)に接続され、その終端が原燃料供給管
(23)に接続されている。燃料電池本体(10)から排出
された空気極排ガスの一部は、排ガス供給管(41)を通
じて原燃料供給管(23)へ導入される。つまり、空気極
排ガスを原料ガスに混入することで、空気極排ガス中の
水蒸気が原料ガスに付与される。従って、本実施形態4
によれば、水蒸気を含む空気極排ガスを原料ガスと混ぜ
合わせるだけで原料ガスの加湿が可能であり、極めて簡
素な構成によって加湿手段(40)を実現できる。
気極排気管(24)に接続され、その終端が原燃料供給管
(23)に接続されている。燃料電池本体(10)から排出
された空気極排ガスの一部は、排ガス供給管(41)を通
じて原燃料供給管(23)へ導入される。つまり、空気極
排ガスを原料ガスに混入することで、空気極排ガス中の
水蒸気が原料ガスに付与される。従って、本実施形態4
によれば、水蒸気を含む空気極排ガスを原料ガスと混ぜ
合わせるだけで原料ガスの加湿が可能であり、極めて簡
素な構成によって加湿手段(40)を実現できる。
【0099】尚、空気極排ガスには、燃料電池本体(1
0)で利用されなかった余剰酸素も含まれている。従っ
て、空気極排ガスを混入することで、水蒸気だけでなく
酸素をも原料ガスに付与することができる。このため、
本実施形態4では、原料ガスに空気を供給するための第
1分岐管(21)は省略されている。
0)で利用されなかった余剰酸素も含まれている。従っ
て、空気極排ガスを混入することで、水蒸気だけでなく
酸素をも原料ガスに付与することができる。このため、
本実施形態4では、原料ガスに空気を供給するための第
1分岐管(21)は省略されている。
【図1】実施形態1に係る燃料電池システムの概略構成
図である。
図である。
【図2】実施形態1に係る水蒸気供給器の水蒸気透過膜
を概略的に示す拡大断面図である。
を概略的に示す拡大断面図である。
【図3】原料ガスに水蒸気を供給する場合と水(液体)
を供給する場合におけるO2/Cとプロセス効率の関係図
である。
を供給する場合におけるO2/Cとプロセス効率の関係図
である。
【図4】実施形態2に係る燃料電池システムの概略構成
図である。
図である。
【図5】実施形態3に係る燃料電池システムの概略構成
図である。
図である。
【図6】実施形態4に係る燃料電池システムの概略構成
図である。
図である。
(10) 燃料電池本体 (11) 空気極 (12) 燃料極 (30) 改質装置 (31) 改質器 (34) 燃焼器 (40) 加湿手段 (51) 水蒸気透過膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池上 周司 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキン 工業株式会社堺製作所臨海工場内 (72)発明者 米本 和生 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 4G040 EA06 EA07 EB01 EB03 EB14 EB32 4G140 EA06 EA07 EB01 EB03 EB14 EB32 5H027 AA06 BA01 BA05
Claims (13)
- 【請求項1】 炭化水素系の原燃料から生成される水素
を主体とする改質ガスを燃料電池本体(10)へ供給する
改質装置であって、 炭化水素系の原燃料と空気とが原料ガスとして供給さ
れ、供給された原料ガスから部分酸化反応及び水蒸気改
質反応によって水素を生成する改質器(31)と、 上記改質器(31)へ供給される原料ガスに対して上記燃
料電池本体(10)から排出された電池排ガスに含まれる
水蒸気を付与するための加湿手段(40)とを備えている
改質装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の改質装置において、 吸熱反応である水蒸気改質反応の反応熱を改質器(31)
へ供給するために燃料電池本体(10)の燃料極(12)か
ら排出された燃料極排ガスを燃焼させる燃焼器(34)を
備えている改質装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の改質装置におい
て、 発熱反応である部分酸化反応の反応熱を吸熱反応である
水蒸気改質反応の反応熱として利用するように構成され
ている改質装置。 - 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の改質装置にお
いて、 原燃料がメタンを主体とするものであり、 改質器(31)の入口における原料ガスは、単位体積中に
おける酸素分子数を炭素原子数で除して得られる値が0
よりも大きく0.44以下とされ、且つ単位体積中にお
ける水分子数を炭素原子数で除して得られる値が1.1
2以上とされる一方、 上記改質器(31)から反応後のガスを供給されてシフト
反応を行う変成器(32)を備えている改質装置。 - 【請求項5】 請求項1,2又は3記載の改質装置にお
いて、 加湿手段(40)は、電池排ガスに含まれる水蒸気を透過
させて原料ガスへ供給する水蒸気透過膜(51)を備えて
いる改質装置。 - 【請求項6】 請求項5記載の改質装置において、 水蒸気透過膜(51)は、親水性の膜で構成されている改
質装置。 - 【請求項7】 請求項5記載の改質装置において、 水蒸気透過膜(51)は、スルホン酸基を持つポリマー膜
で構成されている改質装置。 - 【請求項8】 請求項1,2又は3記載の改質装置にお
いて、 加湿手段(40)は、電池排ガスに含まれる水蒸気を吸着
する吸着剤を備え、該吸着剤から脱着させた水蒸気を原
料ガスへ供給するように構成されている改質装置。 - 【請求項9】 請求項1,2又は3記載の改質装置にお
いて、 加湿手段(40)は、電池排ガスのうち燃料電池本体(1
0)の燃料極(12)から排出された燃料極排ガスだけに
含まれる水蒸気を上記原料ガスに付与するように構成さ
れている改質装置。 - 【請求項10】 請求項1,2又は3記載の改質装置に
おいて、 加湿手段(40)は、電池排ガスのうち燃料電池本体(1
0)の空気極(11)から排出された空気極排ガスだけに
含まれる水蒸気を上記原料ガスに付与するように構成さ
れている改質装置。 - 【請求項11】 請求項1,2又は3記載の改質装置に
おいて、 加湿手段(40)は、電池排ガスのうち燃料電池本体(1
0)の空気極(11)から排出された空気極排ガスだけを
原料ガスへ混入するように構成されている改質装置。 - 【請求項12】 請求項1乃至11の何れか1記載の改
質装置(30)と、 上記改質装置(30)で生成した改質ガスが供給される燃
料電池本体(10)とを備えている燃料電池システム。 - 【請求項13】 請求項12記載の燃料電池システムに
おいて、 燃料電池本体(10)の作動温度が80℃以上100℃以
下である燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001009747A JP2002216826A (ja) | 2001-01-18 | 2001-01-18 | 改質装置及びこれを備える燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001009747A JP2002216826A (ja) | 2001-01-18 | 2001-01-18 | 改質装置及びこれを備える燃料電池システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002216826A true JP2002216826A (ja) | 2002-08-02 |
Family
ID=18877179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001009747A Withdrawn JP2002216826A (ja) | 2001-01-18 | 2001-01-18 | 改質装置及びこれを備える燃料電池システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002216826A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004204849A (ja) * | 2002-12-23 | 2004-07-22 | General Electric Co <Ge> | 冷却タービン一体型燃料電池ハイブリッド発電装置 |
US7267900B2 (en) | 2003-07-11 | 2007-09-11 | Hyundai Motor Company | Fuel cell system |
-
2001
- 2001-01-18 JP JP2001009747A patent/JP2002216826A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004204849A (ja) * | 2002-12-23 | 2004-07-22 | General Electric Co <Ge> | 冷却タービン一体型燃料電池ハイブリッド発電装置 |
JP4666910B2 (ja) * | 2002-12-23 | 2011-04-06 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 冷却タービン一体型燃料電池ハイブリッド発電装置 |
US7267900B2 (en) | 2003-07-11 | 2007-09-11 | Hyundai Motor Company | Fuel cell system |
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Date | Code | Title | Description |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20110228 |