JP2002216332A - 磁気記録媒体および磁気記録方法 - Google Patents

磁気記録媒体および磁気記録方法

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JP2002216332A
JP2002216332A JP2001014686A JP2001014686A JP2002216332A JP 2002216332 A JP2002216332 A JP 2002216332A JP 2001014686 A JP2001014686 A JP 2001014686A JP 2001014686 A JP2001014686 A JP 2001014686A JP 2002216332 A JP2002216332 A JP 2002216332A
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JP2001014686A
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Kaji Maezawa
可治 前澤
Hisayo Ohata
久代 大畑
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オーデイオ、ビデオ機器、各種情報機器に用
いる磁気記録媒体であって、高密度記録に適した大容量
の磁気記録媒体、ならびに磁気記録方法を提供する。 【解決手段】 非磁性基板およびその一方の表面に形成
された強磁性金属薄膜から成る磁性層を有する磁気記録
媒体において、磁性層の厚さを120nm以下とし、磁性
層の厚さに対する非磁性基板の厚さの比を30〜660
とし、磁性層を形成する金属粒子の粒径を5〜25nmと
することで、ギャップ長が0.10〜0.25μmの磁
気ヘッドを用いて信号を記録・再生するのに適した磁気
記録媒体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報機器、オーデ
ィオ機器およびビデオ機器で使用される、高密度記録に
適した磁気記録媒体、ならびに当該磁気記録媒体に信号
を記録する磁気記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高機能性薄膜の技術的発展は目ざ
ましく、その応用分野も多岐にわたっている。高機能性
薄膜が利用される一例として磁気記録媒体がある。磁気
記録媒体においては磁性層(即ち、記録層)が高機能性
薄膜の一種とみなされ、その性状は磁気記録密度の向上
と密接に関係している。
【0003】磁性層が高機能性薄膜である磁気記録媒体
としては、強磁性金属が蒸着されて成る金属薄膜で磁性
層を形成した、金属薄膜型磁気記録媒体または高密度磁
気記録媒体と称されている磁気記録媒体がある。この磁
気記録媒体は、磁性層がバインダー等の介在物を有しな
いために、従来の塗布型磁気記録媒体よりも高密度記録
に適している。
【0004】従来の塗布型磁気記録媒体とは、具体的に
は、γ−Fe粉末、CrO粉末、または純鉄粉
末等を樹脂等のバインダーとともに高分子フィルム上に
塗着せしめて磁性層を形成したものをいう。塗布型磁気
記録媒体は一般に、オーディオ用またはビデオ用テープ
として用いられる。
【0005】一方、金属薄膜型磁気記録媒体は、真空蒸
着、イオンプレーティング、スパッタリングまたはクラ
スターイオンビーム蒸着等の方法を用いて、Fe、C
o、Niおよび/またはCr等の磁性金属を単独、また
は合金の形態で高分子フィルムまたはガラス基板上に蒸
着して磁性層を形成したものである。金属薄膜型磁気記
録媒体は、斜方入射蒸着法により磁性層を形成したビデ
オ用テープ、ならびにガラス基板にスパッタリング法で
磁性層を形成したハードデイスクとして既に実用化され
ている。
【0006】金属薄膜型磁気記録媒体の製造方法の一例
を図3を参照して説明する。図3は、非磁性基板に、記
録層として磁性金属薄膜を真空蒸着法により形成する方
法を模式的に示している。図3に示す真空蒸着法は、連
続巻取真空蒸着法とも呼ばれるもので、生産性において
優れており、現実的な量産方法として有力な製造方法で
ある。図3において、非磁性基板は高分子フィルム(30
1)である。一般に、高分子フィルムの一方の表面に
は、SiO等から成る微粒子が分散し、固着してい
る。微粒子は磁気記録媒体の磁性層側の表面に凹凸を付
与し、それにより磁気記録媒体の走行性を向上させてい
る。
【0007】高分子フィルム(301)は送り軸(302)に
セットされ、ここから連続的に送り出され、冷却ドラム
(306)を経て、巻取軸(310)で巻き取られる。このと
き、電子ビーム(312)で強磁性金属(314)を溶解して
蒸発させ、下方より高分子フィルム(301)の表面に蒸
着させる。蒸着中、不要な磁性金属は遮蔽板(316,32
0)でカットされる。磁性層に酸素が含まれるようにす
る場合には、ノズル(318)から酸素が供給される。磁
性層の真空蒸着が終了した後、必要に応じて磁性層の上
に保護層および潤滑剤層等を形成し、高分子フィルムの
磁性層が形成された面とは反対の面にバックコート層を
形成する。それから、スリッティングしてテープ状の磁
気記録媒体を得る。
【0008】この方法により得られるテープ状の磁気記
録媒体(以下、「蒸着テープ」または「MEテープ」と
も呼ぶ)の厚さ方向の断面図を模式的に図4に示す。図
示した磁気記録媒体において、非磁性基板(1)の一方
の面には微粒子(2)が分散し、固着しており、この微
粒子(2)が存在する面に磁性層(3)が形成され、磁
性層(3)の上には保護層(4)および潤滑剤層(5)
が形成されている。したがって、磁気記録媒体の表面
(潤滑剤層(5)の表面)は微粒子(2)により付与さ
れた凹凸を有している。非磁性基板の磁性層が形成され
た面とは反対の面にはバックコート層(6)が形成され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一般に金属薄膜型磁気
記録媒体は塗布型磁気記録媒体よりも薄いため、記録容
量の大きい磁気記録媒体製品(例えばMEテープ)の提
供を可能にしている。しかし、磁気記録媒体に対する性
能向上の要求は厳しく、より多くの情報を記録し得る磁
気記録媒体製品がなお望まれている。
【0010】磁気記録媒体の記録容量を大きくする1つ
の方法として、磁気記録媒体の記録密度を向上させる方
法がある。磁気記録媒体の記録密度は、記録周波数をよ
り高くし、トラック幅をより小さくすることにより高密
度化される。記録周波数は、磁気ヘッドと磁気記録媒体
との間の相対速度が一定である場合には、記録波長を短
くすることによってより高くし得る。したがって、記録
波長を短くしたときに高い再生出力を確保できれば、記
録密度の向上した磁気記録媒体を得ることができる。
【0011】短い記録波長でMEテープと塗布型磁気記
録媒体に信号を記録すると、一般に前者から得られる再
生出力は後者から得られる再生出力よりも高い。即ち、
MEテープは塗布型磁気記録媒体と比較して高密度記録
に適している。そのため、MEテープは大きな記録容量
が要求されるデータストレージ用テープとして使用され
ている。MEテープはまた、その記録密度が高いため
に、オーディオ機器またはビデオ機器用の記録媒体とし
て用いられる場合、音質および画質の良い再生信号を与
える。
【0012】MEテープに対しては、その記録密度がよ
り向上するよう(即ち、より短い記録波長で記録し得る
よう)、更なる改善が求められている。しかし、MEテ
ープの記録密度を向上させるには限界がある。それは、
第一には、短い記録波長で記録した信号を再生するとき
に高い再生出力を得られないことによる。
【0013】記録周波数を高くして実施する高密度記録
は、高感度型ヘッドを用いることにより実施できる。例
えば、記録系のインダクティブヘッドと再生系のMRヘ
ッドを備えたギャップ長0.1〜0.25μmのMR
(Magneto Resistive)型ヘッドを用いる場合には、1
kHz程度の記録周波数から、50MHzという高い記録周
波数までの範囲で記録し、記録した信号を再生すること
が可能である。
【0014】記録波長を短くすると、再生出力の厚み損
失に変化が生じ、そのことが再生信号の品質に好ましく
ない影響を及ぼす場合がある。厚み損失とは、磁性層の
厚さが記録波長よりも大きいことに起因して生じる再生
出力の低下をいう。一般に、磁性層の厚さが同じ場合に
おいて、記録波長が短いほど厚み損失は大きくなる傾向
にある。したがって、記録密度を向上させるには、磁性
層の厚さを小さくする必要がある。例えば、上記のMR
ヘッドを使用する場合、磁性層の厚さは従来のデジタル
ビデオ用MEテープの磁性層の厚さ(約180nm)の半
分以下とすることが、良好な再生出力(例えばCN比)
を得るうえで好ましいとされている。
【0015】しかし、磁性層の厚さを小さくすると、磁
気記録媒体全体の剛性が低下するという問題がある。磁
気記録媒体においては、磁性層は記録層として作用する
とともに一種の補強層としても機能するため、その厚さ
は、非磁性基板の厚さと同様、磁気記録媒体全体の剛性
に影響を及ぼす。したがって、例えば磁気記録媒体が磁
気テープである場合、磁性層の厚さが小さいと、ヘッド
とテープとの当たりが悪くなってヘッドでのテープの摺
動が不十分となる場合がある。かかる事情のために、M
Eテープの磁性層の厚さは高密度記録に最適な厚さにす
ることができない。
【0016】さらに、短い記録波長で記録した信号から
の再生出力を高くすることができても、それ以上に媒体
ノイズが大きくなりCN比が小さくなるという問題があ
る。磁気記録媒体の記録密度を高くしてもCN比が小さ
ければ、ノイズレベルが相対的に高いために画質および
音質が悪くなる。したがって、そのような磁気記録媒体
は実用的でない。
【0017】一方、磁気記録媒体については、その性能
のみならず、その製造に関しても種々の課題がある。そ
の1つとして、磁気記録媒体を製造するための原材料が
有効に利用されていない(即ち、材料歩留まりが悪い)
という課題がある。この課題は、生産コストを下げると
いう企業活動における一般的な要請のほか、省資源化を
図ることで環境を保全すべきであるという社会の要請に
反しており、解決が望まれている。
【0018】この課題は、具体的には、MEテープの磁
性層を形成する工程、即ち、図3を参照して説明した回
転ドラムを使用する斜方蒸着において顕著である。その
ような斜方蒸着においては蒸着効率が悪く、蒸発させた
磁性金属の10%程度が磁性層の形成に使用されるにす
ぎない。したがって、蒸着工程で使用する(即ち、蒸発
させる)金属の絶対量を減らして、磁性層を形成しない
磁性金属の量を減らすことが、省資源の観点から要求さ
れている。
【0019】本発明はかかる実情に鑑みてなされたもの
であり、高密度記録に適し、かつ優れた再生信号を与え
る磁気記録媒体であって、磁性金属の使用量を少なくし
て製造できる磁気記録媒体を提供することを課題とす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、非磁性基板とその一方の表面に形成され
た磁性層を含む磁気記録媒体であって、磁性層が強磁性
金属薄膜であり、磁性層の厚さが120nm以下であり、
磁性層を形成する金属粒子の粒径が5〜25nmの範囲内
にあり、磁性層の厚さに対する非磁性基板の厚さの比が
30〜660の範囲内にある磁気記録媒体を提供する。
【0021】本発明の磁気記録媒体は、磁性層の厚さ、
磁性層を形成する金属粒子の粒径および磁性層の厚さに
対する非磁性基板の厚さの比がそれぞれ特定範囲内にあ
ることを特徴とする。この特徴により、高密度記録が可
能であって、再生出力のノイズが小さく、かつヘッドと
テープとの当たりが良好な磁気記録媒体を得ることがで
きる。
【0022】本発明の磁気記録媒体において、磁性層は
厚さ120nm以下の強磁性金属薄膜である。したがっ
て、本発明の磁気記録媒体を用いれば、狭ギャップ長
(例えば0.1〜0.25μm)の磁気ヘッドを用い
て、短い記録波長でトラック幅を小さくして信号を記録
すること(即ち、高密度記録)を最適に実施できる。磁
性層の厚さが120nmを越えると、ギャップ長が0.1
〜0.25μmの磁気ヘッドを用いて記録した信号を同
じギャップ長の磁気ヘッドを用いて再生する場合に、ノ
イズレベルは変化しないが出力が飽和するためにCN比
が小さくなる。
【0023】本発明の磁気記録媒体において、磁性層は
強磁性金属薄膜であり、磁性層を形成する金属粒子の粒
径は5〜25nmの範囲内にある。強磁性金属薄膜は一般
に柱状結晶構造を有する。柱状結晶は金属粒子が集合し
て成長することにより形成される。金属粒子は一般に略
球形であり、その径が粒径に相当する。
【0024】金属粒子の粒径が小さいほど、信号再生時
のノイズは小さい。金属粒子の粒径が25nmを超えると
ノイズが増加して、磁気記録媒体の電磁変換特性が悪く
なる。さらに、金属粒子の粒径が大きくなると、磁性層
の表面粗さが大きくなるためスペーシングロスが無視で
きなくなる。一方、金属粒子の粒径が5nm未満である
と、熱揺動が生じ、磁性層が消磁されて記録された信号
が消去されることがある。
【0025】磁性層の厚さに対する非磁性基板の厚さの
比は、磁気記録媒体が磁気テープである場合、テープの
機械強度と剛性に影響を及ぼす。この比を適切に選択す
ることは、ヘッドとテープの接触状態を良好に保つため
に重要である。磁性層の厚さに対する非磁性基板の厚さ
の比は、30〜660の範囲内にあることが好ましい。
【0026】この比が30未満である磁気記録媒体とし
ては、フイルムの厚さと磁性層がともに薄いもの、お
よび磁性層の厚さが大きいものがある。の記録媒体
は、フィルムの厚さおよび磁性層がともに薄いために、
その機械強度が小さいものである。磁気記録媒体の機械
強度が小さいと磁気記録媒体とヘッドとの接触が悪くな
り、その結果、出力が低くなる。の磁気記録媒体は、
磁性層の厚さが大きいために高密度記録に適さない。
【0027】一方、この比が660を超える磁気記録媒
体としては、非磁性基板の厚さが極めて大きいもの、
および磁性層が極めて薄いものがある。の磁気記録
媒体は、その全厚が大きいものである。磁気記録媒体が
磁気テープである場合、その全厚が大きいと、所定寸法
のケースに収容できるテープ長が短くなり、記録容量
(即ち記録時間)が減少する。の磁気記録媒体におい
ては、磁性層の厚さが小さすぎるために熱揺動が生じ
て、磁性層が消磁され記録された信号が消去されること
がある。そのような磁気記録媒体は、磁気記録媒体とし
て機能し得ないものである。
【0028】本発明の磁気記録媒体は、磁気記録媒体の
保磁力Hcと磁性層の厚さδの積が0.7×10−3
20×10−3[A/m]・m(10〜250Oe・μ
m)の範囲内にあるものであることがより好ましい。
【0029】本発明の磁気記録媒体はまた、磁気記録媒
体の保磁力Hcと磁束密度Brと磁性層の厚さδの積が
0.25×10−3〜8×10−3T・[A/m]・m
(30000〜1000000Oe・G・μm)の範囲内にあるもの
であることがより好ましい。
【0030】磁性層の磁化特性を示すヒステリシスルー
プの形と面積は、磁気記録媒体の磁気特性を決定する重
要な因子であり、磁気記録媒体の記録密度と密接に関係
する。ヒステリシスループから、磁気記録媒体(即ち磁
性層)の保磁力Hcおよび残留磁束密度Brが解かる。
【0031】一般に、磁気記録媒体の磁性層の厚さが一
定である場合、磁性層の保磁力を大きくすると電磁変換
特性は向上する。磁性層の厚さを小さくすると、磁気記
録媒体の磁性層の保磁力は小さくなる傾向にある。本発
明においては、磁性層の厚さδを120nm以下にすると
ともに、保磁力Hcと磁性層の厚さδの積が0.7×1
−3〜20×10−3[A/m]・mの範囲内にある
ようにすることで、その電磁変換特性が良好に維持され
るとともに、高い記録密度で信号を記録できる磁気記録
媒体を得ることができる。
【0032】磁気記録媒体の保持力Hcおよび残留磁束
密度Brがともに大きいと、磁気記録媒体の電磁変換特
性および記録密度がともに向上する。保持力と残留磁束
密度の積は磁気記録媒体が有する磁気的エネルギーに相
当する。本発明においては、磁気記録媒体の保磁力Hc
と磁束密度Brと磁性層の厚さδの積Hc・Br・δが
0.25×10−3〜8×10−3T・[A/m]・mの
範囲内にあるように、磁気記録媒体を構成することが好
ましい。Hc・Br・δが0.25×10−3T・[A
/m]・m(30000Oe・G・μm)以下では、ノイズは
低いものの出力も低いため、信号を十分に再生できない
場合がある。一方、Hc・Br・δが8×10−3T・
[A/m]・m(1000000Oe・G・μm)を超えると、
ヘッドの再生出力が飽和するため、CN比が悪くなる。
【0033】本発明の磁気記録媒体は、少なくともギャ
ップ部端面が強磁性体で構成され、ギャップ長が0.1
0〜0.25μmである磁気ヘッドを用いて信号を記録
・再生する磁気記録媒体として特に好ましく用いられ
る。そのような磁気記録媒体は、具体的には、例えば、
情報機器で使用されるデータバックアップ用の磁気記録
媒体ならびに高画質および高信頼性が要求されるデジタ
ルビデオテープである。
【0034】本発明の磁気記録媒体を使用すれば、少な
くともギャップ部端面が強磁性体で構成され、ギャップ
長が0.10〜0.25μmである磁気ヘッドを用いて
信号を記録・再生する磁気記録方法が実施され得る。当
該方法により記録・再生される本発明の磁気記録媒体
は、高いCN比およびSN比を示し、質の高い再生信号
を与える。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。以下の説明を含む本明細書において、磁気
記録媒体の構成に関して、磁気記録媒体を構成する各層
の「表面」とは、各層が形成されたときに露出している
面、即ち、各層の非磁性基板から遠い側の面を意味す
る。磁気記録媒体の構成に関して、磁気記録媒体を構成
する各層の「上」というときもまた、特に断りのない限
り、各層の非磁性基板から遠い側の面を意味し、反対
に、各層の「下」というときは各層の非磁性基板に近い
側の面を意味する。したがって、例えば、「磁性層の上
に」というときは、「磁性層の非磁性基板から遠い側の
面に隣接する位置に」を意味し、「磁性層の下に」とい
うときは、「磁性層の非磁性基板に近い側の面に隣接す
る位置に」を意味する。
【0036】磁気記録媒体の「磁性層側表面」とは、非
磁性基板の2つの面を基準としたときに磁性層が形成さ
れた側の磁気記録媒体の露出表面をいう。例えば、図4
に示すように非磁性基板の一方の面に形成された磁性層
の上に保護層および潤滑剤層が形成されている場合に
は、潤滑剤層の露出表面が「磁性層側表面」に相当す
る。
【0037】本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板とそ
の一方の表面に形成された磁性層を含む磁気記録媒体で
あって、磁性層が柱状結晶構造を有する強磁性金属薄膜
であり、磁性層の厚さが120nm以下であり、磁性層を
形成する金属粒子の粒径が5〜25nmの範囲内にあり、
磁性層の厚さに対する非磁性基板の厚さの比が30〜6
60の範囲内にある磁気記録媒体である。
【0038】非磁性基板は、可撓性を有する高分子フィ
ルムであることが好ましい。高分子フィルムは、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタ
レート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリイミド
(PI)、ポリ塩化ビニルおよびポリカーボネート等か
ら1または複数の材料を適宜選択して形成される。
【0039】非磁性基板の厚さは、磁性層の厚さに対す
る非磁性基板の厚さの比が30〜660となるように、
磁性層の厚さを考慮して選択する。それにより、磁気記
録媒体と磁気ヘッドとの接触を良好なものとするのに十
分な機械強度および剛性を有する磁気記録媒体が得られ
る。磁性層の厚さに対する非磁性基板の厚さの比は、よ
り好ましくは30〜450、さらにより好ましくは40
〜300である。
【0040】磁気記録媒体の機械強度および剛性はま
た、非磁性基板の材料によっても異なる。例えば、P
A、PEN、PETから成る厚さ5μmのフィルムを比
較した場合、PENから成るフィルムはPETから成る
フィルムの1.4倍、PAから成るフィルムはPETか
ら成るフィルムの1.7倍の強度を有する。また、P
A、PEN、PETから成る同じ厚さのフィルムを用い
て磁気テープを作製し、再生時のSN比を比較すると、
PAを用いたものが最も高く、PETを用いたものが最
も低くなる。これは、非磁性基板の機械強度が大きいほ
どヘッド当たりが良く、電磁変換特性が良好であること
に起因すると考えられる。したがって、機械強度を低下
させることなく、より薄い磁気記録媒体を得ようとする
場合には、PENまたはPAから成るフィルムの使用が
適している。このように、非磁性基板の材料もまた、磁
気記録媒体の用途等に応じて磁気記録媒体の機械強度お
よび剛性を所望のものとするために適切に選択されるこ
とが好ましい。
【0041】非磁性基板の磁性層が形成される面(即
ち、磁性層と接する側の面)には、磁気記録媒体の磁性
層側表面の走行性を向上させるために、SiO、Ti
、AlまたはZrO等の無機物質、あるい
はポリスルホン等の有機物質から成る微粒子が例えば1
μmにつき3〜150個、分散し、固着していること
が好ましい。微粒子は、非磁性基板の表面に、例えば高
さ5〜50nmの表面突起を形成するような形状および寸
法を有することが好ましい。一般に、突起の高さが5nm
未満では良好な走行性を確保することが難しくなり、5
0nmを超えると再生出力のスペーシング損が大きくなり
磁気記録媒体として使用することができない。
【0042】非磁性基板の表面突起は、例えば、前記微
粒子と高分子樹脂(例えば、非磁性基板が高分子フィル
ムである場合には、高分子フィルムを形成する樹脂と同
じ樹脂)とを混合し、この混合物を高分子基板にコーテ
イングすることによって形成できる。あるいは、微粒子
を含む高分子材料でフィルムを製造することによって
も、表面に突起を有する非磁性基板を得ることができ
る。表面突起を有する非磁性基板は、特開平9−164
644号公報および特開平10−261215号公報等
に開示されている。
【0043】本発明の磁気記録媒体において、磁性層は
厚さ120nm以下の強磁性金属薄膜である。磁性層に適
した強磁性金属としては、Fe系金属、Co系金属、お
よびNi系金属がある。本発明においてはCo系金属で
磁性層を形成することが特に好ましい。ここで、「Co
系金属」とは、コバルト、およびコバルトを主成分とし
て好ましくは50原子%以上含む合金をいう。「Fe系
金属」および「Ni系金属」も同様である。
【0044】強磁性金属薄膜は、具体的には、Fe、C
oおよびNi、ならびにCo−Ni、Co−Fe、Co
−Cr、Co−Cu、Co−Pt、Co−Pd、Co−
Sn、Co−Au、Fe−Cr、Fe−Co−Ni、F
e−Cu、Ni−Cr、Fe−Co−Cr、Co−Ni
−Cr、Co−Pt−CrおよびFe−Co−Ni−C
r等の合金から選択される1または複数の材料で形成さ
れる。強磁性金属薄膜は酸素を含んでいてよく、酸素は
これらの金属または合金の酸化物の形態で含まれていて
よい。
【0045】強磁性金属薄膜は、単層膜の形態であって
もよく、あるいは多層膜の形態であってもよい。いずれ
の形態においても強磁性金属薄膜の全厚は、好ましくは
150nm以下、より好ましくは120nm以下である。強
磁性金属薄膜(即ち記録層)の厚さをこの程度とするこ
とにより、ギャップ長が0.10〜0.25μmの磁気
ヘッド(例えば、MIGヘッド)を用いて、高い記録周
波数(例えば、20MHz以上)で高密度記録を最適に実
施でき、記録された信号をギャップ長が0.10〜0.
25μmの磁気ヘッド(例えば、MRヘッド等)で良好
に再生できる。磁性層の厚さが大きくなると、ノイズレ
ベルはそのままで出力が飽和するためにノイズレベルが
相対的に高くなり、再生出力のCN比が小さくなる。1
20nmという厚さは、前記範囲のギャップ長を有する磁
気ヘッド(特にMRヘッド)を用いる場合に出力が飽和
する厚さにほぼ相当する。
【0046】さらに、磁性層の厚さは、磁性層の厚さに
対する非磁性基板の厚さの比が上記範囲内にあるよう
に、非磁性基板の厚さを考慮して選択される。したがっ
て、例えば非磁性基板の厚さが予め決められている場合
には、磁性層の厚さを調節して、磁性層の厚さに対する
非磁性基板の厚さの比が上記範囲内にあるようにする。
【0047】磁性層の厚さの好ましい下限値は、使用す
る磁気ヘッドの特性および記録波長等に応じて決定さ
れ、磁気記録媒体の記録再生特性および剛性等に悪影響
を及ぼさない限りにおいて薄くすることができる。した
がって、磁性層の厚さは10nm以下としてもよい。磁性
層の厚さは、熱揺動が無視できなくなる厚さ(約5nm)
まで薄くすることも可能である。
【0048】磁性層の厚さは、一般に好ましくは3〜1
50nm、より好ましくは5〜120nm、さらにより好ま
しくは10〜120nmである。磁性層の厚さは、具体的
には磁気記録媒体に記録した信号を再生する磁気ヘッド
の種類に応じて決定される。磁気記録媒体がMRヘッド
を用いて再生するものである場合、磁性層の厚さは10
〜100nmであることが好ましい。磁気記録媒体がGM
R(Giant Magneto Resistive)ヘッドまたはTMR(T
unneling Magneto Resistive)ヘッドを用いて再生する
ものである場合、磁性層の厚さは8〜80nmであること
が好ましい。
【0049】本発明の磁気記録媒体において、強磁性金
属薄膜である磁性層は、粒径が5〜25nmの範囲内にあ
る金属粒子から成る。
【0050】強磁性金属薄膜は、好ましくは斜方蒸着法
により形成される。斜方蒸着は、真空蒸着槽内におい
て、適当な支持体上を移動する非磁性基板上に、所定の
高入射角成分から低入射角成分の金属蒸気流を蒸着する
ことによって実施される。非磁性基板は、キャン状回転
支持体またはベルト状支持体上を移動させる。強磁性金
属薄膜内に酸素を存在させる場合には、僅かに酸素を導
入した雰囲気下で蒸着を実施する。
【0051】強磁性金属を非磁性基板の表面に斜方蒸着
させると、非磁性基板の表面には、柱状に斜め方向に成
長した結晶から成る強磁性金属薄膜が形成される。例え
ば、酸素を導入した雰囲気下でCoを斜方蒸着すると、
CoとCoOとが混合した粒塊が集合して成る柱状結晶
が形成される。
【0052】金属粒子(または粒塊)の粒径は、磁性層
の厚さが大きいほど大きくなる傾向にある。したがっ
て、磁性層の厚さを調節することで、粒径を調節するこ
とが可能である。あるいは、粒径は斜方蒸着の諸条件を
変えることによって調節できる。例えば、最小入射角を
大きくして、金属がより高い入射角で蒸着されるように
すれば、粒径を大きくできる。酸素を導入した雰囲気下
で蒸着を実施すると、粒径は大きくなる傾向にある。酸
素の導入量をより多くすると、粒径はより大きくなる。
酸素に代えて又は酸素とともに他のガスを導入すること
によっても、粒径を調節できる。一般に、ガスを導入し
た雰囲気下で蒸着を実施すると、粒径は大きくなる傾向
にある。
【0053】非磁性基板の表面に金属および/または金
属酸化物から成る下地層を形成し、下地層の上に磁性層
を形成すると、磁性層を形成する金属粒子の粒径は小さ
くなる傾向にある。したがって、下地層は金属粒子の粒
径を小さくするために好ましく形成される。下地層は、
磁性層を構成する金属と同じ結晶構造をとる金属および
/またはその酸化物で形成することが好ましい。磁性層
は非磁性金属および磁性金属のいずれで形成してもよ
い。下地層は、例えば真空蒸着法によって形成される。
金属酸化物を含む下地層は、例えば、酸素を導入して金
属を真空蒸着させることにより形成される。
【0054】例えば、Coで磁性層を形成する場合、先
に蒸着される部分(磁性層の下側部分)に含まれる酸素
の量が多くなるように酸素を導入すれば、CoOを含む
下地層の上に形成されたCoの磁性層を形成できる。こ
の方法によれば、1つの蒸着装置で簡易に下地層を形成
できる。この方法でCoOを含む下地層を形成するに
は、酸素を導入するノズルの数、ノズルと非磁性基板と
の間の距離、および酸素を供給する際の流量等を調節す
る必要がある。具体的には、蒸着開始点に酸素導入ノズ
ルを設けて局所的に酸素を導入すれば、1つの蒸着装置
内で1つの蒸着源を使用して下地層および磁性層を形成
できる。
【0055】本発明の磁気記録媒体においては、磁気記
録媒体の磁気特性を調節して、良好な電磁変換特性を確
保することが好ましい。本発明においては、磁気記録媒
体の磁気特性を表す指標の1つとして、磁気記録媒体の
保磁力Hcと磁性層の厚さδの積を採用する。本発明に
おいてはまた、磁気記録媒体の磁気特性を表す別の指標
として、磁気記録媒体の保磁力Hcと残留磁束密度Br
と磁性層の厚さδの積Hc・Br・δを採用する。
【0056】本発明の磁気記録媒体においては、磁気記
録媒体の保磁力Hcと磁性層の厚さδの積が0.7×1
−3〜20×10−3[A/m]・mの範囲内にある
ことが好ましい。また、本発明の磁気記録媒体において
は、磁気記録媒体の保磁力Hcと残留磁束密度Brと磁
性層δの積が0.25×10−3〜8×10−3T・
[A/m]・mの範囲内にあることが好ましい。
【0057】磁気記録媒体の保磁力は、磁性層を構成す
る強磁性金属の保磁力および磁性層の厚さのほか、斜方
蒸着時の条件を調節することによっても調節することが
できる。具体的には、斜方蒸着時の入射角、ならびに酸
素を導入する場合には酸素を導入する方法および導入量
等により、磁気記録媒体の保磁力を調節できる。
【0058】一般に、酸素を導入して磁性層を形成する
と、得られる磁気記録媒体の保磁力は大きくなる傾向に
ある。酸素導入ノズルと非磁性基板との間の距離、およ
びガスを導入する角度(ガスの流れと非磁性基板とがな
す角度)を調節することによっても保磁力を変化させ得
る。
【0059】蒸着時の最小入射角を小さくして、金属が
より高い入射角で蒸着されるようにすれば、保磁力Hc
は大きくなる傾向にある。また、Co金属又はCoおよ
びCrを含む合金にPt、PdまたはMoを添加したも
ので磁性層を形成すると、磁気記録媒体の保磁力Hcは
大きくなる傾向にある。本発明においては、磁気記録媒
体の保磁力を大きくするために採用されているその他の
手段を任意に使用できる。
【0060】磁気記録媒体の保磁力はまた、磁性層の下
に下地層を設けることによっても調節できる。下地層
は、具体的には先に磁性層を構成する金属粒子の粒径に
関連して説明したものと同じである。磁性層と同じ結晶
構造を有する下地層を形成すると、磁気記録媒体の保磁
力は大きくなる傾向にある。
【0061】磁気記録媒体の残留磁束密度は、ガス(例
えば酸素ガス)を導入しながら磁性層を蒸着により形成
する場合に、ガスの流量およびガスを導入するノズルと
非磁性基板との間の距離を調節することによって調節で
きる。例えば、ガスの流量が多いほど、残留磁束密度は
小さくなる傾向にある。ガスを導入する角度を調節する
ことによっても残留磁束密度を調節できる。例えば、ガ
スを金属蒸気流の低入射角成分に導入する場合、ガスの
流れが非磁性基板と平行となる方向にガスを導入すれ
ば、ガスが進行するにつれて非磁性基板から遠ざかる方
向にガスを導入する場合よりも、残留磁束密度は小さく
なる傾向にある。ガスが進行するにつれて非磁性基板に
近づく方向に(即ち、ガスが非磁性基板と衝突するよう
に)ガスを金属蒸気流の低入射角成分に導入すれば、残
留磁束密度はさらに小さくなる傾向にある。
【0062】磁気記録媒体の残留磁束密度はまた、蒸着
時の入射角を調節することによっても調節できる。例え
ば、最小入射角を小さくして、金属がより高い入射角で
蒸着されるようにすれば、残留磁束密度は大きくなる傾
向にある。
【0063】上記において説明した手段を1または複数
適宜選択することによって、磁気記録媒体の磁気特性を
所望のものとすることが好ましい。例えば、本発明の磁
気記録媒体は、ガス(好ましくは酸素ガス)を2ヶ所以
上から磁性金属の蒸気流に導入しながら磁性金属を蒸着
させて磁性層を形成することにより好ましく製造され
る。ガスは、下地層が形成されるように、蒸着開始点付
近および蒸着終了点付近の2箇所から導入することが好
ましい。その場合、蒸着開始点付近からは、非磁性基板
までのガスの流れと非磁性基板との間で形成される角度
であって、非磁性基板の進行方向の後側に形成される角
度が60〜150°となるように、酸素を導入すること
が好ましい。蒸着終了点付近からは非磁性基板と平行な
方向に非磁性基板の進行方向とは反対の方向に向かって
酸素を導入することが好ましい。酸素導入ノズルと非磁
性基板との間の距離は、いずれも15〜100mm程度と
することが好ましいが、これに限定されない。
【0064】本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板の磁
性層が形成された面とは反対の面に補強層が形成された
ものであってよい。補強層は磁気記録媒体の剛性をより
大きくする。したがって、磁気記録媒体が磁気テープで
ある場合には、補強層を設けることによって、磁気テー
プと磁気ヘッドとの接触状態をより良好にし得る。
【0065】補強層は、実質的に非磁性体であることを
要する。即ち、補強層は、磁界内で実質的に磁化されな
いものである。補強層は、具体的には、マンガン、亜
鉛、アルミニウム、銅、チタン、スズ、鉄、ニッケル、
コバルトおよびクロムから選択される1または複数の金
属の酸化物を含むものであることが好ましい。特にアル
ミニウムは、それ自体が非磁性体であること、ならびに
低融点であり、蒸着で補強層を形成する場合には基板等
に与える熱的なダメージを小さくし得ることから、好ま
しく用いられる。補強層は、好ましくは、Al等の金属
を酸素雰囲気下で非磁性基板に真空蒸着することにより
形成される。
【0066】補強層の厚さは、非磁性基板の材料および
厚さ、磁性層の厚さ、ならびに補強層を形成する材料等
に応じて、磁気記録媒体に所望の剛性が付与されるよう
に選択される。
【0067】以上、本発明の磁気記録媒体を構成する非
磁性基板、磁性層、および補強層について説明したが、
上記において特に言及しなかった要素は、常套的に採用
されている材料および方法を用いて構成することができ
る。
【0068】例えば、磁性層の上(磁性層の上に非磁性
層が形成されている場合には非磁性層の上)に保護層を
形成し、必要に応じて保護層の上に更に潤滑剤層を形成
してもよい。
【0069】保護層は、例えば、スパッタリングもしく
はプラズマCVD等の方法で得られる、アモルファス
状、グラファイト状もしくはダイヤモンド状の炭素から
成る炭素膜、あるいはそれらの炭素を混合および/また
は積層して形成した炭素膜である。
【0070】本発明では特にダイヤモンド状の炭素、す
なわちダイヤモンドライクカーボン(Diamond Like Car
bon;DLC)で保護層を形成することが好ましい。D
LCは適度な硬度を有するため、磁気記録媒体の損傷を
抑制するとともに磁気ヘッドの損傷をも抑制することが
できることから、最も好ましい材料である。いずれの材
料を用いて保護層を形成する場合も、保護層の厚さは1
〜50nmであることが好ましい。
【0071】潤滑剤層を形成する潤滑剤は、磁気記録媒
体用の潤滑剤として汎用されているものから任意に選択
できる。潤滑剤は、例えば、パーフルオロポリエーテル
等のフッ素系潤滑剤または炭化水素系潤滑剤であること
が好ましい。潤滑剤層は、潤滑剤以外の成分として、例
えば極圧剤および/または防錆剤等を含んでよい。潤滑
剤層は、例えば、潤滑剤を適当な溶媒に溶解または分散
させた塗布液を保護層(保護層が形成されていない場合
には磁性層)の上に塗布した後、溶媒を蒸発させること
によって形成できる。潤滑剤層の厚さは一般に0.05
〜50nmである。
【0072】本発明の磁気記録媒体には、記録再生装置
における走行性を向上させるために、非磁性基板を介し
て磁性層と対向するようにバックコート層を設けてよ
い。補強層が非磁性基板の磁性層が形成されている面と
は反対の面に形成されている場合、バックコート層は補
強層の上に形成される。バックコート層は、ポリウレタ
ン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、ポリエステル系樹
脂(例えばバイロン)、カーボンおよび炭酸カルシウム
等から選択される1種または複数種の材料を、適当な溶
媒(例えば、トルエンとメチルエチルケトンの混合溶
媒)に溶解および/または分散させた塗布液を、非磁性
基板の磁性層が形成された面とは反対の表面(当該表面
に補強層が形成されている場合は補強層の表面)に塗布
した後、乾燥して溶媒を蒸発させる湿式塗布法により形
成できる。このようにしてバックコート層を形成する場
合、その厚さは100〜500nmとすることが好まし
い。
【0073】本発明の磁気記録媒体は、その磁性層が適
当な寸法の金属粒子で構成され、高密度記録に適した厚
さおよび磁気特性を有する強磁性金属薄膜であることを
特徴とする。この特徴により、本発明の磁気記録媒体に
は、ギャップ長の狭い磁気ヘッドを用いて、短い記録波
長で信号を記録でき、記録した信号は良好に再生され得
る。したがって、本発明の磁気記録媒体を用いれば、高
記録密度化によりその記録容量をより向上させた磁気記
録媒体製品(例えば、ケースに収容された磁気テープ)
を得ることができる。
【0074】さらに、本発明の磁気記録媒体は従来の磁
気記録媒体と比較して磁性層の厚さを小さくしたもので
あるから、磁気記録媒体の製造において使用する磁性金
属の量を従来と比較して少なくし得る。したがって、本
発明の磁気記録媒体は、より少ない資源およびコストで
製造可能なものである。
【0075】本発明の磁気記録媒体への記録は、少なく
ともギャップ部端面が強磁性体で構成され、ギャップ長
が0.10〜0.25μmである磁気ヘッドを用いて最
適に実施される。ギャップ長が狭くなるとヘッドそのも
のの加工精度が悪くなって信号の再生処理が難しくな
る。そのため、ギャップ長が0.10μm未満の磁気ヘ
ッドを使用すると、再生時の出力が低下するとともにノ
イズが高くなり、CN比が小さくなる。一方、ギャップ
長が0.25μmを超えると高密度記録を実施できな
い。
【0076】本発明の磁気記録媒体への記録は、具体的
には、MIGヘッドおよびLAMヘッドのようなインダ
クティブヘッドを使用して実施することが好ましい。こ
れらのヘッドで記録した信号は、ギャップ長が記録ヘッ
ドと同じであるMRヘッド、GMR(Giant Magneto Re
sistive)ヘッド、TMR(Tunneling Magneto Resisti
ve)ヘッド等、大容量の磁気記録媒体の記録再生装置に
用いられている磁気ヘッドを使用して再生することが好
ましい。これらのヘッドはそれぞれ種々の型に更に分類
される。本発明の磁気記録媒体に対しては、いずれの型
のものも好ましく使用できる。例えば、MRヘッドに
は、SALバイアス型、デュアルストライプ型および縦
型等があるが、いずれの型のものも使用できる。
【0077】このように、本発明の磁気記録媒体を用い
れば、少なくともギャップ部端面が強磁性体で構成さ
れ、ギャップ長が0.10〜0.25μmである磁気ヘ
ッドを用いて信号を記録する磁気記録方法を好ましく実
施できる。この方法によれば、大量の信号を、質の高い
再生信号が得られるように記録することが可能である。
【0078】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0079】(試験例1)図4に示す断面構造を有する
磁気記録媒体を作製した。図1に示すようにして、非磁
性基板上に強磁性金属薄膜を形成した。非磁性基板とし
て、厚さ6.3μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルムを使用した。このフィルムの片面には、
SiOから成る直径15nmの微粒子が1μm当り5
0個分散し、固着していた。また、強磁性金属としてC
o金属を用意した。
【0080】上部および下部冷却回転ドラム(106a、1
06b)を冷却する冷媒の設定温度は−20℃とした。非
磁性基板(101)は送り軸(102)にセットし、蒸着時の
ライン速度を200m/分に設定して、ニップローラ
(104)、上部冷却回転ドラム(106a)、板状ベルト
(108)、下部冷却回転ドラム(106b)を経て巻取り軸
(110)で巻き取るようにした。エンドレスベルト(10
8)の傾斜角(θ)は磁性金属(114)の溶解面(本試験
例においては水平面に相当)に対し55°とした。
【0081】真空蒸着は、強磁性金属であるCo(11
4)に電子ビーム(112)を照射して、Coを溶解および
蒸発させ、下方より斜方蒸着されるようにして実施し
た。金属蒸気流の広がりは2つの遮蔽板(116,120)に
より制限し、最大入射角(β)87°から最小入射角
(α)38°までの成分が蒸着されるようにした。この
とき、立体角(ω)は34°であった。ここで、立体角
(ω)は、金属蒸気流の最小入射角(α)および最大入
射角(β)を規定する2つの線分の間に形成される角度
であり、金属蒸気流の広がりを示している。
【0082】蒸着中、酸素ガスを、遮蔽板(116,120)
に近接して設けたノズル(118,122)から金属蒸気流に
導入し、強磁性金属薄膜中に酸素が含まれるようにし
た。使用したノズルはいずれも、直径1mmの小孔がフィ
ルム幅の1.2倍の長さにわたって等間隔に50個形成
されたパイプであって、小孔からガスが吐出されるもの
であった。蒸着開始点付近に位置するノズル(122)と
PETフィルム(101)との間の距離は40mmとした。
蒸着終了点付近に位置するノズル(118)とPETフィ
ルム(101)との間の距離は20mmとした。酸素のガス
圧は156kPa(1.6Kgf/cm)に設定した。ノズ
ル(122)からは0.2リットル/分の流量で非磁性基
板(101)に向かって非磁性基板と90°の角度をなす
方向に酸素を導入した。ノズル(118)からは4リット
ル/分の流量で非磁性基板(101)の進行方向とは反対
側の方向に向かって非磁性基板と平行な方向に酸素を導
入した。蒸着は強磁性金属薄膜の厚さが100nmとなる
ように実施した。
【0083】磁性層(強磁性金属薄膜)を形成した後、
強磁性金属薄膜の表面に保護層としてDLC膜を設け、
更にDLC膜の上に潤滑剤層を形成した。非磁性基板の
補強層が形成された面とは反対の面には厚さ400nmの
バックコート層を形成した。バックコート層はポリウレ
タン樹脂をメチルエチルケトンに溶解して調製した塗布
液を塗布した後、乾燥してメチルエチルケトンを蒸発さ
せることにより形成した。このようにして得た磁気記録
媒体をスリッティングしてテープとし、カセットに組み
込んで、性能評価用のサンプルを作製した。
【0084】(試験例2)図2に示す装置を用いて、非
磁性基板上に強磁性金属薄膜を形成した。非磁性基板と
して、厚さ4.5μmのポリエチレンナフタレート(P
EN)フィルムを使用した。このフィルムの片面には、
ポリスルホンから成る直径10nmの微粒子が1μm
り70個分散し、固着していた。強磁性金属としてCo
金属を使用した。
【0085】非磁性基板(201)は送り軸(202)にセッ
トし、蒸着時のライン速度を200m/分に設定して、
冷却回転ドラム(206)を経て巻取り軸(210)で巻き取
るようにした。
【0086】冷却回転ドラム(206)を冷却する冷媒の
設定温度は−25℃とした。真空蒸着は、電子ビーム
(212)を使用して試験例1と同様にして実施した。金
属蒸気流の広がりは2つの遮蔽板(216,220)により制
限し、最大入射角(β)85°から最小入射角(α)4
0°までの成分が蒸着されるようにした。立体角(ω)
は18°であった。
【0087】蒸着中、156kPa(1.6Kgf/cm
の酸素ガスを、遮蔽板(216,220)に近接して設けたノ
ズル(218,222)から金属蒸気流に導入した。使用した
ノズルはいずれも、試験例1で使用したものと同じノズ
ルである。蒸着開始点付近に位置するノズルノズル(22
2)とPENフィルム(201)との間の距離は60mmと
し、蒸着終了点付近に位置するノズルノズル(218)と
PENフィルム(201)との間の距離は30mmとした。
ノズル(222)からは非磁性基板に向かって非磁性基板
(201)と90°の角度をなす方向に、0.2リットル
/分の流量で酸素を導入した。ノズル(218)からは、
非磁性基板(201)の進行方向とは逆向きの方向に(即
ち、ガスのフローと非磁性基板(201)との間に形成さ
れる角度を0°として)、2リットル/分の流量で酸素
を導入した。蒸着により厚さ100nmの磁性層が形成さ
れた。
【0088】磁性層を形成した後、試験例1と同様にし
て、保護層および潤滑剤層を形成するとともに、試験例
1と同様にして厚さ400nmのバックコート層を形成
し、磁気記録媒体を得た。それから、この磁気記録媒体
をスリッティングしてテープとし、カセットに組み込ん
で、性能評価用のサンプルを作製した。
【0089】(試験例3)非磁性基板として、一方の表
面にSiOから成る直径12nmの微粒子が1μm
り30個分散し固着している、厚さ4μmのポリアラミ
ドフイルム(PA)を用いたこと以外は、試験例1と同
様にして磁気記録媒体を作製した。
【0090】(試験例4)非磁性基板として、試験例1
で使用したPETフィルムと同じPETフィルムを用
い、蒸着時のライン速度を290m/分とすることによ
り磁性層の厚さを70nmとしたこと以外は、試験例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0091】(試験例5)非磁性基板として、試験例1
で使用したPETフィルムと同じPETフィルムを用
い、蒸着時のライン速度を167m/分とすることによ
り磁性層の厚さを120nmとしたこと以外は、試験例1
と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0092】(試験例6)非磁性基板として、試験例1
で使用したPETフィルムと同じPETフィルムを用
い、蒸着時のライン速度を500m/分とすることによ
り磁性層の厚さを40nmとしたこと以外は、試験例1と
同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0093】(試験例7)非磁性基板として、厚さ4.
5μmのPETフィルムを用い、試験例1と同様にして
厚さ100nmの磁性層を形成した。次いで、磁性層が形
成された面とは反対の面に、アルミニウムを酸素雰囲気
中にて真空蒸着することにより、厚さ400nmの酸化ア
ルミニウムから成る補強層を形成した。次に、磁性層の
表面に試験例1と同様にして保護層および潤滑剤層を形
成し、磁気記録媒体を得た。それから、この磁気記録媒
体をスリッティングしてテープとし、カセットに組み込
んで、性能評価用のサンプルを作製した。
【0094】(試験例8)図3に示す装置を用いて、非
磁性基板上に強磁性金属薄膜を形成した。本試験例では
非磁性基板として、試験例1で使用したものと同一のポ
リエステル(PET)フィルムを使用し、強磁性金属と
してCo金属を使用した。非磁性基板(301)は送り軸
(302)にセットし、蒸着時のライン速度を90m/分
に設定して、冷却回転ドラム(306)を経て巻取り軸(3
10)で巻き取るようにした。
【0095】冷却回転ドラム(306)を冷却する冷媒の
設定温度は−20℃とした。真空蒸着は、電子ビーム
(312)を使用して試験例1と同様にして実施した。金
属蒸気流の広がりは2つの遮蔽板(316,320)により制
限し、最大入射角(β)90°から最小入射角(α)4
0°までの成分が蒸着されるようにした。立体角(ω)
は16°であった。
【0096】蒸着中、蒸着終了点付近に設けたノズル
(318)から、156kPa(1.6Kgf/cm)の酸素
ガスを2リットル/分の流量で金属蒸気流に導入した。
使用したノズルは、試験例1で使用したものと同じであ
る。ノズル(318)とPETフィルム(301)との間の距
離は30mmとした。ノズル(318)からは、非磁性基板
(301)の進行方向と平行であり、かつ進行方向と逆向
きに酸素を導入した。蒸着は、強磁性金属薄膜の厚さが
150nmとなるように実施した。磁性層を形成した後、
試験例1と同様にして保護層および潤滑剤層を形成し、
性能評価用のサンプルを作製した。
【0097】(試験例9)蒸着時のライン速度を162
m/分とし、最大入射角(β)90°から最小入射角
(α)52°までの成分が蒸着されるように蒸着を実施
して、厚さ100nmの磁性層を形成したことを除いて
は、試験例8と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0098】(試験例10)蒸着時のライン速度を20
00m/分とし、各ノズルからの酸素の流量をそれぞれ
4分の1にしたことを除いては、試験例2と同様にして
磁気記録媒体を作製した。
【0099】(試験例11)蒸着時のライン速度を40
0m/分にし、各ノズルからの酸素の流量をそれぞれ2
分の1にしたことを除いては、試験例3と同様にして磁
気記録媒体を作製した。
【0100】各試験例で得られたサンプルの性能を評価
した。サンプルの性能は、以下の方法に従って評価し
た。
【0101】[磁気記録媒体の全厚] 市販の厚み計
(商品名:ミリトロン、FEINPRUH社製)を用い、磁気記
録媒体を10枚重ねた状態で厚さを測定し、その厚さか
ら全厚を求めた。
【0102】[磁性層の厚さ] テープの破断面の透過
型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率500,000)か
ら求めた。
【0103】[金属粒子の粒径] 原子間力顕微鏡(A
FM)で、磁性層表面1μm当たりの粒子の数を測定
し、1μmを粒子の数で除して、粒子1個あたりの面
積を近似的に求め、この面積から粒径(粒子の直径)を
算出した。この測定を場所を変えて10箇所で実施し
て、粒径を算出した。10箇所で算出した粒径の平均を
金属粒子の粒径とした。
【0104】[磁気特性] 東英工業株式会社製の振動
型磁力計(型番VSM)を用いて、磁気記録媒体の残留
磁束密度および保磁力を測定した。測定した残留磁束密
度Br、保磁力Hc、および磁性層の厚さδから、Hc
・δおよびHc・Br・δを求めた。
【0105】[電磁変換特性] DV用シリンダーにギ
ャップ長0.2μmのMRヘッドおよびMIGヘッドを
搭載して、相対速度10.2m/s、トラック幅6μ
m、最大記録周波数50MHz(最短記録波長0.2μ
m)で信号をMIGヘッドで記録し、記録した信号をM
Rヘッドで再生してノイズを測定した。電磁変換特性
は、試験例8で得たサンプルのCN比(キャリア20M
Hzおよび40MHz)を基準(0dB)とし、各試験例で
得たサンプルの相対値(基準値との差に相当する値)を
比較することにより、評価した。
【0106】表1に各試験例で得たサンプルの性能を示
す。
【0107】
【表1】
【0108】表1に示すように、試験例1〜7で得た磁
気記録媒体は、いずれも試験例8(従来品に相当)と比
べて、CN比が大きく優れた電磁変換特性を示した。
【0109】例えば試験例1のサンプルと試験例8のサ
ンプルは、20MHzでのCN比は8dB、40MHz
でのCN比は23dB違う。試験例8のサンプルは磁性
層の厚さが180nmと大きいために、磁性層の厚さが小
さい試験例1のサンプルよりも剛性が大きい。したがっ
て、試験例8のサンプルはヘッドと良好に接触し、試験
例1のサンプルよりも優れた電磁変換特性を示すと予想
された。しかし、試験例1のサンプルは磁性層の厚さが
高密度記録に適したものであるために、試験例8のサン
プルよりも優れた電磁変換特性を示していると考えられ
る。
【0110】試験例9のサンプルは、金属粒子の粒径が
大きいために、同じ構成の試験例1のサンプルと比較し
て電磁変換特性が悪くなっている。試験例10および試
験例11のサンプルは、Hc・Br・δの値が0.22
×10−3T・[A/m]・mおよび0.23×10−3
T・[A/m]・mと小さいために、それぞれ試験例2お
よび3のサンプルと比較して電磁変化特性が劣る。
【0111】試験例1のサンプルと同じ構成の磁気記録
媒体であって磁性層の厚さが異なる複数の磁気記録媒体
についてCN比を測定した。その結果、MRヘッドとの
組み合わせでは短波長域、特に40MHzでのCN比は
磁性層の厚さが100nmであるときにピークに達し、磁
性層がそれより厚くなると減少することが確認された。
【0112】ギャップ長0.22μmのMIGヘッドお
よびMRヘッドを用いて同様の評価を行ったところ、磁
性層の厚さが120nm以上になると出力よりノイズの方
が高く、CN比が悪くなる傾向にあった。この傾向は4
0MHzの短波長領域においてさらに顕著に認められた。
磁性層が厚い試験例8のサンプルのCN比は、さらに2
dB低くなる。
【0113】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、強磁性金属薄
膜から成る磁性層の厚さを120nm以下とし、磁性層の
厚さに対する非磁性基板の厚さの比を30〜660と
し、強磁性金属薄膜を構成する金属粒子の粒径を5〜2
5nmとした点に特徴を有する。かかる特徴を有する磁気
記録媒体に狭ギャップ長の磁気ヘッドを使用して短い記
録波長で信号を記録した場合、高出力でノイズが低い安
定した信号が再生される。したがって、本発明の磁気記
録媒体によれば、記録容量が大幅に増加した磁気記録媒
体製品を提供することができる。さらに、本発明の磁気
記録媒体は磁性層の厚さが薄いため、その製造に要する
資源およびコストを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 真空蒸着装置の一例の模式図である。
【図2】 真空蒸着装置の一例の模式図である。
【図3】 真空蒸着装置の一例の模式図である。
【図4】 一般的なMEテープの構成を模式的に示す断
面図である。
【符号の説明】
1...高分子フイルム(非磁性基板) 2...微粒子 3...磁性層(強磁性金属薄膜) 4...保護膜 5...潤滑剤層 6...バックコ−ト層 101,201,301...非磁性基板(高分子フイルム) 102,202,302...送り軸 104...ニップローラ 106a,106b,206,306...冷却回転ドラム 108...ベルト 110,210,310...巻き取軸 112,212,312...電子ビーム 114,214,314...強磁性金属(蒸着源) 116,216,316...遮蔽板(低入射角側) 120,220,320...遮蔽板(高入射角側) 118,218,318...酸素ノズル(低入射角側) 122,222...酸素ノズル(高入射角側)
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Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板とその一方の表面に形成され
    た磁性層を含む磁気記録媒体であって、磁性層が強磁性
    金属薄膜であり、磁性層の厚さが120nm以下であり、
    磁性層を形成する金属粒子の粒径が5〜25nmの範囲内
    にあり、磁性層の厚さに対する非磁性基板の厚さの比が
    30〜660の範囲内にある磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 非磁性基板とその一方の表面に形成され
    た磁性層を含む磁気記録媒体であって、磁性層が柱状結
    晶構造を有する強磁性金属薄膜であり、磁性層の厚さが
    120nm以下であり、磁性層を形成する金属粒子の粒径
    が5〜25nmの範囲内にあり、磁気記録媒体の保磁力H
    cと磁性層の厚さδの積が0.7×10−3〜20×1
    −3[A/m]・mの範囲内にある請求項1に記載の
    磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性基板とその一方の表面に形成され
    た磁性層を含む磁気記録媒体であって、磁性層が柱状結
    晶構造を有する強磁性金属薄膜であり、磁性層の厚さが
    120nm以下であり、磁性層を形成する金属粒子の粒径
    が5〜25nmの範囲内にあり、磁気記録媒体の保磁力H
    cと残留磁束密度Brと磁性層の厚さδの積が0.25
    ×10−3〜8×10−3T・[A/m]・mの範囲内に
    ある請求項1または請求項2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 非磁性基板が高分子フイルムである請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 非磁性基板の磁性層が形成された面とは
    反対の面に形成された補強層を有する請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 補強層が金属酸化物を含む請求項5に記
    載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 磁性層が真空蒸着法により形成されたも
    のである請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録
    媒体。
  8. 【請求項8】 磁性層が、酸素ガスを非磁性基板の蒸着
    開始点付近および蒸着終了点付近にて金属蒸気流に導入
    しながら真空蒸着法により形成されたものである請求項
    1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 磁性層の上に保護層として形成された炭
    素膜、および炭素膜の上に形成された潤滑剤層を更に含
    む請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 非磁性基板を介して磁性層と対向する
    バックコート層を更に有する請求項1〜9のいずれか1
    項に記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 少なくともギャップ部端面が強磁性体
    で構成され、ギャップ長が0.10〜0.25μmであ
    る磁気ヘッドを用いて信号を記録・再生するために使用
    される請求項1〜10のいずれか1項に記載の磁気記録
    媒体。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の磁気記録媒体に、
    少なくともギャップ部端面が強磁性体で構成され、ギャ
    ップ長が0.10〜0.25μmである磁気ヘッドを用
    いて信号を記録・再生する磁気記録・再生方法。
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