JP2002215159A - 音響データ作成装置および音響データ作成方法、並びに、電子楽器およびその楽音発生方法。 - Google Patents

音響データ作成装置および音響データ作成方法、並びに、電子楽器およびその楽音発生方法。

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JP2002215159A
JP2002215159A JP2001006192A JP2001006192A JP2002215159A JP 2002215159 A JP2002215159 A JP 2002215159A JP 2001006192 A JP2001006192 A JP 2001006192A JP 2001006192 A JP2001006192 A JP 2001006192A JP 2002215159 A JP2002215159 A JP 2002215159A
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waveform
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JP2001006192A
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Inventor
Jiro Tanaka
二朗 田中
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アコースティック楽器の共鳴音を含む演奏音
を的確に模倣可能な音響データを作成できる音響データ
作成装置および音響データ作成方法、並びに、ダンパー
オン/オフに拘わらず、アコースティック楽器について
の的確な模倣音を発生できる電子楽器およびその楽音発
生方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 演奏時に発生する演奏音に基本音とそれ
に依存する共鳴音が含まれるアコースティック楽器につ
いての音を模倣して発音するために、基本音の波形を発
生し、共鳴音の波形を発生し、基本音に関する基本音エ
ンベロープ制御により、基本音の波形に基づいて基本音
による発音を制御し、共鳴音に関する共鳴音エンベロー
プ制御により、キーオフ後の共鳴音が基本音より長く発
音するように、共鳴音の波形に基づいて共鳴音による発
音を制御することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響データ作成装
置および音響データ作成方法、並びに、電子楽器および
その楽音発生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子楽器では、アコースティック
楽器(原楽器)の演奏音にできる限り近い音を出す試み
が種々行われている。特にアコースティックピアノは、
特有の共鳴音を持っていて、それが大きな特徴となって
いるため、電子楽器のピアノ系の音では、アコースティ
ックピアノの共鳴音を模倣する努力が為されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アコーステ
ィックピアノの特徴として、任意の1の鍵(キー)を離
鍵(キーオフ)したとき、低音の一部の弦を除いては、
その弦の振動はすぐに止まり、その弦の振動によって励
振された他の弦による共鳴音が残るという性質がある。
従来の電子楽器では、この点、単にリリースを長めにす
るだけであり、本質的に共鳴音の効果まで反映させたも
のではない。また、ダンパーオン時(すなわち弦からダ
ンパーが離れている状態)における共鳴音に着目したも
のはあっても、ダンパーオフ時(すなわち弦にダンパー
が触れている状態)における共鳴音は、何ら考慮されて
いない。
【0004】本発明は、アコースティック楽器の共鳴音
を含む演奏音を的確に模倣可能な音響データを作成でき
る音響データ作成装置および音響データ作成方法、並び
に、ダンパーオン/オフに拘わらず、アコースティック
楽器についての的確な模倣音を発生できる電子楽器およ
びその楽音発生方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の音響
データ作成装置は、演奏時に発生する演奏音に基本音と
それに依存する共鳴音が含まれるアコースティック楽器
についての音を模倣するための音響データを作成する音
響データ作成装置であって、前記アコースティック楽器
の前記共鳴音を含む演奏音を、自然音としてサンプリン
グして、前記自然音の波形を表現する自然音波形データ
を生成する自然音波形データ生成手段と、前記アコース
ティック楽器の前記共鳴音を抑止した演奏音を、前記基
本音としてサンプリングして、前記基本音の波形を表現
する基本音波形データを生成する基本音波形データ生成
手段と、前記自然音波形データから前記基本音波形デー
タを差し引いた差分の波形データを、共鳴音波形データ
として生成する共鳴音波形データ生成手段と、前記基本
音波形データおよび前記共鳴音波形データを、前記音響
データとして記憶する音響データ記憶手段と、を備えた
ことを特徴とする。
【0006】また、請求項3の音響データ作成方法は、
演奏時に発生する演奏音に基本音とそれに依存する共鳴
音が含まれるアコースティック楽器についての音を模倣
するための音響データを作成するために、前記アコース
ティック楽器の前記共鳴音を含む演奏音を、自然音とし
てサンプリングして、前記自然音の波形を表現する自然
音波形データを生成し、前記アコースティック楽器の前
記共鳴音を抑止した演奏音を、前記基本音としてサンプ
リングして、前記基本音の波形を表現する基本音波形デ
ータを生成し、前記自然音波形データから前記基本音波
形データを差し引いた差分の波形データを、共鳴音波形
データとして生成し、前記基本音波形データおよび前記
共鳴音波形データを、前記音響データとして記憶するこ
とを特徴とする。
【0007】この音響データ作成装置および音響データ
作成方法では、演奏時に発生する演奏音に基本音とそれ
に依存する共鳴音が含まれるアコースティック楽器(例
えばアコースティックピアノ)についての音を模倣する
ための音響データを作成するために、共鳴音波形データ
を直接生成はできないので、自然音波形データと基本音
波形データとをサンプリングにより生成し、それらの差
分として共鳴音波形データを生成し、基本音波形データ
とともに記憶する。これにより、基本音と共鳴音とを個
別に模倣可能な音響データとなる。すなわち、アコース
ティック楽器の共鳴音を含む演奏音を的確に模倣可能な
音響データを作成できる。
【0008】また、請求項1の音響データ作成装置にお
いて、前記基本音は弦の振動による弦音であり、前記共
鳴音には、前記基本音を発した弦の振動によって励振さ
れた他の弦の振動による音が含まれ、前記基本音波形デ
ータは、前記他の弦の振動を抑止したときの演奏音をサ
ンプリングして生成されたものであることが好ましい。
【0009】この音響データ作成装置では、基本音は弦
の振動による弦音であり、共鳴音には、基本音を発した
弦の振動によって励振された他の弦の振動による音が含
まれ、基本音波形データは、他の弦の振動を抑止したと
きの演奏音をサンプリングして生成されたものである。
すなわち、例えば1鍵毎に対応する各弦音を基本音と
し、その弦により励振された他の弦の振動による音が共
鳴音に含まれるアコースティックピアノなどのアコース
ティック楽器の共鳴音を含む演奏音を的確に模擬可能な
音響データを作成できる。
【0010】また、請求項4の電子楽器は、演奏時に発
生する演奏音に基本音とそれに依存する共鳴音が含まれ
るアコースティック楽器についての音を模倣して発音可
能な電子楽器であって、前記基本音の波形を発生する基
本音波形発生手段と、前記共鳴音の波形を発生する共鳴
音波形発生手段と、前記基本音に関する基本音エンベロ
ープ制御により、前記基本音の波形に基づいて前記基本
音による発音を制御する基本音エンベロープ制御手段
と、前記共鳴音に関する共鳴音エンベロープ制御によ
り、キーオフ後の前記共鳴音が前記基本音より長く発音
するように、前記共鳴音の波形に基づいて前記共鳴音に
よる発音を制御する共鳴音エンベロープ制御手段と、を
備えたことを特徴とする。
【0011】また、請求項9の電子楽器の楽音発生方法
は、演奏時に発生する演奏音に基本音とそれに依存する
共鳴音が含まれるアコースティック楽器についての音を
模倣して発音するために、前記基本音の波形を発生し、
前記共鳴音の波形を発生し、前記基本音に関する基本音
エンベロープ制御により、前記基本音の波形に基づいて
前記基本音による発音を制御し、前記共鳴音に関する共
鳴音エンベロープ制御により、キーオフ後の前記共鳴音
が前記基本音より長く発音するように、前記共鳴音の波
形に基づいて前記共鳴音による発音を制御することを特
徴とする。
【0012】この電子楽器およびその楽音発生方法で
は、基本音の波形を発生させて基本音に関する基本音エ
ンベロープ制御を行うとともに、共鳴音の波形を発生さ
せて基本音とは独立して共鳴音に関する共鳴音エンベロ
ープ制御を行うことにより、ダンパーオン/オフに拘わ
らず、アコースティック楽器についての的確な模倣音を
発生できる。また、キーオフ後の共鳴音が基本音より長
く発音するように、共鳴音による発音を制御するので、
アコースティックピアノのように基本音より共鳴音が長
く響く楽器についての的確な模倣音を発生できる。
【0013】また、請求項4の電子楽器において、前記
基本音波形発生手段は、前記基本音の波形を表現する基
本音波形データを記憶する基本音波形データ記憶手段
と、前記基本音波形データを読み出して前記基本音の波
形を発生する基本音波形データ読出手段と、を有し、前
記共鳴音波形発生手段は、前記共鳴音の波形を表現する
共鳴音波形データを記憶する共鳴音波形データ記憶手段
と、前記共鳴音波形データを読み出して前記共鳴音の波
形を発生する基本音波形データ読出手段と、を有するこ
とが好ましい。
【0014】この電子楽器およびその楽音発生方法で
は、基本音の波形を表現する基本音波形データと、共鳴
音の波形を表現する共鳴音波形データとを記憶するの
で、基本音と共鳴音とを個別に模倣可能な音響データを
記憶することになる。また、これらを任意の時点で読み
出すだけで基本音の波形や共鳴音の波形を容易に発生で
きる。
【0015】また、請求項5の電子楽器において、前記
アコースティック楽器は、鍵盤楽器であり、前記基本音
波形データは、所定の第1鍵域毎に記憶され、前記共鳴
音波形データは、前記第1鍵域の複数倍に相当する第2
鍵域毎に記憶され、読み出された基本音波形データの鍵
域に応じて、読み出し周波数を調整して読み出されるこ
とが好ましい。
【0016】この電子楽器では、模倣すべきアコーステ
ィック楽器は、鍵盤楽器であり、基本音波形データは、
所定の第1鍵域毎(例えば3鍵毎)に記憶されるが、共
鳴音波形データは、その複数倍(例えば2倍または3
倍)に相当する第2鍵域毎(例えば6鍵毎や9鍵毎)に
記憶される。一般に、共鳴音には基本音ほど高調波が含
まれないので、読み出し周波数を調整することで対応可
能な共通使用の鍵域を広げても支障はなく、その分、記
憶すべきデータ量が減少するので、メモリ容量を節約で
きる。
【0017】また、請求項4ないし6のいずれかの電子
楽器において、前記基本音エンベロープ制御において、
アタックタイムは10〜20msであり、前記共鳴音エ
ンベロープ制御において、アタックタイムは100〜4
00msであることが好ましい。
【0018】この電子楽器では、基本音エンベロープの
アタックタイムは10〜20ms、共鳴音エンベロープ
のアタックタイムは100〜400msとなるように制
御されるので、基本音の鋭い立ち上がりやそれが共鳴音
側にどのように反映されるかなど、アコースティック楽
器の演奏音を的確に模倣できる。
【0019】また、請求項4ないし7のいずれかの電子
楽器において、前記共鳴音エンベロープ制御において、
ダンパーオン時のエンベロープレベルを、ダンパーオフ
時より高レベルとすることが好ましい。
【0020】この電子楽器では、共鳴音エンベロープの
ダンパーオン時のエンベロープレベルを、ダンパーオフ
時より高レベルとするので、ダンパーオフ時に比べて共
鳴しやすく大きくなり易いダンパーオン時の共鳴音を的
確に模倣できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
音響データ作成装置および音響データ作成方法並びに電
子楽器およびその楽音発生方法を適用した電子楽器につ
いて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。この電
子楽器は、アコースティックピアノを模倣したピアノ系
の音色を楽音として発生可能なものであり、以下では、
そのピアノ系を発音可能な構成、すなわち本発明に直接
関係する音源系の構成に絞って説明する。
【0022】図1に示すように、この電子楽器1では、
制御の中枢を為すCPU2により、鍵盤3やダンパペダ
ル4の動きを検出し、それらの操作情報に基づいて、音
源モジュール8を制御し、その出力をD/Aコンバータ
5およびアンプ6を介してスピーカ7から出力(発音)
する。
【0023】音源モジュール8は、後述の基本音波形デ
ータを記憶する第1波形メモリ81と、同様に後述の共
鳴音波形データを記憶する第2波形メモリ82と、を有
している。
【0024】なお、音源モジュール8には、加算(また
は減算)合成方式、FM音源方式、非線形合成方式等、
あるいはこれらにPCM(Pulse Code Modulation )方
式やアナログ方式を加えた基本的な音源方式の単独型、
または複数組み合わせた複合型、さらには、これらの音
色(波形)をミックス比を変えて作るいわゆるベクトル
シンセサイザ型など、種々の方式の音源を使用すること
ができるが、本実施形態では、DTM(Desk Top Musi
c)等でも主流となっているPCM音源を使用する。
【0025】録音機能を有するPCM音源(いわゆるデ
ィジタル・サンプラー)では、まず、アコースティック
楽器の音などの音声信号を録音して符号化し、録音結果
の音響データとして記憶する。すなわち、A/Dコンバ
ータを介して音声信号(アナログ信号)をA/D変換
(標本化(サンプリング)+量子化(ディジタル化))
してディジタルデータとし、録音結果の音響データとし
て、例えばRAM等に記憶する。また、任意のタイミン
グで再生(プレイバック)できる。すなわち、D/Aコ
ンバータを介して任意のタイミングでD/A変換するこ
とにより、記録された音響データに基づいて発音(音声
信号に変換)できる。もちろん、この音響データ(ディ
ジタルデータ)は、フロッピー(登録商標)ディスク等
にセーブしたり、ロードして発音に利用したりすること
ができる。
【0026】そこで、いわゆるディジタル・サンプラー
等(音響データ作成装置)を用いて、音源モジュール8
の第1波形メモリ81に記憶させる基本音波形データお
よび第2波形メモリ82に記憶させる共鳴音波形データ
を得るための波形編集記憶処理について、以下に説明す
る。
【0027】図2に示すように、この波形編集記憶処理
(T10)では、まず、アコースティックピアノを演奏
し、その演奏音をサンプリングして、「自然音波形デー
タ」をして記憶する(T11)。続いて、打鍵以外の鍵
の弦の全てに、ダンパー以外のミュート用素子(例えば
綿や布等の緩衝材等)を当ててミュートし、弦の部分的
な共振が極力起きない状態にして、基本音をサンプリン
グし、「基本音波形データ」として記憶する(T1
2)。そして、「自然音波形データ」から「基本音波形
データ」を差し引いた差分の波形データを作成して、
「共鳴音波形データ」として記憶する(T13)。
【0028】3鍵毎に上述の処理(T11〜T13)を
繰り返し、3鍵毎の「基本音波形データ」および「共鳴
音波形データ」を音源モジュールの波形メモリに記憶す
る(T14)。より具体的には、3鍵毎の「基本音波形
データ」を音源モジュール8の第1波形メモリ81に、
3鍵毎の「共鳴音波形データ」を音源モジュール8の第
2波形メモリ81に記憶する。これにより、以降、音源
モジュール8を用いて、所望の発音(アコースティック
ピアノを模倣した楽音発生)が可能になる。
【0029】なお、これらの2つの波形データは、サン
プリングしたまま使用するいわゆるワンショットのタイ
プばかりでなく、サスティンからリリースにかけて同一
波形を繰り返し使用するいわゆるヘッドループ処理(あ
るいはループ再生処理)に基づいて使用できるタイプの
ものとしても良い。また、「共鳴音波形データ」につい
ては、メモリ容量節約のため、6鍵毎若しくは9鍵毎程
度でも良い。
【0030】上述のように、この場合のディジタル・サ
ンプラー等(音響データ作成装置)では、「共鳴音波形
データ」を直接生成はできないので、「自然音波形デー
タ」と「基本音波形データ」とをサンプリングにより生
成し、それらの差分として「共鳴音波形データ」を生成
し、「基本音波形データ」とともに記憶することによ
り、基本音と共鳴音とを個別に模倣可能な音響データと
なる。したがって、この波形編集記憶処理(T10)で
は、アコースティック楽器の共鳴音を含む演奏音を的確
に模倣可能な音響データを作成できる。
【0031】次に、図1の説明に戻り、鍵盤3の鍵が操
作(キーオン)されると、音源モジュール8では、ま
ず、操作された鍵域に対応する基本音波形データを、C
PU2からの指示に従って第1アドレス発生器83を介
して第1波形メモリ81から読み出し、乗算器87に供
給する。また、同様に、その鍵域に対応する共鳴音波形
データを、CPU2からの指示に従い第2アドレス発生
器84を介して第2波形メモリ82から読み出して乗算
器88に供給する。
【0032】また、鍵盤3の鍵やダンパペダル4の操作
に対応して、CPU2から第1エンベロープ発生器85
および第2エンベロープ発生器86にアタック、ディケ
イ等のパラメータを供給する。また、操作(キーオン)
された鍵が離されたとき(キーオフされたとき)には、
同様に、CPU2から第1エンベロープ発生器85およ
び第2エンベロープ発生器86にリリースパラメータを
供給する。
【0033】これらにより、第1エンベロープ発生器8
5および第2エンベロープ発生器86では、それぞれエ
ンベロープ波形Env1およびエンベロープ波形Env
2を生成して乗算器87および乗算器88に供給する。
続いて、音源モジュール8では、これらの乗算器87、
88の出力を加算器89により加算して出力とし、後段
のD/Aコンバータ5およびアンプ6を介してスピーカ
7から発音する。
【0034】例えば図3(a)に示すように、ダンパペ
ダル4の離鍵状態(ダンパーオフ時:すなわち弦にダン
パーが触れている状態)では、基本音側のエンベロープ
波形Env1は、押鍵(キーオン)に同期して鋭い立ち
上がりをし(例えばアタックタイム10〜20ms程
度)、その後、ディケイ1およびディケイ2を通して徐
々に減衰する。また、離鍵(キーオフ)に伴ってリリー
スに入り、高速に減衰する。また、共鳴音側のエンベロ
ープ波形Env2は、キーオンに同期してゆっくり立ち
上がり(例えばアタックタイム100〜400ms)、
そのディケイ1を通して殆ど減衰せず、キーオフに伴っ
てリリースに入り、1〜3秒程度かけてゆっくり減衰す
る。
【0035】一方、例えば同図(b)に示すように、ダ
ンパペダル4を操作している場合(ダンパーオン時:す
なわち弦からダンパーが離れている状態)では、エンベ
ロープ波形Env1は、キーオンからディケイ2までは
上記同図(a)のダンパーオフ時と同様であるが、その
後、キーオフしてもリリースに移行しないで、ディケイ
2を維持する。また、エンベロープ波形Env2は、上
記同図(a)のダンパーオフ時と同様にキーオンに同期
してゆっくり立ち上がるが、さらに高レベルまで立ち上
がり、アタック後にディケイ1に移行しても殆ど減衰せ
ず、キーオフしてもリリースに移行しないで、ディケイ
1を維持する。
【0036】上述のように、電子楽器1では、ダンパー
オン/オフに拘わらず、基本音の波形を(ここでは第1
波形メモリ81から読み出すことにより)発生させてそ
れをエンベロープ制御するとともに、共鳴音の波形を
(ここでは第2波形メモリ82から読み出すことによ
り)発生させてそれを基本音とは独立してエンベロープ
制御することにより、アコースティックピアノ(アコー
スティック楽器)についての的確な模倣音を発生でき
る。特に、キーオフ後の共鳴音を基本音より長く発音さ
せることができるので、アコースティックピアノのよう
に基本音より共鳴音が長く響く楽器についての的確な模
倣音を発生できる。
【0037】また、上述のように、基本音波形データお
よび共鳴音波形データをそれぞれ記憶しておくことによ
り、これらを任意の時点で読み出すだけで基本音の波形
や共鳴音の波形を容易に発生できる。また、この場合、
前述のように、基本音波形データは、所定の第1鍵域毎
(例えば3鍵毎)に記憶し、共鳴音波形データは、その
複数倍(例えば2倍または3倍)に相当する第2鍵域毎
(例えば6鍵毎や9鍵毎)に記憶するようにしても良
い。一般に、共鳴音には基本音ほど高調波が含まれない
ので、読み出し周波数を調整することで対応可能な共通
使用の鍵域を広げても支障はなく、その分、記憶すべき
データ量が減少するので、メモリ容量を節約できる。
【0038】また、上述のように、エンベロープ波形
(基本音エンベロープ)Env1のアタックタイムは1
0〜20ms、エンベロープ波形(共鳴音エンベロー
プ)Env2のアタックタイムは100〜400msと
なるように制御されるので、基本音の鋭い立ち上がりや
それが共鳴音側にどのように反映されるかなど、アコー
スティックピアノ(アコースティック楽器)の演奏音を
的確に模倣できる。また、エンベロープ波形(共鳴音エ
ンベロープ)Env2のダンパーオン時のエンベロープ
レベルを、ダンパーオフ時より高レベルとするので、ダ
ンパーオン時に比べて共鳴しやすく大きくなり易いダン
パーオン時の共鳴音を的確に模倣できる。
【0039】なお、本実施形態では、前述のように、P
CM音源としたので、基本音波形データおよび共鳴音波
形データをそれぞれ記憶して読み出すことにより、基本
音および共鳴音の波形を発生したが、その他の方式の音
源においては、個別に合成して発生させることなども可
能である。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、
適宜変更も可能である。
【0040】
【発明の効果】上述のように、本発明の音響データ作成
装置および音響データ作成方法によれば、アコースティ
ック楽器の共鳴音を含む演奏音を的確に模倣可能な音響
データを作成でき、また、本発明の電子楽器およびその
楽音発生方法によれば、ダンパーオン/オフに拘わら
ず、アコースティック楽器についての的確な模倣音を発
生できる、などの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る本発明の一実施形態
に係る音響データ作成装置および音響データ作成方法並
びに電子楽器およびその楽音発生方法を適用した電子楽
器の音源系を示すブロック図である。
【図2】波形編集記憶処理(操作)の一例を示すフロー
チャートである。
【図3】ダンパオン/オフ時におけるエンベロープ制御
の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電子楽器 2 CPU 3 鍵盤 4 ダンパペダル 5 D/Aコンバータ 6 アンプ 7 スピーカ 8 音源モジュール 81 第1波形メモリ 82 第2波形メモリ 85 第1エンベロープ発生器 86 第2エンベロープ発生器 Env1、Env2 …… エンベロープ波形

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演奏時に発生する演奏音に基本音とそれ
    に依存する共鳴音が含まれるアコースティック楽器につ
    いての音を模倣するための音響データを作成する音響デ
    ータ作成装置であって、 前記アコースティック楽器の前記共鳴音を含む演奏音
    を、自然音としてサンプリングして、前記自然音の波形
    を表現する自然音波形データを生成する自然音波形デー
    タ生成手段と、 前記アコースティック楽器の前記共鳴音を抑止した演奏
    音を、前記基本音としてサンプリングして、前記基本音
    の波形を表現する基本音波形データを生成する基本音波
    形データ生成手段と、 前記自然音波形データから前記基本音波形データを差し
    引いた差分の波形データを、共鳴音波形データとして生
    成する共鳴音波形データ生成手段と、 前記基本音波形データおよび前記共鳴音波形データを、
    前記音響データとして記憶する音響データ記憶手段と、
    を備えたことを特徴とする音響データ作成装置。
  2. 【請求項2】 前記基本音は弦の振動による弦音であ
    り、 前記共鳴音には、前記基本音を発した弦の振動によって
    励振された他の弦の振動による音が含まれ、 前記基本音波形データは、前記他の弦の振動を抑止した
    ときの演奏音をサンプリングして生成されたものである
    ことを特徴とする、請求項1に記載の音響データ作成装
    置。
  3. 【請求項3】 演奏時に発生する演奏音に基本音とそれ
    に依存する共鳴音が含まれるアコースティック楽器につ
    いての音を模倣するための音響データを作成するため
    に、 前記アコースティック楽器の前記共鳴音を含む演奏音
    を、自然音としてサンプリングして、前記自然音の波形
    を表現する自然音波形データを生成し、 前記アコースティック楽器の前記共鳴音を抑止した演奏
    音を、前記基本音としてサンプリングして、前記基本音
    の波形を表現する基本音波形データを生成し、 前記自然音波形データから前記基本音波形データを差し
    引いた差分の波形データを、共鳴音波形データとして生
    成し、 前記基本音波形データおよび前記共鳴音波形データを、
    前記音響データとして記憶することを特徴とする音響デ
    ータ作成方法。
  4. 【請求項4】 演奏時に発生する演奏音に基本音とそれ
    に依存する共鳴音が含まれるアコースティック楽器につ
    いての音を模倣して発音可能な電子楽器であって、 前記基本音の波形を発生する基本音波形発生手段と、 前記共鳴音の波形を発生する共鳴音波形発生手段と、 前記基本音に関する基本音エンベロープ制御により、前
    記基本音の波形に基づいて前記基本音による発音を制御
    する基本音エンベロープ制御手段と、 前記共鳴音に関する共鳴音エンベロープ制御により、キ
    ーオフ後の前記共鳴音が前記基本音より長く発音するよ
    うに、前記共鳴音の波形に基づいて前記共鳴音による発
    音を制御する共鳴音エンベロープ制御手段と、を備えた
    ことを特徴とする電子楽器。
  5. 【請求項5】 前記基本音波形発生手段は、 前記基本音の波形を表現する基本音波形データを記憶す
    る基本音波形データ記憶手段と、 前記基本音波形データを読み出して前記基本音の波形を
    発生する基本音波形データ読出手段と、 を有し、 前記共鳴音波形発生手段は、 前記共鳴音の波形を表現する共鳴音波形データを記憶す
    る共鳴音波形データ記憶手段と、 前記共鳴音波形データを読み出して前記共鳴音の波形を
    発生する基本音波形データ読出手段と、を有することを
    特徴とする、請求項4に記載の電子楽器。
  6. 【請求項6】 前記アコースティック楽器は、鍵盤楽器
    であり、 前記基本音波形データは、所定の第1鍵域毎に記憶さ
    れ、 前記共鳴音波形データは、前記第1鍵域の複数倍に相当
    する第2鍵域毎に記憶され、読み出された基本音波形デ
    ータの鍵域に応じて、読み出し周波数を調整して読み出
    されることを特徴とする、請求項5に記載の電子楽器。
  7. 【請求項7】 前記基本音エンベロープ制御において、
    アタックタイムは10〜20msであり、 前記共鳴音エンベロープ制御において、アタックタイム
    は100〜400msであることを特徴とする、請求項
    4ないし6のいずれかに記載の電子楽器。
  8. 【請求項8】 前記共鳴音エンベロープ制御において、
    ダンパーオン時のエンベロープレベルを、ダンパーオフ
    時より高レベルとすることを特徴とする、請求項4ない
    し7のいずれかに記載の電子楽器。
  9. 【請求項9】 演奏時に発生する演奏音に基本音とそれ
    に依存する共鳴音が含まれるアコースティック楽器につ
    いての音を模倣して発音するために、 前記基本音の波形を発生し、 前記共鳴音の波形を発生し、 前記基本音に関する基本音エンベロープ制御により、前
    記基本音の波形に基づいて前記基本音による発音を制御
    し、 前記共鳴音に関する共鳴音エンベロープ制御により、キ
    ーオフ後の前記共鳴音が前記基本音より長く発音するよ
    うに、前記共鳴音の波形に基づいて前記共鳴音による発
    音を制御することを特徴とする電子楽器の楽音発生方
    法。
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