JP2002213993A - 非接触型位置センサ - Google Patents

非接触型位置センサ

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JP2002213993A JP2001015392A JP2001015392A JP2002213993A JP 2002213993 A JP2002213993 A JP 2002213993A JP 2001015392 A JP2001015392 A JP 2001015392A JP 2001015392 A JP2001015392 A JP 2001015392A JP 2002213993 A JP2002213993 A JP 2002213993A
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恭範 松川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相手側回動軸の正方向および逆方向の回転に
より出力信号にヒステリシスが生じるということのない
特性の向上した非接触型位置センサを提供することを目
的とする。 【解決手段】 第1の磁性体11における第1の磁気検
出部13と第2の磁性体20における第2の磁気検出部
24との間に位置して磁気検出素子27を設け、第1の
磁石16におけるN極17から第1の磁性体11、第2
の磁石18におけるS極19、第2の磁石18における
N極22および第2の磁性体20を介して第1の磁石1
6に戻る磁力線の流れが第1の被検出部材32および第
2の被検出部材33に作用する磁力線と独立することと
なり、回動軸31の正方向および逆方向の回転により出
力信号にヒステリシスが生じることのない構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気の変化により
回転位置を検出する非接触型位置センサに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の非接触型位置センサとし
ては、特開平2−240585号公報に開示されたもの
が知られている。
【0003】以下、従来の非接触型位置センサについ
て、図面を参照しながら説明する。
【0004】図5は従来の非接触型位置センサの分解斜
視図、図6は同側断面図である。
【0005】図5、図6において、1はN極とS極を有
する磁石である。2は第1の磁性体で、磁石1を固着し
ている。3は第2の磁性体で、一端部3aを第1の磁性
体2の一端部2aと対向する位置に設けている。4は磁
気検出素子で、第2の磁性体3の側面に設けられるとと
もに、磁石1と対向する位置に設けられている。5は樹
脂製のケースで、磁石1、第1の磁性体2、第2の磁性
体3および磁気検出素子4を内側に収納するとともに、
コネクタ部6を設けており、そしてこのコネクタ部6に
は一体にコネクタ端子7を設け、さらにこのコネクタ端
子7は一端をケース5の内側に配設するとともに、他端
を外方へ向かって突出させている。また、ケース5にお
けるコネクタ端子7の一端は磁気検出素子4から引き出
されたリード端子8と電気的に接続されている。9は樹
脂製の蓋で、ケース5の開口部を閉塞している。
【0006】以上のように構成された従来の非接触型位
置センサについて、次にその動作を説明する。
【0007】上記従来の非接触型位置センサは、第1の
磁性体2の一端部2aと第2の磁性体3の一端部3aが
対向するギャップ部および磁石1と磁気検出素子4が対
向するギャップ部に、相手側回動軸からなる被検出部材
10aに垂直方向に取り付けられ、かつ被検出部材10
aと一体に回転する磁束線シャッター10bが挿入さ
れ、そして、この磁束線シャッター10bのラジアル方
向への移動により磁気検出素子4に到達する磁石1の磁
束密度が変化し、この磁束密度の変化を磁気検出素子4
により出力信号として出力し、そしてこの出力信号をリ
ード端子8およびコネクタ部6におけるコネクタ端子7
を介して相手側コンピュータ等(図示せず)に出力し、
被検出部材10aの回転角度を検出するものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成においては磁石1および磁気検出素子4との間
に磁力線シャッター10bが挿入され回転する構成とな
っているため、磁力線シャッター10bの回転方向によ
り磁力線シャッター10bが磁石1の磁力線により電磁
誘導され、その結果、図7(a)に示すように、磁力線
シャッター10bが正方向に回転する場合には磁力線シ
ャッター10bがN極の磁気を帯びるとともに、磁力線
シャッター10bが逆方向に回転する場合には図7
(b)に示すように、磁力線シャッター10bがS極の
磁気を帯びるから、磁力線シャッター10bの回転方向
により磁気検出素子4に加わる磁力線が変化することと
なり、これにより、被検出部材10aの正方向への回転
と逆方向への回転とでは出力が変化するため、非接触型
位置センサの出力特性にヒステリシスが生じてしまうと
いう課題を有していた。
【0009】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、相手側回動軸の正方向および逆方向の回転により出
力信号にヒステリシスが生じることのない特性の向上し
た非接触型位置センサを提供することを目的とするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は以下の構成を有するものである。
【0011】本発明の請求項1に記載の発明は、被検出
部材を前記第1の磁性体および第2の磁性体における一
端側と前記第1の磁性体および第2の磁性体における他
端側との近傍を移動させるようにしたもので、第1の磁
性体における第1の磁気検出部と第2の磁性体における
第2の磁気検出部との間に位置して磁気検出素子を設け
たため、第1の磁石におけるN極から第1の磁性体、第
2の磁石におけるS極、第2の磁石におけるN極および
第2の磁性体を介して第1の磁石におけるS極に戻る磁
力線の流れが被検出部材に作用する磁力線の流れと独立
することとなり、被検出部材に第1の磁石および第2の
磁石により電磁誘導によって発生する磁化の影響を直接
に磁気検出素子が検出することができないという作用を
有するものである。
【0012】請求項2に記載の発明は、第1の磁性体お
よび第2の磁性体をく字形状とし、第1の磁性体および
第2の磁性体における一端側が前記回動軸の回動中心に
対して互いに同心円上に配設されるとともに、第1の磁
性体および第2の磁性体における他端側が前記回動軸の
回動中心に対して互いに同心円上に配設されたもので、
この構成によれば、被検出部材の移動する方向が第1の
磁性体および第2の磁性体における一端側および他端側
に発生する磁力線の方向と垂直になるから、第1の磁性
体と第2の磁性体との間を通過する磁力線の被検出部材
の移動による変化量が大きくなり、回動軸の回動に伴い
磁気検出素子から出力される出力信号の感度が向上する
という作用を有するものである。
【0013】請求項3に記載の発明は、被検出部材を回
動軸に対して互いに対称な位置に一対設け、一方の被検
出部材が第1の磁性体および第2の磁性体における一端
側から離反すると同時に、他方の被検出部材が前記第1
の磁性体および第2の磁性体における他端側に近接する
ようにしたもので、回動軸の回転に伴い出力が変化しな
い不変の区間がなくなるため、磁気検出素子からの出力
の直線性が向上するという作用を有するものである。
【0014】請求項4に記載の発明は、被検出部材を扇
形状としたもので、第1の磁性体の一端側の上面および
第2の磁性体の一端側の上面の全面にわたって被検出部
材を位置させることができるため、被検出部材に第1の
磁性体および第2の磁性体から多くの磁力線を通過させ
ることとなり、磁気検出素子から出力される出力信号の
感度が向上するという作用を有するものである。
【0015】請求項5に記載の発明は、第1の磁性体に
おける第1の磁気検出部に内側面側へ向かって突出する
第1の凸部を設けるとともに、第2の磁性体における第
2の磁気検出部に外側面側へ向かって突出する第2の凸
部を設けたもので、この構成によれば、第1の磁性体に
おける第1の磁気検出部に内側面側に向って突出する第
1の凸部を設けるとともに、第2の磁性体における第2
の磁気検出部に外側面側へ向かって突出する第2の凸部
を設けたため、第1の凸部および第2の凸部に第1の磁
石および第2の磁石により発生する磁力線が集中するこ
ととなり、磁気検出素子から出力される出力の感度が向
上するという作用を有するものである。
【0016】請求項6に記載の発明は、第1の磁性体に
おける第1の凸部および第2の磁性体における第2の凸
部の内側に凹部を設けたもので、この構成によれば、こ
の凹部に第1の磁石および第2の磁石により発生する磁
力線が通過しないため、第1の磁気検出部および第2の
磁気検出部に磁力線が集中することとなり、磁気検出素
子を通過する磁力線がさらに増加するから、磁気検出素
子から出力される出力信号の感度がさらに向上するとい
う作用を有するものである。
【0017】請求項7に記載の発明は、第1の磁性体に
おける第1の磁気検出部の内側面と第2の磁性体におけ
る第2の磁気検出部の外側面とにより磁気検出素子を挟
持したもので、この構成によれば、磁気検出素子と第1
の磁気検出部および磁気検出素子と第2の磁気検出部と
のクリアランスがなくなるため、磁気検出素子から出力
される出力信号の感度が向上するという作用を有するも
のである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態にお
ける非接触型位置センサについて、図面を参照しながら
説明する。
【0019】図1は本発明の一実施の形態における非接
触型位置センサに被検出部材が配設された状態を示す斜
視図、図2は同非接触型位置センサに被検出部材が配設
された状態を示す分解斜視図である。
【0020】図1、図2において、11はく字形状の第
1の磁性体で、この第1の磁性体11は中間部12の内
側面に第1の磁気検出部13を設けるとともに、この第
1の磁気検出部13に内側面へ向って突出する第1の凸
部14を設け、さらにこの第1の凸部14の内側に凹部
15を設けている。また、この第1の磁性体11の一端
側11aの内側面に、例えばSmCoを主成分とする第
1の磁石16におけるN極17を固着するとともに、第
1の磁性体11における他端側11bに例えばSmCo
を主成分とする第2の磁石18のS極19を固着してい
る。20はく字形状の第2の磁性体で、一端側20aの
外側面に第1の磁石16におけるS極21を固着すると
ともに、他端側20bの外側面に第2の磁石18におけ
るN極22を固着し、かつ、中間部23の外側面に第1
の磁性体11における第1の磁気検出部13と対向する
ように第2の磁気検出部24を設けている。そして、第
1の磁性体11における一端側11aの長さは第2の磁
性体20における一端側20aの寸法より大とするよう
に構成されている。また、第2の磁性体20における第
2の磁気検出部24には外側面へ向かって突出する第2
の凸部25を設け、さらにこの第2の凸部25の内側に
凹部26を設けている。27は例えばホールICからな
る磁気検出素子で、第1の磁性体11における第1の磁
気検出部13と第2の磁性体20における第2の磁気検
出部24とにより挟持されているものである。
【0021】この構成によれば、磁気検出素子27と第
1の磁気検出部13および磁気検出素子27と第2の磁
気検出部24とのクリアランスがなくなるため、磁気検
出素子27から出力される出力信号の感度が向上すると
いう作用を有するものである。
【0022】そして、第1の磁性体11における第1の
磁気検出部13に内側面へ向かって突出する第1の凸部
14を設けるとともに、第2の磁性体20における第2
の磁気検出部24に外側面へ向かって突出する第2の凸
部25を設けたため、第1の凸部14および第2の凸部
25に第1の磁石16および第2の磁石18により発生
する磁力線が集中することとなり、その結果、磁気検出
素子27から出力される出力の感度が向上するから、非
接触型位置センサの出力特性が向上するという作用を有
するものである。
【0023】また、磁気検出素子27には電源端子2
8、出力端子29およびGND端子30が設けられてお
り、この磁気検出素子27における電源端子28は電源
(図示せず)に電気的に接続されるとともに、GND端
子30はGND(図示せず)に電気的に接続され、さら
に出力端子29は、相手側コンピュータ等(図示せず)
に電気的に接続されている。31は金属製の回動軸で、
第2の磁性体20の内側面側に位置して上方から下方に
わたって設けられている。32は扇形状の金属製の第1
の被検出部材で、回動軸31に固着されるとともに、回
動軸31に対して第1の被検出部材32と対称な位置に
第2の被検出部材33を設けており、第1の被検出部材
32および第2の被検出部材33を回動軸31の回動に
伴って回動させている。
【0024】そして、第1の被検出部材32および第2
の被検出部材33を扇形状としたため、第1の磁性体1
1の一端側11aの上面および第2の磁性体20の一端
側20aの上面の全面にわたって第1の被検出部材32
を位置させることができるため、第1の被検出部材32
に第1の磁性体11および第2の磁性体20から多くの
磁力線を通過させることとなり、その結果、磁気検出素
子27からの出力の感度が向上するという作用を有する
ものである。
【0025】さらに、第1の被検出部材32および第2
の被検出部材33を回動軸31に対して互いに対称な位
置に一対設け、第1の被検出部材32が第1の磁性体1
1における一端側11aおよび第2の磁性体20におけ
る一端側20aから離反すると同時に、第2の被検出部
材33が前記第1の磁性体11における他端側11bお
よび第2の磁性体20における他端側20bに近接する
構成としたものである。
【0026】この構成によれば、回動軸31の回転に伴
い出力の変化しない不変の区間がなくなるため、磁気検
出素子27からの出力信号の直線性が向上するという作
用を有するものである。
【0027】そしてまた、前記第1の磁性体11におけ
る一端側11aおよび第2の磁性体20における一端側
20aが回動軸31の回動中心に対して互いに同心円上
に位置するとともに、第1の磁性体11における他端側
11bおよび第2の磁性体20における他端側20bが
前記回動軸31の回動中心に対して互いに同心円上に位
置するように、回動軸31を第2の磁性体20の内側面
側に設けている。
【0028】この構成によれば、第1の被検出部材32
および第2の被検出部材33の移動する方向が第1の磁
性体11の一端側11a、第1の磁性体11の他端側1
1b、第2の磁性体20の一端側20aおよび第2の磁
性体20の他端側20bに発生する磁力線の方向と垂直
になるから、第1の被検出部材32および第2の被検出
部材33の移動による第1の磁性体11と第2の磁性体
20との間を通過する磁力線の変化量が大きくなり、そ
の結果、回動軸30の回動に伴い発生する磁気検出素子
から出力される出力信号の感度が向上するという作用を
有するものである。
【0029】以上のように構成された本発明の一実施の
形態における非接触型位置センサについて、次にその組
立方法を説明する。
【0030】まず、予めく字形状に形成された第1の磁
性体11の中間部に第1の凸部14および凹部15を形
成する。
【0031】次に、第1の磁性体11における一端側1
1aの内側面および他端側11bの内側面に接着剤を塗
布し、一端側11aの内側面に第1の磁石16のN極1
7を固着した後、他端側11bの内側面に第2の磁石1
8におけるS極19を固着する。
【0032】次に、予めく字形状に形成された第2の磁
性体20の中間部23に第2の凸部25および凹部26
を形成する。
【0033】このとき、第2の磁性体20における第2
の凸部25を設け、第2の凸部25の内側に凹部26を
形成したため、この凹部26に第1の磁石16および第
2の磁石18により発生する磁力線が通過し難くなり、
その結果、第2の磁気検出部24に磁力線が集中するか
ら、磁気検出素子27を通過する磁力線が増加すること
となり、これにより、磁気検出素子27における出力端
子29から出力される出力の感度が向上するため、非接
触位置センサの出力特性が向上するという作用を有する
ものである。
【0034】次に、第1の磁石16におけるS極19に
第2の磁性体20における一端側20aを接着剤により
固着するとともに、他端側20bを第2の磁石18にお
けるN極22に接着剤により固着する。
【0035】次に、予め電源端子28、出力端子29お
よびGND端子30が一体に形成された磁気検出素子2
7を第1の磁性体11における第1の磁気検出部13と
第2の磁性体20における第2の磁気検出部24とによ
り挟持する。
【0036】最後に、回動軸31に第1の被検出部材3
2および第2の被検出部材33を固着した後、回動軸3
1を第2の磁性体20の内側に位置して設けるととも
に、被検出部材32を第1の磁性体11における一端側
11aおよび第2の磁性体20における一端側20aの
上方の位置に配設する。
【0037】以上のように構成され、かつ組み立てられ
た本発明の一実施の形態における非接触型位置センサに
ついて、次にその動作を図面を参照しながら説明する。
【0038】磁気検出素子27における電源端子28に
電源(図示せず)を接続するとともに、GND端子30
をGND(図示せず)に接地し、磁気抵抗素子27に5
Vを印加する。そして、第1の被検出部材32および第
2の被検出部材33を固着した回動軸31を回動させ
る。被検出部材31が位置−45degの場合には図3
(a)に示すように、第1の被検出部材32が第1の磁
性体11における一端側11aおよび第2の磁性体20
における一端側20aの上方に位置するとともに、第1
の磁性体11における他端側11bおよび第2の磁性体
20における他端側20bの上方には第2の被検出部材
33が位置しないため、第2の被検出部材による磁気的
な影響がほとんど無いことになり、第1の磁石16にお
けるN極17から生じる磁力線が第1の磁性体11にお
ける一端側11aから第1の被検出部材32、第2の磁
性体20における一端側20aを介して第1の磁石16
におけるS極21に戻ることとなる。また、第2の磁石
18におけるN極22から生じる磁力線は、第2の磁性
体20における他端側20bを介して第2の磁気検出部
24から磁気検出素子27を通過して、第1の磁性体1
1における第1の磁気検出部13に到達し、さらに第1
の磁性体11における他端側11bから第2の磁石18
におけるS極19に戻るものである。そして、磁気抵抗
素子27における出力端子29の出力電圧は図4に示す
ように、約0.7Vになるものである。そしてまた、被
検出部材31が位置0degの場合には、図3(b)に
示すように、第1の被検出部材32と第1の磁性体11
における一端側11aおよび第2の磁性体20における
一端側20aとの距離が、第2の被検出部材33と第1
の磁性体11における他端側11bおよび第2の磁性体
20における他端側20bとの距離に略同一となり、第
1の磁石16におけるN極17から発生する磁力線が第
1の磁性体11における一端側11aから他端側11b
に伝わり、さらに第2の磁石18におけるS極19、N
極22を介して第2の磁性体20における他端側20b
から一端側20aに向かい、第1の磁石16におけるS
極21に戻るようにループすることとなり、その結果、
磁気検出素子27には磁力線が通過しない状態となって
いる。そして、磁気検出素子27における出力端子29
からの出力電圧は図4に示すように、約2.5Vになる
ものである。さらに、被検出部材31が位置45deg
の場合には、図3(c)に示すように、第2の被検出部
材33が第1の磁性体11における他端側11bおよび
第2の磁性体20における他端側20bの上方に位置す
るとともに、第1の磁性体11における一端側11aお
よび第2の磁性体20における一端側20aの上方には
第1の被検出部材32が位置しないため、第1の被検出
部材32による磁気的影響がほとんど無いことになり、
第2の磁石18におけるN極22から生じる磁力線が第
2の磁性体20における他端側20bから第2の被検出
部材33、第1の磁性体11における他端側11bを介
して第2の磁石18におけるS極19に戻ることとな
る。また、第1の磁石16におけるN極17から生じる
磁力線は第1の磁性体11の一端側11aから第1の磁
気検出部13を介して磁気検出素子27を外側面側から
内側面側に向かって通過し、第2の磁性体20における
第2の磁気検出部24、第2の磁性体20における一端
側20aを介して第1の磁石16におけるS極21に戻
るものである。そして、磁気検出素子27における出力
端子29からの出力電圧は約4.3Vになるものであ
る。すなわち、第1の被検出部材32が第1の磁性体1
1における一端側11aおよび第2の磁性体20におけ
る一端側20aの上方に位置する状態においては磁気検
出素子27に対し内側面側から外側面側に向かって磁力
線が通過するのに対して、第2の被検出部材33が第1
の磁性体11における他端側11bおよび第2の磁性体
20における他端側20bの上方に位置する状態におい
ては、磁気検出素子27に対し外側面側から内側面側に
向かって磁力線が通過するようになっている。従って、
回動軸31の回動運動に伴い、図4に示すように、磁気
検出素子27における出力端子29から位置に応じた出
力信号が出力され、この出力信号を相手側コンピュータ
ー等(図示せず)に入力して、回動軸31の回動角度を
検出するものである。
【0039】ここで、第1の被検出部材32が第1の磁
石16および第2の被検出部材33が第2の磁石18の
近傍を通過することにより、第1の被検出部材32およ
び第2の被検出部材33に電磁誘導による磁力が発生す
る場合を考えると、本発明の一実施の形態における非接
触型位置センサにおいては、第1の磁性体11における
第1の磁気検出部13と第2の磁性体20における第2
の磁気検出部24との間に位置して磁気検出素子27を
設けたため、第1の磁石16におけるN極17から第1
の磁性体11、第2の磁石18におけるS極19、第2
の磁石18におけるN極22および第2の磁性体20を
介して第1の磁石16におけるS極21に戻る磁力線の
流れが第1の被検出部材32および第2の被検出部材3
3に流れる磁力線と独立していることとなり、その結
果、第1の被検出部材32および第2の被検出部材33
に電磁誘導により発生する磁化の影響を直接に磁気検出
素子27が検出することが無いから、回動軸31の正方
向および逆方向の回動により磁気抵抗素子27の出力信
号にヒステリシスが生じるということのない特性の向上
した非接触型位置センサを提供できるという効果を有す
るものである。
【0040】また、本発明の一実施の形態における非接
触型位置センサは、第1の磁性体11および第2の磁性
体20をく字形状とし、第1の磁性体11における一端
側11aおよび第2の磁性体20における一端側20a
が回動軸31の回動中心に対して互いに同心円上に配設
されるとともに、第1の磁性体11における他端側11
bおよび第2の磁性体20における他端側20bが回動
軸31の回動中心に対して互いに同心円上に配設したも
のである。
【0041】この構成によれば、第1の被検出部材32
の移動する方向が第1の磁性体11における一端側11
aおよび第2の磁性体20における一端側20aに発生
する磁力線の方向と垂直になるとともに、第2の被検出
部材33の移動する方向が第1の磁性体11における他
端側11bおよび第2の磁性体20における他端側20
bに発生する磁力線の方向と垂直になるから、第1の被
検出部材32および第2の被検出部材33の移動による
第1の磁性体11と第2の磁性体20との間を通過する
磁力線の変化量が大きくなり、その結果、回動軸31の
回動に伴い磁気検出素子27から出力される出力信号の
感度が向上するという作用を有するものである。
【0042】なお、本発明の一実施の形態における非接
触型位置センサにおいては、第1の磁性体11における
第1の磁気検出部13に内側面側へ向かって突出する第
1の凸部14を設けるとともに、第2の磁性体20にお
ける第2の磁気検出部24に外側面側へ向かって突出す
る第2の凸部25を設ける構成としたが、第1の磁気検
出部13および第2の磁気検出部24を平面形状として
も同様の効果を有するものである。
【0043】また、本発明の一実施の形態における非接
触型位置センサにおいては、第1の磁性体11における
第1の磁石16を固着する一端側11aと第2の磁石1
8を固着する他端側11bとの間を中間部12とし、中
間部12の略中央に第1の磁気検出部13を設ける構成
としたが、中間部12における一端側あるいは他端側に
偏った位置に第1の磁気検出部13を設けても同様の効
果を有するものである。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明の非接触型位置セン
サは、中間部の内側面に第1の磁気検出部を設けた第1
の磁性体と、この第1の磁性体における一端側の内側面
にN極を固着した第1の磁石と、前記第1の磁性体にお
ける他端側の内側面にS極を固着した第2の磁石と、一
端側の外側面に前記第1の磁石におけるS極を固着する
とともに他端側の外側面に前記第2の磁石におけるN極
を固着し、かつ中間部の外側面に前記第1の磁性体にお
ける第1の磁気検出部と対向するように第2の磁気検出
部を設けた第2の磁性体と、前記第1の磁性体における
第1の磁気検出部と第2の磁性体における第2の磁気検
出部との間に位置して設けられた磁気検出素子と、前記
第2の磁性体における内側面側に位置して上方から下方
にわたって設けた回動軸と、この回動軸に固着されると
ともに回動軸の回動に伴って回動する被検出部材とを備
え、前記被検出部材を前記第1の磁性体および第2の磁
性体における一端側と前記第1の磁性体および第2の磁
性体における他端側との近傍を移動させるようにしたも
ので、この構成によれば、第1の磁性体における第1の
磁気検出部と第2の磁性体における第2の磁気検出部と
の間に位置して磁気検出素子を設けたため、第1の磁石
におけるN極から第1の磁性体、第2の磁石におけるS
極、第2の磁石におけるN極および第2の磁性体を介し
て第1の磁石におけるS極に戻る磁力線の流れが被検出
部材に作用する磁力線の流れと独立することとなり、そ
の結果、被検出部材に第1の磁石および第2の磁石によ
り電磁誘導によって発生する磁化の影響を直接に磁気検
出素子が検出することがないから、回動軸の正方向およ
び逆方向の回転により出力にヒステリシスが生じるとい
うことのない特性の向上した非接触型位置センサを提供
することができるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における非接触型位置セ
ンサに要部である被検出部材を配設した状態を示す斜視
【図2】同非接触型位置センサに要部である被検出部材
を配設した状態を示す分解斜視図
【図3】(a)(b)(c)同動作状態を示す図
【図4】同要部である検出部材の移動位置と出力電圧の
関係を示す特性図
【図5】従来の非接触型位置センサの分解斜視図
【図6】同側断面図
【図7】同要部である磁気検出素子に対向する位置に相
手側回動軸のシャッターが挿入されて動作する状態を示
す模式図
【符号の説明】
11 第1の磁性体 11a,20a 一端側 11b,20b 他端側 12,23 中間部 13 第1の磁気検出部 14 第1の凸部 15,26 凹部 16 第1の磁石 17,22 N極 18 第2の磁石 19,21 S極 20 第2の磁性体 24 第2の磁気検出部 25 第2の凸部 27 磁気検出素子 31 回動軸 32,33 被検出部材
フロントページの続き (72)発明者 上田 真二郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2F063 AA35 CA06 CA40 DA01 DB07 DD03 GA54 GA61 GA64 GA79 2F077 AA12 JJ01 JJ08 JJ22 UU10 VV33 2G017 AA01 AB03 AD21 AD53

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中間部の内側面に第1の磁気検出部を設
    けた第1の磁性体と、この第1の磁性体における一端側
    の内側面にN極を固着した第1の磁石と、前記第1の磁
    性体における他端側の内側面にS極を固着した第2の磁
    石と、一端側の外側面に前記第1の磁石におけるS極を
    固着するとともに他端側の外側面に前記第2の磁石にお
    けるN極を固着し、かつ中間部の外側面に前記第1の磁
    性体における第1の磁気検出部と対向するように第2の
    磁気検出部を設けた第2の磁性体と、前記第1の磁性体
    における第1の磁気検出部と第2の磁性体における第2
    の磁気検出部との間に位置して設けられた磁気検出素子
    と、前記第2の磁性体における内側面側に位置して上方
    から下方にわたって設けた回動軸と、この回動軸に固着
    されるとともに回動軸の回動に伴って回動する被検出部
    材とを備え、前記被検出部材を前記第1の磁性体および
    第2の磁性体における一端側と前記第1の磁性体および
    第2の磁性体における他端側との近傍を移動させるよう
    に構成した非接触型位置センサ。
  2. 【請求項2】 第1の磁性体および第2の磁性体をく字
    形状とし、前記第1の磁性体および第2の磁性体におけ
    る一端側が前記回動軸の回動中心に対して互いに同心円
    上に配設されるとともに、前記第1の磁性体および第2
    の磁性体における他端側が前記回動軸の回動中心に対し
    て互いに同心円上に配設された請求項1記載の非接触型
    位置センサ。
  3. 【請求項3】 被検出部材を回動軸に対して互いに対称
    な位置に一対設け、一方の被検出部材が前記第1の磁性
    体および第2の磁性体における一端側から離反すると同
    時に、他方の被検出部材が前記第1の磁性体および第2
    の磁性体における他端側に近接する構成とした請求項1
    記載の非接触型位置センサ。
  4. 【請求項4】 被検出部材を扇形状とした請求項1記載
    の非接触型位置センサ。
  5. 【請求項5】 第1の磁性体における第1の磁気検出部
    に内側面側へ向かって突出する第1の凸部を設けるとと
    もに、第2の磁性体における第2の磁気検出部に外側面
    側へ向かって突出する第2の凸部を設けた請求項1記載
    の非接触型位置センサ。
  6. 【請求項6】 第1の磁性体における第1の凸部および
    第2の磁性体における第2の凸部の内側に凹部を設けた
    請求項5記載の非接触型位置センサ。
  7. 【請求項7】 第1の磁性体における第1の磁気検出部
    の内側面と第2の磁性体における第2の磁気検出部の外
    側面とにより磁気検出素子を挟持した請求項1記載の非
    接触型位置センサ。
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