JP2002213580A - ベルト式無段変速機用プーリ部材 - Google Patents

ベルト式無段変速機用プーリ部材

Info

Publication number
JP2002213580A
JP2002213580A JP2001010718A JP2001010718A JP2002213580A JP 2002213580 A JP2002213580 A JP 2002213580A JP 2001010718 A JP2001010718 A JP 2001010718A JP 2001010718 A JP2001010718 A JP 2001010718A JP 2002213580 A JP2002213580 A JP 2002213580A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulley member
pulley
belt
surface shape
transmission belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001010718A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Shimura
好男 志村
Mamoru Toyama
護 遠山
Hideo Tachikawa
英男 太刀川
Shigeru Hotta
滋 堀田
Yuji Nagasawa
裕二 長沢
Masaru Okuyama
勝 奥山
Shunei Omori
俊英 大森
Masataka Osawa
正敬 大澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2001010718A priority Critical patent/JP2002213580A/ja
Publication of JP2002213580A publication Critical patent/JP2002213580A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pulleys (AREA)
  • Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 さらなるトルク容量の増大という要望に応え
るために、摩擦特性改善についての新たな技術が待望さ
れている。 【解決手段】 本発明は、車両用ベルト式無段変速機に
おいて伝動ベルトが巻き掛けられるプーリ部材であっ
て、伝動ベルトと接触する接触領域の表面形状の粗さRz
(十点平均粗さ)が5〜50μmであり、表面形状が所定の
方向性を有する複数の凸条を含むプーリ部材を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベルト式無段変速
機用プーリ部材に関する。特に本発明は、車両用ベルト
式無段変速機に用いられ、伝動ベルトが巻き掛けられる
プーリ部材に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、ベルト式無段変速機(以下で
は、ベルト式CVTという)の変速機部分の構成を示す概
略図である。一般的なベルト式CVTでは、複数の金属ブ
ロックとそれらを束ねるフープによって構成される金属
ベルトと金属プーリとが組み合わされて用いられる。ベ
ルト式CVTでは、主にブロック側面とプーリ側面との間
の摩擦によって動力伝達が行われる。
【0003】図2は、一般的なベルト式CVTの動力伝達
特性を示す図である。ベルト式CVTの伝達特性には、駆
動トルクの増大に伴なって入出力軸間のすべり率が僅か
ずつ増大していくミクロスリップ領域と、大きなすべり
が生じるマクロスリップ領域とが存在することが知られ
ている。マクロスリップ領域では、動力伝達がほとんど
なされず、かつブロックおよびプーリ部材の異常磨耗が
生じる。したがって、このマクロスリップが生じる直前
のトルク値が動力伝達の限界値、すわなちトルク容量と
なる。
【0004】ベルト式CVTのトルク容量は、ブロックま
たはプーリの表面の性状によって左右される。ブロック
またはプーリに関する技術を以下に記載する。
【0005】特開平2-236045号公報は、ブロック側面お
よび/またはプーリ側面の全面積の50%以上を溝が占め
ることを開示する。この場合、溝深さは10μm以上であ
る。
【0006】特開平5-10405号公報は、プーリ側面およ
びブロック側面にショットブラスト処理によってRzが20
μmの凹凸を形成し、かつその表面を平坦化することを
開示する。
【0007】特開平5-157146号公報は、プーリ側面およ
びブロック側面にショットピーニング処理によってRzが
3〜10μmの凹凸を形成することを開示する。
【0008】特開2000-130527号公報は、プーリ側面の
表面粗さを中心線平均粗さRaで0.1〜0.5μmとし、かつ
表面硬さを850Hv以上とすることを開示する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、ベルト式CVTの
大排気量車への適用拡大ならびにエンジン高出力化への
対応などを目的に、さらなるトルク容量の増大が求めら
れている。トルク容量に関しては、プーリとベルトのブ
ロック材との摩擦特性が大きく影響する。これまでに
も、この摩擦特性を改善すべく多くの技術が提案されて
きたが、さらなるトルク容量の増大という要望に応える
ために、摩擦特性改善についての新たな技術が待望され
ている。
【0010】そこで本発明は、上記の課題を解決するこ
とのできるプーリ部材を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、車両用
ベルト式無段変速機において伝動ベルトが巻き掛けられ
るプーリ部材であって、伝動ベルトと接触する接触領域
の表面形状の粗さRz(十点平均粗さ)が5〜50μmであ
り、表面形状が所定の方向性を有する複数の凸条を含む
ことを特徴とする。
【0012】本発明のプーリ部材が含む凸条はプーリ部
材の中心点から放射された放射状の方向性を有し、表面
形状の隣り合う凸条の間隔が、接触領域の最外周部で0.
2mm以上、1.3mm以下の範囲であってもよい。ここで、隣
り合う凸条の間隔の上限が、伝動ベルトを構成するブロ
ック材の回転方向の厚さ以下の範囲であってもよい。
【0013】本発明のプーリ部材が含む凸条はプーリ部
材の中心点を中心とする同心円状の方向性を有し、表面
形状の隣り合う凸条の間隔が、0.2mm以上、1.3mm以下の
範囲であってもよい。ここで、隣り合う凸条の間隔の上
限が、伝動ベルトを構成するブロック材の長手方向の長
さの1/2以下であってもよい。
【0014】本発明のプーリ部材が含む凸条の頂面が平
坦な領域を有し、平坦な領域の面積率が10%以上であっ
てもよい。
【0015】[作用]本発明のプーリ部材を車両用ベルト
式無段変速機に用いることにより、潤滑油の排出性が高
まり、プーリ部材とベルトのブロック材との間の油膜が
減る。これにより、プーリ部材とベルトのブロック材と
の間の接触割合が増大し、摩擦係数が増加する。摩擦係
数の増加により、すべり率が抑制され、トルク容量を大
きくすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を通じて
本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかか
る発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明
されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に
必須であるとは限らない。
【0017】[実施形態1]金属プーリ部材に、高密度エ
ネルギビームとして電子ビームを移動照射することに伴
なう急速溶融・急冷凝固現象を利用して、相手ブロック
材との摩擦面となる部分に凹凸を形成した。処理用プー
リ部材にはS45C(炭素鋼)を用いた。この処理では、高
密度エネルギの電子ビームを照射することにより、ビー
ム照射部の金属表面を溶融し、続いてビーム照射部位を
移動することにより急冷凝固させて、硬質な凹凸を形成
させる。その際、ビームの照射位置を所望の方向に移動
することによって、凹凸形状の方向性を任意に設定でき
る。本実施形態では、図3に示すように、プーリ部材1
に放射状(図3a)および同心円状(図3b)の方向性
を有する凹凸形状を設けた。
【0018】電子ビーム処理は、三菱電機製の電子ビー
ム加工機を用い、加速電圧60kV、ワーキングディスタン
ス300mm、ビーム電流7mAの条件で実施した。プーリ部材
1の凹凸形状は、電子ビームを偏向させ、試料表面の照
射位置を速度23m/minで移動させることによって作製さ
れた。
【0019】作製された表面形状を、触針式粗さ計を用
いて測定した。図4に、照射ビームの移動方向に対して
垂直な方向について測定したプーリ部材1の表面形状を
示す。図4a、図4bは、それぞれ、放射状の凹凸形状
を施した放射状処理品、同心円状の凹凸形状を施した同
心円状処理品の表面形状を示す。表面粗さは、放射状処
理品のRzが12μm(Raが2.7μm)であり、同心円状処理
品のRzが17μm(Raが4.0μm)であった。
【0020】図5は、放射状処理品の表面凹凸の様子を
示す形状像である。本処理条件で形成した凹凸が、断続
的な連なり状となっていることがわかる。また、この凹
凸形状においては、研磨等によって凸部の高さを整える
ことによって、連続的な連なりとすることも可能であ
る。なお、凸部面のマイクロビッカース硬さは、Hv780
であった。
【0021】[比較例1]従来のプーリ部材には、クロム
・モリブデン鋼(SCM鋼)等の肌焼鋼に浸炭焼きいれ焼
き戻しによる表面の硬化処理を施し、摩擦面となる面を
研磨加工したものが用いられている。そこで、比較例と
して、SCM420を浸炭処理(Hv720)し、表面を研削(Rz
が1.3μm、Raが0.3μm)したプーリ部材を用いた。
【0022】[評価方法]金属プーリと自動車用ベルト式
CVTに用いられている金属ベルトとを用い、固定変速比
の摩擦試験機によって、伝達トルク容量を評価した。変
速比は1.0で、入力回転数および軸間荷重(プーリの押
し付け荷重と比例)を一定として、出力側プーリの負荷
するトルクを段階的に上げていきながら、各トルク条件
での入力側プーリと出力側プーリとの回転数差、すなわ
ち、すべり率を測定した。試験条件は、入力回転数が15
00rpm、変速比が1.0、軸間荷重が100kg・f、潤滑油がト
ヨタ自動車純正CVTフルードTC、初期油温が室温であ
る。
【0023】[特性比較]図6は、本発明の実施形態1に
係るプーリ部材1(放射状処理品、および同心円状処理
品)、および従来のプーリ部材について、出力トルク値
に対して、すべり率をプロットしたグラフである。本実
施形態の放射状処理品、および同心円状処理品では、い
ずれも従来のプーリ部材に比べて、同一出力トルク条件
でのすべり率が低く、伝達効率が向上している。
【0024】表1は、すべり率が1.5%となる出力トルク
値を伝達限界トルク値の指標として用い、伝達トルク容
量を比較する表である。本実施形態の処理品では、従来
品に比べて、トルク容量が増大していることがわかる。
処理品の中では、放射状処理品が特にトルク容量の増大
に優れていた。
【0025】
【表1】
【0026】なお、本実施形態では、高密度エネルギビ
ームとして電子ビームを用いたが、レーザビームを用い
てもよい。プーリ部材1の表面硬さとしては、Hv600以
上が好ましい。それ以下では、耐摩耗性が確保できな
い。被処理部材としては、炭素固含有率が0.3%以上の鋼
材があげられ、特に炭素含有率が0.4%以上のものが前述
したHv600以上の硬さを得やすく好ましい。たとえば、S
45C、S55C等の炭素鋼、SK1〜SK7の炭素工具鋼、SCM44
0、SCM445、SCr440、SCr445等の合金鋼、SKD11等の合金
工具鋼などがあげられる。
【0027】凹凸形状としては、Rz(十点平均粗さ)が
5〜50μmの範囲にあることが望ましい。5μm以下では、
潤滑油の排出効果が十分得られず、伝達トルク容量の増
大に寄与しない。一方、50μm以上では、相手ブロック
材への攻撃性、すなわち、相手材のダメージが増大す
る。
【0028】また、凹凸形状は、潤滑油の排出性を十分
なものとするため、方向性を有することが好ましい。
【0029】凸部の間隔については、0.2mm以下ではエ
ネルギビームによって溶融される部位の重なりが生じ、
焼戻し効果によって硬さが低下する。また、凸部の重な
りも生じ、所望の粗さが得られにくくなる。
【0030】放射状に形成した凸部の間隔については、
伝動ベルトを構成するブロック材2のプーリ部材1との
接触面となる部位の下端部厚さ(図7参照)である1.3m
m以下では、ブロック材2が凸部と凸部との間にはまり
込む場合が生じるために、振動が発生する。広義には、
無断変速機に組み合わせて用いられる任意のブロック材
2の厚さ以下とする必要がある。
【0031】一方、同心円状に形成した凸部の間隔につ
いては、ブロック材2のプーリ部材との接触面となる部
位の長さ(図7)である7mmの1/2以下では、ブロック材
2に傾きが生じ、振動の発生および異常磨耗の発生など
の問題を起こす。広義には、無断変速機に組み合わせて
用いられる任意のブロック材2の長さの1/2以下とする
必要がある。
【0032】[実施形態2]図8に示す試験用プーリ部材
3のテーパ面に、高密度エネルギビームとして電子ビー
ムを移動照射することに伴なう急速溶融・急冷凝固現象
を利用して、相手ブロック材との摩擦面(接触面)とな
る部分に凹凸を形成した。プーリ部材には、S45C(炭素
鋼)を用いた。
【0033】図9は、試験用プーリ部材3に設けられた
凹凸形状の概略を示す図である。プーリ部材のテーパ面
に、φ11.4mm〜φ31mmの範囲で0.7mm間隔に、計15本の
同心円状凹凸を形成した。
【0034】電子ビーム処理は、加速電圧が60kV、ワー
キングディスタンスが250mm、ビーム電流が7mA、真空度
が2.7Paの条件で実施した。その際、電子ビームを偏向
させることによって、試料表面の照射位置を速度23m/mi
nで移動させて、凹凸形状に方向性を持たせた。
【0035】上記の処理を施した後、試験用プーリ部材
3のテーパ面と同角度の内円錐面に#400と#1200のエメ
リー紙を貼り付けた構造の研磨機を用いて、試験用プー
リ部材3のテーパ面に平行となるように、凹凸形状の凸
部を研磨した。これによって、試験用プーリ部材3の相
手ブロック材と接触する部位の凸部頂面を平坦化した。
この研磨を段階的に実施することによって、平坦部の面
積を段階的に変化させた。以下では、研磨量が多い順
に、試料1、試料2、試料3と呼ぶ。
【0036】[比較例2]従来のプーリ部材には、クロム
・モリブデン鋼(SCM鋼)等の肌焼鋼に浸炭熱処理によ
る表面の硬化処理を施し、摩擦面となる面を研削加工し
たものが用いられている。比較例として、SCM420を浸炭
処理(Hv810)し、表面を研削(Rzが1.0μm、Raが0.2μ
m)したプーリ部材を用いた(以下では、比較用試料2
と呼ぶ)。
【0037】また、表面研磨の有無の比較のために、実
施形態2の電子ビーム処理を施し、表面研磨を行わない
試料(以下では、比較用試料1と呼ぶ)を用意した。
【0038】[評価方法]図10は、評価に用いた3ブロ
ック型摩擦試験の概略を示す図である。試験用プーリ部
材3の上方から3つの金属ブロック試片を押し付け、試
験用プーリ部材3を回転させた際にプーリとブロック間
に生じる摩擦力を測定した。
【0039】相手金属ブロック試片には、自動車用ベル
ト式CVTに用いられている金属ベルトから取り出したも
のを試験に供した。供試ブロック試片の形状は図7と同
様である。図7に示した斜線部分が試験用プーリ部材と
の接触面となる。供試潤滑油には、市販のトヨタ自動車
純正CVT用フルード(製品名:TC)を用いた。
【0040】試験条件を表2に示す。30分間のなじみ試
験を行った後、各種のすべり速度条件ならびに荷重条件
において摩擦係数を測定した。
【0041】
【表2】
【0042】[各種処理による凹凸形状の比較]図11
は、実施形態2および比較例2のプーリ部材について、
触針式粗さ計を用いて測定した形状を示す図である。実
施形態2の試料1〜3(図11(a)〜(c))では、比較
用試料1(図11(d))と比べて、凸部頂面が平坦化し
ていることがわかる。一方、比較用試料2(図11
(e))の電子ビーム処理を施していない浸炭処理品で
は、面全体が平滑となっている。
【0043】凸部頂面における平坦部面積をSEM写真撮
影ならびに画像解析によって求めた。図12は、実施形
態2および比較例2のプーリ部材のSEM写真ならびに凹
凸形状を2値化した画像を示す図である。図12は、上
から順に、試料1、試料2、試料3、比較用試料2について
のSEM写真(左欄)および凹凸形状の2値化画像(右欄)を
示す。この2値化画像から、平坦部すなわち黒く映った
部位の面積率(以下、平坦化面積率と略記)を求めた。
各プーリ部材の平坦化面積率を表3に示す。また、触針
式粗さ計を用いて測定した表面粗さ、ならびに、マイク
ロビッカース硬度計を用いて測定した平坦面の表面硬さ
を併せて表3に示す。表面硬さは、荷重100gf、押し付
け時間15sにて測定した。
【0044】
【表3】
【0045】[各種凹凸形状に関する摩擦特性の比較]図
13は、各種のすべり速度条件における摩擦係数の測定
結果を示す図である。試料1〜試料3の電子ビーム処理+
研磨品では、電子ビーム処理のみを施した比較用試料1
および電子ビーム処理なしの比較用試料2に比べて、全
体的に高い摩擦係数を示している。試料1〜試料3と比較
用試料1とを比較すると、電子ビーム処理品について
は、平坦化面積率が10%以上となっている場合に、高い
摩擦係数が得られることがわかる。
【0046】次に、図14は、すべり速度を100mm/sで
一定とし、各種の荷重条件における摩擦係数の測定結果
を示す図である。試料1〜試料3の電子ビーム処理+研磨
品では、電子ビーム処理のみを施した比較例1および電
子ビーム処理なしの比較例2に比べて、高い荷重条件に
おいて特に高い摩擦係数が得られることがわかる。
【0047】[各種凹凸形状に関する相手材攻撃性の比
較]摩擦試験に伴なう相手ブロック材の重量減少量を求
めた結果を図15に示す。試料1〜3の電子ビーム処理+
研磨品では、電子ビーム処理のみを施した比較用試料1
に比べて、相手ブロック材の磨耗量が少ない。すなわ
ち、凸部の平坦化によって、相手材への攻撃性(相手材
に与えるダメージ)が低くなることがわかる。
【0048】以上説明したように、高密度エネルギビー
ムによってプーリ部材の表面に、凹凸形状を形成し、さ
らに凸部頂面を平坦化させることによって、高い摩擦係
数を有し、かつ、相手攻撃性の低いプーリ部材が得られ
る。平坦化は、相手部材との接触面となる部位の面積が
10%以上にあることが望ましい。
【0049】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明に
よれば車両用ベルト式無段変速機のトルク容量を増加さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ベルト式無段変速機の変速機部分の構成を示
す概略図である。
【図2】 一般的なベルト式CVTの動力伝達特性を示す
図である。
【図3】 実施形態1のプーリ部材1の形状を示す図で
ある。
【図4】 照射ビームの移動方向に対して垂直な方向に
ついて測定したプーリ部材の表面形状を示す図である。
【図5】 放射状処理品の表面凹凸の様子を示す形状像
を示す図である。
【図6】 実施形態1に係るプーリ部材(放射状処理
品、および同心円状処理品)、および従来のプーリ部材
について、出力トルク値に対して、すべり率をプロット
したグラフを示す図である。
【図7】 ブロック材2の外形を示す図である。
【図8】 実施形態2で用いた試験用プーリ部材3の外
形を示す図である。
【図9】 試験用プーリ部材3に設けられた凹凸形状の
概略を示す図である。
【図10】 評価に用いた3ブロック型摩擦試験の概略
を示す図である。
【図11】 実施形態2および比較例2のプーリ部材に
ついて、触針式粗さ計を用いて測定した形状を示す図で
ある。
【図12】 実施形態2および比較例2のプーリ部材の
SEM写真ならびに凹凸形状を2値化した画像を示す図であ
る。
【図13】 各種のすべり速度条件における摩擦係数の
測定結果を示す図である。
【図14】 すべり速度を100mm/sで一定とし、各種の
荷重条件における摩擦係数の測定結果を示す図である。
【図15】 摩擦試験に伴なう相手ブロック材の重量減
少量を示す図である。
【符号の説明】
プーリ部材 1、ブロック材 2、試験用プーリ部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太刀川 英男 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 堀田 滋 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 長沢 裕二 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 奥山 勝 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大森 俊英 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大澤 正敬 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 3J031 AB03 AC01 AC10 BC02 BC08 CA02 3J050 AA03 BA02 CD08 DA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両用ベルト式無段変速機において伝動
    ベルトが巻き掛けられるプーリ部材であって、 前記伝動ベルトと接触する接触領域の表面形状の粗さRz
    (十点平均粗さ)が5〜50μmであり、 前記表面形状が所定の方向性を有する複数の凸条を含む
    ことを特徴とするプーリ部材。
  2. 【請求項2】 前記凸条はプーリ部材の中心点から放射
    された放射状の方向性を有し、 前記表面形状の隣り合う凸条の間隔が、前記接触領域の
    最外周部で0.2mm以上、1.3mm以下の範囲であることを特
    徴とする請求項1に記載のプーリ部材。
  3. 【請求項3】 前記隣り合う凸条の間隔の上限が、前記
    伝動ベルトを構成するブロック材の回転方向の厚さ以下
    の範囲であることを特徴とする請求項2に記載のプーリ
    部材。
  4. 【請求項4】 前記凸条はプーリ部材の中心点を中心と
    する同心円状の方向性を有し、 前記表面形状の隣り合う凸条の間隔が、0.2mm以上、1.3
    mm以下の範囲であることを特徴とするプーリ部材。
  5. 【請求項5】 前記隣り合う凸条の間隔の上限が、前記
    伝動ベルトを構成するブロック材の長手方向の長さの1/
    2以下であることを特徴とする請求項4に記載のプーリ
    部材。
  6. 【請求項6】 前記凸条の頂面が平坦な領域を有し、 前記平坦な領域の面積率が10%以上であることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれかに記載のプーリ部材。
JP2001010718A 2001-01-18 2001-01-18 ベルト式無段変速機用プーリ部材 Pending JP2002213580A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001010718A JP2002213580A (ja) 2001-01-18 2001-01-18 ベルト式無段変速機用プーリ部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001010718A JP2002213580A (ja) 2001-01-18 2001-01-18 ベルト式無段変速機用プーリ部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002213580A true JP2002213580A (ja) 2002-07-31

Family

ID=18877981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001010718A Pending JP2002213580A (ja) 2001-01-18 2001-01-18 ベルト式無段変速機用プーリ部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002213580A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006095690A1 (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Bando Chemical Industries, Ltd. ベルト伝動装置
US7276002B2 (en) * 2003-10-23 2007-10-02 General Motors Corporation Surface texture configuration for CVT pulley
WO2008026459A1 (fr) 2006-08-30 2008-03-06 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Poulie pour une transmission à variation continue
JP2009068609A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 Toyota Motor Corp 無段変速機用プーリー及び無段変速機

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7276002B2 (en) * 2003-10-23 2007-10-02 General Motors Corporation Surface texture configuration for CVT pulley
WO2006095690A1 (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Bando Chemical Industries, Ltd. ベルト伝動装置
US7780556B2 (en) 2005-03-07 2010-08-24 Bando Chemical Industries, Ltd. Belt drive system
WO2008026459A1 (fr) 2006-08-30 2008-03-06 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Poulie pour une transmission à variation continue
JP2009068609A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 Toyota Motor Corp 無段変速機用プーリー及び無段変速機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100339606C (zh) 轴承轨道部件的制造方法
US7958635B2 (en) Process for producing a pulley for a continuously variable belt drive transmission
KR100389247B1 (ko) 트랙션 구동 회전 조립체 및 이 조립체의 롤링 요소를 제조하는 방법
US9371902B2 (en) Belt-and-pulley-type continuously variable transmission
JPH0230437A (ja) ベルト駆動式無段変速機用ディスクの製法
JP2002213580A (ja) ベルト式無段変速機用プーリ部材
JPH10231908A (ja) トロイダル式無段変速機用転動体およびその製造方法
JPH10115349A (ja) ベルト型無段変速機用板状エレメントおよびベルトならびにベルト型無段変速機
CN103878538B (zh) 液压致动装置的制造方法
WO2015008692A1 (ja) 無段変速機用ベルト
JP2001254808A (ja) バルブリフタ用シムおよびその製造方法
JP4374225B2 (ja) トロイダル型無段変速機
CN113108033B (zh) 带式无级变速机的制造方法
JP4593285B2 (ja) 無段変速機用プッシュベルトの横断要素を製造する方法
JP4839369B2 (ja) 無段変速装置用駆動ベルトとこのような駆動ベルト用の横方向エレメントの製作方法
JPS60109661A (ja) ベルト駆動式無段変速機用ディスク
JP2001349411A (ja) カム駒、およびカムシャフトの製造方法
US7096561B2 (en) Separator plate for wet-type multiplate clutch and wet-type multiplate clutch provided with such separator plates
KR20020082897A (ko) 구름 접촉 부품의 표면을 마무리하는 방법
NL1041641B1 (en) Transverse element provided with a nanocrystalline surface layer for a drive belt for a continuously variable transmission and method for producing it.
JP2002243011A (ja) トラクションドライブ用転動体
JPS61116147A (ja) ベルト式無段変速機用ベルトブロツク
JP2000199546A (ja) 無段変速機用金属ベルトおよびその製造方法
JPS60238234A (ja) ベルト駆動式無段変速機用プ−リの製造方法
JP2003207009A (ja) トラクションドライブ用転動体