JP2003207009A - トラクションドライブ用転動体 - Google Patents

トラクションドライブ用転動体

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JP2003207009A
JP2003207009A JP2002044125A JP2002044125A JP2003207009A JP 2003207009 A JP2003207009 A JP 2003207009A JP 2002044125 A JP2002044125 A JP 2002044125A JP 2002044125 A JP2002044125 A JP 2002044125A JP 2003207009 A JP2003207009 A JP 2003207009A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな動力の伝達が可能であるトラクション
特性に優れたトラクションドライブ用転動体を提供す
る。 【解決手段】 転動面間でトラクションオイルを介在し
て動力を伝達するトラクションドライブ用転動体(入力
ディスク3,出力ディスク5,パワーローラ6)におい
て、駆動側および従動側の少なくとも一方の転動体の動
力を伝達する転動面の表面微細形状に関し、表面粗さ計
を用いて測定されてフィルターを通さずに得られる断面
曲線形状が、溝である凹部と突条である凸部を交互に配
列した形状であると共に、断面曲線の中心線よりも上側
の凸部の形状が、角が丸みを帯びた概略台形状、概略ク
ラウニング形状、概略楕円弧状、概略正弦波状、および
頂部が丸みを帯びた概略三角形状のいずれかであり、凹
凸の波長λと溝深さの半分のAMPの比であるλ/AM
Pが50以上400以下であるものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や産業機械
などの動力伝達装置において、入力軸からの回転をトラ
クションドライブにより無段で変速して出力側に伝達す
るのに利用されるトラクションドライブ型無段変速機に
関するものであり、さらに詳しくは、トラクションオイ
ルを介在させて用いられるトラクションドライブ用転動
体に関し、トラクション特性に優れた転動面の表面形状
を有するトラクションドライブ用転動体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】無段変速機は、動力伝達性能に優れ、ま
た、変速ショックがないことから、多方面で研究されて
いる。この中で、大きな動力を伝達する目的で、トラク
ションオイルを介して転動面同士で動力を伝達する方式
(トラクションドライブ方式:転がり式)のものが研究
されている。
【0003】このトラクションオイルを介して転動面同
士で動力を伝達するトラクションドライブ方式は、高出
力エンジンに対応できる機構を有している。例えば図1
に示すトラクションドライブ方式の無段変速機1の基本
構成は、トラクションオイルを介して接触する金属製転
動体、すなわち、2枚のディスク(入力軸2に固定した
入力ディスク3および出力軸4に固定した出力ディスク
5)に挟まれたパワーローラ6のローラ軸の傾きを変化
させ、パワーローラ6を介してディスク3,5の接触半
径を変えて変速させることにより動力を無段変速で伝達
する仕組みになっている。このトラクションドライブ方
式の無段変速機の一例として、ハーフトロイダル型無段
変速機がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなトラクショ
ンドライブ方式に用いられる転動体(入力ディスク3,
出力ディスク5,パワーローラ6)は、高温高面圧下に
おいて優れたトラクション特性と高い転動疲労寿命性能
を有していることが要求される。また、将来の環境への
負荷の低減を考え、さらなる燃費の向上のため、車両重
量を軽くする必要があり、このためには、ユニットサイ
ズを小型化し、且つまた、同じサイズのユニットでは伝
達できる動力を大きくする必要があるという課題があっ
た。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記従来の課題に鑑みてなさ
れたものであって、大きな動力の伝達が可能であるトラ
クション特性に優れたトラクションドライブ用転動体を
提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるトラクシ
ョンドライブ用転動体は、請求項1に記載しているよう
に、転動面間でトラクションオイルを介在して動力を伝
達するトラクションドライブ用転動体において、駆動側
および従動側の少なくとも一方の転動体の動力を伝達す
る転動面の表面微細形状に関し、表面粗さ計を用いて測
定されてフィルターを通さずに得られる断面曲線形状
が、溝である凹部と突条である凸部を交互に配列した形
状であると共に、断面曲線の中心線よりも上側の凸部の
形状が、角が丸みを帯びた概略台形状、概略クラウニン
グ形状、概略楕円弧状、概略正弦波状、および頂部が丸
みを帯びた概略三角形状のいずれかであり、凹凸の波長
λと溝深さの半分のAMPの比であるλ/AMPが50
以上400以下であることを特徴とし、上記構成をもっ
て従来の課題を解決するための手段としている。
【0007】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項2に記載しているように、他方
の転動体の転動面が平滑であって、凹凸を有する転動体
の表面から少なくとも100μm深さでの硬度がHv8
00以上であることを特徴としている。
【0008】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項3に記載しているように、凹凸
を有する転動体の表面から50μm深さでの硬度がHv
800以上であることを特徴としている。
【0009】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項4に記載しているように、凹凸
を有する転動体の表面から50μm深さでの圧縮残留応
力が800MPa以上であることを特徴としている。
【0010】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項5に記載しているように、凹凸
を有する転動体の表面をローラバニッシング加工により
加工硬化させたことを特徴としている。
【0011】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項6に記載しているように、凹凸
を有する転動体の表面における凸部の曲率半径が1mm
以上8mm以下であることを特徴としている。
【0012】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項7に積載しているように、表面
粗さ計を用いて測定されてフィルターを通さずに得られ
る断面曲線形状において、凸部の頂部の曲率半径をβ
(μm)、断面曲線の中心線から凸部の頂上までの高さ
のばらつきの標準偏差をσ(μm)、転動体材料の等価
ヤング率をE’(Pa)、転動体材料の硬度をH(P
a)とし、以下の式で定義される塑性指数ψが0.2以
下であることを特徴としている。
【0013】
【数2】
【0014】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項8に記載しているように、表面
粗さ計を用いて測定されてフィルターを通さずに得られ
る断面曲線形状において、表面粗さ計の縦倍率と横倍率
を等しくして計測した断面曲線の凸部の頂部付近の曲率
半径が0.8mm以上10mm以下であることを特徴と
している。
【0015】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項9に記載しているように、表面
粗さ計を用いて測定されてフィルターを通さずに得られ
る断面曲線形状において、凸部の頂上から凸部と凹部の
高低差の1/10だけ低い位置における凹凸1ピッチ分
の基準長さに対し、凸部の割合が35〜70%であるこ
とを特徴としている。
【0016】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項10に記載しているように、表
面粗さ計を用いて測定されてフィルターを通さずに得ら
れる断面曲線形状において、凸部の頂上から凸部と凹部
の高低差の1/10だけ低い位置における凹凸1ピッチ
分の基準長さに対し、凸部の割合が50〜70%である
ことを特徴としている。
【0017】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項11に記載しているように、表
面粗さ計を用いて測定されてフィルターを通さずに得ら
れる断面曲線形状において、凸部の頂上から凸部と凹部
の高低差の1/10だけ低い位置における基準線上で、
凸部の長さが7〜90μmであることを特徴としてい
る。
【0018】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項12に記載しているように、表
面粗さ計を用いて測定されてフィルターを通さずに得ら
れる断面曲線形状において、凸部の頂上から凸部と凹部
の高低差の1/10だけ低い位置における基準線上で、
凸部の長さが25〜80μmであることを特徴としてい
る。
【0019】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項13に記載しているように、表
面粗さ計を用いて測定されてフィルターを通さずに得ら
れる断面曲線において、凸部の頂上を中心とする10μ
mの範囲について、原子間力顕微鏡にて測定した表面粗
さRzが100nm以下であることを特徴としている。
【0020】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項14に記載しているように、表
面粗さ計を用いて測定されてフィルターを通さずに得ら
れる断面曲線において、断面曲線の中心線での溝幅であ
る凹部の長さが10〜40μmであることを特徴として
いる。このとき、表面粗さRzは、JIS−B0601
において定められているものである。
【0021】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項15に記載しているように、表
面粗さ計を用いて測定されてフィルターを通さずに得ら
れる断面曲線において、最大荷重におけるヘルツ接触楕
円の転動方向に直交する方向の直径に対し、凹部のピッ
チが1.2〜9%であることを特徴としている。
【0022】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項16に記載しているように、表
面粗さ計を用いて測定されてフィルターを通さずに得ら
れる断面曲線において、最大荷重におけるヘルツ接触楕
円の転動方向に直交する方向の直径に対し、凹部のピッ
チが2.4〜6%であることを特徴としている。
【0023】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項17に記載しているように、表
面粗さ計を用いて測定されてフィルターを通さずに得ら
れる断面曲線において、最大荷重におけるヘルツ接触楕
円の転動方向に直交する方向の直径に対し、溝幅である
凹部の長さが0.6〜2%であることを特徴としてい
る。
【0024】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項18に記載しているように、表
面粗さ計を用いて測定されてフィルターを通さずに得ら
れる断面曲線において、最大荷重におけるヘルツ接触楕
円の転動方向と平行な方向の直径に対し、溝幅である凹
部の長さが0.8〜3.2%であることを特徴としてい
る。
【0025】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項19に記載しているように、表
面粗さ計を用いて測定されてフィルターを通さずに得ら
れる断面曲線形状において、凹部が転動方向とほぼ平行
に且つ螺旋状に形成されていることを特徴としている。
【0026】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項20に記載しているように、凹
部が、少なくともヘルツ接触楕円の長さよりも長く連続
していることを特徴としている。
【0027】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項21に記載しているように、ト
ラクションドライブ用転動体の動力を伝達する転動面に
ついて、駆動側および従動側の一方が、凹部と凸部を有
し、他方が、断面曲線の中心線における平均粗さRaで
0.01μm以下、最大高さRyで0.1μm以下の表
面微細形状を有することを特徴としている。このとき、
表面粗さRzおよび最大高さRyは、JIS−B060
1において定められているものである。
【0028】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項22に記載しているように、転
動体に用いる材料および転動体製造時の熱処理の組み合
わせが、肌焼き鋼材料と浸炭焼入れ焼き戻し熱処理の組
み合わせ、肌焼き鋼材料と浸炭窒化焼入れ焼き戻し熱処
理の組み合わせ、軸受鋼材料と焼入れ焼き戻し熱処理の
組み合わせ、軸受鋼材料と浸炭焼入れ焼き戻し熱処理の
組み合わせ、および軸受鋼材料と浸炭窒化焼入れ焼き戻
し熱処理の組み合わせのうちから選択されることを特徴
としている。
【0029】同じく、本発明に係わるトラクションドラ
イブ用転動体は、請求項23に記載しているように、転
動体は、トロイダル曲面型の円環凹面形状をなす転動面
をそれぞれ備えた入力ディスクおよび出力ディスクと、
対向して配置された入力ディスクおよび出力ディスクの
円環凹面形状の転動面に挟まれて円環凸面形状をなす転
動面を備え且つローラ軸を傾動可能としたパワーローラ
との組み合わせとから成り、ハーフトロイダル型無段変
速機の構成要素となることを特徴としている。
【0030】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わるトラクション
ドライブ用転動体では、転動面間でトラクションオイル
を介在して動力を伝達するトラクションドライブ用転動
体において、駆動側および従動側の少なくとも一方の転
動体の動力を伝達する転動面に凹部と突条の凸部を交互
に配置した形状を設けている。
【0031】このとき、当該トラクションドライブ用転
動体では、転動面の表面微細形状に関し、表面粗さ計を
用いて測定されてフィルターを通さずに得られる断面曲
線形状において、断面曲線の中心線すなわち断面曲線を
長さ方向に積分した平均的な高さに引いた線よりも上側
の凸部の形状が、角が丸みを帯びた概略台形状、概略ク
ラウニング形状、概略楕円弧状、概略正弦波状、および
頂点が丸みを帯びた概略三角形状のいずれかであるもの
とし、さらに、波長λと溝深さの半分のAMPの比であ
るλ/AMPが50以上400以下としているので、金
属接触を小さく留めて耐久性の向上を図りつつ、大きな
トラクション力が発生することとなり、大きな動力の伝
達が可能であるトラクション特性に優れたトラクション
ドライブ用転動体が提供される。
【0032】また、λ/AMPを50以上とすること
で、表面に発生する局所応力を小さくすることができる
ために、優れた安定性を有するものとなる。一方、λ/
AMPを400以下とすることで、トラクション係数を
安定して向上させることが可能である。
【0033】本発明の請求項2に係わるトラクションド
ライブ用転動体では、他方の転動体の転動面が平滑であ
って、凹凸を有する転動体の表面から少なくとも100
μm深さでの硬度をHv800以上としたので、使用中
に凸部の深さが変化し難く、耐摩耗性や耐陥没性に優れ
たトラクションドライブ用転動体が提供される。
【0034】本発明の請求項3に係わるトラクションド
ライブ用転動体では、凹凸を有する転動体の表面から5
0μm深さでの硬度をHv800以上としたので、耐摩
耗性や耐陥没性がさらに優れたトラクションドライブ用
転動体が提供される。
【0035】本発明の請求項4に係わるトラクションド
ライブ用転動体では、凹凸を有する転動体の表面から5
0μm深さでの圧縮残留応力を800MPa以上とした
ので、耐摩耗性や耐陥没性がさらに優れたトラクション
ドライブ用転動体が提供される。
【0036】本発明の請求項5に係わるトラクションド
ライブ用転動体では、凹凸を有する転動体の表面をロー
ラバニッシング加工により加工硬化させるので、所望の
硬度を有する転動体が得られることとなる。
【0037】本発明の請求項6に係わるトラクションド
ライブ用転動体では、凹凸を有する転動体の表面におけ
る凸部の曲率半径を1mm以上8mm以下としたので、
エッジ応力の発生を抑制すると共に、過大な応力の発生
を防止して、耐久性に優れたトラクションドライブ用転
動体が提供される。
【0038】本発明の請求項7に係わるトラクションド
ライブ用転動体では、断面曲線形状において、凸部の頂
部の曲率半径をβ(μm)、断面曲線の中心線から凸部
の頂上までの高さのばらつきの標準偏差をσ(μm)、
転動体材料の等価ヤング率をE’(Pa)、転動体材料
の硬度をH(Pa)とし、これらの関係式で定義される
塑性指数ψを0.2以下としているので、一層大きなト
ラクション係数が発揮されると共に、金属接触がさらに
低減することとなり、トラクション伝達により優れた長
寿命のトラクションドライブ用転動体が提供される。
【0039】本発明の請求項8に係わるトラクションド
ライブ用転動体では、断面曲線形状において、表面粗さ
計の縦倍率と横倍率を等しくして計測した断面曲線にお
ける凸部の頂部付近の曲率半径を0.1mm以上とし、
好ましくは曲率半径を0.8mm以上とし、より好まし
くは0.8mm以上10mm以下とすることにより、よ
り大きなトラクション係数を発揮できるトラクションド
ライブ用転動体が提供される。この場合、とくに、曲率
半径を0.8mm以上と限定することにより、より一層
の金属接触が低減されて耐久性が向上する。
【0040】なお、断面曲線における凸部の曲率半径
(r)は図23に示す関係にある。すなわち、断面曲線
の中心線C1から凸部の頂部までの長さをtとし、凸部
の中心線C2から断面曲線と同断面曲線の中心線C1と
の交点C3までの長さをSとしたとき、曲率半径(r)
はt+S/2tで表される。
【0041】本発明の請求項9に係わるトラクションド
ライブ用転動体では、断面曲線形状において、図20に
示すように、凸部の頂上から凸部と凹部の高低差の1/
10だけ低い位置における凹凸1ピッチ分の基準長さに
L1対して、凸部の長さL2割合を35〜70%として
いるので、より大きなトラクション係数を発揮できるト
ラクションドライブ用転動体が提供される。
【0042】本発明の請求項10に係わるトラクション
ドライブ用転動体では、断面曲線形状において、凸部の
頂上から凸部と凹部の高低差の1/10だけ低い位置に
おける凹凸1ピッチ分の基準長さに対して、凸部の割合
を50〜70%としているので、より一層大きなトラク
ション係数を発揮できるトラクションドライブ用転動体
が提供される。
【0043】本発明の請求項11に係わるトラクション
ドライブ用転動体では、断面曲線形状において、凸部の
頂上から凸部と凹部の高低差の1/10だけ低い位置に
おける凹凸1ピッチ分の基準線に対して、凸部の長さを
7〜90μmとしているので、り大きなトラクション係
数を発揮できるトラクションドライブ用転動体が提供さ
れる。
【0044】本発明の請求項12に係わるトラクション
ドライブ用転動体では、断面曲線形状において、凸部の
頂上から凸部と凹部の高低差の1/10だけ低い位置に
おける凹凸1ピッチ分の基準線に対して、凸部の長さを
25〜80μmとしているので、より一層大きなトラク
ション係数を発揮できるトラクションドライブ用転動体
が提供される。
【0045】本発明の請求項13に係わるトラクション
ドライブ用転動体では、断面曲線において、図21に示
す如く凸部の頂上を中心とする10μmのA範囲につい
て、原子間力顕微鏡にて測定した表面粗さRzを100
nm以下としているので、金属接触による耐久性への跳
ね返りが小さくなり、より大きなトラクション係数を発
揮できるトラクションドライブ用転動体が提供される。
【0046】本発明の請求項14に係わるトラクション
ドライブ用転動体では、断面曲線において、中心線での
溝幅である凹部の長さを10〜40μmとしているの
で、金属接触による耐久性への跳ね返りが小さくなり、
より大きなトラクション係数を発揮できるトラクション
ドライブ用転動体が提供される。この場合、凹部の長さ
を10μmよりも大きくすると、トラクション特性が飛
躍的に向上し、凹部の長さを40μmよりも小さくする
と、金属接触が生じる確立が下がり、耐久性が飛躍的に
向上する。また、当該トラクションドライブ用転動体で
は、トラクションオイルの排出が効果的に行われると共
に、油膜厚さを適切な厚さに保持し得ることとなり、よ
り大きなトラクション係数を発揮しながら金属接触を低
減して長寿命を維持する。
【0047】本発明の請求項15に係わるトラクション
ドライブ用転動体では、断面曲線において、最大荷重に
おけるヘルツ接触楕円の転動方向に直交する方向の直径
に対し、凹部ピッチを1.2〜9%としているので、よ
り大きなトラクション係数が安定的に発揮され、且つ金
属接触が生じることによる耐久性への跳ね返りの懸念が
少ないトラクションドライブ用転動体が提供される。
【0048】本発明の請求項16に係わるトラクション
ドライブ用転動体では、断面曲線において、最大荷重に
おけるヘルツ接触楕円の転動方向に直交する方向の直径
に対し、凹部ピッチを2.4〜6%としているので、高
いトラクション特性がより安定した状態で得られること
となる。
【0049】本発明の請求項17に係わるトラクション
ドライブ用転動体では、断面曲線において、最大荷重に
おけるヘルツ接触楕円の転動方向に直交する方向の直径
に対し、溝幅である凹部長さを0.6〜2%としている
ので、より大きなトラクション係数を発揮できるトラク
ションドライブ用転動体が提供され、また、トラクショ
ンオイルの排出が効果的に行われると共に、油膜厚さを
適切な厚さに保持し得ることとなり、より大きなトラク
ション係数を発揮しながら金属接触を低減して長寿命を
維持する。
【0050】本発明の請求項18に係わるトラクション
ドライブ用転動体では、断面曲線において、最大荷重に
おけるヘルツ接触楕円の転動方向と平行な方向の直径に
対し、溝幅である凹部の長さを0.8〜3.2%として
いるので、金属接触による耐久性への跳ね返りが小さく
なり、より大きなトラクション係数を発揮できるトラク
ションドライブ用転動体が提供され、また、トラクショ
ンオイルの排出が効果的に行われると共に、油膜厚さを
適切な厚さに保持し得ることとなり、より大きなトラク
ション係数を発揮しながら金属接触を低減して長寿命を
維持する。
【0051】本発明の請求項19に係わるトラクション
ドライブ用転動体では、断面曲線において、凹部が転動
方向とほぼ平行に、且つ螺旋状に形成したので、より大
きなトラクション係数を発揮できるトラクションドライ
ブ用転動体が提供される。
【0052】本発明の請求項20に係わるトラクション
ドライブ用転動体では、凹部が少なくともヘルツ接触楕
円の長さよりも長く連続しているので、大きなトラクシ
ョン係数を発揮できるトラクションドライブ用転動体が
提供される。
【0053】本発明の請求項21に係わるトラクション
ドライブ用転動体では、トラクションドライブ用転動体
の動力を伝達する転動面について、駆動側および従動側
の一方が、凹部と凸部を有するものとし、他方が、断面
曲線の中心線における平均粗さRaで0.01μm以
下、最大高さRyで0.1μm以下としているので、よ
り一層大きなトラクション係数がより安定的に発揮され
ると共に、金属接触による耐久性への跳ね返りの懸念の
少ないトラクションドライブ用転動体が提供される。
【0054】本発明の請求項22に係わるトラクション
ドライブ用転動体では、転動体に用いる材料および転動
体製造時の熱処理の組み合わせが、肌焼き鋼材料と浸炭
焼入れ焼き戻し熱処理の組み合わせ、肌焼き鋼材料と浸
炭窒化焼入れ焼き戻し熱処理の組み合わせ、軸受鋼材料
と焼入れ焼き戻し熱処理の組み合わせ、軸受鋼材料と浸
炭焼入れ焼き戻し熱処理の組み合わせ、および軸受鋼材
料と浸炭窒化焼入れ焼き戻し熱処理の組み合わせのうち
から選択されるものとすることにより、耐摩耗性が良好
で、且つまた長期にわたって優れたトラクション特性を
維持し得るトラクションドライブ用転動体が提供され
る。
【0055】本発明の請求項23に係わるトラクション
ドライブ用転動体では、転動体が、円環体凹面形状をな
す転動面をそれぞれ備えた入力ディスクおよび出力ディ
スクと、対向して配置した入力ディスクおよび出力ディ
スクの円環体凹面形状のトラクション転動面間に挟まれ
て凹面形状のトラクション転動面と相互に転動する円環
体凸面形状をなすトラクション転動面を備え且つローラ
軸を傾動可能としたパワーローラとの組み合わせからな
り、ハーフトロイダル型無段変速機の構成要素となるも
のとし、入力ディスクおよび出力ディスク、またはパワ
ーローラの少なくとも1つのトラクション転動面を上述
した表面微細形状としているので、大きな動力の伝達が
可能であり、しかも、ユニットサイズの小型化および軽
量化、ないしは単位容積および単位重量当たりの高出力
化が可能であるハーフトロイダル型無段変速機が提供さ
れる。
【0056】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わるトラクション
ドライブ用転動体によれば、転動面間でトラクションオ
イルを介在して動力を伝達するトラクションドライブ用
転動体において、金属接触を小さく留めて耐久性の向上
を図りつつ、大きなトラクション力を発生することが可
能となり、大きな動力の伝達が可能であるトラクション
特性に優れたトラクションドライブ用転動体を提供する
ことができる。また、とくに凹凸の波長λと溝深さの半
分のAMPの比であるλ/AMPを50以上とすること
により、表面に発生する局所応力を小さくできるため
に、優れた耐久性能を得ることができ、且つλ/AMP
を400以下とすることで、トラクション係数を安定し
て向上させることができる。
【0057】本発明の請求項2に係わるトラクションド
ライブ用転動体によれば、請求項1と同様の効果を得る
ことができるうえに、使用中に凸部の深さが変化し難
く、耐摩耗性や耐陥没性に優れたトラクションドライブ
用転動体を提供することができる。
【0058】本発明の請求項3に係わるトラクションド
ライブ用転動体によれば、請求項1および2と同様の効
果を得ることができるうえに、耐摩耗性や耐陥没性がさ
らに優れたトラクションドライブ用転動体を提供するこ
とができる。
【0059】本発明の請求項4に係わるトラクションド
ライブ用転動体によれば、請求項1〜3と同様の効果を
得ることができるうえに、耐摩耗性や耐陥没性がさらに
優れたトラクションドライブ用転動体を提供することが
できる。
【0060】本発明の請求項5に係わるトラクションド
ライブ用転動体によれば、請求項1〜4と同様の効果を
得ることができるうえに、所望の硬度を有する転動体を
容易に得ることができる。
【0061】本発明の請求項6に係わるトラクションド
ライブ用転動体によれば、請求項1〜5と同様の効果を
得ることができるうえに、エッジ応力の発生を抑制する
と共に、過大な応力の発生を防止して、耐久性に優れた
トラクションドライブ用転動体を提供することができ
る。
【0062】本発明の請求項7に係わるトラクションド
ライブ用転動体によれば、請求項1と同様の効果を得る
ことができるうえに、一層大きなトラクション係数を発
揮することができると共に、金属接触をさらに低減させ
ることができ、トラクション伝達により優れた長寿命の
トラクションドライブ用転動体を提供することができ
る。
【0063】本発明の請求項8に係わるトラクションド
ライブ用転動体によれば、請求項1または7と同様の効
果を得ることができるうえに、より大きなトラクション
係数を発揮できるトラクションドライブ用転動体を提供
することができ、とくに、曲率半径を0.8mm以上と
限定することにより、より一層の金属接触を低減でき、
耐久性向上を図ることができる。
【0064】本発明の請求項9に係わるトラクションド
ライブ用転動体によれば、請求項1、7および8と同様
の効果を得ることができるうえに、より大きなトラクシ
ョン係数を発揮できるトラクションドライブ用転動体を
提供することができる。
【0065】本発明の請求項10に係わるトラクション
ドライブ用転動体によれば、請求項1、7および8と同
様の効果を得ることができるうえに、より大きなトラク
ション係数を発揮できるトラクションドライブ用転動体
を提供することができる。
【0066】本発明の請求項11に係わるトラクション
ドライブ用転動体によれば、請求項1、7〜10と同様
の効果を得ることができるうえに、断面曲線形状におい
て、より大きなトラクション係数を発揮できるトラクシ
ョンドライブ用転動体を提供することができる。
【0067】本発明の請求項12に係わるトラクション
ドライブ用転動体によれば、請求項1、7〜10と同様
の効果を得ることができるうえに、より一層大きなトラ
クション係数を発揮できるトラクションドライブ用転動
体を提供することができる。
【0068】本発明の請求項13に係わるトラクション
ドライブ用転動体によれば、請求項1、7〜12と同様
の効果を得ることができるうえに、金属接触による耐久
性への跳ね返りを小さくし、より大きなトラクション係
数を発揮できるトラクションドライブ用転動体を提供す
ることができる。
【0069】本発明の請求項14に係わるトラクション
ドライブ用転動体によれば、請求項1、7〜13と同様
の効果を得ることができるうえに金属接触による耐久性
への跳ね返りを小さくし、より大きなトラクション係数
を発揮できるトラクションドライブ用転動体を提供する
ことができ、また、トラクションオイルの排出を効果的
に実施することができると共に、油膜厚さを適切な厚さ
に保持することができ、より大きなトラクション係数を
発揮しながら金属接触を低減して長寿命を維持すること
ができる。
【0070】本発明の請求項15に係わるトラクション
ドライブ用転動体によれば、請求項1、7〜14と同様
の効果を得ることができるうえに、より大きなトラクシ
ョン係数を発揮できるトラクションドライブ用転動体を
提供することができる。
【0071】本発明の請求項16に係わるトラクション
ドライブ用転動体によれば、請求項1、7〜14と同様
の効果を得ることができるうえに、より一層大きなトラ
クション係数を発揮するトラクションドライブ用転動体
を提供することができる。
【0072】本発明の請求項17に係わるトラクション
ドライブ用転動体によれば、請求項1、7〜16と同様
の効果を得ることができるうえに、より大きなトラクシ
ョン係数を発揮できるトラクションドライブ用転動体を
提供することができ、また、トラクションオイルの排出
を効果的に実施することができると共に、油膜厚さを適
切な厚さに保持することができ、より大きなトラクショ
ン係数を発揮しながら金属接触を低減して長寿命を維持
することができる。
【0073】本発明の請求項18に係わるトラクション
ドライブ用転動体によれば、請求項1、7〜17と同様
の効果を得ることができるうえに、金属接触による耐久
性への跳ね返りを小さくし、より大きなトラクション係
数を発揮できるトラクションドライブ用転動体を提供す
ることができ、また、トラクションオイルの排出を効果
的に実施することができると共に、油膜厚さを適切な厚
さに保持することができ、より大きなトラクション係数
を発揮しながら金属接触を低減して長寿命を維持するこ
とができる。
【0074】本発明の請求項19に係わるトラクション
ドライブ用転動体によれば、請求項1、7〜18と同様
の効果を得ることができるうえに、より大きなトラクシ
ョン係数を発揮できるトラクションドライブ用転動体を
提供することができる。
【0075】本発明の請求項20に係わるトラクション
ドライブ用転動体によれば、請求項1、7〜19と同様
の効果を得ることができるうえに、大きなトラクション
係数を発揮できるトラクションドライブ用転動体を提供
することができる。
【0076】本発明の請求項21に係わるトラクション
ドライブ用転動体によれば、請求項1、7〜20と同様
の効果を得ることができるうえに、より一層大きなトラ
クション係数をより安定的に発揮でき、且つ金属接触に
よる耐久性への跳ね返りの懸念の少ないトラクションド
ライブ用転動体を提供することができる。
【0077】本発明の請求項22に係わるトラクション
ドライブ用転動体によれば、請求項1、7〜21と同様
の効果を得ることができるうえに、耐摩耗性が良好にな
り、長期にわたって優れたトラクション特性を維持し得
るトラクションドライブ用転動体を提供することができ
る。
【0078】本発明の請求項23に係わるトラクション
ドライブ用転動体によれば、請求項1、7〜22と同様
の効果を得ることができるうえに、大きな動力の伝達が
可能であり、しかも、ユニットサイズの小型化および軽
量化、ないしは単位容積および単位重量当たりの高出力
化が可能であるハーフトロイダル型無段変速機を提供す
ることができる。
【0079】
【実施例】本発明に係わるトラクションドライブ用転動
体は、その製造方法がとくに限定されることはないが、
製造方法の代表的な例としては、材料を肌焼き鋼もしく
は軸受鋼とし、肌焼き鋼の場合には、浸炭焼入れ焼き戻
し、あるいは浸炭窒化焼入れ焼き戻しを行い、軸受鋼の
場合には、焼入れ焼き戻し、あるいは浸炭焼入れ焼き戻
し、あるいは浸炭窒化焼入れ焼き戻しを行う。そして、
熱処理後には、転動面となる面に対して、研削加工、c
―BN工具を用いた切削による溝状凹部の形成、テープ
ラップ、凸部の削り取りを順次行い、凹部(溝)と凸部
(突条)を等間隔で交互に配列させた形状とし、この
際、断面曲線の中心線よりも上側の凸部の形状が、角が
丸みを帯びた概略台形状、概略クラウニング形状、概略
楕円弧状、概略正弦波状、および頂点が丸みを帯びた概
略三角形状となるようにする。
【0080】このとき、当該トラクションドライブ用転
動体では、本発明の請求項1から18に記載したよう
に、転動面の表面微細形状を設定することで、大きな動
力の伝達が可能であると共に、高温高面圧下において優
れたトラクション特性と高い転動疲労寿命性能を実現し
得るものとなる。
【0081】また、トラクション特性に優れたトラクシ
ョンドライブ用転動体が提供されることから、トロイダ
ル曲面型の円環凹面形状をなす転動面をそれぞれ備えた
入力ディスクおよび出力ディスクと、対向して配置され
た入力ディスクおよび出力ディスクの円環凹面形状の転
動面に挟まれて円環凸面形状をなす転動面を備え且つロ
ーラ軸を傾動可能としたパワーローラとの組み合わせか
ら、トラクション特性に優れたハーフトロイダル型無段
変速機を構成し得ることとなる。
【0082】以下、本発明に係わるトラクションドライ
ブ用転動体について、実施例および比較例により詳しく
説明する。なお、本発明に係わるトラクションドライブ
用転動体は、以下の実施例のみに限定されないことはい
うまでもない。
【0083】(試験方法)本実施例では、図2に示す4
円筒転がり試験機を用いて転動体(試験片)の転がりす
べり試験を実施した。図示の4円筒転がり試験機は、従
軸51と、従軸51を中心にして互いに平行に配置され
且つ遊星歯車を介して回転する3本の主軸53a〜53
cを備えると共に、従軸51に支持された従動側転動体
52の外周面に、各主軸53a〜53cにより個別に支
持された3個の駆動側転動体54a〜54cを接触さ
せ、3本の主軸53a〜53cのうちの1本(53a)
に対して加圧機構で負荷を加えることにより、従動側転
動体52の外周面に各駆動側転動体54a〜54cを圧
接させる構造になっている。加圧機構は、3本の加圧用
アーム55a〜55cをT型に配置して、各アーム55
a〜55cを上下方向に摺動自在に保持し、直線状に配
置した横2本のアーム55a,55bの外側の端部にウ
エイト56を吊り下げると共に、両アーム55a,55
bの内側の端部同士を上下に重合させている。また、残
る1本のアーム55cは、一端部を横のアーム55a,
55bの重合部分の上側に重合すると共に、他端部を先
の駆動側転動体54aの回転軸53aに設けた加圧部5
7に当接させている。
【0084】4円筒転がり試験機は、加圧機構におい
て、左右のウエイト56の重量を各アーム55a〜55
cを介して加圧部57に作用させ、従動側転動体52の
外周面に各駆動側転動体54a〜54cを圧接させるも
のとなっており、従動側転動体52の従軸51に設けた
トルクセンサで同従軸51に発生するトルクを測定する
ことにより、トラクション係数を算出することができ
る。
【0085】本実施例では、先の図2に示す4円筒転が
り試験機を用いて転動体(試験片)の転がりすべり試験
を実施し、トラクション係数を算出すると共に、円筒間
の接触状態を定性的に評価する目的で、電気抵抗法を用
いた油膜形成率の算出を行った。本実施例の試験では、
スリップ率:0〜3%、平均すべり速度:30m/s、
平均軸回転数:10000rpmとし、主軸53a〜5
3cと従軸51に均等に差動を与えてすべり速度を一定
にした。さらに、150℃に設定したトラクションオイ
ルを2L/minで回転方向入り口部から供給した。そ
して、本実施例では、スリップ率3%でのトラクション
係数および油膜形成率を算出した。
【0086】(実施例1〜12、比較例1,2)従動側
転動体52については、直径=60mm、厚さ=10m
mであり、転動面がフラットな円筒形状とした。本実施
例および比較例においては、SCr420鋼、SCM4
20鋼を浸炭焼入れ焼き戻ししたもの、SCM420鋼
を浸炭窒化焼入れ焼き戻ししたもの、SUJ2鋼を焼入
れ焼き戻ししたもの、およびSUJ2鋼を浸炭窒化焼入
れ焼き戻したものを用い、転動面を研削した後、多結晶
c―BN切削工具を用いて転動面に溝を切削加工し、こ
の後、テープラップにて突部を削り落とし、転動面に、
溝状凹部と突条の凸部を交互に配置してなる所望の凹凸
形状の表面微細形状を得た。
【0087】他方、外側3個の駆動側転動体54a〜5
4cについては、直径=60mm、厚さ=10mmであ
り、転動面がR=30mmのクラウニング形状をなす円
筒形状とした。この場合には、SUJ2鋼の焼入れ焼き
戻し材を用い、転動面に研削を行ってからテープラップ
により中心線平均粗さRaを0.01μm、最大高さR
yを0.1μmに仕上げた。
【0088】従動側転動体52について、実施例1〜1
2の断面曲線を図3〜14に、比較例1,2の断面曲線
を図15,16に示す。また、実施例1〜12、比較例
1,2に用いた外側の駆動側転動体54a〜54cの断
面曲線を図18に示す。
【0089】なお、断面曲線は、転動体52の軸方向
(転動方向と直角な方向)に測定したものである。この
断面曲線については、(株)東京精密製の触針式表面粗
さ形状測定機、サーフコム1400を用いて測定した。
この際、粗さ測定機の触針は、先端の形状が球面で、曲
率半径がR5μm、頂角が90°であり、測定長さは1
mmであった。
【0090】また、凸部頂上の表面粗さについては、D
igital Instruments社製のNano
scope−IIIa+D3100型の原子間力顕微鏡
を用い、スキャンサイズ10μmにてAFMコンタクト
モードにて測定した。
【0091】(比較例3)従動側転動体52について
は、直径=60mm、厚さ=10mmであり、転動面が
フラットな円筒形状とした。SUJ2鋼の焼入れ焼き戻
し後、転動面を研削し、さらに超仕上げを施した。この
断面曲線を図17に示す。
【0092】他方、外側3個の駆動側転動体54a〜5
4cについては、直径=60mm、厚さ=60mmであ
り、転動面がR=30mmのクラウニング形状をなす円
筒形状とした。この場合には、SUJ2鋼を焼入れ焼き
戻ししたものを用い、転動面を研削し、さらに超仕上げ
を施した。この断面曲線を図19に示す。
【0093】(評価結果)上記の実施例1〜12および
比較例1〜3の仕様、ならびに実施例および比較例で得
られたスリップ率3%におけるトラクション係数および
油膜形成率を表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】表1に示した結果から明らかなように、実
施例1〜12では、比較例3に対して良好なトラクショ
ン係数が安定して得られ、油膜も十分に形成されて金属
接触を低減することができた。これに対して、比較例
1、2では、油膜が十分に形成されず、トラクション係
数の測定中に金属接触が発生し、表面粗さが悪化するこ
とにより振動が増大して、試験を継続することができな
かった。
【0096】(実施例13〜30、比較例4、5)従動
側転動体52については、直径=60mm、厚さ=10
mmであり、転動面がフラットな円筒形状とした。本実
施例13〜32および比較例4、5では、SUJ2鋼を
焼入れ焼き戻ししたものを用い、転動面を研削した後、
多結晶c―BN切削工具を用いて転動面に溝を切削加工
し、その後、テープラップにて凸部を削り落とし、転動
面に溝状凹部と突条の凸部を交互に配置してなる所望の
凹凸形状の表面微細形状を得た。
【0097】他方、外側3個の駆動側転動体54a〜5
4cについては、直径=60mm、厚さ=10mmであ
り、転動面がR=30mmのクラウニング形状を成す円
筒形状とした。この場合には、SUJ2鋼の焼入れ焼き
戻し材を用い、転動面に研削を行ってから、超仕上げ加
工により中心線平均粗さRaを0.02μm、最大高さ
Ryを0.12μmに仕上げた。
【0098】(評価結果)上記の実施例13〜32およ
び比較例4、5の仕様、ならびに実施例および比較例で
得られたスリップ率3%におけるトラクション係数およ
び油膜形成率を表1に示す。本実施例13〜32におい
ては、ワイドピッチ化することで比較例3に対して良好
なトラクション係数が安定して得られ、油膜も十分に形
成されて金属接触をすることが低減できた。これに対し
て比較例4、5では、比較例3と同等のトラクション係
数しか得られなかった。
【0099】実施例13〜32においては、ワイドピッ
チとすることでトラクション係数および油膜形成率のい
ずれも溝深さに鈍感な特性を示し、使用中に摩耗等によ
り溝深さが小さくなっても、特性が変化しにくいという
優れた効果がある。また、溝深さのばらつき範囲の許容
差を大きくできるため、溝形成も容易になるという優れ
た特性を付与しえる。
【0100】(実施例31〜34、比較例6)実施例3
1〜34では、一方の転動体の作成において、直径が2
6mmであり、トラクション転動面がフラットな円筒形
状の転動体とした。SCM420鋼を浸炭窒化焼入れ焼
戻ししたものを用い、トラクション転動面を研削した
後、超仕上加工を行った。その後、φ6mmの窒化珪素
球を用いたバニッシング加工を施した。バニッシング条
件は、押付け荷重を100kgfとし、送りを0.1m
m/revとした。こののち、刃先が50μmのc−B
N工具を用いて溝を切削し、テープラップ加工にて凸部
を削り落とし、所望の凹凸形状を得た。
【0101】実施例34の転動体については、超仕上加
工までは同一とし、その後、平均粒径50μm、硬度8
30Hvのスチールビーズを、投射距離200mmか
ら、投射圧力5kgf/cm 、2rpmで60秒噴
射し、さらに、実施例31〜33と同様のバニッシング
加工を行った後に溝を切削し、テープラップ加工を施し
て所望の凹凸形状を得た。
【0102】比較例6の転動体については、超仕上加工
が終了した時点で加工工程を終了し、試験に供した。な
お、実施例31と比較例6について、転動面の表面から
の距離と硬度との関係を図22に示す。
【0103】他方の転動体に関しては、実施例31〜3
4および比較例6のいずれも同じものを使用した。他方
の転動体については、直径130mm、厚さ18mm、
トラクション転動面がR=30mmのクラウニング形状
を成すようにし、SCM435鋼を浸炭窒化焼入れ焼戻
ししたものを用い、研削後、超仕上加工により転動面が
Ra0.02μmになるように仕上た。
【0104】これらの実験条件としては、2つの円筒を
互いに押付けながら、荷重1560kgf、油温90
℃、供給油量2l/min、平均転がり速度2.85m
/s、滑り率−10%で回転させた。この場合、φ26
mmの円筒の周速をv1(m/s)とし、φ130mm
の円筒の周速をv2(m/s)とした場合、滑り率は
(v1−v2)/v2で表される。上記の条件にてφ2
6mmの円筒が1×10回数回転した後、試験片を取
外し、試験前の形状と試験後の形状を比較することによ
り、凹凸の深さの変化量を測定した。
【0105】(評価結果)溝深さの変化量は、(株)東
京精密製の表面粗さ形状測定器サーフコム1400Aに
て測定した。溝深さ変化量は、非転動部の平均値から転
動部の溝深さを差し引いたものとし、その結果を表2に
示す。なお、表2中のRLB加工はローラバニッシング
加工であり、WPCは極小径ショットピーニング加工で
ある。また、上記SCr420鋼、SCM420鋼、S
CM435鋼およびSUJ2鋼は、JIS G4105
に示される鋼材の分類である。
【0106】
【表2】
【0107】表2から明らかなように、実施例31〜3
4は、比較例6に比べて溝深さの変化量が小さい。すな
わち、実施例31〜34のものは、溝深さが減少するこ
とによる性能変化を抑制することができ、大きなトラク
ション力を安定して且つ持続的に発揮することができ
る。これに対して、比較例6のものは、溝深さの変化量
が大きく、この場合には、トラクション係数が時間とと
もに減少し、良好なトラクション係数を維持する時間が
実施例のものよりも短くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクションドライブ型無段変速機の基本構成
を示す断面説明図である。
【図2】4円筒転がり試験機の概要を示す斜視説明図で
ある。
【図3】表面粗さ計により測定された実施例1の従動側
転動体52の断面曲線を示すグラフである。
【図4】表面粗さ計により測定された実施例2の従動側
転動体52の断面曲線を示すグラフである。
【図5】表面粗さ計により測定された実施例3の従動側
転動体52の断面曲線を示すグラフである。
【図6】表面粗さ計により測定された実施例4の従動側
転動体52の断面曲線を示すグラフである。
【図7】表面粗さ計により測定された実施例5の従動側
転動体52の断面曲線を示すグラフである。
【図8】表面粗さ計により測定された実施例6の従動側
転動体52の断面曲線を示すグラフである。
【図9】表面粗さ計により測定された実施例7の従動側
転動体52の断面曲線を示すグラフである。
【図10】表面粗さ計により測定された実施例8の従動
側転動体52の断面曲線を示すグラフである。
【図11】表面粗さ計により測定された実施例9の従動
側転動体52の断面曲線を示すグラフである。
【図12】表面粗さ計により測定された実施例10の従
動側転動体52の断面曲線を示すグラフである。
【図13】表面粗さ計により測定された実施例11の従
動側転動体52の断面曲線を示すグラフである。
【図14】表面粗さ計により測定された実施例12の従
動側転動体52の断面曲線を示すグラフである。
【図15】表面粗さ計により測定された比較例1の従動
側転動体52の断面曲線を示すグラフである。
【図16】表面粗さ計により測定された比較例2の従動
側転動体52の断面曲線を示すグラフである。
【図17】表面粗さ計により測定された比較例3の従動
側転動体52の断面曲線を示すグラフである。
【図18】表面粗さ計により測定された実施例1〜12
および比較例1,2の駆動側転動体54a〜54cの断
面曲線を示すグラフである。
【図19】表面粗さ計により測定された比較例3の駆動
側転動体54a〜54cの断面曲線を示すグラフであ
る。
【図20】凸部の頂上から凸部と凹部の高低差の1/1
0だけ低い位置における凹凸1ピッチ分の基準長さ上の
凸部の長さを示す説明図である。
【図21】凸部の頂上を中心とする10μmの範囲を示
す説明図である。
【図22】実施例31および比較例6について、転動面
表面からの距離と硬度との関係を示すグラフである。
【図23】断面曲線における凸部の曲率半径(r)の定
義を示す説明図である。
【符号の説明】
1 トラクションドライブ型無段変速機 3 入力ディスク(転動体) 5 出力ディスク(転動体) 6 パワーローラー(転動体) 52 従動側転動体 54a〜54c 駆動側転動体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加納 眞 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 保田 芳輝 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 田中 一彦 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3J051 AA03 BA03 BB02 BE09 EC02 EC03 EC06 FA01

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転動面間でトラクションオイルを介在し
    て動力を伝達するトラクションドライブ用転動体におい
    て、駆動側および従動側の少なくとも一方の転動体の動
    力を伝達する転動面の表面微細形状に関し、表面粗さ計
    を用いて測定されてフィルターを通さずに得られる断面
    曲線形状が、溝である凹部と突条である凸部を交互に配
    列した形状であると共に、断面曲線の中心線よりも上側
    の凸部の形状が、角が丸みを帯びた概略台形状、概略ク
    ラウニング形状、概略楕円弧状、概略正弦波状、および
    頂部が丸みを帯びた概略三角形状のいずれかであり、凹
    凸の波長λと溝深さの半分のAMPの比であるλ/AM
    Pが50以上400以下であることを特徴とするトラク
    ションドライブ用転動体。
  2. 【請求項2】 他方の転動体の転動面が平滑であって、
    凹凸を有する転動体の表面から少なくとも100μm深
    さでの硬度がHv800以上であることを特徴とする請
    求項1に記載のトラクションドライブ用転動体。
  3. 【請求項3】 凹凸を有する転動体の表面から50μm
    深さでの硬度がHv800以上であることを特徴とする
    請求項1または2に記載のトラクションドライブ用転動
    体。
  4. 【請求項4】 凹凸を有する転動体の表面から50μm
    深さでの圧縮残留応力が800MPa以上であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトラクショ
    ンドライブ用転動体。
  5. 【請求項5】 凹凸を有する転動体の表面をローラバニ
    ッシング加工により加工硬化させたことを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載のトラクションドライブ用
    転動体。
  6. 【請求項6】 凹凸を有する転動体の表面における凸部
    の曲率半径が1mm以上8mm以下であることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載のトラクションドラ
    イブ用転動体。
  7. 【請求項7】 表面粗さ計を用いて測定されてフィルタ
    ーを通さずに得られる断面曲線形状において、凸部の頂
    部の曲率半径をβ(μm)、断面曲線の中心線から凸部
    の頂上までの高さのばらつきの標準偏差をσ(μm)、
    転動体材料の等価ヤング率をE’(Pa)、転動体材料
    の硬度をH(Pa)とし、以下の式で定義される塑性指
    数ψが0.2以下であることを特徴とする請求項1に記
    載のトラクションドライブ用転動体。 【数1】
  8. 【請求項8】 表面粗さ計を用いて測定されてフィルタ
    ーを通さずに得られる断面曲線形状において、表面粗さ
    計の縦倍率と横倍率を等しくして計測した断面曲線の凸
    部の頂部付近の曲率半径が0.8mm以上10mm以下
    であることを特徴とする請求項1または7に記載のトラ
    クションドライブ用転動体。
  9. 【請求項9】 表面粗さ計を用いて測定されてフィルタ
    ーを通さずに得られる断面曲線形状において、凸部の頂
    上から凸部と凹部の高低差の1/10だけ低い位置にお
    ける凹凸1ピッチ分の基準長さに対し、凸部の割合が3
    5〜70%であることを特徴とする請求項1、7および
    8のいずれかに記載のトラクションドライブ用転動体。
  10. 【請求項10】 表面粗さ計を用いて測定されてフィル
    ターを通さずに得られる断面曲線形状において、凸部の
    頂上から凸部と凹部の高低差の1/10だけ低い位置に
    おける凹凸1ピッチ分の基準長さに対し、凸部の割合が
    50〜70%であることを特徴とする請求項1、7およ
    び8のいずれかに記載のトラクションドライブ用転動
    体。
  11. 【請求項11】 表面粗さ計を用いて測定されてフィル
    ターを通さずに得られる断面曲線形状において、凸部の
    頂上から凸部と凹部の高低差の1/10だけ低い位置に
    おける基準線上で、凸部の長さが7〜90μmであるこ
    とを特徴とする請求項1、7〜10のいずれかに記載の
    トラクションドライブ用転動体。
  12. 【請求項12】 表面粗さ計を用いて測定されてフィル
    ターを通さずに得られる断面曲線形状において、凸部の
    頂上から凸部と凹部の高低差の1/10だけ低い位置に
    おける基準線上で、凸部の長さが25〜80μmである
    ことを特徴とする請求項1、7〜10のいずれかに記載
    のトラクションドライブ用転動体。
  13. 【請求項13】 表面粗さ計を用いて測定されてフィル
    ターを通さずに得られる断面曲線において、凸部の頂上
    を中心とする10μmの範囲について、原子間力顕微鏡
    にて測定した表面粗さRzが100nm以下であること
    を特徴とする請求項1、7〜12のいずれかに記載のト
    ラクションドライブ用転動体。
  14. 【請求項14】 表面粗さ計を用いて測定されてフィル
    ターを通さずに得られる断面曲線において、断面曲線の
    中心線での溝幅である凹部の長さが10〜40μmであ
    ることを特徴とする請求項1、7〜13のいずれかに記
    載のトラクションドライブ用転動体。
  15. 【請求項15】 表面粗さ計を用いて測定されてフィル
    ターを通さずに得られる断面曲線において、最大荷重に
    おけるヘルツ接触楕円の転動方向に直交する方向の直径
    に対し、凹部のピッチが1.2〜9%であることを特徴
    とする請求項1、7〜14のいずれかに記載のトラクシ
    ョンドライブ用転動体。
  16. 【請求項16】 表面粗さ計を用いて測定されてフィル
    ターを通さずに得られる断面曲線において、最大荷重に
    おけるヘルツ接触楕円の転動方向に直交する方向の直径
    に対し、凹部のピッチが2.4〜6%であることを特徴
    とする請求項1、7〜14のいずれかに記載のトラクシ
    ョンドライブ用転動体。
  17. 【請求項17】 表面粗さ計を用いて測定されてフィル
    ターを通さずに得られる断面曲線において、最大荷重に
    おけるヘルツ接触楕円の転動方向に直交する方向の直径
    に対し、溝幅である凹部の長さが0.6〜2%であるこ
    とを特徴とする請求項1、7〜16のいずれかに記載の
    トラクションドライブ用転動体。
  18. 【請求項18】 表面粗さ計を用いて測定されてフィル
    ターを通さずに得られる断面曲線において、最大荷重に
    おけるヘルツ接触楕円の転動方向と平行な方向の直径に
    対し、溝幅である凹部の長さが0.8〜3.2%である
    ことを特徴とする請求項1、7〜17のいずれかに記載
    のトラクションドライブ用転動体。
  19. 【請求項19】 表面粗さ計を用いて測定されてフィル
    ターを通さずに得られる断面曲線形状において、凹部が
    転動方向とほぼ平行に且つ螺旋状に形成されていること
    を特徴とする請求項1、7〜18のいずれかに記載のト
    ラクションドライブ用転動体。
  20. 【請求項20】 凹部が、少なくともヘルツ接触楕円の
    長さよりも長く連続していることを特徴とする請求項
    1、7〜19のいずれかに記載のトラクションドライブ
    用転動体。
  21. 【請求項21】 トラクションドライブ用転動体の動力
    を伝達する転動面について、駆動側および従動側の一方
    が、凹部と凸部を有し、他方が、断面曲線の中心線にお
    ける平均粗さRaで0.01μm以下、最大高さRyで
    0.1μm以下の表面微細形状を有することを特徴とす
    る請求項1、7〜20のいずれかに記載のトラクション
    ドライブ用転動体。
  22. 【請求項22】 転動体に用いる材料および転動体製造
    時の熱処理の組み合わせが、肌焼き鋼材料と浸炭焼入れ
    焼き戻し熱処理の組み合わせ、肌焼き鋼材料と浸炭窒化
    焼入れ焼き戻し熱処理の組み合わせ、軸受鋼材料と焼入
    れ焼き戻し熱処理の組み合わせ、軸受鋼材料と浸炭焼入
    れ焼き戻し熱処理の組み合わせ、および軸受鋼材料と浸
    炭窒化焼入れ焼き戻し熱処理の組み合わせのうちから選
    択されることを特徴とする請求項1、7〜21のいずれ
    かに記載のトラクションドライブ用転動体。
  23. 【請求項23】 転動体は、トロイダル曲面型の円環凹
    面形状をなす転動面をそれぞれ備えた入力ディスクおよ
    び出力ディスクと、対向して配置した入力ディスクおよ
    び出力ディスクの円環凹面形状の転動面に挟まれて円環
    凸面形状をなす転動面を備え且つローラ軸を傾動可能と
    したパワーローラとの組み合わせとから成り、ハーフト
    ロイダル型無段変速機の構成要素となることを特徴とす
    る請求項1、7〜22のいずれかに記載のトラクション
    ドライブ用転動体。
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