JP3685088B2 - 自動車用トロイダル式無段変速機 - Google Patents

自動車用トロイダル式無段変速機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速比を無段階に制御するのに用いる自動車用のトロイダル式無段変速機に係わり、とくにトラクション特性の作用および運転条件に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用のトロイダル式無段変速機としては、例えば特開平7−167240号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
この自動車用のトロイダル式無段変速機は、図1にその基本構造を示すように、トラクションオイルの油膜を介して接触する金属製転動体、すなわち、入力軸1および出力軸2にそれぞれ連結された入力ディスク3および出力ディスク5と、これらの入力ディスク3および出力ディスク5の間に介在して回転することによって入力ディスク3の回転を出力ディスク5に伝達するパワーローラ6を備えた構成をなしており、パワーローラ6の傾きを変化させて、入力ディスク3および出力ディスク5のパワーローラ6に対する接触位置(半径)を変えることによって、入力ディスク3の回転を無段階に変速させて出力ディスク5に伝えることができるようになっている。
【0004】
表1は、このようなトロイダル式無段変速機における転動体、すなわち、ディスク3,5およびパワーローラ6の相互接触面(トラクション面)の表面形状(粗さ構造)測定結果の一例を示すものであって、従来の無段変速機転動体のトラクション面としては、一般に、JIS B0601−1994に規定される中心線平均粗さRaが0.05μm以下、JIS B0601−1994に規定される2乗平均平方根粗さRqが0.07μm以下、DIN4776に規定される特殊負荷曲線パラメータにおける油溜り深さ率Kが0.9未満、同じく特殊負荷曲線パラメータとして油溜り量V については1.3×10−5(mm/mm)以下の表面形状となっていた。
【0005】
【表1】
Figure 0003685088
【0006】
このような転動体のトラクション面については、その表面粗さがディスク3,5とパワーローラ6間の油膜厚さに対してある程度以上大きいと、ディスク3,5およびパワーローラ6の転動疲労寿命が劣化し、無段変速機の耐久性が低下することから、表面粗さ高さを十分に小さくするよう超仕上げが施され、上記のように中心線平均粗さRaで0.05μm以下に設定されている。
【0007】
一方、トロイダル式無段変速機は、トラクションオイルの油膜を介して動力を伝達する機構であるため、弾性流体潤滑下におけるトラクション特性を把握しておくことは非常に重要である。
【0008】
弾性流体潤滑下におけるトラクション特性は、例えば、潤滑された2円筒試験等に見られる、両円筒間の表面の相対すべり速度あるいはすべり率の変化に応じたトラクション係数の変化曲線で表される。この特性曲線は、一般にトラクション曲線と呼ばれ、図2に示すような変化を示すことが知られている。
【0009】
すなわち、すべり速度の小さな範囲においては、トラクション係数はすべり速度の増加とともに直線的に増加し、それ以降は次第に直線からずれて最大値をとった後、低下するといった傾向を示す。
【0010】
Dysonは、この変化のうちトラクション係数の最大値までを線形領域、非線型領域と区別し、トラクション係数が低下する領域を熱領域として説明している。弾性流体潤滑下にある転がり接触部におけるトラクション作用は、固体間に挟まれた流体膜のせん断抵抗に基づくため、これまでに、様々な潤滑油のレオロジーモデルが導入され、これらのトラクション特性曲線を表現しようという試みが為されている。
【0011】
例えば、Crookはヘルツ接触部における油膜の挙動にニュ−トン粘性を仮定し、簡素化したナビエスト−クスの運動方程式と、油膜厚さ方向の熱伝導による熱の放散のみを考慮したエネルギ−方程式と、温度および圧力によって指数関数的に変化する粘度を表す式とを連立させて近似解を求めた。トラクション曲線の線形領域はニュ−トン粘性で説明され、非線形領域はせん断発熱による温度上昇に伴う粘性の低下と解釈されているが、その計算結果は実験結果と定性的な傾向とは一致するものの、定量的には十分なものとは言えない。
【0012】
一方、JohnsonとCameronは線形領域から非線形領域への遷移が油膜の温度上昇によるものではなく、高圧でかつ高せん断速度下の油膜の非ニュ−トン性に起因するものと考えた。
【0013】
また線形、非線形の関係を等温下で連続的に表し得る多くのレオロジーモデルとして、アイリング粘性モデルについて示されたものがあり、Bell らは、せん断応力τとせん断速度の関係を式(1)のアイリング粘性で示した。
【0014】
【数1】
Figure 0003685088
【0015】
ここで、τoは特性応力と呼ばれる粘性の非ニュ−トン性を表す量であり、τoが小さいほど小さな応力で非ニュ−トン性が現れることになる。
【0016】
この一方で、EvansとJohnsonは、トラクション特性を粘弾性と塑性の直列レオロジーモデルにて表した(図3参照)。
【0017】
これらの構成方程式(2),(3)を以下に示す。
【0018】
【数2】
Figure 0003685088
【0019】
ここで、τe ,F(τe),ηは、式(4),式(5),式(6)でそれぞれ表される。
【0020】
【数3】
Figure 0003685088
【0021】
そして、τe <τc のとき、式(7),式(8)のようになり、τe ≧τc のとき、式(9),式(10),式(11)のようになる。この際、塑性滑りせん断速度は、式(12)で表される。
【0022】
【数4】
Figure 0003685088
【0023】
【数5】
Figure 0003685088
【0024】
横軸にせん断速度を示し、縦軸にせん断応力を示したグラフでこのモデルを表すと、図4のようになる。図4(b)は図4(a)の横軸を対数とした場合を示し、図中において、Aはニュ−トン粘性、Bはアイリング粘性、Cは粘弾性、Dは弾塑性をそれぞれ示している。
【0025】
トラクションドライブは、トラクション面における油が弾塑性領域で使用されることが望ましい。その一方で、自動車に使用されるトロイダルCVTは、回転速度とトルクが非常に広範囲であるという特徴を有しているため、条件によっては、発熱が増大して高温下で使用される場合もある。このような条件下において、トラクション面における油が粘性および粘弾性挙動を示す領域が存在する。
【0026】
このような油が粘性および粘弾性挙動を示す領域が存在する条件下では、トラクション係数が低下する。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
無段変速機は、トラクション面における油が弾塑性領域で使用されることが望ましい。しかし、自動車はさまざまな使用環境に対応し得る必要があり、自動車用無段変速機においても、そのオイル温度が−30℃程度の極低温から120℃程度の高温にまでいたる極めて広範囲の温度条件で運転される可能性を有していて、トラクションオイルは、このような極低温での流動性をも十分に確保する必要があることから、高温時の粘度は低下することになり、したがって、前述のレオロジーモデルで言えば、粘弾性領域から弾塑性領域の範囲において使用されることになる。
【0028】
一般の自動車用トラクションオイルにおいては、図1における入力ディスク3,出力ディスク5およびパワーローラ6のトラクション面の表面粗さが、これらのディスク3,5とパワーローラ6との間に介在するトラクションオイルの油膜厚さに対して十分に小さい場合には、例えば、油膜厚さが0.2μm程度に対して、表面粗さRaが0.05μm以下の場合には、押し付け力に対する伝達可能な力(この比がトラクション係数)は、伝達面の温度上昇と共に低下することになる。すなわち、運転時の温度条件に関係なく駆動力を伝達可能とするためには、高温時にも十分な伝達力が得られるような大きな押し付け力を設定する必要性が生じることとなる。
【0029】
このように、高温時のトラクション係数が小さい場合には、所定の伝達力を得るために大きな押し付け力が必要となることから、この大きな押し付け力に耐え得る部品強度を確保するために、部品重量が増大してしまうと共に、各部品を支持するベアリングなどの摩擦損失が増大してしまい、その結果、自動車の動力損失が増大してしまうという問題があり、この問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0030】
【発明の目的】
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたものであって、従来と同様の油膜形成状態を維持しつつ、高温運転時においてもトラクション係数を高く保持することができ、加えて、押し付け力を高めることなく大きな駆動力を伝達することが可能である自動車用トロイダル式無段変速機を提供することを目的としている。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる自動車用トロイダル式無段変速機は、トラクション面の表面微細形状を改良することにより、転動疲労寿命を向上させ、粘性あるいは粘弾性領域にある油を弾塑性領域に移行させることにより、常時、塑性領域に近い状態、すなわち、限界せん断応力付近で使用することを特徴としており、本発明の請求項1に係わる発明では、トラクションドライブ用転動体を備え、このトラクションオイルの油膜あるいは境界膜の形成を維持しつつ限界せん断応力を上限として粘性せん断応力を増加すべく、トラクションドライブ用転動体の転動面にトラクションオイルの油膜厚さよりも深い微細な凹部が形成されて、常時限界せん断応力付近で運転される構成としたことを特徴としており、このような自動車用トロイダル式無段変速機の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0032】
本発明の請求項2に係わる自動車用トロイダル式無段変速機において、表面粗さ計により測定される転動面の断面曲線は、微細な溝状凹部が複数配列されかつ凹部溝底までの距離を0.1〜2.5μmとした形状をなし、トラクションオイルの油膜あるいは境界膜の形成を維持しつつ限界せん断応力を上限として粘性せん断応力が増加されて、限界せん断応力付近で運転される構成としている。
【0033】
本発明の請求項3に係わる自動車用トロイダル式無段変速機は、温度に対するトラクション係数の変化率がJIS B0601−1994に規定される中心線平均粗さRaを0.05μm以下、JIS B0601−1994に規定される2乗平均平方根粗さRqを0.07μm以下、DIN4776に規定される特殊負荷曲線パラメータにおける油溜り深さ率Kを0.9未満、この特殊負荷曲線パラメータにおける油溜り量Vを1.3×10−5(mm3/mm2)以下とした転動面の表面形状で得られる変化率以下である構成とし、本発明の請求項4に係わる自動車用トロイダル式無段変速機は、圧力粘度係数αおよび平均圧力Pmeanの積α×Pmeanと、トラクション係数との関係において、α×Pmeanに対するトラクション係数の変化率が0.01以下である構成としている。
【0034】
本発明の請求項5に係わる自動車用トロイダル式無段変速機は、すべり率と、トラクション係数との関係を表すトラクション曲線において、トラクションオイルの油膜厚さよりも深い微細な凹部を形成することにより、JIS B0601−1994に規定される中心線平均粗さRaを0.05μm以下、JIS B0601−1994に規定される2乗平均平方根粗さRqを0.07μm以下、DIN4776に規定される特殊負荷曲線パラメータにおける油溜り深さ率Kを0.9未満、この特殊負荷曲線パラメータにおける油溜り量Vを1.3×10−5(mm3/mm2)以下とした転動面の表面形状で得られる傾きよりも線形領域におけるすべり率に対するトラクション係数の傾きを大きくしてある構成とし、本発明の請求項6に係わる自動車用トロイダル式無段変速機は、40℃におけるトラクションオイルの圧力粘度係数が20(1/GPa)以上である構成としている。
【0035】
【発明の作用】
本発明の請求項1に係わる自動車用トロイダル式無段変速機では、微細な凹部を形成することで、常時、限界せん断応力付近で運転されるようにしているため、高温運転時においても、トラクション係数が高く維持されて、押し付け力を高めなくても大きな駆動力が伝達されることとなる。
【0036】
また、本発明の請求項1に係わる自動車用トロイダル式無段変速機では、金属接触が抑えられて、転動体の転動疲労寿命が従来程度に維持ないし向上することとなる。
【0037】
本発明の請求項2に係わる自動車用トロイダル式無段変速機では、上記した構成としたから、高温運転時においてもトラクション係数が高く維持されて、高い押し付け力を必要とすることなく大きな駆動力が安定して伝達されることとなり、金属接触が抑えられて、転動体の転動疲労寿命が従来程度に維持ないし向上することとなる。
【0038】
本発明の請求項3,4に係わる自動車用トロイダル式無段変速機では、上記した構成としているので、いずれも耐久性が向上することとなり、本発明の請求項5に係わる自動車用トロイダル式無段変速機では、上記した構成としたため、効率が向上することとなり、本発明の請求項6に係わる自動車用トロイダル式無段変速機では、上記した構成としたから、高温運転時においても、トラクション係数が高く維持されて、押し付け力を高めなくても大きな駆動力の安定した伝達がなされることとなると共に、低温での粘度が低下することとなって、寒冷地における発進時の特性が著しく改善されることとなる。
【0039】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係わる自動車用トロイダル式無段変速機では、上記した構成としているので、高温運転時においても、トラクション係数を高く維持することができ、その結果、押し付け力を高めることなく大きな駆動力を伝達することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0040】
また、本発明の請求項1に係わる自動車用トロイダル式無段変速機では、金属接触を抑えることで、転動体の転動疲労寿命を維持ないし向上させることが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0041】
本発明の請求項2に係わる自動車用トロイダル式無段変速機では、上記した構成としたため、高温運転時においても、トラクション係数を高く維持することが可能であり、高い押し付け力を必要とすることなく大きな駆動力を安定して伝達することができ、加えて、転動体の転動疲労寿命の維持ないし向上を実現することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0042】
本発明の請求項3,4に係わる自動車用トロイダル式無段変速機では、上記した構成としたから、いずれの場合も耐久性の向上を実現することができ、本発明の請求項5に係わる自動車用トロイダル式無段変速機では、上記した構成としているので、効率を格段に向上させることが可能であり、本発明の請求項6に係わる自動車用トロイダル式無段変速機では、上記した構成としたため、高温運転時においても、高い押し付け力を必要とすることなく大きな駆動力を安定して伝達することができると共に、寒冷地における発進時の特性を大幅に改善することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0043】
本発明に係わる自動車用トロイダル式無段変速機では、以上の効果に加えて、トラクション係数が温度に対してロバストとなる効果をももたらし、高温運転時においてもトラクション係数を高く維持して、押し付け力を高めることなく大きな駆動力を安定して伝達することができる。
【0044】
また、線形領域以上のすべり率でのトラクション係数がすべり率に対してロバストとなる効果をももたらすことから、スピン等の滑りが存在する運動下においても、トラクション係数を高く維持することができ、押し付け力を高めることなく大きな駆動力を安定して伝達することができる。
【0045】
さらに、圧力粘度係数αおよび平均圧力Pmeanの積α×Pmeanに対してトラクション係数がロバストとなり、広範囲の運転条件においても、トラクション係数を高く維持することができ、押し付け力を高めることなく大きな駆動力を安定して伝達することができ、加えて、トラクション油の粘度が異なったとしても、トラクション特性が、温度,すべり率,α×Pmeanに対してロバストとなる効果をも有している。
【0046】
【実施例】
以下、本発明に係わる自動車用トロイダル式無段変速機について実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
【0047】
まず、以下の実施例1〜3および比較例1,2の試験片としての各転動体のトラクション性能を調べるのに用いる2円筒転がり試験機について説明する。
【0048】
図5に概略的に示すように、上記2円筒転がり試験機21は、試験片としての一方の転動体24を支持する従軸25と、同じく試験片としての他方の転動体22を支持する主軸23を備えており、主軸23にトルクセンサ26を設けていると共に、サーボモータ27のモータ軸27aとの間に主軸タイミングベルト28を掛け渡している。
【0049】
また、従軸25は、軸方向と直交する方向に移動するスライドベース34に軸受29を介して固定されていると共に、スライドベースB上に固定されたサーボモータ30のモータ軸30aとの間に掛け渡された従軸タイミングベルト31を介してモータ軸30aに連結されており、このスライドベース34をエアシリンダ32で加圧することにより、従軸25に取り付けた転動体24をベースBおよびサーボモータ30とともに移動させて、両転動体(試験片)24,22を相互に接触させて転動させるようになっている。この場合、一方の転動体(試験片)24および他方の転動体(試験片)22の転動は、トラクションオイルのオイルバス(油浴)33中において行い、エアシリンダ32の加圧により垂直荷重を発生させるようになっている。
【0050】
この2円筒転がり試験機21では、他方の転動体22側の主軸23に設けたトルクセンサ26で主軸23に発生するトルクを測定することにより、トラクション係数を算出することができるものとしている。
【0051】
そして、この2円筒転がり試験機21を用いてトラクション性能を調べる場合、まず、実施例1〜3および比較例1,2の試験片としての各転動体の油溜り深さ率K,油溜り量Voおよび2乗平均平方根粗さRqを測定した後、表2に示す運転条件のもとに、これらの転動体に対して転がり滑り試験を実施してトルクおよび油膜形成率を測定する。
【0052】
【表2】
Figure 0003685088
【0053】
(実施例1)
この実施例において、一方の転動体24については、直径が40mm、厚さが20mmであって、トラクション転動面がフラットな円筒形状をなすものとした。これはJIS G 4052に規定されるSCM420H鋼(クロムモリブデン鋼)の浸炭焼入れ焼戻し材に研削加工を施した後、先端Rが50μmの焼結体立方晶窒化ほう素(c−BN)工具を用いて、切削速度250m/min,送り0.05mm/rev,片肉切り込み量0.003mmの条件で超精密切削を行い、この後、テープラップを施して表面粗さの凸部を削り落として製作し、表面微細形状を連続した溝と平坦部の組み合わせとした。
【0054】
他方の転動体22については、直径が40mm、厚さが20mm、トラクション転動面がR=700mm、もしくは20mmのクラウニング形状をなすように、JIS SCM420H鋼の浸炭焼入れ焼き戻し材に、研削および超仕上げ加工を施して製作し、トラクション転動面を中心線平均粗さRa=0.021μm,最大高さRy=0.155μmに仕上げた。
【0055】
なお、他方の転動体22に関しては、以下に示す実施例2,3および比較例1,2においてもこれと同様とした。
【0056】
(実施例2)
この実施例において、一方の転動体24については、直径が40mm、厚さが20mmであって、トラクション転動面がフラットな円筒形状をなすものとした。これは、JIS SCM420H鋼を浸炭焼入れ焼き戻しするのに続いて、トラクション転動面に研削および超仕上げ加工を施した後、空気式ショットピーニング機によりショットピーニングを施して製作した。この際、投射材として硬さ750Hvでかつ平均粒径0.05mmの鋼球を用い、トラクション転動面となる外径円筒面の各位置に対してほぼ均一の投射量となるように、ショットピーニング機のノズルを回転させたワークの回転軸の方向に首を振らせつつ、エア圧5kg/cmで20秒間投射した。
【0057】
このショットピーニング処理により、トラクション転動面となる外径円筒面にランダムな凹凸形状を形成した後、テープラップを施すことにより、表面粗さの凸部を削り落とし、表面微細形状をディンプルと平坦部の組み合わせとした。
【0058】
これの表面形状を測定した結果、直径5μm以上30μm以下でかつ深さ0.1μm以上1μm以下のディンプルが占める面積率が38%、100μm四方当たりの当該のディンプルが28個となっていて、中心線平均粗さRa=0.121μm,最大高さRy=0.780μmに仕上がっていた。
【0059】
(実施例3)
この実施例において、一方の転動体24については、直径が40mm、厚さが20mmであって、トラクション転動面がフラットな円筒形状をなすものとした。これは、JIS G 4052に規定されるSCM420H鋼(クロムモリブデン鋼)に浸炭焼入れ焼戻しを施し、トラクション転動面に超仕上げ加工を施して転動方向とほぼ直交となる研削加工目として試験に供した。
【0060】
(比較例1,2)
この比較例1,2において、一方の転動体24については、直径が40mm、厚さが20mmであって、トラクション転動面がフラットな円筒形状をなすものとした。これは、JIS G 4052に規定されるSCM420H鋼(クロムモリブデン鋼)に、浸炭焼入れ焼戻しを施し、比較例1では、トラクション転動面に超仕上げ加工を施して転動方向とほぼ平行な研削加工目の円筒を準備し、一方、比較例2では、トラクション転動面に超仕上げ加工を施して転動方向と45°の研削加工目の円筒を準備して試験に供した。
【0061】
次に、以下の実施例4および比較例3の試験片としての各転動体のトラクション性能を調べるのに用いる4円筒転がり試験機について説明する。
【0062】
図6に示すように、この4円筒転がり試験機は、回転軸51に支持された従動側転動体52の外周面に、互いに平行な3本の回転軸53a〜53cで個別に支持された3個の駆動側転動体54a〜54cを接触させ、3本の回転軸53a〜53cのうちの1本(53a)に加圧機構により負荷を加えることで、従動側転動体52の外周面に各駆動側転動体54a〜54cを圧接させる構造になっている。
【0063】
加圧機構は、3本の加圧用アーム55a〜55cをT型に配置して、各アーム55a〜55cを上下方向に揺動自在に保持し、直線状に配置した横2本のアーム55a,55bの外側の端部にウエイト56を吊り下げると共に、両アーム55a,55bの内側の端部同士を上下に重合させており、残る縦1本のアーム55cは、一端部を横のアーム55a,55bの重合部分の上側に重合すると共に、他端部を先の駆動側転動体54aの回転軸53aに設けた加圧部57に当接させた構成をなしている。
【0064】
このような4円筒転がり試験機は、加圧機構において、左右のウエイト56の重量を各アーム55a〜55cを介して加圧部57に作用させ、従動側転動体52の外周面に各駆動側転動体54a〜54cを圧接させるようになっており、従動側転動体54の回転軸51に発生するトルクを測定することにより、トラクション係数を算出することができるようになっている。
【0065】
(実施例4)
この実施例において、従動側転動体52については、直径が60mm、厚さが10mmであって、トラクション転動面がフラットな円筒形状をなすものとした。これは、JIS G 4052に規定されるSCM420H鋼(クロムモリブデン鋼)に、浸炭焼入れ焼戻しを施すのに続いて研削加工を施した後、先端Rが50μmの焼結体立方晶窒化ほう素(c−BN)工具を用いて、切削速度250m/min,送り0.12mm/rev,片肉切り込み量0.005mmの条件で超精密切削を行い、この後、テープラップを施して表面粗さの凸部を削り落として製作し、表面微細形状を連続した溝と平坦部の組み合わせとした。
【0066】
3つの駆動側転動体54a〜54cについては、直径が60mm、厚さが10mm、トラクション転動面がR=30mmのクラウニング形状をなすように、JIS SCM420H鋼の浸炭焼入れ焼き戻し材に、研削および超仕上げ加工を施して製作し、トラクション転動面を中心線平均粗さRa=0.021μm,最大高さRy=0.155μmに仕上げた。そして、加工目方向は、転がり方向とほぼ平行になるように仕上げた。
【0067】
(比較例3)
この比較例において、従動側転動体52については、直径が60mm、厚さが10mmであって、トラクション転動面がフラットな円筒形状をなすものとした。これは、JIS G 4052に規定されるSCM420H鋼(クロムモリブデン鋼)に、浸炭焼入れ焼戻しを施すのに続いて研削加工を施した後、超仕上げ加工を施して製作し、トラクション面を中心線平均粗さRa=0.023μm,最大高さRy=0.166μmに仕上げた。
【0068】
3つの駆動側転動体54a〜54cについては、直径が60mm、厚さが10mm、トラクション転動面がR=30mmのクラウニング形状をなすように、JIS SCM420H鋼の浸炭焼入れ焼き戻し材に、研削および超仕上げ加工を施して製作し、トラクション面を中心線平均粗さRa=0.021μm,最大高さRy=0.155μmに仕上げ、いずれれの円筒も加工目方向は転がり方向と平行となるように仕上げた。
【0069】
実施例1〜4および比較例1〜3における各転動体の各々の最大高さRy,中心線平均粗さRa,2乗平均平方根粗さRq,油溜り量Voおよび油溜り深さ率Kを表3に示す。
【0070】
【表3】
Figure 0003685088
【0071】
そこで、上記実施例1〜3および比較例1,2の試験片としての各転動体に対して、2円筒転がり試験機10を用いた転がり滑り試験を実施してトルクおよび油膜形成率を測定した。
【0072】
本試験は、φ40mmフラット円筒とφ40mm−R20mmクラウニング円筒の組み合わせで行った。この際、測定は、回転数500rpm,油温度100℃,平均面圧0.35GPa,すべり率0〜5%の条件のもとで行い、この条件下でのトルクを計測した。
【0073】
そして、計測したトルクから接線力を算出し、さらに接触楕円面積で除することによってせん断応力を求めた。また、すべり率および回転数から相対すべり速度を算出し、これをHamrok−Dowsonの式に基づいて求めた中央油膜厚さで除することによってせん断率を算出した。さらに、油膜形成率は、電気抵抗法により計測し、計測電圧を完全分離状態における電圧で除した値と定義した。
【0074】
図7(a)は、上記のようにして求めたせん断率−せん断応力の関係を示し、図7(b)は、上記のようにして求めたせん断率−油膜形成率の関係を示している。
【0075】
図7(a),(b)に示すように、実施例1〜3では、比較例1に比べて金属接触の程度を増すことなくせん断応力を増加させることができることがわかった。また、本試験条件では、比較例1においてアイリング粘性領域となるように油温および面圧を選定して行ったが、このような条件下においても、実施例のような表面凹凸を有する場合には塑性領域に移行することがわかった。
【0076】
一方、比較例2に示したように、表面の形状によっては、せん断応力、すなわち、トラクション係数を実施例1よりも大きくすることが可能であるが、この場合には、金属接触の程度が増大していることから、耐久性が劣化することが懸念される。このように、実施例1〜3では、金属接触の程度を悪化させることなく、すなわち、油膜あるいは境界膜を維持しつつ、せん断応力(トラクション係数)の向上を実現できることがわかった。
【0077】
次に、実施例1および比較例1に示した転動体を用い、上記試験と同様に、これらの転動体に対して、2円筒転がり試験機10を用いた転がり滑り試験を実施してトルクおよび油膜形成率を測定した。
【0078】
本試験において、φ40mmフラット円筒とφ40mm−R20mmクラウニング円筒の組み合わせで行い、測定は、回転数2500rpm,油温度40,80,120,140℃,平均面圧0.82GPa,すべり率0〜5%の条件のもとで行った。この場合、すべり率5%におけるトルクから接線力を求め、さらに、押し付け荷重で除することによって、トラクション係数を算出した。また、油膜形成率は、電気抵抗法により計測し、計測電圧を完全分離状態における電圧で除した値と定義した。
【0079】
図8は、上記のようにして求めた温度−トラクション係数の関係を示し、図9は、上記のようにして求めた温度−分離電圧(油膜形成率)の関係を示している。また、このときの温度に対するトラクション係数(μT)の変化率を表4に示す。
【0080】
【表4】
Figure 0003685088
【0081】
比較例1の場合には、温度の上昇とともにトラクション係数は減少した。これに対して、表面形状を形成した実施例1の場合には、温度に対してトラクション係数はほぼ一定値を示した。
【0082】
一方、油膜形成率は実施例1および比較例1のいずれにおいても、温度の増加とともに減少する傾向を示したが、実施例1および比較例1の油膜形成率の差は小さいことがわかった。
【0083】
以上のように、表面形状を形成した実施例1の場合においても、金属接触の程度を比較例1と同程度にしながらトラクション係数を向上させることが可能であることがわかった。なお、今回使用した油Aの粘度特性は、表5に示すとおりである。本実施例以外の場合にも、油Aを使用している。
【0084】
【表5】
Figure 0003685088
【0085】
次に、実施例1および比較例1に示した転動体を用い、上記試験と同様に、これらの転動体に対して、2円筒転がり試験機10を用いた転がり滑り試験を実施してトルクおよび油膜形成率を測定した。
【0086】
本試験において、φ40mmフラット円筒とφ40mm−R20mmクラウニング円筒の組み合わせ、および、φ40mmフラット円筒とφ40mm−R700mmクラウニング円筒の組み合わせで行った。測定は、回転数250,500,2500rpm,油温度40,80,120,140℃,平均面圧は0.24,0.35,0.82GPa,すべり率0〜5%の条件のもとで行った。この場合も、すべり率5%におけるトルクから接線力を求め、さらに押し付け荷重で除することによりトラクション係数を算出した。各温度における油Aの圧力粘度係数αは表6に示すとおりである。
【0087】
【表6】
Figure 0003685088
【0088】
図10は、この圧力粘度係数αおよび平均面圧Pmeanの積α×Pmeanと、トラクション係数との関係を示しており、このときの(Δα×P)に対するトラクション係数(μT)の変化率を表7に示す。
【0089】
【表7】
Figure 0003685088
【0090】
図10より明らかなように、比較例1は、α×Pmeanの減少に伴ってトラクション係数が減少したが、実施例1はα×Pmeanが減少してもトラクション係数は減少せずに、ほぼ一定の値を示した。すなわち、比較例1の場合ではα×Pmeanが小さくそしてトラクション係数が低下してしまうような条件下でも、実施例1の場合は、トラクション係数が低下しないという優れた効果があることが実証できた。
【0091】
次に、実施例4および比較例3に示した転動体を用い、これらの転動体に対して、4円筒転がり試験機を用いた転がり滑り試験を実施してトルクを測定した。
【0092】
本試験において、測定は、回転数10000rpm,油温度150℃,平均面圧1.9GPa,すべり率0〜3%の条件のもとで行い、計測したトルクから接線力を求め、さらに押し付け荷重で除することによってトラクション係数を算出した。
【0093】
図11は、すべり率とトラクション係数の関係を示しており、このときのすべり率(Slip)に対するトラクション係数(μT)の変化率を表8に示す。
【0094】
【表8】
Figure 0003685088
【0095】
図11からわかるように、線形領域以上のすべり率において、比較例3はすべり率の増加に伴ってトラクション係数が低下してしまうのに対して、実施例4はすべり率が増加してもトラクション係数はほとんど減少せず、ほぼ一定値を示した。すべり率の増加に伴う比較例3のトラクション係数の減少は、せん断発熱が増加することにより、油膜内の温度が上昇したことに起因し、油が粘性的な特性を示したためと考えられる。一方、実施例4においては、表面形状の効果により、粘性的な特性を示している油を塑性的特性、すなわち、限界せん断応力的な特性にまで引き上げることにより、図11のような結果を示したものと考えられる。
【0096】
次に、および比較例1に示した転動体を用い、上記試験と同様に、これらの転動体に対して、2円筒転がり試験機10を用いた転がり滑り試験を実施してトルクを測定した。
【0097】
本試験において、φ40mmフラット円筒とφ40mm−R700mmクラウニング円筒の組み合わせで行い、測定は、回転数250,500,2500rpm,油温度100℃,平均面圧0.24GPa(荷重5kg),0.35GPa(荷重15kg),すべり率0〜7.5%の条件のもとで行った。この場合、計測したトルクから接線力を求め、さらに押し付け荷重で除することによってトラクション係数を算出した。
【0098】
図12および図13はすべり率とトラクション係数の関係を示しており、このときのすべり率(Slip)に対するトラクション係数(μT)の変化率を表9に示す。
【0099】
【表9】
Figure 0003685088
【0100】
図12および図13に示すように、実施例1の線形領域におけるトラクション曲線の傾きは、比較例1のトラクション曲線の傾きに比べて大きい。このトラクション曲線における線形領域の傾きは伝達効率を表しており、したがって、実施例1の場合には伝達効率が向上することが実証できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車用トロイダル式無段変速機の基本構成を示す断面説明図である。
【図2】すべり率の変化に応じたトラクション係数の変化曲線(トラクション曲線)を示すグラフである。
【図3】油膜の弾性的性質と粘性的性質とを組み合わせたモデルを示す説明図である。
【図4】せん断速度とせん断応力とを組み合わせたモデルを示すグラフ(a)および図4(a)の横軸を対数とした場合のグラフ(b)である。
【図5】転動体のトラクション面のトラクション性能を調べるのに用いた2円筒転がり試験機の概略構造説明図である。
【図6】転動体のトラクション面のトラクション性能を調べるのに用いた4円筒転がり試験機の概略構造説明図である。
【図7】せん断率−せん断応力の関係を示すグラフ(a)およびせん断率−油膜形成率の関係を示すグラフ(b)である。
【図8】温度−トラクション係数の関係を示すグラフ (a),(b)である。
【図9】温度−分離電圧(油膜形成率)の関係を示すグラフ(a),(b)である。
【図10】圧力粘度係数αおよび平均面圧Pmeanの積α×Pmeanとトラクション係数との関係を示すグラフである。
【図11】4円筒転がり試験機を用いた転がり滑り試験を行った際のすべり率とトラクション係数の関係を示すグラフである。
【図12】2円筒転がり試験機を用いた転がり滑り試験を行った際の荷重5kgにおけるすべり率とトラクション係数の関係を示すグラフ(a),(b)である。
【図13】2円筒転がり試験機を用いた転がり滑り試験を行った際の荷重15kgにおけるすべり率とトラクション係数の関係を示すグラフ(a),(b)である。
【符号の説明】
3 入力ディスク
5 出力ディスク
6 パワーローラ
22 他方の転動体
24 一方の転動体

Claims (6)

  1. トラクションドライブ用転動体を備え、このトラクションドライブ用転動体の転動面同士をトラクションオイルを介して接触させて動力を伝達する自動車用トロイダル式無段変速機において、トラクションオイルの油膜あるいは境界膜の形成を維持しつつ限界せん断応力を上限として粘性せん断応力を増加すべく、トラクションドライブ用転動体の転動面にトラクションオイルの油膜厚さよりも深い微細な凹部が形成されて、常時限界せん断応力付近で運転されることを特徴とする自動車用トロイダル式無段変速機。
  2. 表面粗さ計により測定される転動面の断面曲線は、微細な溝状凹部が複数配列されかつ凹部溝底までの距離を0.1〜2.5μmとした形状をなし、トラクションオイルの油膜あるいは境界膜の形成を維持しつつ限界せん断応力を上限として粘性せん断応力が増加されて、限界せん断応力付近で運転される請求項1に記載の自動車用トロイダル式無段変速機。
  3. 温度に対するトラクション係数の変化率がJIS B0601−1994に規定される中心線平均粗さRaを0.05μm以下、JIS B0601−1994に規定される2乗平均平方根粗さRqを0.07μm以下、DIN4776に規定される特殊負荷曲線パラメータにおける油溜り深さ率Kを0.9未満、この特殊負荷曲線パラメータにおける油溜り量Vを1.3×10−5(mm3/mm2)以下とした転動面の表面形状で得られる変化率以下である請求項1又は2に記載の自動車用トロイダル式無段変速機。
  4. 圧力粘度係数αおよび平均圧力Pmeanの積α×Pmeanと、トラクション係数との関係において、α×Pmeanに対するトラクション係数の変化率が0.01以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の自動車用トロイダル式無段変速機。
  5. すべり率と、トラクション係数との関係を表すトラクション曲線において、トラクションオイルの油膜厚さよりも深い微細な凹部を形成することにより、JIS B0601−1994に規定される中心線平均粗さRaを0.05μm以下、JIS B0601−1994に規定される2乗平均平方根粗さRqを0.07μm以下、DIN4776に規定される特殊負荷曲線パラメータにおける油溜り深さ率Kを0.9未満、この特殊負荷曲線パラメータにおける油溜り量Vを1.3×10−5(mm3/mm2)以下とした転動面の表面形状で得られる傾きよりも線形領域におけるすべり率に対するトラクション係数の傾きを大きくしてある請求項1ないし4のいずれかに記載の自動車用トロイダル式無段変速機。
  6. 40℃におけるトラクションオイルの圧力粘度係数が20(1/GPa)以上である請求項1ないし5のいずれかに記載の自動車用トロイダル式無段変速機。
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