JP2003343675A - トラクションドライブ用転動体およびトロイダル式無段変速機 - Google Patents

トラクションドライブ用転動体およびトロイダル式無段変速機

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JP2003343675A
JP2003343675A JP2002156661A JP2002156661A JP2003343675A JP 2003343675 A JP2003343675 A JP 2003343675A JP 2002156661 A JP2002156661 A JP 2002156661A JP 2002156661 A JP2002156661 A JP 2002156661A JP 2003343675 A JP2003343675 A JP 2003343675A
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rolling element
fine
traction drive
dimples
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JP2002156661A
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Hirotaka Chiba
啓貴 千葉
Toshikazu Nanbu
俊和 南部
Yoshiteru Yasuda
芳輝 保田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油膜が厚い条件下でトラクション係数を高く
維持することができ、油膜が薄い条件下においても耐久
性が低下しないトラクションドライブ用転動体を提供す
る。 【解決手段】 トラクションドライブ用転動体におい
て、パワーローラ3の転動面3aには、その転動方向に
沿ってらせん状に連続する微細溝3bを形成すると共
に、入出力ディスク1,2の各転動面1a,2aには、
パワーローラ3の微細溝3bの幅よりも小さい直径のデ
ィンプル1b,2bを形成し、パワーローラ3の微細溝
3bおよび入出力ディスク1,2のディンプル1b,2
bを少なくとも最大荷重におけるヘルツ接触楕円が通過
する範囲D内に配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転動面を有し、こ
の転動面間にトラクションオイルを介在させて動力を伝
達するトラクションドライブ用転動体およびこのトラク
ションドライブ用転動体を用いたトロイダル式無段変速
機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無段変速機は動力伝達性に優れているう
え、変速ショックが発生しないことから多方面で研究さ
れているが、その中でも、大きな動力を伝達することを
目的とした方式、すなわち、トラクションオイルを介在
させて転動面同士で動力を伝達する方式(トラクション
ドライブ方式)が数多く研究されている。
【0003】このトラクションドライブ方式を採用した
無段変速機の一例として、トロイダル式無段変速機があ
る。このトロイダル式無段変速機は、大径側から小径側
に向けて直径が漸次減少する入力ディスクと、同じく大
径側から小径側に向けて直径が漸次減少する出力ディス
クとを互いに小径側を対向させて同軸上に配置すると共
に、両ディスクの間に複数のパワーローラを配置した構
成をなしている。
【0004】入力ディスクおよび出力ディスクの各転動
面とパワーローラの転動面との間には、トラクションオ
イルが介在させてあり、このトロイダル式無段変速機で
は、入力ディスクの回転を各パワーローラを介して出力
ディスクに伝達し、この際、各パワーローラを傾動させ
て両ディスクの大径側と小径側との間でパワーローラの
接触位置を変化させることにより、変速比を無段階に変
化させるようになっている。
【0005】このようなトロイダル式無段変速機として
は、特開平11−148542号公報に記載されたトロ
イダル式無段変速機が一般的であり、このトロイダル式
無段変速機では、パワーローラの転動面を超仕上げ加工
して、表面粗さがRaで0.05μm以下の平滑面とす
ることにより、スピンによる発熱がもたらす油膜形成性
の低下や、油膜の形成不良による耐久性の低下を防止し
ている。
【0006】上記したトロイダル式無段変速機におい
て、とくに転動速度が速い運転条件下では、ディスクと
パワーローラとの間に厚い油膜が過度に形成されてトラ
クション係数が低下するという欠点があるが、本出願人
は、特願2000−258160号において、転動体の
転動面に油膜厚さよりも深い凹凸を形成して、転動面間
のトラクション係数を向上させることによって、大きな
トルク伝達を可能とすることを提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】自動車で用いられるト
ロイダル式無段変速機は、発進から最大速度まで、幅広
い転動速度で運転される。このため、運転中の転動面の
油膜厚さは大きく変化する。これはHamrock−D
owsonの油膜厚さの計算式(1)より明らかであ
る。 Hmin=3.63・U0.68・G0.49・W−0.073・{1−exp (−0.68k)} (1)
【0008】ここで、Uは速度パラメータ(U=η
ER)、Gは材料パラメータ(G=αE)、Wは荷重パ
ラメータ(W=w/ER、wは単位幅当たりの荷重)
である。
【0009】また、ηは大気圧下での油の粘度、αは
油の圧力粘度指数、Rは等価半径、uは周速(u+u
)/2、Eは等価弾性率である。
【0010】つまり、トロイダル式無段変速機におい
て、変速比のHIGH側(入力ディスクでは大径側、出
力ディスクでは小径側)のように、周速が高くて油膜が
できやすい位置に厚い油膜が不必要に形成されることに
なる。トラクションオイルが発生するせん断力は、簡単
には、(粘度)×(せん断率)で表わされ、油膜が不必
要に増すことは、せん断率の低下を招き、その結果、ト
ラクション係数が低下してしまうという問題があった。
【0011】この問題を解決するため、特願2000−
258160号に記載したように、転動体の転動面に油
膜厚さよりも深い凹凸を形成することを提案したが、転
動面に凹凸を深めに形成して、周速が高くて厚い油膜が
形成されるような条件下におけるトラクション係数の向
上を図ろうとすると、周速が低い発進時等では、油膜が
薄くなり過ぎて耐久性の低下が懸念される。一方、周速
が低くて油膜が薄い条件下において、油膜が薄くなり過
ぎるのを阻止するために凹凸を浅めに形成すると、周速
が高くて油膜が厚くなる条件下では、トラクション係数
を十分に高めることができないという問題があり、この
問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0012】
【発明の目的】本発明は、上述した課題に着目してなさ
れたものであって、油膜が厚い条件下においてトラクシ
ョン係数を高く維持することができるのは勿論のこと、
油膜が薄い条件下においても耐久性がほとんど低下しな
いトラクションドライブ用転動体およびこれを用いたト
ロイダル式無段変速機を提供することを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係わるトラクションドライブ用転動体にお
いて、一方の転動体の転動面には、その転動方向に沿っ
てらせん状に連続する微細溝を形成すると共に、他方の
転動体の転動面には、一方の転動体の微細溝の幅よりも
狭い幅の溝状あるいは小さい直径のディンプル状をなす
凹部を形成し、一方の転動体の転動面の微細溝および他
方の転動体の転動面の凹部を少なくとも最大荷重におけ
るヘルツ接触楕円が通過する範囲内に配置した構成とし
たことを特徴としており、このトラクションドライブ用
転動体の構成を前述した従来の課題を解決するための手
段としている。
【0014】
【発明の効果】そして、本発明によれば、上記した構成
としたため、油膜が厚い条件下においてトラクション係
数を高く維持することができるのは言うまでもなく、油
膜が薄い条件下においても油膜を効果的に形成すること
が可能であり、その結果、金属接触を効果的に防止する
ことができるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0015】耐久性を考慮すると、他方の転動体の転動
面に溝状やディンプル状の凹部を形成しない場合に比
べ、一方の転動体の転動面により深い微細溝を形成する
ことができるため、より高いトラクション係数を得るこ
とができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明者らは、本発明に係わるト
ラクションドライブ用転動体を上記した構成とすること
で、油膜が厚い条件下のみならず、油膜が薄い条件下に
おいても油膜を効果的に形成可能であることを見出した
が、一方の転動体の転動面に、その転動方向に沿ってら
せん状に連続する微細溝を形成すると共に、この微細溝
の幅よりも狭い幅の溝状あるいは小さい直径のディンプ
ル状をなす凹部を形成し、微細溝および凹部を少なくと
も最大荷重におけるヘルツ接触楕円が通過する範囲内に
配置することによっても、上記トラクションドライブ用
転動体と同様の効果を得ることができることを見出し
た。
【0017】また、他方の転動体の転動面に、一方の転
動体の微細なディンプルの直径よりも狭い幅の溝状ある
いは小さい直径のディンプル状をなす凹部を形成し、一
方の転動体の転動面の微細なディンプルおよび他方の転
動体の転動面の凹部を少なくとも最大荷重におけるヘル
ツ接触楕円が通過する範囲内に配置したり、一方の転動
体の転動面に、複数の微細なディンプルを形成すると共
に、これらの複数の微細なディンプルの直径よりも狭い
幅の溝状あるいは小さい直径のディンプル状をなす凹部
を形成し、微細なディンプルおよび凹部を少なくとも最
大荷重におけるヘルツ接触楕円が通過する範囲内に配置
したりすることによっても、上記トラクションドライブ
用転動体と同様の効果を得ることができる。
【0018】ここで、他方の転動体の転動面における凹
部の幅あるいは直径を一方の転動体の転動面における微
細溝の幅あるいはディンプルの直径の1/100以上で
かつ1/5以下とすると共に、他方の転動体の転動面に
おける凹部の深さを一方の転動体の転動面における微細
溝あるいはディンプルの深さの1/20以上でかつ1/
5以下とすることが好ましく、また、一方の転動体の転
動面に形成した凹部の幅あるいは直径を微細溝の幅ある
いはディンプルの直径の1/100以上でかつ1/5以
下とすると共に、一方の転動体の転動面に形成した凹部
の深さを微細溝あるいはディンプルの深さの1/20以
上でかつ1/5以下とすることが好ましい。
【0019】これによって、計算油膜厚さが薄くなる条
件下において、すなわち、油膜温度が高くて周速が遅い
条件において、より効果的に油膜を形成することがで
き、金属接触に伴う耐久性の低下を防止することが可能
となる。なお、計算油膜厚さとは、前述した式(1)で
算出されるものである。
【0020】さらに、一方の転動体の転動面に形成した
微細溝あるいはディンプルの間隔を微細溝の幅あるいは
ディンプルの直径よりも大きくし、かつ、EN ISO
13565−1においてunfiltered primary profil
eと規定されるフィルタを通さない断面曲線中心線より
上に存在する微細溝あるいはディンプルの間の凸部分を
角が丸みを帯びた台形状,クラウニング形状および楕円
弧状のいずれかとすることが好ましく、これによって、
より高いトラクション係数を発揮することができる。
【0021】さらにまた、凹部が溝状をなす場合の単位
長さ当たりの本数あるいは凹部がディンプル状をなす場
合の単位面積当たりの個数を一方の転動体の転動面にお
ける微細溝の単位長さ当たりの個数あるいはディンプル
の単位面積当たりの個数よりも多くすることが好まし
く、これによって、油膜が薄くなる条件下において、さ
らに優れた耐久性低下防止機能を維持することができ
る。
【0022】さらにまた、一方の転動体の転動面に形成
した微細溝の深さあるいはディンプルの深さを1μm以
上でかつ4μm以下とし、微細溝同士の間隔あるいはデ
ィンプル同士の間隔を100μm以上でかつ300μm
以下とすることが好適であり、この際、一方の転動体の
転動面に形成した微細溝の深さあるいはディンプルの深
さを1.5μm以上でかつ3μm以下とし、微細溝同士
の間隔あるいはディンプル同士の間隔を150μm以上
でかつ250μm以下とすることがより好適である。
【0023】これによって、自動車のトロイダル式無段
変速機に適したトラクション係数向上能力と耐久性低下
防止能力をバランスさせることができる。
【0024】さらにまた、転動体の転動面の EN I
SO 13565−1 に基づいてunfiltered primary
profile と規定されるフィルタを通さない断面曲線にお
いて、微細溝あるいはディンプル間に位置する凸部分の
頂上部の高さを揃えることが好ましく、これにより、転
動面における金属接触をより効果的に防止することがで
きる。
【0025】さらにまた、凹部の面積率を2%以上でか
つ20%以下とするすることで、油膜の薄い条件下での
金属接触をより効果的に防止することができ、凹部が溝
状をなす場合の幅あるいは凹部がディンプル状をなす場
合の直径を2μm以上でかつ40μm以下とし、凹部の
深さを0.1μm以上でかつ0.5μm以下とすること
によって、自動車用トロイダル式無段変速機に適したト
ラクション係数向上能力に応じた耐久性低下防止能力を
発揮することができる。
【0026】そして、円環凹面形状をなす転動面を備え
た入力ディスクおよび出力ディスクを対向して配置し、
これらの入力ディスクおよび出力ディスクの間に、円環
凸面形状をなす転動面を備えた回転伝達用のパワーロー
ラを傾動可能に介在させたトロイダル式無段変速機にお
いて、パワーローラ,入力ディスクおよび出力ディスク
のうちの少なくとも1つを上記のトラクションドライブ
用転動体とすることにより、変速機のサイズに比例して
トルクの伝達能力が大きく、そして、耐久性に優れたト
ロイダル式無段変速機を提供することができる、すなわ
ち、自動車用として適したトロイダル式無段変速機を提
供することができる。
【0027】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明に係わるト
ラクションドライブ用転動体およびこれを用いたトロイ
ダル式無段変速機の実施例について説明するが、本発明
は、以下の実施例のみに限定されないことは言うまでも
ない。
【0028】(実施例1)図1は、本発明に係わるトロ
イダル式無段変速機の入出力ディスクおよびパワーロー
ラの部分の片側半分の断面を示し、図2は、図1のトロ
イダル式無段変速機のパワーローラの底面を示してい
る。
【0029】このトロイダル式無段変速機は、自動車の
変速機に用いられるものであって、図1に示すように、
動力伝達系を介してエンジン側に連結される入力ディス
ク1と、別の動力伝達系を介して車軸側に連結される出
力ディスク2と、両ディスク1,2の間に配置される複
数のパワーローラ3を備えており、入力ディスク1およ
び出力ディスク2は、いずれも大径側から小径側に向け
て直径が漸次減少する概略円錐状をなしていると共に、
円環凹面形状の転動面1a,2aをそれぞれ有してい
て、小径側を互いに対向させた状態で同軸上に配置され
ている。
【0030】パワーローラ3は、図2にも示すように、
円環凸面形状の転動面3aを有すると共に、中心の連結
孔4の位置で図示しない支持部材に取り付けられる。パ
ワーローラ3は、各ディスク1,2の回転軸Aに交差す
る回転軸B回りに回転自在になっていると共に、この回
転軸B上の傾動中心Cを支点にして支持部材とともに両
ディスク1,2の配列方向(図1左右方向)に傾動可能
となっており、この傾動動作は図示しない駆動手段によ
って行われる。
【0031】両ディスク1,2およびパワーローラ3は
トラクションドライブ用転動体であ、り、ディスク1,
2を回転軸A方向に押圧する手段や、パワーローラ3を
回転軸B方向に押圧する手段によって、トラクションオ
イルを介して所定の圧力で接触する。
【0032】このようなトロイダル式無段変速機におい
て、両ディスク1,2とパワーローラ3との理論的な接
触位置Eは、点接触となるものであるが、実際に接触す
る部分は、最大荷重におけるヘルツ接触楕円が通過する
範囲、すなわち、図示する理論接触位置Eを挟んで、範
囲D1およびD2(これらを合わせて接触範囲Dとす
る)の範囲となる。そして、パワーローラ3の転動面3
aには、凹凸状の表面微細形状が形成してある、すなわ
ち、パワーローラ3の転動方向に沿ってらせん状に連続
する微細溝が形成してあり、この微細溝は、両ディスク
1,2との接触範囲Dのみに設けてある。一方、両ディ
スク1,2には、パワーローラ3に形成した微細溝の幅
よりも小さい直径のディンプルが複数形成してある。
【0033】このように構成されたトロイダル式無段変
速機は、入力ディスク1の回転を複数のパワーローラ3
を介して出力ディスク2に伝達し、この際、パワーロー
ラ3を傾動させることにより、入出力ディスク1,2と
の接触位置を変化させて、変速比を無段階的に変化させ
る。このトロイダル式無段変速機は、自動車の運転中に
おいて、発進から最大速度までの幅広い転動速度で運転
される。また、道路の勾配や加速力に応じて出力トルク
が変化すると、図示しないトルク感応型押付力発生機構
の作動によりトルクに応じた押付力が発生するため、入
出力ディスク1,2とパワーローラ3との間の押付力が
変化し、これとともに接触面圧が変化する。この転動速
度および押付力(接触面圧)の変化に応じて油膜厚さが
変わることで、幅広い油膜厚さ領域、および、幅広い接
触面圧領域において使用されることになる。
【0034】この油膜厚さの変化は、上記したHamr
ock−Dowsonの油膜厚さHminの計算式
(1)により求めることができるが、パワーローラ3の
転動面3aが従来のように平滑面であると、転動速度が
速い運転条件下において、両ディスク1,2とパワーロ
ーラ3との間に形成される油膜が過度に厚くなることが
ある。これを防ぐ目的で、円周方向にほぼ平行に連続溝
を形成すると、溝の深さが相対的に深い場合には、すな
わち油膜が厚い場合には、優れたトラクション性能が得
られるものの、相対的に油膜が薄くなった場合には、転
動体同士が接近して金属接触しやすい状況となるため、
耐久性の低下が懸念される。
【0035】一方、連続溝の深さが浅い場合には、相対
的に油膜が薄い時のように耐久性が低下するといった問
題はないが、相対的に油膜が厚くなった時でもトラクシ
ョン係数に大きな変化が見られなくなる。すなわち、ト
ラクション係数の向上代と耐久性はトレードオフの関係
にあり、より高い面圧でかつより薄い計算油膜厚さで使
用しようとすると、耐久性の低下が懸念されて設計の自
由度が低いものとなる。
【0036】これに対して、このトロイダル式無段変速
機では、上記したように、パワーローラ3の転動面3a
に、図3に示すように、パワーローラ3の転動方向に沿
ってらせん状に連続する微細溝3bが形成してあり、一
方、入出力ディスク1,2の転動面1a,2aには、図
4に示すように、凹部としての微細なディンプル1b
(2b)が複数形成してあり、これらのディンプル1
b,2bの直径は、図5にも示すように、パワーローラ
3に形成した微細溝3bの幅よりもさらに小さい。
【0037】これにより、計算油膜厚さが厚い条件下で
は、円周方向にらせん状に連続する微細溝3bの効果に
より、高いトラクション係数を発揮することができると
共に、とくに計算油膜厚さが薄くかつ接触面圧が高い条
件下においても、微細なディンプル1b,2bによる油
膜形成能力が増大するため、耐久性の低下についての問
題がなくなる。
【0038】言い換えると、微細なディンプル1b,2
bを形成することにより、とくに計算油膜厚さが薄くな
り、また、接触面圧が高くなるような条件下において、
効果的に油膜を形成することができるため、ディンプル
1b,2bを形成しない場合に比べて、より深い連続溝
を形成して、より高いトラクション係数を得ることがで
きる。
【0039】このディスク1,2に形成したディンプル
1b,2bの直径は、パワーローラ3に形成した微細溝
3bの幅の1/100〜1/5であり、また、ディンプ
ルの深さは、パワーローラ3に形成した微細溝3bの高
低差の1/20〜1/5の範囲内に入ることが望まし
い。これにより、計算油膜厚さが薄くなる条件下におい
て、より効果的に油膜を形成し、金属接触に伴う耐久性
の低下を防止することができる。
【0040】また、パワーローラ3に形成した円周方向
のらせん状に連続する微細溝3bと交互に隣接する凸部
分(隣接する微細溝間の形状)3Aの幅Xは、EN I
SO13565−1にてunfiltered primary profile
と規定される断面曲線において、微細溝3bの幅Yより
も大きく、かつ、断面曲線の中心線Lより上の凸部分3
Aの形状を角が丸みを帯びた台形状(図3(a))、ク
ラウニング形状、楕円弧状(図3(b))のいずれかに
する構成となすことで、より高いトラクション係数を発
揮することができる。
【0041】さらに、微細なディンプル1b,2bの単
位面積あたりの個数を単位長さあたりの微細溝3bの本
数に比較して多く形成したため、計算油膜厚さが薄くな
る条件において、より一層効果的に油膜を形成すること
ができ、金属接触に伴う耐久性低下防止能力を発揮する
ことができる。
【0042】さらにまた、パワーローラ3に形成した円
周方向にらせん状に連続する微細溝3bの深さZを1〜
4μmとすると共に、微細溝3b同士の間隔(ピッチ)
Pを100〜300μmとすることが好ましく、より好
ましくは、深さZを1.5〜3μmとし、ピッチPを1
50〜250μmとすれば、自動車用トロイダル式無段
変速機に適したトラクション係数の向上能力および耐久
性の低下防止能力の両立が可能となる。
【0043】このパワーローラ3を自動車用トロイダル
式無段変速機に用いた場合、微細溝3bの深さZを1μ
m以下とすると、トラクション係数の向上能力が不足
し、深さZを4μm以上とすると、耐久性の低下防止能
力が不足する。一方、深さZを1.5〜3μmとし、ピ
ッチPを150〜250μmと限定することにより、自
動車用トロイダル式無段変速機として用いた場合に、ト
ラクション係数の向上能力と耐久性の低下防止能力とを
最適にバランスさせることができる。
【0044】さらにまた、パワーローラ3に形成した円
周方向のらせん状に連続する微細溝3bと交互に隣接す
る凸部分3Aの頂上部の高さは、転動面のフィルターを
通さない断面曲線における凸部分の頂上部の高さとして
揃えてあるため、各凸部分3Aにおける油膜の厚さが均
一となり、金属接触に伴う耐久性の低下防止能力をより
一層向上させることができる。
【0045】さらにまた、ディスク1,2に形成したデ
ィンプル1b,2bは、面積率が2〜20%であるた
め、油膜の薄い条件下での金属接触に伴う耐久性低下防
止能力をさらに向上させることができ、加えて、望まし
くは、ディンプル1b,2bの直径を2〜40μmと
し、ディンプルの深さを0.1〜0.5μmとすること
によって、油膜の薄い条件下での自動車用トロイダル式
無段変速機に適したトラクション係数向上能力に応じた
耐久性低下防止能力を発揮することができる。
【0046】なお、本実施例では、パワーローラ3の転
動面3aに微細溝3bを設け、入出力ディスク1,2の
各転動面1a,2aに凹部としての微細なディンプル1
b,2bを設けた場合を示したが、パワーローラ3の転
動面3aに凹部としての微細なディンプルを設け、入出
力ディスク1,2の各転動面1a,2aにらせん状の微
細溝を設けた場合でも同様の効果が得られる。
【0047】また、パワーローラ3の転動面3aに微細
溝を設け、入出力ディスク1,2の各転動面1a,2a
にさらに幅の狭いらせん状の溝を設けた場合や、入出力
ディスク1,2の各転動面1a,2aに微細溝を設け、
パワーローラ3の転動面3aにさらに幅の狭いらせん状
の溝を設けた場合も同様の効果が得られる。
【0048】(実施例2)図6は、本発明に係わるトラ
クションドライブ用転動体の他の実施例による転動体の
表面微細形状の断面を示し、図7はこの実施例における
転動体の表面微細形状の平面を示している。
【0049】本実施例において、パワーローラ3の転動
面3aに、その転動方向に沿ってらせん状に連続する微
細溝3bを形成すると共に、この微細溝3bと交互に隣
接し配置された凸部分3Aの表面に、微細溝3bよりも
微細なディンプル(凹部)3cを形成している。
【0050】これにより、前述した実施例1と同様に、
高いトラクション係数を発揮することができると共に、
計算油膜厚さが薄くなる条件下において、耐久性の低下
を防止する能力を同時に発揮することができる。本実施
例では、実施例1と比較して加工面積を小さくすること
ができるため、製造コストを低減することができる。
【0051】なお、本実施例では、パワーローラ3の転
動面3aにらせん状をなす微細溝3bおよび微細なディ
ンプル3cを設けた場合を示したが、入出力ディスク
1,2の各転動面1a,2aに微細溝および微細なディ
ンプルを設けた場合も同様の効果が得られる。
【0052】また、パワーローラ3の転動面3aに微細
溝3bとさらに微細な溝を設けた場合や、入出力ディス
ク1,2の各転動面1a,2aに微細溝とさらに微細な
溝を設けた場合も同様の効果が得られる。
【0053】(実施例3)図8は、本発明に係わるトラ
クションドライブ用転動体のさらに他の実施例を示して
いる。
【0054】本実施例において、入出力ディスク1,2
の変速比が1:1となる位置の近傍に、転動方向とほぼ
平行にらせん状に連続する微細溝1c,2cを形成し、
パワーローラ3の転動面3aに微細溝1c,2cよりも
微細な凹部としてのディンプル3dを形成している。
【0055】このような構成としたことにより、実施例
1と比較して加工面積を小さくすることができるため、
製造コストの低減を実現することが可能となり、また、
面圧が高くて変速比が低い部分には、トラクション係数
の向上を目的とした微細溝を形成しない(言い換える
と、面圧の比較的低い部分にのみ、微細溝1c,2cを
形成する)構成としているので、実施例1,2と比較し
て、より高いトラクション係数向上効果が得られる。
【0056】(実施例4)この実施例において、入出力
ディスク1,2の変速比が1:1となる位置の近傍に、
転動方向とほぼ平行にらせん状に連続する微細溝1c,
2cを形成し、この微細溝1c,2cと交互に隣接して
配置される凸部分1A,2Aに、微細溝1c,2cより
も小さな微細なディンプル1d,2dを形成している
(図8参照)。
【0057】このような構成としたことにより、実施例
3と同様の効果が得られると共に、実施例3と比較して
加工面積を小さくすることができるため、製造コストを
低減することができる。
【0058】(実施例5および6)これらの実施例にお
いて、実施例1と同様に、パワーローラ3の転動面3a
に微細溝3bを設けると共に、入出力ディスク1,2の
各転動面1a,2aに微細なディンプル1b,2bを設
けており、実施例1と異なるところは微細溝3bおよび
微細なディンプル1b,2bの各仕様をそれぞれ変更し
たものとしている。
【0059】(比較例)この比較例では、パワーローラ
3の転動面3aに微細溝を設け、入出力ディスク1,2
の各転動面1a,2aに対してRaが0.03〜0.0
4μmとなるように超仕上げを施した。
【0060】以上の実施例1〜6および比較例につい
て、トラクション係数および耐久時間を測定した。
【0061】トラクション係数を測定するにあたって、
図9に示す4円筒試験を行った。この4円筒試験機は、
回転軸51に支持された従動側転動体52の外周面に、
互いに平行な3本の回転軸53a〜53cで個別に支持
された3個の駆動側転動体54a〜54cを接触させ、
加圧機構において、左右のウェイト56の重量を各アー
ムを介して加圧部に作用させて、3本の回転軸のちの一
本の回転軸53aに負荷を加えることで、従動側転動体
52の外周面に各駆動側転動体54a〜54cの外周面
を圧接させる構造になっており、従動側転動体52の回
転軸51に発生するトルクを測定することにより、トラ
クション係数を算出することができるようになってい
る。
【0062】この試験では、パワーローラ3と同様の表
面形状を従動側転動体に付けていると共に、ディスク
1,2と同様の表面形状を駆動側転動体54a〜54c
に付けており、上記実施例1〜6および比較例の試験で
は、回転速度30m/s、軸回転数10000rpm、
スリップ率3%として、従動側を作動させた。従動側転
動体52は、直径60mm、厚さ10mmのフラットな
円筒形状とした。駆動側転動体は、直径60mm、厚さ
10mm、副曲率R30のクラウニング円筒形状とし
た。ヘルツ接触の最大面圧は2.9GPaである。ま
た、トラクションオイルは、日産純正エクストロイド
CVT用オイルKTF−1を用い、供給油温150℃で
試験した。この条件でのトラクション係数を測定し、比
較例との比を評価した。
【0063】また、耐久試験は、上記と同様の4円筒試
験を用い、駆動側転動体の副曲率R5のクラウニング円
筒形状を用いた。ヘルツ接触の最大面圧は5Gpaであ
る。この試験では、ピッチングが発生するまでの時間
(寿命)を測定した。各実施例について寿命を測定し、
比較例に対する寿命比で評価した。
【0064】実施例1〜6および比較例の仕様を表1に
示し、評価結果を表2に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】表1,2から、実施例1〜6に係わるトラ
クションドライブ用転動体が、従来技術である比較例に
おけるトラクションドライブ用転動体と比較して、いず
れも優れたトラクション係数の向上能力および耐久性の
低下防止能力を有していることが実証できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるトロイダル式無段変速機の一実
施例による入出力ディスクおよびパワーローラの部分の
片側半分を示す断面図説明図である。
【図2】図1におけるトロイダル式無段変速機のパワー
ローラを示す底面説明図である。
【図3】図1に示したパワーローラにおける表面微細形
状の中心線より上部が台形状をなす場合の断面説明図
(a)および表面微細形状の中心線より上部が楕円弧状
をなす場合の断面説明図(b)である。
【図4】図1に示した入出力ディスクの表面微細形状を
示す断面説明図である。
【図5】図1に示した入出力ディスクの表面微細形状を
接触面に垂直な方向から見た透視説明図である。
【図6】本発明に係わるトロイダル式無段変速機の他の
実施例におけるパワーローラの表面微細形状を示す断面
説明図である。
【図7】図6に示したパワーローラにおける表面微細形
状を接触面に垂直な方向から見た説明図である。
【図8】本発明に係わるトロイダル式無段変速機のさら
に他の実施例における入出力ディスクおよびパワーロー
ラの表面微細形状とする位置を示す断面図である。
【図9】トラクションドライブ用転動体のトラクション
係数および耐久時間を測定するための装置を示す概略斜
視説明図である。
【符号の説明】
1 入力ディスク(転動体) 1A 凸部分(隣接する微細溝間の形状) 1a 転動面 1b ディンプル(凹部) 1c 微細溝 1d ディンプル(凹部) 2 出力ディスク(転動体) 2A 凸部分(隣接する微細溝間の形状) 2a 転動面 2b ディンプル(凹部) 2c 微細溝 2d ディンプル(凹部) 3 パワーローラ 3A 凸部分(隣接する微細溝間の形状) 3a 転動面 3b 微細溝 3c ディンプル(凹部) 3d ディンプル(凹部) D 接触範囲(最大荷重におけるヘルツ接触楕円が通
過する範囲) L 断面曲線中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保田 芳輝 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3J051 AA03 BA03 BB02 BD02 BE09 CA05 CB07 EC07

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転動面間にトラクションオイルを介在さ
    せて動力を伝達するトラクションドライブ用転動体にお
    いて、一方の転動体の転動面には、その転動方向に沿っ
    てらせん状に連続する微細溝を形成すると共に、他方の
    転動体の転動面には、一方の転動体の微細溝の幅よりも
    狭い幅の溝状あるいは小さい直径のディンプル状をなす
    凹部を形成し、一方の転動体の転動面の微細溝および他
    方の転動体の転動面の凹部を少なくとも最大荷重におけ
    るヘルツ接触楕円が通過する範囲内に配置したことを特
    徴とするトラクションドライブ用転動体。
  2. 【請求項2】 転動面間にトラクションオイルを介在さ
    せて動力を伝達するトラクションドライブ用転動体にお
    いて、一方の転動体の転動面に、その転動方向に沿って
    らせん状に連続する微細溝を形成すると共に、この微細
    溝の幅よりも狭い幅の溝状あるいは小さい直径のディン
    プル状をなす凹部を形成し、微細溝および凹部を少なく
    とも最大荷重におけるヘルツ接触楕円が通過する範囲内
    に配置したことを特徴とするトラクションドライブ用転
    動体。
  3. 【請求項3】 転動面間にトラクションオイルを介在さ
    せて動力を伝達するトラクションドライブ用転動体にお
    いて、一方の転動体の転動面には、複数の微細なディン
    プルを形成すると共に、他方の転動体の転動面には、一
    方の転動体の微細なディンプルの直径よりも狭い幅の溝
    状あるいは小さい直径のディンプル状をなす凹部を形成
    し、一方の転動体の転動面の微細なディンプルおよび他
    方の転動体の転動面の凹部を少なくとも最大荷重におけ
    るヘルツ接触楕円が通過する範囲内に配置したことを特
    徴とするトラクションドライブ用転動体。
  4. 【請求項4】 転動面間にトラクションオイルを介在さ
    せて動力を伝達するトラクションドライブ用転動体にお
    いて、一方の転動体の転動面に、複数の微細なディンプ
    ルを形成すると共に、これらの複数の微細なディンプル
    の直径よりも狭い幅の溝状あるいは小さい直径のディン
    プル状をなす凹部を形成し、微細なディンプルおよび凹
    部を少なくとも最大荷重におけるヘルツ接触楕円が通過
    する範囲内に配置したことを特徴とするトラクションド
    ライブ用転動体。
  5. 【請求項5】 他方の転動体の転動面における凹部の幅
    あるいは直径を一方の転動体の転動面における微細溝の
    幅の1/100以上でかつ1/5以下とすると共に、他
    方の転動体の転動面における凹部の深さを一方の転動体
    の転動面における微細溝の深さの1/20以上でかつ1
    /5以下とした請求項1に記載のトラクションドライブ
    用転動体。
  6. 【請求項6】 他方の転動体の転動面における凹部の幅
    あるいは直径を一方の転動体の転動面におけるディンプ
    ルの直径の1/100以上でかつ1/5以下とすると共
    に、他方の転動体の転動面における凹部の深さを一方の
    転動体の転動面におけるディンプルの深さの1/20以
    上でかつ1/5以下とした請求項3に記載のトラクショ
    ンドライブ用転動体。
  7. 【請求項7】 一方の転動体の転動面に形成した凹部の
    幅あるいは直径を微細溝の幅の1/100以上でかつ1
    /5以下とすると共に、一方の転動体の転動面に形成し
    た凹部の深さを微細溝の深さの1/20以上でかつ1/
    5以下とした請求項2に記載のトラクションドライブ用
    転動体。
  8. 【請求項8】 一方の転動体の転動面に形成した凹部の
    幅あるいは直径をディンプルの直径の1/100以上で
    かつ1/5以下とすると共に、一方の転動体の転動面に
    形成した凹部の深さをディンプルの深さの1/20以上
    でかつ1/5以下とした請求項4に記載のトラクション
    ドライブ用転動体。
  9. 【請求項9】 一方の転動体の転動面に形成した微細溝
    あるいはディンプルの間隔を微細溝の幅あるいはディン
    プルの直径よりも大きくし、かつ、EN ISO 13
    565−1においてunfiltered primary profileと規
    定されるフィルタを通さない断面曲線中心線より上に存
    在する微細溝あるいはディンプルの間の凸部分を角が丸
    みを帯びた台形状,クラウニング形状および楕円弧状の
    いずれかとした請求項1ないし8のいずれかに記載のト
    ラクションドライブ用転動体。
  10. 【請求項10】 凹部が溝状をなす場合の単位長さ当た
    りの本数あるいは凹部がディンプル状をなす場合の単位
    面積当たりの個数を一方の転動体の転動面における微細
    溝の単位長さ当たりの個数あるいはディンプルの単位面
    積当たりの個数よりも多くした請求項1ないし9のいず
    れかに記載のトラクションドライブ用転動体。
  11. 【請求項11】 一方の転動体の転動面に形成した微細
    溝の深さあるいはディンプルの深さを1μm以上でかつ
    4μm以下とし、微細溝同士の間隔あるいはディンプル
    同士の間隔を100μm以上でかつ300μm以下とし
    た請求項1ないし10のいずれかに記載のトラクション
    ドライブ用転動体。
  12. 【請求項12】 一方の転動体の転動面に形成した微細
    溝の深さあるいはディンプルの深さを1.5μm以上で
    かつ3μm以下とし、微細溝同士の間隔あるいはディン
    プル同士の間隔を150μm以上でかつ250μm以下
    とした請求項1ないし10のいずれかに記載のトラクシ
    ョンドライブ用転動体。
  13. 【請求項13】 転動体の転動面の EN ISO 1
    3565−1 に基づいて unfiltered primary profile
    と規定されるフィルタを通さない断面曲線において、
    微細溝あるいはディンプル間に位置する凸部分の頂上部
    の高さを揃えてある請求項11または12に記載のトラ
    クションドライブ用転動体。
  14. 【請求項14】 凹部の面積率を2%以上でかつ20%
    以下とした請求項1ないし13のいずれかに記載のトラ
    クションドライブ用転動体。
  15. 【請求項15】 凹部が溝状をなす場合の幅あるいは凹
    部がディンプル状をなす場合の直径を2μm以上でかつ
    40μm以下とし、凹部の深さを0.1μm以上でかつ
    0.5μm以下とした請求項14に記載のトラクション
    ドライブ用転動体。
  16. 【請求項16】 円環凹面形状をなす転動面を備えた入
    力ディスクおよび出力ディスクを対向して配置し、これ
    らの入力ディスクおよび出力ディスクの間に、円環凸面
    形状をなす転動面を備えた回転伝達用のパワーローラを
    傾動可能に介在させたトロイダル式無段変速機におい
    て、パワーローラ,入力ディスクおよび出力ディスクの
    うちの少なくとも1つを請求項1ないし15のいずれか
    に記載のトラクションドライブ用転動体としたことを特
    徴とするトロイダル式無段変速機。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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