JP2002210978A - インク記録装置 - Google Patents

インク記録装置

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JP2002210978A
JP2002210978A JP2001008895A JP2001008895A JP2002210978A JP 2002210978 A JP2002210978 A JP 2002210978A JP 2001008895 A JP2001008895 A JP 2001008895A JP 2001008895 A JP2001008895 A JP 2001008895A JP 2002210978 A JP2002210978 A JP 2002210978A
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recording
electrode
ink
electrodes
pulse
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Application number
JP2001008895A
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English (en)
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Shunichi Tanaka
俊一 田中
Shige Sato
樹 佐藤
Koji Kawaguchi
幸治 川口
Seiji Kuwabara
誠治 桑原
Hiroyuki Muramatsu
博之 村松
Atsuya Akase
篤也 赤瀬
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Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】サテライトやかぶりといった印字ノイズの発生
を低減させ安定かつ高品質な印字出力が維持できるイン
ク記録装置を提供すること。 【解決手段】CPU内にセットされたソフトタイマーを
用いて両電極がアクティブ状態から定常状態に移り変わ
るタイミングを両電極間で微小時間Δtずらすよう駆動
させることで両電極間に生じる電界強度を段階的に減少
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高品質画像の高
速出力が要求される印刷業界から、オフィス、パーソナ
ルな要求に基づくプリンター業界、多種多様な記録紙を
用いる低価格な汎用出力機器などを求める民製品業界ま
で広範なニーズに対応可能な出力画像を記録紙に得る為
のインク記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインク記録装置では特開昭56−
4467に開示されているような静電力(以下クーロン
力)を用いたインクジェット記録方式が提案されてい
る。前記方式における記録ヘッドの構成について図6
(a)を用いて説明する。記録画素単位に記録電極15
を配置したヘッド下板13と、絶縁性のヘッド上板10
で構成した単一のスリット開口部17にインクを充填
し、前記記録電極15と、前記スリット開口部17より
微小間隙を介して配置された対向電極11間に記録パル
スを印加することによりインクにクーロン力を与えて対
向電極11方向に向けてインクを飛翔させる方式であ
る。
【0003】したがって記録ヘッドの内部は記録電極1
5のパターン配列だけでよく、またインクドットの飛翔
は記録電極15と対向電極11間に印加する記録パルス
によって発生する電界の電気力線に沿って、帯電したイ
ンクドットが飛翔するので、開口部がスリット構造であ
っても任意の位置よりインクドットを飛翔させることが
できる。以上より本方式は記録ヘッドの構造が非常に簡
素であるため製造コストを低く抑えることができるなど
のメリットがある。
【0004】また記録パルスの駆動方法は、原理的には
記録電極15側に選択的に記録パルスを印加して対向電
極11側は接地させる方法が挙げられるが、記録電極1
5側を駆動させるドライバの耐圧制限や狭ピッチで配列
された記録電極15の隣接間での放電を防止するため
に、記録電極15側に印加する電圧パルスと対向電極1
1側に印加するバイアスの電圧パルスとに分割する方法
が一般に用いられる。これにより両電極間でインク飛翔
に必要な電位差を確保しつつ、記録電極15側の電圧を
低く抑えることが可能となる。
【0005】次に以上のように構成された記録ヘッドの
1ドットのインク噴出動作について図6(b)を用いて
説明する。図6(b)は横軸に時間、縦軸に記録電極1
5の電圧、対向電極11の電圧を示すタイムチャートで
あり、その下は両電極間に生じる電界強度を示したタイ
ムチャートである。
【0006】ここでは前記のように記録電極15と対向
電極11の両方に記録パルスを同時に印加していて、駆
動波形は簡易に構成できる矩形パルスで形成されてい
る。定常状態での記録電極15および対向電極11の記
録パルスはGNDレベルの0Vであり、アクティブ状態
時の記録電極15の電圧をV1a、対向電極11をV2
aとする。このとき記録電極15と対向電極11の記録
パルスは互いに異なる極性となっていて、アクティブ時
には電位差が大きくなるよう設定されている。印字の際
はまず、記録パルスは定常状態よりアクティブ状態に急
峻に変化して立ち上がる。このとき両電極間の電位差で
電界が発生すると同時にインクは帯電し、対向電極11
側のベクトルへ静電気力をうけてインクドットが噴出さ
れる。その後それぞれの記録パルスは同時にアクティブ
状態から定常状態に急峻に立ち下がり、電界強度は0と
なるためインクに働くクーロン力も0となりインクの噴
出は停止する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のイ
ンク記録装置においては、記録電極および対向電極に対
して矩形波の記録パルスを同時に印加するため、記録パ
ルスの定常状態とアクティブ状態における電位差の変化
が急峻となり、その前後でのメニスカスにおけるインク
の挙動が不安定となる。その結果出力においてインクド
ット周辺でサテライトが発生したり、非印字部分にイン
クが付着するかぶりが発生するなどの問題があった。
【0008】そこで本発明においては、インク記録装置
においてサテライトやかぶりといった印字ノイズの発生
を低減させ安定かつ高品質な印字出力が維持できるイン
ク記録装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明においては、開口部
と、前記開口部に連通してインクを満たす液室とを形成
する支持体と、前記開口部付近に配置された複数の記録
電極と、前記記録電極と微小間隔を介して対向する位置
に配置した対向電極と、前記記録電極と前記対向電極間
に電圧を与える電源回路と、前記インクを前記開口部に
供給するインク供給手段と、前記対向電極と前記開口部
間に被記録媒体を配置し前記被記録媒体を搬送する搬送
手段を少なくとも有し、 記録時には前記記録電極と前
記対向電極間に電圧パルス(以下記録パルス)を印加
し、前記選択電極と前記対向電極との間に生じる静電気
力で前記インクを前記開口部から外部に引き出し、前記
被記録媒体に記録を行うインク記録装置において、記録
パルスがアクティブ状態から定常状態に移り変わる際
に、両電極間での電位差を段階的または連続的に定常状
態に戻すように記録パルスを駆動させる印字ノイズ低減
手段を有する構成とした。
【0010】また、前記印字ノイズ低減手段は、前記記
録電極と前記対向電極に対しそれぞれに記録パルスを同
時に印加して駆動する場合、少なくとも各々の記録パル
スがアクティブ状態から定常状態に戻る時のタイミング
を互いに微小時間ずらすように駆動させる構成とした。
【0011】さらには前記印字ノイズ低減手段は、前記
記録電極、または前記対向電極、または両電極に印加す
る記録パルスにおいてアクティブ状態から定常状態に戻
す際に、前記記録パルスの電圧を、時間をかけて定常状
態に戻すような波形で駆動させる構成とした。
【0012】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1(a)は本
実施の形態1における記録ヘッドおよびインク記録装置
の構成を示す構成図であり、図1(a)に基づいて記録
ヘッドおよび記録装置の構成を説明する。
【0013】記録ヘッドは、支持体であるヘッド下板1
3に複数の記録電極15を等間隔で配列して、前記ヘッ
ド下板13にはスペーサ12を介して、ヘッド上板10
を積層して設け、この両基板の一端面を開放することに
よりスリット開口部17を形成している。また前記スリ
ット開口部17に連通してインクを満たすインク室が形
成されている。また前記ヘッド上板10にはインク供給
用の入口18が設けてあり、図示しないインク供給手段
によりインクが前記インク室に連通して前記スリット開
口部17に充填されている。そして前記のような構成の
記録ヘッドの前記スリット開口部17に対向して一定の
間隔を空けて対向電極11を設け、この間に記録紙19
を配置する。記録紙19の搬送手段20は、ローラー対
によるフリクションフィード機構を用いていて、制御部
22によって制御されている。記録紙19を記録ヘッド
と対向電極11が形成する微小間隙に介入させ、記録位
置を設定後、記録ヘッドの動作と同期して副走査方向に
紙送り動作を行う。上記のように構成された記録ヘッド
および記録装置の電気的配線および制御について以下に
説明する。
【0014】記録電極15、対向電極11、搬送手段2
0を制御する制御部22は、搬送手段20、第一のスイ
ッチング・ドライバ21、第二のスイッチング・ドライ
バ24と接続している。第一のスイッチング・ドライバ
21は、記録電極15と第一の高圧電源14と接続して
いて、制御部22からの画像データに応じて選択的に記
録パルスを記録電極15に印加するようになっている。
従って印字動作時には、第一のスイッチング・ドライバ
21は、制御部22からの制御信号に同期して所望のパ
ルス幅、所望の電圧で選択された記録電極15に記録パ
ルスを印加することとなる。
【0015】また、第一のスイッチング・ドライバ21
と同じように、第二のスイッチング・ドライバ24は、
対向電極11と第二の高圧電源16に接続していて、記
録電極15とは異なる電圧、タイミング、パルス幅の記
録パルスを対向電極11に印加することができる。印字
動作時には、制御部22からの制御信号に同期して、所
望のパルス幅、電圧、タイミングで対向電極11に記録
パルスを印加することとなる。
【0016】このように制御部22からの制御信号によ
り、対向電極11と記録電極15に所望の電圧、パルス
幅、タイミングの記録パルスをそれぞれ独立して印加
し、両電極間に一様な電位差を発生するように動作す
る。このような構成と制御により、両電極間には一様な
電界が発生することとなる。
【0017】以上説明したように記録電極15、対向電
極11に記録パルスを印加することで、両電極間には一
様な電界が発生する。電極間に電界が発生したことによ
り、インクメニスカス表面には、電荷が発生する。次に
この電荷はクローン力を受けてスリット開口部17か
ら、対向電極11方向にインクドットとなり引き出さ
れ、記録紙19に付着して画像データの記録が可能とな
る。1ライン分のインクドットが噴出して、両電極が定
常状態に切り替わったら、搬送手段20は記録紙19を
1ライン分副走査方向に駆動させる。これらの動作を繰
り返すことにより、全画像データを記録紙19に出力す
ることができる。
【0018】図2は本発明の記録装置の制御構成を表す
ブロック図である。以下に本実施の形態における基本動
作について説明する。制御部22はCPU26、ROM
27、RAM28、I/Oポート25から構成されてい
る。制御部22を構成するI/Oポート25は、第一の
スイッチング・ドライバ21と第二のスイッチング・ド
ライバ24とモーター・ドライバ23などの制御対象と
接続していて、これらの制御対象とCPU26とのデー
タの受け渡しを行っている。そしてI/Oポート23か
らのデータの受け渡しをしたCPU26は、プログラム
の取り出し解読・実行などを行っている。またCPU2
6に接続しているRAM28は、CPU26で行われる
プログラムの解読・実行時に発生するデータを、一時的
に保管したり、プログラムの作業エリアに使われてい
る。そしてCPU26に接続しているROM27は、決
まったプログラムや固定データを保存するのに用いられ
ている。
【0019】次に制御部22に接続している第一のスイ
ッチング・ドライバ21は、第一の高圧電源14と記録
電極15と接続している。そして第一のスイッチング・
ドライバ21は、制御部22からの信号により、画像デ
ータに応じて選択された記録電極15に記録パルスを印
加することができる。
【0020】本実施の形態1において、記録電極15に
印加する記録パルスの電圧、つまりアクティブ状態での
電圧値をV1aとし、定常状態での電圧値をGNDレベ
ルの0Vとする。このときV1aの電圧極性を正とす
る。
【0021】同様に制御部22に接続している第二のス
イッチング・ドライバ24は、第二の高圧電源16と対
向電極11と接続している。第二のスイッチング・ドラ
イバ24は、制御部22の信号により、任意のパルス
幅、電圧、タイミングの記録パルスを対向電極11に印
加する。本実施の形態において、対向電極11に印加す
る記録パルスの電圧、つまりアクティブ状態での電圧値
をV2aとし、定常状態での電圧値をGNDレベルの0
Vとする。このときV2aの電圧極性を負とする。
【0022】なお記録電極15、対向電極11に印加す
る記録パルスのアクティブ状態での電圧値V1a、V2
aおよびその極性はインクの物性値、両電極間のギャッ
プに左右されるもので、この値に限定されるものではな
い。また記録パルスの定常状態での電圧値は両電極とも
に0Vに設定したが、インクが飛翔しない程度の電位差
を加えても構わず、例えば定常時にインクに対して予め
電荷供給を行うために電位を与えておくといった制御を
行っても構わない。さらにはアクティブ時にインク飛翔
に必要な電位差とインク電荷量があればいいわけで、全
体的にこの波形がオフセットされていても構わないこと
は言うまでもない。以降の説明では上記設定値を例にし
て本発明における印字ノイズ低減手段の一例について説
明する。
【0023】本実施の形態1における印字ノイズ低減手
段は、CPU26内にセットされたソフトタイマーを用
いて両電極がアクティブ状態から定常状態に移り変わる
タイミングを両電極間で微小時間Δtずらしている。こ
のように両電極がアクティブ状態から定常状態に移り変
わるタイミングをずらすことで、両電極間に生じる電位
差が段階的に減少することになる。以下に図1(b)を
用いて印字ノイズ低減手段の基本動作について詳細に説
明する。
【0024】図1(b)は1ドットを記録紙19に噴出
する際の記録電極15および対向電極11の駆動を示す
タイムチャートである。横軸に時間、縦軸に記録電極1
5の電圧、対向電極11の電圧をとり、またその下には
両電極間に生じる電界強度を示す。
【0025】まず両電極がアクティブ状態でインクドッ
トを噴出している時の時間t<t1の区間では、記録電
極15には上記で設定したように電圧V1a、対向電電
極11には電圧V2aがそれぞれ印加されているので、
両電極間の電位差は|V1a−V2a|となる。この
時、両電極間に生じる電界強度E1はE1=|V1a−
V2a|/Dの式で表すことができる。ここでDの値は
記録電極15と対向電極11との距離を示している。
【0026】次に、時間t=t1では、CPU26内の
ソフトタイマーが、記録電極15のパルス時間が終了し
たことを告げ、第一のスイッチング・ドライバ21を介
して記録電極15を定常状態に戻す。こうして記録電極
15の電圧は対向電極11より先に定常状態に切り替わ
って電圧は0Vとなり、対向電電極11の電圧はアクテ
ィブ状態のままで電圧V2aが印加されることとなる。
したがってここでの両電極間の位差は|0−V2a|と
なるため、両電極間に生じる電界強度E2はE2=|V
2a|/Dとなり、電界強度E2はE1(時間t>t
1)より小さくなる。
【0027】次にt1からΔt経過した後のt=t2で
は、ソフトタイマーが対向電極11のパルス時間が終了
したことを告げ、第二のスイッチング・ドライバ24を
介して対向電極11を定常状態に戻す。こうして対向電
極11の電圧は定常状態に切り替わり、両電極の電圧は
0Vとなるので、電界強度E3はE3=0となり、以上
の一連動作の中では電界強度が最も小さくなる。つまり
電界強度の大小関係はE1>E2>E3(=0)とな
り、時間軸で見るとt1からt2の間で段階的に電界強
度が段階的に定常状態へと移り変わっていく。
【0028】以上の印字ノイズ低減手段の動作によりイ
ンクメニスカス面でのインクの挙動も合わせて段階的に
ゆっくりと動作して変化していくため、メニスカスがバ
ランスを崩すことなく安定したインク飛翔動作が行える
こととなる。そしてこれによって印字の際にはサテライ
トやかぶりといった印字ノイズが低減され、装置として
も高画質な出力を得ることができる。また図3のタイム
チャートに示すように記録電極15より先に、対向電極
11が定常状態になる方式でも電界強度は段階的に変化
し、上記と同様な効果が得られる。また対向電極11に
プラスの極性の記録パルスを、記録電極15にマイナス
の記録パルスをそれぞれ印加しても、同様な効果が得ら
れる。
【0029】(実施の形態2)次に本発明における印字
ノイズ低減手段の他例について説明する。記録ヘッドお
よびインク記録装置の構成と動作は実施の形態1とほぼ
同等であるため、ここでは説明を省略する。
【0030】本実施の形態2の印字ノイズ低減手段で
は、両電極に印加する記録パルスを鋸波にする方式を取
っている。この鋸波は第一のスイッチング・ドライバ2
1と第二のスイッチング・ドライバ24に組み込まれた
積分回路を用いて発生させることができるが、他に電圧
波形発生回路などを用いても同等の動作を実現できる。
【0031】図4は1ドットを記録紙19に噴出する際
の記録電極15および対向電極11の駆動を示すタイム
チャートである。横軸に時間、縦軸に記録電極15の電
圧、対向電極11の電圧をとり、またその下には両電極
間に生じる電界強度を示す。
【0032】以下に図4のタイムチャートを用いて本実
施の形態2における印字ノイズ低減手段について説明す
る。
【0033】まず両電極がアクティブ状態でインクドッ
トを噴出している時の時間t<t1の区間では、記録電
極15には電圧V1a、対向電電極11には電圧V2a
がそれぞれ印加されているので、両電極間の電位差は|
V1a−V2a|となる。この時、両電極間に生じる電界
強度E1はE1=|V1a−V2a|/Dの式で表すこと
ができる。ここでDの値は記録電極15と対向電極11
との距離を示している。
【0034】次に、時間t=t1でCPU26内のソフト
タイマーがパルス時間の終了を告げる。続いて両電極に
印加する記録パルスの電圧は、第一のスイッチング・ド
ライバ21と第二のスイッチング・ドライバ24にセッ
トされた積分回路により、時間と共に徐々に定常状態に
近づいていく。したがって時間t1<t<t2区間での
電位差は|[V1a−(k1)t]−[V2a−(k2)t]
|=|(V1a−V2a)−[(k1)+(k2)]t|と
なる。ここでk1、k2は、記録電極15と対向電極に
印加される電圧の減衰係数である(0<k1<1、0<
k2<1)。この時両電極間に生じる電界強度E1は|
(V1a−V2a)−[(k1)+(k2)]t|/Dで表
現できるため、この区間では電界強度|V1a−V2a
|/Dの状態(t=t1)から直線的に減少していくこ
ととなる。したがって次の時間t=t2の時は、両電極
とも同時に定常状態の0Vとなる。
【0035】t2の間で徐々に電界強度が定常状態へと
移り変わっていく。以上の印字ノイズ低減手段の動作に
よりインクメニスカス面でのインクの挙動も合わせて連
続的にゆっくりと動作して変化していくため、メニスカ
スがバランスを崩すことなく安定したインク飛翔動作が
行えることとなる。そしてこれによって印字の際にはサ
テライトやかぶりといった印字ノイズが低減され、装置
としても高画質な出力を得ることができる。また本実施
の形態2においては記録電極15および対向電極に印加
する記録パルスの両方を鋸歯にする方式を用いたが、基
本的にアクティブ状態から定常状態に切り替わる際に電
界強度が急激に変化しないように、段階的乃至は連続的
に減少すればよい。
【0036】したがって図4のタイムチャートにおいて
も実施の形態1で示したようにアクティブ状態から定常
状態に変化させる際にそれぞれの記録パルスのタイミン
グをお互いずらしても構わない。さらには図5(a)
(b)示すようにどちらか一方の記録パルスを鋸歯波形
にして、他方を通常の矩形波形にして動作させても構わ
ず、またこれらにおいてもアクティブ状態から定常状態
に変化させる際にそれぞれの記録パルスのタイミングを
ずらしても同等の効果を奏する。
【0037】
【発明の効果】本発明においては、開口部と、前記開口
部に連通してインクを満たす液室とを形成する支持体
と、前記開口部付近に配置された複数の記録電極と、前
記記録電極と微小間隔を介して対向する位置に配置した
対向電極と、前記記録電極と前記対向電極間に電圧を与
える電源回路と、前記インクを前記開口部に供給するイ
ンク供給手段と、前記対向電極と前記開口部間に被記録
媒体を配置し前記被記録媒体を搬送する搬送手段を少な
くとも有し、記録時には前記記録電極と前記対向電極間
に記録パルスを印加し、前記記録電極と前記対向電極と
の間に生じる静電気力で前記インクを前記開口部から外
部に引き出し、前記被記録媒体に記録を行うインク記録
装置において、アクティブ状態から定常状態に移り変わ
る際に、両電極間での電位差を段階的または連続的に定
常状態に戻すように記録パルスを駆動させることで、記
録時における非印字部へのインクの飛び散りを防止する
印字ノイズ低減手段を有する構成とした。そして前記印
字ノイズ低減手段は、前記記録電極と前記対向電極に対
しそれぞれに記録パルスを同時に印加して駆動する場
合、少なくとも各々の記録パルスがアクティブ状態から
定常状態に戻る時のタイミングを互いに微小時間ずらす
ように駆動させる手段とした。
【0038】このように構成することにより、アクティ
ブ状態から定常状態に移り変わる際に、両電極間で発生
する電界強度も段階的に変化することとなり、その前後
でのメニスカスにおけるインクの挙動が安定化する。そ
の結果、出力においてインクドット周辺でのサテライト
やかぶりといった印字ノイズの発生を低減させることが
でき、インク記録装置として安定かつ高品質な印字出力
が維持できるなどの効果がある。
【0039】また印字ノイズ低減手段は、前記記録電
極、または前記対向電極、または両電極に印加する記録
パルスにおいてアクティブ状態から定常状態に戻す際
に、前記記録パルスの電圧を、時間をかけて定常状態に
戻すような波形で駆動させる手段とすることでも上記と
同等に作用し、同様の効果が得られることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における記録ヘッドおよびインク記録装
置の構成を示す説明図である。
【図2】本発明における前記記録ヘッドの記録装置をブ
ロックで示す構成図である。
【図3】本発明における印字ノイズ低減手段についての
タイムチャートである。
【図4】本発明における印字ノイズ低減手段の他例につ
いて示すタイムチャートである。
【図5】本発明における印字ノイズ低減手段の他例につ
いて示すタイムチャートである。
【図6】従来例における記録ヘッドおよびインク記録装
置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ヘッド上板 11 対向電極 12 スペーサ 13 ヘッド下板 14 第一の高圧電源 15a〜15g 記録電極 16 第二の高圧電源 17 スリット開口部 18 インク供給用の入口 19 記録紙 20 搬送手段 21 第一のスイッチング・ドライバ 22 制御部 23 モーター・ドライバ 24 第二のスイッチング・ドライバ 25 I/Oポート 26 CPU 27 ROM 28 RAM 29 モーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 幸治 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 桑原 誠治 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 村松 博之 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 (72)発明者 赤瀬 篤也 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 株 式会社エスアイアイ・アールディセンター 内 Fターム(参考) 2C057 AF28 AM16 AR04 AR08 BD07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部と、 前記開口部に連通してインクを満たす液室とを形成する
    支持体と、 前記開口部付近に配置された複数の記録電極と、 前記記録電極と微小間隔を介して対向する位置に配置し
    た対向電極と、 前記記録電極と前記対向電極間に電圧を与える電源回路
    と、 前記インクを前記開口部に供給するインク供給手段と、 前記対向電極と前記開口部間に被記録媒体を配置し前記
    被記録媒体を搬送する搬送手段を少なくとも有し、 記録時には前記記録電極と前記対向電極間に電圧パルス
    (以下記録パルス)を印加し、前記記録電極と前記対向
    電極との間に生じる静電気力で前記インクを前記開口部
    から外部に引き出し、前記被記録媒体に記録を行うイン
    ク記録装置において、 記録パルスが電極に印加されている状態(以下アクティ
    ブ状態)から、記録パルスが電極に印加されていない状
    態(以下定常状態)に移り変わる際に、両電極間での電
    位差を段階的または連続的に定常状態に戻すように記録
    パルスを駆動させることで、記録時における非印字部へ
    のインクの飛び散りを防止する印字ノイズ低減手段を有
    することを特徴とするインク記録装置。
  2. 【請求項2】 前記印字ノイズ低減手段は、前記記録電
    極と前記対向電極に対しそれぞれに記録パルスを同時に
    印加して駆動する場合、少なくとも各々の記録パルスが
    アクティブ状態から定常状態に戻る時のタイミングを互
    いに微小時間ずらすように駆動させる手段であることを
    特徴とする請求項1に記載のインク記録装置。
  3. 【請求項3】 前記印字ノイズ低減手段は、前記記録
    電極、または前記対向電極、または両電極に印加する記
    録パルスにおいてアクティブ状態から定常状態に戻す際
    に、前記記録パルスの電圧を、時間をかけて定常状態に
    戻すような波形で駆動させる手段であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載のインク記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006231539A (ja) * 2005-02-22 2006-09-07 Ricoh Co Ltd ヘッド駆動装置及び画像形成装置
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