JP2002210807A - 新規の押出発泡成形ダイ及びこれを用いた発泡成形品の製造方法 - Google Patents

新規の押出発泡成形ダイ及びこれを用いた発泡成形品の製造方法

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JP2002210807A JP2001005372A JP2001005372A JP2002210807A JP 2002210807 A JP2002210807 A JP 2002210807A JP 2001005372 A JP2001005372 A JP 2001005372A JP 2001005372 A JP2001005372 A JP 2001005372A JP 2002210807 A JP2002210807 A JP 2002210807A
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rotating body
die
foam
discharge path
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福村三樹郎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型内圧を任意の高圧に保持することがで
き、また金型内での剪断発熱極力少なくし、且つ流れの
均一化の可能な押出発泡金型を提供することにより、広
範囲の発泡剤あるいは樹脂による良好な発泡体の製造を
可能とする。 【解決手段】注入口2、空洞部3及び排出路8を備えた
押出発泡ダイにおいて、外周断面が略真円状に形成され
た二本の回転体6および6’により排出路8を形成さ
せ、あるいは同様の一本の回転体6と金型内壁により排
出路8を形成させ、これらの回転体表面で溶融樹脂を制
御しつつ搬送排出する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出機を用いて熱
可塑性樹脂のシート或いは板状体を発泡成形するための
発泡成形ダイに関し、更に、この押出発泡成形ダイを用
いた発泡成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シートあるいは厚板物などの押出発泡成
形には、通常フラツトダイあるいはサーキュラーダイと
呼ばれる金型が使用される。 前者のフラットダイには
フィツシュテールダイ、Tダイなどがあり、いずれも押
出機から導入された溶融樹脂を展開拡幅する為の通路を
通じた後、小さな間隙の矩形排出路を通じて外部へ排出
させると即時に発泡させる機構となっている。後者のサ
ーキュラーダイは、同じく導入された樹脂を円筒状通路
を通じ、小さな間隙の円筒状排出路を通じて外部へ排出
させると即時に発泡させる機構となっており、通常は押
出物を円筒状保持し引き取りながら流れ方向に連続的に
切り開きシート状にされる。これら押出発泡ダイにはの
排出路出口に連接してあるいは若干の間隔をおいて成型
用部材が用いられることもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したような構成か
らなる従来の押出発泡ダイ(金型)においては、金型内
部に十分な背圧を発生させるべく溶融樹脂排出路断面を
絞り小さくすることが行われが、その結果溶融樹脂剪断
発熱が大きくなり、多くの場合発泡適正温度に抑えるこ
とが困難なり良好に発泡できる材料が限られたものにな
ってくる。また断面積の大きな物あるいは肉厚の大きな
ものには限度ができてくる。また時間当たり押出量を大
きくして生産性を上げようとすれば更に剪断発熱量は大
きくなり問題となる。
【0004】またこのような金型では、溶解度の低いガ
スなど任意のガスあるいは揮発性液体を発泡剤として使
いこなすには困難があり、例えば環境保護のうえから望
ましいとされる二酸化炭素あるいは窒素などを使用して
十分に高い発泡倍率の発泡体を得ることが出来なかっ
た。またこのような金型では、任意の熱可塑性樹脂を好
適に発泡させるには困難があり、例えば剪断抵抗の大き
なエラストマー、あるいは発泡適正温度範囲の狭いポリ
プロピレンなどの結晶性樹脂の発泡も困難であった。
【0005】またこのような金型では、計算された微妙
な通路形状と排出開口間隙を通過する流れの剪断抵抗を
調整し、溶融樹脂を幅方向均一に配分し排出する機構と
なっているが、このことは剪断発熱の部位による不均一
を起こし、均一な発泡と均一な製品厚みにすることが難
しく、特に材料あるいは押出条件が変更されると良好な
ものが得られなくなり金型汎用性がないことも問題であ
った。これらの金型に煩雑な間隙調整装置を付加させる
ことも行われるが、常に厚みなどが均一で満足なものが
常に得られるわけではなかった。
【0006】本発明は、以上の問題を解決すべくなされ
たものであつて、樹脂への溶解性の低い二酸化炭素、窒
素などを含む任意の発泡剤を使用を可能にし、任意のよ
り高い発泡倍率の発泡を可能にし、従来困難であった材
料あるいはより厚肉の発泡成形を可能にし、より良好な
気泡構造のものあるいはより均一な品質のものの発泡成
形を可能にし、時間押出量を高めることなどにより生産
性向上を可能にし、様々の条件にも汎用性の高い新規の
発泡成形ダイを提供を目的とする。更に、このダイを用
いて所望の押出発泡成形品を得ることができる押出発泡
成形品の製造方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は、押
出機から発泡剤を含んだ溶融樹脂が供給される注入口
と、供給された溶融樹脂が幅方向に沿って拡がるように
形成された空洞部と、未発泡の溶融樹脂を幅方向に拡が
った状態で排出する排出路とを備えた押出発泡ダイにお
いて、金型内の樹脂通路中に外周断面が略真円状に形成
された一本又は二本の回転体をいずれも幅方向に軸線が
延びるように配置し、更にこの回転体と金型内壁により
又は回転体と回転体との間に間隙を設けることにより排
出路を形成させ、さらにこれらの回転体の任意の一本ま
たは二本に駆動および/又は制動を行うことのできる回
転調節手段を備え、この回転体表面の摩擦力により該溶
融樹脂を送り出す方向に回転体を回転させることを特徴
とする押出発泡ダイ(以下金型と称する場合もある)に
より達成される。
【0008】あるいはまた、上記を特徴とする押出発泡
ダイにおいて、前記回転体によって形成された前記排出
路の上流の前記空洞部に至る任意の位置に、更に、外周
断面が略真円状に形成された一本又は複数本の回転体を
いずれも幅方向に軸線が延びるようにして且つ溶融樹脂
の通路間隙を形成させるように配置し、任意の一本又は
複数本の回転体に駆動および/又は制動を行うことので
きる回転調節手段を備え、この回転体の表面の摩擦力に
より該溶融樹脂を送り出す方向に回転体を回転させるこ
とを特徴とする押出発泡ダイにより達成される。
【0009】これらの押出発泡ダイにおいて、前記回転
調節手段を備えた任意の回転体の上流側における溶融樹
脂圧力を検出し、この検出結果に基づいて、この回転体
の回転数又は回転力を制御する回転制御手段とを備える
ことが好ましい。
【0010】前記回転体の少なくとも一本が、平滑な外
周面を有するローラー状の部材であり、外周面で溶融樹
脂に摩擦剪断力を与えるようになされていることが好ま
しい。あるいはまた、この回転体はその外周面を凹凸の
ある粗面とするか、或いはこの外周面に多数の突起を設
けることが好ましい。
【0011】あるいはまた、前記回転体の少なくとも一
本が、その外周面に径方向外方に突出し、軸線方向に長
寸である多数の突片を設けることが好ましい。更にまた
これらの突片は、前記回転体の径方向に沿って進退可能
とされていることが好ましい。
【0012】また、一台又は複数の押出機から供給され
た溶融樹脂が、複数の経路を経て任意の位置で合流させ
て後に、排出路から排出する構成とした複合成形用のダ
イにおいて、注入口から排出路に至る経路の少なくとも
一つに、回転体を用いて排出路を構成する上記の任意の
構成を組み合わせることにより達成される。
【0013】また前記任意の押出発泡ダイに、前記排出
路の下流側に連接し又は間隔を置いて、発泡中又は発泡
した加工材料に接触して成形をするための成形用部材を
配置構成することにより達成される。
【0014】また、本発明の前記目的は、前記排出路断
面が矩形である上述のダイを用いて、溶融樹脂をシート
状、フィルム状又は板状に発泡成形する製造方法により
達成される。あるいは、前記排出路断面が異形である上
述のダイを用いて、溶融樹脂の異形品を発泡成形する製
造方法により達成される。あるいは又、上述のダイを用
いて異形品の表面の一部に樹脂発泡体を形成してなる成
形品の製造方法により達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の具体的な実施の形態について説明する。図1及
び図2は、それぞれ本発明の第1の実施形態に係る押出
発泡ダイを示す正面断面図及び側面断面図である。尚、
図1は図2におけるB−B断面図であり、図2は図1に
おけるA−A断面図である。
【0016】図1及び図2において、1は押出発泡ダイ
本体、2は樹脂の注入口、3は第一空洞部、4は通路ラ
ンド部、5は第二空洞部、6および6’はローラー状の
回転体、7は摺動部、8は排出路、9は加熱冷却のため
の液状熱媒体の導入口、10は同媒体の通路(温調ジャ
ケット)、11は同媒体の排出口である。尚、その他の
加熱冷却の温調機構やボルト等の部品連結手段について
は、図示を省略している。
【0017】本実施形態に係る押出発泡ダイにおいて
は、第一空洞部3は注入口2から注入された溶融樹脂を
幅方向に分流させるようにコートハンガーマニホールド
によって形成されており、通路ランド部4はやや狭い間
隙により形成され、第二空洞部5はローラー状回転体
6、6’の有効面長とほぼ等しい長さのストレートマニ
ホールドによって形成されている。ローラー状回転体
6、6’は長手方向を溶融樹脂の流れを横断するように
し、長手方向のいずれの位置においても等間隔の間隙を
置いて互いに平行に配置され矩形断面の排出路8を形成
している。また、ローラー状回転体6、6’は回転調節
手段であるモータ12に接続されており、モータ12の
作動により両ロール状回転体の表面速度が同速で矢印方
向に回転するように構成されている。またローラー状回
転体6、6’は金型本体と摺動部7および7’でそれぞ
れ摺動又は近接し、溶融樹脂が殆ど逸漏しない構成とな
っている。さらにまたローラー状回転体6、6’は配管
により熱媒体温調機に接続されて温度調節されるように
なっている。
【0018】次に、上述した構成からなる押出発泡ダイ
の作動について説明する。まず、モータ12によりロー
ラー状回転体6、6’を図2の矢示方向に所定の回転数
又は回転力(トルク)で駆動し、押出機(図示せず)か
ら溶融樹脂を注入口2に圧入する。供給された溶融樹脂
は、空洞部3において幅方向にひろがり、通路ランド部
4を通じて第二空洞部5に供給される。そして、各ロー
ル状回転体6、6’間に進入した溶融樹脂はその回転体
の回転と共に移動し、一定の流量で排出路8をへて排出
されて発泡する。
【0019】すなわち、マニホールド5に供給された溶
融樹脂の流れによって、ローラー状回転体6、6’には
ある程度の回転駆動力が作用するが、一方ではそのロー
ラー回転体6、6’は制動力もあるモータ12に接続さ
れており、その回転数は一定に維持される。即ち、金型
内の溶融樹脂は、ローラー状回転体は6、6の働きによ
り大きな剪断あるいは摩擦を発生することなくその流れ
が制動されて任意の高圧が生成し、従ってまた発熱も少
なく発泡適正に温度調節され、そして幅方向に均一な状
態で排出路8から排出され、そこで圧力が解放されると
共に発泡する。
【0020】また、溶融樹脂の粘度が非常に高い場合あ
るいは摩擦抵抗が大きい等の場合には、ローラー状回転
体6、6’を排出ポンプとして機能させることができ、
押出機(図示せず)の負担を軽減することができ、この
場合もまた金型内の溶融樹脂はその剪断あるいは摩擦に
よる発熱が少なく抑えられると共に任意の高圧力に保た
れ、発泡適正の温度に調整され、そして幅方向均一な状
態で排出路8から排出され、圧力解放されると共に発泡
する。
【0021】なお、溶融樹脂の剪断履歴を幅方向の各部
位でできる限り均一にするために、また金型内圧をより
高く保持するためには排出通路8の間隙寸法を小さくそ
して又は長くすること、すなわちローラー6、6’のの
形成する間隙の最狭部寸法を小さく、そして又はローラ
ー6、6’の径寸法が大きいことが好ましい。一方肉厚
の厚いものを押出そうとする時は排出通路8の間隙はや
はり大きくする必要があるが、高圧保持のためには更に
大径のローラー6、6’を用いて形成される排出通路
8’の長さを長くすることが好ましい。このような金型
において適正な寸法の一例を挙げると、排出路8の最小
間隙部の寸法が0.05〜30mmであり、ローラー
6、6’の直径はそれぞれ10〜1000mmである。
【0022】なお、本実施形態に係わる押出発泡ダイに
おいては、排出路8は溶融樹脂が回転体6又は6’と始
めて接する点を始点とし、この終点は溶融樹脂が圧力解
放されて発泡を開始する直前ということになる。しか
し、この始点は明快であるが終点すなわち出口と規定す
る位置は一定でなく、又必ずしも見定め易くはない。こ
の位置は発泡倍率あるいは発泡体の引取速度その他の条
件によって変わる。しかし少なくとも両回転体の最接近
点より上流であることはない。なお、排出路8から排出
された樹脂材料がローラー状回転体6、6’から離れる
点を離間点とすると、この離間点も諸々の製造条件によ
り変わり、この樹脂材が発泡前の殆ど未発泡に近い状態
の場合、発泡途上の場合、発泡終了後などのいずれの可
能性もある。
【0023】従来の押出ダイにおいては、排出路の開口
断面積を極端に小さくして樹脂の剪断応力により金型内
圧を高めて金型内部での発泡あるいは発泡剤ガスの分離
を抑制してきているため、樹脂の剪断あるいは摩擦発熱
が極めて大きく問題であった。しかし、前記の押出発泡
ダイの性能により、従来容易には或いは全く実現出来な
かった下記のようなことが可能となっている。
【0024】すなわち、過大な発熱を伴わずして高圧保
持が可能になることにより、より多量の発泡剤を混合使
用することが可能となり高発泡倍率の発泡体が得られ、
また微細で高品質の発泡気泡を形成し、また溶解度の低
い物理発泡剤も、例えば二酸化炭素あるいは窒素のよう
な環境保護上も好ましいとされがらも技術上に制限のあ
ったものもでも高倍率高品質の発泡が可能となる。ま
た、排出路間隙を大きくしても圧力保持が可能であり、
より肉厚の大きな発泡製品の製造が可能となる。また、
排出路間隙を小さくしても回転体の駆動を速くすれば異
常な高圧となることを避けることが出来、肉厚の小さな
発泡シートを能率良く製造することが可能となる。
【0025】更にこうして低剪断歴のものを排出するこ
とが可能になることにより、剪断発熱を極度に避けるこ
とができ、一般に発泡適正とされる十分に低い樹脂温度
で発泡することができる。このことは従来発泡成形が非
常に困難であった材料、たとえば溶融時にゴム的性質で
ある弾性を強く示いエラストマー等、あるいは昇温溶融
と共に急激な粘度変化を示す汎用ポリプロピレン等の結
晶性樹脂などの発泡も容易になることを意味する。回転
体による温度調節機能もまた樹脂温度の精密な制御を助
け、気泡破壊の少ない良質の発泡体の製造が可能とな
る。また低剪断履歴で大きな発熱のないことは、劣化し
やすい樹脂も劣化を少なく抑えて良質な製品の生産を容
易にする。
【0026】また少なく且つ均一な剪断履歴により配
向、特に縦配向が少ない発泡体が得られ、幅方向各点で
諸特性の均質な発泡製品を得ることができる。すなわち
厚み、見かけ比重が均一で収縮変形、熱変形などが少な
く均一な製品が得られることを意味する。
【0027】また回転体表面の移動による溶融樹脂の搬
送排出をともなうので、低温押出時に発生しやすい排出
口づまり等のトラブルもなく、この点等でも生産性を高
めることができる。またこのような押出発泡ダイは汎用
性が高く、樹脂の種類あるいは生産条件の変更によって
変更する必要性も少なくこの点でも生産性を高めること
ができる。
【0028】また、従来のように、金型設計のための複
雑な流動解析を要しない。すなわち、その設計におい
て、幅方向の各部位において剪断履歴を変える必要がな
く、従って部位による発熱量の違い、粘度の違いなど複
雑な問題を惹起させることもなく、設計は著しく容易に
なり、製作時の試行修正も必要も少なく、製作された金
型は汎用性の高いものとなる。
【0029】上記では空洞部3は、コートハンガー型と
しているが、この以外にもストレート型、テーパ型など
で任意の形状とすることができ、あるいは 通路4と第
2マニホールド5を省略したファン型などとし容易に設
計製造できる構造を採用し、好適に使用することができ
る。この場合注入口2も背面、上面、仮面、側面など適
宜に設けることができる。
【0030】なお、上記では一対のローラー状回転体
6,6’は、上記では同径の円筒状のものを使用し、同
表面速度になるようにそれぞれが回転速度調整がなされ
ているが、直径の異なるものを組み合わせて使用しても
良く、また必ずしも表面速度を同じにする必要はない。
【0031】また、回転体6及び又は6’の表面形態
は、図3に例示するよに、(a)平滑面、(b)微小凹
凸面、(c)長尺ブレード突起を有するもの、(d)短
いブレードを有するもの、(e)模様状突起を有するも
の、(f)幅方向で径違いよるパターンを有するものと
することができ、またこれ以外にも任意の形状形態のも
のが可能である。
【0032】すなわち、ローラー状回転体6、6’の表
面はそれぞれ平滑面としてもよく、また粗面あるいは凹
凸面として溶融樹脂との摩擦抵抗を高めるようにするこ
とも好ましい。更にまた、積極的に窪みまたは突起を設
けることも好ましく、突起は高さがほぼそろっておれば
任意の形状のものでが使用でき、また頂点が任意の形の
線状に連続するものも使用することができる。更にまた
この突起はローラー本体に収納可能のものであってもよ
く、例えば摺動部を通過時にはローラー本体に押し込ま
れた状態で摺動部通過後にはバネの力などで突出する形
態にすることもでき好ましく同様の効果を発揮させるこ
とができる。
【0033】また、図4は多数の突起を表面に有するロ
ール状回転体6、6’を用いた金型要部における発泡の
状況を示す図である。これらの多数の突起により溶融樹
脂の背圧による剪断流が抑制され、金型圧力保持がより
効果的に行われ、排出路8から排出された溶融樹脂は発
泡体25に成長しながらこれらの回転体から離間する。
この場合、すなわち請求項で意味する多数の突起とは2
個以上を意味するが、好ましくはそれより以上で、その
数は形状によっても変わり、場合によって無数が好まし
い場合もある。なお幸いなことに、突起による食い込み
の痕跡は発泡により都合よく軽減される。
【0034】また、排出路8は、本実施形態においては
その断面形状が矩形状としているが、図5に例示するよ
うに、(a)矩形、(b)片寄りのある四辺形、(c)
波形、また(d)、(e)のような凹凸のある異形状な
どの任意の形状とすることができ、これによって、例え
ば、平板、あるいは厚み片寄りのある平板、波板、縞模
様板の異形品などを効率良く製造することができる。
【0035】すなわち、上記では、ローラー状回転体
6,6のなす間隙を幅方向で一定にすることで、排出路
8から排出される溶融樹脂の流量を幅方向の各位置で一
定としているが、間隙に片寄りを形成させたり、変化さ
せたりすることで、その流量分布を幅方向で所望のよう
にすることとも可能である。これによって、発泡成形品
の厚みを幅方向で故意に偏りのあるものにしたり、縞模
様状にしたりすることができ、異形のシートや板を容易
に製造することができる。この場合回転体6及び又は
6’の表面形状を任意のものに変更することのほか、両
回転体軸を互いに傾斜させ間隙を偏らせる方法もある。
【0036】なお又、回転体6、6’は上記の円筒状の
ものの代わりに、円錐状のものとして任意に組み合わせ
ることも可能であり、その場合に幅方向に等間隙をなす
ように組み合わせてもよく、又片寄りをなすよう組み合
わせても良く、それぞれに特異な異型品の製造が可能で
ある。
【0037】また、回転体6、6の外周断面は略真円と
することが必要であるが、その片方又は両方を円周方向
での若干の、すなわち摺動部7、7’からの樹脂漏洩が
重大問題とならない程度において、歪みあるいは凹凸の
あるもとすることにより、発泡製品に模様状の厚み変化
を付与することもできる。
【0038】このような厚み変化をもたらす回転体6及
び又は6’は複数の異なった形状のモジュールを同軸上
に組み合わせることにより、任意のパターンを有するも
のを容易にあるいは即時に構成することができる。
【0039】金型本体1の材質は、通常の押出金型ダイ
に用いることのできる材料ならばいずれも用いることが
でき、ステンレススチール、炭素鋼、熱伝導性銅合金、
耐蝕合金などの金属材料は特に好適に用いられる。また
ダイ内壁面などは必要に応じてクロームその他各種のメ
ッキ、窒化処理などの硬質化をおこなってもよい。特に
摺動部7、7’は窒化鋼など耐摩耗性のものであること
が一般的には望ましいが、これに限るものではなく、場
合によってクロム等の各種金属メッキ、フッ素樹脂複合
メッキ、フッ素樹脂コート、セラミックコート、シリコ
ン含浸メタルなど任意のものを使用することができる。
【0040】また、回転体6、6’の材質は炭素鋼を始
めとする各種の金属材料、セラミック材など剛性、強
度、耐熱性のあるもなら何でも選んで使用することがで
きる。しかしその表面材質は、用いられる回転体そのま
まのものでもよく、また必要に応じてクロム等の各種金
属メッキ、フッ素樹脂複合メッキ、フッ素樹脂コート、
セラミックコート、シリコン含浸メタルなど必要に応じ
選んで好適に用いることができる。しかし場合によって
は摺動部7、7’と同様に窒化鋼など耐摩耗性のものが
好ましい。
【0041】また、溶融樹脂の温度調節を行うため、特
に、溶融樹脂の熱量を排除するため、ダイ本体1やロー
ル回転体6の内部に、熱媒体を通過させる流路を形成す
るか、或いは、ヒートパイプや電子冷却素子を用いる等
の温度調節機構を設けた構成とすることが好ましい。
【0042】また、本実施形態においては、図2に示す
ように、二本のローラー状回転体6,6’による構成と
しているが、用いる回転体は一本のみであってもよく、
それによって排出路を形成し、排出を抑制しつつ定量を
搬送排出するような機構をなしているならば、本実施形
態と同様の効果をもたらすことが可能であり、次にその
形態を示す。
【0043】すなわち本発明の第2の実施形態に係る押
出発泡ダイについて説明する。図6は本発明の第2の実
施形態に係る押出発泡ダイの側面断面図である。尚、本
実施形態及び以下に示す各実施形態は、図1及び図2に
示す第1の実施形態のダイにおいて、更に回転体の数を
増やしあるいは減じて構成したものであり、同様構成部
分については同一の番号を付してその説明を省略する。
尚、その他の加熱冷却の温調機構やボルト等の部品連結
手段については、図示を省略している
【0044】図6において、4は通路、6は円筒状ロー
ラー、7は摺動部、30はストレートマニホールド型の
空洞部、80は排出路である。尚6に備えられいる温調
機構、及び接続されている回転調節手段は図示を省略し
ている。
【0045】本実施形態においては、注入口2に続く空
洞部をストレートマニルド30とし、その下流に通路4
を経由して、回転体である円筒状のローラー6の外周面
と金型本体1の一部により排出路80を形成させてい
る。ローラー6は、外周断面が略真円状に形成され、排
出路80の幅方向長さに等しい有効面長を有する長尺の
部材である。このローラー6はまた、排出路80の幅方
向に沿って軸線が延びるようして、そしてその外周面は
金型本体1の一部が形成する摺動部7で摺動するように
配置されている。なお、ローラー6は、回転調節手段で
あるモータ12(図示省略)に接続されて、一定の回転
数で回転するように構成されており、熱媒体温調機に接
続され温度調節の可能な機構となっている。
【0046】次に、上述した押出発泡ダイの作動につい
て説明する。まずローラー6に結合されたモータ(図示
せず)により、ローラー6を図6の矢印の方向に所定の
回転数で駆動し、押出機(図示せず)から溶融樹脂を注
入口2に圧入する。供給された溶融樹脂は、空洞部3に
おいて幅方向に広がり、通路4を経て排出路80から排
出される。押出機の押出圧による樹脂の流れによりロー
ラー6にはある程度の回転駆動力が作用するが、ローラ
ー6はモータ12に接続されているため、所定の回転数
が維持される。即ち、押出圧による回転駆動力が大きい
場合には、モータ12はローラー6を制動する一方、押
出圧による回転駆動力が小さい場合には、モータ12は
ローラー6を駆動する機能を果たし、ローラー6の回転
数が常に一定に保たれる。ローラー6を経た後の溶融樹
脂は温度調整がなされ、幅方向の流量分布が均一な状態
で矩形の排出路80から排出されて後に発泡する。
【0047】ローラー6の回転によって、排出路80に
進入した溶融樹脂は幅方向のどの部位も殆ど均一な剪断
作用を受け、搬送排出される。なお、溶融樹脂の剪断速
度及び剪断量を幅方向の各部位でできる限り均一にする
ために、また金型内圧をより高く保持するためには排出
路80の間隙寸法を小さくそして又は長くすることが好
ましいが、剪断発熱を大きくしないためにはこの間隙は
大きくそして又はこの長さは短いことが望まれる。一方
肉厚の厚いものを押出そうとする時は排出通路80の間
隙はやはり大きくする必要があるが、高圧保持のために
は大径のローラー6を使用する等して排出路80の周方
向長さを長くすることができる。適正な寸法の一例を挙
げると、排出路の間隙寸法が0.1〜30mmであり、
ローラー6の直径が5〜500mmである。
【0048】なお、本実施形態に係わる押出発泡ダイお
いて、排出路80の範囲は溶融樹脂が回転体6と始めて
接する点を始点とし、この終点すなわち出口は溶融樹脂
が圧力解放されて発泡を開始する直前ということにな
る。しかし便宜的且つ実質的には排出路80の金型本体
1側壁面と溶融樹脂が離間する点とすることがでる。そ
の理由は、この本体側壁面は移動することがないため、
この離間以前に発泡が始まれば回転体6によってもたら
される剪断により発泡の破壊を招き、実質的にそのよう
な構造ないしは押出発泡条件を設定することは困難と想
定されるからである。図6のように排出路80が流れ方
向に等間隙で推移する場合は、その排出路終点と本体側
壁面の端末と一致する。
【0049】本実施形態の上記のようなダイにおいて
も、前記第1の実施形態の記載同様の機能効果があり、
例えば下記に要点のみ再録するような各事項が可能とな
る。
【0050】すなわち、任意の高圧保持が可能になるこ
とにより、多量の発泡剤を使用して高発泡倍率の発泡が
可能となり、また溶解度の低い物理発泡剤、例えば二酸
化炭素あるいは窒素のような気体も使用が容易になる。
また、排出路間隙を大きくし肉厚の大きな発泡製品の製
造が可能となる。また、排出路間隙を小さく、肉厚の小
さな発泡シートを能率良く製造することが可能となる。
【0051】また、剪断及び剪断発熱を少なくすること
ができ、発泡が困難な樹脂でも容易に又良好な発泡が可
能となる。また劣化しやすい樹脂も劣化が抑えられて良
質な製品生産が容易となる。
【0052】また少なく且つ均一な剪断履歴で製造され
るため、配向、特に縦配向が少ない発泡体が得られ、幅
方向各点で諸特性の均質な発泡製品を得ることができ
る。すなわち厚み、見かけ比重が均一で収縮変形、熱変
形などが少なく均一な製品が得られる。
【0053】また回転体表面の移動による溶融樹脂の搬
送排出が行われるので、排出路づまり等のトラブルもな
く、またこのような押出発泡ダイは汎用性が高く効率的
な生産を行うことができる。
【0054】金型の設計製作も容易となり、製作された
金型も汎用性の高いものとなる。
【0055】本実施形態の上記のようなダイにおいて
も、望ましい形態あるいは変形形態は前記第1の実施形
態に記載した事項のものが同様に可能であり、例えば下
記に要点のみ再録するような各事項が可能である。
【0056】すなわち、上記ではストレートマニホール
ド型の空洞部30を採用しているが、第1の実施形態と
同様に他の型のものも好適に採用できる。
【0057】ローラー6もまた、その表面状態の種々の
もの、突起のあるもの、収納可能の突起のあるもの、凹
凸模様付きローラー、円錐等の特殊なローラー形状、モ
ジュール組み立て方式のものなど、第1の実施形態と同
様に任意のものを用いることができる。ただし円周方向
の凹凸模様は、排出路80で効果を失い、一般的には好
ましくはないが、幅方向の凹凸は有効な効果をえること
は可能である。
【0058】ローラー6の表面状態の摩擦抵抗関係も、
第1の実施形態への記載と同様である。しかし本実施形
態では排出路80を形成するダイ本体内壁面も、ローラ
ー6と同様に重要な役割を担い、平滑面、粗面、粘着性
の面、離型性の面などが発泡樹製品や製造条件に合わせ
て適宜選んで形成される。
【0059】排出路の断面形状も第1の実施形態と同様
に、回転体の形状を選んだり、回転体を傾斜配置するな
どして、例えば図5のような形状を任意に選ぶことがで
きる。しかし、本実施形態においては、排出路80を形
成するダイ本体内壁面の断面形状も任意に選ぶことがで
きる。
【0060】ダイ材質、ローラー材質、また摺動部材
質、ローラー表面材質も第1の実施形態と同様のものが
使用される。また本実施形態では、排出路のダイ本体側
壁面の材質もローラー表面材質と同様のものが選んで使
用される。但しこの場合は耐摩耗性であることが特に好
ましいわけではない。
【0061】ダイ本体及びローラーの温調機構あるいは
温調手段についても、第1の実施形態と同様のものとす
ることができる。
【0062】なお、この実施形態における特異な変形形
態として、通常Tダイに用いられるリップ間隙調整機構
を設けることも可能である。すなわち例えば、フラット
ダイ本体1の排出路8付近を外部から押圧するなどして
間隙調整を行うような方法が採用でき、更にはこの調整
を製品厚みとフィードバックさせてと自動調整をさせる
ような方法も採用できる。また必要に応じて、樹脂流れ
調整用のレストリクタ(チョーカー)、幅調整用のディ
ッケルなどを適宜の位置に組み込み、発泡ダイを構成す
ることも可能である。
【0063】前記各実施形態においては、二本又は一本
の回転体を用いて排出路を形成し、排出を抑制しつつ定
量を搬送排出する機構をなし、本発明の作用効果を発揮
せしめているが、更にこの排出路の上流に一本あるいは
複数本の回転体を設置し、その作用効果を増強せしめる
ことができる。次にその形態を示す
【0064】すなわち、本発明の第3の実施形態に係る
押出発泡ダイについて説明する。図7は本発明の第3の
実施形態をに係わる押出発泡ダイの側面断面図である。
尚、本実施形態は図1及び図2に示す第1の実施形態の
フラットダイにおいて、更に回転体の数を増やして構成
したものである。
【0065】図7において、13は通路、14は円筒状
ローラー、15は摺動部、30はストレートマニホール
ド型の空洞部である。尚6及び14に備えられいる温調
機構、及び接続されている回転調節手段は図示を省略し
ている。
【0066】本実施形態においては、注入口2に続いて
ストレートマニホールド型の空洞部30が形成され、続
いて幅方向に延びる一本のローラー状回転体14を配置
し、金型内壁とこの回転体円周の一部により通路13を
形成させ、更にその下流にこの回転体14に平行して回
転体6、6’を配して排出路8を形成させている。回転
体6、6’および附属装置は第1の実施形態と同様のも
のであり、回転体14はこの排出路とほぼ同じ有効長さ
を有し、回転調節手段(図示省略)が連結され矢印方向
に回転するようになされている。この回転体14はま
た、温度調節機構を備えており(図示省略、)必要によ
り外部から温度調節を行うことができる。なお、回転1
4の回転調整手段も第1の実施形態の回転調整手段12
と同様の機能を有するものである。
【0067】次に、上述の構成の押出発泡ダイの作動に
ついて説明する。すなわち、押出機から注入口2に供給
された溶融樹脂は、空洞部30で幅方向にひろがり通路
30に進入する。回転体14は、その表面移動により溶
融樹脂の流れを抑制しつつ、且つそれを温度調整しつつ
定量搬送し下流の排出路8に供給する。回転体6、6’
の作動については第1の実施形態と同様である。
【0068】第1の実施形態と同様の効果が得られる
が、更に、回転体14と通路13の機構により、溶融樹
脂の、流れの幅方向の均一化、温度調整と幅方向の均一
化、流れの幅方向の均一化、ダイ内の任意の圧力設定等
が容易となる。
【0069】回転体14の形状、表面形態、材質等は第
2の実施表面形態の回転体6と同様に様々の形態をとる
ことができる。しかしその外周断面は真円であることが
望ましく、模様つけ目的の異型表面形状のものは必ずし
も有効に作動しない。通路13を形成する金型側壁面に
ついても、第2の実施形態の通路80の金型壁面と同様
にすることができる。
【0070】回転体14、通路13以外の部分以外につ
いては第1の実施形態と同様にするこどできる。
【0071】なお本実施形態においては、注入口2から
排出路8まで中間の回転体の数を1つだけとしているが
溶融樹脂の流れ方向に沿ってその通路の片面側に、ある
いは通路を挟んで、複数設けてもよい。
【0072】次に、本発明の第4の実施形態に係る押出
発泡ダイについて説明する。図8は本発明の第4の実施
形態をに係わる押出発泡ダイの側面断面図である。尚、
本実施形態及は図6に示す第2の実施形態の押出発泡ダ
イにおいて、更に回転体の数を増やして構成したもので
ある。
【0073】図8において、13は通路、14は円筒状
ローラー、15は摺動部、30はストレートマニホール
ド型の空洞部である。尚6及び14に備えられいる温調
機構、及び接続されている回転調節手段は図示を省略し
ている。
【0074】本実施形態においては、注入口2に続いて
ストレートマニホールド型の空洞部30が形成され、続
いて幅方向に延びる一本のローラー状回転体14を配置
し、金型内壁とこの回転体円周の一部により通路13を
形成させ、更にその下流にこの回転体14に平行して回
転体6を配して排出路80を形成させている。回転体
6、は第2の実施形態と同様のものであり、回転体14
はこの排出路とほぼ同じ有効長さを有し、回転調節手段
(図示省略)が連結され矢印方向に回転するようになさ
れている。この回転体14はまた、温度調節機構を備え
ており(図示省略、)必要により外部から温度調節を行
うことができる。なお、回転14の回転調整手段は第1
の実施形態の回転調整手段12と同様の機能を有するも
のである。
【0075】次に、上述の構成の押出発泡ダイの作動に
ついて説明する。すなわち、押出機から注入口2に供給
された溶融樹脂は、空洞部30で幅方向にひろがり通路
30に進入する。回転体14は、その表面移動により溶
融樹脂の流れを抑制しつつ、且つそれを温度調整しつつ
定量搬送し下流の排出路80に供給する。回転体6の作
動については第2の実施形態と同様である。
【0076】第2の実施形態と同様の効果が得られる
が、更に、回転体14と通路13の機構により、溶融樹
脂の、流れの幅方向の均一化、温度調整と幅方向の均一
化、流れの幅方向の均一化、ダイ内の任意の圧力設定等
が容易となる。
【0077】回転体14の形状、表面形態、材質等は第
2の実施表面形態の回転体6と同様に様々の形態をとる
ことができる。しかしその外周断面は真円であることが
望ましく、模様つけ目的の異型表面形状のものは必ずし
も有効に作動しない。通路13を形成する金型側壁面に
ついても、第2の実施形態の通路80の金型壁面と同様
にすることができる。
【0078】回転体14、通路13以外の部分以外につ
いては第2の実施形態と同様にするこどできる。
【0079】なお本実施形態においては、注入口2から
排出路8まで中間の回転体の数を1つだけとしているが
溶融樹脂の流れ方向に沿ってその通路の片面側に、ある
いは通路を挟んで、複数設けてもよい。
【0080】次に、本発明の第5の実施形態に係る押出
発泡ダイについて説明する。図9は本発明の第5の実施
形態をに係わる押出発泡ダイの側面断面図である。尚、
本実施形態及は図1及び図2に示す第1の実施形態に係
わる押出発泡ダイ構成を組み合わせてて複合発泡ダイと
したものである。
【0081】図9に示すように、一台または複数の押出
機から供給された溶融樹脂が複数の注入口2、2’、
2”に導入され、それぞれの経路を経て空洞部5で合流
するように構成された複合成形ダイにおいて、空洞部5
の下流に回転体6、6’により排出路8から形成する構
成することにより複合発泡成形ないしは共押出発泡成形
を行うことができる。
【0082】なお上記のように各樹脂層を形成する溶融
樹脂を空洞部5で合流させる代わりに、その一部又は全
部を別々の排出路から排出した後に合流させるように構
成しても良い。また複合成分は幾つでもよく、注入口は
このように個別に設けることをせずその一部又は全部を
金型内部で分岐をするようにしても良い。
【0083】なお、多層成形には、このような多層ダイ
を使用する他、前記各実施形態のいずれかの構成に多層
用フィードブロックを組み合わせて行うことも可能であ
る。
【0084】また、任意の異形成形ダイにおいて、本発
明の上記各実施形態に係る任意の押出発泡ダイの構成を
組み込むことにより、複雑な断面形状を有する異形品の
表面の一部に平面樹脂層を形成することも可能である。
この場合、この平面樹脂層の他の異形成形樹脂部分との
合流は金型内で行われてもよく、それぞれ別の排出口か
ら吐出された後に合流されるようにしても良い。また、
任意の複合成型用発泡ダイにおいて、注入口は複数であ
ってもよく、或いは、注入口を一つとして、金型内部で
樹脂流路の分岐がなされるようにしても良い。
【0085】次に本発明の第6の実施形態として、前記
の各発泡成形ダイに装置付加して行う形態について説明
する。図10は本発明の第1の実施形態に係る押出発泡
ダイに付加装置組み合わせて発泡成形を行う状況の側面
断面図である。
【0086】図10に示すように本実施形態は、円筒状
のロールを2本により排出路を設けた構成の前記の押出
発泡ダイの排出路の後に成型部12を設けたもので、成
型部には冷熱媒ジャケット13が設けられ、発泡体の摺
動面14にはフッ素樹脂コーテイングが施されていお
り、発泡体25が成形される。この成形部12は開口形
状は図示されていないが矩形でも異型でも任意に選ぶこ
とができ、側面のあるものの他に側面の無い上下面のみ
のものも選んで使用することができ、摺動面14が構成
する通路の形状も流れに従って拡大のみのもの、拡げた
後は一定としたものあるいは下流で再度絞るものなど任
意に選ぶことができる。
【0087】なお、成形部16は必ずしもこのようなも
のでなくてもよく、例えば冷熱媒ジャケット17はなく
ても良く、また他の温度調節方法でもよく摺動面18も
コーテイングのないものも選ぶことができ、多孔材を通
じて潤滑剤を供給するような方法を採用することも出来
る。 摺動面を多孔材として真空吸引しながら成形する
方法も知られていおり、押出発泡成形において公知の方
法を任意に付加することができる。なお図8では成形部
16は金型ローラーに接し摺動するようにしているが、
接しないで間隔を設けて配置することも可能である。
【0088】軟化状態にある発泡25がこの成形部16
で成形され、又ある程度冷却硬化されて引取機(図示省
略)で引き取られることになる。
【0089】前記各種の押出発泡ダイから排出された材
料が発泡する場合は、常に排出路断面に相似形の断面の
製品に仕上がるとは限らず波状となったりする場合があ
るが、これを解決し所望の形状のものに仕上げることの
できる方法である。
【0090】なお、上記では第1の実施形態を組み合わ
せているが、任意の実施形態ものと組み合わせることが
できる。また成形部16の変形として、ローラー6、6
に接するかあるいは近接するドクターナイフのような機
能形状のものを付加して使用することもでき、これらは
形状を特定するものではない。なおーラーからの樹脂剥
離を助けるエヤーナイフなどももこれとは別に使用する
ことができ。
【0091】次に本発明の第7の実施形態として、前記
の各発泡成形ダイに装置付加して行う更に別の実施形態
について説明する。図11は本発明の第1の実施形態に
係る押出発泡ダイに更に別の付加装置組み合わせて発泡
成形を行う状況の側面断面図である。
【0092】図11に示すように本実施形態は、円筒状
のローラー2本により排出口を設けた構成の前記の押出
発泡ダイの排出口の後方に、更に成型ロールユニット
(成形部)19,19’、20、20を設けたもので、
ローラーには温度調節機構(図示せず)が設けられてい
おり、ローラーにはいずれも回転駆動モータに連結され
任意の速度で回転するようしてあり、発泡体20を成形
しつつ後方へ送る構成となっている。
【0093】軟化状態にある発泡25がこの成形部1
9,19’、20、20’で成形され、又ある程度冷却
硬化されて引取機(図示省略)で引き取られることにな
る。
【0094】前記各種の押出発泡ダイから排出された材
料が発泡する場合は、常に排出路断面に相似形の断面の
製品に仕上がるとは限らず波状となったりする場合があ
るが、これを解決し所望の形状のものに仕上げることの
できる方法である。
【0095】なお、上記では第1の実施形態を組み合わ
せているが、任意の実施形態ものと組み合わせることが
できる。また成形部19,19’、20、20’の変形
として、発泡体に接するローラーは任意の表面形状のも
のを用いることがで、任意の数のローラーを組み合わせ
て用いることができる。
【0096】以上、本発明の各実施形態について詳述し
たが、本発明の具体的な態様がこれに限定されるもので
ないことは言うまでもない。例えば、上記の全ての回転
体に関し、回転調節手段の調節する回転体の回転速度
は、上記のように必ずしも一定である必要はなく、周期
的に変動させる等して成形品の厚みを変化させることも
可能である。またこれらの回転調節手段は、押出機の作
動から独立したものとして手動制御設定で作動させても
良く、或いは、押出機の運転状況に自動的に連携させて
作動させるようにしても良い。後者の場合は回転体の上
流側の圧力がある一定圧になるように、モータの回転数
あるいは駆動力(駆動トルク)と押出機スクリューの回
転数とが連携する機構を設けることが好ましい。或い
は、回転体の上流の圧力を測定し、回転調節手段、又は
押出機スクリュー回転数を自動制御するべく構成するこ
とも好ましい。尚、回転体の回転数に成形品の引き取り
速度などを連動させても良い。
【0097】また、上記各実施形態においては、回転調
節手段に回転体の駆動及び制動が可能なモータを使用し
ているが、これは回転速度調整あるいは駆動力調整など
の機構が任意に付加されたものであり、この代わりに、
回転体の制動のみが可能な公知のブレーキ装置を設けて
も良い。
【0098】本発明さらなる改良として、排出路を形成
する回転体および金型壁部分を移動可能の構造し、排出
路間隙を必要に応じて変更調整可能な押出発泡ダイとす
ることもできる。
【0099】また、上記各実施形態で使用される押出機
としては、一軸押出機、二軸押出機、多軸押出機、ロー
タリー形押出機などいずれでよく、その形式も、ベント
形、非ベント形のいずれでも良い。また通常の押出機と
呼ばれるものではなくとも、圧力を加えて流動体を供給
可能な任意のものを使用することができ、また、押出機
は、単独で使用するだけでなく、同種又は異種の複数の
押出機を直列又は並列に連結して使用することもでき
る。複数の押出機を使用する場合には、同種又は異種の
材料を共押出しして、多層又は異形の板材とすることが
可能である。更に、公知のギヤポンプやスタティックミ
キサー等のユニット装置を発泡ダイの上流に、或いは、
押出機に発泡剤注入機構などを、適宜付設することが可
能である。
【0100】本発明に係るフラットダイにより成形可能
な材料としては、熱可塑性樹脂、硬化前の熱硬化性樹
脂、加硫前のゴム、ホットメルト接着剤などのような、
加熱により溶融する高分子材料が挙げられる。特に、熱
分解等によりガスを発生するいわゆる化学発泡剤や揮発
性ガス体のいわゆる物理発泡剤などの発泡剤を高分子材
料に溶融混合する場合には、発泡体を押し出し成形する
ことができ、強化繊維材料が混合された溶融樹脂を使用
する場合には、強化樹脂品を押し出し成形することがで
きる。
【0101】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る発泡ダイは、排出口の幅方向長さと略同じ幅長さ
を有し軸線が幅方向に延びる回転体により排出通路を形
成させ、この回転体を制御された回転速度で回転するこ
とにより、任意の高圧を金型内部に発生又は保持する事
が可能となり、又剪断発熱を極力避けそして排出直前の
樹脂温度を制御することが容易になった。
【0102】こうした効果により、より溶解性の低いあ
るいは沸点の高い発泡剤でもより多く使用でき高発泡倍
率のものが製造可能となり、そして又供給された溶融樹
脂の幅方向への分流を良好に行うことができ、高品質の
発泡成形品を効率良く成形することが可能となった。金
型は設計製作が容易であり、特に汎用性に優れたものと
することができる。
【0103】また、上記発泡ダイを用いた発泡成形品の
製造方法によれば、低発泡あるいは任意の高発泡倍率
で、均一な厚み、或いは、所望の厚みプロファイルを有
するフィルム状、シート状、板状、又は異形板状の発泡
成形品を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る発泡ダイの正
面断面図である。
【図2】 図1に示す発泡ダイの側面断面図である。
【図3】 本発明の種々の実施形態に係る種々の回転体
の断面図である。
【図4】 本発明に係る発泡ダイの要部断面図である。
【図5】 本発明に係る発泡ダイの種々の排出路断面形
状を示す図である。
【図6】 本発明の他の実施形態に係る発泡ダイの側面
断面図である。
【図7】 本発明の第3の実施形態に係る発泡ダイの側
面断面図である。
【図8】 本発明の第4の実施形態に係る発泡ダイの側
面断面図である。
【図9】 本発明の第5の実施形態に係る発泡ダイの側
面断面図である。
【図10】本発明の第6の実施形態に係わる、本発明の
発泡ダイを応用した発泡成形装置の要部断面図である。
【図11】本発明の第7の実施形態に係わる、本発明に
係わる発泡ダイを応用した他の発泡成形装置の要部断面
図である。
【符号の説明】
2 注入口 3 第1空洞部(マニホールド) 4 通路 5 第2空洞部(第2マニホールド) 6,6’回転体 7 摺動部 8 排出路 12回転調節手段

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機から発泡剤を含んだ溶融樹脂が供
    給される注入口と、供給された溶融樹脂が幅方向に沿っ
    て拡がるように形成された空洞部と、この溶融樹脂を幅
    方向に拡がった状態で排出する排出路とを備えた押出発
    泡ダイにおいて、金型内の樹脂通路中に外周断面が略真
    円状に形成された一本又は二本の回転体をいずれも幅方
    向に軸線が延びるように配置し、更にこの回転体と金型
    内壁により又は回転体と回転体との間に間隙を設けるこ
    とにより排出路を形成させ、さらにこれらの回転体の任
    意の一本または二本に駆動および/又は制動を行うこと
    のできる回転調節手段を備え、この回転体表面の摩擦力
    により該溶融樹脂を送り出す方向に回転体を回転させる
    ことを特徴とする押出発泡ダイ。
  2. 【請求項2】 前記回転体によって形成された前記排出
    路より上流の前記空洞部との間の任意の位置に、更に、
    外周断面が略真円状に形成された一本又は複数本の回転
    体をいずれも幅方向に軸線が延びるようにして且つ溶融
    樹脂の通路間隙を形成させるように配置し、この中の任
    意の一本又は複数本の回転体に駆動および/又は制動を
    行うことのできる回転調節手段を備え、この回転体の表
    面の摩擦力により該溶融樹脂を送り出す方向に回転体を
    回転させることを特徴とする請求項1に記載の押出発泡
    ダイ。
  3. 【請求項3】 前記回転調節手段を備えた任意の前記転
    体の上流側における溶融樹脂圧力を検出し、この検出結
    果に基づいて、この回転体の回転数又は回転力を制御す
    る回転制御手段とを備えることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の押出発泡ダイ。
  4. 【請求項4】 前記回転体の少なくとも一本が、平滑な
    外周面を有するローラー状の部材であり、外周面で溶融
    樹脂に剪断作用を与えることを特徴とする請求項1から
    3のいずれかに記載の押出発泡ダイ。
  5. 【請求項5】 前記回転体の少なくとも一本が、その外
    周面を凹凸のある粗面としたものか、或いはこの外周面
    に多数の突起を設けたものであることを特徴とする請求
    項1から4のいずれかに記載の押出発泡ダイ。
  6. 【請求項6】 前記回転体の少なくとも一本が、その外
    周面から径方向外方に突出する多数の突片が軸線方向に
    長寸であることを特徴とする請求項1から5のいずれか
    に記載の押出発泡ダイ。
  7. 【請求項7】 前記突片は、前記回転体の径方向に沿っ
    て進退可能とされていることを特徴とする請求項1から
    6のいずれかに記載の押出発泡ダイ。
  8. 【請求項8】 一台または複数の押出機から供給された
    溶融樹脂が複数の経路をへて任意の位置で合流させて後
    に排出路から排出する構成とした複合成形用のダイにお
    いて、注入口から排出口に至る経路の少なくとも一つ
    に、回転体を用いて排出路を構成する上記請求項1〜8
    に何れかに記載の押出発泡ダイ構成を含むことを特徴と
    する押出発泡ダイ。
  9. 【請求項9】 該排出路の下流側に連接し又は間隔を置
    いて、発泡中又は発泡した加工材料に接触して成形をす
    るための成形用部材を配置して使用することを特徴とす
    る請求項1から8のいずれかに記載の押出発泡ダイ
  10. 【請求項10】 前記排出路断面が矩形である請求項1
    から9のいずれかに記載された押出発泡ダイを用いて溶
    融樹脂をシート状、フィルム状、板状又は波板に発泡成
    形してなる発泡成形品の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記排出路断面が異形である請求項1
    から9のいずれかに記載された押出発泡ダイを用いて、
    溶融樹脂の異形品を発泡成形してなる発泡成形品の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 請求項1から9のいずれかに記載され
    た押出発泡ダイを用いて複合成形品の一部又は全部に発
    泡体を形成してなる成形品の製造方法。
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