JP2002210804A - ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリエステルフィルムの製造方法

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JP2002210804A
JP2002210804A JP2001011535A JP2001011535A JP2002210804A JP 2002210804 A JP2002210804 A JP 2002210804A JP 2001011535 A JP2001011535 A JP 2001011535A JP 2001011535 A JP2001011535 A JP 2001011535A JP 2002210804 A JP2002210804 A JP 2002210804A
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acid
films
polyester
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Futoshi Sasamoto
笹本  太
Masatoshi Okura
正寿 大倉
Mihoko Makino
美保子 牧野
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Toray Industries Inc
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  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムを一挙に2枚以上製膜し、しかも製
膜した全てのフィルムを使用に耐えるような特性となす
ためのポリエステルフィルムの製造プロセスを提供す
る。 【解決手段】 ポリヒドロキシカルボン酸を主体とする
ポリマー(A)と芳香族ポリエステル(B)を各々溶融
後、共押出しして積層フィルムとなし、しかる後に各層
を剥離して2枚以上のフィルムとするポリエステルフィ
ルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、2枚以上のポリエ
ステルフィルムを一挙に製造する方法に関するものであ
り、さらに詳しくは、異種のポリエステルフィルムを全
てが使用できるように一挙に製造する生産性が改良され
たポリエステルフィルムの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に未延伸フィルムや二軸延伸フィル
ムは一枚ずつ製膜されるのが常識である。これに対し2
枚以上のフィルムを一挙に製膜して生産性を向上しよう
とする試みがなされ、例えば剥離用のスペーサーをポリ
エステルと共押出しして延伸熱処理後剥離する方法が提
案されている(特許公報第2757423号、特開昭6
1−31236号公報など)。かかる方法ではスペーサ
ーとしてポリエステルとは親和性が低い異種のポリマー
(例えばポリオレフィン:ポリエチレンテレフタレート
のSP値が23.2であるのに対し、ポリプロピレンの
SP値は16)を使用するのが一般的であり、使用した
ポリオレフィン等のスペーサーは十分な機械的性質を持
たず、そのため使用されることなく廃棄されるため、廃
棄物が増加するという問題が生じるばかりでなく製造コ
スト上も問題となる。
【0003】又、かかるスペーサーを使用せず、ポリエ
ステル同士を重ね合わせる方法も提案され、例えばポリ
エステル同士を重ね合わせる際にキャスト・縦延伸を別
工程で実施しておき、しかる後に重ね合わせて横延伸・
熱処理する方法(特開昭53−79967号公報)や、
予め結晶化させたポリエステル同士を重ね合わせてから
延伸・熱処理を行う方法(特開平6−305016号公
報)などが提案されているが、製造プロセスが煩雑にな
り十分なコストダウンが達成できていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、フィルムを一挙に2枚以上製膜し、しかも
製膜した全てのフィルムを使用に耐えるような特性とな
すためのポリエステルフィルムの製造プロセスを提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述のよう
な問題を解決するため鋭意検討した結果、芳香族ポリエ
ステルと独特の親和性を有するポリマーを積層して製膜
すると、適度な接着性を有し安定に製膜や延伸、構造形
成などが出来る一方で、容易に剥離し2枚以上の使用可
能なフィルムが安定して製造可能なことを見出した。
【0006】すなわち本発明に係るポリエステルフィル
ムの製造方法は、ポリヒドロキシカルボン酸を主体とす
るポリマー(A)と芳香族ポリエステル(B)を各々溶
融後、共押出しして積層フィルムとなし、しかる後に各
層を剥離して2枚以上のフィルムとすることを特徴とす
る方法からなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について、望まし
い実施の形態とともに詳細に説明する。本発明において
従来の問題点が解決できるポイントは、独特の親和性を
有するポリマー同士を組み合わせて積層し、製膜するこ
とにある。本発明者らの検討の結果、ポリヒドロキシカ
ルボン酸を主体とするポリマーと芳香族ポリエステルの
組み合わせが、適度の親和性、比較的近似した表面エネ
ルギーを有しながら、ポリマー同士は相溶しない特徴を
有する。かかるポリマーを積層し製膜すると、安定に製
膜が可能であり、延伸等の操作も容易に行え、しかも積
層したポリマーの全てがしっかりした構造を形成すると
ともに、低い張力で剥離が可能であることが分かった。
従って、本発明においてはポリヒドロキシカルボン酸を
主体とするポリマー(A)と芳香族ポリエステル(B)
を各々溶融し、互いに接するように共押出しして積層フ
ィルムとすることが必須である。
【0008】本発明における積層形態としては、A/
B、A/B/A、B/A/B、A/B/A’、B/A/
B’、A/B/A/Bなどの形態が例示できるが、ポリ
ヒドロキシカルボン酸を主体とするポリマー(A)と芳
香族ポリエステル(B)が接しているという条件を満足
すれは、上記に限定されない種々の積層形態をとりう
る。
【0009】かかる積層フィルムのポリマー(A)とポ
リマー(B)の剥離力を0.1〜3.0g/cm、好ましくは0.5
〜2.0g/cmとするようにポリマーを選定することが製膜
安定性や剥離容易性の観点から好ましい。又、剥離性を
満足しながら安定に製膜出来、フィルムの構造形成がな
されるようにするために、ポリマー(A)とポリマー
(B)の相溶性パラメーター(SP値)の差を1.0〜
2.5(MJ/m3 1/2とすることが好ましい。SP
値の差が2.5を越えると層間の相互作用が若干弱い傾
向にあり、製膜の安定性が低下し、フィルム破れが増加
する傾向にある。SP値の差が1.0未満では、層間の
接着力が高くなる傾向にあり、剥離性が若干低下し、剥
離時のトラブルが若干増加する傾向にある。なお、SP
値は文献(R.F.Fedors; Polym. Eng. Sci., 14 147 (19
74))に記載されている方法により求めることが出来
る。
【0010】かかる積層フィルムは、延伸等の操作を加
えず、共押出し後そのまま剥離して2枚以上のフィルム
としてもよいが、機械的性質や熱的性質を向上させるた
めに少なくとも一方向に、好ましくは二軸延伸し、必要
に応じて熱処理を行なった後、2枚以上に剥離すること
が望ましい。延伸・熱処理の方法は特に限定されない
が、インフレーション法、逐次二軸延伸法、同時二軸延
伸法等が適用できる。
【0011】なお、本発明の積層フィルムを延伸する際
には、ポリマー(A)とポリマー(B)の間で示差走査
熱量計(DSC)で測定する両者の結晶化温度Tcの低
い方の値が、同じくDSCで測定する両者のガラス転移
温度Tgの高い方の値より、高いことが好ましい。かか
る条件から外れると延伸性が悪化することがある。
【0012】本発明で使用するポリヒドロキシカルボン
酸系ポリマーとは、L−乳酸、D−乳酸、グリコール
酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒ
ドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキ
シカプトン酸等の重合体及びこれらの共重合体が挙げら
れるが、特にポリ乳酸であることがコストや製膜性の観
点から好ましい。
【0013】本発明で使用する芳香族ポリエステルと
は、芳香族ジカルボン酸とジオールから縮重合により得
られるエステル基を主査に持つポリマー及びその共重合
体であり、芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸など
が代表例であり、ジオールとしてはエチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコ
ール等が代表例である。具体的には例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキ
シレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレートなど、及びこれらの
共重合体、更にはこれらの混合体が挙げられる。これら
のポリマーの中で、特にポリエチレンテレフタレート及
びその共重合体、ポリプロピレンテレフタレート及びそ
の共重合体、更にはこれらの混合体に本発明を適用する
と良好な結果が得られる。
【0014】又、これらのポリマー(A),(B)の中
には、本発明の目的を損なわない範囲で公知の各種添加
剤、例えば酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒
子、有機粒子などが添加されていても良い。
【0015】一般に芳香族ポリエステルはその高い耐熱
性を活かして種々の用途で使用されており、かかる観点
から融点200℃以上の芳香族ポリエステルを200℃
以上の温度で熱セットして用いられる場合が多い。かか
る観点から、芳香族ポリエステルとポリヒドロキシカル
ボン酸を主体とするポリマーの積層フィルム延伸後の熱
処理を行う際には温度を200℃以上、樹脂の融点以下
とすることが好ましい。この際、使用するポリヒドロキ
シカルボン酸を主体とするポリマーの融点も200℃以
上であることが好ましい。かかるポリヒドロキシカルボ
ン酸を主体とするポリマーとしては、ポリ−L乳酸とポ
リ−D乳酸の混合物(ステレオコンプレックス)、ポリ
グリコール酸等が例示できる。
【0016】本発明のポリエステルフィルムの製造方法
の一例を示す。ポリヒドロキシカルボン酸を主体とする
ポリマー(A)と芳香族ポリエステル(B)を乾燥し十
分に水分を除去後、エクストルダー内でそれぞれのポリ
マーに好適な条件で溶融し、ポリマー流を形成させる。
かかるポリマー流を口金内で合流させて、上記に例示し
たような(A)と(B)が接するような複合流を形成す
る。これを口金からシート状に押し出し、キャスティン
グドラムに密着させて未延伸フィルムを作成する。この
フィルムを連続して縦方向に2〜5倍程度延伸し、しか
る後にテンター内に導入してクリップで把持しながら横
方向に2〜6倍延伸して、適宜熱処理を行い二軸延伸フ
ィルムを得る。かかるフィルムをワインダーで巻き取る
前に剥離、分離して別々に巻き上げるか、積層フィルム
として巻き上げたフィルムを、スリッターに運び、該ス
リッターでフィルムをポリマー(A)とポリマー(B)
の界面で剥離した後、各々のフィルムについて希望の巾
にスリットし、巻き取ることもできる。フィルムを剥離
する方法は特に限定はないが、例えば積層フィルムを一
組のニップロール間にニップし、この片側のロール表面
に一方のフィルムが沿って行く形で剥離すると連続剥離
が容易である。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されない。本発明における各特
性は次のように測定される。
【0018】(1)強度、伸度、弾性率 オリエンテック社製の自動テンシロン(RTA−10
0)に、10mm幅の試料をつかみ間隔50mmで取り付
け、引張り速度300mm/分で荷重伸長曲線を求め、破
断時の強度、伸度及び初期弾性率を求めた。測定はフィ
ルム縦方向、横方向について行い、両者の平均値を計算
してフィルムの強度、伸度、弾性率とした。
【0019】(2)熱収縮率 フィルムを10mm幅、250mm長にサンプリングし約2
00mmの間隔をおいて、標点をつけた。この標点間距離
を正確に測定し、T0 (mm)とした。このサンプルを
無荷重下で150℃の熱風オーブン中に30分間放置
後、室温まで冷却する。十分冷却後、標点間距離を再度
測定しT(mm)とし、下式により熱収縮率を求める。 熱収縮率(%)={(T0 −T)/T0 }×100
【0020】(3)剥離力 東洋ボールドウィン社製のテンシロン引張り試験機を用
い、積層フィルムの幅を15mmとし、これから表層のフィ
ルム層を剥離角90度で連続的に200mm/分の速度で
剥離するときの張力を求め、その値から剥離力(g/cm)
を計算により求めた。
【0021】(4)ガラス転移温度、結晶化温度、融点 マックサイエンス社製示差走査熱量計DSC3100を
用いて、芳香族ポリエステルの場合はサンプル5mgを
300℃で5分保持し、ポリヒドロキシカルボン酸ポリ
マーの場合はサンプル5mgを250℃で5分間保持
し、しかる後に液体窒素急冷した後、昇温速度20℃/
分でガラス転移温度及び結晶化温度、融点を測定した。
【0022】実施例1 重量平均分子量20万のL−ポリ乳酸(SP値21.5、ガ
ラス転移温度61℃、結晶化温度130℃、融点175
℃)に平均粒径1.0μmの炭酸カルシウム0.5重量%を添
加した原料を120℃で5時間真空乾燥後、押出機で2
00℃で溶融しつつ、ポリマー流(A)を形成した。
又、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレート
(PET:SP値23.2、ガラス転移温度78℃、結晶化
温度150℃、融点255℃)を150℃で3時間真空
乾燥後、280℃で押出機で溶融しポリマー流(B)を形
成した。これら二つのポリマー流を口金で合流せしめB
/A/B型の積層構造(積層比1/1/1)を形成した
後、Tダイ口金温度250℃でフィルム状に押し出し、
25℃に冷却したドラム上にキャストして未延伸フィル
ムを作成した。
【0023】続いて80℃に加熱したローラー上で縦方
向に3倍延伸し、一旦冷却した後テンター内に搬入せし
め、110℃で3.5倍横方向に延伸し、しかる後に1
50℃で熱処理を行ない、積層フィルム全体で30μm
の延伸フィルムを得た。製膜性は良好であった。
【0024】このフィルム3枚を剥離しながらそれぞれ
の巻取機に巻き取り、厚さ10μmのPETフィルムを
2枚、厚さ10μmのポリ乳酸フィルムを1枚を一挙に
製膜した。得られたフィルムの特性を表1に示す。な
お、本積層フィルムの剥離応力は0.7g/cmと小さく、剥
離むら、しわ、破れなどは発生しなかった。表1に示す
とおり、積層フィルムを分離して得られたフィルムは、
それぞれのフィルムを単独で製膜した際の特性値と大き
な差はなく、良好な値を示していた。本実施例における
ポリマー系のSP値の差は1.7であった。
【0025】
【表1】
【0026】実施例2 実施例1の記載と同様の方法で未延伸フィルムを得た。
すなわち、重量平均分子量20万のL−ポリ乳酸(SP
値21.5、ガラス転移温度61℃、結晶化温度130℃、
融点175℃)に平均粒径1.0μmの炭酸カルシウム0.5
重量%を添加した原料を120℃で5時間真空乾燥後、
押出機で200℃で溶融しつつ、ポリマー流(A)を形
成した。又、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタ
レート(PET:SP値23.2、ガラス転移温度78℃、
結晶化温度150℃、融点255℃)を150℃で3時
間真空乾燥後、280℃で押出機で溶融しポリマー流
(B)を形成した。これら二つのポリマー流を口金で合流
せしめB/A/B型の積層構造(積層比1/1/1)を
形成した後、Tダイ口金温度250℃でフィルム状に押
し出し、25℃に冷却したドラム上にキャストして未延
伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムは容易
に剥離し、約100μmの厚みのPET未延伸フィルム2枚と
約100μm厚みのポリ乳酸フィルム1枚を得た。この積
層フィルムの剥離力は0.5g/cmであった。本実施例にお
けるポリマー系のSP値の差は1.7であった。
【0027】実施例3 重量平均分子量20万のL−ポリ乳酸と重量平均分子量
25万のD−ポリ乳酸を1:1に予め混合した原料(S
P値21.5、ガラス転移温度60℃、結晶化温度135
℃、融点220℃)に平均粒径1.0μmの炭酸カルシウ
ム0.5重量%を添加した原料を120℃で4時間真空乾
燥後、押出機で240℃で溶融しつつ、ポリマー流
(A)を形成した。実施例1と同様に極限粘度0.65
のポリエチレンテレフタレート(PET:SP値23.2、
ガラス転移温度78℃、結晶化温度150℃、融点25
5℃)を150℃で3時間真空乾燥後、280℃で押出
機で溶融しポリマー流(B)を形成した。これら二つのポ
リマー流を口金で合流せしめB/A/B型の積層構造
(積層比1/1/1)を形成した後、Tダイ口金温度2
50℃でフィルム状に押し出し、25℃に冷却したドラ
ム上にキャストして未延伸フィルムを作成した。
【0028】続いて80℃に加熱したローラー上で縦方
向に3倍延伸し、一旦冷却した後テンター内に搬入せし
め、110℃で3.5倍横方向に延伸し、しかる後に2
10℃で熱処理を行ない、積層フィルム全体で30μm
厚さの延伸フィルムを得た。製膜性は良好であった。
【0029】このフィルム3枚を剥離しながらそれぞれ
の巻取機に巻き取り、厚さ10μmのPETフィルムを
2枚、厚さ10μmのポリ乳酸フィルムを1枚、一挙に
製膜した。得られたフィルムの特性を表2に示す。な
お、本積層フィルムの剥離応力は1.1g/cmと小さく、剥
離むら、しわ、破れなどは発生しなかった。表2に示す
とおり、積層フィルムを分離して得られたフィルムは、
それぞれのフィルムを単独で製膜した際の特性値と大き
な差はなく、良好な値を示していた。又、実施例1に比
較して融点が200℃以上のポリ乳酸を用いたことから
熱処理温を高くすることが出来、得られたフィルムの機
械的性質や熱的安定性(熱収)が向上した。本実施例の
ポリマー系のSP値の差は1.7であった。
【0030】
【表2】
【0031】実施例4 重量平均分子量20万のL−ポリ乳酸(SP値21.5、ガ
ラス転移温度61℃、結晶化温度130℃、融点175
℃)に平均粒径1.0μmの炭酸カルシウム0.5重量%を添
加した原料を120℃で5時間真空乾燥後、押出機で2
00℃で溶融しつつ、ポリマー流(A)を形成した。
又、極限粘度0.87のポリプロピレンテレフタレート
(PPT:SP値22.9、ガラス転移温度47℃、結晶化
温度79℃、融点225℃)を160℃で3時間真空乾
燥後、250℃で押出機で溶融しポリマー流(B)を形成
した。これら二つのポリマー流を口金で合流せしめB/
A/B型の積層構造(積層比1/1/1)を形成した
後、Tダイ口金温度250℃でフィルム状に押し出し、
25℃に冷却したドラム上にキャストして未延伸フィル
ムを作成した。
【0032】続いて70℃に加熱したローラー上で縦方
向に3倍延伸し、一旦冷却した後テンター内に搬入せし
め、90℃で3倍横方向に延伸し、しかる後に150℃
で熱処理を行ない、積層フィルム全体で厚み30μmの
延伸フィルムを得た。製膜性は良好であった。
【0033】このフィルム3枚を剥離しながらそれぞれ
の巻取機に巻き取り、厚さ10μmのPPTフィルムを
2枚、厚さ10μmのポリ乳酸フィルムを1枚、一挙に
製膜した。得られたフィルムの特性を表3に示す。な
お、本積層フィルムの剥離応力は1.2g/cmと小さく、剥
離むら、しわ、破れなどは発生しなかった。表3に示す
とおり、積層フィルムを分離して得られたフィルムは、
それぞれのフィルムを単独で製膜した際の特性値と大き
な差はなく、良好な値を示していた。本実施例のポリマ
ー系のSP値の差は1.4であった。
【0034】
【表3】
【0035】実施例5 重量平均分子量20万のL−ポリ乳酸(SP値21.5、ガ
ラス転移温度61℃、結晶化温度130℃、融点175
℃)に平均粒径1.0ミクロンの炭酸カルシウム0.5重量%を添
加した原料を120℃で5時間真空乾燥後、押出機で2
00℃で溶融しつつ、ポリマー流(A)を形成した。
又、極限粘度0.98のポリブチレンテレフタレート
(PBT:SP値22.3、ガラス転移温度28℃、結晶化
温度41℃、融点228℃)を150℃で3時間真空乾
燥後、250℃で押出機で溶融しポリマー流(B)を形成
した。これら二つのポリマー流を口金で合流せしめB/
A/B型の積層構造(積層比1/1/1)を形成した
後、Tダイ口金温度250℃でフィルム状に押し出し、
25℃に冷却したドラム上にキャストして未延伸フィル
ムを作成した。
【0036】続いて70℃に加熱したローラー上で縦方
向に3倍延伸し、一旦冷却した後テンター内に搬入せし
め、90℃で3倍横方向に延伸し、しかる後に150℃
で熱処理を行ない、積層フィルム全体で30μmの延伸
フィルムを得た。
【0037】このフィルム3枚を剥離しながらそれぞれ
の巻取機に巻き取り、10μmのPBTフィルムを2
枚、10μmのポリ乳酸フィルムを1枚、一挙に製膜し
た。得られたフィルムの特性は良好で使用に耐える物で
あったが、本積層フィルムの剥離応力は2.5g/cmであ
り、剥離時に若干の変動が観察され一部で剥離むら、し
わが発生した。本実施例のポリマー系のSP値の差は
0.8であった。又、製膜性が若干悪く、破れが製膜時
に発生した。本実施例ではPBTの結晶化温度が41℃
であり、ポリ乳酸のガラス転移温度61℃より低いこと
が製膜性悪化に関係しているものと推定された。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のポリエス
テルフィルムの製造プロセスによりフィルムを一挙に2
枚以上のフィルムが製膜出来、しかも製膜した全てのフ
ィルムが使用に耐えるため、従来に比較し圧倒的な生産
性の向上とコストダウンが実現できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 9:00 (72)発明者 牧野 美保子 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4F207 AA24 AG03 KA01 KA17 KB22 KK63 KL84 KW41 4F210 AA24 AG03 QG01 QG15 QG18 QW05 QW21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリヒドロキシカルボン酸を主体とする
    ポリマー(A)と芳香族ポリエステル(B)を各々溶融
    後、共押出しして積層フィルムとなし、しかる後に各層
    を剥離して2枚以上のフィルムとすることを特徴とす
    る、ポリエステルフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 共押出しした積層フィルムを剥離前に少
    なくとも一方向に延伸し、必要に応じ熱処理を行うこと
    を特徴とする、請求項1のポリエステルフィルムの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 ポリヒドロキシカルボン酸を主体とする
    ポリマー(A)がポリ乳酸であり、芳香族ポリエステル
    (B)がポリエチレンテレフタレート及びその共重合体
    (B1)、ポリプロピレンテレフタレート及びその共重
    合体(B2)から選ばれたポリマー又はそれらの混合体
    である、請求項1または2記載のポリエステルフィルム
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリヒドロキシカルボン酸を主体とする
    ポリマー(A)の融点が200℃以上であることを特徴
    とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル
    フィルムの製造方法。
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Cited By (2)

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