JP2002210535A - アプセッター及びアプセッターによるフランジ成形法 - Google Patents

アプセッター及びアプセッターによるフランジ成形法

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JP2002210535A JP2001009511A JP2001009511A JP2002210535A JP 2002210535 A JP2002210535 A JP 2002210535A JP 2001009511 A JP2001009511 A JP 2001009511A JP 2001009511 A JP2001009511 A JP 2001009511A JP 2002210535 A JP2002210535 A JP 2002210535A
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upsetter
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設備費の安い装置を用いて、生産性を低下さ
せることなく、大型軸端部のフランジ成形を可能とし
た、アプセッター及びそのフランジ成形方法を提供する
こと 【解決手段】 両端部を有する軸2の一端部を自由状態
にし、他端部を突出状態として金型9によりクランプ
し、該突出軸端部を熱間アプセットしてフランジ3を形
成する方法において、前記突出軸端部をアプセットする
とき、前記軸2の自由端11の軸方向伸びを所定量だけ
許容するように、アプセット条件を初期設定し、アプセ
ット中に、前記軸2の自由端11の伸び又は前記アプセ
ット条件の内の少なくとも一つを実測し、前記実測値が
予測誤差範囲を逸脱する場合、前記アプセット条件を変
更すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アプセッター(据
え込み鍛造機)及びアプセッターによるフランジ成形方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】舶用の推進軸、中間軸等の大型軸の端部
にフランジを形成する技術として、例えば、特公昭56
−12333号公報に記載のものが公知である。この従
来の技術は、軸の一端部のフランジ付根をクランプせず
にガイド用金型でガイドし、該軸の一端部に付与される
成形軸力を該軸の他端部で支承して、該軸の一端部にフ
ランジを成形するものであった。前記ガイド用金型は、
ガイドしている軸部が軸方向に圧縮されること、若しく
は、座屈することを防止するために設けられており、前
記軸部を径方向からクランプするための機能は有してい
ないものであった。
【0003】なお、前記公報には、「アプセッターによ
る製法」として、「これは軸径をつかみ、突出部の据え
込み鍛造(熱間)を行ってフランジを成形するものであ
るが、つかみ力が非常に大きいので、現有のアプセッタ
ーでは、小径のものだけ採用されているのが現状であ
る。」と記載されている。即ち、従来のアプセッターに
よるフランジ成形技術は、金型による軸のクランプ部に
おいて滑りが生じないように軸径を完全に掴むと言うも
のであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の反成形側軸端部
を支承するようにした従来のアプセッターでは、この支
承部の移動装置、位置検出装置、固定装置等が必要とな
り、設備が長大になり、設備費が高くつくと言う問題が
あった。そして、このような設備では、フランジ成形す
るに際して、前記支承部を、加工する軸の長さに合わせ
て位置決め固定する必要があり、その都度、段取り替え
を要し、生産性を低下させ、多品種の生産に不向きであ
るという問題があった。
【0005】一方、反成形側軸端部を支承せず、フラン
ジ付根を金型により滑りを生じないように完全にクラン
プする従来のアプセッターでは、大型軸端部のフランジ
を成形する場合、非常に大きなクランプ力と大きなクラ
ンプ金型が必要となり、設備費が高くつくという問題が
あった。そこで、本発明は、前記問題を解決するもので
あり、設備費の安い装置を用いて、生産性を低下させる
ことなく、大型軸端部のフランジ成形を可能とした、ア
プセッター及びそのフランジ成形方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、次の手段を講じた。即ち、本発明のフラ
ンジ成形方法の特徴とするところは、両端部を有する軸
の一端部を自由状態にし、他端部を突出状態として金型
によりクランプし、該突出軸端部を熱間アプセットして
フランジを形成する方法において、前記突出軸端部をア
プセットするとき、前記軸の自由端の軸方向伸びを所定
量だけ許容するように、アプセット条件を初期設定し、
アプセット中に、前記軸の自由端の伸び又は前記アプセ
ット条件の内の少なくとも一つを実測し、前記実測値が
予測誤差範囲を逸脱する場合、前記アプセット条件を変
更する点にある。
【0007】前記変更すべきアプセット条件は、圧下速
度であることが好ましい。また、本発明の装置としての
特徴は、両端部を有する軸の一端部を自由状態にし、他
端部を突出状態として金型によりクランプし、該突出軸
端部を熱間アプセットしてフランジを形成するアプセッ
ターにおいて、前記突出軸端部をアプセットするとき、
前記軸の自由端の軸方向伸びを所定量だけ許容するよう
に、アプセット条件を初期設定する初期値設定手段と、
アプセット中に、前記軸の自由端の伸び又は前記アプセ
ット条件の内の少なくとも一つを実測する実測手段と、
前記実測値が予測誤差範囲を逸脱する場合、前記アプセ
ット条件を変更する変更手段とを具備した点にある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1,2に示すものは、本発明方法に用いるアプ
セッター1であり、該アプセッターは、熱間据え込み鍛
造(アプセット)により、軸2の端部にフランジ3を形
成するものである。このアプセッター1は、水平方向に
所定間隔を有して対向配置されたシリンダーフレーム4
とベースフレーム5とを有し、両フレーム4,5は、タ
イロッド6で連結されている。前記シリンダフレーム4
には油圧力等により水平方向に伸長するメインシリンダ
7が設けられ、該メインシリンダ7に押盤8が設けられ
ている。前記ベースフレーム5には、前記押盤8に対向
してクランプ金型9が設けられている。
【0009】前記クランプ金型9は、上下に分割され、
その中央部に前記軸2をクランプするための孔が形成さ
れている。そして、上下の金型を互いに接近させて、前
記孔内の軸2をクランプするためのクランプ装置10が
設けられている。このクランプ装置10は、油圧シリン
ダ等から構成されている。前記軸2の自由端部11を載
置支持する支持台12が、軸方向移動自在に設けられて
いる。前記軸2の自由端11の先方には、自由端の伸び
を測定する実測手段13が設けられている。この実測手
段13は、例えば、レーザー距離計などから構成され、
自由端11迄の距離Xを測定するものである。この実測
手段13は、制御装置14に接続されている。
【0010】前記制御装置14は、前記アプセッター1
を制御するものであり、前記突出軸端部をアプセットす
るとき、前記軸2の自由端11の軸方向伸びを所定量だ
け許容するように、アプセット条件を初期設定する初期
値設定手段15と、前記実測手段13からの実測値が予
測誤差範囲を逸脱する場合、前記アプセット条件を変更
する変更手段16とを具備している。前記クランプ金型
9によりクランプされる軸2は、その一端部11が、自
由状態とされ、他端部が前記金型から突出して、該突出
軸端部が前記押盤8により軸方向に押圧されて、所定の
外径で所定の厚みを有するフランジ3に形成されるので
あるが、該軸2は、このアプセッター1にセットされる
前に、突出軸端部及び金型9によりクランプされる所定
長さのクランプ部17が、800℃以上に加熱されてい
る。この実施の形態では、1200℃に加熱され、その
加熱部の温度分布はほぼ一定とされている。
【0011】本発明においては、前記突出軸端部をアプ
セットするとき、前記軸の自由端11の軸方向伸びを所
定量だけ許容するよう、アプセット条件を設定してい
る。即ち、アプセット条件としては、成形力(押盤8に
よる推力)、クランプ力(クランプ金型9によるつかみ
力)、金型長さ、フランジ厚、フランジ径、クランプ部
17の軸径、加熱状況、アプセット速度(押盤の移動速
度)等があり、これらのアプセット条件を適宜設定する
ことにより、軸2の自由端11の軸方向伸びを所定量だ
け許容するのである。
【0012】図3〜6に示すグラフは、クランプ金型9
のクランプ力と、該クランプ力による軸2の軸方向抵抗
力と、押盤8の推力との関係を、軸径をパラメータとし
て示したものであり、クランプ金型9にクランプされて
いる軸2の滑り(自由端11の伸び)の限界を示すもの
である。図3において滑りの限界を説明すれば、変形抵
抗値が2.00kg/mm2で、摩擦抵抗がμ=0.3
0の材料を、金型長400mm、最大クランプ力2,1
11トンの装置においてアプセットするとき、軸径が4
80mmのとき、推力と抵抗力が交差しているので、4
80mm以下の軸径のものでは滑りが生じず、それ以上
の径の軸2では滑りが生じることを示している。
【0013】表1にクランプ力の大きさによる滑りの抑
制限界を示す。
【0014】
【表1】
【0015】前記表中の「クランプ力」とは、各金型長
において軸方向の抵抗力を最大限発生させるクランプ力
のことである。但し、前提条件としてクランプ部軸径の
最大値を800mmとしている。金型長400mmの
時、伸び無し最大軸径は、480mmであるが、このと
きに必要なクランプ力は、図3より約1200トンとな
り、それ以上のクランプ力は、上下の金型9により相殺
される。前記表1から明らかなように、直径800mm
までの軸径を有するフランジ付き軸材のフランジ成形を
アプセット法で実施する場合、従来のように、クランプ
部17の滑りを許容せずに設備設計を行うと、金型長8
00mm、クランプ力3,500トン超の大型設備が必
要となる。
【0016】本発明では、クランプ力を小さく設定し、
発生する伸びを許容し、かつ、予測し、適正形状にフラ
ンジ成形するのである。即ち、本発明の実施の形態で
は、図3に代えて図7に示すように、金型長400mm
で、最大クランプ力を1,000トンとしている。尚、
前記図3〜7及び表1における「滑り」とは、軸2が金
型9との摩擦力に抗して相対移動することを意味する
が、以下において用いる「滑り」とは、軸2が金型9と
の摩擦力に抗して相対移動することのみを意味するので
はなく、材料流動も含めて軸2の自由端11が軸方向に
伸びることを意味する。従って、「滑り量」とは、軸端
11の「移動量」をいう。以下、これらを「伸び」と称
する。
【0017】本発明では、伸びを完全に抑制するために
金型長、クランプ力を大きくせずに、伸びを許容するこ
とにより、目標形状の成形を実現する製造方法である。
そのため、伸びを許容した場合の精度を予測する必要が
ある。図8に伸び予測誤差と取代の関係を示す。図9
は、伸び予測に対し誤差が0mmの場合の取代を示して
いる。予測伸びに対し伸び量が大きくなった場合、フラ
ンジ厚みの外取代が増大し、内取代及び径取代が減少す
る(図10参照)。また、予測伸びに対し、伸び量が小
さくなった場合、外取代が減少し、内取代と径取代が増
大する(図11参照)。この関係を示したのが前記図8
である。
【0018】前記図8〜11から判るように、伸び予測
を誤ると、機械加工仕上げ形状に対し、マイナス値が発
生し、寸法不良となるので、本発明においては、伸び予
測を正確に行わなければならないことが判る。そこで、
本発明では、伸び予測誤差が生じないようにするため、
伸び予測誤差発生要因を分析した。即ち、伸び量の変化
は、成形力、フランジ厚、フランジ径、軸径、加熱状
況、アプセット速度等によって変化する。これらのパラ
メータを確実に予測し、また、一定化することにより、
伸び量の正確な予測が可能になる。
【0019】そこで、本発明では、先ず、アプセット速
度の変化がどのように伸び量に影響を与えているかを調
べた。図12は、金型長400mm、クランプ力1,0
00トン、軸径480mm、突出軸端部とクランプ部の
2/3の範囲を均一加熱状態として、アプセット速度
(押盤の移動速度)を変化させたときの、軸端部11の
伸び(滑り量)を測定した結果を示すグラフである。こ
の図より、アプセット速度の増加により伸び量が増加す
る傾向にあり、更に変化量の傾きも大きくなるため、ア
プセット速度は、低速域かつ一定である必要があること
が判る。
【0020】尚、アプセット速度と押盤8の押圧力と
は、相関関係にあり、速度が速いと押圧力は大きくな
る。次に、加熱状態と伸び量の関係を調べた。即ち、ク
ランプ部軸径540mm、アプセット速度10mm/s
ecを一定として、突出軸端部を加熱すると共にクラン
プ部11の加熱範囲を変化させた場合の伸び量のばらつ
きを測定した。その測定結果を図13に示す。尚、クラ
ンプ部加熱状況の100%とは、クランプ金型長9の全
長に渡って、軸突出端部と同じ温度に加熱したと言う意
味である。
【0021】加熱の理想状態は、フランジ成形部(突出
軸端部)が高温かつ均一に加熱されており、クランプ部
17が低温であることであるが、フランジ成形部とクラ
ンプ部17は連続した部位であるので、フランジ部3を
十分に且つクランプ部17を低温に保つことは困難であ
る。フランジ形成部を高温にすると、クランプ部17も
高温になり成形力に対する抵抗力が減少するため、伸び
量が増加し、クランプ部17を低温にすると、フランジ
成形部も低温になるため、成形時の変形抵抗が増大し、
成形力が増加、成形不可能になる。若しくは、成形され
たフランジ形状が不適切なものになる。これらのことか
ら、伸び量を予測する上で、クランプ部17の加熱状況
による伸び量の変化を把握する必要がある。
【0022】前記図13によれば、クランプ部17の約
2/3(60%)までを突出軸端部と同じ温度に均一加
熱したとき、伸び量が最も少なくなっていることが判
る。その他の種々の実験により、伸び量は、クランプ部
17の軸径によって変化することが判った。そこで、精
度の良い伸び予測を行うために、クランプ部軸径をパラ
メータとして、アプセット速度、加熱状況による伸び量
の変化を定量化した。そして、伸び量が最小になるアプ
セット速度及びクランプ部加熱状況を常に再現させ、そ
の条件下でのクランプ部軸径と伸び量の関係を示すテー
ブルを基に実操業を行った。図14に前記テーブルの一
例を示す。
【0023】即ち、加工する軸2の直径をパラメータと
して、所定のアプセット条件の下で、該軸2の自由端1
1の軸方向伸びを予め求めて、図14に示すようなテー
ブルを作成し、そして、このテーブルを基に、実操業の
アプセット条件を設定するのである。例えば、図15に
示す両端にフランジ3を有する製品(軸径500mm、
フランジ間距離8,000mm)をアプセットにより成
形する場合、その素材形状寸法をいくらに設計すれば良
いか、及び、どの位置を金型9でクランプすれば良いか
を、前記図14のテーブルにより求めるのである。
【0024】即ち、図14に示すテーブルによれば、軸
径500mmの場合、予測伸び量は20mmである。従
って、一端部のアプセットにより、軸端は20mm伸び
るので、両端アプセットすれば、合計40mm伸びるこ
とになる。よって、素材形状は、フランジ成形部(突出
軸端部)18の長さをa、bとすると、素材の全長は、
a+b+(8,000−40)=(a+b+7,96
0)mmとなる。そして図16(A)に示すように、最
初の一端部をアプセットするとき金型9で7,960m
mの位置でクランプし、図14に示すアプセット条件で
アプセットする。そして、他端部をアプセットするとき
は、図16(B)に示すように、7,980mmの位置
でクランプすれば、図15に示すフランジ間距離8,0
00mmの両端フランジの軸が高精度に成形できる。実
操業では、これらに加えて加熱による熱膨張を加味す
る。ところで、前記アプセット法において、以下に示す
3つの問題点があり、これを解決する手段が必要であ
る。
【0025】即ち、(1)素材の加熱時に被成形材の温
度が不均一であること、及び、被成形素材の表面状態
(凹凸)など操業条件のバラツキにより、最終圧下時の
伸び量が当初の予測誤差範囲を超え、寸法不良となる場
合がある。 (2)予測精度のみで寸法が決まってしまい、操業中で
の制御が困難である。 (3)寸法不良を防止するには、取代すなわち予測誤差
範囲を増加させるのが簡単な対策であるが、製品歩留の
悪化、後工程である機械加工時間の増加を招き、製造コ
ストがアップする。
【0026】そこで、本発明では、操業条件にバラツキ
が生じた場合であっても、伸び量を予測範囲内に抑え、
寸法不良を無くするため、さらに、次の手段を講じた。
即ち、一旦滑り(伸び)が発生すると、成形条件が変化
しない限り伸び量は圧下量と比例して大きくなるため、
成形途中の伸び量が分かれば、外挿法により最終圧下位
置での伸び量の予測が可能である。そこで、自由端11
側の遠方に固定され、自由端11までの距離を測定する
実測手段13を用いて、自由端11の伸び量を実測し、
その実測値を制御装置14に送る。制御装置14では、
前記実測値が予測誤差範囲を逸脱しているか否かを判断
し、逸脱している場合は、変更手段16によりアプセッ
ト条件を変更し、伸び量を予測誤差範囲内に抑えるよう
にした。
【0027】即ち、図1並びに図17及び図18に示す
ように、初期値設定手段15により、成形力、クランプ
力、金型長さ、フランジ厚、フランジ径、クランプ部の
軸径、加熱状況、アプセット速度などのアプセット条件
を設定する。このアプセット条件に基づき、制御装置1
4に内蔵する図14に示す如きテーブルにより、軸2の
自由端11の伸び量が予測可能となる。圧下開始によ
り、成形前の実測手段13から被成形材2の自由端11
までの距離X0 、成形中の実測手段13から被成形材2
の自由端11までの距離Xが測定され、制御装置14に
送られる。制御装置14において、自由端11の伸び量
Lが、L=X−X0 と計算される。
【0028】押盤8での圧下が、例えば、目標圧下量の
1/2まで達した時点で、Xの経時変化から成形完了時
の伸び量(L=X−X0 )の値を外挿法により求める
(図17参照)。前記外挿法により求めた最終伸び量L
が、予測誤差範囲±aを逸脱しているか否かを判断す
る。a>|X−X0 |となることが予測される場合に、
アラームを発すると同時に、以下に示す優先順位で少な
くとも一つの処理を変更手段16により行う。 (1)−a>X−X0 と予測された場合 アプセット速度を早くする。 クランプ力を低下させる。 フランジ径は所定寸法を確保できるので、|a|>
|X−X0 |分だけ手前で圧下を完了する。 (2)a>X−X0 と予測された場合 アプセット速度を遅くする。 クランプ力を大きくする。 最終圧下目標量以下で成形を中断し、クランプし直
した後、再び成形する。
【0029】ただし、アプセット速度、クランプ力の変
更量の算出は、図3〜6,図12,13に示されように
予測時に用いたグラフに基ずく。これらの処置を成形完
了まで繰り返し実施することにより、より精度の高い成
形を実現することができる。さらに前記制御装置14
に、学習機能を付加することにより、実績データを基に
予測計算モデル式及びテーブルを修正することも可能で
ある。なお、前記実施の形態は、制御装置14内で自動
処理可能としたものであるが、手動により処理するよう
にしてもよい。
【0030】また、前記アプセット速度(圧下速度)の
制御は、押盤8を駆動するシリンダーへの油流量(吐出
量)を変化させることで制御できる。尚、前記実施の形
態では、実測手段13として、軸2の自由端11の伸び
量を検出してフィードバック制御を行ったが、アプセッ
ト条件の内、圧下速度や圧下量を検出して、フィードバ
ック制御するものであってもよい。即ち、例えば、被成
形材の温度が設定温度よりも高く加熱された場合、材料
の変形抵抗が小さくなるため、圧下反力が小さくなり、
圧下速度は速くなる。従って、圧下速度を実測手段で測
定して、その圧下速度が設定値になるようにフィードバ
ック制御を行うことにより、自由端の伸びを所定範囲内
に抑えることができる。
【0031】また、実測手段13としてレーザ距離計を
例示したが、支持台12の移動を監視するものであって
もよい。なお、本発明は、前記実施の形態に示すものに
限定されるものではない。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、低コストで、高生産性
のフランジ付き軸材の生産が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法に使用するアプセッターの
概略構成図である。
【図2】図2は、図1の金型の断面図である。
【図3】図3は、金型長400mmのときのアプセッタ
ーのクランプ力と推力と抵抗力の関係を、クランプ部軸
径をパラメータとして示したグラフである。
【図4】図4は、金型長500mmのときのアプセッタ
ーのクランプ力と推力と抵抗力の関係を、クランプ部軸
径をパラメータとして示したグラフである。
【図5】図5は、金型長600mmのときのアプセッタ
ーのクランプ力と推力と抵抗力の関係を、クランプ部軸
径をパラメータとして示したグラフである。
【図6】図6は、金型長700mmのときのアプセッタ
ーのクランプ力と推力と抵抗力の関係を、クランプ部軸
径をパラメータとして示したグラフである。
【図7】図7は、本発明の実施の形態に用いたアプセッ
ターのクランプ力と推力と抵抗力の関係を、クランプ部
軸径をパラメータとして示したグラフである。
【図8】図8は、伸び予測誤差と取代の関係を示すグラ
フである。
【図9】図9は、伸び予測誤差が0の場合の取代の関係
を示す図面である。
【図10】図10は、伸び予測誤差が+の場合の取代の
関係を示す図面である。
【図11】図11は、伸び予測誤差が−の場合の取代の
関係を示す図面である。
【図12】図12は、アプセット速度と伸び量の関係を
示すグラフである。
【図13】図13は、クランプ部加熱状態と伸び量の関
係を示すグラフである。
【図14】図14は、クランプ部軸径と伸び量のテーブ
ルである。
【図15】図15は、本発明方法により成形する両端フ
ランジの軸材をしめす正面図である。
【図16】図16は、本発明方法を示す説明図である。
【図17】図17は、外挿法による伸びの予測の説明用
グラフである。
【図18】図18は、本発明方法を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1 アプセッター 2 軸 3 フランジ 9 金型 11 自由端 13 実測手段 15 初期値設定手段 16 変更手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高森 秀樹 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 Fターム(参考) 4E087 AA10 BA17 CA31 CB01 CC01 EA34 GA01 GA03 HA31 HB13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端部を有する軸の一端部を自由状態に
    し、他端部を突出状態として金型によりクランプし、該
    突出軸端部を熱間アプセットしてフランジを形成する方
    法において、 前記突出軸端部をアプセットするとき、前記軸の自由端
    の軸方向伸びを所定量だけ許容するように、アプセット
    条件を初期設定し、 アプセット中に、前記軸の自由端の伸び又は前記アプセ
    ット条件の内の少なくとも一つを実測し、 前記実測値が予測誤差範囲を逸脱する場合、前記アプセ
    ット条件を変更することを特徴とするアプセッターにお
    けるフランジ成形方法。
  2. 【請求項2】 変更すべきアプセット条件は、圧下速度
    であることを特徴とする請求項1記載のアプセッターに
    おけるフランジ成形方法。
  3. 【請求項3】 両端部を有する軸の一端部を自由状態に
    し、他端部を突出状態として金型によりクランプし、該
    突出軸端部を熱間アプセットしてフランジを形成するア
    プセッターにおいて、 前記突出軸端部をアプセットするとき、前記軸の自由端
    の軸方向伸びを所定量だけ許容するように、アプセット
    条件を初期設定する初期値設定手段と、 アプセット中に、前記軸の自由端の伸び又は前記アプセ
    ット条件の内の少なくとも一つを実測する実測手段と、 前記実測値が予測誤差範囲を逸脱する場合、前記アプセ
    ット条件を変更する変更手段とを具備したことを特徴と
    するアプセッター。
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