JP2002210451A - 有害物質処理方法及びそのシステム - Google Patents

有害物質処理方法及びそのシステム

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JP2002210451A
JP2002210451A JP2001010328A JP2001010328A JP2002210451A JP 2002210451 A JP2002210451 A JP 2002210451A JP 2001010328 A JP2001010328 A JP 2001010328A JP 2001010328 A JP2001010328 A JP 2001010328A JP 2002210451 A JP2002210451 A JP 2002210451A
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natural zeolite
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harmful
washing water
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JP2001010328A
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Masanori Fujita
正憲 藤田
Shigenobu Nakahara
成信 中原
Keiki Go
景貴 呉
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MEDICAL ZEOLITE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 砒素で汚染された土壌及び/又は地下水の処
理と当該処理により抽出された砒素の処理を一貫したプ
ロセスで、二次汚染を招くことなく効率的に処理する方
法を提供する。 【解決手段】 有害物質を含む対象物を洗浄水に投入
し、前記有害物質を溶出させる溶出工程と、前記有害物
質が溶出した洗浄水と天然ゼオライトとを接触させ、前
記有害物質を吸着する吸着工程と、前記有害物質を吸着
した前記天然ゼオライトをプラズマ溶融しガラス固化す
るガラス固化工程と、前記プラズマ溶融中に発生する飛
灰をセメント固化するセメント固化工程と、を具備す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砒素や鉛などの有
害物質で汚染された土壌及び/又は地下水の処理に関
し、詳しくは、天然ゼオライトで有害物質を吸着分離す
ることにより砒素や鉛で汚染された土壌、地下水を無害
化し再利用する方法及びそのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】図7は砒素などの有害物質による土壌及
び地下水の汚染の状況を模式的に示したものである。汚
染源61は地中又は地表面に存在する。汚染源61とし
て、例えば、工場から排出された有害物質を含む廃棄物
を固化したものをドラム缶に入れて地中に埋設したもの
や、かつての戦争により製造された化学兵器などが考え
られる。このような汚染源が長年月のうちにドラム缶や
周囲の金属部分が錆びたり、腐食したりする結果、地上
から流れ落ちる雨水によって、又は拡散によって、有害
物質が周囲に染み出し、汚染源の周囲の土壌を汚染す
る。更に、有害物質が含まれた雨水などが地中深くに移
動していき、地下水脈62へと到達することによって、
地下水も有害物質によって汚染されることになる。地下
水の汚染による被害は深刻で、汚染源周囲だけでなく遥
か下流の領域に生息する、人を含めた生物に悪影響を与
えてしまう。そこで、このような砒素などの有害物質で
汚染された土壌や地下水を処理する方法が求められてい
る。
【0003】砒素で汚染された土壌の処理方法として
は、土壌に塩化第二鉄を加える方法が知られている。す
なわち、Fe3+を加えて、式(1)に示すように砒素
を砒酸鉄の形に安定化して無害化する方法である。
【0004】 AsO 3−+FeCl→FeAsO+3Cl (1) この反応で生成するFeAsOは難溶性であり、この
方法は砒素の不溶化法として有効な方法と考えられる。
【0005】一方、砒素で汚染された水の処理方法とし
ては、凝集剤添加による凝集沈殿が広く知られ、他にイ
オン交換樹脂を用いる方法や活性炭を用いて選択的に除
去する方法が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の砒素で
汚染された土壌の処理方法を適用する場合、実際には砒
酸鉄の生成に必要な当量の数倍から数十倍ものFe3+
が必要であること、又、土壌中に砒素イオンが3価の形
で含まれている場合、砒素を安定化させることは困難で
あり、たとえ安定化したFeAsOを形成させても加
水分解され再溶出する危険性は否定できず、再利用には
適さないという問題点があった。
【0007】一方、上記の凝集剤添加による方法を用い
て砒素で汚染された水を処理する場合、凝集沈殿を行っ
ても3価の亜砒酸イオンは凝集されず、沈殿に至らない
フロックも水中に浮遊して凝集させることが困難である
という問題点があった。又、イオン交換樹脂を用いて砒
素で汚染された水を処理する方法では操作が煩雑であ
り、活性炭を用いて選択的に砒素を除去する方法では大
量の活性炭を必要とし、双方とも購入及びメンテナンス
に費用がかかってしまうという問題点があった。
【0008】本発明は上述した事情より成されたもので
あり、本発明の目的は、砒素で汚染された土壌及び/又
は地下水の処理と当該処理により抽出された砒素の処理
を一貫したプロセスで、二次汚染を招くことなく効率的
に処理する方法およびそのシステムを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、砒素や鉛など
の有害物質で汚染された土壌及び/又は地下水の処理に
関し、詳しくは、天然ゼオライトで有害物質を吸着分離
することにより砒素や鉛で汚染された土壌、地下水を無
害化し再利用する方法及びそのシステムに関するもので
ある。
【0010】有害物質を含む土壌などの対象物の処理に
関する方法の発明にあっては、有害物質を含む対象物を
洗浄水に投入し、前記有害物質を溶出させる溶出工程
と、前記有害物質が溶出した洗浄水と天然ゼオライトと
を接触させ、前記有害物質を吸着する吸着工程と、前記
有害物質を吸着した前記天然ゼオライトをプラズマ溶融
しガラス固化するガラス固化工程と、前記プラズマ溶融
中に発生する飛灰をセメント固化するセメント固化工程
と、を具備することによって達成される。又、有害物質
を含む対象物を洗浄水に投入し、前記有害物質を溶出さ
せる溶出工程と、前記洗浄水に酸化剤を加えた後に、凝
集剤を添加して有害物質を酸化・凝集させる凝集工程
と、前記凝集工程により凝集した有害物質を除去した後
の残存有害物質を含む前記洗浄水と天然ゼオライトとを
接触させ、前記残存有害物質を吸着する吸着工程と、前
記凝集された有害物質と前記有害物質を吸着した前記天
然ゼオライトとを回収した後に、これらをプラズマ溶融
しガラス固化するガラス固化工程と、前記プラズマ溶融
中に発生する飛灰をセメント固化するセメント固化工程
と、を具備することによっても達成される。これらの場
合において、前記洗浄水が水又は酸性に調製した後に過
酸化水素水を加えた水溶液を用いることができる。
【0011】又、本発明の上記目的は、有害物質を含む
水の処理に関する方法の発明にあっては、有害物質を含
む水に含まれる有害物質を酸化、凝集させて、凝集した
有害物質を除去するための凝集工程と、前記凝集工程で
除去できなかった残留有害物質を含む水と天然ゼオライ
トとを接触させ、前記残留有害物質を吸着する吸着工程
と、前記有害物質を吸着した天然ゼオライトと、前記凝
集工程で除去された凝集物をプラズマ溶融しガラス固化
するガラス固化工程と、前記プラズマ溶融中に発生する
飛灰をセメント固化するセメント固化工程と、を具備す
ることによって達成される。
【0012】以上の場合において、前記有害物質が砒素
又は鉛である場合に特に有効である。
【0013】一方、本発明の上記目的は、有害物質を含
む土壌などの対象物の処理に関する物の発明にあって
は、有害物質を含んだ対象物を洗浄水中に投入し、前記
有害物質を溶出させるための溶出手段と、前記洗浄水と
天然ゼオライトと接触させた前記洗浄水中に溶出した前
記有害物質を吸着する吸着手段と、前記吸着手段によっ
て有害物質を除去された前記洗浄水を処理する水処理手
段と、前記有害物質を吸着した前記天然ゼオライトをガ
ラス固化及びセメント固化するための固定化手段と、を
具備することによっても達成される。又、有害物質を含
んだ対象物を洗浄水中に投入し、前記有害物質を溶出さ
せるための溶出手段と、前記溶出手段によって前記有害
物質が溶出した前記洗浄水に酸化剤を加えた後に、凝集
剤を添加して前記有害物質を酸化・凝集させる凝集手段
と、前記凝集手段により凝集した有害物質を除去した後
の残存有害物質を含む前記洗浄水と天然ゼオライトと接
触させた前記洗浄水中に溶出した前記残存有害物質を吸
着する吸着手段と、前記吸着手段によって前記残存有害
物質を除去された前記洗浄水を処理する水処理手段と、
前記有害物質を吸着した前記天然ゼオライトと前記凝集
手段によって除去された有害物質とをガラス固化及びセ
メント固化するための固定化手段と、を具備することに
よっても達成される。
【0014】又、有害物質を含む水の処理に関する物の
発明にあっては、吸水手段によって供給される有害物質
を含んだ水を、天然ゼオライトと接触させて、前記水に
含まれる有害物質を前記天然ゼオライトによって吸着す
る吸着手段と、前記吸着手段によって有害物質を除去さ
れた前記水が、環境適合基準を満たす場合にはそのまま
放流し、環境適合基準を満たさない場合には清浄化する
ための水処理手段と、前記有害物質を吸着した後の前記
天然ゼオライトをガラス固化及びセメント固化するため
の固定化手段と、を具備することによって達成される。
又、吸水手段によって供給される有害物質を含んだ水に
酸化剤を加えた後に、凝集剤を添加して有害物質を酸化
・凝集させるための凝集手段と、前記凝集手段により凝
集した有害物質を除去した後の残存有害物質を含む前記
水と天然ゼオライトとを接触させて、前記水中の前記残
存有害物質を吸着する吸着手段と、前記吸着手段によっ
て有害物質を除去された前記水が、環境適合基準を満た
す場合にはそのまま放流し、環境適合基準を満たさない
場合には清浄化するための水処理手段と、前記有害物質
を吸着した後の前記天然ゼオライトと前記凝集手段によ
って除去された有害物質とをガラス固化及びセメント固
化するための固定化手段と、を具備することによっても
達成される。
【0015】更に、有害物質を含む土壌などの対象物の
処理に関する物の発明にあっては、有害物質を含んだ対
象物を洗浄水中に投入し、前記有害物質を溶出させるた
めの洗浄槽と、前記洗浄槽中の洗浄水に酸化剤を加えた
後に凝集剤を添加して有害物質を酸化・凝集させる凝集
槽と、前記凝集槽により凝集した有害物質を除去した後
の残存有害物質を含む前記洗浄水と天然ゼオライトとを
接触させ、前記残存有害物質を吸着する有害物質除去槽
と、塔内に天然ゼオライトが充填され、前記有害物質除
去槽からの洗浄水を前記天然ゼオライトと接触させた後
に排水する天然ゼオライト塔と、前記排水された前記洗
浄水を再利用可能に処理する水処理手段と、前記有害物
質を吸着した前記天然ゼオライトをガラス固化及びセメ
ント固化するための固定化手段と、を具備することによ
って達成される。
【0016】更に又、有害物質を含む水の処理に関する
物の発明にあっては、有害物質を含んだ水を汲み上げる
揚水ポンプと、塔内に天然ゼオライトが充填され、前記
揚水ポンプにより汲み上げられた前記有害物質を含んだ
水を前記天然ゼオライトと接触させた後に排水する天然
ゼオライト塔と、前記天然ゼオライト塔から排水された
水を再利用可能に処理する水処理手段と、前記有害物質
を吸着した前記天然ゼオライト塔中の前記天然ゼオライ
トをガラス固化及びセメント固化するための固定化手段
と、を具備することによって達成される。この場合にお
いて、前記揚水ポンプで汲み上げられた前記有害物質を
含んだ水を天然ゼオライトを入れられた接触槽に供給し
た後に、前記天然ゼオライト塔へ前記有害物質を含んだ
水を供給するようにすると効果的である。
【0017】上記の場合において、前記天然ゼオライト
塔に代えて、槽内に天然ゼオライトと前記有害物質が溶
出した洗浄水を入れて両者を接触させ、固液分離させた
後に排水する天然ゼオライト混和槽を備えるように構成
してもよい。
【0018】又、洗浄水を用いる上記の場合において、
前記水処理手段によって処理された前記洗浄水を、洗浄
水として前記溶出手段に送水するようにすることも可能
である。更に、上記の場合において、前記有害物質が砒
素又は鉛である場合に特に効果がある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらいくつ
かの本発明の実施の形態について詳細に説明する。な
お、本発明が以下のものに限定される趣旨のものではな
い。又、以下で説明される実施の形態では、主に砒素で
汚染された場合を例示するが、砒素のみに限定される趣
旨のものではない。更に、以下の実施の形態で説明され
る汚染土壌又は高濃度砒素の処理と、低濃度又は高濃度
汚染地下水の処理とを組み合わせて実施することも可能
である。
【0020】本発明の有害物質処理方法は、図1に示す
ように、砒素や鉛などの有害物質で汚染された土壌など
の処理対象物を洗浄水に投入し、有害物質を溶出させる
ための溶出工程1、溶出工程1で溶出した有害物質を凝
集、分離する凝集工程2、凝集工程2で凝集、分離しき
れなかった残留有害物質を天然ゼオライトで吸着するた
めの吸着工程3、吸着工程3で除去された洗浄水を処理
するための水処理工程4、そして凝集工程2で凝集分離
される有害物質と有害物質を吸着した天然ゼオライトと
を固定化するための固定化工程4の各工程から構成され
る。しかし、処理対象物が地下水などの液体の場合に
は、溶出工程1からではなく、凝集工程2から処理が行
われる。上記の各工程に対応する処理は、以下に開示さ
れる発明の実施の形態に詳しく述べられる。
【0021】本発明で使用される天然ゼオライトは、酸
に強いモルデナイト系で高純度(95%以上)のものが
望ましい。本発明で天然ゼオライトが用いられるのは、
ゼオライトは、多孔性で物質吸着能に優れていること、
陽イオン交換能が優れていること、天然産であり化学物
質を使用した合成物ではないので環境に与える2次汚染
の心配がないこと、そして天然ゼオライトは法定の土壌
改良剤として指定されているとおり、土に対する親和性
が高いことによる。
【0022】1.第一の実施の形態:汚染土壌の処理 図2は有害物質、特に砒素に、汚染された土壌からその
有害物質を除去する処理の流れを示すブロック図であ
り、図3は図2の吸着工程における天然ゼオライト塔1
6を混和槽20と固液分離手段21に置き換えた場合の
汚染された土壌からその有害物質を除去する処理の流れ
を示すブロック図である。
【0023】(A)溶出工程 洗浄槽13は、汚染された土壌(以下、汚染土壌とす
る)11中の有害物質を溶け出させるための槽であり、
洗浄槽13中には水、アルカリ性又は酸性の水溶液であ
る洗浄水が注入される。洗浄槽13には汚染土壌と洗浄
水とを撹拌するための撹拌機と、撹拌後に有害物質除去
槽15へ洗浄水を供給するためのポンプを設置すると望
ましい。
【0024】汚染土壌11は、通常、洗浄槽13に投入
される。しかし、洗浄槽13に投入する前に、分級手段
12を設けてもよい。例えば、汚染土壌中の粒子におい
て、比表面積が大きい粘土鉱物の粒子に砒素などの有害
物質が多く吸着していることが予想され、土壌試験の結
果、粒子径により汚染度が異なる場合などに、汚染土壌
を分級する効果がある。このような場合、分級手段12
により汚染度の異なる土壌に分類することができれば、
全体的な処理土壌の量を減らすことができるからであ
る。分級手段12として、網の目の異なるふるいなどを
例示することができる。分級の結果、未汚染土壌は何の
処理も施さずに埋め戻し、汚染土壌11は洗浄槽13に
投入される。
【0025】汚染土壌11を投入した後に洗浄槽13に
洗浄水を注入する。しかし、洗浄水は汚染土壌投入前に
注入してもよい。ここで、洗浄水として、水やアルカリ
性又は酸性に調製された水溶液が用いられる。酸性に調
製された水溶液を用いる場合、酸性であれば本発明の目
的を達することができるが、好ましくはpHが2以下に
調製された酸性水溶液が使用される。例えば酸性水溶液
として、pHを酸性に好ましくはpH2以下に調製した
後、酸性の過酸化水素が1〜3%となるように加えられ
た水溶液であってもよい。酸性に調製された水溶液を用
いる場合には、次の凝集工程での処理を行い易くするた
めに、洗浄水のpHを調整する。
【0026】洗浄槽13に、撹拌機が設置されている場
合には、撹拌機によって洗浄水と汚染土壌とが撹拌混合
され、洗浄水中に砒素や鉛などの有害物質が溶け込む。
ここで、撹拌により汚染土壌中の有害物質が洗浄水中に
溶け出すので、洗浄槽13での撹拌後の汚染土壌を単に
「土壌」と呼ぶことにする。撹拌機での撹拌処理を停止
してから一定時間静置すると、土壌は洗浄水中を沈降す
る。この状態で洗浄槽に備えられているポンプなどによ
り洗浄水が凝集槽14へと供給され、沈降した土壌は加
熱により水分を蒸発させて、浄化土壌として元の場所に
戻されて再利用される。又、元の場所に埋め戻す場合
に、天然ゼオライトを混合しておくことによって、埋め
戻し後に汚染源から溶出する有害物質を除去することが
可能となる。
【0027】(B)凝集工程 凝集工程2は、例えば、処理する対象物の有害物質(砒
素)濃度が高い場合に、予め有害物質を除去するための
工程である。凝集工程2は、主に凝集槽14による処理
に相当する。凝集槽14は、撹拌機を備えていることが
好ましい。
【0028】砒素は一般に3価の亜砒酸と5価の砒酸の
形態をとるが、3価の亜砒酸よりも5価の砒酸の方が不
溶性化合物をつくりやすく毒性も弱いので、5価の砒酸
の形で処理することが望ましい。そこで、式(2)に示
されるように、3価の亜砒酸を酸化剤で5価の砒酸にま
で酸化する。
【0029】 AsO 3−+NaClO→AsO 3−+NaCl (2) このとき、撹拌機が凝集槽に備えられている場合には、
洗浄水中に存在する亜砒酸と酸化剤とが効率的に接触す
るように十分に撹拌される。砒酸は塩化第二鉄などの凝
集剤を加えると式(3)に示されるように凝集する。
【0030】 AsO 3−+Fe3+→FeAsO (3) 凝集剤を加えたときも同じように、撹拌機で凝集槽14
内を十分に撹拌することによって、効率よく洗浄水中の
砒素などの有害物質を凝集させることができる。凝集し
た砒酸の塩は凝集槽14下部に沈殿する。このようにし
て砒素を沈殿除去することが可能である。沈殿した凝集
物は、後述する固定化工程5のプラズマ溶融炉19へと
送られて処理される。一方、凝集物を沈殿させた後の洗
浄水は吸着段階3の有害物質除去槽15へと供給され
る。
【0031】以上で、酸化剤や凝集剤は公知のものを使
用することができるが、例えば、酸化剤としては例示し
たものの他に、過酸化水素水、燐酸、塩酸、硫酸など
が、凝集剤としては消石灰を加えた後のカチオン系有機
凝集剤などを使用することができる。
【0032】なお、砒素などの有害物質による汚染度が
低い場合には、当該凝集工程、即ち凝集槽14を設けな
くてもよい。
【0033】(C)吸着工程 吸着工程3は、凝集工程2で凝集沈殿されなかった残留
有害物質を、天然ゼオライトを用いて更に除去するため
の処理工程であり、有害物質除去槽15、天然ゼオライ
ト塔16又は混和槽20及び固液分離手段21とからな
る。
【0034】有害物質除去槽15は、凝集槽14から供
給される洗浄水中の砒素などの有害物質を天然ゼオライ
トで吸着除去するための槽であり、天然ゼオライトと洗
浄水とを均一に混合し接触させるために撹拌機を設置す
ることが望ましい。又、天然ゼオライト塔16に洗浄水
を供給するためのポンプを有していてもよい。
【0035】天然ゼオライト塔16は、有害物質除去槽
15から供給される洗浄水から砒素などの有害物質を除
去し、環境基準に適合した形で排水又は再利用されるよ
うに処理するための塔である。天然ゼオライト塔は、例
えば、天然ゼオライトが充填されたカラムを本体とし、
塔の上部には洗浄水注入口が、カラム底部には洗浄水排
出口が、そして天然ゼオライトの入れ替えを行うための
入れ替え口が備えられる構成を有する。カラム内に充填
される天然ゼオライトは粒状が望ましいが、好ましくは
その径が5〜10mmのものである。又、洗浄水排出口
から天然ゼオライトが流出するのを防ぐために、細かい
目の網を設けるようにしてもよい。
【0036】凝集槽14から有害物質除去槽15へ洗浄
水が供給されるが、有害物質除去槽15中の天然ゼオラ
イトは洗浄水中の残留有害物質を除去するために入れら
れている。この天然ゼオライトは、洗浄水中に溶解した
有害物質を効率よく吸着するように粉末状から粒状にす
ることが望ましいが、礫状でも構わない。有害物質除去
槽15にも撹拌機を備えることが望ましい。撹拌機を備
えた場合には、天然ゼオライトが洗浄水と十分に接触す
るように撹拌されるので、それを備えない場合に比べて
砒素などの有害物質の除去効率は上がる。この有害物質
除去槽15により大部分の砒素や鉛などの有害物質が除
去される。一定時間撹拌した後、撹拌機を止め、洗浄水
及びゼオライトを静置させる。すると、洗浄水中に天然
ゼオライトが沈降して両者が分離するので、洗浄水はポ
ンプなどの移送手段によって天然ゼオライト塔16へ送
られる。
【0037】有害物質除去槽15からの排水は、天然ゼ
オライト塔16の上部から供給される。洗浄水は天然ゼ
オライト塔内に充填された粒状の天然ゼオライトを通過
しながら、塔内を上部から下部へと流れ落ちるが、その
間に有害物質除去槽15で除去しきれなかった砒素など
の有害物質が天然ゼオライトによって除去される。粒状
の天然ゼオライトを通して塔の下部に到達した洗浄水は
排水される。この後、水処理工程4へと移る。
【0038】図2では、天然ゼオライト塔16を用いて
砒素の除去処理を行っていたが、図3に示されるよう
に、天然ゼオライト塔16の代わりに混和槽20及び固
液分離手段21を用いることも可能である。混和槽20
は、カラム内に充填された天然ゼオライト中を上部から
下部へ向けて洗浄水を流す天然ゼオライト塔16とは異
なり、混和槽20に洗浄水を注ぎ込み、そこに入れた粉
末状から粒状の天然ゼオライトで残留有害物質を除去す
るものである。そして、有害物質除去槽15と同じよう
に撹拌機を備えると、砒素などの有害物質を効率よく天
然ゼオライトが吸着することが可能となるので好まし
い。混和槽20で有害物質の除去処理が行われた後、洗
浄水と天然ゼオライトの混合水溶液は、固液分離手段2
1によって液体と固体に分離される。固液分離手段21
としては、遠心分離機やデカンタ、プレスフィルタなど
の従来知られている装置を用いることができる。固液分
離手段21で分離された液体は排水として水処理工程4
へ送られ、固体分は固定化工程5へと送られて、それぞ
れ処理される。
【0039】(D)水処理工程 水処理工程4は、砒素などの有害物質を除去するための
溶媒として用いられる洗浄水を、環境基準に適合する水
準まで浄化するために、又は、洗浄水として再利用可能
な水準までに浄化するための工程である。
【0040】洗浄水中の有害物質(砒素)濃度が排水基
準を満たすものであれば、溶出工程1の洗浄槽13に洗
浄水として供給され、再利用される。逆に、もし洗浄水
中の有害物質(砒素)濃度が排水基準を超える場合に
は、微生物による処理17が施される。微生物による処
理は、従来知られている処理法によることができる。例
えば、バチルス菌やカビなどの微生物を用いて砒素など
の有害物質を回収、除去する方法などがある。微生物処
理17が施された後、洗浄水は一般に用いられる廃水処
理手段18を行い、溶出工程1の洗浄槽13に返送さ
れ、洗浄水として再利用される。廃水処理手段として
は、例えば、活性汚泥処理やオゾンを用いた廃水処理な
どの公知の廃水処理方法を用いることができる。もちろ
ん、これらの場合において、廃水処理された水を再利用
せずに河川に放流することも可能である。
【0041】(E)固定化工程 吸着工程3で用いられる天然ゼオライトは、砒素などの
有害物質を吸着作用(イオン交換作用)で吸着していく
ので、長期間使用していくと吸着能力が飽和していく。
したがって、定期的に新しい天然ゼオライトと交換しな
ければならない。このような飽和した天然ゼオライト
は、プラズマ溶融炉19を用いて処理が行われる。又、
凝集工程2で排出される凝集物も飽和した天然ゼオライ
ト共にプラズマ溶融されて処理される。プラズマ溶融炉
を用いて処理するのは、プラズマ溶融により天然ゼオラ
イトと共に有害物質をも溶融することができるからであ
る。プラズマ溶融炉19は従来知られているものを使用
することができる。
【0042】天然ゼオライトは加熱により脱水処理され
た後、プラズマ溶融炉19に投入される。プラズマ溶融
炉19内では吸着能力の飽和した天然ゼオライトが溶融
する温度以上に加熱され、高温溶融物となった後に冷却
される。天然ゼオライトは一般に1200℃〜1300
℃で溶融し始めるので、通常それ以上の温度に上げる必
要がある。天然ゼオライトの主成分は、シリカ(SiO
)とアルミナ(Al )であり、これらは急冷す
るとガラスになる。そのため、プラズマ溶融した後に冷
却して得られるものはガラス固化体であり、化学的耐久
性の高いものが得られる。飽和した天然ゼオライトをプ
ラズマ溶融している最中に発生する排ガスには揮散した
重金属などの有害物質が含まれるので、飛灰として回収
され、pH管理後にセメント固化される。これらのガラ
ス固化体及びセメント固化体は、有害物質などを封じ込
め、再溶出しないので、路盤材などに再利用される。
【0043】以上の各工程において、請求項1及び2お
けるガラス固化工程及びセメント固化工程はプラズマ溶
融炉での処理に対応する。又、請求項6、7及び10に
おける水処理手段は微生物による処理及び廃水処理に対
応し、同じく固定化手段はプラズマ溶融炉に対応する。
【0044】2.第二の実施の形態:低濃度汚染地下水
の処理 図4は、現在使用している井戸が低濃度汚染地下水であ
る場合の処理方法の流れを示すブロック図である。現在
使用されている井戸の場合には、天然ゼオライトを直接
に井戸の中に投入することによって行われる。投入する
天然ゼオライトは3〜5mmの径を有する粒子にするこ
とが好ましい。このように投入された天然ゼオライト
は、水の中に溶解している砒素や鉛などの有害物質を吸
着して、地下水から砒素や鉛などの有害物質の濃度を下
げる。このようにして、低濃度汚染地下水の場合には、
地下水を利用することが可能となる。これが吸着工程3
に対応するものである。
【0045】以上のにおいて、砒素や鉛などの有害物質
を十分に吸着し、吸着能力の飽和した天然ゼオライトは
井戸より取り出された後、第一の実施の形態の(E)の
固定化工程で述べた方法により処理される。固定化工程
5では、飽和した天然ゼオライトはプラズマ溶融炉によ
って砒素や鉛などの有害物質が再溶出しないように、固
形分についてはガラス固化を、飛灰についてはセメント
固化を行い、路盤材として再利用される。
【0046】3.第三の実施の形態:高濃度汚染地下水
の処理 図5は地下水が高濃度に汚染されている場合の処理方法
の流れを示す図である。高濃度汚染地下水の処理方法
は、井戸中に揚水ポンプを設置するものである。従っ
て、使用中の井戸へ適用する場合の他に、砒素などの有
害物質によって汚染されていると推定される地下水を処
理するために揚水用の井戸を掘る場合が考えられる。
【0047】本実施の形態では、現在使用中の井戸又は
汚染されていると思われる部分を掘り起こした井戸の地
下水面付近に揚水ポンプ41を、そして地上に接触槽4
2を設置する。又、接触槽42は更に天然ゼオライト塔
16に接続されている。これらの間は管で結ばれてい
る。揚水ポンプ41は井戸中の地下水を汲み上げるため
のものである。接触槽42には天然ゼオライトが納めら
れている。又、揚水ポンプ41で汲み上げられた地下水
と天然ゼオライトとの接触を高めるための撹拌機を備え
られているとよい。天然ゼオライトは、粉体状から粒状
の大きさのものが好ましい。
【0048】揚水ポンプ41で地下から汲み上げられた
地下水は、接触槽42内に注入される。接触槽42に撹
拌機が備えられている場合、ある一定量の地下水が接触
槽42内に注入されると、天然ゼオライトと地下水とを
十分に接触させるために撹拌機が作動し、地下水と天然
ゼオライトとが十分に撹拌される。この撹拌によって、
地下水中に存在している砒素や鉛などの有害物質は天然
ゼオライト中に吸着される。一定時間の天然ゼオライト
との接触後、地下水は天然ゼオライト塔16へと供給さ
れる。以上の工程は、吸着工程に相当する。
【0049】このようにして有害物質を除去された地下
水は水処理工程4で、使用された天然ゼオライトは固定
化工程5で、それぞれ処理されることになるが、これら
の処理は、第一の実施の形態で記載した(D)と(E)
と同様の処理の流れとなるので、ここでの説明は省略す
る。
【0050】又、接触槽42の前に第一の実施の形態の
(A)で説明した凝集工程を設けることも可能である。
【0051】以上において、請求項4における吸着工程
は天然ゼオライト塔における処理に対応し、同じくガラ
ス固化工程及びセメント固化工程はプラズマ溶融炉での
処理に対応する。又、請求項8及び9における吸水手段
は揚水ポンプに対応し、同じく吸着手段は接触槽及び天
然ゼオライト塔に対応し、同じく水処理手段は水処理工
程での微生物による処理及び廃水処理に対応し、そして
同じく固定化手段はプラズマ溶融炉に対応する。更に、
請求項11における水処理手段は水処理工程での微生物
による処理及び廃水処理に対応し、そして同じく固定化
手段はプラズマ溶融炉に対応する。
【0052】4.第四の実施の形態:高濃度砒素の処理 高濃度の砒素の処理について説明する。このような高濃
度の砒素を処理する具体的な場合は、例えば、過去の戦
争において製造され、処理されずに遺棄されたままの化
学兵器の処理などが考えられる。図6は高濃度の砒素と
して残留化学兵器の処理の流れを示す図である。
【0053】図6に示されるように、化学兵器残留物5
1の処理システムでは、高濃度の砒素を処理するための
凝集槽14及び有害物質除去槽15、化学兵器残留物の
破砕物を洗浄するための破砕物洗浄槽55、これらの排
水や洗浄水を処理するための天然ゼオライト塔16、微
生物処理手段17、一般廃水処理手段18、そしてプラ
ズマ溶融炉19とから構成される。凝集槽14は撹拌機
とポンプを有することが望ましい。凝集槽14は、第一
の実施の形態における洗浄槽13に対応するものである
が、その洗浄槽13が土壌中の砒素や鉛などの有害物質
を洗浄水中に溶解させる役割を果たすのに対して、本実
施の形態の凝集槽14は、化学物質中の砒素を酸化さ
せ、更に砒素を凝集させる役割を果たすものである。
【0054】まず、化学兵器残留物51を高濃度砒素5
2、その他の化学物質53そして破砕物54とに分離す
る。分離された高濃度砒素52は、凝集槽14に投入さ
れる。凝集槽14には、予め又は砒素の投入後に洗浄水
が注入される。砒素は一般に3価の亜砒酸と5価の砒酸
の形態をとるが、3価の亜砒酸よりも5価の砒酸の方が
不溶性化合物をつくりやすく毒性も弱いので、5価の砒
酸の形で処理することが望ましい。そこで、既に式
(2)で示されたように、3価の亜砒酸を過酸化水素水
(H)などの酸化剤で溶解抽出ができる5価の砒
酸にまで酸化する。このとき、洗浄水中に存在する亜砒
酸と酸化剤とが効率的に接触するように凝集槽に備えら
れている撹拌機は凝集槽内を十分に撹拌する。又、十分
に酸化した後に、既に式(3)で示したように塩化第二
鉄などの凝集剤を加えて砒酸を凝集させる。凝集剤を加
えたときも同じように、撹拌機で凝集槽14内を十分に
撹拌する。凝集した砒酸は凝集槽14下部に沈殿する。
このようにして砒素を沈殿除去することが可能である
が、除去できずに浮遊している凝集フロックや砒素イオ
ンは凝集せず、そして沈殿しないので除去することがで
きない。
【0055】残留有害物質を含む洗浄水をポンプで有害
物質除去槽15へ供給する。有害物質除去槽15には天
然ゼオライトと撹拌機が備えられている。有害物質除去
槽15に洗浄水が供給され、天然ゼオライトが洗浄水と
十分に接触するように撹拌機で十分に撹拌される。これ
によって、天然ゼオライトは洗浄水中に除去できずに浮
遊している凝集フロックや砒素イオンを吸着除去する。
吸着除去された洗浄水は天然ゼオライト塔16へ供給さ
れ、更にその砒素濃度を低下させる。天然ゼオライト塔
16から排水される洗浄水の流れは第一の実施の形態の
(D)水処理工程での流れと同じであるので、ここでは
説明を省略する。
【0056】化学兵器残留物51から分離された他の化
学物質53は図6に示されるように熱処理又は化学処理
され廃棄物とされる。又、化学兵器残留物51から分離
された破砕された破砕物54は破砕物洗浄槽55で洗浄
される。洗浄された破砕物は廃棄物として有害物質除去
槽15及び天然ゼオライト塔16で生じる飽和した天然
ゼオライトと、熱・化学処理された他の廃棄物と共にプ
ラズマ溶融炉19へ供給され、第一の実施の形態の
(E)で述べた固定化工程と同じ流れに沿って処理され
る。一方、破砕物洗浄槽55で使用される洗浄水は、有
害物質除去槽15から排出される排水と共に天然ゼオラ
イト塔16へと供給され、洗浄水中の有害物質が除去さ
れる。天然ゼオライト塔16から排出された排水は、排
水処理段階2で処理される。排水処理段階2での処理の
流れは、第一の実施の形態の(D)で述べたものと同じ
であるので、説明は省略する。
【0057】凝集槽14で生じた沈殿物と、有害物質除
去槽15及び天然ゼオライト塔16で生じた吸着能力の
飽和した天然ゼオライトと、熱・化学処理された他の化
学物質の廃棄物と、そして洗浄された破砕物はプラズマ
溶融炉で溶融される。そして飛灰はpH管理したセメン
トに固化され、溶融スラグはガラス固化され、再利用が
図られる。このプラズマ溶融炉での処理は第一の実施の
形態の(E)固定化工程で説明したものと同じなので説
明を省略する。
【0058】なお、本実施の形態における凝集槽14
は、溶出工程での処理と凝集工程での処理を兼ねた働き
をする。
【0059】以上において、請求項2における溶出工程
は凝集槽による処理に、同じく凝集工程は凝集槽での処
理に、同じく吸着工程は有害物質除去槽及び天然ゼオラ
イト塔での処理に、そして同じくガラス固化工程および
セメント固化工程はプラズマ溶融炉での処理に対応す
る。又、請求項7における溶出手段及び凝集手段は凝集
槽に、吸着手段は有害物質除去槽及び天然ゼオライト塔
に、同じくガラス固化手段及びセメント固化手段はプラ
ズマ溶融炉に対応する。更に、請求項11における水処
理手段は微生物による処理及び廃水処理に、そしてガラ
ス固化工程およびセメント固化工程はプラズマ溶融炉で
の処理にそれぞれ対応する。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、砒素や鉛などの有害物
質によって汚染された土壌や地下水中の有害物質を天然
ゼオライトによって吸着除去し、汚染土壌や汚染地下水
を再生させることが可能となる。処理された地下水が環
境基準に適合しない場合には、更に微生物処理や一般下
水処理を施すことによって、清浄な水とすることが可能
となる。一方、処理された土壌は、浄化土として再利用
することが可能となるが、浄化土に天然ゼオライトを混
合して埋め戻すことにより、天然ゼオライトが汚染源か
らの有害物質などを吸着除去し、土壌の汚染を軽減する
ことが可能となる。
【0061】本発明で使用される天然ゼオライトは、合
成によって製造されたものではない天然の鉱石であるの
で、環境への適合性が優れ、二次汚染がないという顕著
な効果を有する。又、天然ゼオライトは吸着した有害物
質をその結晶構造中に固定するので、再び溶出すること
がないという優れた特徴を有する。
【0062】吸着能力の飽和した天然ゼオライトはプラ
ズマ溶融によりガラス固化され、プラズマ溶融中に生じ
る飛灰はセメント固化されるので、外部に有害物質など
が溶出することがない。そのため、ガラス固化体やセメ
ント固化体は、路盤材などに利用することが可能とな
る。
【0063】本発明で使用する洗浄水は、上記した処理
により環境基準に適合したものとなるので、それを再び
洗浄水として使用することで、循環型のシステムを構築
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理を表すブロック図である。
【図2】汚染土壌の処理の流れを示すブロック図であ
る。
【図3】図2の天然ゼオライト塔を混和槽及び固液分離
手段に置き換えた場合の汚染土壌の処理の流れを示すブ
ロック図である。
【図4】低濃度汚染地下水の処理の流れを示すブロック
図である。
【図5】高濃度汚染地下水の処理の流れを示すブロック
図である。
【図6】高濃度の砒素を含む化学物質の処理の流れを示
すブロック図である。
【図7】土壌及び地下水の汚染状況を模式的に示す図で
ある。
【符号の説明】
1 溶出工程 2 凝集工程 3 吸着工程 4 水処理工程 5 固定化工程 11 汚染土壌 12 分級手段 13 洗浄槽 14 凝集槽 15 有害物質除去槽 16 天然ゼオライト槽 17 微生物処理手段 18 一般廃水処理手段 19 プラズマ溶融炉 20 混和槽 21 固液分離手段 41 揚水ポンプ 42 接触槽 51 化学兵器残留物 52 高濃度砒素 53 その他の化学物質 54 破砕物 55 破砕物洗浄槽 61 汚染源 62 地下水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/28 C02F 1/62 Z 4D050 1/52 1/72 Z 4D062 1/62 B09B 3/00 304K 4G075 1/72 (72)発明者 呉 景貴 中華人民共和国吉林省長春市東環路南 吉 林農業大学内 Fターム(参考) 2E191 BA02 BC01 BD01 BD11 BD18 4D004 AA41 AB03 CA29 CA34 CA36 CA41 CA45 CA47 CB31 CC11 CC13 4D015 BA04 BB05 CA10 CA17 DA13 EA06 FA22 FA24 FA29 4D024 AA04 AA05 AB17 BA07 DB06 DB21 DB23 4D038 AA08 AB70 AB74 BB01 BB06 BB16 BB18 4D050 AA12 AB59 AB64 BB09 CA01 CA06 CA16 4D062 BA04 BB05 CA10 CA17 DA13 EA06 FA22 FA24 FA29 4G075 AA37 BA06 BB03 BB04 CA47 FB05 FB20

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有害物質を含む対象物を洗浄水に投入
    し、前記有害物質を溶出させる溶出工程と、 前記有害物質が溶出した洗浄水と天然ゼオライトとを接
    触させ、前記有害物質を吸着する吸着工程と、 前記有害物質を吸着した前記天然ゼオライトをプラズマ
    溶融しガラス固化するガラス固化工程と、 前記プラズマ溶融中に発生する飛灰をセメント固化する
    セメント固化工程と、を具備することを特徴とする有害
    物質処理方法。
  2. 【請求項2】 有害物質を含む対象物を洗浄水に投入
    し、前記有害物質を溶出させる溶出工程と、 前記洗浄水に酸化剤を加えた後に、凝集剤を添加して有
    害物質を酸化・凝集させる凝集工程と、 前記凝集工程により凝集した有害物質を除去した後の残
    存有害物質を含む前記洗浄水と天然ゼオライトとを接触
    させ、前記残存有害物質を吸着する吸着工程と、 前記凝集された有害物質と前記有害物質を吸着した前記
    天然ゼオライトとを回収した後に、これらをプラズマ溶
    融しガラス固化するガラス固化工程と、 前記プラズマ溶融中に発生する飛灰をセメント固化する
    セメント固化工程と、を具備することを特徴とする有害
    物質処理方法。
  3. 【請求項3】 前記洗浄水が水又は酸性に調製した後に
    過酸化水素水を加えた水溶液である請求項1又は2に記
    載の有害物質処理方法。
  4. 【請求項4】 有害物質を含む水に含まれる有害物質を
    酸化、凝集させて、凝集した有害物質を除去するための
    凝集工程と、 前記凝集工程で除去できなかった残留有害物質を含む水
    と天然ゼオライトとを接触させ、前記残留有害物質を吸
    着する吸着工程と、 前記有害物質を吸着した天然ゼオライトと、前記凝集工
    程で除去された凝集物をプラズマ溶融しガラス固化する
    ガラス固化工程と、 前記プラズマ溶融中に発生する飛灰をセメント固化する
    セメント固化工程と、を具備することを特徴とする有害
    物質処理方法。
  5. 【請求項5】 前記有害物質が砒素又は鉛である請求項
    1乃至4のいずれか1項に記載の有害物質処理方法。
  6. 【請求項6】 有害物質を含んだ対象物を洗浄水中に投
    入し、前記有害物質を溶出させるための溶出手段と、 前記洗浄水と天然ゼオライトと接触させた前記洗浄水中
    に溶出した前記有害物質を吸着する吸着手段と、 前記吸着手段によって有害物質を除去された前記洗浄水
    を処理する水処理手段と、 前記有害物質を吸着した前記天然ゼオライトをガラス固
    化及びセメント固化するための固定化手段と、を具備す
    ることを特徴とする有害物質処理システム。
  7. 【請求項7】 有害物質を含んだ対象物を洗浄水中に投
    入し、前記有害物質を溶出させるための溶出手段と、 前記溶出手段によって前記有害物質が溶出した前記洗浄
    水に酸化剤を加えた後に、凝集剤を添加して前記有害物
    質を酸化・凝集させる凝集手段と、 前記凝集手段により凝集した有害物質を除去した後の残
    存有害物質を含む前記洗浄水と天然ゼオライトと接触さ
    せた前記洗浄水中に溶出した前記残存有害物質を吸着す
    る吸着手段と、 前記吸着手段によって前記残存有害物質を除去された前
    記洗浄水を処理する水処理手段と、 前記有害物質を吸着した前記天然ゼオライトと前記凝集
    手段によって除去された有害物質とをガラス固化及びセ
    メント固化するための固定化手段と、を具備することを
    特徴とする有害物質処理システム。
  8. 【請求項8】 吸水手段によって供給される有害物質を
    含んだ水を、天然ゼオライトと接触させて、前記水に含
    まれる有害物質を前記天然ゼオライトによって吸着する
    吸着手段と、 前記吸着手段によって有害物質を除去された前記水が、
    環境適合基準を満たす場合にはそのまま放流し、環境適
    合基準を満たさない場合には清浄化するための水処理手
    段と、 前記有害物質を吸着した後の前記天然ゼオライトをガラ
    ス固化及びセメント固化するための固定化手段と、を具
    備することを特徴とする有害物質処理システム。
  9. 【請求項9】 吸水手段によって供給される有害物質を
    含んだ水に酸化剤を加えた後に、凝集剤を添加して有害
    物質を酸化・凝集させるための凝集手段と、 前記凝集手段により凝集した有害物質を除去した後の残
    存有害物質を含む前記水と天然ゼオライトとを接触させ
    て、前記水中の前記残存有害物質を吸着する吸着手段
    と、 前記吸着手段によって有害物質を除去された前記水が、
    環境適合基準を満たす場合にはそのまま放流し、環境適
    合基準を満たさない場合には清浄化するための水処理手
    段と、 前記有害物質を吸着した後の前記天然ゼオライトと前記
    凝集手段によって除去された有害物質とをガラス固化及
    びセメント固化するための固定化手段と、を具備するこ
    とを特徴とする有害物質処理システム。
  10. 【請求項10】 有害物質を含んだ対象物を洗浄水中に
    投入し、前記有害物質を溶出させるための洗浄槽と、 前記洗浄槽中の洗浄水に酸化剤を加えた後に凝集剤を添
    加して有害物質を酸化・凝集させる凝集槽と、 前記凝集槽により凝集した有害物質を除去した後の残存
    有害物質を含む前記洗浄水と天然ゼオライトとを接触さ
    せ、前記残存有害物質を吸着する有害物質除去槽と、 塔内に天然ゼオライトが充填され、前記有害物質除去槽
    からの洗浄水を前記天然ゼオライトと接触させた後に排
    水する天然ゼオライト塔と、 前記排水された前記洗浄水を再利用可能に処理する水処
    理手段と、 前記有害物質を吸着した前記天然ゼオライトをガラス固
    化及びセメント固化するための固定化手段と、を具備す
    ることを特徴とする有害物質処理システム。
  11. 【請求項11】 有害物質を含んだ水を汲み上げる揚水
    ポンプと、 塔内に天然ゼオライトが充填され、前記揚水ポンプによ
    り汲み上げられた前記有害物質を含んだ水を前記天然ゼ
    オライトと接触させた後に排水する天然ゼオライト塔
    と、 前記天然ゼオライト塔から排水された水を再利用可能に
    処理する水処理手段と、 前記有害物質を吸着した前記天然ゼオライト塔中の前記
    天然ゼオライトをガラス固化及びセメント固化するため
    の固定化手段と、を具備することを特徴とする有害物質
    処理システム。
  12. 【請求項12】 前記揚水ポンプで汲み上げられた前記
    有害物質を含んだ水を天然ゼオライトを入れられた接触
    槽に供給した後に、前記天然ゼオライト塔へ前記有害物
    質を含んだ水を供給するようにした請求項11に記載の
    有害物質処理システム。
  13. 【請求項13】 前記天然ゼオライト塔に代えて、槽内
    に天然ゼオライトと前記有害物質が溶出した洗浄水を入
    れて両者を接触させ、固液分離させた後に排水する天然
    ゼオライト混和槽を備えるようにした請求項10乃至1
    2のいずれか1項に記載の有害物質処理システム。
  14. 【請求項14】 前記水処理手段によって処理された前
    記洗浄水を、洗浄水として前記溶出手段に送水するよう
    にした請求項6、7、10又は13のいずれか1項に記
    載の有害物質処理システム。
  15. 【請求項15】 前記有害物質が砒素又は鉛である請求
    項6乃至14のいずれか1項に記載の有害物質処理シス
    テム。
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