JP2002209742A - 電気湯沸かし器 - Google Patents

電気湯沸かし器

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JP2002209742A
JP2002209742A JP2001007351A JP2001007351A JP2002209742A JP 2002209742 A JP2002209742 A JP 2002209742A JP 2001007351 A JP2001007351 A JP 2001007351A JP 2001007351 A JP2001007351 A JP 2001007351A JP 2002209742 A JP2002209742 A JP 2002209742A
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Japan
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heater
container
printing
heater unit
water
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JP2001007351A
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English (en)
Inventor
Atsushi Asaue
淳 麻植
Hidesato Kawanishi
英賢 川西
Hideaki Kobayashi
英明 小林
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱効率や湯沸かし性能が良く、実用耐久性及
び耐ヒートショック性に優れ、また浄水性能に優れた電
気湯沸かし器を提供する。 【解決手段】 容器2の底面の外側に、第1の絶縁層1
5、発熱体層16、第2の絶縁層17からなるヒーター
ユニットを印刷により形成し、ヒーターユニット印刷面
の形状として、ヒーターユニットが印刷された側の表面
を凸型とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般家庭等で使用さ
れる電気湯沸かし器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電気湯沸かし器のヒータ
ーとしては、絶縁性を有するマイカにニクロム線を巻き
付けたものを、更にマイカで挟んだものを用いていた。
最近ではステンレスの薄板を打ち抜きヒーターを形成
し、それをマイカで挟んでヒーターユニットとしたもの
も(以下、「パンチングヒーター」と称する)ある。図
6にその構成を示す。
【0003】図6は、容器底面のみを取り出し、上下逆
さまにしてその構成要素を分解して斜視図で示したもの
である。その概略を説明する。51はステンレスからな
る容器底面52との絶縁性を確保する為の第1の絶縁層
である集成マイカ、53は保温時に所定の湯温を確保す
る為にON/OFFする100Wの補助ヒーター、54
は湯沸かし時に通電される1100Wの主ヒーター、5
5は主ヒーター54と補助ヒーター53の絶縁を確保す
る為に第2の絶縁層である集成マイカ、56は主ヒータ
ー54と外部との絶縁を確保する為の第3の絶縁層であ
る集成マイカである。また57〜59は各ヒーターに通
電する為のステンレスからなるヒーター端子であり、各
ヒーターとは溶接により接合されている。ここでヒータ
ー端子58は主ヒーター54と補助ヒーター53共通の
ヒーター端子である。実際には絶縁層51から絶縁層5
6まで一体化され、ヒーターユニット60を形成してい
る。
【0004】また図6に於ける絶縁層及びヒーターをセ
ラミック及び金属成分をベースとしたペーストを印刷す
ることにより形成する方法も一部提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のような
ヒーター構成では、ヒーターユニットとしての熱容量が
大きくなる為、通電開始時にお湯に熱が伝わり始めるの
が遅くなったり、湯沸かし終了後もヒーターユニットの
余熱がお湯に供給され続け、水蒸気からなる気泡の発生
停止が遅くなったりする。この為、湯沸かし時間が長く
なったり、湯沸かし終了直後に出湯をされた場合、発生
され続けた気泡の一部が、出湯用のポンプ内部まで吸い
込まれ、出湯量が低下したりする。特に容器の内面にフ
ッ素コーティングを施した場合は、その表面の撥水特性
より発生する気泡が大きくなり、出湯量の低下が顕著で
あった。
【0006】またお湯の温度を検知するサーミスター
は、通常ヒーターの近くに設置される為、ヒーターから
の熱の影響で、サーミスター自身の温度が湯温より高く
なり、湯温の制御精度が低下するといった課題があっ
た。
【0007】またこのようなヒーター構成では、ヒータ
ーの消費電力やワット密度の設定にも限界があり、これ
以上湯沸かし時間を短くすることはできなかった。その
為、湯沸かし時のお湯の対流速度も現状のレベルが限界
であり、例えば浸漬タイプの浄水フィルターを入れて
も、電動ポンプによりお湯を浄水フィルター内に強制的
に通過させる方式程の浄水性能を得ることができなかっ
た。
【0008】また、絶縁層及びヒーターからなるヒータ
ーユニットを印刷により形成した場合も、ステンレスか
らなる容器底面と印刷層の線膨張率の違いから、通電に
より歪みが生じ、ヒーターユニットの熱衝撃性等の耐久
性に問題があった。
【0009】また、例えば特願平10−505794号
に記載されたものでは、基板の凹ましその上に印刷層を
形成することが提案されているが、印刷性や精度の問題
から、実用には至っていない。
【0010】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、耐久性に優れたヒーターユニットを精度良く印刷に
より形成させるものである。また湯沸かし時間が短く、
湯沸かし終了直後の出湯量低下もなく、湯温の検知精度
も高い電気湯沸かし器を提供することを目的とする。更
には、浸漬タイプの浄水フィルターでも浄水性能が十分
に発揮できる電気湯沸かし器を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
る為に、本発明の電気湯沸かし器は、その容器底面の外
側に、第1の絶縁層、発熱体層、第2の絶縁層からなる
ヒーターユニットを印刷により形成し、ヒーターユニッ
ト印刷面の形状として、ヒーターユニットが印刷された
側の表面を凸型としたものである。また凸型の形状とし
て、かまぼこ型、又は一定の曲線が円弧状に移動したと
きの軌跡の形状としたものである。或いは、ヒーターユ
ニット印刷面を平面としたものである。
【0012】また、ヒーターユニット印刷面の面積を容
器底面の1/2以下としたり、浄水用フィルターを容器
内に浸漬させたり、或いは、ヒーターユニット印刷面の
上部に浄水用フィルターを配置させたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、容器底面
の外側に、第1の絶縁層、発熱体層、第2の絶縁層から
なるヒーターユニットを印刷により形成し、ヒーターユ
ニット面の形状として、ヒーターユニットが印刷された
側の表面を凸型としたことにより、加熱時の基材とヒー
ターとの膨張差による変形・反りを抑えることができ
る。具体的にはヒーターユニット印刷面の温度が上昇し
たとき、セラミック成分を含む絶縁層及び発熱体層から
なる印刷層よりも、ステンレス等の金属成分からなる容
器底面の方が膨張するため、上に凸になる様な力がかか
る。しかし本発明では最初から下に凸の形状にしてある
ので、上に凸になる力に対向し、容器底面の反りの変化
を抑えることができる。すなわち、印刷層に対して反り
方向の力がかからない為、クラック等が発生することも
なく良好な絶縁性及びヒーター特性を維持することがで
きる。仮に多少の反りが発生しても、印刷層には圧縮の
力がかかるため、印刷層にクラックは入りにくい。
【0014】また、ヒーターユニット印刷面が凸になっ
ているため、スクリーン印刷等による厚膜の印刷が行い
やすいというメリットもある。
【0015】また、容器の内側から見れば、容器底面が
凹型になっている為、湯沸かし時のお湯の対流も良好で
デッドスペースも発生しにくく、均一に効率よく湯沸か
しを行うことができる。
【0016】また、温度検知用のセンサーを容器底面の
端部、すなわちヒーター面よりも上に形成することによ
り、容器内のお湯が極端に少なくなった場合も、まずセ
ンサー部がお湯から露出するため温度が上昇し、ヒータ
ー面が空炊きされる前に温度上昇を検知することが可能
である。仮に温度検知手段に異常が生じ、沸騰検知が遅
れた場合でも、ヒーター面に最後までお湯が残るので、
容器が空炊きされる可能性も抑えることができる。セン
サーの取り付け位置をヒータ面の中央部に持ってきた場
合も、ヒーター面よりも上にすることにより同様の効果
を得ることが出来る。
【0017】また、ヒーターユニットを印刷で形成する
ことにより、マイカ等を用いた従来のヒーターよりも、
ヒーターユニット自身の熱容量が小さくなる為、通電停
止後、すぐに水蒸気の気泡発生が止まり、沸騰直後の出
湯時に出湯経路への気泡の巻き込みがなくなり、スムー
ズに出湯することができる。また、再沸騰などの通電時
も、ヒーターの熱がすぐにお湯に伝わり、水蒸気の気泡
が発生するため、再沸騰時間を極小化することができる
と共に、ユーザーに対しても湯沸かしの早さをビジュア
ルに表現できるため、商品価値を高めることができる。
【0018】更には、複数の配線を同一平面に一度に形
成することができるため、ヒーター加熱パターンが広が
ると共に、それを実現するための製造工程・コストを抑
えることができる。また主ヒーターを保温等に使用する
補助ヒーターを同一面に形成できるため、製造コストを
抑えることができる。
【0019】また、ヒーターを印刷により形成するた
め、パターンの自由度が高まる。例えばスクリーン印刷
により印刷する場合は、従来のステンレスの薄板を打ち
抜く方式よりもヒーターパターンを細かくすることがで
きる。これにより従来よりもヒーターの消費電力を高め
ることも可能である。
【0020】請求項2記載の発明は、ヒーターユニット
印刷面の凸型形状をかまぼこ型とすることにより、ヒー
ター加熱時の反りを最低限に抑える効果を確保すると共
に、スクリーン印刷によりヒーターユニットを印刷する
場合、スクリーンの版を通してペーストを転写させるヘ
ラの形状を、ヒーターユニット印刷面のかまぼこ型の断
面と同じ形状にすることにより、ヘラが水平移動する単
純な印刷機で精度良く印刷することが可能である。
【0021】請求項3記載の発明は、ヒーターユニット
印刷面の凸型形状として、一定の曲線が円弧状を移動し
たときの軌跡の形状とすることにより、同じくスクリー
ン印刷に於いて、所定の曲線形状のヘラを、前記円弧状
を移動するような構成、具体的にはヘラの回転移動軸を
ヒーターユニット印刷面の中心下方位置する構成とした
印刷機で印刷することにより、均一で精度の良い印刷層
を形成することが可能である。この形状は球面に極めて
近くすることが可能であるので、強度的にも非常に強い
ものを作ることができる。
【0022】請求項4記載の発明は、容器底面に於い
て、ヒーターユニット印刷面を平面とすることにより、
最も単純なスクリーン印刷方法、すなわち被印刷面が平
面で、ヘラがその平面と平行に移動させる方法で印刷す
ることが可能であり、印刷制度が最も良くなると共に、
印刷設備としても最も安価なもので対応が可能である。
この場合の反りに対する強度は、印刷部分以外を曲面形
状等にすることにより確保することが可能である。
【0023】請求項5記載の発明は、ヒーターユニット
印刷面の面積を容器底面の1/2以下とすることによ
り、ヒーターユニット印刷面の上部が加熱されたお湯の
上昇経路になると共に、温度の低いお湯が下降してくる
経路も十分に確保されるため、お湯の循環が良くなり、
効率よくスピーディーに湯沸かしを行うことができる。
この場合容器底面の凸型形状により、より循環効率良く
なるのは先にも述べた通りである。
【0024】請求項6記載の発明は、浄水用フィルター
を容器内の液体に浸漬させることにより、上記の理由で
十分にお湯が循環しているため、浄水用フィルター内も
お湯が十分に循環し、電動ポンプ等で浄水フィルター内
にお湯を強制的に循環させる方式と同レベルの循環性能
を確保することが可能である。
【0025】請求項7記載の発明は、浄水用フィルター
をヒーターユニット印刷面の上部に配置することによ
り、より強いお湯の対流が浄水用フィルター内を通過す
るため、浄水性能を更に高めることができる。
【0026】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照にし
て説明する。
【0027】(実施例1)図1は、第1の実施例の電気
湯沸かし器の断面図及び断面拡大図である。図1(a)
において、1は外ケースで、この外ケース1内に有底筒
状の容器2が収容されている。容器2は容器底面3及び
容器側面4等から構成されている。容器の板厚は底面及
び側面共に0.3mmのものを用いた。容器側面4には
給水量の目安を示す水位線5が刻印されており、また容
器2の内面にはフッ素コーティングによる皮膜6が形成
されている。7は容器2を覆う上蓋である。また8の出
湯ボタンを押すことにより、その押し加減によって、容
器底面3に形成された液体出口9につながった電動ポン
プ10の回転数が変化し、出湯パイプ11を通して、吐
出口12より液体が排出される出湯手段を備えている。
容器底面3の中央部は局部的に上に凸の形に加工され、
その部分にお湯の温度を検知する手段としてサーミスタ
ー13が装着されている。サーミスター13は温度制御
部14に接続され容器内のお湯の温度をコントロールし
ている。
【0028】容器底面3は下に凸の曲面形状をしてい
る。曲面の形状としてはヒーターユニット印刷面の最長
寸法を150mm、深さを1mmの完全球面とした。す
なわち曲面の深さを最長寸法の150分の1とした。但
しサーミスター13を設置する部分は球面上から上に1
mm押し上げた形状としている。ちなみに容器底面3は
直径180mmの円形である。
【0029】また図1(b)の断面拡大図に示すよう
に、下側表面に第1の絶縁層15、発熱体層16、保護
層としての第2の絶縁層17が順に印刷により形成され
ている。発熱体層16及び第2の絶縁層17の間に電気
導体層18を印刷し、ヒーター通電のための端子として
いる。このようにして2つの絶縁層に挟まれたヒーター
ユニット24を形成している。
【0030】各層の印刷のパターンを、図2を用いて説
明する。最初に第1の絶縁層15をヒーターユニット全
面に印刷・乾燥・焼成により形成する。次に発熱体層1
6及び電気導体層18を同様に形成する。本実施例では
1100W相当の主ヒーター22と100W相当の補助
ヒーター23の2本を形成した。なお、印刷面積の制約
上、各ヒーターは連続したパターンにできない為、電気
導体層18でつなぐことによりそれぞれ1本のヒーター
としている。ここで電気導体層18は発熱体層16と端
部で重なるように印刷している。最後に再びヒーターユ
ニット全面に第2の絶縁体層17を形成した。但し端子
19〜21の中心部は第2の絶縁体層17を印刷せず
に、電気導体層18が露出するような構成にしている。
各層の印刷にはいずれもスクリーン印刷を用いた。版は
平面に張り、弾力性のあるヘラを押し込みながら移動さ
せることにより、ヒーターユニット面の曲面に対応し
た。ちなみに第1の絶縁層15は約75μm、第2の絶
縁層17は50μmの厚さ、発熱体層16及び電気導体
層18は規定の印刷面積に於いて所定の抵抗値が確保で
きるよう膜厚を調整した。
【0031】実際の湯沸かし試験ではこれらの端子19
〜21に銀ロウにてリード線を取り付け、発熱体層に通
電できるようにした。なお、端子19は主ヒーター22
と補助ヒーター23の共通端子である。
【0032】このようにして作製された容器底面3を容
器側面4とレーザーにより円周溶接し容器2を作製し
た。この容器を電気湯沸かし器の本体に組み込んだもの
をサンプル1とする。同様に容器底面を平面にしたもの
をサンプル2、同じくサンプル1と同様の曲率で上に凸
としたものをサンプル3として作製した。これらのサン
プルとパンチングヒーターを有する従来品とを用いて、
次の比較評価を行った。
【0033】印刷性、湯沸かし性能(湯沸かし時
間、湯温)、実用耐久試験 評価の印刷性はスクリーン印刷での印刷具合を確認し
た。サンプル1及び2は問題なく印刷できたが、ヒータ
ーユニット面が上に凸、すなわち印刷方向から見ればヒ
ーターユニット印刷面が凹んだ形状のサンプル3は、ス
クリーン印刷では印刷ができなかった。その為湯沸かし
等の試験は行えなかった。
【0034】評価の湯沸かし性能については、サーミ
スター13及び温度制御機能部14が沸騰を検知するま
での時間(以下「湯沸かし時間」と称する)とその時の
お湯の温度(以下「湯温」と称する)を測定した。湯沸
かし用の水は20℃に調整したものを3L用いた。ここ
で湯温については沸騰検知終了直後に容器内のお湯を温
度が均一になるようにかき混ぜてから測定した。また湯
沸かし条件が同じになるように、電源には安定化電源を
用い、ヒーターバラツキを抑えるため、消費電力が同じ
になるよう入力電圧を調整した。サーミスター13や温
度制御部14を含む電気湯沸器本体はいずれも同じもの
を用いた。
【0035】評価の実用耐久試験については、「定格
容量まで水を入れ、定格容量で湯沸かし後、湯を捨て
る」という操作を、目標の3650回まで行った。
【0036】これらの結果を(表1)に示す。試験の
結果については、3650回まで異常なく湯沸かしが行
えた場合は○、それまでにヒーター断線等の不具合が生
じた場合はその回数を記載した。
【0037】
【表1】
【0038】(表1)からも明らかなように、サンプル
1、2は従来品と比較して湯沸かし時間が格段に短くな
っている。これは印刷により形成したヒーターユニット
の湯沸かし効率の高さを示すものである。また容器底面
が下に凸形状をしているサンプル1は、同平面形状のサ
ンプル2よりも、沸騰検知時の湯温が高くなっていた。
これは容器底面の形状効果により、お湯全体がより均一
に効率よく加熱されたことを示している。また、実用耐
久試験ではサンプルが目標回数以下の2050回でヒ
ーターが断線したが、これはヒーターユニット印刷面の
形状が平面であったため、湯沸かし毎のヒートサイクル
でヒーターユニット印刷面が変形を繰り返し、ヒーター
断線につながったものである。
【0039】なお、本実施例では容器底面の板厚として
0.3mmのものを用いたが、もちろんこれにこだわる
必要はなく、さらに厚いものを使用すればより発熱体の
耐久性が良くなる。具体的には0.8mm以上のものを
用いると、ヒーターユニット印刷面の反りの深さを0.
1mm、すなわち曲面の深さをヒータユニット印刷面最
長寸法の750分の1としても、実用的な耐久性は確保
された。
【0040】またヒーターユニット印刷面の曲面の深さ
も、同最長寸法の150分の1としたが、もちろんこれ
にこだわる必要が無く、さらに深くすればより性能が高
まる。具体的には同100分の1にすることにより、誤
使用ではあるが、容器底面に異物を落とされた場合で
も、ヒーターユニットに損傷を与えることなく使用でき
た。
【0041】また発熱体層の印刷パターンとしては主ヒ
ーターと補助ヒーターの2本としたが、もちろんこれに
こだわる必要はなく、ヒーターを1本で形成したり、3
本以上の複数で形成するなどの自由度が高いのも、ヒー
ターユニットの特徴である。ヒーターパターンを複数に
することにより、ワット密度を均一化したり、万一、一
部が断線しても、残りのパターンで使用が可能な電気湯
沸かし等も提供することができる。また本実施例では、
主ヒーター、補助ヒーターのそれぞれを途中で分けて印
刷し、それを電気導体層で繋ぐ構成を取っているが、も
ちろんこれはすべとを繋げたパターンとしても良い。
【0042】また、ここでは発熱体層と電気導体層をそ
の端部のみが重なるように印刷しているが、もちろんこ
れにこだわる必要はなく、例えば電気導体層全て、又は
端子取り出し部に相当する電気導体層を発熱体層の上に
印刷しても良い。このようにするとロウ付け等で接合し
たリード線に対する密着強度を高めることができる。
【0043】(実施例2)容器底面3に於いてヒーター
ユニット印刷面の形状が異なるサンプル4〜6を、実施
例1と同様の方法で作成した。
【0044】サンプル4はヒーターユニット印刷面31
をかまぼこ型とした。この上にスクリーン印刷機を用い
て各層を印刷した。その印刷面の概略図を図3に示す。
かまぼこ型の深さとしては、稜線32に対して垂直方向
の最長箇所両端を結んだ線33との距離34が1mm、
すなわち深さを1mmとした。またヘラ及び印刷面の曲
線形状は円弧とした。印刷面は容器形状の制約からサン
プル1と同じく円形状とした。容器底面3の形状として
は、この印刷面のみを上記のかまぼこ型とし、他の部分
については印刷に悪影響を与えないと共に、容器側面4
との溶接ができるよう形状を調整した。このように作成
した容器底面3に於いて、各層の印刷はスクリーン印刷
機を用いて行った。ここではかまぼこ型の稜線をヘラ3
5の進行方向と合わせ、ヘラをかまぼこ型に合うよう変
形させた。このようにすることにより、ヒーターユニッ
ト印刷面全体を均一に印刷することができた。
【0045】サンプル5は容器底面3のヒーターユニッ
ト印刷面の形状として、一定の曲線が円弧状に移動した
ときの軌跡の形状とした。これはスクリーン印刷でのヘ
ラの移動軌跡が極力球面に近くなるような工夫をし、そ
の動きに印刷面を合わせたものである。この印刷面の概
略図を図4に示す。ここでヘラ35の曲線、すなわち印
刷面のy方向の曲線はサンプル4と同じ形状にした。更
に、ヘラ35は印刷面中心の下方にy方向の回転中心軸
を持つ動きをするように工夫してある。円弧の形状とし
ては、ヘラ等と同じくx方向の印刷面最長距離150m
mに対して1mmの深さになる様に調整している。容器
底面3の形状としては、サンプル4と同じく、このヒー
ターユニット印刷面のみをヘラの動きに合わせた形状と
し、他の部分については印刷に悪影響を与えないと共
に、容器側面4との溶接ができるよう形状を調整した。
このような形状にすることにより、ヒーターユニット印
刷面の形状をより球面上に近づけると共に、ヒーターユ
ニット印刷面全体を均一に印刷することができた。
【0046】サンプル6は容器底面3のヒーターユニッ
ト印刷面のみ、その形状を平面とした。その他の部分は
サンプル1と同じである。このサンプルへの印刷は、通
常の平面印刷用のスクリーン印刷機を使用した。
【0047】これらのサンプル4〜6と実施例1のサン
プル1を用いて、次の比較評価を行った。
【0048】ヒーターユニット印刷面の厚みバラツ
キ、空炊き耐久試験 評価のヒーターユニット印刷面の厚みバラツキは、第
1の絶縁層の厚みのバラツキを確認した。具体的には印
刷面端部の対角位置(サンプル5の場合は図4の36)
の厚みと、サーミスター装着付近を除く最も中心に近い
部分(同じく37)の厚みを測定し両者の比率を求めた
(端部厚み/中心部厚み)。
【0049】評価の空炊き耐久試験は次のようにして
行った。各サンプルを容器に加工し、発熱体層に100
Vの交流電源を通電する。加熱面中心部(図4の38)
の温度が400℃に到達した時点で通電を停止し、すぐ
に容器内に25℃の水1Lを入れ、ヒートショックを与
える。容器温度が室温まで下がった後、水を捨て、容器
内面に付着した水滴も完全に拭き取る。この操作を1サ
イクルとして繰り返し行い、ヒーターが断線して通電し
なくなる回数を求めた。なおこれまでの評価から、この
回数としては通常20回も持てば、実用上問題のないこ
とを確認している。これらの結果を(表2)に示す。
【0050】
【表2】
【0051】(表2)からも明らかなように、サンプル
4〜6では膜厚のバラツキがサンプル1よりも10%程
度良くなっており、ほぼ均一な膜厚に仕上がっていた。
この傾向は他の印刷層についても同様であった。また空
炊き耐久試験に於ける断線回数についても、サンプル4
及び5はサンプル1よりも大きく向上していた。ここで
サンプル5が最も良くなっているのは、ヒーターユニッ
ト印刷面の形状が球面にかなり近いため、ヒートショッ
クによる容器底面の変形が十分に抑えられていることを
示している。またサンプル6もサンプル1とほぼ同レベ
ルの空焼き耐久性を示しており、容器底面に於けるヒー
ターユニット印刷面以外の曲面形状が、ヒートショック
による変形に対して効果があることを示している。
【0052】なお、本実施例では容器底面の板厚及びヒ
ーターユニット印刷面の曲面の深さは、実施例1と同様
の数値に設定したが、もちろんこれにこだわる必要はな
く、実施例1に記載した厚み、寸法にすることにより、
同様の効果を得ることが出来る。
【0053】(実施例3)実施例1のサンプル1と同様
の電気湯沸かし器で、ヒーターユニット印刷面を容器底
面の1/2、すなわち直径90mmの円形としたサンプ
ル7を作成した。その他の形状等はサンプル1と同じで
ある。
【0054】このサンプルとサンプル1を用いて、実施
例1と同様の湯沸かし性能を確認した。その結果を(表
3)に示す。
【0055】
【表3】
【0056】(表3)からも明らかなように、サンプル
7の方が少しではあるが湯温が高くなった。これは湯沸
かし時の上下の対流が十分に起こり、その分効率よく湯
沸かしが行えたことを示している。
【0057】なお、本実施例では、ヒーターユニット印
刷面を容器底面の1/2としたが、もちろんこれにこだ
わることなく、容器底面の1/4から3/4の間で、サ
ンプル1よりも湯温が高くなることを確認している。
【0058】(実施例4)電気湯沸かし器の本体とし
て、実施例1及び3で説明したサンプル1及びサンプル
7を用い、浄水性能の比較を行った。用いた浄水フィル
ターの形状と容器底面部への設置位置を図5に示す。
(a)は底面端部への設置位置、(b)は印刷面上部へ
の設置位置を示す。底面端部への設置用の浄水フィルタ
ー41及び印刷面上部への設置用の浄水フィルター42
はいずれも容器の底面から1cmの隙間を空けて固定さ
れている。浄水フィルターの構成を次に説明する。上下
を20メッシュのステンレス金網43を通して通水でき
るようにしたステンレス製の浸漬用浄水フィルター内
に、直径約1mmの球状活性炭8.5gを正確に入れ
た。浄水フィルターの形状は、円弧型と円形との2種類
を作成した。金網の有効開口形状は浄水フィルターの形
状により調整したが、面積はいずれも15平方センチメ
ートルとした。また浄水フィルターに詰めた活性炭の断
面積も金網の面積と同じく15平方センチメートルとし
た。すなわち浄水フィルターの形状が異なっても、お湯
が通過する断面積は同じになるように設計している。
【0059】これらの浄水フィルターをサンプル1及び
サンプル7の電気湯沸かし器に容器底部の所定の場所に
固定し、(表4)に示した組み合わせで比較評価を行っ
た。合わせて、従来品にそれぞれの浄水フィルターを同
様の位置に固定させたもの、及び図7に示す従来の循環
浄水型電気湯沸かし器も比較評価した。なお循環浄水型
電気湯沸かし器の浄水フィルター61の金網有効開口面
積及び活性炭の投入量は他の評価と同条件になる様に調
整した。
【0060】浄水試験の方法としては、塩素濃度を1.
0ppm調整した原水を用い、電気湯沸かし器での通常
沸騰後の塩素濃度を測定し、その減少率を求めた。な
お、浄水フィルターに入れる活性炭は毎回新しいものを
用いた。また湯沸かし条件を合わせるために、サーミス
ターや温度制御機能部等の電気湯沸かし器本体は同じも
のを用いた。これらの評価結果も(表4)に合わせて示
した。
【0061】
【表4】
【0062】(表4)の評価結果からも明らかなよう
に、従来品の本体を用いた場合、浄水フィルターの位置
をどこに持ってきても、実験Cの循環浄水型並の浄水性
能は確保できなかった。これに対して実験Dでは循環浄
水型並の浄水性能を確保することができた。これは本発
明のヒーターの加熱効率の良さ及び容器底面形状による
対流の向上によるものと考えられる。また実験E〜Gで
は実験Dよりもさらに浄水性能が良くなっている。これ
は、ヒーターユニット印刷面の面積を小さくしてワット
密度を上げることにより対流がより大きくなることや、
ヒーターユニット印刷面の上部に浄水フィルターを設置
することにより、容器底面で加熱された直後のお湯が勢
い良く浄水フィルター内を通過することが要因であると
考えられる。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、熱効率
や湯沸かし性能が良く、実用耐久性及び耐ヒートショッ
ク性に優れ、また、浄水性能に優れた電気湯沸かし器を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の第1の実施例を示す電気湯沸か
しの断面図 (b)同、容器底面拡大断面図
【図2】同、ヒーターユニット印刷パターン図
【図3】(a)本発明の第2の実施例を示す印刷機印刷
面の概略斜視図 (b)同、断面図
【図4】同、他の印刷機印刷面の概略斜視図
【図5】本発明の第4の実施例を示す浸漬用浄水フィル
ターの設置位置を示す図 (a)底面端部への設置位置を示す図 (b)印刷面上部への設置位置を示す図
【図6】従来のヒーターユニットの構成要素を示した分
解斜視図
【図7】同、電気湯沸かし器の断面図
【符号の説明】
1 外ケース 2 容器 3 容器底面 4 容器側面 7 上蓋 8 出湯ボタン 9 液体出口 10 電動ポンプ 11 出湯パイプ 12 吐出口 13 サーミスター 14 温度制御部 15 第1の絶縁層 16 発熱体層 17 第2の絶縁層 24 ヒーターユニット 31 ヒーターユニット印刷面 41 底面端部設置用の浄水フィルター 42 底面印刷面上部設置用の浄水フィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 英明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4B055 AA35 BA02 BA13 BA22 CA03 CA71 CC66 DA02 DB02 DB21 DB22 4D024 AA02 AB11 BA02 BB05 BC01 CA04 CA11 DB03 4D064 AA17 BJ10 BK03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器底面及び容器側面等からなり液体を
    保持する容器と、前記容器を保持する外ケースと、前記
    容器を覆う上蓋と、前記液体を加熱するヒーターユニッ
    トと、前記液体の温度を検知する手段と、前記液体の温
    度に応じて前記ヒーターユニットの発熱量をコントロー
    ルする温度制御機能と、前記液体を前記容器内部から外
    に排出する手段を少なくとも有し、前記ヒーターは容器
    底面の外側に、基材の表面から順に第1の絶縁層、発熱
    体層、第2の絶縁層からなるヒーターユニットを印刷に
    より形成し、また前記ヒーターユニット印刷面が外側に
    凸型になる様にしたことを特徴とした電気湯沸かし器。
  2. 【請求項2】 ヒーターユニット印刷面の凸型形状が、
    かまぼこ型であることを特徴とした請求項1記載の電気
    湯沸かし器。
  3. 【請求項3】 ヒーターユニット印刷面の凸型形状が、
    一定の曲線が円弧状に移動したときの軌跡の形状を有す
    ることを特徴とした請求項1記載の電気湯沸かし器。
  4. 【請求項4】 容器底面に於いて、少なくともヒーター
    ユニット印刷面が平面であることを特徴とする請求項1
    記載の電気湯沸かし器。
  5. 【請求項5】 ヒーターユニット印刷面の面積が容器底
    面の1/2以下であることを特徴とした請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の電気湯沸かし器。
  6. 【請求項6】 浄水用フィルターを容器内の液体中に浸
    漬させる構成を特徴とした請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の電気湯沸かし器。
  7. 【請求項7】 前記ヒーターユニット印刷面の上部に浄
    水用フィルターを配置したことを特徴とした請求項6記
    載の電気湯沸かし器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007093181A (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd マイクロコンバスタ
JP2014230695A (ja) * 2013-05-30 2014-12-11 タイガー魔法瓶株式会社 電気湯沸器

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