JP2002209529A - ルーメン発酵調整用飼料添加物及びこれを含有する養牛用飼料 - Google Patents
ルーメン発酵調整用飼料添加物及びこれを含有する養牛用飼料Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P60/87—Re-use of by-products of food processing for fodder production
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- Fodder In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 抗生物質等の薬剤を節減するか極力使用す
ることなく、薬剤に代替可能な人及びその他の動物にと
って安全な原料・成分を用いて、牛の第一胃内における
メタンを主とするガス産生を抑制し、又、濃厚飼料多給
時の鼓張症の防除にも有効な、飼料効率を高めるルーメ
ン発酵調整用飼料添加物とそれらを含む養牛用飼料を提
供する。 【解決手段】 牛の第1胃内発酵を調整するために、ア
センヤク,チヤ,プルーン又はステビアの破砕物および
抽出物、抽出粕あるいは種子粕を含有する飼料を給与す
る。牛の第一胃内におけるメタンを主とするガス産生が
抑制され、飼料効率も向上し、又、濃厚飼料多給時の鼓
張症の防除に有効である。抗生物質に替わる人及びその
他の動物にとって安全な牛の第1胃内ルーメン発酵調整
用飼料添加物を提供する。
ることなく、薬剤に代替可能な人及びその他の動物にと
って安全な原料・成分を用いて、牛の第一胃内における
メタンを主とするガス産生を抑制し、又、濃厚飼料多給
時の鼓張症の防除にも有効な、飼料効率を高めるルーメ
ン発酵調整用飼料添加物とそれらを含む養牛用飼料を提
供する。 【解決手段】 牛の第1胃内発酵を調整するために、ア
センヤク,チヤ,プルーン又はステビアの破砕物および
抽出物、抽出粕あるいは種子粕を含有する飼料を給与す
る。牛の第一胃内におけるメタンを主とするガス産生が
抑制され、飼料効率も向上し、又、濃厚飼料多給時の鼓
張症の防除に有効である。抗生物質に替わる人及びその
他の動物にとって安全な牛の第1胃内ルーメン発酵調整
用飼料添加物を提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、養牛用試料添加物及
び養牛用飼料に関する。さらに詳しくは、牛の第1胃内
の発酵を調整して飼料効率を高めるための飼料添加物、
及びこの飼料添加物を添加した養牛用飼料に関する。
び養牛用飼料に関する。さらに詳しくは、牛の第1胃内
の発酵を調整して飼料効率を高めるための飼料添加物、
及びこの飼料添加物を添加した養牛用飼料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、牛の飼育用飼料としては、乾牧草
やイナワラ等の繊維質とともに、トウモロコシ、マイロ
等のでんぷん質原料、大豆粕等の蛋白原料及びその他植
物粕類を主体に配合された飼料が用いられている。これ
らの飼料は、牛にとって必須な栄養成分を含有してお
り、牛の生理的特性の一つである第一胃(ルーメン)に
おいて、摂取された原料および成分がプロトゾアや種々
のバクテリアによって発酵、分解されて、揮発性脂肪酸
(VFA)に変換され、これがエネルギー源として利用
される。この第一胃は、いわゆる生きた発酵装置であ
り、牛に必要なエネルギーを獲得する一方、メタンや炭
酸ガス、窒素および少量の酸素、水素、硫化水素等が発
酵の副産物として発生、その殆どは利用されることなく
大気中に放出される。
やイナワラ等の繊維質とともに、トウモロコシ、マイロ
等のでんぷん質原料、大豆粕等の蛋白原料及びその他植
物粕類を主体に配合された飼料が用いられている。これ
らの飼料は、牛にとって必須な栄養成分を含有してお
り、牛の生理的特性の一つである第一胃(ルーメン)に
おいて、摂取された原料および成分がプロトゾアや種々
のバクテリアによって発酵、分解されて、揮発性脂肪酸
(VFA)に変換され、これがエネルギー源として利用
される。この第一胃は、いわゆる生きた発酵装置であ
り、牛に必要なエネルギーを獲得する一方、メタンや炭
酸ガス、窒素および少量の酸素、水素、硫化水素等が発
酵の副産物として発生、その殆どは利用されることなく
大気中に放出される。
【0003】この中で特にメタンは、発生ガス中の30%
前後を占め、1kgの飼料(約3,900kcal/kg)が第一胃で
分解を受けた場合、飼料として摂取したエネルギーの約
5〜8%(200〜320kcal=21.3〜34.0リットル)が有効に利用
されれことなくメタンとして大気中に放出される。牛の
肥育期間は1.5〜2.2年と長く、肥育牛1頭あたりの通算
飼料摂取量は、乾牧草やイナワラ等繊維源を除いた配合
飼料として約4.0〜5.0tであり、このうち200kg〜400kg
が牛に利用されることなく、メタンとして大気に放出さ
れることになる。
前後を占め、1kgの飼料(約3,900kcal/kg)が第一胃で
分解を受けた場合、飼料として摂取したエネルギーの約
5〜8%(200〜320kcal=21.3〜34.0リットル)が有効に利用
されれことなくメタンとして大気中に放出される。牛の
肥育期間は1.5〜2.2年と長く、肥育牛1頭あたりの通算
飼料摂取量は、乾牧草やイナワラ等繊維源を除いた配合
飼料として約4.0〜5.0tであり、このうち200kg〜400kg
が牛に利用されることなく、メタンとして大気に放出さ
れることになる。
【0004】これらのエネルギーロスを低減し、飼料効
率を高める方法として、従来肉牛肥育用飼料に抗生物質
であるイオノフォアを添加する方法が採られている。イ
オノフォアとは、細胞膜の透過性に影響して微生物の代
謝活性を変える作用を有し、モネンシン、サリノマイシ
ン、ラサロシド等が知られている。イオノフォアを添加
した飼料を給与した場合、第一胃内のメタンを含むガス
産生が抑制される一方、ル−メン内のVFA組成が変化
し、プロピオン酸の割合が増加することが知られてい
る。VFAには、酢酸、プロピオン酸、酪酸などがある
が、この中で最もエネルギー効率が高いのがプロピオン
酸である。つまり、イオノフォアの添加により、飼料の
利用効率が促進されるのである。
率を高める方法として、従来肉牛肥育用飼料に抗生物質
であるイオノフォアを添加する方法が採られている。イ
オノフォアとは、細胞膜の透過性に影響して微生物の代
謝活性を変える作用を有し、モネンシン、サリノマイシ
ン、ラサロシド等が知られている。イオノフォアを添加
した飼料を給与した場合、第一胃内のメタンを含むガス
産生が抑制される一方、ル−メン内のVFA組成が変化
し、プロピオン酸の割合が増加することが知られてい
る。VFAには、酢酸、プロピオン酸、酪酸などがある
が、この中で最もエネルギー効率が高いのがプロピオン
酸である。つまり、イオノフォアの添加により、飼料の
利用効率が促進されるのである。
【0005】配合飼料を大量に摂取させることが酪農
家、肥育農家にとって生産成績を改善する最大の方法で
あることから、できる限り配合飼料を大量に給与するの
が望ましい。しかし短時間に大量の配合飼料を給与する
ことは一方でルーメン内において急激な発酵が起こりや
すく、大量のガスが発生しやすい。この発生した大量の
ガスが鼓張症を引き起し、そのことで肥育効率を低下さ
せるという欠点が有る。
家、肥育農家にとって生産成績を改善する最大の方法で
あることから、できる限り配合飼料を大量に給与するの
が望ましい。しかし短時間に大量の配合飼料を給与する
ことは一方でルーメン内において急激な発酵が起こりや
すく、大量のガスが発生しやすい。この発生した大量の
ガスが鼓張症を引き起し、そのことで肥育効率を低下さ
せるという欠点が有る。
【0006】イオノフォアはルーメン内の発酵を調整す
る効果を十分に発揮するが、抗生物質の一般的特性とし
て、通常ヒトを含む動物に長期にわたって使用した場
合、耐性菌の出現や生体内において抗生物質に感受性の
ない細菌類が選択的に増殖する等の欠点を有するため、
長期投与は適切な方法と言えない。また、薬効が消失し
た場合は、畜産など経済動物においては、投与薬剤のコ
ストがそのまま経済的損失となることがある。そこで、
抗生物質の使用を極力抑え、又は全く使用しない方法の
開発、或いは抗生物質に替わる天然由来の物質の開発が
望まれていた。
る効果を十分に発揮するが、抗生物質の一般的特性とし
て、通常ヒトを含む動物に長期にわたって使用した場
合、耐性菌の出現や生体内において抗生物質に感受性の
ない細菌類が選択的に増殖する等の欠点を有するため、
長期投与は適切な方法と言えない。また、薬効が消失し
た場合は、畜産など経済動物においては、投与薬剤のコ
ストがそのまま経済的損失となることがある。そこで、
抗生物質の使用を極力抑え、又は全く使用しない方法の
開発、或いは抗生物質に替わる天然由来の物質の開発が
望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、抗生
物質等の薬剤を節減するか極力使用することなく、ある
いは薬剤に代替可能な人及びその他の動物にとって安全
な原料・成分を用いて、牛の第一胃内におけるメタンを
主とするガス産生を抑制し、飼料効率を高めるルーメン
発酵調整剤とそれらを含む養牛用飼料を提供することに
ある。
物質等の薬剤を節減するか極力使用することなく、ある
いは薬剤に代替可能な人及びその他の動物にとって安全
な原料・成分を用いて、牛の第一胃内におけるメタンを
主とするガス産生を抑制し、飼料効率を高めるルーメン
発酵調整剤とそれらを含む養牛用飼料を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の状
況に鑑み、鋭意研究の結果、天然原料であるアセンヤ
ク、チヤ、プルーン又はステビアの破砕物および抽出
物、抽出粕あるいは種子粕をルーメン発酵調整剤として
養牛用飼料に添加して乳牛や肉牛を飼養したところ、ル
ーメン発酵時のガス産生が大幅に抑制され、これにより
飼料効率が飛躍的に改善されることを見いだし、この知
見に基づいて本発明を完成した。即ち、本発明はアセン
ヤク、チヤ、プルーン又はステビアの破砕物および抽出
物、抽出粕あるいは種子粕を含有する牛の第1胃内発酵
調整用飼料添加物である。また、本発明は、当該牛の第
1胃内ルーメン発酵調整用飼料添加物を添加した養牛用
飼料を提供する。本発明において牛の第1胃内発酵調整
用飼料添加物として使用するアセンヤク、チヤ、プルー
ン又はステビアの破砕物および抽出物、抽出粕あるいは
種子粕は、イオノフォアと異なり、長期給与によって所
謂抗生物質による弊害等を起こさない、安全な天然系飼
料添加物である。
況に鑑み、鋭意研究の結果、天然原料であるアセンヤ
ク、チヤ、プルーン又はステビアの破砕物および抽出
物、抽出粕あるいは種子粕をルーメン発酵調整剤として
養牛用飼料に添加して乳牛や肉牛を飼養したところ、ル
ーメン発酵時のガス産生が大幅に抑制され、これにより
飼料効率が飛躍的に改善されることを見いだし、この知
見に基づいて本発明を完成した。即ち、本発明はアセン
ヤク、チヤ、プルーン又はステビアの破砕物および抽出
物、抽出粕あるいは種子粕を含有する牛の第1胃内発酵
調整用飼料添加物である。また、本発明は、当該牛の第
1胃内ルーメン発酵調整用飼料添加物を添加した養牛用
飼料を提供する。本発明において牛の第1胃内発酵調整
用飼料添加物として使用するアセンヤク、チヤ、プルー
ン又はステビアの破砕物および抽出物、抽出粕あるいは
種子粕は、イオノフォアと異なり、長期給与によって所
謂抗生物質による弊害等を起こさない、安全な天然系飼
料添加物である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の牛の第1胃内ルーメン発
酵調整用飼料添加物を調製するに当たっては、アセンヤ
ク、チヤ、プルーン又はステビアの破砕物、抽出物、抽
出粕あるいは種子粕を、単独若しくは2以上を併用して
用いる。
酵調整用飼料添加物を調製するに当たっては、アセンヤ
ク、チヤ、プルーン又はステビアの破砕物、抽出物、抽
出粕あるいは種子粕を、単独若しくは2以上を併用して
用いる。
【0010】アセンヤク(阿仙薬;Uncaria gambir)
は、アカネ科(Rubiaceae)の植物で、葉および若枝か
らの抽出物は、下痢止めや口腔清涼剤として用いられて
いる。主として、インドネシア、マレーシア等の東南ア
ジア地域で栽培されている。本発明においては、その
葉、抽出エキス又は抽出粕を乾燥・粉砕して用いる。チ
ャはカテキン、カフェイン、ビタミンC、ビタミンEな
どを含み、抗菌作用、抗酸化作用、活性酸素消去作用、
抗アレルギー作用の他、多くの生理作用が知られてい
る。本発明においては、通常のチャ(茶;Camellia sin
ensis)、製造過程で発生する規格外の粉状の茶、抽出
残渣および製造工程で生ずる茶侵出液固形物のいずれを
用いてもよく、よく乾燥し粉砕して用いる。プルーン
(Prune)は、西洋すももの一種で、原産地は西アジア
コーカサス地方と言われている。カリフォルニア地方な
どで大量に栽培・生産されている。本発明に用いる原料
は、プルーンの子実そのものを乾燥粉砕したものでも良
いが、食用としてのプルーンの子実からエキスを抽出し
た残渣を乾燥し、粉砕したものを用いてもよい。ステビ
ア(Stevia rebaudiana)は、南米パラグアイ原産のキ
ク科の多年草で、パラグアイ、ウルグアイ、ブラジル、
中米、イスラエル、タイおよび中国等で栽培されてい
る。本発明に用いる原料は、食用として甘味成分を抽出
した残渣を乾燥し、粉砕したものを用いる。
は、アカネ科(Rubiaceae)の植物で、葉および若枝か
らの抽出物は、下痢止めや口腔清涼剤として用いられて
いる。主として、インドネシア、マレーシア等の東南ア
ジア地域で栽培されている。本発明においては、その
葉、抽出エキス又は抽出粕を乾燥・粉砕して用いる。チ
ャはカテキン、カフェイン、ビタミンC、ビタミンEな
どを含み、抗菌作用、抗酸化作用、活性酸素消去作用、
抗アレルギー作用の他、多くの生理作用が知られてい
る。本発明においては、通常のチャ(茶;Camellia sin
ensis)、製造過程で発生する規格外の粉状の茶、抽出
残渣および製造工程で生ずる茶侵出液固形物のいずれを
用いてもよく、よく乾燥し粉砕して用いる。プルーン
(Prune)は、西洋すももの一種で、原産地は西アジア
コーカサス地方と言われている。カリフォルニア地方な
どで大量に栽培・生産されている。本発明に用いる原料
は、プルーンの子実そのものを乾燥粉砕したものでも良
いが、食用としてのプルーンの子実からエキスを抽出し
た残渣を乾燥し、粉砕したものを用いてもよい。ステビ
ア(Stevia rebaudiana)は、南米パラグアイ原産のキ
ク科の多年草で、パラグアイ、ウルグアイ、ブラジル、
中米、イスラエル、タイおよび中国等で栽培されてい
る。本発明に用いる原料は、食用として甘味成分を抽出
した残渣を乾燥し、粉砕したものを用いる。
【0011】本発明のルーメン発酵調整用飼料添加物
は、上記アセンヤク、チヤ、プルーン又はステビアの破
砕物、抽出物乾燥物、抽出粕あるいは種子粕を用いる。
さらに、脱脂米、ふすま、セルロース等の増量剤、乾燥
剤と適宜混和して使用しても良い。当該ルーメン発酵調
整用飼料添加物を飼料に添加して用いる場合、それらの
乾燥物を飼料に対し0.01〜20重量%の範囲で配合する。
好ましくは、0.1〜3.0重量%である。本発明のルーメン
発酵調整用飼料添加物は、ルーメン発酵時において、ガ
スの産生を抑制し、メタンとして外気に放出されるエネ
ルギーロスを低減化して、飼料効率を改善する。本発明
の飼料により飼育した場合、ルーメン内における急激な
発酵が適宜抑制されるため、大量のガス発生がなく、そ
の結果ガスによる鼓張症の生起を効果的に抑えることが
出来る。
は、上記アセンヤク、チヤ、プルーン又はステビアの破
砕物、抽出物乾燥物、抽出粕あるいは種子粕を用いる。
さらに、脱脂米、ふすま、セルロース等の増量剤、乾燥
剤と適宜混和して使用しても良い。当該ルーメン発酵調
整用飼料添加物を飼料に添加して用いる場合、それらの
乾燥物を飼料に対し0.01〜20重量%の範囲で配合する。
好ましくは、0.1〜3.0重量%である。本発明のルーメン
発酵調整用飼料添加物は、ルーメン発酵時において、ガ
スの産生を抑制し、メタンとして外気に放出されるエネ
ルギーロスを低減化して、飼料効率を改善する。本発明
の飼料により飼育した場合、ルーメン内における急激な
発酵が適宜抑制されるため、大量のガス発生がなく、そ
の結果ガスによる鼓張症の生起を効果的に抑えることが
出来る。
【0012】以下に本発明の実施例を詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1:ルーメン発酵調整用飼料添加物の調製例 (1)アセンヤク アセンヤク抽出エキス乾燥物のポリフェノール含有量を
脱脂糠を加えて30%に調整し、ルーメン発酵調整用飼料
添加物1kgを作製した。 (2)チャ粕 緑茶葉を90℃で10分間熱水抽出した後、抽出残渣を60℃
で送風乾燥し、水分4.5%の乾燥物を粉砕し、セルロー
ス(和光純薬工業製,品番039-15821)を加えてポリフ
ェノール含有量が5%になるように調整して、ルーメン
発酵調整用飼料添加物1kgを作製した。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1:ルーメン発酵調整用飼料添加物の調製例 (1)アセンヤク アセンヤク抽出エキス乾燥物のポリフェノール含有量を
脱脂糠を加えて30%に調整し、ルーメン発酵調整用飼料
添加物1kgを作製した。 (2)チャ粕 緑茶葉を90℃で10分間熱水抽出した後、抽出残渣を60℃
で送風乾燥し、水分4.5%の乾燥物を粉砕し、セルロー
ス(和光純薬工業製,品番039-15821)を加えてポリフ
ェノール含有量が5%になるように調整して、ルーメン
発酵調整用飼料添加物1kgを作製した。
【0013】(3)プルーン粕 プルーン子実を圧搾抽出し、エキス抽出後の種子を含む
残渣を天日乾燥後、その乾燥物を粉砕し、水分10.5%の
ルーメン発酵調整用飼料添加物1kgを作製した。 (4)ステビア粕 ステビアの葉から甘味成分を抽出した水分約70%の原料
を凍結乾燥し、その乾燥物を粉砕して、水分3.5%のル
ーメン発酵調整用飼料添加物1kgを作製した。 (5)山査子果実粕 山査子果肉のエキス抽出後の原料を天日乾燥し、種子を
除去した後、その乾燥物を粉砕し、水分8.5%の試料1kg
を作製した。
残渣を天日乾燥後、その乾燥物を粉砕し、水分10.5%の
ルーメン発酵調整用飼料添加物1kgを作製した。 (4)ステビア粕 ステビアの葉から甘味成分を抽出した水分約70%の原料
を凍結乾燥し、その乾燥物を粉砕して、水分3.5%のル
ーメン発酵調整用飼料添加物1kgを作製した。 (5)山査子果実粕 山査子果肉のエキス抽出後の原料を天日乾燥し、種子を
除去した後、その乾燥物を粉砕し、水分8.5%の試料1kg
を作製した。
【0014】参考例1 モネンシンのルーメン液中におけるガス産生抑制作用 牛肥育用飼料(ふすま50%、トウモロコシ30%、大麦15
%、大豆粕4.5%、タンカル0.5%)を給与した牛のルー
メン液を二重ガーゼで濾過し、その後、ルーメン液1に
対し人工唾液2の割合で混合し、培養液を調製した。次
に、培養液25mlにモネンシン区には、モネンシン30ppm
(イーライ・リリー社製)を含有する養牛用飼料0.5gを
加え、対照区には、モネンシンを含まない養牛用飼料0.5g
を混合し、各試料をアイホルン発酵管に加え、炭酸ガス
を吹き込みながら入口をシリコン栓でふさいだ。これを
炭酸ガス培養器内で39℃にて培養し、継時的に産生ガス
量を測定した。結果は表1に示すとおり、無添加対照区
でのガス産生量に対して、モネンシン添加飼料のガス産
生量は培養開始4時間後で約12%減少していた。
%、大豆粕4.5%、タンカル0.5%)を給与した牛のルー
メン液を二重ガーゼで濾過し、その後、ルーメン液1に
対し人工唾液2の割合で混合し、培養液を調製した。次
に、培養液25mlにモネンシン区には、モネンシン30ppm
(イーライ・リリー社製)を含有する養牛用飼料0.5gを
加え、対照区には、モネンシンを含まない養牛用飼料0.5g
を混合し、各試料をアイホルン発酵管に加え、炭酸ガス
を吹き込みながら入口をシリコン栓でふさいだ。これを
炭酸ガス培養器内で39℃にて培養し、継時的に産生ガス
量を測定した。結果は表1に示すとおり、無添加対照区
でのガス産生量に対して、モネンシン添加飼料のガス産
生量は培養開始4時間後で約12%減少していた。
【0015】
【表1】
【0016】実施例2 参考例1と同様に調製した培養液25mlを、実施例1にお
いて調製した5種類のルーメン発酵調整用飼料添加物及
び試料の各々25mgを混合し、その混合物をアインホルン
発酵管に入れ、炭酸ガスを吹き込みながらアイホルン発
酵管の入口をシリコン栓でふさぎ、炭酸ガス培養器内で
39℃にて培養し、継時的に産生ガス量を測定した。陽性
対照区として、参考例1でガス産生抑制効果の認められ
たモネンシンを培養液25ml中に30ppmとなるように加え
て、同様に培養した。結果は表2に示すとおり、陽性対
照区のモネンシン区のガス産生量に対して、山査子粕を
除く4種類のルーメン発酵調整用飼料添加物を添加した
区ではガス産生量が減少した。この結果から、これら4
種のルーメン発酵調整用飼料添加物のいずれにも、モネ
ンシンと同等ないし一層強力なガス産生抑制効果が確認
された。
いて調製した5種類のルーメン発酵調整用飼料添加物及
び試料の各々25mgを混合し、その混合物をアインホルン
発酵管に入れ、炭酸ガスを吹き込みながらアイホルン発
酵管の入口をシリコン栓でふさぎ、炭酸ガス培養器内で
39℃にて培養し、継時的に産生ガス量を測定した。陽性
対照区として、参考例1でガス産生抑制効果の認められ
たモネンシンを培養液25ml中に30ppmとなるように加え
て、同様に培養した。結果は表2に示すとおり、陽性対
照区のモネンシン区のガス産生量に対して、山査子粕を
除く4種類のルーメン発酵調整用飼料添加物を添加した
区ではガス産生量が減少した。この結果から、これら4
種のルーメン発酵調整用飼料添加物のいずれにも、モネ
ンシンと同等ないし一層強力なガス産生抑制効果が確認
された。
【0017】
【表2】
【0018】実施例3 チャ粕添加飼料給与時のルーメ
ンVFAへの影響 フィステルを装着した乳用種去勢牛3頭に、チャ粕乾燥
・粉砕物を1%含有する配合飼料(参考例1に示した物
と同様、12kg/頭/日)と粗飼料(稲ワラ、2kg/頭/日)
を2週間給与した。対照区には、チャ粕を含まない配合
飼料と粗飼料を同様に給与した。ルーメン液は、試験飼
料給与前と給与2、4、8時間後の4回採取し、HPLCにより
採取したルーメン液中のVFA濃度を測定した。結果は
下の表3及び表4に示すとおりであり、総VFA濃度お
よびプロピオン酸濃度が4時間後にピークとなり、チャ
粕を添加した飼料を給与した場合の方が、無添加飼料の
場合よりも増加した。このことから、チャ粕の添加によ
って、プロピオン酸の産生量が増加し、結果として飼料
の利用効率が高まったことが示された。又、この試験期
間中、牛の鼓張症の徴候は全く見られず、旺盛な食欲を
示した。
ンVFAへの影響 フィステルを装着した乳用種去勢牛3頭に、チャ粕乾燥
・粉砕物を1%含有する配合飼料(参考例1に示した物
と同様、12kg/頭/日)と粗飼料(稲ワラ、2kg/頭/日)
を2週間給与した。対照区には、チャ粕を含まない配合
飼料と粗飼料を同様に給与した。ルーメン液は、試験飼
料給与前と給与2、4、8時間後の4回採取し、HPLCにより
採取したルーメン液中のVFA濃度を測定した。結果は
下の表3及び表4に示すとおりであり、総VFA濃度お
よびプロピオン酸濃度が4時間後にピークとなり、チャ
粕を添加した飼料を給与した場合の方が、無添加飼料の
場合よりも増加した。このことから、チャ粕の添加によ
って、プロピオン酸の産生量が増加し、結果として飼料
の利用効率が高まったことが示された。又、この試験期
間中、牛の鼓張症の徴候は全く見られず、旺盛な食欲を
示した。
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明のルーメン発酵調
整用飼料添加物を養牛用飼料に添加して給与することに
よって、牛の第一胃のルーメン発酵が適度に抑制され、
メタンを主とするガス産生が抑制される結果、エネルギ
ーロスが低減され、飼料効率も改善する。又、ルーメン
内に産生するVFAの内、プロピオン酸の比率が向上
し、飼料効率が大幅に改善される。さらに本発明は、濃
厚飼料多給時の鼓張症の防除に有効であり、地球温暖化
の一因と言われる牛由来食事性ガスの抑制にも寄与す
る。
整用飼料添加物を養牛用飼料に添加して給与することに
よって、牛の第一胃のルーメン発酵が適度に抑制され、
メタンを主とするガス産生が抑制される結果、エネルギ
ーロスが低減され、飼料効率も改善する。又、ルーメン
内に産生するVFAの内、プロピオン酸の比率が向上
し、飼料効率が大幅に改善される。さらに本発明は、濃
厚飼料多給時の鼓張症の防除に有効であり、地球温暖化
の一因と言われる牛由来食事性ガスの抑制にも寄与す
る。
フロントページの続き (72)発明者 岩月 俊樹 茨城県つくば市天久保3−8−5 全農天 久保寮204 (72)発明者 浦田 克博 茨城県稲敷郡茎崎町牧園8−34 (72)発明者 滝川 幸人 千葉県柏市新柏1−17 全農新柏共同住宅 A−202 Fターム(参考) 2B005 BA01 BA07 2B150 AA02 AB01 DD31 DD42 DD44 DD45 DD57
Claims (4)
- 【請求項1】 アセンヤク、チャ、プルーン及びステビ
アの内の1種又は2種以上を含有する牛の第1胃内発酵
調整用飼料添加物。 - 【請求項2】 アセンヤク、チャ、プルーン又はステビ
アが、それらの葉、実、又は茎の破砕物、抽出物、抽出
乾燥物又は抽出粕あるいは種子粕である請求項1記載の
牛の第1胃内発酵調整用飼料添加物。 - 【請求項3】 アセンヤク、チャ、プルーン又はステビ
アが、製造過程で発生する規格外製品、抽出残渣および
製造工程で生ずる侵出液固形物の乾燥・粉砕物である請
求項1記載の牛の第1胃内発酵調整用飼料添加物。 - 【請求項4】 牛の第1胃内発酵を調整するために、ア
センヤク、チャ、プルーン及びステビアの内の1種又は
2種以上を乾燥物として、飼料重量当たり0.01〜20.0重
量%添加・配合した養牛用飼料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001012885A JP2002209529A (ja) | 2001-01-22 | 2001-01-22 | ルーメン発酵調整用飼料添加物及びこれを含有する養牛用飼料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001012885A JP2002209529A (ja) | 2001-01-22 | 2001-01-22 | ルーメン発酵調整用飼料添加物及びこれを含有する養牛用飼料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002209529A true JP2002209529A (ja) | 2002-07-30 |
Family
ID=18879825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001012885A Pending JP2002209529A (ja) | 2001-01-22 | 2001-01-22 | ルーメン発酵調整用飼料添加物及びこれを含有する養牛用飼料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002209529A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007532609A (ja) * | 2004-04-16 | 2007-11-15 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | 反芻動物のルーメン発酵に影響を及ぼし、かつエネルギーおよびタンパク質の保持を改善する植物、植物抽出物、および植物からの天然同一成分の使用 |
WO2010071222A1 (ja) * | 2008-12-20 | 2010-06-24 | 味の素株式会社 | 反芻動物用メタン生成抑制剤および飼料組成物 |
WO2018100386A1 (en) * | 2016-12-01 | 2018-06-07 | Bangor University | Methods and compositions for improving feed outcomes |
-
2001
- 2001-01-22 JP JP2001012885A patent/JP2002209529A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007532609A (ja) * | 2004-04-16 | 2007-11-15 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | 反芻動物のルーメン発酵に影響を及ぼし、かつエネルギーおよびタンパク質の保持を改善する植物、植物抽出物、および植物からの天然同一成分の使用 |
WO2010071222A1 (ja) * | 2008-12-20 | 2010-06-24 | 味の素株式会社 | 反芻動物用メタン生成抑制剤および飼料組成物 |
WO2018100386A1 (en) * | 2016-12-01 | 2018-06-07 | Bangor University | Methods and compositions for improving feed outcomes |
GB2557247A (en) * | 2016-12-01 | 2018-06-20 | Bangor Univ | Methods and compositions for improving feed outcomes |
GB2572113A (en) * | 2016-12-01 | 2019-09-18 | Bangor Univ | Methods and compositions for improving feed outcomes |
GB2572113B (en) * | 2016-12-01 | 2022-09-28 | Bangor Univ | Methods and compositions for improving feed outcomes |
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