JP2002206535A - 磁性流体動圧軸受モータ及びその製造装置 - Google Patents

磁性流体動圧軸受モータ及びその製造装置

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JP2002206535A JP2001000976A JP2001000976A JP2002206535A JP 2002206535 A JP2002206535 A JP 2002206535A JP 2001000976 A JP2001000976 A JP 2001000976A JP 2001000976 A JP2001000976 A JP 2001000976A JP 2002206535 A JP2002206535 A JP 2002206535A
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sleeve
magnetic
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oil
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Yoshikazu Ichiyama
義和 市山
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2380/00Electrical apparatus
    • F16C2380/26Dynamo-electric machines or combinations therewith, e.g. electro-motors and generators

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  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)
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  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】多孔質材スリーブより成る滑り軸受は,内に多
量のオイルを有するが,そのオイルのベアリング部への
輸送メカニズムは必ずしも存在せず有効に使いきってい
ない。本発明は,簡易な構造で強磁性体材料を含む多孔
質材スリーブ内のオイルをベアリング部に輸送する力の
場を創造し,長寿命化と低コスト化とを実現できる磁性
流体動圧軸受モータ及びその製造装置を実現提供する。 【解決手段】スリーブ或いはシャフト11の対向面の何
れかには動圧発生用溝22,23を有して動圧発生用溝
部近傍に磁化変化部が対応するよう前記スリーブ摺動面
を磁化42〜44して軸受部を構成する。製造装置は,
一部を磁気的な空隙とする磁気回路をスリーブ内に挿入
し,励磁する事によりスリーブの摺動面を磁化するもの
で,さらにスリーブと磁気的な空隙部とを相対移動させ
ながら励磁方向及び強弱等を制御してスリーブ表面への
磁化パターンの形状及び位置等の制御を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,磁性流体オイルを採用
したモータに拘わり,特に長寿命化と低コスト化に適し
た簡易な構造の磁性流体動圧軸受モータ及びその製造装
置に拘わる。
【0002】
【従来の技術】回転形の記録装置,冷却用のファン等の
軸受けにおいて,多孔質材より成る軸受けは成形性に優
れ低コスト化が容易等の事情から普及が進んでいる。ま
た更に動圧発生用溝を成形により作り,ベアリング部表
面の空孔率を小さく制御する技術も開発されて動圧軸受
モータにも採用が始まっている。
【0003】しかしながら多孔質材スリーブよる滑り軸
受けは,スリーブ内に多量のオイルを貯留するが,その
オイルを有効に使いきるメカニズムは出来ていない。蒸
発,マイグレーション等によりベアリング部のオイルが
失われた場合,表面張力或いは拡散過程等によるオイル
輸送メカニズムではオイルは気泡により薄められるのみ
で潤滑作用はある程度維持できても実質的にオイル粘度
が低下して動圧発生機能に比較的早い段階で重大な支障
を来す事は明らかである。
【0004】多孔質材スリーブと動圧ベアリングとの組
み合わせで機能を発揮させるには,ベアリング部のオイ
ル逸失に際して多孔質材スリーブ中のオイルをベアリン
グ部に供給し,オイルが移動した空隙には気泡を滞留さ
せる事が必要である。これは表現を変えれば多孔質材ス
リーブ中でオイルと気泡とを分離或いは粗密を作ること
である。
【0005】磁性流体オイルを潤滑流体とし,磁石等で
磁束密度勾配を形成してベアリング部にオイルを確保し
ようとの試みは一般の滑り軸受において過去に存在した
が,十分には成功しなかった。例えば,実開平3−49
416は,多孔質スリーブを強磁性体で形成し,スリー
ブを磁化して磁性流体オイルを保持する提案を行ってい
る。また,特開平6−341434他はベアリング部を
磁気回路の一部として磁性流体オイルをベアリング部に
保持しようとする。しかしながら,これらの提案ではオ
イルを漠然と保持しようとの意向が強く,気泡で薄めら
れたオイルに対して濃度勾配を形成してベアリング部に
於けるオイル粘度を維持するような観点が欠け,動圧ベ
アリングに対しては致命的な欠陥を残したままであっ
た。また後者構造は磁石等関連部品も多く低コスト製品
には馴染まない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は,簡易な構造で多孔質材スリーブ中のオイルをベアリ
ング部に集め,長寿命化と低コスト化とを実現できるよ
うな磁性流体動圧軸受モータ及びその製造装置を実現提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による磁性流体動
圧軸受モータに於いて,軸受け部は強磁性体材料を含む
多孔質材スリーブと,前記スリーブと微小間隙を隔てて
対向するシャフトと,前記間隙内及び多孔質材スリーブ
中に含浸された磁性流体オイル等とより成り,前記スリ
ーブ或いはシャフトの対向面の何れかには動圧発生用溝
を有して動圧発生用溝部近傍に磁化変化部が対応するよ
う前記スリーブ摺動面を磁化して構成する。さらにスパ
イラル或いはヘリングボーン形状の動圧発生用溝に於い
ては,オイルの流入端近傍に前記磁化の変化部が対応す
るよう磁化パターンを制御する。
【0008】本発明による磁性流体動圧軸受モータはス
リーブ摺動部表面への正確な磁化パターン形成が不可欠
である。本発明による製造装置は,一部を磁気的な空隙
とする磁気回路をスリーブ内に挿入し,励磁する事によ
りスリーブの摺動面を磁化するもので,さらにスリーブ
と磁気的な空隙部とを相対移動させながら励磁方向及び
強弱等を制御してスリーブ表面への磁化パターンの形状
及び位置等の制御を可能にする。
【作用】本発明の磁性流体動圧軸受モータの構成におい
て,スリーブ摺動面の残留磁化から漏れ出る磁束は拡散
するので動圧発生用溝部近傍のスリーブ表面から離れる
につれて減少する磁束密度勾配が形成され,一般に磁性
体は磁束密度の大なる方向に吸引駆動されるのでスリー
ブ摺動面の残留磁化を利用して磁性流体オイルを吸引駆
動する力の場が形成されたことになる。
【0009】したがって多孔質材スリーブ中には磁性流
体オイルを含浸してあるので磁性流体オイルが蒸発,マ
イグレーション等で逸失減少するにしたがいスリーブの
ベアリング近傍に磁性流体オイルが集まり,その外周部
には気泡が滞留するよう粗密の形成が可能であってベア
リング部には磁性流体オイルを気泡で薄めること無く確
保できる。また本発明による磁性流体動圧軸受モータは
部材数を増やす事が無く構造は簡素で低コスト化方向と
は矛盾しない。
【0010】また本発明による製造装置によれば,磁気
回路の磁気的な空隙からの漏れ磁束によりスリーブ摺動
面近傍を磁化するので磁化の強度分布も摺動面を極大と
して離れるに従って小となる勾配を容易に形成出来,ス
リーブ摺動面に磁性流体オイルを集中させる事を容易に
する。さらに摺動面表面に磁化を集中させる或いは磁化
変化の位置を精密に制御するために磁気的な微小空隙と
スリーブとを相対的に移動させながら磁化を行うことを
可能とした。これら製造装置によりスリーブ摺動面表面
近傍に磁化を集中し,磁化の位置制御を可能にしたので
本発明の磁性流体動圧軸受モータを容易に製造できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明による磁性流体動圧
軸受モータ及びその製造装置について,その実施例及び
原理作用等を図面を参照しながら説明する。
【0012】図1は,本発明の第一の実施例である磁性
流体動圧軸受モータ10の概略断面図を示す。同図に於
いて,シャフト11,径方向に2ミクロンメートル程度
の間隙をもってシャフト11と対向するスリーブ12,
磁性流体オイル14等とでラジアル方向の動圧軸受けを
構成し,シャフト11の端は中央が凸にしてスラスト方
向のピボット軸受けを構成する。スリーブ12は強磁性
体材料を含んた多孔質の焼結合金で磁性流体オイルを内
部に有し,アルミニウムのケース13内に納めてある。
シャフト11端と接触摺動するケース13の表面にはセ
ラミックを焼き付けて摩耗を軽減させる手段とする。シ
ャフト11と結合しているハブ16にはローターマグネ
ット17がステーターコア18より軸線上やや上に偏位
して固定され,ハブ16,シャフト11等の回転部に下
向きの力を発生させる。番号19はコイルを,番号15
は搭載する磁気ディスクの固定用ネジ孔である。
【0013】図2は,図1に示した磁性流体動圧軸受モ
ータ10の軸受要部で,シャフト11,スリーブ12,
ケース13,磁性流体オイル14等を拡大してそれらの
断面の半分を示して本発明の原理作用を説明するための
図である。同図(a)に示すようにスリーブ12の摺動
面には動圧発生用溝22,23が施され,その動圧発生
用溝22,23部が磁化変化部に対応するよう摺動面に
は矢印で示す磁化21が残される。その磁化21に起因
して発生する磁束の流れを点線24で示す。磁化21の
変化部から漏れ出る磁束24はスリーブ12の表面を極
大磁束密度として図のように拡散減少して磁束密度勾配
が形成される。磁性流体オイルは磁束密度の大なる方向
に吸引されるのでここに磁性流体オイルを磁化21の両
端近傍に引きつける力の場が形成される。同図(b)
は,横軸29にスリーブ12の長さ方向xを,縦軸28
に磁化の強さMを示し,スリーブ12摺動面での磁化分
布を番号25,26,27で示している。
【0014】図2(a)に於いて,動圧発生用溝22,
23は5ミクロン程度の深さの凹部であり,シャフト1
1の回転に伴って流動する磁性流体オイル14をそれぞ
れの両翼から集め中心部での圧力を高めてシャフト1
1,スリーブ12を支承する。多孔質材よりなるスリー
ブ12では動圧発生用溝22,23を型で形成すると共
に表面を押し固めて動圧発生部近傍の空孔率を低く設定
して圧力を上げやすいよう工夫が凝らされている。した
がって,動圧発生用溝22,23の中央に集められたオ
イルは圧力を高めると共にスリーブ12の表面から浸透
する流れを形作る。この点に関しては更に動圧発生用溝
22周辺を拡大した図3により説明する。
【0015】図3(a)は動圧発生用溝22周辺での磁
性流体オイル14の流れを説明するための拡大図であ
り,図3(b)は対応する磁化分布を示す。同図に示す
よう残留磁化21の変化部分35が動圧溝22に対応す
るようスリーブ12摺動面は磁化されているとする。シ
ャフト11の回転に伴って動圧溝22はその両側から磁
性流体オイル14を中心に向かって駆動し,磁性流体オ
イル14には点線31,32で示すような流れを生ぜし
める。点線31,32で示す磁性流体オイル14は動圧
溝22のほぼ中央部に押し込まれ圧力を発生するが,同
時に多孔質材スリーブ12表面に残された空孔から磁性
流体オイル14はスリーブ12内に浸透するので動圧発
生用溝22周辺には点線31から33,及び点線32か
ら34に示すような磁性流体オイル14の循環流が生じ
ている。
【0016】これらの循環流33,34は表面張力或い
は拡散過程に従うので通常構造では流量を期待できず回
転後早い段階でベアリング部のオイル枯渇を生じる可能
性がある。しかし,スリーブ12摺動面の残留磁化21
の変化部分35に起因する磁束密度勾配は,動圧発生用
溝22近傍を極大とするので番号33,34等に示され
る磁性流体オイル14の流れを動圧発生用溝22近傍に
留め,動圧発生に必要なオイルを常に供給することが出
来る。特に動圧発生にはオイルの粘度が主要な役割を果
たし気泡混じりで薄められたオイルでは十分な動圧を発
生できないが,本発明では磁束密度勾配を形成して動圧
発生用溝22近傍を密,その外周部を粗とする磁性流体
オイル14の粗密を形成出来るのでたとえ磁性流体オイ
ル14が何らかの原因で失われても動圧発生用溝22近
傍には粘度の高い磁性流体オイル14を保持できて動圧
発生に支障を来すことは無い。
【0017】スリーブを形成する強磁性体の多孔質材は
種々の材料が可能であるが,例えば特開平11−137
65に提案されているように摺動特性に優れた青銅系合
金にアルミニウム,ニッケル,コバルト合金粉末を混ぜ
合わせて形成する。またスリーブ12の摺動面に形成す
る磁化パターンは,図2(a),図3(a)に示すよう
磁化変化の境界はシャフト11の回転方向に沿った形状
とする。これは回転に伴う磁性流体オイル14の流れの
方向に沿い,動圧発生に影響を及ばさないばかりか無用
の損失を小にする結果をもたらす。
【0018】図4は,本発明の第二の実施例を説明する
図である。第一の動圧滑り軸受と構造は同じであるが,
スリーブ41摺動面の残留磁化パターンを変えてある。
図3を用いた説明において,磁性流体オイル14は点線
31から33,点線32から34への流れを生じること
を示したが,これは表現を変えれば動圧溝22近傍のベ
アリング部では動圧溝22の両端部が磁性流体オイル1
4の流入端であり,中央部は流出端であると言うことが
出来る。したがって,動圧ベアリングの機能を十分に発
揮させる為に正確には動圧発生用溝22の両端部,つま
り磁性流体オイル14の流入端に集めれば良いことが判
る。第二の実施例はこのような考えに基づいた実施例で
ある。
【0019】図4(a)に於いて,図2(a)と同様の
動圧発生用溝22,23を有するスリーブ41摺動面に
は,動圧発生用溝22,23の両端部に磁化変化部を有
する残留磁化42,44が配置されるよう磁化が施され
る。ただ,残留磁化42,44は長さが短くスリーブ4
1全体に磁束密度勾配を及ぼし難いのでそれらの間に残
留磁化43を形成している。この残留磁化43は隣接す
る残留磁化42,44とは逆方向で境界での磁化変化を
大に出来るので磁束密度勾配を大に出来るとの利点も存
在する。番号45は残留磁化42,43,44に起因す
る磁束の流れを示す。図4(b)は図2(b)等と同様
に残留磁化の分布を示す。番号46,47,48がそれ
ぞれ残留磁化42,43,44の磁化分布を示す。
【0020】図4(a)に示す第二の実施例では動圧発
生用溝22,23の両端にスリーブ41摺動面上の残留
磁化変化部が対応するので動圧発生用溝22,23の両
端部,磁性流体オイル14の流入端にスリーブ41内の
磁性流体オイル14が集中させる力の場を形成出来,点
線33,34で示す磁性流体オイル14の環流を促進出
来るので本発明をさらに効果的に実現できる。
【0021】図4に示す第二の実施例ではヘリングボー
ン形状の動圧発生用溝22,23で説明したのでオイル
流入端は動圧発生用溝22,23の両端となったが,ス
パイラル形状の動圧発生用溝では一方の端がオイル流入
端,他端がオイル流出端となるので動圧発生用溝の形状
に合わせてスリーブ摺動面への磁化パターンは選択す
る。
【0022】図5は第三の実施例として本発明による磁
性流体動圧軸受モータの製造装置の構造を示す。同図に
於いて,製造装置は強磁性体を含む焼結合金スリーブ5
1内に挿入できるよう取り外し可能な磁気コア55,及
び磁気コア54,磁気的な空隙部56等とよりなる磁気
回路に励磁用コイル57,更に図示していない制御回路
等から構成する。番号52,53はスリーブ51摺動面
に形成された動圧発生用溝を示す。
【0023】同図に於いて,磁気的な空隙部56を動圧
発生用溝部52に対応させて励磁コイル57に制御回路
から電流を供給すると磁気回路内に発生せしめられた磁
束58は磁気抵抗の大となる磁気的な空隙部56でスリ
ーブ51の摺動面に漏れ,その領域にあるスリーブ51
内の強磁性体を磁化する。残留磁化はスリーブ51内に
三次元的な広がりを持つが,磁気コア54,55端面に
近いスリーブ51摺動面近傍を極大として離れるにつれ
て小さくなる勾配を形成する。
【0024】磁気コア54,55は積層鉄心,フェライ
ト等の磁性材料で構成でき,磁気的な空隙は樹脂或いは
磁性体以外の金属,さらには何もない空間で構成しても
良い。スリーブ摺動面上の残留磁化の勾配或いはその長
さは,スリーブ内の強磁性体の抗磁力,磁気的な空隙5
6の長さ,磁気コア54,55とスリーブとの間隙,或
いは励磁の強度等によって制御可能であり,対象によっ
て上記パラメーターを設定する。
【0025】本発明による磁性流体動圧軸受モータの要
点は動圧軸受部,さらにオイル流入端である動圧発生用
溝52の両端にオイルを環流保持させることであるが,
上記に示した第三の実施例の製造装置によりスリーブ5
1摺動面に正確な残留磁化を形成して本発明の目的を達
成出来る。
【0026】図6は更に第四の実施例として磁性流体動
圧軸受モータの製造装置を示す。同図に於いてスリーブ
51の摺動面を磁化する製造装置は,動圧発生用溝52
より短い長さの磁気的な空隙部61と磁気コア54,5
5とで磁気回路を構成し,他に励磁コイル57,制御装
置65,スリーブ51の移動装置63等とより構成す
る。磁気コア54,55をスリーブ51に挿入し,磁気
的な空隙61をスリーブ51の摺動面に対応させ,スリ
ーブ移動装置63によりスリーブ51を矢印64に示す
よう移動させながらスリーブ51と磁気的な空隙61の
相対位置関係に応じて励磁コイル57に流す電流の方
向,強弱等を制御装置65により制御してスリーブ51
の摺動面に磁化パターンを形成する。
【0027】本発明による磁性流体動圧軸受モータにお
いては,スリーブ51摺動部の表面近傍に極大となる残
留磁化を形成すること,動圧発生用溝52,53部或い
は動圧発生用溝52,53の流入端近傍に磁化変化部を
正確に対応させることが重要であるが,第四の実施例に
依れば第三の実施例より更に精度の良いスリーブを製造
することが出来る。すなわち,磁気的な空隙より漏れ出
る磁束62の広がりは磁気的な空隙61の長さにほぼ比
例するので第四の実施例のように磁気空隙61の長さを
短く設定することにより,漏れ出る磁束62の広がりを
抑え,磁化される領域をスリーブ51摺動面の表面近傍
に限定できる。また磁気的な空隙61とスリーブ51と
の位置関係に応じて励磁方向を変え,磁化反転位置を精
密に制御する或いは磁化反転形状を制御出来るのでスリ
ーブ51摺動面の磁化反転部を動圧発生用溝52,53
或いはそれらのオイル流入端近傍に対応させることが容
易となる。
【0028】以上,本発明の磁性流体動圧軸受モータに
ついて実施例を挙げて構造,動作原理等を説明したが,
本発明の趣旨に沿って種々の変形応用が可能である。
【0029】例えばシャフトの材料については言及しな
かったが,磁性材料で構成する事も出来る。これはスリ
ーブの強磁性体摩耗粉を引きずることになるので注意が
必要であるが,動圧発生部に磁性流体オイルを集中させ
ることを容易とする。図1に示すようにシャフト端をピ
ボット軸受とする場合にはピボット軸受部にオイルを保
持させる効果もある。
【0030】更にシャフト−スリーブ間間隙の開放端に
於ける磁性流体のオイル漏洩阻止に関しては既に数多の
技術が知られているので特に説明はしなかった。シャフ
ト−スリーブ間間隙の開放端に磁性体で構成するワッシ
ャを配置して磁化による磁束が外部に漏れないよう配慮
する,或いは撥油剤を塗布する等の対策は当然に望まし
い。ケースを磁性体として前記ワッシャと一体化させる
事も効果がある。
【0031】スリーブ内周摺動面への残留磁化付与に関
しても高温から低温への冷却過程では強磁性体に容易に
所望の磁化を形成出来る特性を利用する事が可能であ
る。スリーブの高温での焼結から冷却過程に際して本発
明による製造装置によりスリーブ摺動面に磁界を加え続
けて残留磁化を形成する。この場合は小さな磁界の付与
で磁化を形成出来る利点がある。
【0032】スリーブ摺動面の磁化はどの程度の大きさ
が十分かという点に関しては目標により考えが異なる。
単に多孔質スリーブ中の流動しやすいオイル分のみを対
象としてバイアスを与えると考えるので有れば,大きす
ぎる磁化は必要無いであろう。多孔質スリーブ中でも空
隙は大小様々であり,その中でも微小空隙中のオイルは
表面張力で保持されて移動させ難いが,それらのオイル
分まで余す処無く利用しようとするなら十分に大きな磁
化を必要とする。
【0033】
【発明の効果】以上,実施例を用いて説明したように本
発明の磁性流体動圧軸受モータに依れば,シャフト−ス
リーブ間の微小間隙要部にオイルを吸引する力の場を形
成してベアリングの長寿命化を実現できる。特にその力
の場により気泡混じりのオイルに粗密を形成してベアリ
ング部のオイル粘度を長期に維持可能であるので動圧滑
り軸受けに最適の構造を実現する。また構造は簡素であ
るので低コスト化には適している。さらに磁性流体動圧
軸受モータの製造装置は,スリーブ摺動面への精密な磁
化パターン制御が可能であり,本発明の磁性流体動圧軸
受モータの実現を容易とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施例である磁性流体動圧軸
受モータの断面図を示す。
【図2】 本発明の第一の実施例である動圧軸受けを説
明するための図で,(a)図はシャフト及びスリーブの
断面図を,(b)図はスリーブ摺動面の磁化分布をそれ
ぞれ示す。
【図3】 図2に示す動圧発生用溝部近傍の磁性流体オ
イルの流れを示す。
【図4】 本発明の第二の実施例である動圧軸受けを説
明するための図で,(a)図はシャフト及びスリーブの
断面図を,(b)図はスリーブ摺動面の磁化分布をそれ
ぞれ示す。
【図5】 本発明の第三の実施例である製造装置を示
す。
【図6】 本発明の第四の実施例である製造装置を示
す。
【符号の説明】
10・・・磁性流体動圧軸受モータ, 11・・
・シャフト,12・・・スリーブ,
13・・・ケース,14・・・磁性流体オイル,
15・・・磁気ディスク搭載用ネジ孔,
16・・・ハブ, 17・・
・ローターマグネット,18・・・ステーターコア,
19・・・コイル,21・・・磁化,
22,23・・動圧発生用溝 24・・・磁束の流れ, 25,2
6,27・・磁化分布,28・・・磁化の強さ,
29・・・座標 31,32・・動圧溝による磁性流体オイルの流れ,3
3,34・・磁性流体オイルの環流, 35・・・
磁化の変化部 41・・・スリーブ, 42,4
3,44・・磁化,45・・・磁束の流れ,
46,47,48・・磁化分布 51・・・スリーブ, 52,5
3・・動圧発生用溝,54,55・・磁気コア,
56・・・磁気的な空隙,57・・・励磁
コイル 61・・・磁気的な空隙, 62・・
・漏れ磁束の流れ,63・・・スリーブの移動装置,
64・・・移動方向,65・・・制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 5/16 H02K 5/16 Z 7/08 7/08 A 15/14 15/14 A Fターム(参考) 3J011 AA07 AA20 BA02 CA02 JA03 KA02 KA03 LA01 MA02 RA04 SB03 SB04 SB05 SB15 SB19 3J102 AA01 AA08 BA04 BA19 CA04 CA06 CA15 CA16 FA02 GA03 GA13 5H605 BB05 BB14 BB19 CC04 EB02 EB06 5H607 AA00 BB01 BB07 BB09 BB13 BB17 BB25 CC01 DD16 GG01 GG02 GG12 GG15 GG25 5H615 AA01 BB01 BB04 BB07 BB14 PP25 SS51 TT04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性体材料を含む多孔質材スリーブ
    と,前記スリーブと微小間隙を隔てて対向するシャフト
    と,前記間隙内及び多孔質材スリーブ中の磁性流体オイ
    ル等とより成り,前記スリーブ或いはシャフトの対向面
    の何れかには動圧発生用溝を有して動圧発生用溝部に磁
    化変化部が対応するよう前記スリーブの摺動面を磁化し
    て構成した軸受けを有する事を特徴とする磁性流体動圧
    軸受モータ
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁性流体動圧軸受モータ
    に於いて,前記スリーブ摺動面に残留する磁化変化の境
    界はスリーブ或いはシャフトの回転方向に沿う事を特徴
    とする磁性流体動圧軸受モータ
  3. 【請求項3】 請求項1記載の磁性流体動圧軸受モータ
    に於いて,動圧発生用溝はスパイラル或いはヘリングボ
    ーン形状とし,少なくとも前記動圧発生用溝の磁性流体
    オイル流入端近傍には磁化変化部が配置されるようスリ
    ーブ摺動面の磁化パターンを制御した事を特徴とする磁
    性流体動圧軸受モータ
  4. 【請求項4】 一部に磁気的な空隙を含む磁気回路を請
    求項1記載のスリーブ内に挿入し,磁気回路を励磁して
    前記磁気的な空隙よりの漏れ磁束により前記スリーブ摺
    動面を磁化する事を特徴とする請求項1,2,3記載の
    磁性流体動圧軸受モータの製造装置
  5. 【請求項5】 請求項4記載の磁性流体動圧軸受モータ
    の製造装置に於いて,スリーブと磁気的な空隙とを相対
    的に移動させながら磁気回路を励磁し,励磁方向及び強
    弱等を制御してスリーブ摺動面に磁化パターンを形成す
    る事を特徴とする請求項1,2,3記載の磁性流体動圧
    軸受モータの製造装置
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