JP2002206044A - 多層成形用樹脂組成物及び多層成形品 - Google Patents

多層成形用樹脂組成物及び多層成形品

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JP2002206044A
JP2002206044A JP2001003484A JP2001003484A JP2002206044A JP 2002206044 A JP2002206044 A JP 2002206044A JP 2001003484 A JP2001003484 A JP 2001003484A JP 2001003484 A JP2001003484 A JP 2001003484A JP 2002206044 A JP2002206044 A JP 2002206044A
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methyl methacrylate
monomer
weight
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JP2001003484A
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English (en)
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Tatsuji Kamoshita
竜児 鴨下
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A&M Styrene Co Ltd
Original Assignee
A&M Styrene Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性、温度変化に対する寸法安定性、耐衝撃
性及び耐熱変形性に優れ、又接着剤なしで耐候性組成物
(AES)との優れた接着性が得られ、成形品表面外観
も良好であり、熱収縮による変形が少なく、耐衝撃性に
優れた多層成形用樹脂組成物、および該組成物を基材と
して耐候性組成物(AES)を被覆してなる多層成形体
を提供すること。 【解決手段】 ゴム状弾性体に芳香族ビニル単量体、メ
チルメタクリレート及びメチルメタクリレートを含まな
いアルキル(メタ)アクリレートを含む単量体をグラフ
ト重合させて得られるグラフト重合体、あるいは該グラ
フト重合体とそれら単量体を主体として含む共重合体と
の混合物からなる熱可塑性樹脂(A)85乃至95重量
%及びガラス繊維5乃至15重量%(又はガラス繊維
4.5乃至14.5重量%及び平均粒径1乃至20μm
の微粉砕ガラス0.5乃至10重量%)からなることを
特徴とする多層成形用樹脂組成物、および該組成物を基
材として耐候性組成物(AES)を被覆してなる多層成
形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱伸縮による変形
が少なく、耐衝撃性に優れ、且つ耐候性に優れた合成樹
脂製品を得ることができる多層成形用樹脂組成物及びこ
れを基材とし、高耐候性樹脂組成物で被覆してなる多層
成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂はその特性を生かし数多くの産
業分野に使用されている。更に、一つの、高度の使用形
態として、多層成形用材料と多層成形技術を駆使した多
層成形品でもって、厳しい要求性能に対応して、その使
用分野を拡大している。かかる多層成形品の一例とし
て、雨樋がある。この分野においては、かつて雨樋の材
料であった金属の有するいろいろな問題に対応して、合
成樹脂を材料とする雨樋が多用されるに至った。合成樹
脂として、雨樋に適した物性のバランス、成形加工性の
点からポリ塩化ビニルが多用されてきた。特開昭56─
146554号公報には、ポリ塩化ビニルを用いた雨樋
について開示している。更にポリ塩化ビニルの乏しい耐
候性を補うために他の合成樹脂で被覆した多層成形雨樋
について開示している。この様に多層成形品の基材にポ
リ塩化ビニルを使用する場合が多かった。しかし、ポリ
塩化ビニルは現場施工時に発生する端材を処分する時、
ダイオキシン発生の懸念から焼却できず、ポリ塩化ビニ
ルを用いた施工工事に支障をきたしている。そのような
事から、建築業界においてはポリ塩化ビニルに代わる、
焼却時ダイオキシン発生の懸念のない多層成形用材料の
出現を待ち望んでいた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来多用されたポリ塩
化ビニルに代えて、多層成形用材料として用いることが
出来る為には、幾つかの実用物性を備える必要がある。
備えるべき実用物性としては、剛性、温度に対する寸法
安定性、耐熱変形性、耐衝撃性等がある。更に望むらく
は、多層を形成する合成樹脂間の界面強度を、接着剤を
用いず達成することである。かかる多層成形用樹脂組成
物を開発する事、実現することが、本発明の課題であ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる課題達
成の為、鋭意検討の結果本発明に到達したのである。本
発明はゴム状弾性体に芳香族ビニル単量体、メチルメタ
クリレート及びメチルメタクリレートを含まないアルキ
ル(メタ)アクリレートを含む単量体をグラフト重合さ
せて得られるグラフト重合体、あるいは該グラフト重合
体と芳香族ビニル単量体、メチルメタクリレート及びメ
チルメタクリレートを含まないアルキル(メタ)アクリ
レートを含む単量体を共重合させて得られる共重合体と
の混合物からなる熱可塑性樹脂(A)85乃至95重量
%及びガラス繊維5乃至15重量%からなることを特徴
とする多層成形用樹脂組成物である。また該多層成形用
樹脂組成物からなる成形品を基材とし、その基材の一部
あるいは全体を、共役ジエンを含まないゴム状弾性体に
芳香族ビニル単量体及び不飽和ニトリル単量体を含む単
量体をグラフト重合させて得られるグラフト重合体、あ
るいは該グラフト重合体と芳香族ビニル単量体及び不飽
和ニトリル単量体を含む単量体を共重合させて得られる
共重合体との混合物からなる熱可塑性樹脂(B)を被覆
してなることを特徴とする多層成形品である。
【0005】さらにまた、本発明は該熱可塑性樹脂
(A)85乃至95重量%、ガラス繊維4.5乃至1
4.5重量%及び平均粒径1乃至20μmの微粉砕ガラ
ス0.5乃至10重量%からなることを特徴とする多層
成形用樹脂組成物であり、該多層成形用樹脂組成物から
なる成形品を基材とし、その基材の一部あるいは全体を
熱可塑性樹脂(B)で被覆してなることを特徴とする多
層成形品である。本発明の多層成形用樹脂組成物の構成
成分である熱可塑性樹脂(A)は、ゴム状弾性体を分散
粒子成分として含有する共重合した熱可塑性樹脂に於い
て、連続相の構成単位が、芳香族ビニル単量体、メチル
メタクリレート及びメチルメタクリレートを含まないア
ルキル(メタ)アクリレート、更に必要に応じてこれら
と共重合可能な他の単量体からなることを特徴とする。
かかる、熱可塑性樹脂(A)を構成成分とする事によ
り、剛性、温度に対する寸法安定性、耐熱変形性、耐衝
撃性、成形加工性、被覆材である高耐候性樹脂組成物と
の接着性に優れた、本発明の多層成形用樹脂組成物を実
現する事ができたのである。
【0006】以下、本発明における熱可塑性樹脂(A)
を詳細に説明する。先ず、連続相を形成する構成単位に
ついて説明する。芳香族ビニル単量体としては、スチレ
ン、α―メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニル
トルエン、クロルスチレン等が挙げられる。好ましく
は、スチレンである。これら芳香族ビニル単量体は、1
種単独で又は2種以上を混合して使用される。芳香族ビ
ニル単量体の量は20乃至70重量%、好ましくは30
乃至65重量%である。20重量%未満では熱可塑性樹
脂(A)のガラス繊維、微粉砕ガラスとの溶融混練が難
しくなり、また多層成形用樹脂組成物の成形加工性が悪
く好ましくない。一方、70重量%を越えると樹脂組成
物(A)のガラス繊維、微粉砕ガラスとの濡れが悪く、
また多層成形用樹脂組成物の高耐候性樹脂組成物との接
着性が悪く好ましくない。メチルメタクリレートの量は
29.5乃至79.5重量%の範囲である。好ましくは
30乃至70重量%である。29.5重量%未満では、
熱可塑性樹脂(A)のガラス繊維、微粉砕ガラスとの濡
れが悪く、また多層成形用樹脂組成物の高耐候性樹脂組
成物との接着性が悪く好ましくない。一方、79.5重
量%を越える範囲では、多層成形用樹脂組成物の成形加
工性が悪く好ましくない。
【0007】メチルメタクリレートを含まないアルキル
(メタ)アクリレートとしては、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルア
クリレート、2―エチルヘキシルアクリレート、ブチル
メタクリレート等が挙げられる。これらメチルメタクリ
レートを含まないアルキル(メタ)アクリレートは、1
種単独で又は2種以上を混合して使用される。メチルメ
タクリレートを含まないアルキル(メタ)アクリレート
の量は0.5乃至20重量%の範囲である。好ましくは
2乃至17重量%の範囲である。20重量%を越える場
合は、熱可塑性樹脂(A)のガラス繊維、微粉砕ガラス
との溶融混練が難しくなり好ましくない。又、0.5重
量%未満の場合は、多層成形用樹脂組成物の強度が低く
好ましくない。更に、芳香族ビニル単量体、メチルメタ
クリレート及びメチルメタクリレートを含まないアルキ
ル(メタ)アクリレートと複合可能な他の構成単位単量
体としては、アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)
アクリル酸類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリ
ルなどの不飽和ニトリル単量体等が挙げられる。
【0008】構成単位である芳香族ビニル単量体、メチ
ルメタクリレート及びメチルメタクリレートを含まない
アルキル(メタ)アクリレートの重量%は、以下の方法
で測定する。熱可塑性樹脂(A)をメチルエチルケトン
に溶解後、メタノールを加える。遠心分離機で20,0
00rpmで30分処理した後、沈澱物と上澄み液に分
離する。上澄み液に多量のメタノールを加え、共重合し
た熱可塑性樹脂の連続相を沈澱させる。この沈澱物を5
0℃、10mmHgの減圧下で乾燥する。このようにし
て得られたサンプルを用いて、日本分光(株)製、FT
−NMR,JNM−G400を用いて、以下に記す測定
条件で1Hを測定する。
【0009】(1Hの測定条件) パルス幅=8.4μs データーポイント=16384 繰り返し時間=7.559sec ADコンバーター=16bit 積算回数=1000 サンプル濃度=10wt% 溶媒=1,1,2,2−テトラクロロエタン−(d2) サンプル管=5mm 測定温度=120℃
【0010】構成単位、芳香族ビニル単量体のフェニル
基の水素に由来するピークが6.2〜7.4ppmに現
れる。構成単位、メチルメタクリレートの水素に由来す
るピークが3.4〜3.8ppmに現れる。又、構成単
位、メチルメタクリレート及びメチルメタクリレートを
含まないアルキル(メタ)アクリレートのメチル基の水
素に由来するピークが0.2〜1.1ppmに現れる。
ピーク分離操作を行ってピーク面積比より構成単位、芳
香族ビニル単量体、メチルメタクリレート及びメチルメ
タクリレートを含まないアルキル(メタ)アクリレート
(メチルメタクリレートは除く)の重量%を求める。上
記構成単位よりなる連続相の重合度は特に限定されるも
のではないが、多層成形用樹脂組成物の成形加工性を考
慮して、25℃における10重量%トルエン溶液の粘度
で15乃至80cpの領域で、より好ましくは20乃至
70cpの領域で設定することが出来る。なお、上記の
重合度の尺度である10重量%トルエン溶液の粘度は、
オストワルドキャノンフェンスケ粘度管♯350を用い
て25℃の恒温槽で測定する。
【0011】次に、分散相の主成分たるゴム状弾性体に
ついて説明する。かかるゴム状弾性体としては、常温で
ゴム的性質を示すものであればよく、具体的にはポリブ
タジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロ
ニトリルーブタジエン共重合ゴム、ポリアクリル酸ブチ
ル等のアクリル系ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプ
レン、スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム等のブ
ロック共重合体およびそれらの水素添加物等を使用する
ことができる。これらの重合体の中で、好ましくは、ポ
リブタジエン、スチレンーブタジエン共重合ゴム、スチ
レン−ブタジエンブロック共重合ゴムおよびそれらの水
素添加物等が挙げられる。ここでゴム状弾性体の分子量
や分岐度等は限定されるものではない。
【0012】分散相の平均粒子径は特に限定されるもの
ではないが、0.1乃至2.0μmの範囲であることが
好ましく、より好ましくは0.2乃至1.5μmの範囲
である。平均粒子径が0.1μm未満の時は多層成形用
樹脂組成物の耐衝撃性が不足する傾向になる。一方、平
均粒子径が2.0μmを越える場合は弾性率が低くなる
傾向になる。本発明で言う分散相の平均粒子径は特に断
らない限り、分散粒子の数平均粒子径を意味する。分散
粒子の平均粒子径は樹脂の超薄切片法による透過型電子
顕微鏡拡大写真10,000倍を撮影し、写真中の分散
粒子約1000乃至2000個の粒子径を測定し、次式
により求めたものである。 分散粒子の平均粒子径=ΣDi/n Di=i番目の粒子径 n=測定した粒子の数 なお、電子顕微鏡写真に映った分散粒子は完全な円形で
はないので、粒子径の測定は粒子の長軸(a)と短軸
(b)の長さの測定値を用いて次式により算出する。 粒子径={(a)+(b)}/2
【0013】本発明における熱可塑性樹脂(A)中のゴ
ム状弾性体の量は1乃至20重量%である。好ましくは
1乃至15重量%である。ゴム状弾性体の量が1重量%
未満の時は多層成形用樹脂組成物の耐衝撃性が低く好ま
しくない。又、20重量%を越える場合は多層成形用樹
脂組成物の線膨張係数が高く、かつ、弾性率が低く好ま
しくない。ゴム状弾性体の量は、重合時に目標とする量
になるように原材料、重合率を調整することにより達成
できるが、別々に重合した高濃度のゴム状弾性体を含む
グラフト重合体とゴム状弾性体を含まない共重合体と混
合することによっても達成できる。但し、本発明の構成
要件を全て満たすことは当然のことである。
【0014】上記した熱可塑性樹脂(A)におけるグラ
フト重合体は、ゴム状弾性体の存在下に、芳香族ビニル
単量体、メチルメタクリレート及びメチルメタクリレー
トを含まないアルキル(メタ)アクリレートを含む単量
体をグラフト重合させて得ることができる。芳香族ビニ
ル単量体、メチルメタクリレート及びメチルメタクリレ
ートを含まないアルキル(メタ)アクリレートを含む単
量体に加えて、必要に応じてこれらと共重合可能な他の
単量体を併せて使用することができる。熱可塑性樹脂
(A)は、ゴム状弾性体に芳香族ビニル単量体、メチル
メタクリレート及びメチルメタクリレートを含まないア
ルキル(メタ)アクリレートを含む単量体をグラフト重
合させて得られるグラフト重合体のみからなる場合と、
該グラフト重合体と芳香族ビニル単量体、メチルメタク
リレート及びメチルメタクリレートを含まないアルキル
(メタ)アクリレートを含む単量体を共重合させて得ら
れる共重合体との混合物からなる場合とがある。
【0015】芳香族ビニル単量体、メチルメタクリレー
ト及びメチルメタクリレートを含まないアルキル(メ
タ)アクリレートを含む単量体を共重合させて得られる
共重合体は、グラフト重合体を製造する過程で生成した
ものであったり、あるいはグラフト重合体の製造とは別
の過程で製造したものであってもよい。ゴム状弾性体の
割合の高いグラフト重合体をまず製造し、その後、芳香
族ビニル単量体およびメチルメタクリレート及びメチル
メタクリレートを含まないアルキル(メタ)アクリレー
トを含む単量体からなる共重合体を混合して熱可塑性樹
脂(A)としてもよい。グラフト重合体及び共重合体の
製造方法としては、特に限定はされず、乳化重合、懸濁
重合、塊状重合、溶液重合、およびこれらの重合法の組
み合わせ等の方法がある。
【0016】本発明における熱可塑性樹脂(A)中の芳
香族ビニル単量体、メチルメタクリレート及びメチルメ
タクリレートを含まないアルキル(メタ)アクリレート
を含む単量体、重合溶媒の総量は0.15重量%以下、
好ましくは0.1重量%以下である。0.15重量%を
越える場合は環境衛生上好ましくない。又、これら三種
の単量体から作られる二量体、三量体の総量は0.8重
量%以下、好ましくは0.7重量%以下、より好ましく
は0.6重量%以下である。これら低分子量化合物の総
量が0.8重量%を越える場合は成形加工時に金型付着
物の原因となり好ましくない。一方、本発明における熱
可塑性樹脂(A)には合成樹脂に用いられる種々の添加
剤、例えば酸化防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤、帯電防
止剤、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン類等が添
加されていても良い。
【0017】本発明における熱可塑性樹脂(A)を得る
には、ゴム補強ポリスチレン(以下HIPSと称す)の
製造で多用されている方法を用いることが出来る。例え
ば、ゴム状弾性体をスチレン単量体、メチルメタアクリ
レート及びメチルメタクリレートを含まないアルキル
(メタ)アクリレート、重合溶媒及び重合開始剤からな
る原料溶液に溶解し、このゴム状弾性体が溶解した原料
溶液を攪拌機付反応機に供給し重合を行う。この時、重
合溶媒としてエチルベンゼン、トルエン、キシレン等を
用いることが可能である。又、重合開始剤として有機過
酸化物を用いることが可能である。
【0018】重合方法はHIPSの製法で常用されてい
る塊状重合法、溶液重合法が用いられる。又、回分式重
合法、連続式重合法いずれの方法も用いることができ
る。分散粒子の粒子径の制御は一般的に行われている方
法、攪拌羽根の回転数を変化させることにより制御す
る。又、必要に応じて重合途中に単量体を添加するか、
あるいは連続的に追添加する。重合開始剤を途中添加し
てもよい。反応機を出た重合溶液は回収装置に導かれ
る。回収装置はHIPSの製造で常用されている装置、
例えばフラシュタンクシステム、多段ベント付き押出機
等を用いることができる。操作条件もHIPSの製造と
同等の条件を用いることが出来る。未反応単量体及び重
合溶媒を回収する前又は後の任意の段階で、前記したH
IPSに慣用の種々の添加剤を添加できる。
【0019】引き続き、本発明の多層成形用樹脂組成物
の他の構成成分であるガラス繊維及び微粉砕ガラスを詳
細に説明する。本発明におけるガラス繊維は、ガラス溶
融炉から繊維状に引き出され、バインダーが塗布された
後所定の長さにカットされたものである。ガラス繊維の
ガラスの種類としては、Aガラス(一般用アルカリガラ
ス)、Cガラス(化学用耐酸ガラス)、Dガラス(低密
度ガラス)、Eガラス(ホウ珪酸ガラス)、Sガラス
(高密度ガラス)、YM―31A(高弾性ガラス)等が
ある。
【0020】又、本発明における微粉砕ガラスは、ガラ
ス又はガラス繊維を粉砕し、篩い分けして得られるもの
である。微粉砕ガラス又はガラス繊維のガラスの種類と
しては、Aガラス(一般用アルカリガラス)、Cガラス
(化学用耐酸ガラス)、Dガラス(低密度ガラス)、E
ガラス(ホウ珪酸ガラス)、Sガラス(高密度ガラ
ス)、YM―31A(高弾性ガラス)等がある。微粉砕
ガラスの平均粒子径は1乃至20μm、好ましくは2乃
至20μmである。1μm未満のものは工業的に入手が
困難であり、一方、20μmを越えるものは成形品表面
外観が悪くなり好ましくない。本発明の多層成形用樹脂
組成物を構成するガラス繊維の量は、ガラス繊維が単独
で配合される場合、5乃至15重量%、好ましくは5乃
至13重量%である。5重量%より低いと、多層成形用
樹脂組成物の線膨張係数が高く好ましくない。又、15
重量%を越えると成形品表面外観が悪く好ましくない。
【0021】もう一つの本発明の多層成形用樹脂組成物
である、ガラス繊維と微粉砕ガラスが複合して配合され
る場合、ガラス繊維の量は4.5乃至14.5重量%、
好ましくは4.5乃至12重量%、微粉砕ガラスの量は
0.5乃至10重量%、好ましくは3乃至10重量%で
ある。微粉砕ガラスを配合する利点は成形品表面外観の
良さにある。ガラス繊維と微粉砕ガラスを併用すること
により、多層成形用樹脂組成物の成形品表面外観と線膨
張係数とのバランスがより優れて好ましい。微粉砕ガラ
スの量も10重量%を越えると、多層成形用樹脂組成物
成形品表面外観は良いものの線膨張係数が高めになり、
好ましくない。
【0022】本発明の多層成形用樹脂組成物は熱可塑性
樹脂(A)とガラス繊維又はガラス繊維及び微粉砕ガラ
スとを溶融混練することによって得られる。溶融混練す
る方法は特に制約がなく、公知の方法を用いることがで
きる。例えば単軸押出機、二軸押出機、加圧ニーダー、
バンバリーミキサー等が公知であるが、単軸押出機、二
軸押出機が好ましく用いられる。共重合した熱可塑性樹
脂をホッパーフィーダーから押出機に供給し、ガラス繊
維又はガラス繊維及び微粉砕ガラスをスクリューフィー
ダーで押出機の中間に供給する方法がさらに好ましく用
いられる。本発明はまた、上記の多層成形用樹脂組成物
からなる成形品を基材とし、その一部あるいは全体を高
耐候性樹脂組成物で被覆してなる多層成形品である。
【0023】本発明における該成形品基材の一部あるい
は全体を被覆する高耐候性樹脂組成物は、共役ジエンを
含まないゴム状弾性体に芳香族ビニル単量体及び不飽和
ニトリル単量体を含む単量体をグラフト重合させて得ら
れるグラフト重合体、あるいは該グラフト重合体と芳香
族ビニル単量体及び不飽和ニトリル単量体を含む単量体
を共重合させて得られる共重合体との混合物からなる熱
可塑性樹脂(B)を主体とする。共役ジエンを含まない
ゴム状弾性体としては、エチレン−α−オレフィン系共
重合体、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合
体、シリコーン系ゴム及びポリアクリル酸ブチル等のア
クリル系ゴムがあるが、好ましくはエチレン−α−オレ
フィン系共重合体及び又はエチレン−α−オレフィン−
ポリエン共重合体である(エチレン−α−オレフィン系
共重合体及び/又はエチレン−α−オレフィン−ポリエ
ン共重合体を用いた前記熱可塑性樹脂(B)を以下AE
Sと称す)。
【0024】エチレン−α−オレフィン系共重合体、エ
チレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体におけるα
−オレフィンは、炭素数3〜20の不飽和炭化水素化合
物であり、具体例としては、プロピレン、ブテン−1、
ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、4−メチ
ルブテン−1などが挙げられる。また、エチレン−α−
オレフィン−ポリエン共重合体の不飽和基は、ヨウ素価
に換算して4〜40の範囲が好ましい。用いられるジエ
ンの種類は、アルケニルノルボルネン類、環状ジエン
類、脂肪族ジエン類であり、好ましくは5−エチリデン
−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンである。以
上のゴム状弾性体は、1種単独で又は2種以上を混合し
て使用される。芳香族ビニル単量体、不飽和ニトリル単
量体及びこれらと共重合可能な他の単量体としてアルキ
ル(メタ)アクリレート(メチルメタクリレートを含
む)、(メタ)アクリル酸類は前出のものが用いられ、
それぞれ一種以上を混合して使用される。
【0025】本発明における高耐候性樹脂組成物は、熱
可塑性樹脂(B)と紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止
剤、滑剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤、ポリジメチル
シロキサン等のシリコーン類等の添加剤とからなる。多
層成形用樹脂組成物からなる成形品を基材とし、その基
材の一部あるいは全体を高耐候性樹脂組成物で被覆して
なる多層成形品の製造方法は、合成樹脂の多層成形品の
製造に一般的に用いられている公知の方法、例えば射出
成形、ブロウ成形、押出成形、圧縮成形等を用いること
ができる。射出成形の場合は複数の射出ユニットを備え
た成形機による多色成形等の手法がある。押出成形の場
合は基材を押し出す主押出機と被覆材を押し出す副押出
機を備えた設備による多層成形等の手法がある。なかん
ずく押出成形法が本発明の特徴を発揮して好ましい。
【0026】本発明によれば、多層成形用樹脂組成物と
高耐候性樹脂組成物を溶融時接合するだけで充分な界面
接着力を有する多層成形品が得られる。つまり本発明に
おいては、多層成形品を得る場合に、通常用いる接着剤
を必要としないのである。このことも本発明の大きな特
徴である。本発明の多層成形品は、熱伸縮による変形が
少なく、耐衝撃性、耐候性に優れ、外回り建材としての
高い実用性に特徴がある。多層成形品の形状、用途につ
いては特に制限はないが、上記特徴を生かし雨樋の他、
破風、胴差、エアコンダクト化粧カバー、竹垣、フェン
ス、ラティス、プランター等にも好適に用いられる。特
に雨樋においては軒樋、竪樋といった長尺物だけでな
く、漏斗、曲がり、止まり等の役物にも用いることがで
きる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明をさ
らに説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以
下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中
の物性測定の方法は以下のとおりである。 曲げ弾性率:試験片は、射出成形により作成した。測定
は、ASTMD790に準拠しておこなった。 線膨張係数:試験片は、射出成形、切り出しにより作成
した。測定前にアニーリング(80℃、3min)を行
った。測定は、パーキンエルマー(株)製、TMAを用
いた。−20℃から90℃まで、昇温速度5℃/min
で行った。
【0028】アイゾット衝撃値:試験片は、射出成形、
ノッチ加工により作成した。測定は、ASTMD256
に準拠しておこなった。 耐熱変形性:試験片は、40mm異型押出機を用い、幅
40mm、厚さ2mmの平板を押出成形する事により作
成した。スパン50cmで拘束して−30℃〜70℃の
冷熱サイクルを与えた後、変形を目視により、測定し
た。 O;変化なし X;変形あり
【0029】AES接着性:多層押出成形用樹脂組成物
の試験片は、40mm異型押出機を用い、幅40mm、
厚さ2mmの平板を押出成形する事により作成した。A
ESの試験片は、20mmシート押出機を用い、厚さ
0.3mmのAESシートを押出成形する事により作成
した。多層押出成形用樹脂組成物の試験片(平板)の上
にAESの試験片(シート)重ね、コンプレッション成
形機を用い、加熱圧縮(150℃、30sec)する事
により熱融着させた後、冷却した。状態調節(23℃、
24hrs)した後、AESのシートを多層押出成形用
樹脂組成物の平板から剥離する測定を行った。 O;界面剥離しない X;界面剥離する表面外
観:試験片は、40mm異型押出機を用い、幅40m
m、厚さ2mmの平板を押出成形する事により作成し
た。昼間の室内で、60cm離れた平板の表面を目視に
て測定した。 O;平滑で奇麗 X;凸凹で醜い
【0030】<熱可塑性樹脂(A)の製造> (熱可塑性樹脂(A)−1)攪拌機を備えた反応機2基
を直列連結し、その後に二段ベント付き二軸押出機を配
置した重合装置を用いて熱可塑性樹脂(A)を製造し
た。スチレン46重量部、メチルメタクリレート38.
5重量部、ブチルアクリレート6重量部、ゴム状弾性体
としてスチレン含有量が35重量%であるスチレン−ブ
タジエンブロック共重合ゴム9.5重量部、エチルベン
ゼン2.8重量部、1,1ビス(t−ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン0.01重量部からなる原料溶液を
反応機に供給し、130℃、150℃の重合温度で反応
液の固形分が80重量%になるまで重合した。得られた
熱可塑性樹脂(A)の連続相の構成単位、即ち芳香族ビ
ニル単量体、メチルメタクリレート及びメチルメタクリ
レートを含まないアルキル(メタ)アクリレートはそれ
ぞれ、54重量%、41重量%及び5重量%であった。
又、熱可塑性樹脂(A)中のゴム状弾性体の量は計算上
12重量%である。
【0031】<熱可塑性樹脂(A)の製造> (熱可塑性樹脂(A)−2)攪拌機を備えた反応機2基
を直列連結し、その後に二段ベント付き二軸押出機を配
置した重合装置を用いて熱可塑性樹脂(A)を製造し
た。スチレン45重量部、メチルメタクリレート40重
量部、ブチルアクリレート6重量部、ゴム状弾性体とし
てスチレン含有量が30重量%であるスチレン−ブタジ
エンブロック共重合ゴム9重量部、エチルベンゼン2.
8重量部、1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロ
ヘキサン0.01重量部からなる原料溶液を反応機に供
給し、130℃、150℃の重合温度で反応液の固形分
が80重量%になるまで重合した。得られた熱可塑性樹
脂(A)の連続相の構成単位、芳香族ビニル単量体、メ
チルメタクリレート及びメチルメタクリレートを含まな
いアルキル(メタ)アクリレートはそれぞれ、50重量
%、43重量%及び7重量%であった。又、熱可塑性樹
脂(A)中のゴム状弾性体の量は計算上11重量%であ
る。
【0032】(実施例1〜6)、(比較例1〜8) 次の表1、表2に示す割合で、熱可塑性樹脂(A)等の
合成樹脂とガラス繊維等の充填材を計量、混合し、40
mm単軸押出機で溶融混練、造粒した。実施例及び比較
例で用いたガラス繊維は、日本板硝子(株)製、チョプ
ドストランド、RES03―TP14である。実施例5
及び実施例6で用いた微粉砕ガラスは、日本板硝子
(株)製、アモルクリン,P―10である。
【0033】実施例及び比較例で用いたAES(エチレ
ン−α−オレフィン系共重合体及び/又はエチレン−α
−オレフィン−ポリエン共重合体を用いた前記熱可塑性
樹脂(B))は、テクノポリマー(株)製、テクノAE
S,W210である。比較例1で用いたHIPS(共役
ジエン系ゴム粒子を分散相とし芳香族ビニル単量体のみ
からなる重合体を連続相とする熱可塑性樹脂)は、エー
・アンド・エムスチレン(株)製、A&Mポリスチレ
ン,475Dである。比較例2及び比較例3で用いたP
Pは、日本ポリケム(株)製、ノバテックPP,EA8
である。
【0034】比較例4に記載するPVCは、下記の配合
物である。 塩化ビニル樹脂:中央塩ビ(株)製、P1000 81重量部 可塑剤:花王(株)製、ビニサイザー80 2.4重量部 強化剤:三菱レイヨン(株)製、メタブレンC323A 14重量部 安定剤:三共有機合成(株)製、StannBMN 2.6重量部 比較例4で用いた炭カルは、竹原化学(株)製、炭酸カ
ルシウムである。比較例5及び比較例6で用いたタルク
は、関東ベントナイト鉱業(株)製、SP−GBであ
る。
【0035】物性測定結果を(表1、表2)に示す。表
1に示す実施例1乃至6は、請求の範囲に示す、熱可塑
性樹脂(A)、ガラス繊維及び微粉砕ガラスからなる多
層成形用樹脂組成物であり、高い曲げ弾性率、小さい線
膨張係数及び高いアイゾット衝撃強度を併せもち、且つ
耐熱変形性、AESとの接着性及び成形品表面外観に優
れる。
【0036】表2に示す比較例1及び2は、本発明にお
ける、熱可塑性樹脂(A)に代えて、代表的な汎用合成
樹脂であるHIPS、PPをそれぞれ用いた樹脂組成物
である。比較例1はAESとの接着性が不良である。比
較例2は曲げ弾性率、線膨張係数及びAESとの接着性
が本発明の目的に照らし不十分である。表2に示す比較
例3はPPと多量のガラス繊維からなる樹脂組成物であ
る。曲げ弾性率、線膨張係数及びアイゾット衝撃強度に
は満足できるが、AESとの接着性及び成形品表面外観
が不良で満足できない。表2に示す比較例4は雨樋材料
として多用されてきたPVC系樹脂組成物である。耐熱
変形性が低く、又前記したように、廃棄処分における焼
却問題があり好ましくない。表2に示す比較例5及び6
は、本発明多層成形用樹脂組成物の構成成分、ガラス繊
維及び微粉砕ガラスに代えて、汎用の充填材であるタル
クを用いた樹脂組成物である。いずれも、小さい線膨張
係数と高いアイゾット衝撃強度を併せ持つ事が出来ない
ことを示している。表2に示す比較例7は本発明の多層
成形用樹脂組成物の構成成分であるガラス繊維及び微粉
砕ガラスを含有しない樹脂組成物である。曲げ弾性率が
低く、線膨張係数が大きく満足できるものではない。表
2に示す比較例8は請求の範囲を外れた、ガラス繊維含
有量の多い樹脂組成物である。成形品表面外観が不良で
ある。
【0037】上記したように、本発明の多層成形用樹脂
組成物は剛性、温度変化に対する寸法安定性、耐衝撃性
及び耐熱変形性に優れ、又接着剤なしでAESとの優れ
た接着性が得られ、成形品表面外観も良好である。した
がって、本発明の多層成形品は上記特性に加え優れた耐
候性を有し、雨樋を代表とする外回り建材に好適に用い
られる。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】以上述べたことから明らかな様に、本発
明によれば、剛性、温度変化に対する寸法安定性、耐衝
撃性及び耐熱変形性に優れ、又接着剤なしで耐候性組成
物(AES)との優れた接着性が得られ、成形品表面外
観も良好であり、熱収縮による変形が少なく、耐衝撃性
に優れた多層成形用樹脂組成物、および該組成物を基材
として耐候性組成物(AES)を被覆してなる多層成形
体を提供することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年1月12日(2001.1.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 多層成形用樹脂組成物及
層成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 25/14 C08L 25/14 E04D 13/064 501 E04D 13/064 501J Fターム(参考) 4F100 AG00A AK01A AK01B AK01C AK07 AK11 AK11A AK11B AK11C AK12 AK25A AK27B AK27C AK28H AK62 AK75 AL01A AL01B AL01C AL04A AL04B AL04C AL05A AL05B AL05C AN00A AN00B AN00C AT00A BA02 BA03 BA06 BA07 BA10B BA10C DC21 DE01 DE01A DG01A GB07 JB16A JB16B JB16C JJ03 JK07A JK07B JK07C JK10 JL04 JL09B JL09C YY00A 4J002 BC07X BN12W BN16W BN21W DL006 DL007 FA046 FD016 GF00 GL00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状弾性体に芳香族ビニル単量体、メ
    チルメタクリレート及びメチルメタクリレートを含まな
    いアルキル(メタ)アクリレートを含む単量体をグラフ
    ト重合させて得られるグラフト重合体、あるいは該グラ
    フト重合体と芳香族ビニル単量体、メチルメタクリレー
    ト及びメチルメタクリレートを含まないアルキル(メ
    タ)アクリレートを含む単量体を共重合させて得られる
    共重合体との混合物からなる熱可塑性樹脂(A)85乃
    至95重量%及びガラス繊維5乃至15重量%からなる
    ことを特徴とする多層成形用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多層成形用樹脂組成物か
    らなる成形品を基材とし、その基材の一部あるいは全体
    を、共役ジエンを含まないゴム状弾性体に芳香族ビニル
    単量体及び不飽和ニトリル単量体を含む単量体をグラフ
    ト重合させて得られるグラフト重合体、あるいは該グラ
    フト重合体と芳香族ビニル単量体及び不飽和ニトリル単
    量体を含む単量体を共重合させて得られる共重合体との
    混合物からなる熱可塑性樹脂(B)を主体とする高耐候
    性樹脂組成物で被覆してなることを特徴とする多層成形
    品。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の多層成形品からなること
    を特徴とする雨樋。
  4. 【請求項4】 ゴム状弾性体に芳香族ビニル単量体、メ
    チルメタクリレート及びメチルメタクリレートを含まな
    いアルキル(メタ)アクリレートを含む単量体をグラフ
    ト重合させて得られるグラフト重合体、あるいは該グラ
    フト重合体と芳香族ビニル単量体、メチルメタクリレー
    ト及びメチルメタクリレートを含まないアルキル(メ
    タ)アクリレートを含む単量体を共重合させて得られる
    共重合体との混合物からなる熱可塑性樹脂(A)85乃
    至95重量%、ガラス繊維4.5乃至14.5重量%及
    び平均粒径1乃至20μmの微粉砕ガラス0.5乃至1
    0重量%からなることを特徴とする多層成形用樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の多層成形用樹脂組成物か
    らなる成形品を基材とし、その基材の一部あるいは全体
    を、共役ジエンを含まないゴム状弾性体に芳香族ビニル
    単量体及び不飽和ニトリル単量体を含む単量体をグラフ
    ト重合させて得られるグラフト重合体、あるいは該グラ
    フト重合体と芳香族ビニル単量体及び不飽和ニトリル単
    量体を含む単量体を共重合させて得られる共重合体との
    混合物からなる熱可塑性樹脂(B)を主体とする高耐候
    性樹脂組成物で被覆してなることを特徴とする多層成形
    品。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の多層成形品からなること
    を特徴とする雨樋。
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