JP2002205902A - 抗菌処理方法および抗菌効果のモニタリング方法 - Google Patents
抗菌処理方法および抗菌効果のモニタリング方法Info
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- JP2002205902A JP2002205902A JP2001001427A JP2001001427A JP2002205902A JP 2002205902 A JP2002205902 A JP 2002205902A JP 2001001427 A JP2001001427 A JP 2001001427A JP 2001001427 A JP2001001427 A JP 2001001427A JP 2002205902 A JP2002205902 A JP 2002205902A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 対象系の微生物相に応じて最適な工業用抗菌
剤を短時間で選定して抗菌処理することができる抗菌処
理方法を提案する。 【解決手段】 工業用抗菌剤を使用して抗菌処理する方
法において、工業用抗菌剤を適用する対象系から微生物
を含む試料を採取し、この試料の微生物相をDNAの塩基
配列に基づいて解析し、微生物に対する工業用抗菌剤の
有効濃度のデータが蓄積されているデータベースを検索
し、前記試料の微生物相、優占微生物または特定微生物
に対して有効濃度が入力されている工業用抗菌剤を抽出
し、この中から工業用抗菌剤を選定して使用する抗菌処
理方法。
剤を短時間で選定して抗菌処理することができる抗菌処
理方法を提案する。 【解決手段】 工業用抗菌剤を使用して抗菌処理する方
法において、工業用抗菌剤を適用する対象系から微生物
を含む試料を採取し、この試料の微生物相をDNAの塩基
配列に基づいて解析し、微生物に対する工業用抗菌剤の
有効濃度のデータが蓄積されているデータベースを検索
し、前記試料の微生物相、優占微生物または特定微生物
に対して有効濃度が入力されている工業用抗菌剤を抽出
し、この中から工業用抗菌剤を選定して使用する抗菌処
理方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗菌処理方法および
抗菌効果のモニタリング方法に関する。さらに詳しく
は、DNAの塩基配列に基づいて対象系の微生物相を解析
し、この微生物相に最適な工業用抗菌剤(以下、単に抗
菌剤という場合がある)をデータベース(以下、抗菌剤
検索データベースという場合がある)から選定して使用
する抗菌処理方法および抗菌効果のモニタリング方法に
関する。
抗菌効果のモニタリング方法に関する。さらに詳しく
は、DNAの塩基配列に基づいて対象系の微生物相を解析
し、この微生物相に最適な工業用抗菌剤(以下、単に抗
菌剤という場合がある)をデータベース(以下、抗菌剤
検索データベースという場合がある)から選定して使用
する抗菌処理方法および抗菌効果のモニタリング方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】スライムコントロール剤や防腐剤などの
工業用抗菌剤を使用する対象系は微生物学的基質条件か
らみても環境条件からみても非常に広い範囲にあるた
め、出現する微生物の種類は非常に多種類にわたるもの
と考えられている。例えば、製紙工程の白水系はpH条
件が酸性の抄紙機から弱アルカリ性のものまであり、ま
た温度条件も冬季は15℃程度になるところから、加温
により50℃程度まで昇温するところまである。防腐剤
の対象系もpHが酸性のものからアルカリ性のものまで
あり、温度条件は20〜70℃の広い範囲にわたってい
る。
工業用抗菌剤を使用する対象系は微生物学的基質条件か
らみても環境条件からみても非常に広い範囲にあるた
め、出現する微生物の種類は非常に多種類にわたるもの
と考えられている。例えば、製紙工程の白水系はpH条
件が酸性の抄紙機から弱アルカリ性のものまであり、ま
た温度条件も冬季は15℃程度になるところから、加温
により50℃程度まで昇温するところまである。防腐剤
の対象系もpHが酸性のものからアルカリ性のものまで
あり、温度条件は20〜70℃の広い範囲にわたってい
る。
【0003】このように抗菌剤を使用する対象系の環境
条件は広い範囲で個々に異なるから、そこに出現する微
生物の種類も個々に異なっているものと考えられてい
る。対象系の環境条件は抗菌剤の効力に対しても影響を
与えるので、個々の対象系に適用する抗菌剤を選定する
に当たっては、対象系に存在する微生物の種類および量
(微生物相)、ならびに環境条件に適合したものを選定
する必要がある。抗菌剤の選定を誤ると、期待した抗菌
効果が得られないばかりでなく、多量の抗菌剤をいたず
らに自然環境に流出させ、想定外の環境破壊を招かない
とも限らないからである。
条件は広い範囲で個々に異なるから、そこに出現する微
生物の種類も個々に異なっているものと考えられてい
る。対象系の環境条件は抗菌剤の効力に対しても影響を
与えるので、個々の対象系に適用する抗菌剤を選定する
に当たっては、対象系に存在する微生物の種類および量
(微生物相)、ならびに環境条件に適合したものを選定
する必要がある。抗菌剤の選定を誤ると、期待した抗菌
効果が得られないばかりでなく、多量の抗菌剤をいたず
らに自然環境に流出させ、想定外の環境破壊を招かない
とも限らないからである。
【0004】こうした広範な対象系(適用分野)に対応
するため、性質の異なる多種類の抗菌剤を準備してお
き、個々の対象系毎に最適の抗菌剤を選定できる工夫が
なされている。しかし、準備する抗菌剤の種類が増える
と、個々に異なる条件に最も適した抗菌剤を選定する技
術が重要になってきている。
するため、性質の異なる多種類の抗菌剤を準備してお
き、個々の対象系毎に最適の抗菌剤を選定できる工夫が
なされている。しかし、準備する抗菌剤の種類が増える
と、個々に異なる条件に最も適した抗菌剤を選定する技
術が重要になってきている。
【0005】従来、ある対象系に抗菌剤を適用しようと
する場合、対象系から微生物試料を採取し、実験室に持
ち帰った後できるだけ多く種類の抗菌剤について、その
効力を殺菌試験、増殖抑制試験および菌数測定などによ
って相対比較し、その試験結果に基づいて抗菌剤の種類
を決定することが多かった。しかし、こうした従来の方
法では短期間に全ての抗菌剤について試験を実施するこ
とは人手と時間の制約から不可能であり、通常限られた
抗菌剤について限られた試験濃度で試験した結果から抗
菌剤を選定せざるを得ないという問題点があった。
する場合、対象系から微生物試料を採取し、実験室に持
ち帰った後できるだけ多く種類の抗菌剤について、その
効力を殺菌試験、増殖抑制試験および菌数測定などによ
って相対比較し、その試験結果に基づいて抗菌剤の種類
を決定することが多かった。しかし、こうした従来の方
法では短期間に全ての抗菌剤について試験を実施するこ
とは人手と時間の制約から不可能であり、通常限られた
抗菌剤について限られた試験濃度で試験した結果から抗
菌剤を選定せざるを得ないという問題点があった。
【0006】また従来の方法では、培養可能な微生物の
試験結果にのみ基づいて抗菌剤が選定されているという
問題点がある。すなわち抗菌剤が適用される対象系には
培地で分離培養できない微生物(いわゆるnon-culturab
le microorganisims)も多数存在することが知られてい
るが、こうした分離培養できない微生物が優占種の対象
系においては、培養という操作を含む試験結果に基づい
て選定した抗菌剤が必ずしも最適な抗菌剤であるとは限
らない。このように従来の方法では、対象系の微生物相
が不明なために、必ずしも最適の抗菌剤を選定したかど
うかがはっきりせず、抗菌剤の選定とその使用方法の決
定は多くを経験に頼らざるを得ないのが実状である。
試験結果にのみ基づいて抗菌剤が選定されているという
問題点がある。すなわち抗菌剤が適用される対象系には
培地で分離培養できない微生物(いわゆるnon-culturab
le microorganisims)も多数存在することが知られてい
るが、こうした分離培養できない微生物が優占種の対象
系においては、培養という操作を含む試験結果に基づい
て選定した抗菌剤が必ずしも最適な抗菌剤であるとは限
らない。このように従来の方法では、対象系の微生物相
が不明なために、必ずしも最適の抗菌剤を選定したかど
うかがはっきりせず、抗菌剤の選定とその使用方法の決
定は多くを経験に頼らざるを得ないのが実状である。
【0007】ところで、微生物相の解析方法としては、
微生物を形態学的−生理学的特徴によって区分する古典
的な同定方法があるが、この方法は熟練した微生物同定
の専門家でなければ正しい結果を得ることが困難であ
り、また熟練者がかかりきりで実施しても1対象系の微
生物相解析に1か月以上の長期間を要することから、特
別な研究目的以外では行われていない。したがって、微
生物相の古典的な同定方法を日常の抗菌剤選定に利用す
ることは実質的に不可能である。
微生物を形態学的−生理学的特徴によって区分する古典
的な同定方法があるが、この方法は熟練した微生物同定
の専門家でなければ正しい結果を得ることが困難であ
り、また熟練者がかかりきりで実施しても1対象系の微
生物相解析に1か月以上の長期間を要することから、特
別な研究目的以外では行われていない。したがって、微
生物相の古典的な同定方法を日常の抗菌剤選定に利用す
ることは実質的に不可能である。
【0008】一方、微生物相を7〜15日間の短期間で
同定することができる迅速同定キットが市販されてい
る。しかし、このような同定キットは主として医療用に
開発されたものであり、これを工業用抗菌剤の使用対象
系に応用した場合、正しい微生物同定ができにくいとい
う問題点がある。またこれらの同定キットは培養可能な
微生物にしか適用できず、対象系の優占微生物が培地で
分離培養できない微生物の場合は間違った知見が得られ
るという問題点がある。以上の状況から、抗菌処理を行
う場合、短時間でしかも正確に対象系の微生物相を把握
し、微生物相および対象系の環境条件に適した抗菌剤を
選定する必要がある。
同定することができる迅速同定キットが市販されてい
る。しかし、このような同定キットは主として医療用に
開発されたものであり、これを工業用抗菌剤の使用対象
系に応用した場合、正しい微生物同定ができにくいとい
う問題点がある。またこれらの同定キットは培養可能な
微生物にしか適用できず、対象系の優占微生物が培地で
分離培養できない微生物の場合は間違った知見が得られ
るという問題点がある。以上の状況から、抗菌処理を行
う場合、短時間でしかも正確に対象系の微生物相を把握
し、微生物相および対象系の環境条件に適した抗菌剤を
選定する必要がある。
【0009】微生物相の解析手段については最近になっ
て、微生物のリボゾームRNA(以下、rRNAという)をエ
ンコードするDNA(以下、rDNAという)の塩基配列の違
いを利用した様々な方法が開発され、コロニーを形成で
きない細菌類(non-culturable bacteria)を含めて短
時間に微生物相を明らかにできるようになった。しかし
ながら、このようにして調べた微生物相と、各抗菌剤の
効力、対象系の栄養条件、環境条件といった複数の情報
とを組み合わせて、個々の対象系に最も適した抗菌剤を
選定する方法はこれまで知られていない。
て、微生物のリボゾームRNA(以下、rRNAという)をエ
ンコードするDNA(以下、rDNAという)の塩基配列の違
いを利用した様々な方法が開発され、コロニーを形成で
きない細菌類(non-culturable bacteria)を含めて短
時間に微生物相を明らかにできるようになった。しかし
ながら、このようにして調べた微生物相と、各抗菌剤の
効力、対象系の栄養条件、環境条件といった複数の情報
とを組み合わせて、個々の対象系に最も適した抗菌剤を
選定する方法はこれまで知られていない。
【0010】ところで、適用した抗菌剤の効果は、同じ
抗菌剤を長期間使用し続けていると環境条件の微小な変
化や微生物が薬剤抵抗性を獲得するなどして、抗菌効果
が急激に変化する現象が知られている。このため、抗菌
剤適用後は期待した通りの効果が継続して発揮されてい
るかどうかを定期的に監視する必要がある。この目的の
ために従来は、シャットダウン直後に系内の汚れ状況を
観察したり、寒天平板法を利用して対象系の生菌数測定
などを行って判断する方法が採用されている。
抗菌剤を長期間使用し続けていると環境条件の微小な変
化や微生物が薬剤抵抗性を獲得するなどして、抗菌効果
が急激に変化する現象が知られている。このため、抗菌
剤適用後は期待した通りの効果が継続して発揮されてい
るかどうかを定期的に監視する必要がある。この目的の
ために従来は、シャットダウン直後に系内の汚れ状況を
観察したり、寒天平板法を利用して対象系の生菌数測定
などを行って判断する方法が採用されている。
【0011】しかし上記従来の監視方法では、抗菌剤の
効力変化が薬剤抵抗性菌の出現によるものなのか、単に
薬剤量が不足したためなのかといった原因を明らかにす
ることはできない。そこで抗菌剤適用後に微生物相変化
の面からモニタリング可能な工業用抗菌剤の効果監視方
法が求められている。
効力変化が薬剤抵抗性菌の出現によるものなのか、単に
薬剤量が不足したためなのかといった原因を明らかにす
ることはできない。そこで抗菌剤適用後に微生物相変化
の面からモニタリング可能な工業用抗菌剤の効果監視方
法が求められている。
【0012】また、抗菌剤を使用しても障害が発生した
場合や、長期間にわたり同一の抗菌剤を適用していて急
激にその効果が低下した場合などは、直ちにその原因を
明らかにして迅速な解決を図る必要がある。しかしなが
ら従来は、障害発生の原因を迅速かつ的確に知る方法が
なく、試行錯誤によって対応策を工夫する以外に方法が
なかった。そこで、こうした緊急の場合にも対応できる
科学的な原因究明と的確な処理方法の決め方が求められ
ている。
場合や、長期間にわたり同一の抗菌剤を適用していて急
激にその効果が低下した場合などは、直ちにその原因を
明らかにして迅速な解決を図る必要がある。しかしなが
ら従来は、障害発生の原因を迅速かつ的確に知る方法が
なく、試行錯誤によって対応策を工夫する以外に方法が
なかった。そこで、こうした緊急の場合にも対応できる
科学的な原因究明と的確な処理方法の決め方が求められ
ている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、対象
系の微生物相に応じて最適な工業用抗菌剤を短時間で選
定して効率よく抗菌処理することができる抗菌処理方法
を提案することである。本発明の他の課題は、抗菌剤の
効果が発揮されているかどうかを短時間で簡単に、かつ
的確に把握することができる抗菌効果のモニタリング方
法を提案することである。
系の微生物相に応じて最適な工業用抗菌剤を短時間で選
定して効率よく抗菌処理することができる抗菌処理方法
を提案することである。本発明の他の課題は、抗菌剤の
効果が発揮されているかどうかを短時間で簡単に、かつ
的確に把握することができる抗菌効果のモニタリング方
法を提案することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】従来の古典的な微生物同
定方法によっては抗菌剤使用対象系の微生物相の解析を
することができず、したがって対象系の微生物相に応じ
た抗菌剤の選定は事実上できなかった。そこで経験主義
的な従来法に代わる方法として、本発明者らはDNAの塩
基配列による微生物相の解析が短時間ででき、しかも培
地で分離培養できない微生物であっても解析可能である
ことに着目し、これと各微生物に対して行った抗菌試験
結果、および抗菌剤処理をした対象系の処理実績データ
とを有機的に組み合わせることにより、微生物相に応じ
て適切な抗菌剤を選定することができる抗菌処理方法を
完成した。また抗菌剤をある対象系に適用した後は、系
内の微生物相変化を監視することによって抗菌剤効果を
モニタリングし、必要に応じて抗菌剤の種類を変更する
方法を完成した。
定方法によっては抗菌剤使用対象系の微生物相の解析を
することができず、したがって対象系の微生物相に応じ
た抗菌剤の選定は事実上できなかった。そこで経験主義
的な従来法に代わる方法として、本発明者らはDNAの塩
基配列による微生物相の解析が短時間ででき、しかも培
地で分離培養できない微生物であっても解析可能である
ことに着目し、これと各微生物に対して行った抗菌試験
結果、および抗菌剤処理をした対象系の処理実績データ
とを有機的に組み合わせることにより、微生物相に応じ
て適切な抗菌剤を選定することができる抗菌処理方法を
完成した。また抗菌剤をある対象系に適用した後は、系
内の微生物相変化を監視することによって抗菌剤効果を
モニタリングし、必要に応じて抗菌剤の種類を変更する
方法を完成した。
【0015】すなわち本発明は次の抗菌処理方法および
抗菌効果のモニタリング方法である。 (1) 工業用抗菌剤を使用して抗菌処理する方法にお
いて、工業用抗菌剤を適用する対象系から微生物を含む
試料を採取し、この試料の微生物相をDNAの塩基配列に
基づいて解析し、微生物に対する工業用抗菌剤の有効濃
度のデータが蓄積されているデータベースを検索し、前
記試料の微生物相、優占微生物または特定微生物に対し
て有効濃度が入力されている工業用抗菌剤を抽出し、こ
の中から工業用抗菌剤を選定して使用する抗菌処理方
法。 (2) 工業用抗菌剤を使用して抗菌処理する方法にお
いて、工業用抗菌剤を適用している対象系から、定期的
または任意の時点で、微生物を含む試料を採取し、この
試料の微生物相をDNAの塩基配列に基づいて解析し、こ
の解析結果を前回の解析結果と比較して、微生物相の変
化から工業用抗菌剤効果の変化を監視し、工業用抗菌剤
に抵抗性を有する微生物の出現傾向が認められた場合に
は、微生物に対する工業用抗菌剤の有効濃度のデータが
蓄積されているデータベースを検索し、前記出現傾向が
認められた微生物に対して有効濃度が入力されている工
業用抗菌剤を抽出し、この中から工業用抗菌剤を選定し
て使用する抗菌処理方法。 (3) データベースに蓄積されている微生物に対する
工業用抗菌剤の有効濃度のデータは、微生物毎に培養試
験から得られた有効濃度、処理実績から得られた有効濃
度、または文献から得られた有効濃度である上記(1)
または(2)記載の抗菌処理方法。 (4) データベースは、微生物の生育に及ぼす環境条
件ごとに微生物に対する工業用抗菌剤の有効濃度のデー
タが蓄積されており、指定された環境条件の中から工業
用抗菌剤を抽出するものである上記(1)ないし(3)
のいずれかに記載の抗菌処理方法。 (5) 微生物の生育に及ぼす環境条件がpH、温度ま
たは対象系の種類である上記(4)記載の抗菌処理方
法。 (6) データベースは、微生物の種類、工業用抗菌剤
の種類および有効濃度、微生物の生育に及ぼす環境条
件、ならびに処理実績の結果が追加、蓄積および修正で
きるものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記
載の抗菌処理方法。 (7) データベースは、対象系に使用した工業用抗菌
剤の濃度および工業用抗菌剤使用前後の微生物相の解析
結果、ならびに処理実績の結果を入力すると、工業用抗
菌剤使用前後の微生物相の各微生物の量の差を演算して
記録し、この演算結果から各微生物に対して工業用抗菌
剤の濃度が有効であったか否かを判定して追加、蓄積お
よび修正できるものである上記(1)ないし(6)のい
ずれかに記載の抗菌処理方法。 (8) データベースは、対象系に使用した工業用抗菌
剤の濃度および工業用抗菌剤使用前後の微生物相の解析
結果、ならびに処理実績の結果を入力すると、工業用抗
菌剤使用前後の微生物相の各微生物の量の差を演算し、
この演算結果から各微生物に対して工業用抗菌剤の濃度
が有効であったか否かを判定し、この処理実績から得ら
れる判定結果と、対象系に含まれる培養可能微生物につ
いて培養試験した結果から得られる判定結果とを比較
し、処理実績における工業用抗菌剤の効力は培養試験に
おける効力に比べて過大、正常範囲内または過小のいず
れかであるかを判定して追加、蓄積および修正できるも
のである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の抗
菌処理方法。 (9) 工業用抗菌剤を使用している対象系において定
期的または任意の時点で、対象系から微生物を含む試料
を採取し、この試料の微生物相をDNAの塩基配列に基づ
いて解析し、この解析結果を前回の解析結果と比較し
て、微生物相の変化から工業用抗菌剤効果の変化を監視
する抗菌効果のモニタリング方法。 (10) 工業用抗菌剤を使用している対象系において
定期的または任意の時点で、対象系から微生物を含む試
料を採取し、この試料の微生物相をDNAの塩基配列に基
づいて解析し、この解析結果を前回の解析結果と比較し
て、微生物相の変化から工業用抗菌剤効果の変化を監視
し、工業用抗菌剤に抵抗性を有する微生物の出現傾向が
認められた場合には、工業用抗菌剤の再選定の判断をす
る抗菌効果のモニタリング方法。
抗菌効果のモニタリング方法である。 (1) 工業用抗菌剤を使用して抗菌処理する方法にお
いて、工業用抗菌剤を適用する対象系から微生物を含む
試料を採取し、この試料の微生物相をDNAの塩基配列に
基づいて解析し、微生物に対する工業用抗菌剤の有効濃
度のデータが蓄積されているデータベースを検索し、前
記試料の微生物相、優占微生物または特定微生物に対し
て有効濃度が入力されている工業用抗菌剤を抽出し、こ
の中から工業用抗菌剤を選定して使用する抗菌処理方
法。 (2) 工業用抗菌剤を使用して抗菌処理する方法にお
いて、工業用抗菌剤を適用している対象系から、定期的
または任意の時点で、微生物を含む試料を採取し、この
試料の微生物相をDNAの塩基配列に基づいて解析し、こ
の解析結果を前回の解析結果と比較して、微生物相の変
化から工業用抗菌剤効果の変化を監視し、工業用抗菌剤
に抵抗性を有する微生物の出現傾向が認められた場合に
は、微生物に対する工業用抗菌剤の有効濃度のデータが
蓄積されているデータベースを検索し、前記出現傾向が
認められた微生物に対して有効濃度が入力されている工
業用抗菌剤を抽出し、この中から工業用抗菌剤を選定し
て使用する抗菌処理方法。 (3) データベースに蓄積されている微生物に対する
工業用抗菌剤の有効濃度のデータは、微生物毎に培養試
験から得られた有効濃度、処理実績から得られた有効濃
度、または文献から得られた有効濃度である上記(1)
または(2)記載の抗菌処理方法。 (4) データベースは、微生物の生育に及ぼす環境条
件ごとに微生物に対する工業用抗菌剤の有効濃度のデー
タが蓄積されており、指定された環境条件の中から工業
用抗菌剤を抽出するものである上記(1)ないし(3)
のいずれかに記載の抗菌処理方法。 (5) 微生物の生育に及ぼす環境条件がpH、温度ま
たは対象系の種類である上記(4)記載の抗菌処理方
法。 (6) データベースは、微生物の種類、工業用抗菌剤
の種類および有効濃度、微生物の生育に及ぼす環境条
件、ならびに処理実績の結果が追加、蓄積および修正で
きるものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記
載の抗菌処理方法。 (7) データベースは、対象系に使用した工業用抗菌
剤の濃度および工業用抗菌剤使用前後の微生物相の解析
結果、ならびに処理実績の結果を入力すると、工業用抗
菌剤使用前後の微生物相の各微生物の量の差を演算して
記録し、この演算結果から各微生物に対して工業用抗菌
剤の濃度が有効であったか否かを判定して追加、蓄積お
よび修正できるものである上記(1)ないし(6)のい
ずれかに記載の抗菌処理方法。 (8) データベースは、対象系に使用した工業用抗菌
剤の濃度および工業用抗菌剤使用前後の微生物相の解析
結果、ならびに処理実績の結果を入力すると、工業用抗
菌剤使用前後の微生物相の各微生物の量の差を演算し、
この演算結果から各微生物に対して工業用抗菌剤の濃度
が有効であったか否かを判定し、この処理実績から得ら
れる判定結果と、対象系に含まれる培養可能微生物につ
いて培養試験した結果から得られる判定結果とを比較
し、処理実績における工業用抗菌剤の効力は培養試験に
おける効力に比べて過大、正常範囲内または過小のいず
れかであるかを判定して追加、蓄積および修正できるも
のである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の抗
菌処理方法。 (9) 工業用抗菌剤を使用している対象系において定
期的または任意の時点で、対象系から微生物を含む試料
を採取し、この試料の微生物相をDNAの塩基配列に基づ
いて解析し、この解析結果を前回の解析結果と比較し
て、微生物相の変化から工業用抗菌剤効果の変化を監視
する抗菌効果のモニタリング方法。 (10) 工業用抗菌剤を使用している対象系において
定期的または任意の時点で、対象系から微生物を含む試
料を採取し、この試料の微生物相をDNAの塩基配列に基
づいて解析し、この解析結果を前回の解析結果と比較し
て、微生物相の変化から工業用抗菌剤効果の変化を監視
し、工業用抗菌剤に抵抗性を有する微生物の出現傾向が
認められた場合には、工業用抗菌剤の再選定の判断をす
る抗菌効果のモニタリング方法。
【0016】本明細書において、「微生物」は細菌、酵
母、糸状菌(カビ)、藻類およびアーキア(古細菌)等
を含む。また「抗菌剤」は上記微生物に対する殺生物作
用および/または増殖抑制作用を有する薬剤を意味し、
一般に抗菌剤、殺菌剤、静菌剤、抑制剤、スライムコン
トロール剤、防腐剤などと称されているものが含まれ
る。また「抗菌」は上記微生物を死滅させることおよび
/または増殖を抑制することを意味する。
母、糸状菌(カビ)、藻類およびアーキア(古細菌)等
を含む。また「抗菌剤」は上記微生物に対する殺生物作
用および/または増殖抑制作用を有する薬剤を意味し、
一般に抗菌剤、殺菌剤、静菌剤、抑制剤、スライムコン
トロール剤、防腐剤などと称されているものが含まれ
る。また「抗菌」は上記微生物を死滅させることおよび
/または増殖を抑制することを意味する。
【0017】また「微生物相」は対象系または試料中の
個々の微生物の種類と構成比および含有量(微生物数ま
たは微生物量の割合)を示す意味で用いられているが、
優占微生物の種類と構成比および含有量、または特定微
生物の種類と構成比および含有量を示す意味で用いられ
る場合もある。また「処理実績の結果」および「処理効
果」はともに対象系に抗菌剤を使用した場合の効果を意
味する。この効果は、例えばスライムコントロール剤の
場合、一定期間内におけるスライム成長量(微生物量で
もスライム厚さでも可)の差で表してもよい。ある一定
の成長量に達するまでの期間で表してもよい。またスラ
イムが対象系で発生することによって生じる障害内容の
程度によって示すことも含まれる。
個々の微生物の種類と構成比および含有量(微生物数ま
たは微生物量の割合)を示す意味で用いられているが、
優占微生物の種類と構成比および含有量、または特定微
生物の種類と構成比および含有量を示す意味で用いられ
る場合もある。また「処理実績の結果」および「処理効
果」はともに対象系に抗菌剤を使用した場合の効果を意
味する。この効果は、例えばスライムコントロール剤の
場合、一定期間内におけるスライム成長量(微生物量で
もスライム厚さでも可)の差で表してもよい。ある一定
の成長量に達するまでの期間で表してもよい。またスラ
イムが対象系で発生することによって生じる障害内容の
程度によって示すことも含まれる。
【0018】本発明の抗菌処理方法は、従来の殺菌試
験、増殖抑制試験または寒天平板法による菌数測定など
に頼った経験主義的な抗菌剤選定方法の代わりに、対象
系の微生物相をDNAの塩基配列によって微生物相解析
し、得られた微生物相と抗菌剤を検索できる抗菌剤検索
データベースとを照合し、最も適した抗菌剤を選定して
使用する抗菌処理方法である。
験、増殖抑制試験または寒天平板法による菌数測定など
に頼った経験主義的な抗菌剤選定方法の代わりに、対象
系の微生物相をDNAの塩基配列によって微生物相解析
し、得られた微生物相と抗菌剤を検索できる抗菌剤検索
データベースとを照合し、最も適した抗菌剤を選定して
使用する抗菌処理方法である。
【0019】本発明の抗菌処理方法が適用できる対象系
は、抗菌剤を使用して抗菌処理している処理系であれば
特に制限されない。例えば、製紙工程水、冷却水、超純
水製造工程などの工業用スライムコントロール剤を使用
する系;製紙用デンプンスラリーや糊液、金属加工用水
溶性切削油などの防腐剤を使用する系などがあげられ
る。
は、抗菌剤を使用して抗菌処理している処理系であれば
特に制限されない。例えば、製紙工程水、冷却水、超純
水製造工程などの工業用スライムコントロール剤を使用
する系;製紙用デンプンスラリーや糊液、金属加工用水
溶性切削油などの防腐剤を使用する系などがあげられ
る。
【0020】本発明の抗菌処理方法では、まず対象系か
ら微生物を含む試料を採取する。通常この試料中には複
数種の微生物が存在していると考えられる。次に、採取
した試料の微生物相をDNAの塩基配列に基づいて解析す
る。DNAの塩基配列による微生物相の解析方法としては
公知の方法が制限なく使用できる。なお微生物相の解析
は、微生物のDNAの塩基配列から微生物名を決定(同
定)することは必ずしも必須ではなく、他の微生物と区
別できる番号(以下、微生物番号という)を独自に付与
し、この微生物番号を微生物名の代わり用いることもで
きる。例えば、微生物検索データベースにおいて高い相
同性を有する微生物が検索されない場合は、その微生物
に独自の微生物番号を付与して他の微生物と区別するこ
とができる。ただし、微生物相を他者に説明する場合に
は微生物名(学名)を用いるのが便利であるので、塩基
配列に基づく微生物名を同定しておくのが好ましい。
ら微生物を含む試料を採取する。通常この試料中には複
数種の微生物が存在していると考えられる。次に、採取
した試料の微生物相をDNAの塩基配列に基づいて解析す
る。DNAの塩基配列による微生物相の解析方法としては
公知の方法が制限なく使用できる。なお微生物相の解析
は、微生物のDNAの塩基配列から微生物名を決定(同
定)することは必ずしも必須ではなく、他の微生物と区
別できる番号(以下、微生物番号という)を独自に付与
し、この微生物番号を微生物名の代わり用いることもで
きる。例えば、微生物検索データベースにおいて高い相
同性を有する微生物が検索されない場合は、その微生物
に独自の微生物番号を付与して他の微生物と区別するこ
とができる。ただし、微生物相を他者に説明する場合に
は微生物名(学名)を用いるのが便利であるので、塩基
配列に基づく微生物名を同定しておくのが好ましい。
【0021】例えば、微生物の同定(判定)には、DNA
の塩基配列と微生物との関係が蓄積されている公知の微
生物系統分類のデータベース(以下、微生物検索データ
ベースという場合がある)を利用することができ、この
微生物検索データベースをパソコン等のコンピュータを
用いて検索することにより微生物を同定することができ
る。後述する具体的な微生物検索データベースにはイン
ターネットを介してアクセスすることができるので、迅
速にデータを検索できる。後述する微生物検索データベ
ースには、リボゾームRNAをエンコードするDNA(rDNA)
の塩基配列のデータが蓄積されているので、微生物の同
定には試料から分離したrDNAの塩基配列を用いることが
できる。rDNAは微生物の種類、サブユニットの大きさに
よって数種類に分類されるが(16S rDNA、18S rDNAな
ど)、どの分子を用いても差し支えない。また本発明は
rDNAだけに限定されず、rRNAのスペーサー配列またはgy
rEなど他のDNA画分を利用した方法であってもよい。し
たがって、どのような微生物検索データベースを用いて
もよいし、どれか単一のものに統一して用いることもで
きる。またさらに複数の微生物検索データベースを併用
することもできる。
の塩基配列と微生物との関係が蓄積されている公知の微
生物系統分類のデータベース(以下、微生物検索データ
ベースという場合がある)を利用することができ、この
微生物検索データベースをパソコン等のコンピュータを
用いて検索することにより微生物を同定することができ
る。後述する具体的な微生物検索データベースにはイン
ターネットを介してアクセスすることができるので、迅
速にデータを検索できる。後述する微生物検索データベ
ースには、リボゾームRNAをエンコードするDNA(rDNA)
の塩基配列のデータが蓄積されているので、微生物の同
定には試料から分離したrDNAの塩基配列を用いることが
できる。rDNAは微生物の種類、サブユニットの大きさに
よって数種類に分類されるが(16S rDNA、18S rDNAな
ど)、どの分子を用いても差し支えない。また本発明は
rDNAだけに限定されず、rRNAのスペーサー配列またはgy
rEなど他のDNA画分を利用した方法であってもよい。し
たがって、どのような微生物検索データベースを用いて
もよいし、どれか単一のものに統一して用いることもで
きる。またさらに複数の微生物検索データベースを併用
することもできる。
【0022】前記微生物検索データベースとしては、Ge
nBank、EMBL、DDBJなどの公的DNAデータベースや、ミシ
ガン大学に設置されているRibosomal Database Project
などがあげられる。検索操作はFASTA、BLAST等の既存の
プログラムによって短時間に効率的に行うことができ
る。また、MicroSeq 16S rDNA Sequense Database(P
Eバイオシステムズ社)などの商用の微生物検索データ
ベースを、MicroSeq Analysis Software(PEバイオシ
ステムズ社、商標)などの市販のソフトウェアにより検
索することもできる。なお微生物検索データベースを自
身で構築してもよい。例えば、塩基配列データから、そ
れに対応する微生物名または微生物を区別するための微
生物番号が検索できるデータベースを公知のデータベー
スソフトウェアなどを用いて構築し、他の微生物検索デ
ータベースと併用することもできる。
nBank、EMBL、DDBJなどの公的DNAデータベースや、ミシ
ガン大学に設置されているRibosomal Database Project
などがあげられる。検索操作はFASTA、BLAST等の既存の
プログラムによって短時間に効率的に行うことができ
る。また、MicroSeq 16S rDNA Sequense Database(P
Eバイオシステムズ社)などの商用の微生物検索データ
ベースを、MicroSeq Analysis Software(PEバイオシ
ステムズ社、商標)などの市販のソフトウェアにより検
索することもできる。なお微生物検索データベースを自
身で構築してもよい。例えば、塩基配列データから、そ
れに対応する微生物名または微生物を区別するための微
生物番号が検索できるデータベースを公知のデータベー
スソフトウェアなどを用いて構築し、他の微生物検索デ
ータベースと併用することもできる。
【0023】対象系から採取した試料から微生物コロニ
ーを単離して分離株の該当DNAの塩基配列を決定し、得
られた結果を微生物検索データベースと照合して微生物
を同定することができる。rDNAは大腸菌等の宿主ベクタ
ー系を用い古典的クローニング操作によって単離・増幅
することもできるが、PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応)
などの試験管内DNA増幅方法によって増幅させる方が簡
便である。
ーを単離して分離株の該当DNAの塩基配列を決定し、得
られた結果を微生物検索データベースと照合して微生物
を同定することができる。rDNAは大腸菌等の宿主ベクタ
ー系を用い古典的クローニング操作によって単離・増幅
することもできるが、PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応)
などの試験管内DNA増幅方法によって増幅させる方が簡
便である。
【0024】また、微生物群を培養分離せず混合状態の
まま微生物DNAを抽出し、対象とする大多数の微生物に
共通性の高い配列によって構成されるプライマーを用い
て各微生物のrDNAだけをPCR法などの試験管内DNA増幅方
法によって増幅し、さらにゲル電気泳動などによって個
々の微生物由来のrDNAを分離し、得られた結果を微生物
検索データベースと照合して微生物を同定することもで
きる。
まま微生物DNAを抽出し、対象とする大多数の微生物に
共通性の高い配列によって構成されるプライマーを用い
て各微生物のrDNAだけをPCR法などの試験管内DNA増幅方
法によって増幅し、さらにゲル電気泳動などによって個
々の微生物由来のrDNAを分離し、得られた結果を微生物
検索データベースと照合して微生物を同定することもで
きる。
【0025】複数の微生物を同定する場合、塩基配列の
決定に先だって、RFLP法(Restriction Fragment P
olymorphism:Moyerら、Applied and Environmental Mic
robiology誌、62巻、2501〜2507ページ、1
996年))によっておおまかに相違を調べることもで
きる。すなわち、各微生物のrDNAを各種の制限酵素で完
全に消化し、ポリアクリルアミドまたはアガロースゲル
電気泳動で分離電気泳動し、DNA染色後のパターンの違
いから区別することができる。
決定に先だって、RFLP法(Restriction Fragment P
olymorphism:Moyerら、Applied and Environmental Mic
robiology誌、62巻、2501〜2507ページ、1
996年))によっておおまかに相違を調べることもで
きる。すなわち、各微生物のrDNAを各種の制限酵素で完
全に消化し、ポリアクリルアミドまたはアガロースゲル
電気泳動で分離電気泳動し、DNA染色後のパターンの違
いから区別することができる。
【0026】微生物群からコロニーを分離してから調べ
る方法では、培地で分離培養できない(non-culturable
な)微生物が存在している場合、この微生物は検出でき
ない。また、培養可能な微生物であっても1種類の培地
や培養条件だけで全ての分離培養可能な微生物が検出さ
れるという保証はない。一方、微生物群を分離せずに微
生物混合体から微生物DNAを抽出して調べる方法では、
培地で分離培養できない微生物が存在する系であっても
それらを検出できる利点があるが、微生物によるDNA抽
出率の差、細胞あたりの該当遺伝子のコピー数の差、PC
R時の増幅効率の差、プライマーの選び方によって異な
る検出微生物群の感度差などがあるから、これらの特性
と対象系に出現する微生物の特性を理解した上でならば
上記方法を単独で用いてもよいし、適宜併用することも
できる。
る方法では、培地で分離培養できない(non-culturable
な)微生物が存在している場合、この微生物は検出でき
ない。また、培養可能な微生物であっても1種類の培地
や培養条件だけで全ての分離培養可能な微生物が検出さ
れるという保証はない。一方、微生物群を分離せずに微
生物混合体から微生物DNAを抽出して調べる方法では、
培地で分離培養できない微生物が存在する系であっても
それらを検出できる利点があるが、微生物によるDNA抽
出率の差、細胞あたりの該当遺伝子のコピー数の差、PC
R時の増幅効率の差、プライマーの選び方によって異な
る検出微生物群の感度差などがあるから、これらの特性
と対象系に出現する微生物の特性を理解した上でならば
上記方法を単独で用いてもよいし、適宜併用することも
できる。
【0027】混合rDNAから個々の微生物のrDNAを分離す
る方法には一般に電気泳動が用いられるが、これにはい
くつかの方法が提案されている。例えば、DGGE法
(Denatured Gradient Gel Electrophoresis:Muyzer
ら、Applied and Environmental Microbiology誌、59
巻、695〜700ページ、1993年)、TGGE法
(Temperature Gradient Gel Electrophoresis:Eichner
ら、Applied and Environmental Microbiology誌、65
巻、102〜109ページ、1999年)、SSCP法
(Single Strand Conformational Polymorphism:Schwie
gerら、Applied andEnvironmental Microbiology誌、6
4巻、4870〜4876ページ、1998年)、TR
FLP法(Terminal Restriction Fragment Polymorphi
sm:Liuら、Applied and Environmental Microbiology
誌、63巻、4516〜4522ページ、1997
年)、またはランダムクローニング法(Dunbarら、Appl
ied and Environmental Microbiology誌、65巻、16
62〜1669ぺージ、1999年)などがあるが、本
発明の抗菌処理方法はこれらに限定されるものではな
い。
る方法には一般に電気泳動が用いられるが、これにはい
くつかの方法が提案されている。例えば、DGGE法
(Denatured Gradient Gel Electrophoresis:Muyzer
ら、Applied and Environmental Microbiology誌、59
巻、695〜700ページ、1993年)、TGGE法
(Temperature Gradient Gel Electrophoresis:Eichner
ら、Applied and Environmental Microbiology誌、65
巻、102〜109ページ、1999年)、SSCP法
(Single Strand Conformational Polymorphism:Schwie
gerら、Applied andEnvironmental Microbiology誌、6
4巻、4870〜4876ページ、1998年)、TR
FLP法(Terminal Restriction Fragment Polymorphi
sm:Liuら、Applied and Environmental Microbiology
誌、63巻、4516〜4522ページ、1997
年)、またはランダムクローニング法(Dunbarら、Appl
ied and Environmental Microbiology誌、65巻、16
62〜1669ぺージ、1999年)などがあるが、本
発明の抗菌処理方法はこれらに限定されるものではな
い。
【0028】また目的によって混合微生物系内の特定の
微生物を調べるリアルタイムPCR法(Wittwerら、BioTec
hnique誌、22巻、130〜138ページ、1997
年)、FISH法(Fluorescence In Situ Hybridizati
on:Ammanら、Applied and Environmental Microbiology
誌、58巻、614〜623ページ、1992年)、古
典的ハイブリダイゼーション法(Williamら、Microbiol
ogy誌、141巻、2793〜2800ページ、199
5年)なども本発明の抗菌処理方法に利用することがで
きる。これらの方法に使用される制限酵素やプライマー
にも各種のものがあるが、公知の任意のものを使用する
ことができる。
微生物を調べるリアルタイムPCR法(Wittwerら、BioTec
hnique誌、22巻、130〜138ページ、1997
年)、FISH法(Fluorescence In Situ Hybridizati
on:Ammanら、Applied and Environmental Microbiology
誌、58巻、614〜623ページ、1992年)、古
典的ハイブリダイゼーション法(Williamら、Microbiol
ogy誌、141巻、2793〜2800ページ、199
5年)なども本発明の抗菌処理方法に利用することがで
きる。これらの方法に使用される制限酵素やプライマー
にも各種のものがあるが、公知の任意のものを使用する
ことができる。
【0029】分離・増幅したrDNAは実験的操作により直
接その塩基配列を決定することができる。これら一連の
操作には、各種の試薬キット、例えばAutoRead Sequenc
ingKit(アマシャム・ファルマシア・バイオテク株式会
社、商標)やMicroSeq 50016S rDNA Kit(PEバイオシ
ステムズ社、商標)などが市販されているので、これら
を用いることができる。もちろん、DNAポリメラーゼ等
の試薬を独自に調合してジデオキシ法等の方法によって
操作を行うこともできる。また、解析機器としては、塩
基配列解析装置、例えばALFexpressII DNA Analysis Sy
stem(アマシャム・ファルマシア・バイオテク株式会
社、商標)やABI PRISM 310(PEバイオシステムズ
社、商標)が市販されているので、これらを用いること
ができる。もちろん、ポリアクリルアミドゲル電気泳動
を行い、オートラジオグラフィー等によりバンド(シー
クエンシングラダー)の位置を解読することもできる。
混合rDNAを試料とした場合には、電気泳動して得たバン
ドを染色後、該当するバンドをゲルごと切り出し、ゲル
からDNAを抽出・精製後、再びPCRを行い、増幅されたDN
Aを塩基配列決定に用いることができる。
接その塩基配列を決定することができる。これら一連の
操作には、各種の試薬キット、例えばAutoRead Sequenc
ingKit(アマシャム・ファルマシア・バイオテク株式会
社、商標)やMicroSeq 50016S rDNA Kit(PEバイオシ
ステムズ社、商標)などが市販されているので、これら
を用いることができる。もちろん、DNAポリメラーゼ等
の試薬を独自に調合してジデオキシ法等の方法によって
操作を行うこともできる。また、解析機器としては、塩
基配列解析装置、例えばALFexpressII DNA Analysis Sy
stem(アマシャム・ファルマシア・バイオテク株式会
社、商標)やABI PRISM 310(PEバイオシステムズ
社、商標)が市販されているので、これらを用いること
ができる。もちろん、ポリアクリルアミドゲル電気泳動
を行い、オートラジオグラフィー等によりバンド(シー
クエンシングラダー)の位置を解読することもできる。
混合rDNAを試料とした場合には、電気泳動して得たバン
ドを染色後、該当するバンドをゲルごと切り出し、ゲル
からDNAを抽出・精製後、再びPCRを行い、増幅されたDN
Aを塩基配列決定に用いることができる。
【0030】既存の微生物検索データベースを用いて検
索する場合、使用する試験方法には各々のデータベース
に指定された範囲の方法が公開されているので、それに
従えばよい。
索する場合、使用する試験方法には各々のデータベース
に指定された範囲の方法が公開されているので、それに
従えばよい。
【0031】試料から採取した微生物のDNAの塩基配列
と、微生物検索データベースに登録されている塩基配列
とを比較し、データベース上で最も相同性の高い塩基配
列を有する微生物を最も近縁の微生物であると判断する
ことができる。全く同一の微生物同士であれば、ある種
の例外(例えばゲノム上の複数のコピーにおける多型
性)を除いて、指標とする遺伝子の塩基配列には100
%の相同性が認められる。また同属同種の近縁微生物同
士の場合は遺伝子の種類にもよるが100%に近い相同
性が認められ、例えば16S rDNAの場合であればおおむね
98%以上の相同性が得られる。したがって、該当する
塩基配列を比較して98%以上、好ましくは99%以上
の相同性が認められる場合は、通常同属同種の微生物と
判定することができる。相同性が98%に満たない場合
は、同属同種の微生物とは判断せず、独自の微生物番号
などを付与し、この番号を微生物名の代わりに用いるこ
とができる。
と、微生物検索データベースに登録されている塩基配列
とを比較し、データベース上で最も相同性の高い塩基配
列を有する微生物を最も近縁の微生物であると判断する
ことができる。全く同一の微生物同士であれば、ある種
の例外(例えばゲノム上の複数のコピーにおける多型
性)を除いて、指標とする遺伝子の塩基配列には100
%の相同性が認められる。また同属同種の近縁微生物同
士の場合は遺伝子の種類にもよるが100%に近い相同
性が認められ、例えば16S rDNAの場合であればおおむね
98%以上の相同性が得られる。したがって、該当する
塩基配列を比較して98%以上、好ましくは99%以上
の相同性が認められる場合は、通常同属同種の微生物と
判定することができる。相同性が98%に満たない場合
は、同属同種の微生物とは判断せず、独自の微生物番号
などを付与し、この番号を微生物名の代わりに用いるこ
とができる。
【0032】また同定した微生物の構成比は、コロニー
の割合、DNAの割合などから定量することができる。コ
ロニーを分離して調べる方法であれば、統計的に信頼で
きる数のコロニーをアトランダムに選択し、これらのコ
ロニーの同定を全て行うことによって、試料中の各種微
生物の構成比を算出することができる。また微生物群か
ら直接DNAを評価する方法では、DGGE法やTGGE
法で観察されるDNAバンドの量がもとの微生物量を反映
していると解釈されるので、DNAバンドの積算濃度に対
する個々のDNAバンドの濃度の比を構成比として捕らえ
ることができる。このようなバンド濃度を測定するため
には、市販のデンシトメーターやスキャナーに連動した
画像解析装置(例えば、ImageMaster(アマシャムファ
ルマシアバイオテク(株)製、商標)など)を用いるこ
とができる。また蛍光試薬を結合したDNAプライマーを
用いたり、泳動後の染色に蛍光物質を利用した場合は、
その蛍光量をFluorImager(アマシャムファルマシアバ
イオテク(株)製、商標)などの蛍光イメージアナライ
ザーで直接測定することもできる。またFISH法であ
れば、全微生物数に対する染色された微生物数を顕微鏡
下に直接計測して構成比を算出することができる。
の割合、DNAの割合などから定量することができる。コ
ロニーを分離して調べる方法であれば、統計的に信頼で
きる数のコロニーをアトランダムに選択し、これらのコ
ロニーの同定を全て行うことによって、試料中の各種微
生物の構成比を算出することができる。また微生物群か
ら直接DNAを評価する方法では、DGGE法やTGGE
法で観察されるDNAバンドの量がもとの微生物量を反映
していると解釈されるので、DNAバンドの積算濃度に対
する個々のDNAバンドの濃度の比を構成比として捕らえ
ることができる。このようなバンド濃度を測定するため
には、市販のデンシトメーターやスキャナーに連動した
画像解析装置(例えば、ImageMaster(アマシャムファ
ルマシアバイオテク(株)製、商標)など)を用いるこ
とができる。また蛍光試薬を結合したDNAプライマーを
用いたり、泳動後の染色に蛍光物質を利用した場合は、
その蛍光量をFluorImager(アマシャムファルマシアバ
イオテク(株)製、商標)などの蛍光イメージアナライ
ザーで直接測定することもできる。またFISH法であ
れば、全微生物数に対する染色された微生物数を顕微鏡
下に直接計測して構成比を算出することができる。
【0033】微生物の絶対量は公知の方法、例えば平板
培地を用いたコロニー計測法、MPN(Most Probable
Number)法、またはDAPI(4,6−ジアミジノ−2
−フェニルインドール)、アクリジンオレンジやCFD
A(Carboxyfluoresceindiacetate)等の蛍光物質によ
る染色後の微生物細胞を顕微鏡下で定量計測するなどの
方法によって、単位容量または単位重量あたりの微生物
数を算出することができる。各種微生物の構成比と絶対
量を積算することにより、試料中の該当微生物の含有量
を算出することもできる。リアルタイムPCR法や古典
的ハイブリダイゼーション法であれば、あらかじめ既知
濃度の微生物細胞またはDNAを標準物質として試料を同
条件で反応させることにより、試料中の初発の細胞数ま
たはDNA量を推測することが可能である。
培地を用いたコロニー計測法、MPN(Most Probable
Number)法、またはDAPI(4,6−ジアミジノ−2
−フェニルインドール)、アクリジンオレンジやCFD
A(Carboxyfluoresceindiacetate)等の蛍光物質によ
る染色後の微生物細胞を顕微鏡下で定量計測するなどの
方法によって、単位容量または単位重量あたりの微生物
数を算出することができる。各種微生物の構成比と絶対
量を積算することにより、試料中の該当微生物の含有量
を算出することもできる。リアルタイムPCR法や古典
的ハイブリダイゼーション法であれば、あらかじめ既知
濃度の微生物細胞またはDNAを標準物質として試料を同
条件で反応させることにより、試料中の初発の細胞数ま
たはDNA量を推測することが可能である。
【0034】本発明で用いる抗菌剤検索データベース
は、少なくとも微生物とその各々に対応した各種抗菌剤
の有効濃度が蓄積されており、微生物を検索キーにし
て、有効濃度が記録されている抗菌剤を検索、抽出でき
るものであれば、どのような形式のものでもよい。検索
キーとなる微生物としては微生物検索データベースから
得られた微生物名、アクセッションナンバーまたは微生
物番号などが利用できる。微生物名は学名で表記するこ
ともできるし(例えば、Escherichia coli HB101な
ど)、アクセッションナンバーで表記することもでき
る。また学名を決定できない微生物や塩基配列に対して
は独自に付与した微生物番号による表記を用いてもよ
い。検索キーはキーボードなどの入力装置から入力でき
る。有効濃度のデータは、微生物毎に培養試験から得ら
れた有効濃度、処理実績から得られた有効濃度、または
文献から得られた有効濃度のいずれでもよい。
は、少なくとも微生物とその各々に対応した各種抗菌剤
の有効濃度が蓄積されており、微生物を検索キーにし
て、有効濃度が記録されている抗菌剤を検索、抽出でき
るものであれば、どのような形式のものでもよい。検索
キーとなる微生物としては微生物検索データベースから
得られた微生物名、アクセッションナンバーまたは微生
物番号などが利用できる。微生物名は学名で表記するこ
ともできるし(例えば、Escherichia coli HB101な
ど)、アクセッションナンバーで表記することもでき
る。また学名を決定できない微生物や塩基配列に対して
は独自に付与した微生物番号による表記を用いてもよ
い。検索キーはキーボードなどの入力装置から入力でき
る。有効濃度のデータは、微生物毎に培養試験から得ら
れた有効濃度、処理実績から得られた有効濃度、または
文献から得られた有効濃度のいずれでもよい。
【0035】有効濃度が入力されているということは、
検索対象の微生物に対してその濃度で抗菌作用があるこ
とを意味するが、抗菌剤の濃度を複数設けて、その濃度
における抗菌作用の有無または程度が入力されていても
よい。この場合、抗菌作用が認められる濃度において抗
菌剤を抽出する。
検索対象の微生物に対してその濃度で抗菌作用があるこ
とを意味するが、抗菌剤の濃度を複数設けて、その濃度
における抗菌作用の有無または程度が入力されていても
よい。この場合、抗菌作用が認められる濃度において抗
菌剤を抽出する。
【0036】抗菌剤検索データベースは、未登録の微生
物または塩基配列が発生するつど、これらの微生物に対
応する各種抗菌剤の有効濃度などのデータが追加登録さ
れ、蓄積できるものが好ましい。また抗菌剤検索データ
ベースは、微生物の生育に及ぼす環境条件ごとに微生物
に対する抗菌剤の有効濃度のデータが蓄積されており、
この環境条件を指定すると、指定された環境条件の中か
ら抗菌剤を抽出するものであるのが好ましい。環境条件
の具体的なものとしてはpH、温度、対象系の種類と分
類、基質の種類と濃度、ならびに抗菌剤効力に影響を与
える物質、例えば還元物質の濃度などがあげられる。上
記対象系の種類と分類としては、対象系の種類が製紙工
程なら抄紙の種類、抄造条件、サイズ剤、歩留向上剤、
紙力向上剤など各種内添剤の種類と添加濃度、過去に使
用していた抗菌剤の種類など;冷却水系なら補給水の種
類、水質、混入している大気中のガス成分、冷却水の滞
留時間、その他の使用薬剤など;防腐対象なら対象基
質、要求される防腐期間などがあげられる。なお、抗菌
剤検索データベースに入力されている抗菌剤の有効濃度
が培養試験から得られたデータである場合上記pH、温
度などは培養条件に相当し、処理実績から得られたデー
タの場合上記pH、温度などは対象系の環境条件に相当
する。
物または塩基配列が発生するつど、これらの微生物に対
応する各種抗菌剤の有効濃度などのデータが追加登録さ
れ、蓄積できるものが好ましい。また抗菌剤検索データ
ベースは、微生物の生育に及ぼす環境条件ごとに微生物
に対する抗菌剤の有効濃度のデータが蓄積されており、
この環境条件を指定すると、指定された環境条件の中か
ら抗菌剤を抽出するものであるのが好ましい。環境条件
の具体的なものとしてはpH、温度、対象系の種類と分
類、基質の種類と濃度、ならびに抗菌剤効力に影響を与
える物質、例えば還元物質の濃度などがあげられる。上
記対象系の種類と分類としては、対象系の種類が製紙工
程なら抄紙の種類、抄造条件、サイズ剤、歩留向上剤、
紙力向上剤など各種内添剤の種類と添加濃度、過去に使
用していた抗菌剤の種類など;冷却水系なら補給水の種
類、水質、混入している大気中のガス成分、冷却水の滞
留時間、その他の使用薬剤など;防腐対象なら対象基
質、要求される防腐期間などがあげられる。なお、抗菌
剤検索データベースに入力されている抗菌剤の有効濃度
が培養試験から得られたデータである場合上記pH、温
度などは培養条件に相当し、処理実績から得られたデー
タの場合上記pH、温度などは対象系の環境条件に相当
する。
【0037】環境条件がpHの場合、複数のpH条件に
おける有効濃度が蓄積されているのが好ましい。例え
ば、pH5、pH6、pH7・・・におけるデータが蓄
積されているのが好ましい。温度などの場合も、pHの
場合と同様に複数の条件における有効濃度が蓄積されて
いるのが好ましい。このように有効濃度に関するデータ
が環境条件ごとに蓄積されている場合、例えばpH6か
つ温度20℃を選定条件とし、これらを検索キーにして
抗菌剤を絞り込むことができる。
おける有効濃度が蓄積されているのが好ましい。例え
ば、pH5、pH6、pH7・・・におけるデータが蓄
積されているのが好ましい。温度などの場合も、pHの
場合と同様に複数の条件における有効濃度が蓄積されて
いるのが好ましい。このように有効濃度に関するデータ
が環境条件ごとに蓄積されている場合、例えばpH6か
つ温度20℃を選定条件とし、これらを検索キーにして
抗菌剤を絞り込むことができる。
【0038】また抗菌剤検索データベースは、対象系に
使用した抗菌剤の濃度および抗菌剤使用前後の微生物相
の解析結果、ならびに処理実績の結果を入力すると、抗
菌剤使用前後の微生物相の各微生物の量の差を演算して
記録し、この演算結果から各微生物に対して抗菌剤の濃
度が有効であったか否かを判定して追加、蓄積および修
正できるものが好ましい。このような抗菌剤検索データ
ベースを用いることにより、より適切な抗菌剤を選定す
ることができる。
使用した抗菌剤の濃度および抗菌剤使用前後の微生物相
の解析結果、ならびに処理実績の結果を入力すると、抗
菌剤使用前後の微生物相の各微生物の量の差を演算して
記録し、この演算結果から各微生物に対して抗菌剤の濃
度が有効であったか否かを判定して追加、蓄積および修
正できるものが好ましい。このような抗菌剤検索データ
ベースを用いることにより、より適切な抗菌剤を選定す
ることができる。
【0039】また抗菌剤検索データベースは、対象系に
使用した抗菌剤の濃度および抗菌剤使用前後の微生物相
の解析結果、ならびに処理実績の結果を入力すると、抗
菌剤使用前後の微生物相の各微生物の量の差を演算し、
この演算結果から各微生物に対して抗菌剤の濃度が有効
であったか否かを判定し、この処理実績から得られる判
定結果と、対象系に含まれる培養可能微生物について培
養試験した結果から得られる判定結果とを比較し、処理
実績における抗菌剤の効力は培養試験における効力に比
べて過大、正常範囲内または過小のいずれかであるかを
判定して追加、蓄積および修正できるものが好ましい。
このような抗菌剤検索データベースを用いることによ
り、実際の対象系の環境下における抗菌剤の効果を正確
に評価することが可能であり、このためより適切な抗菌
剤を選定することができるので好ましい。
使用した抗菌剤の濃度および抗菌剤使用前後の微生物相
の解析結果、ならびに処理実績の結果を入力すると、抗
菌剤使用前後の微生物相の各微生物の量の差を演算し、
この演算結果から各微生物に対して抗菌剤の濃度が有効
であったか否かを判定し、この処理実績から得られる判
定結果と、対象系に含まれる培養可能微生物について培
養試験した結果から得られる判定結果とを比較し、処理
実績における抗菌剤の効力は培養試験における効力に比
べて過大、正常範囲内または過小のいずれかであるかを
判定して追加、蓄積および修正できるものが好ましい。
このような抗菌剤検索データベースを用いることによ
り、実際の対象系の環境下における抗菌剤の効果を正確
に評価することが可能であり、このためより適切な抗菌
剤を選定することができるので好ましい。
【0040】また抗菌剤検索データベースは、文献等に
記載されている抗菌剤の特性や抗菌効力、抗菌剤の価格
などのデータが入力されているのが好ましい。さらに抗
菌剤検索データベースは、処理実績のデータ、試験結果
のデータ、文献データなどの新しいデータが追加、蓄積
できるものが好ましい。上記のようなデータがより多く
蓄積された抗菌剤検索データベースはより適切な抗菌剤
を選定することができる。
記載されている抗菌剤の特性や抗菌効力、抗菌剤の価格
などのデータが入力されているのが好ましい。さらに抗
菌剤検索データベースは、処理実績のデータ、試験結果
のデータ、文献データなどの新しいデータが追加、蓄積
できるものが好ましい。上記のようなデータがより多く
蓄積された抗菌剤検索データベースはより適切な抗菌剤
を選定することができる。
【0041】培地で分離培養できない微生物に対する抗
菌剤の抗菌スペクトルを純粋菌株を用いて室内試験で測
定することは不可能なので、このような微生物に対応す
る有効濃度などのデータは実績データを蓄積する必要が
ある。例えば、ある抗菌剤をある対象系に適用した場
合、適用前後の微生物相の解析結果とその時の抗菌剤処
理効果、および抗菌剤の系内維持濃度(添加濃度から計
算によって求めた維持濃度でも可)、その他好ましくは
微生物の生育と抗菌剤効力に影響を与える対象系の環境
条件が逐次追加入力され、記録できるようにした抗菌剤
検索データベースのフォーマットを作成しておく。使用
前には存在し、抗菌剤使用後に消失した微生物は、適用
した抗菌剤で駆逐されたものとみなし、抗菌剤使用前の
微生物相と抗菌剤使用後の微生物相の差を演算結果とし
て記憶するカラムを抗菌剤検索データベース内に設け
る。このようにすると消失した微生物は適用した抗菌剤
の系内維持濃度に対して感受性であることが分かり、逆
に占有率が変わらなかったり増大した微生物は適用した
抗菌剤の維持濃度において非感受性であるか、または抵
抗性であるかを区分できる。
菌剤の抗菌スペクトルを純粋菌株を用いて室内試験で測
定することは不可能なので、このような微生物に対応す
る有効濃度などのデータは実績データを蓄積する必要が
ある。例えば、ある抗菌剤をある対象系に適用した場
合、適用前後の微生物相の解析結果とその時の抗菌剤処
理効果、および抗菌剤の系内維持濃度(添加濃度から計
算によって求めた維持濃度でも可)、その他好ましくは
微生物の生育と抗菌剤効力に影響を与える対象系の環境
条件が逐次追加入力され、記録できるようにした抗菌剤
検索データベースのフォーマットを作成しておく。使用
前には存在し、抗菌剤使用後に消失した微生物は、適用
した抗菌剤で駆逐されたものとみなし、抗菌剤使用前の
微生物相と抗菌剤使用後の微生物相の差を演算結果とし
て記憶するカラムを抗菌剤検索データベース内に設け
る。このようにすると消失した微生物は適用した抗菌剤
の系内維持濃度に対して感受性であることが分かり、逆
に占有率が変わらなかったり増大した微生物は適用した
抗菌剤の維持濃度において非感受性であるか、または抵
抗性であるかを区分できる。
【0042】このようにして求めた一連の微生物に対す
る抗菌剤効力の妥当性を評価するための方法としては、
例えば以下のような方法がある。すなわち、対象系から
採取した試料中には少なくとも1〜2種の培養可能な微
生物が存在しているので、その微生物に対して室内実験
で求めた抗菌性を抗菌剤検索データベースから呼び出し
て照合し、抗菌剤維持濃度において感受性の範囲にある
か否かを判断し、室内試験の結果と許容範囲内(任意に
設定可)で矛盾がなければ、該適用例で計算によって求
めた一連の微生物群に対する抗菌効力データは正常範囲
にあると判断する。そしてこの判断結果を表示できるカ
ラムを抗菌剤検索データベースに用意し、その旨入力し
ておく。もし室内試験データがなければ、その時に分離
された微生物を用いて室内試験を追加すればよい。
る抗菌剤効力の妥当性を評価するための方法としては、
例えば以下のような方法がある。すなわち、対象系から
採取した試料中には少なくとも1〜2種の培養可能な微
生物が存在しているので、その微生物に対して室内実験
で求めた抗菌性を抗菌剤検索データベースから呼び出し
て照合し、抗菌剤維持濃度において感受性の範囲にある
か否かを判断し、室内試験の結果と許容範囲内(任意に
設定可)で矛盾がなければ、該適用例で計算によって求
めた一連の微生物群に対する抗菌効力データは正常範囲
にあると判断する。そしてこの判断結果を表示できるカ
ラムを抗菌剤検索データベースに用意し、その旨入力し
ておく。もし室内試験データがなければ、その時に分離
された微生物を用いて室内試験を追加すればよい。
【0043】使用対象系に還元性物質などの抗菌剤効力
を阻害する物質が含まれている場合には、上記のように
して求めた抗菌効力データは室内試験によって測定した
抗菌効力よりも悪くなるはずである。すなわち求めた抗
菌効力の値は共存していた系内物質の影響を受けて過小
評価されているので、このように判断された1群のデー
タには過小評価と前記カラムに表示する。また、使用対
象系の前工程で使用され、残留した抗菌剤が現対象系に
流下するような場合には、使用した抗菌剤の効力が過大
評価されている可能性がある。こうした場合は、同様に
前記カラムに過大評価を表示する。
を阻害する物質が含まれている場合には、上記のように
して求めた抗菌効力データは室内試験によって測定した
抗菌効力よりも悪くなるはずである。すなわち求めた抗
菌効力の値は共存していた系内物質の影響を受けて過小
評価されているので、このように判断された1群のデー
タには過小評価と前記カラムに表示する。また、使用対
象系の前工程で使用され、残留した抗菌剤が現対象系に
流下するような場合には、使用した抗菌剤の効力が過大
評価されている可能性がある。こうした場合は、同様に
前記カラムに過大評価を表示する。
【0044】以上のような記入カラムをもつ抗菌剤検索
データベースのフォーマットを設計して、多くの適用例
のデータを集積しておけば、ある種の培地で分離培養で
きない微生物に対して抗菌剤を検索する際には正常範囲
のデータ群から有効な抗菌剤を選定することができる。
データベースのフォーマットを設計して、多くの適用例
のデータを集積しておけば、ある種の培地で分離培養で
きない微生物に対して抗菌剤を検索する際には正常範囲
のデータ群から有効な抗菌剤を選定することができる。
【0045】また新たに、ある対象系に適用する抗菌剤
を選定しようとする時に、対象系に抗菌効力を阻害した
り、増大させる物質の共存がある場合は、上記抗菌剤検
索データベースに集積され、過大評価または過小評価と
判定されたデータ群は抗菌剤選定の重要な要素になり得
るのでこれらも削除せずに集積することが好ましい。
を選定しようとする時に、対象系に抗菌効力を阻害した
り、増大させる物質の共存がある場合は、上記抗菌剤検
索データベースに集積され、過大評価または過小評価と
判定されたデータ群は抗菌剤選定の重要な要素になり得
るのでこれらも削除せずに集積することが好ましい。
【0046】本発明で使用する抗菌剤検索データベース
を構築するコンピューターソフトウェアとしては、Micr
osoft社製のMicrosoft ExelやMicrosoft Access(いず
れも商標)などの市販のソフトウェアを使用できるが、
これらに限定されるものではなく、目的にそったもので
あればどのようなものでも使用することができる。該当
する微生物名やアクセッションナンバーから各抗菌剤の
効力、対象系の環境条件など、目的とする内容を検索す
る機能は、上記ソフトウェアに通常付随しているので、
それらを利用することができ、不足するプログラムがあ
る場合は、公知の方法を組み合わせて追加することもで
きる。
を構築するコンピューターソフトウェアとしては、Micr
osoft社製のMicrosoft ExelやMicrosoft Access(いず
れも商標)などの市販のソフトウェアを使用できるが、
これらに限定されるものではなく、目的にそったもので
あればどのようなものでも使用することができる。該当
する微生物名やアクセッションナンバーから各抗菌剤の
効力、対象系の環境条件など、目的とする内容を検索す
る機能は、上記ソフトウェアに通常付随しているので、
それらを利用することができ、不足するプログラムがあ
る場合は、公知の方法を組み合わせて追加することもで
きる。
【0047】本発明の抗菌処理方法は、まず最初に対象
系からスライム、白水、循環冷却水、防腐対象物質など
の微生物を含む試料を採取し、DNAの塩基配列による微
生物相解析によって、試料中に含まれる微生物相を構成
する微生物を微生物名またはアクセッションナンバー
(微生物名に相当する)毎に調べる。通常これら一連の
試験操作は2〜7日間で終了する。
系からスライム、白水、循環冷却水、防腐対象物質など
の微生物を含む試料を採取し、DNAの塩基配列による微
生物相解析によって、試料中に含まれる微生物相を構成
する微生物を微生物名またはアクセッションナンバー
(微生物名に相当する)毎に調べる。通常これら一連の
試験操作は2〜7日間で終了する。
【0048】次いで上記解析により同定された微生物を
検索キーとして抗菌剤検索データベースを検索し、抗菌
剤を検索、抽出する。この場合、環境条件などを検索キ
ーとして入力し、抗菌剤をさらに絞り込むことができ
る。抽出結果はディスプレイなどの出力装置に出力させ
ることができる。抽出された抗菌剤が1種類の場合はそ
の抗菌剤を選定し、複数の場合はその中から選定する。
抽出された抗菌剤の中から実際に使用する抗菌剤の選定
方法は任意であり、人が選定することもできるし、コン
ピュータで自動的に行うこともできる。具体的な選定方
法としは、例えば次のような方法などがあげられる。
検索キーとして抗菌剤検索データベースを検索し、抗菌
剤を検索、抽出する。この場合、環境条件などを検索キ
ーとして入力し、抗菌剤をさらに絞り込むことができ
る。抽出結果はディスプレイなどの出力装置に出力させ
ることができる。抽出された抗菌剤が1種類の場合はそ
の抗菌剤を選定し、複数の場合はその中から選定する。
抽出された抗菌剤の中から実際に使用する抗菌剤の選定
方法は任意であり、人が選定することもできるし、コン
ピュータで自動的に行うこともできる。具体的な選定方
法としは、例えば次のような方法などがあげられる。
【0049】1)全微生物または優占微生物に対して最
も低い最小有効濃度の抗菌剤を選定する。 2)特定の微生物を予め指定しておき、それに対して最
も有効な抗菌剤を選定する。 3)ある種の抗菌剤抵抗性微生物の占有率が任意に設定
した小さな比率である場合はその存在を無視するが、そ
の比率を越えている場合はその微生物に対する抗菌性だ
けで選定する。 4)優占微生物または特定微生物に対して「最小有効濃
度×価格」が最小となる抗菌剤を選定する。この場合、
処理コストを加味した選定を行うことができる。
も低い最小有効濃度の抗菌剤を選定する。 2)特定の微生物を予め指定しておき、それに対して最
も有効な抗菌剤を選定する。 3)ある種の抗菌剤抵抗性微生物の占有率が任意に設定
した小さな比率である場合はその存在を無視するが、そ
の比率を越えている場合はその微生物に対する抗菌性だ
けで選定する。 4)優占微生物または特定微生物に対して「最小有効濃
度×価格」が最小となる抗菌剤を選定する。この場合、
処理コストを加味した選定を行うことができる。
【0050】これらの選定方法は、抗菌剤検索データベ
ースに機能の一部として組み込んでおくこともできる。
選定基準は、従来の長期にわたる経験の蓄積からとりあ
えず設定可能であるが、抗菌剤検索データベースのデー
タ集積数が少ない初期段階では、データが蓄積される度
に処理成功率を目安に修正することが望ましい。
ースに機能の一部として組み込んでおくこともできる。
選定基準は、従来の長期にわたる経験の蓄積からとりあ
えず設定可能であるが、抗菌剤検索データベースのデー
タ集積数が少ない初期段階では、データが蓄積される度
に処理成功率を目安に修正することが望ましい。
【0051】上記のような方法により抗菌剤を選定する
ことにより、対象系の微生物相に対して最も適切な抗菌
剤を短時間で、かつ的確に選定することができる。
ことにより、対象系の微生物相に対して最も適切な抗菌
剤を短時間で、かつ的確に選定することができる。
【0052】本発明の抗菌処理方法は、上記のようにし
て選定した抗菌剤を用いて対象系の抗菌処理を行う抗菌
処理方法であるが、抗菌剤の選定は定期的または任意の
時点で繰り返して行うことができる。例えば、対象系か
ら定期的または任意の時点で、微生物を含む試料を採取
し、前記の方法により試料の微生物相をDNAの塩基配列
に基づいて解析し、この解析結果を前回の解析結果と比
較して、微生物相の変化から抗菌剤効果の変化を監視す
る。微生物相に大きな変化が認められず、抗菌剤の効果
があると認められる場合は、その抗菌剤を継続して使用
する。一方、抗菌剤に抵抗性を有する微生物の出現傾向
が認められた場合には、前記抗菌剤検索データベースを
検索し、前記出現傾向が認められた微生物に対して有効
な抗菌剤を抽出、選定する。例えば、ある抗菌剤を連続
的に使用している対象系で、顕著な付着物の増大ととも
にある特異的な微生物(またはDNA)の増大が確認され
たとき、抗菌剤検索データベースにこの微生物(または
DNA)が該当する抗菌剤に有意の抵抗性を持つものとし
て登録されている場合や、試験結果を行った結果、該当
する抗菌剤に抵抗性を有することが明らかになった場合
など、微生物相の変化と増大した微生物の抗菌剤抵抗性
に因果関係が認められたら、抗菌剤に抵抗性を有する微
生物の出現傾向が認められると判断することができる。
このようにして、微生物相の解析および抗菌剤の選定を
繰り返して行うことにより、その時点における最適な抗
菌剤を使用して抗菌処理を行うことができる。
て選定した抗菌剤を用いて対象系の抗菌処理を行う抗菌
処理方法であるが、抗菌剤の選定は定期的または任意の
時点で繰り返して行うことができる。例えば、対象系か
ら定期的または任意の時点で、微生物を含む試料を採取
し、前記の方法により試料の微生物相をDNAの塩基配列
に基づいて解析し、この解析結果を前回の解析結果と比
較して、微生物相の変化から抗菌剤効果の変化を監視す
る。微生物相に大きな変化が認められず、抗菌剤の効果
があると認められる場合は、その抗菌剤を継続して使用
する。一方、抗菌剤に抵抗性を有する微生物の出現傾向
が認められた場合には、前記抗菌剤検索データベースを
検索し、前記出現傾向が認められた微生物に対して有効
な抗菌剤を抽出、選定する。例えば、ある抗菌剤を連続
的に使用している対象系で、顕著な付着物の増大ととも
にある特異的な微生物(またはDNA)の増大が確認され
たとき、抗菌剤検索データベースにこの微生物(または
DNA)が該当する抗菌剤に有意の抵抗性を持つものとし
て登録されている場合や、試験結果を行った結果、該当
する抗菌剤に抵抗性を有することが明らかになった場合
など、微生物相の変化と増大した微生物の抗菌剤抵抗性
に因果関係が認められたら、抗菌剤に抵抗性を有する微
生物の出現傾向が認められると判断することができる。
このようにして、微生物相の解析および抗菌剤の選定を
繰り返して行うことにより、その時点における最適な抗
菌剤を使用して抗菌処理を行うことができる。
【0053】また本発明の抗菌処理方法では、抗菌剤を
使用している対象系において微生物の増殖に起因する障
害が発生した場合、その原因が薬剤抵抗性微生物の出現
によるものかどうかを短期間で判断することができるの
で、抵抗性微生物であれば抗菌剤の種類変更で対応し、
そうでなければ抗菌剤の使用方法(添加濃度、添加方法
など)か対象系の環境条件変化が原因であるから、これ
らを見直すことよって迅速に解決策を講じることができ
る。
使用している対象系において微生物の増殖に起因する障
害が発生した場合、その原因が薬剤抵抗性微生物の出現
によるものかどうかを短期間で判断することができるの
で、抵抗性微生物であれば抗菌剤の種類変更で対応し、
そうでなければ抗菌剤の使用方法(添加濃度、添加方法
など)か対象系の環境条件変化が原因であるから、これ
らを見直すことよって迅速に解決策を講じることができ
る。
【0054】なお本発明の抗菌処理方法は、抗菌剤の選
定に、抗菌剤検索データベースに入力されていない殺菌
試験、増殖抑制試験または菌数測定などの結果を組み合
わせて使用することができる。
定に、抗菌剤検索データベースに入力されていない殺菌
試験、増殖抑制試験または菌数測定などの結果を組み合
わせて使用することができる。
【0055】本発明の抗菌効果のモニタリング方法は、
抗菌剤を適用した対象系において、系内の微生物相変化
をDNAの塩基配列に基づいて定期的または任意の時点で
監視することによって抗菌剤の効果をモニタリングする
方法である。すなわち、抗菌剤が対象系に使用されてか
ら定期的にまたは適当な期間をおいて任意の時点で、対
象系から微生物を含む試料を採取し、前記の方法により
試料の微生物相をDNAの塩基配列に基づいて解析し、こ
の解析結果を前回の解析結果と比較して、微生物相の変
化から抗菌剤効果の変化を監視する。微生物相に大きな
変化が認められず、抗菌剤の効果があると認められる場
合は、その抗菌剤を継続して使用する。一方、前回の微
生物相解析では存在しなかった微生物が新たに出現し始
めた場合には、その微生物が現在使用している抗菌剤に
対して非感受性微生物または薬剤抵抗性があるかどうか
を抗菌剤検索データベースで照合する。そして感受性菌
の場合は、抗菌剤は有効であると判定してそのまま監視
を続ける。一方、非感受性微生物または薬剤抵抗性微生
物の場合は、その微生物に有効な抗菌剤を前記の方法に
より抗菌剤検索データベースを検索し、有効な抗菌剤を
選定することにより微生物障害を容易にかつ的確に防止
することができる。
抗菌剤を適用した対象系において、系内の微生物相変化
をDNAの塩基配列に基づいて定期的または任意の時点で
監視することによって抗菌剤の効果をモニタリングする
方法である。すなわち、抗菌剤が対象系に使用されてか
ら定期的にまたは適当な期間をおいて任意の時点で、対
象系から微生物を含む試料を採取し、前記の方法により
試料の微生物相をDNAの塩基配列に基づいて解析し、こ
の解析結果を前回の解析結果と比較して、微生物相の変
化から抗菌剤効果の変化を監視する。微生物相に大きな
変化が認められず、抗菌剤の効果があると認められる場
合は、その抗菌剤を継続して使用する。一方、前回の微
生物相解析では存在しなかった微生物が新たに出現し始
めた場合には、その微生物が現在使用している抗菌剤に
対して非感受性微生物または薬剤抵抗性があるかどうか
を抗菌剤検索データベースで照合する。そして感受性菌
の場合は、抗菌剤は有効であると判定してそのまま監視
を続ける。一方、非感受性微生物または薬剤抵抗性微生
物の場合は、その微生物に有効な抗菌剤を前記の方法に
より抗菌剤検索データベースを検索し、有効な抗菌剤を
選定することにより微生物障害を容易にかつ的確に防止
することができる。
【0056】このようにして抗菌効果をモニタリングす
ることにより、対象系において抗菌効果が低下したり障
害が発生したりするよりも前に対策を講じることができ
る。したがって、このような本発明のモニタリング方法
においては、微生物相解析がモニタリング手段であり、
抗菌剤検索データベースが抗菌剤変更の判定基準を提供
する。
ることにより、対象系において抗菌効果が低下したり障
害が発生したりするよりも前に対策を講じることができ
る。したがって、このような本発明のモニタリング方法
においては、微生物相解析がモニタリング手段であり、
抗菌剤検索データベースが抗菌剤変更の判定基準を提供
する。
【0057】
【発明の効果】本発明の抗菌処理方法は、DNAの塩基配
列に基づいて対象系の微生物相を解析し、この微生物相
に最適な工業用抗菌剤をデータベースから選定して使用
するようにしているので、対象系の微生物相に応じて最
適な工業用抗菌剤を短時間で選定して効率よく抗菌処理
することができる。本発明の抗菌効果のモニタリング方
法は、DNAの塩基配列に基づいて対象系の微生物相を解
析し、微生物相の変化から抗菌剤の効果を監視している
ので、抗菌剤の効果が発揮されているかどうかを短時間
で簡単に、かつ的確に把握することができ、微生物の増
殖に起因するトラブルを事前に防止することができる。
列に基づいて対象系の微生物相を解析し、この微生物相
に最適な工業用抗菌剤をデータベースから選定して使用
するようにしているので、対象系の微生物相に応じて最
適な工業用抗菌剤を短時間で選定して効率よく抗菌処理
することができる。本発明の抗菌効果のモニタリング方
法は、DNAの塩基配列に基づいて対象系の微生物相を解
析し、微生物相の変化から抗菌剤の効果を監視している
ので、抗菌剤の効果が発揮されているかどうかを短時間
で簡単に、かつ的確に把握することができ、微生物の増
殖に起因するトラブルを事前に防止することができる。
【0058】
【発明の実施の形態】次に本発明の抗菌処理方法を図面
を用いて説明する。図1は本発明の抗菌処理方法を適用
する製紙装置の系統図であり、白水系を抗菌処理する場
合の例である。
を用いて説明する。図1は本発明の抗菌処理方法を適用
する製紙装置の系統図であり、白水系を抗菌処理する場
合の例である。
【0059】図1の装置において、1は抄紙機、2は種
箱、3は白水ピット、4は微生物相解析系、5は抗菌剤
選定系、6は制御系である。7a、7b・・・は抗菌剤
貯槽であり、抗菌剤の種類毎に複数設けられている。
箱、3は白水ピット、4は微生物相解析系、5は抗菌剤
選定系、6は制御系である。7a、7b・・・は抗菌剤
貯槽であり、抗菌剤の種類毎に複数設けられている。
【0060】図1の装置では次のようにして紙が製造さ
れる。すなわち、連絡路11からパルプスラリーが種箱
2で流量調整されて導入され、ポンプ12により連絡路
13、14を通ってスクリーン装置15に送られ、夾雑
物が除かれた後、連絡路17からインレット18に送ら
れる。このパルプスラリーがインレット18から抄紙機
1のワイヤー部21上に供給される。ワイヤー部21を
通過した白水はセーブーオール22で受けた後、連絡路
23から白水ピット3に集められる。白水ピット3の白
水は、一部は連絡路14中でパルプスラリーと混合さ
れ、循環使用される。残部は排水路24から排出され
る。ワイヤー部21上に形成された紙層は後工程の乾燥
工程(図示せず)などを経て紙製品とされる。
れる。すなわち、連絡路11からパルプスラリーが種箱
2で流量調整されて導入され、ポンプ12により連絡路
13、14を通ってスクリーン装置15に送られ、夾雑
物が除かれた後、連絡路17からインレット18に送ら
れる。このパルプスラリーがインレット18から抄紙機
1のワイヤー部21上に供給される。ワイヤー部21を
通過した白水はセーブーオール22で受けた後、連絡路
23から白水ピット3に集められる。白水ピット3の白
水は、一部は連絡路14中でパルプスラリーと混合さ
れ、循環使用される。残部は排水路24から排出され
る。ワイヤー部21上に形成された紙層は後工程の乾燥
工程(図示せず)などを経て紙製品とされる。
【0061】上記のような製紙装置を抗菌処理するに
は、例えば白水ピット3から微生物を含む試料を採取
し、微生物相解析系4で微生物相の解析を行い、その結
果に基づいて抗菌剤選定系5で抗菌剤を選定する。微生
物相解析系4における微生物相の解析および抗菌剤選定
系5における抗菌剤の選定は、例えば図2に示すフロー
により行われる。
は、例えば白水ピット3から微生物を含む試料を採取
し、微生物相解析系4で微生物相の解析を行い、その結
果に基づいて抗菌剤選定系5で抗菌剤を選定する。微生
物相解析系4における微生物相の解析および抗菌剤選定
系5における抗菌剤の選定は、例えば図2に示すフロー
により行われる。
【0062】抗菌剤選定系5の結果が制御系6にインプ
ットされ、選定された抗菌剤が指定された濃度となるよ
うに、抗菌剤貯槽7a、7b・・・から薬注路27a、
27b・・・を通して種箱2に添加される。このように
して添加された抗菌剤がパルプスラリーおよび白水に溶
解して製紙装置を循環することにより、装置全体が抗菌
処理される。抗菌剤の濃度の調整は、目的の濃度となる
ように、制御系6から信号をポンプ28a、28b・・
・に送り、添加量を制御することにより自動的に行うこ
ともできる。
ットされ、選定された抗菌剤が指定された濃度となるよ
うに、抗菌剤貯槽7a、7b・・・から薬注路27a、
27b・・・を通して種箱2に添加される。このように
して添加された抗菌剤がパルプスラリーおよび白水に溶
解して製紙装置を循環することにより、装置全体が抗菌
処理される。抗菌剤の濃度の調整は、目的の濃度となる
ように、制御系6から信号をポンプ28a、28b・・
・に送り、添加量を制御することにより自動的に行うこ
ともできる。
【0063】白水ピット3からの試料の採取は定期的ま
たは任意の時点で行い、続いて微生物相解析、抗菌剤の
選定を行う。これにより、その時点における最も適した
抗菌剤が選定され、最も効果的に抗菌処理を行うことが
できる。
たは任意の時点で行い、続いて微生物相解析、抗菌剤の
選定を行う。これにより、その時点における最も適した
抗菌剤が選定され、最も効果的に抗菌処理を行うことが
できる。
【0064】図1では白水ピット3から試料を採取して
いるが、スクリーン装置15、インレット18またはセ
ーブオール22などから試料を採取してもよい。また図
1では抗菌剤貯槽7a、7b・・・は3個設けられてい
るが、2個または4個以上であってもよい。
いるが、スクリーン装置15、インレット18またはセ
ーブオール22などから試料を採取してもよい。また図
1では抗菌剤貯槽7a、7b・・・は3個設けられてい
るが、2個または4個以上であってもよい。
【0065】図2は図1の微生物相解析系4および抗菌
剤選定系5における処理の流れを示すフローチャートで
あり、微生物の生育に及ぼす環境条件ごとに微生物に対
する抗菌剤の有効濃度のデータが蓄積されており、指定
された環境条件の中から抗菌剤を絞り込むことができる
抗菌剤データベースを使用した場合の例である。
剤選定系5における処理の流れを示すフローチャートで
あり、微生物の生育に及ぼす環境条件ごとに微生物に対
する抗菌剤の有効濃度のデータが蓄積されており、指定
された環境条件の中から抗菌剤を絞り込むことができる
抗菌剤データベースを使用した場合の例である。
【0066】図2のフローチャートでは、ステップ31
において対象系から微生物を含む試料を採取し、ステッ
プ32において試料のコロニー数と全微生物数を測定す
る。全微生物数は、例えば試料中の細胞をアクリジンオ
レンジやDAPIなどで染色後、蛍光顕微鏡下に直接計
測するなどの公知の方法により測定することができる。
なお、既に何度も測定を行っている対象系であって、環
境条件から結果が推測できる場合はステップ32は省略
することもできる。
において対象系から微生物を含む試料を採取し、ステッ
プ32において試料のコロニー数と全微生物数を測定す
る。全微生物数は、例えば試料中の細胞をアクリジンオ
レンジやDAPIなどで染色後、蛍光顕微鏡下に直接計
測するなどの公知の方法により測定することができる。
なお、既に何度も測定を行っている対象系であって、環
境条件から結果が推測できる場合はステップ32は省略
することもできる。
【0067】次にステップ33において、コロニー数と
全微生物数とを比較し、ほぼ等しい場合はステップ34
においてコロニー形成微生物のrDNAの解析を行う。一
方、等しくない場合はステップ35においてコロニーを
形成できない微生物を含む全微生物のrDNAの解析を行
う。次にステップ36において、上記で解析した塩基配
列に基づいて微生物検索データベースを検索する。この
場合、複数の微生物検索データベースを検索することも
できる。この検索結果に基づいて、ステップ37におい
て微生物を同定(微生物相の決定)する。この場合、微
生物名を決定することができない場合、独自に微生物番
号を付与することもできる。
全微生物数とを比較し、ほぼ等しい場合はステップ34
においてコロニー形成微生物のrDNAの解析を行う。一
方、等しくない場合はステップ35においてコロニーを
形成できない微生物を含む全微生物のrDNAの解析を行
う。次にステップ36において、上記で解析した塩基配
列に基づいて微生物検索データベースを検索する。この
場合、複数の微生物検索データベースを検索することも
できる。この検索結果に基づいて、ステップ37におい
て微生物を同定(微生物相の決定)する。この場合、微
生物名を決定することができない場合、独自に微生物番
号を付与することもできる。
【0068】次にステップ38において、ステップ37
において同定された微生物名、アクセッションナンバー
または独自に付与した微生物番号のいずれかを検索キー
として抗菌剤データベースを検索する。ステップ39で
抗菌剤が抽出された場合は、ステップ40において環境
条件を検索キーとして抗菌剤を絞り込み、成功例がある
場合はステップ41においてその抗菌剤を抗菌処理に用
いる薬剤として選定する。この時、抗菌剤濃度も決定さ
れる。複数の抗菌剤が抽出される場合は、前記のように
コストなどを考慮して選定することができる。
において同定された微生物名、アクセッションナンバー
または独自に付与した微生物番号のいずれかを検索キー
として抗菌剤データベースを検索する。ステップ39で
抗菌剤が抽出された場合は、ステップ40において環境
条件を検索キーとして抗菌剤を絞り込み、成功例がある
場合はステップ41においてその抗菌剤を抗菌処理に用
いる薬剤として選定する。この時、抗菌剤濃度も決定さ
れる。複数の抗菌剤が抽出される場合は、前記のように
コストなどを考慮して選定することができる。
【0069】一方、ステップ39において抗菌剤データ
ベースで抗菌剤が抽出されない場合は、ステップ42に
進みコロニー形成微生物かどうかをステップ33の結果
を見返すことにより判定し、コロニー形成微生物の場合
はステップ43において室内で各種抗菌剤に対する培養
試験を行い、その結果から抗菌剤を選定する(ステップ
44)。またステップ42でコロニー非形成微生物と判
定される場合は、ステップ45において過去の経験など
から抗菌剤を選定する。上記のようにして選定した抗菌
剤を用いて、ステップ46において抗菌処理を行う。
ベースで抗菌剤が抽出されない場合は、ステップ42に
進みコロニー形成微生物かどうかをステップ33の結果
を見返すことにより判定し、コロニー形成微生物の場合
はステップ43において室内で各種抗菌剤に対する培養
試験を行い、その結果から抗菌剤を選定する(ステップ
44)。またステップ42でコロニー非形成微生物と判
定される場合は、ステップ45において過去の経験など
から抗菌剤を選定する。上記のようにして選定した抗菌
剤を用いて、ステップ46において抗菌処理を行う。
【0070】次にステップ47において処理効果を判定
し、抗菌効果が良好でない場合はその結果を抗菌剤デー
タベースに入力し(ステップ48)、もう一度ステップ
31に戻り試料の採取から操作を繰り返す。同定される
微生物が同じ場合、ステップ40において絞り込まれる
抗菌剤の中から前回とは別の抗菌剤を選定する。なお、
ステップ34または35においてDNA解析の結果が前
回と同じ場合、ステップ36の微生物検索データベース
の検索は省略することもできる。一方、ステップ47に
おいて処理効果が良好と判定される場合は、その結果を
抗菌剤データベースに入力し(ステップ49)、任意の
期間を置いた後(ステップ50)、ステップ31から操
作を繰り返す。
し、抗菌効果が良好でない場合はその結果を抗菌剤デー
タベースに入力し(ステップ48)、もう一度ステップ
31に戻り試料の採取から操作を繰り返す。同定される
微生物が同じ場合、ステップ40において絞り込まれる
抗菌剤の中から前回とは別の抗菌剤を選定する。なお、
ステップ34または35においてDNA解析の結果が前
回と同じ場合、ステップ36の微生物検索データベース
の検索は省略することもできる。一方、ステップ47に
おいて処理効果が良好と判定される場合は、その結果を
抗菌剤データベースに入力し(ステップ49)、任意の
期間を置いた後(ステップ50)、ステップ31から操
作を繰り返す。
【0071】なお、図2のフローでは、ステップ39に
おいて抗菌剤が抽出されない場合、コロニー形成微生物
では培養試験を行って抗菌剤を選定しているが、過去の
経験などから選定することもできる。上記の方法によ
り、抗菌剤データベースに結果を蓄積しながら処理を継
続していくに従って、ステップ39および40でNOと
判定される割合は次第に減少し、抗菌剤データベースを
検索するだけで、適切な抗菌剤を選択できるようにな
る。
おいて抗菌剤が抽出されない場合、コロニー形成微生物
では培養試験を行って抗菌剤を選定しているが、過去の
経験などから選定することもできる。上記の方法によ
り、抗菌剤データベースに結果を蓄積しながら処理を継
続していくに従って、ステップ39および40でNOと
判定される割合は次第に減少し、抗菌剤データベースを
検索するだけで、適切な抗菌剤を選択できるようにな
る。
【0072】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。
【0073】実施例1 《実験室スライム試験装置による実験例》特開平9−7
5065号に記載されたのトルク式スライム試験装置、
すなわち静止した外部シリンダと、この外部シリンダ内
に同軸的に設置された内部シリンダとを有し、外部シリ
ンダと内部シリンダとの間に水を流通させるとともに内
部シリンダを回転させて内部シリンダ表面にスライムを
成長させるようにしたスライム試験装置を使用した。こ
の装置を滞留時間20分間となるように人工白水(組
成:溶性デンプン142mg/L、硫酸アンモニウム1
1.6mg/L、pH7.0)を30℃で連続供給し、
DBNPA(ジブロモニトリロプロピオンアミド)を主
剤とするスライムコントロール剤を接触濃度2.5mg
/Lで15分間、3回/日で間欠添加した。12日間運
転後にスライムが厚さ119μm発生したのでこれを採
取し、PY寒天培地(組成:ポリペプトン1g/L、酵
母エキス1g/L、NaCl 0.5g/L、寒天1.
5%、pH7.0)を用いて培養し、最大希釈の平板か
らアトランダムに細菌24菌株を分離した。個々の分離
菌株を一白金耳採取し、1.5mL容量の微量遠心管に
分注した0.4mLのTE緩衝液(10mM Tris
−HCl、1mM EDTA、pH8.0)に懸濁し
た。
5065号に記載されたのトルク式スライム試験装置、
すなわち静止した外部シリンダと、この外部シリンダ内
に同軸的に設置された内部シリンダとを有し、外部シリ
ンダと内部シリンダとの間に水を流通させるとともに内
部シリンダを回転させて内部シリンダ表面にスライムを
成長させるようにしたスライム試験装置を使用した。こ
の装置を滞留時間20分間となるように人工白水(組
成:溶性デンプン142mg/L、硫酸アンモニウム1
1.6mg/L、pH7.0)を30℃で連続供給し、
DBNPA(ジブロモニトリロプロピオンアミド)を主
剤とするスライムコントロール剤を接触濃度2.5mg
/Lで15分間、3回/日で間欠添加した。12日間運
転後にスライムが厚さ119μm発生したのでこれを採
取し、PY寒天培地(組成:ポリペプトン1g/L、酵
母エキス1g/L、NaCl 0.5g/L、寒天1.
5%、pH7.0)を用いて培養し、最大希釈の平板か
らアトランダムに細菌24菌株を分離した。個々の分離
菌株を一白金耳採取し、1.5mL容量の微量遠心管に
分注した0.4mLのTE緩衝液(10mM Tris
−HCl、1mM EDTA、pH8.0)に懸濁し
た。
【0074】この懸濁液に0.8gの0.1mmジルコ
ニア/シリカビーズ(Bio Spec Products, Inc社)を加
えて、細胞破砕機(ビートビータ:Bio Spec Products,
Inc社)により最大出力で1分間ホモジナイズした。
8,000×g、5分間遠心分離後、上清を鋳型DNA溶
液としてPCR反応を行った。試薬はPyroBestDNAポリメラ
ーゼ(宝酒造株式会社、商標)を用い、反応装置はGene
Amp2400(PEバイオシステムズ社、商標)を用いた。
プライマーは5'-GAGTTTGATCMTGGCTCAG-3'と5'-ACGGYTAC
CTTGTTACGACTT-3'を用いた。PCRの反応条件は、94℃
で0.2分間、55℃で0.3分間、72℃で2分間の
反応を30サイクル繰り返し、最終回は72℃で7分間
反応を行った。反応物はMicroSpin S-300 HRカラム(ア
マシャム・ファルマシア・バイオテク株式会社製、商
標)に通して未反応のプライマーを除去したのち、その
一部をBigDye Terminator Cycle Sequencing FS Ready
Reaction Kit(PEバイオシステムズ社、商標)を用い
てシークエンシング反応を行った。シークエンシング用
プライマーは5'-GAGTTTGATCMTGGCTCAG-3'および5'-CAGC
MGCCGCGGTAATWC-3'とした。
ニア/シリカビーズ(Bio Spec Products, Inc社)を加
えて、細胞破砕機(ビートビータ:Bio Spec Products,
Inc社)により最大出力で1分間ホモジナイズした。
8,000×g、5分間遠心分離後、上清を鋳型DNA溶
液としてPCR反応を行った。試薬はPyroBestDNAポリメラ
ーゼ(宝酒造株式会社、商標)を用い、反応装置はGene
Amp2400(PEバイオシステムズ社、商標)を用いた。
プライマーは5'-GAGTTTGATCMTGGCTCAG-3'と5'-ACGGYTAC
CTTGTTACGACTT-3'を用いた。PCRの反応条件は、94℃
で0.2分間、55℃で0.3分間、72℃で2分間の
反応を30サイクル繰り返し、最終回は72℃で7分間
反応を行った。反応物はMicroSpin S-300 HRカラム(ア
マシャム・ファルマシア・バイオテク株式会社製、商
標)に通して未反応のプライマーを除去したのち、その
一部をBigDye Terminator Cycle Sequencing FS Ready
Reaction Kit(PEバイオシステムズ社、商標)を用い
てシークエンシング反応を行った。シークエンシング用
プライマーは5'-GAGTTTGATCMTGGCTCAG-3'および5'-CAGC
MGCCGCGGTAATWC-3'とした。
【0075】反応物はAutoSeq G-50カラム(アマシャム
・ファルマシア・バイオテク株式会社製、商標)に通し
て未反応のヌクレオチドを除去した後、加熱変性させ、
ABIPRISM 3000シークエンサーに供し、5’末端より約
500塩基の配列を決定した。全ての分離株に対して得
られた塩基配列のデータについて、GenBankデータベー
スにアクセスして個々の細菌を同定したところ、24株
の分離株は5種類の細菌を含んでおり、このうちデータ
ベースにアクセッションナンバーAB004728として登録さ
れているMicrobacterium属の一種の塩基配列と98.1
%の相同性を有する16S rDNAを持つ細菌(すなわちMicr
obacterium sp. と同定)が全細菌の75%を占め、優
占微生物であった。
・ファルマシア・バイオテク株式会社製、商標)に通し
て未反応のヌクレオチドを除去した後、加熱変性させ、
ABIPRISM 3000シークエンサーに供し、5’末端より約
500塩基の配列を決定した。全ての分離株に対して得
られた塩基配列のデータについて、GenBankデータベー
スにアクセスして個々の細菌を同定したところ、24株
の分離株は5種類の細菌を含んでおり、このうちデータ
ベースにアクセッションナンバーAB004728として登録さ
れているMicrobacterium属の一種の塩基配列と98.1
%の相同性を有する16S rDNAを持つ細菌(すなわちMicr
obacterium sp. と同定)が全細菌の75%を占め、優
占微生物であった。
【0076】さらに、この分離した優占微生物の塩基配
列について独自に構築した微生物検索データベース(過
去に検索した結果を独自に集積したデータベース)を検
索した結果、全く同じ塩基配列の細菌が過去に分離され
たことがあり、微生物番号6354として登録されてい
た。この微生物番号を検索キーとして抗菌剤検索データ
ベースを検索した結果、上記のMicrobacterium sp. は
DBNPAに対する薬剤抵抗性菌であることが分かり、
その他の分離菌はいずれもDBNPA感受性菌であっ
た。なお念のために後刻各分離菌株についてDBNPA
による殺菌試験を行ったところ、使用した抗菌剤検索デ
ータベースの結果は正しい値を示していることを確認し
た。
列について独自に構築した微生物検索データベース(過
去に検索した結果を独自に集積したデータベース)を検
索した結果、全く同じ塩基配列の細菌が過去に分離され
たことがあり、微生物番号6354として登録されてい
た。この微生物番号を検索キーとして抗菌剤検索データ
ベースを検索した結果、上記のMicrobacterium sp. は
DBNPAに対する薬剤抵抗性菌であることが分かり、
その他の分離菌はいずれもDBNPA感受性菌であっ
た。なお念のために後刻各分離菌株についてDBNPA
による殺菌試験を行ったところ、使用した抗菌剤検索デ
ータベースの結果は正しい値を示していることを確認し
た。
【0077】またMicrobactrium sp. に対して、『最小
有効濃度×価格』から判断して最も低コストで効果の得
られる抗菌剤を抗菌剤検索データベースで検索した結
果、HPGHC(2−(p−ヒドロキシフェニル)グリ
オキシロヒドロキシモイルクロライド)が抽出され、そ
の最小有効濃度は0.2mg/Lであることが判明し
た。また他の分離菌株は全てHPGHCに対して感受性
であった。
有効濃度×価格』から判断して最も低コストで効果の得
られる抗菌剤を抗菌剤検索データベースで検索した結
果、HPGHC(2−(p−ヒドロキシフェニル)グリ
オキシロヒドロキシモイルクロライド)が抽出され、そ
の最小有効濃度は0.2mg/Lであることが判明し
た。また他の分離菌株は全てHPGHCに対して感受性
であった。
【0078】上記の結果を基に、スライム試験装置の運
転条件は変えずにスライムコントロール剤だけをHPG
HCが系内で0.3mg/Lを維持する方法に変更し
た。その結果、スライム付着量は著しく減少し、同じ期
間内のスライム成長が厚さ3μmになった。この時に採
取したHPGHC処理スライムの微生物相の解析を前記
と同じ方法で実施したところ、Microbacterium sp. は
検出されなかった。
転条件は変えずにスライムコントロール剤だけをHPG
HCが系内で0.3mg/Lを維持する方法に変更し
た。その結果、スライム付着量は著しく減少し、同じ期
間内のスライム成長が厚さ3μmになった。この時に採
取したHPGHC処理スライムの微生物相の解析を前記
と同じ方法で実施したところ、Microbacterium sp. は
検出されなかった。
【0079】この実施例において、スライムを採取して
からMicrobacterium sp. が優占微生物であることを明
らかにするまでに要した日数は5日間であった。実施例
1で用いた前記抗菌剤検索データベースは、Microsoft
社のMicrosoft Access(商標)を利用して作成したもの
であり、各種水系および製紙工場のデンプンスラリー、
デンプン糊液、コーティングカラーから分離した細菌に
ついて、pH3水準、温度3水準の条件下で各種抗菌剤
(スライムコントロール剤、防腐剤、およびそれらの素
剤)を用いて殺菌試験および増殖抑制試験を行い、その
試験結果を入力したものである。さらに各種抗菌剤を各
種対象系に適用して得られた過去の実績データを網羅し
て入力したものである。なお、この抗菌剤検索データベ
ースの検索は、Microsoft Accessに組み込まれている
「並べ替え」、「オートフィルター」および「検索」の
機能だけを利用して行い、検出結果をコンピュータの画
面上に表示させて判断した。
からMicrobacterium sp. が優占微生物であることを明
らかにするまでに要した日数は5日間であった。実施例
1で用いた前記抗菌剤検索データベースは、Microsoft
社のMicrosoft Access(商標)を利用して作成したもの
であり、各種水系および製紙工場のデンプンスラリー、
デンプン糊液、コーティングカラーから分離した細菌に
ついて、pH3水準、温度3水準の条件下で各種抗菌剤
(スライムコントロール剤、防腐剤、およびそれらの素
剤)を用いて殺菌試験および増殖抑制試験を行い、その
試験結果を入力したものである。さらに各種抗菌剤を各
種対象系に適用して得られた過去の実績データを網羅し
て入力したものである。なお、この抗菌剤検索データベ
ースの検索は、Microsoft Accessに組み込まれている
「並べ替え」、「オートフィルター」および「検索」の
機能だけを利用して行い、検出結果をコンピュータの画
面上に表示させて判断した。
【0080】実施例2 《D製紙におけるスライムコントロール剤選定例》中質
紙を抄造している長網マシンのスライムコントロール
を、DBNPAを主剤とする抗菌剤で長期間処理してい
たところ、白水循環工程でピンク色の細菌スライムが発
生した。そこで実施例1と同じ方法で、寒天培地を用い
て複数の付着場所のスライムから細菌各24菌株を分離
し、微生物相の解析を行った。この結果、分離株は5種
類の細菌を含んでおり、このうちGeneBankデータベース
のアクセッションナンバーAJ000002のDeinococcus geot
hermalisに99.5%の相同性を有する16S rDNAを持つ
細菌(すなわち、D. geothermalisと同定)が全細菌の
46%を占めていた。
紙を抄造している長網マシンのスライムコントロール
を、DBNPAを主剤とする抗菌剤で長期間処理してい
たところ、白水循環工程でピンク色の細菌スライムが発
生した。そこで実施例1と同じ方法で、寒天培地を用い
て複数の付着場所のスライムから細菌各24菌株を分離
し、微生物相の解析を行った。この結果、分離株は5種
類の細菌を含んでおり、このうちGeneBankデータベース
のアクセッションナンバーAJ000002のDeinococcus geot
hermalisに99.5%の相同性を有する16S rDNAを持つ
細菌(すなわち、D. geothermalisと同定)が全細菌の
46%を占めていた。
【0081】Deinococcus geothermalisを検索キーとし
て、実施例1と同じ抗菌剤検索データベースで検索した
ところ、この細菌はDBNPAに抵抗性を持つグループ
に属していた。念のために後刻分離菌のDBNPAに対
する殺菌試験を行ったところ、間違いなくDBNPA抵
抗性菌であった。この菌に対して有効な抗菌剤を抗菌剤
検索データベースから抽出した結果、本系のpHおよび
温度条件においてはある種の無機臭素系化合物が適して
いるとの結果を得た。また他の分離菌で検索した結果、
この無機臭素系化合物に抵抗性を有するスライム構成菌
は存在しなかった。そこで直ちにこれを実際のスライム
コントロールに適用した結果、ピンク色のスライムはも
とよりスライム全体の発生が極めて少なくなった。25
日間連続操業後に採取した白水サイロ内の付着物を上記
と同じ方法で微生物相の解析した結果、Deinococcus ge
othermalisが全微生物相に占める占有率は4%に減少し
ていた。なお、スライム試料を採取してから上記の各種
試験を終了し、新しい処理方法を決定するまでに要した
時間は6日間であった。
て、実施例1と同じ抗菌剤検索データベースで検索した
ところ、この細菌はDBNPAに抵抗性を持つグループ
に属していた。念のために後刻分離菌のDBNPAに対
する殺菌試験を行ったところ、間違いなくDBNPA抵
抗性菌であった。この菌に対して有効な抗菌剤を抗菌剤
検索データベースから抽出した結果、本系のpHおよび
温度条件においてはある種の無機臭素系化合物が適して
いるとの結果を得た。また他の分離菌で検索した結果、
この無機臭素系化合物に抵抗性を有するスライム構成菌
は存在しなかった。そこで直ちにこれを実際のスライム
コントロールに適用した結果、ピンク色のスライムはも
とよりスライム全体の発生が極めて少なくなった。25
日間連続操業後に採取した白水サイロ内の付着物を上記
と同じ方法で微生物相の解析した結果、Deinococcus ge
othermalisが全微生物相に占める占有率は4%に減少し
ていた。なお、スライム試料を採取してから上記の各種
試験を終了し、新しい処理方法を決定するまでに要した
時間は6日間であった。
【0082】実施例3 《D製紙におけるモニタリング例》D製紙には実施例2
と抄造製品が同じで、マシン形式、抄造条件が類似した
別のマシンが隣り合わせで存在する。しかし、実施例2
のマシンでピンク色のスライムが発生した時にもこのマ
シンではその発生が認められなかった。そこで実施例1
と同じ方法により白水試料から寒天培地を用いて細菌3
6菌株を分離し、微生物相の解析を行った。試験菌株数
が多いことから、各菌株から調製した16S rDNAを3種類
の制限酵素(BstUI、RsaI、HhaI)でそれぞれ消化して
TRFLP解析を行い、パターンが一致するものは同じ
菌としてあらかじめグループ化した後、塩基配列を指標
とした同定を行った。その結果、本マシンの分離36菌
株に占めるDeinococcus geothermalisは占有率2.7%
(1菌株)に過ぎなかった。
と抄造製品が同じで、マシン形式、抄造条件が類似した
別のマシンが隣り合わせで存在する。しかし、実施例2
のマシンでピンク色のスライムが発生した時にもこのマ
シンではその発生が認められなかった。そこで実施例1
と同じ方法により白水試料から寒天培地を用いて細菌3
6菌株を分離し、微生物相の解析を行った。試験菌株数
が多いことから、各菌株から調製した16S rDNAを3種類
の制限酵素(BstUI、RsaI、HhaI)でそれぞれ消化して
TRFLP解析を行い、パターンが一致するものは同じ
菌としてあらかじめグループ化した後、塩基配列を指標
とした同定を行った。その結果、本マシンの分離36菌
株に占めるDeinococcus geothermalisは占有率2.7%
(1菌株)に過ぎなかった。
【0083】マシンの環境条件が類似していることか
ら、このマシンでもいずれ時間が経過すると同じピンク
色のスライムが発生する恐れがあったので、従来法によ
る効果監視を強めるとともに、上記と同じ試験方法によ
り(分離菌株は48菌株に増やした)白水試料の微生物
相の解析を7〜14日間の間隔で繰り返し実施した。ま
た実施例1の試験装置と基本構造が同じ3連式スライム
モニターをこのマシンに設置し、次のように使用した。
ら、このマシンでもいずれ時間が経過すると同じピンク
色のスライムが発生する恐れがあったので、従来法によ
る効果監視を強めるとともに、上記と同じ試験方法によ
り(分離菌株は48菌株に増やした)白水試料の微生物
相の解析を7〜14日間の間隔で繰り返し実施した。ま
た実施例1の試験装置と基本構造が同じ3連式スライム
モニターをこのマシンに設置し、次のように使用した。
【0084】すなわち、1台(以下1号機とする)は本
来のスライムモニターとするために、マシン白水を連続
供給した。残りの2台はマシン条件を模したシュミレー
ター試験装置として用い、白水の滞留時間がマシンと同
条件となるように供給白水の流量を設定した上で、DB
NPA添加時間帯から離れた時間帯にマシン白水を貯留
タンクに取り、DBNPAを含まない白水を供給するよ
うにした。そして実機の条件下でDBNPA製剤と無機
臭素系化合物の抗力確認を行うために、1台(以下2号
機とする)にはDBNPA製剤を、あとの1台(以下3
号機とする)には無機臭素系化合物をマシン処理条件と
同じになるように各々独立した注入システムを使用して
添加した。
来のスライムモニターとするために、マシン白水を連続
供給した。残りの2台はマシン条件を模したシュミレー
ター試験装置として用い、白水の滞留時間がマシンと同
条件となるように供給白水の流量を設定した上で、DB
NPA添加時間帯から離れた時間帯にマシン白水を貯留
タンクに取り、DBNPAを含まない白水を供給するよ
うにした。そして実機の条件下でDBNPA製剤と無機
臭素系化合物の抗力確認を行うために、1台(以下2号
機とする)にはDBNPA製剤を、あとの1台(以下3
号機とする)には無機臭素系化合物をマシン処理条件と
同じになるように各々独立した注入システムを使用して
添加した。
【0085】第4回目までの微生物相の解析結果は、De
inococcus geothermalisの占有率が2〜4%(48菌株
中1〜2菌株)の範囲で推移していたが、初回の試験か
ら数えて47日後に行った第5回目の結果では6菌株
(12.5%)に増加した。この時同時に実施した白水
試料に対する殺菌効力試験ではDBNPA製剤の効力は
良好なままで、通常のバラツキ範囲内にあった。一方、
3連式スライムモニターの3号機におけるスライム成長
の兆候はなく、1号機および2号機においてはスライム
厚さ数μmに相当する微小な付着ではあったが、スライ
ム成長の兆候が認められた。このような複数の結果を総
合して、この変化は当マシンにもピンク色のスライムが
発生し始めた兆候であると判断し、マシンに適用する抗
菌剤をDBNPA製剤から無機臭素系化合物に変更(試
験日から5日後)した。
inococcus geothermalisの占有率が2〜4%(48菌株
中1〜2菌株)の範囲で推移していたが、初回の試験か
ら数えて47日後に行った第5回目の結果では6菌株
(12.5%)に増加した。この時同時に実施した白水
試料に対する殺菌効力試験ではDBNPA製剤の効力は
良好なままで、通常のバラツキ範囲内にあった。一方、
3連式スライムモニターの3号機におけるスライム成長
の兆候はなく、1号機および2号機においてはスライム
厚さ数μmに相当する微小な付着ではあったが、スライ
ム成長の兆候が認められた。このような複数の結果を総
合して、この変化は当マシンにもピンク色のスライムが
発生し始めた兆候であると判断し、マシンに適用する抗
菌剤をDBNPA製剤から無機臭素系化合物に変更(試
験日から5日後)した。
【0086】抗菌剤を切り替えてから7日目に行ったマ
シン白水における微生物相の解析結果は、分離菌48菌
株中1菌株(占有率2%)がDeinococcus geothermalis
となり、ほぼ元の状態に復帰していた。また3連式スラ
イムモニターの1号機付着量は検出限界以下に低下し
た。一方2号機の方はスライム付着量が徐々に増加し、
抗菌剤切り替え後14日目には肉眼でも判別できるピン
ク色のスライムが発生した。この結果から、抗菌剤の変
更があと1〜2週間遅れていたら当マシンでもスライム
障害が発生していた可能性が高いと判断された。この結
果から、DNAの塩基配列を用いた本発明の抗菌効果のモ
ニタリング方法は、抗菌剤使用マシンにおける効力のモ
ニタリング手段として有効なことが明らかである。
シン白水における微生物相の解析結果は、分離菌48菌
株中1菌株(占有率2%)がDeinococcus geothermalis
となり、ほぼ元の状態に復帰していた。また3連式スラ
イムモニターの1号機付着量は検出限界以下に低下し
た。一方2号機の方はスライム付着量が徐々に増加し、
抗菌剤切り替え後14日目には肉眼でも判別できるピン
ク色のスライムが発生した。この結果から、抗菌剤の変
更があと1〜2週間遅れていたら当マシンでもスライム
障害が発生していた可能性が高いと判断された。この結
果から、DNAの塩基配列を用いた本発明の抗菌効果のモ
ニタリング方法は、抗菌剤使用マシンにおける効力のモ
ニタリング手段として有効なことが明らかである。
【0087】実施例4 《O製紙におけるスライムコントロール剤選定例》中性
の中質紙を抄造している長網マシンのスライムコントロ
ールを、塩素処理とDBNPAを主剤とする抗菌剤を併
用して長期間にわたり行っていたところ、白水循環系に
黄色のスライムが発生した。そこで実施例1と同じ方法
でスライムから24菌株を分離し、16S rDNAによる微生
物相の解析を行った。その結果、GenBankデータベース
のアクセッションナンバーAB027702で特定されるMicrob
acterium属に属する一微生物の16S rDNAの塩基配列に9
8.0%の相同性を持つ遺伝子を有する細菌が90%を
占めていることが分かった。
の中質紙を抄造している長網マシンのスライムコントロ
ールを、塩素処理とDBNPAを主剤とする抗菌剤を併
用して長期間にわたり行っていたところ、白水循環系に
黄色のスライムが発生した。そこで実施例1と同じ方法
でスライムから24菌株を分離し、16S rDNAによる微生
物相の解析を行った。その結果、GenBankデータベース
のアクセッションナンバーAB027702で特定されるMicrob
acterium属に属する一微生物の16S rDNAの塩基配列に9
8.0%の相同性を持つ遺伝子を有する細菌が90%を
占めていることが分かった。
【0088】さらに、分離された優占細菌の塩基配列を
独自に構築した前記微生物検索データベースで検索した
ところ、99.1%相同の塩基配列を有する細菌が微生
物番号2401として登録されていた。そこでこの微生
物番号を検索キーとして抗菌剤検索データベースを検索
した結果、DBNPAに抵抗性を示すグループに属する
菌であることがわかった。これに有効な抗菌剤を当マシ
ンの環境条件において『最小有効濃度×価格』から判断
したところ無機臭素系化合物を主剤とする抗菌剤である
との結果を得た。そこで次の操業期間からは選定された
無機臭素系抗菌剤を単独で用いてスライムコントロール
を行った。その結果、14日間の連繰期間中、肉眼で識
別できるスライムの発生がなくなった。
独自に構築した前記微生物検索データベースで検索した
ところ、99.1%相同の塩基配列を有する細菌が微生
物番号2401として登録されていた。そこでこの微生
物番号を検索キーとして抗菌剤検索データベースを検索
した結果、DBNPAに抵抗性を示すグループに属する
菌であることがわかった。これに有効な抗菌剤を当マシ
ンの環境条件において『最小有効濃度×価格』から判断
したところ無機臭素系化合物を主剤とする抗菌剤である
との結果を得た。そこで次の操業期間からは選定された
無機臭素系抗菌剤を単独で用いてスライムコントロール
を行った。その結果、14日間の連繰期間中、肉眼で識
別できるスライムの発生がなくなった。
【0089】実施例5 《A製紙工場デンプンスラリーにおける防腐剤選定例》
A製紙工場製紙用デンプン糊液(pH9、温度60℃)
で、糊液粘度が短時間に低下する現象が発生した。本系
ではイソチアゾロン系抗菌剤を10mg/L[イソチア
ゾロンとしての濃度]の濃度で連続添加している。菌数
を測定すると、1.7×10E+8CFU/mLの菌が
発生しており、腐敗初期状況と推定された。実施例3と
同じ方法により、微生物相の解析を行った結果、Paenib
acillus属の一微生物(GenBankデータベース:AJ28815
8)と94.8%の相同性を有する16S rDNAを持つ細菌
が全菌の96%を占めることがわかった。
A製紙工場製紙用デンプン糊液(pH9、温度60℃)
で、糊液粘度が短時間に低下する現象が発生した。本系
ではイソチアゾロン系抗菌剤を10mg/L[イソチア
ゾロンとしての濃度]の濃度で連続添加している。菌数
を測定すると、1.7×10E+8CFU/mLの菌が
発生しており、腐敗初期状況と推定された。実施例3と
同じ方法により、微生物相の解析を行った結果、Paenib
acillus属の一微生物(GenBankデータベース:AJ28815
8)と94.8%の相同性を有する16S rDNAを持つ細菌
が全菌の96%を占めることがわかった。
【0090】さらに、分離された優占細菌の塩基配列を
独自に構築した前記微生物検索データベースで検索した
ところ、全く同じ塩基配列を有する細菌が微生物番号2
675として登録されていた。そこでこの微生物番号を
検索キーとして抗菌剤検索データベースを検索した結
果、この細菌は過去に同じ工場から分離されており、こ
の細菌の栄養細胞はイソチアゾロンに感受性であること
がわかった。優占種が感受性菌であることから、原因は
抗菌剤が不適合なのではなく使用方法に問題があると推
定し、抗菌剤注入システムを見直した結果、注入ポンプ
の吐出量が約1/5に低下し、注入濃度が不足している
ことが判明した。防腐剤貯留タンク内の残存量からも注
入量低下が裏付けられたため、これが原因であると判断
し、デンプン糊槽を洗浄後、注入ポンプを新品に取り替
えて、再び運転を開始したところ上記現象が止まり、菌
数も元に戻った。
独自に構築した前記微生物検索データベースで検索した
ところ、全く同じ塩基配列を有する細菌が微生物番号2
675として登録されていた。そこでこの微生物番号を
検索キーとして抗菌剤検索データベースを検索した結
果、この細菌は過去に同じ工場から分離されており、こ
の細菌の栄養細胞はイソチアゾロンに感受性であること
がわかった。優占種が感受性菌であることから、原因は
抗菌剤が不適合なのではなく使用方法に問題があると推
定し、抗菌剤注入システムを見直した結果、注入ポンプ
の吐出量が約1/5に低下し、注入濃度が不足している
ことが判明した。防腐剤貯留タンク内の残存量からも注
入量低下が裏付けられたため、これが原因であると判断
し、デンプン糊槽を洗浄後、注入ポンプを新品に取り替
えて、再び運転を開始したところ上記現象が止まり、菌
数も元に戻った。
【0091】実施例6 《S製紙における糸状菌に対するスライムコントロール
剤選定例》酸性の新聞紙を抄造している長網マシンのス
ライムコントロールを、DBNPAとBBAB(1,4
−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテン)を主剤とす
る抗菌剤を併用して長期間にわたり行っていたところ、
マシン全体にカビを主体とするスライムが発生した。そ
こで、PYD培地を用いて糸状菌および酵母を選択的に
分離した。4日間培養して形跡されたコロニーは全て淡
い橙色を帯びた菌糸を有する直径5mmの糸状菌であっ
た。実施例1と同じ方法で8株の糸状菌を分離し、18S
rDNAによる微生物相の解析を行った。PCRプライマーお
よびシークエンシング用プライマーは、5'-GTAGTCATATG
CTTGTCTC-3'と5'-GGCTGCTGGCACCAGACTTGC-3'を用いた。
その結果、8株全てが、Chaetomium elatum(GenBankデ
ータベース:アクセッションナンバーM83257)と99.
2%の相同性を有する18S rDNAを持つ糸状菌であること
がわかった。
剤選定例》酸性の新聞紙を抄造している長網マシンのス
ライムコントロールを、DBNPAとBBAB(1,4
−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテン)を主剤とす
る抗菌剤を併用して長期間にわたり行っていたところ、
マシン全体にカビを主体とするスライムが発生した。そ
こで、PYD培地を用いて糸状菌および酵母を選択的に
分離した。4日間培養して形跡されたコロニーは全て淡
い橙色を帯びた菌糸を有する直径5mmの糸状菌であっ
た。実施例1と同じ方法で8株の糸状菌を分離し、18S
rDNAによる微生物相の解析を行った。PCRプライマーお
よびシークエンシング用プライマーは、5'-GTAGTCATATG
CTTGTCTC-3'と5'-GGCTGCTGGCACCAGACTTGC-3'を用いた。
その結果、8株全てが、Chaetomium elatum(GenBankデ
ータベース:アクセッションナンバーM83257)と99.
2%の相同性を有する18S rDNAを持つ糸状菌であること
がわかった。
【0092】Chaetomium elatumを検索キーとして抗菌
剤検索データベースで検索したところ、DBNPAおよ
びBBABに非感受性の糸状菌グループに属することが
わかった。このため、上記糸状菌に有効な抗菌剤を当マ
シンの環境条件において『最小有効濃度×価格』から判
断したところ、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオラン
−3−オン(以下ジチオール)を主剤とする抗菌剤であ
るとの結果を得た。そこで次の操業期間からは選定され
たBBABとジチオールを主剤とする抗菌剤を用いてス
ライムコントロールを行った。その結果、14日間の連
繰期間中、肉眼で識別できるスライムの発生がなくなっ
た。
剤検索データベースで検索したところ、DBNPAおよ
びBBABに非感受性の糸状菌グループに属することが
わかった。このため、上記糸状菌に有効な抗菌剤を当マ
シンの環境条件において『最小有効濃度×価格』から判
断したところ、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオラン
−3−オン(以下ジチオール)を主剤とする抗菌剤であ
るとの結果を得た。そこで次の操業期間からは選定され
たBBABとジチオールを主剤とする抗菌剤を用いてス
ライムコントロールを行った。その結果、14日間の連
繰期間中、肉眼で識別できるスライムの発生がなくなっ
た。
【0093】実施例7 《空調冷却水系におけるスライムコントロール剤選定
例》イソチアゾロンを包接して錠剤化した固形抗菌剤を
冷却水に浸漬することによりスライムコントロールを実
施しているN(株)管理棟の空調用冷却水系で顕著な細
菌スライムの発生が見られた。有機物濃度が低い系であ
ることから、培地で分離培養できない微生物の占有が大
きいと判断し、スライムから全DNAを抽出したのち、抽
出された全DNAを鋳型としてPCRを行うことにした。2m
L容量のスクリューキャップ付き微量遠心管を用い、耳
掻き一杯程度のスライムを1mLのDNA抽出用緩衝液
(100mM Tris−HCl、100mM EDT
A、100mM Na2HPO4+NaH2PO4、1.5
M NaCl、pH8.0)に懸濁し、2gの0.1m
mジルコニア/シリカビーズを加え、ビートビータを用
い最大出力で2分間ホモジナイズした。さらに凍結融解
を3回繰り返したのち、10mg/mL濃度のProteina
se K(生化学工業)を0.01mL添加して37℃で1
5分間反応を行った。さらに0.2mLの10%SDS
を添加し、混合後65℃で30分間放置した。
例》イソチアゾロンを包接して錠剤化した固形抗菌剤を
冷却水に浸漬することによりスライムコントロールを実
施しているN(株)管理棟の空調用冷却水系で顕著な細
菌スライムの発生が見られた。有機物濃度が低い系であ
ることから、培地で分離培養できない微生物の占有が大
きいと判断し、スライムから全DNAを抽出したのち、抽
出された全DNAを鋳型としてPCRを行うことにした。2m
L容量のスクリューキャップ付き微量遠心管を用い、耳
掻き一杯程度のスライムを1mLのDNA抽出用緩衝液
(100mM Tris−HCl、100mM EDT
A、100mM Na2HPO4+NaH2PO4、1.5
M NaCl、pH8.0)に懸濁し、2gの0.1m
mジルコニア/シリカビーズを加え、ビートビータを用
い最大出力で2分間ホモジナイズした。さらに凍結融解
を3回繰り返したのち、10mg/mL濃度のProteina
se K(生化学工業)を0.01mL添加して37℃で1
5分間反応を行った。さらに0.2mLの10%SDS
を添加し、混合後65℃で30分間放置した。
【0094】ビートビータで再度ホモジナイズ後、遠心
分離(10,000×g、10分間)で上清を回収し
た。等量のクロロホルムを加えてよく懸濁後、遠心分離
(10,000×g、10分間)を行い上清を回収し
た。0.6倍容量のイソプロパノールを加え混合後、3
0分間室温に置いたのち、遠心分離(10,000×
g、10分間)でDNAを回収した。DNAは70%エタノー
ルでリンス後、乾燥しTE緩衝液に懸濁した。PCRは実
施例1と同じ方法で行った。プライマーは、5'-GAGTTTG
ATCMTGGCTCAG-3'と5'-CAGCMGCCGCGGTAATWC-3'を用い
た。後者は5’末端をリン酸化したものを用い、およそ
500塩基対を増幅した。得られたPCR産物は、λエキ
ソヌクレアーゼで処理し、一本鎖DNAとした後、SSC
P法により解析を行った。すなわち、10%ポリアクリ
ルアミドゲルを用い、200V、20℃の低温条件で8
時間の電気泳動を行った。ゲルはGelStar(宝酒造株式
会社製、商標)で染色後、UVランプを照射してDNAの
バンドを確認した。およそ10本の独立したバンドが観
察されたが、著しく濃度の高い(すなわち量の多い)バ
ンドは検出されなかった。
分離(10,000×g、10分間)で上清を回収し
た。等量のクロロホルムを加えてよく懸濁後、遠心分離
(10,000×g、10分間)を行い上清を回収し
た。0.6倍容量のイソプロパノールを加え混合後、3
0分間室温に置いたのち、遠心分離(10,000×
g、10分間)でDNAを回収した。DNAは70%エタノー
ルでリンス後、乾燥しTE緩衝液に懸濁した。PCRは実
施例1と同じ方法で行った。プライマーは、5'-GAGTTTG
ATCMTGGCTCAG-3'と5'-CAGCMGCCGCGGTAATWC-3'を用い
た。後者は5’末端をリン酸化したものを用い、およそ
500塩基対を増幅した。得られたPCR産物は、λエキ
ソヌクレアーゼで処理し、一本鎖DNAとした後、SSC
P法により解析を行った。すなわち、10%ポリアクリ
ルアミドゲルを用い、200V、20℃の低温条件で8
時間の電気泳動を行った。ゲルはGelStar(宝酒造株式
会社製、商標)で染色後、UVランプを照射してDNAの
バンドを確認した。およそ10本の独立したバンドが観
察されたが、著しく濃度の高い(すなわち量の多い)バ
ンドは検出されなかった。
【0095】たまたま障害が発生する以前に採取され、
凍結保存されていた本冷却水系のスライムについても同
様の解析を行って比較した結果、バンドの数と位置およ
び濃度比に大きな違いは観察されず、障害発生の前後で
微生物相に変化は見られないことがわかった。検出され
たバンドのうち、最も濃度の濃いバンドからDNAを回収
し、塩基配列を決定した結果、Rubrivivax属の近縁種
(GenBankデータベース;アクセッションナンバーX8991
0)と95.8%の相同性を有する16S rDNAと、Sphingo
monas sp. (GenBankデータベース;アクセッションナ
ンバーAB023290)と99.5%の相同性を有する16S rD
NAであった。
凍結保存されていた本冷却水系のスライムについても同
様の解析を行って比較した結果、バンドの数と位置およ
び濃度比に大きな違いは観察されず、障害発生の前後で
微生物相に変化は見られないことがわかった。検出され
たバンドのうち、最も濃度の濃いバンドからDNAを回収
し、塩基配列を決定した結果、Rubrivivax属の近縁種
(GenBankデータベース;アクセッションナンバーX8991
0)と95.8%の相同性を有する16S rDNAと、Sphingo
monas sp. (GenBankデータベース;アクセッションナ
ンバーAB023290)と99.5%の相同性を有する16S rD
NAであった。
【0096】実施例1と同じ独自に構築した微生物検索
データベースを検索したところ、これらの16S rDNAはこ
れまでにも度々同冷却水系から分離されており、イソチ
アゾロン処理で顕著な障害を起こした事例はない。また
実施例1と同じ抗菌剤検索データベースを検索した結
果、Sphingomonas sp. はイソチアゾロンに感受性菌で
あることがわかった。これらの結果から抗菌剤の種類が
不適合なのではなく、使用方法に問題があると推定し、
運転日報を調べた結果、運転担当者がブロー水量を高め
に設定する変更を実施していた。これらのことからスラ
イム発生の原因は、冷却水系の滞留時間が設定値よりも
短くなり、イソチアゾロンの水中維持濃度が低下したた
めと判断された。そこでブロー水量を元の状態に戻した
結果、スライム発生は止まった。
データベースを検索したところ、これらの16S rDNAはこ
れまでにも度々同冷却水系から分離されており、イソチ
アゾロン処理で顕著な障害を起こした事例はない。また
実施例1と同じ抗菌剤検索データベースを検索した結
果、Sphingomonas sp. はイソチアゾロンに感受性菌で
あることがわかった。これらの結果から抗菌剤の種類が
不適合なのではなく、使用方法に問題があると推定し、
運転日報を調べた結果、運転担当者がブロー水量を高め
に設定する変更を実施していた。これらのことからスラ
イム発生の原因は、冷却水系の滞留時間が設定値よりも
短くなり、イソチアゾロンの水中維持濃度が低下したた
めと判断された。そこでブロー水量を元の状態に戻した
結果、スライム発生は止まった。
【0097】実施例8 《超純水製造工程のRO濃縮水側の抗菌剤処理例》H電
子の超純水製造工程のRO濃縮水側にスライムが発生
し、フラックス低下傾向が出てきた。スライムをDNA抽
出用緩衝液に懸濁後、グラスビーズを加えてホモジナイ
ズした。以下実施例7と同じ方法でDNAを抽出し、さら
にPCRにより全16S rDNAを調製した。16S rDNAは一本鎖
化後、SSCP法により解析を行った。その結果、5本
の独立したバンドが観察され、うち1本は全体の80%
の濃度を占めるものであった。このバンドの塩基配列を
決定した結果、Ralstonia eutropha(GenBank:アクセ
ッションナンバーD88000)と99.9%の相同性を有す
ることがわかった。
子の超純水製造工程のRO濃縮水側にスライムが発生
し、フラックス低下傾向が出てきた。スライムをDNA抽
出用緩衝液に懸濁後、グラスビーズを加えてホモジナイ
ズした。以下実施例7と同じ方法でDNAを抽出し、さら
にPCRにより全16S rDNAを調製した。16S rDNAは一本鎖
化後、SSCP法により解析を行った。その結果、5本
の独立したバンドが観察され、うち1本は全体の80%
の濃度を占めるものであった。このバンドの塩基配列を
決定した結果、Ralstonia eutropha(GenBank:アクセ
ッションナンバーD88000)と99.9%の相同性を有す
ることがわかった。
【0098】実施例1と同じ抗菌剤検索データベースに
は複数のRalstonia eutrophaが登録されており、今回分
離した16S rDNAと比較すると99.2〜99.7%の相
同性を有していた。この全てに対して最も有効な抗菌剤
を検索すると次亜塩素酸ナトリウムであった。しかし塩
素はRO膜に悪影響を与えることが分かっているので適
用できない。そこで抗菌剤検索データベースからROに
影響がなく、かつ上記微生物に有効な抗菌剤を再検索し
た結果、イソチアゾロン系抗菌剤がイソチアゾロンとし
て1.2〜1.5mg/Lで有効な使用実績のあること
が分かった。そこでRO膜内を一旦洗浄してから上記の
イソチアゾロン製剤を1.5mg/Lになるよう注入し
た。その結果、スライム発生がなくなった。
は複数のRalstonia eutrophaが登録されており、今回分
離した16S rDNAと比較すると99.2〜99.7%の相
同性を有していた。この全てに対して最も有効な抗菌剤
を検索すると次亜塩素酸ナトリウムであった。しかし塩
素はRO膜に悪影響を与えることが分かっているので適
用できない。そこで抗菌剤検索データベースからROに
影響がなく、かつ上記微生物に有効な抗菌剤を再検索し
た結果、イソチアゾロン系抗菌剤がイソチアゾロンとし
て1.2〜1.5mg/Lで有効な使用実績のあること
が分かった。そこでRO膜内を一旦洗浄してから上記の
イソチアゾロン製剤を1.5mg/Lになるよう注入し
た。その結果、スライム発生がなくなった。
【0099】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> KURITA WATER INDUSTRIES LTD. <120> Method for treating micoroorganisms with antimicrobial agents and monitoring effect of antimicrobial agents <130> KWI00095 <160> 8 <210> 1 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <222> (1)...(19) <223> primer <400> 1 gagtttgatc mtggctcag 19 <210> 2 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <222> (1)...(21) <223> primer <400> 2 acggytacct tgttacgact t 21 <210> 3 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <222> (1)...(19) <223> primer <400> 3 gagtttgatc mtggctcag 19 <210> 4 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <222> (1)...(18) <223> primer <400> 4 cagcmgccgc ggtaatwc 18 <210> 5 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <222> (1)...(19) <223> primer <400> 5 gtagtcatat gcttgtctc 19 <210> 6 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <222> (1)...(21) <223> primer <400> 6 ggctgctggc accagacttg c 21 <210> 7 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <222> (1)...(19) <223> primer <400> 7 gagtttgatc mtggctcag 19 <210> 8 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <222> (1)...(18) <223> primer <400> 8 cagcmgccgc ggtaatwc 18
【図1】本発明の抗菌処理方法を適用する製紙装置の系
統図である。
統図である。
【図2】本発明の抗菌処理方法における微生物相の解析
および抗菌剤の選定方法の一例を示すフローチャートで
ある。
および抗菌剤の選定方法の一例を示すフローチャートで
ある。
1 抄紙機 2 種箱 3 白水ピット 4 微生物相解析系 5 抗菌剤選定系 6 制御系 7a、7b・・・ 抗菌剤貯槽 11、13、14、17、23 連絡路 12 ポンプ 15 スクリーン装置 18 インレット 21 ワイヤー部 22 セーブーオール 24 排水路 27a、27b・・・ 薬注路 28a、28b・・・ ポンプ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年1月9日(2002.1.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】複数の微生物を同定する場合、塩基配列の
決定に先だって、RFLP法(Restriction Fragment L
ength Polymorphism:Moyerら、Applied and Environmen
talMicrobiology誌、62巻、2501〜2507ペー
ジ、1996年))によっておおまかに相違を調べるこ
ともできる。すなわち、各微生物のrDNAを各種の制限酵
素で完全に消化し、ポリアクリルアミドまたはアガロー
スゲル電気泳動で分離電気泳動し、DNA染色後のパター
ンの違いから区別することができる。
決定に先だって、RFLP法(Restriction Fragment L
ength Polymorphism:Moyerら、Applied and Environmen
talMicrobiology誌、62巻、2501〜2507ペー
ジ、1996年))によっておおまかに相違を調べるこ
ともできる。すなわち、各微生物のrDNAを各種の制限酵
素で完全に消化し、ポリアクリルアミドまたはアガロー
スゲル電気泳動で分離電気泳動し、DNA染色後のパター
ンの違いから区別することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】混合rDNAから個々の微生物のrDNAを分離す
る方法には一般に電気泳動が用いられるが、これにはい
くつかの方法が提案されている。例えば、DGGE法
(Denatured Gradient Gel Electrophoresis:Muyzer
ら、Applied and Environmental Microbiology誌、59
巻、695〜700ページ、1993年)、TGGE法
(Temperature Gradient Gel Electrophoresis:Eichner
ら、Applied and Environmental Microbiology誌、65
巻、102〜109ページ、1999年)、SSCP法
(Single Strand Conformational Polymorphism:Schwie
gerら、Applied andEnvironmental Microbiology誌、6
4巻、4870〜4876ページ、1998年)、TR
FLP法(Terminal Restriction Fragment Length Pol
ymorphism:Liuら、Applied and Environmental Microbi
ology誌、63巻、4516〜4522ページ、199
7年)、またはランダムクローニング法(Dunbarら、Ap
pliedand Environmental Microbiology誌、65巻、1
662〜1669ぺージ、1999年)などがあるが、
本発明の抗菌処理方法はこれらに限定されるものではな
い。
る方法には一般に電気泳動が用いられるが、これにはい
くつかの方法が提案されている。例えば、DGGE法
(Denatured Gradient Gel Electrophoresis:Muyzer
ら、Applied and Environmental Microbiology誌、59
巻、695〜700ページ、1993年)、TGGE法
(Temperature Gradient Gel Electrophoresis:Eichner
ら、Applied and Environmental Microbiology誌、65
巻、102〜109ページ、1999年)、SSCP法
(Single Strand Conformational Polymorphism:Schwie
gerら、Applied andEnvironmental Microbiology誌、6
4巻、4870〜4876ページ、1998年)、TR
FLP法(Terminal Restriction Fragment Length Pol
ymorphism:Liuら、Applied and Environmental Microbi
ology誌、63巻、4516〜4522ページ、199
7年)、またはランダムクローニング法(Dunbarら、Ap
pliedand Environmental Microbiology誌、65巻、1
662〜1669ぺージ、1999年)などがあるが、
本発明の抗菌処理方法はこれらに限定されるものではな
い。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】図1の装置では次のようにして紙が製造さ
れる。すなわち、連絡路11からパルプスラリーが種箱
2で流量調整されて導入され、ポンプ12により連絡路
13、14を通ってスクリーン装置15に送られ、夾雑
物が除かれた後、連絡路17からインレット18に送ら
れる。このパルプスラリーがインレット18から抄紙機
1のワイヤー部21上に供給される。ワイヤー部21を
通過した白水はセーブオール22で受けた後、連絡路2
3から白水ピット3に集められる。白水ピット3の白水
は、一部は連絡路14中でパルプスラリーと混合され、
循環使用される。残部は排水路24から排出される。ワ
イヤー部21上に形成された紙層は後工程の乾燥工程
(図示せず)などを経て紙製品とされる。
れる。すなわち、連絡路11からパルプスラリーが種箱
2で流量調整されて導入され、ポンプ12により連絡路
13、14を通ってスクリーン装置15に送られ、夾雑
物が除かれた後、連絡路17からインレット18に送ら
れる。このパルプスラリーがインレット18から抄紙機
1のワイヤー部21上に供給される。ワイヤー部21を
通過した白水はセーブオール22で受けた後、連絡路2
3から白水ピット3に集められる。白水ピット3の白水
は、一部は連絡路14中でパルプスラリーと混合され、
循環使用される。残部は排水路24から排出される。ワ
イヤー部21上に形成された紙層は後工程の乾燥工程
(図示せず)などを経て紙製品とされる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正内容】
【0073】実施例1 《実験室スライム試験装置による実験例》特開平9−7
5065号に記載されたトルク式スライム試験装置、す
なわち静止した外部シリンダと、この外部シリンダ内に
同軸的に設置された内部シリンダとを有し、外部シリン
ダと内部シリンダとの間に水を流通させるとともに内部
シリンダを回転させて内部シリンダ表面にスライムを成
長させるようにしたスライム試験装置を使用した。この
装置を滞留時間20分間となるように人工白水(組成:
溶性デンプン142mg/L、硫酸アンモニウム11.
6mg/L、pH7.0)を30℃で連続供給し、DB
NPA(ジブロモニトリロプロピオンアミド)を主剤と
するスライムコントロール剤を接触濃度2.5mg/L
で15分間、3回/日で間欠添加した。12日間運転後
にスライムが厚さ119μm発生したのでこれを採取
し、PY寒天培地(組成:ポリペプトン1g/L、酵母
エキス1g/L、NaCl 0.5g/L、寒天1.5
%、pH7.0)を用いて培養し、最大希釈の平板から
アトランダムに細菌24菌株を分離した。個々の分離菌
株を一白金耳採取し、1.5mL容量の微量遠心管に分
注した0.4mLのTE緩衝液(10mM Tris−
HCl、1mM EDTA、pH8.0)に懸濁した。
5065号に記載されたトルク式スライム試験装置、す
なわち静止した外部シリンダと、この外部シリンダ内に
同軸的に設置された内部シリンダとを有し、外部シリン
ダと内部シリンダとの間に水を流通させるとともに内部
シリンダを回転させて内部シリンダ表面にスライムを成
長させるようにしたスライム試験装置を使用した。この
装置を滞留時間20分間となるように人工白水(組成:
溶性デンプン142mg/L、硫酸アンモニウム11.
6mg/L、pH7.0)を30℃で連続供給し、DB
NPA(ジブロモニトリロプロピオンアミド)を主剤と
するスライムコントロール剤を接触濃度2.5mg/L
で15分間、3回/日で間欠添加した。12日間運転後
にスライムが厚さ119μm発生したのでこれを採取
し、PY寒天培地(組成:ポリペプトン1g/L、酵母
エキス1g/L、NaCl 0.5g/L、寒天1.5
%、pH7.0)を用いて培養し、最大希釈の平板から
アトランダムに細菌24菌株を分離した。個々の分離菌
株を一白金耳採取し、1.5mL容量の微量遠心管に分
注した0.4mLのTE緩衝液(10mM Tris−
HCl、1mM EDTA、pH8.0)に懸濁した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1 抄紙機 2 種箱 3 白水ピット 4 微生物相解析系 5 抗菌剤選定系 6 制御系 7a、7b・・・ 抗菌剤貯槽 11、13、14、17、23 連絡路 12 ポンプ 15 スクリーン装置 18 インレット 21 ワイヤー部 22 セーブオール 24 排水路 27a、27b・・・ 薬注路 28a、28b・・・ ポンプ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/566 33/566 G06F 17/30 170F G06F 17/30 170 17/60 106 17/60 106 C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 田代 博久 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4B024 AA11 CA04 CA11 FA18 HA19 4B063 QQ05 QQ42 QQ54 QR32 QR35 QR62 QS25 4H011 AA02 DD01 DF06 5B075 ND20 ND23 UU19
Claims (10)
- 【請求項1】 工業用抗菌剤を使用して抗菌処理する方
法において、 工業用抗菌剤を適用する対象系から微生物を含む試料を
採取し、 この試料の微生物相をDNAの塩基配列に基づいて解析
し、 微生物に対する工業用抗菌剤の有効濃度のデータが蓄積
されているデータベースを検索し、前記試料の微生物
相、優占微生物または特定微生物に対して有効濃度が入
力されている工業用抗菌剤を抽出し、この中から工業用
抗菌剤を選定して使用する抗菌処理方法。 - 【請求項2】 工業用抗菌剤を使用して抗菌処理する方
法において、 工業用抗菌剤を適用している対象系から、定期的または
任意の時点で、微生物を含む試料を採取し、 この試料の微生物相をDNAの塩基配列に基づいて解析
し、 この解析結果を前回の解析結果と比較して、微生物相の
変化から工業用抗菌剤効果の変化を監視し、工業用抗菌
剤に抵抗性を有する微生物の出現傾向が認められた場合
には、微生物に対する工業用抗菌剤の有効濃度のデータ
が蓄積されているデータベースを検索し、前記出現傾向
が認められた微生物に対して有効濃度が入力されている
工業用抗菌剤を抽出し、この中から工業用抗菌剤を選定
して使用する抗菌処理方法。 - 【請求項3】 データベースに蓄積されている微生物に
対する工業用抗菌剤の有効濃度のデータは、微生物毎に
培養試験から得られた有効濃度、処理実績から得られた
有効濃度、または文献から得られた有効濃度である請求
項1または2記載の抗菌処理方法。 - 【請求項4】 データベースは、微生物の生育に及ぼす
環境条件ごとに微生物に対する工業用抗菌剤の有効濃度
のデータが蓄積されており、指定された環境条件の中か
ら工業用抗菌剤を抽出するものである請求項1ないし3
のいずれかに記載の抗菌処理方法。 - 【請求項5】 微生物の生育に及ぼす環境条件がpH、
温度または対象系の種類である請求項4記載の抗菌処理
方法。 - 【請求項6】 データベースは、微生物の種類、工業用
抗菌剤の種類および有効濃度、微生物の生育に及ぼす環
境条件、ならびに処理実績の結果が追加、蓄積および修
正できるものである請求項1ないし5のいずれかに記載
の抗菌処理方法。 - 【請求項7】 データベースは、対象系に使用した工業
用抗菌剤の濃度および工業用抗菌剤使用前後の微生物相
の解析結果、ならびに処理実績の結果を入力すると、工
業用抗菌剤使用前後の微生物相の各微生物の量の差を演
算して記録し、この演算結果から各微生物に対して工業
用抗菌剤の濃度が有効であったか否かを判定して追加、
蓄積および修正できるものである請求項1ないし6のい
ずれかに記載の抗菌処理方法。 - 【請求項8】 データベースは、対象系に使用した工業
用抗菌剤の濃度および工業用抗菌剤使用前後の微生物相
の解析結果、ならびに処理実績の結果を入力すると、工
業用抗菌剤使用前後の微生物相の各微生物の量の差を演
算し、この演算結果から各微生物に対して工業用抗菌剤
の濃度が有効であったか否かを判定し、この処理実績か
ら得られる判定結果と、対象系に含まれる培養可能微生
物について培養試験した結果から得られる判定結果とを
比較し、処理実績における工業用抗菌剤の効力は培養試
験における効力に比べて過大、正常範囲内または過小の
いずれかであるかを判定して追加、蓄積および修正でき
るものである請求項1ないし7のいずれかに記載の抗菌
処理方法。 - 【請求項9】 工業用抗菌剤を使用している対象系にお
いて定期的または任意の時点で、対象系から微生物を含
む試料を採取し、 この試料の微生物相をDNAの塩基配列に基づいて解析
し、 この解析結果を前回の解析結果と比較して、微生物相の
変化から工業用抗菌剤効果の変化を監視する抗菌効果の
モニタリング方法。 - 【請求項10】 工業用抗菌剤を使用している対象系に
おいて定期的または任意の時点で、対象系から微生物を
含む試料を採取し、 この試料の微生物相をDNAの塩基配列に基づいて解析
し、 この解析結果を前回の解析結果と比較して、微生物相の
変化から工業用抗菌剤効果の変化を監視し、工業用抗菌
剤に抵抗性を有する微生物の出現傾向が認められた場合
には、工業用抗菌剤の再選定の判断をする抗菌効果のモ
ニタリング方法。
Priority Applications (8)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001001427A JP2002205902A (ja) | 2001-01-09 | 2001-01-09 | 抗菌処理方法および抗菌効果のモニタリング方法 |
| BRPI0206375-1A BRPI0206375B1 (pt) | 2001-01-09 | 2002-01-08 | Método para seleção de agente antimicrobiano e utilização do mesmo |
| PCT/JP2002/000012 WO2002054865A1 (en) | 2001-01-09 | 2002-01-08 | Method of selecting antimicrobial agent and method of using the same |
| EP02729372A EP1350431B1 (en) | 2001-01-09 | 2002-01-08 | Method of selecting antimicrobial agent and method of using the same |
| US10/466,016 US20040132095A1 (en) | 2001-01-09 | 2002-01-08 | Method of selecting antimicrobial agent and method of using the same |
| CNB028062574A CN1292652C (zh) | 2001-01-09 | 2002-01-08 | 抗菌剂的选定方法及其使用方法 |
| US11/640,755 US20070117140A1 (en) | 2001-01-09 | 2006-12-18 | Method for selecting antimicrobial agent and utilization thereof |
| US12/800,003 US20100227332A1 (en) | 2001-01-09 | 2010-05-06 | Method for selecting antimicrobial agent and utilization thereof |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001001427A JP2002205902A (ja) | 2001-01-09 | 2001-01-09 | 抗菌処理方法および抗菌効果のモニタリング方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002205902A true JP2002205902A (ja) | 2002-07-23 |
Family
ID=18870066
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001001427A Pending JP2002205902A (ja) | 2001-01-09 | 2001-01-09 | 抗菌処理方法および抗菌効果のモニタリング方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002205902A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006191922A (ja) * | 2004-12-15 | 2006-07-27 | Shimadzu Corp | 微生物菌種推定システム及び方法 |
| JP2008533319A (ja) * | 2005-03-17 | 2008-08-21 | アシュランド・ライセンシング・アンド・インテレクチュアル・プロパティー・エルエルシー | 白水系における堆積物の形成を測定及び調節する方法 |
| US7520960B2 (en) * | 2002-10-18 | 2009-04-21 | Yuen Foong Yu Paper Mfg. Co. Ltd. | Method for reducing slime production and mixture making the same |
| JP2018512163A (ja) * | 2015-04-15 | 2018-05-17 | エコラブ ユーエスエイ インク | プロセスサンプル中の微生物を評価するために使用される多様度及び生存度の閾値の決定のための方法 |
| JP2019189975A (ja) * | 2018-04-26 | 2019-10-31 | アクアス株式会社 | 製紙設備における殺菌剤の添加方法 |
| JP2022511399A (ja) * | 2019-03-14 | 2022-01-31 | 株式会社日立ハイテク | 薬剤感受性の検査方法 |
-
2001
- 2001-01-09 JP JP2001001427A patent/JP2002205902A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7520960B2 (en) * | 2002-10-18 | 2009-04-21 | Yuen Foong Yu Paper Mfg. Co. Ltd. | Method for reducing slime production and mixture making the same |
| JP2006191922A (ja) * | 2004-12-15 | 2006-07-27 | Shimadzu Corp | 微生物菌種推定システム及び方法 |
| JP2008533319A (ja) * | 2005-03-17 | 2008-08-21 | アシュランド・ライセンシング・アンド・インテレクチュアル・プロパティー・エルエルシー | 白水系における堆積物の形成を測定及び調節する方法 |
| JP2018512163A (ja) * | 2015-04-15 | 2018-05-17 | エコラブ ユーエスエイ インク | プロセスサンプル中の微生物を評価するために使用される多様度及び生存度の閾値の決定のための方法 |
| JP2019189975A (ja) * | 2018-04-26 | 2019-10-31 | アクアス株式会社 | 製紙設備における殺菌剤の添加方法 |
| JP7072436B2 (ja) | 2018-04-26 | 2022-05-20 | アクアス株式会社 | 製紙設備の環境臭気抑制方法、および、製紙工場の環境臭気抑制方法 |
| JP2022511399A (ja) * | 2019-03-14 | 2022-01-31 | 株式会社日立ハイテク | 薬剤感受性の検査方法 |
| JP7461935B2 (ja) | 2019-03-14 | 2024-04-04 | 株式会社日立ハイテク | 薬剤感受性の検査方法 |
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