JP2002204985A - 非静電回転塗装装置 - Google Patents

非静電回転塗装装置

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JP2002204985A JP2001000511A JP2001000511A JP2002204985A JP 2002204985 A JP2002204985 A JP 2002204985A JP 2001000511 A JP2001000511 A JP 2001000511A JP 2001000511 A JP2001000511 A JP 2001000511A JP 2002204985 A JP2002204985 A JP 2002204985A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の回転塗装装置は薄い塗膜を均一な厚さ
で形成することが困難であった。 【解決手段】 上端から供給された塗料が重力と遠心力
により内周面を伝って流下するように垂直または傾斜し
た姿勢で配置された塗料供給管6と、その塗料供給管の
下端に形成されたその塗料供給管と同心の円形のエッジ
7と、その塗料供給管を中心軸周りで回転させる駆動装
置(エアータービン9)とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗膜の薄い塗装に
適し、特に、細長い孔の内周面の塗装を好適に行うこと
ができる非静電回転塗装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液圧や空気圧を利用しないで、回
転力を用いて塗料を塗布する塗装装置としては、カップ
形等の回転体に静電気を印加させるようにした静電塗装
装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような静
電塗装装置は、塗膜の厚さを薄くすると塗料の供給が不
安定となって塗装ムラが生じやすいという課題があっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】このよう
な課題を解決するための手段として、請求項1に記載の
発明の非静電回転塗装装置は、上端から供給された塗料
が重力と遠心力により内周面を伝って流下するように垂
直または傾斜した姿勢で配置された塗料供給管と、その
塗料供給管の下端に形成されたその塗料供給管と同心の
円形のエッジと、その塗料供給管を中心軸周りで回転さ
せる駆動装置とからなるものであって、重力と遠心力に
より塗料供給管の内面を薄膜となって伝って流下する塗
料が塗料供給管の下端の円形のエッジから遠心力により
半径方向に放出され、空気との衝突により微粒化されて
被塗物に塗着するのであって、塗料を定量供給すること
ができるから、塗膜が薄く、かつ、均一な厚さの塗装を
行うことができ、特に、孔の内周面の塗装に好適であ
る。
【0005】請求項2の発明は、エッジの直径Dと塗料
供給管の外径dとの比D/dが0.8〜3.0であっ
て、エッジの直径が小さいから、小径の孔の内周面の塗
装に適する。
【0006】請求項3の発明は、D/dが実質的に1で
あるから、塗料供給管の下端を内周面からテーパーを付
して削ることにより、外周面の下端にエッジが形成され
るのであって、構造が簡単であるとともに、著しく小径
の孔の内周面に塗装を施すことができる。
【0007】請求項4の発明は、塗料供給管の最下端の
軸受の中心からエッジの中心までの距離LとDとの比L
/Dが1〜20であるから、細長い孔の内周面の塗装に
適する。
【0008】請求項5の発明は、L/Dが5〜15であ
って、曲げ剛性が比較的高いから、動的アンバランスに
よるエッジの振れを比較的小さく押さえることができ
る。
【0009】請求項6の発明は、エッジ付近に塗料との
親和力の小さい材料でコーティングを施したから、塗料
がエッジの外周からはじかれることにより、エッジの外
周に溜まってから断続的に放出されて塗装ムラが生じる
のが防止される。
【0010】請求項7の発明は、塗料供給管のエッジに
近い部分を除く部分に小間隙をあけて外筒を同心に配置
し、その外筒と塗料供給管との間から先端に向かう空気
を流すようにしたものであって、止まり孔の塗装の際
に、その突き当たり面にエッジが接近したときに空気を
流すことにより、塗料をその遠心力に抗して前方へ流
し、突き当たり面を塗装することができ、また、常時空
気を流すことにより、物品の外周面や平面を比較的狭い
幅で、かつ、薄い膜厚で均一に塗装することができる。
【0011】請求項8の発明は、塗料供給管の下端の外
周に、窪みを形成して、エッジの角度を鋭くしたから、
塗料の微粒化を促進することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1において、1は3方切替
弁であって、塗料流入管2と洗浄液流入管3とを交互に
吐出管4に連通させることができるようになっている。
【0013】なお、塗料流入管2には図示しない絞り弁
が介設されていて、流量を調節できるようになってい
る。
【0014】5は駆動装置本体であって、その中心に塗
料供給管6が上下2個の軸受8によって回転自由に垂直
に支持されている。
【0015】塗料供給管6の下端は内面に略45°の斜
面15を設けることによって尖ったエッジ7が形成され
ている。
【0016】塗料供給管6の上端にはエアータービン9
のローター10が固定され、ジェットノズル11から噴
出するエアーがローター10の翼に当たった後排気口1
2から排出されることによりローター10とこれに固定
された塗料供給管6が高速度で回転するようになってい
る。
【0017】駆動装置本体5の上面には、カバー13が
固定され、このカバー13に下向きに固定されたパイプ
14が塗料供給管6の中心孔に緊密に、かつ、相対的回
転自由に嵌入されており、このパイプ14が3方切替弁
1の吐出管4に連通している。
【0018】この実施の形態において中空体aの内周面
に塗装を施すには、エアータービン9により塗料供給管
6を回転させた状態にして、3方切替弁1の塗料流入管
2を吐出管4に連通させると、塗料は重力と遠心力によ
り塗料供給管6の内面を薄膜となって伝って流下し、下
端に達すると斜面15で広がった後にエッジ7から半径
方向に放出されて空気との衝突により微粒化し、中空体
aの内周面に塗着するのであって、中空体aを軸方向に
一定速度で動かすことにより内周面に均一な塗膜が形成
される。
【0019】被塗装物の重量が大きいときは塗装装置を
動かしてもよい。
【0020】塗装が終了した後や色替えの際には、3方
切替弁1の切り替えにより洗浄液を塗装装置に供給する
ことにより内部を洗浄する。
【0021】本実施の形態において、塗料供給管6の下
端の外周に、図2に示すように、窪み16を形成して、
エッジ7の角度を鋭くすることにより、塗料の微粒化を
促進することができる。
【0022】なお、塗料供給管6の先端部付近の外周面
に塗料との親和力の小さいテフロン(登録商標)等の材
料でコーティングを施すことにより、塗料がエッジ7の
外周からはじかれることにより、塗料がエッジ7の外周
に溜まってから断続的に放出されて塗装むらが生じるの
が防止される。
【0023】また、図3に示すように、塗料供給管6の
エッジ7付近を除く部分に小間隙をあけて外筒17を同
心に配置し、その外筒17と塗料供給管6との間から先
端に向かう空気を適時に流すようにして、止まり孔bの
突き当たり面cにエッジ7が接近したときに空気を流す
ことにより、塗料をその遠心力に抗して前方へ流し、突
き当て面cを塗装することができる。
【0024】なお、空気を常時ながすことにより、物品
の外周面や平面を塗装することができ、特に、平板を一
定幅で帯状に塗装するのに好適であり、塗膜が薄く均一
な厚さの塗装を施すことができる。
【0025】本実施の形態においては、図1に示すよう
に、エッジ7の直径Dと塗料供給管6の外径dが同一、
すなわち、D/dが1であるから、塗料供給管6が挿入
できる直径がdより少し大きい孔の内周面の塗装を行う
ことができるが、塗料供給管6の下端に大径部を形成し
てDを大きくすることにより、同一回転数でも遠心力を
大きくして塗料の微粒化を促進することができる。
【0026】しかしながら、D/dが3を越えると、小
径の孔の塗装が困難になるばかりでなく、動的なアンバ
ランスが生じやすいので、D/dは0.8〜3.0が好
ましい。
【0027】また、塗料供給管6の最下端の軸受8の中
心からエッジ7の中心までの距離Lとエッジ7の直径D
との比L/Dは、小さすぎると長めの孔の塗装が不能と
なり、大きすぎると動的なアンバランスが生じやすいの
で、1〜20が好ましく、より好ましくは5〜15であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非静電回転塗装装置の一実施の形態の
一部切欠正面図である。
【図2】塗料供給管の他の実施の形態の下端部の拡大断
面図である。
【図3】本発明のその他の実施の形態の下端部の拡大断
面図である。
【符号の説明】
6:塗料供給管 7:エッジ 9:エアータービン(駆動装置) 15:斜面 17:外筒

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上端から供給された塗料が重力と遠心力
    により内周面を伝って流下するように垂直または傾斜し
    た姿勢で配置された塗料供給管と、該塗料供給管の下端
    に形成された該塗料供給管と同心の円形のエッジと、該
    塗料供給管を中心軸周りで回転させる駆動装置とからな
    る非静電回転塗装装置。
  2. 【請求項2】 前記エッジの直径Dと前記塗料供給管の
    外径dとの比D/dが0.8〜3.0であることを特徴
    とする請求項1に記載の非静電回転塗装装置。
  3. 【請求項3】 前記D/dが実質的に1であることを特
    徴とする請求項2に記載の非静電回転塗装装置。
  4. 【請求項4】 前記塗料供給管の最下端の軸受の中心か
    ら前記エッジの中心までの距離Lと前記Dとの比L/D
    が1〜20であることを特徴とする請求項1、2または
    3に記載の非静電回転塗装装置。
  5. 【請求項5】 前記L/Dが5〜15であることを特徴
    とする請求項4に記載の非静電回転塗装装置。
  6. 【請求項6】 前記エッジ付近に塗料との親和力の小さ
    い材料でコーティングを施したことを特徴とする請求項
    1、2、3、4または5に記載の非静電回転塗装装置。
  7. 【請求項7】 前記塗料供給管の前記エッジに近い部分
    を除く部分に小間隙をあけて外筒を同心に配置し、該外
    筒と前記塗料供給管との間から先端に向かう空気流を流
    すようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5または6に記載の非静電回転塗装装置。
  8. 【請求項8】 前記塗料供給管の下端の外周に、窪みを
    形成して、エッジの角度を鋭くしたことを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5、6、または7に記載の非静電
    回転塗装装置。
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